JP2002015662A - プラズマディスプレイ用部材の製造方法およびプラズマディスプレイ - Google Patents

プラズマディスプレイ用部材の製造方法およびプラズマディスプレイ

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JP2002015662A
JP2002015662A JP2000194020A JP2000194020A JP2002015662A JP 2002015662 A JP2002015662 A JP 2002015662A JP 2000194020 A JP2000194020 A JP 2000194020A JP 2000194020 A JP2000194020 A JP 2000194020A JP 2002015662 A JP2002015662 A JP 2002015662A
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一孝 草野
Yuichiro Iguchi
雄一朗 井口
Tetsuo Uchida
哲夫 内田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡略な工程により、アドレス電極と平行方向の
隔壁とアドレス電極と直角方向の補助隔壁とを高精度に
形成し、表示品位に優れたプラズマディスプレイ用部材
の製造方法およびプラズマディスプレイを提供する。 【解決手段】少なくとも下記の(A)〜(C)の工程を
含むプラズマディスプレイ用部材の製造方法。 (A)第1層目の感光性塗布膜を形成する工程、(B)
第1層目の感光性塗布膜上に活性光線に対する感度の異
なる第2層目の感光性塗布膜を形成する工程、(C)電
極と直角方向および平行方向に格子状のパターンが形成
されたフォトマスクを介して露光する工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁掛けテレビや大
型モニターに用いられるプラズマディスプレイ用基板お
よびプラズマディスプレイの製造方法に係り、特にプラ
ズマディスプレイパネルの輝度を向上し、パネルの表示
品位を高めたプラズマディスプレイの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】薄型・大型テレビに使用できるディスプ
レイとして、プラズマディスプレイパネル(以下、PD
Pと略す)が注目されている。PDPは、例えば、表示
面となる前面板側のガラス基板には、対をなす複数のサ
ステイン電極が銀やクロム、アルミニウム、ニッケル等
の材料で形成されている。さらにサステイン電極を被覆
してガラスを主成分とする誘電体層が20〜50μm厚
みで形成され、誘電体層を被覆してMgO層が形成され
ている。一方、背面板側のガラス基板には、複数のアド
レス電極がストライプ状に形成され、アドレス電極を被
覆してガラスを主成分とする誘電体層が形成されてい
る。誘電体層上に放電セルを仕切るための隔壁が形成さ
れ、隔壁と誘電体層で形成された放電空間内に蛍光体層
が形成されてなる。フルカラー表示が可能なPDPにお
いては、蛍光体層は、RGBの各色に発光するものによ
り構成される。前面板側のガラス基板のサステイン電極
と背面板側のアドレス電極が互いに直交するように、前
面板と背面板が封着され、それらの基板の間隙内にヘリ
ウム、ネオン、キセノンなどから構成される希ガスが封
入されPDPが形成される。スキャン電極とアドレス電
極の交点を中心として画素セルが形成されるので、PD
Pは複数の画素セルを有し、画像の表示が可能になる。
【0003】PDPにおいて表示を行う際、選択された
画素セルにおいて、発光していない状態からサステイン
電極とアドレス電極との間に放電開始電圧以上の電圧を
印加すると電離によって生じた陽イオンや電子は、画素
セルが容量性負荷であるために放電空間内を反対極性の
電極へと向けて移動してMgO層の内壁に帯電し、内壁
の電荷はMgO層の抵抗が高いために減衰せずに壁電荷
として残留する。
【0004】次に、スキャン電極とサステイン電極の間
に放電維持電圧を印加する。壁電荷のあるところでは、
放電開始電圧より低い電圧でも放電することができる。
放電により放電空間内のキセノンガスが励起され、14
7nmの紫外線が発生し、紫外線が蛍光体を励起するこ
とにより、発光表示が可能になる。
【0005】このようなPDPにおいては蛍光面を発光
させた場合の輝度を高めることが重要となっている。こ
の輝度を高めるための手段として、特開平10−321
148号公報には、隔壁の他に補助隔壁を設け、補助隔
壁の表面にも蛍光面を形成することにより蛍光面の発光
面積を大きくし、紫外線を効率よく蛍光面に作用させ、
輝度を高めることが提案されている。
【0006】この隔壁と補助隔壁の形成方法として同公
報には例えば感光性材料を用いたフォトリソグラフィ法
等で、第1工程として補助隔壁の高さまでの隔壁と補助
隔壁を形成し、次に第2工程として、上層の隔壁を形成
する方法が提案されている。しかしこの方法では、塗
布、乾燥、露光、現像の工程をそれぞれ2回以上要し、
工程が複雑であり、また、下層と上層の極めて精緻な位
置合わせが必要となり精度よく形成できないという問題
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、従来の技術における上述した問題点に着目し、簡略
な工程により隔壁および補助隔壁を高精度に形成し、表
示品位に優れたプラズマディスプレイ用部材の製造方
法、およびプラズマディスプレイを提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のプラズマディスプレイ用部材の製造方法
は、以下の構成を有する。すなわち、電極を形成した基
板上に隔壁と補助隔壁を形成する工程を含むプラズマデ
ィスプレイ用部材の製造方法であって、少なくとも下記
の(A)〜(C)の工程を順に含むことを特徴とする。 (A)第1層目の感光性塗布膜を形成する工程、(B)
第1層目の感光性塗布膜上に活性光線に対する感度の異
なる第2層目の感光性塗布膜を形成する工程、(C)電
極と平行方向および直角方向に格子状のパターンが形成
されたフォトマスクを介して露光する工程。
【0009】また、本発明のプラズマディスプレイは、
上記の製造方法により製造したプラズマディスプレイ用
部材を背面板として用いたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をPDPの作製手
順に沿って説明する。
【0011】本発明のPDP用部材としての背面板に用
いる基板としては、ソーダガラスの他にPDP用の耐熱
ガラスである旭硝子社製の“PD200”や日本電気硝
子社製の“PP8”を用いることができる。
【0012】ガラス基板上に銀やアルミニウム、クロ
ム、ニッケルなどの金属によりアドレス電極を形成す
る。形成する方法としては、これらの金属の粉末と有機
バインダーを主成分とする金属ペーストをスクリーン印
刷でパターン印刷する方法や、有機バインダーとして感
光性有機成分を用いた感光性金属ペーストを塗布した後
に、フォトマスクを用いてパターン露光し、不要な部分
を現像工程で溶解除去し、さらに、通常400〜600
℃に加熱・焼成して金属パターンを形成する感光性ペー
スト法を用いることができる。また、ガラス基板上にク
ロムやアルミニウム等の金属をスパッタリングした後
に、レジストを塗布し、レジストをパターン露光・現像
した後にエッチングにより、不要な部分の金属を取り除
くエッチング法を用いることができる。電極厚みは1〜
10μmが好ましく、2〜5μmがより好ましい。電極
厚みが薄すぎると抵抗値が大きくなり正確な駆動が困難
となる傾向にあり、厚すぎると材料が多く必要になり、
コスト的に不利な傾向にある。アドレス電極の幅は好ま
しくは20〜200μm、より好ましくは30〜100
μmである。アドレス電極の幅が細すぎると抵抗値が高
くなり正確な駆動が困難となる傾向にあり、太いすぎる
と隣合う電極間の距離が小さくなるため、ショート欠陥
が生じやすい傾向にある。さらに、アドレス電極は表示
セル(画素の各RGBを形成する領域)に応じたピッチ
で形成される。通常のPDPでは100〜500μm、
高精細PDPにおいては100〜250μmのピッチで
形成するのが好ましい。
【0013】次いで誘電体層を好ましく形成する。誘電
体層はガラス粉末と有機バインダーを主成分とするガラ
スペーストをアドレス電極を覆う形で塗布した後に、通
常400〜600℃で焼成することにより形成できる。
誘電体層に用いるガラスペーストには、酸化鉛、酸化ビ
スマス、酸化亜鉛、酸化リンの少なくとも1種類以上を
含有し、これらを合計で10〜80重量%含有するガラ
ス粉末を好ましく用いることができる。10重量%以上
とすることで、600℃以下での焼成が容易になり、8
0重量%以下とすることで、結晶化を防ぎ透過率の低下
を防止する。これらのガラス粉末と有機バインダーと混
練してペーストを作成できる。用いる有機バインダーと
しては、エチルセルロース、メチルセルロース等に代表
されるセルロース系化合物、メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアク
リレート等のアクリル系化合物等を用いることができ
る。また、ガラスペースト中に、溶媒、可塑剤等の添加
剤を加えても良い。溶媒としては、テルピネオール、ブ
チロラクトン、トルエン、メチルセルソルブ等の汎用溶
媒を用いることができる。また、可塑剤としてはジブチ
ルフタレート、ジエチルフタレート等を用いることがで
きる。
【0014】また、ガラス粉末以外にフィラー成分を添
加することにより、反射率が高く、輝度の高いPDPを
得ることができる。フィラーとしては、酸化チタン、酸
化アルミニウム、酸化ジルコニウム等が好ましく、粒子
径0.05〜3μmの酸化チタンを用いることが特に好
ましい。フィラーの含有量はガラス粉末:フィラーの重
量比で、1:1〜10:1が好ましい。フィラーの含有
量をガラス粉末の10分の1以上とすることで、輝度向
上の実効を得ることができる。また、ガラス粉末の等量
以下とすることで、焼結性を保つことができる傾向があ
る。
【0015】また、導電性微粒子を添加することにより
駆動時の信頼性の高いPDPを作成することができる。
導電性微粒子は、ニッケル、クロムなどの金属粉末が好
ましく、粒子径は1〜10μmが好ましい。1μm以上
とすることで十分な効果を発揮でき、10μm以下とす
ることで誘電体上の凹凸を抑え隔壁形成を容易にするこ
とができる。これらの導電性微粒子が誘電体層に含まれ
る含有量としては、0.1〜10重量%が好ましい。
0.1重量%以上とすることで実効を得ることができ、
10重量%以下とすることで、隣り合うアドレス電極間
でのショートを防ぐことができる。誘電体層の厚みは好
ましくは3〜30μm、より好ましくは3〜15μmで
ある。誘電体層の厚みが薄すぎるとピンホールが多発す
る傾向にあり、厚すぎると放電電圧が高くなり、消費電
力が大きくなる傾向にある。
【0016】誘電体層上に、放電セルを仕切るための隔
壁および補助隔壁を形成する。図1は本発明で形成する
隔壁および補助隔壁の形状の一例を示す斜視図である。
図1において、1A、1B、1Cは隔壁、2A、2B、
2C、2Dは補助隔壁、3は誘電体層、4はアドレス電
極、5はガラス基板である。隔壁1A、1B、1Cは、
アドレス電極と平行方向に形成する。隔壁1A、1B、
1Cの断面形状は台形や矩形に形成することができる。
補助隔壁2A、2B、2C、2Dは、アドレス電極と直
角方向に形成する。補助隔壁2A、2B、2C、2Dの
断面形状も、台形や矩形に形成することができる。
【0017】補助隔壁を形成することにより、補助隔壁
の表面にも蛍光体層を形成することができ、発光面積を
大きくとることができる。従って、紫外線が効率よく蛍
光面に作用するため輝度を高めることが可能である。ま
た、補助隔壁が存在することで、隔壁全体の結合面積が
広くなり、部材の構造的強度が得られる。その結果、隔
壁や補助隔壁の幅を小さくすることができ、表示セル部
における放電容積を大きくすることができ、放電効率を
さらによくすることができる。
【0018】隔壁の高さは、80μm〜200μmが適
している。80μm以上とすることで蛍光体とスキャン
電極が近づきすぎるのを防ぎ、放電による蛍光体の劣化
を防ぐことができる。また、200μm以下とすること
で、スキャン電極での放電と蛍光体の距離を近づけ、十
分な輝度を得ることができる。隔壁のピッチ(P)は、
100μm≦P≦500μmのものがよく用いられる。
また、高精細プラズマディスプレイとしては、隔壁のピ
ッチ(P)が、100μm≦P≦250μmである。1
00μm以上とすることで放電空間を広くし十分な輝度
を得ることができ、500μm以下とすることで画素の
細かいきれいな映像表示ができる。250μm以下にす
ることにより、HDTV(ハイビジョン)レベルの美し
い映像を表示することができる。線幅(L)は、半値幅
で10μm≦L≦50μmであることが好ましい。10
μm以上とすることで強度を保ち、前面板と背面板を封
着する際に破損が生じるのを防ぐことができる。また、
50μm以下とすることで蛍光体の形成面積を大きくと
ることができ高い輝度を得ることができる。
【0019】補助隔壁の高さは、隔壁の高さよりも低い
ことが好ましく、さらには隔壁の高さの1/2〜5/6
の高さであることが好ましい。補助隔壁の高さを隔壁の
高さの1/2以上とすることで、発光面積を大きくとる
ことによる輝度向上の効果をより一層得ることができ
る。また、隔壁よりも低くすることで、製造工程におい
て蛍光体層の形成をより容易にすることができる。
【0020】ここで、本発明における隔壁および補助隔
壁の形成方法について説明する。本発明においては、隔
壁および補助隔壁は、無機微粒子と感光性成分を含む有
機成分からなる感光性ペーストを塗布、乾燥した感光性
塗布膜を用いてパターン形成した後に、焼成して形成す
る。
【0021】まず、電極が形成された基板上もしくは誘
電体層上に第1の感光性ペーストを塗布、乾燥し、第1
層目の感光性塗布膜を形成する。感光性塗布膜は、感光
性ペーストをスクリーン印刷法、バーコーター、ロール
コーター、ダイコーター、ブレードコーターなどを用い
て塗布し、通風オーブン、ホットプレート、IR炉など
を用いて乾燥し形成することができる。
【0022】次に第1層目の感光性ペースト塗布膜上
に、さらに第2の感光性ペーストを塗布、乾燥し、第2
層目の感光性塗布膜を形成する。
【0023】ここで、第1層目と第2層目の感光性塗布
膜は、活性光線に対する感度が異なることが必要であ
り、特に第1層目の感光性塗布膜の感度が第2層目の感
光性塗布膜の感度より高いことがより好ましい。ここ
で、感度が高いとは、感光性塗布膜の硬化を進行させ、
現像液に不溶とし、パターン形成を可能にするための活
性光線の露光量が少ないことをいう。
【0024】ここで、1層目と2層目の感光性塗布膜の
感度を変えるためには、感光性ペースト中の感光性モノ
マーや光重合開始剤、増感剤などの種類を変えることが
有効である。
【0025】本発明の感光性ペーストに用いられる感光
性モノマーとしては、炭素−炭素不飽和結合を含有する
化合物で、その具体的な例として、単官能および多官能
性の(メタ)アクリレート類、ビニル系化合物類、アリ
ル系化合物類などを用いることができる。これらは1種
または2種以上使用することができる。
【0026】また、感光性オリゴマー、感光性ポリマー
としては、炭素−炭素2重結合を有する化合物のうちの
少なくとも1種類を重合して得られるオリゴマーやポリ
マーを用いることができる。重合する際に、これらのモ
ノマの含有率が、10重量%以上、さらに好ましくは3
5重量%以上になるように、他の感光性のモノマと共重
合することができる。ポリマーやオリゴマーに不飽和カ
ルボン酸などの不飽和酸を共重合することによって、感
光後の現像性を向上することができる。不飽和カルボン
酸の具体的な例として、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル
酢酸、または、これらの酸無水物などが挙げられる。こ
うして得られた側鎖にカルボキシル基などの酸性基を有
するポリマ、もしくは、オリゴマーの酸価(AV)は、
50〜180の範囲が好ましく、70〜140の範囲が
より好ましい。以上に示したポリマーもしくはオリゴマ
ーに対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加さ
せることによって、感光性をもつ感光性ポリマや感光性
オリゴマーとして用いることができる。好ましい光反応
性基は、エチレン性不飽和基を有するものである。エチ
レン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリ
ル基、メタクリル基などが挙げられる。
【0027】特に、第1層目の感光性塗布膜として好ま
しい感度の高い感光性塗布膜としては、感光性モノマー
として、多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレート、エトキシ化トリメチロールプロ
パントリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリ
レート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアク
リレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、
ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペン
タエリスリトールヒドロキシペンタアクリレートなどを
用い、光重合開始剤に特開平11−306964号公報
等記載の光重合開始剤、例えば2−ベンジル−2−ジメ
チルアミノ−1−(4−モルホニル)ブタノン、2−メ
チル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロ
パン−1−オン、2−メチル−2−メチルスルホニル−
1−(4−メチルチオフェニル)プロパノン、4−(2
−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−
2−プロピル)ケトンなどを組み合わせることで得るこ
とができる。
【0028】また、前記高感度感光性塗布膜より感度の
低い感光性塗布膜を得るためには、高感度感光性塗布膜
に用いた感光性モノマー中の感光性の官能基数を少なく
した感光性モノマー、例えば、n−ブチルメタクリレー
ト、イソブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタク
リレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ter
t−ブチルシクロヘキシルメタクリレート、ラウリルメ
タクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキ
シプロピルメタクリレートなどや吸光係数のより小さい
光重合開始剤や増感剤例えば、ベンゾイン、ベンゾイン
メチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイ
ンイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ
ル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−
オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロ
パン−1−オンなどを用いることである。また、前記高
感度感光性塗布膜に重合禁止剤や吸光剤などを添加する
方法も有効である。
【0029】続いて、露光装置を用いて露光を行う。こ
の際使用される活性光源は、例えば、可視光線、近紫外
線、紫外線、電子線、X線、レーザ光などが挙げられ
る。これらの中で紫外線が最も好ましく、その光源とし
て、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、
ハロゲンランプ、殺菌灯などが使用できる。これらのな
かでも超高圧水銀灯が好適である。露光条件は、塗布厚
みによって異なるが、通常1〜100mW/cm2の出
力の超高圧水銀灯を用いて0.1〜10分間露光を行
う。
【0030】本発明ではこの露光の際、電極と平行方向
および直角方向に格子状のパターンが形成されたフォト
マスクを介して露光する。格子状のパターンが形成され
たマスクを介して露光することで、隔壁と補助隔壁のパ
ターンとなる部分の感光性塗布膜が光硬化し、現像によ
って隔壁と補助隔壁のパターンが得られる。
【0031】また、本発明では、上記フォトマスクは、
電極と平行方向の透光部パターンの透過率と電極と直角
方向の透光部パターンの透過率とが異なることが好まし
く、電極と平行方向の透光部パターンの透過率と電極と
直角方向の透光部パターンの透過率との差が10%以上
であることがより好ましい。さらに好ましくは15%以
上である。透過率差が10%以上あるフォトマスクを用
いて露光することで、そのパターンに対応する感光性塗
布膜は露光量に差が生じる。1層目に感度の高い感光性
塗布膜を用いると露光量が変化しても充分に光硬化が進
行し、現像液に不溶となる。2層目に感度の低い感光性
塗布膜を用いると、マスクの透光部パターンの透過率が
高い部分は光硬化が進行し、現像液に不溶となるが、マ
スクの透光部パターンの透過率が低い部分は光硬化が進
まず、現像液に可溶となる。したがって、1回の露光、
現像工程で高さの異なる焼成前の隔壁と補助隔壁のパタ
ーンが得られる。
【0032】フォトマスクの透光部の透過率を変える方
法としては、例えば、フォトマスク用の基板上に、クロ
ム等を蒸着方式によりパターンニングし、活性光線透過
部と活性光線を遮光する遮光部を形成(活性光線透過部
が電極と直角方向および平行方向に格子状に形成)した
後、電極と直角方向の透光部パターン上にクロムを薄く
形成し、電極と直角方向の透過部のパターンの透過率を
下げる方法や電極と直角方向の透光部パターン上に活性
光線を吸収するような樹脂を形成し、電極と直角方向の
透過部のパターンの透過率を下げる方法などが挙げられ
る。上記活性光線を吸収するような樹脂としては、例え
ばポリアミド、ポリイミド、ポリウレタンなどが挙げら
れる。また、紫外線吸収剤の骨格にメタクリル基などを
導入し、反応型とし、共重合体とする方法も有効であ
る。
【0033】現像は、浸漬法やスプレー法、ブラシ法等
で行うことができる。現像液は、感光性ペースト中の溶
解させたい有機成分が溶解可能である溶液を用いる。感
光性ペースト中にカルボキシル基などの酸性基をもつ化
合物が存在する場合、アルカリ水溶液で現像できる。ア
ルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液
などが使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が
焼成時にアルカリ成分を除去しやすいので好ましい。有
機アルカリとしては、一般的なアミン化合物を用いるこ
とができる。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒ
ドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロ
キサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン
などが挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は、通常、
0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量
%である。アルカリ濃度が低過ぎれば可溶部が除去され
ない傾向にあり、アルカリ濃度が高過ぎれば、パターン
部を剥離したり、また、非可溶部を腐食させる傾向にあ
る。また、現像時の現像温度は、通常20〜50℃で行
うことが工程管理上好ましい。
【0034】次に、焼成炉にて焼成を行う。焼成雰囲気
や温度は、ペーストや基板の種類によって異なるが、空
気中、窒素、水素などの雰囲気中で焼成する。焼成炉と
しては、バッチ式の焼成炉やローラーハース式の連続型
焼成炉を用いることができる。焼成温度は、400〜8
00℃で行うと良い。ガラス基板上に直接隔壁を形成す
る場合は、通常450〜620℃の温度で10〜60分
間保持して焼成を行うと良い。
【0035】なお、本発明で用いられる感光性ペースト
を構成する無機微粒子としては、ガラス、セラミック
(アルミナ、コーディライトなど)などを用いることが
できる。特に、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物、または、
アルミニウム酸化物を必須成分とするガラスやセラミッ
クスが好ましい。無機微粒子の粒子径(マイクロトラッ
ク社製のレーザー式粒度分布測定装置DHX−100)
は、作製しようとするパターンの形状を考慮して選ばれ
るが、体積平均粒子径(D50)が、1〜10μmであ
ることが好ましく、より好ましくは、1〜5μmであ
る。D50を10μm以下とすることで、表面凸凹が生
じるのを防ぐことができる。まさらに、比表面積0.2
〜3m2/gのガラス微粒子を用いることが、パターン
形成において、特に好ましい。
【0036】隔壁は、好ましくは熱軟化点の低いガラス
基板上にパターン形成されるため、無機微粒子として、
熱軟化温度が350℃〜600℃のガラス微粒子を60
重量%以上含む無機微粒子を用いることが好ましい。ま
た、熱軟化温度が600℃以上のガラス微粒子やセラミ
ック微粒子を添加することによって、焼成時の収縮率を
抑制することができるが、その量は、40重量%以下が
好ましい。
【0037】用いるガラス粉末としては、焼成時にガラ
ス基板にそりを生じさせないためには線膨脹係数が50
×10-7〜90×10-7、更には、60×10-7〜90
×10-7のガラス微粒子を用いることが好ましい。
【0038】隔壁を形成する素材としては、ケイ素およ
び/またはホウ素の酸化物を含有したガラス材料が好ま
しく用いられる。
【0039】酸化ケイ素は、3〜60重量%の範囲で配
合されていることが好ましい。3重量%以上とすること
で、ガラス層の緻密性、強度や安定性が向上し、また、
熱膨脹係数を所望の範囲内とし、ガラス基板とのミスマ
ッチを防ぐことができる。また、60重量%以下にする
ことによって、熱軟化点が低くなり、ガラス基板への焼
き付けが可能になるなどの利点がある。
【0040】酸化ホウ素は、5〜50重量%の範囲で配
合することによって、電気絶縁性、強度、熱膨脹係数、
絶縁層の緻密性などの電気、機械および熱的特性を向上
することができる。50重量%以下とすることでガラス
の安定性を保つことができる。
【0041】さらに、酸化ビスマス、酸化鉛、酸化亜鉛
のうちの少なくとも1種類を合計で5〜50重量%含有
させることによって、ガラス基板上にパターン加工する
のに適した温度特性を有するガラスペーストを得ること
ができる。特に、酸化ビスマスを5〜50重量%含有す
るガラス微粒子を用いると、ペーストのポットライフが
長いなどの利点が得られる。ビスマス系ガラス微粒子と
しては、次の組成を含むガラス粉末を用いることが好ま
しい。 酸化ビスマス :10〜40重量部 酸化ケイ素 : 3〜50重量部 酸化ホウ素 :10〜40重量部 酸化バリウム : 8〜20重量部 酸化アルミニウム:10〜30重量部。
【0042】また、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸
化カリウムのうち、少なくとも1種類を3〜20重量%
含むガラス微粒子を用いてもよい。アルカリ金属酸化物
の添加量は、20重量%以下、好ましくは、15重量%
以下にすることによって、ペーストの安定性を向上する
ことができる。上記3種のアルカリ金属酸化物の内、酸
化リチウムがペーストの安定性の点で、特に好ましい。
リチウム系ガラス微粒子としては、例えば次に示す組成
を含むガラス粉末を用いることが好ましい。
【0043】この場合の具体的なガラス微粒子として
は、次に示す組成を含むガラス粉末を用いることが好ま
しい。 酸化リチウム : 2〜15重量部 酸化ケイ素 :15〜50重量部 酸化ホウ素 :15〜40重量部 酸化バリウム : 2〜15重量部 酸化アルミニウム: 6〜25重量部。
【0044】また、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛の
ような金属酸化物と酸化リチウム,酸化ナトリウム、酸
化カリウムのようなアルカリ金属酸化物の両方を含有す
るガラス微粒子を用いれば、より低いアルカリ含有量
で、熱軟化温度や線膨脹係数を容易にコントロールする
ことができる。
【0045】また、ガラス微粒子中に、酸化アルミニウ
ム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウ
ム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなど、特
に、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化亜鉛を添加
することにより、加工性を改良することができるが、熱
軟化点、熱膨脹係数の点からは、その含有量は、40重
量部以下が好ましく、より好ましくは25重量部以下で
ある。
【0046】感光性成分を含む有機成分としては、感光
性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーのうち
の少なくとも1種類から選ばれた感光性成分を含有する
ことが好ましく、更に、必要に応じて、光重合開始剤、
光吸収剤、増感剤、有機溶媒、増感助剤、重合禁止剤等
を添加する。
【0047】光重合開始剤の具体的な例として、ベンゾ
フェノン、O-ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビ
ス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス
(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロ
ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルフェニル
ケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,3−ジ
エトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フ
ェニル−2−フェニルアセトフェノンなどが挙げられ
る。これらを1種または2種以上使用することができ
る。光重合開始剤は、感光性成分に対し、好ましくは
0.05〜10重量%の範囲で添加され、より好ましく
は、0.1〜5重量%の範囲で添加される。重合開始剤
の量が少な過ぎると、光感度が低下する傾向にあり、光
重合開始剤の量が多すぎると、露光部の残存率が小さく
なり過ぎる傾向にある。
【0048】光吸収剤を添加することも有効である。紫
外光や可視光の吸収効果が高い化合物を添加することに
よって、高アスペクト比、高精細、高解像度が得られ
る。光吸収剤としては、有機系染料からなるものが好ま
しく用いられる、具体的には、アゾ系染料、アミノケト
ン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アント
ラキノン系染料、ベンゾフェノン系染料、ジフェニルシ
アノアクリレート系染料、トリアジン系染料、p−アミ
ノ安息香酸系染料などが使用できる。有機系染料は、焼
成後の絶縁膜中に残存しないので、光吸収剤による絶縁
膜特性の低下を少なくできるので好ましい。これらの中
でも、アゾ系およびベンゾフェノン系染料が好ましい。
有機染料の添加量は、0.05〜5重量%が好ましく、
より好ましくは、0.05〜1重量%である。添加量が
少なすぎると、光吸収剤の添加効果が減少する傾向にあ
り、多すぎると、焼成後の絶縁膜特性が低下する傾向に
ある。
【0049】増感剤は、感度を向上させるために添加さ
れる。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオ
キサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビ
ス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、
2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘ
キサノンなどが挙げられる。これらを1種または2種以
上使用することができる。増感剤を感光性ペーストに添
加する場合、その添加量は、感光性成分に対して通常
0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜10重
量%である。増感剤の量が少な過ぎると光感度を向上さ
せる効果が発揮されない傾向にあり、増感剤の量が多過
ぎると、露光部の残存率が小さくなる傾向にある。
【0050】有機溶媒としては、例えば、メチルセロソ
ルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエ
チルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノ
ン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスル
フォキシド、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロリド
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブ
ロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、ク
ロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する
有機溶媒混合物が用いられる。ここで、感光性ペースト
は、通常、上記の無機微粒子や有機成分を所定の組成に
なるように調合した後、3本ローラーや混練機で均質に
混合分散し作製する。
【0051】次いで所定の隔壁間に、RGB各色に発光
する蛍光体層を形成する。蛍光体層は、蛍光体粉末、有
機バインダーおよび有機溶媒を主成分とする蛍光体ペー
ストを所定の隔壁間に塗着させ、乾燥し、必要に応じて
焼成することにより形成することができる。
【0052】蛍光体ペーストを所定の隔壁間に塗着させ
る方法としては、スクリーン印刷版を用いてパターン印
刷するスクリーン印刷法、吐出ノズルの先端から蛍光体
ペーストをパターン吐出するディスペンサー法、また、
蛍光体ペーストの有機バインダーとして前述の感光性を
有する有機成分を用いた感光性ペースト法により各色の
蛍光体ペーストを所定の場所に塗着させることができ
る。
【0053】R蛍光体層の厚みをTr、G蛍光体層の厚
みをTg、および、B蛍光体層の厚みをTbとしたと
き、好ましくは、 10μm≦Tr<Tb≦50μm 10μm≦Tg<Tb≦50μm なる関係を有することにより、より本発明の効果を発揮
できる。つまり、発光輝度の低い青色について、厚みを
緑色、赤色よりも厚くすることにより、より色バランス
に優れた(色温度の高い)プラズマディスプレイを作製
できる。蛍光体層の厚みとしては、10μm以上とする
ことで十分な輝度を得ることができる。また、50μm
以下とすることで放電空間を広くとり高い輝度を得るこ
とができる。この場合の蛍光体層の厚みは、隣り合う隔
壁の中間点での形成厚みとして測定する。つまり、放電
空間(セル内)の底部に形成された蛍光体層の厚みとし
て測定する。
【0054】塗着させた蛍光体層を必要に応じて、40
0〜550℃で焼成する事により、本発明のプラズマデ
ィスプレイ用部材を作製することができる。
【0055】このプラズマディスプレイ用部材を背面板
として用いて、前面板と封着後、前背面の基板間隔に形
成された空間に、ヘリウム、ネオン、キセノンなどから
構成される放電ガスを封入後、駆動回路を装着してプラ
ズマディスプレイを作製できる。前面板は、基板上に所
定のパターンで透明電極、バス電極、誘電体、保護膜
(MgO)を形成した部材である。背面板上に形成され
たRGB各色蛍光体層に一致する部分にカラーフィルタ
ー層を形成しても良い。また、コントラストを向上する
ために、ブラックストライプを形成しても良い。
【0056】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて、具体的に
説明する。ただし、本発明はこれに限定はされない。な
お、実施例、比較例中の濃度(%)は重量%である。 (透過率の測定方法)光線透過率の測定は、島津製作所
製の分光光度計(UV−3101PC)を用いて行っ
た。測定条件は次の通りである。 試料厚み :40μm 試料セル :石英 スリット幅:7.5nm 測定速度 :SLOW(約100nm/min) 光源 :ハロゲンランプ 測定波長 :365nm 白版 :BaSO4(サンプル側) 副白板 :BaSO4(リファレンス側) 入射角 :0° 試料室 :マルチパーパス大形試料室ユニット(島津
製作所製MPC−3100型) 積分球 :60φ積分球 検出器 :ホトマルおよびPbSセル データ処理:MCB17JH20/PC9801。 (実施例1〜4、比較例1〜2)まず前面板を作製し
た。旭硝子社製ガラス基板PD200上に、ITOを用
いて、ピッチ375μm、線幅150μmのスキャン電
極を形成した。また、その基板上に感光性銀ペーストを
塗布した後に、フォトマスクを介したマスク露光、0.
3%炭酸ナトリウム水溶液を用いた現像、580℃で1
5分間の焼成工程を経て、線幅50μm、厚み3μmの
バス電極を形成した。
【0057】次に、酸化鉛を75重量%含有する低融点
ガラスの粉末を70%、エチルセルロース20%、テル
ピネオール10%を混練して得られたガラスペーストを
スクリーン印刷により、表示部分のバス電極が覆われる
ように50μmの厚みで塗布した後に、570℃15分
間の焼成を行って前面誘電体を形成した。
【0058】誘電体を形成した基板上に電子ビーム蒸着
により保護膜として、厚み0.5μmの酸化マグネシウ
ム層を形成して前面板を作製した。
【0059】次に、背面板を作製した。ガラス基板PD
200上に感光性銀ペースト用いてアドレス電極を作成
した。感光性銀ペーストを塗布、乾燥、露光、現像、焼
成工程を経て、線幅50μm、厚み3μm、ピッチ25
0μmのアドレス電極を形成した。
【0060】次に、酸化ビスマスを75重量%含有する
低融点ガラスの粉末を60%、平均粒子径0.3μmの
酸化チタン粉末を10重量%、エチルセルロース15
%、テルピネオール15%を混練して得られたガラスペ
ーストをスクリーン印刷により、表示部分のバス電極が
覆われるように50μmの厚みで塗布した後に、570
℃15分間の焼成を行って前面誘電体層を形成した。
【0061】誘電体上に、表1に示す組成の感光性ペー
ストを塗布、乾燥し、第1層目と第2層目の感光性塗布
膜を形成した。表1に示した以外の感光性ペーストの組
成は、ガラス粉末として:酸化リチウム10重量%、酸
化珪素25重量%、酸化硼素30重量%、酸化亜鉛15
重量%、酸化アルミニウム5重量%、酸化カルシウム1
5重量%からなる組成のガラスを粉砕した平均粒子径2
μmのガラス粉末、有機成分として、ポリマー:メチル
メタクリレート/メタクリル酸共重合体(重量平均分子
量31000、酸価110)30重量%、有機溶剤:ジ
プロピレングリコールモノメチルエーテル30重量%で
ある。また、表1のモノマーは、30重量%、開始剤
は、10重量%である。
【0062】
【表1】
【0063】感光性ペーストは、これらのガラス粉末と
感光性成分を含む有機成分をそれぞれ70:30の重量
比率で混合した後に、ロールミルで混練して作製した。
塗布は、ダイコーターを用いて、1層目と2層目それぞ
れが乾燥後厚み90μmになるように塗布した。乾燥
は、クリーンオーブン(ヤマト科学社製)を用いて80
℃で30分間行った。
【0064】乾燥後、アドレス電極と直角方向および平
行方向にピッチ250μm、線幅30μmの格子状パタ
ーンを有するフォトマスクを用いて露光した(露光量1
500mJ/cm2)。アドレス電極と直角方向および
平行方向の透光部パターンの透過率を表1に示した。透
過率は、アドレス電極と直角方向の透過部パターン上に
クロムを薄く形成して、変化させた。透過率を測定する
光の波長は、感光性塗布膜を露光する光の波長で測定す
ることが効果を確認する上で正確である。したがって、
365nmでの測定値とした。
【0065】露光後、0.5重量%の炭酸ナトリウム水
溶液中で現像し、さらに、560℃で15分間焼成し、
隔壁と補助隔壁得た。
【0066】次に、隣り合う隔壁間に蛍光体を塗布し
た。蛍光体の塗布は、256カ所の穴(口径:130μ
m)が形成されたノズル先端から蛍光体ペーストを吐出
するディスペンサー法により形成した。蛍光体は隔壁側
面に焼成後厚み25μm、誘電体上に焼成後厚み25μ
mになるように塗布した後に、500℃で10分間の焼
成を行った。かくしてPDP用部材として、背面板を作
製した。
【0067】さらに、作製した前面基板と背面基板を封
着ガラスを用いて封着して、Xe5%含有のNeガスを
内部ガス圧66500Paになるように封入した。さら
に、駆動回路を実装してPDPを作製した。PDPのス
キャン電極に電圧を印加して発光させた。その輝度計を
用いて輝度を測定したところ、実施例1〜4では、25
0cd/m2であり、高い輝度の表示特性を得ることが
できた。
【0068】一方、比較例1では、1層目と2層目の感
光性塗布膜の感度が同じであったために、隔壁と補助隔
壁の高さが同じになり、補助隔壁上にも蛍光体が形成さ
れ、前面基板との封着ができず、PDPが作製できなか
った。また、比較例2では、フォトマスクの透過率が同
じであったために、隔壁と補助隔壁の高さが同じにな
り、補助隔壁上にも蛍光体が形成され、前面基板との封
着ができず、PDPが作製できなかった。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、簡略な工程によりアド
レス電極と平行方向の隔壁とアドレス電極と直角方向の
補助隔壁とを高精度に形成し、表示品位に優れたプラズ
マディスプレイ用部材の製造方法、およびプラズマディ
スプレイを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で形成する隔壁および補助隔壁の形状の
一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C 隔壁 2A、2B、2C、2D 補助隔壁 3 誘電体層 4 アドレス電極 5 ガラス基板
フロントページの続き Fターム(参考) 5C027 AA09 5C040 GF03 GF13 GF18 GF19 JA15 JA32 KA10 KA16 KB03 KB19 MA26 5C094 AA02 BA31 CA19 CA24 DA11 EA04 EB02 EC04 FB12 FB15 FB16 5G435 AA17 BB06 EE33 FF01 HH12 HH14 HH16 KK05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極を形成した基板上に隔壁と補助隔壁を
    形成する工程を含むプラズマディスプレイ用部材の製造
    方法であって、少なくとも下記の(A)〜(C)の工程
    を順に含むことを特徴とするプラズマディスプレイ用部
    材の製造方法。 (A)第1層目の感光性塗布膜を形成する工程、(B)
    第1層目の感光性塗布膜上に活性光線に対する感度の異
    なる第2層目の感光性塗布膜を形成する工程、(C)電
    極と平行方向および直角方向に格子状のパターンが形成
    されたフォトマスクを介して露光する工程。
  2. 【請求項2】第1層目の感光性塗布膜が、第2層目の感
    光性塗布膜よりも活性光線に対する感度が高いことを特
    徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイ用部材の
    製造方法。
  3. 【請求項3】電極と平行方向および直角方向に格子状の
    パターンが形成されたフォトマスクであって、電極と平
    行方向の透光部パターンの透過率と電極と直角方向の透
    光部パターンの透過率とが異なることを特徴とする請求
    項1または2記載のプラズマディスプレイ用部材の製造
    方法。
  4. 【請求項4】電極と平行方向および直角方向に格子状の
    パターンが形成されたフォトマスクであって、電極と平
    行方向の透光部パターンの透過率と電極と直角方向の透
    光部パターンの透過率との差が10%以上であることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマデ
    ィスプレイ用部材の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法
    により製造したプラズマディスプレイ用部材を背面板と
    して用いたことを特徴とするプラズマディスプレイ。
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