JP2002020691A - 艶消し塗料組成物 - Google Patents

艶消し塗料組成物

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JP2002020691A
JP2002020691A JP2000200621A JP2000200621A JP2002020691A JP 2002020691 A JP2002020691 A JP 2002020691A JP 2000200621 A JP2000200621 A JP 2000200621A JP 2000200621 A JP2000200621 A JP 2000200621A JP 2002020691 A JP2002020691 A JP 2002020691A
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resin
weight
porous particles
matte
coating composition
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Takeharu Ueda
丈晴 上田
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Origin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 仕上がり外観が良好で極めて耐傷付き性に優
れた艶消し塗料組成物を提供すること。 【解決手段】(A)乳化重合法もしくはポリマーの乳化
により得られるアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、アモルフォ
スポリオレフィン樹脂の内から選ばれる1種類以上の塗
料用乳化樹脂と、(B)1種類以上の多孔質性の粒子と
から構成される艶消し塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 この発明は、艶消し塗料組成
物、特に耐傷付き性に優れた艶消し塗装仕上げを与える
塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】 家電製品や自動車内装部品には、艶消
し塗装仕上げが施されている場合が見られる。通常この
ような艶消し塗装仕上げの方法は、塗料中にシリカやタ
ルクに代表される光沢調整用の体質顔料を加えることに
よって達成されていた。
【0003】 しかしながら、従来の技術にあっては、
仕上がり塗膜に外部からの衝撃などが加わった場合に、
傷がつき易いといった問題が生じていた。この問題を解
決するために、塗料中にスリップ剤やシリコーン樹脂な
どを加える試みがされてきたが、十分な解決方法は見い
だされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、このよう
な従来の問題点を解決するために、種々の家電製品や自
動車内装仕上げなどで用いられる艶消し塗料組成物とし
て、重量平均分子量がある値以上の特定の塗料用樹脂と
多孔質性の粒子とで構成することにより、仕上がり外観
が良好で、耐傷付き性に優れた艶消し塗装仕上げを与え
ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】 この発明の請求項1は
前記課題を解決するため、(A)溶剤に可溶で、スチレ
ン換算の重量平均分子量が30000以上のアクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリ
オレフィン樹脂、アモルフォスポリオレフィン樹脂の内
から選ばれる1種類以上の塗料用樹脂と、(B)1種類
以上の多孔質性の粒子とから構成される艶消し塗料組成
物を提供する。
【0006】 この発明の請求項2は前記課題を解決す
るため、(A)乳化重合法もしくはポリマーの乳化によ
り得られるアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、アモルフォスポ
リオレフィン樹脂の内から選ばれる1種類以上の塗料用
乳化樹脂と、(B)1種類以上の多孔質性の粒子とから
構成される艶消し塗料組成物を提供する。
【0007】 この発明の請求項3は前記課題を解決す
るため、請求項1又は請求項2において、前記多孔質性
の粒子の含有量は、全固形分中の10〜70重量%であ
る艶消し塗料組成物を提供する。
【0008】 この発明の請求項4は前記課題を解決す
るため、請求項1(A)の前記塗料用樹脂は、樹脂成分
として30重量%以上のアクリル樹脂を含み、該アクリ
ル樹脂はモノマー成分として、1分子中に2個以上のラ
ジカル重合性の官能基を有するモノマーを0.2〜10
重量%含むラジカル重合成モノマーを共重合して得られ
る樹脂である艶消し塗料組成物を提供する。
【0009】 この発明の請求項5は前記課題を解決す
るため、請求項1(B)又は請求項2(B)の前記多孔
質性の粒子は、アクリル系の多孔質性樹脂粒子である艶
消し塗料組成物を提供する。
【0010】 この発明の請求項6は前記課題を解決す
るため、請求項1(B)又は請求項2(B)の前記多孔
質性の粒子の平均粒子径は3〜30μmである艶消し塗
料組成物を提供する。
【0011】 この発明の請求項7は前記課題を解決す
るため、請求項1ないし請求項6のいずれかにおいて、
前記多孔質性の粒子は0.2〜2μmの幅の細孔を表面
に有する艶消し塗料組成物を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】 本発明は、樹脂の平均分子量が
大きくなるに従い形成される塗膜の有する光沢は低下す
るので、平均分子量が大きな樹脂を用いて処方した艶消
し塗膜は、同様な組成の樹脂で平均分子量の小さい樹脂
を用いて処方した艶消塗膜に比べて、少量の艶消し用体
質顔料の添加で同様な艶消し塗膜が得られるという第1
の知見と、艶消し用体質顔料の含有率が少ないほど耐傷
付き性が良好であるという第2の知見と、塗料成分中に
多孔質性の粒子を使用することにより大きな艶消し効果
が得られるという第3の知見に基づくものである。
【0013】 本発明はこれら知見により、比較的大き
な、あるいは大きな平均分子量をもつ特定の樹脂と多孔
質性の粒子とを組み合わせて用い、艶消し用体質顔料の
含有率を低くすることにより、仕上がり外観が良好で、
極めて耐傷付き性に優れた艶消し塗料組成物を提供する
ものである。
【0014】 本発明の塗艶消し塗料組成物に用いる塗
料用樹脂は、有機溶剤や水に可溶もしくは水中に分散さ
れたようなエマルション型の水性樹脂を使用することが
でき、樹脂の種類としてはアクリル樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、
アモルフォスポリオレフィン樹脂などを用いることがで
き、特に限定されるものではない。これら樹脂の選定は
塗装される基材への塗料の密着性や使用される環境など
によって選ばれるものである。
【0015】 本発明において有機溶剤もしくは水に可
溶な塗料用樹脂を用いる場合、現在工業的に入手可能な
塗料用樹脂ではスチレン換算の重量平均分子量が300
00〜500000の範囲のものが良いが、さらに好ま
しくは100000以上である。これは、本発明の耐傷
付き性を解決する組成物を得るのに重要な特性であるか
らである。なお現在、スチレン換算の重量平均分子量が
より高く、粘度がより低い塗料用樹脂の開発が行われて
おり、使用上で粘度などの問題がなければ、スチレン換
算の重量平均分子量が高いほど艶消し用体質顔料の含有
率を低くできるので、重量平均分子量が高い樹脂ほど好
ましい。そして、樹脂の粘度の問題は溶剤による希釈率
をより高めることによりある程度解決できるので、この
発明では樹脂のスチレン換算の重量平均分子量の上限を
設ける必要はないと考えられる。
【0016】 一般に溶剤に可溶な可溶型樹脂の場合に
おいては、樹脂の平均分子量が大きくなるに従い、形成
される塗膜の有する光沢は低下する。このため平均分子
量の大きな樹脂を用いてを処方した艶消し塗膜は、同様
な組成の樹脂で平均分子量の小さい樹脂を用いて処方し
た艶消塗膜とを比べて、少量の艶消し用体質顔料の添加
で同様な艶消し塗膜が得られた。したがって、平均分子
量の大きな樹脂を用いた場合には、艶消し用体質顔料の
含有量を少なくすることが可能であり、実際にこの二つ
の艶消塗膜の耐傷付き性を比較した場合、艶消し用体質
顔料の含有率が少ないほど耐傷付き性が良いという結果
を得た。
【0017】 使用する樹脂のガラス転移温度によって
も、多少の幅はあるが、上記理由により重量平均分子量
で30000以下の樹脂は好ましくない。一方、塗料用
樹脂の平均分子量が大きくなるに従い、樹脂を溶剤で溶
かしたときの溶液の粘度が上昇するため、現在工業的に
生産されている重量平均分子量が500000程度を越
える塗料用樹脂の場合には、スプレー塗装法などを用い
て塗装する場合の塗装作業性や、塗装処理された塗膜の
外観が低下するといった問題が発生する。しかし、実験
的には重量平均分子量が1000000を越える樹脂も
得られており、このような重量平均分子量の高い樹脂に
ついても溶剤による希釈率を更に高くすることにより使
用することが可能であり、より耐傷付き性の良好な艶消
し塗膜を得ることができる。
【0018】 エマルジョン型の水性樹脂を使用する場
合では、平均分子量には影響しない。これは、エマルジ
ョン型の樹脂の場合、分子量が大きな樹脂においても、
水中に微小粒子として存在するために塗装作業時の粘度
と平均分子量との間に相関がないからである。
【0019】 本発明に用いる塗料用樹脂の組成として
は、塗装素材に応じて任意に選定することが可能である
が、コスト、耐候性等の緒物性、樹脂の調節の簡便さか
らアクリル系樹脂を含むことが好ましい。この場合、ア
クリル樹脂の含有率は30重量%以上であることが好ま
しい。
【0020】 本発明の艶消し塗料組成物に使用できる
アクリル樹脂の合成に用いられるラジカル重合性単量体
としては、アクリル酸またはメタクリル酸のエステル、
例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アク
リル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタ
クリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル等のアクリル
酸またはメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエス
テル、アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキ
シブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メ
トキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル
酸エトキシブチル等のアクリル酸またはメタクリル酸の
炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル、アリル
アクリレート、アリルメタクリレート等のアクリル酸ま
たはメタクリル酸の炭素数2〜8のアルケニルエステ
ル、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチル
メタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒド
ロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアク
リレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアク
リル酸またはメタクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシ
アルキルエステル、アリルオキシエチルアクリレート、
アリルオキシエチルメタクリレート等のアクリル酸また
はメタクリル酸の炭素数3〜18のアルケニルオキシア
ルキルエステル。ビニル芳香族化合物、例えば、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロル
スチレンがあり、またポリオレフィン系化合物、例え
ば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンが例示でき
る。その他、カプロラクトン変性アクリル酸エステル化
合物、カプロラクトン変性メタクリル酸エステル、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル、メチルイソプロペ
ニルケトン、酢酸ビニル、ビニルプロピオネート、ビニ
ルピバレート、アクリルアミド、N−メチロールアクリ
ルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチ
ロールアクリルアミドブチルエーテル、ジメチルアミノ
エチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリ
レート、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロ
トン酸、アリルアルコール、マレイン酸なども用いるこ
とができる。
【0021】 本発明の塗料用樹脂成分としてアクリル
系樹脂を使用する場合には、1分子中に2個以上のラジ
カル重合性の官能基を有するモノマーをラジカル重合性
モノマー成分の一部として0.2重量%〜10.0重量
%使用することが好ましい。この理由としては、このよ
うな多官能性のアクリル系モノマーを使用することによ
り、樹脂成分中に巨大な分子量の分子が一部形成され、
このことによって耐傷付き性が向上するためである。ラ
ジカル重合性モノマー成分の一部として0.2重量%以
下を使用した場合には耐傷付き性向上の効果が見られな
いために好ましくない。
【0022】 しかしながら、多官能性のモノマーを多
量に使用した場合では重合中にゲル化を起こすといった
問題が生じる。ゲル化が起きる状況は、合成に使用する
過酸化物やアゾ化合物などの反応開始剤の種類や量によ
っても異なるが、いずれにせよ上記理由により10.0
重量%以上の多官能性のアクリルモノマーを使うことは
好ましくない。
【0023】 前記アクリル系樹脂は、通常のアクリル
樹脂やビニル樹脂などのラジカル重合反応と同様の方
法、条件で得ることができ、このような合成反応の一例
として、各単量体成分を有機溶剤に溶解し、ラジカル重
合開始剤の存在下に窒素雰囲気下で60〜180℃程度
の温度で撹拌しながら加熱する方法を示すことができ
る。反応時間は、通常1〜10時間程度で良い。また、
有機溶剤としてはエーテル系溶媒、エステル系溶媒、炭
化水素系溶媒を使用できる。
【0024】 ラジカル重合開始剤としては、通常用い
られているものを用いることができ、その一例として過
酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キサノエート等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物な
どを示すことができる。
【0025】 本発明の効果を発揮するもう一つの必須
の成分として、多孔質性の粒子がある。この多孔質性の
粒子とは、一般に球状で、粒子表面に多数の細溝を有す
る微粒子である。多孔質性の粒子の作用を述べる。塗料
成分中に通常の非多孔性の粒子を含む塗料を塗装し、乾
燥を行って艶消し塗膜を得た場合には粒子が存在するこ
とによって、塗膜表面には非多孔質性の粒子の粒子径に
対応する凹凸が形成される。このことによって艶消し効
果は得られる。しかしながら、非多孔質性であるため凹
凸は滑らかであり、大きな艶消し効果を得るためには多
量の非多孔性の粒子を加えるか、タルクやシリカに代表
される無機系の艶消し用体質顔料を相当量加える必要が
ある。
【0026】 一方、多孔質性の粒子を含む塗料で得ら
れた塗膜は、粒子の存在により、塗膜表面に粒子径に応
じた凹凸が形成されると同時に粒子が多孔質であるた
め、塗膜に形成される凹凸は粒子の多孔質性を反映した
複雑な細溝の模様を含む状態となる。このような複雑な
凹凸が塗膜表面に形成される場合、大きな艶消し効果が
得られ、すなわち、少量の艶消し用体質顔料の添加で、
あるいはそれを添加しなくとも十分な艶消し効果が得ら
れる。
【0027】 非多孔性粒子を使用した艶消し塗膜と多
孔質性の粒子を使用した艶消し塗膜の耐傷付き性を比較
すると、同じ程度の艶消し状態であっても、多孔質性の
粒子を使用した場合では塗膜中の艶消し用体質顔料成分
の含有率を低くできることから、耐傷付き性を高くする
ことができた。本発明で用いる多孔質性の粒子は、有機
系もしくは無機系の成分から構成される多孔質性の粒子
であり、それぞれの多孔質性の粒子が有する細溝の幅と
しては0.2〜2μm程度であることが好ましい。ここ
で、多孔質性の粒子の実際上の細溝は長さに比べて小さ
い幅を有する種々の形状の縮れた筋状の細溝である。
【0028】 この理由としては、多孔質性の粒子の細
孔の幅が0.2μm以下の場合、艶消し塗料組成物とし
て用いた場合の艶消し効果が非多孔質性の粒子を用いた
場合と変わらないため、耐傷付き性が向上しないからで
ある。また、前記幅が2μm以上の場合では、多孔質性
の粒子はゴルフボール状の凹凸を有するモルフォロジー
を示す状態になり、この場合も表面積が減少することか
ら艶消し塗料組成物に用いた場合に非多孔質性の粒子を
用いた場合と変わらなくなり、性耐傷付き性が向上しな
いため好ましくない。更にまた、細溝の幅が2μm以上
の多孔質性の粒子を用いた場合には、機械的強度が著し
く低下することによっても耐傷付き性も低下するので好
ましくない。
【0029】 本発明に使用する多孔質性の粒子の平均
粒子径としては、3〜30μmであることが艶消し及び
仕上がり外観の面から好ましい。多孔質性の粒子の平均
粒子径が3μm未満の場合には、艶消し塗膜において形
成される凹凸が小さくなるために、実質的な艶消し効果
が得られないので好ましくない。また、多孔質性の粒子
の平均粒子径が30μmを越える場合には、艶消し塗膜
を形成した場合の外観がざらざらと荒れた状態になり、
仕上がり外観が悪くなるために好ましくない。
【0030】 次に、本発明に用いる多孔質性の粒子
は、アクリル系の多孔質性樹脂粒子であることが好まし
い。この理由としては、アクリル系モノマーは極めて多
くの種類が入手可能であり、このことにより多彩な特性
を有する樹脂粒子の合成が可能であるからである。例え
ば、多孔質性樹脂粒子の合成過程におけるアクリル系モ
ノマーと異種ポリマーの層分離機構を応用した多孔質性
樹脂粒子の合成を処方する場合、モノマーの種類が広く
選べることから、アクリル系ポリマーと異種アクリル系
モノマーの混合物からも多孔質性樹脂粒子の合成が可能
であったり、あるいは異種ポリマーの層分離機構を応用
した多孔質性樹脂粒子の合成が容易に行えることから、
コスト面で非常に有利であるからである。さらに、多孔
質性の粒子の細溝の幅や粒子径のコントロール、あるい
は粒子のモルフォオジーのコントロールが可能となるか
らである。さまざまなモルフォロジーの多孔質性の粒子
が使用可能であることは艶消し塗料組成物に最も効果的
な粒子の設計も可能となる。
【0031】 上述の多孔質性樹脂粒子の合成過程にお
けるアクリル系モノマーと異種ポリマーの層分離機構を
応用した合成には、ラジカル重合性単量体、例えば、ア
クリル酸またはメタクリル酸のエステル、例えば、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウ
リル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オ
クチル、メタクリル酸ラウリル等のアクリル酸またはメ
タクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステル、アク
リル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、
アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチ
ル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸エトキシ
ブチル等のアクリル酸またはメタクリル酸の炭素数2〜
18のアルコキシアルキルエステル、アリルアクリレー
ト、アリルメタクリレート等のアクリル酸またはメタク
リル酸の炭素数2〜8のアルケニルエステル、ヒドロキ
シエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチル
メタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸または
メタクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエス
テル、アリルオキシエチルアクリレート、アリルオキシ
エチルメタクリレート等のアクリル酸またはメタクリル
酸の炭素数3〜18のアルケニルオキシアルキルエステ
ル、又はビニル芳香族化合物、例えば、スチレン、α−
メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロルスチレ
ン、さらに、ポリオレフィン系化合物、例えば、ブタジ
エン、イソプレン、クロロプレンの他に、カプロラクト
ン変性アクリル酸エステル化合物、カプロラクトン変性
メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル、メチルイソプロペニルケトン、酢酸ビニル、
ビニルプロピオネート、ビニルピバレート、アクリルア
ミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロール
メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドブチ
ルエーテル、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジ
エチルアミノエチルメタクリレート、アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、クロトン酸、アリルアルコー
ル、マレイン酸などと、1分子中に2個以上のラジカル
重合性官能基を有する化合物を共存させ、これに異種ポ
リマー、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオ
レフィン樹脂を溶解し、過酸化物などのラジカル重合開
始剤を使用した懸濁重合で合成することができる。
【0032】 スピノダル分解過程で形成される多孔質
性のモルフォロジーが、モノマー成分中に1分子に2個
以上のラジカル重合性官能基を有する化合物によって、
粒子が架橋することにより固定されることで最終的な合
成物である多孔質性の粒子が得られる。このことから、
モノマー種、架橋性モノマー種、架橋性モノマー量、混
合するポリマー種、混合するポリマー量、混合する溶剤
種、混合する溶剤量、重合温度、懸濁重合における分散
相の組成などはモルフォロジーのコントロールに重要な
要素である。
【0033】 本発明の艶消し塗料組成物は、前記特定
の塗料用樹脂と前記多孔質性の粒子とを組合わせること
により発現し、それらの耐傷付き性における相乗効果に
より得られるものである。よって、塗膜固形分中の多孔
質性の粒子の含有量によって耐傷付き性は変わる。塗料
固形分中の多孔質粒子の含有量は、好ましくは10〜7
0重量%である。より好ましくは、20〜50重量%で
ある。塗料固形分中の多孔質性の粒子の含有量が10重
量%未満では、多孔質性の粒子による艶消し効果が少な
いために、それを補うためにシリカやタルクなどの艶消
し用体質顔料を多く使用しなくては、艶消し塗膜が得ら
れないために、耐傷付き性が低下するため好ましくな
い。また、70重量%を越える場合には、塗膜にマイク
ロクラックが発生する等の外観不良が起こるために好ま
しくない。塗料固形分中の多孔質性の粒子の含有量の最
適量は、形成される塗膜の膜厚、多孔質性の粒子の平均
粒子径、塗装方法によっても異なるが、適量範囲は上記
範囲内である。
【0034】 本発明の艶消し塗料組成物は、必要に応
じて、公知の塗面調整剤、流動性調整剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、硬化触媒、体質顔料、着色顔料、金属顔
料、マイカ粉顔料、染料、有機溶剤などを加えることが
できる。また、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶
剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど
のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
系溶剤、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエー
テル等のエーテル系溶剤などの単独もしくは混合溶剤で
希釈して、スプレー塗装、ロール塗装、ハケ塗り等の塗
装方法によって塗装することができる。
【0035】 本発明の艶消し塗料組成物は常温乾燥型
の一液塗料、焼き付け型の一液塗料、低温焼付け型の二
液塗料などとして使用することが可能である。
【0036】 実施例 以下この発明を実施例を用いて説明するが、これによっ
て本発明を限定するものではない。
【0037】 実施例1 〔実施例1の塗料用樹脂の合成〕:窒素導入管、温度
計、冷却管、滴下ロート、撹拌装置を備えた1リットル
の丸底四つ口フラスコにトルエン480.0g、メタク
リル酸メチル160.0g、メタクリル酸ノルマルブチ
ル153.6g、メタクリル酸6.4gを仕込み、攪拌
を行いながらオイルバスを用いて昇温した。フラスコ内
の温度が90℃に達した時点で、ABN−E(日本ヒド
ラジン工業(株)製のアゾ化合物)0.3gを加えて、
90℃の温度で1時間保った。その後1、2、3時間後
それぞれに、ABN−E(日本ヒドラジン工業(株)製
のアゾ化合物)0.3gを加え、さらに温度を90℃に
3時間保った後、フラスコ内温度を110℃にして1時
間保ち、冷却して反応を終了した。
【0038】 〔実施例1の多孔質性の粒子の合成〕:
窒素導入管、温度計、冷却管、滴下ロート、撹拌装置を
備えた2リットルの丸底四つ口フラスコにメトローズ6
0SH50(信越化学(株)製の水溶性セルロース)
2.5%水溶液800gとニューコール707SF(日
本乳化剤(株)製のアニオン系乳化剤水溶液)の10%
水溶液2.0gを加えて強く攪拌しながら、メタクリル
酸イソブチル75g、エチレングリコールジメタクリレ
ート30g、ハードレンB−13(東洋化成(株)製の
塩素化ポリオレフィン系樹脂溶液)25g、トリゴノッ
クス23−C70(化薬アクゾ(株)製の過酸化物溶
液)3gからなるアクリルモノマー、ポリオレフィン系
ポリマー、過酸化物、溶剤からなる混合物を30分かけ
て滴下した。滴下終了後フラスコ内を強力に攪拌しなが
ら温度を60℃に昇温し、6時間温度を一定に保った。
その後冷却してフラスコ内容物を別の容器に移し、デカ
ンテーションをくり返すことにより十分に水洗を行っ
た。得られた粒子を乾燥して粉砕を行い、さらに分級す
ることによって平均粒子径10μmの多孔質性のアクリ
ル粒子を得た。
【0039】 〔実施例1の艶消し塗料組成物の調
整〕:前記合成で得た塗料用樹脂100g、メチルイソ
ブチルケトン100g、前記合成で得た多孔質性の粒子
17.2gを攪拌器を用いて混合した。塗装後の塗膜の
光沢値が60度反射でのグロス値で1.8になるまでミ
ズカシルP−801(水沢化学工業(株)製のシリカ系
艶消し用体質顔料)を加えて艶消し塗料組成物を得た。
【0040】 〔実施例1の艶消し塗料組成物の塗装方
法〕:酢酸エチル20重量%、メチルイソブチルケトン
30重量%、トルエン30重量%、ソルベッソ150
(炭化水素系混合溶剤)20重量%からなる混合溶剤を
シンナーとして用い、20℃における粘度がフォードカ
ップで12秒に調整してスプレー塗装用の艶消し塗料組
成物を得た。本実施例は、重量平均分子量110000
の溶液型塗料用樹脂に平均粒子径10μmの多孔質性の
粒子を固形分で30重量%添加した実施例である。
【0041】 実施例2 〔実施例2の塗料用樹脂の合成〕:窒素導入管、温度
計、冷却管、滴下ロート、撹拌装置を備えた1リットル
の丸底四つ口フラスコに蒸留水200.0g、ニューコ
ール707SF(日本乳化剤(株)製のアニオン系乳化
剤水溶液)7.0g、MS−2N(日本乳化剤(株)製
のラジカル重合性アニオン系乳化剤)2.0gを加えて
攪拌しながら、蒸留水4.3g、ニューコール707S
F0.4g、過硫酸アンモニウム1%水溶液0.5g、
メタクリル酸メチル5.4g、メタクリル酸ノルマルブ
チル4.5g、アクリル酸0.1gを混合して強力に攪
拌して得られる乳化物を加えてフラスコ内温度を80℃
に昇温して1時間保った。その後、精製水80.8g、
ニューコール707SF6.7g、過硫酸アンモニウム
10%水溶液10.0g、メタクリル酸メチル102.
6g、メタクリル酸ノルマルブチル85.5g、アクリ
ル酸1.9gを混合して強力に攪拌して得られる乳化物
を3時間をかけてフラスコ内に滴下した。滴下終了後8
0℃に4時間保った後、冷却して反応を終了し、エマル
ジョン系の塗料用樹脂を得た。
【0042】 〔実施例2の艶消し塗料組成物の調
整〕:実施例2の合成で得た前記塗料用樹脂100g、
実施例1の合成で得た前記多孔質性の粒子の17.2g
を攪拌器を用いて混合した。塗装後の塗膜の光沢値が6
0度反射でのグロス値で1.8になるまでミズカシルP
−801(水沢化学工業(株)製のシリカ系艶消し用体
質顔料)を加えて艶消し塗料組成物を得た。
【0043】 〔実施例2の艶消し塗料組成物の塗装方
法〕:実施例2で得た前記艶消し塗料組成物100gに
N−メチルピロリドン10gを加えてスプレー塗装用の
艶消し塗料組成物を得た。本実施例は、エマルジョン型
塗料用樹脂に平均粒子径10μmの多孔質性の粒子を固
形分で40重量%添加した実施例である。
【0044】 実施例3 〔実施例3の塗料用樹脂の合成〕:窒素導入管、温度
計、冷却管、滴下ロート、撹拌装置を備えた1リットル
の丸底四つ口フラスコにトルエン480.0gを加えて
オイルバスを用いて昇温し、フラスコ内温度が100℃
になった時点で別に調整した、メタクリル酸メチル16
0.0g、メタクリル酸ノルマルブチル147.2g、
エチレングリコールジメタクリレート6.4g、メタク
リル酸6.4g、ABN−E3.2gからなる混合物を
2時間で滴下した。滴下終了後、30、60、90、1
20分後にそれぞれABN−E1gを加え、最後にAB
N−Eを加えてから2時間にわたってフラスコ内温度を
100℃に保ってから、冷却し、反応を終了した。
【0045】 〔実施例3の艶消し塗料組成物の調
整〕:実施例3の合成で得た前記塗料用樹脂100g、
メチルイソブチルケトン100g、実施例1の合成で得
た前記多孔質性の粒子17.2gを攪拌器を用いて混合
した。塗装後の塗膜の光沢値が60度反射でのグロス値
で1.8になるまでミズカシルP−801(水沢化学工
業(株)製のシリカ系艶消し用体質顔料)を加えて艶消
し塗料組成物を得た。
【0046】 〔実施例3の艶消し塗料組成物の塗装方
法〕:酢酸エチル20重量%、メチルイソブチルケトン
30重量%、トルエン30重量%、ソルベッソ150
(炭化水素系混合溶剤)20重量%からなる混合溶剤を
シンナーとして用い、20℃における粘度がフォードカ
ップで12秒に調整してスプレー塗装用の艶消し塗料組
成物を得た。本実施例は、多官能型ラジカル重合性モノ
マーを併用した重量平均分子量90000の溶液型塗料
用樹脂に、平均粒子径10μmの多孔質性の粒子を固形
分で30重量%添加した実施例である。
【0047】 次に、比較例について説明する。 比較例1 〔比較例1の塗料用樹脂の合成〕:窒素導入管、温度
計、冷却管、滴下ロート、撹拌装置を備えた1リットル
の丸底四つ口フラスコにトルエン400.0gを加えて
オイルバスを用いて昇温し、フラスコ内温度が100℃
になった時点で別に調整した、メタクリル酸メチル20
0.0g、メタクリル酸ノルマルブチル192.0g、
メタクリル酸8.0g、ABN−E12.0gから成る
混合物を2時間で滴下した。滴下終了後、30、60、
90、120分後にそれぞれABN−E1gを加え、最
後にABN−Eを加えてから2時間にわたってフラスコ
内温度を100℃に保ってから冷却し、反応を終了し
た。
【0048】 〔比較例1の艶消し塗料組成物の調
整〕:比較例1の合成で得た前記塗料用樹脂100g、
メチルイソブチルケトン100g、実施例1の合成で得
た前記多孔質性の粒子17.2gを攪拌器を用いて混合
した。塗装後の塗膜の光沢値が60度反射でのグロス値
で1.8になるまでミズカシルP−801(水沢化学工
業(株)製のシリカ系艶消し用体質顔料)を加えて艶消
し塗料組成物を得た。
【0049】 〔比較例1の艶消し塗料組成物の塗装方
法〕:酢酸エチル20重量%、メチルイソブチルケトン
30重量%、トルエン30重量%、ソルベッソ150
(炭化水素系混合溶剤)20重量%からなる混合溶剤を
シンナーとして用い、20℃における粘度がフォードカ
ップで12秒に調整してスプレー塗装用の艶消し塗料組
成物を得た。本比較例は、重量平均分子量15000の
溶液型塗料用樹脂に平均粒子径10μmの多孔質性の粒
子を固形分で30重量%添加した例である。
【0050】 比較例2 〔比較例3の艶消し塗料組成物の調整〕:実施例1で得
た前記塗料用樹脂100g、メチルイソブチルケトン1
00g、実施例1で得た前記多孔質性の粒子2.1gを
攪拌器を用いて混合した。塗装後の塗膜の光沢値が60
度反射でのグロス値で1.8になるまでミズカシルP−
801(水沢化学工業(株)製のシリカ系艶消し用体質
顔料)を加えて艶消し塗料組成物を得た。
【0051】 〔比較例2の艶消し塗料組成物の塗装方
法〕:酢酸エチル20重量%、メチルイソブチルケトン
30重量%、トルエン30重量%、ソルベッソ150
(炭化水素系混合溶剤)20重量%からなる混合溶剤を
シンナーとして用い、20℃における粘度がフォードカ
ップで12秒に調整してスプレー塗装用の艶消し塗料組
成物を得た。本比較例は、重量平均分子量110000
の溶液型塗料用樹脂に平均粒子径10μmの多孔質性の
粒子を固形分で5重量%添加した例である。
【0052】 比較例3 〔比較例3の艶消し塗料組成物の調整〕:実施例1で得
た前記塗料用樹脂100g、メチルイソブチルケトン1
00g、実施例1で得た前記多孔質性の粒子160gを
攪拌器を用いて混合した。塗装後の塗膜の光沢値が60
度反射でのグロス値で1.8になるまでミズカシルP−
801(水沢化学工業(株)製のシリカ系艶消し用体質
顔料)を加えて艶消し塗料組成物を得た。
【0053】 〔比較例3の艶消し塗料組成物の塗装方
法〕:酢酸エチル20重量%、メチルイソブチルケトン
30重量%、トルエン30重量%、ソルベッソ150
(炭化水素系混合溶剤)20重量%からなる混合溶剤を
シンナーとして用い、20℃における粘度がフォードカ
ップで12秒に調整してスプレー塗装用の艶消し塗料組
成物を得た。本比較例は、重量平均分子量110000
の溶液型塗料用樹脂に平均粒子径10μmの多孔質性の
粒子を固形分で80重量%添加した例である。
【0054】 比較例4 〔比較例4の多孔質性の粒子の合成〕:窒素導入管、温
度計、冷却管、滴下ロート、撹拌装置を備えた2リット
ルの丸底四つ口フラスコにメトローズ60SH50(信
越化学(株)製の水溶性セルロース)3.0%水溶液8
00gとニューコール707SF(日本乳化剤(株)製
のアニオン系乳化剤水溶液)の10%水溶液30.0g
を加えて強く攪拌しながら、メタクリル酸イソブチル4
0g、エチレングリコールジメタクリレート20g、ハ
ードレンB−13(東洋化成(株)製の塩素化ポリオレ
フィン系樹脂溶液)10g、トリゴノックス23−C7
0(化薬アクゾ製の過酸化物溶液)3gからなるアクリ
ルモノマー、ポリオレフィン系ポリマー、過酸化物、溶
剤からなる混合物を30分かけて滴下した。滴下終了後
フラスコ内を強力に攪拌しながら温度を60℃に昇温
し、6時間温度を一定に保った。その後冷却してフラス
コ内容物をデカンテーションをくり返すことにより十分
に水洗を行った。得られた粒子を乾燥して粉砕を行い、
さらに分級することによって平均粒子径2マイクロメー
トルの多孔質性のアクリル粒子を得た。
【0055】 〔比較例4の艶消し塗料組成物の調
整〕:実施例1で得た前記塗料用樹脂100g、メチル
イソブチルケトン100g、比較例5で得た前記多孔質
性の粒子17.2gを攪拌器を用いて混合した。塗装後
の塗膜の光沢値が60度反射でのグロス値で1.8にな
るまでミズカシルP−801(水沢化学工業(株)製の
シリカ系艶消し用体質顔料)を加えて艶消し塗料組成物
を得た。
【0056】 〔比較例4の艶消し塗料組成物の塗装方
法〕:酢酸エチル20重量%、メチルイソブチルケトン
30重量%、トルエン30重量%、ソルベッソ150
(炭化水素系混合溶剤)20重量%からなる混合溶剤を
シンナーとして用い、20℃の粘度がフォードカップで
12秒に調整してスプレー塗装用の艶消し塗料組成物を
得た。本比較例は重量平均分子量110000の溶液型
塗料用樹脂に平均粒子径2μmの多孔質性の粒子を固形
分で30重量%添加した例である。
【0057】 比較例5 〔比較例6の多孔質粒子の合成〕:窒素導入管、温度
計、冷却管、滴下ロート、撹拌装置を備えた2リットル
の丸底四つ口フラスコにメトローズ60SH50(信越
化学(株)製の水溶性セルロース)1.5%水溶液60
0gを加えて強く攪拌しながら、メタクリル酸イソブチ
ル75g、エチレングリコールジメタクリレート30
g、ハードレンB−13(東洋化成(株)製の塩素化ポ
リオレフィン系樹脂溶液)25g、トリゴノックス23
−C70(化薬アクゾ(株)製の過酸化物溶液)3gか
らなるアクリルモノマー、ポリオレフィン系ポリマー、
過酸化物、溶剤からなる混合物を30分かけて滴下し
た。滴下終了後フラスコ内を強力に攪拌しながら温度を
60℃に昇温し、6時間温度を一定に保った。その後冷
却してフラスコ内容物をデカンテーションをくり返すこ
とにより十分に水洗を行った。得られた粒子を乾燥して
粉砕を行い、さらに分級することによって平均粒子径2
μmの多孔質性のアクリル粒子を得た。
【0058】 〔比較例5の艶消し塗料組成物の調
整〕:実施例1で得た前記塗料用樹脂100g、メチル
イソブチルケトン100g、比較例6で得た前記多孔質
性の粒子17.2gを攪拌器を用いて混合した。塗装後
の塗膜の光沢値が60度反射でのグロス値で1.8にな
るまでミズカシルP−801(水沢化学工業(株)製の
シリカ系艶消し用体質顔料)を加えて艶消し塗料組成物
を得た。
【0059】 〔比較例5の艶消し塗料組成物の塗装方
法〕:酢酸エチル20重量%、メチルイソブチルケトン
30重量%、トルエン30重量%、ソルベッソ150
(炭化水素系混合溶剤)20重量%からなる混合溶剤を
シンナーとして用い、20℃における粘度がフォードカ
ップで12秒に調整してスプレー塗装用の艶消し塗料組
成物を得た。本比較例は、重量平均分子量110000
の溶液型塗料用樹脂に平均粒子径50μmの多孔質性の
粒子を固形分で30重量%添加した例である。
【0060】 〔塗膜評価方法〕 (イ)塗装処理と塗装乾燥−ABS素材に、前記実施例
及び比較例で得た塗料組成物をエアースプレー塗装によ
り乾燥した塗膜の膜厚が12μmになるように均一に塗
装を行った。スプレー終了後7日間常温放置することに
より乾燥過程を終了し、各種試験を行った。試験結果は
表1である。 (ロ)塗膜試験項目と評価方法密着性試験 :1mm
×1mm×100個碁盤目カット、セロハンテープ剥離
試験後の残存碁盤目数から評価。 耐水密着性試験:40℃温水中に240時間浸漬後、1
mm×1mm×100個碁盤目カット、セロハンテープ
剥離試験後の残存碁盤目数から評価。 耐傷付き性試験:日産自動車規格NES5081に準
じ、塗膜上に1平方センチメートルあたり220gの荷
重をかけた100〜150μmのガラスビーズを敷き、
10cm/秒の速度で5往復後の光沢保持率を測定して
比較した。 塗装仕上がり外観:目視により仕上がり状態の平滑性を
相対的に評価。 (ハ)試験評価判定基準 ◎:極めて良好 ○:良好 △:やや劣るが使用可能範囲 ×:不良
【0061】
【発明の効果】 以上述べたように、本発明によれば平
均分子量の大きな塗料用樹脂と多孔質性の粒子とを組合
わせることにより、仕上がり外観が良好で極めて耐傷付
き性に優れた艶消し塗膜を各種の家電製品や自動車内装
品などに付与する艶消し塗料組成物を提供することがで
きる。
【表 1】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)溶剤に可溶で、スチレン換算の重
    量平均分子量が30000以上のアクリル樹脂、ポリエ
    ステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリオレフィン
    樹脂、アモルフォスポリオレフィン樹脂の内から選ばれ
    る1種類以上の塗料用樹脂と、(B)1種類以上の多孔
    質性の粒子と、から構成されることを特徴とする艶消し
    塗料組成物。
  2. 【請求項2】 (A)乳化重合法もしくはポリマーの乳
    化により得られるアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
    リウレタン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、アモルフ
    ォスポリオレフィン樹脂の内から選ばれる1種類以上の
    塗料用乳化樹脂と、(B)1種類以上の多孔質性の粒子
    と、から構成されることを特徴とする艶消し塗料組成
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記多
    孔質性の粒子の含有量は、全固形分中の10〜70重量
    %であることを特徴とする艶消し塗料組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1(A)の前記塗料用樹脂は、樹
    脂成分として30重量%以上のアクリル樹脂を含み、該
    アクリル樹脂はモノマー成分として、1分子中に2個以
    上のラジカル重合性の官能基を有するモノマーを0.2
    〜10重量%含むラジカル重合成モノマーを共重合して
    得られる樹脂であることを特徴とする艶消し塗料組成
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1(B)又は請求項2(B)の前
    記多孔質性の粒子は、アクリル系の多孔質性樹脂粒子で
    あることを特徴とする艶消し塗料組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1(B)又は請求項2(B)の前
    記多孔質性の粒子の平均粒子径は3〜30μmであるこ
    とを特徴とする艶消し塗料組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかにお
    いて、前記多孔質性の粒子は0.2〜2μmの幅の細孔
    を表面に有することを特徴とする艶消し塗料組成物。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004131565A (ja) * 2002-10-09 2004-04-30 Hitachi Chem Co Ltd 水性樹脂組成物及び水性塗料
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JP2013136708A (ja) * 2011-12-28 2013-07-11 Origin Electric Co Ltd 塗料
CN112126316A (zh) * 2020-09-28 2020-12-25 湖南连心科技有限公司 一种亚光粉末涂料及其制备方法

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