JP2002013740A - 加熱調理器 - Google Patents

加熱調理器

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JP2002013740A JP2000194975A JP2000194975A JP2002013740A JP 2002013740 A JP2002013740 A JP 2002013740A JP 2000194975 A JP2000194975 A JP 2000194975A JP 2000194975 A JP2000194975 A JP 2000194975A JP 2002013740 A JP2002013740 A JP 2002013740A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】油もの調理と水もの調理とにかかわらず調理途
中でガスバーナが不意に消火する可能性を低減しながら
も安全性を確保の高い加熱調理器を提供する。 【解決手段】調理種別判別手段11は、温度センサ6に
よる検出温度の変化傾向に基づいて調理容器5に入れた
調理物の調理方法の種別を判別する。また、強制停止手
段12は、温度センサ6による検出温度が調理用油の発
火を防止するように設定した自動停止温度に達するとガ
スバーナ1を消火させる。温度調節手段13は、自動停
止温度よりも低く調理用油を加熱した油もの調理ができ
る程度の比較的高温に設定した維持温度に達すると検出
温度を維持温度付近に保つようにガスバーナの火力を調
節する。調理種別判別手段11では、調理方法を油もの
調理と判別すると温度調節手段13を有効にし水もの調
理と判別すると温度調節手段13を無効にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、調理物を入れた調
理容器を加熱するとともに調理容器の温度を検出し、調
理容器を加熱する加熱手段を検出した温度に基づいて制
御する加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ガスコンロのような加熱調理
器においては、調理容器である鍋の底の温度を温度セン
サにより検出し、温度の変化傾向を監視することによっ
て、煮物や煮込物のように水分の多い水もの調理か、揚
げ物のように調理用油を加熱する油もの調理かなどの調
理方法の種別を判別するものが提供されている(特開平
6−129644号公報等)。この種の調理種別を判別
するガスコンロでは、煮炊き物の焦げつきを抑制した
り、揚げ物の調理中にてんぷら油のような調理用油が発
火するのを防止したりする安全機能が付加されている。
とくに、揚げ物のような油もの調理においては、250
℃に達するとガスバーナを消火させることで、てんぷら
油の発火を防止するように構成されているものが多い。
ここに、調理用油の自然発火温度は350℃付近である
から、この温度に達する前にガスバーナを消火させるよ
うに余裕を持たせてガスバーナを消火させる温度を25
0℃に設定してある。一方、水もの調理と判別されたと
きには、自動停止温度を油もの調理よりも低い温度に設
定することにより、煮炊き物の焦げ付きを抑制するよう
にしてある。
【0003】ところで、上述のように調理用油の発火を
防止するために温度センサでの検出温度が250℃に達
するとガスバーナを消火させるものでは、炒め物や一部
の焼き物のように調理用油を少量しか使用しない場合で
も250℃に達するとガスバーナが消火するから、炒め
物などの調理中には調理途中で消火してしまい不都合な
場合がある。この種の問題は加熱手段がガスバーナでは
ない場合にも同様に生じる。
【0004】また、加熱手段がガスバーナであるときに
は、風によって炎が揺らぐと温度センサに炎が直接当た
って温度センサでの検出温度が250℃以上になり、ガ
スバーナが消火されることもある。
【0005】この種の問題を解決すべく、維持温度をた
とえば250℃に設定し、維持温度よりも高いたとえば
270℃を自動停止温度として設定するとともに、維持
温度に達するとガスバーナの火力を大火と小火とに交互
に切り換えて温度センサによる検出温度を維持温度付近
に保つようにし、温度センサによる検出温度が自動停止
温度に達したときにはガスバーナを強制的に消火する技
術が提案されている(特開平11−270854号公
報)。
【0006】この技術を用いると、検出温度が自動停止
温度に近づくと自動停止温度よりも低い維持温度付近に
保つようにガスバーナの火力が調節されるから調理用油
の発火を防止することができるとともに、自動停止温度
に到達する頻度が少なくなり、調理途中でガスバーナが
不意に消火してしまう可能性を低減することができるの
である。つまり、油もの調理の際に調理用油の発火を防
止して安全性を高めながらも調理途中でガスバーナが不
意に停止したときにガスバーナを再点火する作業が不要
になり調理時の使い勝手が向上する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、油もの調理
においては上記公報に記載の技術によって調理途中でガ
スバーナが不意に消火する可能性を低減することができ
るが、水もの調理において自動停止温度を油もの調理よ
りも低く設定して調理物の焦げ付きを抑制するもので
は、ガスバーナが不意に消火するという問題を解決する
ことができない。
【0008】そこで、調理種別として水もの調理の判別
を行わず、水もの調理において焦げ付きが生じても発火
しなければよいという観点で、水もの調理においても油
もの調理と同じ自動停止温度を採用することが考えられ
る。この構成を採用し、上記公報に記載のものと同様
に、維持温度よりも高い自動停止温度を設定すれば、煮
炊き物の調理途中で風などで炎が揺らぐことによってガ
スバーナが不意に消火する可能性を低減することができ
る。
【0009】しかしながら、上記公報に開示された油も
の調理の場合のように維持温度に保つ技術を水もの調理
で採用すると、水もの調理では維持温度において調理物
が焦げ付いているにもかかわらず、ガスバーナがすぐに
消火しないという不都合が生じる。
【0010】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、油もの調理と水もの調理とにかかわ
らず、調理途中で加熱手段が不意に停止する可能性を低
減しながらも安全性の高い加熱調理器を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、調理
物を入れた調理容器を加熱する加熱手段と、調理容器の
温度を検出する温度センサと、温度センサによる検出温
度に基づいて加熱手段の発熱量を調節する制御回路とを
備えた加熱調理器において、制御回路が、温度センサに
よる検出温度の変化傾向に基づいて調理容器に入れた調
理物の調理方法の種別を判別する調理種別判別手段と、
温度センサによる検出温度が調理用油の発火を防止する
ように設定した自動停止温度に達すると加熱手段による
加熱を停止させる強制停止手段と、自動停止温度よりも
低く調理用油を加熱した油もの調理ができる程度の比較
的高温に設定した維持温度に達すると前記検出温度を維
持温度付近に保つように加熱手段の発熱量を制御する温
度調節手段とを備え、調理種別判別手段では、調理方法
を油もの調理と判別すると温度調節手段を有効にし水も
の調理と判別すると温度調節手段を無効にするものであ
る。
【0012】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記調理種別判別手段では、水もの調理の際に加熱
量と放熱量とが平衡すると推定される期間を前記検出温
度の時間変化を監視する平衡検出期間として設定し、平
衡検出期間において一定時間間隔で所定個取り出した各
検出温度と平衡検出期間の開始時点における前記検出温
度との差が許容範囲内である個数が規定の個数以上であ
るときに水もの調理と判別するものである。
【0013】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記調理種別判別手段では、調理物の沸騰状態を検
出すると沸騰状態の検出時点の所定時間後から判別期間
を設定し、判別期間において一定時間間隔で所定個取り
出した各検出温度と判別期間の開始時点における前記検
出温度との差が許容範囲内である個数が規定の個数以上
であるときに水もの調理と判別するものである。
【0014】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、前記調理種別判別手段では、水もの調理の際に加熱
量と放熱量とが平衡すると推定される期間を前記検出温
度の時間変化を監視する平衡検出期間として設定する機
能と、調理物の沸騰状態を検出すると沸騰状態の検出時
点の所定時間後から判別期間を設定する機能とを有し、
平衡検出期間において一定時間間隔で所定個取り出した
各検出温度と平衡検出期間の開始時点における前記検出
温度との差が許容範囲内となる個数が規定の個数以上で
あるという条件と、判別期間において一定時間間隔で所
定個取り出した各検出温度と判別期間の開始時点におけ
る前記検出温度との差が許容範囲内である個数が規定の
個数以上であるという条件との一方が成立するするとき
に水もの調理と判別するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本実施形態では、加熱調理器とし
てガスコンロを例示するが、本発明の技術思想は、電熱
線、ハロゲンヒータ、誘導加熱調理器など、各種の加熱
調理器に適用可能である。
【0016】本実施形態では、図1に示すように、ガス
バーナ1の中心付近にサーミスタよりなる温度センサ6
を配置し、温度センサ6を押圧ばね(図示せず)により
図の上向きに付勢している。温度センサ6は通常ではガ
スバーナ1の炎が直接当たらないように配置される。ま
た、ガスバーナ1の周囲に配置されている五徳4に鍋や
フライパンのような調理容器5を載せていない状態で、
温度センサ6の先端面(図の上面)は五徳4の上面より
も上方に突出する。したがって、五徳4に調理容器5を
載せると、押圧ばねが圧縮されて温度センサ6が調理容
器5の底に弾接する。この状態でガスバーナ1に点火す
れば、温度センサ6によって調理容器5の底の温度を検
出することができる。
【0017】ガスバーナ1への燃料ガスの流路上には、
ガスバーナ1の点火・消火および燃料ガスの流量調節を
手操作で行なう器具栓2と、ガスバーナ1への点火時に
開放される電磁弁よりなる安全弁およびガスバーナ1に
供給する燃料ガスの流量を調節する電磁弁よりなる流量
調節弁とを含むガス供給制御装置3とが設けられる。ガ
ス供給制御装置3では、流量調節弁が閉止した状態では
燃料ガスの流量を小流量とし、流量調節弁が開放された
状態では燃料ガスの供給量を大流量とする。つまり、ガ
スバーナ1に点火した状態で、流量調節弁の開閉に応じ
てガスバーナ1の火力を2段階に切り換える。以下で
は、火力が大きい状態を大火、火力が小さい状態を小火
と呼ぶ。また、安全弁が閉止すれば燃料ガスの供給が遮
断されてガスバーナ1が消火する。
【0018】ガス供給制御装置3に含まれる安全弁およ
び流量調節弁は電磁弁であって、これらの電磁弁の制御
はマイコンを主構成とする制御回路10が行なう。制御
回路10は、温度センサ6による検出温度の変化傾向に
基づいて水もの調理か油もの調理かの調理種別を判別す
る調理種別判別手段11を備える。また、制御回路10
は、温度センサ6による検出温度が自動停止温度に達す
るとガスバーナ1を消火させる(つまり加熱を停止させ
る)強制停止手段12を備える。自動停止温度は本実施
形態では270℃に設定してある。また、制御回路10
には、自動停止温度よりも低い維持温度が設定されると
ともに、温度センサ6による検出温度が維持温度に達す
ると維持温度付近に保つようにガスバーナ1の火力を調
節する温度調節手段13が設けられる。
【0019】しかして、温度センサ6による検出温度が
維持温度に達すると制御回路10に設けた温度調節手段
13が機能して、検出温度が維持温度付近に保たれるよ
うにガスバーナ1の火力が制御される。維持温度はたと
えば250℃に設定され、検出温度が維持温度に達する
とガスバーナ1の火力を小火として検出温度を低下さ
せ、検出温度が維持温度よりも所定温度(たとえば2
℃)だけ低い温度(たとえば248℃)まで低下すると
ガスバーナ1の火力を大火として検出温度を上昇させる
のである。この動作により、検出温度が自動停止温度に
達する可能性が低減され、ガスバーナ1が調理途中で不
意に消火するという不都合を回避することができる。こ
のように大火と小火とを交互に繰り返して維持温度に保
つ制御を「温調制御」と呼ぶことにする。
【0020】ところで、調理種別判別手段11では、以
下に説明する判定を行うことによって、調理容器5に入
れた調理物の調理方法の種別を判別する。本発明におい
ては油もの調理としての判別は要旨ではないから、以下
では水もの調理として判別する条件についてのみ説明す
る。
【0021】本実施形態において用いる判別条件には2
種類ある。一方の判別条件は通常の煮物やスープのよう
に調理物の粘度が比較的低い場合であって調理物を加熱
量と放熱量とがほぼ等しい状態が長く継続する状態(こ
のような状態を以下では「平衡状態」という)を検出す
る場合に対応し、他方の判別条件はカレーやシチューの
ように調理物の粘度が比較的高く沸騰はするものの加熱
量に対して放熱量が少なくなりがちで平衡状態が検出さ
れずに温度が徐々に上昇する場合に対応する。いずれの
判別条件であっても、まず沸騰状態の有無を確認する。
【0022】平衡状態を検出する処理は、図2、図3に
示すように、調理物が水もの調理であるときに沸騰状態
が検出されると推定される期間として設定した沸騰検出
期間に沸騰状態が検出されるか(S1)、沸騰状態が検
出されずに検出温度が140℃に達するか(S11)、
沸騰待機状態が2分間継続するか(S12)のいずれか
の条件が成立した時点から開始される。
【0023】沸騰検出期間は、89.9〜140℃の温
度範囲で以下の条件が満たされるまでの期間になる。す
なわち、検出温度が85℃から89.9℃に上昇する間
の時間を基準時間として測定し、基準時間が長いほど小
さく設定した係数(基準時間が15秒より短いときに
1、15〜80秒で0.9、80秒を越えると0.8)
を乗じた値を参照時間として沸騰検出期間が開始され
る。沸騰検出期間では、89.9℃以降の1℃毎の上昇
時間が計測され、上昇時間が参照時間以上になると沸騰
状態と判断して沸騰検出期間を終了する。一方、沸騰検
出期間において検出温度が上昇せずに下降することがあ
るから、2℃の低下が生じたときには、検出温度が次に
上昇に転じるまでの間を沸騰待機状態として沸騰状態の
検出を中断する。水もの調理ではない場合や調理物の水
分量が少ないときには、沸騰状態が検出されずに検出温
度が上昇するから、沸騰検出期間は140℃までとし、
140℃を越えると上昇時間と参照時間とを比較する処
理(つまり、沸騰検出期間)を終了する。また、沸騰待
機状態は2分間を限度として、2分間が経過しても検出
温度が上昇しないときにも沸騰検出期間を終了する。こ
のようにして沸騰検出期間が終了すると、平衡状態を検
出する処理に移行する。
【0024】しかして、まず、いずれかの条件が成立し
た時点での検出温度を基準温度として記憶することによ
り平衡検出期間が開始される(S13)。平衡検出期間
が開始されると15秒間隔で温度センサ6による検出温
度を読み込み(S14)、検出温度と基準温度との差を
求める(S15)。検出温度と基準温度との差が3℃以
下の場合には平衡候補(E)として計数し(S16)、
3℃を越える場合には平衡候補ではないと判断する。こ
うして、基準温度との差を求める検出温度のサンプリン
グ個数が5個になれば(S17,S18)、平衡候補の
個数が4個以上あったか否かを判定する(S19)。つ
まり、平衡候補の個数が4個以上であれば検出温度の変
化が少なく、平衡状態である可能性が高いと言える。た
だし、このような状態が偶然に得られた可能性もあるの
で、上述の状態が2回連続して得られるときに平衡状態
と判定する(S20〜S22)。つまり、上述の状態が
1回得られた後に、5個目の検出温度を基準温度として
同じ処理を繰り返し、このときにも平衡候補の個数が4
個以上になった場合には平衡状態とみなすのである。ま
た、平衡候補の個数が3個以下であると、前回の判定で
平衡候補の個数が4個以上であったとしても前回の判定
を破棄し(S22)、平衡状態を検出する処理を最初か
らやり直す。上述のようにして15秒間隔で検出した5
個の検出温度について4個以上が平衡候補となる状態が
2回連続して得られたときには、平衡状態に達したとみ
なし、平衡状態に達するのは水もの調理とであると判断
して温調制御を無効にする(S23)。つまり、温調制
御が無効になったことによって、調理物が焦げ付いて検
出温度が維持温度に達しても温調制御は行われず、ただ
ちに自動停止温度に達してガスバーナ1が短時間で自動
消火されることになる。ここで、平衡検出期間は温度セ
ンサ6による検出温度が90〜200℃の範囲にのみ設
定可能であって、水もの調理での平衡状態が検出される
可能性のない90℃以下や200℃以上の温度範囲につ
いては平衡状態の検出は行わないようにしてある。
【0025】一方、水もの調理であってもカレーを温め
直す場合のように、平衡状態が検出されずに検出温度が
徐々に上昇する状態(以下では、「粘稠状態」という)
を検出するために判定期間が設定される。判定期間は、
図2に示すように、沸騰状態が検出された後に(S
1)、30秒が経過した時点から開始される(S2)。
判定期間においては開始時点の検出温度を基準温度とし
て記憶する(S3)。基準温度が記憶されると15秒間
隔で(S4)、温度センサ6による検出温度を読み込
み、基準温度に対して検出温度が−2〜3℃の範囲内で
あれば(S5)、粘稠候補(D)として計数する(S
6)。また、この温度範囲を逸脱するときには粘稠候補
でないと判断する。こうして、基準温度との差を求める
検出温度のサンプリング個数が8個になれば(S7,S
8)、粘稠候補の個数が6個以上であったか否かを判定
する(S9)。8個の検出温度のうちの6個以上が粘稠
候補であるときには、カレーを温め直す場合のように水
もの調理ではあるが調理物が粘度の高いものであると判
断して温調制御を無効にする(S10)。また、検出温
度のうち粘稠候補となる個数が5個以下であれば調理物
の粘度が低いか油もの調理であると判断する。粘稠状態
の検出は沸騰状態の検出によって開始されるものであ
り、沸騰状態が検出されないときには平衡状態の検出に
移行することになる。
【0026】平衡状態の検出の処理と粘稠状態の検出の
処理とは、いずれにおいても途中で調理容器5が持ち上
げられたときには一時的に中断し、調理容器5が戻され
た時点から処理を再開するようにしてある。調理容器5
が持ち上げられたか否かは、以下のようにして判定す
る。平衡状態を検出する期間には2秒毎に検出温度の変
化を検出し、変化幅に応じて調理容器5が持ち上げられ
たか否かを判断する。調理容器5が持ち上げられたと判
断されたとき(たとえば、2秒毎の検出温度の変化幅が
3℃以上となる状態が2回連続した場合、あるいは2秒
毎の検出温度の変化幅が6℃以上となる場合)には、平
衡状態の検出および粘稠状態の検出は一旦中止して待機
する。待機している期間にも2秒毎に検出温度の変化を
監視しており、調理容器5が戻されたとき(たとえば、
検出温度の変化方向が反転したとき、あるいは変化幅が
3℃未満となる状態が10回連続したとき)には、平衡
状態の検出の処理に復帰する。なお、調理容器5を持ち
上げたか否かの検出は100〜210℃の範囲で行い、
沸騰検出期間においては調理容器5を持ち上げたか否か
の検出は行わない。
【0027】上述のように平衡検出期間を開始する条件
の1つは沸騰状態の検出であり、一方、判定期間は沸騰
状態の検出から30秒後に開始されるから、沸騰状態が
検出されたときには平衡状態と粘稠状態との両方につい
て判断することになる。
【0028】以上説明したように、平衡状態が検出され
るか粘稠状態が検出されると水もの調理(煮物または煮
込物)であると判断し、水もの調理と判断されると温調
制御が無効化されるから、調理物が焦げ付いた状態では
短時間で自動停止温度に達して強制停止手段12によっ
てガス供給制御装置3に含まれる安全弁が遮断されガス
バーナ1が強制的に消火される。つまり、自動停止温度
が高い温度に設定されているから、風などで炎が揺らぐ
ことによって温度センサ6に炎が直接当たっても自動消
火する可能性が少なくなり調理途中で自動消火する可能
性を低減することができて使い勝手が向上するととも
に、油もの調理においては高温に維持するための温調制
御を行うにもかかわらず、水もの調理であれば温調制御
が無効化されて調理物の焦げ付き時には比較的短時間で
ガスバーナ1を自動消火することが可能になるのであ
る。
【0029】なお、上述した実施形態では、平衡状態と
粘稠状態との両方を検出しているが、いずれか一方のみ
を判定する構成とすることも可能である。
【0030】
【発明の効果】請求項1の発明は、調理物を入れた調理
容器を加熱する加熱手段と、調理容器の温度を検出する
温度センサと、温度センサによる検出温度に基づいて加
熱手段の発熱量を調節する制御回路とを備えた加熱調理
器において、制御回路が、温度センサによる検出温度の
変化傾向に基づいて調理容器に入れた調理物の調理方法
の種別を判別する調理種別判別手段と、温度センサによ
る検出温度が調理用油の発火を防止するように設定した
自動停止温度に達すると加熱手段による加熱を停止させ
る強制停止手段と、自動停止温度よりも低く調理用油を
加熱した油もの調理ができる程度の比較的高温に設定し
た維持温度に達すると前記検出温度を維持温度付近に保
つように加熱手段の発熱量を制御する温度調節手段とを
備え、調理種別判別手段では、調理方法を油もの調理と
判別すると温度調節手段を有効にし水もの調理と判別す
ると温度調節手段を無効にするものであり、調理用油の
発火を防止するように設定した自動停止温度を調理用油
の温度を保つ維持温度よりも高く設定してあるから、調
理用油の発火を防止することができるとともに、自動停
止温度に到達する頻度が少なくなり、調理途中で加熱手
段が不意に停止してしまう可能性を低減することができ
る。また、油もの調理の際には検出温度を維持温度付近
に保つように加熱手段の発熱量を制御するから、調理用
油の温度情報を抑制して揚げ物のような油もの調理を比
較的長時間にわたって継続することが可能になる。しか
も、自動停止温度は油もの調理と水もの調理とにかかわ
らず一定であるから、油もの調理だけではなく煮物や煮
込物のような長時間の調理を要する水もの調理の際にも
調理途中で加熱手段が不意に停止する可能性が低減さ
れ、さらに、油もの調理の際には維持温度に保つ機能を
有しながらも水もの調理の際には維持温度に保つ機能を
無効化しているから、水もの調理の際には調理物が焦げ
付くと温度調節手段が機能せずに短時間で自動停止温度
に達し、加熱手段を比較的短時間で自動停止させること
ができるという利点を有する。
【0031】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記調理種別判別手段では、水もの調理の際に加熱
量と放熱量とが平衡すると推定される期間を前記検出温
度の時間変化を監視する平衡検出期間として設定し、平
衡検出期間において一定時間間隔で所定個取り出した各
検出温度と平衡検出期間の開始時点における前記検出温
度との差が許容範囲内である個数が規定の個数以上であ
るときに水もの調理と判別するものであり、加熱量と放
熱量とが平衡することによって水もの調理と判別するか
ら、水分量の比較的多い煮物やスープなどの水もの調理
を容易に判別することができる。
【0032】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記調理種別判別手段では、調理物の沸騰状態を検
出すると沸騰状態の検出時点の所定時間後から判別期間
を設定し、判別期間において一定時間間隔で所定個取り
出した各検出温度と判別期間の開始時点における前記検
出温度との差が許容範囲内である個数が規定の個数以上
であるときに水もの調理と判別するものであり、加熱量
と放熱量とが平衡する場合だけではなく、カレーやシチ
ューのように水もの調理であっても粘度が比較的高い調
理物のように検出温度が徐々に上昇するような場合でも
水もの調理と判別することができる。
【0033】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、前記調理種別判別手段では、水もの調理の際に加熱
量と放熱量とが平衡すると推定される期間を前記検出温
度の時間変化を監視する平衡検出期間として設定する機
能と、調理物の沸騰状態を検出すると沸騰状態の検出時
点の所定時間後から判別期間を設定する機能とを有し、
平衡検出期間において一定時間間隔で所定個取り出した
各検出温度と平衡検出期間の開始時点における前記検出
温度との差が許容範囲内となる個数が規定の個数以上で
あるという条件と、判別期間において一定時間間隔で所
定個取り出した各検出温度と判別期間の開始時点におけ
る前記検出温度との差が許容範囲内である個数が規定の
個数以上であるという条件との一方が成立するするとき
に水もの調理と判別するものであり、水分量の比較的多
い煮物やスープなどの水もの調理か、粘度が比較的高い
カレーやシチューのような煮込物の水もの調理かにかか
わらず水もの調理であることを判別することが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】同上の動作説明図である。
【図3】同上の動作説明図である。
【符号の説明】
1 ガスバーナ 3 ガス供給制御装置 5 調理容器 6 温度センサ 10 制御回路 11 調理種別判別手段 12 強制停止手段 13 温度調節手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調理物を入れた調理容器を加熱する加熱
    手段と、調理容器の温度を検出する温度センサと、温度
    センサによる検出温度に基づいて加熱手段の発熱量を調
    節する制御回路とを備えた加熱調理器において、制御回
    路が、温度センサによる検出温度の変化傾向に基づいて
    調理容器に入れた調理物の調理方法の種別を判別する調
    理種別判別手段と、温度センサによる検出温度が調理用
    油の発火を防止するように設定した自動停止温度に達す
    ると加熱手段による加熱を停止させる強制停止手段と、
    自動停止温度よりも低く調理用油を加熱した油もの調理
    ができる程度の比較的高温に設定した維持温度に達する
    と前記検出温度を維持温度付近に保つように加熱手段の
    発熱量を制御する温度調節手段とを備え、調理種別判別
    手段では、調理方法を油もの調理と判別すると温度調節
    手段を有効にし水もの調理と判別すると温度調節手段を
    無効にすることを特徴とする加熱調理器。
  2. 【請求項2】 前記調理種別判別手段では、水もの調理
    の際に加熱量と放熱量とが平衡すると推定される期間を
    前記検出温度の時間変化を監視する平衡検出期間として
    設定し、平衡検出期間において一定時間間隔で所定個取
    り出した各検出温度と平衡検出期間の開始時点における
    前記検出温度との差が許容範囲内である個数が規定の個
    数以上であるときに水もの調理と判別することを特徴と
    する請求項1記載の加熱調理器。
  3. 【請求項3】 前記調理種別判別手段では、調理物の沸
    騰状態を検出すると沸騰状態の検出時点の所定時間後か
    ら判別期間を設定し、判別期間において一定時間間隔で
    所定個取り出した各検出温度と判別期間の開始時点にお
    ける前記検出温度との差が許容範囲内である個数が規定
    の個数以上であるときに水もの調理と判別することを特
    徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  4. 【請求項4】 前記調理種別判別手段では、水もの調理
    の際に加熱量と放熱量とが平衡すると推定される期間を
    前記検出温度の時間変化を監視する平衡検出期間として
    設定する機能と、調理物の沸騰状態を検出すると沸騰状
    態の検出時点の所定時間後から判別期間を設定する機能
    とを有し、平衡検出期間において一定時間間隔で所定個
    取り出した各検出温度と平衡検出期間の開始時点におけ
    る前記検出温度との差が許容範囲内となる個数が規定の
    個数以上であるという条件と、判別期間において一定時
    間間隔で所定個取り出した各検出温度と判別期間の開始
    時点における前記検出温度との差が許容範囲内である個
    数が規定の個数以上であるという条件との一方が成立す
    るするときに水もの調理と判別することを特徴とする請
    求項1記載の加熱調理器。
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JP2015190665A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 リンナイ株式会社 ガスコンロ
JP2016008722A (ja) * 2014-06-20 2016-01-18 リンナイ株式会社 ガスコンロ

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