JP2001052616A - プラズマディスプレイ用部材およびそれを用いたプラズマディスプレイ - Google Patents

プラズマディスプレイ用部材およびそれを用いたプラズマディスプレイ

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JP2001052616A
JP2001052616A JP22835499A JP22835499A JP2001052616A JP 2001052616 A JP2001052616 A JP 2001052616A JP 22835499 A JP22835499 A JP 22835499A JP 22835499 A JP22835499 A JP 22835499A JP 2001052616 A JP2001052616 A JP 2001052616A
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barrier ribs
glass
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auxiliary wall
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JP22835499A
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Tetsuo Uchida
哲夫 内田
Yukichi Deguchi
雄吉 出口
Takeshi Horiuchi
健 堀内
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】隔壁長手方向の跳ね上がりがなく、盛り上がり
も充分に小さい隔壁を有するプラズマディスプレイ部材
と、それを用いたクロストーク発生のないプラズマディ
スプレイを提供する。 【解決手段】基板上に隔壁を形成し、隔壁の端部に、隔
壁の長手方向と垂直に少なくとも1本の接合補助壁を形
成したことを特徴とするプラズマディスプレイ用部材。
また、前記プラズマディスプレイ部材を用いることを特
徴とするプラズマディスプレイ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイ部材およびそれを用いたプラズマディスプレイに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイパネル(以下、P
DPとも呼ぶ)は、液晶パネルに比べ高速表示が可能で
あり、かつ大型化が容易であることから、OA機器およ
び広報表示装置などの分野に浸透している。また、高品
位テレビジョンの分野などでの進展が期待されている。
このような用途拡大に伴って、繊細で多数の表示セルを
有するカラーPDPが注目されている。
【0003】PDPは、前面板と背面板との間に設けら
れた放電空間内で、対向するアノード/カソード電極間
にプラズマ放電を生じさせ、上記放電空間内に封入され
ているガスから発生した紫外線を、放電空間内に設けた
蛍光体にあてることにより表示を行うものである。この
場合、放電の広がりを一定領域に抑え、表示を規定のセ
ル内で行わせると同時に、均一な放電空間を確保するた
めに隔壁(障壁、リブともいう)が設けられている。
【0004】隔壁は通常、幅30〜80μm、高さ70
〜160μmであるが、その形成方法としては、スクリ
ーン印刷法、感光性ペースト(フォトリソグラフィー
法)、サンドブラスト法、あるいは、金型形成法等が提
案されている。
【0005】上記のいずれの方法においても、ガラスか
らなる絶縁性のペースト状物を隔壁パターン形状に形成
した後、焼成することにより隔壁を形成する。しかしな
がら隔壁の焼成においては、隔壁の長手方向端部におい
て、隔壁上部と下部の焼成収縮差や、下地である誘電体
層との焼結不良により、隔壁がガラス基板から剥がれる
という問題があった。
【0006】この剥がれが隔壁端部にあると、前面板と
背面板を合わせてパネルを形成した際に、背面板の隔壁
頂部と前面板の間にギャップが生じる。このギャップに
より、放電時にクロストークが発生し、映像に乱れが生
じる場合があった。
【0007】上記した隔壁の剥がれを防止する方法とし
て、特開平6−150828号公報には、隔壁を多層構
造にして、上層と下層の組成を変え、下層に上層よりも
低融点のガラスを設ける方法が、また、特開平6−15
0831号公報には、端部の下地にアンダーガラス層を
設ける方法が提案されている。しかしながら、いずれの
方法においても剥がれを防ぐには十分でなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、隔壁
端部の剥がれがなく、極めて均一な表示品位を有するプ
ラズマディスプレイ用部材とそれを用いたプラズマディ
スプレイを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、基板
上に隔壁を形成し、隔壁の端部に、隔壁の長手方向と垂
直に少なくとも1本の接合補助壁を形成したことを特徴
とするプラズマディスプレイ部材である。
【0010】また本発明は、上記のプラズマディスプレ
イ用部材を用いたことを特徴とするプラズマディスプレ
イである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をPDPの作製手
順に沿って説明する。
【0012】本発明のプラズマディスプレイ用部材(以
下PDP用部材とも呼ぶ)としての背面板に用いる基板
としては、ソーダガラスの他にPDP用の耐熱ガラスで
ある旭硝子社製の“PD200”や日本電気硝子社製の
“PP8”を用いることができる。
【0013】ガラス基板上に銀やアルミニウム、クロ
ム、ニッケルなどの金属によりアドレス電極を形成す
る。形成する方法としては、これらの金属の粉末と有機
バインダーを主成分とする金属ペーストをスクリーン印
刷でパターン印刷する方法や、有機バインダーとして感
光性有機成分を用いた感光性金属ペーストを塗布した後
に、フォトマスクを用いてパターン露光し、不要な部分
を現像工程で溶解除去し、さらに、400〜600℃に
加熱・焼成して金属パターンを形成する感光性ペースト
法を用いることができる。また、ガラス基板上にクロム
やアルミニウム等の金属をスパッタリングした後に、レ
ジストを塗布し、レジストをパターン露光・現像した後
にエッチングにより、不要な部分の金属を取り除くエッ
チング法を用いることができる。電極厚みは1〜10μ
mが好ましく、2〜5μmがより好ましい。電極厚みが
薄すぎると抵抗値が大きくなり正確な駆動が困難となる
傾向にあり、厚すぎると材料が多く必要になり、コスト
的に不利な傾向にある。アドレス電極の幅は好ましくは
20〜200μm、より好ましくは30〜100μmで
ある。アドレス電極の幅が細すぎると抵抗値が高くなり
正確な駆動が困難となる傾向にあり、太いすぎると隣合
う電極間の距離が小さくなるため、ショート欠陥が生じ
やすい傾向にある。さらに、アドレス電極は表示セル
(画素の各RGBを形成する領域)に応じたピッチで形
成される。通常のPDPでは100〜500μm、高精
細PDPにおいては100〜250μmのピッチで形成
するのが好ましい。
【0014】次いで誘電体層を好ましく形成する。誘電
体層はガラス粉末と有機バインダーを主成分とするガラ
スペーストをアドレス電極を覆う形で塗布した後に、4
00〜600℃で焼成することにより形成できる。誘電
体層に用いるガラスペーストには、酸化鉛、酸化ビスマ
ス、酸化亜鉛、酸化リンの少なくとも1種類以上を含有
し、これらを合計で10〜80重量%含有するガラス粉
末を好ましく用いることができる。10重量%以上とす
ることで、600℃以下での焼成が容易になり、80重
量%以下とすることで、結晶化を防ぎ透過率の低下を防
止する。これらのガラス粉末と有機バインダーと混練し
てペーストを作成できる。用いる有機バインダーとして
は、エチルセルロース、メチルセルロース等に代表され
るセルロース系化合物、メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチルア
クリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレ
ート等のアクリル系化合物等を用いることができる。ま
た、ガラスペースト中に、溶媒、可塑剤等の添加剤を加
えても良い。溶媒としては、テルピネオール、ブチロラ
クトン、トルエン、メチルセルソルブ等の汎用溶媒を用
いることができる。また、可塑剤としてはジブチルフタ
レート、ジエチルフタレート等を用いることができる。
ガラス粉末以外にフィラー成分を添加することにより、
反射率が高く、輝度の高いPDPを得ることができる。
フィラーとしては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸
化ジルコニウム等が好ましく、粒子径0.05〜3μm
の酸化チタンを用いることが特に好ましい。フィラーの
含有量はガラス粉末:フィラーの比で、1:1〜10:
1が好ましい。フィラーの含有量をガラス粉末の10分
の1以上とすることで、輝度向上の実効を得ることがで
きる。また、ガラス粉末の等量以下とすることで、焼結
性を保つことができる。また、導電性微粒子を添加する
ことにより駆動時の信頼性の高いPDPを作成すること
ができる。導電性微粒子は、ニッケル、クロムなどの金
属粉末が好ましく、粒子径は1〜10μmが好ましい。
1μm以上とすることで十分な効果を発揮でき、10μ
m以下とすることで誘電体上の凹凸を抑え隔壁形成を容
易にすることができる。これらの導電性微粒子が誘電体
層に含まれる含有量としては、0.1〜10重量%が好
ましい。0.1重量%以上とすることで実効を得ること
ができ、10重量%以下とすることで、隣り合うアドレ
ス電極間でのショートを防ぐことができる。誘電体層の
厚みは好ましくは3〜30μm、より好ましくは3〜1
5μmである。誘電体層の厚みが薄すぎるとピンホール
が多発する傾向にあり、厚すぎると放電電圧が高くな
り、消費電力が大きくなる傾向にある。
【0015】次いで、基板もしくは誘電体層上に、隔壁
および接合補助壁を形成する。隔壁は、放電セルを仕切
るために、アドレス電極と平行方向に形成する。隔壁の
高さは、80μm〜200μmが適している。80μm
以上とすることで蛍光体とスキャン電極が近づきすぎる
のを防ぎ、放電による蛍光体の劣化を防ぐことができ
る。また、200μm以下とすることで、スキャン電極
での放電と蛍光体の距離を近づけ、十分な輝度を得るこ
とができる。隔壁のピッチ(P)は、100μm≦P≦
500μmのものがよく用いられる。また、高精細プラ
ズマディスプレイとしては、隔壁のピッチ(P)が、1
00μm≦P≦250μmである。100μm以上とす
ることで放電空間を広くし十分な輝度を得ることがで
き、500μm以下とすることで画素の細かいきれいな
映像表示ができる。250μm以下にすることにより、
HDTV(ハイビジョン)レベルの美しい映像を表示す
ることができる。線幅(L)は、半値幅で10μm≦L
≦90μmであることが好ましい。10μm以上とする
ことで強度を保ち、前面板と背面板を封着する際に破損
が生じるのを防ぐことができる。また、90μm以下と
することで蛍光体の形成面積を大きくとることができ高
い輝度を得ることができる。
【0016】また、隔壁の断面形状は台形や矩形に形成
することができる。
【0017】本発明では、隔壁の端部に、隔壁の長手方
向と垂直に接合補助壁を形成することが重要である。接
合補助壁を形成することにより、隔壁の焼成工程におい
て、隔壁長手方向端部が跳ね上がり、盛り上がり、を防
ぐことができる。その原理は明らかではないが、例えば
隔壁の焼成収縮による応力が接合補助壁の延在方向に分
散されることが考えられる。
【0018】本発明でいう跳ね上がりとは、隔壁と隔壁
下地との界面で剥離が生じ、さらに焼成収縮により隔壁
頂部が大きく収縮し、隔壁長手方向端部が上に跳ね上が
る状態をいう。この跳ね上がりは、隔壁長手方向の端部
の形態を顕微鏡により観察することで確認できる。
【0019】また盛り上がりとは、隔壁と隔壁下地界面
との剥離は生じないが、隔壁頂部が隔壁パターンの内側
に大きく収縮し、隔壁の長手方向端部の高さが高くなる
現象をいう。
【0020】本発明では、通常部の隔壁高さと盛り上が
った隔壁端部の最大高さの差を盛り上がり量とする。ま
た隔壁高さあるいは隔壁の盛り上がった部分の高さは、
レーザー変位計等により測定できる。
【0021】本発明では隔壁の長手方向端部の跳ね上が
りは全く生じず、また盛り上がり量もPDP用部材とし
ての許容範囲である5μm以下、さらには3μm以下に
抑えることができる。
【0022】接合補助壁は、PDPとして組み立てた際
に表示領域の外側となるような端部の位置に設けること
が好ましい。
【0023】図1に示すように隔壁が接合補助壁に対し
て突出した端部の長さは0.5mm以下、好ましくは
0.3mm以下、さらには0.1mm以下であることが
好ましい。長さLが長すぎると、本発明の効果が薄れ、
隔壁長手方向端部の跳ね上がりや盛り上がりが発生しや
すくなる傾向にある。
【0024】接合補助壁の高さは、隔壁高さの1/8〜
2/3であることが好ましい。接合補助壁の高さが低す
ぎると本発明の効果が薄れ、隔壁長手方向端部の跳ね上
がりや盛り上がりが起こりやすくなる傾向にある。また
接合補助壁の高さが高すぎると、後述する前面板との封
着が困難になる傾向にある。
【0025】接合補助壁の線幅は、半値幅で10〜90
μmであることが好ましい。10μm以上とすること
で、跳ね上がり・盛り上がり防止の効果を得ることがで
きる。また、90μm以下とすることで、断線等の発生
を抑え、焼成を容易にすることができる。また、接合補
助壁は、一方の隔壁端部に対して数本が並立した形態の
ものであってもよい。
【0026】また、隔壁や接合補助壁の他に、隔壁と発
光補助隔壁を形成しても良い。発光補助隔壁は、表示画
面領域に画素単位で、隔壁と垂直もしくは平行方向に形
成することにより、蛍光体層の形成面積を大きくし輝度
を向上する効果を有する。発光補助隔壁を隔壁と垂直方
向に形成すれば、RGBの全ての色に対して輝度を向上
させることができる。また、発光補助隔壁を、例えば青
色の隔壁間に設けることにより、青色の輝度を選択的に
向上させることができる。
【0027】隔壁と垂直方向に発光補助隔壁を形成する
場合には、発光補助隔壁の高さは、隔壁の高さよりも低
いことが好ましく、さらには隔壁の高さの1/2〜5/
6の高さであることが好ましい。補助隔壁の高さを隔壁
の高さの1/2以上とすることで、発光面積を大きくと
ることによる輝度向上の効果を得ることができる。ま
た、隔壁よりも低くすることで、製造工程において蛍光
体層の形成を容易にすることができる。また、隔壁と垂
直方向の発光補助隔壁の高さを接合補助壁と同じ高さと
する場合には、後述するパターン形成においてスクリー
ン版やフォトマスクの枚数を減らせるなど工程の簡略化
が可能となり、好ましい。
【0028】本発明で隔壁、接合補助壁および発光補助
隔壁を形成する方法としては、スクリーン印刷法、感光
性ペースト法(フォトリソグラフィー法)、サンドブラ
スト法、金型形成法等公知の技術を適用できるが、接合
補助壁や発光補助隔壁の高さの調整が容易であるという
点からスクリーン印刷法や感光性ペースト法、金型転写
法が好ましく適用される。
【0029】スクリーン印刷法で、例えば隔壁、接合補
助壁、隔壁と垂直な発光補助隔壁を、それぞれの高さが
接合補助壁=発光補助隔壁≦隔壁となるように形成する
場合には、格子状のパターンが形成されたスクリーン版
によって印刷を繰り返し、収縮分を考慮した接合補助壁
および発光補助隔壁の高さまでの隔壁パターンを形成し
ていく。さらにそのあとアドレス電極と平行方向のスト
ライプ状のパターンのみ形成されたスクリーン版によ
り、先のパターンに上乗せをする形で隔壁の高さ方向の
残りの部分を形成することができる。
【0030】感光性ペースト法で、上記と同様の隔壁、
接合補助壁および補助隔壁を形成する場合には、まず基
板上に収縮分を考慮した接合補助壁および発光補助隔壁
の高さ分の感光性ペーストの下層の塗布膜を形成し、ア
ドレス電極と垂直方向のストライプを有する接合補助壁
および発光補助隔壁形成用のフォトマスクを介し一度露
光し、さらに残りの高さ分の隔壁を形成するのに必要な
量の感光性絶縁ペーストを上層の塗布膜として追加塗布
し、アドレス電極と平行方向のストライプを有するフォ
トマスクを介し露光し、現像することで形成することが
できる。特にこの方法は、下層と上層の極めて精緻な位
置合わせを必要とせずとも下層と上層にまたがる隔壁を
形成できるため、好ましい。
【0031】また、金型転写法で形成する場合、図1に
示すような形状のものが得られる雌型金型を用意し、こ
の金型に絶縁ペーストを充填し、基板上に転写させる方
法や、基板上に絶縁ペーストを必要量全面塗布し、雌型
金型を塗布膜に押しつけ、金型を剥離することで所望の
パターンを形成する方法が適用される。
【0032】本発明の絶縁ペーストは、有機成分とガラ
ス粉末を含む、ものが好ましく適用される。ガラス粉末
は、ガラス転移点が400〜550℃、軟化点が450
〜580℃のガラス材料で構成されるものとすることが
好ましい。ガラス転移点、軟化点が高すぎると、隔壁を
高温で焼成することとなり、焼成の際に基板に歪みが生
じる傾向にある。またガラス転移点、軟化点が低すぎる
と、隔壁の緻密性が低下し、また、隔壁の剥がれ、断
線、蛇行の原因となる傾向にある。なお、本発明におい
てガラス転移点、軟化点は次の方法で測定される値を意
味するものとする。すなわち、示差熱分析(DTA)法
を用いて、ガラス試料100mgを20℃/分の昇温速
度により空気中で加熱し、横軸に温度、縦軸に熱量をプ
ロットし、DTA曲線を描き、DTA曲線よりガラス転
移点と軟化点を読みとる。
【0033】さらに、基板ガラスに用いられる一般的な
高歪み点ガラスの熱膨張係数が80〜90×10-7
Kであることから、基板の反り、パネル封着時の割れを
防止する点、隔壁の剥がれや断線を防ぐ点から、上記ガ
ラス材料の50〜400℃の熱膨張係数(α50400
が、50〜90×10-7/K、特に60〜90×10- 7
/Kであることが好ましい。
【0034】具体的なガラス粉末の組成としては、酸化
鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛のような金属酸化物を合計
で30〜90重量%含有するガラス粉末を挙げることが
できる。これらの金属酸化物の含有量が少なすぎると軟
化点の制御が難しくなる傾向にあり、多すぎると、ガラ
スの安定性が低くなり、ペーストの保存安定性が低下す
る傾向にある。
【0035】また、酸化リチウム、、酸化ナトリウム、
酸化カリウムのようなアルカリ金属酸化物を合計で2〜
10重量%含有するガラスであると、軟化点や熱膨張係
数のコントロールが容易になる。アルカリ金属酸化物の
合計含有量が少なすぎると軟化点の制御が難しくなる傾
向にある。また多すぎると、PDPとした場合放電時に
アルカリ金属酸化物の蒸発によって輝度低下をもたらす
傾向にある。特にアルカリ金属酸化物の添加量は、ペー
ストの安定性の点からも8重量%より小さいことが好ま
しく、より好ましくは6重量%以下である。
【0036】さらに、上記した酸化鉛、酸化ビスマス、
酸化亜鉛のような金属酸化物と、酸化リチウム、酸化ナ
トリウム、酸化カリウムのようなアルカリ金属酸化物の
両方を含有するガラスを用いることによって、より低い
アルカリ金属含有量で軟化点や熱膨張係数の制御が容易
になる。
【0037】その他、ガラス粉末中に他の金属酸化物、
例えば酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化カルシウ
ム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどを添加す
ることができる。
【0038】前記ガラス粉末の粒子径は、作製しようと
する隔壁パターンの線幅や高さを考慮して適宜選択され
るが、50体積%粒子径(平均粒子径D50)が1〜6
μm、最大粒子径サイズが30μm以下、比表面積が
1.5〜4m2/gであることが好ましい。より好まし
くは10体積%粒子径(D10)が0.4〜2μm、5
0体積%粒子径(D50)が1.5〜6μm、90体積
%粒子径(D90)が4〜15μm、最大粒子径サイズ
が25μm以下、比表面積が1.5〜3.5m2/gで
ある。さらにこのましくはD50が2〜4μm、比表面
積が1.5〜3m 2/gである。
【0039】本発明でガラス粉末粒子径は、例えばレー
ザー回析・散乱法により簡便に測定できる。例えば、粒
度分布計HRA9320−X100(マイクロトラック
社製)を用いた場合の測定条件は下記の通りである。 試料量 :1g 分散条件 :精製水中で1〜1.5分間超音波分散。分
散しにくい場合は0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム
水溶液中で行う。
【0040】さらに、ガラスペースト中に軟化点が55
0〜1200℃、さらに好ましくは650〜800℃で
あるフィラーを3〜60重量%含ませてもよい。これに
より、パターン形成後の焼成での収縮率が小さくなり、
パターン形成が容易になり、焼成時の形状保持性が向上
する。
【0041】フィラーとしては、チタニア、アルミナ、
チタン酸バリウム、ジルコニウムなどのセラミックや酸
化珪素、酸化アルミニウムを15重量%以上含有する高
融点ガラス粉末が好ましい。好ましい例として、以下の
組成を含有するガラス粉末を挙げることができる。 酸化珪素 :25〜50重量% 酸化ホウ素 : 5〜20重量% 酸化アルミニウム :25〜50重量% 酸化バリウム : 2〜10重量%。
【0042】フィラーの粒子径としては、平均粒子径1
〜6μmのものが好ましい。また、D10が0.4〜2
μm、D50が1〜3μm、D90が3〜8μm、より
好ましくはD90は3〜5μm、最大粒子サイズが10
μm以下、より好ましくは最大粒子サイズは5μm以
下、の粒度分布を有するものを使用することがパターン
形成を行う上で好ましい。ここでD10、D50、D9
0は、それぞれ、粒子を粒径の小さい順に累積してい
き、全量の10体積%、50体積%、90体積%に達し
たときの粒径を指す。D90が3〜5μmの細かい粉末
であることは、焼成収縮率を低くし、かつ気孔率が低い
隔壁を作製する点で優れていることから好ましい。また
隔壁上部の長手方向の凹凸が±2μm以下となり平坦性
の優れた隔壁となる。フィラーの粒径が大きすぎると、
気孔率が上昇し、また、隔壁上部の凹凸が大きくなり、
誤放電を引き起こす傾向にある。
【0043】また、ガラスペースト中に含まれる有機成
分は、隔壁パターンを形成する方法により適宜選択さ
れ、スクリーン印刷法や金型転写法を適用する場合、エ
チルセルロースに代表されるセルロース化合物、ポリイ
ソブチルメタクリレート、メタクリル酸エステル重合
体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル−
メタクリル酸エステル共重合体、ブチルメタクリレート
樹脂などに代表されるアクリルポリマー、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルブチラール、α−メチルスチレン
重合体などが挙げられる。
【0044】次に、感光性ペースト法において使用する
感光性ペーストの有機成分の好ましい態様について説明
する。感光性成分を含む有機成分としては、感光性モノ
マー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーのうちの少な
くとも1種類から選ばれた感光性成分を含有することが
好ましく、更に、必要に応じて、光重合開始剤、光吸収
剤、増感剤、有機溶媒、増感助剤、重合禁止剤を添加す
る。
【0045】感光性モノマーとしては、炭素−炭素不飽
和結合を含有する化合物で、その具体的な例として、単
官能および多官能性の(メタ)アクリレート類、ビニル
系化合物類、アリル系化合物類などを用いることができ
る。これらは1種または2種以上使用することができ
る。
【0046】感光性オリゴマー、感光性ポリマーとして
は、炭素−炭素2重結合を有する化合物のうちの少なく
とも1種類を重合して得られるオリゴマーやポリマーを
用いることができる。重合する際に、これらのモノマの
含有率が、10重量%以上、さらに好ましくは35重量
%以上になるように、他の感光性のモノマと共重合する
ことができる。ポリマーやオリゴマーに不飽和カルボン
酸などの不飽和酸を共重合することによって、感光後の
現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の具
体的な例として、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、
または、これらの酸無水物などが挙げられる。こうして
得られた側鎖にカルボキシル基などの酸性基を有するポ
リマ、もしくは、オリゴマーの酸価(AV)は、50〜
180の範囲が好ましく、70〜140の範囲がより好
ましい。以上に示したポリマーもしくはオリゴマーに対
して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させるこ
とによって、感光性をもつ感光性ポリマや感光性オリゴ
マーとして用いることができる。好ましい光反応性基
は、エチレン性不飽和基を有するものである。エチレン
性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル
基、メタクリル基などが挙げられる。
【0047】光重合開始剤の具体的な例として、ベンゾ
フェノン、O-ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビ
ス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス
(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロ
ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルフェニル
ケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,3−ジ
エトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フ
ェニル−2−フェニルアセトフェノンなどが挙げられ
る。これらを1種または2種以上使用することができ
る。光重合開始剤は、感光性成分に対し、好ましくは
0.05〜10重量%の範囲で添加され、より好ましく
は、0.1〜5重量%の範囲で添加される。重合開始剤
の量が少な過ぎると、光感度が低下する傾向にあり、光
重合開始剤の量が多すぎると、露光部の残存率が小さく
なり過ぎる傾向にある。
【0048】光吸収剤を添加することも有効である。紫
外光や可視光の吸収効果が高い化合物を添加することに
よって、高アスペクト比、高精細、高解像度が得られ
る。光吸収剤としては、有機系染料からなるものが好ま
しく用いられる、具体的には、アゾ系染料、アミノケト
ン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アント
ラキノン系染料、ベンゾフェノン系染料、ジフェニルシ
アノアクリレート系染料、トリアジン系染料、p−アミ
ノ安息香酸系染料などが使用できる。有機系染料は、焼
成後の絶縁膜中に残存しないので、光吸収剤による絶縁
膜特性の低下を少なくできるので好ましい。これらの中
でも、アゾ系およびベンゾフェノン系染料が好ましい。
有機染料の添加量は、0.05〜5重量%が好ましく、
より好ましくは、0.05〜1重量%である。添加量が
少なすぎると、光吸収剤の添加効果が減少する傾向にあ
り、多すぎると、焼成後の絶縁膜特性が低下する傾向に
ある。
【0049】増感剤は、感度を向上させるために添加さ
れる。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオ
キサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビ
ス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、
2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘ
キサノンなどが挙げられる。これらを1種または2種以
上使用することができる。増感剤を感光性ペーストに添
加する場合、その添加量は、感光性成分に対して通常
0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜10重
量%である。増感剤の量が少な過ぎると光感度を向上さ
せる効果が発揮されない傾向にあり、増感剤の量が多過
ぎると、露光部の残存率が小さくなる傾向にある。
【0050】有機溶媒としては、例えば、メチルセロソ
ルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエ
チルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノ
ン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスル
フォキシド、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロリド
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブ
ロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、ク
ロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する
有機溶媒混合物が用いられる。
【0051】ペーストは、通常、上記の無機微粒子や有
機成分を所定の組成になるように調合した後、3本ロー
ラーや混練機で均質に混合分散し作製することができ
る。
【0052】ペーストの塗布方法としては、スクリーン
印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコータ
ー、ブレードコーターなどを用いることができる。塗布
厚みは、塗布回数、スクリーンのメッシュ、ペーストの
粘度を選ぶことによって調整できる。
【0053】感光性ペースト法における露光の活性光源
は、例えば、可視光線、近紫外線、紫外線、電子線、X
線、レーザ光などが挙げられる。これらの中で紫外線が
最も好ましく、その光源として、例えば、低圧水銀灯、
高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯な
どが使用できる。これらのなかでも超高圧水銀灯が好適
である。露光条件は、塗布厚みによって異なるが、1〜
100mW/cm2の出力の超高圧水銀灯を用いて0.
1〜10分間露光を行うと良い。
【0054】感光性ペースト法における現像は、浸漬法
やスプレー法、ブラシ法等で行うことができる。現像液
は、感光性ペースト中の溶解させたい有機成分が溶解可
能である溶液を用いる。感光性ペースト中にカルボキシ
ル基などの酸性基をもつ化合物が存在する場合、アルカ
リ水溶液で現像できる。アルカリ水溶液としては、水酸
化ナトリウムや炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム水溶
液、水酸化カルシウム水溶液などが使用できるが、有機
アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除
去しやすいので好ましい。有機アルカリとしては、一般
的なアミン化合物を用いることができる。具体的には、
テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチル
ベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノール
アミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。アルカ
リ水溶液の濃度は、通常、0.01〜10重量%、より
好ましくは0.1〜5重量%である。アルカリ濃度が低
過ぎれば可溶部が除去されない傾向にあり、アルカリ濃
度が高過ぎれば、パターン部を剥離したり、また、非可
溶部を腐食させる傾向にある。また、現像時の現像温度
は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。
【0055】以上のように基板上に形成した隔壁、接合
補助壁および発光補助隔壁のパターンの焼成雰囲気や温
度は、ペーストや基板の種類によって異なるが、空気
中、窒素、水素等の雰囲気中で焼成する。焼成炉として
は、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉を用い
ることができる。より具体的には、昇温速度200〜4
00℃/時間で400〜600℃の温度とし、この温度
を10〜60分間保持して焼成を行うと良い。なお、焼
成温度は用いるガラス粉末によって決まるが、パターン
形成後の形が崩れず、かつガラス粉末の形状が残らない
適正な温度で焼成するのが好ましい。焼成温度が低すぎ
ると、気孔率、隔壁上部の凹凸が大きくなり、放電寿命
が短くなったり、誤放電を起こしやすくなったりする傾
向にある。また、焼成温度が高すぎると、パターン形成
時の形状が崩れ、隔壁上部が丸くなったり、隔壁等の所
望の高さが得られなくなる傾向にある。
【0056】次いで所定の隔壁間、あるいは隔壁と発光
補助隔壁との間に、RGB各色に発光する蛍光体層を形
成する。蛍光体層は、蛍光体粉末、有機バインダーおよ
び有機溶媒を主成分とする蛍光体ペーストを所定の隔壁
間に塗着させ、乾燥し、必要に応じて焼成することによ
り形成することができる。蛍光体ペーストを所定の隔壁
間に塗着させる方法としては、スクリーン印刷版を用い
てパターン印刷するスクリーン印刷法、吐出ノズルの先
端から蛍光体ペーストをパターン吐出するディスペンサ
ー法、また、蛍光体ペーストの有機バインダーとして前
述の感光性を有する有機成分を用いた感光性ペースト法
により各色の蛍光体ペーストを所定の場所に塗着させる
ことができる。
【0057】R蛍光体層の厚みをTr、G蛍光体層の厚
みをTg、および、B蛍光体層の厚みをTbとしたと
き、好ましくは、 10μm≦Tr≦Tb≦50μm 10μm≦Tg≦Tb≦50μm なる関係を有することにより、より本発明の効果を発揮
できる。つまり、発光輝度の低い青色について、厚みを
緑色、赤色よりも厚くすることにより、より色バランス
に優れた(色温度の高い)プラズマディスプレイを作製
できる。蛍光体層の厚みとしては、10μm以上とする
ことで十分な輝度を得ることができる。また、50μm
以下とすることで放電空間を広くとり高い輝度を得るこ
とができる。この場合の蛍光体層の厚みは、隣り合う隔
壁の中間点での形成厚みとして測定する。つまり、放電
空間(セル内)の底部に形成された蛍光体層の厚みとし
て測定する。
【0058】塗着させた蛍光体層を必要に応じて、40
0〜550℃で焼成する事により、本発明のプラズマデ
ィスプレイ用部材を作製することができる。
【0059】このプラズマディスプレイ用部材を背面板
として用いて、前面板と封着後、前背面の基板間隔に形
成された空間に、ヘリウム、ネオン、キセノンなどから
構成される放電ガスを封入後、駆動回路を装着してプラ
ズマディスプレイを作製できる。前面板は、基板上に所
定のパターンで透明電極、バス電極、誘電体、保護膜
(MgO)を形成した部材である。背面板上に形成され
たRGB各色蛍光体層に一致する部分にカラーフィルタ
ー層を形成しても良い。また、コントラストを向上する
ために、ブラックストライプを形成しても良い。
【0060】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。ただし本発明はこれに限定されるものではない。
尚、実施例中の濃度は断りない場合は重量%である。
【0061】[実施例1] (1)電極層形成 300mm角のガラス基板(旭硝子社製PD−200)
上に、平均粒径3μmの銀粉末を含む感光性銀ペースト
を用いて、ピッチ360μm、線幅150μmのストラ
イプ状電極(銀含有量95%)パターンを形成し、空気
中で590℃、30分間焼成することで、厚み5μmの
電極層を形成した。
【0062】(2)誘電体層形成 誘電体層形成用のガラスとして、次のような組成と特性
を有するものを使用した。 ガラスの組成:酸化ビスマス35%、酸化珪素7%、酸
化硼素21%、酸化バリウム13%、酸化アルミニウム
3%、酸化亜鉛21% ガラスの特性:平均粒径3.4μm、ガラス転移点46
6℃、軟化点(Tsd)480℃、 熱膨張係数77×
10-7/K、屈折率1.75。
【0063】誘電体ペーストは、エチルセルロース6%
テルピネオール溶液10重量部に上記ガラス粉末23重
量部とフィラー成分として石原産業(株)製ルチル型チ
タニア(R−550)4.5重量部を分散・混合した
後、三本ローラで混練して作成した。これを上記の電極
層を形成したガラス基板の上にスクリーン印刷法で乾燥
後の厚みが15μmとなるように塗布し、乾燥して誘電
体ペーストの塗布膜を形成した。
【0064】(3)隔壁、接合補助壁および発光補助隔
壁のパターン形成 感光性ポリマ(X−4007)の34%γ−ブチロラク
トン溶液32g、感光性モノマ(MGP400)10.
5g、光重合開始剤(IC−369)3.4g、増感剤
(DETX−S)3.4g、紫外線吸光剤(スダンIV)
0.04g、下記の組成と特性を有するガラス成分40
g、高軟化点のフィラー(酸化チタン系)9gの割合で
混合・予備混練した後、三本ロールにかけて感光性ペー
ストを作製した。 ガラスの組成:酸化リチウム9%、酸化珪素20%、酸
化硼素31%、酸化バリウム4%、酸化アルミニウム2
4%、酸化亜鉛2%、酸化マグネシウム6%、酸化カル
シウム4% ガラスの特性:平均粒径2.6μm、ガラス転移点47
4℃、軟化点535℃、熱膨張係数79×10-7/K。
【0065】感光性ペーストを乾燥厚み100μmにな
るようにスクリーン印刷を複数回繰り返して全面に塗布
した。塗布膜上に、アドレス電極と垂直方向にストライ
プを有するフォトマスクを置いて、12mW/cm2
出力の超高圧水銀灯の露光機で露光し、0.6J/cm
2の露光量を与えた。
【0066】次いで前記の一度露光した塗布膜上に、前
記と同一の感光性ペーストを乾燥後の全塗布厚みが19
0μmになるようにスクリーン印刷を数回繰り返して全
面塗布した。次いでアドレス電極と平行方向にフォトマ
スクを介して露光し0.8J/cm2の露光量を与え
た。
【0067】露光後、35℃に保持したモノエタノール
アミンの0.2%水溶液を120秒間シャワーすること
により現像し、さらに水洗し隔壁、接合補助壁および発
光補助隔壁のパターンを形成し、これを、575℃で1
5分間焼成することで、隔壁、接合補助壁および発光補
助隔壁を得た。接合補助隔壁は、PDPとして組み立て
た際に表示領域の外側となる端部に設けた。
【0068】隔壁の端部斜視状態を顕微鏡により観察
し、接合補助壁から突出した隔壁の長さ(L)、隔壁ピ
ッチ(P)、隔壁の頂部幅(Wtr)と半値幅(Wm
r)および接合補助壁と発光補助隔壁の頂部幅(Wt
h)と半値幅(Wmh)を測定し、また隔壁高さ(H
r)および接合補助壁と発光補助隔壁の高さ(Hh)を
ソキア社製レーザー変位計により測定し、結果を表1に
示した。
【0069】表1に示すとおり、本実施例により得られ
た隔壁は長手方向の跳ね上がりが無く、盛り上がり量も
小さいものであった。
【0070】(蛍光体層形成)次に、隣り合う隔壁間に
蛍光体を塗布した。蛍光体の塗布は、256カ所の穴
(口径:130μm)が形成されたノズル先端から蛍光
体ペーストを吐出するディスペンサー法により形成し
た。蛍光体は隔壁側面に焼成後厚み25μm、誘電体上
に焼成後厚み25μmになるように塗布した後に、50
0℃で10分間の焼成を行った。かくして、本発明のP
DP用部材として、背面板を得た。
【0071】(前面板作製)旭硝子社製ガラス基板PD
200上に、ITOを用いて、ピッチ375μm、線幅
150μmのスキャン電極を形成した。また、その基板
上に感光性銀ペーストを塗布した後に、フォトマスクを
介したマスク露光、0.3%炭酸ナトリウム水溶液を用
いた現像、580℃15分間の焼成工程を経て、線幅5
0μm、厚み3μmのバス電極を形成した。
【0072】次に、酸化鉛を75重量%含有する低融点
ガラスの粉末を70%、エチルセルロース20%、テル
ピネオール10%を混練して得られたガラスペーストを
スクリーン印刷により、表示部分のバス電極が覆われる
ように50μmの厚みで塗布した後に、570℃15分
間の焼成を行って前面誘電体を形成した。
【0073】誘電体を形成した基板上に電子ビーム蒸着
により保護膜として、厚み0.5μmの酸化マグネシウ
ム層を形成して前面板を作製した。
【0074】(PDP作製)得られた前面板と背面板を
封着ガラスを用いて封着して、350℃に加熱しながら
真空排気した後、Xe5%含有のNeガスを内部ガス圧
66500Paになるように封入した。さらに、駆動回
路を実装してPDPを作製した。PDPのスキャン電極
に電圧を印加して発光させ、表示品位を目視観察した。
本実施例のPDPは、クロストーク等の表示不良はな
く、輝度計を用いて輝度を測定したところ、250cd
/m2であり、高い輝度の表示特性を得ることができ
た。
【0075】[実施例2]隔壁等のパターン形成におい
て、下層の感光性ペーストの塗布厚みを100μmから
80μmに変更した以外は、実施例1を繰り返した。本
実施例においても、表1に示すように、隔壁の端部の跳
ね上がりはなく、端部の盛り上がりも充分に小さかっ
た。また、PDPはクロストーク等のない良好な表示特
性が得られた。
【0076】[比較例1]隔壁等のパターン形成におい
て、感光性ペーストを乾燥後の厚みが190μmになる
ようにスクリーン印刷を繰り返して塗布し、図5に示す
フォトマスクを介して0.8J/cm2 の露光量で露光
した以外は実施例1を繰り返した。
【0077】表1に示す通り、隔壁長手方向端部の跳ね
上がりが発生し、盛り上がりも大きく、また部分的に隔
壁長手方向端部が剥離しているものであった。また作製
したPDPにはクロストークが発生した。
【0078】[実施例3]隔壁等のパターン形成におい
て、実施例1の感光性ペーストの感光性ポリマ、感光性
モノマ、光重合開始剤、増感剤をエチルセルロースに変
更し、図2に示すようなスクリーン版を用い、多段印刷
することで、乾燥後厚みが90μmの下層のパターンを
形成し、ついで図3に示すようなスクリーン版を用い、
先の下層パターンと位置合わせをして多段印刷すること
で、上層の隔壁パターンを追加印刷、乾燥し、高さが1
85μmの隔壁、接合補助壁および発光補助隔壁のパタ
ーンを得た以外は実施例1を繰り返した。
【0079】表1に示す通り、隔壁長手方向端部の跳ね
上がりは発生せず、盛り上がり量も充分に小さいもので
あった。またPDPはクロストーク等のない良好な表示
特性が得られた。
【0080】
【表1】 略記号の説明 X−4007:40%メタクリル酸、30%メチルメタ
クリレート、30%スチレンからなる共重合体のカルボ
キシル基に対して0.4当量のグリシジルメタクリレー
トを付加反応させた重量平均分子量43,000、酸価
95の側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有
するポリマ。 MGP400:X2NCH(CH3)CH2(OCH2CH(CH3))nNX2 ここでX;-CH2CH(OH)CH2OCOCH(CH3)=CH2 IC−369:‘Irgacure-369’(チバ・ガイギー社製
品)2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モ
リフォリノフェニル)ブタノン−1 DETX−S:2,4−ジエチルチオキサントン
【0081】
【発明の効果】隔壁長手方向の跳ね上がりが発生せず、
盛り上がり量も充分に小さいプラズマディスプレイ部材
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマディスプレイ用部材の一例を
示す、隔壁端部における斜視図である。
【符号の説明】
1 隔壁 2 接合補助壁 3 アドレス電極 4 誘電体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C040 FA01 FA04 GB03 GB14 GF02 GF03 GF12 LA12 LA14 MA02 MA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に隔壁を形成し、隔壁の端部に、隔
    壁の長手方向と垂直に少なくとも1本の接合補助壁を形
    成したことを特徴とするプラズマディスプレイ用部材。
  2. 【請求項2】隔壁が接合補助壁に対して突出した端部の
    長さが0.5mm以下であることを特徴とする請求項1
    記載のプラズマディスプレイ用部材。
  3. 【請求項3】接合補助壁の高さが、隔壁の高さの1/8
    〜2/3であることを特徴とする請求項1または2記載
    のプラズマディスプレイ用部材。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれか記載のプラズマ
    ディスプレイ部材を用いたことを特徴とするプラズマデ
    ィスプレイ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
USRE41312E1 (en) 2001-04-09 2010-05-04 Fujitsu Hitachi Plasma Display Limited Method for forming partitions of plasma display panel by using sandblasting process

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USRE41312E1 (en) 2001-04-09 2010-05-04 Fujitsu Hitachi Plasma Display Limited Method for forming partitions of plasma display panel by using sandblasting process
USRE42405E1 (en) 2001-04-09 2011-05-31 Fujitsu Hitachi Plasma Display Limited Method for forming partitions of plasma display panel by using sandblasting process
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