JP2002020116A - 人工ゼオライトの製造方法と該方法に用いる製造装置 - Google Patents
人工ゼオライトの製造方法と該方法に用いる製造装置Info
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- JP2002020116A JP2002020116A JP2000237771A JP2000237771A JP2002020116A JP 2002020116 A JP2002020116 A JP 2002020116A JP 2000237771 A JP2000237771 A JP 2000237771A JP 2000237771 A JP2000237771 A JP 2000237771A JP 2002020116 A JP2002020116 A JP 2002020116A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】バッチ式のオートクレーブを備える製造装置に
おいて、設備コスト及び運転コストの低減を図り、且
つ、ボイラー熱の効率的利用を図りながらバッチ処理の
回数が増えるものの単位処理量当たりの反応時間を短縮
することの出来る人工ゼオライトの製造方法と装置を提
供すること。 【解決手段】原料灰をアルカリ水溶液とからNa型又は
K型人工ゼオライトを製造する製造方法と装置で、少な
くとも二基以上直列配置された小型のオートクレーブの
うち、第一のオートクレーブに対して小型ボイラーから
加熱蒸気を送り込み、前記スラリーの加熱処理を行い、
該第一のオートクレーブの加熱処理工程が終了した時
に、該第一のオートクレーブ内の加熱蒸気を、次位のオ
ートクレーブに供給し、しかる後に、当該次位のオート
クレーブに前記小型ボイラーから直接加熱蒸気を供給
し、内部のスラリーを加熱処理するようにした。
おいて、設備コスト及び運転コストの低減を図り、且
つ、ボイラー熱の効率的利用を図りながらバッチ処理の
回数が増えるものの単位処理量当たりの反応時間を短縮
することの出来る人工ゼオライトの製造方法と装置を提
供すること。 【解決手段】原料灰をアルカリ水溶液とからNa型又は
K型人工ゼオライトを製造する製造方法と装置で、少な
くとも二基以上直列配置された小型のオートクレーブの
うち、第一のオートクレーブに対して小型ボイラーから
加熱蒸気を送り込み、前記スラリーの加熱処理を行い、
該第一のオートクレーブの加熱処理工程が終了した時
に、該第一のオートクレーブ内の加熱蒸気を、次位のオ
ートクレーブに供給し、しかる後に、当該次位のオート
クレーブに前記小型ボイラーから直接加熱蒸気を供給
し、内部のスラリーを加熱処理するようにした。
Description
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、石炭灰、ゴミ焼却灰、
鋳物廃砂、集塵ダスト、汚泥焼却灰、溶融スラグ等の原
料灰を用いて人工ゼオライトを製造する方法と該方法に
用いる製造装置に関する。
鋳物廃砂、集塵ダスト、汚泥焼却灰、溶融スラグ等の原
料灰を用いて人工ゼオライトを製造する方法と該方法に
用いる製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】天然のゼオライト、合成ゼオライトが、
その特異な機能、例えば、吸着機能、イオン交換機能、
触媒機能、分子篩分け機能等を備えていることで、種々
の工業分野において利用されている。最近に至って、石
炭灰、ゴミ焼却灰、鋳物廃砂、集塵ダスト、汚泥焼却
灰、溶融スラグ等の原料灰を用いて人工ゼオライトを製
造する技術が確立されるに至り、これを安価に提供でき
るようになった。
その特異な機能、例えば、吸着機能、イオン交換機能、
触媒機能、分子篩分け機能等を備えていることで、種々
の工業分野において利用されている。最近に至って、石
炭灰、ゴミ焼却灰、鋳物廃砂、集塵ダスト、汚泥焼却
灰、溶融スラグ等の原料灰を用いて人工ゼオライトを製
造する技術が確立されるに至り、これを安価に提供でき
るようになった。
【0003】このような人工ゼオライトの製造技術とし
て、上述した石炭灰、ゴミ焼却灰、鋳物廃砂、集塵ダス
ト、汚泥焼却灰、溶融スラグ等の原料灰とアルカリ水溶
液、例えば、苛性ソーダ、苛性カリ等とを混合してスラ
リーとし、該スラリーをバッチ式のオートクレーブ内で
加熱し、高温、高圧下で反応させ、その後に脱液処理
し、型変換等の処理を行ってNa型又はK型人工ゼオラ
イトを製造する方法、装置が知られている。
て、上述した石炭灰、ゴミ焼却灰、鋳物廃砂、集塵ダス
ト、汚泥焼却灰、溶融スラグ等の原料灰とアルカリ水溶
液、例えば、苛性ソーダ、苛性カリ等とを混合してスラ
リーとし、該スラリーをバッチ式のオートクレーブ内で
加熱し、高温、高圧下で反応させ、その後に脱液処理
し、型変換等の処理を行ってNa型又はK型人工ゼオラ
イトを製造する方法、装置が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した製造装置に用
いるバッチ式のオートクレーブは、所定の処理能力を備
えるべく、比較的大型のものが利用されている。 こう
した大型のオートクレーブを加熱するためには、発熱量
の大きい大型のボイラーを用いざるを得ず、これが設備
コストの増大を招いていた。また、バッチ式のオートク
レーブは、投入した原料灰とアルカリ水溶液との反応に
1〜2時間反応させる必要があると共に反応終了時には
ボイラーの運転を止めて、内部を解放し、スラリーを取
り出す必要性のあるところから、それまでに投入し、蓄
積された熱が無駄に放散されることになり、再度投入さ
れた原料灰とアルカリ水溶液の加熱に多大の熱量を必要
とするところから、エネルギーロスを余儀なくされ、こ
れが運転コストの増大を招いていた。また、従前におい
ては、オートクレーブを出た加熱蒸気は、そのまま大気
に放出されており、このエネルギーロスもあった。
いるバッチ式のオートクレーブは、所定の処理能力を備
えるべく、比較的大型のものが利用されている。 こう
した大型のオートクレーブを加熱するためには、発熱量
の大きい大型のボイラーを用いざるを得ず、これが設備
コストの増大を招いていた。また、バッチ式のオートク
レーブは、投入した原料灰とアルカリ水溶液との反応に
1〜2時間反応させる必要があると共に反応終了時には
ボイラーの運転を止めて、内部を解放し、スラリーを取
り出す必要性のあるところから、それまでに投入し、蓄
積された熱が無駄に放散されることになり、再度投入さ
れた原料灰とアルカリ水溶液の加熱に多大の熱量を必要
とするところから、エネルギーロスを余儀なくされ、こ
れが運転コストの増大を招いていた。また、従前におい
ては、オートクレーブを出た加熱蒸気は、そのまま大気
に放出されており、このエネルギーロスもあった。
【0005】更に、大型のオートクレーブを用いると、
一度に大量の原料灰を処理できる利点があり、また、バ
ッチ式であるところから、原料投入、スラリー取り出し
回数が少なくなるという利点がある一方で、大型のボイ
ラーを使用する割りには、オートクレーブにおける原料
灰とアルカリ水溶液との反応時間が長くかかり、単位量
当たりの処理時間が比較的長くかかることが分かってき
た。
一度に大量の原料灰を処理できる利点があり、また、バ
ッチ式であるところから、原料投入、スラリー取り出し
回数が少なくなるという利点がある一方で、大型のボイ
ラーを使用する割りには、オートクレーブにおける原料
灰とアルカリ水溶液との反応時間が長くかかり、単位量
当たりの処理時間が比較的長くかかることが分かってき
た。
【0006】本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑
み、バッチ式のオートクレーブを備える製造方法及び製
造装置において、設備コスト及び運転コストの低減を図
り、且つ、ボイラー熱の効率的利用を図りながらバッチ
処理の回数が増えるものの単位処理量当たりの反応時間
を短縮することの出来る人工ゼオライトの製造方法と該
方法に用いる装置を提供することを目的とする。
み、バッチ式のオートクレーブを備える製造方法及び製
造装置において、設備コスト及び運転コストの低減を図
り、且つ、ボイラー熱の効率的利用を図りながらバッチ
処理の回数が増えるものの単位処理量当たりの反応時間
を短縮することの出来る人工ゼオライトの製造方法と該
方法に用いる装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる人工ゼオ
ライトの製造方法は、上記目的を達成するべく、原料灰
とアルカリ水溶液とを混合してスラリーとし、該スラリ
ーをバッチ式のオートクレーブ内で加熱し、高温、高圧
下で反応させ、その後に脱液処理し、型変換等の処理を
行ってNa型人工ゼオライトを製造する人工ゼオライト
の製造装置であって、少なくとも二基以上直列配置され
た小型のオートクレーブのうち、第一のオートクレーブ
に対して小型ボイラーから加熱蒸気を送り込み、前記ス
ラリーの加熱処理を行い、該第一のオートクレーブの加
熱処理工程が終了した時に、該第一のオートクレーブ内
の加熱蒸気を、次位のオートクレーブに供給し、しかる
後に、当該次位のオートクレーブに前記小型ボイラーか
ら直接加熱蒸気を供給し、内部のスラリーを加熱処理す
るようにした、という手段を講じた。
ライトの製造方法は、上記目的を達成するべく、原料灰
とアルカリ水溶液とを混合してスラリーとし、該スラリ
ーをバッチ式のオートクレーブ内で加熱し、高温、高圧
下で反応させ、その後に脱液処理し、型変換等の処理を
行ってNa型人工ゼオライトを製造する人工ゼオライト
の製造装置であって、少なくとも二基以上直列配置され
た小型のオートクレーブのうち、第一のオートクレーブ
に対して小型ボイラーから加熱蒸気を送り込み、前記ス
ラリーの加熱処理を行い、該第一のオートクレーブの加
熱処理工程が終了した時に、該第一のオートクレーブ内
の加熱蒸気を、次位のオートクレーブに供給し、しかる
後に、当該次位のオートクレーブに前記小型ボイラーか
ら直接加熱蒸気を供給し、内部のスラリーを加熱処理す
るようにした、という手段を講じた。
【0008】本発明において、前記最終のオートクレー
ブを経たアルカリ水溶液の成分を含有する加熱蒸気を、
上記原料灰をアルカリ水溶液とを混合する撹拌機に導
き、この撹拌機の中に放出し、該撹拌機の中の混合物を
予熱するようにするのが好ましい。
ブを経たアルカリ水溶液の成分を含有する加熱蒸気を、
上記原料灰をアルカリ水溶液とを混合する撹拌機に導
き、この撹拌機の中に放出し、該撹拌機の中の混合物を
予熱するようにするのが好ましい。
【0009】また、本発明にかかる人工ゼオライトの製
造装置は、上記目的を達成するべく、原料灰とアルカリ
水溶液とを撹拌機を用いて混合してスラリーとし、該ス
ラリーをバッチ式のオートクレーブ内で加熱し、高温、
高圧下で反応させ、その後に脱液処理し、型変換等の処
理を行ってNa型又はK型人工ゼオライトを製造する人
工ゼオライトの製造装置であって、前記オートクレーブ
を小型のものとして、少なくとも二基以上備え、該第一
の小型のオートクレーブに対応する小型ボイラーを設
け、前記第一のオートクレーブと次位並びにこれに続く
順位のオートクレーブとを夫々直接接続する直列供給ラ
インを設け、且つ、前記小型ボイラーと各オートクレー
プとを並列に接続する並列供給ラインを設け、前記第一
のオートクレーブの加熱処理工程終了後に、内部の加熱
蒸気を前記直列供給ラインを用いて次位のオートクレー
ブに供給し、しかる後に、当該次位のオートクレーブに
対して前記並列供給ラインを用いて前記小型ボイラーか
ら直接に加熱蒸気を供給し、次位のオートクレーブと更
に次位のオートクレーブについても同様に繰り返される
ように、前記直列供給ラインと並列供給ラインとが切り
換え自在に構成されている、という手段を講じた。
造装置は、上記目的を達成するべく、原料灰とアルカリ
水溶液とを撹拌機を用いて混合してスラリーとし、該ス
ラリーをバッチ式のオートクレーブ内で加熱し、高温、
高圧下で反応させ、その後に脱液処理し、型変換等の処
理を行ってNa型又はK型人工ゼオライトを製造する人
工ゼオライトの製造装置であって、前記オートクレーブ
を小型のものとして、少なくとも二基以上備え、該第一
の小型のオートクレーブに対応する小型ボイラーを設
け、前記第一のオートクレーブと次位並びにこれに続く
順位のオートクレーブとを夫々直接接続する直列供給ラ
インを設け、且つ、前記小型ボイラーと各オートクレー
プとを並列に接続する並列供給ラインを設け、前記第一
のオートクレーブの加熱処理工程終了後に、内部の加熱
蒸気を前記直列供給ラインを用いて次位のオートクレー
ブに供給し、しかる後に、当該次位のオートクレーブに
対して前記並列供給ラインを用いて前記小型ボイラーか
ら直接に加熱蒸気を供給し、次位のオートクレーブと更
に次位のオートクレーブについても同様に繰り返される
ように、前記直列供給ラインと並列供給ラインとが切り
換え自在に構成されている、という手段を講じた。
【0010】
【発明の実施の態様】本発明における人工ゼオライトの
製造方法と製造装置は、そのバッチ式のオートクレーブ
を、従前に較べて小型化し、これに対応させてボイラー
も小型化する一方、その小型オートクレーブを、少なく
とも二基以上直列配置して、第一のオートクレーブに投
入した小型ボイラーの熱エネルギーを、第一のオートク
レーブの加熱処理工程が終了した時に、次位の第二のオ
ートクレーブへ、更に、次位へと順次移行させ、その後
の小型ボイラーから供給される加熱蒸気によるの直接加
熱でもって、順次各オートクレーブ内のスラリーを加熱
処理することができる。
製造方法と製造装置は、そのバッチ式のオートクレーブ
を、従前に較べて小型化し、これに対応させてボイラー
も小型化する一方、その小型オートクレーブを、少なく
とも二基以上直列配置して、第一のオートクレーブに投
入した小型ボイラーの熱エネルギーを、第一のオートク
レーブの加熱処理工程が終了した時に、次位の第二のオ
ートクレーブへ、更に、次位へと順次移行させ、その後
の小型ボイラーから供給される加熱蒸気によるの直接加
熱でもって、順次各オートクレーブ内のスラリーを加熱
処理することができる。
【0011】従って、第一、第二のオートクレーブの稼
働終了に際して、これを解放してスラリーを取り出すこ
とになっても、小型ボイラーに対応した小型のオートク
レーブであるが故に失われる熱量は少なくて済むのは勿
論ながら、内部の残留加熱蒸気を次位のオートクレーブ
に導いて、夫々予熱に利用されることになり、その後の
小型ボイラーからの加熱蒸気の直接供給による再加熱に
際して速やかな温度上昇が期待出来て、運転コストも、
単位処理量に換算すると、約70%程度削減できる。そ
して、小型のボイラーは、従前の価格が高くつく大型ボ
イラーに比較して格段に価格が安く、小型オートクレー
ブを複数設置することによるコストアップにかかわら
ず、その分、設備コストの削減を図り得る。
働終了に際して、これを解放してスラリーを取り出すこ
とになっても、小型ボイラーに対応した小型のオートク
レーブであるが故に失われる熱量は少なくて済むのは勿
論ながら、内部の残留加熱蒸気を次位のオートクレーブ
に導いて、夫々予熱に利用されることになり、その後の
小型ボイラーからの加熱蒸気の直接供給による再加熱に
際して速やかな温度上昇が期待出来て、運転コストも、
単位処理量に換算すると、約70%程度削減できる。そ
して、小型のボイラーは、従前の価格が高くつく大型ボ
イラーに比較して格段に価格が安く、小型オートクレー
ブを複数設置することによるコストアップにかかわら
ず、その分、設備コストの削減を図り得る。
【0012】また、小型のオートクレーブは、大型のオ
ートクレーブに比較すると、単位処理量当たりのサイク
ルタイム(処理時間)が短くて済むことが実験の結果確
かめられており、バッチ式であることの投入、取り出し
の回数は増えるものの、全体として処理時間が少なくて
済む。特に、本発明において、前記最終のオートクレー
ブを経たアルカリ水溶液、例えば、苛性ソーダ、苛性カ
リ等の成分を含有する加熱蒸気を、上記原料灰とアルカ
リ水溶液とを混合する撹拌機に導き、この撹拌機の中に
放出する手段を採っているので、この加熱蒸気の熱エネ
ルギーを、従前の如く単に大気に放出するのに較べて有
効利用できると共にオートクレーブにおいて加熱蒸気に
含有することとなったアルカリ水溶液の成分をして、撹
拌機の中の原料灰とアルカリ水溶液との混合物中に放出
することで、予め反応を促進させておくことができ、以
て、一層、引き続くオートクレーブによる反応処理時間
を短縮させることができる。
ートクレーブに比較すると、単位処理量当たりのサイク
ルタイム(処理時間)が短くて済むことが実験の結果確
かめられており、バッチ式であることの投入、取り出し
の回数は増えるものの、全体として処理時間が少なくて
済む。特に、本発明において、前記最終のオートクレー
ブを経たアルカリ水溶液、例えば、苛性ソーダ、苛性カ
リ等の成分を含有する加熱蒸気を、上記原料灰とアルカ
リ水溶液とを混合する撹拌機に導き、この撹拌機の中に
放出する手段を採っているので、この加熱蒸気の熱エネ
ルギーを、従前の如く単に大気に放出するのに較べて有
効利用できると共にオートクレーブにおいて加熱蒸気に
含有することとなったアルカリ水溶液の成分をして、撹
拌機の中の原料灰とアルカリ水溶液との混合物中に放出
することで、予め反応を促進させておくことができ、以
て、一層、引き続くオートクレーブによる反応処理時間
を短縮させることができる。
【0013】
【実施例】本発明にかかる人工ゼオライトの製造方法と
該方法に用いる製造装置の好適実施例について、以下図
面を参照して詳述する。本発明の人工ゼオライトの製造
は、図1に示すようなプロセスで行われる。ここでは、
二基のオートクレーブを設置した時の実施例として説明
する。第一の工程で、石炭灰の原料灰を貯蔵した原料貯
槽(図外)から原料灰を撹拌機1へ所定量投入し、これ
に、アルカリ水溶液の一種である苛性ソーダ水溶液の苛
性ソーダ貯槽(図外)から苛性ソーダ水溶液を所定量取
り出して撹拌機1へ投入して混合し、スラリーとする。
該スラリーを、小型のボイラー2を用いてバッチ式の
オートクレーブ3内で加熱し、高温、高圧下で反応さ
せ、以て、Na型人工ゼオライトを生成し、その後に遠
心分離器(図外)を用いて脱液処理し、しかる後に、型
変換溶液貯槽(図外)から型変換溶液、ここでは、塩化
カルシウム等を取り出して別の撹拌機(図外)に投入
し、前記脱液処理した人工ゼオライトをここにおいて撹
拌混合し、再度、別の遠心分離器(図外)を用いて脱液
処理して後、製品ホッパー(図外)に回収する。この
後、そのまま出荷したり、或いは、造粒機を用いて所定
の粒度としてから出荷する。尚、アルカリ水溶液の一種
に苛性カリの水溶液を用いれば、K型人工ゼオライトを
生成することになる。
該方法に用いる製造装置の好適実施例について、以下図
面を参照して詳述する。本発明の人工ゼオライトの製造
は、図1に示すようなプロセスで行われる。ここでは、
二基のオートクレーブを設置した時の実施例として説明
する。第一の工程で、石炭灰の原料灰を貯蔵した原料貯
槽(図外)から原料灰を撹拌機1へ所定量投入し、これ
に、アルカリ水溶液の一種である苛性ソーダ水溶液の苛
性ソーダ貯槽(図外)から苛性ソーダ水溶液を所定量取
り出して撹拌機1へ投入して混合し、スラリーとする。
該スラリーを、小型のボイラー2を用いてバッチ式の
オートクレーブ3内で加熱し、高温、高圧下で反応さ
せ、以て、Na型人工ゼオライトを生成し、その後に遠
心分離器(図外)を用いて脱液処理し、しかる後に、型
変換溶液貯槽(図外)から型変換溶液、ここでは、塩化
カルシウム等を取り出して別の撹拌機(図外)に投入
し、前記脱液処理した人工ゼオライトをここにおいて撹
拌混合し、再度、別の遠心分離器(図外)を用いて脱液
処理して後、製品ホッパー(図外)に回収する。この
後、そのまま出荷したり、或いは、造粒機を用いて所定
の粒度としてから出荷する。尚、アルカリ水溶液の一種
に苛性カリの水溶液を用いれば、K型人工ゼオライトを
生成することになる。
【0014】本発明においては、上記オートクレーブ3
が、この実施例では、二基3A・3B備えられている。
第一のオートクレーブ3Aと次位3B(並びにこれに
続く順位のオートクレーブ)とを夫々直接接続する直列
供給ライン4を設け、且つ、前記小型ボイラー2と各オ
ートクレープ3A・3Bとを並列に接続する並列供給ラ
イン5を設けてある。
が、この実施例では、二基3A・3B備えられている。
第一のオートクレーブ3Aと次位3B(並びにこれに
続く順位のオートクレーブ)とを夫々直接接続する直列
供給ライン4を設け、且つ、前記小型ボイラー2と各オ
ートクレープ3A・3Bとを並列に接続する並列供給ラ
イン5を設けてある。
【0015】そして、前記第一のオートクレーブ3Aの
加熱処理工程終了後に、内部の加熱蒸気を前記直列供給
ライン4を用いて次位のオートクレーブ3Bに供給し、
しかる後に、当該次位のオートクレーブ3Bに対して前
記並列供給ライン5を用いて前記小型ボイラー2から直
接に加熱蒸気を供給し、次位のオートクレーブ3Bと更
に次位のオートクレーブ(図外)についても同様に繰り
返されるように、前記直列供給ライン4と並列供給ライ
ン5とが各バルブ6a,6b,6c,6d,6eの切り
換え自在に構成されている。
加熱処理工程終了後に、内部の加熱蒸気を前記直列供給
ライン4を用いて次位のオートクレーブ3Bに供給し、
しかる後に、当該次位のオートクレーブ3Bに対して前
記並列供給ライン5を用いて前記小型ボイラー2から直
接に加熱蒸気を供給し、次位のオートクレーブ3Bと更
に次位のオートクレーブ(図外)についても同様に繰り
返されるように、前記直列供給ライン4と並列供給ライ
ン5とが各バルブ6a,6b,6c,6d,6eの切り
換え自在に構成されている。
【0016】更に、第一のオートクレーブ3A及び第二
のオートクレーブ3Bから排出された加熱蒸気(約12
0〜15°C)は、必要に応じて、バルブ8の操作でも
って、還流ライン7によって先の撹拌機1に導かれ、こ
こにおいて、原料灰と苛性ソーダ水溶液との混合中に放
出(バブル生成、撹拌)されて、内部の混合物を予熱
し、反応を開始させておくように構成されている。図1
において、9は、必要に応じて使用される排気バルブを
示し、10A・10Bは、スラリー排出用のバルブを示
す。
のオートクレーブ3Bから排出された加熱蒸気(約12
0〜15°C)は、必要に応じて、バルブ8の操作でも
って、還流ライン7によって先の撹拌機1に導かれ、こ
こにおいて、原料灰と苛性ソーダ水溶液との混合中に放
出(バブル生成、撹拌)されて、内部の混合物を予熱
し、反応を開始させておくように構成されている。図1
において、9は、必要に応じて使用される排気バルブを
示し、10A・10Bは、スラリー排出用のバルブを示
す。
【0017】従って、本発明の製造方法は、第一のオー
トクレーブ3Aに対して小型ボイラー2から加熱蒸気を
送り込み、前記第一のオートクレーブ3A内のスラリー
の加熱処理を行い、該第一のオートクレーブ3Aの加熱
処理工程が終了した時に、該第一のオートクレーブ3A
内の加熱蒸気を、次位の第二のオートクレーブ3Bに供
給し、しかる後に、当該次位のオートクレーブ3Bに前
記小型ボイラー2から直接加熱蒸気を供給し、内部のス
ラリーを本格的に加熱処理することで実施される。
トクレーブ3Aに対して小型ボイラー2から加熱蒸気を
送り込み、前記第一のオートクレーブ3A内のスラリー
の加熱処理を行い、該第一のオートクレーブ3Aの加熱
処理工程が終了した時に、該第一のオートクレーブ3A
内の加熱蒸気を、次位の第二のオートクレーブ3Bに供
給し、しかる後に、当該次位のオートクレーブ3Bに前
記小型ボイラー2から直接加熱蒸気を供給し、内部のス
ラリーを本格的に加熱処理することで実施される。
【0018】そして、前記第二のオートクレーブ3Bを
経た苛性ソーダ水溶液の成分を含有する加熱蒸気を、上
記原料灰と苛性ソーダ水溶液とを混合する撹拌機1に導
き、この撹拌機1の中に放出し、該撹拌機1の中の混合
物を予熱するようにすることで、スラリーの反応を開始
させておいて、その後のオートクレーブにおける加熱処
理時間を短縮することができる。
経た苛性ソーダ水溶液の成分を含有する加熱蒸気を、上
記原料灰と苛性ソーダ水溶液とを混合する撹拌機1に導
き、この撹拌機1の中に放出し、該撹拌機1の中の混合
物を予熱するようにすることで、スラリーの反応を開始
させておいて、その後のオートクレーブにおける加熱処
理時間を短縮することができる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、人工ゼオライトの製造
に、バッチ式のオートクレーブを備える製造方法と装置
において、小型ボイラーを用いることにより設備コスト
及び運転コストの低減を図り、且つ、複数の小型のオー
トクレーブを併置して、これらと小型ボイラーとを繋ぐ
直列供給ラインと並列供給ラインとを使い分けること
で、ボイラー熱の効率的利用を図りながらバッチ処理の
回数が増えるものの単位処理量当たりの反応時間を短縮
し、以て、処理時間の短縮と運転コストの低減を図るこ
とが出来る顕著な効果を奏するに至った。本発明にかか
るその他の利点は、上記発明の実施の態様の項及び実施
例の項において詳述した通りである。
に、バッチ式のオートクレーブを備える製造方法と装置
において、小型ボイラーを用いることにより設備コスト
及び運転コストの低減を図り、且つ、複数の小型のオー
トクレーブを併置して、これらと小型ボイラーとを繋ぐ
直列供給ラインと並列供給ラインとを使い分けること
で、ボイラー熱の効率的利用を図りながらバッチ処理の
回数が増えるものの単位処理量当たりの反応時間を短縮
し、以て、処理時間の短縮と運転コストの低減を図るこ
とが出来る顕著な効果を奏するに至った。本発明にかか
るその他の利点は、上記発明の実施の態様の項及び実施
例の項において詳述した通りである。
【図1】本発明にかかる人工ゼオライトの製造装置の概
要を示す全体のフローチャートである。
要を示す全体のフローチャートである。
1 撹拌機 2 小型ボイラー 3A 第一オートクレーブ 3B 第二オートクレーブ 4 直列供給ライン 5 並列供給ライン
Claims (3)
- 【請求項1】原料灰とアルカリ水溶液とを撹拌機を用い
て混合してスラリーとし、該スラリーをバッチ式のオー
トクレーブ内で加熱し、高温、高圧下で反応させ、その
後に脱液処理し、型変換等の処理を行ってNa型又はK
型人工ゼオライトを製造する人工ゼオライトの製造方法
であって、 少なくとも二基以上直列配置された小型のオートクレー
ブのうち、第一のオートクレーブに対して小型ボイラー
から加熱蒸気を送り込み、前記スラリーの加熱処理を行
い、該第一のオートクレーブの加熱処理工程が終了した
時に、該第一のオートクレーブ内の加熱蒸気を、次位の
オートクレーブに供給し、しかる後に、当該次位のオー
トクレーブに前記小型ボイラーから直接加熱蒸気を供給
し、内部のスラリーを加熱処理するようにした、人工ゼ
オライトの製造方法。 - 【請求項2】前記最終のオートクレーブを経たアルカリ
水溶液の成分を含有する加熱蒸気を、上記原料灰をアル
カリ水溶液とを混合する撹拌機に導き、この撹拌機の中
に放出し、該撹拌機の中の混合物を予熱するようにし
た、請求項1の人工ゼオライトの製造方法。 - 【請求項3】原料灰とアルカリ水溶液とを撹拌機を用い
て混合してスラリーとし、該スラリーをバッチ式のオー
トクレーブ内で加熱し、高温、高圧下で反応させ、その
後に脱液処理し、型変換等の処理を行ってNa型又はK
型人工ゼオライトを製造する人工ゼオライトの製造装置
であって、 前記オートクレーブを小型のものとして、少なくとも二
基以上備え、 該第一の小型のオートクレーブに対応する小型ボイラー
を設け、 前記第一のオートクレーブと次位並びにこれに続く順位
のオートクレーブとを夫々直接接続する直列供給ライン
を設け、 且つ、前記小型ボイラーと各オートクレープとを並列に
接続する並列供給ラインを設け、 前記第一のオートクレーブの加熱処理工程終了後に、内
部の加熱蒸気を前記直列供給ラインを用いて次位のオー
トクレーブに供給し、しかる後に、当該次位のオートク
レーブに対して前記並列供給ラインを用いて前記小型ボ
イラーから直接に加熱蒸気を供給し、次位のオートクレ
ーブと更に次位のオートクレーブについても同様に繰り
返されるように、前記直列供給ラインと並列供給ライン
とが切り換え自在に構成されている、人工ゼオライトの
製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000237771A JP2002020116A (ja) | 2000-06-30 | 2000-06-30 | 人工ゼオライトの製造方法と該方法に用いる製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000237771A JP2002020116A (ja) | 2000-06-30 | 2000-06-30 | 人工ゼオライトの製造方法と該方法に用いる製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002020116A true JP2002020116A (ja) | 2002-01-23 |
Family
ID=18729574
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000237771A Pending JP2002020116A (ja) | 2000-06-30 | 2000-06-30 | 人工ゼオライトの製造方法と該方法に用いる製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002020116A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020509987A (ja) * | 2017-03-17 | 2020-04-02 | アルケマ フランス | 制御された粒径を有するゼオライト結晶を多反応器合成するための方法 |
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2000
- 2000-06-30 JP JP2000237771A patent/JP2002020116A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020509987A (ja) * | 2017-03-17 | 2020-04-02 | アルケマ フランス | 制御された粒径を有するゼオライト結晶を多反応器合成するための方法 |
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