JP2013132175A - 直列共振型コンバータ回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】共振型コンバータ回路におけるスイッチング素子のスイッチング損失、及びノイズをより低減すること。
【解決手段】並列接続されたダイオードとコンデンサをそれぞれ有する第1、第2のスイッチング素子とブリッジ構成に接続される第1、第2の1次側共振コンデンサと、これら1次側共振コンデンサにそれぞれ並列に接続される第3、第4のダイオードとを有するインバータ回路と、共振用インダクタンス手段と、トランスと、その2次側の整流回路とからなる共振型コンバータ回路であり、前記トランスの励磁電流が前記整流回路の逆回復電流により1次側に流れる電流よりも大きくなるように設定する。前記電流が1次側を流れないようすると共に、次にターンオンする前記スイッチング素子と並列の前記ダイオードを前記励磁電流が流れるようにし、そのダイオードが導通しているときに前記スイッチング素子をターンオンさせる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、インダクタンスとキャパシタンスとの直列共振作用を利用した直列共振型コンバータに関する。
電力変換効率の高いコンバータとして、共振用インダクタのインダクタンスと共振用コンデンサのキャパシタンスとの直列共振を利用した直列共振型コンバータが広く使用されている。直列共振型コンバータは、主として共振用コンデンサがトランスの1次巻線又は2次巻線と直列に接続される電流形直列共振コンバータ(例えば、特許文献1参照)と、共振用コンデンサがトランスの1次巻線又は2次巻線と並列に接続される電圧形直列共振コンバータ(例えば、特許文献2参照)とに分類される。
このような直列共振型コンバータは、スイッチング素子を流れる電流がほぼゼロのときにスイッチング素子がスイッチングを行うゼロ電流スイッチング(ZCS)やスイッチング素子が遅れ電流モードでスイッチングを行うことによって、スイッチング素子のスイッチング損失を低減することができる。しかし他方では、共振回路のエネルギーがスイッチング素子と並列の帰還用ダイオードを通して直流電源に帰還されることによる電力損失の存在が指摘されている。つまり、直流電源への帰還電流は、エネルギーを直流電源に帰還するという点では電力効率を向上するが、一旦、直流電源から共振回路に供給されたエネルギーが再び直流電源に戻されるため、負荷装置に供給されない電流による余分な回路損失が生じる。
また、特に直列共振によって共振用コンデンサに充電される電圧が直流電源の電圧よりも高いときには、オンしていた一方のスイッチング素子がターンオフするのに伴い、共振用コンデンサに蓄積されたエネルギーがそのオンしていた前記スイッチング素子に並列に接続されているダイオードを流れる。このために、他方のスイッチング素子がターンオンした瞬間に、帰還電流を流している前記ダイオードに逆電圧がかかり、前記ダイオードの逆方向阻止特性が回復するまでの回復時間に急峻な逆回復電流が流れ、電力損失とノイズを発生することも知られている。
前述したように、スイッチング素子のスイッチング周期の半サイクル毎に、共振エネルギーに対応するエネルギーが大きな帰還電流として前記ダイオードを流れるので、負荷装置に供給されない電流が大きくなり、余分な回路損失を生じる。また、スイッチング素子のスイッチング周期の半サイクル毎に前記ダイオードを逆方向に逆回復電流が流れるから、それらダイオードの電力損失が増大するのは勿論のこと、逆回復電流を流す分だけスイッチング素子にターンオン損失が余分に発生し、共振型コンバータの電力効率を低下させる。さらに、前述の逆回復電流は急峻な波形であるために、共振によって電流波形を正弦波状にしたにもかかわらず、ノイズを発生するという欠点がある。
帰還電流を流す前記ダイオードの逆回復電流に起因するリカバリー損失とノイズとの問題を、ある負荷条件では解決するだけでなく、広範囲の負荷に対応できる直列共振型コンバータ回路が既に提案されている(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3の発明によれば、負荷電圧及び負荷電流が大きく変化するときに、共振インダクタンス手段と共振コンデンサからなる直列共振回路における共振静電容量(共振コンデンサ)の大きさが自動的に変更されて共振電流波形を正弦波状に近づけ、広い負荷範囲にわたって共振コンバータの電力効率を向上させることができるだけでなく、低負荷条件では前述した逆回復電流によるスイッチング素子にターンオン損失やノイズの発生を抑制することができる。
特開2003−324956号公報 特開2003−153532号公報 特開2011−114978号公報
前掲の特許文献3の発明では、前述のような効果を奏する上に、スイッチング素子4A又は4Bを流れる電流がほぼゼロのときにスイッチング素子4A又は4Bをターンオフするゼロ電流スイッチング(ZCS)を行う。負荷が変動しても正弦波状の出力電流を負荷に供給するので、スイッチング素子4A又は4Bのターンオフ時の電力損失を低減できるという点で有効な技術である。通常、回路損失を低減させるためなどから負荷に寄与しない励磁電流は小さくなるようにトランスを設計する。1次側共振コンデンサ4C又は4Dと共振インダクタンス手段5とによる共振動作が終了した後に、整流回路7の整流素子7A又は7Bに順方向で流れる電流はゼロになる。すると、順方向で流れていた整流素子7A又は7Bには、短い時間ではあるが、内部キャリアによるリカバリー特性によって逆回復電流が流れる。この逆回復電流に起因してトランスを介して1次側に逆回復1次電流が流れる。逆回復1次電流は、1次側共振コンデンサ4C又は4Dと共振インダクタンス手段5とによる共振動作後に流れる励磁電流とは逆向きの電流となる。
この逆回復1次電流よりも1次側共振コンデンサ4D、4Cと共振インダクタンス手段5とによる共振動作が終了した後に1次側に流れる励磁電流の方が小さい場合に、励磁電流とは逆向きの電流が1次側に流れる。この励磁電流とは逆向きの電流は、ターンオフしたばかりのスイッチング素子4A又は4Bに並列に接続されたダイオード4E又は4Fを順方向に導通させる。この状態で、他方のスイッチング素子4B又4Aをターンオンさせると、ダイオード4E又は4Fは逆バイアスされるため、短い時間ではあるがダイオード4E又は4F内のキャリアによるリカバリー特性により逆回復導通する。このため、ダイオード4E又は4Fとスイッチング素子4B又は4Aを通した短絡回路が形成されてしまう。スイッチング素子4A又は4Bがスイッチング動作を行う度に、短い時間であるものの前記短絡回路を大きな電流が流れ、また、オンを始めているスイッチング素子4B又は4Aの両端の電圧が低下せず、スイッチング損失を増大させる。一般的にスイッチング素子の導通損を低減するためには電流の実効値を下げるのが有効であり、このためにスイッチング周波数を共振周波数に近づけると、前記スイッチング損失がより顕著になる。このスイッチング損失はスイッチング周波数を高くするほど大きくなる。
本発明は、上述のような従来の課題を解決するために、トランスの2次側で順方向に導通していた整流回路7の整流素子7A又は7Bのリカバリー特性によって流れる逆回復電流に起因して1次側に流れる逆回復1次電流よりもトランスの励磁電流の方が大きくなるように、トランスの構造、例えばコアのギャップを設定する。これにより、励磁電流と逆極性の電流がスイッチング素子4A又は4Bに並列に接続されたダイオード4E又は4Fを流れないようにする。さらに双方のスイッチング素子4A及び4Bがオフである休止期間にトランスの1次巻線を流れる励磁電流が、次にターンオンされるスイッチング素子4B又は4Aに並列のコンデンサ4H又は4G及び共振インダクタンス手段5を含む電流経路で流れることで部分共振を起こさせる。この部分共振によって前記コンデンサ4H又は4Gの電圧が反転して次にターンオンされるスイッチング素子4B又は4Aに並列に接続されたダイオード4F又は4Eを順バイアスして導通させる。このダイオードが導通している期間に前記スイッチング素子4B又は4Aにオン信号を与え、前記スイッチング素子4B又は4Aをゼロ電圧状態でターンオンさせることでオン時のスイッチング損失を更に低減する。
第1の発明は、直流入力電圧が印加される一対の直流入力端子の間に互いに直列に接続される第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子と、前記第1のスイッチング素子とそれぞれ並列に接続される第1のダイオードと第1のコンデンサと、前記第2のスイッチング素子とそれぞれ並列に接続される第2のダイオードと第2のコンデンサと、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とブリッジ構成に接続される第1の1次側共振コンデンサと第2の1次側共振コンデンサと、前記第1の1次側共振コンデンサと第2の1次側共振コンデンサとそれぞれ並列に接続される第3のダイオードと第4のダイオードとを有するインバータ回路と、前記インバータ回路に接続される1次巻線と2次巻線とを有するトランスと、前記1次巻線又は前記2次巻線と直列に接続される共振インダクタンス手段と、前記2次巻線と一対の直流出力端子との間に接続される半導体素子を有する整流回路と、前記一対の直流出力端子の間に接続された出力コンデンサと、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子の双方ともがオフである休止期間を挟んで、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子を交互にオンオフ動作させる制御回路とを備える共振型コンバータ回路であって、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子は、前記制御回路からの制御信号によって共振周波数よりも低いスイッチング周波数で動作し、前記第1のスイッチング素子又は前記第2のスイッチング素子がオンのときは、前記トランスの1次側では、前記第1の1次側共振コンデンサと前記第2の1次側共振コンデンサと前記共振インダクタンス手段とが共振し、前記トランスの2次側では、前記半導体素子を通じて前記直流出力端子間にエネルギーを供給する順方向に電流が流れ、前記共振の終了から前記休止期間に至るまで前記トランスの1次巻線を流れる前記励磁電流は、前記整流回路の前記半導体素子が非導通になるときに流れる逆回復電流によって前記トランスを介して前記1次巻線に流れ込む電流よりも大きくなるように設定され、前記休止期間に至ると、前記トランスの1次巻線を流れる前記励磁電流が、前記第1のスイッチング素子又は前記第2のスイッチング素子のターンオフに伴って、次にターンオンされる前記第2のスイッチング素子又は第1のスイッチング素子に並列に接続される前記第2のコンデンサ又は第1のコンデンサ及び前記共振インダクタンス手段を含む経路で流れて部分共振を起こさせ、該部分共振によって前記第2のコンデンサ又は第1のコンデンサの電圧が反転して前記第2のダイオード又は前記第1のダイオードを導通させ、前記制御回路は、前記第2のダイオード又は前記第1のダイオードが導通している期間に次にターンオンされる前記第2のスイッチング素子又は前記第1のスイッチング素子をターンオンさせる制御信号を与えることを特徴とする共振型コンバータ回路を提案する。
第2の発明は、前記第1の発明において、前記トランスは、前記1次巻線を流れる前記励磁電流が前記逆回復電流によって前記1次巻線に流れ込む電流よりも大きくなる磁気抵抗を有することを特徴とする直列共振型コンバータ回路を提案する。
第3の発明は、前記第1の発明又は前記第2の発明において、前記第1のスイッチング素子は、前記第1のダイオードとして働く内部ダイオードと前記第1のコンデンサとして働く寄生容量を有する半導体素子であり、前記第2のスイッチング素子は、前記第2のダイオードとして働く内部ダイオードと前記第2のコンデンサとして働く寄生容量を有する半導体素子であることを特徴とする直列共振型コンバータ回路を提案する。
第4の発明は、前記第1の発明から前記第3の発明のいずれかにおいて、前記整流回路は、互いに直列接続された第1の整流素子と第2の整流素子、及び互いに直列接続された第3の整流素子と第4の整流素子をブリッジに接続した構成であり、前記第1の整流素子と前記第2の整流素子との接続箇所は前記トランスの前記2次巻線の一方の端子に接続され、前記第3の整流素子と前記第4の整流素子との接続箇所は前記2次巻線の他方の端子に接続され、前記第1の整流素子と前記第3の整流素子とのカソードは前記直流出力端子の一方に接続され、前記第2の整流素子と前記第4の整流素子とのアノードは前記直流出力端子の他方に接続されることを特徴とする直列共振型コンバータ回路を提案する。
第5の発明は、前記第4の発明において、前記整流回路における前記第3の整流素子には第1の2次側共振用コンデンサが並列接続され、前記第4の整流素子には第2の2次側共振用コンデンサが並列接続され、前記直流出力端子間に接続される負荷が高出力電圧であるときには前記整流回路が主に倍電圧整流回路として働き、前記直流出力端子間に接続される負荷が低出力電圧であるときには前記整流回路が主に全波整流回路として働くことを特徴とする直列共振型コンバータ回路を提案する。
第6の発明は、前記第1の発明から前記第3の発明のいずれかにおいて、前記整流回路は、互いに直列接続された第1の2次側共振用コンデンサと第2の2次側共振用コンデンサと、互いに直列接続された第1の整流素子と第2の整流素子とをブリッジに接続した倍電圧整流構成であり、互いに接続された前記第1の2次側共振用コンデンサの一端側と前記第2の2次側共振用コンデンサの一端側は前記トランスの前記2次巻線の一方の端子に接続され、前記第1の整流素子のアノードと前記第2の整流素子のカソードとの接続箇所は前記2次巻線の他方の端子に接続され、前記第1の2次側共振用コンデンサの他端側と前記第1の整流素子のカソードは前記直流出力端子の一方に接続され、前記第2の2次側共振用コンデンサの他端側と前記第2の整流素子とのアノードは前記直流出力端子の他方に接続されることを特徴とする直列共振型コンバータ回路を提案する。
第7の発明は、前記第1の発明から前記第3の発明のいずれかにおいて、前記整流回路は、前記トランスの前記2次巻線の一方の端子に一端が接続された第1の整流素子と、前記2次巻線の他方の端子に一端が接続された第2の整流素子とを備え、前記第1の整流素子と前記第2の整流素子の同極性の他端は前記直流出力端子の一方に接続され、前記2次巻線の中間点が前記直流出力端子の他方に接続されることを特徴とする直列共振型コンバータ回路を提案する。
本発明は、共振型コンバータ回路におけるスイッチング素子のスイッチング損失、及びノイズをより低減することができる。
本発明の実施形態1に係る共振型コンバータ回路を示す図である。 本発明の実施形態1に係る共振型コンバータ回路に用いるトランスの一例を示す図である。 本発明の実施形態1に係る共振型コンバータ回路を説明するための各部の波形を示す図である。 本発明の実施形態1に係る共振型コンバータ回路を説明するための各部の波形を示す図の拡大図である。 本発明の実施形態1に係る共振型コンバータ回路の2次側の整流回路を説明するための図である。 本発明の実施形態1に係る共振型コンバータ回路の動作を説明するための図である。 本発明に係る共振型コンバータ回路の2次側の整流回路の別の一例を示す図である。
本発明では、トランスの2次側で順方向に導通していた整流回路の整流素子の逆回復電流に起因してトランスの1次側を流れる逆回復1次電流によって、励磁電流と逆向きの電流がターンオフしたばかりのスイッチング素子に並列に接続されたダイオードに流れることがないようにする。具体的には、2次側の整流回路の整流素子の逆回復電流に起因してトランスの1次側を流れる逆回復1次電流よりもトランスの励磁電流の方が大きな値になるように、トランスの構造、例えばコアのギャップなどを調整する。このようにすることによって、スイッチング素子がターンオンするときに、ターンオフしたばかりのスイッチング素子に並列に接続されたダイオードに励磁電流と逆向きの電流が流れないので、次のスイッチング素子がターンオンするときにターンオフしたばかりのスイッチング素子に並列に接続されたダイオードのリカバリー特性による逆回復電流によって短絡回路が形成されることは無い。
また、本発明では、スイッチング素子のターンオフ後にトランスの1次巻線に流れていた励磁電流が、次にターンオンされるスイッチング素子に並列に接続されたコンデンサ及び共振インダクタンス手段を含む電流経路に流れて部分共振が起きる。なお、1次側共振コンデンサと共振インダクタンス手段とによる共振と区別するため、スイッチング素子に並列に接続されたコンデンサと共振インダクタンス手段とによる共振を部分共振とする。この部分共振によって前記コンデンサの電圧が反転してスイッチング素子と並列に接続されたダイオードを順バイアスして導通させる。制御回路は、このダイオードが順方向に導通している期間に次にターンオンさせるスイッチング素子にオン信号を与えることでゼロ電圧状態でターンオンさせる(ZVS)。
[実施形態1]
本発明に係る実施形態1の直列共振型コンバータ回路について、図1〜図6によって説明する。図1において、直流電源1は、正極の直流入力端子2と負極の直流入力端子3との間に接続される。直流電源1は、例えば、単相又は三相交流電力を整流して直流電力に変換する整流回路とその直流電力を平滑化するフィルタ回路とからなる一般的なものである。蓄電池又は発電機などのエネルギー源を直流電源1としてもよい。また、直流電源1はPFC(力率改善回路)を含んだ整流器でもよい。その場合、PFCの後段に接続される本発明の共振型コンバータの入力電圧が安定化されるから動作態様が負荷変動だけを考えればいいので、発明の理解に好都合であり、以下の説明でも、直流入力端子2と3との間の直流電源電圧Eは一定値として説明する。
インバータ回路4は、図1に示すように部品4A〜4Jで構成される。インバータ回路4は、互いに直列に接続された第1のスイッチング素子4A、第2のスイッチング素子4Bと、互いに直列に接続された第1の1次側共振コンデンサ4C、第2の1次側共振コンデンサ4Dとをハーフブリッジ構成に接続した回路を備える。第1、第2のスイッチング素子4A、4Bそれぞれには第1のダイオード4E、第2のダイオード4Fがスイッチング素子4A、4Bの極性とは逆にそれぞれ並列に接続され、また、第1、第2のスイッチング素子4A、4Bそれぞれには第1のコンデンサ4G、第2のコンデンサ4Hが並列に接続される。第1、第2のスイッチング素子4A、4Bとしては、FET又はIGBTなどの半導体素子を用いる。
第1、第2の1次側共振コンデンサ4C、4Dのそれぞれには第3のダイオード4I、第4のダイオード4Jが互いに同じ向きで並列に接続される。第1のスイッチング素子4A及び第1の1次側共振コンデンサ4Cの一端は直流入力端子2側に接続され、第2のスイッチング素子4B及び第2の1次側共振コンデンサ4Dの一端は直流入力端子3側に接続される。1次側共振コンデンサ4Cと4Dはそれぞれほぼ等しいキャパシタンスCpを有し、等価的に1次側共振コンデンサ4Cと4Dを並列接続したキャパシタンスに等しい並列合成キャパシタンス2Cpで直列共振に寄与する。
第1、第2のダイオード4E、4Fは、第1、第2のスイッチング素子4A、4Bそれぞれの内部に形成された内部ダイオードである場合が多いが、必要に応じて第1、第2のスイッチング素子4A、4Bに並列に接続される個別のダイオードであってもよい。また、それら両方のダイオードが並列接続されたものであってもよい。第1、第2のコンデンサ4G、4Hは、第1、第2のスイッチング素子4A、4Bそれぞれの寄生容量である場合が多いが、必要に応じて第1、第2のスイッチング素子4A、4Bに並列に接続される個別のコンデンサであってもよい。また、それら双方のコンデンサが並列接続されたものであってもよい。
インバータ回路4は、直列に接続されたスイッチング素子4Aと4Bとの同時導通を防止するため、スイッチング素子4Aと4Bの双方ともがオフであるデットタイム、すなわち休止期間を設ける。実施形態1では、この休止期間をほぼ一定とし、インバータ回路4を高い動作周波数で動作させると出力電力が増加し、その動作周波数を下げると出力電力を低下させるパルス周波数変調(PFM)制御が行われる。したがって、定格の最大出力の場合には、インバータ回路4の動作周波数が設定された最も高い周波数に近くなり、定格の最小出力時には、動作周波数が可聴周波数に近い周波数まで低下する制御方式とすることができる。なお、インバータ回路4は前述したようにハーフブリッジ構成であり、ハーフブリッジ型インバータ回路の原理的な出力電圧はE/2である。したがって、インバータ回路4の出力電圧はE/2であるものとする。
共振インダクタンス手段5はスイッチング素子4Aと4Bとを接続する導線4xに接続されると共に、トランス6の1次巻線6Aの黒点側に接続される。トランス6の1次巻線6Aの他端側は1次側共振コンデンサ4Cと4Dとを接続する導線4yに接続される。1次巻線6A、2次巻線6Bに付された黒点は、巻線の極性を示す。なお、実施形態1では、共振インダクタンス手段5は導線4x側と1次巻線6Aの黒点側との間に接続したが、導線4y側と1次巻線6Aの非黒点側との間に接続してもよい。また、共振インダクタンス手段5は、トランス6の1次側に接続したが、2次側に接続しても良い。
トランス6は少なくともその励磁電流の値を調整することができる構造となっているのが好ましい。図2によってトランス6の好ましい一例について説明する。一般的な形状のボビン6Cに1次巻線6Aが巻き付けられ、1次巻線6Aの外側に必要があれば不図示の絶縁フィルムを介在させて2次巻線6Bが巻きつけられる。第1のコア部材6D、第2のコア部材6Eはそれぞれ中央磁脚6d、6eを有し、1次巻線6A及び2次巻線6Bは第1のコア部材6D、第2のコア部材6Eを中央にしてその回りを囲むように配置される。第1のコア部材6Dと第2のコア部材6Eとを組み合わせたとき、第1のコア部材6Dと第2のコア部材6Eとの間にギャップ6Fが形成される。ギャップ6Fはコアの磁気抵抗を大きくするので、励磁電流も大きくなるものとして知られている。したがって、実施形態1では励磁電流が増大するように、ギャップ6Fを設定する。
ギャップ6Fは、1次側共振コンデンサ4C、4Dと共振インダクタンス手段5とによる共振動作が終了した後に1次側に流れる励磁電流を適切な大きさにする。共振動作が終了した後にスイッチング素子4A又は4Bがターンオフすると、トランスの1次巻線6Aに流れていた励磁電流Imは、次にターンオンされるスイッチング素子4B又は4Aに並列に接続されたコンデンサ4H又は4G及び共振インダクタンス手段5を含む電流経路に流れて部分共振が起きる。
この部分共振によって、第1のコンデンサ4G又は第2のコンデンサ4Hの電圧を反転させて第1のダイオード4E又は第2のダイオード4Fを順バイアスして導通させる。そして、第1のダイオード4E又は第2のダイオード4Fが導通している期間に、制御回路17は、第1のスイッチング素子4A又は第2のスイッチング素子4Bにオン信号を与えて、ターンオンさせる。したがって、第1のスイッチング素子4A又は第2のスイッチング素子4Bは電圧がその両端に実質的に印加されていない状態でターンオンする。このようにスイッチング素子4A、4Bのゼロ電圧でターンオンさせるために、トランス6は適当な大きさの励磁電流を流せるような構造、この実施形態1ではギャップ6Fを有するコアを用いている。
トランス6の2次巻線6Bには、2次巻線6Bの交流電圧を整流する整流回路7が接続される。整流回路7は、互いに直列接続された第1の整流素子7Aと第2の整流素子7Bと、互いに直列接続された第1の2次側共振コンデンサ7Cと第2の2次側共振コンデンサ7Dと、2次側共振コンデンサ7C、7Dにそれぞれ並列に接続されてそれらの逆充電を防止する、又は整流素子として働く第1の2次側ダイオード7Eと第2の2次側ダイオード7Fとからなる。これら整流素子7Aと7B、2次側共振コンデンサ7Cと7D、2次側ダイオード7Eと7Fはいずれも直流出力端子8、9間に接続される。整流素子7Aと7Bとを接続する導線7xはトランス6の2次巻線6Bの黒点側に接続される。2次側共振コンデンサ7Cと7Dとを接続する導線7yは、トランス6の2次巻線6Bの非黒点側に接続される。整流回路7の直流出力は平滑用コンデンサ10によって平滑され、平滑用コンデンサ10の両端は直流出力端子8と9に接続される。直流出力端子8と9との間には負荷11が接続される。
実施形態1では、2次側共振コンデンサ7Cと7Dは、相対的に小さな値のキャパシタンスCsを有するコンデンサが使用され、直流に対しては等価的に直列なのでキャパシタンスが1/2となるためにエネルギーバンクとしてのフィルタコンデンサの機能はほとんど有しない。このため、低リプルが要求される直列共振型コンバータの場合には、平滑用コンデンサ10を設ける。この平滑用コンデンサ10は2次側共振コンデンサ7Cと7Dの数十倍から100倍以上のキャパシタンスを有することが好ましい。
整流回路7は、高出力電圧のときには、主に図5(A)に示すような倍電圧整流回路として働き、2次側共振コンデンサ7Cと7Dは直列共振に寄与する。低出力電圧のときには、整流回路7は主に図5(B)に示すような2次側ダイオード7E又は7Fが導通して通常の全波整流回路として働く。なお、図1の整流回路7の直流出力側の両端には平滑用コンデンサ10が接続されているので、直流出力電圧Voは一定電圧とみなすことができる。
ここで整流回路7の逆回復電流について述べると、整流回路7の整流素子7A又は整流素子7Bを順方向に流れる正弦波状の共振電流がほぼゼロになった後、トランス6の2次側の共振が終了して整流素子7A又は7Bは順方向の電流がゼロとなり、順方向に電流が流れなくなる。そのとき直流出力電圧が整流素子7A又は7Bに直流出力電圧が逆方向電圧として印加されるので、整流素子7A又は7Bは、短い時間ではあるが、内部キャリアによるリカバリー特性により逆回復電流が流れる。つまり、整流回路7の整流素子7A又は7Bを流れる正弦波状の共振電流に続いて、共振電流とは逆極性の逆回復電流が流れる。
本発明は、トランス6の1次側に流れる励磁電流を大きくし、励磁電流と逆向きの電流が1次側に流れないように、図2に示したトランス6のコアに調整されたギャップ6Fを備えている。整流素子7A又は7Bの逆回復電流によってトランス6の2次側を介して1次側に流れる逆回復1次電流よりも1次側の励磁電流の方が大きいので、励磁電流と逆方向の電流が、ターンオフしたばかりのスイッチング素子4A又は4Bと並列に接続されたダイオード4E又は4Fには流れない。したがって、スイッチング素子4B又は4Aがターンオンしたときに、ダイオード4E又は4Fとスイッチング素子4B又は4Aとが通じて短絡回路を形成することはない。このため、この短絡回路に流れる電流によるスイッチング損失は生じない。
回路構成の説明に戻って続けると、負荷11に供給される直流出力電圧Voは抵抗などの電圧検出器12を通して直流検出電圧vとして検出され、また、直流出力電流IoはホールCTなどの電流検出器13を通して電流信号iとして検出される。これら直流検出電圧vと検出電流信号iは乗算回路14に供給され、乗算回路14はv×iの演算を行って、負荷電力信号pを出力信号として誤差増幅器15に与える。誤差増幅器15は基準源16の電力設定信号sと負荷電力信号pとを比較して、誤差増幅信号eを制御回路17に与える。制御回路17は誤差増幅信号eに応じて、制御された周波数で、位相差180度の制御信号QとRをスイッチング素子4Aと4Bに与える。
制御回路17はスイッチング素子4A及び4Bを、共振周波数よりも低いスイッチング周波数で動作させる。また、制御回路17は、休止期間において第1のダイオード4E又は第2のダイオード4Fが導通している期間に次にターンオンされる第1のスイッチング素子4A又は第2のスイッチング素子4Bをターンオンさせる制御信号を与え、これらスイッチング素子4A及び4Bをゼロ電圧状態でターンオンさせる(ZVS)。
なお、実際の直列共振型コンバータ回路では、信号系における直流電源1の電位と負荷11の電位の絶縁が必要であり、電圧検出器12、電流検出器13、乗算器14、誤差増幅器15、パルス周波数発生回路17、及びスイッチング素子4Aと4Bのゲート端子のいずれかの信号経路のどこかにフォトカプラ、パルストランスなどの信号絶縁素子が必要であるが、本発明の動作説明には不要なので省略した。
また、実施形態1において、共振インダクタンス手段5をトランス6と別個の部品として示しているが、トランス6のリーケージインダクタンスを利用して、共振インダクタンス手段5を不要とすること、もしくは共振インダクタンス手段5のインダクタンス値をリーケージインダクタンス分だけ小さくすることができる。さらに、共振インダクタンス手段5を個別部品とする場合には、トランス6の1次巻線6Aと直列に接続せずに、2次巻線6Bと直列に接続することもできる。
したがって、所望の直列共振を行なうために必要なインダクタンスを呈する共振インダクタンス手段は、主として共振インダクタンス手段5からなる場合、又はトランス6の所望の大きさのリーケージインダクタンスを利用して個別のインダクタを用いない場合、あるいは共振インダクタンス手段5とトランス6のリーケージインダクタンスとを組み合わせた場合がある。ここでは、いずれの場合も共振インダクタンスと言う。
実施形態1の直列共振型コンバータ回路は、一定の負荷条件は勿論のこと、負荷が高出力電圧と低出力電圧との間で変化するときにも直列共振動作の態様が変化することによって対応でき、所望の電力又は所望の直流電圧を出力できる。
具体的に動作説明を行う前に、各部の動作波形を示す図3について説明する。図3(1)〜(7)の横軸は時間を示す。図3(1)、図3(2)はそれぞれスイッチング素子4A、4Bに供給される制御信号Q、Rを示す。制御信号は、出力電力が大きい場合は出力電力が小さい場合に比べて周波数が高くなる。図3(3)は、図1に示す第1のスイッチング素子4Aと第1のダイオード4Eと第1のコンデンサ4Gとに流れる電流のうち主に第1のスイッチング素子4Aに流れる電流波形を示し、第1のスイッチング素子4Aを順方向に流れる電流をプラスの極性とする。図3(4)は第1のスイッチング素子4Aの両端の電圧を示す。
同様に、図3(5)は、図1に示す第2のスイッチング素子4Bと第2のダイオード4Fと第2のコンデンサ4Hとに流れる電流のうち主に第2のスイッチング素子4Bに流れる電流波形を示し、第2のスイッチング素子4Bを順方向に流れる電流をプラスの極性とする。図3(6)は第2のスイッチング素子4Bの両端の電圧を示す。図3(7)はトランス6の1次巻線6Aの励磁インダクタンスLpの電流を示し、図1の1次巻線6Aの黒点から非黒点側に流れる電流をプラスの極性とする。なお、図3(1)〜図3(7)では、休止期間がスイッチング素子4A、4Bのオン期間に比べて十分に短いので示していない。
図4(a)〜図4(g)は、図3(1)〜(7)の波形について時刻t0近辺をそれぞれ拡大して示したもので、横軸は時間を示す。図4(a)、図4(b)は、それぞれスイッチング素子4A、4Bに供給される制御信号Q、Rを示す。図4(c)は、第1のスイッチング素子4Aと第1のダイオード4Eと第1のコンデンサ4Gとに流れる電流波形を示し、図4(d)は、第1のスイッチング素子4Aの両端の電圧を示す。図4(e)は、第2のスイッチング素子4Bと第2のダイオード4Fと第2のコンデンサ4Hとに流れる電流波形を示し、図4(f)は第2のスイッチング素子4Bの両端の電圧を示す。図4(g)はトランス6の1次巻線6Aの励磁インダクタンスLpの電流を示す。
(高出力電圧の場合)
先ず、高出力電圧の場合について説明する。高出力電圧の場合、前述したように直流出力電力は、すべて2次側共振コンデンサ7Cと7Dの充放電サイクルで供給されるように2次側共振コンデンサ7Cと7DのキャパシタンスCsを選定しているので、2次側共振コンデンサ7C、7Dはゼロ電圧まで放電しても、負極性までは充電されない。したがって、2次側共振コンデンサ7Cと7Dに並列接続された2次側ダイオード7Eと7Fは常に2次側共振コンデンサ7C、7Dの電圧が逆電圧としてかかるので導通しない。したがって、図1の2次側ダイオード7E、7Fは無いものとすることができるので、整流回路7は図5(A)に示すような倍電圧整流回路で表すことができる。
また、トランス6の1次側においても実質的に直流電力の全部が1次側共振コンデンサ4C、4Dの充放電サイクルでトランス6の2次側に供給されるように、1次側共振コンデンサ4C、4DのキャパシタンスCpを選定している。したがって、実施形態1の望ましい1次側共振コンデンサ4C、4DのキャパシタンスCpと望ましい2次側共振コンデンサ7Cと7DのキャパシタンスCsは、どちらも同一値の負荷電力を通過させるので、2次側共振コンデンサ7Cと7DのキャパシタンスCsをトランス6の1次側に換算した値はほぼ同一の値になる。なお、トランス6の1次巻線6Aと2次巻線6Bとの巻数比nは任意でよいが、ここでは説明を容易にするためにn=1にしている。
制御回路17から図3(1)、図3(2)に示すような制御信号Q、Rを受けて、第1、第2のスイッチング素子4A、4Bは、それぞれオンし、図3(3)、図3(5)に示すように、第1、第2のスイッチング素子4A、4Bには共振電流Irの電流が流れる。その後、休止期間Tdに入るまで、つまり第1のスイッチング素子4A又は第2のスイッチング素子4Bがオフするまで、トランス6の励磁インダクタンスLp(図6に示す)は共振インダクタンス手段5を通して第1、第2のスイッチング素子4A、4Bに励磁電流Imを流す。
図3における時刻t0の直前では、第1のスイッチング素子4Aがオン状態にあり、その共振動作によって、第2の1次側共振コンデンサ4Dはほぼ直流電源電圧Eに充電され、第1の1次側共振コンデンサ4Cの充電電圧がほぼゼロVであるものとする。また、前述からトランス6の巻数比nは1であるので、第1の2次側共振コンデンサ7Cは図5(A)に示す図示極性でほぼ直流電源電圧Eに充電され、第2の2次側共振コンデンサ7Dの充電電圧はほぼゼロVであるものとする。
最初に図3を用いて短い休止期間を無視した電力供給の動作を説明する。時刻t0において第1のスイッチング素子4Aはターンオフするものとする。その後、第2のスイッチング素子4Bがターンオンすると、正極の直流入力端子2から第1の1次側共振コンデンサ4C、トランス6の1次巻線6A、共振インダクタンス手段5、第2のスイッチング素子4Bを通して電流が流れ、第1の1次側共振コンデンサ4Cは充電される。一方、第2の1次側共振コンデンサ4Dからは、トランス6の1次巻線6A、共振インダクタンス手段5、第2のスイッチング素子4Bを通して電流が流れ、第2の1次側共振コンデンサ4Dは放電される。トランス6の1次巻線と共振インダクタンス手段5とには、1次側共振コンデンサ4Cと4Dとにそれぞれ流れる電流の合流が流れる。トランス6の2次側では、トランス6を介して、共振インダクタンス手段5を流れる電流が2次側共振コンデンサ7C、7Dに分流して流れる。
この動作で、第1の1次側共振コンデンサ4CはほぼゼロVから直流電源電圧Eに向かって充電され、第2の1次側共振コンデンサ4Dは全部の電荷を放電して充電電圧がほぼゼロVとなる。第2の2次側共振コンデンサ7Dは第2の整流素子7Bを通してほぼゼロVから直流電源電圧Eに向かって充電され、第1の2次側共振コンデンサ7Cは第2の整流素子7Bを通して全ての電荷を放電して充電電圧がほぼゼロVとなる。次に、第1のスイッチング素子4Aがターンオンするときは、1次側共振コンデンサ4C、4D及び2次側共振コンデンサ7C、7Dの電圧は、第2のスイッチング素子4Bがターンオンするときと逆転する。
以上の動作は、共振インダクタンス手段5と、1次側共振コンデンサ4C、4Dの並列回路と、2次側共振コンデンサ7C、7Dの並列回路とによる直列共振動作となる。スイッチング素子4Bは共振周波数よりも低いスイッチング周波数で動作させるので、図3(5)に示すように、スイッチング素子4Bには正弦半波の共振電流Irが共振動作が終了するときまで流れる。共振動作が終了すると、スイッチング素子4Bにはトランス6の1次巻線6Aの励磁電流Imが流れ始め、スイッチング素子4Bがターンオフするまで流れ続ける。
次に、1次側共振コンデンサ4C、4D及び2次側共振コンデンサ7C、7Dの電圧が第2のスイッチング素子4Bのオン前の初期条件と逆転した時刻t1の条件において、スイッチング素子4Bはオフ状態を継続し、第1のスイッチング素子4Aがオフからオンに移行するものとする。この場合に、共振インダクタンス手段5及び1次巻線6Aに流れる電流は、第2のスイッチング素子4Bがオンのときとは逆向きとなる。共振インダクタンス手段5と、1次側共振コンデンサ4C、4Dの並列回路と2次側共振コンデンサ7C、7Dの並列回路とのキャパシタンスとの直列共振となり、第1のスイッチング素子4Aには、図3(3)に示すような正弦半波の共振電流Irが流れる。その後に励磁電流Imが流れ、時刻t2で再び各共振コンデンサの初期条件が時刻t0に戻る。
1次側共振コンデンサ4C、4D及び2次側共振コンデンサ7C、7Dの電圧がゼロから直流電源電圧Eまでの充放電動作をスイッチング周波数で繰り返すことにより、1次側共振コンデンサ4C、4Dの充放電エネルギーは電力として負荷11に転送される。このとき、整流回路7の整流素子7A又は7Bは平滑用コンデンサ10の電圧によって逆バイアスされるときに順方向に対して非導通となり、整流機能が回復する逆回復時間だけ順方向とは逆の方向に逆回復電流が急峻に流れる。
この逆回復電流は、短時間ではあるが、順方向に対して非導通になる整流素子7A又は7Bからトランス6の2次巻線6Bを通して流れる。しかし、実施形態1では図2に示したようにトランス6のコアに適当な幅のギャップ6Fを備えている。この逆回復電流によってトランス6の1次側に流れる逆回復1次電流は、ギャップ6Fの働きによって大きくなった励磁電流Imよりも小さいので、逆回復1次電流によって、励磁電流と逆向きの電流がトランス6の1次側を流れることは無い。
実際には以上で述べた半周期毎に、双方のスイッチング素子4A、4Bがオフ状態になる一定の長さの休止期間が存在する。時刻t0の前後の期間を拡大して示すと、図4(a)〜図4(g)に示すように、時刻t0から時刻tbまでの休止期間Tdが存在する。この休止期間Tdはほぼ一定であり、一例を挙げれば、第1、第2のスイッチング素子4A、4Bのオン期間に比べて短い300nsである。次に、この休止期間Tdにおける動作を説明する。
先ず、第1のスイッチング素子4Aがターンオフする時刻t0の直前では、図3(3)に示す励磁電流Imが、図6(1)において矢印で示すように、トランス6の励磁インダクタンスLp、ダイオード4I、スイッチング素子4A、共振インダクタンス手段5を含む電流経路を流れている。このとき、トランス6の1次側から2次側へ電力が供給されず、第1、第2の整流素子7A、7Bは非導通となる。次に、時刻t0で第1のスイッチング素子4Aがターンオフすると、それまでトランス6の励磁インダクタンスLpを流れていた初期値をImとする励磁電流によって、図6(2)の矢印で示す経路で電流Ia、Ibが流れる。電流Iaは、トランス6の励磁インダクタンスLp、第3のダイオード4I、第1のコンデンサ4G、共振インダクタンス手段5を含む電流経路に流れる。電流Ibは、トランス6の励磁インダクタンスLp、第3のダイオード4I、直流電源1、第2のコンデンサ4H、共振インダクタンス手段5を含む電流経路に流れる。
図4(c)、図4(e)に示すように、電流Ia、電流Ibが時刻t0からtaの期間に流れ、電流Ia、電流Ibが流れる電流経路内のインダクタンスとキャパシタンスとで部分共振が起こる。なお、一般的にトランスのコアにギャップを設けた場合には磁気抵抗が大きくなるので、励磁電流が大きくなることが知られている。実施形態1では、前述したようにトランス6の構造、例えば図2に示したトランス6のコアのギャップ6Fを調整することによって、励磁電流Imを適度な部分共振を生じる値に設定している。
電流Iaは第1のコンデンサ4Gを図6(2)の矢印の向きに充電するので、図4(d)に示すように、第1のスイッチング素子4Aの両端の電圧は上昇する。電流Ibは第2のコンデンサ4Hの電荷を図6(2)の矢印の向きに放電するので、図4(f)に示すように、第2のスイッチング素子4Bの両端の電圧は減少する。図4の時刻t0〜taの期間では、図6(2)に示すように、トランス6の1次側の部分共振によってトランスの1次巻線には黒点側から非黒点側に電流が流れる。これにより、トランス6の2次側では、2次巻線6Bから第1の2次側共振コンデンサ7C、平滑用コンデン10、第2の整流素子7Bを通じて2次側共振コンデンサ7Cを放電する電流が流れ、2次巻線6Bから第2の2次側共振コンデンサ7Dを充電する電流が第2の整流素子7Bを通じて流れる。
次に、図4(c)に示すように、時刻taで第1のコンデンサ4Gの充電が終わるので、第1のスイッチング素子4Aを流れる電流Iaはゼロとなり、部分共振動作は終了する。図4(d)に示す第1のスイッチング素子4Aの両端電圧はほぼ直流電源電圧Eとなる。一方、電流Ibは、第2のコンデンサ4Hの放電が終了する時刻taまで流れ、部分共振動作が終わる。第2のコンデンサ4Hの電圧がほぼゼロ電圧になると、並列に接続された第2のダイオード4Fが順方向に導通する。図6(4)に示す経路で電流が流れている状態で、すなわち、図4(e)に示すように第2のダイオード4Fが導通している時刻ta〜tbの期間に図4(b)の第2のスイッチング素子4Bの制御信号を与える。時刻tbで第2のダイオード4Fの順方向電流がほぼゼロになると、次に第2のスイッチング素子4Bが順方向に導通するので、ゼロ電圧スイッチング動作が実現できる。
以上の説明から分かるように、実施形態1ではトランス6のコアに適当な幅のギャップ6F(図2)を備えることによって、トランス6の励磁電流を適度な大きさに増やし、休止期間Tdにその励磁電流が次にターンオンされるスイッチング素子と並列のコンデンサを含む電流経路を流れることによって、その電流経路に部分共振を起こす。その部分共振によって、次にターンオンされるスイッチング素子の両端電圧がほぼゼロ電圧まで下がると、次にターンオンされるスイッチング素子と並列のダイオードが導通する。このダイオードが導通している状態で次にターンオンされるスイッチング素子にオン信号を与えておけば、ダイオードに流れる順方向がほぼゼロになるとスイッチング素子が順方向に導通する。
したがって、本発明では休止期間Tdにおける時刻ta〜tbの短い期間、つまり次にターンオンされるスイッチング素子と並列のダイオードが導通している期間にスイッチング素子をターンオンさせることによって、そのスイッチング素子の両端に実質的に電圧がかかっていない状態でオンするゼロ電圧スイッチング(ZVS)が可能となる。前述の動作は、スイッチング素子4A、4B双方のターンオンの場合にあてはまる。
また、前述したように、実施形態1ではトランス6のコアに適当な幅のギャップ6F(図2)を備えているので、従来回路のようにターンオフしたばかりのスイッチング素子4A又は4Bと並列のダイオード4E又は4Fには、整流回路7の整流素子7A又は7Bの逆回復電流に起因する逆回復1次電流によって励磁電流と逆向きの電流は流れない。このことから、スイッチング素子4B又は4Aがターンオンするときに、ダイオード4E又は4Fを逆回復電流が流れることは無いので、スイッチング素子4B又は4Aがターンオンするときに、ダイオード4E又は4Fとターンオンしたスイッチング素子4B又は4Aとで短絡回路を形成することは皆無である。したがって、スイッチング素子4A、4Bがターンオンする度に、ターンオンするスイッチング素子4B又は4Aとターンオフするスイッチング素子4A又は4Bと並列のダイオード4E又は4Fとにより短絡回路が形成されることが無く、その短絡回路を流れる短絡電流による電力損失の発生は皆無である。また、その短絡電流によるノイズを低減できる。
(低出力電圧の場合)
次に、低出力電圧の場合の動作を説明する。高出力電圧では、前述したように2次側共振コンデンサ7C、7Dの充電電圧は直流電源電圧Eとなったが、低出力電圧では、2次側共振コンデンサ7C、7Dの充電電圧はE/2となり、2次側共振コンデンサ7C、7Dの充電電荷は高出力電圧時の半分になる。このため、高出力電圧で選定された2次側共振コンデンサ7C、7Dの小さなキャパシタンスCsでは高出力電圧の1/2程度の期間しか2次側共振コンデンサ7C、7Dの共振動作による電流を供給できない。
2次側共振コンデンサ7C、7Dの充電電圧はほぼゼロまで低下した以降は、2次側共振コンデンサ7C、7Dに並列接続された2次側ダイオード7E、7F(図1)が導通する。負荷電流が2次側ダイオード7E、7Fを通して流れるので整流回路7は倍電圧整流回路でなく、第1、第2の整流素子7A、7Bと第3、第4の整流素子として働く第1、第2の2次側ダイオード7E、7Fとからなる通常の全波整流回路となり、倍電圧機能は実質的に無くなる。
また、低出力電圧の場合も高出力電圧の場合と同様に、トランス6の2次側の共振が終了して整流素子7A又は7Bが非導通になるとき、直流出力電圧が整流素子7A又は7Bに逆方向電圧として印加されるので、整流素子7A又は7Bが逆阻止機能を回復する逆回復時間だけ逆回復電流が流れる。しかし前述したように、実施形態1では、トランス6の励磁電流を整流回路7の整流素子の逆回復電流に起因してトランスの1次側に流れる前記逆回復1次電流よりも大きくする。すなわち、その逆回復1次電流によって励磁電流と逆向きの電流がターンオフしたばかりのスイッチング素子4A又は4Bと並列のダイオード4E又は4Fを流れないように、図2に示したトランス6のコアのギャップ6Fを調整してある。
したがって、低出力電圧の場合にも、前記逆回復1次電流がターンオフしたばかりのスイッチング素子4A又は4Bと並列のダイオード4E又は4Fを前記逆回復1次電流によって励磁電流と逆向きの電流が流れることはないので、スイッチング素子4B又は4Aがターンオンするとき、ターンオフしたばかりのスイッチング素子4A又は4Bと並列のダイオード4E又は4Fの逆回復時間に短絡回路が形成されることは皆無である。
また、前述したように、実施形態1ではトランス6のコアに適当な幅のギャップ6Fを備えることによって、トランス6の励磁電流を適度な大きさに増やし、休止期間Tdにその励磁電流が次にターンオンされるスイッチング素子4B又は4Aと並列のコンデンサ4H又は4Gを含む電流経路を流れることによって、その電流経路に部分共振を起こす。その部分共振によって、次にターンオンされるスイッチング素子と並列のダイオードを順バイアスして導通させた状態で、次にターンオンされるスイッチング素子のオン信号を制御回路が与える。
したがって、スイッチング素子の両端に実質的に電圧がかかっていない状態でオンするゼロ電圧スイッチング(ZVS)が可能となる。本発明ではスイッチング素子4A、4Bをゼロ電流スイッチング(ZCS)でターンオンさせ、また、スイッチング素子4A、4Bをゼロ電圧スイッチング(ZVS)でターンオフさせることができる。
実施形態1では、高出力電圧から低出力電圧までの広い範囲で変化する負荷11を駆動する直列共振型コンバータ回路について、図1に示し、説明した。しかし、直列共振型コンバータ回路が給電する負荷は一定、あるいは求められる変化の範囲が狭い場合も多い。したがって、高出力電圧の場合には、前述から明らかなように、整流回路7を図5(A)に示す倍電圧回路としてもよい。
また、負荷が低負荷は勿論のこと、高負荷の場合にも、整流回路7は図1で2次側共振用コンデンサ7C、7Dを削除した図5(B)に示すような通常の全波整流回路、あるいは図7に示すような両波形の整流回路7であってもよい。この両波形の整流回路は一般的な構成であるので、詳しくは説明しないが、図1と同様に直流出力端子8、9間には平滑用コンデンサ10が接続される。トランスの6の2次巻線6Bの両端は、カソード(又はアノード)が共通に接続された第1の整流素子7A、第2の整流素子7Bを通して直流出力端子8側に接続され、トランスの6の2次巻線6Bの中点Mpは直流出力端子9側に接続される。
なお、図6に示した整流回路7の第1、第2の整流素子7A、7Bは必ずしもダイオードでなくてもよく、制御回路17からの制御信号によって前記スイッチング素子の共振動作と同期してオンするFETのような半導体スイッチでもよい。例えば、整流素子7A、7Bとして順方向電圧降下の小さなFETを用いることによって、電力損失を更に低減することができる。また、実施形態1では定電力制御の例を述べたが、直流出力電圧を設定電圧に維持する定電圧制御等であっても勿論よい。
上述の実施形態では、コアにギャップを設けて、トランスの磁気抵抗を大きくし、励磁電流を大きくすることについて述べたが、この具体例に限定されず、これ以外の方法を用いて良い。例えば、コアの断面積を小さくすることでトランスの磁気抵抗を大きくし、励磁電流を大きくすることができる。また、トランスの1次巻線と2次巻線との巻数比は同様にし、1次巻線と2次巻線との巻数を増やすなどの巻線の長さを長くすることで、トランスの磁気抵抗を大きくし、励磁電流を大きくすることができる。さらに、コアの材質を透磁率の小さいものに変更することによってトランスの磁気抵抗を大きくし、励磁電流を大きくすることができる。もちろん上記の方法の組み合わせてもよい。
本発明の直列共振型コンバータ回路における各部の構成、構造、数、配置、形状、材質などに関しては、上記具体例に限定されず、当業者が適宜選択的に採用したものも本発明の範囲に包含される。より具体的には、例えば、半導体スイッチとしてFETを用いて説明したが、これら特定の電気素子には限定されず、同様の機能または作用を有する単一の電気素子あるいは複数の電気素子を含む電気回路として構成することができ、これらすべての変形は、本発明の範囲に包含される。同様に、回路の具体的な構成や、ダイオード、抵抗、スイッチング素子をはじめとする各回路素子の数や配置関係などについても、当業者が適宜設計変更したものは本発明の範囲に包含される。
1・・・直流電源
2、3・・・直流入力端子
4・・・インバータ回路
4A・・・第1のスイッチング素子
4B・・・第2のスイッチング素子
4C・・・第1の1次側共振コンデンサ
4D・・・第2の1次側共振コンデンサ
4E・・・第1のダイオード
4F・・・第2のダイオード
4G・・・第1のコンデンサ
4H・・・第2のコンデンサ
4I・・・第3のダイオード
4J・・・第4のダイオード
4x、4y・・・導線
5・・・共振インダクタンス手段
6・・・トランス
6A・・・トランス6の1次巻線
6B・・・トランス6の2次巻線
6C・・・ボビン
6D・・・第1のコア
6E・・・第2のコア
6d、6e・・・第1、第2のコア6D、6Eの中央磁脚
6F・・・ギャップ
7・・・整流回路
7A・・・第1の整流素子
7B・・・第2の整流素子
7C・・・第1の2次側共振コンデンサ
7D・・・第2の2次側共振コンデンサ
7E・・・第1の2次側ダイオード
7F・・・第2の2次側ダイオード
7x、7y・・・導線
8、9・・・直流出力端子
10・・・平滑用コンデンサ
11・・・負荷
12・・・電圧検出器
13・・・電流検出器
14・・・乗算回路
15・・・誤差増幅器
16・・・基準源
17・・・制御回路
E・・・直流電源電圧
Cp・・・1次側共振コンデンサ4Cと4Dのキャパシタンス
Vo・・・直流出力電圧
v・・・直流検出電圧
Io・・・直流出力電流
i・・・電流検出信号
p・・・負荷電力信号
s・・・電力設定信号
e・・・誤差増幅信号
Q、R・・・制御信号
Im・・・トランス6の励磁電流
Td・・・休止期間(デッドタイム)
Lp・・・トランス6の励磁インダクタンス
Cp・・・1次側共振コンデンサ4C、4Dのキャパシタンス
Cs・・・2次側共振コンデンサ7C、7Dのキャパシタンス
n・・・1次巻線6Aと2次巻線6Bとの巻数比
Ir・・・共振電流
Ia、Ib・・・休止期間Tdにそれぞれの電流経路を流れる電流

Claims (7)

  1. 直流入力電圧が印加される一対の直流入力端子の間に互いに直列に接続される第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子と、前記第1のスイッチング素子とそれぞれ並列に接続される第1のダイオードと第1のコンデンサと、前記第2のスイッチング素子とそれぞれ並列に接続される第2のダイオードと第2のコンデンサと、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とブリッジ構成に接続される第1の1次側共振コンデンサと第2の1次側共振コンデンサと、前記第1の1次側共振コンデンサと第2の1次側共振コンデンサとそれぞれ並列に接続される第3のダイオードと第4のダイオードとを有するインバータ回路と、
    前記インバータ回路に接続される1次巻線と2次巻線とを有するトランスと、
    前記1次巻線又は前記2次巻線と直列に接続される共振インダクタンス手段と、
    前記2次巻線と一対の直流出力端子との間に接続される半導体素子を有する整流回路と、
    前記一対の直流出力端子の間に接続された出力コンデンサと、
    前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子の双方ともがオフである休止期間を挟んで、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子を交互にオンオフ動作させる制御回路と、
    を備える共振型コンバータ回路であって、
    前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子は、前記制御回路からの制御信号によって共振周波数よりも低いスイッチング周波数で動作し、
    前記第1のスイッチング素子又は前記第2のスイッチング素子がオンのときは、前記トランスの1次側では、前記第1の1次側共振コンデンサと前記第2の1次側共振コンデンサと前記共振インダクタンス手段とが共振し、前記トランスの2次側では、前記半導体素子を通じて前記直流出力端子間にエネルギーを供給する順方向に電流が流れ、
    前記共振の終了から前記休止期間に至るまで前記トランスの1次巻線を流れる前記励磁電流は、前記整流回路の前記半導体素子が非導通になるときに流れる逆回復電流によって前記トランスを介して前記1次巻線に流れ込む電流よりも大きくなるように設定され、
    前記休止期間に至ると、前記トランスの1次巻線を流れる前記励磁電流が、前記第1のスイッチング素子又は前記第2のスイッチング素子のターンオフに伴って、次にターンオンされる前記第2のスイッチング素子又は第1のスイッチング素子に並列に接続される前記第2のコンデンサ又は第1のコンデンサ及び前記共振インダクタンス手段を含む経路で流れて部分共振を起こさせ、該部分共振によって前記第2のコンデンサ又は第1のコンデンサの電圧が反転して前記第2のダイオード又は前記第1のダイオードを導通させ、
    前記制御回路は、前記第2のダイオード又は前記第1のダイオードが導通している期間に次にターンオンされる前記第2のスイッチング素子又は前記第1のスイッチング素子をターンオンさせる制御信号を与えることを特徴とする共振型コンバータ回路。
  2. 請求項1において、
    前記トランスは、前記1次巻線を流れる前記励磁電流が前記逆回復電流によって前記1次巻線に流れ込む電流よりも大きくなる磁気抵抗を有することを特徴とする直列共振型コンバータ回路。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記第1のスイッチング素子は、前記第1のダイオードとして働く内部ダイオードと前記第1のコンデンサとして働く寄生容量を有する半導体素子であり、
    前記第2のスイッチング素子は、前記第2のダイオードとして働く内部ダイオードと前記第2のコンデンサとして働く寄生容量を有する半導体素子であることを特徴とする直列共振型コンバータ回路。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかにおいて、
    前記整流回路は、互いに直列接続された第1の整流素子と第2の整流素子、及び互いに直列接続された第3の整流素子と第4の整流素子をブリッジに接続した構成であり、前記第1の整流素子と前記第2の整流素子との接続箇所は前記トランスの前記2次巻線の一方の端子に接続され、前記第3の整流素子と前記第4の整流素子との接続箇所は前記2次巻線の他方の端子に接続され、前記第1の整流素子と前記第3の整流素子とのカソードは前記直流出力端子の一方に接続され、前記第2の整流素子と前記第4の整流素子とのアノードは前記直流出力端子の他方に接続されることを特徴とする直列共振型コンバータ回路。
  5. 請求項4において、
    前記整流回路における前記第3の整流素子には第1の2次側共振用コンデンサが並列接続され、前記第4の整流素子には第2の2次側共振用コンデンサが並列接続され、前記直流出力端子間に接続される負荷が高出力電圧であるときには前記整流回路が主に倍電圧整流回路として働き、前記直流出力端子間に接続される負荷が低出力電圧であるときには前記整流回路が主に全波整流回路として働くことを特徴とする直列共振型コンバータ回路。
  6. 請求項1から請求項3のいずれかにおいて、
    前記整流回路は、互いに直列接続された第1の2次側共振用コンデンサと第2の2次側共振用コンデンサと、互いに直列接続された第1の整流素子と第2の整流素子とをブリッジに接続した倍電圧整流構成であり、互いに接続された前記第1の2次側共振用コンデンサの一端側と前記第2の2次側共振用コンデンサの一端側は前記トランスの前記2次巻線の一方の端子に接続され、前記第1の整流素子のアノードと前記第2の整流素子のカソードとの接続箇所は前記2次巻線の他方の端子に接続され、前記第1の2次側共振用コンデンサの他端側と前記第1の整流素子のカソードは前記直流出力端子の一方に接続され、前記第2の2次側共振用コンデンサの他端側と前記第2の整流素子とのアノードは前記直流出力端子の他方に接続されることを特徴とする直列共振型コンバータ回路。
  7. 請求項1から請求項3のいずれかにおいて、
    前記整流回路は、前記トランスの前記2次巻線の一方の端子に一端が接続された第1の整流素子と、前記2次巻線の他方の端子に一端が接続された第2の整流素子とを備え、前記第1の整流素子と前記第2の整流素子の同極性の他端は前記直流出力端子の一方に接続され、前記2次巻線の中間点が前記直流出力端子の他方に接続されることを特徴とする直列共振型コンバータ回路。
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