JP2006312211A - レール分子固定方法及びナノ搬送デバイス - Google Patents

レール分子固定方法及びナノ搬送デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】基材上に付着させた生体分子モータによってレール分子を移動させ、所定波長の光を照射することにより前記生体分子モータを失活させてレール分子を固定することによって、試薬を使用することなく、容易に、確実に、レール分子を所定位置において所定方向に配向させて固定することができるようにする。
【解決手段】極性を備え、該極性に応じた方向に生体分子モータが移動するレール分子を固定する方法であって、基材上に生体分子モータを付着させ、該生体分子モータによってレール分子を移動させ、該レール分子が所定位置に到達すると、所定波長の光を照射して前記生体分子モータを失活させることにより、前記レール分子を所定方向に配向させて固定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レール分子固定方法及びナノ搬送デバイスに関するものである。
従来、数ナノメートル〜数十ナノメートルの領域の技術であるナノテクノロジーの分野においては、化学エネルギーを運動に転換することができ、生物界において一般的に見受けられる生体分子モータを利用して工学的なデバイスを作成するための技術に関する研究が行われている。生体分子モータの一種であるキネシン(Kinesin)は、ATP(アデノシン三リン酸)の加水分解に伴い、レール分子の一種である微小管(Microtuble)の上を移動することが知られている(例えば、非特許文献1〜8参照。)。この場合、微小管は極性を有しており、キネシンは微小管のマイナス端側からプラス端側に向けて移動するので、微小管の活性を保ったままで、微小管の極性の向きを所定の方向にする、すなわち、配向することが重要である。
Vale, R.D., Reese, T.S. and sheetz, M.P., "Identification of a novel force-generating protein, kinesin, involved in microtubule-based motility," Cell, vol. 42, pp. 39-50(1985) Howard, J., Hudspeth, A.J. and Vale, R., "Movement of microtubules by single kinesin molecules," Nature, vol. 342, pp. 154-159(1989) Vale, R.D., Funatsu, T., Pierce, D.W., Romberg, L., Harada, Y. and Yanagida, T., "Direct observation of single kinesin molecules moving along microtubules," Nature, vol. 380, pp. 451-453(1996) Svoboda, K., Schmidt, C., Schnapp, B, and Block, S., "Direct observation of kinesin stepping by optical trapping interferometry," Nature, vol.365, pp.721-727(1993) Nishiyama, M., Muto, E., Inoue, y., Yanagida, T. and Higuchi, H., "Substeps within the 8-nm step of the ATPase cycle of single kinesin molecules," Nat. Cell Biol., vol. 3, pp. 425-428(2001) Meyhofer, E. and Howard, J., "The force generated by a single kinesin molecule against an elastic load," Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., vol. 92, pp.574-578(1995) Coppin, C.M., Pierce, D.W., Hsu, L. and Vale, R.D., "The load dependence of kinesin's mechanical cycle," Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., vol. 94, pp.8539-8544(1997) Kojima, H., Muto, E., Higuchi, H. and Yanagida, T., "Mechanics of Single Kinesin Molecules Measured by Optical Trapping Nanometry," Biophys. J., vol. 73, pp. 2012-2022(1997)
しかしながら、前記従来の技術は、微小管の配向及び固定をデバイス内全体において行うようになっているので、微小管を固定した後も、固定に使用した試薬を前記デバイス内から完全に除去しなければ、次に使用するキネシンが活性を失ってしまう。すなわち、失活してしまう。そのため、度重なる試薬の交換が必要となり、極めて煩雑になってしまう。
本発明は、前記従来の問題点を解決して、基材上に付着させた生体分子モータによってレール分子を移動させ、所定波長の光を照射することにより前記生体分子モータを失活させてレール分子を固定することによって、試薬を使用することなく、容易に、確実に、レール分子を所定位置において所定方向に配向させて固定することができるレール分子固定方法及びナノ搬送デバイスを提供することを目的とする。
そのために、本発明のレール分子固定方法においては、極性を備え、該極性に応じた方向に生体分子モータが移動するレール分子を固定する方法であって、基材上に生体分子モータを付着させ、該生体分子モータによってレール分子を移動させ、該レール分子が所定位置に到達すると、所定波長の光を照射して前記生体分子モータを失活させることにより、前記レール分子を所定方向に配向させて固定する。
本発明の他のレール分子固定方法においては、さらに、前記基材上にチャネル形成部材を接合することによって、前記基材上に配向用チャネルを形成し、該配向用チャネルの一端から前記レール分子を前記配向用チャネル内に進入させ、該配向用チャネル内の所定位置に前記レール分子を固定する。
本発明の更に他のレール分子固定方法においては、さらに、前記レール分子を固定した後、前記チャネル形成部材を除去する。
本発明の更に他のレール分子固定方法においては、さらに、前記レール分子は細胞骨格繊維である。
本発明の更に他のレール分子固定方法においては、さらに、前記所定波長は420〜500〔nm〕である。
本発明の更に他のレール分子固定方法においては、さらに、前記光は60秒以上照射する。
本発明の更に他のレール分子固定方法においては、さらに、複数本の前記レール分子を相互に平行に、かつ、同一方向に配向させて固定する。
本発明の更に他のレール分子固定方法においては、さらに、前記レール分子を曲線又は折れ線を形成するように固定する。
本発明のナノ搬送デバイスにおいては、前記レール分子固定方法によって固定されたレール分子と、該レール分子上を該レール分子の極性に応じた方向に移動する生体分子モータとを有し、該生体分子モータが前記レール分子に沿って搬送物を搬送する。
本発明のナノ搬送デバイス用のレール分子においては、前記レール分子固定方法によって固定された。
本発明によれば、レール分子固定方法においては、極性を備え、該極性に応じた方向に生体分子モータが移動するレール分子を固定する方法であって、基材上に生体分子モータを付着させ、該生体分子モータによってレール分子を移動させ、該レール分子が所定位置に到達すると、所定波長の光を照射して前記生体分子モータを失活させることにより、前記レール分子を所定方向に配向させて固定する。
この場合、試薬を使用することなく、容易に、確実に、レール分子を所定位置において所定方向に配向させて固定することができる。そのため、レール分子上を移動する生体分子モータを所定の方向に移動させることができる。
他のレール分子固定方法においては、さらに、前記基材上にチャネル形成部材を接合することによって、前記基材上に配向用チャネルを形成し、該配向用チャネルの一端から前記レール分子を前記配向用チャネル内に進入させ、該配向用チャネル内の所定位置に前記レール分子を固定する。
この場合、レール分子は、所定の極性を備える端を先頭にして配向用チャネル内に進入するので、レール分子を確実に所定方向に配向させて固定することができる。また、配向用チャネルの形状に応じた形状となるようにレール分子を固定することができるので、レール分子上を移動する生体分子モータを任意の形状の経路に沿って移動させることができる。
本発明によれば、ナノ搬送デバイスにおいては、前記レール分子固定方法によって固定されたレール分子と、該レール分子上を該レール分子の極性に応じた方向に移動する生体分子モータとを有し、該生体分子モータが前記レール分子に沿って搬送物を搬送する。
この場合、搬送物を所定の方向に搬送することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態における微小管を固定するナノチャネルの母型を製造する方法を示す図、図2は本発明の実施の形態における微小管を固定するナノチャネルの構成を示す図である。なお、図1(a)〜(d)において、(2)は基板の上面を示し、(1)は(2)のA−B矢視断面を示している。
図1は、内部にレール分子としての後述される微小管31を所定方向に配向させて固定するための配向用チャネル、すなわち、後述されるナノチャネル29の母型を製造する流れを示している。なお、本実施の形態においては、生体の細胞内において細胞小器官等を輸送する生体分子モータを使用する。生体分子モータは、モータタンパク(モータプロテイン:Motor Protein)とも称されるものであり、極性を有する細胞骨格繊維に結合し、該細胞骨格繊維沿いに一定方向に移動する。そして、細胞内には数十種類の生体分子モータが存在し、本実施の形態における生体分子モータは、いかなる種類のものであってもよく、例えば、ミオシン(Myosin)、ダイニン(Dynein)等であってもよいが、本発明の発明者は、生体分子モータとして後述されるキネシン32を使用して実験を行ったので、ここでは、生体分子モータがキネシン32である場合について説明する。また、生体分子モータが移動するためのレール分子は、細胞内においては、前述のように細胞骨格繊維であり、例えば、アクチンフィラメント(Actin Filament)であってもよいが、本発明の発明者はレール分子として微小管31を使用して実験を行ったので、ここでは、レール分子が微小管31である場合について説明する。
ナノチャネル29の母型を製造する場合、まず、Si、SiO2 等から成る母型の基板11上の全面に、電子線レジスト12(例えば、SAL601)を塗布し、電子ビームリソグラフィーによってパターニングを行った。これにより、基板11の上面に、図1(a)に示されるような電子線レジスト12のパターンが形成された。該パターンは、微小管31を固定するナノチャネル29に該当するものである。
続いて、基板11上の全面にUV(紫外線)レジスト13(例えば、S1805)を塗布し、紫外線を使用したフォトリソグラフィーによってパターニングを行った。これにより、基板11の上面に、図1(b)に示されるようなUVレジスト13のパターンが形成された。該パターンは、前記ナノチャネル29が接続される後述されるアクセスチャネル26a及び26bに該当するものである。
続いて、前記電子線レジスト12及びUVレジスト13をマスクとして、ディープ反応性イオンエッチング(DRIE:Deep Reactive Ion Etching)によって、基板11の表面の周辺部14をエッチングした。これにより、該周辺部14は、図1(c)に示されるように、深さaだけエッチングされた。なお、該深さaは、約4〔μm〕であり、微小管31を固定するナノチャネル29の深さに該当する。
続いて、基板11の表面から電子線レジスト12及びUVレジスト13を除去すると、図1(d)に示されるように、凸部15を有する母型を得ることができた。前記凸部15はナノチャネル29並びに後述されるアクセスチャネル26a及び26bに該当する。そして、基板11の表面を覆うように、PDMS(Polydimethylsiloxane)のプレポリマーを塗布し、該プレポリマーを硬化させた後、剥(はく)離した。これにより、図2(a)に示されるようなPDMSフィルム21を得ることができた。
図2(a)に示される例においては、PDMSフィルム21の下面の円で囲まれる部分24にナノチャネル29並びにアクセスチャネル26a及び26bが形成されている。そして、PDMSフィルム21を、図2(a)において矢印23で示されるように、Coverslipとして示されている基材としてのガラス板22に密着するように接合(Bonding)させた。なお、ガラス板22はカバー板として機能する。これにより、図2(b)に示されるようなチャネル形成部材を得ることができた。また、図2(a)において矢印25で示される部分は、ナノチャネル29並びにアクセスチャネル26a及び26bに、生理食塩水等から成るバッファ(緩衝液)を注入するための注入孔(こう)、すなわち、Through holes for injectionである。
図2(b)には、前記部分24が拡大して示されている。この場合、図2(b)に示されるように、中央凸部28と、該中央凸部28の両側に位置する周辺凸部27との間に、矢印によって示されるアクセスチャネル26a及び26bが形成されている。なお、図2(b)において、アクセスチャネル26a及び26bは、Main channel(A)及び(B)として示されている。
また、中央凸部28には、複数のナノチャネル29が形成されている。図2(b)において、ナノチャネル29は、Nanoscale sub−channel(s)として示されている。ナノチャネル29は、その両端がアクセスチャネル26a及び26bに各々接続され、アクセスチャネル26a及び26bと同一の深さを備える。該深さは、前述のように、約4〔μm〕である。
図2(c)は、PDMSフィルム21の下面の円で囲まれる部分24を観察した走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)の写真である。写真の上下にアクセスチャネル26a及び26bが観察され、中央部にナノチャネル29が観察される。この場合、ナノチャネル29の長さは50〔μm〕、幅は500〜2000〔nm〕、高さは4〔μm〕である。
また、図2(d)は蛍光色素を使用して可視化したナノチャネル29を示している。PDMSフィルム21にガラス板22に密着するように接合させた後、注入孔からバッファを注入すると、毛細管現象によってナノチャネル29内にバッファが導入される。濃度10〔mM〕のテトラメチルローダミン(Tetramethly rhodamine)を用いて、ナノチャネル29を蛍光色素によって可視化したものが図2(d)である。図2(d)において、右側の細いナノチャネル29の幅は500〔nm〕であり、左側の太いナノチャネル29の幅は750〔nm〕である。
次に、所定波長の光を照射することによって微小管31を固定する方法について説明する。
図3は本発明の実施の形態における微小管及びキネシンを示す模式図、図4は本発明の実施の形態における照射光の波長とキネシンの失活との関係を示す図、図5は本発明の実施の形態における光の照射時間と微小管の動きとの関係を示す図、図6は本発明の実施の形態における光の照射時間と微小管の動きとの関係を示す写真である。
図3において、31はレール分子としての微小管であり、32は該微小管31に沿って移動するリニア駆動の生体分子モータとしてのキネシンである。そして、微小管31は、3種類存在する細胞骨格繊維の1つであり、モノマーであるチューブリン(Tubulin)を重合することによって得られる直径25〔nm〕、長さ数十〔μm〕の円筒状構造を備えるフィラメント、すなわち、繊維である。なお、チューブリンは、α−チューブリン及びβ−チューブリンという2個の球状ポリペプチドが、非共有結合によって固く結合したヘテロ二量体である。
また、微小管31は極性を有し、一方の端(図3における左端)がプラス端であり、他方の端(図3における右端)がマイナス端である。プラス端とマイナス端とは、微小管31を構成するサブユニットであるチューブリンが重合する速度によって識別され、重合する速度が高く、速く伸長する端がプラス端と呼ばれ、重合する速度が低く、ゆっくりと伸長する端がマイナス端と呼ばれる。
一方、キネシン32は、ヘッド(頭)部が10〔nm〕、全長が80〔nm〕程度のタンパク分子である。そして、2個の球形のヘッド部と細長いより合わせコイル部とを有し、ヘッド部が微小管31への付着と解離とを交互に繰り返すことによって、両手で繊維を手繰るように、1歩ずつ前進する。この場合、キネシン32の運動は、8〔nm〕のステップから成り、最大速度が800〔nm/s〕程度であり、図3において矢印で示されるように、微小管31上をマイナス端側からプラス端側に向けて移動する。また、キネシン32の発生力は5〜8〔pN〕である。
本実施の形態においては、所定波長の光を照射することによってキネシン32を失活させることにより、微小管31をキネシン32によって固定する方法を採用した。該方法においては、まず、基材の表面に多数のキネシン32を固定する。ここに微小管31を導入して、ATPを与えるとキネシン32の生体分子モータとしての作用によって、微小管31が動き出す。すなわち、基材の表面に固定されたキネシン32が微小管31上を移動するので、微小管31が基材等の表面を移動することになる。そして、該微小管31が所望の位置に到達すると、所定波長の光を照射する。これにより、キネシン32は、失活し、該キネシン32のヘッド部に微小管31が付着した状態で、動きを停止する。そのため、微小管31が停止する。この場合、キネシン32のヘッド部が微小管31に付着した状態を維持するので、微小管31が固定される。
本発明の発明者は、実験によって、前記所定波長が420〜500〔nm〕であることを見出した。具体的には、4種類の光フィルタを組み合わせて実験を行った結果、図4(a)に示されるような結果を得ることができた。前記4種類の光フィルタは、次の(1)〜(4)である。
(1)L42:波長が420〔nm〕以下の光をカットするUVカットフィルタ
(2)ロボン:波長が800〔nm〕以上の光をカットする赤外光カットフィルタ
(3)IF550:波長が500〜600〔nm〕の光を透過させるバンドパスフィルタ
(4)Y50:波長が500〔nm〕以下の光をカットするフィルタ
そして、図4(b)は、(1)〜(4)の4種類の光フィルタが透過する光の波長の関係を示している。なお、図4(b)において、横軸には波長を採ってある。
また、前記実験は、グライディングアッセイ(in vitro gliding assay)中に、組み合わされた光フィルタを透過した水銀ランプの光を照射することによって、キネシン32を失活させ、微小管31の動きを停止させるものである。グライディングアッセイは、カバーガラス2枚又はカバーガラスとスライドガラスとを用いて制作したフローセル内で行った。この場合、該フローセル内にキネシン32のテール側(図3における上側)をガラス上に固定すると、ATPを加水分解する際にヘッド側(図3における下側)が微小管31を動かす。そして、前記光を照射することによってキネシン32の生体分子モータとしての動きが停止すると、微小管31の動きが停止する。
前記実験において、まず、図4(a)の左欄に示されるように、(1)〜(4)の4種類の光フィルタをすべて透過した水銀ランプの光を照射し、照射の前後における微小管31の動きを観察した。この場合、生体分子モータとしてのキネシン32は動きを継続し、停止しなかった。そして、図4(b)から、(1)〜(4)の4種類の光フィルタをすべて透過して照射された光の波長は、500〜600〔nm〕であることが分かる。
次に、図4(a)の中欄に示されるように、(1)及び(2)の2種類の光フィルタを透過した水銀ランプの光を照射し、照射の前後における微小管31の動きを観察した。この場合、生体分子モータとしてのキネシン32は動きを停止した。そして、図4(b)から、(1)及び(2)の2種類の光フィルタを透過して照射された光の波長は、420〜800〔nm〕であることが分かる。
最後に、図4(a)の右欄に示されるように、(1)、(2)及び(4)の3種類の光フィルタを透過した水銀ランプの光を照射し、照射の前後における微小管31の動きを観察した。この場合、生体分子モータとしてのキネシン32は動きを継続し、停止しなかった。そして、図4(b)から、(1)、(2)及び(4)の3種類の光フィルタを透過して照射された光の波長は、500〜800〔nm〕であることが分かる。
このような実験により、前述のように、キネシン32を失活させる光の所定波長が420〜500〔nm〕であることを見出した。そこで、本発明の発明者は、キネシン32を失活させるために、波長が420〜500〔nm〕の光として、(1)及び(2)の2種類の光フィルタを透過した水銀ランプの光を使用することとした。
続いて、本発明の発明者は、更なる実験により、キネシン32を失活させるために必要な光の照射時間が60秒以上であることを見出した。具体的には、前述のキネシン32を失活させる光の波長を見出すための実験と同様に、グライディングアッセイ中に、波長が420〜500〔nm〕の水銀ランプの光を照射することによって、キネシン32を失活させ、微小管31の動きを停止させる実験を行った。この場合、前記グライディングアッセイ中に100〔W〕の水銀ランプの光を照射する時間を10秒から90秒まで変化させ、照射の前後における微小管31の動きを観察した。
そして、キネシン32を失活させるために必要な水銀ランプの光の照射時間を見出すための実験の結果は、図5に示されている。図5は、水銀ランプの光の照射時間と微小管31の動きとの関係を示し、横軸に水銀ランプの光の照射時間を採り、縦軸に動いている微小管31の割合を採ってある。なお、図5において、●は照射の前の状態を示し、■は照射の後の状態を示している。そして、図5から、水銀ランプの光の照射時間が60秒以上であれば、キネシン32を失活させ、すべての微小管31の動きを停止させることができると言える。そこで、本発明の発明者は、キネシン32を失活させるために、前記波長の水銀ランプの光を60秒以上照射することとした。
また、暗視野顕微鏡によって、波長420〜500〔nm〕の水銀ランプの光を照射し、照射前後の微小管31の動きを観察することができた。この観察の結果が図6に示されている。図6は、照射前後におけるグライディングアッセイ中の微小管31の動きを示す暗視野顕微鏡写真である。ここで、図6(1)〜(3)は、照射前のものであり、微小管31が動いていることを示している。その後、前記波長の水銀ランプの光を40秒間照射して、キネシン32を失活させたところ、図6(4)〜(6)に示されるように、微小管31の動きが停止し、固定された。
このように、波長420〜500〔nm〕の水銀ランプの光を照射することによって、微小管31の動きが停止して固定されるのは、ガラス上に固定してあるキネシン32が失活するためである。もっとも、失活したキネシン32が微小管31との結合を解離してしまうと、微小管31を固定することができない。しかし、キネシン32は波長420〜500〔nm〕の光の照射によって失活しても微小管31との結合を保つため、前記波長の光を照射した場所に微小管31が固定されることが分かった。
そして、波長420〜500〔nm〕の光を照射することによって微小管を固定する方法には、次のような利点がある。図3に示されるように、キネシン32は微小管31上をマイナス端側からプラス端側に向けて移動するので、グライディングアッセイ中に動いている微小管31の先端はマイナス端となる。そこで、動いている微小管31を暗視野顕微鏡写真によって可視化しながら固定することによって、極性が明らかな状態で微小管31を固定することができる。すなわち、配向した状態で固定することができる。そして、極性が明らかな配向した状態で固定された微小管31上を移動するキネシン32によって物質の搬送を行えば、その搬送方向は明らかである。
また、波長420〜500〔nm〕の光を照射することによって局所的に微小管31を固定することもできる。例えば、フォトリソグラフィのように、マスクを用いて特定の領域に前記波長の光を照射する。キネシン32は光の照射を受けた部分だけで失活するので、前記特定の領域にある微小管31だけを固定することができる。
このように、レール分子としての微小管31が所定位置に到達すると、前記波長の光を照射して生体分子としてのキネシン32を失活させることによって、微小管31を所定方向に配向させて固定することができる。これにより、例えば、図2(b)に示されるようなチャネル形成部材によって形成されるナノチャネル29内にのみ、微小管31を極性が明らかな状態で固定することができる。
次に、微小管31をナノチャネル29内に固定する方法について説明する。
図7は本発明の実施の形態における微小管をナノチャネル内に固定する方法を示す図、図8は本発明の実施の形態におけるナノチャネル内に微小管が導入する様子を示す写真、図9は本発明の実施の形態におけるナノチャネル内の微小管上を移動するビーズの様子を示す写真である。
ここでは、図7に示されるような試験用のユニット35におけるナノチャネル29内に微小管31を配向した状態で導入して固定する方法について説明する。この場合、前記ユニット35は、図2(a)に示されるように、基材としてのガラス板22にチャネル形成部材としてのPDMSフィルム21を密着するように接合させて構成されたものである。そして、図7は、図2(b)に示されるようなチャネル形成部材の上面にガラス板22を接合したものを反転させ、中央凸部28と周辺凸部27とを残して、上側のPDMSフィルム21を除去したような状態を示している。
なお、配向用チャネルとしてのナノチャネル29は、ガラス板22に接合されたチャネル形成部材の一部である中央凸部28によって、複数形成されている。また、中央凸部28と、該中央凸部28の両側に位置する周辺凸部27との間に、矢印によって示されるアクセスチャネル26a及び26bが形成されている。なお、図7において、アクセスチャネル26a及び26bは、Main channel(A)及び(B)として示されている。また、ナノチャネル29の底面はガラス板22の上面によって構成されている。
そして、キネシン32を含む溶液で前記ユニット35におけるチャネル、すなわち、アクセスチャネル26a及び26bとナノチャネル29とを満たし、ガラス板22の上面をキネシン32でコーティングする。続いて、微小管31をアクセスチャネル26aから導入すると、図7(1)に示されるように、微小管31はアクセスチャネル26a内のキネシン32によって捉えられる。
図7において、微小管31は太い矢印で示され、矢印の先端がマイナス端であり、後端がプラス端である。ここで、微小管31に剛性があり、また、アクセスチャネル26aの幅とナノチャネル29の幅とに違いがあるので、図7(1)に示されるように、微小管31はナノチャネル29に入らず、アクセスチャネル26a内においてのみガラス板22の上面に付着する。
続いて、アクセスチャネル26aから濃度1〔mM〕のATPを加えると、キネシン32は、ATPの加水分解に伴い微小管31上を移動する。そのため、微小管31がガラス板22の上面に固定されたキネシン32によって搬送され、図7(2)に示されるように、確率的にナノチャネル29内に進入する。この場合、アクセスチャネル26a及びナノチャネル29の幅、微小管31の濃度、並びに、アッセイ時間を変化させることによって、1本のナノチャネル29(例えば、幅500〔nm〕)にほぼ1本の微小管31が進入するように最適化される。なお、前述のように、キネシン32が微小管31上をマイナス端側からプラス端側に向けて移動するので、微小管31は矢印の示す方向に移動する。
そして、微小管31がナノチャネル29内に進入した時に波長420〜500〔nm〕の水銀ランプの光を照射することによって、キネシン32が失活し、微小管31が固定される。そのため、図7(3)に示されるように、ナノチャネル29内に極性が明らかな配向した状態で微小管31を固定することができる。これにより、レール分子としての微小管31が配向した状態で固定されたナノ搬送デバイスを得ることができる。
続いて、図7(4)に示されるように、アクセスチャネル26bからキネシンビーズ36を導入して濃度1〔mM〕のATPを加えると、微小管31にアクセスしたキネシンビーズ36は、アクセスチャネル26aに向かって搬送される。ここで、キネシンビーズ36は、表面にキネシン32をコーティングしたポリスチレンビーズ(直径320〔nm〕、Bangs Lab.)であり、該ポリスチレンビーズとキネシン32とを混合してインキュベートすることによって得ることができた。この場合、キネシンビーズ36に固定されたキネシン32が微小管31上を移動することによって、該微小管31のマイナス端からプラス端に向けて、搬送物としてのキネシンビーズ36が搬送されることになる。
本発明の発明者は、微小管31が幅750〔nm〕のナノチャネル29内に進入する様子を、微小管31として蛍光微小管を使用することによって、図8に示されるように、可視化した。なお、蛍光微小管は、蛍光色素によってラベリングされた蛍光チューブリンと、蛍光色素によってラベリングされていないチューブリンとを適切な比で混合して重合することによって得ることができた。そして、図8は、15秒毎に撮影された連続写真であり、グライディングアッセイによるナノチャネル29内に微小管31が進入する様子を示している。
この場合、図8(1)に示されるように、微小管31のマイナス端がナノチャネル29に入った後、15秒おきの連続写真を図8(6)まで、順に撮影した。なお、途中で微小管31の一部が切れているように見えるが、撮影に使用した対物レンズの焦点深度(0.2〔μm〕)を外れて微小管31が動いているためである。これは、キネシン32が、ガラス板22の上面だけでなく、PDMSから成る中央凸部28のナノチャネル29の側壁面にも付着して動いているので、微小管31がナノチャネル29の側壁面上を移動するからである。また、図8(7)には、複数のナノチャネル29内に微小管31が進入した様子が示されている。
なお、図8に示される例において、写真の中央に見えるナノチャネル29は、長さが50〔μm〕、幅が500〜750〔nm〕、高さ(深さ)が4〔μm〕である。また、写真の左右に見えるMain channel(A)及び(B)としてのアクセスチャネル26a及び26bは、幅が300〔μm〕、高さ(深さ)が4〔μm〕である。
また、本発明の発明者は、図9に示されるように、非蛍光の微小管31をナノチャネル29内に配向した状態で固定した後に、Main channel(B)としてのアクセスチャネル26bにキネシンビーズ36を導入し、前記ナノチャネル29内の微小管31上でビーズアッセイを行った。図9(1)は、キネシンビーズ36がナノチャネル29内に導入される状態を示す写真であり、また、図9(2)〜(4)は20秒毎に撮影された連続写真であり、キネシンビーズ36がナノチャネル29を搬送される様子を示している。
この場合、キネシンビーズ36は、微小管31のアクセスチャネル26b側の一端(マイナス端)に付着した後、Main channel(A)としてのアクセスチャネル26a側(図9における左側)に向かって800〔nm/s〕の速度で移動した。すなわち、キネシンビーズ36が一方向に向かって搬送速度800〔nm/s〕で搬送されたことが確認された。これにより、ナノチャネル29内に微小管31が配向した状態で固定されたことが示された。
このように、本実施の形態においては、生体分子モータとしてのキネシン32がコートされた基材としてのガラス板22上に形成された配向用チャネルとしてのナノチャネル29内にレール分子としての微小管31を移動させ、所定波長、すなわち、波長420〜500〔nm〕の光を照射することによってキネシン32を失活させることにより、微小管31をナノチャネル29内に固定するようになっている。この場合、微小管31は、マイナス端を先頭にしてナノチャネル29内に進入するので、所定の方向に配向されて固定される。そのため、試薬を使用することなく、容易に、確実に、微小管31を所定位置において所定方向に配向させて固定することができる。そのため、微小管31上を移動するキネシン32を所定の方向、すなわち、プラス端の方向に移動させることができる。
なお、本実施の形態においては、ナノチャネル29の形状が直線である場合についてのみ説明したが、ナノチャネル29の形状は、曲線であってもよいし、折れ線であってもよいし、いかなる形状であってもよい。さらに、前記ナノチャネル29の形状は、二次元的な曲線や折れ線でなく、三次元的な曲線や折れ線であってもよい。例えば、ガラス板22の面が平面でなく曲面であったり、また、ガラス板22の面に凹凸が形成されている場合、ナノチャネル29の形状を三次元方向に屈曲する曲線又は折れ線とすることができる。ナノチャネル29を形成するチャネル形成部材は、PDMSから成り、柔軟性があるので、曲面であったり、凹凸が形成されているガラス板22の面にも容易に付着させることができる。また、ナノチャネル29の長さも任意に設定することができる。これにより、固定された微小管31上をキネシン32によって搬送される搬送物の経路を、任意の長さで、任意の形状で、任意の場所を通過するように設定することができる。
また、ナノチャネル29を形成するチャネル形成部材としての中央凸部28や周辺凸部27は、微小管31を固定した後で、ガラス板22上から除去することができる。すなわち、キネシン32は、ナノチャネル29の有無に係わらず、微小管31上を移動して搬送物を搬送するので、ナノチャネル29が存在しなくても、搬送物は固定された微小管31に沿って搬送される。
そして、前述の方法によってガラス板22上に固定された微小管31と、該微小管31上をプラス端の方向に移動するキネシン32とによって、キネシンビーズ36のように微小な搬送物を搬送するためのナノ搬送デバイスを得ることができる。この場合、レール分子としての微小管31が所定の方向に配向されて固定されているので、微小管31の極性に応じた方向に移動する生体分子モータとしてのキネシン32によって、搬送物を所定の方向に搬送することができる。また、前述のように、微小管31を任意の長さで、任意の形状で、任意の場所を通過するように固定することができるので、前記ナノ搬送デバイスは、搬送物を任意の長さで、任意の形状で、任意の場所を通過する経路で搬送することができる。さらに、容易に、確実に、微小管31を所定位置において所定方向に配向させて固定することができるので、前記ナノ搬送デバイスを容易に、確実に、低コストで製造することができる。
また、レール分子としての微小管31複数本を、相互に平行に、かつ、同一方向に配向させて固定することによって、大型の搬送物であっても搬送することができる。すなわち、微小管31が1本の場合、例えば、縦5〔μm〕、横5〔μm〕、厚さ2〔μm〕の直方体程度の大きさの搬送物であれば搬送することができるが、それ以上大型の搬送物は搬送することができない。これに対し、複数本の微小管31を相互に平行に、かつ、同一方向に配向させて固定させた場合、搬送物に固定された複数のキネシン32が複数本の微小管31上を同一の方向に並行して移動することによって、大型の搬送物であっても搬送することができる。なお、搬送物が大型であっても、該搬送物をキネシン溶液に浸漬することによって、その表面に複数のキネシン32を固定することができる。これにより、例えば、縦5〔mm〕、横5〔mm〕、厚さ2〔μm〕の直方体程度の大きさの搬送物であっても搬送することができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の実施の形態における微小管を固定するナノチャネルの母型を製造する方法を示す図である。 本発明の実施の形態における微小管を固定するナノチャネルの構成を示す図である。 本発明の実施の形態における微小管及びキネシンを示す模式図である。 本発明の実施の形態における照射光の波長とキネシンの失活との関係を示す図である。 本発明の実施の形態における光の照射時間と微小管の動きとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態における光の照射時間と微小管の動きとの関係を示す写真である。 本発明の実施の形態における微小管をナノチャネル内に固定する方法を示す図である。 本発明の実施の形態におけるナノチャネル内に微小管が導入する様子を示す写真である。 本発明の実施の形態におけるナノチャネル内の微小管上を移動するビーズの様子を示す写真である。
符号の説明
21 PDMSフィルム
22 ガラス板
27 周辺凸部
28 中央凸部
29 ナノチャネル
31 微小管
32 キネシン
36 キネシンビーズ

Claims (10)

  1. (a)極性を備え、該極性に応じた方向に生体分子モータが移動するレール分子を固定する方法であって、
    (b)基材上に生体分子モータを付着させ、
    (c)該生体分子モータによってレール分子を移動させ、
    (d)該レール分子が所定位置に到達すると、所定波長の光を照射して前記生体分子モータを失活させることにより、前記レール分子を所定方向に配向させて固定することを特徴とするレール分子固定方法。
  2. (a)前記基材上にチャネル形成部材を接合することによって、前記基材上に配向用チャネルを形成し、
    (b)該配向用チャネルの一端から前記レール分子を前記配向用チャネル内に進入させ、
    (c)該配向用チャネル内の所定位置に前記レール分子を固定する請求項1に記載のレール分子固定方法。
  3. 前記レール分子を固定した後、前記チャネル形成部材を除去する請求項2に記載のレール分子固定方法。
  4. 前記レール分子は細胞骨格繊維である請求項1に記載のレール分子固定方法。
  5. 前記所定波長は420〜500〔nm〕である請求項1に記載のレール分子固定方法。
  6. 前記光は60秒以上照射する請求項1に記載のレール分子固定方法。
  7. 複数本の前記レール分子を相互に平行に、かつ、同一方向に配向させて固定する請求項1に記載のレール分子固定方法。
  8. 前記レール分子を曲線又は折れ線を形成するように固定する請求項1に記載のレール分子固定方法。
  9. (a)請求項1〜8のいずれか1項に記載のレール分子固定方法によって固定されたレール分子と、
    (b)該レール分子上を該レール分子の極性に応じた方向に移動する生体分子モータとを有し、
    (c)該生体分子モータが前記レール分子に沿って搬送物を搬送することを特徴とするナノ搬送デバイス。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のレール分子固定方法によって固定されたことを特徴とするナノ搬送デバイス用のレール分子。
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