JP2002018749A - 垂直走行可能な巡視ロボットシステム - Google Patents
垂直走行可能な巡視ロボットシステムInfo
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Abstract
いる場合にも、ロボットが安全で確実に走行し、所定の
監視活動ができるような巡視ロボットシステムを提供す
る。 【解決手段】遠隔操作式のロボット本体がレールに沿っ
て移動し各種の監視を行う。レールの設置傾斜角度が小
さい場合のフリクションローラ駆動による略水平走行モ
ードと、角度が大きい場合のチェーンスプロケット駆動
による略垂直走行モードとが切り換え可能になってい
る。ロボットの走行駆動用のモータと、略水平走行用の
クラッチ及びブレーキと、略垂直走行用のクラッチ及び
ブレーキとを備え、前記2種類のクラッチ及びブレーキ
の切り換えによって走行モードの切り換えを行う。
Description
を伴う監視や、トンネル内の平坦部及び立坑部などの巡
視作業の省力化・巡視点検員の安全確保・労働環境の改
善・監視精度の向上を図るために、人間に代わってレー
ルに沿って移動し遠隔操作が可能な巡視ロボットシステ
ムに関する。
トシステム」には、センサ手段を搭載したロボットがレ
ールに沿って走行し、TVカメラによる画像で異常を検
知し、インタホンで連絡したり、ワイヤレスリモコンで
制御するシステムが記載されている。移動機構手段の位
置制御は車輪の回転数と経路上の距離指示手段に基づい
て行われる。上述したような従来のシステムはレールが
概ね水平面内に配置されていることを前提としており、
レールが急傾斜していたり垂直方向に延伸している場合
には、ロボットの走行が困難となり、ロボットが落下す
る危険性があった。
ルが急傾斜していたり垂直方向に延伸している場合に
も、ロボットが安全で確実に走行し、所定の監視活動を
実行できるような巡視ロボットシステムを提供すること
にある。
ステムは、遠隔操作式のロボット本体がレールに沿って
移動し各種の監視を行う巡視ロボットシステムであっ
て、その基本的な態様として、レールの設置傾斜角度が
小さい場合のフリクションローラ駆動による略水平走行
モードと、レールの設置傾斜角度が大きい場合のチェー
ンスプロケット駆動による略垂直走行モードとが切り換
え可能になっている。このロボットシステムは、ロボッ
トの走行駆動用のモータと、略水平走行用のクラッチ及
びブレーキと、略垂直走行用のクラッチ及びブレーキと
を備え、前記2種類のクラッチ及びブレーキの切り換え
によって走行モードの切り換えを行う。
トシステムは、レールのつば部を走行ローラとアイドル
ローラとで挟み込むことによりロボット本体がレールか
ら離れて振動するのを防止している。
トシステムは、略水平走行する区間は略垂直走行用のク
ラッチ及びブレーキを非駆動状態にして走行ローラによ
るフリクションローラ走行モードとし、略垂直走行区間
ではクラッチを駆動状態にすると共に、フリクションロ
ーラ走行用クラッチを非駆動状態にして、チェーンスプ
ロケット走行モードに切り換えることにより、ロボット
が停止することなく連続した走行モードの切り換えを可
能にしている。
トシステムは、ロボットの走行を制御するコンピュータ
とは、電気回路的に、且つ制御的に独立した落下防止機
構を備え、この落下防止機構はスプロケットの歯先の回
転速度を検出するセンサを有し、前記センサが異常値を
検出した際にブレーキを解除している電源回路を遮断す
ることによりブレーキを作動させるようになっている。
トシステムは、走行ルートの一定区間は特定走行モード
区間とし、自動運転中・手動操作中にかかわらず常に所
定の走行モードで走行させるように制御を行う。
り。従来の巡視ロボットはフリクション走行又はピニオ
ンラック走行又はチェーンスプロケット走行のいずれか
だけで移動していた。1対のクラッチとブレーキで駆動
機構を構成した場合、高速走行かつ垂直走行を両立させ
るためには非常に強力なモータを搭載しなければならな
いから、モータが大きくなり、出力に伴って電源回路な
ども必然的に大きくなって小型化することができなかっ
た。一般に、フリクション走行するだけではゆるやかな
傾斜までしか走行できない。実験的には最大傾斜角度は
15°程度までが限界である。一方、チェーンスプロケ
ット方式だけでは走行速度が遅く、速度を早くすると騒
音の発生や部品の磨滅などが生じて運用上の支障をきた
すという問題があった。
走行断面積が略A4サイズと小さく、2種類の走行方式
を持ち、高速走行ができ、垂直走行ができる。特に、2
種類(フリクションローラとチェーンスプロケット)の
走行を行うために、動力伝達切り替えと走行時の制動を
2対のクラッチとブレーキで独立して行う。効果とし
て、2種類の走行方式を備えかつ小型化することができ
た。また、通過断面積を小さくでき、利用用途の拡大が
図れた。実験によれば、傾斜角0〜プラスマイナス15
度を、フリクションローラ走行で最高速度100m/m
inの高速移動ができる。傾斜角プラスマイナス15〜
90度を、チェーンスプロケット走行で最高速度10m
/minの移動ができる。
の通り。従来は単純にチェーンとスプロケットを噛み合
わせて走行しているため、回転力の伝達機構が断続的と
なり、走行中に振動が発生していた。本発明では、レー
ルのつば部を駆動ローラとアイドルローラによって上下
方向から挟み込み、スプロケットとチェーンのギャップ
を一定に保つ。これにより、チェーンとスプロケットか
ら発生する振動を抑制軽減することができる。
の通り。従来は停止した状態でモータ駆動によりスプロ
ケットをチェーンに噛み合わせてから走行を開始してい
たため、走行機構の切り換えに時間がかかっていた。あ
るいは、スプロケットを駆動(回転)させたまま強引に
噛み合わせていたため、噛み合いに失敗することがあ
り、スプロケットの磨滅が大きかった。また、噛み合い
時の衝撃が大きく、搭載される電装機器などの故障の原
因にもなっていた。本発明では、走行方式をフリクショ
ン走行からチェーンスプロケット走行に切り換える時
に、スプロケットのクラッチを切ってフリーにして自由
に回転できる状態のままフリクションローラで走行しな
がら、レールに敷設されたチェーンと噛み合わせるの
で、スムーズに連続した動作で走行方式の切り換えがで
きる。
の通り。従来はコンピュータ制御による防止装置等を用
いていたが、誤作動や不作動があり、特に不作動が生じ
た場合、ロボットは急速に落下することになり、ロボッ
トの破損はもちろんのこと大変危険であった。本発明で
は、コンピュータ制御を介さずに独立した回路で作動す
る落下防止機構を設けた。この機構はコンピュータ制御
を介さない独立した回路で作動するため、コンピュータ
が誤った指示を出しても確実にロボットの走行形態の異
常を検知し、また落下を防止することができる。ブレー
キは電源が遮断されると作動するため、停電時にも作動
し安全が図られる。リセットは操作側のコンピュータか
ら行えるので、安全確認後、直ちに復旧できる。
の通り。従来は、ロボットから送られてきた映像と操作
画面上の位置情報から、人間が判断し走行させていた
が、遠隔操作であるためロボットがどういう状態で移動
しているのかを判断しにくい。例えば、カメラが正面を
向いているのか、どこを向いているのか、モニタの画像
だけでは判別しにくい等、ロボットの操作はきわめて困
難で、ロボットに損傷を与える危険性があり、スムーズ
な操作ができないなど、オペレータの操作に負担が大き
かった。本発明では、走行注意区間にあらかじめ走行方
式を設定しておき、自動及び手動操作のいかんにかかわ
らず、自動的に適用されるようにした。走行方式は、走
行速度・駆動切換・レール切換・レール終端部ごとに設
定する。人間の指令にかかわらず、ロボットの走行方式
を適切に処理して安全に走行することのできるセミオー
トマチック機能を採用したので、ロボットの損傷がな
く、スムーズに走行でき、オペレータの負担も小さい。
以下、本発明による好適な実施形態を添付図面を参照し
ながら説明する。
器レイアウト 本発明では2種類の走行方式を有しながら小型化を図っ
ている。図1〜4は本発明によるロボット本体部分の全
体を表しており、ロボット本体10はセンサ車両11と
ドライブ車両12とが屈曲可能な蛇腹部13で連結され
て構成されており、レール14の傾斜角度が小さい場合
のフリクションローラ駆動による略水平走行モードと、
レール14の傾斜角度が大きい場合のチェーンスプロケ
ット駆動による略垂直走行モードとに切り換え可能にな
っている。
式のモノレールタイプで、フリクションローラ駆動(車
輪駆動)による略水平走行モード(最高速度100m/
min)とチェーンスプロケット駆動による略垂直走行
モード(速度10m/min)の2つの走行モードをも
っている。ロボットのセンサ車両11には、環境情報を
収集するための4つのセンサ(CCDカメラ41・温度
センサ42・湿度センサ43・集音マイク)が搭載され
ている。CCDカメラ41はその撮像方向が変えられる
ようになっており、それに隣接して1対の照明器具40
が設けられている。
非接触式の密係合無線伝送システムによって、監視室へ
伝送される。送られたデータは監視画面上にリアルタイ
ムで表示され、監視員は監視室内に居ながらにして現場
の状況を知ることができる。各監視ポイントのアドレス
はあらかじめコンピュータに登録することにより、全自
動で巡視を行うことができる。また手動操作も可能で、
監視室内からロボットを遠隔で操作することにより、さ
らに詳しい情報を得ることもできる。
ト駆動用のモータ15を中央に配置し、2対のクラッチ
とブレーキ、すなわち、略水平走行用のクラッチ25及
びブレーキ26と、略垂直走行用のクラッチ33及びブ
レーキ34とを前後方向に平面的にレイアウトすること
によって、小型化を図った。このようにすると、ロボッ
トの通過断面積を小さくすることができ、ロボットの利
用用途を拡大することができた。これら2種類のクラッ
チ及びブレーキの切り換えによって、フリクションロー
ラ駆動による略水平走行モードとチェーンスプロケット
駆動による略垂直走行モードの2つの走行モードの切り
換えを行う点が基本的な特徴である。
ラとアイドルローラを対向させて挟み込み、スプロケッ
ト走行中の振動を抑えた。本ロボットがチェーンスプロ
ケット走行をする場合、単にチェーンとスプロケットを
噛み合わせて走行すると振動が発生するので、レールの
つば部を走行ローラとその下側からアイドルローラで挟
み込み、スプロケットとチェーンのかみ合いギャップを
一定に保つことで振動を軽減した。すなわち、図1に示
すように、レール14のつば部14aを走行ローラ20
とアイドルローラ22とで挟み込んでおり、ロボット本
体10がレール14から離れて振動するのを防止するよ
うになっている。また、レール14の側面には必要な数
のガイドローラ23が当接している。
クラッチ及びブレーキをフリーにしたままフリクション
ローラ走行して、レールに敷設されたチェーンとスムー
ズに噛み合わせて走行方式を切り換える。図5は走行し
ながら走行モードを切り換える状態を表しており、レー
ル14に沿ったフリー区間Fでは、略垂直走行用のクラ
ッチ33及びブレーキ34を非駆動状態(フリー)にし
て走行ローラ20によるフリクションローラ走行モード
とし、走行レール内側の天井部分にチェーンが敷設され
ているチェーン区間Cに進入した後に略垂直走行用のク
ラッチ33を駆動状態にしてチェーンスプロケット走行
モードに切り換える。かくして、ロボットが停止するこ
となく連続した走行モードの切り換えが可能になってい
る。チェーン区間に到達したかどうかの確認は、ロボッ
ト側に設置した磁気近接式の番地センサ54がレール側
長手方向に設置したセンサ受け55を検出することでな
しえる。
部のドライブ機構を表しており、駆動モータ15の回転
力は、減速機19・駆動伝達タイミングベルト24,2
7,28・駆動伝達チェーン36などを介して1対のク
ラッチ25,33へと伝達されている。ロボット本体1
0はAC−DC電源回路16,17(5V,12V,2
4V)を備え、トロリ線を介して外部から100Vの商
用電源が供給されている。落下防止機構については後述
する。ドライブ車両12にはさらに、モータ15を駆動
するためのドライバ18、衝突を検出するためのタッチ
センサ46、リレー48、落下防止コントローラ(スピ
ードメータ)56、障害物を非接触で検出するための超
音波センサ52、音声警報装置60などが備えられてい
る。
全てコンピュータに依存すると、コンピュータ等の誤作
動による暴走あるいは落下の危険性があるので、安全・
確実に作動させるために、コンピュータ制御を介さずに
独立して作動する落下防止回路を搭載した。その原理
は、図9に示すように、ロボットのドライブ車両のスプ
ロケット30の歯先回転を光式回転センサ57で検出し
スピードメータ56でパルスカウントし、通常走行時以
上のパルス数をカウントした場合、リレー48を付勢し
て、スプロケット30の回転を抑止するブレーキ34を
解除している電源17を遮断してブレーキ34を作動さ
せることにより、スプロケット30の回転を阻止し落下
を防止する。すなわち、このブレーキ34は停電時(電
源OFF時)にも作用するようになっているので、安全
性が高められている。リセットはロボット操作側のコン
ピュータ58から行えるので、不具合修復及び安全確認
後、直ちに復旧できる。
止するために、走行注意点では自動的に設定された走行
方式で走行する。ロボットは遠隔操作のため、手動操作
時にはオペレータはロボットを直接目で見て操作するこ
とができない。そのため、カーブなどの走行注意点もフ
ルスピードで通過させてしまう危険性がある。そこで、
オペレータからの指令の有無にかかわらず、走行注意区
間では、あらかじめ設定された走行方式にすることによ
って、安全にかつ正確に走行させることのできるセミオ
ートマチック走行機能を持たせた。すなわち、走行ルー
トの一定区間は特定走行モード区間とし、自動運転中・
手動操作中にかかわらず常に所定の走行モードで走行さ
せるように制御を行う。
の通過速度を、安全な速度まで自動減速し、通過後は減
速前の指令速度まで自動で戻る。フリクション走行/ス
プロケット走行の駆動切換は走行命令(前進・後進)の
指示で切換ポイントへ進入した後、駆動伝達クラッチを
自動で切り換えて走行を継続する。また、フリクション
走行で切換ポイントへ進入する速度は自動的に10m/
minに減速される。ロボットが前進/後進走行中にト
ラバーサポイントにさしかかると、ロボットはスライド
レール上に停止し、操作画面をトラバーサ操作画面に切
り換えて進行先を確認してくるので、必要な指示を出し
て所定の方向へと誘導する。また、ロボットは、レール
終端部手前で自動停止する。操作画面上には、「走行禁
止区間」の表示がされる。
ロボットシステムによれば、レールが急傾斜していたり
垂直方向に延伸している場合にも、ロボットが安全で確
実に走行し、所定の監視活動を実行できるような巡視ロ
ボットシステムが提供されることになり、その技術的効
果には極めて顕著なものがある。
る。
る。
る。
る。
ット走行へと切り換える状態を表す概略図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 遠隔操作式のロボット本体がレールに沿
って移動し各種の監視を行う巡視ロボットシステムであ
って、 レールの設置傾斜角度が小さい場合のフリクションロー
ラ駆動による略水平走行モードと、レールの設置傾斜角
度が大きい場合のチェーンスプロケット駆動による略垂
直走行モードとが切り換え可能であり、 ロボットの走行駆動用のモータと、略水平走行用のクラ
ッチ及びブレーキと、略垂直走行用のクラッチ及びブレ
ーキとを備え、前記2種類のクラッチ及びブレーキの切
り換えによって走行モードの切り換えを行うことを特徴
とする垂直走行可能な巡視ロボットシステム。 - 【請求項2】 レールのつば部を走行ローラとアイドル
ローラとで挟み込むことにより、ロボット本体がレール
から離れにくくし、且つ前記略水平走行における緩傾斜
部での滑り防止を図り、併せて振動を防止する請求項1
記載の巡視ロボットシステム。 - 【請求項3】 略水平走行する区間は略垂直走行用のク
ラッチ及びブレーキを非駆動状態にして走行ローラによ
るフリクションローラ走行モードとし、略垂直走行区間
ではクラッチを駆動状態にすると共に、フリクションロ
ーラ走行用クラッチを非駆動状態にして、チェーンスプ
ロケット走行モードに切り換えることにより、ロボット
が停止することなく連続した走行モードの切り換えを可
能にする請求項1記載の巡視ロボットシステム。 - 【請求項4】 ロボットの走行を制御するコンピュータ
とは、電気回路的に、且つ制御的に独立した落下防止機
構を備え、この落下防止機構はスプロケットの歯先の回
転速度を検出するセンサを有し、前記センサが異常値を
検出した際にブレーキを解除している電源回路を遮断す
ることによりブレーキを作動させるようになっている請
求項1記載の巡視ロボットシステム。 - 【請求項5】 走行ルートの一定区間は特定走行モード
区間とし、自動運転中・手動操作中にかかわらず常に所
定の走行モードで走行させるように制御を行う請求項1
記載の巡視ロボットシステム。
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