JP2002113814A - 樹脂積層体およびレザー調シート - Google Patents

樹脂積層体およびレザー調シート

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JP2002113814A
JP2002113814A JP2000308106A JP2000308106A JP2002113814A JP 2002113814 A JP2002113814 A JP 2002113814A JP 2000308106 A JP2000308106 A JP 2000308106A JP 2000308106 A JP2000308106 A JP 2000308106A JP 2002113814 A JP2002113814 A JP 2002113814A
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JP2000308106A
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Hidetoshi Shimada
英俊 島田
Tomomasa Suzuki
呂昌 鈴木
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Idemitsu Technofine Co Ltd
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Idemitsu Technofine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】積層された各層が強固に接着された樹脂積層体
を提供すること。 【解決手段】ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー層
10と、この層10の上に積層されたポリウレタン層2
0とからなり、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
層10には、極性基を有する接着力向上剤が添加され、
この接着力向上剤の無機性/有機性比は、0.5以上で
ある樹脂積層体1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂積層体および
レザー調シートに関する。
【0002】
【背景技術】近年、自動車用内装材、家具等には、樹脂
製のレザー調シートが多用されるようになってきてい
る。このような樹脂製レザー調シートとしては、比較的
表面強度が高い塩化ビニル樹脂系、ウレタン系の素材が
一般的に用いられ、表面強度の低いポリオレフィン系熱
可塑性エラストマー(以下、TPOという)は使用され
ていなかった。
【0003】しかしながら、塩化ビニル樹脂は、焼却の
際に塩素系ガス等の有害物質を発生する等環境適応性が
低く、また、ウレタンは高価である等の問題があり、T
POを主材料とする樹脂製レザー調シートの出現が望ま
れていた。このような要望から、TPO層とウレタン系
の表面処理層とからなるTPO系レザー調シートが開発
され、現在家具用を中心に使用されるようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
TPO系レザー調シートにおいても、TPO層とポリウ
レタン層との密着力が弱いため、表面強度(耐摩耗性)
は、TPOそのものと比べて、それほど改善されていな
いという問題がある。このため、高い表面強度を要求さ
れる用途に、上記TPO系レザー調シートを採用するこ
とは困難であり、高い表面強度を有し、TPOを主材料
としたTPO系レザー調シートの開発が望まれている。
【0005】本発明の目的は、積層された各層が強固に
接着された樹脂積層体およびレザー調シートを提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る樹脂積層体
は、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー層(以下、
TPO層という)と、このポリオレフィン系熱可塑性エ
ラストマー層の上に積層されたポリウレタン層とからな
る樹脂積層体であって、前記ポリオレフィン系熱可塑性
エラストマー層には、極性基を有する接着力向上剤が添
加され、この接着力向上剤の無機性/有機性比は、0.
5以上であることを特徴とする。
【0007】本発明におけるTPOとしては、(1)ハー
ドセグメントとしてポリプロピレンを、ソフトセグメン
トとしてポリエチレンを有するエラストマー、(2)エチ
レンと少量のジエン成分を有するエラストマー、(3)エ
チレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、(4)エ
チレン−プロピレンゴム(EPR)、(5)ブチルゴムグ
ラフトポリエチレン、(6)スチレン系エラストマー、(7)
(1)〜(6)の各エラストマー(ゴム)を、ブレンドしたも
の、(8)有機過酸化物を(1)〜(7)に添加して部分的に架
橋したもの、(9)不飽和ヒドロキシ単量体や不飽和カル
ボン酸誘導体でグラフト変性されたもの等を採用するこ
とができる。
【0008】TPO層に添加する接着力向上剤として
は、接着力向上剤の無機性/有機性比が0.5以上のも
のであれば特に限定はなく、例えば、耐熱安定剤、耐光
安定剤、その他の化合物として脂肪族、芳香族等の有機
化合物等を採用することができるが、耐熱安定剤および
/または耐光安定剤であることが好ましい。ここで、無
機性/有機性の比が、0.5未満であると、接着力向上
剤の無機性が低すぎるため、無機性基を有するポリウレ
タン層との密着力(相溶性)が低下することとなる。よ
り好ましくは、無機性/有機性の比が0.6以上であ
る。
【0009】耐熱安定剤としては、ヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤、リン系加工安定剤、ラクトン系加工安
定剤、イオウ系加工安定剤等を採用することができる。
一方、耐光安定剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン
系紫外線吸収剤、ベンゾエート系光安定剤、ヒンダード
アミン系光安定剤等を採用することができる。
【0010】TPO層中の接着力向上剤の含有量は、
0.01重量%以上であることが好ましく、より好まし
くは、0.05重量%以上である。含有量が多すぎる
と、逆に接着力が低下するので、適度な量とする必要が
あり、より好ましくは、上限が10重量%である。さら
に一層好ましくは0.01〜10重量%である。
【0011】また、前記ポリウレタン層を構成するポリ
ウレタンは、反応性ウレタンプライマー層と熱可塑性ポ
リウレタン層とから形成されていることが好ましい。こ
こで、反応性ウレタンプライマーとは、ポリイソシアネ
ート化合物とポリヒドロキシル化合物との混合物からな
り、両者が反応してポリウレタン重合体を生成する混合
物をいう。具体的には、別々の溶剤に溶解した化合物を
混合し、グラビアロール等で塗布、乾燥してポリウレタ
ン重合体とするものである。
【0012】ポリイソシアネート化合物としては、単、
複芳香族環、脂肪族、脂環族系のジ、トリ、テトラ系の
ポリイソシアネート化合物が挙げられる。一方、ポリヒ
ドロキシル化合物としては、ポリエステルポリオール
(ジオールからポリオール)、ポリエーテルポリオール
(ジオールからポリオール)等が挙げられる。
【0013】さらに、熱可塑性ポリウレタン層を構成す
るポリウレタンとしては、ポリカーボネート系ポリオー
ル、ポリエステルジオール、またはポリオキシアルキレ
ンエーテルジオールと、ポリイソシアネートと、鎖延長
剤との重合物であり、これを溶剤に溶解させたもの等を
採用できる。ポリカーボネート系ポリオールとしては、
ポリアルキレンポリカーボネート系ポリオール、一部を
ポリオキシアルキレン変性したポリカーボネートで置換
した混合物等を採用できる。
【0014】ポリエステルジオールには、例えばジオー
ルを有するアジペート、カプロラクトン誘導体、カーボ
ネート等を採用できる。ポリオキシアルキレンエーテル
ジオールとしては、例えば、ポリテトラメチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−プロ
ピレングリコール、ポリプロピレン−エチレングリコー
ル等を採用できる。
【0015】また、鎖延長剤としては、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキルジオ
ール、第1級または第2級の脂肪族ジアミンを採用でき
る。溶剤としては、ポリウレタンエラストマーを溶解さ
せる種々の溶剤を使用することができ、例えば、N,N
−ジメチルホルムアミド(DMF)、メチルエチルケト
ン(MEK)、酢酸エチル等を採用できる。
【0016】この発明によれば、TPO層が無機性/有
機性比0.5以上の接着力向上剤を含んでいるため、T
PO層とポリウレタン層との接着力を向上することがで
きる。すなわち、接着力向上剤が有するアミノ基、アミ
ン性窒素原子、水酸基、エステル基、カルボニル基、カ
ルボキシル基等の極性基により、TPO層とポリウレタ
ン層との密着力(相溶性)が向上し、結果としてTPO
層とポリウレタン層とが強固に接着するものと考えられ
る。これにより、樹脂積層体の表面強度も向上させるこ
とができる。
【0017】さらに、TPO層表面をコロナ処理し、ポ
リウレタン層の構成成分として反応性ウレタンプライマ
ーを用いれば、TPO層と反応性ウレタンプライマーが
強固に接着するとともに、プライマーと熱可塑性ポリウ
レタンとが強固に接着することとなるため、より一層の
接着強度の向上を図ることができる。そして、本発明の
樹脂積層体は、ポリオレフィンを主体とする素材から構
成されているから、焼却の際にも塩素系の有害ガス等を
発生することが無く、環境適応性が高い。
【0018】このような樹脂積層体は、予め、接着力向
上剤を添加したTPO原料を、カレンダー加工、Tダイ
成形等によりシート状に成形したTPO層の上に、ポリ
ウレタン層をコーティングする種々の手法が採用でき、
例えば、グラビアロール、コンマーコーター、ドクター
ナイフ、オーバーロールコーター等でTPO層の上に直
接ポリウレタン層を塗布する方法や、離型紙上にポリウ
レタンフィルム(ポリウレタン層)を作成した後、転写
法でTPO層上に貼付する方法等により製造することが
できる。
【0019】本発明に係るレザー調シートは、請求項1
から請求項4のいずれかに記載の樹脂積層体と、基材と
を含むことを特徴とする。ここで、基材とは、布(基
布)であり、その糸質としては、ポリエステルとレーヨ
ンとの混紡、スフ、ポリプロピレン、ポリエステル、ポ
リエステルとスフとの混紡、ポリプロピレン発泡体不織
布、ポリウレタン発泡体不織布等を採用できる。
【0020】また、基材の組織としては、片面メリヤ
ス、両面メリヤス、特殊編み、綾織、平織、ラッセル編
み、天竺編み等を採用できる。このようなレザー調シー
トは、例えば、基材上に接着剤を塗布し、その上にTダ
イ押出、カレンダー加工等で樹脂積層体を積層すること
で製造できる。これによれば、前述の樹脂積層体と、基
材とを備えたレザー調シートであるから、表面強度の高
いTPO系レザー調シートを提供できる。また、得られ
たレザー調シートは、表面強度が高いため、自動車用内
装材として好適に利用することができる。自動車用内装
材としては、例えば、座席シート用レザー、ドアトリム
用レザー、インパネ用レザー、サンバイザー用レザー、
天井用レザー等に用いることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 [第1実施形態]図1には、本発明の第1実施形態に係
る樹脂積層体1が示されている。樹脂積層体1は、無機
性/有機性比0.5以上の接着力向上剤としての耐熱安
定剤および/または耐光安定剤を0.01〜10重量%
含むTPO層10と、このTPO層10の上に積層形成
されたポリウレタン層20とを備えている。ここで、ポ
リウレタン層20は、反応性ウレタンプライマーからな
る層(以下、プライマー層という)20B、およびこの
上に積層された熱可塑性ポリウレタン層20Aとから形
成されたものである。
【0022】以上のように構成された樹脂積層体1は、
次のように製造する。まず、予め、カレンダー加工、T
ダイ押出等により、耐熱安定剤および/または耐光安定
剤を含むTPO原料を、シート状に成形してTPO層1
0とする。この後、TPO層10の表面にコロナ処理
(濡れ指数、例えば350μN/cm以上)を施す。続
いて、グラビアロールでプライマー層20Bを塗布、乾
燥し、さらにその上にグラビアロールを用いて熱可塑性
ポリウレタン層20Aを塗布、積層して樹脂積層体1を
得る。
【0023】上述のような本実施形態によれば、次のよ
うな効果がある。 (1)TPO層10が、無機性/有機性比0.5以上の耐
熱安定剤および/または耐光安定剤を0.01〜10重
量%含んでいるため、ポリウレタン層20との接着力を
向上することができる。すなわち、耐熱安定剤および/
または耐光安定剤が有するアミノ基、水酸基等の極性基
により、TPO層10とポリウレタン層20との密着力
(相溶性)が向上する。 (2)TPO層10の上にポリウレタン層20が強固に接
着されることとなるから、樹脂積層体1の表面強度を向
上することができる。
【0024】(3)ポリウレタン層20の構成成分として
反応性ウレタンプライマーを用いているから、TPO層
10とプライマー層20Bとが強固に接着するととも
に、プライマー層20Bの上に積層される熱可塑性ポリ
ウレタン層20Aとも強固に接着することとなるため、
より一層樹脂積層体1の接着強度の向上を図ることがで
きる。 (4)本発明の樹脂積層体1は、ポリオレフィンを主体と
する素材から構成されているから、焼却の際にも塩素系
の有害ガス等を発生することが無く、環境適応性が高
い。
【0025】[第2実施形態]図2には、本発明の第2
実施形態に係るレザー調シート2が示されている。レザ
ー調シート2は、前記第1実施形態で示した樹脂積層体
1のTPO層10の裏面にポリエステル製の基材30を
貼付した以外は、前記第1実施形態と同一の構成を備え
ているので、その詳細な説明を省略する。このように構
成されたレザー調シート2は、樹脂積層体1にカレンダ
ー加工で基材30を貼付することで製造できる。
【0026】上述のような第2実施形態によれば、前記
第1実施形態の(1)〜(4)と同様の効果が得られる他、次
のような効果がある。 (5)樹脂積層体1と、基材30とを備えたレザー調シー
ト2であるから、表面強度の高いTPO系レザー調シー
ト2とすることができ、ソファー等の家具、自動車用シ
ート等に利用できる。
【0027】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変
形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、前
記各実施形態において、樹脂積層体1は、3層構造を採
用していたが、これに限られない。要するに接着力向上
剤を含むTPO層と、ポリウレタン層が積層された構成
を備えていればよく、プライマー層を備えずに、直接熱
可塑性ポリウレタン層を積層する構成でもよい。また、
上記3層以外の他の層を備えていてもよい。
【0028】さらに、TPO層10に含まれる耐熱安定
剤および/または耐光安定剤の量は0.01〜10重量
%とされていたが、これに限定されず、0.01重量%
以上であれば、接着性を阻害しない範囲において適宜変
更することができる。そして、接着力向上剤として耐熱
安定剤および/または耐光安定剤を用いていたが、これ
に限定されず、無機性/有機性比が0.5以上の種々の
化合物を用いることができ、例えば、脂肪族、芳香族等
の有機化合物を用いることもできる。なお、TPO層1
0の表面にコロナ放電処理を施していたが、この際、T
PO層10の表面濡れ性(JIS K−6768に準拠
した方法により測定した値)としては、特に限定はな
く、その値を、350μN/cm以上、好ましくは、4
00μN/cm以上とすることで、より接着性を向上す
ることができる。
【0029】前記第1実施形態では、熱可塑性ポリウレ
タン層20Aをグラビアロールにより塗布する方法を採
用していたがこれに限られない。すなわち、これらの層
を積層可能な種々の装置、方法を採用することができ、
例えば、ドクターナイフ、オーバーロールコーター等の
コーターによる塗布、または予め離型紙上にポリウレタ
ンフィルムを作成した後に、転写法で積層する方法等を
採用することもできる。また、プライマー層20Bを塗
布する装置も、グラビアロールに限られず、オフセット
コーター等の他のコーターを採用してもよい。
【0030】前記第2実施形態では、基材30として、
ポリエステル製のものを用いていたが、これに限られ
ず、ポリエステルとレーヨンとの混紡、スフ、ポリプロ
ピレン、ポリエステルとスフとの混紡、ポリプロピレン
発泡体不織布、ポリウレタン発泡体不織布等を採用して
もよい。その他、本発明を実施する際の具体的な構造お
よび形状等は、本発明の目的を達成できる範囲内で他の
構造等としてもよい。
【0031】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて、本発明
をより具体的に説明する。 [実施例1]ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
(E2640、出光石油化学(株)製)100重量部
と、プロセスオイル(PW90、出光興産(株))10
重量部と、接着力向上剤としてのヒンダードアミン系光
安定剤(チヌビン622LD、チバスペシャリティケミ
カルズ(株)製、無機性/有機性比0.69)0.5重
量部とを、ロール温度を160℃に設定した3インチ2
本ロールで十分に混合し、厚さ0.5mmのTPOシー
ト(TPO層10)を得た。得られたTPOシートを出
力0.3kW、シートスピード3.5m/minで1.
5往復させ、コロナ処理を施した(この条件を表1のコ
ロナ処理条件Aとする)。TPOシートの表面濡れ指数
は480μN/cm(48dyn/cmをSI単位に換
算した値)であった。なお、濡れ指数は、JIS K−
6768に準拠した方法により測定した値である。
【0032】次に、ポリカーボネート系ウレタン(Du
racarb140とヘキサメチレンジイソシアネート
とを反応させて末端をOH基にさせたもの)をDMF/
MEK混合溶媒に溶解したものと、ヘキサメチレンジイ
ソシアネートをMEKに溶解したものとを混合した反応
性ウレタンプライマーを、グラビアロールで上述のTP
Oシートに塗布し、90℃で2分間乾燥させ、5μmの
厚さのプライマー層20Bを形成した。
【0033】さらに、ポリウレタンエラストマー(レザ
ミンME44、大日精化(株)製)100重量部と、D
MF30重量部と、MEK30重量部とからなる溶液
を、上記プライマー層30の上にグラビアロールで塗布
し、100℃で30秒間乾燥させて10μmの厚さのポ
リウレタン層20を形成し、樹脂積層体1を得た。
【0034】[実施例2]ヒンダードアミン系光安定剤
の添加量を0.1重量部とし、コロナ処理条件を、出力
0.3kW、シートスピード6.2m/minで2往復
とした(この条件を表1のコロナ処理条件Bとする)以
外は、実施例1と同様にして樹脂積層体1を得た。な
お、表面濡れ指数は、390μN/cm(39dyn/
cmをSI単位に換算した値)であった。
【0035】[実施例3]接着力向上剤として、ベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤(チヌビン326、チバス
ペシャリティケミカルズ(株)製、無機性/有機性比
0.64)を1.0重量部用いた以外は、実施例2と同
様にして、樹脂積層体1を得た。なお、表面濡れ指数
は、380μN/cm(38dyn/cmをSI単位に
換算した値)であった。
【0036】[実施例4]接着力向上剤として、ヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤(イルガノックス109
8、チバスペシャリティケミカルズ(株)製、無機性/
有機性比0.79)を0.5重量部用いた以外は、実施
例1と同様にして、樹脂積層体1を得た。なお、表面濡
れ指数は、490μN/cm(49dyn/cmをSI
単位に換算した値)であった。
【0037】[実施例5]接着力向上剤として、ヒンダ
ードアミン系光安定剤(キマソーブ119FL、チバス
ペシャリティケミカルズ(株)製、無機性/有機性比
0.58)を0.1重量部用いた以外は、実施例2と同
様にして、樹脂積層体1を得た。なお、表面濡れ指数
は、380μN/cm(38dyn/cmをSI単位に
換算した値)であった。
【0038】[比較例1]接着力向上剤を用いない以外
は、実施例1と同様にして、樹脂積層体を得た。なお、
表面濡れ指数は、490μN/cm(49dyn/cm
をSI単位に換算した値)であった。
【0039】[比較例2]接着力向上剤を用いない以外
は、実施例2と同様にして樹脂積層体を得た。なお、表
面濡れ指数は、390μN/cm(39dyn/cmを
SI単位に換算した値)であった。
【0040】[比較例3]接着力向上剤として、ヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤(イルガノックス101
0、チバスペシャリティケミカルズ(株)製、無機性/
有機性比0.48)を1重量部用いた以外は、実施例1
と同様にして樹脂積層体を得た。なお、表面濡れ指数
は、480μN/cm(48dyn/cmをSI単位に
換算した値)であった。
【0041】[比較例4]接着力向上剤として、ベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤(チヌビン234、チバス
ペシャリティケミカルズ(株)製、無機性/有機性比
0.40)を0.5重量部用いた以外は、実施例1と同
様にして樹脂積層体を得た。なお、表面濡れ指数は、4
70μN/cm(47dyn/cmをSI単位に換算し
た値)であった。
【0042】[比較例5]接着力向上剤として、ヒンダ
ードアミン系光安定剤(キマソーブ944LD、チバス
ペシャリティケミカルズ(株)製、無機性/有機性比
0.37)を0.5重量部用いた以外は、実施例1と同
様にして樹脂積層体を得た。なお、表面濡れ指数は、4
70μN/cm(47dyn/cmをSI単位に換算し
た値)であった。
【0043】なお、上記各実施例および比較例の、コロ
ナ処理条件、および接着力向上剤の有機性、無機性、無
機性/有機性比について表1にまとめた。ここで、化合
物の有機性、無機性とは、有機化合物の性状に関し、そ
れぞれ有機性(有機化合物らしい性質)と無機性(無機
化合物らしい性質)とのことであり、有機性:基本炭化
水素の性質傾向(分子の大きさ)、無機性:置換基およ
び変態部の影響により現れる性質傾向(極性)の2項目
で表した有機概念図に則って求めたものである。
【0044】すなわち、有機性は炭素原子1個の値を2
0と定めて(水素原子は不問)計算し、無機性は、有機
合成化学協会編集「染料便覧」p53の表1.23無機
性基の強弱表の数値を用い、計算したものである。
【0045】
【表1】
【0046】上記各実施例および比較例で得られた樹脂
積層体におけるTPO層とウレタン層との接着力を測定
し、その結果を表2にまとめた。なお、接着力は、室温
にて、引張速度200mm/minでTPO層とポリウ
レタン層とを引き剥がすことにより、行った。
【0047】
【表2】
【0048】表2に示されるように、実施例1から実施
例5で得られた樹脂積層体は、無機性/有機性比0.5
以上の接着力向上剤を含むTPO層と、反応性ウレタン
プライマー層と、ポリウレタン層とを積層しているか
ら、各層の接着強度および表面強度が高いことがわか
る。一方、比較例1では、TPO層に接着力向上剤を添
加していないから、接着力が低いことがわかる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、TPO層が無機性/有
機性比0.5以上の接着力向上剤を含んでいるため、ポ
リウレタン層との接着力を向上することができる。すな
わち、接着力向上剤が有するアミノ基、アミン性窒素原
子、水酸基、エステル基、カルボニル基、カルボキシル
基等の極性基により、TPO層とポリウレタン層との密
着力(相溶性)が向上し、結果としてTPO層とポリウ
レタン層とが強固に接着するものと考えられる。これに
より、樹脂積層体の表面強度も向上させることができ
る。
【0050】さらに、ポリウレタン層の構成成分として
反応性ウレタンプライマーを用いれば、TPO層と反応
性ウレタンプライマーが強固に接着するとともに、プラ
イマーと熱可塑性ポリウレタンとが強固に接着すること
となるため、より一層の接着強度の向上を図ることがで
きる。そして、本発明の樹脂積層体は、ポリオレフィン
を主体とする素材から構成されているから、焼却の際に
も塩素系の有害ガス等を発生することが無く、環境適応
性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る樹脂積層体を示す
部分断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るレザー調シートを
示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 樹脂積層体 2 レザー調シート 10 ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー層 20 ポリウレタン層 20A 熱可塑性ポリウレタン層 20B 反応性ウレタンプライマーからなるプライマー
層 30 基材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー層
    と、このポリオレフィン系熱可塑性エラストマー層の上
    に積層されたポリウレタン層とからなる樹脂積層体であ
    って、 前記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー層には、極
    性基を有する接着力向上剤が添加され、この接着力向上
    剤の無機性/有機性比は、0.5以上であることを特徴
    とする樹脂積層体。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の樹脂積層体において、 前記接着力向上剤は、耐熱安定剤および/または耐光安
    定剤であることを特徴とする樹脂積層体。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の樹脂積層
    体において、 前記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー層中の前記
    接着力向上剤の含有量は、0.01重量%以上であるこ
    とを特徴とする樹脂積層体。
  4. 【請求項4】請求項1から請求項3のいずれかに記載の
    樹脂積層体において、 前記ポリウレタン層は、反応性ウレタンプライマー層と
    熱可塑性ポリウレタン層とから形成されていることを特
    徴とする樹脂積層体。
  5. 【請求項5】請求項1から請求項4のいずれかに記載の
    樹脂積層体と、基材とを含むことを特徴とするレザー調
    シート。
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