JP2002013932A - 角速度センサの駆動方法 - Google Patents

角速度センサの駆動方法

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JP2002013932A
JP2002013932A JP2000196073A JP2000196073A JP2002013932A JP 2002013932 A JP2002013932 A JP 2002013932A JP 2000196073 A JP2000196073 A JP 2000196073A JP 2000196073 A JP2000196073 A JP 2000196073A JP 2002013932 A JP2002013932 A JP 2002013932A
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fixed electrode
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vibrating
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JP2000196073A
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Mitsuhiro Yamashita
光洋 山下
Toru Okauchi
亨 岡内
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平行平板静電駆動方式で大振幅駆動可能な角
速度センサを提供する。 【解決手段】 シリコン振動体駆動部の梁間隔を基準と
し、位相をずらせた三つの駆動電極を用意し、駆動振幅
に応じて最適な駆動電極を一つ選択しながら駆動電圧を
印加して共振駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、例えば車両の姿勢
制御、進行方位算出等に用いられる角速度センサの駆動
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、角速度を検出するセンサとして様
々なジャイロスコープ(以下、ジャイロと略称する)が
開発されている。その種類は大まかに機械式のコマジャ
イロ、流体式のガスレートジャイロ、音片・音叉の振動
を用いる振動ジャイロ、光学式の光ファイバジャイロと
リングレーザージャイロに分類される。光学式のジャイ
ロはサニャック効果、それ以外のものは回転体の角運動
量保存則の表れであるコリオリ力を用いて角速度の検出
を行っており、使用用途により精度と価格、寸法等が勘
案され使用センサが選択されている。
【0003】上記振動ジャイロ式の角速度センサとして
は、例えば特開昭61-77712号公報に示されている。第1
1図はこの従来の振動式角速度センサの基本原理の説明
図であり、1101、1102が検出用素子、110
3、1104が励振用素子を示す。各々の素子は例えば
圧電バイモルフにより構成されており、励振用素子と検
出用素子が二組で音叉を形成する。角速度は、音叉の根
元に近い励振用素子に交流電圧を加えて検出用素子を屈
曲振動させ、検出用素子の面に垂直に加わるコリオリ力
を圧電効果を用いて検出する方式となっている。
【0004】さらに近年、単結晶シリコンや水晶などの
素材にマイクロマシニング微細加工技術を適用して形成
した、超小型な角速度センサの開発も進められている。
例えば特表平9-511571号公報「マイクロメカニカルのシ
リコン・オン・ガラス音叉ジャイロスコープの製造方
法」、特表平10-267667号公報の「振動構造ジャイロス
コープ」、U.S.Patent 5,392,650 Micromachined Accel
erometer Gyroscope, U.S.Patent 4,750,364 Angular V
elocity and Acceleration Sensor, U.S.Patent5,392,6
50 Micromachined Accelerometer Gyroscope等にその例
が記載されている。
【0005】ところで、自動車分野ではジャイロはシャ
シー系の制御とかナビゲーションシステムの方位算出等
に用いられるが、検出されるのはヨー、ロール、ピッチ
と三種類ある車体の回転運動の中で、特にヨー方向(鉛
直線を中心とする大地に水平な面内での回転)の角速度
(すなわちヨーレート)であることが多い。検出目的
は、例えば四輪操舵(4WS)の様なシャシー制御の場
合にはヨーレートを制御システム側に車両の姿勢情報の
一つとしてフィードバックし姿勢制御性能を向上させる
ことであり、またナビゲーションシステム用の場合には
ヨーレートを時間積分することによって車両の旋回角度
を算出することにある。なお、通常車載用として使用さ
れる角速度センサは廉価版の圧電振動ジャイロか水晶ジ
ャイロである。また、光ジャイロは高精度車載用センサ
として実用化された例がある。
【0006】一方、ビデオカメラ・デジタルスチルカメ
ラ等各種民生機器分野への応用としては、手振れによる
画像揺れの安定化(所謂、手振れ補正)の他、新しい入
力インターフェースとしての応用も検討されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】車載機器や民生機器に
搭載する電子部品には小型化が常に求められており、そ
のため角速度センサでもマイクロマシニング微細加工技
術の適用が試みられてきた。
【0008】しかしながら、小型化と駆動力の確保は相
反する課題であり、小型化で低下した駆動力を補うため
に駆動部を大きくとる必要が生じ、結果的にセンサ全体
の小型化が達成できないという課題を有していた。
【0009】本発明では、上記の様な課題を考慮し、小
型微細化と駆動力確保の両立が可能な角速度センサの駆
動方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、少なくとも複数の固定電極部と、振動電極部
と、駆動手段と、駆動振幅検出手段を備え、固定電極部
と振動電極部の対で構成されるコンデンサの両電極間に
駆動手段で電位差を与え、振動電極部を固定電極部と平
行な方向に静電駆動する角速度センサにおいて、駆動振
幅検出手段で検出される駆動振幅の大きさにより、振動
電極部の駆動に用いる対の固定電極部を適宜切り替える
ことを特徴とする角速度センサの駆動方法である。
【0011】第一の手段によれば、振動電極部と固定電
極部の幾何学的関係で制限される駆動限界を、振動電極
部との位置関係の異なる固定電極部に切り替えることで
制限を越えられる様にしたため、小型化または微細加工
で制限された駆動限界を超えた大振幅駆動が可能とな
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。
【0013】(実施の形態1)本発明の第一の実施の形
態の角速度センサのシリコン構造体の概略構成図を図1
に、また電極構造の概略構成図を図2に示す。この第一
の実施の形態により、固定電極部とシリコン振動電極部
の寸法と位置関係とで決定される駆動振幅限界を越えた
任意の大きさで大振幅駆動が可能な角速度センサが実現
できる。
【0014】図1において100はSOI基板であり、
シリコン活性層とSiO2からなる絶縁層、シリコン支
持層の三層構成をとる。この中で、角速度センサ構造体
の作成に用いるのは活性層であり、例えば、本例では5
0μm程度の厚みをもちn形不純物の濃度が高く抵抗率
が低いn+基板で面方位(100)の単結晶シリコン層
とする。一方、支持層はSOI基板を破損せず取り扱え
る最低限の強度を保証する厚さがあれば良く、本例では
400μmの厚みをもつシリコン単結晶層とする。ま
た、絶縁層は2μm程度の厚みの酸化膜とする。
【0015】角速度センサの主要部となるシリコン振動
体(振動電極部)は、SOI基板100の中心部にドラ
イエッチング技術(反応性イオンエッチング、略称RI
E)とウェット結晶異方性エッチング技術(エッチャン
ト:KOH(水酸化カリウム)またはTMAH(水酸化
テトラメチルアンモニウム))を併用して形成する。こ
こで、101が錘、102a、102b、102c、1
02dが検出梁、103a,103bが駆動部、104
a、104b、105c、104dが駆動梁、105
a,105bが駆動梁連結部、106a,106bがモ
ニター電極を示しており、これらの部位は活性層で形成
されるとともに裏面の絶縁層及び支持層は除去され振動
可能な状態に置かれているものとする。
【0016】111から117が、SOI基板100の
周辺部で構成されるフレームの活性層面に形成されたシ
リコン電極で、111a,111bが第一の駆動電極、
112a,112bが第二の駆動電極、113a,113
bが第三の駆動電極、114が検出電極、115及び1
16a、116b、116c、116dがGND電極、
117a,117bがモニター電極を示す。フレーム部
では、裏面のシリコン支持層及び絶縁層は除去されてお
らず十分な強度を有しており、かつ111から117の
各電極は各々絶縁されているものとする。なお、シリコ
ン振動体の駆動梁104はフレーム部のGND電極11
6と物理的かつ電気的に連続して繋がっており、またモ
ニター電極106と117も同様の関係を有する。
【0017】ところで、シリコン振動体はフレーム部上
のシリコン電極群よりも表面が低くなっている。これ
は、振動体が電極に接触せず自由に振動できるための処
置であり、通常2から5μm程度のギャップ間隔でウェ
ットエッチング技術で形成している。なお、このエッチ
ングギャップはガラス上の金属電極とシリコン振動体と
のギャップ量を決めている。
【0018】また、振動体自体はRIEにより垂直異方
性を有して加工されるので、側面は全て基板に垂直な面
から構成される。よって、検出梁102及び駆動梁10
4は基板面に垂直な板バネの複合により形成されること
になる。検出梁は、渦巻型に配置された四本の板バネの
複合体で形成されており、全ての梁がねじれ振動を起こ
して錘101が基板に垂直な方向に振動する様に動作す
る。
【0019】また、駆動梁104は左右で各々四本の板
バネにより環状構成をとっているが、各々の頭頂部で駆
動梁連結部105により連結されて一体構成をとってい
る。このため、低次振動モードでは左右方向への駆動振
動モードだけが残る。駆動部103は、一定間隔で長方
形断面を持つ梁が駆動方向に並ぶ構成になっており、後
で述べる複数の駆動用固定電極と対になりシリコン振動
体(振動電極部)を左右に駆動する働きを有する。
【0020】次に、ガラス基板上に形成された金属電極
パターンをシリコン構造体(振動電極部)に重ねて図2
に示す。金属電極は9種類あり、201a,201bが
駆動電極1、202a,202bが駆動電極2、203
a,203bが駆動電極3、204が検出電極、205
がGND電極であり、ここではシリコンと熱膨張率が非
常に近いガラス(例えばコーニング社のホウケイ酸ガラ
ス、パイレックス#7740)上にAu/Crスパッタ
膜で形成している。そのスパッタ膜を、Au/Cr各々
のエッチャントでエッチングすることで所望の形状をパ
ターニングしている。
【0021】また、図3(a)にガラス側からみた角速
度センササンプルの構造を、また図3(b)に角速度セ
ンササンプルの断面図を示す。図3において、301は
ガラス基板、302がSOI基板、302aがシリコン
活性層、302bが絶縁層、302cがシリコン支持
層、303がアルミ電極、304がシリコン構造体(振
動電極部)、305がガラス上に形成された金属電極
(固定電極部)を示す。ガラス基板301は、SOI基
板302の活性層に形成されたシリコン振動体をカバー
するだけでなく、陽極接合によって図2に示したガラス
基板上に形成された金属電極をフレーム部のシリコン電
極に挟み込み、相互の電気的コンタクトをとる役目も担
っている。最後に、各シリコン電極上に形成されるアル
ミ電極303はボンディングによる配線工程のために形
成してある。
【0022】以上の様に構成された本実施の形態の角速
度センサの製作プロセスについて、再度簡単に説明す
る。
【0023】まず、シリコンプロセスではウェット酸化
等の手法でSOI基板の活性層に酸化膜を形成し、フォ
トリソグラフィ技術を用いてギャップ形成用酸化膜マス
クを形成して、所定の深さまでウェットエッチングを行
う。次に、SOI基板の裏面からRIE加工を行う。こ
のとき、マスクには粘度が高い厚いレジストを用いても
良いし、酸化膜をマスクにしても良いが、何れの場合も
エッチング面からは酸化膜を除去する必要がある。その
後で、露出した絶縁層及び活性層表面の酸化膜を弗酸も
しくは緩衝弗酸を用いて除去した後、表面にレジストで
振動体及びシリコン電極形成用のマスクを形成し、RI
E加工で振動体等を形成する。なお、RIE加工にはS
6等のガスを用いておいり、例えばエッチングレート
は2〜4μm/min.程度の値となる。
【0024】振動体・電極などの形成が終了すれば、ス
テンシルマスクを用いてアルミ電極を形成する。これ
で、SOI基板側の加工が終了する。
【0025】ガラスプロセスでは、まずガラス基板上に
Au/Cr膜をスパッタで形成する。なお、電極材料は
陽極接合温度まで耐えられ、かつシリコン層との接触抵
抗を考慮して選択してあり、Pt/Tiでも良いし、他
の組成であっても何ら問題ない。また電極のパターンニ
ングはリフトオフでもエッチングでも良いが、本例では
エッチングによる手法を採用するものとする。この場
合、電極形状をレジストでパターンニングした後、表面
のAu膜・Cr膜と順次エッチングを進めパターンを形
成してゆくことになる。
【0026】最後に、ガラスとSOI基板を陽極接合で
接合することで、角速度センサ構造体は完成する。
【0027】以上の様に構成された本実施の形態の角速
度センサについて、以下にその動作原理を簡単に説明す
る。
【0028】本実施の形態で説明する角速度センサの駆
動方法は、U.S.Patent 4,750,364 Angular Velocity an
d Acceleration Sensor, U.S.Patent 5,392,650 Microm
achined Accelerometer Gyroscope等に示された、シリ
コン基板と平行な電極を振動体のかど部(エッジ部)を
跨ぐように配置し、共振のQファクタを利用しながら静
電気力で振動体を電極に平行に駆動する手法の一例であ
る。便宜上、以下では本駆動方式を平行平板静電駆動と
呼ぶものとする。
【0029】通常、錘のかど部だけでは錘を十分に駆動
することが難しいため、U.S.Patent5,392,650で示され
る様に駆動力を生み出すかど部を錘の一部に貫通部とか
穴部を形成することで増やし、その部分のかど部も駆動
に利用して十分な駆動力を稼いでいる。また、この他に
平行平板静電駆動方式のものとして、長尾他「シリコン
振動型角速度センサ(日本電気学会論文誌E 118巻
3号)」とか特願平11-367645等で示される様にシリコ
ン振動体と片側の電極だけで駆動を行う例もある(以
後、片側平行平板静電駆動と呼称する)。
【0030】これらの駆動手法の場合、駆動方向と平行
に電極を配置できるため、原理的には振動限界は生まれ
ない。しかしながら、実際には駆動力を稼ぐため一定間
隔で固定電極とシリコンのかど部(シリコン振動電極の
端部)を形成するため、実際にはシリコン振動電極と固
定電極の各々の設置間隔と重なり量により駆動限界が生
み出されてしまうという欠点があった。
【0031】本実施の形態では、この限界値を破る駆動
手法を示している。
【0032】図5から図8に、片側平行平板静電駆動に
より駆動される構成を本実施の形態の参考例として示
す。ここで、図5はSOI基板で形成したシリコン振動
体の概略構成図を、図6はガラス基板上の固定電極とシ
リコン振動体の二次元的配置を、図7(a)は金属電極
が形成されたガラス基板とSOI基板との位置関係を、
また図7(b)は角速度センサの断面図を示してある。
基本構造は、図1から図3で説明した本実施例と同様に
あるので省略するが、シリコン振動体構造では駆動部の
梁と貫通部の間隔が本実施の形態よりも広くなっている
ことと、金属電極では左右二つの駆動電極601,60
2しかないことに注意されたい。
【0033】この参考例でのガラス上の固定電極と梁構
造のシリコン振動体駆動部(振動電極部)との位置関係
を基板と垂直で駆動方向を含む断面図で示したものが、
図8である。図8で、801は固定電極部、802がシ
リコン振動体駆動部を示しており、振動電極部(シリコ
ン802)側がGND、固定電極部(駆動電極801)
側に駆動電圧を印加する構造となっている。
【0034】この様に参考例では、固定電極部とシリコ
ン梁(振動電極部)とが一定間隔で形成されている。こ
の場合、シリコン梁の左側への駆動限界はシリコン梁が
固定電極と重なり合った所で、また右側への駆動限界は
シリコン梁が固定電極間の狭間迄駆動された所で規定さ
れるため、例えば両電極の寸法/間隔とも40μmで各
々がその半分(20μm)重なっていたとすれば、最大
振幅は左右とも20μmで限定される。
【0035】一方、本実施の形態では、参考例と異なり
最低でも片側三種類に駆動電極が分離され、シリコン駆
動部(振動電極部)では梁部と穴部が同じ比率で、固定
電極部では電極部と空隙部が2:1の比率で形成されて
いる。その位置関係をモデル化して図示したのが図4で
ある。
【0036】図4において、図4(a)が初期静止状態
で固定電極が貫通穴部全てとシリコン梁の一部を覆う場
合、図4(b)が同じく初期静止状態で固定電極の半分
までシリコン梁部と重なる場合、図4(c)が同じく初
期静止状態でシリコン梁部が固定電極に完全に覆われる
場合を示しており、シリコン梁を固定して固定電極との
位置関係をまとめモデル化して図示すれば図4(d)の
様になる。即ち、シリコン駆動部(振動電極部)に対
し、第一から第三の駆動電極(固定電極部)は120度
づつ位相がずれて配置されていることになる。
【0037】なお、左右の駆動部では駆動方法が同じで
位相関係のみ対称となるので、以後は、駆動部を形成す
る梁の右側のかど部を用いる駆動電極を一つずつ三種類
選び出し駆動方法を説明する。この場合、図4(a)に
相当する電極は図2の203aに、また図4(b)には
図2の202b、図4(c)には図2の201aが相当
する。
【0038】本実施の形態では、シリコン振動体駆動に
は常時片側一つだけの電極を駆動振幅で選び使用してい
る。なお、駆動振幅算出にはC−V変換器を使用し、駆
動振動によるモニター電極間の容量変化から値を求めて
いる。右方向の振動時には、駆動振幅が臨界値(振動電
極部を構成する梁部が対を組む固定電極と完全に重な
り、左右両方向に駆動力が発生して打ち消しあう所)を
越えると順次図4ではB→A→Cの順序で駆動電極を切
り替える。
【0039】一方、駆動周期で半周期後には左方向の振
動に切り替わるが、このときはC→A→Bの順序で切り
替える。よって、振幅が大きくなっても順次駆動電極を
切り替えることでシリコン駆動梁に静電駆動力をかけ続
けることができ、駆動部の構造によらず駆動梁の構造的
な駆動限界に達するまで駆動振幅を大きくすることが可
能になる。
【0040】なお、駆動振動には駆動方向の共振現象を
利用する。共振周波数は構造的に決まってくるが、通常
数kHzから数10kHzの範囲に設定する。この駆動
周波数に追随しながら常時駆動振幅・方向に合わせて駆
動電極を切り替えることが必要になるが、これはハード
ウェア的に実施すればよい。例えば、モニター電極のC
−V変換から求められる駆動振幅の生波形とコンパレー
タを用い、所定の振幅に相当する出力値でコンパレータ
の出力値が変化するように設定しておき、変化に同期し
て例えばアナログスイッチを用いて印加する駆動電極を
切り替えれば良い。
【0041】以上説明した様に、シリコン駆動部の梁
(振動電極部)と位相をずらせて配置された三つの駆動
電極(固定電極部)を用い、モニター電極から検出され
る駆動振幅に応じてハードウェア的に駆動電圧を印加す
る駆動電極を切り替えることで、シリコン駆動部と電極
の間隔から決まる駆動限界を超えた大振幅駆動が可能に
なる。
【0042】なお、第一の実施の形態では、駆動電極を
三相構成と限定したが、これは四相以上の他相構成とし
ても原理的に変わりなく何ら問題はない。また、本実施
の形態では、図9(a)に示す様にシリコン駆動部(振
動電極部)では梁部と穴部が同じ比率で、固定電極部で
は電極部と空隙部が2:1の比率で形成されているが、
これは図9(b)に示す様にシリコン駆動部の梁部の長
さを固定電極部の長さと等しくし、シリコン駆動部の梁
部と穴部の比率を非対称にしても何ら問題ない。さら
に、本実施の形態ではSOI基板とガラス基板で角速度
センサを構成したが、これはガラス/シリコン/ガラス
の三相構造としても良い。また、駆動方法がポイントで
あるので、駆動梁・検出梁・錘の形状は異なっていても
何ら問題ない。
【0043】(実施の形態2)次に、本発明の第二の実
施の形態の角速度センサについて説明する。この第二の
実施の形態により、固定電極部とシリコン振動電極部の
寸法と位置関係とで決定される駆動振幅限界を越えた任
意の大きさで大振幅駆動が可能なだけでなく、シリコン
振動電極に対して十分な密度で固定電極部を配置するこ
とが可能になり、駆動効率の高い角速度センサが実現で
きる。
【0044】第二の実施の形態では、シリコン振動体
(振動電極部)は(駆動電極の数を除き)構造・プロセ
スとも第一の実施の形態と同様でよいが、固定電極部
(駆動電極)と振動電極の位相関係が第一の実施の形態
と全くことなる。本実施の形態における、駆動電極(固
定電極部)と振動電極部(シリコン駆動部)の位相関係
を図10に示す。図10(a)に示す様に、固定電極部
はシリコン駆動部の二周期分を8つの部分に分けた電極
構成をとる。
【0045】ただし、一周期目と二周期目でシリコン駆
動部のかど部に相対する電極の大きさが異なるため、そ
れに伴い残りの電極面積が変化している。詳細に言え
ば、最初の一周期目では電極AとCの各々の端部がシリ
コン駆動梁の端部と一致するが、次の二周期目ではかど
部に相当する電極A’,C’の電極面積を大きくとり
A’〜C’の長さが駆動梁より長くなる様に設定してい
る。なお、電極B,D,B’,D’は各々A,C,
A’,C’電極の間を埋め、かつ電気的に分離可能な幅
で分割されているものとする。駆動には、8つの電極群
をA,A’、B,B’、C,C’、D、D’の四組に分
けて四相駆動する。
【0046】初期静止状態を図10(b)とすると、初
期状態では電極Cの組にのみ駆動電圧を印加すれば良
い。このとき、電極Cはシリコン駆動梁のかど部が重な
っているため駆動力が得られないが、CとC’で電極幅
を変えているため電極C’では紙面右方向の駆動力が得
られる。
【0047】次に、シリコン駆動梁がC’のかど部に重
なる所まで移動する範囲が(c)であり、電極CとDの
組に同時に駆動電圧を印加することで、全ての駆動梁で
右方向の駆動力を得ることができる。これを(b)C→
(c)C&D→(d)D→(e)D&A→(f)A→
(g)A&B→(h)B→(i)B&C→(j)Cと繰
り返すことで、随時右方向の駆動力を連続的に得ること
ができる。
【0048】以上説明した様に、シリコン駆動部の梁
(振動電極部)と位相をずらせて配置された四群の駆動
電極(固定電極部)を用い、モニター電極から検出され
る駆動振幅に応じてハードウェア的に駆動電圧を印加す
る駆動電極を切り替えることで、シリコン駆動部と電極
の間隔から決まる駆動限界を超えた大振幅駆動が可能に
なる。
【0049】さらに、本実施の形態では、第一の実施の
形態で三相駆動に用いる電極対を異なる部位に設定した
のと比べ、四相駆動に用いる電極対を固定電極の設定に
工夫を凝らせることで同じ部位に設定できている。この
ため、第一の実施の形態と比較して駆動制御は複雑にな
るが駆動効率を三倍向上させることが可能になる。
【0050】
【発明の効果】以上説明した様に本発明によれば、平行
平板静電駆動方式を用いた振動型角速度センサにおい
て、振動体駆動部と駆動電極の寸法と位置関係で決まる
駆動限界振幅に左右されず大振幅駆動させることができ
る。そのため、微細加工により駆動用電極の間隔/駆動
部の梁間隔を狭くして駆動力の向上を図っても、同じく
小さくなる駆動限界振幅を越えて駆動させることができ
ることになる。よって、小型微細化と駆動力確保の課題
を両立させることが可能になり、その実用的効果は大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の角速度センサのシ
リコン基板の概略構成図
【図2】同実施の形態の角速度センサの電極構造の概略
構成図
【図3】同実施の形態の角速度センサのガラス基板側か
らみた全体構成図
【図4】同実施の形態の角速度センサの駆動電極と振動
体駆動部の位置関係を示す説明図
【図5】参考例の角速度センサのシリコン基板の概略構
成図
【図6】参考例の角速度センサの電極構造の概略構成図
【図7】参考例の角速度センサのガラス基板側からみた
全体構成図
【図8】参考例の角速度センサの駆動電極と振動体駆動
部の位置関係を示す説明図
【図9】本発明の第一の実施の形態の角速度センサの駆
動電極と振動体駆動部の位置関係を示す説明図
【図10】本発明の第二の実施の形態の角速度センサの
駆動電極と振動体駆動部の位置関係を示す説明図
【図11】従来例の音叉形振動ジャイロの振動体の概略
構成図
【符号の説明】
100,302 シリコン基板(SOI基板) 101 錘 102a,102b,102c,102d 検出梁 103a,103b,802 駆動部 104a,104b,104c,104d 駆動梁 105a,105b 駆動梁連結部 106a,106b,117a,117b モニター電
極 111a,111b,201a,201b 第一の駆動
電極 112a,112b,202a,202b 第二の駆動
電極 113a,113b,203a,203b 第三の駆動
電極 114,204 検出電極 115,116a,116b,117c,117d,2
05 GND電極 301 ガラス基板 302a シリコン活性層 302b 絶縁層 302c シリコン支持層 303 アルミ電極 304 シリコン構造体(振動電極部) 305 金属電極(固定電極部) 601,602 駆動電極 801 固定電極部 802 シリコン振動体駆動部 1101,1102 検出用素子 1103,1104 励振用素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F105 AA02 AA08 AA10 BB13 BB20 CC04 CD03 CD05 CD13 4M112 AA02 BA07 CA24 CA25 CA31 DA03 DA04 DA09 DA18 EA03 EA06 EA11 EA13 GA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも複数の固定電極部と、振動電
    極部と、駆動手段と、駆動振幅検出手段を備え、前記固
    定電極部と前記振動電極部の対で構成されるコンデンサ
    の両電極間に前記駆動手段で電位差を与え、前記振動電
    極部を前記固定電極部と平行な方向に静電駆動する角速
    度センサにおいて、 前記駆動振幅検出手段で検出される駆動振幅の大きさに
    より、前記振動電極部の駆動に用いる対の前記固定電極
    部を適宜切り替えることを特徴とする角速度センサの駆
    動方法。
  2. 【請求項2】 振動電極部は固定電極部と所定の間隔を
    有し相対して平行に配置され、前記固定電極部に平行な
    面と駆動方向に平行でないかど部を周期的に保持するも
    のであり、また前記固定電極部と前記振動電極部の対は
    平行な面との重なり度合いにより少なくとも第一、第
    二、第三の群に分類され、駆動振動範囲以内では任意の
    振動位置で前記振動電極部のかど部が前記固定電極部の
    何れかの群と相対して配置されるものであり、駆動手段
    では駆動振幅検出手段で検出される駆動振幅の値によ
    り、少なくとも前記振動電極部のかど部が相対している
    前記固定電極部の群を駆動用電極として選択し用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載の角速度センサの駆動方
    法。
  3. 【請求項3】 振動電極部は固定電極部と所定の間隔を
    有し相対して平行に配置され、前記固定電極部に平行な
    面と駆動方向に平行でないかど部を周期的に保持するも
    のであり、また前記固定電極部では前記振動電極部の一
    周期分に相対する部分が少なくとも四分割され、二周期
    分に相対する八つの群から周期的に構成されるものであ
    り、駆動振動範囲以内では任意の振動位置で前記振動電
    極部のかど部が前記固定電極部の何れかの群と相対して
    配置されるものであり、駆動手段では駆動振幅検出手段
    で検出される駆動振幅の値により、少なくとも各周期内
    で前記振動電極部のかど部が相対している前記固定電極
    部の群を駆動用電極として選択し用いることを特徴とす
    る請求項1記載の角速度センサの駆動方法。
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