JP2002019031A - 樹脂積層体およびレザー調シート - Google Patents

樹脂積層体およびレザー調シート

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JP2002019031A
JP2002019031A JP2000208657A JP2000208657A JP2002019031A JP 2002019031 A JP2002019031 A JP 2002019031A JP 2000208657 A JP2000208657 A JP 2000208657A JP 2000208657 A JP2000208657 A JP 2000208657A JP 2002019031 A JP2002019031 A JP 2002019031A
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sheet
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JP2000208657A
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Hidetoshi Shimada
英俊 島田
Tomomasa Suzuki
呂昌 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い表面強度(耐摩耗性)を有する樹脂積層体
を提供すること。 【解決手段】ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー層
10と、この層10の上に積層されたポリウレタン層2
0とからなる樹脂積層体1において、ポリオレフィン系
熱可塑性エラストマー層10は、有機顔料を含み、ポリ
オレフィン系熱可塑性エラストマー層10とポリウレタ
ン層20とが強固に接着されている樹脂積層体1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂積層体および
レザー調シートに関する。
【0002】
【背景技術】近年、自動車用内装材、家具等には、樹脂
製のレザー調シートが多用されるようになってきてい
る。このような樹脂製レザー調シートとしては、比較的
表面強度が高い塩化ビニル樹脂系、ウレタン系の素材が
一般的に用いられ、表面強度の低いポリオレフィン系熱
可塑性エラストマー(以下、TPOという)は使用され
ていなかった。
【0003】しかしながら、塩化ビニル樹脂は、焼却の
際に塩素系ガス等の有害物質を発生する等環境適応性が
低く、また、ウレタンは高価である等の問題があり、T
POを主材料とする樹脂製レザー調シートの出現が望ま
れていた。このような要望から、TPO層とウレタン系
の表面処理層とからなるTPO系レザー調シートが開発
され、現在家具用を中心に使用されるようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
TPO系レザー調シートにおいても、表面処理層が10
μm未満と非常に薄いため、表面強度(耐摩耗性)は、
TPOそのものと比べて、それほど改善されていないと
いう問題がある。このため、高い表面強度を要求される
用途に、上記TPO系レザー調シートを採用することは
困難であり、高い表面強度を有し、TPOを主材料とし
たTPO系レザー調シートの開発が望まれている。
【0005】本発明の目的は、高い表面強度(耐摩耗
性)を有する樹脂積層体およびレザー調シートを提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る樹脂積層体
は、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー層(以下、
TPO層という)と、このTPO層の上に積層されたポ
リウレタン層とからなる樹脂積層体であって、前記TP
O層は、有機顔料を含み、前記TPO層とポリウレタン
層とが強固に接着されていることを特徴とする。ここ
で、「強固に接着されている」とは、具体的には、TP
O層とポリウレタン層とを剥離した際に、層間剥離を起
こさず材料破壊を起こす程度に強固であることを意味す
る。
【0007】本発明におけるTPOとしては、(1)ハー
ドセグメントとしてポリプロピレンを、ソフトセグメン
トとしてポリエチレンを有するエラストマー、(2)エチ
レンと少量のジエン成分を有するエラストマー、(3)エ
チレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、(4)エ
チレン−プロピレンゴム(EPR)、(5)ブチルゴムグ
ラフトポリエチレン、(6)スチレン系エラストマー、(7)
(1)〜(6)の各エラストマー(ゴム)を、ブレンドしたも
の、(8)有機過酸化物を(1)〜(7)に添加して部分的に架
橋したもの、(9)不飽和ヒドロキシ単量体や不飽和カル
ボン酸誘導体でグラフト変性されたもの等を採用するこ
とができる。
【0008】TPO層に添加する有機顔料としては、不
溶性アゾ顔料、縮合アゾ、イソインドリノン、キナクリ
ドン、ジケトピロロピロール、アンスラキノン、ジオキ
サジン、ジオキサンバイオレット等が挙げられる。これ
らは、顔料そのままで使用してもよく、ポリエチレン、
ビニルブチラール、ロジンエステル等のキャリア中に顔
料の微粒子を分散させたものを使用してもよい。TPO
層中の有機顔料の含有量は、通常の着色等を目的とする
量である、0.2重量%以上であることが好ましく、よ
り好ましくは、0.5重量%以上である。接着力の向上
のためには、含有量は多いほど好ましいが、多すぎると
樹脂積層体自体が脆くなる虞があるため、適度な量とす
る必要がある。より一層好ましくは、0.5〜50重量
%である。
【0009】また、前記ポリウレタン層を構成するポリ
ウレタンは、反応性ウレタンプライマー層と熱可塑性ポ
リウレタン層とから形成されていることが好ましい。こ
こで、反応性ウレタンプライマーとは、ポリイソシアネ
ート化合物とポリヒドロキシル化合物との混合物からな
り、両者が反応してポリウレタン重合体を生成する混合
物をいう。具体的には、別々の溶剤に溶解した化合物を
混合し、グラビアロール等で塗布、乾燥してポリウレタ
ン重合体とするものである。ポリイソシアネート化合物
としては、単、複芳香族環、脂肪族、脂環族系のジ、ト
リ、テトラ系のポリイソシアネート化合物が挙げられ
る。一方、ポリヒドロキシル化合物としては、ポリエス
テルポリオール(ジオールからポリオール)、ポリエー
テルポリオール(ジオールからポリオール)等が挙げら
れる。
【0010】さらに、熱可塑性ポリウレタン層を構成す
るポリウレタンとしては、ポリカーボネート系ポリオー
ル、ポリエステルジオール、またはポリオキシアルキレ
ンエーテルジオールと、ポリイソシアネートと、鎖延長
剤との重合物であり、これを溶剤に溶解させたもの等を
採用できる。ポリカーボネート系ポリオールとしては、
ポリアルキレンポリカーボネート系ポリオール、一部を
ポリオキシアルキレン変性したポリカーボネートで置換
した混合物等を採用できる。ポリエステルジオールに
は、例えばジオールを有するアジペート、カプロラクト
ン誘導体、カーボネート等を採用できる。ポリオキシア
ルキレンエーテルジオールとしては、例えば、ポリテト
ラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リエチレン−プロピレングリコール、ポリプロピレン−
エチレングリコール等を採用できる。
【0011】また、鎖延長剤としては、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキルジオ
ール、第1級または第2級の脂肪族ジアミンを採用でき
る。溶剤としては、ポリウレタンエラストマーを溶解さ
せる種々の溶剤を使用することができ、例えば、N,N
−ジメチルホルムアミド(DMF)、メチルエチルケト
ン(MEK)、酢酸エチル等を採用できる。
【0012】この発明によれば、TPO層が有機顔料を
含んでいるため、TPO層とポリウレタン層との接着力
を向上することができる。すなわち、有機顔料が有する
アミノ基、水酸基等の反応性基により、TPO層とポリ
ウレタン層との密着力(相溶性)が向上し、結果として
TPO層とポリウレタン層とが強固に接着するものと考
えられる。これにより、樹脂積層体の表面強度も向上さ
せることができる。
【0013】さらに、ポリウレタン層の構成成分として
反応性ウレタンプライマーを用いれば、TPO層と反応
性ウレタンプライマーとが強固に接着するとともに、プ
ライマーと熱可塑性ポリウレタンとが強固に接着するこ
ととなるため、より一層の接着強度の向上を図ることが
できる。そして、本発明の樹脂積層体は、ポリオレフィ
ンを主体とする素材から構成されているから、焼却の際
にも塩素系の有害ガス等を発生することが無く、環境適
応性が高い。
【0014】このような樹脂積層体は、予め、有機顔料
を添加したTPO原料を、カレンダー加工、Tダイ成形
等によりシート状に成形したTPO層の上に、ポリウレ
タン層をコーティングする種々の手法が採用でき、例え
ば、グラビアロール、コンマーコーター、ドクターナイ
フ、オーバーロールコーター等でTPO層の上に直接ポ
リウレタン層を塗布する方法や、離型紙上にポリウレタ
ンフィルム(ポリウレタン層)を作成した後、転写法で
TPO層上に貼付する方法等により製造することができ
る。
【0015】本発明に係るレザー調シートは、請求項1
から請求項3のいずれかに記載の樹脂積層体と、基材と
を含むことを特徴とする。ここで、基材とは、布(基
布)であり、その糸質としては、ポリエステルとレーヨ
ンとの混紡、スフ、ポリプロピレン、ポリエステル、ポ
リエステルとスフとの混紡、ポリプロピレン発泡体不織
布、ポリウレタン発泡体不織布等を採用できる。
【0016】また、基材の組織としては、片面メリヤ
ス、両面メリヤス、特殊編み、綾織、平織、ラッセル編
み、天竺編み等を採用できる。このようなレザー調シー
トは、例えば、基材上に接着剤を塗布し、その上にTダ
イ押出、カレンダー加工等で樹脂積層体を積層すること
で製造できる。これによれば、前述の樹脂積層体と、基
材とを備えたレザー調シートであるから、表面強度の高
いTPO系レザー調シートを提供できる。また、得られ
たレザー調シートは、表面強度が高いため、自動車用内
装材として好適に利用することができる。自動車用内装
材としては、例えば、座席シート用レザー、ドアトリム
用レザー、インパネ用レザー、サンバイザー用レザー、
天井用レザー等に用いることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 [第1実施形態]図1には、本発明の第1実施形態に係
る樹脂積層体1が示されている。樹脂積層体1は、有機
顔料を含むTPO層10と、このTPO層10の上に積
層形成されたポリウレタン層20とを備えている。ここ
で、ポリウレタン層20は、反応性ウレタンプライマー
からなる層(以下、プライマー層という)20B、およ
びこの上に積層された熱可塑性ポリウレタン層20Aと
から形成されたものである。
【0018】以上のように構成された樹脂積層体1は、
次のように製造する。まず、予め、カレンダー加工、T
ダイ押出等により、有機顔料を含むTPO原料を、シー
ト状に成形したTPO層10の上に、グラビアロールで
プライマー層20Bを塗布、乾燥し、その上にグラビア
ロールを用いて熱可塑性ポリウレタン層20Aを塗布、
積層して樹脂積層体1を得る。
【0019】上述のような本実施形態によれば、次のよ
うな効果がある。 (1)TPO層10が0.5〜50重量%の有機顔料を含
んでいるため、ポリウレタン層20との接着力を向上す
ることができる。すなわち、有機顔料が有するアミノ
基、水酸基等の反応性基により、TPO層10とポリウ
レタン層20との密着力(相溶性)が向上する。 (2)TPO層10の上にポリウレタン層20が強固に接
着されることとなるから、樹脂積層体1の表面強度を向
上することができる。
【0020】(3)ポリウレタン層20の構成成分として
反応性ウレタンプライマーを用いているから、TPO層
10とプライマー層20Bが強固に接着するとともに、
プライマー層20Bの上に積層される熱可塑性ポリウレ
タン層20Aとも強固に接着することとなるため、より
一層樹脂積層体1の接着強度の向上を図ることができ
る。 (4)本発明の樹脂積層体1は、ポリオレフィンを主体と
する素材から構成されているから、焼却の際にも塩素系
の有害ガス等を発生することが無く、環境適応性が高
い。
【0021】[第2実施形態]図2には、本発明の第2
実施形態に係るレザー調シート2が示されている。レザ
ー調シート2は、前記第1実施形態で示した樹脂積層体
1のTPO層10の表面にポリエステル製の基材30を
貼付した以外は、前記第1実施形態と同一の構成を備え
ているので、その詳細な説明を省略する。このように構
成されたレザー調シート2は、樹脂積層体1にカレンダ
ー加工で基材30を貼付することで製造できる。
【0022】上述のような第2実施形態によれば、前記
第1実施形態の(1)〜(4)と同様の効果が得られる他、次
のような効果がある。 (5)樹脂積層体1と、基材30とを備えたレザー調シー
ト2であるから、表面強度の高いTPO系レザー調シー
ト2とすることができ、ソファー等の家具、自動車用シ
ート等に利用できる。
【0023】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変
形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、前
記各実施形態において、樹脂積層体1は、3層構造を採
用していたが、これに限られない。要するに有機顔料を
含むTPO層と、ポリウレタン層が積層された構成を備
えていればよく、プライマー層を備えずに、直接熱可塑
性ポリウレタン層を積層する構成でもよい。また、上記
3層以外の他の層を備えていてもよい。さらに、TPO
層20に含まれる有機顔料の量は0.5〜50重量%と
されていたが、これに限定されず、接着性を阻害しない
範囲において適宜変更することができる。なお、TPO
層にコロナ放電処理を施すことも可能である。この際、
TPO層表面の濡れ性(JIS K−6768に準拠し
た方法により測定した値)を、400μN/cm以上と
することで、より接着性を向上することができる。
【0024】前記第1実施形態では、熱可塑性ポリウレ
タン層20Aをグラビアロールにより塗布する方法を採
用していたがこれに限られない。すなわち、これらの層
を積層可能な種々の装置、方法を採用することができ、
例えば、ドクターナイフ、オーバーロールコーター等の
コーターによる塗布、または予め離型紙上にポリウレタ
ンフィルムを作成した後に、転写法で積層する方法等を
採用することもできる。また、プライマー層20Bを塗
布する装置も、グラビアロールに限られず、オフセット
コーター等の他のコーターを採用してもよい。
【0025】前記第2実施形態では、基材30として、
ポリエステル製のものを用いていたが、これに限られ
ず、ポリエステルとレーヨンとの混紡、スフ、ポリプロ
ピレン、ポリエステルとスフとの混紡、ポリプロピレン
発泡体不織布、ポリウレタン発泡体不織布等を採用して
もよい。その他、本発明を実施する際の具体的な構造お
よび形状等は、本発明の目的を達成できる範囲内で他の
構造等としてもよい。
【0026】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて、本発明
をより具体的に説明する。 [実施例1]ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
(E2640、出光石油化学(株)製)100重量部
と、プロセスオイル(PW90、出光興産(株))10
重量部と、アンスラキノン系有機顔料(クロモフタルレ
ッドA3B、チバスペシャリティケミカルズ(株)製)
3重量部とを、ロール温度を160℃に設定した3イン
チ2本ロールで十分に混合し、厚さ0.5mmのTPO
シート(TPO層20)を得た。
【0027】次に、ポリカーボネート系ウレタン(Du
racarb140とヘキサメチレンジイソシアネート
とを反応させて末端をOH基にさせたもの)をDMF/
MEK混合溶媒に溶解したものと、ヘキサメチレンジイ
ソシアネートをMEKに溶解したものとを混合した反応
性ウレタンプライマーを、グラビアロールで上述のTP
Oシートに塗布し、130℃で20秒間乾燥させ、5μ
mの厚さのプライマー層30を形成した。さらに、ポリ
ウレタンエラストマー(レザミンME44、大日精化
(株)製)100重量部と、DMF30重量部と、ME
K30重量部とからなる溶液を、上記プライマー層30
の上にグラビアロールで塗布し、100℃で30秒間乾
燥させて10μmの厚さのポリウレタン層40を形成
し、樹脂積層体1を得た。
【0028】[実施例2]縮合アゾ顔料(クロモフター
ルイエロー3G、チバスペシャリティケミカルズ(株)
製)5重量部、プロセスオイル(PW90、出光興産
(株))10重量部、およびポリオレフィン系熱可塑性
エラストマー(E2640、出光石油化学(株)製)1
00重量部を、ロール温度を160℃に設定した3イン
チ2本ロールで十分に混合し、厚さ1.0mmのTPO
シート(TPO層20)を得た。得られたTPOシート
の表面にコロナ放電処理を施した。コロナ放電処理後の
濡れ指数は、520μN/cm(52dyn/cmをS
I単位に換算した値)であった。なお、濡れ指数は、J
IS K−6768に準拠した方法により測定した値で
ある。
【0029】コロナ放電処理後、実施例1と同様の反応
性ウレタンプライマー溶液を、グラビアロールで上述の
TPOシートに塗布し、100℃で乾燥させ、5μmの
厚さのプライマー層30を形成した。さらに、ポリウレ
タンエラストマー(レザミンME44、大日精化(株)
製)100重量部と、DMF30重量部と、MEK30
重量部とからなる溶液を、上記プライマー層30の上に
グラビアロールで塗布し、100℃で30秒間乾燥させ
て15μmの厚さのポリウレタン層40を形成し、樹脂
積層体1を得た。
【0030】[実施例3]有機顔料をジケトピロロピロ
ール(クロモフタルレッドBP、チバスペチャリティケ
ミカルズ(株)製)にした以外は、実施例1と同様にし
て、樹脂積層体1を得た。
【0031】[実施例4]有機顔料を縮合アゾ(クロモ
フタルイエロー3G、チバスペチャリティケミカルズ
(株)製)にし、その添加量を1重量部とした以外は、
実施例2と同様にして、樹脂積層体1を得た。
【0032】[実施例5]有機顔料をイソインドリノン
(イルガジンイエロー3RLTN、チバスペチャリティ
ケミカルズ(株)製)にし、その添加量を5重量部とし
た以外は、実施例1と同様にして、樹脂積層体1を得
た。
【0033】[実施例6]有機顔料をジオキサジン(ク
ロモフタルバイオレットB、チバスペチャリティケミカ
ルズ(株)製)とし、その添加量を10重量部とした以
外は、実施例1と同様にして、樹脂積層体1を得た。
【0034】[比較例1]縮合アゾ顔料を用いない以外
は、前記実施例2と同様にして、樹脂積層体を得た。
【0035】[比較例2]プライマー層をクロロプレン
系プライマー(ペンギンセメント370、サンスター技
研(株)製)から形成した層(厚み5μm)とし、ポリ
ウレタン層の層厚を6μmとした以外は、実施例1と同
様にして、樹脂積層体を得た。
【0036】上記各実施例および比較例で得られた樹脂
積層体について、剥離試験および表面強度(耐摩耗性)
の試験を行い、その結果を表1にまとめた。なお、剥離
試験は、室温にて、引張速度200mm/minでTP
O層とポリウレタン層とを引き剥がすことにより行っ
た。一方、表面強度試験は、JIS L−0823(染
色堅ろう度試験用摩擦試験器)の3.2に規定する摩擦
試験器II型を用い、JIS L−3102の綿帆布6号
を摩擦子に取り付け、9.8N(実測値1kgfをSI
単位に換算した値)の力を1万回繰り返し加えることに
より測定した。
【0037】
【表1】
【0038】ここで、等級を決定するのに用いた判定基
準は以下の通りである。 5等級:変化が認められない 4等級:変化がわずかに認められる 3等級:変化が明らかに認められる 2等級:変化がやや著しい 1等級:変化が著しい
【0039】表1に示されるように、実施例1から実施
例6で得られた樹脂積層体は、有機顔料を含むTPO層
と、反応性ウレタンプライマー層と、ポリウレタン層と
を積層しているから、各層の接着強度および表面強度が
高く、耐摩耗性試験において、最低でもわずかに変化が
認められるのみ(5〜4等級)であることがわかる。一
方、比較例1では、TPO層に有機顔料を添加していな
いから、接着力が低く、その結果、表面強度も著しく低
下していることがわかる(1等級)。また、比較例2で
は、TPO層に直接積層されるプライマー層としてクロ
ロプレンからなる層を用いるとともに、ポリウレタン層
の厚さが6μmと薄いため、表面強度が著しく低下し、
耐摩耗性試験において、表面の著しい変化が見られてい
ることがわかる(2等級)。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、TPO層が有機顔料を
含んでいるため、ポリウレタン層との接着力を向上する
ことができる。すなわち、有機顔料が有するアミノ基、
水酸基等の反応性基により、TPO層とポリウレタン層
との密着力(相溶性)が向上し、結果としてTPO層と
ポリウレタン層とが強固に接着するものと考えられる。
これにより、樹脂積層体の表面強度も向上させることが
できる。
【0041】さらに、ポリウレタン層の構成成分として
反応性ウレタンプライマーを用いれば、TPO層と反応
性ウレタンプライマーが強固に接着するとともに、プラ
イマーと熱可塑性ポリウレタンとが強固に接着すること
となるため、より一層の接着強度の向上を図ることがで
きる。そして、本発明の樹脂積層体は、ポリオレフィン
を主体とする素材から構成されているから、焼却の際に
も塩素系の有害ガス等を発生することが無く、環境適応
性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る樹脂積層体を示す
部分断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るレザー調シートを
示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 樹脂積層体 2 レザー調シート 10 ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー層 20 ポリウレタン層 20A 熱可塑性ポリウレタン層 20B 反応性ウレタンプライマーからなるプライマー
層 30 基材
フロントページの続き Fターム(参考) 4F055 AA03 BA13 DA20 FA05 FA17 FA20 GA32 4F100 AH00A AK03A AK51B AK51C AL09A AT00D BA02 BA03 BA04 BA07 BA10A BA10B BA10D BA13 CA13A EC18 EH17 EH46 EJ65C GB08 JB16A JB16B JK01 JK06 JL11 YY00A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー層
    と、このポリオレフィン系熱可塑性エラストマー層の上
    に積層されたポリウレタン層とからなる樹脂積層体であ
    って、 前記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー層は、有機
    顔料を含み、 前記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー層とポリウ
    レタン層とが強固に接着されていることを特徴とする樹
    脂積層体。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の樹脂積層体において、 前記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー層中の前記
    有機顔料の含有量は、0.5〜50重量%であることを
    特徴とする樹脂積層体。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の樹脂積層
    体において、 前記ポリウレタン層は、反応性ウレタンプライマー層と
    熱可塑性ポリウレタン層とから形成されていることを特
    徴とする樹脂積層体。
  4. 【請求項4】請求項1から請求項3のいずれかに記載の
    樹脂積層体と、基材とを含むことを特徴とするレザー調
    シート。
JP2000208657A 2000-07-10 2000-07-10 樹脂積層体およびレザー調シート Withdrawn JP2002019031A (ja)

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CN115556445A (zh) * 2021-07-01 2023-01-03 三芳化学工业股份有限公司 复合式热可塑性膜及其制造方法

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