JP2002006966A - 電圧制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御回路を簡素化して小型で然も安価に作成
することが可能な電圧制御装置を提供する。 【解決手段】 変圧器１の励磁巻線１ａに抵抗器５とト
ライアック４を直列に接続し、励磁巻線１ａに並列に第
１の電磁接触器ＭＣ１の主接点から成る第１開閉器２を
設けると共に、抵抗器５及びトライアック４に並列に第
２の電磁接触器ＭＣ２の主接点から成る第２位開閉器３
を設けた。また、励磁巻線１ａと抵抗器５の間の電圧を
トライアック４のゲート電圧とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電圧制御装置に関
し、詳しくは単巻変圧器を使用した負荷時タップ切換型
の電圧制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の単巻変圧器を使用した電圧制御装
置を図２に示す。図２（ａ）は負荷時タップ切換型の節
電装置であり、その制御回路を（ｂ）に示している。図
において１８，１９，２０は夫々３つの電磁接触器ＭＣ
１１，ＭＣ１２，ＭＣ１３の主接点、１６は変圧器、１
７は抵抗器であり、ＭＣ１１の主接点１８とＭＣ１２の
主接点１９を切り換えて出力電圧を制御している。この
ようなタップ切換式電圧制御装置では、タップ切換時に
変圧器１６の励磁巻線が開放状態になると、切換回路の
接点間に高電圧が発生し、アークによる接点の溶着事故
などの発生があるため、タップの切換時にタップの開放
状態を防ぐための抵抗器１７をタップ切換動作時だけ回
路に挿入する負荷時タップ切換回路が用いられてきた。
ここでは、切換が完了するまでの間、電磁接触器ＭＣ３
によって抵抗器１７が励磁回路に挿入され、励磁回路が
開放状態になるのを防止していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の回
路の場合、常時抵抗器１７に電流が流れるのを防止する
ために、電磁接触器ＭＣ１３が使用されているが、図４
に示すように、３つの電磁接触器と電磁接触器ＭＣ１３
を時限動作させるために２つのタイマＴ２１，Ｔ２２を
必要とする為、切り換えの制御回路が複雑になり、大型
で高価なものとなっていた。そこで、本発明は上記問題
点に鑑み、制御回路を簡素化して小型で然も安価に作成
することが可能な電圧制御装置を提供することを課題と
する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項１の発明は、単巻変圧器を直送状態と降圧状
態とにタップを切り換えて電圧を制御する電圧制御装置
であって、前記単巻変圧器の励磁巻線の一端に抵抗器，
トライアックを順に直列接続し、励磁巻線の他端と共に
電源間に接続すると共に、前記励磁巻線に並列に第１開
閉器を設け、前記トライアックと抵抗器に並列に、前記
第１開閉器とは背反動作し且つ同時にオン動作する事の
ない第２開閉器を設け、トライアックのゲート電圧を前
記励磁巻線と抵抗器の間から得ることを特徴とする。

【０００５】また請求項２の発明は、請求項１の発明に
おいて、第１及び第２開閉器を夫々第１，第２の電磁接
触器の主接点で構成したことを特徴とする。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施の
形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図１は本発明
に係る電圧制御装置の１例を示し、（ａ）は単巻変圧器
を直送状態と降圧状態とに制御して出力する節電装置の
回路図、（ｂ）はその制御回路を示している。図１
（ａ）において、１は単巻変圧器で構成される変圧器、
２は第１の電磁接触器（以下ＭＣ１とする）の主接点か
ら成る第１開閉器、３は第２の電磁接触器（以下ＭＣ２
とする）の主接点から成る第２開閉器、４はトライアッ
ク、５は抵抗器であり、６はトライアック制御用の抵抗
である。

【０００７】変圧器１の励磁巻線１ａと抵抗器５及びト
ライアック４は直列に接続され、励磁巻線１ａ側の一端
とトライアック４側の他端が電源１３に接続されてい
る。そして、第１開閉器２は励磁巻線１ａに並列に接続
され、第２開閉器３は抵抗器Ｒ２及びトライアック４に
並列に接続され、変圧器１の２次側出力端子とトライア
ック４側他端が負荷１４に接続されている。

【０００８】また、図１（ｂ）において、７は直送状態
とする直送スイッチ７ａ及び降圧節電状態とする節電ス
イッチ７ｂとから成る切換スイッチであり、８はＭＣ２
の補助接点、９はＭＣ１の補助接点、１０はＭＣ１の操
作コイル、１１はＭＣ２の操作コイルである。この制御
回路の動作を説明すると、まず直送状態では直送スイッ
チ７ａがオンされてＭＣ１がオンして第１開閉器２が閉
路する。そして、ＭＣ１の補助接点９は開放状態とな
り、第２開閉器３は開路状態となる。この時、トライア
ック４には電源電圧が印加されているが、抵抗６により
ゲート電流が制限されているため、トライアック４はタ
ーンオンせず、抵抗器５には電流が流れない。

【０００９】次に、節電スイッチ７ｂを操作して、直送
から節電状態である降圧状態に移行すると、第１開閉器
２が開路状態になる。この瞬間は、まだ第２開閉器３が
閉路していないので、変圧器１の励磁側が開放状態にな
り、抵抗器５側の電位が上昇する、この電位が一定以上
になるとトライアック４のゲート電圧が上昇して、トラ
イアック４がターンオンし、抵抗器５に励磁電流が通電
され、電位の上昇が抑制される。そして、第２開閉器３
が閉路すると、トライアック４のゲート電圧が０となる
ため、トライアック４はターンオフし、抵抗器５に励磁
電流が流れなくなる。

【００１０】節電から直送状態になる場合も同様に、第
１開閉器２，第２開閉器３が両方とも開放状態で励磁巻
線１ａの抵抗器５側の電位が一定以上に上昇したときの
み、抵抗器５に励磁電流が流れ、切換動作が完了する
と、抵抗器５の回路は遮断される。

【００１１】このように、本回路ではタイマ回路等を設
けることなく２個の電磁接触器ＭＣ１，ＭＣ２とトライ
アック４を使用することで、タップの切替時に励磁側の
電位が上昇したときだけ、トライアック４がターンオン
して励磁側の電位の上昇を抑えるため、簡単な回路で変
圧器のタップ開閉ができる。そのため、回路を小型化す
ることが可能であるし、然も安価に作成できる。また、
従来の回路では、変圧器の励磁側の電圧とは無関係に抵
抗器を回路に投入していたので、開閉頻度が増すと抵抗
器が傷みやすかったが、本回路では、励磁側の電位が一
定値を越えたときのみ回路に投入されるので、抵抗器が
傷みにくい効果も有する。

【００１２】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
タイマ回路等を設けることなく２個の電磁接触器とトラ
イアックを使用することで、タップの切替時に励磁側の
電位が上昇したときだけ、トライアックがターンオンし
て励磁側の電位の上昇を抑えるため、簡単な回路で変圧
器のタップ開閉ができる。そのため、回路を小型化する
ことが可能であるし、然も安価に作成できる。また、励
磁側の電位が一定値を越えたときのみ抵抗器を回路に投
入することが可能であり、抵抗器が傷みにくい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る電圧制御装置の実施の形態の１例
を示し、（ａ）はタップ切換回路、（ｂ）はその制御回
路である。

【図２】従来の電圧制御装置を示し、（ａ）はタップ切
換回路、（ｂ）はその制御回路である。

【符号の説明】

１・・変圧器（単巻変圧器）、１ａ・・励磁巻線、２・
・第１開閉器、４・・トライアック、５・・抵抗器、６
・・抵抗、７・・切換スイッチ、１３・・電源、１４・
・負荷、ＭＣ１・・第１の電磁接触器，ＭＣ２・・第２
の電磁接触器。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 単巻変圧器を直送状態と降圧状態とにタ
   ップを切り換えて電圧を制御する電圧制御装置であっ
   て、前記単巻変圧器の励磁巻線の一端に抵抗器，トライ
   アックを順に直列接続し、励磁巻線の他端と共に電源間
   に接続すると共に、前記励磁巻線に並列に第１開閉器を
   設け、前記トライアックと抵抗器に並列に、前記第１開
   閉器とは背反動作し且つ同時にオン動作する事のない第
   ２開閉器を設け、トライアックのゲート電圧を前記励磁
   巻線と抵抗器の間から得ることを特徴とする電圧制御装
   置。
2. 【請求項２】 第１及び第２開閉器を夫々第１，第２の
   電磁接触器の主接点で構成した請求項１記載の電圧制御
   装置。