JP2002010636A - スイッチング電源装置 - Google Patents

スイッチング電源装置

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JP2002010636A
JP2002010636A JP2000189406A JP2000189406A JP2002010636A JP 2002010636 A JP2002010636 A JP 2002010636A JP 2000189406 A JP2000189406 A JP 2000189406A JP 2000189406 A JP2000189406 A JP 2000189406A JP 2002010636 A JP2002010636 A JP 2002010636A
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circuit
switch element
switching
power supply
choke
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JP2000189406A
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Masakazu Takagi
雅和 高木
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】チョーク電流不連続領域で発生するサージ電圧
から転流用スイッチ素子を保護できる低損失の同期整流
方式スイッチング電源装置を提供する。 【解決手段】スイッチング変換回路1は、供給された直
流電圧Vinをスイッチングする。整流平滑回路2はス
イッチング出力を整流平滑する。転流用スイッチ素子2
3は、スイッチング素子11のオフ期間にオン期間を有
し、チョークコイル20に蓄えられたエネルギーを転流
用スイッチ素子23のオン期間に放出する。制御回路3
はチョーク電流不連続時に、チョーク電流が零となるタ
イミングの近傍で、転流用スイッチ素子23のオン期間
が終了してオフとなるように制御する。サージ電圧吸収
回路4は、転流用スイッチ素子23のオフの遅れで生じ
る逆電流に起因して、チョークコイル20に発生するサ
ージ電圧を吸収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チョーク電流不連
続領域で、チョークコイルにより発生するサージ電圧か
ら転流用スイッチ素子を保護できる同期整流方式のスイ
ッチング電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スイッチング電源装置は、直流電圧源か
ら供給された直流電圧をスイッチング変換回路によって
スイッチングし、スイッチング出力を整流平滑回路によ
り整流平滑して、任意の直流電圧を出力するよう構成さ
れている。
【0003】整流平滑回路は、その整流素子として、一
般に整流ダイオードが用いられてきたが、スイッチング
電源装置の高効率化の観点から、整流ダイオードと比較
して、よりオン電圧の低い、制御電極を有するスイッチ
素子、例えば電界効果トランジスタ等を用いた同期整流
回路が注目されている。
【0004】このような同期整流回路を用いたスイッチ
ング電源装置では、スイッチング変換回路のスイッチン
グ素子と整流平滑回路のスイッチ素子とを同期して制御
することが、同期整流回路の利点を生かす上で極めて重
要な事項となる。例えば、チョークインプット型整流平
滑回路を備えたスイッチング電源装置では、スイッチン
グ変換回路のスイッチング素子のオン期間に、整流用ス
イッチ素子を介して、フォワード電流をチョークコイル
と負荷に供給するとともに、チョークコイルにエネルギ
ーを蓄える。スイッチング変換回路のスイッチング素子
のオフ期間には、転流用スイッチ素子を介して、フライ
ホイール電流を流し、チョークコイルに蓄えられていた
エネルギーを放出する。
【0005】このため、理想的には、スイッチング変換
回路のスイッチング素子のオン期間に同期して、整流用
スイッチ素子をオンさせるとともに、転流用スイッチ素
子のオフを維持し、スイッチング変換回路のスイッチン
グ素子がオフになると同時に、整流用スイッチ素子をオ
フさせるとともに、転流用スイッチ素子をオンさせる。
【0006】さらに、チョーク電流連続の状態では、ス
イッチング変換回路のスイッチング素子の次のオン期間
が開始される迄、転流用スイッチ素子のオンを維持し、
また、チョーク電流不連続の状態では、チョーク電流が
零となった時点で、転流用スイッチ素子をオフさせ、ス
イッチング変換回路のスイッチング素子の次のオン期間
が開始される迄オフ状態を維持する必要がある。
【0007】同期整流回路を構成する何れのスイッチ素
子においても、オフ期間の開始が早まることは、スイッ
チ素子の内臓ダイオードあるいは、スイッチ素子に並列
に設けられたダイオードを介してフォワード電流および
フライホイール電流が流れることを意味し、同期整流回
路による損失低減効果が損なわれる。また逆に、オン期
間の終了が遅れると、スイッチ素子を介して流れる短絡
電流や、逆方向電流を誘発する。短絡電流や、逆方向電
流は、損失や、ノイズ発生の原因となる。
【0008】スイッチ素子のオン・オフタイミングのず
れによる損失の発生およびノイズの発生を最小限にする
技術は、本発明者等により、特開平11−289760
号公報で提案されている。
【0009】この技術は、第1のスイッチ手段、すなわ
ちスイッチング変換回路のスイッチング素子の導通状態
で出力回路側に発生する電圧により充電され第1のスイ
ッチ手段が非導通状態のとき放電するコンデンサを有す
る時定数回路と、該コンデンサの電圧を所定値と比較し
て該コンデンサの電圧が所定値より低くなったとき第3
のスイッチ手段、すなわち転流用スイッチ素子を非導通
にする比較手段とが設けられたものである。
【0010】このため、第1のスイッチ手段が非導通に
なった後、所定の期間は第3のスイッチ手段を導通状態
に保持することができる。第3のスイッチ手段を導通状
態に保持し、適切なタイミングでオフさせることは、上
述のごとく、同期整流回路の利点を生かす上で極めて重
要な事項である。
【0011】しかしながら、チョーク電流不連続の状態
で、第3のスイッチ手段を適切なタイミングでオフさせ
ること、すなわちチョーク電流が零となったときオフさ
せることは、極めて困難である。
【0012】また、一般に、半導体スイッチ素子は、ス
イッチング動作を行う際、素子固有のスイッチング時間
を有している。転流用スイッチ素子に好適に用いられる
電界効果トランジスタもその例外ではない。素子固有の
スイッチング時間は、素子間のスイッチング時間のばら
つきとして現れる。このため、コンデンサの時定数を利
用して転流用スイッチ素子をオフさせる場合、オフする
時刻を上述のばらつきの中心値に設定してスイッチング
電源装置を構成すると、その半数には逆電流が発生する
ことになる。逆電流の発生を防止するため、スイッチン
グ時間のばらつきを考慮してオフする時刻を早めると、
内臓ダイオードを介してフライホイール電流が流れるこ
とになり、同期整流回路の利点が損なわれる。さらに、
転流用スイッチ素子のオフタイミングは、スイッチング
電源装置に接続される負荷条件によっても変動し、適切
なタイミングでオフさせることを困難にする。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、チョ
ーク電流不連続領域で、チョークコイルにより発生する
サージ電圧から転流用スイッチ素子を保護できる同期整
流方式のスイッチング電源装置を提供することである。
【0014】本発明のもう一つの課題は、転流用スイッ
チ素子の内臓ダイオード、あるいは転流用スイッチ素子
に並列に設けられたダイオードを介して流れるフライホ
イール電流を低減した低損失の同期整流方式スイッチン
グ電源装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明に係るスイッチング電源装置は、スイッチ
ング変換回路と、整流平滑回路と、制御回路と、サージ
電圧吸収回路とを含む。
【0016】前記スイッチング変換回路は、少なくとも
一つのスイッチング素子を含み、供給された直流電圧を
スイッチングする。
【0017】前記整流平滑回路は、チョークコイルと、
コンデンサと、制御電極を有する転流用スイッチ素子と
を含み、前記スイッチング変換回路から出力されるスイ
ッチング出力を整流平滑して出力する。前記チョークコ
イルは、前記スイッチング素子のオン期間にエネルギー
を蓄える。
【0018】前記転流用スイッチ素子は、前記スイッチ
ング素子のオフ期間にオン期間を有し、前記チョークコ
イルに蓄えられていたエネルギーを前記転流用スイッチ
素子のオン期間に放出する。
【0019】前記制御回路は、チョーク電流不連続時
に、チョーク電流が零となるタイミングの近傍で、前記
転流用スイッチ素子のオン期間が終了してオフとなるよ
うに制御する。
【0020】前記サージ電圧吸収回路は、前記整流平滑
回路に備えられ、前記転流用スイッチ素子のオフの遅れ
で生じる逆電流に起因して、前記チョークコイルに発生
するサージ電圧を吸収する。
【0021】このように構成されたスイッチング電源装
置において、スイッチング変換回路に含まれるスイッチ
ング素子は、供給された直流電圧をスイッチングする。
スイッチング出力は、整流平滑回路に出力される。
【0022】前記整流平滑回路に含まれるチョークコイ
ルは、前記スイッチング素子のオン期間に発生するフォ
ワード電流によりエネルギーを蓄えるとともに、コンデ
ンサを充電する。前記整流平滑回路に含まれる転流用ス
イッチ素子は、前記スイッチング素子のオフ期間にオン
期間を有し、前記チョークコイルに蓄えられていたエネ
ルギーをフライホイール電流として前記転流用スイッチ
素子のオン期間に放出する。このようにして、前記整流
平滑回路は任意の直流電圧を出力する。
【0023】制御回路は、チョーク電流不連続時に、チ
ョーク電流が零となるタイミングの近傍で、前記転流用
スイッチ素子のオン期間が終了してオフとなるように制
御する。したがって、チョーク電流が零となる以前に、
前記転流用スイッチ素子のオン期間が終了してオフとな
っても、前記転流用スイッチ素子の内臓ダイオード、あ
るいは前記転流用スイッチ素子と並列に接続されるダイ
オードを介して流れるフライホイール電流はわずかとな
り、同期整流回路の損失を低く抑えることができる。
【0024】本発明は、さらにサージ電圧吸収回路を含
む。前記サージ電圧吸収回路は、前記整流平滑回路に備
えられ、前記転流用スイッチ素子のオフの遅れで生じる
逆電流に起因して、前記チョークコイルに発生するサー
ジ電圧を吸収するように備えられている。したがって、
チョーク電流が零となった以降の、チョークコイルに逆
電流が流れてから、前記転流用スイッチ素子のオン期間
が終了してオフとなっても、前記逆電流に起因して、前
記チョークコイルに発生するサージ電圧を吸収し、前記
転流用スイッチ素子をサージ電圧から保護することがで
きる。
【0025】前記サージ電圧のエネルギーは、逆電流の
発生時間によって変わる。前記サージ電圧吸収回路は、
前記逆電流の発生時間、前記転流用スイッチ素子の耐電
圧あるいはスイッチング電源装置の仕様等を考慮して、
前記サージ電圧を吸収できる構成とすればよい。
【0026】前記チョーク電流不連続時に、前記転流用
スイッチ素子がオフとなるタイミングは、前記チョーク
電流が零となった以降であることが好ましい。前記チョ
ーク電流が零となった以降に、前記転流用スイッチ素子
がオフとなると、前記転流用スイッチ素子の内臓ダイオ
ード、あるいは前記転流用スイッチ素子と並列に接続さ
れるダイオードを介して流れるフライホイール電流を無
くすことができ、同期整流回路の損失を低く抑えること
ができる。他方、前記逆電流に起因して、前記チョーク
コイルに前記サージ電圧が発生するが、前記サージ電圧
は、前記サージ電圧吸収回路により吸収されるため、ノ
イズの発生が抑制できるとともに、前記転流用スイッチ
素子を前記サージ電圧から保護できる。
【0027】また、前記サージ電圧吸収回路は、前記チ
ョークコイルと並列に接続して構成することもできる。
このように構成すれば、前記チョークコイルに発生する
前記サージ電圧を確実に吸収することができる。
【0028】前記チョークコイルは、二次巻線を含む構
成とすることができる。チョークコイルの二次巻線は、
一般的にIC等の内部制御回路用補助電源として用いら
れる。このため、その二次巻線電圧は、スイッチング電
源装置の出力電圧仕様にかかわらずほぼ同一に設計され
る。したがって、チョークコイルの二次巻線と並列に前
記サージ電圧吸収回路を設ける場合は、同一仕様のサー
ジ電圧吸収回路で種々の出力電圧仕様のスイッチング電
源装置に対応することができ、部品の共通化、コストダ
ウンに効果がある。
【0029】前記サージ電圧吸収回路は、具体的にはダ
イオードとツェナーダイオードとの直列回路、あるいは
バリスタ等のサージ吸収素子で構成される。
【0030】なお、同期整流回路の転流用スイッチ素子
と並列にクランプ回路を接続した例が特開平11−13
6934号公報に記載されている。
【0031】この公報に記載されたDC−DCコンバー
タは、トランスの二次巻線に直列に接続される整流スイ
ッチと、該二次巻線に並列に接続されるフライホイール
スイッチ、すなわち転流用スイッチ素子とを備え、負荷
に対して複数並列に接続されて、該負荷に所定の直流出
力を供給する同期整流式DC−DCコンバータである。
【0032】発明の課題は、並列運転を行っても破損す
るおそれのない同期整流式DC−DCコンバータを提供
することにある。具体的には、負荷に対して複数並列に
接続されたコンバータの何れかが故障により発振が停止
したとき、正常に動作しているコンバータから出力端子
を介して電流が流れ込むのを防止することにある。しか
し、コンバータが故障したとき、フライホイールスイッ
チがオンしていると電流の流れ込みが発生し、その後、
フライホイールスイッチがオフしたとき、チョークコイ
ルに蓄積されたエネルギーにより、フライホイールスイ
ッチに大きな電圧が印加される。クランプ回路はこの大
きな電圧をクランプして、フライホイールスイッチを保
護するものである。
【0033】よって、特開平11−136934号公報
に記載された発明は、本発明とは、その構成、課題とも
大きく異なっている。
【0034】本発明の他の目的、構成および利点につい
ては、添付図面を参照して、更に詳しく説明する。図面
は単なる例示に過ぎない。
【0035】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るスイッチン
グ電源装置の一実施例を概略的に説明するブロック図で
ある。本実施例のスイッチング電源装置は、スイッチン
グ変換回路1と、整流平滑回路2と、制御回路3と、サ
ージ電圧吸収回路4とを含む。図において、参照符号E
は直流電圧源、Lは負荷である。
【0036】直流電圧源Eはバッテリーや、その他の直
流電圧源、あるいは交流電圧を整流回路を介して直流に
変換した電圧の何れでも利用できる。
【0037】スイッチング変換回路1は少なくとも一つ
のスイッチング素子11を含み、直流電圧源Eから供給
された直流電圧Vinをスイッチングする。スイッチン
グ素子11は入力された直流電圧Vinを高周波でスイ
ッチングできればよく、典型的にはバイポーラトランジ
スタや、電界効果トランジスタ等の半導体素子が用いら
れる。スイッチング変換回路1は、更に変圧器や、チョ
ークコイル等の磁電変換素子を含んでいてもよく、一個
もしくは複数個のスイッチング素子11、あるいは前記
磁電変換素子とを組み合わせて、絶縁型、あるいは非絶
縁型等の公知のコンバータ回路としても構成できる。
【0038】整流平滑回路2は、チョークコイル20
と、コンデンサ22と、少なくとも転流用スイッチ素子
23とを含み、スイッチング変換回路1と出力端子T0
との間に配置される。整流平滑回路2は、スイッチング
変換回路1から出力されるスイッチング出力を整流平滑
して、出力端子T0に接続された負荷Lに任意の直流電
圧を供給する。チョークコイル20は、スイッチング変
換回路1のスイッチング素子11のオン期間に流れるフ
ォワード電流によってエネルギーを蓄え、コンデンサ2
2を充電するよう接続される。転流用スイッチ素子23
は、制御電極を有するスイッチ素子、例えば、バイポー
ラトランジスタや電界効果トランジスタ等のオン・オフ
制御可能な半導体スイッチ素子で構成される。転流用ス
イッチ素子23は、スイッチング変換回路1のスイッチ
ング素子11のオフ期間にオンとなってフライホイール
電流を流し、チョークコイル20に蓄えられていたエネ
ルギーを放出する。
【0039】制御回路3は、チョーク電流不連続時に、
チョーク電流が零となるタイミングの近傍で、転流用ス
イッチ素子23のオン期間が終了してオフとなるように
制御する。本実施例では、制御回路3はパルス幅変調回
路30と、スイッチング素子11の駆動回路31と、転
流用スイッチ素子23の駆動回路33と反転回路35
と、チョーク電流検出回路36と、アンド回路37とを
含んで構成される。
【0040】パルス幅変調回路30は、出力電圧情報を
検出するために、出力端子T0に接続された信号ライン
L1を備え、出力電圧に応じた制御信号S1を駆動回路
31と、信号反転回路35とに出力する。駆動回路31
は、制御信号S1が高レベルのときスイッチング素子1
1をオン駆動する。
【0041】チョーク電流検出回路36は、チョーク電
流情報を検出するために、チョークコイル20と転流用
スイッチ素子23との接続点に接続された信号ラインL
6を備え、チョーク電流信号S6をアンド回路37に出
力する。チョーク電流信号S6は、チョーク電流が定常
状態で連続しているときは高レベルの信号となり、チョ
ーク電流が零あるいは零となるタイミングの近傍で低レ
ベルの信号となるよう構成される。
【0042】アンド回路37はさらに、信号反転回路3
5から出力される反転信号S5が入力され、制御信号S
3を駆動回路33に出力する。制御信号S3は、チョー
ク電流信号S6と、反転信号S5のいずれも高レベルの
とき高レベル信号となり、いずれか一方が低レベルのと
き低レベルの信号となるよう構成される。駆動回路33
は、制御信号S3が高レベルのとき、転流用スイッチ素
子23をオン駆動するよう構成される。
【0043】サージ電圧吸収回路4は、転流用スイッチ
素子23のオフの遅れで生じる逆電流に起因して、チョ
ークコイル20に発生するサージ電圧を吸収するよう構
成される。本実施例では、サージ電圧吸収回路4は、転
流用スイッチ素子23と並列に接続されるが、チョーク
コイル20と並列に接続してもよく、また、チョークコ
イル20が二次巻線を備えていれば、その二次巻線と並
列に接続してもよい。
【0044】サージ電圧吸収回路4は、図2に示すバリ
スタ41や、図3に示すツェナーダイオード42等のサ
ージ電圧吸収素子で構成できる。ツェナーダイオード4
2をダイオード43と直列に接続してサージ電圧吸収回
路4を構成すれば、ツェナーダイオード42に印加され
る順方向電圧を阻止できる。
【0045】このように構成されたスイッチング電源装
置において、スイッチング変換回路1のスイッチング素
子11は、パルス幅変調回路30から出力される制御信
号S1により、駆動回路31を介してオン・オフ駆動さ
れ、直流電圧源Eから供給された直流電圧Vinをスイ
ッチングする。
【0046】制御信号S1は、信号反転回路35にも出
力され、その反転信号S5がアンド回路37に出力され
る。アンド回路37には、さらに、チョーク電流検出回
路36からチョーク電流信号S6が出力される。チョー
ク電流信号S6は、チョーク電流が定常状態で連続して
いるときは高レベルの信号となり、チョーク電流が零あ
るいは零となるタイミングの近傍で低レベルの信号とな
る。
【0047】このため、チョーク電流連続の領域では、
制御信号S3は、制御信号S1が高レベルのとき低レベ
ルとなり、逆に、制御信号S1が低レベルのとき高レベ
ルとなる。駆動回路31、33は、それぞれ、制御信号
S1、S3が高レベルのときスイッチング素子11ある
いは転流用スイッチ素子23をオン駆動する。したがっ
て、転流用スイッチ素子23は、スイッチング素子11
のオン期間にオフとなり、スイッチング素子11のオフ
期間にオンとなる。
【0048】整流平滑回路2は、スイッチング変換回路
1から出力されるスイッチング出力を整流平滑する。ス
イッチング素子11のオン期間に発生するフォワード電
流は、転流用スイッチ素子23がオフなので、チョーク
コイル20にエネルギーを蓄えるとともに、コンデンサ
22を充電する。スイッチング素子11のオン期間が終
了すると、転流用スイッチ素子23がオンとなって、フ
ライホイール電流を流し、チョークコイル20に蓄えら
れていたエネルギーを放出する。このようにして、整流
平滑回路2は、出力端子T0に接続された負荷Lに直流
電圧を供給する。
【0049】ここで、出力端子T0に接続された負荷L
が軽くなり、チョーク電流不連続の領域に至ったとす
る。チョーク電流不連続の領域では、チョーク電流が零
あるいは零となるタイミングの近傍でチョーク電流信号
S6は低レベルの信号となる。このため、チョーク電流
信号S6は、スイッチング素子11のオン期間に高レベ
ルとなり、スイッチング素子11のオン期間が終了して
転流用スイッチ素子23がオンとなり、チョークコイル
20がエネルギーの放出を終了し、チョーク電流が零あ
るいは零となるタイミングの近傍で低レベルの信号とな
る。チョーク電流信号S6の低レベル期間は、スイッチ
ング素子11の次のオン期間の開始迄継続する。したが
って、アンド回路37から出力される制御信号S3は、
スイッチング素子11のオン期間が終了したとき高レベ
ルとなり、チョーク電流が零あるいは零となるタイミン
グの近傍で低レベルの信号となる。
【0050】このため、転流用スイッチ素子23は、ス
イッチング素子11のオン期間が終了したときオンとな
って、チョーク電流が零あるいは零となるタイミングの
近傍でオフとなり、スイッチング素子11の次のオン期
間が開始される迄オフ状態が維持される。
【0051】転流用スイッチ素子23のオフタイミング
を適切に設定することは、前述のように極めて困難であ
る。チョーク電流が零となった以降に転流用スイッチ素
子23のオンが継続すると、その間転流用スイッチ素子
23を介してチョークコイル20に逆電流が流れる。逆
電流が流れ始めてから転流用スイッチ素子23がオフと
なると、逆電流により、チョークコイル21に蓄積され
たエネルギーによるサージ電圧が発生する。
【0052】サージ電圧吸収回路4は、転流用スイッチ
素子23と並列に接続されている。サージ電圧はサージ
電圧吸収回路4により吸収される。このため、ノイズの
発生が抑制され、転流用スイッチ素子23をサージ電圧
から保護することができる。
【0053】以上のごとく、本実施例のスイッチング電
源装置において、制御回路3は、チョーク電流不連続時
に、チョーク電流が零となるタイミングの近傍で、転流
用スイッチ素子23のオン期間が終了してオフとなるよ
うに制御する。したがって、チョーク電流が零となる以
前に、転流用スイッチ素子23のオン期間が終了してオ
フとなっても、転流用スイッチ素子23の内臓ダイオー
ド、あるいは転流用スイッチ素子23と並列に接続され
るダイオードを介して流れるフライホイール電流はわず
かとなり、同期整流回路の損失を低く抑えることができ
る。
【0054】本発明は、さらにサージ電圧吸収回路4を
含む。サージ電圧吸収回路4は、整流平滑回路2に備え
られ、転流用スイッチ素子23のオフの遅れで生じる逆
電流に起因して、チョークコイル20に発生するサージ
電圧を吸収する。したがって、チョーク電流が零となっ
た以降の、チョークコイル20に逆電流が流れてから、
転流用スイッチ素子23のオン期間が終了してオフとな
っても、前記逆電流に起因して、チョークコイル20に
発生するサージ電圧を吸収することができる。このた
め、ノイズの発生が抑制でき、転流用スイッチ素子23
をサージ電圧から保護することができる。
【0055】図4は、本発明に係るスイッチング電源装
置の別の実施例を示す電気回路図である。図において、
図1と同一参照符号は同一構成部分を示しており、参照
符号Tは変圧器、22は整流用スイッチ素子である。
【0056】本実施例は絶縁型フォワードコンバータ方
式のスイッチング電源装置に本発明を適用した例を示し
ている。本実施例のスイッチング電源装置は、スイッチ
ング変換回路1と、整流平滑回路2と、制御回路3と、
サージ電圧吸収回路4とを含む。
【0057】スイッチング変換回路1は電界効果トラン
ジスタでなるスイッチング素子11と、変圧器Tとを含
む。変圧器Tは、一次巻線T1と、二次巻線T2とを含
み、一次巻線T1がスイッチング素子11の主電極を介
して直流電圧源Eに接続され、二次巻線T2が整流平滑
回路2に接続される。
【0058】整流平滑回路2は、チョークコイル20
と、コンデンサ21と、整流用スイッチ素子22と、転
流用スイッチ素子23と、ダイオードD22、D23と
を含む。チョークコイル20と、コンデンサ21と、整
流用スイッチ素子22とは直列に接続されて、その両端
が変圧器Tの二次巻線T2に接続される。転流用スイッ
チ素子23は整流用スイッチ素子22を介して変圧器T
の二次巻線T2と並列に接続される。ダイオードD2
2、D23はそれぞれ、整流用スイッチ素子22、転流
用スイッチ素子23と並列に接続される。コンデンサ2
1の両端は、出力端子T0を介して負荷Lに接続され
る。
【0059】制御回路3はパルス幅変調回路30と、ス
イッチング素子11の駆動回路31と、整流用スイッチ
素子22の駆動回路32と、転流用スイッチ素子23の
駆動回路33と、絶縁結合回路34と、反転回路35
と、チョーク電流検出回路36とを含んで構成される。
【0060】パルス幅変調回路30は、出力電圧情報を
検出するために、出力端子T0に接続された信号ライン
L1を備え、出力電圧に応じたパルス幅の制御信号S1
を駆動回路31と、絶縁結合回路34とに出力する。絶
縁結合回路34は、スイッチング電源装置の一次側と、
二次側とを絶縁するためのもので、パルストランスや、
フォトカプラ等で構成され、制御信号S1と同期した、
同相の制御信号S2を駆動回路32と、信号反転回路3
5とに出力する。
【0061】チョーク電流検出回路36は、チョーク電
流情報を検出するために、チョークコイル20と転流用
スイッチ素子23との接続点に接続された信号ラインL
6を備え、時定数回路361と、基準電圧源362と、
比較器363とを含んで構成される。
【0062】時定数回路361は、抵抗R1及びコンデ
ンサC1の直列回路と、コンデンサC1に対して並列に
接続された抵抗R2とを含み、ダイオードD1を介して
信号ラインL6に接続される。比較器363は、一方の
入力端子(+)が時定数回路361のコンデンサC1
と、抵抗R1との接続点に接続され、他方の入力端子
(−)が基準電圧源362に接続される。比較器363
は、コンデンサC1と、基準電圧源362から供給され
る電圧とを比較し、出力端子からチョーク電流信号S6
を出力する。チョーク電流信号S6は、コンデンサC1
の電圧が、基準電圧源362の電圧を上回っているとき
高レベルの信号となり、下回ったとき低レベルの信号と
なるよう構成される。チョーク電流信号S6はダイオー
ドD3を介して信号反転回路35の出力と、ワイヤード
オア接続され、制御信号S3が生成される。制御信号S
3は駆動回路33に供給される。
【0063】駆動回路31、32は、制御信号S1が高
レベルのとき、それぞれスイッチング素子11、整流用
スイッチ素子22をオン駆動する。駆動回路33は、制
御信号S3が高レベルのとき、転流用スイッチ素子23
をオン駆動する。
【0064】サージ電圧吸収回路4は、図2に示すバリ
スタ41や、図3に示すツェナーダイオード42等のサ
ージ電圧吸収素子で構成できる。本実施例では、サージ
電圧吸収回路4は、転流用スイッチ素子23と並列に接
続されるが、破線で示す如くチョークコイル20と並列
に接続してもよく、またチョークコイル20が二次巻線
を備えていれば、二次巻線と並列に接続してもよい。
【0065】このように構成されたスイッチング電源装
置において、パルス幅変調回路30から、駆動回路31
に制御信号S1が出力されると、スイッチング変換回路
1のスイッチング素子11は、直流電圧源Eから供給さ
れた直流電圧Vinをスイッチングし、変圧器T1の二
次巻線T2に電圧を誘起する。制御信号S1は、絶縁結
合回路34にも入力される。絶縁結合回路34は、制御
信号S1と同期した、同相の制御信号S2を駆動回路3
2、および、信号反転回路35に供給する。信号反転回
路35は、制御信号S2の反転信号S5を出力し、チョ
ーク電流検出回路36の出力と、ワイヤードオア接続さ
れ、制御信号S3を生成する。
【0066】次に、図5を参照して、チョーク電流連続
領域における、図4に示すスイッチング電源装置の動作
と、各部の波形について説明する。時刻t1で、スイッ
チング変換回路1のスイッチング素子11のオン期間が
開始されると、制御信号S2(図5(a)参照)も時刻
t1で高レベルとなり、制御信号S3は低レベルとなる
(図5(b)参照)。このため、スイッチング変換回路
1のスイッチング素子11のオンと同時に、時刻t1
で、整流用スイッチ素子22がオンとなり、転流用スイ
ッチ素子23がオフとなる。整流用スイッチ素子22
は、素子固有のスイッチング時間をもってオフからオン
に移行するため、整流用スイッチ素子22のドレイン電
流は、時刻t1から時刻t2にかけて立ち上がり、その
後、緩やかに増加するフォワード電流となる(図5
(e)参照)。フォワード電流は、チョーク電流として
チョークコイル20を介して流れ(図5(c)参照)、
チョークコイル20にエネルギーを蓄積するとともに、
コンデンサ21を充電し、負荷にLに直流電圧を供給す
る。時刻t1から時刻t2にかけての、整流用スイッチ
素子22のスイッチング時間には、ダイオードD23を
介して、フライホイール電流が減少しながら流れ、時刻
t2で零となる(図5(f)参照)。時刻t2で、フラ
イホイール電流が零になると、整流用スイッチ素子22
のドレイン・ソース間電圧が上昇し、時定数回路361
のコンデンサC1の充電が開始される(図5(i)参
照)。
【0067】時刻t3に至り、スイッチング変換回路1
のスイッチング素子11のオン期間が終了すると、制御
信号S2(図5(a)は同時に低レベルとなる。この
時、時定数回路361のコンデンサC1は、基準電圧3
62の電圧より高い電圧に充電(図5(i)参照)され
ており、チョーク電流検出回路36のチョーク電流信号
S6は高レベルであり、制御信号S3は高レベルとなる
(図5(b)参照)。
【0068】このため、スイッチング変換回路1のスイ
ッチング素子11のオフと同時に、時刻t3で、整流用
スイッチ素子22がオフ(図5(e)参照)となり、転
流用スイッチ素子23がオンとなる(図5(h)参
照)。転流用スイッチ素子23は、素子固有のスイッチ
ング時間をもってオフからオンに移行するため、転流用
スイッチ素子23のドレイン電流は、時刻t3から時刻
t4にかけて立ち上がり、その後、緩やかに減少するフ
ライホイール電流となる(図5(g)参照)。フライホ
イール電流は、チョークコイル20を流れ、チョークコ
イル20に蓄積されていたエネルギーを放出する(図5
(c)参照)。時刻t3から時刻t4にかけての、転流
用スイッチ素子23のスイッチング時間には、ダイオー
ドD22を介して、フォワード電流が減少しながら流
れ、時刻t4で零となる(図5(d)参照)。
【0069】時定数回路361のコンデンサC1は、時
刻t3で転流用スイッチ素子23がオンとなると同時に
放電を開始するが、コンデンサC1の電圧は、チョーク
電流連続の領域において、スイッチング素子11の次の
オン期間が開始されるまで、基準電圧362の電圧を下
回ることはない(図5(i)参照)。
【0070】このため、チョーク電流連続の領域におい
ては、転流用スイッチ素子23のオン期間が長く維持さ
れ、転流用スイッチ素子23の内臓ダイオードや、並列
に接続されるダイオードD23を介して流れるフライホ
イール電流を低減できるので、同期整流回路の利点が十
分生かされる。
【0071】次に、図6を参照して、チョーク電流不連
続領域における、図4に示すスイッチング電源装置の動
作と、各部の波形について説明する。
【0072】スイッチング変換回路1のスイッチング素
子11のオン期間が開始されると、時刻t1で、制御信
号S2も同時に高レベル(図6(a)参照)となり、制
御信号S3は低レベル(図6(b)参照)となる。この
ため、スイッチング変換回路1のスイッチング素子11
のオンと同時に、時刻t1で、整流用スイッチ素子22
がオン(図6(e)参照)となる。転流用スイッチ素子
23はオフを継続する(図6(g)参照)。整流用スイ
ッチ素子22のドレイン電流は、時刻t1から所定の傾
斜をもって、零から緩やかに増加する(図6(e)参
照)フォワード電流となる。フォワード電流は、チョー
ク電流としてチョークコイル20を介して流れ(図6
(c)参照)、チョークコイル20にエネルギーを蓄積
するとともに、コンデンサ21を充電(図6(i)参
照)し、負荷にLに直流電圧を供給する。
【0073】他方、時刻t1で整流用スイッチ素子22
がオン(図6(a)参照)となると、整流用スイッチ素
子23のドレイン・ソース間電圧が上昇し(図6(h)
参照)、時定数回路361のコンデンサC1の充電が開
始される(図6(i)参照)。
【0074】チョーク電流不連続領域におけるスイッチ
ング素子11のオン期間は、パルス幅変調回路30のパ
ルス幅制御作用により、短時間で終了する。このため、
時定数回路361のコンデンサC1の充電は十分行われ
ないが、基準電圧362の電圧を上回る電圧まで充電さ
れる(図6(i)参照)。
【0075】時刻t3に至り、スイッチング変換回路1
のスイッチング素子11のオン期間が終了すると、制御
信号S2(図6(a))は同時に低レベルとなる。この
時、時定数回路361のコンデンサC1は、基準電圧3
62の電圧より高い電圧に充電(図6(i)参照)され
ており、チョーク電流検出回路36のチョーク電流信号
S6は高レベル(図6(c)参照)となるので、制御信
号S3は高レベルとなる(図6(b)参照)。
【0076】このため、スイッチング変換回路1のスイ
ッチング素子11のオフと同時に、時刻t3で、整流用
スイッチ素子22がオフ(図6(e)参照)となり、転
流用スイッチ素子23がオン(図6(h)参照)とな
る。転流用スイッチ素子23は、素子固有のスイッチン
グ時間をもってオフからオンに移行するため、転流用ス
イッチ素子23のドレイン電流は、時刻t3から時刻t
4にかけて立ち上がり、その後、零に向かって減少する
フライホイール電流となる(図6(g)参照)。フライ
ホイール電流は、チョークコイル20を流れ、チョーク
コイル20に蓄積されていたエネルギーを放出する。時
刻t3から時刻t4にかけての、転流用スイッチ素子2
3のスイッチング時間には、ダイオードD22を介し
て、フォワード電流が減少しながら流れ、時刻t4で零
となる。
【0077】時定数回路361のコンデンサC1は、時
刻t3で転流用スイッチ素子23がオンとなると同時に
放電を開始する。
【0078】チョーク電流不連続の領域では、コンデン
サC1の充電は短時間で終了する。したがって、コンデ
ンサC1の電圧は、チョーク電流連続の領域と比較し、
短時間で基準電圧362の電圧を下回る。本実施例のス
イッチング電源装置は、チョーク電流が零となる時刻t
6以降で、その近傍の時刻t7で、コンデンサC1の電
圧が基準電圧362の電圧を下回るように設定してあ
る。
【0079】時刻t6で、チョークコイルがエネルギー
の放出を完了し、チョーク電流が零となる(図6(c)
参照)。この時、転流用スイッチ素子23はオンであ
る。チョークコイルは転流用スイッチ素子23を介し
て、逆方向に電流を流し始めエネルギーを蓄積する。時
刻t7に至り、コンデンサC1の電圧が基準電圧362
の電圧を下回ると、チョーク電流検出回路36から出力
されるチョーク電流信号S6が低レベルとなる。このた
め、制御信号S3は低レベルとなり、転流用スイッチ素
子23がオフする。転流用スイッチ素子23がオフする
と、チョークコイルに流れていた逆方向電流は行き場を
失い、そのエネルギーで転流用スイッチ素子23のドレ
イン・ソース間にサージ電圧を発生する。サージ電圧
は、破線で示すごとく大きなサージ電圧になろうとする
が、サージ電圧吸収回路4で設定した吸収特性で吸収さ
れ、実線でしめすごとく、転流用スイッチ素子23の耐
電圧以下に抑制される。
【0080】本実施例のスイッチング電源装置では、チ
ョーク電流が零となってから、転流用スイッチ素子23
がオフするため、転流用スイッチ素子23の内臓ダイオ
ードや、並列に接続されるダイオードD23を介して流
れるフライホイール電流を無くすことができるので、同
期整流回路の利点が十分生かされる。
【0081】本実施例では、転流用スイッチ素子23が
オフするタイミングを、チョーク電流が零となった以降
としたが、設計上、チョーク電流が零となった時、ある
いはその近傍で、零となる以前に転流用スイッチ素子2
3がオフする構成とすることもできる。この場合、転流
用スイッチ素子23のスイッチング時間のばらつきや、
負荷条件によって、転流用スイッチ素子23がオフする
タイミングが前後するが、転流用スイッチ素子23の内
臓ダイオードや、並列に接続されるダイオードD23を
介して流れるフライホイール電流を抑制できるので、同
期整流回路の利点を生かすことができる。
【0082】図7は、本発明に係るスイッチング電源装
置の更に別の実施例を示す電気回路図である。図におい
て、前図と同一参照符号は同一構成部分を示しており、
参照符号38は遅延回路、5は補助電源回路である。
【0083】本実施例は、図4に図示した実施例に用い
ることができる補助電源回路の構成を開示するととも
に、スイッチング変換回路1のスイッチング素子11を
遅延回路38を介して駆動することを特徴とし、特に、
降圧型のスイッチング電源装置に好適に用いることがで
きる例を示している。
【0084】本実施例のスイッチング電源装置は、スイ
ッチング変換回路1と、整流平滑回路2と、制御回路3
と、サージ電圧吸収回路4と、補助電源回路5とを含
む。
【0085】スイッチング変換回路1の構成は、図4に
図示した実施例と同様であるので、説明を省略する。整
流平滑回路2は、チョークコイル20に二次巻線202
を有する。その他の構成は、図4に図示した実施例と同
様である。
【0086】制御回路3はパルス幅変調回路30と、ス
イッチング素子11の駆動回路31と、整流用スイッチ
素子22の駆動回路32と、転流用スイッチ素子23の
駆動回路33と、絶縁結合回路34と、反転回路35
と、チョーク電流検出回路36と、更に、本実施例の特
徴である遅延回路38とを含んで構成される。
【0087】遅延回路38は、パルス幅変調回路30と
スイッチング素子11の駆動回路31との間に配置され
る。絶縁結合回路34は、パルストランスで構成され
る。このため、パルス幅変調回路30から出力される制
御信号S1は遅延回路38を介して駆動回路31に出力
され、絶縁結合回路34には直接出力される。
【0088】絶縁結合回路34を構成するパルストラン
スの出力は、図4に図示した実施例と同様、制御信号S
1と同期した、同相の制御信号S2を駆動回路32と、
信号反転回路35とに出力するが、さらに、補助電源回
路5に接続される。制御回路3のその他の部分は図2に
図示した実施例と同様であり、説明を省略する。
【0089】サージ電圧吸収回路4は、図2に示すバリ
スタ41や、図3に示すツェナーダイオード42等のサ
ージ電圧吸収素子で構成できる。本実施例では、サージ
電圧吸収回路4は、チョークコイル20に磁気結合した
二次巻線202と並列に接続されるが、チョークコイル
20または転流用スイッチ素子23と並列に接続しても
よい。
【0090】補助電源回路5は、絶縁結合回路34を構
成するパルストランスの二次巻線342に接続された整
流平滑回路51と、チョークコイル20に磁気結合した
二次巻線202に接続されるダイオードD55とで構成
される。整流平滑回路51は、ダイオード53とコンデ
ンサ54とを含み、ダイオード53とコンデンサ54と
の接続点が、チョークコイル20の二次巻線202に接
続されるダイオードD55とオア接続される。
【0091】このように構成されたスイッチング電源装
置において、パルス幅変調回路30から、遅延回路38
と、絶縁結合回路34とに制御信号S1が出力される
と、スイッチング変換回路1のスイッチング素子11
は、転流用スイッチ素子23より遅れてオン信号が供給
される。
【0092】降圧型のスイッチング電源装置は一次側の
電流が二次側の電流より小さい。現在、この種のスイッ
チング電源装置のスイッチング素子として、好適に用い
られている電界効果トランジスタは、一般的に、小電流
用が大電流用よりスイッチング時間が短い。このため、
その、スイッチング時間が短い分、遅延回路38により
制御信号S1を遅らせば、スイッチング変換回路1のス
イッチング素子11と、整流用スイッチ素子22のオン
期間を同期させることができる。
【0093】補助電源回路5は、絶縁結合回路34を構
成するパルストランスの二次巻線342を介して供給さ
れる制御信号S1を整流平滑回路51により整流平滑す
る。さらに、チョークコイル20に磁気結合した二次巻
線202に誘起した電圧を整流平滑してコンデンサ54
の両端に直流電圧を出力する。直流電圧は、駆動回路3
2、駆動回路33、反転回路35等の動作用電源とな
る。補助電源回路5は、パルストランスの二次巻線34
2、チョークコイル20に磁気結合した二次巻線202
から供給される電圧のうち、何れか一方のみを用いても
構成できる。
【0094】本実施例のスイッチング電源装置のその他
の動作、および各部の波形は図6、図7を用いた説明と
同様であり、転流用スイッチ素子23の内臓ダイオード
や、並列に接続されるダイオードD23を介して流れる
フライホイール電流を抑制できるので、同期整流回路の
利点を生かすことができる。また、チョークコイル20
により発生するサージ電圧から転流用スイッチ素子23
を保護でき、損失の少ないスイッチング電源装置とする
ことができる。
【0095】以上、本発明の実施例を参照して、本発明
の内容を具体的に説明したが、当業者であれば本発明の
基本的技術思想および教示に基づいて種々の変形を行う
ことができることは自明である。
【0096】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば次の
ような効果を得ることができる。 (a)チョーク電流不連続領域で、チョークコイルによ
り発生するサージ電圧から転流用スイッチ素子を保護で
きる同期整流方式のスイッチング電源装置を提供するこ
とができる。 (b)転流用スイッチ素子の内臓ダイオード、あるいは
転流用スイッチ素子に並列に設けられたダイオードを介
して流れるフライホイール電流を低減した、損失の少な
い同期整流方式のスイッチング電源装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスイッチング電源装置の一実施例
を概略的に説明するブロック図である。
【図2】サージ電圧吸収回路の一例を示す回路図であ
る。
【図3】サージ電圧吸収回路の一例を示す回路図であ
る。
【図4】本発明に係るスイッチング電源装置の別の実施
例を示す電気回路図である。
【図5】図4に図示した実施例の各部の波形図である。
【図6】図4に図示した実施例の各部の波形図である。
【図7】本発明に係るスイッチング電源装置の更に別の
実施例を示す電気回路図である。
【符号の説明】
1 スイッチング変換回路 11 スイッチング素子 2 整流平滑回路 20 チョークコイル 22 コンデンサ 22 整流用スイッチ素子 23 転流用スイッチ素子 3 制御回路 4 サージ電圧吸収回路 41 バリスタ 42 ツェナーダイオード 43 ダイオード Vin 直流電圧 T2 二次巻線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H006 AA05 CA02 CA07 CA12 CA13 CB03 CB07 CC02 CC08 DA04 DB02 DC05 5H730 AA20 AS01 BB23 BB57 DD04 DD26 DD32 EE02 EE08 EE13 EE19 EE58 EE59 FD01 FD38 FF18 FG01 XX12 XX26 XX32 XX47

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スイッチング変換回路と、整流平滑回路
    と、制御回路と、サージ電圧吸収回路とを含むスイッチ
    ング電源装置であって、 前記スイッチング変換回路は、少なくとも一つのスイッ
    チング素子を含み、供給された直流電圧をスイッチング
    し、 前記整流平滑回路は、チョークコイルと、コンデンサ
    と、制御電極を有する転流用スイッチ素子とを含み、前
    記スイッチング変換回路から出力されるスイッチング出
    力を整流平滑して出力し、 前記チョークコイルは、前記スイッチング素子のオン期
    間にエネルギーを蓄え、 前記転流用スイッチ素子は、前記スイッチング素子のオ
    フ期間にオン期間を有し、前記チョークコイルに蓄えら
    れていたエネルギーを前記転流用スイッチ素子のオン期
    間に放出し、 前記制御回路は、チョーク電流不連続時に、チョーク電
    流が零となるタイミングの近傍で、前記転流用スイッチ
    素子のオン期間が終了してオフとなるように制御し、 前記サージ電圧吸収回路は、前記整流平滑回路に備えら
    れ、前記転流用スイッチ素子のオフの遅れで生じる逆電
    流に起因して、前記チョークコイルに発生するサージ電
    圧を吸収するスイッチング電源装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたスイッチング電源
    装置であって、 前記制御回路は、前記チョーク電流不連続時に、チョー
    ク電流が零となった以降に、前記転流用スイッチ素子が
    オフとなるように制御するスイッチング電源装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれかに記載され
    たスイッチング電源装置であって、 前記サージ電圧吸収回路は、前記転流用スイッチ素子と
    並列に接続されているスイッチング電源装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2のいずれかに記載され
    たスイッチング電源装置であって、 前記サージ電圧吸収回路は、前記チョークコイルと並列
    に接続されているスイッチング電源装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2のいずれかに記載され
    たスイッチング電源装置であって、 前記チョークコイルは、二次巻線含み、前記サージ電圧
    吸収回路は、前記二次巻線と並列に接続されているスイ
    ッチング電源装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の何れかに記載されたス
    イッチング電源装置であって、 前記サージ電圧吸収回路は、ダイオードとツェナーダイ
    オードとの直列回路で構成されるスイッチング電源装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5の何れかに記載されたス
    イッチング電源装置であって、 前記サージ電圧吸収回路は、バリスタで構成されるスイ
    ッチング電源装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7196913B2 (en) 2004-12-28 2007-03-27 Sanken Electric Co., Ltd. DC conversion apparatus
US7218535B2 (en) 2004-12-28 2007-05-15 Sanken Electric Co., Ltd. DC conversion apparatus

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