JP2002018279A - マグネシウム系脱酸素剤 - Google Patents

マグネシウム系脱酸素剤

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JP2002018279A
JP2002018279A JP2000206752A JP2000206752A JP2002018279A JP 2002018279 A JP2002018279 A JP 2002018279A JP 2000206752 A JP2000206752 A JP 2000206752A JP 2000206752 A JP2000206752 A JP 2000206752A JP 2002018279 A JP2002018279 A JP 2002018279A
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magnesium
carbon dioxide
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dioxide gas
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JP2000206752A
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English (en)
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Hidechika Wakabayashi
英親 若林
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】活性化マグネシウムを主剤とする脱酸素剤にお
いて、空気中でも発熱の危険性が無く、酸素吸収の初期
活性の損失が殆ど無い安定化脱酸素剤を提供する。 【解決手段】ゼオライト担体にマグネシウム化合物を担
持した後、還元剤による活性化処理を行い、含有炭酸ガ
スによる安定化処理を行い、次いで、加熱処理による賦
活方法により、高い酸素吸収活性を有する脱酸素剤が提
供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非鉄系の脱酸素剤
に関する。詳しくは、ゼオライト担体に担持された活性
化マグネシウムを主剤とする、安定化された脱酸素剤の
酸素吸収活性の賦活方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、密閉包装体中で物品を保存する方
法として、種々の脱酸素剤を用いる保存方法が開発さ
れ、安価で確実な保存方法として注目されている。そし
て、これまでに種々の有機系及び無機系主剤の脱酸素剤
が知られている。例えば、無機系主剤として鉄粉などの
金属粉、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、亜二チオン酸塩、チ
オ硫酸塩などを用いたもの、有機系主剤としてL−アス
コルビン酸、エルソルビン酸及びそれらの塩、グルコー
スなどの還元性糖類、カテコール、ピロガロールなどの
還元性多価フェノール類、エチレングリコール、グリセ
リンなどの多価アルコール類を用いたものがあげられ
る。
【0003】更に、無機系主剤の脱酸素剤において、鉄
粉系脱酸素剤では、金属探知機に感応するため食品など
の物品と同封した状態で金属検査ができないという、問
題があった。
【0004】本発明者は、担体に担持した活性化マグネ
シウムを主剤とする脱酸素剤を見出し、先に提案した
(特願平11−212749)。活性化マグネシウム
は、空気中では非常に酸化され易く、発熱の危険性もあ
るため、実用的な脱酸素剤とするためには安定化処理を
行う必要がある。
【0005】一方、空気中で不安定な活性化金属触媒を
空気中で安全に取り扱う方法として、これまでに以下の
安定化方法が提案されている。 (1)活性化した後、加熱下に不活性ガスを流通した
り、加熱下に減圧、真空処理して安定化する方法。 (2)活性化した後、不活性ガスに序々に少量の酸素を
添加しながら最後に空気のみの気流下で処理して安定化
する方法。
【0006】(1)の方法に関しては、例えば、米国特
許1001279号公報には、酸化ニッケルや耐火煉瓦
に担持したニッケル化合物を水素で加熱還元した後、加
熱下で炭酸ガスを流通処理し、その後室温まで炭酸ガス
で冷却する安定化方法、米国特許1127911号公報
にはニッケル、コバルト、白金などの微細金属粉または
それら金属化合物もしくはその混合物をシリカゲルなど
の担体に担持したものを水素で加熱還元した後、加熱下
に減圧、真空にして安定化する方法が記載されている。
また、特公昭33−4325号公報には、珪藻土に担持
したニッケル化合物を水素で加熱還元したり、ニッケル
蟻酸塩を熱分解して活性化した後、加熱下に炭酸ガスや
窒素を流通して安定化する方法、特公昭34−2570
号公報には、白金、パラジウム、金、銅、鉄、コバルト
金属の単独もしくは主体とする触媒、酸化物、硫化物を
水素で加熱還元した後、減圧、真空処理してから炭酸ガ
ス中に長時間保存して安定化する方法が記載されてい
る。しかし、これらの安定化方法は、いずれも空気中で
の安定性が不十分であったり、安定化の際に活性低下が
著しく場合よっては活性そのもが消失するなど問題点が
多かった。更に、安定化した触媒活性を賦活するには、
加熱下に再び水素還元する以外に方法がなく、容易で実
用的な触媒活性の制御方法とは言えなかった。
【0007】(2)の方法に関しては、例えば、Catal
ytic Reactions at High Pressures and Temparatures,
New York,Macmillan,1936 には、珪藻土に担持した塩基
性炭酸ニッケルを水素で加熱還元した後、窒素、炭酸ガ
スなどの不活性ガスを加熱下に流通し、次いでこのガス
に徐々に酸素を混合した混合ガスで安定化する方法、こ
の方法の改良法である特公昭31−4368号公報、特
公昭26−871号公報には、最後に酸素ガスだけで処
理する安定化方法が記載されている。しかし、いずれの
方法も、安定化の際に用いる酸素ガスによる酸素吸収活
性の失活が多く折角の初期活性を維持できない問題点が
あった。更に、活性を賦活させるためには安定化の際に
形成された酸化保護膜を除去するために再度、加熱還元
しなければならないなど、容易で実用的な触媒活性の制
御方法とは言えなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の従来技術の課題を解決し、空気中でも長時間にわたっ
て発熱の危険性が無く、しかも酸素吸収の初期活性の損
失が殆ど無く取扱うことができる、工業的に実施の容易
な非鉄系の安定化脱酸素剤を提供すること、また、容器
内雰囲気の脱酸素方法及び物品の保存方法を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の課題
を解決する方法を検討した結果、担持された活性化マグ
ネシウムを主剤とする脱酸素剤において、担体としてゼ
オライトを選択し、不活性ガスとして含有炭酸ガスで処
理することによって安定化された脱酸素剤を加熱処理す
ることを特徴とする、容易で実用的な酸素吸収活性(脱
酸素能)の制御方法、または脱酸素剤の製造もしくは使
用方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】即ち、本発明は、ゼオライト担体にマグネ
シウム化合物を担持した後、還元剤による活性化処理を
行い、含有炭酸ガスによる安定化処理を行い、次いで、
加熱処理を行うことを特徴とするマグネシウムを主剤と
する脱酸素剤の製造方法に関する。また、ゼオライト担
体にマグネシウム化合物を担持した後、還元剤による活
性化処理を行い、炭酸ガスによる安定化処理を行い、次
いで、加熱処理を行って成る、マグネシウムを主剤とす
る脱酸素剤に関する。また、ゼオライト担体にマグネシ
ウム化合物を担持した後、還元剤による活性化処理を行
い、炭酸ガスによる安定化処理を行い、次いで、加熱処
理を行って成る、マグネシウムを主剤とする脱酸素剤を
通気性材料で包装してなる小袋状脱酸素剤に関する。
【0011】また、ゼオライト担体にマグネシウム化合
物を担持した後、還元剤による活性化処理を行い、次い
で、炭酸ガスによる安定化処理を行ってなるマグネシウ
ムを主剤とする脱酸素剤を酸素バリア性容器に密封し、
加熱処理を行うことを特徴とする容器内の脱酸素方法に
関する。また、ゼオライト担体にマグネシウム化合物を
担持した後、還元剤による活性化処理を行い、次いで、
炭酸ガスによる安定化処理を行ってなるマグネシウムを
主剤とする脱酸素剤を、物品とともに酸素バリア性容器
に密封し、加熱処理を行うことを特徴とする物品の保存
方法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明においては、担体としてゼ
オライトを選択することが重要である。即ち、マグネシ
ウムとゼオライト担体との組み合わせが必須である。そ
の詳細な理由は、必ずしも明確ではないが、ゼオライト
担体の細孔構造、表面性状が酸性の炭酸ガスを吸蔵、吸
着するのに適していること、担持した活性化マグネシウ
ムと炭酸ガスの親和性を高める状態にあることが考えら
れる。
【0013】本発明の活性化マグネシウムとは、担体に
担持したマグネシウム化合物を還元、活性化したもので
ある。本発明においては、担持した活性化マグネシウム
を主剤とする。主剤とは、酸素と反応してこれを吸収す
る成分のことである。本発明では、主剤のみでも酸素吸
収を行うが、必要に応じてマグネシウムを担持したゼオ
ライト担体とは別個に、これに助剤を組み合わせること
ができる。助剤としては、安全性に問題がなく、金属探
知機に検知されないなど本発明の目的を阻害することが
なく酸素吸収を促進するものであれば、特に制限なく用
いることができる。例えば、活性炭、珪藻土、酸性白
土、アルミナ、シリカ、チタニアが例示される。
【0014】本発明において用いられる活性化マグネシ
ウムは、マグネシウムの無機塩又は有機塩などのマグネ
シウム化合物を担体に担持後、還元処理したものであ
る。マグネシウムの無機塩化合物としては、例えば、マ
グネシウムの硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩、炭酸塩などが用
いられる。また、マグネシウムの有機塩化合物として
は、例えば、マグネシウムの蟻酸塩、酢酸塩、蓚酸塩な
どが用いられる。
【0015】活性化マグネシウムの担持率、すなわち、
マグネシウム量(マグネシウム元素換算値)と担体量
(乾燥状態換算値)の合計に対するマグネシウム量の重
量%は、通常、5〜90重量%になるようにする。特
に、活性化に要する時間、活性効率の点から30〜80
重量%が好ましい。
【0016】本発明において用いられるゼオライト担体
は、天然品でも合成品でも良く、また粒状もしくは粉状
のいずれの形状でも良く特に限定されない。このゼオラ
イト担体にマグネシウム化合物を含侵法、共沈法などの
公知の化学的な方法によって担持させる。また、イオン
注入などの物理的な方法で担持させることもできる。
【0017】特に、本発明の脱酸素剤組成物は、磁性体
を実質的に含まない場合に、金属探知機に検知されない
脱酸素剤組成物になるので好ましい。このために、磁性
体を実質的に含まない担体を使用することが好ましい。
【0018】活性化する際のマグネシウム化合物が担持
された担体の形態としては、粒状または粉末のいずれの
形態のままで活性化しても良い。また、加圧成型、押し
出し成型などの通常の成型法によって成型してから活性
化しても良い。
【0019】ゼオライト担体に担持したマグネシウム化
合物に対して、還元剤による活性化処理を行う。還元剤
には、制限がなく、有機物も無機物も使用できる。本発
明におけるマグネシウムの活性化方法としては、ホルマ
リン、蟻酸などの還元性化合物による化学還元法や一酸
化炭素、水素などの還元性ガスによる接触還元法があげ
られる。また、蟻酸マグネシウムなどの分解性マグネシ
ウム化合物を不活性ガス中、又は、一酸化炭素、水素な
どの還元性ガス中で加熱分解する方法も用いられる。
【0020】本発明における活性化条件については、担
持されるマグネシウム化合物の還元性もしくは分解性、
またその担持量、処理方法などにより異なり一義的には
決められないが、接触還元法では、通常、還元雰囲気温
度100℃〜800℃で10分〜10時間、特に200
℃〜600℃で、30分〜6時間が好適に用いられる。
この一連の還元操作によって酸素吸収反応に対して活性
ないわゆる活性化されたマグネシウム金属微粒子が担持
された脱酸素剤が得られる。
【0021】ここで得られた脱酸素剤は、きわめて高い
酸素吸収活性(以下、「初期活性」とも言う)を有す
る。反面、酸素吸収活性が高いため、取り扱う際に空気
に触れて発熱する危険性がある。本発明では、マグネシ
ウム化合物を担持したゼオライト担体は、還元剤による
活性化処理を行った後、炭酸ガスにより活性を制御する
安定化処理を行う。
【0022】本発明の安定化処理に用いる炭酸ガスと
は、成分として炭酸ガスを含有する含有炭酸ガスのこと
で、例えば、窒素と炭酸ガス、ヘリウム、ネオン、アル
ゴンなどの希ガスと炭酸ガスとの混合ガスや炭酸ガス単
独をあげることができる。炭酸ガスを含有する含有炭酸
ガスにおいて、炭酸ガスの含有割合が大きいほど活性化
されたマグネシウムを安定化する効果が高い。炭酸ガス
供給源として通常の純度のガスボンベやドライアイスが
好適に用いられるが、より高純度の炭酸ガスの使用がよ
り好ましい。また、安定化処理の方法としては、マグネ
シウム化合物を担持したゼオライト担体をマグネシウム
1g当たり炭酸ガスが10ml以上存在する雰囲気中に
放置する静置法およびマグネシウム化合物を担持したゼ
オライト担体に対しマグネシウム1g当たり炭酸ガスを
5ml/分以上の流量で接触させる流通法のいずれの方
法でも用いることができる。
【0023】静置法の場合では、含有炭酸ガスの純度に
より異なるが、通常、活性化された脱酸素剤1gを10
0%含有炭酸ガスに換算して10ml以上、好ましくは
50ml以上、さらに好ましくは100ml以上の炭酸
ガス中に5分〜10時間、温度−10℃以上、好ましく
は0〜80℃以上、より好ましくは0〜30℃の範囲で
静置すれば良い。
【0024】流通法の場合では、通常、活性化された脱
酸素剤1gに対して、100%含有炭酸ガス換算で炭酸
ガス流量5ml/分以上、好ましくは50ml以上、さ
らに好ましくは100ml以上で5分から6時間程度、
温度−10℃以上、好ましくは0〜80℃以上、より好
ましくは0〜30℃の範囲で処理すれば良い。処理能率
の点から、炭酸ガス流量100〜300ml/分、0〜
30℃で30分〜3時間程度の処理条件が好ましく用い
られる。
【0025】更に、安定化効果をより高めるために上記
の含有炭酸ガス処理を行う前に、活性化終了後に直ちに
減圧又は真空操作による脱気処理を行うことも好まし
い。例えば、活性化終了後に、一旦、真空にして活性化
マグネシウムに吸着、吸蔵されて残存している活性化水
素ガスを除去して発熱の危険性をより完全に除去し、し
かる後に上記の含有炭酸ガス処理を行なうことによって
一層安全かつ効果的に脱酸素剤を安定化することができ
る。
【0026】かくして、安定化されたゼオライトに担持
した活性化マグネシウム脱酸素剤は、空気中に取り出し
ても、もはや長時間にわたって発熱の危険性がなくな
り、しかも、初期の酸素吸収活性が低下することもな
く、空気中で安全に扱うことができる。
【0027】ゼオライト担体にマグネシウム化合物を担
持した後、還元剤による活性化処理を行い、含有炭酸ガ
スで安定化処理されたマグネシウムを主剤とする脱酸素
剤は、加熱処理によって酸素吸収活性を賦活させること
ができ、これを活性な脱酸素剤組成物として使用するこ
とができる。さらに、前記炭酸ガスによる安定化処理を
されたマグネシウムを主剤とする脱酸素剤を適度の通気
性を有した小袋に収納した後、加熱処理を行うことによ
り、活性の高い小袋状脱酸素剤として使用できる。ま
た、前記炭酸ガスによる安定化処理をされたマグネシウ
ムを主剤とする脱酸素剤を適度の通気性を有した小袋に
収納した後、物品とともに酸素バリア性容器内に密封
し、加熱処理を行うことにより、脱酸素剤が活性化さ
れ、容器の脱酸素を行うことができ、物品を保存するこ
とができる。
【0028】安定化処理をされたマグネシウムを主剤と
する脱酸素剤の加熱処理温度は、通常50℃以上、好ま
しくは60℃以上、より好ましくは80℃以上である。
加熱処理によって安定化された脱酸素剤の酸素吸収作用
を再び賦活させることができる。加熱処理時間は、通常
10秒〜3時間、好ましくは1分〜30分程度である。
また、含有炭酸ガス処理工程で安定化された脱酸素剤
を、酸素バリア性容器に密封し、加熱処理を行うことに
より容器内雰囲気を脱酸素させることができる。あるい
は、含有炭酸ガス処理工程で安定化された脱酸素剤を、
物品とともに酸素バリア性容器に密封し、加熱処理を行
うことにより物品を脱酸素雰囲気にて長期保存すること
ができる。
【0029】加熱処理は、酸素を含まない、窒素、アル
ゴン等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。高湿度
雰囲気下でも加熱処理は可能であるが、乾燥した条件で
加熱することが好ましい。具体的には、湿度80%RH
未満、特に湿度60%RH未満、さらには湿度40%R
H未満の湿度下にて加熱処理を行うことが好ましい。加
熱方法については、特に制限がなく、湯浴、電気加熱や
超音波過熱、高周波加熱、電磁加熱などの加熱方式を用
いた恒温槽が適宜選択できる。本発明によれば、含有炭
酸ガス処理による安定化工程と安定化脱酸素剤の加熱処
理による賦活工程とを組み合わせることによって、初期
活性を殆ど消失することなく容易に酸素吸収活性(脱酸
素能)を制御することができる。
【0030】本発明の含有炭酸ガス処理による安定化
後、加熱処理された脱酸素剤は、適度の通気性を有した
小袋に収納することにより、小袋状脱酸素剤として使用
できる。また、樹脂やシートに配合することにより、シ
ート状脱酸素剤等、任意の形態の脱酸素性材料として使
用できる。さらに、含有炭酸ガスによる安定化処理を行
ってなるマグネシウムを主剤とする脱酸素剤を、酸素バ
リア性容器に密封し、加熱処理を行うことにより、容器
内の脱酸素を行うことができる。また、含有炭酸ガスに
よる安定化処理を行ってなるマグネシウムを主剤とする
脱酸素剤を、物品とともに酸素バリア性容器に密封し、
加熱処理を行うことにより、物品を脱酸素条件にて長期
に保存することができる。
【0031】前記の加熱処理を行う際に脱酸素剤を密封
する酸素バリア性容器の材料としては、公知の酸素バリ
ア性材料が使用できるが、好ましくは、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体、MXナイロン、塩化ビニル、塩
化ビニリデン等の酸素バリア性樹脂層を有する積層樹脂
材料が使用される。
【0032】本発明の安定化された脱酸素剤は、適度の
通気性を有した小袋に収納することにより、小袋状脱酸
素剤として使用できる。また、本発明の安定化された脱
酸素剤を樹脂やシートに配合することにより、シート状
脱酸素剤等、任意の形態の脱酸素性材料として使用でき
る。本発明の安定化された脱酸素剤は、酸化カルシウ
ム、水酸化カルシウム等の炭酸ガス吸収剤と組み合わせ
ることが好ましい。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。
【0034】実施例1 硫酸マグネシウム・7水和物49.3gを60℃の水1
50mlに溶解し、これにゼオライト20gを入れ攪拌
混合した。次に、無水炭酸ナトリウム31.8gを水2
00mlに溶解した水溶液を滴下し、そのまま1時間3
0分攪拌した。終了後、不溶物を濾取し、濾液が中性に
なるまで水で洗浄してから110℃で乾燥した。得られ
た乾燥粉末から0.5gを採取して300kg/c
2、3分間の条件で加圧成型し、直径12mmの円盤
状成型体を作成した。この様に作成した成型体2個をア
ルミ網の蓋が付いた石英製の小シャーレに入れ、窒素気
流中で200℃、30分間予備加熱後、水素気流中で4
50℃、3時間還元する活性化処理を行った。
【0035】還元終了後、窒素を流通させながら40℃
まで冷却した後、窒素ガスの代わりに市販ボンベより9
9%純度の炭酸ガスを流速160ml/分で1時間流通
させる安定化処理を行い、ゼオライト担体に担持された
活性化マグネシウムを主剤とする成型体からなる安定化
脱酸素剤を得た。得られた安定化脱酸素剤には、マグネ
シウムが36重量%含まれており、それ以外の組成は、
ほとんどゼオライトであり、アルミ網蓋付き小シャーレ
ごと温度20℃、湿度50%RHの空気中に取り出し1
時間放置したが、その間、発熱は全く起こらなかった。
【0036】次に、この安定化脱酸素剤を湿度50%R
Hの空気500mlとともにKON/LDPE(塩化ビ
ニリデンコートナイロン/低密度ポリエチレンフィル
ム)からなる酸素バリア性包装袋に入れ、この包装体
(包装袋+脱酸素剤を包装体と称す)内の酸素濃度を2
4時間にわたり経時的に分析したが、酸素濃度に変化は
認められなかった。次いで、この包装体を80℃の電気
加熱式恒温槽に10分間入れ、取り出した後、25℃に
て保存し、経時的に袋内の酸素濃度を分析して酸素吸収
量を求めた。その結果を表1に示した。
【0037】実施例2 実施例1と同様に、成型、還元、窒素流通してゼオライ
ト担体に担持された活性化マグネシウムを主剤とする成
型体からなる脱酸素剤を得た後、これを窒素雰囲気にな
っているグローブボックス中に取り出してから容量1L
のサイドボックス中に移して真空による脱気処理後、1
気圧の炭酸ガス80%窒素20%組成の含有炭酸ガス雰
囲気中で20℃にて6時間静置して、炭酸ガスによる安
定化処理をした。得られた安定化脱酸素剤を、アルミ網
蓋付き小シャーレごと実施例1と同様に、温度25℃、
湿度50%RHの空気中に取り出し1時間放置したが、
その間、発熱は全く起こらなかった。
【0038】次に、実施例1と同様に、この安定化脱酸
素剤を、湿度50%RHの空気500mlとともにKO
N/LDPEからなる酸素バリア性包装袋に入れ、この
包装体内の酸素濃度を24時間にわたり経時的に分析し
たが、酸素濃度に変化は認められなかった。次いで、こ
の包装体を60℃の電気加熱式恒温槽に1時間入れ、取
り出した後、25℃にて保存し、経時的に袋内の酸素濃
度を分析して酸素吸収量を求めた。その結果を表1に示
した。
【0039】比較例1 実施例1と同様に成型、還元した後、窒素を流通して室
温まで冷却した。冷却終了後、担体に担持された活性化
マグネシウムを主剤とする脱酸素剤に炭酸ガスによる安
定化処理をしないでそのままアルミ網蓋付き小シャーレ
ごと実施例1と同様に温度20℃、湿度55%RHの空
気中に取り出し1時間放置したところ、取り出してから
約30秒後には激しい発熱が起こり、この現象が数分間
続き、約10分後には室温20℃に冷えた。このまま、
空気中に1時間放置した後、これを実施例1と同様に湿
度50%RHの空気500mlとともにKON/LDP
E包装袋に入れ、20℃にて経時的に袋内の酸素濃度、
湿度を分析した。その結果、24時間経過しても酸素濃
度、湿度に殆ど変化が認められなかった。そこで更に、
実施例1と同じくこの包装体を80℃の恒温槽に入れ、
経時的に袋内の酸素濃度、湿度を分析した。その結果を
表1に示した。
【0040】対照例1 実施例1と同様に成型、還元、窒素流通してアルミ網蓋
付き小シャーレに入った活性化品を得た。この活性化品
を、窒素雰囲気中でアルミ網蓋付き小シャーレごと、有
孔ポリエチレンをラミネートした紙小袋に入れてヒート
シールし、実施例1と同様に、湿度50%RHの空気5
00mlと共に、KON/LDPE包装袋に密封し、経
時的に袋内の酸素濃度、湿度を分析した。その結果を表
1に示した。
【0041】
【表1】
【0042】表1から分かるように、ゼオライトに担持
した活性化マグネシウムを主剤とする脱酸素剤は、含有
炭酸ガスで流通処理したり、静置処理することによって
空気中に取り出しても、発熱の危険性がなくなり、長時
間にわたって安定化でき、しかも、安定化前の初期の酸
素吸収活性が低下することもない。更に、安定化された
酸素吸収活性は、加熱処理することにより適度の速度で
賦活させることができる。
【0043】実施例3 実施例1と同様にして得られた、炭酸ガス処理した、活
性化マグネシウムを担持したゼオライト担体の成形体4
個を、空気中に取り出し、紙/ポリエチレン不織布積層
フィルムからなる通気性の小袋に入れ、ヒートシールし
て小袋状脱酸素剤を得た。この小袋状脱酸素剤を干し貝
柱及び空気100mlと共に酸素バリア性のKON/低
密度ポリエチレン積層フィルムからなる包装袋に入れ、
90℃の熱水にて30分間の加熱処理後、20℃にて保
存した。干し貝柱は1ケ月後も良好に外観及び食味が保
たれていた。
【0044】実施例4 実施例1と同様にして得られた、円盤状成型体2個をア
ルミ網の蓋が付いた石英製の小シャーレに入れ、窒素気
流中で200℃、30分間予備加熱後、ホルムアルデヒ
ド気流中で550℃、3時間還元することにより、還元
剤による活性化処理を行った。還元終了後、窒素を流通
させながら30℃まで冷却した後、窒素ガスの代わりに
市販ボンベの99%純度の炭酸ガスを流速100ml/
分で1時間流通させることにより、炭酸ガスによる安定
化処理を行い、ゼオライト担体に担持された活性化マグ
ネシウムを主剤とする成型体からなる脱酸素剤を得た。
得られた脱酸素剤4個を、空気中に取り出した後、穿孔
PET/和紙/穿孔ポリエチレン積層フィルムからなる
通気性の小袋に入れ、ヒートシールして小袋状脱酸素剤
を得た。この小袋状脱酸素剤を、スルメ及び空気500
mlと共に酸素バリア性のPET/ナイロン/MXナイ
ロン/ナイロン/ポリプロピレン積層フィルムからなる
包装袋に入れ、密封して電子レンジにてマイクロ波加熱
処理を1分行った後、25℃にて保存した。スルメは3
月後も、外観及び食味が良好に保たれていた。
【0045】
【発明の効果】本発明の方法によれば、空気中での酸素
吸収活性を安定化でき、更に、加熱処理することにより
容易に初期活性を賦活させることができる。この安定化
工程と賦活工程の組み合わせにより、高い酸素吸収活性
を有する脱酸素剤が提供される。本発明のマグネシウム
脱酸素剤は、金属探知器に検知されない、自力反応型の
小袋状脱酸素剤又はシート状脱酸素剤用の脱酸素主剤と
して使用できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 81/26 B65D 81/26 R Fターム(参考) 3E067 AA11 AB01 BA12A BB14A EE25 EE28 FC01 GB13 4B021 LA16 LP01 MC04 MK08 MP07 MQ05 4D020 AA02 BA01 BB01 CA02 CA04 4G066 AA06D AA10D AA11B AA43D AA47A AA47B AA61C AE17D BA02 BA13 BA20 BA36 CA37 DA03 EA07 FA03 FA18 FA21 FA25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゼオライト担体にマグネシウム化合物を担
    持した後、還元剤による活性化処理を行い、炭酸ガスに
    よる安定化処理を行い、次いで、加熱処理を行うことを
    特徴とするマグネシウムを主剤とする脱酸素剤の製造方
    法。
  2. 【請求項2】ゼオライト担体にマグネシウム化合物を担
    持した後、還元剤による活性化処理を行い、炭酸ガスに
    よる安定化処理を行い、次いで、加熱処理を行って成
    る、マグネシウムを主剤とする脱酸素剤。
  3. 【請求項3】ゼオライト担体にマグネシウム化合物を担
    持した後、還元剤による活性化処理を行い、炭酸ガスに
    よる安定化処理を行い、次いで、加熱処理を行って成
    る、マグネシウムを主剤とする脱酸素剤を通気性材料で
    包装してなる小袋状脱酸素剤。
  4. 【請求項4】ゼオライト担体にマグネシウム化合物を担
    持した後、還元剤による活性化処理を行い、次いで、炭
    酸ガスによる安定化処理を行ってなるマグネシウムを主
    剤とする脱酸素剤を酸素バリア性容器に密封し、加熱処
    理を行うことを特徴とする容器内雰囲気の脱酸素方法。
  5. 【請求項5】ゼオライト担体にマグネシウム化合物を担
    持した後、還元剤による活性化処理を行い、次いで、炭
    酸ガスによる安定化処理を行ってなるマグネシウムを主
    剤とする脱酸素剤を、物品とともに酸素バリア性容器に
    密封し、加熱処理を行うことを特徴とする物品の保存方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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