JP2002021750A - 可変容量型ポンプ - Google Patents

可変容量型ポンプ

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JP2002021750A
JP2002021750A JP2000210500A JP2000210500A JP2002021750A JP 2002021750 A JP2002021750 A JP 2002021750A JP 2000210500 A JP2000210500 A JP 2000210500A JP 2000210500 A JP2000210500 A JP 2000210500A JP 2002021750 A JP2002021750 A JP 2002021750A
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valve
pump
fluid pressure
chamber
hole
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JP2000210500A
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Norio Kikuchi
典夫 菊地
Makoto Watanabe
渡辺  誠
Morihito Chottogi
守仁 一寸木
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Showa Corp
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Showa Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パイロット作動型リリーフ弁を備える可変容
量型ポンプにおいて、リリーフ時のシュー音の発生を防
止すること。 【解決手段】 可変容量型ポンプ10において、ポンプ
吐出側での過大流体圧をリリーフするリリーフ弁70を
有するに際し、リリーフ弁70の弁シート72のボール
受面72Bをテーパ面とするとともに、スプリング押え
74のボール押面74Aの周辺をテーパ面とするもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車のパワーステ
アリング装置等に用いられる可変容量型ポンプに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の油圧パワーステアリング
装置で操舵力をアシストするために、特開平8-200239号
公報に記載の如くの可変容量型ポンプが提案されてい
る。この従来の可変容量型ポンプは、自動車のエンジン
で直接回転駆動されるものであり、ポンプケーシングに
嵌装したアダプタリングに移動変位可能に嵌装されたカ
ムリング内にロータを設け、カムリングとロータの外周
部との間にポンプ室を形成している。
【0003】そして、この従来技術では、カムリングを
アダプタリング内で移動変位可能とし、且つポンプ室の
容積が最大となるような付勢力をばねによりカムリング
に付与するとともに、カムリングとアダプタリングとの
間に第1と第2の流体圧室を分割形成し、ポンプ室から
の圧力流体の吐出流量に応じて両流体圧室への供給流体
圧を制御することによりカムリングを移動させる切換弁
を有し、結果として、ポンプ室の容積を変化させてポン
プ室からの吐出流量を制御する。これにより、この可変
容量型ポンプでは、回転数が低い自動車の停車時や低速
走行時には大きな操舵アシスト力が得られるように吐出
流量を大とし、回転数の高い高速走行時には操舵アシス
ト力を小さくするように吐出流量を一定量以下に制御
し、パワーステアリング装置に要求される操舵アシスト
力を発生可能としている。
【0004】また、この従来技術では、パワーステアリ
ング装置における操舵の据え切り状態が持続する等によ
り、ポンプ吐出側での流体圧が過大になると、これをリ
リーフする直動型リリーフ弁をポンプ吐出側通路に設け
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然るに、本出願人は、
特願2000-72978により、可変容量型ポンプにおいて、ポ
ンプ吐出側での過大流体圧をリリーフするに際し、使用
条件(回転数、油温)が変化しても安定したリリーフ圧
を設定することを目的し、前述のリリーフ弁をパイロッ
ト作動型のリリーフ弁とするものを提案している。この
パイロット作動型リリーフ弁は、流体圧をリリーフする
ための軸孔が形成されるとともに該軸孔に交差するリリ
ーフ孔が形成されてポンプケーシングの弁格納孔に摺動
可能に設けられる主弁と、主弁の軸孔の流入側開口端に
挿着されて該軸孔の内外を連通する連通孔を備えるとと
もに該連通孔の流出側端にボール受面が形成された弁シ
ートと、主弁の軸孔に移動可能に設けられていて弁シー
トに当接可能とされるボールと、主弁の軸孔に設けられ
ていてスプリングにバックアップされる状態でボールを
弁シートに押圧するボール押面を備えたスプリング押え
とを有し、更に弁格納孔の主弁に対する反弁シート挿着
端側に定めた第1弁室には前記ポンプ吐出側通路に設け
たメータリングオリフィスの上流側の流体圧を印加し、
弁格納孔の主弁に対する弁シート挿着端側に定めた第2
弁室には該メータリングオリフィスの下流側の流体圧を
印加してなり、しかも前述の切換弁をこのリリーフ弁の
主弁とするものである。
【0006】特願2000-72978のパイロット作動型リリー
フ弁は、パワーステアリング装置による操舵の据え切り
時に、ポンプ吐出側での流体圧が過大になり、メータリ
ングオリフィスの下流側の吐出通路につながっている第
2弁室の流体圧がリリーフ設定圧に達すると、第2弁室
の流体圧がボールをスプリングに抗して開動作せしめ
る。これにより、第2弁室の流体圧をリリーフ孔からリ
リーフし、このリリーフによる第2弁室の流体圧の低減
状態下で、主弁を第1弁室の流体圧により開動作させて
第1弁室の流体圧をリリーフし、結果としてポンプ吐出
側の過大流体圧をリリーフする。
【0007】然しながら、特願2000-72978のパイロット
作動型リリーフ弁では、第2弁室の流体圧が高圧にな
り、ボール、スプリング押えが主弁の軸孔内を移動し、
第2弁室の流体圧がリリーフ孔から流出するとき、耳障
りなシュー音を発生する。
【0008】本発明の課題は、パイロット作動型リリー
フ弁を備える可変容量型ポンプにおいて、リリーフ時の
シュー音の発生を防止することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ポン
プケーシングに挿入されるポンプ軸に固定して回転駆動
されるとともに、多数のベーンを溝に収容して半径方向
に移動可能としてなるロータと、ポンプケーシングの嵌
装孔に嵌装されるアダプタリングと、アダプタリングに
嵌装され、ロータの外周部との間にポンプ室を形成する
とともに、アダプタリング内で移動変位可能とし、カム
リングとアダプタリングとの間に第1と第2の流体圧室
を分割形成するカムリングと、ポンプ吐出側通路に設け
たメータリングオリフィスの上、下流側の圧力差によっ
て作動し、ポンプ室からの圧力流体の吐出流量に応じて
第1と第2の流体圧室への供給流体圧を制御することに
より、カムリングを移動させてポンプ室の容積を変化さ
せ、ポンプ室からの吐出流量を制御可能とする切換弁
と、ポンプ吐出側での過大流体圧をリリーフするリリー
フ弁とを有してなる可変容量型ポンプにおいて、前記リ
リーフ弁が、流体圧をリリーフするための軸孔が形成さ
れるとともに該軸孔に交差するリリーフ孔が形成されて
ポンプケーシングの弁格納孔に摺動可能に設けられる主
弁と、主弁の軸孔の流入側開口端に挿着されて該軸孔の
内外を連通する連通孔を備えるとともに該連通孔の流出
側端にボール受面が形成された弁シートと、主弁の軸孔
に移動可能に設けられていて弁シートに当接可能とされ
るボールと、主弁の軸孔に設けられていてスプリングに
バックアップされる状態でボールを弁シートに押圧する
ボール押面を備えたスプリング押えとを有し、更に弁格
納孔の主弁に対する反弁シート挿着端側に定めた第1弁
室には前記ポンプ吐出側通路に設けたメータリングオリ
フィスの上流側の流体圧を印加し、弁格納孔の主弁に対
する弁シート挿着端側に定めた第2弁室には該メータリ
ングオリフィスの下流側の流体圧を印加してなり、前記
リリーフ弁の弁シートのボール受面を前記連通孔の軸方
向で流体が流出する方向に向けて拡開するテーパ面と
し、且つスプリング押えのボール押面の周辺を該スプリ
ング押えの軸方向で反ボール押圧方向に向けて拡開する
テーパ面としてなるようにしたものである。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て更に、前記ボールの直径を3.97mm、弁シートの連通孔
の孔径を3.5mmとするようにしたものである。
【0011】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明
において更に、前記リリーフ弁の主弁を、前記切換弁に
より構成するようにしたものである。
【0012】
【作用】請求項1、2の発明によれば下記の作用があ
る。 リリーフ弁の弁シートのボール受面を該弁シートの連
通孔の軸方向で流体が流出する方向に向けて拡開するテ
ーパ面とし、且つスプリング押えのボール押面の周辺を
該スプリング押えの軸方向で反ボール押圧方向に向けて
拡開するテーパ面とすることにより、リリーフ時のシュ
ー音の発生を低減できた。リリーフ時のエアの巻込みを
抑制できたこと等によるものと考えられる。
【0013】請求項3の発明によれば下記の作用があ
る。 リリーフ弁の主弁が、カムリングを移動制御するため
の切換弁により構成された。従って、ポンプケーシング
の通路構成の簡素、小型化を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は可変容量型ポンプを示す断
面図、図2は図1のII-II 線に沿う断面図、図3は図1
のIII-III 線に沿う断面図、図4は図2のIV-IV 線に沿
う断面図、図5は可変容量型ポンプの油圧回路図、図6
はリリーフ弁を示す断面図、図7は弁シートを示す断面
図である。
【0015】可変容量型ポンプ10は、自動車の油圧パ
ワーステアリング装置の油圧発生源となるベーンポンプ
であり、図1〜図3に示す如く、ポンプケーシング11
に挿入されるポンプ軸12にセレーションにより固定さ
れて回転駆動されるロータ13を有している。ポンプケ
ーシング11は、ポンプハウジング11Aとカバー11
Bをボルト14で一体化して構成され、軸受15A〜1
5Cを介してポンプ軸12を支持している。ポンプ軸1
2は、自動車のエンジンで直接回転駆動可能とされてい
る。
【0016】ロータ13は周方向の多数位置のそれぞれ
に設けた溝16にベーン17を収容し、各ベーン17を
溝16に沿う半径方向に移動可能としている。
【0017】ポンプケーシング11のポンプハウジング
11Aの嵌装孔20には、プレッシャプレート18、ア
ダプタリング19が積層状態で嵌着され、これらは後述
する支点ピン21によって周方向に位置決めされた状態
でカバー11Bにより側方から固定保持されている。支
点ピン21の一端はカバー11Bに装着固定されてい
る。
【0018】ポンプケーシング11のポンプハウジング
11Aに固定されている上述のアダプタリング19には
カムリング22が嵌装されている。カムリング22は、
ロータ13とある偏心量をもってロータ13を囲み、プ
レッシャプレート18とカバー11Bの間で、ロータ1
3の外周部との間にポンプ室23を形成する。そして、
ポンプ室23のロータ回転方向上流側の吸込領域には、
カバー11Bに設けた吸込ポート24が開口し、この吸
込ポート24にはハウジング11A、カバー11Bに設
けた吸込通路25A、25Bを介してポンプ10の吸込
口26が連通せしめられている。他方、ポンプ室23の
ロータ回転方向下流側の吐出領域には、プレッシャプレ
ート18に設けた吐出ポート27が開口し、この吐出ポ
ート27にはハウジング11Aに設けた高圧力室28
A、吐出通路28Bを介してポンプ10の吐出口29が
連通せしめられている。
【0019】これにより、可変容量型ポンプ10にあっ
ては、ポンプ軸12によってロータ13を回転駆動し、
ロータ13のベーン17が遠心力でカムリング22に押
し付けられて回転するとき、ポンプ室23のロータ回転
方向上流側では隣り合うベーン17間とカムリング22
とが囲む容積を回転とともに拡大して作動流体を吸込ポ
ート24から吸込み、ポンプ室23のロータ回転方向下
流側では隣り合うベーン17間とカムリング22とが囲
む容積を回転とともに減縮して作動流体を吐出ポート2
7から吐出する。
【0020】然るに、可変容量型ポンプ10は、吐出流
量制御装置40を有している。吐出流量制御装置40
は、ポンプケーシング11に固定されている上述のアダ
プタリング19の鉛直最下部に前述の支点ピン21を載
置し、カムリング22の鉛直最下部をこの支点ピン21
に支持し、カムリング22をアダプタリング19内で揺
動変位可能としている。
【0021】そして、吐出流量制御装置40は、ポンプ
ケーシング11を構成するポンプハウジング11Aに設
けたばね室41に納めたスプリング42を、アダプタリ
ング19に設けたばね孔19Aに貫通させてカムリング
22の外周部に圧接せしめることにより、ポンプ室23
の容積が最大となるような付勢力をカムリング22に付
与可能としている。スプリング42は、ばね室41の開
口部に螺着されるキャップ41Aによりバックアップさ
れる。尚、アダプタリング19は後述する第2流体圧室
44Bを形成する内周部の一部にカムリング移動規制ス
トッパ19Bを凸状形成され、後述するようにポンプ室
23の容積を最小とするカムリング22の移動限を規制
可能としている。また、アダプタリング19は後述する
第1流体圧室44Aを形成する内周部の一部にカムリン
グ移動規制ストッパ19Cを凸状形成され、後述するよ
うにポンプ室23の容積を最大とするカムリング22の
移動限を規制可能としている。
【0022】また、吐出流量制御装置40は、カムリン
グ22とアダプタリング19との間に第1と第2の流体
圧室44A、44Bを分割形成している。即ち、第1流
体圧室44Aと第2流体圧室44Bは、カムリング22
とアダプタリング19の間で、支点ピン21と、その軸
対称位置に設けたシール材45とで分割される。このと
き、第1と第2の流体圧室44A、44Bは、カムリン
グ22とアダプタリング19の間の両側方をカバー11
Bとプレッシャプレート18により区画され、アダプタ
リング19の前述したカムリング移動規制ストッパ19
B、19Cにカムリング22が衝合したときに、ストッ
パ19Cの両側に分離される第1流体圧室44A同士を
連絡する連絡溝18A、ストッパ19Bの両側に分離さ
れる第2流体圧室44B同士を連絡する連絡溝18Bを
プレッシャプレート18に備える。
【0023】ここで、前述したポンプ10の吐出経路に
おいて、ポンプ室23から吐出されてプレッシャプレー
ト18の吐出ポート27からポンプハウジング11Aの
高圧力室28Aに送出された圧力流体は、プレッシャプ
レート18に穿設したメータリングオリフィス46から
上述の第2の流体圧室44B、アダプタリング19を貫
通している前述のばね室41、更にポンプハウジング1
1Aの嵌装孔20に切欠形成される吐出連絡孔100を
介して吐出通路28Bに圧送されるようになっている。
【0024】吐出流量制御装置40は、上述のポンプ1
0の吐出経路で、第2流体圧室44Bに開口するメータ
リングオリフィス46の開口面積をカムリング22の側
壁で増減させ、可変メータリングオリフィスを形成して
いる。即ち、オリフィス46はカムリング22の移動変
位に伴ってその側壁で開度調整せしめられる。そして、
吐出流量制御装置40は、オリフィス46通過前の高
圧力室28Aの高流体圧を第1流体圧供給路47A(図
4)、切換弁装置48、ポンプハウジング11A、アダ
プタリング19に穿設した連通路49を介して第1流体
圧室44Aに導き、オリフィス46通過後の減圧圧力
を前述の如く第2流体圧室44Bに導き、両流体圧室4
4A、44Bに作用する圧力の差圧によりカムリング2
2を前述のスプリング42の付勢力に抗して移動させ、
ポンプ室23の容積を変化させてポンプ10の吐出流量
を制御可能としている。
【0025】尚、切換弁装置48は、ポンプハウジング
11Aに穿設した弁格納孔51にスプリング52、切換
弁53を収容し、スプリング52で付勢される切換弁5
3をポンプハウジング11Aに螺着したキャップ54で
担持している。切換弁53は、切換弁体55A、弁体5
5Bを備え、切換弁体55Aの一端側に設けた加圧室5
6Aに第1流体圧供給路47Aを連通し、弁体55Bの
他端側に設けたスプリング52が格納されている背圧室
56Bにポンプハウジング11A、アダプタリング19
に穿設した連通路57を介して第2流体圧室44Bを連
通している。また、切換弁体55Aと弁体55Bの間の
中間室56Cには前述した吸込通路(ドレン通路)25
Aが貫通して形成され、タンクに連絡される。切換弁体
55Aは、ポンプハウジング11A、アダプタリング1
9に穿設した前述の連通路49を開閉可能としている。
即ち、ポンプ10の吐出圧力が低い低回転域では、スプ
リング52の付勢力により切換弁53を図2に示す原位
置に設定し、切換弁体55Aにより第1流体圧室44A
との連通路49を閉じ、ポンプ10の中高回転域では加
圧室56Aに加えられる高圧流体により切換弁53を移
動させて連通路49を開き、この高圧流体を第1流体圧
室44Aに導くことを可能とする。
【0026】従って、吐出流量制御装置40を備えたポ
ンプ10の吐出流量特性は以下の如くである。 (1) ポンプ10の回転数が低い自動車の低速走行域で
は、ポンプ室23から吐出されて切換弁装置48の加圧
室56Aに及ぶ流体の圧力が未だ低く、切換弁53は原
位置に位置し、カムリング22はスプリング42により
付勢された原状態を維持する。このため、ポンプ10の
吐出流量は、回転数に比例して増加する。
【0027】(2) ポンプ10の回転数の増加により、ポ
ンプ室23から吐出されて切換弁装置48の加圧室56
Aに及ぶ流体の圧力が高くなると、切換弁装置48はス
プリング52の付勢力に抗して切換弁53を移動させて
連通路49を開き、この高圧流体を第1流体圧室44A
に導く。これにより、カムリング22は第1流体圧室4
4Aと第2流体圧室44Bとに作用する圧力の差圧によ
り移動し、ポンプ室23の容積を徐々に減縮していく。
従って、ポンプ10の吐出流量は、回転数の増加に対
し、回転数の増加による流量増加分と、ポンプ室23の
容積減縮による流量減少分とを相殺し、一定の大流量を
維持させることができる。
【0028】(3) ポンプ10の回転数が継続して更に増
加し、カムリング22が更に移動することにより、カム
リング22がスプリング42を一定量超えて押動する
と、このカムリング22の側壁がポンプ室23からの吐
出経路の中間部のオリフィス46の開口面積を絞り始め
る。従って、ポンプ10の吐出通路28Bに圧送される
吐出流量は、このオリフィス46の絞り量に比例して低
減する。
【0029】(4) ポンプ10の回転数が一定値を超える
自動車の高速運転域に達すると、カムリング22がアダ
プタリング19のストッパ19Bに衝合する移動限に達
し、カムリング22の側壁によるオリフィス46の絞り
量も最大となり、ポンプ10の吐出流量は一定の小流量
を維持する。
【0030】尚、吐出流量制御装置40において、切換
弁装置48の加圧室56Aを第1流体圧室44Aに導く
連通路49に絞り49Aを設け、第2流体圧室44Bを
切換弁装置48の背圧室56Bに導く連通路57に絞り
57Aを設けてある。
【0031】更に、ポンプ10にあっては、高圧力室2
8Aと吸込通路(ドレン通路)25Aとの間に、ポンプ
吐出側での過大流体圧をリリーフするリリーフ弁70を
有している。また、ポンプ10は、吸込通路25Bから
ポンプ軸12の軸受15Cに向かう潤滑油供給路121
をカバー11Bに穿設し、ポンプ軸12の軸受15Bま
わりから吸込通路25Aに戻る潤滑油戻り路122をポ
ンプハウジング11Aに穿設してある。
【0032】リリーフ弁70は、切換弁装置48に内蔵
され、切換弁53そのものからなる主弁71にパイロッ
ト弁を構成するボール73を付帯させたパイロット作動
型にて構成されている。そして、主弁71は、ポンプ吐
出側通路に設けたメータリングオリフィス46の上流側
通路、換言すれば第1弁室(加圧室56Aと同じ)81
をドレン通路25A(吸込通路)に対し開閉可能とす
る。また、ボール73には、ポンプ吐出側通路に設けた
メータリングオリフィス46の下流側の流体圧、ひいて
はキャップ54によって区画されている第2弁室(背圧
室56Bと同じ)82の流体圧が印加される。このと
き、メータリングオフィス46の下流側の流体圧は、連
通路57の絞り57Aを介して第2弁室82に供給され
る。
【0033】具体的には、リリーフ弁70は、下記(a)
〜(c) の構成を備える。 (a) リリーフ弁70は、弁格納孔51内に摺動可能に主
弁71(切換弁53)を設け、弁格納孔51の主弁71
に対する一端側に定めた第1弁室81(加圧室56A)
には、ポンプ10の吐出側通路に設けたメータリングオ
リフィス46の上流側の流体圧を第1流体圧供給路47
Aを介して印加する。また、弁格納孔51の主弁71に
対する他端側に定めた第2弁室82(背圧室56B)に
は、該メータリングオリフィス46の下流側の流体圧を
連通路57(絞り57A)を介して印加する。そして、
リリーフ弁70は、第1弁室81を中間室56C経由で
ドレン通路25Aに連絡するリリーフ路83(図5)を
弁格納孔51に設け、主弁71を第1弁室81の側に付
勢して主弁71をリリーフ路83の閉じ位置に設定する
スプリング84(スプリング52と同じ)を備える。
【0034】(b) リリーフ弁70は、図6に示す如く、
流体圧をリリーフするための軸孔71Aが形成されると
ともに該軸孔71Aに交差するリリーフ孔71Bが形成
されて弁格納孔51に摺動可能に設けられる主弁71
と、主弁71の軸孔71Aの流入側開口端に挿着されて
該軸孔71Aの内外を連通する連通孔72Aを備えると
ともに該連通孔72Aの流出側端にボール受面72Bが
形成された弁シート72(図7)と、主弁71の軸孔7
1Aに移動可能に設けられていて弁シート72のボール
受面72Bに当接可能とされるボール73と、主弁71
の軸孔71Aに設けられていてスプリング75にバック
アップされる状態でボール73を弁シート72のボール
受面72Bに押圧するボール押面74Aを備えたスプリ
ング押え74とを有する。尚、71Cは主弁71のスプ
リング75を収容する軸孔71Aの側壁に設けられてス
プリング押え74の移動をスムースにするために中間室
56C、ドレン通路25Aに対向している流体圧逃し孔
(リリーフ孔)である。
【0035】(c) リリーフ弁70の弁シート72のボー
ル受面72Bを、その連通孔72Aの軸方向で流体が流
出する方向に向けて拡開するテーパ面とする。同時に、
スプリング押え74のボール押面74Aの周辺端面74
Bを、該スプリング押え74の軸方向で反ボール押圧方
向に向けて拡開するテーパ面とする。
【0036】リリーフ弁70は、ポンプ10が用いられ
ているパワーステアリング装置による操舵の据え切り状
態が持続する等により、ポンプ吐出側での流体圧が過大
になり、メータリングオリフィス46の下流側の吐出通
路につながっている第2弁室82の流体圧がリリーフ設
定圧に達すると、第2弁室82の流体圧がボール73を
スプリング75に抗して開動作せしめる。これにより、
第2弁室82の流体圧をリリーフ孔71Bから中間室5
6C経由でドレン通路25Aへリリーフし、このリリー
フによる第2弁室82の流体圧の低減状態下で、主弁7
1を第1弁室81の流体圧によりスプリング84に抗し
て開動作させ、結果として第1弁室81の流体圧をリリ
ーフ路83から中間室56C経由でドレン通路25Aへ
リリーフ可能とする。これにより、ポンプ吐出側の過大
流体圧をリリーフできるものとなる。
【0037】本実施形態によれば、以下の作用がある。 リリーフ弁70の弁シート72のボール受面72Bを
該弁シート72の連通孔の軸方向で流体が流出する方向
に向けて拡開するテーパ面とし、且つスプリング押え7
4のボール押面74Aの周辺端面74Bを該スプリング
押え74の軸方向で反ボール押圧方向に向けて拡開する
テーパ面とすることにより、リリーフ時のシュー音の発
生を低減できた。リリーフ時のエアの巻込みを抑制でき
たこと等によるものと考えられる。
【0038】尚、実験によれば、ボール73の直径Da
を3.97mm、弁シート72の連通孔72Aの孔径Dbを3.
5mm、ボール受面72Bのテーパ角を120度、スプリング
押え74のボール押面74Aの周辺端面74Bのテーパ
角を120〜90度とするとき、上述のシュー音低減効果
を高めることができた。
【0039】リリーフ弁70の主弁71が、カムリン
グ22を移動制御するための切換弁53により構成され
た。従って、ポンプケーシング11の通路構成の簡素、
小型化を図ることができる。
【0040】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、パイロッ
ト作動型リリーフ弁を備える可変容量型ポンプにおい
て、リリーフ時のシュー音の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は可変容量型ポンプを示す断面図である。
【図2】図2は図1のII-II 線に沿う断面図である。
【図3】図3は図1のIII-III 線に沿う断面図である。
【図4】図4は図2のIV-IV 線に沿う断面図である。
【図5】図5は可変容量型ポンプの油圧回路図である。
【図6】図6はリリーフ弁を示す断面図である。
【図7】図7は弁シートを示す断面図である。
【符号の説明】
10 可変容量型ポンプ 11 ポンプケーシング 12 ポンプ軸 13 ロータ 16 溝 17 ベーン 19 アダプタリング 20 嵌装孔 22 カムリング 23 ポンプ室 25A ドレン通路(吸込通路) 44A 第1流体圧室 44B 第2流体圧室 46 メーリングオリフィス 48 切換弁装置 53 切換弁 70 リリーフ弁 71 主弁 71A 軸孔 71B リリーフ孔 72 弁シート 72A 連通孔 72B ボール受面 73 ボール 74 スプリング押え 74A ボール押面 75 スプリング 81 第1弁室 82 第2弁室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 一寸木 守仁 栃木県芳賀郡芳賀町芳賀台112番地1 株 式会社ショーワ栃木開発センター内 Fターム(参考) 3H040 AA03 BB11 CC10 CC21 DD23 DD33 3H044 AA02 BB05 CC11 CC23 DD13 DD38 3H058 AA04 BB12 BB35 CB06 CD05 EE03 EE14 3H059 AA08 BB37 BB38 CA05 CB02 CD05 EE01 FF03 FF12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプケーシングに挿入されるポンプ軸
    に固定して回転駆動されるとともに、多数のベーンを溝
    に収容して半径方向に移動可能としてなるロータと、 ポンプケーシングの嵌装孔に嵌装されるアダプタリング
    と、 アダプタリングに嵌装され、ロータの外周部との間にポ
    ンプ室を形成するとともに、アダプタリング内で移動変
    位可能とし、カムリングとアダプタリングとの間に第1
    と第2の流体圧室を分割形成するカムリングと、 ポンプ吐出側通路に設けたメータリングオリフィスの
    上、下流側の圧力差によって作動し、ポンプ室からの圧
    力流体の吐出流量に応じて第1と第2の流体圧室への供
    給流体圧を制御することにより、カムリングを移動させ
    てポンプ室の容積を変化させ、ポンプ室からの吐出流量
    を制御可能とする切換弁と、 ポンプ吐出側での過大流体圧をリリーフするリリーフ弁
    とを有してなる可変容量型ポンプにおいて、 前記リリーフ弁が、流体圧をリリーフするための軸孔が
    形成されるとともに該軸孔に交差するリリーフ孔が形成
    されてポンプケーシングの弁格納孔に摺動可能に設けら
    れる主弁と、主弁の軸孔の流入側開口端に挿着されて該
    軸孔の内外を連通する連通孔を備えるとともに該連通孔
    の流出側端にボール受面が形成された弁シートと、主弁
    の軸孔に移動可能に設けられていて弁シートに当接可能
    とされるボールと、主弁の軸孔に設けられていてスプリ
    ングにバックアップされる状態でボールを弁シートに押
    圧するボール押面を備えたスプリング押えとを有し、更
    に弁格納孔の主弁に対する反弁シート挿着端側に定めた
    第1弁室には前記ポンプ吐出側通路に設けたメータリン
    グオリフィスの上流側の流体圧を印加し、弁格納孔の主
    弁に対する弁シート挿着端側に定めた第2弁室には該メ
    ータリングオリフィスの下流側の流体圧を印加してな
    り、 前記リリーフ弁の弁シートのボール受面を前記連通孔の
    軸方向で流体が流出する方向に向けて拡開するテーパ面
    とし、且つスプリング押えのボール押面の周辺を該スプ
    リング押えの軸方向で反ボール押圧方向に向けて拡開す
    るテーパ面としてなることを特徴とする可変容量型ポン
    プ。
  2. 【請求項2】 前記ボールの直径を3.97mm、弁シートの
    連通孔の孔径を3.5mmとする請求項1記載の可変容量型
    ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記リリーフ弁の主弁を、前記切換弁に
    より構成する請求項1又は2記載の可変容量型ポンプ。
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