JP2002008984A - 半導体熱処理用セラミックヒーター - Google Patents
半導体熱処理用セラミックヒーターInfo
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Abstract
導体装置の加熱・加工処理に適する半導体熱処理用セラ
ミックヒーターの提供。 【解決手段】 放熱・加熱面をなす窒化アルミ系成形体
層7と、前記窒化アルミ系成形体層7に埋め込み型に配
置された抵抗発熱素子8と、前記抵抗発熱素子8に一端
がそれぞれ接続する給電体9a、9bと、前記給電体9
a、9bの外周面を被覆する耐プラズマ性の被覆層10
とを有することを特徴とする半導体熱処理用セラミック
ヒーターである。
Description
ラミックヒーターに係り、さらに詳しくは半導体ウェハ
ーを効率的に加熱できる半導体熱処理用セラミックヒー
ター関する。
半導体ウェハーに対するプラズマCVD、プラズマエッ
チングなどの加工処理が施される。これらの加工処理
は、一般的に、密閉化が可能な容器内において、予め、
内装・設置してあるセラミック面ヒーター本体上に、被
加工体を位置決め配置し、被加工体に加熱を施しながら
行われる。そして、高性能ないし高信頼性を有する半導
体装置を歩留まりよく、しかも量産的に得るために、加
熱処理が一つの重要なファクターとなる。
とえば緻密でガスタイトなセラミックス成形体の内部
に、タングステン線やモリブデン線などで形成したスパ
イラル状の抵抗発熱体を埋設したものである。そして、
セラミック面ヒーター本体が埋蔵する抵抗発熱体に、一
端側が接続した電極部をセラミックス成形体外に導出さ
せ、この電極部に、たとえばタングステン製もしくはモ
リブデン製の給電体(給電棒ないし給電太線)の一端部
を電気的・機械的に接続する一方、他端部を容器外に導
出して所要の給電が行われ、半導体熱処理用セラミック
ヒーターとして機能する構造を採っている。なお、セラ
ミックス成形体は、たとえばアルミナ系やシリカ系、窒
化アルミ系、窒化ケィ素系、あるいはサイアロンなどで
形成されている。
いては、給電体がプラズマ雰囲気に曝されることに伴っ
て、腐食・損傷などを起こすことを回避するため、保護
パイプ内を挿通させている。すなわち、プラズマCVD
やプラズマエッチングなどにおいては、処理雰囲気中に
腐食性の化学種が発生して、露出しているタングステン
製もしくはモリブデン製の給電体が損傷され、所要の給
電機能や機械的な支持機能などが損なわれ易いので、こ
れを防止ないし回避するために、保護管を挿通させて保
護している。
装着したプラズマエッチング装置の概略構成を示す断面
図である。図2において、1は密閉型化が可能な容器
(真空チャンバー)、2は被加工体、たとえばシリコン
ウェハー3を載置するセラミック面ヒーター本体、4
a、4bは給電体、5はたとえば窒化アルミ製の保護
管、6は装置本体側に連接するフランジ部であり、フラ
ンジ部6より先端側は冷却される構成と成っている。
加工が微細化する一方、量産性および歩留まりなどコス
ト面が配慮される。つまり、半導体装置の製造工程にお
いては、加工・処理装置の再現性ないし安定性が、信頼
性の高い半導体装置を製造する上で望まれる。そして、
加工・処理の安定性などは、たとえば加熱手段において
安定した加熱機能が要求され、さらに、低コスト化など
の点からは、セラミックヒーターなどを含む加工・処理
装置の耐久性が望まれる。
成のセラミックヒーターの場合は、次のような不都合が
ある。すなわち、所要の加熱加工・処理を施すに当たっ
ては、均一な加熱ないし安定した加熱とともに、省資源
の点からは、より効率的に発熱を利用することが望まれ
る。この発熱の利用効率は、セラミック面ヒーター本体
2上にセットされた被加工体3およびその周縁部の加熱
に利用される割合であり、したがって、被加工体3をセ
ットした領域外での放熱は、極力少ないことが望まれ
る。
の場合は、給電体を貫挿・被覆保護するセラミック製の
保護管5を介した放熱により、セラミック面ヒーター本
体2の面内温度分布の低下を招来し易い傾向がある。つ
まり、保護管5がセラミック面ヒーター本体2に対接し
た構造を採っていること、加えて、保護管5のフランジ
部6が冷却される構成となっているため、温度勾配がつ
いて発熱の利用効率が損なわれる。また、前記温度勾配
の発生は、セラミック面ヒーター本体2に対する保護管
5の接合部に応力を発生させ、接合の信頼性が損なわれ
る。
ラミックヒーターの場合は、発熱の利用効率に問題があ
る上、面内温度分布の低下や耐久性など機能的にも、十
分満足して実用に供し得るとはいえない。つまり、この
種の半導体熱処理用セラミックヒーターを付設した加工
装置は、加熱効率が劣り、耐久性ないし信頼性の点で、
結果的に、コストアップとなって半導体装置の製造コス
トに大きく影響する。
で、低コストで得られ、かつ加熱効率が高く、半導体装
置の加熱・加工処理に適する半導体熱処理用セラミック
ヒーターの提供を目的とする。
・加熱面をなす窒化アルミ系成形体層と、前記窒化アル
ミ系成形体層に埋め込み型に配置された抵抗発熱素子
と、前記抵抗発熱素子に一端がそれぞれ接続する給電体
と、前記給電体の外周面を被覆する耐プラズマ性の被覆
層とを有することを特徴とする半導体熱処理用セラミッ
クヒーターである。
熱処理用セラミックヒーターにおいて、耐プラズマ性の
被覆層がニッケル系であることを特徴とする。
項2記載の半導体熱処理用セラミックヒーターにおい
て、耐プラズマ性の被覆層を形成する給電体の外周面が
粗面化されていることを特徴とする。
熱素子(抵抗発熱体)を埋め込み・内蔵するセラミック
ス基材が、熱伝導率の大きいセラミックス成形体層で構
成され、かつ給電体の外周面を耐プラズマ性に不動態化
処理したことで特徴付けられる。つまり、抵抗発熱素子
を埋め込み・内蔵し、かつ被加熱体に対する加熱・放熱
面となる領域を窒化アルミ系層で形成する一方、外周面
を耐プラズマ性に不動態化処理した給電体を電力供給体
としたことを骨子とする。
子を埋め込み・内蔵する窒化アルミ系成形体層は、たと
えば平均粒径0.6〜0.8μm程度の窒化アルミ粉末
に、焼結助剤およびバインダーを添加・混合し脱脂後
に、所要の厚さ形状寸法の板状成形体に成形し、180
0℃以上の高温で焼結することにより形成される。ここ
で、焼結助剤としては、酸化イットリウム、酸化カルシ
ウムなどが例示され、また、バインダーとしては、ポリ
ビニルブチラールなどが例示される。
一主面に、抵抗発熱素子の配置・埋め込み用の溝などを
予め設けておくことが望ましい。また、この窒化アルミ
系成形体層は、いわゆるグリーンシート化し、このグリ
ーンシートの複数枚を積層して、一体的に高圧・高温焼
結することによっても形成でき、抵抗発熱素子の配置・
埋め込み操作も容易になる。
系成形体層に埋め込み・内蔵される抵抗発熱素子は、た
とえばタングステン線、モリブデン線などをコイル状な
いしスパイラル状に捲回したもの、あるいはジグザグ状
に折り曲げたものである。そして、その抵抗発熱素子を
形成するタングステン線などの径や全長は、セラミック
ヒーターの形状・大きさ、加熱源としての熱容量などに
応じて設定される。
子の電極部に一端部が接続し、外部から所要の電力を供
給する給電体(給電棒、給電線)は、たとえばモリブデ
ン、タングステンなどを素材として本体が形成されたも
のである。つまり、所要の径、長さに設定されたモリブ
デン製棒、あるいはタングステン製棒を本体とし、その
外周面に、耐プラズマ性の高い不動態層を設けたもので
ある。
たとえばニッツケルメッキのフッ化ニッケル層などであ
り、給電体の寸法・容量などにもよるが、一般的に、膜
厚2〜30μm程度に設定される。なお、この耐プラズ
マ性の高い不動態層の形成に先立って、下地となる給電
体の外周面を予め粗面化しておくと、密着強度も高ま
り、耐久性の向上が図られる。
内蔵し、かつ加熱・放熱面側を比較的熱伝導率の高い窒
化アルミ系成形体層で構成する一方、給電体の外周面を
耐プラズマ性の高い不動態化してある。つまり、加熱・
放熱面側は、抵抗発熱が高い熱伝導性によって容易に、
かつ効率よく加熱・放熱に寄与する。
付与され、保護管が省略されて給電体部からの放熱も抑
制されるため、セラミック面ヒーター本体の面内温度分
布の低下が解消される。したがって、加熱・放熱面側か
らの放熱が助長され、より効率よく抵抗発熱が利用され
る。
する。
ミックヒーターを内装したプラズマCVD処理装置の要
部構成を示す断面図である。図1において、7は放熱・
加熱面をなす窒化アルミ系成形体層、8は前記窒化アル
ミ系成形体層7に埋め込み型に配置された抵抗発熱素
子、9a、9bは前記抵抗発熱素子8の入力端子に一端
が、それぞれ接続する給電体、10は前記給電体9a、
9bの外周面を被覆する耐プラズマ性の被覆層である。
えば焼結助剤として酸化イットリウムを含有する厚さ1
3mm程度、直径230mm程度の円板状窒化アルミ粉
末の焼結体層であり、熱伝導率約110W/K・m程
度、気孔率0.5%である。また、抵抗発熱素子8は、
全長700cmのタングステン線をジグザグ状に折り曲
げたもので、入力電力1.8KW程度である。そして、
この抵抗発熱素子8は、前記窒化アルミ系成形体層7に
埋め込み装着・配置され、入力端子が導出されている。
一端が接続する給電体9a、9bは、径10 mm程
度のタングステン棒であり、その外周面を不動態化する
耐プラズマ性の被覆層10は、たとえば厚さ10μm程
度のニッケルメッキ層である。なお、図1において、1
1は前記セラミックヒーターを内装した真空型化できる
容器(真空チャンバー)、12は被加工体、たとえばシ
リコンウェハー、給電体9a、9bを真空チャンバー1
1外に導出するフランジ接合部である。
造例を説明する。
ルミ粉末に、焼結助剤(酸化イットリウム)、およびバ
インダー(ポリビニルブチラール樹脂)を添加・混合
し、この混合物を所要の厚さ形状寸法の板状に成形し、
2枚の成形体を作製する。その後、大気雰囲気中におい
て600℃の温度で加熱・脱脂してから、非酸化性雰囲
気中において、焼結することにより、熱伝導率約110
W/K・m程度、気孔率0.5%の焼結体を作成する。
子8をスパイラル状に埋め込み装着できるように、深さ
150μm程度の溝付き加工を行った。また、他方の成
形体には、一対の給電体9a、9bを互いに離隔し、先
端部をそれぞれ貫挿できる孔の穿設を行った。
を素材としたコイル状の抵抗発熱素子8を、前記焼結体
のスパイラル状溝に装着・配置する一方、この抵抗発熱
素子8を装着・配置した面に、接合剤層を介して二枚目
の焼結体を積層配置する。この二枚目の焼結体を積層配
置するとき、外周面を不動態化した給電体9a、9bを
抵抗発熱素子8の入力端子に接続しながら、位置決め配
置する。ここで、接合剤層は、たとえば窒化アルミ粉末
を主成分としたペースト、あるいは窒化アルミ粉末の有
機溶媒分散液などが挙げられるが、接合剤層を省略して
も、ホットプレレスで一体化できる。
層を燒結させ、それらを一体化することにより、セラミ
ックヒーターが得られる。なお、給電体9a、9bと抵
抗発熱素子8の入力端子との接続は、たとえばタングス
テン系ペーストを給電体9a、9bの挿入孔に充填し、
硬化させることにより、積層の一体化と同時に行なうこ
ともできる。
の構成において、次の点を除いた他は、上記実施例の場
合と同様の条件で、セラミックヒーター(比較例1)を
作製した。すなわち、一対の給電体は、径5mmのタン
グステン製棒とし、この一対の給電体を外径40mm、
肉厚3.0mm程度のパイプ状の窒化アルミ焼結体内を
挿通させ、給電体を抵抗発熱素子に電気的に接続する一
方、この窒化アルミ焼結体パイプをセラミックヒーター
本体に、ホットプレスで一体化した構成を採った。
プラズマCVD用装置に装着し、減圧下セラミックヒー
ター面が所定温度(たとえば600℃)に昇温後、15
0時間加熱保持して、給電体の外観を観察した。この試
験評価において、実施例のセラミックヒーターの場合
は、異常が認められなかった。なお、この試験評価にお
いては、各セラミックヒーターは、そのフランジ部ない
しフランジ接合部を対応する金属製フランジ部にネジも
しくはジョイントで固定した。
ーの場合は、給電体外周面に空気による酸化が認められ
た。また、一対の給電体が挿通するパイプ状の窒化アル
ミ焼結体内を減圧にし、酸化防止を図った場合には、6
50℃に昇温した時点で、給電体間の絶縁破壊が発生し
た。
ーター所要の消費電力で、600℃に昇温したヒーター
面の面内温度分布を赤外線熱画像装置によって評価した
結果を表1に示す。ここで、比較例のセラミックヒータ
ーは、セラミックスパイプから熱が逃げるため、内面温
度分布が悪く、消費電力も大きくなっている。
この発明に係る半導体熱処理用セラミックヒーターは、
安定性にすぐれており、良好な面内温度分布を呈するの
で、ムラのない一様な加熱ができるだけでなく、投入電
力も有効に利用される。つまり、歩留まりのよい半導体
の処理加工などに適し、高品質・高性能の半導体装置の
製造に大きく寄与する。また、その抵抗発熱に要する電
力量の低減も図られので、省資源・低コスト化の点でも
多くの利点をもたらす。
なく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形を
採ることができる。たとえば、セラミックヒーターの寸
法・形状、抵抗発熱素子や給電体の材質、あるいは入力
電力など用途に応じて選択・設定できる。
熱面側は、抵抗発熱が高い熱伝導性によって容易に、か
つ効率よく加熱・放熱に寄与する。一方、給電体は、す
ぐれた耐プラズマ性が付与され、すぐれた耐久性を呈す
るだけでなく、保護管も不要ないし省略されて構造が簡
略化する上、給電体部からの放熱も抑制される。したが
って、セラミック面ヒーター本体の面内温度分布の低下
が解消され、また、加熱・放熱面側からの放熱が助長さ
れ、より効率よく抵抗発熱を利用できる半導体熱処理用
セラミックヒーターとして機能する。
く、また、加熱・放熱面側からの放熱が助長され、より
効率よく抵抗発熱が利用できるので、省資源・低コスト
型で、かつ高品質の半導体装置の加工・製造に適するセ
ラミックヒーターといえる。
ーを装着した加工装置の要部構成を示す断面図。
着した加工装置の要部構成を示す断面図。
Claims (3)
- 【請求項1】 放熱・加熱面をなす窒化アルミ系成形体
層と、前記窒化アルミ系成形体層に埋め込み型に配置さ
れた抵抗発熱素子と、前記抵抗発熱素子に一端がそれぞ
れ接続する給電体と、前記給電体の外周面を被覆する耐
プラズマ性の被覆層とを有することを特徴とする半導体
熱処理用セラミックヒーター。 - 【請求項2】 耐プラズマ性の被覆層がニッケル系であ
ることを特徴とする請求項1記載の半導体熱処理用セラ
ミックヒーター。 - 【請求項3】 耐プラズマ性の被覆層を形成する給電体
の外周面が粗面化されていることを特徴とする請求項1
もしくは請求項2記載の半導体熱処理用セラミックヒー
ター。
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