JP2002031068A - スクロール圧縮機 - Google Patents
スクロール圧縮機Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 環状シール部材の高圧が加わる側に傾斜する
テーパ部を設け、テーパ部に加わる力を径方向と軸方向
に作用させ、環状シール部材とシール溝との隙間を密閉
し、高圧ガスが低圧側に漏れ出さず、圧縮機の体積効率
低下及びエネルギー消費効率の低下を抑えられる圧縮機
を提供する。 【解決手段】 メインフレーム10にシール溝12を設け、
シール溝12に環状シール部材11を配設し、環状シール部
材11により鏡板5a背面の内側と外側を、異なる圧力が作
用するように密封して仕切り、シール溝12上面と環状シ
ール部材11間に、環状シール部材11を旋回スクロール5
に押圧する弾性部材13を設け、環状シール部材11に圧力
の高圧が加わる内周側又は外周側のいずれか一方の上部
コーナ部に、上面が狭くなるように傾斜するテーパ部11
a を設け、シール溝12上部にテーパ部11a に相対向し平
行に傾斜する傾斜面12a を設け、傾斜面12a とテーパ部
11a 間に弾性部材13を設けた。
テーパ部を設け、テーパ部に加わる力を径方向と軸方向
に作用させ、環状シール部材とシール溝との隙間を密閉
し、高圧ガスが低圧側に漏れ出さず、圧縮機の体積効率
低下及びエネルギー消費効率の低下を抑えられる圧縮機
を提供する。 【解決手段】 メインフレーム10にシール溝12を設け、
シール溝12に環状シール部材11を配設し、環状シール部
材11により鏡板5a背面の内側と外側を、異なる圧力が作
用するように密封して仕切り、シール溝12上面と環状シ
ール部材11間に、環状シール部材11を旋回スクロール5
に押圧する弾性部材13を設け、環状シール部材11に圧力
の高圧が加わる内周側又は外周側のいずれか一方の上部
コーナ部に、上面が狭くなるように傾斜するテーパ部11
a を設け、シール溝12上部にテーパ部11a に相対向し平
行に傾斜する傾斜面12a を設け、傾斜面12a とテーパ部
11a 間に弾性部材13を設けた。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール圧縮機
に係り、詳しくは旋回スクロールの鏡板に二種類の圧力
を作用するように摺動自在に密封して仕切る環状シール
部材の構造に関する。
に係り、詳しくは旋回スクロールの鏡板に二種類の圧力
を作用するように摺動自在に密封して仕切る環状シール
部材の構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来のスクロール圧縮機には例えば、図
１、図２および図５に示すようなものがある。図におい
て、密閉容器１内に上下に電動機２と圧縮部３を配置
し、同圧縮部３を、鏡板4aに渦捲き状のラップ4bを有す
る固定スクロール４と、同じく鏡板5aに渦捲き状のラッ
プ5bを有する旋回スクロール５と、これら両ラップ4b,5
bを互いに内側に噛み合わせて形成した複数の圧縮室６
と、前記旋回スクロール５の自転を防止するオルダムリ
ング７と、前記旋回スクロール５を駆動するクランク軸
８を下端に形成したシャフト９と、同クランク軸８を軸
支するメインフレーム10と、前記旋回スクロール５の鏡
板5a背面に二種類の圧力を作用するように摺動自在に密
封して仕切る環状シール部材11' を設けてスクロール圧
縮機を構成している。
１、図２および図５に示すようなものがある。図におい
て、密閉容器１内に上下に電動機２と圧縮部３を配置
し、同圧縮部３を、鏡板4aに渦捲き状のラップ4bを有す
る固定スクロール４と、同じく鏡板5aに渦捲き状のラッ
プ5bを有する旋回スクロール５と、これら両ラップ4b,5
bを互いに内側に噛み合わせて形成した複数の圧縮室６
と、前記旋回スクロール５の自転を防止するオルダムリ
ング７と、前記旋回スクロール５を駆動するクランク軸
８を下端に形成したシャフト９と、同クランク軸８を軸
支するメインフレーム10と、前記旋回スクロール５の鏡
板5a背面に二種類の圧力を作用するように摺動自在に密
封して仕切る環状シール部材11' を設けてスクロール圧
縮機を構成している。
【０００３】前記旋回スクロール５の鏡板5aと前記メイ
ンフレーム10との圧接面の、同メインフレーム10側に環
状のシール溝12' を設け、同シール溝12' に前記環状シ
ール部材11' を嵌入する。前記シール溝12' の上面と前
記環状シール部材11' の上面間に、同環状シール部材1
1' を前記旋回スクロール５の鏡板5aに押圧するばね部
材13' を、リング部材14' を介して設けた構成となって
いる。
ンフレーム10との圧接面の、同メインフレーム10側に環
状のシール溝12' を設け、同シール溝12' に前記環状シ
ール部材11' を嵌入する。前記シール溝12' の上面と前
記環状シール部材11' の上面間に、同環状シール部材1
1' を前記旋回スクロール５の鏡板5aに押圧するばね部
材13' を、リング部材14' を介して設けた構成となって
いる。
【０００４】上記構成において、前記旋回スクロール５
の鏡板5a背面の中心側に圧縮部３の吐出圧力の高圧が作
用し、その外側に吐出圧力と吸入圧力との間の適当な中
間の低圧が作用するように前記環状シール部材11' によ
り仕切られる。図５に示すように、旋回スクロール５の
背面の圧力を区画するための環状シール部材11' は、旋
回スクロール５の背面の高圧ガスとばね部材13' の圧力
P2' （破線矢印）により、旋回スクロール５の背面方向
に働く力が作用する、また高圧ガスの圧力P1' （破線矢
印）によりシール溝12' の低圧側々面ｂ方向に押し付け
られる力が作用する。
の鏡板5a背面の中心側に圧縮部３の吐出圧力の高圧が作
用し、その外側に吐出圧力と吸入圧力との間の適当な中
間の低圧が作用するように前記環状シール部材11' によ
り仕切られる。図５に示すように、旋回スクロール５の
背面の圧力を区画するための環状シール部材11' は、旋
回スクロール５の背面の高圧ガスとばね部材13' の圧力
P2' （破線矢印）により、旋回スクロール５の背面方向
に働く力が作用する、また高圧ガスの圧力P1' （破線矢
印）によりシール溝12' の低圧側々面ｂ方向に押し付け
られる力が作用する。
【０００５】しかしながら、前記環状シール部材11' の
旋回スクロール５の背面方向への働きは拘束されていな
いため、旋回スクロール５の背面での圧力シールは確実
にされているものと考えられるが、環状シール部材11'
とシール溝12' での圧力シールは、環状シール部材11'
を押し広げなければ行われないため、高圧と低圧の差圧
量によっては環状シール部材11' を確実に押し広げるこ
とは困難である場合がある。この場合、環状シール部材
11' とシール溝12' の側面ｂとの隙間T'が広がり、この
隙間T'から高圧ガスが低圧ガス側に漏れ、一度径方向に
漏れが起きるとガス流路は安定的となり、常にガスが高
圧側から低圧側に漏れてしまい、圧縮機の体積効率低下
およびエネルギー消費効率（ＣＯＰ）の低下が生じる恐
れがある。
旋回スクロール５の背面方向への働きは拘束されていな
いため、旋回スクロール５の背面での圧力シールは確実
にされているものと考えられるが、環状シール部材11'
とシール溝12' での圧力シールは、環状シール部材11'
を押し広げなければ行われないため、高圧と低圧の差圧
量によっては環状シール部材11' を確実に押し広げるこ
とは困難である場合がある。この場合、環状シール部材
11' とシール溝12' の側面ｂとの隙間T'が広がり、この
隙間T'から高圧ガスが低圧ガス側に漏れ、一度径方向に
漏れが起きるとガス流路は安定的となり、常にガスが高
圧側から低圧側に漏れてしまい、圧縮機の体積効率低下
およびエネルギー消費効率（ＣＯＰ）の低下が生じる恐
れがある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みなされたもので、環状シール部材の高圧が加わる側
に傾斜するテーパ部を設け、このテーパ部に加わる力を
径方向と軸方向に作用させ、環状シール部材とシール溝
との隙間を密閉し、高圧ガスが低圧側に漏れ出さず、圧
縮機の体積効率低下およびエネルギー消費効率（ＣＯ
Ｐ）の低下を抑えることができるスクロール圧縮機を提
供することを目的としている。
鑑みなされたもので、環状シール部材の高圧が加わる側
に傾斜するテーパ部を設け、このテーパ部に加わる力を
径方向と軸方向に作用させ、環状シール部材とシール溝
との隙間を密閉し、高圧ガスが低圧側に漏れ出さず、圧
縮機の体積効率低下およびエネルギー消費効率（ＣＯ
Ｐ）の低下を抑えることができるスクロール圧縮機を提
供することを目的としている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するためなされたもので、密閉容器内に電動機と圧縮
部を配置し、同圧縮部を、鏡板に渦捲き状のラップを有
する固定スクロールと、同固定スクロールと互いに噛み
合わせて複数の圧縮室を形成する旋回スクロールと、同
旋回スクロールの自転を防止するオルダムリングと、前
記旋回スクロールを駆動するクランク軸と、このクラン
ク軸を支承するメインフレームと、同メインフレームに
設けられたシール溝と、このシール溝に配設された環状
シール部材とで構成し、同環状シール部材により前記旋
回スクロールの鏡板背面の内側と外側を、異なる圧力が
それぞれ作用するように摺動自在に密封して仕切るとと
もに、前記シール溝上面と前記環状シール部材間に、同
環状シール部材を前記旋回スクロールに押圧する弾性部
材を設けてなるスクロール圧縮機において、前記環状シ
ール部材に前記圧力の高圧が加わる内周側または外周側
のいずれか一方の上部コーナ部に、上面が狭くなるよう
に傾斜するテーパ部を設けるとともに、前記シール溝上
部に同テーパ部に相対向し互いに平行に傾斜する傾斜面
を設け、同傾斜面と前記テーパ部間に前記弾性部材を設
けた構成となっている。
決するためなされたもので、密閉容器内に電動機と圧縮
部を配置し、同圧縮部を、鏡板に渦捲き状のラップを有
する固定スクロールと、同固定スクロールと互いに噛み
合わせて複数の圧縮室を形成する旋回スクロールと、同
旋回スクロールの自転を防止するオルダムリングと、前
記旋回スクロールを駆動するクランク軸と、このクラン
ク軸を支承するメインフレームと、同メインフレームに
設けられたシール溝と、このシール溝に配設された環状
シール部材とで構成し、同環状シール部材により前記旋
回スクロールの鏡板背面の内側と外側を、異なる圧力が
それぞれ作用するように摺動自在に密封して仕切るとと
もに、前記シール溝上面と前記環状シール部材間に、同
環状シール部材を前記旋回スクロールに押圧する弾性部
材を設けてなるスクロール圧縮機において、前記環状シ
ール部材に前記圧力の高圧が加わる内周側または外周側
のいずれか一方の上部コーナ部に、上面が狭くなるよう
に傾斜するテーパ部を設けるとともに、前記シール溝上
部に同テーパ部に相対向し互いに平行に傾斜する傾斜面
を設け、同傾斜面と前記テーパ部間に前記弾性部材を設
けた構成となっている。
【０００８】また、前記テーパ部および傾斜面の傾斜角
度を変えることにより、前記環状シール部材の径方向お
よび軸方向の押付け力を調整してなる構成となってい
る。
度を変えることにより、前記環状シール部材の径方向お
よび軸方向の押付け力を調整してなる構成となってい
る。
【０００９】また、前記環状シール部材の内側に前記圧
力の高圧が加わる場合、前記環状シール部材の径方向に
切込みを設けた構成となっている。
力の高圧が加わる場合、前記環状シール部材の径方向に
切込みを設けた構成となっている。
【００１０】また、前記環状シール部材と前記弾性部材
間に板状の座金からなるリング部材を設けた構成となっ
ている。
間に板状の座金からなるリング部材を設けた構成となっ
ている。
【００１１】また、前記弾性部材にコイルばねまたは波
状の板ばねを用いた構成となっている。
状の板ばねを用いた構成となっている。
【００１２】また、前記環状シール部材に摺動性の良い
材料を用いた構成となっている。
材料を用いた構成となっている。
【００１３】また、前記電動機を収容する電動機室を圧
縮機の運転状況に応じて高圧または低圧に変更可能にし
てなる構成となっている。
縮機の運転状況に応じて高圧または低圧に変更可能にし
てなる構成となっている。
【００１４】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について添付
図面を参照して詳細に説明する。図１は本発明の一実施
例を示すスクロール圧縮機の概略断面図、図２は要部拡
大断面図で、図３は環状シール部材近傍を示す拡大断面
図である。図において、密閉容器１内に上下に電動機２
と圧縮部３を配置し、同圧縮部３を、鏡板4aに渦捲き状
のラップ4bを有する固定スクロール４と、同じく鏡板5a
に渦捲き状のラップ5bを有する旋回スクロール５と、こ
れら両ラップ4b,5b を互いに内側に噛み合わせて形成し
た複数の圧縮室６と、前記旋回スクロール５の自転を防
止するオルダムリング７と、前記旋回スクロール５を駆
動する下端にクランク軸８を形成したシャフト９と、こ
のクランク軸８を支承するメインフレーム10と、前記旋
回スクロール５の鏡板5a背面に、前記クランク軸８に設
けた偏心軸受部8aに係合して前記旋回スクロールを旋回
駆動する旋回駆動軸5cとで構成している。
図面を参照して詳細に説明する。図１は本発明の一実施
例を示すスクロール圧縮機の概略断面図、図２は要部拡
大断面図で、図３は環状シール部材近傍を示す拡大断面
図である。図において、密閉容器１内に上下に電動機２
と圧縮部３を配置し、同圧縮部３を、鏡板4aに渦捲き状
のラップ4bを有する固定スクロール４と、同じく鏡板5a
に渦捲き状のラップ5bを有する旋回スクロール５と、こ
れら両ラップ4b,5b を互いに内側に噛み合わせて形成し
た複数の圧縮室６と、前記旋回スクロール５の自転を防
止するオルダムリング７と、前記旋回スクロール５を駆
動する下端にクランク軸８を形成したシャフト９と、こ
のクランク軸８を支承するメインフレーム10と、前記旋
回スクロール５の鏡板5a背面に、前記クランク軸８に設
けた偏心軸受部8aに係合して前記旋回スクロールを旋回
駆動する旋回駆動軸5cとで構成している。
【００１５】前記旋回スクロール５の鏡板5aと前記メイ
ンフレーム10との圧接面の、同メインフレーム10側に環
状のシール溝12を設け、同シール溝12に前記旋回スクロ
ールの鏡板背面の内側と外側を、異なる圧力がそれぞれ
作用するように摺動自在に密封して仕切る環状シール部
材11を配設している。本発明の実施例においては図３に
示すように、前記旋回駆動軸5c側（鏡板5aの中心側）に
かかる内周側圧力より、鏡板5aの外側にかかる外周側圧
力が高い関係、即ち外周側圧力（高圧）＞内周側圧力
（低圧）となるようにしてある。
ンフレーム10との圧接面の、同メインフレーム10側に環
状のシール溝12を設け、同シール溝12に前記旋回スクロ
ールの鏡板背面の内側と外側を、異なる圧力がそれぞれ
作用するように摺動自在に密封して仕切る環状シール部
材11を配設している。本発明の実施例においては図３に
示すように、前記旋回駆動軸5c側（鏡板5aの中心側）に
かかる内周側圧力より、鏡板5aの外側にかかる外周側圧
力が高い関係、即ち外周側圧力（高圧）＞内周側圧力
（低圧）となるようにしてある。
【００１６】前記環状シール部材11の高圧が加わる内周
側または外周側のいずれか一方の上部コーナ部（本実施
例では外周側）に、上面が狭くなるように傾斜するテー
パ部11a を設けるとともに、前記シール溝12の上部に同
テーパ部11a に相対向し互いに平行に傾斜する傾斜面12
a を設けている。また、前記シール溝12の傾斜面12a と
前記環状シール部材11のテーパ部11a との間に、同環状
シール部材11を前記旋回スクロール５の鏡板5aおよび前
記シール溝12の一方の壁面側ａに押圧するコイルばねま
たは波状の板ばね等からなる弾性部材13を設けた構成と
なっている。
側または外周側のいずれか一方の上部コーナ部（本実施
例では外周側）に、上面が狭くなるように傾斜するテー
パ部11a を設けるとともに、前記シール溝12の上部に同
テーパ部11a に相対向し互いに平行に傾斜する傾斜面12
a を設けている。また、前記シール溝12の傾斜面12a と
前記環状シール部材11のテーパ部11a との間に、同環状
シール部材11を前記旋回スクロール５の鏡板5aおよび前
記シール溝12の一方の壁面側ａに押圧するコイルばねま
たは波状の板ばね等からなる弾性部材13を設けた構成と
なっている。
【００１７】上記構成において、前記環状シール部材11
のテーパ部11a には図３の矢印で示すように、弾性部材
13による力と高圧側から低圧側に向けた圧力差による力
の合成したベクトル方向の力Ｆが働く。こ力Ｆは前記環
状シール部材11を垂直方向（軸方向）へ押圧する力Fa
と、水平方向（径方向）へ押圧する力Fdにそれぞれ分力
されて作用して働く。
のテーパ部11a には図３の矢印で示すように、弾性部材
13による力と高圧側から低圧側に向けた圧力差による力
の合成したベクトル方向の力Ｆが働く。こ力Ｆは前記環
状シール部材11を垂直方向（軸方向）へ押圧する力Fa
と、水平方向（径方向）へ押圧する力Fdにそれぞれ分力
されて作用して働く。
【００１８】この結果、前記環状シール部材11と前記旋
回スクロール５の鏡板5aとがシールされるとともに、前
記環状シール部材11と前記シール溝12の低圧側壁面ａも
同時にシールされるため、環状シール部材11の径方向お
よび軸方向ともに安定的に密封性が向上し、環状シール
部分のガス漏れによる圧縮機の体積効率の低下およびエ
ネルギー消費効率（ＣＯＰ）の低下を抑えることができ
るスクロール圧縮機となる。
回スクロール５の鏡板5aとがシールされるとともに、前
記環状シール部材11と前記シール溝12の低圧側壁面ａも
同時にシールされるため、環状シール部材11の径方向お
よび軸方向ともに安定的に密封性が向上し、環状シール
部分のガス漏れによる圧縮機の体積効率の低下およびエ
ネルギー消費効率（ＣＯＰ）の低下を抑えることができ
るスクロール圧縮機となる。
【００１９】図４（Ａ）および（Ｂ）は本発明による他
の実施例を示すもので、（Ａ）は前記旋回駆動軸5c側の
内周側圧力が高圧、外周側圧力が低圧で表わしたもの
で、前記テーパ部11a および傾斜面12a の傾斜角度θを
変えることにより、前記環状シール部材11の軸方向の押
付け力Faおよび径方向の押付け力Fdを調整できる状態を
示している。即ち、力FaはFa=Sinθ、力FdはFd=Cosθで
表わされる。また、前記環状シール部材11と前記弾性部
材13との間に板状の座金からなるリング部材14を設けた
構成とすることにより、弾性部材13の押圧力を前記テー
パ部11a に平均的に付加することができ、安定して押圧
できる。
の実施例を示すもので、（Ａ）は前記旋回駆動軸5c側の
内周側圧力が高圧、外周側圧力が低圧で表わしたもの
で、前記テーパ部11a および傾斜面12a の傾斜角度θを
変えることにより、前記環状シール部材11の軸方向の押
付け力Faおよび径方向の押付け力Fdを調整できる状態を
示している。即ち、力FaはFa=Sinθ、力FdはFd=Cosθで
表わされる。また、前記環状シール部材11と前記弾性部
材13との間に板状の座金からなるリング部材14を設けた
構成とすることにより、弾性部材13の押圧力を前記テー
パ部11a に平均的に付加することができ、安定して押圧
できる。
【００２０】図４（Ｂ）は前記環状シール部材11の内周
側圧力が高圧の場合、前記環状シール部材11の径方向に
切込み11b を設けた構成とすることにより、環状シール
部材11が内周側から外周側へ変形しやすくなり、前記環
状シール部材11と前記シール溝12の低圧側壁面ａシール
をより強くすることができる。なお、前記環状シール部
材11に比較的軟らかく摺動性の良いＰＴＦＥ（四フッ化
エチレン）などの材料を用いることにより、変形しやす
くシール性を容易に増すことができる。
側圧力が高圧の場合、前記環状シール部材11の径方向に
切込み11b を設けた構成とすることにより、環状シール
部材11が内周側から外周側へ変形しやすくなり、前記環
状シール部材11と前記シール溝12の低圧側壁面ａシール
をより強くすることができる。なお、前記環状シール部
材11に比較的軟らかく摺動性の良いＰＴＦＥ（四フッ化
エチレン）などの材料を用いることにより、変形しやす
くシール性を容易に増すことができる。
【００２１】以上に説明したように、前記環状シール部
材11に前記圧力の高圧が加わる内周側または外周側のい
ずれか一方の上部コーナ部に、上面が狭くなるように傾
斜するテーパ部11a を設けるとともに、前記シール溝12
上部に同テーパ部11a に相対向し互いに平行に傾斜する
傾斜面12a を設け、同傾斜面12a と前記テーパ部11a間
に前記弾性部材13を設けた構成とすることにより、環状
シール部材11の径方向および軸方向ともに安定的に密封
性が向上し、環状シール部分のガス漏れによる圧縮機の
体積効率の低下およびエネルギー消費効率（ＣＯＰ）の
低下を抑えることができるスクロール圧縮機となる。
材11に前記圧力の高圧が加わる内周側または外周側のい
ずれか一方の上部コーナ部に、上面が狭くなるように傾
斜するテーパ部11a を設けるとともに、前記シール溝12
上部に同テーパ部11a に相対向し互いに平行に傾斜する
傾斜面12a を設け、同傾斜面12a と前記テーパ部11a間
に前記弾性部材13を設けた構成とすることにより、環状
シール部材11の径方向および軸方向ともに安定的に密封
性が向上し、環状シール部分のガス漏れによる圧縮機の
体積効率の低下およびエネルギー消費効率（ＣＯＰ）の
低下を抑えることができるスクロール圧縮機となる。
【００２２】
【発明の効果】以上のように本発明においては、環状シ
ール部材の圧力の高圧が加わる内周側または外周側のい
ずれか一方の上部コーナ部に、上面が狭くなるように傾
斜するテーパ部を設けるとともに、シール溝上部に同テ
ーパ部に相対向し互いに平行に傾斜する傾斜面を設け、
同傾斜面とテーパ部間に弾性部材を設けた構成とするこ
とにより、環状シール部材の径方向および軸方向ともに
安定的に密封性が向上し、環状シール部分のガス漏れに
よる圧縮機の体積効率の低下およびエネルギー消費効率
（ＣＯＰ）の低下を抑えることができるスクロール圧縮
機となる。
ール部材の圧力の高圧が加わる内周側または外周側のい
ずれか一方の上部コーナ部に、上面が狭くなるように傾
斜するテーパ部を設けるとともに、シール溝上部に同テ
ーパ部に相対向し互いに平行に傾斜する傾斜面を設け、
同傾斜面とテーパ部間に弾性部材を設けた構成とするこ
とにより、環状シール部材の径方向および軸方向ともに
安定的に密封性が向上し、環状シール部分のガス漏れに
よる圧縮機の体積効率の低下およびエネルギー消費効率
（ＣＯＰ）の低下を抑えることができるスクロール圧縮
機となる。
【図１】本発明および従来例を示すスクロール圧縮機の
縦断面図である。
縦断面図である。
【図２】本発明および従来例を示すスクロール圧縮機の
要部拡大断面図である。
要部拡大断面図である。
【図３】本発明の実施例による要部拡大断面図である。
【図４】本発明の他の実施例を示すもので、（Ａ）は要
部拡大断面図、（Ｂ）は環状シール部材を示す斜視図で
ある。
部拡大断面図、（Ｂ）は環状シール部材を示す斜視図で
ある。
【図５】従来例による要部拡大断面図である。
１ 密閉容器 ２ 電動機 ３ 圧縮部 ４ 固定スクロール 4a 固定鏡板 4b 固定スクロールラップ ５ 旋回スクロール 5a 旋回鏡板 5b 旋回スクロールラップ 5c 旋回駆動軸 ６ 圧縮室 ７ オルダムリング ８ クランク軸 ９ シャフト 10 メインフレーム 11 環状シール部材 11a テーパ部 11b 切込み 12 シール溝 12a 傾斜面 13 弾性部材 14 リング部材
Claims (7)
- 【請求項１】 密閉容器内に電動機と圧縮部を配置し、
同圧縮部を、鏡板に渦捲き状のラップを有する固定スク
ロールと、同固定スクロールと互いに噛み合わせて複数
の圧縮室を形成する旋回スクロールと、同旋回スクロー
ルの自転を防止するオルダムリングと、前記旋回スクロ
ールを駆動するクランク軸と、このクランク軸を支承す
るメインフレームと、同メインフレームに設けられたシ
ール溝と、このシール溝に配設された環状シール部材と
で構成し、同環状シール部材により前記旋回スクロール
の鏡板背面の内側と外側を、異なる圧力がそれぞれ作用
するように摺動自在に密封して仕切るとともに、前記シ
ール溝上面と前記環状シール部材間に、同環状シール部
材を前記旋回スクロールに押圧する弾性部材を設けてな
るスクロール圧縮機において、 前記環状シール部材に前記圧力の高圧が加わる内周側ま
たは外周側のいずれか一方の上部コーナ部に、上面が狭
くなるように傾斜するテーパ部を設けるとともに、前記
シール溝上部に同テーパ部に相対向し互いに平行に傾斜
する傾斜面を設け、同傾斜面と前記テーパ部間に前記弾
性部材を設けてなることを特徴とするスクロール圧縮
機。 - 【請求項２】 前記テーパ部および傾斜面の傾斜角度を
変えることにより、前記環状シール部材の径方向および
軸方向の押付け力を調整してなることを特徴とする請求
項１記載のスクロール圧縮機。 - 【請求項３】 前記環状シール部材の内側に前記圧力の
高圧が加わる場合、前記環状シール部材の径方向に切込
みを設けてなることを特徴とする請求項１記載のスクロ
ール圧縮機。 - 【請求項４】 前記環状シール部材と前記弾性部材間に
板状の座金からなるリング部材を設けてなることを特徴
とする請求項１記載のスクロール圧縮機。 - 【請求項５】 前記弾性部材にコイルばねまたは波状の
板ばねを用いてなることを特徴とする請求項１記載のス
クロール圧縮機。 - 【請求項６】 前記環状シール部材に摺動性の良い材料
を用いてなることを特徴とする請求項１記載のスクロー
ル圧縮機。 - 【請求項７】 前記電動機を収容する電動機室を圧縮機
の運転状況に応じて高圧または低圧に変更可能にしてな
ることを特徴とする請求項１記載のスクロール圧縮機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000218238A JP2002031068A (ja) | 2000-07-19 | 2000-07-19 | スクロール圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000218238A JP2002031068A (ja) | 2000-07-19 | 2000-07-19 | スクロール圧縮機 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002031068A true JP2002031068A (ja) | 2002-01-31 |
Family
ID=18713212
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000218238A Pending JP2002031068A (ja) | 2000-07-19 | 2000-07-19 | スクロール圧縮機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002031068A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106979158A (zh) * | 2016-01-18 | 2017-07-25 | 艾默生环境优化技术(苏州)有限公司 | 密封组件和包括该密封组件的涡旋压缩机 |
-
2000
- 2000-07-19 JP JP2000218238A patent/JP2002031068A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106979158A (zh) * | 2016-01-18 | 2017-07-25 | 艾默生环境优化技术(苏州)有限公司 | 密封组件和包括该密封组件的涡旋压缩机 |
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