JP2002021652A - 燃料改質ガスエンジンの水回収制御装置 - Google Patents

燃料改質ガスエンジンの水回収制御装置

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JP2002021652A
JP2002021652A JP2000206765A JP2000206765A JP2002021652A JP 2002021652 A JP2002021652 A JP 2002021652A JP 2000206765 A JP2000206765 A JP 2000206765A JP 2000206765 A JP2000206765 A JP 2000206765A JP 2002021652 A JP2002021652 A JP 2002021652A
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JP
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condenser
water
exhaust
exhaust gas
fuel
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JP2000206765A
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English (en)
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Hisashi Aoyama
尚志 青山
Hiroshi Komatsu
宏 小松
Noboru Yamauchi
昇 山内
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】炭化水素系の燃料を排気中から凝縮回収した水
を用いて改質した燃料により運転する燃料改質ガスエン
ジンにおいて、凝縮水中の硝酸濃度を許容値以下に維持
して部品の耐腐食性を向上する。 【解決手段】排気通路に設けた第1の凝縮器19上流の
排気中NOx濃度をセンサ21で検出し、該NOx濃度
が所定値を超えるときは、第1の凝縮器19を貫通する
冷却水通路24に介装した開閉バルブ26を閉じて、排
気の冷却による水の回収を停止する。これにより、排気
中のNOxにより含まれる凝縮水中の硝酸の濃度を許容
値以下に維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素系の燃料
(ガソリン、軽油、メタノール、CNG、ナフサ等、以
下原燃料と表記)を、改質反応により改質して改質ガス
を生成し、該改質ガスをエンジンに供給することでエン
ジンを運転する燃料改質ガスエンジンに関し、特に排気
中の水分を回収して水蒸気改質反応に用いる技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】燃料改質ガスエンジンは、炭化水素系の
原燃料を触媒等で改質して、主にH2とCOとを生成
し、これらの改質ガスをエンジンに供給することでエン
ジンの運転を行わせるものである。エンジンに供給され
る燃料がH2とCOとを主成分とするガス燃料であるた
めにエンジン特性としては水素エンジンに近い特性を示
す。すなわち、希薄燃焼限界が高く、希薄域でも安定し
た運転が可能であり、低NOx、高効率を同時に実現可
能なエンジンである。
【0003】更に、燃料改質時においてエンジン排気よ
り熱回収を行なうように構成されているものにおいて
は、改質後のガスの持つ発熱量が原燃料の発熱量に対し
て熱回収分だけ増加するため、更に高効率なエンジンを
実現可能であることが知られている。
【0004】炭化水素燃料の改質反応としては、大きく
水蒸気改質反応と部分酸化反応とに分けられる。水蒸気
改質反応は、概ね次式によって表わされる。
【0005】 Cmn+mH2O→(m+n/2)H2+mCO……(1) 同時に 3H2+CO→CH4+H2O……(2) 2H2+2CO→CH4+CO2……(3) 等の反応も行なわれる。改質雰囲気が高温に維持されて
いるときは、主に(1)の反応が行なわれ、改質ガス中の
水素、一酸化炭素濃度が増加する。低温時においては、
(2),(3)の反応の割合が増加し、改質ガス中の水素、一
酸化炭素濃度が減少し、逆にメタン、水などの濃度が増
加する。また、(1)の反応は吸熱反応であり、反応を維
持するためには、何がしかの手段で熱を与える必要があ
る。また、(1)の反応は吸熱反応であるために、改質後
のガスが持つ発熱量は改質前の原燃料が持つ発熱量より
も増加する。
【0006】一方、部分酸化反応は、炭化水素と空気の
量を調節することで、概ね次式の反応が起こる。 Cmn+(m/2)O2→(n/2)H2+mCO……(4) この反応は、発熱反応であり、(1)の反応とは逆に改質
後のガスが持つ発熱量は改質前の炭化水素燃料が持つ発
熱量より減少する。
【0007】以上より、より高効率な燃料改質ガスエン
ジンシステムを構築するためには、改質形態としては、
水蒸気改質反応の方が有利である。そのためには、改質
場に水蒸気すなわち水を供給する必要があり、特開平6
−241132号に開示されたシステムに示されている
ように、燃料タンクとは別に水のタンクを持つ必要があ
る。また、そのときに必要な水の量は、式(1)によれ
ば、燃料1molに対して水mmolということになる。例え
ば、C318(オクタン)の水蒸気改質を考えると、燃
料1mol重さは114g、これに対して水蒸気改質に要求さ
れる水の量は8molであり、144gとなり重量比で燃料の
約1.26倍の水が必要になる。また、燃料改質において
は、酸化剤である水が不足した場合、カーボンが析出し
やすい傾向があるため、水を多めに導入することが一般
的である。よって、例えば、燃料タンクと同程度の大き
さの水タンクを持っているとしても、その補給頻度は燃
料よりも水のほうが頻繁になってしまうことが明らかで
ある。以上のように、水蒸気改質を主として燃料を改質
するためには、大量の水が必要になる。そのため、特開
平6−241132号のシステムにあるように、改質器
の下流で改質ガス中に含まれる水を凝縮回収したり、エ
ンジン排気中に含まれる水分を凝縮回収し、水タンクに
戻して再度改質時に利用することで極力水の補給が必要
ないシステムが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エンジ
ン排気から凝縮回収した水の中には、排気中のNOxに
起因する硝酸が含まれている。このため、水タンクの配
管系や水供給系の部品の腐食を招くと共に、改質触媒の
劣化を、招くという問題点があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係
る発明は、炭化水素系の燃料を改質して水素及び一酸化
炭素を主成分とする改質ガスを生成する改質器と、エン
ジン排気中に含まれる水分を凝縮して回収する凝縮器と
を備え、該凝縮器で凝縮された水を前記改質器に供給し
て水蒸気改質反応を促進させながら生成した改質ガスを
エンジンに供給することでエンジンを運転する燃料改質
ガスエンジンにおいて、前記凝縮器に供給される排気中
のNOx濃度が所定値以下となる条件で、前記排気中の
水分の回収を行なうようにしたことを特徴とする。
【0010】請求項1に係る発明によると、凝縮器によ
りエンジン排気中に含まれる水分を凝縮して回収した水
が改質器に供給され、該改質器では該供給された水を用
いて前記(1)式に示した水蒸気改質反応が促進され、水
素及び一酸化炭素を主成分とする改質ガスを生成し、該
改質ガスを燃料としてエンジンに供給してエンジンが運
転される。このように排気熱回収により凝縮した水を用
いて、吸熱反応である水蒸気改質反応を促進すること
で、改質ガスの発熱量が原燃料より増加して燃費が改善
される。
【0011】そして、本発明では、前記凝縮器における
排気中からの凝縮による水分の回収を排気中のNOx濃
度が所定値以下となる条件で行なうことにより、回収す
る凝縮水中の硝酸濃度を、凝縮器から改質器に至る間の
水タンク、配管系、水供給系(ポンプなど)の部品や改
質器内の改質触媒に対して許容値以下に抑えることがで
き、これらの腐食や劣化を防止することができる。
【0012】また、請求項2に係る発明は、凝縮器上流
の排気通路にNOx濃度センサを設け、前記排気中のN
Ox濃度が所定値以下となる条件を、前記NOx濃度セ
ンサによって検出した排気中のNOx濃度に基づいて判
定することを特徴とする。
【0013】請求項2に係る発明によると、NOx濃度
センサにより凝縮器に供給される排気中のNOx濃度を
検出し、該検出したNOx濃度が所定値以下となる条件
で、排気中からの凝縮による水分の回収を行なう。
【0014】このようにすれば、排気中のNOx濃度を
高精度に検出できるので、水分回収を行なうか否かを高
精度に判定することができる。また、請求項3に係る発
明は、前記排気中のNOx濃度が所定値以下となる条件
を、空燃比を含むエンジン運転条件に基づいて判定する
ことを特徴とする。
【0015】請求項3に係る発明によると、空燃比又は
空燃比に外部EGRや内部EGR条件などを加味したエ
ンジン運転条件に基づいて、排気中のNOx濃度を推定
し、該推定されるNOx濃度が所定値以下となる条件
で、排気中からの凝縮による水分の回収を行なう。
【0016】このようにすれば、NOx濃度を検出する
センサを設けることなく、前記排気中のNOx濃度が所
定値以下となる条件を判定することができる。また、請
求項4に係る発明は、前記排気中水分の回収の実行,停
止の切り換えを、前記凝縮器への排気冷却用の冷却媒体
の供給,供給停止を切り換えて行なうことを特徴とす
る。
【0017】請求項4に係る発明によると、排気中から
の水回収を行なうときは、凝縮器に冷却媒体を供給して
凝縮器に供給される排気を冷却することにより、排気中
の水分を凝縮して回収し、排気中からの水回収を停止す
るときには、凝縮器への冷却媒体の供給を停止して凝縮
器に供給される排気の冷却を停止することにより、排気
中の水分の回収を停止することができる。
【0018】また、請求項5に係る発明は、前記凝縮器
に介装された冷却媒体通路を開閉する開閉バルブを備
え、前記排気中水分の回収の実行,停止を前記開閉バル
ブの開閉動作により切り換えることを特徴とする。
【0019】請求項5に係る発明によると、排気中水分
の回収を行なうときは、開閉弁を開いて凝縮器に介装さ
れた冷却媒体通路に冷却媒体を流通させ、凝縮器に供給
される排気を冷却することにより、排気中の水分を凝集
して回収し、排気中水分の回収を停止するときには、開
閉弁を閉じて冷却媒体通路への冷却媒体の流通を停止さ
せ、凝縮器に供給される排気の冷却を停止することによ
り、排気中の水分の回収を停止する。
【0020】このようにすれば、冷却媒体通路に設けた
開閉バルブを開閉する簡易な構成及び操作により、排気
中水分の回収の実行,停止を切り換えることができる。
また、請求項6に係る発明は、前記冷却媒体通路を流れ
る冷却媒体は、エンジン冷却水であることを特徴とす
る。
【0021】請求項6に係る発明によると、エンジン冷
却水を冷却媒体として利用することで、簡易な構成にし
て低コストで凝縮器を構成できる。
【0022】また、請求項7に係る発明は、前記凝縮器
をエンジン排気通路中に配設し、該凝縮器の上流で排気
通路から分岐し、凝縮器下流の排気通路に合流するバイ
パス通路を設けると共に、該凝縮器を経由する排気通路
と前記バイパス通路とを選択的に開通させる切換バルブ
を設け、前記排気中水分の回収の実行,停止を前記切換
バルブの切換動作により切り換えることを特徴とする。
【0023】請求項7に係る発明によると、排気中水分
の回収を行なうときは、前記切換弁によりバイパス通路
を閉じて凝縮器に排気を流通させることにより、排気中
の水分を凝集して回収し、排気中水分の回収を停止する
ときには、前記切換弁によりバイパス通路を開いて排気
を流通させ、凝縮器への排気の流通を停止することによ
り、排気中の水分の回収を停止する。
【0024】このようにすれば、バイパス通路と凝縮器
とを選択的に開閉する簡易な構成及び操作により、排気
中水分の回収の実行,停止を切り換えることができる。
また、請求項8に係る発明は、前記凝縮器で凝縮された
水を貯えて改質器に供給するタンク内の水の硝酸濃度を
検出し、該硝酸濃度が所定値を超えたときに前記排気中
のNOx濃度における所定値を低い値に補正することを
特徴とする。
【0025】請求項8に係る発明によると、タンク内に
貯留された凝縮水の硝酸濃度が水分の蒸発などによって
所定値を超えたときには、水回収の有無を判定する排気
中のNOx濃度における所定値を低い値に補正する。こ
れにより、排気中NOx濃度がより低い値に補正された
条件で水の回収が許容されるので、タンク内の水中の硝
酸濃度が許容値を超えることを防止できる。
【0026】このようにすれば、最終的に改質器に供給
される水の硝酸濃度を許容値以下に維持することがで
き、腐食や劣化の防止効果をより確実なものとすること
ができる。
【0027】また、請求項9に係る発明は、前記凝縮器
の上流側の排気通路に、排気中のNOxをトラップして
脱離還元処理するNOxトラップを設けたことを特徴と
する。
【0028】請求項9に係る発明によると、NOxトラ
ップにより排気中のNOxをトラップして脱離還元処理
した後の、排気が下流側の凝縮器に供給される。
【0029】このようにすれば、凝縮器に供給される排
気中のNOx濃度を低下することができるので、排気か
ら水分を回収できる頻度が増大し、回収効率を高めるこ
とができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形態を示
す燃料改質ガスエンジンのシステム図である。
【0031】エンジン(内燃機関)1の吸気通路2に
は、上流端にエアクリーナ3が設けられ、その下流側に
アクセルペダル4の踏込み量(アクセル開度)等に基づ
いてモータ駆動される電制スロットル弁5が設けられ、
更にスロットル弁5下流側に改質ガス供給手段としての
ガス燃料噴射弁6が設けられている。
【0032】エンジン1の排気通路7の途中には、その
内部に、熱交換器を介して排気の持つ熱を供給されつ
つ、燃料改質を行う改質器8が設けられている。改質す
べき原燃料であるガソリンに代表される炭化水素燃料
は、燃料タンク9より燃料ポンプ10を介して、水は、
水タンク11より水ポンプ12を介して、空気は、吸気
通路2より分岐した空気通路13より空気ポンプ14を
介して、改質原料流量制御器15に送られる。
【0033】改質原料流量制御器15は、燃料、水及び
空気の各流量を制御して、これらを気化混合器16に送
る。気化混合器16は、図示しない熱交換器を介してエ
ンジン1の排気、若しくは改質器8にて生成された改質
ガス、若しくはその他の熱源より熱を供給されて、燃料
及び水の気化・昇温と空気の予熱とを行いつつ、3流体
の混合を行い、混合された3流体を改質器8に送る。
【0034】改質器8は、上流側に部分酸化反応用の部
分酸化反応層8Aを持ち、下流側に水蒸気改質反応用の
改質触媒を充填した水蒸気改質反応層8Bとを持つ構造
として、部分酸化反応による発熱と水蒸気改質反応によ
る吸熱との熱のやり取りをロス無く行える構造としてあ
る。
【0035】改質器8に送られた3流体の混合気は、改
質器8の温度、3流体の混合比率に応じて改質が行わ
れ、水素、一酸化炭素、メタン、低級炭化水素等の改質
ガスに改質される。
【0036】改質器8にて生成された改質ガスは、改質
ガス供給通路17により、ガス燃料噴射弁6を介して、
エンジン1の吸気通路2内に噴射供給して、運転を行わ
せる。
【0037】また、排気通路7の改質器8下流側には、
NOxトラップ18を介装してある。NOxトラップ1
8は、流入する排気の空燃比がリーンの時に、NOxを
トラップ(吸収又は吸着)し、流入する排気ガス中の酸
素濃度が低下するか、流入する排気ガス中の還元剤濃度
が増大すると、NOxを脱離還元処理するものである。
従って、エンジン1がリーン空燃比で運転されている時
にエンジン1から排出されたNOxをNOxトラップ1
8にトラップし、排気ガス中の酸素濃度が低下した時
に、HC,COなど排気中の還元物質によってNOxト
ラップ18にトラップされているNOxを脱離還元処理
することができる。
【0038】エンジン1からの排気は、排気通路7を通
って大気中に放出される。排気通路2は、排気の持つ熱
を前記改質器8に供給するために熱交換器を介して改質
器8と接触するように構成されている。排気通路7の前
記NOxトラップ18の下流には排気中の水分を冷却媒
体であるエンジン冷却水によって冷却して凝縮させる第
1の凝縮器19が配設され、該第1の凝縮器19によっ
て凝縮回収された水は、凝縮水路20を通じて前記水タ
ンク11に送られる。
【0039】前記NOxトラップ18と第1の凝縮器1
9との間の排気通路7には、第1の凝縮器19に供給さ
れる排気中のNOx濃度を検出するNOxセンサ21が
配設される。また、改質器8と前記ガス燃料噴射弁6と
の間には、改質ガス中の水分を凝縮回収する第2の凝縮
器22が配設され、該第2の凝縮器22によって凝縮回
収された水は、凝縮水路23を通じて前記水タンク11
に送られる。
【0040】前記第1、第2の凝縮器19,22には、
それぞれ排気又は改質ガスを冷却するための冷却水通路
24,25が貫通して配設され、かつ、第1の凝縮器1
9を通る冷却水通路24に、電磁駆動式の開閉バルブ2
6が介装される。
【0041】そして、前記開閉バルブ26の開閉がコン
トロールユニット27により制御されることにより、第
1の凝縮器19による排気中からの水回収の有無が切り
換え制御される。
【0042】前記コントロールユニット27には、エン
ジン回転数Ne検出用のクランク角センサ28、アクセ
ル開度Aa検出用のアクセル開度センサ29、スロット
ル開度TVO検出用のスロットルセンサ30、エンジン
冷却水温度Tw検出用の水温センサ31等から信号が入
力され、コントロールユニット27は、これら信号に基
づいて、前記開閉バルブ26の他、前記電制スロットル
弁5、ガス燃料噴射弁6、改質原料流量制御器15など
を制御する。
【0043】ここで、前記水回収の切り換え制御のた
め、第1の凝縮器19で凝縮される水に含まれる硝酸の
濃度について検討する。いま、水タンク11や水供給系
に使用されている金属系部材、ゴム系部材、樹脂系部材
等に許容される硝酸濃度及び改質触媒に許容される硝酸
濃度の最低値がXppmであるとすると、凝縮水中に含ま
れる硝酸濃度をXppm以下にする必要がある。エンジン
に供給される改質ガス組成が仮に、H2:60%、CO:2
0%、CH4:20%であったとすると、排気中に含まれる
水の量は、 0.6H2+0.2CO+0.2CH4+0.8H2O→(0.6+2×0.
2)H2O+(0.2+0.2)CO2 の式と吸気量から計算することができる。この水分の内
の仮に60%が凝縮回収できるとすると、凝縮器中に時間
あたりに凝縮する水の量が計算できる。次に、排気中の
NOx濃度と水の量とその時の排圧と排気温度がわかれ
ばそこから決まってくる平衡定数Kにより、生成される
硝酸量が計算でき、凝縮水中の硝酸濃度が推定できる。
【0044】硝酸の生成過程は、 NO+(1/2)O⇔NO2 NO2+H2O⇔HNO3+NO の式で表わされる。
【0045】図2は、上記2番目の式の平衡定数によっ
て定まる排気中のNOx分圧即ち濃度と水中の硝酸濃度
の関係を表しており、凝縮水中の硝酸濃度は、排気中の
NOx濃度と相関が強く、排気中のNOx濃度から推定
可能である。換言すれば、排気中のNOx濃度が低けれ
ば、凝縮水中に含まれる硝酸濃度も低くなる。
【0046】そのため、本実施の形態では、凝縮水中に
含まれる硝酸濃度が許容値以下となるように、図3のフ
ローチャートに示す制御を行う。ステップ1では、前記
NOx濃度センサ21により検出された排気中のNOx
濃度NSOを読み込む。
【0047】ステップ2では、前記NOx濃度NOSが
所定値N0以下か否かを判定する。ステップ2で、前記
NOx濃度NOSが所定値N0以下と判定されたとき
は、ステップ3へ進み、前記開閉バルブ26を開いて前
記冷却水通路24に冷却水を流通させ、排気を冷却して
水分の凝縮回収を行なう。
【0048】ステップ2で、前記NOx濃度NOSが所
定値N0を超えていると判定されたときは、ステップ4
へ進み、前記開閉バルブ26を閉じて冷却水通路24へ
の冷却水の流通を停止し、排気の冷却による水分の凝縮
回収を停止する。これにより、硝酸濃度の高い凝縮水が
回収されることを防止する。
【0049】また、第1の凝縮器19の上流にNOxト
ラップ18を設けたことにより、第1の凝縮器19に供
給される排気中のNOx濃度を予め低下しておくことが
できるので、該NOx濃度が所定値以下となって排気か
ら水分を回収できる頻度が増大し、回収効率を高めるこ
とができる。
【0050】また、本実施の形態では、NOx濃度セン
サ21を設けて直接NOx濃度を検出する構成としたの
で、高精度な検出結果に基づいて高精度な切り換え制御
を行なうことができる。
【0051】ただし、特にNOxセンサ21を省略した
場合には、空燃比あるいは空燃比に外部EGRや内部E
GR条件などを加味したエンジン運転条件に基づいて、
排気中のNOx濃度を推定し、該推定されるNOx濃度
が所定値以下となる条件で、排気中からの凝縮による水
分の回収を行なうようにしてもよい(以下の実施の形態
でも同様)。例えば、空燃比と排気中のNOx濃度との
間には、図4に示すような関係があるので、NOx濃度
が許容値以下となる所定値R0以上のリーン空燃比で、
排気中からの水回収を行なうようにすることができる。
【0052】図5は、第2の実施の形態を示す。本実施
の形態では、第1の実施の形態と同様に配設した第1の
凝縮器19の上流側で排気通路7から分岐し、第1の凝
縮器19下流側の排気通路7に合流するバイパス通路4
1を配設し、前記合流部に第1の凝縮器19を経由する
排気通路と前記バイパス通路41とを選択的に開通させ
る電磁駆動式の切換バルブ42を設ける。そして、前記
排気中水分の回収の実行,停止を前記切換バルブ42の
切換動作により切り換える。なお、切換バルブ42は、
第1の凝縮器19上流側の排気通路7とバイパス通路4
1との分岐部に設けてもよい。
【0053】前記切換バルブ42の切り換えによる本実
施の形態の制御を、図6のフローチャートに示す。すな
わち、ステップ11,12では、前記図3のステップ
1,2同様にして第1の凝縮器19に供給される排気中
のNOx濃度NOSを、NOx濃度センサ21で検出ま
たは空燃比を含むエンジン運転状態に基づいて推定し、
該NOx濃度NOSが所定値N0以下のときには、ステ
ップ13へ進み、切換バルブ42が第1の凝縮器19を
経由する排気通路を開いて第1の凝縮器19により排気
からの水分の凝縮回収を行なう。また、NOx濃度NO
Sが所定値N0を超えるときには、ステップ14へ進
み、切換バルブ42がバイパス通路41を開き、第1の
凝縮器19を経由する排気通路を閉じる。これにより、
第1の凝縮器19への排気の流通を停止して第1の凝縮
器19による排気からの水分の凝縮回収を停止する。
【0054】図7は、第3の実施の形態を示す。このも
のでは、前記第2の実施の形態(第1の実施の形態であ
ってもよい)の構成に加えて、水タンク11内の水中の
硝酸濃度を検出する硝酸濃度センサ51を設け、該硝酸
濃度が所定値を超えた場合は、排気からの水回収を行な
う排気中のNOx濃度の許容値を引き下げるように補正
する構成とする。なお、前記硝酸濃度センサ51として
は、水溶液の比重や密度、電気伝導度などの変化により
検出する方式、あるいは光学式の検出方式のセンサを用
いることができる。
【0055】すなわち、図8のフローチャートに示すよ
うに、ステップ21で前記硝酸濃度センサ51で検出さ
れる水タンク内の水中の硝酸濃度NHを読み込み、ステ
ップ22で該硝酸濃度NHを許容値NH0と比較し、硝
酸濃度NHが許容値NH0以下に維持されている間は、
ステップ23で補正係数C1=1として補正を行なわな
いが、硝酸濃度NHが許容値NH0を超えるときには、
ステップ24で補正係数C1=0.8とする。これによ
り、ステップ25で次式により算出されるNOx濃度の
判定レベル(所定値)N0が減少補正される。
【0056】N0=N0×C1 上記のように硝酸濃度NHが許容値NH0を超えるとき
には、本実施の形態でも実行される図6のフローチャー
トのステップ12で使用される所定値N0が減少される
ことになる。
【0057】このようにすれば、水タンク内に貯留され
た凝縮水の硝酸濃度が水分の蒸発などによって所定値を
超えたときには、排気中NOx濃度がより低い値に補正
された条件で水の回収が許容されるので、水タンク内の
水中の硝酸濃度を確実に許容レベル以下に維持すること
ができる。
【0058】なお、以上の実施の形態では各凝縮器の冷
却媒体としてエンジン冷却水を利用した簡便な構成とし
たが、他の冷却媒体を使用することもできる。特に、冷
却媒体として空気を使用する場合は、ファンで空気を凝
縮器に吹き付けるような構成とすることができる。この
構成を第1の実施の形態における第1の凝縮器として利
用する場合は、水回収停止時にファンを停止するように
制御すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す燃料改質ガス
エンジンのシステム図
【図2】 排気中NOx濃度と凝縮水中の硝酸濃度との
関係を示す図
【図3】 第1の実施の形態における水回収制御のフロ
ーチャート
【図4】 空燃比と排気中NOx濃度との関係を示す図
【図5】 本発明の第2の実施形態を示す燃料改質ガス
エンジンのシステム図
【図6】 第2の実施の形態における水回収制御のフロ
ーチャート
【図7】 本発明の第3の実施形態を示す燃料改質ガス
エンジンのシステム図
【図8】 第3の実施の形態において水回収制御のため
のNOx濃度判定レベル補正のフローチャート
【符号の説明】
1 エンジン 2 吸気通路 5 電制スロットル弁 6 ガス燃料噴射弁 7 排気通路 8 改質器 11 水タンク 18 NOxトラップ 19 第1の凝縮器 21 NOx濃度センサ 24 冷却水通路 26 開閉バルブ 27 コントロールユニット 41 バイパス通路 42 切換バルブ 51 硝酸濃度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/24 F01N 3/24 L 3/28 301 3/28 301C F01P 3/20 F01P 3/20 T (72)発明者 山内 昇 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3G091 AA11 AA19 AB06 BA00 BA14 BA36 CA08 CA13 CB07 CB08 DA01 DA02 DA03 DA08 DB10 EA07 EA16 EA33 FB10 FB11 FB12 HA37 HB03 HB05 4G040 EA02 EA03 EA06 EA07 EB03 EB18 EB33 EB43

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化水素系の燃料を改質して水素及び一酸
    化炭素を主成分とする改質ガスを生成する改質器と、エ
    ンジン排気中に含まれる水分を凝縮して回収する凝縮器
    とを備え、該凝縮器で凝縮された水を前記改質器に供給
    して水蒸気改質反応を促進させながら生成した改質ガス
    をエンジンに供給することでエンジンを運転する燃料改
    質ガスエンジンにおいて、 前記凝縮器に供給される排気中のNOx濃度が所定値以
    下となる条件で、前記排気中の水分の回収を行なうよう
    にしたことを特徴とする燃料改質ガスエンジンの水回収
    制御装置。
  2. 【請求項2】凝縮器上流の排気通路にNOx濃度センサ
    を設け、前記排気中のNOx濃度が所定値以下となる条
    件を、前記NOx濃度センサによって検出した排気中の
    NOx濃度に基づいて判定することを特徴とする請求項
    1記載の燃料改質ガスエンジンの水回収制御装置。
  3. 【請求項3】前記排気中のNOx濃度が所定値以下とな
    る条件を、空燃比を含むエンジン運転条件に基づいて判
    定することを特徴とする請求項1記載の燃料改質ガスエ
    ンジンの水回収制御装置。
  4. 【請求項4】前記排気中水分の回収の実行,停止の切り
    換えを、前記凝縮器への排気冷却用の冷却媒体の供給,
    供給停止を切り換えて行なうことを特徴とする請求項1
    〜請求項3のいずれか1つに記載の燃料改質ガスエンジ
    ンの水回収制御装置。
  5. 【請求項5】前記凝縮器に介装された冷却媒体通路を開
    閉する開閉バルブを備え、前記排気中水分の回収の実
    行,停止を前記開閉バルブの開閉動作により切り換える
    ことを特徴とする請求項4に記載の燃料改質ガスエンジ
    ンの水回収制御装置。
  6. 【請求項6】前記冷却媒体通路を流れる冷却媒体は、エ
    ンジン冷却水であることを特徴とする請求項4に記載の
    燃料改質ガスエンジンの水回収制御装置。
  7. 【請求項7】前記凝縮器をエンジン排気通路中に配設
    し、該凝縮器の上流で排気通路から分岐し、凝縮器下流
    の排気通路に合流するバイパス通路を設けると共に、該
    凝縮器を経由する排気通路と前記バイパス通路とを選択
    的に開通させる切換バルブを設け、前記排気中水分の回
    収の実行,停止を前記切換バルブの切換動作により切り
    換えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか
    1つに記載の燃料改質ガスエンジンの水回収制御装置。
  8. 【請求項8】前記凝縮器で凝縮された水を貯えて改質器
    に供給するタンク内の水の硝酸濃度を検出し、該硝酸濃
    度が所定値を超えたときに前記排気中のNOx濃度にお
    ける所定値を低い値に補正することを特徴とする請求項
    1〜請求項7のいずれか1つに記載の燃料改質ガスエン
    ジンの水回収制御装置。
  9. 【請求項9】前記凝縮器の上流側の排気通路に、排気中
    のNOxをトラップして脱離還元処理するNOxトラッ
    プを設けたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいず
    れか1つに記載の燃料改質ガスエンジンの水回収制御装
    置。
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