JP2002012651A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

Info

Publication number
JP2002012651A
JP2002012651A JP2000192971A JP2000192971A JP2002012651A JP 2002012651 A JP2002012651 A JP 2002012651A JP 2000192971 A JP2000192971 A JP 2000192971A JP 2000192971 A JP2000192971 A JP 2000192971A JP 2002012651 A JP2002012651 A JP 2002012651A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
group
resin composition
manufactured
thermosetting resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000192971A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Hiraoka
秀樹 平岡
Akira Washimi
章 鷲見
Kaoru Kimura
馨 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP2000192971A priority Critical patent/JP2002012651A/ja
Publication of JP2002012651A publication Critical patent/JP2002012651A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、電気特性、耐候性等に優れ、硬化時
の着色が少なく且つ低い温度における速硬化性を持つ樹
脂硬化物を与える硬化性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 本組成物は、多価エポキシ化合物(ビス
フェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂等)
及び多価アクリロイル化合物を含有し、硬化剤として活
性水素含有化合物等を含有しない混合物(ペンタエリス
リトールテトラアクリレート等)に、式(I)で表され
る化合物(N,Nジメチルエチレンジアミン等)又は式
(II)で表される化合物(2,4,6−トリスジメチ
ルアミノメチルフェノール等)が触媒量配合されてな
る。(CH3(CH3)NCH2n−R(I)(Rは有機
基。) (CH3(CH3)NCH2n−R’−(X)m
(II)(R’はn+m価の残基。Xはアクリロイル
基等に反応可能な官能基(水酸基等)。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性樹脂組成
物に関し、更に詳しく言えば、耐熱性、機械的特性及び
電気特性等に優れた熱硬化性樹脂組成物に関する。本発
明の熱硬化性樹脂組成物は、成形体、複合材料、電気絶
縁材料、電気・電子部品のパッケージング材料、接着剤
及び塗料等に利用される。
【0002】
【従来の技術】エポキシ基を有する化合物(以下エポキ
シ化合物という。)と硬化剤としてのアミン化合物から
なる硬化性組成物はよく知られている。また、アミン硬
化エポキシ化合物から得られる硬化物の耐候性等を改良
する目的でアクリロイル基又はメタクリロイル基を有す
る化合物(以下、(メタ)アクリロイル化合物とい
う。)を添加した硬化性組成物も提案されている(特開
昭53−18637号公報、特開昭58−189224
号公報)。更に、誘電特性等を改良する目的で、エポキ
シ化合物と(メタ)アクリロイル化合物に硬化触媒とし
て1,2級又は3級アミンを添加した硬化性組成物も提
案されている(特開平11−181054号公報)。
【0003】しかし、エポキシ化合物と(メタ)アクリ
ロイル化合物の混合物に1,2級アミンの活性水素をエ
ポキシ基とアクリロイル基の量に対して当量近く用いる
場合、その組成物は硬化性を十分に有しているが、極性
が高いアミノ基を多量に含むため誘電率が高くなるなど
電気特性の悪化が問題となっており、また毒性の強いア
ミン化合物を多量に使用するため作業環境の悪化も懸念
されていた。また1,2級アミンを触媒として用いる場
合は電気特性が向上し好ましいが、1,2級アミンが硬
化反応の初期に(メタ)アクリロイル基やエポキシ基に
付加してしまうために窒素上の置換基が嵩高くなりすぎ
る結果、触媒としての作用が低下するため、短時間で硬
化物を得るためには200℃以上の高温が必要となると
いう問題があった。またそのような高温ではモノマーや
触媒成分が蒸発し硬化物の物性が不安定となりやすく、
作業環境の改善にはあまり寄与しないという問題もある
ため使用が制限される。更に、3級アミンを触媒として
用いる場合も窒素上の置換基が嵩高いものは同様に触媒
作用が低い。また樹脂中の官能基との結合が弱いため電
子材料に用いた場合は、高湿度下で電気絶縁性の低下な
どが起きやすく使用が制限される。また多価メタクリロ
イル化合物を用いた場合は速硬化性を得ることができな
かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、耐熱
性、機械的特性、電気特性及び耐候性に優れたうえ、硬
化時の着色が少なく、且つ低い温度における速硬化性を
併せ持つ樹脂硬化物を与えることができる新規な硬化性
樹脂組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、エポキシ化合物
と多価アクリロイル化合物、及び一分子中に前記式
(I)で表される、ジメチルアミノメチレン基を有する
化合物を触媒量配合した熱硬化性組成物が耐熱性、機械
的特性、電気特性、耐候性に優れたうえ、着色が少な
く、且つ150℃以下の低い温度での速硬化性を有する
樹脂硬化物を与えることができることを見出して本発明
を完成するに至った。
【0006】本第1発明の熱硬化性樹脂組成物は、多価
エポキシ化合物(A)及び多価アクリロイル化合物
(B)を含有し、多価エポキシ化合物の硬化剤として活
性水素含有化合物又は酸無水物を含有しない混合物に前
記式(I)で表わされる化合物(C)を触媒量配合して
なることを特徴とする。
【0007】上記「多価エポキシ化合物(A)」はエポ
キシ基を1分子中に2個以上有する化合物で特に限定さ
れるものではない。その具体例としては、ビスフェノー
ルAジグリシジルエーテル若しくはそのオリゴマー(例
えば油化シェルエポキシ(株)製「エピコート82
5」、「エピコート827」、「エピコート828」、
「エピコート834」、「エピコート1001」、「エ
ピコート1004」、「エピコート1007」、「エピ
コート1009」)、ビスフェノールFジグリシジルエ
ーテル若しくはそのオリゴマー(例えば油化シェルエポ
キシ(株)製「エピコート807」)、臭素化ビスフェ
ノールAジグリシジルエーテル若しくはそのオリゴマー
(例えば大日本インキ化学工業(株)製「エピクロン1
53」)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(例え
ば大日本インキ化学工業(株)製「エピクロンN−73
8」、「エピクロンN−770」)、クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂(例えば大日本インキ化学工業
(株)製「エピクロンN−660」、「エピクロンN−
690」)、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹
脂(例えば日本化薬(株)製「BREN−S」)、テト
ラメチルビフェニルジグリシジルエーテル若しくはその
オリゴマー(例えば油化シェルエポキシ(株)製「エピ
コートYX4000」)、ジシクロペンタジエン残基含
有エポキシ樹脂(例えば大日本インキ化学工業(株)製
「エピクロンHP−7200」)、ソルビトールポリグ
リシジルエーテル(例えばナガセ化成工業(株)製「デ
ナコールEX−611」)、ソルビタンポリグリシジル
エーテル(例えばナガセ化成工業(株)製「デナコール
EX−651」)、ペンタエリスリトールテトラグリシ
ジルエーテル(例えばナガセ化成工業(株)製「デナコ
ールEX−411」)、グリセロールトリグリシジルエ
ーテル(例えばナガセ化成工業(株)製「デナコールE
X−314」)、トリメチロールプロパントリグリシジ
ルエーテル(例えばナガセ化成工業(株)製「デナコー
ルEX−321」)、レゾルシンジグリシジルエーテル
(例えばナガセ化成工業(株)製「デナコールEX−2
01」)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテ
ル(例えばナガセ化成工業(株)製「デナコールEX−
211」)、アルキレンジオールジグリシジルエーテル
(例えばナガセ化成工業(株)製「デナコールEX−2
12」)、ポリアルキレングリコールジグリシジルエー
テル(例えばナガセ化成工業(株)製「デナコールEX
−850」、「デナコールEX−911」、「デナコー
ルEX−922」)、ナフタレン型エポキシ樹脂(例え
ば大日本インキ化学工業(株)製「エピクロンHP−4
032」)、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタ
ン、トリグリシジルアミノフェノール、水添ビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル、テトラグリシジルメタキ
シレンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミ
ノメチルシクロヘキサン、ジグリシジルアニリン(例え
ば日本化薬(株)製「GAN」)、ジグリシジルオルソ
トルイジン(例えば日本化薬(株)製「GOT」)、フ
タル酸ジグリシジルエステル、水添フタル酸ジグリシジ
ルエステル等がある。これらの化合物は所望により2種
類以上用いても良い。
【0008】上記「多価アクリロイル化合物(B)」
は、アクリロイル基を1分子中に2個以上有する化合物
で特に限定されるものではない。その具体例としては、
エチレンオキサイド変性ビスフェノールFのジアクリレ
ート(例えば東亞合成(株)製「アロニックスM20
8」)、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAのジ
アクリレート(例えば東亞合成(株)製「アロニックス
M210」)、プロピレンオキサイド変性ビスフェノー
ルAのジアクリレート(例えば共栄社化学(株)製「ラ
イトアクリレートBP−4PA」)、エチレンオキサイ
ド変性イソシアヌル酸のジアクリレート(例えば東亞合
成(株)製「アロニックスM215」)、ポリプロピレ
ングリコールジアクリレート(例えば東亞合成(株)製
「アロニックスM225」)、ポリエチレングリコール
ジアクリレート(例えば東亞合成(株)製「アロニック
スM240」)、ポリテトラメチレングリコールジアク
リレート(例えば共栄社化学(株)製「ライトアクリレ
ートPTMGA−250」)、ペンタエリスリトールジ
アクリレートモノステアレート(例えば東亞合成(株)
製「アロニックスM233」)、ネオペンチルグリコー
ルジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、
ノナンジオールジアクリレート、ジメチロールトリシク
ロデカンジアクリレート(例えば共栄社化学(株)製
「ライトアクリレートDCP−A」)、トリメチロール
プロパンアクリル酸安息香酸エステル(例えば共栄社化
学(株)製「ライトアクリレートBA−134」)、ヒ
ドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート(例えば共栄社化学(株)製「ライトアクリレート
HPP−A」)、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト(例えば東亞合成(株)製「アロニックスM30
5」)、トリメチロールプロパントリアクリレート(例
えば東亞合成(株)製「アロニックスM309」)、ア
ルキレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリア
クリレート(例えば東亞合成(株)製「アロニックスM
310」、「アロニックスM350」)、エチレンオキ
サイド変性イソシアヌル酸のトリアクリレート(例えば
東亞合成(株)製「アロニックスM315」)、グリセ
リントリアクリレート、アルキレンオキサイド変性グリ
セロールのトリアクリレート(例えば日本化薬(株)製
「カヤラッドGPO−303」)、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート(例えば東亞合成(株)製「アロ
ニックスM450」)、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート(例えば東亞合成(株)製「アロニックス
M400」)、ジトリメチロールプロパンテトラアクリ
レート(例えば東亞合成(株)製「アロニックスM45
8」)、ウレタンアクリレート(例えば東亞合成(株)
製「アロニックスM1100」、「アロニックスM12
00」、「アロニックスM1600」)、ポリエステル
アクリレート(例えば東亞合成(株)製「アロニックス
M6100」、「アロニックスM7100」)、アルキ
レングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加
物(例えば共栄社化学(株)製「エポキシエステル70
PA」)、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのア
クリル酸付加物(例えば昭和高分子(株)製「リポキシ
VR60」)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の
アクリル酸付加物(例えば昭和高分子(株)製「リポキ
シH600」)、臭素化ビスフェノールAジグリシジル
エーテルのアクリル酸付加物(例えば昭和高分子(株)
製「リポキシSP510」)等がある。これらの化合物
は所望により2種類以上用いても良い。
【0009】これらのうち、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、グリセリントリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテト
ラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート等の3官能以上の脂肪族アクリレートが好まし
い。これを使用すると多価エポキシ化合物を単独で硬化
した場合よりガラス転移温度が高い硬化物を得ることが
できる。更に、硬化前の組成物は同程度のガラス転移温
度が得られる3官能以上のエポキシ樹脂より低粘度とな
るため好ましく使用できる。
【0010】本発明の熱硬化性組成物における多価エポ
キシ化合物(A)と多価アクリロイル化合物(B)との
割合は、多価エポキシ化合物のエポキシ基1当量に対し
て多価アクリロイル化合物中のアクリロイル基が0.6
〜2当量の範囲になるものが好ましく、0.7〜1.5
当量の範囲になるものが更に好ましい。アクリロイル基
の当量比が0.6未満の場合は組成物配合後の保存安定
性が十分でなく、硬化物の耐候性の向上効果も不十分で
あり、2当量を超えると硬化収縮が大きいため何れも好
ましくない。
【0011】上記「化合物(C)」は一分子中に前記式
(I)で表わされる化合物であり、ジメチルアミノメチ
レン基を一個以上有する化合物である。この化合物
(C)としては、第2発明に示すように、前記式(I
I)で表される化合物、即ち、アクリロイル基又はエポ
キシ基と反応するような官能基を有するものが好まし
い。この場合は、樹脂と硬化反応させて共有結合を形成
することができるので、特に高温高湿下などにおける電
気特性を向上させることができる。また、この官能基
は、第3発明に示すように、1級アミノ基、2級アミノ
基、メルカプト基、ビニル基、共役ジエン、水酸基及び
カルボキシル基の中から選ばれる官能基であることが好
ましい。
【0012】上記化合物(C)の具体例としては、N,
N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルプロ
ピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエ
チレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−
1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テト
ラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N,N’,
N’−1,3−ジアミノ−2−プロパノール、N,N,
N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、ビス(2
−ジメチルアミノエチル)エーテル、1,3,5−トリ
ス[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ヘキサヒドロ−
1,3,5−トリアジン、N,N−ジメチルアミノエチ
ルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタク
リレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレー
ト、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルア
ミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリ
ルアミド、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N
−ジメチルアミノブタノール、3−(ジメチルアミノ)
−1,2−プロパンジオール、1−(2−ジメチルアミ
ノエチル)−5−メルカプトテトラゾール、2−(ジメ
チルアミノ)エタンチオール、N,N−ジメチルアリル
アミン、N,N−ジメチルグリシン、5−(ジメチルア
ミノメチル)フルフリルアルコール、2−(ジメチルア
ミノメチル)チオフェン等がある。
【0013】上記化合物(C)の配合量は、組成物中の
エポキシ基及びアクリロイル基の合計した官能基モル数
(a)に対するジメチルアミノメチレン基のモル数
(b)の比(b/a)が、0.001〜0.2が好まし
く、0.001〜0.1がより好ましい。その比が0.
001未満であると組成物の硬化により高温で長時間か
ける必要があり、本組成物の特徴である速硬化性は得ら
れない。またその比が0.5を超えて添加される場合は
硬化性は十分であるが、化合物(C)が反応できずに残
りやすくなり硬化物から染み出すため、何れも好ましく
ない。
【0014】本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化につい
て、例を示して説明する。硬化は20℃付近の室温でも
可能であるが、本組成物は配合後のポットライフが長い
ため硬化には1日〜1週間程度を要する。本熱硬化性樹
脂組成物の特徴である速硬化性を利用するためには、5
0〜200℃の温度条件が好ましく、更に好ましくは1
30〜180℃である。50℃未満でも時間をかければ
上記のように硬化物は得られるが効率が悪く、200℃
以下の温度でも硬化に要する時間が短いため、これを超
えてもエネルギーの無駄である。更に、200℃を超え
る場合はモノマーや触媒の蒸発により組成が変化したり
作業環境の著しい悪化を招きやすく、多量の樹脂を用い
る場合は硬化発熱のために硬化の制御がし難い。但し、
200℃以下で一旦硬化した後、極わずかに残存する未
反応基を反応させる目的で200℃を超えて加熱するこ
とは可能である。硬化時間は上記の好ましい温度範囲で
10分〜5時間が好ましく、また、ゲル化時間は0.5
分〜30分が好ましい。
【0015】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、組成物の
粘度調整や硬化物の架橋密度を調整するなどの目的で必
要に応じて、単官能のエポキシ化合物又は単官能のアク
リロイル化合物を添加併用しても良い。また、必要に応
じて溶剤を添加しても良く、溶剤が添加されたものは、
本組成物を塗料及び印刷インキ等に用いる場合に作業性
が向上し好適である。更に、所望により、シリカ、アル
ミナ、炭酸カルシウム、ガラス粉、タルク、ガラス繊維
等の無機フィラー、ポリエチレン、フェノール樹脂、ベ
ンゾグアナミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、
MBS樹脂等の有機フィラー、アクリロニトリルブタジ
エンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリエステル等の
重合体、シランカップリング剤、消泡剤、レベリング
剤、顔料、分散安定化剤及び可塑剤等を添加しても良
い。
【0016】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、そのまま
成形物となるように硬化させることもできるし、スピン
コート法、ディッピング法、スプレー法、グラビアコー
ティング法及びロールコーティング法等の塗布方法によ
り、金属板、ガラス板、樹脂フィルム及び樹脂シート上
に皮膜とした後で硬化させることもできる。また、ガラ
ス布及び炭素繊維布等からなる補強材と組み合わせてプ
リプレグとした後に硬化させ繊維強化プラスチックとし
て使用することもできる。更に、被膜或いはプリプレグ
用組成が溶剤を含有する場合は硬化に先立ち、樹脂が硬
化しないような温度と時間で溶剤の一部又は全部を揮発
させることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の熱硬化性樹脂組成
物について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明す
る。各実施例及び各比較例で使用した材料の明細を以下
に示す。 多価エポキシ化合物(A):ビスフェノールAジグリ
シジルエーテル型エポキシ樹脂(商品名「エピコート8
28」、油化シェルエポキシ(株)製) 多価アクリロイル化合物(B):ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート(商品名「アロニックスM45
0」、東亞合成(株)製)、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート(商品名「アロニックス400」、東
亞合成(株)製)、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート(商品名「アロニックスM305」、東亞合成
(株)製) 多価メタクリロイル化合物(A):エチレンオキサイ
ド変性ビスフェノールAジメタクリレート(商品名「ラ
イトエステルBP−2EM」、共栄社化学(株)製) 硬化触媒:「DMEDA」(N,Nジメチルエチレン
ジアミン)、「DMAPAA」(3−ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミド)、「TDMAMP」(2,4,
6−トリスジメチルアミノメチルフェノール)、「TM
EDA」(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレン
ジアミン)、「DEEDA」(N,N−ジエチルエチレ
ンジアミン)、「TETA」(トリエチレンテトラミ
ン)、「EDA」(エチレンジアミン)、「DMAP」
(4−ジメチルアミノピリジン)
【0018】(実施例1)下記表1に示すように、多価
エポキシ化合物(A)としてビスフェノールAジグリシ
ジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ
(株)製商品名「エピコート828」、エポキシ当量1
89)3.78g(エポキシ基約0.02mol相
当)、多価アクリロイル化合物(B)としてペンタエリ
スリトールテトラアクリレート(東亞合成(株)製商品
名「アロニックスM450」)1.76g(アクリロイ
ル基約0.02mol)を混合し、ここに硬化触媒とし
てN,Nジメチルエチレンジアミン0.24g(ジメチ
ルアミノ基約0.002mol)を加えすばやく攪拌し
て均一にした。この組成物を150℃に加熱した熱板に
乗せ、ミクロスパーテルで樹脂の状態を確認しながらゲ
ル硬化時間を測定し、ゲル硬化物の着色についても評価
した。その結果を表2に示した。また、同じ割合で配合
した樹脂をフッ素樹脂製の型に流し込み、卓上熱プレス
を用いて、120℃で30分、更に150℃で2時間の
条件で加圧して硬化させた。この硬化物について、曲げ
強度、曲げ弾性率、比誘電率、誘電正接及びガラス転移
温度の各種物性を測定した。その結果を表3に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】各測定方法を以下に示す。 (ゲル硬化物のゲル硬化時間測定)表面温度を150℃
に保った熱板上に混合直後の樹脂組成物をスポイトで約
0.5ml乗せ、ミクロスパーテルで樹脂の変化を確認
しながら、乗せた瞬間からゲル硬化するまでの時間を測
定した。ここでゲル硬化とは樹脂の表面までゲル化して
表面のべたつきやゴム弾性が無くなった状態を指す。
尚、10分以上ゲル化せず、30分後も全くゲル硬化し
ないか部分的なゲル化にとどまったものの評価は「×」
とした。また、30分後においてもゲル硬化しないもの
についてはゲル硬化物の着色の評価は行わなかった。 (ゲル硬化物の着色)目視により評価した。 (硬化物の曲げ強度、曲げ弾性率)JIS K 691
1に準じて測定を行った。 (硬化物の比誘電率、誘電正接)ヒューレットパッカー
ド社製インピーダンスゲインアナライザーHP4194
Aを使用し周波数1MHzにおける誘電特性を測定し
た。 (硬化物のガラス転移温度の測定)粘弾性測定機
((株)セイコーインスツルメント製DMS6100)
を用い周波数1MHz、昇温速度4℃/minで粘弾性
を測定し、そのtanδ曲線の高温側のピーク値をガラ
ス転移温度とした。
【0023】(実施例2〜6)実施例1に準じ、表1に
示す組成物を用いて、実施例1と同様の条件で反応させ
た。実施例1と同様にそれぞれのゲル硬化時間を測定
し、ゲル硬化物の着色の結果と共に、その結果を表2に
併記した。
【0024】(比較例1〜7)実施例1に準じ、表1に
示す組成物を用いて、実施例1と同様の条件で反応させ
た。実施例1と同様にそれぞれのゲル硬化時間を測定
し、ゲル硬化物の着色の結果と共に、その結果を表2に
併記した。また、比較例5においては、120℃で1時
間、その後150℃で1時間、更に200℃で2時間の
加圧条件で硬化させることができ、実施例1と同様に得
られた硬化物の各種物性を測定した。その結果を表3に
併記した。
【0025】(実施例の効果)表2によれば、実施例1
〜6のすべてにおいて10分以内の短時間でゲル硬化物
が得られ、ゲル硬化時の着色においては淡黄色透明か燈
色透明であった。しかし、比較例1のように、2つの置
換基がエチル基であるアミン化合物及び比較例2,3の
ような1,2級アミンしか持たないアミン化合物は速硬
化性が無かった。また、比較例5,6のように、エポキ
シ化合物及びアクリロイル化合物のどちらかが欠けても
速硬化性は無かった。更に、比較例7のようにアクリロ
イル化合物をメタクリロイル化合物にしたものでも速硬
化性は見られなかった。比較例の中で唯一、複素環構造
を有するアミンを用いた比較例4で速硬化性が認められ
たが、ゲル硬化時の着色が黒褐色で不透明なゲル硬化物
しか得られなかった。
【0026】また、表3によれば、実施例1は比較例5
よりも曲げ強度及び曲げ弾性率が高く機械的特性に優れ
ると共に、比誘電率及び誘電正接が低いことから電気特
性にも優れ、更にガラス転移温度が52℃も高く耐熱性
にも優れていた。また、上記のように実施例1は、ゲル
硬化時の着色が淡黄色透明であると共に、速硬化性があ
ることから、非常に優れた性能バランスを持つ熱硬化性
樹脂組成物であることが分かる。
【0027】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、使用す
る化合物(C)が窒素上の置換基が小さく触媒として作
用しやすいので、硬化反応性が良好であり、得られる樹
脂硬化物はゲル硬化時の着色が少なく、耐熱性、機械的
特性、電気特性等に優れる。特に、本発明の硬化性樹脂
組成物において使用する化合物(C)がエポキシ基又は
アクリロイル基に対し容易に結合する官能基を有するも
のである場合は、硬化物と一体化し、硬化物使用中に染
み出しにくくなるものと考えられる。以上より、本発明
の硬化性樹脂組成物は、成形体、複合材料、プリント配
線基板・半導体パッケージ用封止樹脂等の電子部品用絶
縁材料、電気・電子部品のパッケージング材料、接着
剤、塗料及び繊維強化プラスチック等の用途に有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 馨 名古屋市港区船見町1番地の1 東亞合成 株式会社名古屋総合研究所内 Fターム(参考) 4J036 AB01 AB02 AB03 AB07 AB10 AD07 AD08 AD09 AE07 AF06 AF08 AF10 AF15 AF16 AG06 AG07 AH04 AH07 AH09 DC03 DC05 DC08 DC12 DC15 DC22 DC38 DD02 EA04 EA09 JA01 JA05 JA06 JA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多価エポキシ化合物(A)及び多価アク
    リロイル化合物(B)を含有し、該多価エポキシ化合物
    の硬化剤として活性水素含有化合物又は酸無水物を含有
    しない混合物に下記式(I)で表わされる化合物(C)
    を触媒量配合してなることを特徴とする熱硬化性樹脂組
    成物。 (CH3(CH3)NCH2n−R (I) (但し、Rは有機基であり、ジメチルアミノメチレン基
    と結合する元素は芳香族炭素ではない。nは1以上の整
    数を表す。)
  2. 【請求項2】 上記化合物(C)が下記式(II)で表
    される化合物である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成
    物。 (CH3(CH3)NCH2n−R’−(X)m (II) (但し、R’はn+m価の残基であり、ジメチルアミノ
    メチレン基と結合する元素は芳香族炭素ではない。Xは
    アクリロイル基若しくはエポキシ基の少なくとも一方に
    付加又は共重合が可能な官能基を表す。n、mはそれぞ
    れ独立して1以上の整数を表す。)
  3. 【請求項3】 上記式(II)で表される化合物(C)
    中の官能基Xが、1級アミノ基、2級アミノ基、メルカ
    プト基、ビニル基、共役ジエン、水酸基及びカルボキシ
    ル基の中から選ばれる官能基である請求項1又は2に記
    載の熱硬化性樹脂組成物。
JP2000192971A 2000-06-27 2000-06-27 熱硬化性樹脂組成物 Pending JP2002012651A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000192971A JP2002012651A (ja) 2000-06-27 2000-06-27 熱硬化性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000192971A JP2002012651A (ja) 2000-06-27 2000-06-27 熱硬化性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002012651A true JP2002012651A (ja) 2002-01-15

Family

ID=18692038

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000192971A Pending JP2002012651A (ja) 2000-06-27 2000-06-27 熱硬化性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002012651A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019065248A1 (ja) * 2017-09-29 2019-04-04 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 繊維強化複合材料用樹脂組成物及びそれを用いた繊維強化複合材料
US10427388B2 (en) 2015-09-24 2019-10-01 Arakawa Chemical Industries, Ltd. Emulsion composition and production method thereof, and laminate and production method thereof
CN110725497A (zh) * 2019-10-22 2020-01-24 江山欧派门业股份有限公司 一种炭塑发热装饰板及其应用

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10427388B2 (en) 2015-09-24 2019-10-01 Arakawa Chemical Industries, Ltd. Emulsion composition and production method thereof, and laminate and production method thereof
WO2019065248A1 (ja) * 2017-09-29 2019-04-04 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 繊維強化複合材料用樹脂組成物及びそれを用いた繊維強化複合材料
JPWO2019065248A1 (ja) * 2017-09-29 2020-11-05 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 繊維強化複合材料用樹脂組成物及びそれを用いた繊維強化複合材料
EP3689937A4 (en) * 2017-09-29 2021-06-23 NIPPON STEEL Chemical & Material Co., Ltd. RESIN COMPOSITION FOR FIBER-REINFORCED COMPOSITE AND FIBER-REINFORCED COMPOSITE MANUFACTURED WITH IT
JP7221871B2 (ja) 2017-09-29 2023-02-14 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 繊維強化複合材料用樹脂組成物及びそれを用いた繊維強化複合材料
CN110725497A (zh) * 2019-10-22 2020-01-24 江山欧派门业股份有限公司 一种炭塑发热装饰板及其应用
CN110725497B (zh) * 2019-10-22 2021-03-26 江山欧派门业股份有限公司 一种炭塑发热装饰板及其应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7226976B2 (en) Latent curing agent for epoxy resin, and curable epoxy resin composition
US20120296012A1 (en) Room temperature ionic liquid-epoxy systems as dispersants and matrix materials for nanocomposites
JPH0753711A (ja) 活性エネルギー線硬化型組成物
CN105399935B (zh) 可降解光固化树脂预聚体及制备方法、光固化树脂及制备方法
EP1925630A1 (en) Thermosetting resin composition
JP2007009124A (ja) 帯電防止エポキシ樹脂組成物及び成形体
KR102076644B1 (ko) 제전성 조성물, 그 제조 방법, 성형품, 제전성 도료, 제전성 피복물 및 제전성 점착제
JPH11140279A (ja) 活性エネルギー線硬化型組成物
JP2005350579A (ja) 制電性重合体組成物、その製造方法、及びそれを用いた成形品
JPH05306326A (ja) 硬化性塗料組成物
WO2005056686A1 (ja) 放射線硬化型導電性組成物
JP2002194057A (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP2002012651A (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP5004818B2 (ja) 硬化性組成物及びその硬化物
JP2003048928A (ja) 反応性希釈剤及び硬化性樹脂組成物
JPS61157520A (ja) 硬化性組成物
JP2006282633A (ja) スルホニウム化合物および重合組成物
JP2005154386A (ja) 窒素含有エポキシ(メタ)アクリレート及びその製造方法、並びに組成物及びその硬化物
JPH10251378A (ja) 硬化性樹脂組成物
JP4509539B2 (ja) エポキシ樹脂組成物シート
JP4702764B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JPH08157767A (ja) 導電性塗膜形成剤組成物
JPH1180118A (ja) 新規スルホニウム塩、カチオン重合性組成物及びその硬化物
JP4344662B2 (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び成形体並びにエポキシ樹脂組成物の製造方法
JPH0586422B2 (ja)