JP2002018799A - 微小駆動素子及びその製造方法 - Google Patents

微小駆動素子及びその製造方法

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JP2002018799A JP2000208632A JP2000208632A JP2002018799A JP 2002018799 A JP2002018799 A JP 2002018799A JP 2000208632 A JP2000208632 A JP 2000208632A JP 2000208632 A JP2000208632 A JP 2000208632A JP 2002018799 A JP2002018799 A JP 2002018799A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板に設けられたトラック上のモーター蛋白
質分子配列からのレール蛋白質分子の脱落を抑制し、か
つその運動方向を制御することにより、レール蛋白質分
子の運動エネルギーを駆動源として利用可能にする。 【解決手段】 基板に設けた線形トラック溝の底部に付
着されたモーター蛋白質分子配列及びその上に配置され
たレール蛋白質分子からなり、かつ該線形トラック溝
が、所定方向に移動するレール蛋白質分子の直線運動は
許容するが、それと反対方向に移動するレール蛋白質分
子を阻止反転させて上記所定方向に移動させる構造に形
成された側面を有する微小駆動素子とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロメーター
オーダーの領域内における直線駆動素子や回転駆動素子
として、微小物質輸送等に利用可能な新規微小駆動素子
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】キネシン、ミオシンのように生体内に存
在してそれ自体運動機能を有する蛋白質は、一般にモー
ター蛋白質と称されている。このキネシンやミオシン
は、アデノシントリホスフェート(以下ATPという)
の加水分解によって生成するエネルギーを利用して、繊
維状蛋白質、例えばマイクロチューブルやアクチンをそ
れらの繊維軸に沿って運動させる能力を有している。そ
して、このような運動をする繊維状蛋白質はレール蛋白
質と総称されている。
【0003】ところで、このキネシンやミオシンの分子
量は、それぞれ140kDa、500kDaで実際に力
を発生するドメインの大きさは、それぞれ4×5nm、
5×20nmで、非常に微小であるが、マイクロチュー
ブルやアクチンは直径数nmの分子が自己集積して繊維
状の構造を形成するので、生体外で自己集積させること
により、数10μmの長さの繊維にすることができる。
【0004】そして、このようなモーター蛋白質分子に
ついては、これを基板上全面に吸着させ、レール蛋白質
分子をその上に配置すると、ランダムな方向に運動する
こと及びこれを線状にパターン化したフッ素樹脂やメタ
クリル系樹脂上に配列し、その上にレール蛋白質分子を
配置すると、一次元的な双方向運動を行うことが知られ
ている[「ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライ
ド・フィジックス(Jpn.J.Appl.Phy
s)」,第34巻,1995,第3937〜3941ペ
ージ及び「バイオフィジカル・ジャーナル(Bioph
ys.J.)」,第72巻,1997,第1997〜2
001ページ]。
【0005】図1は、基板1上に膨成されたトラック
2、このようなモーター蛋白質分子配列層3を設け、そ
の上にレール蛋白質分子4を配置した状態をモデル的に
示した斜視図である。
【0006】ところで、このようなモーター蛋白質とレ
ール蛋白質との間で生じる運動のエネルギーを取り出す
ことができれば、例えば微小物質の輸送用動力源として
利用し得るが、これには解決しなければならない2つの
問題点がある。第一の問題点は、基板のトラック内に配
列したモーター蛋白質分子配列の上に配置したレール蛋
白質分子の消失を阻止することである。すなわち、これ
までは、図1に示すように、モーター蛋白質分子を、フ
ッ素樹脂や(メタ)アクリル樹脂で形成されたトラック
上に吸着させているが、これらのトラック2は基板1上
に膨成されているため、この上に配置されたレール蛋白
質分子4は、運動中にこのトラック2から容易に脱落し
やすく、経時的に減少するのを免れない。したがって、
長時間にわたってトラック内での安定した運動を維持す
るための工夫を施すことが必要である。
【0007】第二の問題点は、レール蛋白質分子の運動
制御である。すなわち、これまでの方法でモーター蛋白
質分子を線形トラックに配列し、その上にレール蛋白質
分子を配置した場合、レール蛋白質分子は、そのトラッ
ク方向に沿って双方向に運動するため、各分子の運動エ
ネルギーが相殺され、それを取り出して駆動源として利
用することができない。したがって、駆動源として利用
しうる運動エネルギーを得るには、運動を一方向に制御
する必要がある。しかしながら、これまでモーター蛋白
質分子により運動させるレール蛋白質分子について前記
の2つの課題を解決する試みは全くなされていなかっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、基板に設け
られたトラック上のモーター蛋白質分子配列からのレー
ル蛋白質分子の脱落を抑制し、かつその運動方向を制御
することにより、レール蛋白質分子の運動エネルギーを
駆動源として利用可能にすることを目的としてなされた
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、モーター
蛋白質分子配列とその上に配置されて運動するレール蛋
白質分子によりもたらされる運動エネルギーを利用する
方法を開発するために鋭意研究を重ねた結果、基板にト
ラックを線状の溝として設け、その底部のみにモーター
蛋白質分子を付着させること、及びその溝の側面を所定
方向に移動するレール蛋白質分子の運動は許容するが、
それと反対方向に移動するレール蛋白質分子を阻止し、
反転させて上記と同じ方向に移動させる構造に形成させ
ることにより、その目的を達成しうることを見出し、こ
の知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0010】すなわち、本発明は、基板に設けた線形ト
ラック溝の底部に付着されたモーター蛋白質分子配列及
びその上に配置されたレール蛋白質分子からなり、かつ
該線形トラック溝が、所定方向に移動するレール蛋白質
分子の直線運動は許容するが、それと反対方向に移動す
るレール蛋白質分子を阻止反転させて上記所定方向に移
動させる構造に形成された側面を有することを特徴とす
る微小駆動素子、及び基板上に、ホトレジスト層を設
け、マスクを介して露光したのち、現像することにより
線形トラックパターンを形成し、プラズマ処理又はスパ
ッタリングにより基板の露光部からホトレジストの残留
分を除去して線形トラック溝を形成し、次いでモーター
蛋白質含有液を線形トラック溝内に注入して、その底部
にモーター蛋白質分子を付着させて分子配列を形成させ
たのち、その分子配列上にレール蛋白質分子を配置する
ことを特徴とする微小駆動素子の製造方法を提供するも
のである。
【0011】
【発明の実施の形態】次に添付図面に従って、本発明の
実施態様の例を説明する。図2は、本発明の微小駆動素
子の線形トラック溝の構造をモデル的に示す斜視図であ
り、図3はその線形トラック溝を所定方向に移動するレ
ール蛋白質分子の直線運動は許容するが、それと反対方
向に移動するレール蛋白質分子を阻止、反転させて所定
方向に移動させる側面に形成した例の斜視図である。
【0012】これらの図において、基板1の上に設けら
れたトラック溝2,2′の底面には全面にわたってモー
ター蛋白質分子が付着されて分子配列3,3′が形成さ
れており、その上にレール蛋白質分子4,…が配置され
ている。そして図3においては、トラック溝2,2′の
両側面には、くさび形の切り込み5,5が設けられ、レ
ール蛋白質分子4,…の所定方向(A方向)への移動は
許容するが、それと反対の方向(B方向)への移動を阻
止し、反転させてA方向へ向わせるようになっている。
【0013】図4(イ)及び(ロ)は、レール蛋白質分
子の挙動を示す説明図であって、線形トラック溝2の側
面6,6がトラック溝2の幅が右から左に拡大、すなわ
ち左から右に縮小するパターン形状に形成されている。
そして、左から右に向かうレール蛋白質分子は、(イ)
の矢印に沿って円滑に移動し得るが、右から左に向かう
レール蛋白質分子は、(ロ)の矢印に沿って移動し、側
面aに衝突して進行が阻止され、反転して右から左の方
向に移動する。この結果、線形トラック溝2の底面に配
列されたモーター蛋白質分子により双方向運動するレー
ル蛋白質分子は、いずれも一定方向すなわち左から右に
向って移動することになる。
【0014】図5(イ)ないし(ト)は、トラック幅が
所定方向に向って縮小し、反対方向に向って拡大するよ
うに形成された線形トラック溝に設けられたパターン形
状7例の平面図である。この形状は、これらに限定され
るものではなく、その他にも多数存在する。図5におい
てそれぞれのパターンは、図4のパターンの場合と同じ
ように左から右へとレール蛋白質の運動方向を整流す
る。その際、パターンの大きさについては、レール蛋白
質分子が入ってくる側の幅は、レール蛋白質分子の長手
方向の長さよりも広く、出口は狭くなっていると、運動
方向整流作用が効率よく発現する。また、図5(ト)の
パターンでは、レール蛋白質分子が整流するためのパタ
ーンに入ってくる方向と、パターンからの出ていく方向
が一直線上にない。このような場合、出口側から逆走し
てきたレール蛋白質分子が、直接入り口から出ていくこ
とがほとんどなくなるため、より優れた運動整流作用を
示す。
【0015】本発明微小駆動素子における基板として
は、ケイ素、アルミニウム、タンタル、チタンのような
金属ガラス例えばケイ酸ガラスなど、フッ素樹脂例えば
ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン
とヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、テトラフル
オロエチレンとペルフルオロ(エテニルアルキルエーテ
ル)との共重合体、ポリ(モノクロロトリフルオロエチ
レン)テトラフルオロエチレンとエチレンとの共重合体
など、アクリル系樹脂、例えばポリメチルメタクリレー
ト、アクリル酸メチルとメタクリル酸メチルとの共重合
体、アクリル酸エチルとメタクリル酸メチルとの共重合
体など及びポリスチレンを用いることができる。これら
の基板材料としては、使用するモーター蛋白質分子と親
和性を有し、これと結合しやすいものを選んで用いるの
が好ましい。
【0016】次に、本発明微小駆動素子におけるモータ
ー蛋白質としては、キネシン、ミオシンなどを用いるこ
とができる。これらの蛋白質は、トラック溝への付着を
容易にするために改変させるのが好ましい。このような
改変は、例えば遺伝子工学的にモーター蛋白質自体の性
質を改変する方法や、生化学的にモーター蛋白質をビオ
チン化し、ストレプトアビジンを介して付着させる方法
によって行われる。また、本発明微小駆動素子における
レール蛋白質としては、マイクロチューブルやアクチン
のような繊維状蛋白質が用いられる。
【0017】本発明微小駆動素子における線形トラック
溝は、その側面を、使用するモーター蛋白質分子が付着
しにくい材料で形成するのが好ましい。このような材料
としては、例えばメラミン系樹脂や(メタ)アクリル系
樹脂がある。
【0018】本発明微小駆動素子は、ホトリソグラフィ
ー技術を用いて製造するのが有利である。以下、この方
法を、基板としてケイ酸ガラス、モーター蛋白質とし
て、キネシン、レール蛋白質として、マイクロチューブ
ルを用いた例によって説明する。すなわち、ケイ酸ガラ
ス基板上にメラミン系又は(メタ)アクリル系ホトレジ
ストを厚さが1μmになるように塗布し、マスクを介し
て画像形成露光したのち現像して線形トラック溝のパタ
ーンを形成させる。次に、キネシン溶液をこの線形トラ
ック溝に接触させてガラス基板に吸着させることが必要
であるが、そのまま接触させると、ガラス面、レジン面
いずれにおいてもキネシン分子がアトランダムに吸着
し、配列化が行われない。
【0019】ところで、線形トラック溝におけるキネシ
ンの吸着は、疎水性結合とイオン性結合の二面性を有し
ているが、レジン面は疎水性であり、ガラス面はイオン
性であるので、これらの性質の差異を利用して、ガラス
面のみに選択的に吸着させることができる。すなわち、
基板と接触させる際、キネシン溶液に非イオン性界面活
性剤を添加することにより、レジン面へのキネシン分子
の吸着を妨げ、ガラス面のみに吸着させることができ
る。この際用いる非イオン性界面活性剤としては、例え
ばアルキルアリールポリエチレングリコール、ポリオキ
シエチレン・ソルビタンモノパルミテート、ラウリルア
ルコールポリエチレンオキシド付加物などが好適であ
る。このようにして得られる線形トラック内では、マイ
クロチューブルは非常に安定な運動を行い、数時間でト
ラックに拘束された移動を示す。
【0020】他のモーター蛋白質、例えばミオシンは、
基板材料に対し異なった挙動を示すが、これは遺伝子工
学的に改変して、キネシン様の結合特性に変えることが
できるので、キネシン以外のモーター蛋白質を用いる場
合も同じ方法で製造することができる。また、使用する
モーター蛋白質に適合した基板材料を選べば、改変する
ことなく製造することができる。
【0021】また、前記の方法において、モーター蛋白
質分子の基板への吸着性を高めるには、現像処理後に基
板上に残留するホトレジストを完全に除去する方法が有
効である。この方法としては、例えば酸素プラズマエッ
チング処理や、不活性ガスによるスパッタリング処理が
ある。
【0022】本発明微小駆動素子は、図6に示すように
線形トラック溝を円形に形成させることにより一方向に
運動する回転駆動素子とすることができる。このように
して得られる微小駆動素子を用いれば、例えばレール蛋
白質分子に、ガラスやポリスチレンなどの微小粒子を結
合させ、これを輸送することができるし、また円形トラ
ックに形成した微小駆動素子を用い、この円周上にレー
ル蛋白質分子に結合した歯車を連結してこれを回転させ
ることもできる。さらに、レール蛋白質分子が自由に運
動しうる領域を2個形成し、その間を整流可能な線形ト
ラックで連結すれば、レール蛋白質に物体を担持させて
微小空間輸送することができる。
【0023】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。
【0024】実施例1 ケイ酸ガラス上にネガ型ホトレジスト(商品名「SAL
601」,シップレイ社製メラミン系樹脂ホトレジス
ト)を滴下し、スピンコートにより厚さ1μmの塗膜を
形成させた。次いで乾燥後、ホトマスクを通して露光
し、現像液としてマイクロポジット・デベロッパー(M
ICROPOSIT Developer)MF−31
2(シップレイ社製)を用いて現像することにより、幅
2μm、長さ500μm、深さ1μmのトラックパター
ンを基板表面に形成させた。次にこの基板を乾燥したの
ち、0.1%トリトンX100(ローム・アンド・ハー
ス社、アルキルアリールポリエチレングリコールの商標
名)50mM酢酸カリウム、10mMトリス酢酸(pH
7.5)、4mM硫酸マグネシウム、1mMエチレング
リコールビス(2‐アミノエチルエーテル)四酢酸、7
mM2‐メルカプトエタノール、25μg/mlカゼイ
ンからなる緩衝液Aに、キネシン5μg/ml又は10
μg/mlを溶かしてトラック溝中に滴下し、室温で2
分間放置して、キネシン分子をガラス基板上に付着させ
ようとしたが、レジン面とガラス面のいずれにも付着さ
せず、配列化は行われなかった。そこで、ガラス面を酸
素流速150ml/分、高周波電圧280Wで60秒間
酸素プラズマエッチング処理したのち、同じ処理を繰り
返したところ、キネシンはレジン面には付着せず、ガラ
ス面のみに選択的に付着して配列化した。次いで、この
ようにして得た線形トラック溝にマイクロチューブル溶
液を滴下し、キネシンに結合させたのち、ATPを添加
し、マイクロチューブルの運動を開始させたところ、マ
イクロチューブルは、トラック内においてトラックの壁
に沿って移動し、トラック外に脱落することなく、ほぼ
100%の確率で方向転換しながら双方向往復運動を継
続した。
【0025】実施例2 ガラス基板上にメタクリル系樹脂ポジ型ホトレジストを
滴下し、スピンコート法により、1μmの厚さで塗布
し、170℃で10分間乾燥させた。ホトマスクを通し
て254nmの光で露光後、メチルイソブチルケトンを
用いて現像した。この結果、露光部分が取り除かれ、実
施例1と同様の溝によるトラックが形成された。この基
板を酸素プラズマエッチングし、非イオン性界面活性剤
を含んだキネシン溶液を滴下し、キネシンを吸着させ
た。キネシンは選択的に吸着ガラス基板に吸着し、レジ
ン面には吸着しなかった。これに実施例1と同様の方法
を用いてマイクロチューブル及びATP添加にした結
果、トラック内にマイクロチューブルの運動を制限する
ことができ、運動方向もラインに沿った双方向運動に制
限することができた。
【0026】実施例3 ホトマスクとして幅1.5〜2.5μm、半径60μm
と30μmの二重円周トラックを用いて、実施例1と同
様の方法を用いてキネシン分子のパターニングを行い、
この上にマイクロチューブル分子を配置して運動させ
た。このようにして、マイクロチューブルの運動をその
円周に沿った時計回りと反時計回りのマイクロチューブ
ルの回転運動に制限することができた。
【0027】実施例4 実施例3と同じ円周トラックのパターンに、マイクロチ
ューブルの回転運動の方向を制御する目的でくさび形側
面をもつトラック形状を形成させた。実施例3と同じ方
法を用いてキネシン分子のパターニングを行い、マイク
ロチューブルを運動させた。マイクロチューブルの運動
方向は、整流パターンの示す方向に完全にそろって運動
させることができた。このようにして、大きい円周上で
は反時計回りに、逆に小さい円周では時計回りにマイク
ロチューブルの運動を制御することができた。
【0028】実施例5 整流パターンの性能を検討するために、図7に示すマス
クを使って整流パターンの性能を数値化した。整流器に
間違った方向、もしくは正しい方向からマイクロチュー
ブルが進入した際、その整流器をどのくらいの確率で方
向転換せずに通過するか実施した。この結果を表1に示
す。この表においてs、tは実測値であり、sの値が小
さいほどその整流装置によってマイクロチューブルの運
動方向は正しい方向に反転されやすいことを示す。その
結果、パターンCでは、sの値は0.59であまり高い
性能ではなかったが、形状を図4の(イ)に変えたとこ
ろ、s値を0.27と高効率化することができた。
【0029】
【表1】
【0030】実施例6 マイクロチューブルをビオチン化スクシイミドを用いて
ビオチン化した。直径1μmのポリスチレン性ビーズに
ビオチン化された牛血清アルブミンをコートし、さらに
ストレプトアビジンを加え、ビオチン化牛血清アルブミ
ンと結合させ、ビーズ表面をストレプトアビジン化し
た。ストレプトアビジンはビオチン結合部位が1分子に
4つあるため、ビーズ表面は、さらにビオチンが結合で
きるようになる。そのため、ビオチン化したマイクロチ
ューブルにストレプトアビジン化したビーズを結合させ
ることができた。このような微小管を図7のマスクを使
ってキネシンが配列化された基板に吸着させ、パターン
内でマイクロチューブルにビーズを輸送させた。
【0031】
【発明の効果】本発明は、モーター蛋白質分子とレール
蛋白質分子との作用を利用した、これまで全く知られて
いない新規な構造の微小駆動素子であり、マイクロメー
ターレベルの微小に制御された運動を行う素子として有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のモーター蛋白質とレール蛋白質との作
用を示す斜視図。
【図2】 本発明微小駆動素子のトラック溝の構造をモ
デル的に示す斜視図。
【図3】 トラック溝側面に切込を有する本発明微小駆
動素子の1例の斜視図。
【図4】 本発明におけるレール蛋白質分子の挙動を示
す説明図。
【図5】 本発明におけるトラック側面の形状の例を示
す平面図。
【図6】 本発明における線形トラックの円形の例を示
す平面図。
【図7】 実施例5で用いた整流パターンの平面図。
【符号の説明】
1 基板 2,2′線形トラック溝 3,3′モーター蛋白質分子配列 4 レール蛋白質分子 5 トラック溝側面の切込部分
フロントページの続き (72)発明者 金山 敏彦 茨城県つくば市東1丁目1番4 工業技術 院産業技術融合領域研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に設けた線形トラック溝の底部に付
    着されたモーター蛋白質分子配列及びその上に配置され
    たレール蛋白質分子からなり、かつ該線形トラック溝
    が、所定方向に移動するレール蛋白質分子の直線運動は
    許容するが、それと反対方向に移動するレール蛋白質分
    子を阻止反転させて上記所定方向に移動させる構造に形
    成された側面を有することを特徴とする微小駆動素子。
  2. 【請求項2】 線形トラック溝の側面の一部が、トラッ
    ク幅が所定方向に向って縮小し、反対方向に向って拡大
    するパターンに形成されている請求項1記載の微小駆動
    素子。
  3. 【請求項3】 一端がレール蛋白質の長手方向の長さよ
    りも幅が広く、もう一端は幅が狭いパターンを線形トラ
    ック溝の中間に設けた請求項2記載の微小駆動素子。
  4. 【請求項4】 両端の位置が一直線上にないパターンを
    線形トラック溝の中間に設けた請求項1記載の微小駆動
    素子。
  5. 【請求項5】 線形トラック溝の底部がケイ酸ガラス又
    はポリスチレンからなる請求項1ないし4のいずれかに
    記載の微小駆動素子。
  6. 【請求項6】 線形トラック溝の両側面がメラミン系樹
    脂又は(メタ)アクリル系樹脂からなる請求項1ないし
    5のいずれかに記載の微小駆動素子。
  7. 【請求項7】 モーター蛋白質がキネシン又はミオシン
    である請求項1ないし6のいずれかに記載の微小駆動素
    子。
  8. 【請求項8】 レール蛋白質がマイクロチューブル又は
    アクチンである請求項1ないし7のいずれかに記載の微
    小駆動素子。
  9. 【請求項9】 線形トラック溝が円形状に穿設されてい
    る請求項1ないし8のいずれかに記載の微小駆動素子。
  10. 【請求項10】 基板上に、ホトレジスト層を設け、マ
    スクを介して露光したのち、現像することにより線形ト
    ラックパターンを形成し、プラズマ処理又はスパッタリ
    ングにより基板の露光部からホトレジストの残留分を除
    去して線形トラック溝を形成し、次いでモーター蛋白質
    含有液を線形トラック溝内に注入して、その底部にモー
    ター蛋白質分子を付着させて分子配列を形成させたの
    ち、その分子配列上にレール蛋白質分子を配置すること
    を特徴とする微小駆動素子の製造方法。
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