JP2002021625A - Egr装置 - Google Patents
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Abstract
消して、予混合圧縮着火の併用によるNOxと黒煙の同
時低減化を実現し得るようにした新規なEGR装置を提
供する。 【解決手段】 ターボチャージャ2を備えたエンジン1
のEGR装置に関し、ターボチャージャ2のタービン2
bより下流の排気管11から排ガス9の一部を抜き出し
てターボチャージャ2のコンプレッサ2aより上流の吸
気管5へ再循環する低圧EGRパイプ12と、排気マニ
ホールド10から排ガス9の一部を抜き出して吸気マニ
ホールド7に再循環する高圧EGRパイプ17とを備
え、高負荷から中負荷までの運転状態で低圧EGRパイ
プ12を選択して排ガス9を再循環し且つ低負荷から零
負荷までの運転状態では高圧EGRパイプ17を選択し
て排ガス9を再循環しながら高負荷を除く運転状態にて
予混合圧縮着火を実施する。
Description
るものである。
排気側から排ガスの一部を抜き出して吸気側へと戻し、
その吸気側に戻された排ガスでエンジン内での燃料の燃
焼を抑制させて燃焼温度を下げることによりNOxの発
生を低減するようにした、いわゆる排ガス再循環(EG
R:Exhaust Gas Recirculation)が行われている。
減化を図ることは、気筒内での燃焼不良により黒煙を発
生してしまうこととトレードオフの関係にあるので、黒
煙の発生を抑制する観点から排ガスの再循環量に制限が
かかるという不具合があり、単純に排ガスの再循環を行
うだけで大幅なNOxの低減化を図ることは困難であ
る。
圧縮上死点近辺で行われるべき燃料噴射を圧縮上死点よ
り早いタイミングで行い、気筒内への燃料の先行投入に
より燃料の予混合化を促進してから着火燃焼させて黒煙
の発生を抑制するようにした予混合圧縮着火を併用する
ことが検討されている。
焼を行うと、燃料が良好に分散混合して均等に薄まった
状態で燃焼が行われることになるので、燃焼温度が比較
的低く抑制されてNOxの発生が少なくなり、しかも、
局所的に燃料の濃い部分が生じ難くなって黒煙の発生を
抑制する上でも有効となるのである。
予混合圧縮着火を採用した場合、燃料の投入タイミング
を圧縮上死点より早めても、その着火については圧縮上
死点付近で行われることが望ましいのに対し、通常のエ
ンジンの圧縮比では、圧縮上死点より早いタイミングで
着火してしまって熱効率的な損失が生じるという問題が
あった。
着火を採用するにあたり、通常のエンジンより圧縮比を
低めに設定した上で、EGRクーラなどで冷却した大量
の排ガスを再循環することにより着火タイミングを遅ら
せる対策を考えついたが、このようにすると、今度は低
負荷やアイドリングなどの零負荷の運転状態における着
火性が悪くなりすぎて失火が起こり易くなるという不具
合を招いてしまう結果となる。
で、低負荷領域で失火が起こり易くなる問題を解消し
て、予混合圧縮着火の併用によるNOxと黒煙の同時低
減化を実現し得るようにした新規なEGR装置を提供す
ることを目的としている。
ジャを備えたエンジンのEGR装置であって、ターボチ
ャージャのタービンより下流の排気管から排ガスの一部
を抜き出して前記ターボチャージャのコンプレッサより
上流の吸気管へ再循環する低圧EGRパイプと、排気マ
ニホールドから排ガスの一部を抜き出して吸気マニホー
ルドに再循環する高圧EGRパイプとを備え、高負荷か
ら中負荷までの運転状態で低圧EGRパイプを選択して
排ガスを再循環し且つ低負荷から零負荷までの運転状態
では高圧EGRパイプを選択して排ガスを再循環しなが
ら高負荷を除く運転状態にて予混合圧縮着火を実施し得
るように構成したことを特徴とするものである。
りノッキングが生じ易くなる高負荷での運転状態におい
て予混合圧縮着火を併用せず、低圧EGRパイプを通し
低温低圧の排ガスを排気側から吸気側へ再循環しながら
通常の噴射タイミングで燃料の投入を行うことになるの
で、ノッキングを起こすことなく通常の排ガス再循環に
よるNOxの低減効果が得られる。
転状態においては、低圧EGRパイプを通し低温低圧の
排ガスを排気側から吸気側へ再循環しながら予混合圧縮
着火を併用することになるので、排ガスの再循環と予混
合圧縮着火との相乗的な作用により黒煙発生を防止しつ
つ極めて優れたNOxの低減効果を得ることが可能とな
り、しかも、燃料噴射を圧縮上死点より早いタイミング
で行いながらインタクーラなどを介し冷却された大量の
排ガスを再循環することにより、着火タイミングを圧縮
上死点付近まで遅らせて熱効率的な損失を低減すること
が可能となる。
おいては、高圧EGRパイプを通し高温高圧の排ガスを
排気マニホールドから吸気マニホールドへ直接再循環し
ながら予混合圧縮着火を併用することになるので、排ガ
スの再循環と予混合圧縮着火との相乗的な作用により黒
煙発生を防止しつつ極めて優れたNOxの低減効果が得
られ、しかも、燃料噴射を圧縮上死点より早いタイミン
グで行いつつ高温の排ガスを再循環して吸気温度を上
げ、これにより着火を支援して失火を防止しながら着火
タイミングを圧縮上死点付近まで遅らせて熱効率的な損
失を低減することが可能となる。
するにあたっては、エンジンの回転数を検出する回転セ
ンサと、エンジンの負荷を検出する負荷センサとを備
え、これら回転センサ及び負荷センサからの検出信号に
基づいて低圧EGRパイプによる排ガスの再循環と高圧
EGRパイプによる排ガスの再循環とを適宜に切り換え
るように構成することが好ましい。
GRクーラを装備することが好ましく、また、排気管に
おける低圧EGRパイプの分岐箇所より下流に開度調節
可能な背圧バルブを装備し、該背圧バルブの開度を制御
して低圧EGRパイプによるEGR率を調整し得るよう
に構成したり、或いは、ターボチャージャとしてバリア
ブルジオメトリーターボチャージャを採用し、該バリア
ブルジオメトリーターボチャージャのタービン側ノズル
ベーンの開度を制御して高圧EGRパイプによるEGR
率を調整し得るように構成したりすることも可能であ
る。
参照しつつ説明する。
例を示すもので、図中1はディーゼル機関であるエンジ
ンを示し、該エンジン1は、通常のエンジンより圧縮比
を低めに設定され、しかも、バリアブルジオメトリータ
ーボチャージャをターボチャージャ2として備えてお
り、エアクリーナ3から導かれた吸気4が吸気管5を通
し前記ターボチャージャ2のコンプレッサ2aへと送ら
れ、該コンプレッサ2aで加圧された吸気4がインタク
ーラ6へと送られて冷却され、該インタクーラ6から更
に吸気マニホールド7へと吸気4が導かれてエンジン1
の各気筒8(図1では直列6気筒の場合を例示してい
る)に分配されるようになっている。
された排ガス9は、排気マニホールド10を介しターボ
チャージャ2のタービン2bへと送られ、該タービン2
bを駆動した排ガス9が排気管11を介し車外へ排出さ
れるようにしてある。
bより下流の排気管11と、ターボチャージャ2のコン
プレッサ2aより上流の吸気管5との間が低圧EGRパ
イプ12により接続されており、該低圧EGRパイプ1
2には、排ガス9の再循環を適宜に停止し得るよう開閉
自在なEGRバルブ13と、再循環される排ガス9中か
らパティキュレートを捕集するためのディーゼルパティ
キュレートフィルタ14と、再循環される排ガス9を冷
却するためのEGRクーラ15とが装備されている。
プ12の分岐箇所より下流に開度調節可能な背圧バルブ
16が装備されており、該背圧バルブ16の開度を調節
して前記分岐箇所における圧力を増減することで低圧E
GRパイプ12によるEGR率を調節し得るようにして
ある。
ールド7との間が高圧EGRパイプ17により接続さ
れ、該高圧EGRパイプ17には、排ガス9の再循環を
適宜に停止し得るよう開閉自在なEGRバルブ18が装
備されている。
アクセル開度をエンジン1の負荷として検出するアクセ
ルセンサ19(負荷センサ)が備えられていると共に、
エンジン1の適宜位置には、その回転数を検出する回転
センサ20が装備されており、これらアクセルセンサ1
9及び回転センサ20からのアクセル開度信号19a及
び回転数信号20aが、エンジン制御コンピュータ(E
CU:Electronic Control Unit)を成す制御装置21
に対し入力されるようになっている。
に燃料を噴射する燃料噴射装置22に向け燃料の噴射タ
イミング及び噴射量を指令する燃料噴射信号22aが出
力されるようになっていると共に、EGRバルブ13,
18と背圧バルブ16とターボチャージャ2のアクチュ
エータ23とに対し夫々の開度を指令する開度指令信号
13a,18a,16a,23aが出力されるようにな
っている。
中負荷までの運転状態において、低圧EGRパイプ12
を選択して排ガス9を再循環し、また、低負荷から零負
荷までの運転状態において、高圧EGRパイプ17を選
択して排ガス9を再循環するようになっており、しか
も、高負荷を除く運転状態においては、予混合圧縮着火
を実施し得るようにしてある。
制御装置21に備えられており、このマップには、エン
ジン1の回転数が増加するのに従い高くなる負荷の敷居
値(図2中にて曲線Pで示している負荷の値)が設定さ
れていて、現在のエンジン1の負荷が、その時点でのエ
ンジン1の回転数に対応した敷居値を越えているか否か
を判定し、敷居値を越えていると判定された場合には、
EGRバルブ13を開け且つEGRバルブ18を閉じて
低圧EGRパイプ12による排ガス9の再循環を行うよ
うにしてあり、更には、背圧バルブ16を別のマップに
よりエンジン1の回転数と負荷とに基づいて最適開度に
調節し、低圧EGRパイプ12によるEGR率を最適に
制御するようにしてある。
ある場合には、燃料噴射装置22が通常の噴射タイミン
グ及び噴射量で制御されることになるが、エンジン1が
中負荷の運転状態である場合には、燃料噴射装置22を
制御して燃料噴射を圧縮上死点より早いタイミングで行
うようにしてある。
ジン1の負荷が、その時点でのエンジン1の回転数に対
応した敷居値以下であると判定された場合には、EGR
バルブ13を閉じ且つEGRバルブ18を開けて高圧E
GRパイプ17による排ガス9の再循環を行うようにし
てあり、更には、背圧バルブ16を全開とした上でター
ボチャージャ2のアクチュエータ23を制御し、これに
よりターボチャージャ2のタービン2b側のノズルベー
ンを別のマップによりエンジン1の回転数と負荷とに基
づいて最適開度に調節し、高圧EGRパイプ17による
EGR率を最適に制御するようにしてある。
リアブルジオメトリーターボチャージャから成るターボ
チャージャ2は、従来より周知である如く、アクチュエ
ータ23によりタービン2b側のノズルベーンを傾動し
て該各ノズルベーンの開度を調整し得る構造となってい
るので、タービン2b側のノズルベーンの開度を調節し
て排気マニホールド10における圧力を増減することで
高圧EGRパイプ17によるEGR率が調節されること
になる。
料噴射信号22aにより制御して燃料噴射を圧縮上死点
より早いタイミングで行うようにしてある。
プについては、吸気温度やエンジン冷却水温度などを別
途検出することにより、その検出値に基づいて敷居値の
異なる別のマップに変更したり、或いは、マップの敷居
値を補正したりするようにしても良く、更には、吸気側
と排気側とで酸素濃度を実際に検出してEGR率の調節
などの制御にフィードバックさせるようにしても良い。
ば、予混合圧縮着火によりノッキングが生じ易くなる高
負荷での運転状態において予混合圧縮着火を併用せず、
低圧EGRパイプ12を通し低温低圧の排ガス9を排気
側から吸気側へ再循環しながら通常の噴射タイミングで
燃料の投入を行うことになるので、ノッキングを起こす
ことなく通常の排ガス再循環によるNOxの低減効果が
得られる。
転状態においては、低圧EGRパイプ12を通し低温低
圧の排ガス9を排気側から吸気側へ再循環しながら予混
合圧縮着火を併用することになるので、排ガス9の再循
環と予混合圧縮着火との相乗的な作用により黒煙発生を
防止しつつ極めて優れたNOxの低減効果を得ることが
可能となり、しかも、燃料噴射を圧縮上死点より早いタ
イミングで行いながらEGRクーラ15やインタクーラ
6などを介し冷却された大量の排ガス9を再循環するこ
とにより、着火タイミングを圧縮上死点付近まで遅らせ
て熱効率的な損失を低減することが可能となる。
おいては、高圧EGRパイプ17を通し高温高圧の排ガ
ス9を排気マニホールド10から吸気マニホールド7へ
直接再循環しながら予混合圧縮着火を併用することにな
るので、排ガス9の再循環と予混合圧縮着火との相乗的
な作用により黒煙発生を防止しつつ極めて優れたNOx
の低減効果が得られ、しかも、燃料噴射を圧縮上死点よ
り早いタイミングで行いつつ高温の排ガス9を再循環し
て吸気温度を上げ、これにより着火を支援して失火を防
止しながら着火タイミングを圧縮上死点付近まで遅らせ
て熱効率的な損失を低減することが可能となる。
予混合圧縮着火を行うに際し、必要に応じてパイロット
噴射(主噴射に先立ち着火を誘導するために行う微量の
先行噴射)を併用して着火の更なる安定化を図るように
しても良い。
く運転状態にて排ガス9を再循環しながら予混合圧縮着
火を併用するに際し、高負荷から中負荷までの運転状態
では低圧EGRパイプ12を選択して、EGRクーラ1
5やインタクーラ6などを介し冷却された低温低圧の排
ガス9を再循環し、低負荷から零負荷までの運転状態で
は高圧EGRパイプ17に切り換えて排気マニホールド
10から吸気マニホールド7へ高温高圧の排ガス9を直
接再循環するようにしているので、低負荷領域で失火が
起こり易くなる問題を吸気温度の上昇による着火支援で
解消することができ、予混合圧縮着火の併用によるNO
xと黒煙の良好な同時低減化を実現することができる。
にのみ限定されるものではなく、負荷センサには、燃料
噴射装置に装備されて燃料の噴射量を検出するセンサ
(噴射ポンプラックセンサなど)を採用しても良いこ
と、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において
種々変更を加え得ることは勿論である。
高負荷を除く運転状態にて排ガスを再循環しながら予混
合圧縮着火を併用するに際し、高負荷から中負荷までの
運転状態では低圧EGRパイプを選択して、インタクー
ラなどを介し冷却された低温低圧の排ガスを再循環し、
低負荷から零負荷までの運転状態では高圧EGRパイプ
に切り換えて排気マニホールドから吸気マニホールドへ
高温高圧の排ガスを直接再循環するようにしているの
で、低負荷領域で失火が起こり易くなる問題を吸気温度
の上昇による着火支援で解消することができ、予混合圧
縮着火の併用によるNOxと黒煙の良好な同時低減化を
実現することができるという優れた効果を奏し得る。
る。
例を示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 ターボチャージャを備えたエンジンのE
GR装置であって、ターボチャージャのタービンより下
流の排気管から排ガスの一部を抜き出して前記ターボチ
ャージャのコンプレッサより上流の吸気管へ再循環する
低圧EGRパイプと、排気マニホールドから排ガスの一
部を抜き出して吸気マニホールドに再循環する高圧EG
Rパイプとを備え、高負荷から中負荷までの運転状態で
低圧EGRパイプを選択して排ガスを再循環し且つ低負
荷から零負荷までの運転状態では高圧EGRパイプを選
択して排ガスを再循環しながら高負荷を除く運転状態に
て予混合圧縮着火を実施し得るように構成したことを特
徴とするEGR装置。 - 【請求項2】 エンジンの回転数を検出する回転センサ
と、エンジンの負荷を検出する負荷センサとを備え、こ
れら回転センサ及び負荷センサからの検出信号に基づい
て低圧EGRパイプによる排ガスの再循環と高圧EGR
パイプによる排ガスの再循環とを適宜に切り換えるよう
に構成したことを特徴とする請求項1に記載のEGR装
置。 - 【請求項3】 低圧EGRパイプに水冷式のEGRクー
ラを装備したことを特徴とする請求項1又は2に記載の
EGR装置。 - 【請求項4】 排気管における低圧EGRパイプの分岐
箇所より下流に開度調節可能な背圧バルブを装備し、該
背圧バルブの開度を制御して低圧EGRパイプによるE
GR率を調整し得るように構成したことを特徴とする請
求項1、2又は3に記載のEGR装置。 - 【請求項5】 ターボチャージャとしてバリアブルジオ
メトリーターボチャージャを採用し、該バリアブルジオ
メトリーターボチャージャのタービン側ノズルベーンの
開度を制御して高圧EGRパイプによるEGR率を調整
し得るように構成したことを特徴とする請求項1、2、
3又は4に記載のEGR装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000208515A JP3796102B2 (ja) | 2000-07-10 | 2000-07-10 | Egr装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000208515A JP3796102B2 (ja) | 2000-07-10 | 2000-07-10 | Egr装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002021625A true JP2002021625A (ja) | 2002-01-23 |
JP3796102B2 JP3796102B2 (ja) | 2006-07-12 |
Family
ID=18705082
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000208515A Expired - Fee Related JP3796102B2 (ja) | 2000-07-10 | 2000-07-10 | Egr装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3796102B2 (ja) |
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