JP2002020358A - アミノ酸誘導体配位子と希土類金属の錯体からなる新規水溶性キラルシフト試薬及び光学分割試薬 - Google Patents

アミノ酸誘導体配位子と希土類金属の錯体からなる新規水溶性キラルシフト試薬及び光学分割試薬

Info

Publication number
JP2002020358A
JP2002020358A JP2000206908A JP2000206908A JP2002020358A JP 2002020358 A JP2002020358 A JP 2002020358A JP 2000206908 A JP2000206908 A JP 2000206908A JP 2000206908 A JP2000206908 A JP 2000206908A JP 2002020358 A JP2002020358 A JP 2002020358A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
same
different
complex
amino acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000206908A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitane Kojima
良種 小嶋
Kuninobu Kabuto
國信 甲
Yoichi Sasaki
陽一 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Technology Licensing Organization Co Ltd
Original Assignee
Kansai Technology Licensing Organization Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Technology Licensing Organization Co Ltd filed Critical Kansai Technology Licensing Organization Co Ltd
Priority to JP2000206908A priority Critical patent/JP2002020358A/ja
Publication of JP2002020358A publication Critical patent/JP2002020358A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pyridine Compounds (AREA)
  • Pyrrole Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ビス及びトリスアミノ酸誘導体配位
子と希土類(主としてランタノイド)元素の錯体、及び
それらを有効成分とする性能の良好な1HNMR及び13
C NMR用キラルシフト試薬並びに光学分割試薬を提
供する。 【解決手段】ビス及びトリスアミノ酸誘導体配位子と希
土類(主としてランタノイド)元素の錯体を有効成分と
する性能の良好な1H NMR及び13C NMR用キラ
ルシフト試薬を添加した光学異性体混合物サンプルのN
MRスペクトルを測定し、該スペクトルを解析すること
により光学異性体の光学純度及び絶対配置の分析を行う
方法並びに効率よくラセミ体を鏡像異性体に分割する方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、6〜8座アミノ酸
誘導体配位子と希土類金属の錯体に関する。又、本発明
は、該錯体からなるキラルシフト試薬及び光学分割試
薬、並びに該錯体及び該錯体を構成する配位子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】生体に対する一対の光学異性体の生理活
性は、一方の光学異性体において特に顕著に発現するこ
とが多い。したがって光学異性体は、医薬、農薬、醗
酵、食品等の分野に密接な関わりを持ち、光学異性体の
絶対配置及び光学純度の決定が重要になっている。通常
光学純度は、液体クロマトグラフィーかNMRで決定さ
れる。試料を光学活性試薬により誘導体とした後分析す
る方法と、キラルカラムやキラルNMRシフト試薬を用
いてそのまま分析を行う方法の2種類が知られている
が、殆どは脂溶性化合物を対象とする方法であり、アミ
ノ酸のような水溶性キラル化合物の光学純度を水溶液中
で決定する方法の開発は有機溶液中に比べて遅れてい
る。対象とする化合物に応じた分離条件が必要なクロマ
トグラフィーに比べて、NMRキラルシフト試薬には一
定した条件で分析できる利点がある。しかし実用に耐え
る水溶性キラルシフト試薬、特に中性ないし酸性条件下
で用いられるキラルシフト試薬はほとんど知られていな
い。これまでに開発されたキラルシフト試薬は、NMR
シグナルをブロードにし、さらにこのブロードニングは
磁場が強くなるほど顕著になり、高磁場高分解能の装置
の能力を十分に生かすことができない欠陥を有してい
た。こうした理由から、光学異性体のシグナルをよく分
離し、しかもシグナルブロードニングの少ない高性能の
水溶性キラルシフト試薬の開発が待たれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高磁場にお
いてアルカリ性のみならず、中性から酸性条件下でのラ
セミ体の光学純度と絶対配置決定を容易に行うこと、及
び光学分割を行うことを目的とする。特に、基質が変質
しにくい中性から酸性条件下での純度決定に於いて、ビ
ス及びトリスアミノ酸誘導体から選んだ配位子と希土類
金属の中から選択した金属の組み合わせにより得た錯体
を用いて、シャープに分離されたシグナルにより光学活
性体を識別し、高い精度で光学純度の決定を行うことを
目的とする。
【0004】又、併せて本発明は光学分割試薬を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上述した如き
課題に鑑みて、鋭意研究を重ねた結果、水溶性で、シャ
ープなシグナルによる高い精度でラセミ体のエナンチオ
マーを識別し、かつ広いpH領域で使用可能なキラルシ
フト試薬及び光学分割試薬の開発に取り組み、ここに本
発明を完成するに至った。本発明は、以下の項1〜9に
関する。 項1 6〜8座アミノ酸誘導体配位子と希土類金属から
なる希土類錯体。 項2 アミノ酸誘導体配位子が、次の一般式(A):
【0006】
【化19】
【0007】〔式中、 X’は、同一又は異なって直鎖
又は分枝を有するC1〜C4のアルコキシ基、アミノ基、
モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基又
は水酸基を示す。R’は、同一又は異なって;H、CH
3、CH(CH32、CH2CH(CH32、 CH(C
3) CH2CH3、CH2OH、CH(CH3)OH、
(CH23NH−C( NH2)=NH、(CH22
(CH3)、CH2COOH、(CH22COOH、CH
2CONH2、(CH22CONH2、(CH24NH2
ベンジル、4−ヒドロキシフェニルメチル、3−インド
リルメチル、4−イミダゾリルメチルを示すか、あるい
は、 隣接するR及びR’が一緒になってトリメチレン
基を示す。Rは、同一又は異なって水素原子、直鎖又は
分枝を有するC 1〜C4のアルキル基又は下記一般式
(B)の基
【0008】
【化20】
【0009】又は下記一般式(C)の基
【0010】
【化21】
【0011】(一般式(B)及び一般式(C)におい
て、 R1、R2及びR3は、同一又は異なって水素原子、
直鎖又は分枝を有するC1〜C4のアルキル基、直鎖又は
分枝を有するC1〜C4のアルコキシ基、ニトロ基、又は
ハロゲン原子を示す)を示す。C *は不斉炭素(但し、
R’がHである場合を除く)を示し、 XはCH2
2、CH2CH2CH2、 CH2CH(CH3)、CH2
2CH2CH2、CH(CH3)CH2CH(CH3)、−
(CH22−CH(CH2COOH)−(CH22−又
はCH(R6)−Y1−CH(R6)を示す。(ここでY1
は単結合、CH2又はCH2CH2を示す。R6は同一又は
異なってH又はCH3を示す)〕で表される請求項1に
記載の希土類錯体。
【0012】項3 アミノ酸誘導体配位子が、次の一般
式(D):
【0013】
【化22】
【0014】〔式中、X’及びX”は、同一又は異なっ
て直鎖又は分枝を有するC1〜C4のアルコキシ基、アミ
ノ基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミ
ノ基又は水酸基を示す。R4及びR5は、同一又は異なっ
て;H、CH3、CH(CH3 2、CH2CH(C
32、 CH(CH3) CH2CH3、CH2OH、CH
(CH 3)OH、(CH23NH−C( NH2)=N
H、(CH22S(CH3)、CH 2COOH、(C
22COOH、CH2CO(NH2)、(CH22CO
(NH2)、(CH24NH2、ベンジル、4−ヒドロキシ
フェニルメチル、3−インドリルメチル、4−イミダゾ
リルメチルを示すか、あるいは、隣接する R4及びRが
一緒にトリメチレン基を示す。Rは、同一又は異なって
水素原子、又は直鎖又は分枝を有するC1〜C4のアルキ
ル基を示す。C*は不斉炭素(但し、R4又はR5がHで
ある場合を除く)を示し、XはCH2CH2、CH2CH2
CH2、CH2CH(CH3)、CH2CH2CH2CH2
又はCH(CH3)CH2CH(CH3)を示す。〕で表
される請求項1に記載の希土類錯体。 項4 下記式(E)、(F)、(G)、(H)又は
(I):
【0015】
【化23】
【0016】
【化24】
【0017】
【化25】
【0018】
【化26】
【0019】
【化27】
【0020】の6〜8座アミノ酸誘導体配位子と希土類
金属からなる希土類錯体。 項5 請求項1〜4のいずれかに記載の錯体からなるキ
ラルシフト試薬。 項6 請求項1〜4のいずれかに記載の錯体からなる光
学分割試薬。 項7 一般式(A):
【0021】
【化28】
【0022】〔式中、 X’は、同一又は異なって直鎖
又は分枝を有するC1〜C4のアルコキシ基、アミノ基、
モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基又
は水酸基を示す。R’は、同一又は異なって;H、CH
3、CH(CH32、CH2CH(CH32、 CH(C
3) CH2CH3、CH2OH、CH(CH3)OH、
(CH23NH−C( NH2)=NH、(CH22
(CH3)、CH2COOH、(CH22COOH、CH
2CONH2、(CH22CONH2、(CH24NH2
ベンジル、4−ヒドロキシフェニルメチル、3−インド
リルメチル、4−イミダゾリルメチルを示すか、あるい
は、 隣接するR及びR’が一緒になってトリメチレン
基を示す。Rは、同一又は異なって水素原子、直鎖又は
分枝を有するC 1〜C4のアルキル基又は下記一般式
(B)の基
【0023】
【化29】
【0024】又は下記一般式(C)の基
【0025】
【化30】
【0026】(一般式(B)及び一般式(C)におい
て、 R1、R2及びR3は、同一又は異なって水素原子、
直鎖又は分枝を有するC1〜C4のアルキル基、直鎖又は
分枝を有するC1〜C4のアルコキシ基、ニトロ基、又は
ハロゲン原子を示す)を示す。C*は不斉炭素(但し、
R’がHである場合を除く)を示し、 XはCH2
2、CH2CH2CH2、 CH2CH(CH3)、CH2
2CH2CH2、CH(CH3)CH2CH(CH3)、−
(CH22−CH(CH2COOH)−(CH22−又
はCH(R6)−Y1−CH(R6)を示す。(ここでY1
は単結合、CH2又はCH2CH2を示す。R6は同一又は
異なってH又はCH3を示す)〕で表される6〜8座ビ
スアミノ酸誘導体配位子。 項8 一般式(D):
【0027】
【化31】
【0028】〔式中、 X’及びX”は、同一又は異な
って直鎖又は分枝を有するC1〜C4のアルコキシ基、ア
ミノ基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルア
ミノ基又は水酸基を示す。R4及びR5は、同一又は異な
って;H、CH3、CH(CH32、CH2CH(C
32、CH(CH3)CH2CH3、CH2OH、CH
(CH 3)OH、(CH23NH−C( NH2)=N
H、(CH22S(CH3)、CH 2COOH、(C
22COOH、CH2CO(NH2)、(CH22CO
(NH2)、(CH24NH2、ベンジル、4−ヒドロキシ
フェニルメチル、3−インドリルメチル、4−イミダゾ
リルメチルを示すか、あるいは、隣接する R4及びRが
一緒にトリメチレン基を示す。Rは、同一又は異なって
水素原子、直鎖又は分枝を有するC1〜C4のアルキル基
を示す。C*は不斉炭素(但し、R4又はR5がHである
場合を除く)を示し、 XはCH2CH2、 CH2CH2
2、 CH2CH(CH3)、CH2CH2CH2CH2、又
はCH(CH3)CH2CH(CH3)、を示す。〕で表
される6〜8座トリスアミノ酸誘導体配位子。 項9 下記式(E)、(F)、(G)、(H)又は
(I):
【0029】
【化32】
【0030】
【化33】
【0031】
【化34】
【0032】
【化35】
【0033】
【化36】
【0034】からなる群から選ばれるいずれかの6〜8
座アミノ酸誘導体配位子。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明のキラルシフト試薬及び光
学分割試薬を構成するアミノ酸誘導体配位子として、次
の一般式(A)及び(D):
【0036】
【化37】
【0037】〔式中、X、X’、R、R’及びC*は前
記したものと同じ〕
【0038】
【化38】
【0039】〔式中、X、X’、X”、R、R4、R5
びC*は前記したものと同じ。〕の化合物が例示され、
本明細書における各基は、具体的には以下の通りであ
る。
【0040】直鎖又は分枝を有するC1〜C4のアルコキ
シ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキ
シ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキ
シ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基を例
示できる。
【0041】モノ低級アルキルアミノ基としては、例え
ば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルア
ミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、
イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、ter
t−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、イソペン
チルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、tert−ペン
チルアミノ基、1−メチルブチルアミノ基、2−メチル
ブチルアミノ基、1、2−ジメチルプロピルアミノ基、
n−ヘキシルアミノ基、イソヘキシルアミノ基、1−メ
チルペンチルアミノ基、2−メチルペンチルアミノ基、
3−メチルペンチルアミノ基、1、1−ジメチルブチル
アミノ基、1、2−ジメチルブチルアミノ基、2、2−
ジメチルブチルアミノ基、1、3−ジメチルブチルアミ
ノ基、2、3−ジメチルブチルアミノ基、3、3−ジメ
チルブチルアミノ基、1−エチルブチルアミノ基、2−
エチルブチルアミノ基、1、1、2−トリメチルプロピ
ルアミノ基、1、2、2−トリメチルプロピルアミノ
基、1−エチル−1−メチルプロピルアミノ基、1−エ
チル−2−メチルプロピルアミノ基等を例示できる。
【0042】ジ低級アルキルアミノ基としては、例え
ば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn−プロ
ピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジn−ブチル
アミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ(sec−ブチ
ル)アミノ基、ジ(tert−ブチル)アミノ基、ジペ
ンチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、ジネオペン
チルアミノ基、ジ(tert−ペンチル)アミノ基、メ
チルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチル
イソプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、メチル
イソブチルアミノ基等のメチル低級アルキルアミノ基、
エチルプロピルアミノ基、エチルイソプロピルアミノ
基、エチルブチルアミノ基、エチルイソブチルアミノ
基、エチルsec−ブチルアミノ基等のエチル低級アル
キルアミノ基等を例示できる。
【0043】直鎖又は分枝を有するC1〜C4のアルキル
基には、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基がある。
【0044】これらのアミノ酸誘導体配位子の原料は、
例えばアラニン、ロイシン、イソロイシン、グリシン、
プロリン、バリン、アルギニン、リシン、グルタミン
酸、アスパラギン酸、グルタミン、アスパラギン、セリ
ン、スレオニン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチ
ジン、トリプトファン、システイン及びメチオニン等の
アミノ酸から任意に選ばれ、D体又はL体が用いられる
が、好ましくはL体が用いられる。又、配位子中のアミ
ノ酸はビス体ではL−L又はD−D、トリス体ではL−
L−L、L−D−L、D−L−D又はD−D−Dの組み
合わせを用いるのが好ましい。
【0045】本発明の一般式(A)及び(D)で表され
るビス及びトリスアミノ酸誘導体配位子は、下記反応式
に示す方法に従って合成することができる。 〔スキーム1〕
【0046】
【化39】
【0047】〔Y1は単結合、CH2又はCH2CH2を示
す。R6は同一又は異なってH又はCH3を示す。〕反応
においては、原料となるアミノ酸(1)2molに対して
化合物(2)は好ましくは1mol程度使用する。化合物
(2)はジアルデヒドとしてグリオキザール、マロンア
ルデヒド、スクシンアルデヒドを用いることができ、ジ
ケトンとしてはビアセチル、アセチルアセトンもしくは
2,5−へキサンジオンを用いることができる。又、一
方がアルデヒドで他方がケトンである化合物を用いるこ
ともできる。溶媒としては、アルコール系溶媒もしくは
水混和性溶媒を用いることができ、好ましくはメタノー
ル又は水が用いられる。反応温度は低温が好ましく、氷
冷下〜室温の範囲で行われる。反応に添加する還元剤
は、反応に関与しないカルボン酸等を還元することを避
けるため、還元力の比較的弱いもの、例えば、水素化シ
アノホウ素ナトリウムを用いることができる。反応後の
目的物は、例えば飽和炭酸水素ナトリウム/クロロホル
ムにより分液処理を行って不純物を除去することがで
き、その後シリカゲルカラムクロマトグラフィー等で精
製することが好ましい。 〔スキーム2〕トリスアミノ酸誘導体配位子合成は次の
一般式で表される。
【0048】
【化40】
【0049】〔R7は、メチル基又はエチル基を示
す。〕ここで、Xは次の構造を示す。
【0050】
【化41】
【0051】〔式中、Y2は、CH2、CH2CH2、CH
(CH3)、CH2CH2CH2又はCH 2CH(CH3)を
示し、R8はH又はCH3を示す。〕得られた配位子と希土類金属の錯体合成 錯体合成は、上記の方法で得られた配位子と希土類金属
を配位結合させて得ることができる。錯体を調製する際
の溶媒にはアルコール系溶媒もしくは水混和性溶媒を用
いることができ、好ましくはメタノール又は水を用いる
ことができる。配位子1mmolの溶液に対し、希土類金属
塩水溶液1mmol程度が用いられるが過剰量を用いても良
い。希土類金属は水溶性の3価の化合物、例えば、塩化
ランタン、硝酸ランタン、酢酸ランタン、酸化ランタ
ン、塩化セリウム、臭化セリウム、ヨウ化セリウム、硝
酸セリウム、酢酸セリウム、酸化セリウム、塩化ユーロ
ピウム、硫酸ユーロピウム、硝酸ユーロピウム、酢酸ユ
ーロピウム、酸化ユーロピウム等を用いることができ
る。反応はpH4〜8の範囲で行われることが好まし
く、pH調製のために水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム及び水酸化リチウムを用いても良い。反応時間及び反
応温度に特に制限はないが、反応時間は1〜24時間が
好ましく、反応温度は20℃〜80℃程度が好ましい。
【0052】上記スキーム1及びスキーム2で得られた
ビス及びトリスアミノ酸誘導体配位子を含む希土類錯体
は、キラルシフト試薬及び光学分割試薬として用いるこ
とができる。以下にその実施形態を示す。
【0053】キラルシフト試薬としての実施形態 前述スキーム1及び2で得たビス及びトリスアミノ酸誘
導体配位子を含む希土類錯体の調製溶液(以下、キラル
シフト試薬)に光学異性体のラセミ体を必要量添加して
NMRサンプルを作り、1H NMRもしくは13C N
MR装置を用いてスペクトルを測定し、解析することが
できる。NMR用溶媒としてはCDCl 3、D2O、CD
3OD、CD3CN、DMSO−d6、DMF−d7等を用
いることができる。測定したスペクトルが光学異性体の
D体及びL体の違いにより左右にシフトすることによ
り、光学純度を測定することができる。左右どちらかに
シフトするかは錯体の中心金属に依存する。
【0054】光学分割試薬としての実施形態 ラセミ分割に際し、ラセミ体と結合してジアステレオマ
ーを形成する光学活性物質として、前述の方法により得
たビス及びトリスアミノ酸誘導体配位子を含む希土類錯
体(以下、光学分割試薬という)を用いる。
【0055】一般的には、ラセミ体(一般式;DL−
A)を含む溶液に適量の光学分割試薬(一般式;L−
B)を滴下すると、(D−A)・(L−B)及び(L−
A)・(L−B)の2種類のジアステレオマー混合物が
生成し、この両者の溶解度の差が十分大きく分別結晶に
よってそれぞれを純粋にすることができれば、その各々
から分割試薬を脱離させて目的の光学活性体(D−及び
L−A)を得ることができる。分割反応に係る温度条
件、時間等に厳密な条件はないが、好ましくは例えば室
温で30分から数時間反応させることができる。分割試
薬は、分割反応中において十分安定で、またAとBの結
合も再結晶中に変化せず、A−BからAがラセミ体又は
分解を伴うことなく回収される必要がある。これらの条
件を満たすために、好ましくは塩形成によりラセミ体の
分割を行うことが多い。
【0056】
【実施例】以下、本発明の内容を製造例及び実施例を用
いて具体的に説明するが、本発明がこれらに限定される
ものでないことは言うまでもない。製造例1 L−アラニンメチルエステル・塩酸塩(0.1mol)の
メタノール溶液に、氷冷下2−ピリシンカルボキシアル
デヒド(0.1mol)のメタノール溶液を加えた。1時
間後、その水溶液に水素化シアノホウ素ナトリウム
(0.11mol)のメタノール溶液を加え、一夜撹拌放
置した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液/クロロホルム
により分液処理後、クロロホルム層を濃縮乾固した。残
渣をエタノールに溶解し、氷冷下、4N塩酸/酢酸エチ
ル溶液を加え、N−ピリジルメチル−L−アラニンメチ
ルエステル・2塩酸塩(pmA−OMe・2HCl)を得
た。pmA−OMe・2HCl(10mmol)とナトリウム
メトキシド(10mmol)のメタノール溶液に、氷冷下、
グリオキザール(5mmol)のメタノール溶液及び水素化
シアノホウ素ナトリウム(10mmol)のメタノール溶液
を加え、一夜撹拌放置した。不溶物質を濾別除去して、
ろ液を濃縮後、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液/
クロロホルムにより分液処理後、クロロホルム層を濃縮
乾固した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ルBW−820MHとセファデックスLH−20)で精
製した。得られたN,N’−エチレンビス−L−アラニ
ンメチルエステル(MeO−pmAeApm−OMe)を水
酸化リチウムでケン化し、1N塩酸で中和後、カラムク
ロマトグラフィー(セパビーズ、三菱化学;HP−2
0)により精製し、さらにメタノール/エーテルより再
沈殿した。全収率;17% N,N’−ジピコリル−N,N’−エチレンビス−L−
アラニン (E) (HO−pmAeApm−OH) IR (KBr): ν(C=0)として 1595
cm-1 FAB MS (m/z): 387 ([M+H]
+
【0057】
【表1】
【0058】実施例1 N,N’−ジピコリル−N,N’−エチレンビス−L−
アラニン(E)(HO−pmAeApm−OH)(0.01
8mmol)のメタノール溶液に、水酸化ナトリウム水溶液
(0.036mmol)を加え、さらにその溶液に0.18
mmolの塩化セリウム(CeCl3)水溶液を加えた。そ
の溶液を濃縮乾固し、重水を用いて測定用キラルシフト
試薬の溶液を調製した。その調製溶液に光学異性体
(D体/L体 =1/2)の重水溶液を必要量加えて、
NMR測定用サンプルとした。pH調製は、必要に応じ
てNaOD或いはDClのD2O溶液により行った。N
MR測定結果を、図1〜3に示す。製造例2 L−ロイシンメチルエステル・塩酸塩(Leu−OMe
・HCl;0.11mol)とグリオキザールジメチルア
セタールの45%t−ブチルメチルエーテル溶液
(0.12mol)をメタノールに溶解し、5℃で、Na
BH3CN(0.11mol) のメタノール溶液を加え
た。5℃で2時間、その後室温で終夜攪拌放置した。反
応溶液を5%NaHCO3 aqからクロロホルムによ
り抽出した。クロロホルム層を水で洗浄後、Na2SO4
で乾燥して、減圧濃縮した。油状の残渣をカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル、フジシリシア;BW−82
0MH)で精製した。無色のオイル状物質としてLeu
−OMeのN−アセタール体(0.052 mol)を得
た。 IR (neat): ν(C=0)として 1736
cm-1 FAB MS (m/z): 234 ([M+
H]+) Leu−OMeのN−アセタール体 (0.052mo
l)と36%ホルマリン(0.155mol)のメタノール
溶液を5℃に冷却した。この溶液にNaBH3CN
(0.052mol)のメタノール溶液を加えた。5℃で
1時間、室温で2時間攪拌した。その反応溶液を5%N
aHCO3 aqに加え、クロロホルムにより抽出し
た。クロロホルム層を水で洗浄後、Na2SO4で乾燥
し、減圧濃縮した。油状の残渣をカラムクロマトグラフ
ィー(シリカゲル、フジシリシア;BW−820MH)
で精製し、Leu−OMeのN−アセタールのN−メチ
ル体 (0.0336mol)を得た。 IR (neat): ν(C=0)として 1736
cm-1 FAB MS (m/z): 248 ([M+H]
+) Leu−OMeのN−アセタールのN−メチル体
(0.032mol)に36%HBr/AcOHを加え3
0分間攪拌した。アルデヒドの生成を薄層クロマトグラ
フィー(TLC)で確認したのち、反応液に、エーテル
/n−ヘキサン溶液を加え数回デカンテーションした。
残った油状物をメタノール/水=4/1に溶解し、5℃
に冷却した。反応液に、トリエチルアミン4mlとグリシ
ンメチルエステル塩酸塩(Gly−OMe・HCl)
(0.0155mol)を加えて溶解した。この溶液に、
NaBH3CN(0.0156mol)のメタノール溶液を
加え、5℃で1時間、室温で3時間攪拌した。反応液を
5%NaHCO3 aqに加え、クロロホルムにより抽
出した。クロロホルム層を水で洗浄後、Na2SO4で乾
燥、減圧濃縮した。油状の残渣をカラムクロマトグラフ
ィー(シリカゲルBW−820MH)で精製することに
よりトリスアミノ酸誘導体 (0.0037mol)を無
色油状物として得た。 N,N”−ジメチル− N,N’&N’,N”−ジエチ
レントリスアミノ酸トリメチルエステル (MeO−Me
LeG(−OMe)eLMe−OMe) IR (neat): ν(C=0)として 1733
cm-1 FAB MS (m/z): 460 ([M+
H]+) 上記で得たトリス体 (MeO−MeLeG(−OMe)
eLMe−OMe、 0.0328mol)をメタノール/
水=4/1に溶かして、LiOH・H2O(0.148m
ol)により加水分解した。反応液を減圧濃縮した後、
0.1N HClO4 水溶液によりpH≒5.6に調
製した。溶媒を留去後、カラムクロマトグラフィー(セ
パビーズ、三菱化学; HP−20)で脱塩することに
より、1リチウム塩 1.6mmolを得た。 全収率; 5% N,N”−ジメチル− N,N’&N’,N”−ジエチ
レントリスアミノ酸(F) IR (KBr): ν(C=0)として 1624
cm-1 FAB MS (m/z): 424 ([M+L
i]+
【0059】
【表2】
【0060】製造例3 (F)を配位子とする錯体の合成は、配位子とEuCl
3の当モル水溶液に、2倍モル量の水酸化リチウムを加
え、数時間後に、生じた沈殿を濾取することにより得
た。錯体、Eu(-O−MeLeG(−O-)eLMe
-)・2.5H2O、を収率33%で得た。 FAB MS (m/z): 565.567
([M]+
【0061】
【表3】
【0062】実施例2 実施例1と同様に、サンプル調製を行った。1H NM
Rの測定結果を図4に示す。製造例4 N,N’&N’,N”−ジエチレントリスアミノ酸;配
位子(G)の合成は、N−メチル化を除いて、製造例2
に従って合成した。 全収率;16% FAB MS (m/z):356([M−H+-
【0063】
【表4】
【0064】実施例3 実施例1と同様に、サンプル調製を行った。1H NM
R測定結果を図5に示す。製造例5 L−アラニンメチルエステル・塩酸塩(Ala−OMe
・HCl;0.1mol)とグリオキザールジメチルアセ
タールの45%t−ブチルメチルエーテル溶液(0.1
2mol)をメタノールに溶解し、5℃で、NaBH3CN
(0.11mol)のメタノール溶液を加えた。5℃で
2時間、その後室温で終夜攪拌放置した。反応液を5%
NaHCO3 aqからクロロホルムにより抽出した。ク
ロロホルム層を水で洗浄後、Na2SO4で乾燥して、減
圧濃縮した。油状の残渣をカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル、フジシリシア;BW−820MH)で精
製した。無色のオイル状物質としてAla−OMeのN
−アセタール体(0.063mol)を得た。 IR (CDCl3): ν(C=0)として 173
7 cm-1 FAB MS (m/z): 384.2 (2[M+
H]+) Ala−OMeのN−アセタール体 (0.063mo
l)と36%ホルマリン(0.127mol)のメタノール
溶液を5℃に冷却した。この溶液にNaBH3CN
(0.07mol)のメタノール溶液を加えた。5℃で1
時間、室温で終夜攪拌した。その反応溶液を5%NaH
CO3 aqに加え、クロロホルムにより抽出した。クロ
ロホルム層を水で洗浄後、Na2SO4で乾燥し、減圧濃
縮した。油状の残渣をカラムクロマトグラフィー(シリ
カゲル、フジシリシア;BW−820MH)で精製し、
Ala−OMeのN−アセタールのN−メチル体(0.
052mol)を得た。 IR (CDCl3): ν(C=0)として 173
5 cm-1 FAB MS (m/z): 206.16 ([M
+H]+) Ala−OMeのN−アセタールのN−メチル体(0.
052mol)に36%HBr/AcOHを加え15分間
攪拌した。アルデヒドの生成を薄層クロマトグラフィー
(TLC)で確認したのち、反応液に、エーテルを加え
数回デカンテーションした。残った油状物をメタノール
/水=4/1に溶解し、5℃に冷却した。反応液に、ト
リエチルアミン6mlとグリシンメチルエステル塩酸塩
(Gly−OMe・HCl)(0.013mol)を加え
て溶解した。この溶液に、NaBH3CN(0.03mo
l)のメタノール溶液を加え、5℃で2時間、室温で4
時間攪拌した。反応液を5%NaHCO3 aqに加
え、クロロホルムにより抽出した。クロロホルム層を水
で洗浄後、Na2SO4で乾燥、減圧濃縮した。油状の残
渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルBW−82
0MH)で精製することによりトリスアミノ酸誘導体
(0.0078mol)を無色油状物として得た。N,
N”−ジメチル− N,N’&N’,N”−ジエチレン
トリスアミノ酸トリメチルエステル (MeO−MeLeG(−OMe)eLMe−OMe) IR (CDCl3): ν(C=0)として 173
4 cm-1 FAB MS (m/z): 376.3 ([M+
H]+) 上記で得たトリス体 (MeO−MeLeG(−OMe)
eLMe−OMe、 0.0078mol)をメタノール/
水=4/1に溶かして、LiOH・H2O(0.025
7mol)により加水分解した。反応液を減圧濃縮した
後、0.1N HClO4水溶液によりpH≒5.6に
調製した。溶媒を留去後、カラムクロマトグラフィー
(セパビーズ、三菱化学; HP−20)で脱塩するこ
とにより、3リチウム塩を0.0074mol得た。 全収率;(Gly−OMe・HClから57%) N,N”−ジメチル− N,N’&N’,N”−ジエチ
レントリスアミノ酸 (H)(HO−MeAeG(−O
H)eAMe−OH) IR (KBr): ν(C=0)として 1588
cm-1 FAB MS (m/z): 340.3([M+Li
+3H]+)、346.3([M+2Li+2H]+)、
351.3([M+3Li+H]+
【0065】
【表5】
【0066】製造例6 [化42]記載の化合物(3)をMoriguchiら(M.Mori
guchi、 Y.Umeda、T.Nakamura、 K.Ogawa、 F、
Kojima、 J.Antibiotics、1988、41、1823)の方法に
基づいて[化42]に示したルートで合成した。
【0067】
【化42】
【0068】HO−ZHeL(−OMe)eHZ−OH;
の合成 [化42]の化合物(3)(21mmol)のメタノール溶
液を5℃で(S)−ロイシンメチルエステル・塩酸塩(7
mmol)のメタノール溶液を加え、30分後、水素化シア
ノホウ素ナトリウム(16mmol)のメタノール溶液を滴
下し、5℃で2時間、室温で終夜攪拌放置した。溶媒を
減圧留去し、エタノールに不溶物を濾別し、溶媒を減圧
留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム/メタノール=1.5/1)を用いて分
離精製し、化合物;HO−ZHeL(−OMe)eHZ
OH(3.65mmol)を得た。 IR (KBr): ν(C=0)として 1727
cm-1 FAB MS (m/z): 775 ([M+H]
+) 化合物;HO−ZHeL(−OMe)eHZ−OH(3.
65mmol)を少量の水に溶かし、水酸化リチウム・1水
和物(16mmol)を加え、5℃で2時間、室温で終夜攪
拌放置した。1N塩酸16mlを加え、溶媒を減圧留去し
た。残渣をカラムクロマトグラフィー(HP20)によ
り、水/メタノール=1/2の流出分を集め、目的化合
物;HO−ZHeL(−OH)eHZ−OH(2.37mm
ol)を得た。 IR (KBr): ν(C=0)として 1686
cm-1 HO−HeL(−OH)eH−OH: 化合物(I)の
合成 化合物;HO−ZHeL(−OH)eHZ−OH(2.3
7mmol)を水/メタノール=1/1に溶解し、5℃で1
0%Pd/Cを加え、5℃で水素下6時間攪拌した。1
0%Pd/Cを濾別し、溶媒を減圧下留去した。残渣を
少量の水に溶解し、エタノールを加えて生じた沈殿を濾
取し、目的化合物(I)(1.4mmol)を得た。(ロイ
シンに対する全収率;20%)
【0069】
【表6】
【0070】IR (KBr): ν(C=0)として
1635 cm-1 FAB MS (m/z): 492 ([M−H]
-) [α]D 26: +5.53 deg dm-1cm3(c=1.0
0、H2O) 融点: 163〜172℃
【0071】
【発明の効果】アミノ酸誘導体と希土類金属の錯体から
なる本発明のキラルシフト試薬は、薬剤の変質の起こり
にくい酸性及び中性条件下で、NMRの磁場の強弱に関
わらずD、L体をシャープなピークとして分離し、光学
異性体の純度決定を高い精度で可能にした。また、本発
明の光学分割試薬は、従来の光学分割方法と比較してよ
り短時間でより精度の良い分割の実現を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】N,N’−ジピコリル−N,N’−エチレンビ
ス−L−アラニン(E)を配位子として、塩化セリウム
(CeCl3)を金属前駆体として用いて合成した錯体
をキラルシフト試薬として調製し、その調製溶液にアラ
ニン (D体/L体 = 1/2)の重水溶液を必要量加え
て、NMR測定用サンプルをつくり1H NMR測定を
行った結果である。
【図2】N,N’−ジピコリル−N,N’−エチレンビ
ス−L−アラニン(E)を配位子として、塩化セリウム
(CeCl3)を金属前駆体として用いて合成した錯体
をキラルシフト試薬として調製し、その調製溶液にメチ
オニン (D体/L体 =1/2)の重水溶液を必要量加え
て、NMR測定用サンプルをつくり1H NMR測定を
行った結果である。
【図3】N,N’−ジピコリル−N,N’−エチレンビ
ス−L−アラニン(E)を配位子として、塩化セリウム
(CeCl3)を金属前駆体として用いて合成した錯体
をキラルシフト試薬として調製し、その調製溶液にメチ
オニン (D体/L体 =1/2)の重水溶液を必要量加え
て、NMR測定用サンプルをつくり13C NMR測定を
行った結果である。
【図4】N,N”−ジメチル−N,N’&N’,N”−
ジエチレントリスアミノ酸(F)を配位子として、塩化
ユーロピウム(EuCl2)を金属前駆体として用いて
合成した錯体をキラルシフト試薬として調製し、その調
製溶液にアラニン(D体/L体=1/2)の重水溶液を
必要量加えて、NMR測定用サンプルをつくり1H N
MR測定を行った結果である。
【図5】N,N’&N’,N”−ジエチレントリスアミ
ノ酸(G)を配位子として、塩化ユーロピウム(EuC
2)を金属前駆体として用いて合成した錯体をキラル
シフト試薬として調製し、その調製溶液にバリン(D体
/L体=2/3)の重水溶液を必要量加えて、NMR測
定用サンプルをつくり1H NMR測定を行った結果で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01R 33/28 C07F 5/00 D // C07F 5/00 C07M 7:00 C07M 7:00 G01N 24/02 B Fターム(参考) 4C055 AA01 BA02 BA27 BB19 CA01 DA01 EA01 4C069 AA26 BB48 BD02 4H006 AA01 AB91 AC90 BB14 BB31 BC10 BC19 4H048 AA01 AA03 AB91 AC90 AD17 BB14 BB31 VA71 VB10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】6〜8座アミノ酸誘導体配位子と希土類金
    属からなる希土類錯体。
  2. 【請求項2】アミノ酸誘導体配位子が、次の一般式
    (A): 【化1】 〔式中、 X’は、同一又は異なって直鎖又は分枝を有
    するC1〜C4のアルコキシ基、アミノ基、モノ低級アル
    キルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基又は水酸基を示
    す。R’は、同一又は異なって;H、CH3、CH(C
    32、CH2CH(CH32、CH(CH3)CH2
    3、CH2OH、CH(CH3)OH、(CH23NH
    −C(NH2)=NH、(CH22S(CH3)、CH2
    COOH、(CH22COOH、CH2CONH2、(C
    22CONH2、(CH24NH2、ベンジル、4−ヒ
    ドロキシフェニルメチル、3−インドリルメチル、4−
    イミダゾリルメチルを示すか、あるいは、隣接するR及
    びR’が一緒になってトリメチレン基を示す。Rは、同
    一又は異なって水素原子、直鎖又は分枝を有するC1
    4のアルキル基又は下記一般式(B)の基 【化2】 又は下記一般式(C)の基 【化3】 (一般式(B)及び一般式(C)において、R1、R2
    びR3は、同一又は異なって水素原子、直鎖又は分枝を
    有するC1〜C4のアルキル基、直鎖又は分枝を有するC
    1〜C4のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子を
    示す)を示す。C *は不斉炭素(但し、R’がHである
    場合を除く)を示し、 XはCH2CH2、CH2CH2
    2、 CH2CH(CH3)、CH2CH2CH2CH2、C
    H(CH3)CH2CH(CH3)、−(CH22−CH
    (CH2COOH)−(CH22−又はCH(R6)−Y
    1−CH(R6)を示す。(ここでY1は単結合、CH2
    はCH2CH2を示す。R6は同一又は異なってH又はC
    3を示す)〕で表される請求項1に記載の希土類錯
    体。
  3. 【請求項3】アミノ酸誘導体配位子が、次の一般式
    (D): 【化4】 〔式中、X’及びX”は、同一又は異なって直鎖又は分
    枝を有するC1〜C4のアルコキシ基、アミノ基、モノ低
    級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基又は水酸
    基を示す。R4及びR5は、同一又は異なって;H、CH
    3、CH(CH3 2、CH2CH(CH32、 CH(C
    3)CH2CH3、CH2OH、CH(CH3)OH、
    (CH23NH−C( NH2)=NH、(CH22
    (CH3)、CH2COOH、(CH22COOH、CH
    2CO(NH2)、(CH22CO(NH2)、(CH24
    2、ベンジル、4−ヒドロキシフェニルメチル、3−
    インドリルメチル、4−イミダゾリルメチルを示すか、
    あるいは、隣接する R4及びRが一緒にトリメチレン基
    を示す。Rは、同一又は異なって水素原子、又は直鎖又
    は分枝を有するC1〜C4のアルキル基を示す。C*は不
    斉炭素(但し、R4又はR5がHである場合を除く)を示
    し、 XはCH2CH2、 CH2CH2CH2、 CH2CH
    (CH3)、CH2CH2CH2CH2、又はCH(CH3
    CH2CH(CH3)を示す。〕で表される請求項1に記
    載の希土類錯体。
  4. 【請求項4】下記式(E)、(F)、(G)、(H)又
    は(I): 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 の6〜8座アミノ酸誘導体配位子と希土類金属からなる
    希土類錯体。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の錯体から
    なるキラルシフト試薬。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかに記載の錯体から
    なる光学分割試薬。
  7. 【請求項7】一般式(A): 【化10】 〔式中、 X’は、同一又は異なって直鎖又は分枝を有
    するC1〜C4のアルコキシ基、アミノ基、モノ低級アル
    キルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基又は水酸基を示
    す。R’ は、同一又は異なって;H、CH3、CH(C
    32、CH2CH(CH32、 CH(CH3) CH2
    CH3、CH2OH、CH(CH3)OH、(CH23
    H−C( NH2)=NH、(CH22S(CH3)、C
    2COOH、(CH22COOH、CH2CONH2
    (CH22CONH2、(CH24NH2、ベンジル、4
    −ヒドロキシフェニルメチル、3−インドリルメチル、
    4−イミダゾリルメチルを示すか、あるいは、 隣接す
    るR及びR’が一緒になってトリメチレン基を示す。R
    は、同一又は異なって水素原子、直鎖又は分枝を有する
    1〜C4のアルキル基又は下記一般式(B)の基 【化11】 又は下記一般式(C)の基 【化12】 (一般式(B)及び一般式(C)において、 R1、R2
    及びR3は、同一又は異なって水素原子、直鎖又は分枝
    を有するC1〜C4のアルキル基、直鎖又は分枝を有する
    1〜C4のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子
    を示す)を示す。C*は不斉炭素(但し、R’がHであ
    る場合を除く)を示し、XはCH2CH2、CH2CH2
    2、CH2CH(CH3)、CH2CH2CH2CH2、C
    H(CH3)CH2CH(CH3)、−(CH22−CH
    (CH2COOH)−(CH22−又はCH(R6)−Y
    1−CH(R6)を示す。(ここでY1は単結合、CH2
    はCH2CH2を示す。R6は同一又は異なってH又はC
    3を示す)〕で表される6〜8座ビスアミノ酸誘導体
    配位子。
  8. 【請求項8】一般式(D): 【化13】 〔式中、 X’及びX”は、同一又は異なって直鎖又は
    分枝を有するC1〜C4のアルコキシ基、アミノ基、モノ
    低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基又は水
    酸基を示す。R4及びR5は、同一又は異なって;H、C
    3、CH(CH32、CH2CH(CH32、 CH
    (CH3) CH2CH3、CH2OH、CH(CH3)O
    H、(CH23NH−C( NH2)=NH、(CH22
    S(CH3)、CH2COOH、(CH22COOH、C
    2CO(NH2)、(CH22CO(NH2)、(CH24
    NH2、ベンジル、4−ヒドロキシフェニルメチル、3
    −インドリルメチル、4−イミダゾリルメチルを示す
    か、あるいは、隣接する R4及びRが一緒にトリメチレ
    ン基を示す。Rは、同一又は異なって水素原子、直鎖又
    は分枝を有するC1〜C4のアルキル基を示す。C*は不
    斉炭素(但し、R4又はR5がHである場合を除く)を示
    し、XはCH2CH2、 CH2CH2CH2、 CH2CH
    (CH3)、CH2CH2CH2CH2、又はCH(CH3
    CH2CH(CH3)、を示す。〕で表される6〜8座ト
    リスアミノ酸誘導体配位子。
  9. 【請求項9】下記式(E)、(F)、(G)、(H)又
    は(I): 【化14】 【化15】 【化16】 【化17】 【化18】 からなる群から選ばれるいずれかの6〜8座アミノ酸誘
    導体配位子。
JP2000206908A 2000-07-07 2000-07-07 アミノ酸誘導体配位子と希土類金属の錯体からなる新規水溶性キラルシフト試薬及び光学分割試薬 Pending JP2002020358A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000206908A JP2002020358A (ja) 2000-07-07 2000-07-07 アミノ酸誘導体配位子と希土類金属の錯体からなる新規水溶性キラルシフト試薬及び光学分割試薬

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000206908A JP2002020358A (ja) 2000-07-07 2000-07-07 アミノ酸誘導体配位子と希土類金属の錯体からなる新規水溶性キラルシフト試薬及び光学分割試薬

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002020358A true JP2002020358A (ja) 2002-01-23

Family

ID=18703756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000206908A Pending JP2002020358A (ja) 2000-07-07 2000-07-07 アミノ酸誘導体配位子と希土類金属の錯体からなる新規水溶性キラルシフト試薬及び光学分割試薬

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002020358A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2359927B (en) * 1998-12-21 2003-11-26 Intel Corp Windowed non-ceramic package having embedded frame
WO2011125627A1 (ja) 2010-04-01 2011-10-13 日立化成工業株式会社 希土類金属錯体
CN104356015A (zh) * 2014-11-25 2015-02-18 辽宁大学 一种氨基多羧酸化合物乙二醇双(2-氨基乙基醚)三乙酸的合成方法
JP2017003379A (ja) * 2015-06-09 2017-01-05 国立研究開発法人物質・材料研究機構 Nmr用キラルシフト剤、および、それを用いた光学純度を決定する方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2359927B (en) * 1998-12-21 2003-11-26 Intel Corp Windowed non-ceramic package having embedded frame
WO2011125627A1 (ja) 2010-04-01 2011-10-13 日立化成工業株式会社 希土類金属錯体
CN104356015A (zh) * 2014-11-25 2015-02-18 辽宁大学 一种氨基多羧酸化合物乙二醇双(2-氨基乙基醚)三乙酸的合成方法
JP2017003379A (ja) * 2015-06-09 2017-01-05 国立研究開発法人物質・材料研究機構 Nmr用キラルシフト剤、および、それを用いた光学純度を決定する方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Frelek et al. Dinuclear transition metal complexes as auxiliary chromophores in chiroptical studies on bioactive compounds
CN108440339B (zh) 一种基于芳酰腙功能化的柱[5]芳烃超分子传感器及其合成和应用
CN103570701B (zh) 一种香豆素衍生物及其制备方法和应用
CN110746321B (zh) 顺丁烯二腈基席夫碱类次氯酸荧光探针及其制备方法
TW201321393A (zh) 固殺草p游離酸之製造方法
CN105085413A (zh) 四氢喹唑啉-2-胺希夫碱类化合物及其合成方法和应用
US8440169B2 (en) Stable isotope-labeled aromatic amino acids, method for incorporating the same in target protein and method for NMR-structural analysis of proteins
CN110981856B (zh) 一种吡咯-萘酰亚胺衍生物荧光探针及其制备方法和应用
CN111056985B (zh) 一种部花菁类衍生物荧光探针及其制备方法和应用
US20080261314A1 (en) Fluorescent probe for zinc
JP2002020358A (ja) アミノ酸誘導体配位子と希土類金属の錯体からなる新規水溶性キラルシフト試薬及び光学分割試薬
KR101652643B1 (ko) 줄로리딘계 화합물, 이를 이용한 알루미늄 이온 검출제, 검출방법 및 검출장치
Niklas et al. Chiral quadridentate ligands derived from amino acids and some zinc complexes thereof
CN110818703A (zh) 一种吡咯-部花菁衍生物荧光探针及其制备方法和应用
Pearson et al. Preparation of diaryl ethers from tyrosine or 4-hydroxyphenylglycine using organomanganese chemistry
CN110357810B (zh) 2-吡啶甲酰肼基席夫碱类次氯酸荧光探针及其制备方法和应用
JPH04502766A (ja) ヒドロキシメトキシマンデル酸(hmma)とホモバニリン酸(hva)の誘導体、及びこれらの誘導体から得られる抗体と標識物質並びにこれらを用いるイムノアッセイ
CN115745873A (zh) 一种手性荧光传感器及其制备方法和应用
JP4279065B2 (ja) 亜鉛蛍光プローブ
CN110746339B (zh) 一种吡咯双腙衍生物荧光探针及其制备方法和应用
Dickins et al. A new chiral lanthanide NMR probe for the determination of the enantiomeric purity of α-hydroxy acids and the absolute configuration of α-amino acids in water
Takemura et al. Europium (III)-N, N′-ethylenebis (l-amino acid) complexes as new chiral NMR lanthanide shift reagents for unprotected α-amino acids in neutral aqueous solution
CN113512037A (zh) 一种吡啶并吡嗪酮离子化合物及其制备方法与应用
JP2004101389A (ja) アルミニウムイオン及び/又は第二鉄イオン測定用プローブ
CN113683528B (zh) 多酚胺类化合物及其制备方法与其在检测半胱氨酸的应用