JP2002020669A - オフセット印刷インキ組成物およびそれを用いるオフセット印刷方法 - Google Patents

オフセット印刷インキ組成物およびそれを用いるオフセット印刷方法

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JP2002020669A
JP2002020669A JP2000204797A JP2000204797A JP2002020669A JP 2002020669 A JP2002020669 A JP 2002020669A JP 2000204797 A JP2000204797 A JP 2000204797A JP 2000204797 A JP2000204797 A JP 2000204797A JP 2002020669 A JP2002020669 A JP 2002020669A
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range
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oil
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Koji Iwase
孝司 岩瀬
Tsutomu Takeda
勉 武田
Hiroaki Funabashi
広晃 船橋
Yoichi Kojima
陽一 小島
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Sakata Inx Corp
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Sakata Inx Corp
Sakata Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オフセット印刷において、湿し水供給装置に
より供給されている湿し水の量を従来量よりも減量して
印刷初期段階での紙切れを防止し、しかも印刷時の損紙
量を減らし、さらに汚れが少なく画像の再現性がよい印
刷物を得ることができるオフセット印刷方式を提供す
る。 【解決手段】 着色剤、バインダー樹脂、植物油および
/または鉱物油から主として構成される油性インキ成分
62.0〜84.8重量%、水性成分15.0重量%を
超え30.0重量%未満、下記式(1)で表される高級ア
ルコール0.1〜5.0重量%、および下記式(2)で
表される非イオン系界面活性剤0.1〜3.0重量%を
含有するエマルジョンインキであることを特徴とするオ
フセット印刷インキ組成物。 R1−OH (1) R2−O−(CH2−CH2−O−)n−H (2) (式中、R1は炭素数が8〜20の範囲にある飽和ある
いは不飽和炭化水素基を、R2は炭素数(k)が4〜2
0の範囲にある飽和あるいは不飽和炭化水素基を、nは
1〜20の範囲の整数を示す。また、kとnは1.5n
≦k≦6nの関係を満たす範囲に限る。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオフセット印刷イン
キ組成物およびそれを用いるオフセット印刷方法に関
し、より詳しくは、新聞印刷において保水機能を持たせ
たオフセット印刷用エマルジョンインキおよびそれを用
いるオフセット印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オフセット印刷では、版面上の画像部と
非画像部の油性のインキと湿し水に対する親和力(反発
力)が異なることを利用して画像が形成される。印刷機
に湿し水を供給する方式としては、湿し水を版面に対し
て供給する方式、あるいはインキ搬送のローラー上に供
給する方式が採られてきている。しかし、これらの方式
で汚れがなく画像再現性のよい印刷物を得るためには、
インキと湿し水の供給量の比率が適性領域に維持される
ように管理しなければならず、そのためには印刷作業に
おける技術や経験が必要であった。近年のオフセット印
刷業界、特に新聞印刷においては印刷作業の簡素化、省
力化が注目されるようになり、印刷作業に負担をかけて
いる従来型の湿し水供給装置の使用についても見直す必
要性が出てきている。
【0003】このための1つの方法として、湿し水をあ
らかじめインキ中にエマルジョンの形態で含ませてお
き、印刷の際、ローラー間のニップ圧などで分離させて
利用する方式が考えられている(類似の考え方は古く
「新聞印刷」(昭和55年10月31日、日本新聞協会
編集および発行)、231頁〜234頁等にも見られ
る)。これは従来のような湿し水の管理、調整を不要と
して、作業の簡素化を図ることを目的とするものであ
る。オフセット印刷用エマルジョンインキに特に要求さ
れるのは、十分な量の湿し水が版面に供給されるように
水の分離を制御しなければならないことである。このた
めには、オフセット印刷用エマルジョンインキが印刷機
上の適正な個所で湿し水の分離を起こすようにしなけれ
ばならない。水分離の特性はインキにかかる機械的応力
と密接に関係する。そして、その機械的応力はオフセッ
ト印刷においては、ローラー間のせん断速度に依存す
る。低いせん断速度下でもエマルジョンが不安定になる
ものは、ローラー上にインキが供給される前のインキ溜
めの中やポンプによる供給中に分離が起こり、版面まで
十分な湿し水が届かなくなる。この場合、版面の非画像
部にもインキが付着して、汚れが発生することになる。
逆に、高いせん断速度下においても十分な量の湿し水が
分離しないものは、画像部へのインキの転移不良による
濃度低下や濃度斑、あるいは非画像部の汚れなどの弊害
が現れる。これ以外にも適正量の湿し水が分離されない
場合は、絵柄面積の変化で画像品質が劣化したり、パイ
リング等のトラブルを起こす原因にもなる。特に、近年
の印刷速度の高速化により、印刷機上でインキにかかる
機械的応力の幅は広くなっており、オフセット印刷用エ
マルジョンインキにはこれにも適応する水分離の性能を
付与しなければならない。
【0004】このように、オフセット印刷用エマルジョ
ンインキによる印刷の場合は、従来の湿し水供給装置を
用いる方式に比べ、さらに精度の高い乳化の制御が要求
される。また、低品質の紙を使用するような新聞印刷の
場合、現状の印刷方式では印刷の初期段階から湿し水を
多く供給することは紙切れの原因となっている。そのた
め、印刷の初期段階ではインキ過多状態で、徐々に湿し
水を供給する印刷方式が必要であり、印刷時の損紙量が
非常に多くなるということが問題となっている。
【0005】これらの問題を解決するため、例えば特開
昭55−5946号公報には特定のHLBを有する非イ
オン性界面活性剤を用いる方法、特公昭55−1875
4号公報にはカルボン酸や燐酸、あるいはその塩と多価
アルコール類を用いる方法、特公昭54−22324号
公報にはアミノアルコールや多価アルコールを用いる方
法、特公昭64−7112号公報には両性界面活性剤と
塩類を用いる方法が開示されている。これらの方法によ
れば、従来のような湿し水供給装置を用いなくても一応
のオフセット印刷を行うことができるものの、画像品質
の高い印刷物を安定して得ることに関しては、依然、満
足できる結果は得られていない。上述したような湿し水
の分離特性がいまだ十分に制御できていないためであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、前記の問題を解決し、湿し水供給
装置により供給されている湿し水の量を従来量よりも減
量して印刷初期段階での紙切れを防止し、しかも印刷時
の損紙量を減らし、さらに汚れが少なく画像の再現性が
よい印刷物を得ることができるオフセット印刷用エマル
ジョンインキおよびそれを用いるオフセット印刷方法を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、湿し水供給
装置から供給される湿し水の量を従来量よりも減量して
オフセット印刷を行うために、エマルジョンタイプのイ
ンキを利用する。これは乳化調整剤を用いて、油性イン
キ成分中に水分を乳化させておき、インキが版面に供給
される間にかかる機械的応力によって、水分と油性イン
キ成分とを分離させて、水分が非画線部を覆うようにし
たものである。
【0008】従って、応力のかからない状態では、水分
がインキ中で安定した乳化状態を維持し、一方、応力が
かかれば速やかに分離するといった相反する性能が要求
され、乳化適性のコントロールに関しては、非常に高い
精度が必要となる。そこで、本発明者らは、上記の課題
を解決するために鋭意検討した結果、油性インキ成分と
水分の乳化適性との関係を検討することにより、少量の
湿し水により印刷可能なオフセット印刷方式を確立し、
本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、請求項1に係る発明は、着色
剤、バインダー樹脂、植物油および/または鉱物油から
主として構成される油性インキ成分62.0〜84.8
重量%、水性成分15.0重量%を超え30.0重量%未
満、下記式(1)で表される高級アルコール0.1〜5.
0重量%、および下記式(2)で表される非イオン系界
面活性剤0.1〜3.0重量%を含有するエマルジョン
インキであることを特徴とするオフセット印刷インキ組
成物に関する。 R1−OH (1) R2−O−(CH2−CH2−O−)n−H (2) (式中、R1は炭素数が8〜20の範囲にある飽和ある
いは不飽和炭化水素基を、R2は炭素数(k)が4〜2
0の範囲にある飽和あるいは不飽和炭化水素基を、nは
1〜20の範囲の整数を示す。また、kとnは1.5n
≦k≦6nの関係を満たす範囲に限る。)
【0010】また、請求項2に係る発明は、着色剤、バ
インダー樹脂、植物油および/または鉱物油から主とし
て構成される油性インキ成分、水性成分、下記式(1)で
表される高級アルコール、および下記式(2)で表され
る非イオン系界面活性剤を含有するオフセット印刷用エ
マルジョンインキを用いるオフセット印刷方式におい
て、前記水性成分がインキ中に30.0重量%未満であ
り、かつ湿し水を供給しながら印刷することを特徴とす
るオフセット印刷方法に関する。 R1−OH (1) R2−O−(CH2−CH2−O−)n−H (2) (式中、R1は炭素数が8〜20の範囲にある飽和ある
いは不飽和炭化水素基を、R2は炭素数(k)が4〜2
0の範囲にある飽和あるいは不飽和炭化水素基を、nは
1〜20の範囲の整数を示す。また、kとnは1.5n
≦k≦6nの関係を満たす範囲に限る。)
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のオフセット印刷方
式について詳細に説明する。本発明のオフセット印刷方
式は、特定の乳化調整剤を用いて、油性インキ成分に水
性成分を乳化させて得られるエマルジョンインキを利用
することにより、湿し水供給装置による少量の水供給で
オフセット印刷を可能にするものである。
【0012】本発明のオフセット印刷用エマルジョンイ
ンキ組成物は、全インキ組成物中に、着色剤、バインダ
ー樹脂、植物油および/または鉱物油から主として構成
される油性インキ成分62.0〜84.8重量%、水性
成分15.0重量%を超え30.0重量%未満、下記の
一般式(1)で示される高級アルコールを0.1〜5.
0重量%、および下記の一般式(2)で表される非イオ
ン系界面活性剤を0.1〜3.0重量%を含有すること
を特徴とするものである。
【0013】本発明のオフセット印刷用エマルジョンイ
ンキ組成物は、前記特定の組成により、インキ溜めやポ
ンプによる給送中などの低せん断速度下では乳化が安定
化されており水分離を生じないが、印刷機の版面上など
高せん断速度下の適正な部位で乳化が不安定化されて水
分離を生じ、版面に適正量の湿し水を供給でき、紙面の
汚れがなく、画像品質の高い印刷物を安定して得ること
ができる。
【0014】本発明のオフセット印刷用エマルジョンイ
ンキ組成物に使用される高級アルコールは、次の式
(1)で示されるものである。 R1−OH (1) (式中、R1は炭素数が8〜20の範囲にある飽和ある
いは不飽和炭化水素基を示す)
【0015】式(1)において、R1で表される炭素数
8〜20の範囲にある炭化水素基としては、直鎖状また
は分岐鎖状の飽和脂肪族炭化水素基または不飽和脂肪族
炭化水素基が挙げられる。R1の炭素数が前記範囲外の
場合は十分な水分離が得られない。式(1)で示される
高級アルコールとしては、例えばノニルアルコール、ラ
ウリルアルコール、トリデカノール、セタノール、ステ
アリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイ
ルアルコールなどの炭素数の8〜20の範囲にある飽和
または不飽和の一価アルコールが例示できる。
【0016】前記高級アルコールは、オフセット印刷用
エマルジョンインキ組成物の全量中に、0.1〜5.0
重量%含有される。高級アルコールの含有量が前記範囲
未満では印刷機の高せん断速度下でも水分離が十分に起
こらず、版面に十分な湿し水を供給できなくなり、一方
前記範囲を超えると、乳化が不安定になるため低せん断
速度下でも水分離が起こり、版面まで十分な水が届かな
くなり、どちらの場合も非画像部にもインキ付着が起こ
り紙面の汚れとなる。
【0017】本発明のオフセット印刷用エマルジョンイ
ンキ組成物に使用する非イオン系界面活性剤は、次の式
(2)で示されるものである。 R2−O−(CH2−CH2−O−)n−H (2) (式中、R2は炭素数(k)が4〜20の範囲にある飽
和あるいは不飽和炭化水素基を、nは1〜20の範囲の
整数を示す。また、kとnは1.5n≦k≦6nの関係
を満たす範囲に限る。)
【0018】式(2)において、R2で表される炭素数
が4〜20の範囲にある炭化水素基としては、直鎖状ま
たは分岐鎖状の飽和脂肪族炭化水素基または不飽和脂肪
族炭化水素基、あるいは飽和脂肪族炭化水素基または不
飽和脂肪族炭化水素基を有する芳香族炭化水素基などが
挙げられる。R2の炭素数、nの数およびkとnの関係
が前記範囲を外れると、所望の界面活性効果が得られ
ず、水分離特性の制御が困難となる。式(2)で示され
る非イオン系界面活性剤としては、例えば、ノニルフェ
ノールのエチレンオキサイド重付加物、オクチルフェノ
ールのエチレンオキサイド重付加物などのポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル類、ラウリルアルコー
ルのエチレンオキサイド重付加物などのポリオキシエチ
レンアルキルエーテルなどが例示できる。
【0019】前記非イオン系界面活性剤は、オフセット
印刷用エマルジョンインキ組成物の全量中に、0.1〜
3.0重量%含有される。非イオン系界面活性剤の含有
量が前記範囲未満では十分な界面活性が得られず、一方
前記範囲を超えると、乳化が安定しすぎるため水分離が
十分起こらなくなる。
【0020】本発明のオフセット印刷用エマルジョンイ
ンキ組成物は、前記高級アルコールおよび非イオン系界
面活性剤以外に、全インキ組成物中に、着色剤、バイン
ダー樹脂、植物油および/または鉱物油から主として構
成される油性インキ成分62.0〜84.8重量%、水
性成分15.0重量%を超え30.0重量%未満を含有す
るものである。
【0021】水性成分の含有量が前記範囲より多いか、
油性成分の含有量が前記範囲より少ないと、印刷初期段
階で紙切れを起こしたり、あるいは印刷初期段階でのロ
ーラー間で水分離が生じることによる汚れが発生し、損
紙が増加することにつながる。
【0022】本発明のオフセット印刷用エマルジョンイ
ンキを得るために使用する樹脂成分としては、ロジン変
性フェノール樹脂、石油樹脂変性フェノール樹脂、各種
アルキッド樹脂、石油樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリ
エステル樹脂、ギルソナイト、あるいはそれらの変性物
を使用することができる。これら樹脂成分はゲル化剤を
用いてゲル化したものであってもよい。
【0023】本発明のオフセット印刷用エマルジョンイ
ンキ組成物を得るための着色剤としては、オフセット印
刷インキに一般的に用いられる無色または有色の、無機
または有機顔料が使用でき、具体的には、二酸化チタ
ン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、磁性酸化鉄などの
無機顔料、アゾ顔料、レーキ顔料、フタロシアニン顔
料、イソインドリン顔料、アントラキノン顔料、キナク
リドン顔料などの有機顔料、およびカーボンブラックな
どが使用できる。
【0024】本発明のオフセット印刷用エマルジョンイ
ンキ組成物を得るための植物油としては、大豆油、綿実
油、アマニ油、サフラワー油、桐油、トール油、脱水ヒ
マシ油、カノーラ油等が例示できる。
【0025】本発明のオフセット印刷用エマルジョンイ
ンキ組成物を得るための鉱物油としては、オフセット印
刷用インキ溶剤として利用されているものが特に制限な
く使用できる。具体的には、n−パラフィン系溶剤、イ
ソパラフィン系溶剤、ナフテン系溶剤、芳香族系溶剤、
α−オレフィン系溶剤、スピンドル油、マシン油、シリ
ンダー油等の石油系溶剤が例示できる。その他併用でき
る溶剤の具体例としては、軽油、テレピン油、ミネラル
スピリット、アルコール類、ケトン類、エステル類など
が例示できる。
【0026】さらに、本発明のオフセット印刷用エマル
ジョンインキ組成物を得るためには、顔料分散剤、ドラ
イヤー、乾燥遅延剤、酸化防止剤、整面助剤、裏映り防
止剤などを適宜使用することができる。
【0027】本発明の着色剤、バインダー樹脂、植物油
および/または鉱物油から主として構成される油性成分
の粘度範囲は1.0〜10.0Pa・sのものが好適に
使用できる。
【0028】油性成分の前記各成分の比率は、油性成分
全量中に、着色剤10〜30重量%、バインダー樹脂1
0〜45重量%、植物油0〜60重量%、鉱物油0〜6
0重量%(植物油と鉱物油の合計量が30〜70重量%
の範囲が好ましい)の範囲が適当である。
【0029】本発明のオフセット印刷用エマルジョンイ
ンキ組成物を得るための水性成分としては、イオン交換
水、蒸留水などの水のみであってもよく、多価アルコー
ルなどの水溶性有機溶剤を配合してもよい。また従来か
ら使用されている湿し水を使用しても何等問題はない。
【0030】本発明のオフセット印刷用エマルジョンイ
ンキ組成物を製造するには、従来公知の方法が使用でき
る。以下に、本発明のオフセット印刷用エマルジョンイ
ンキ組成物を得るために用いられる一般的な製造方法に
ついて説明する。
【0031】樹脂ワニス、着色剤、植物油、鉱物油、
必要に応じて顔料分散剤をビーズミル、3本ロールなど
で練肉分散させることによりオフセット印刷インキ用ベ
ースを得る。 前記オフセット印刷インキ用ベースに、本発明で特定
した高級アルコールおよび非イオン系界面活性剤、必要
に応じて使用可能な樹脂ワニス、その他添加剤を加え、
植物油、溶剤などで所定の粘度に調整しオフセット印刷
用インキ組成物を得る。 前記オフセット印刷用インキ組成物に、水を主成分と
する水性成分を加え、攪拌し、オフセット印刷用エマル
ジョンインキ組成物を得る。
【0032】さらに本発明は、着色剤、バインダー樹
脂、植物油および/または鉱物油から主として構成され
る油性インキ成分、水性成分、前記式(1)で表される高
級アルコール、および前記式(2)で表される非イオン
系界面活性剤を含有するオフセット印刷用エマルジョン
インキを用いるオフセット印刷方式において、前記水性
成分がインキ中に30.0重量%未満であり、かつ湿し
水を供給しながら印刷することを特徴とするオフセット
印刷方法を提供する。
【0033】本発明のオフセット印刷方法において用い
るエマルジョンインキは、水性成分をインキ全量中に3
0.0重量%未満含むものであればよいが、前述の本発
明のオフセット印刷用エマルジョンインキが、供給する
湿し水の量を少なくできるので好ましい。
【0034】本発明のオフセット印刷方法は、従来のよ
うな量の湿し水を必要としないほかは従来のオフセット
印刷と同様に行うことができる。版材も従来のオフセッ
ト印刷で使用されているものが使用でき、例えばPS版
などがあげられる。
【0035】
【実施例】以下実施例、比較例を用いて、本発明のオフ
セット印刷用エマルジョンインキ組成物をさらに詳細に
説明するが、本発明はその趣旨と適用範囲を逸脱しない
限りこれらに限定されるものではない。なお、以下の記
述において、「部」は重量部を、「%」は重量%を示
す。
【0036】[オフセット印刷用インキ用ワニスの製造] <ロジン変性フェノール樹脂ワニスの製造>コンデンサ
ー、温度計および攪拌機を装着した四つ口フラスコにロ
ジン変性フェノール樹脂(日立化成ポリマー(株)製:
酸価20、軟化点162℃)38.5部、大豆油30
部、6号ソルベント(日本石油化学(株)製)30部、
ゲル化剤ALCH1.5部(川研ファインケミカル
(株)製)を仕込み、230℃に昇温し、同温度で30
分間攪拌した後、175℃で30分間攪拌してロジン変
性フェノール樹脂ワニスを得た。
【0037】<ギルソナイトワニスの製造>コンデンサ
ー、温度計および攪拌機を装着した四つ口フラスコにギ
ルソナイトセレクト(アメリカンギルソナイト(株)
製)20部、6号ソルベント80部を仕込み、140℃
に昇温した後、同温度で4時間攪拌してギルソナイトワ
ニスを得た。
【0038】<石油樹脂ワニスの製造>コンデンサー、
温度計および攪拌機を装着した四つ口フラスコにマレイ
ン化石油樹脂(日本石油(株)製)55部、6号ソルベ
ント45部を仕込み、140℃に昇温した後、同温度で
30分間攪拌して石油樹脂ワニスを得た。
【0039】[オフセット印刷用インキ組成物の製造] 実施例1〜4、比較例1〜5 ロジン変性フェノール樹脂ワニス40部、ギルソナイト
ワニス12部、石油樹脂ワニス12部、カーボンブラッ
ク#32(三菱化学(株)製)20部、乾燥防止剤1部
を配合しビーズミルで練肉し、墨インキベースを得た。
次いで、該墨インキベースに対して、表1の配合で高級
アルコール、非イオン系界面活性剤、石油樹脂ワニス、
6号ソルベントを添加し希釈して粘度2.0〜6.0Pa
・sのオフセット印刷用インキ組成物を得、その後、前
記で得られた各オフセット印刷用インキ組成物と水とを
表1の配合になるように攪拌混合し、実施例1〜4、比
較例1〜5のオフセット印刷用エマルジョンインキ組成
物を得た。表1における水の配合量は、オフセット印刷
用エマルジョンインキ組成物中における水の含有量
(%)で示した。
【0040】[性能評価試験] 印刷試験 実施例1〜4、比較例1〜5で得られたオフセット印刷
用エマルジョンインキ組成物を用いて下記印刷条件でオ
フセット印刷を行い、印刷物100部で立ち上がるのに
必要な水量、立ち上がり時の紙切れの有無、およびロー
ラー間水分離による汚れについて調べた。各性能の評価
結果を表1に示す。
【0041】印刷物100部で立ち上がるのに必要な水
量については、100部で立ち上げるために1分間に必
要とされる水量で評価した。
【0042】立ち上がり時の紙切れについては、紙切れ
のあるものを「有」、ないものを「無」として評価し
た。
【0043】ローラー間水分離による汚れについては、
汚れのあるものを「有」、ないものを「無」として評価
した。
【0044】(印刷条件) 印刷機:オフセット輪転印刷機 版材:PS版 用紙:新聞用紙 印刷速度:2.4万部/時〜14万部/時
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】以上、実施例と比較例を用いて具体的に
説明したように、本発明のオフセット印刷方式は、乳化
調整剤を用いたエマルジョンタイプのインキを利用した
ときに、湿し水供給装置により供給されている湿し水の
量を従来量よりも減量できることによって、印刷初期段
階での紙切れを防止し、しかも印刷時の損紙量を減ら
し、さらに汚れが少なく画像の再現性がよい印刷物を得
ることができるという効果を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船橋 広晃 大阪市西区江戸堀一丁目23番37号 サカタ インクス株式会社内 (72)発明者 小島 陽一 大阪市西区江戸堀一丁目23番37号 サカタ インクス株式会社内 Fターム(参考) 2H113 AA01 AA03 BA05 BC00 BC01 BC02 BC10 DA22 DA25 DA57 DA60 EA10 EA12 EA13 4J039 AB04 AB06 AB10 AD18 AE02 AE06 BC07 BC12 BE01 BE12 BE22 CA06 GA02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色剤、バインダー樹脂、植物油および
    /または鉱物油から主として構成される油性インキ成分
    62.0〜84.8重量%、水性成分15.0重量%を
    超え30.0重量%未満、下記式(1)で表される高級ア
    ルコール0.1〜5.0重量%、および下記式(2)で
    表される非イオン系界面活性剤0.1〜3.0重量%を
    含有するエマルジョンインキであることを特徴とするオ
    フセット印刷インキ組成物。 R1−OH (1) R2−O−(CH2−CH2−O−)n−H (2) (式中、R1は炭素数が8〜20の範囲にある飽和ある
    いは不飽和炭化水素基を、R2は炭素数(k)が4〜2
    0の範囲にある飽和あるいは不飽和炭化水素基を、nは
    1〜20の範囲の整数を示す。また、kとnは1.5n
    ≦k≦6nの関係を満たす範囲に限る。)
  2. 【請求項2】 着色剤、バインダー樹脂、植物油および
    /または鉱物油から主として構成される油性インキ成
    分、水性成分、下記式(1)で表される高級アルコール、
    および下記式(2)で表される非イオン系界面活性剤を
    含有するオフセット印刷用エマルジョンインキを用いる
    オフセット印刷方式において、前記水性成分が全インキ
    組成物中に30.0重量%未満であり、かつ湿し水を供
    給しながら印刷することを特徴とするオフセット印刷方
    法。 R1−OH (1) R2−O−(CH2−CH2−O−)n−H (2) (式中、R1は炭素数が8〜20の範囲にある飽和ある
    いは不飽和炭化水素基を、R2は炭素数(k)が4〜2
    0の範囲にある飽和あるいは不飽和炭化水素基を、nは
    1〜20の範囲の整数を示す。また、kとnは1.5n
    ≦k≦6nの関係を満たす範囲に限る。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004131579A (ja) * 2002-10-10 2004-04-30 Arakawa Chem Ind Co Ltd 印刷インキ用樹脂組成物および印刷インキ用樹脂ワニスならびにこれらの製造方法、印刷インキ
JP2010012783A (ja) * 2008-07-02 2010-01-21 Heidelberger Druckmas Ag オフセット印刷方法
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