JP2002006433A - ハロゲン化銀写真乳剤、該乳剤の製造方法及び該乳剤含有ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤、該乳剤の製造方法及び該乳剤含有ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2002006433A
JP2002006433A JP2000191519A JP2000191519A JP2002006433A JP 2002006433 A JP2002006433 A JP 2002006433A JP 2000191519 A JP2000191519 A JP 2000191519A JP 2000191519 A JP2000191519 A JP 2000191519A JP 2002006433 A JP2002006433 A JP 2002006433A
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Takanori Hioki
孝徳 日置
Noboru Hikichi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安定した品質の、及び/又は染着の改良され
た、及び/又は添加時の有機溶媒が削減可能なハロゲン
化銀写真乳剤、及びハロゲン化銀写真感光材料の製造方
法、並びに、安定した品質の、及び/又は染着の改良さ
れたハロゲン化銀写真乳剤、及びハロゲン化銀写真感光
材料を提供する。 【解決手段】 有機対イオンを少なくとも1つ持つ色
素、又は増感色素を少なくとも1つ含むハロゲン化銀写
真乳剤及び該写真乳剤含有ハロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安定した品質の、
及び/又は染着の改良された、及び/又は添加時の有機
溶媒が削減可能なハロゲン化銀写真乳剤、及びハロゲン
化銀写真感光材料の製造方法、並びに、安定した品質
の、及び/又は染着の改良されたハロゲン化銀写真乳
剤、及びハロゲン化銀写真感光材料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、ハロゲン化銀写真乳剤、及び
ハロゲン化銀写真感光材料の高品質化(高感度化、及び
処理後の残存着色(残色)低減、保存安定性向上、な
ど)のために多大の努力がなされてきた。品質に関し
て、高品質化が可能になりつつあるが、この高品質を製
造ロット間のバラツキなく安定して得ることは、依然と
して困難な課題である。また、残色に関しては、色素が
感材に染着する問題があった。さらに、増感色素を有機
溶媒に溶解させて添加する場合は、色素の溶解度が低い
と有機溶媒が多量に必要となるという問題点があった。
分光増感のために用いられる増感色素は、ハロゲン化銀
写真感光材料の性能に大きな影響を与えることが知られ
ている。増感色素においては、構造上の僅かな違いが、
感度・被り・保存安定性・残色などの写真性能に大きな
影響を与えるが、その効果を事前に予測するのは困難で
あり、従来から多くの研究者は数多くの増感色素を合成
し、その写真性能を調べる努力をしてきた。しかしなが
ら、ハロゲン化銀写真乳剤、及びハロゲン化銀写真感光
材料の品質の安定化に有効、及び/又は染着の改良に有
効、及び/又は添加時の有機溶媒が削減可能な増感色
素、及びその使用法の開発は困難な課題であり、その開
発が求められてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、安定
した品質の、及び/又は染着の改良された、及び/又は
添加時の有機溶媒が削減可能なハロゲン化銀写真乳剤、
及びハロゲン化銀写真感光材料の製造方法、並びに、安
定した品質の、及び/又は染着の改良されたハロゲン化
銀写真乳剤、及びハロゲン化銀写真感光材料を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は鋭意研究
を行なった結果、下記の[1]〜[7]によって達成す
ることができた。 [1] 有機対イオンを少なくとも1つ持つ色素、又は
増感色素を少なくとも1つ含むハロゲン化銀写真乳剤。 [2] [1]記載の色素、又は増感色素が、少なくと
も2つのアニオン性基、及び/又は、少なくとも2つの
陽性の有機対イオンを持つことを特徴とする[1]記載
のハロゲン化銀写真乳剤。 [3] [1]、[2]記載の色素、又は増感色素が、
少なくとも1つのカルボキシル基と少なくとも1つのス
ルホ基を持つことを特徴とする[1]、[2]記載のハ
ロゲン化銀写真乳剤。 [4] [1]、[2]、[3]記載の色素、又は増感
色素が、少なくとも1つのカルボキシル基と少なくとも
1つのスルホ基を持つメロシアニン色素であることを特
徴とする[1]、[2]、[3]記載のハロゲン化銀写
真乳剤。 [5] [1]、[2]、[3]、[4]記載のハロゲ
ン化銀写真乳剤層を少なくとも1つ含むことを特徴とす
るハロゲン化銀写真感光材料。 [6] [1]、[2]、[3]、[4]、[5]記載
の色素、又は増感色素を有機溶媒の溶液としてハロゲン
化銀写真乳剤に添加することを特徴とするハロゲン化銀
写真乳剤の製造方法。 [7] [6]記載の製造方法で製造されたことを特徴
とするハロゲン化銀写真乳剤。並びに、該ハロゲン化銀
写真乳剤を少なくとも一つ含むことを特徴とするハロゲ
ン化銀写真感光材料、及び、該ハロゲン化銀写真乳剤を
少なくとも一つ含むことを特徴とするハロゲン化銀写真
感光材料の製造方法。
【0005】上記に、本発明の好ましい要件を示した
が、本発明の好ましい追加の要件も含め、さらに詳細に
項目を分けると、下記(1)〜(15)のように記載す
ることができる。 (1) 有機対イオンを少なくとも1つ持つ色素を少な
くとも1つ含むハロゲン化銀写真乳剤。 (2) 有機対イオンを少なくとも1つ持つ増感色素を
少なくとも1つ含むハロゲン化銀写真乳剤。 (3) (1)、(2)記載の色素、又は増感色素が、
少なくとも1つのアニオン性基、及び/又は、少なくと
も1つの陽性の有機対イオンを持つことを特徴とする
(1)、(2)記載のハロゲン化銀写真乳剤。 (4) (1)、(2)、(3)記載の色素、又は増感
色素が、少なくとも2つのアニオン性基、及び/又は、
少なくとも2つの陽性の有機対イオンを持つことを特徴
とする(1)、(2)、(3)記載のハロゲン化銀写真
乳剤。 (5) (1)、(2)、(3)、(4)記載の色素、
又は増感色素が、少なくとも1つのスルホ基以外のアニ
オン性基を持つことを特徴とする(1)、(2)、
(3)、(4)記載のハロゲン化銀写真乳剤。 (6) (1)、(2)、(3)、(4)、(5)記載
の色素、又は増感色素が、少なくとも1つのスルホ基以
外のアニオン性基と少なくとも1つのスルホ基を持つこ
とを特徴とする(1)、(2)、(3)、(4)、
(5)記載のハロゲン化銀写真乳剤。 (7) (1)、(2)、(3)、(4)、(5)、
(6)記載の色素、又は増感色素が、少なくとも1つの
カルボキシル基と少なくとも1つのスルホ基を持つこと
を特徴とする(1)、(2)、(3)、(4)、
(5)、(6)記載のハロゲン化銀写真乳剤。 (8) (1)、(2)、(3)、(4)、(5)、
(6)、(7)記載の色素、又は増感色素が、少なくと
も1つのカルボキシル基と少なくとも1つのスルホ基を
持つメロシアニン色素であることを特徴とする(1)、
(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)記載
のハロゲン化銀写真乳剤。 (9) (1)、(2)、(3)、(4)、(5)、
(6)、(7)、(8)記載のハロゲン化銀写真乳剤層
を少なくとも1つ含むことを特徴とするハロゲン化銀写
真感光材料。 (10) (1)、(2)、(3)、(4)、(5)、
(6)、(7)、(8)記載の色素、又は増感色素を有
機溶媒の溶液としてハロゲン化銀写真乳剤に添加するこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤の製造方法。 (11) (10)記載の製造方法で製造されたことを
特徴とするハロゲン化銀写真乳剤。 (12) (11)記載のハロゲン化銀写真乳剤を少な
くとも一つ含むことを特徴とするハロゲン化銀写真感光
材料。 (13) (11)記載のハロゲン化銀写真乳剤を少な
くとも一つ含むことを特徴とするハロゲン化銀写真感光
材料の製造方法。 (14) (1)〜(13)に記載のハロゲン化銀写真
乳剤において、該ハロゲン化銀写真乳剤が、アスペクト
比2以上の平板状粒子が乳剤中の50%(面積)以上存
在する乳剤であることを特徴とする(1)〜(13)記
載のハロゲン化銀写真乳剤、該乳剤含有ハロゲン化銀写
真感光材料、及び、該ハロゲン化銀写真乳剤、又は該ハ
ロゲン化銀写真感光材料の製造方法。 (15) 少なくとも1種類の感光性ハロゲン化銀、非
感光性有機銀塩を含有する熱現像感光材料において、
(1)〜(14)に記載のハロゲン化銀写真乳剤を含有
することを特徴とする熱現像感光材料、及び、その製造
方法。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明の色素は、有機対イオンを持っていれば、
いかなる色素を使用することも可能である。
【0007】色素としては、例えば、シアニン色素、ス
チリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素、3
核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシア
ニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレック
スメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール
色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロ
コニウム色素、アザメチン色素、クマリン色素、アリー
リデン色素、アントラキノン色素、トリフェニルメタン
色素、アゾ色素、アゾメチン色素、スピロ化合物、メタ
ロセン色素、フルオレノン色素、フルギド色素、ペリレ
ン色素、フェナジン色素、フェノチアジン色素、キノン
色素、インジゴ色素、ジフェニルメタン色素、ポリエン
色素、アクリジン色素、アクリジノン色素、ジフェニル
アミン色素、キナクリドン色素、キノフタロン色素、フ
ェノキサジン色素、フタロペリレン色素、ポルフィリン
色素、クロロフィル色素、フタロシアニン色素、金属錯
体色素が挙げられる。
【0008】本発明において、有機の対イオンとは、炭
素原子を少なくとも1つ持つ対イオンを意味する。
【0009】本発明においては、ハロゲン化銀写真乳剤
を分光増感する増感色素を用いる場合がより好ましい。
【0010】以下に、本発明で好ましく用いられる色
素、又は増感色素について説明する。
【0011】本発明で、用いられる増感色素としては、
上記の色素の例として挙げたものが挙げられる。
【0012】好ましくは、シアニン色素、スチリル色
素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素、3核メロシ
アニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色
素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロ
シアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、
ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウ
ム色素、アザメチン色素などのポリメチン発色団が挙げ
られる。さらに好ましくはシアニン色素、メロシアニン
色素、3核メロシアニン色素(3核メロシアニンの基本
骨格としては、特開平3−171135号の一般式
(I),(II)、特開平7−159920号記載の一般式
(I)で表わされる基本骨格が好ましい)、4核メロシア
ニン色素(4核メロシアニンの基本骨格としては、欧州
特許第735,415号の一般式(I)で表わされる基本
骨格が好ましい)、ロダシアニン色素であり、特に好ま
しくはメロシアニン色素、ロダシアニン色素であり、最
も好ましくはメロシアニン色素である。
【0013】これらの色素の詳細については、エフ・エ
ム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリック・コ
ンパウンズーシアニンダイズ・アンド・リレィティド・
コンパウンズ(Heterocyclic Compounds-Cyanine Dyes a
nd Related Compounds)」、ジョン・ウィリー・アンド
・サンズ(John Wiley & Sons)社ーニューヨーク、ロン
ドン、1964年刊、デー・エム・スターマー(D.M.Stu
rmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズースペシ
ャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミス
トリー(Heterocyclic Compounds-Special topics in he
terocyclic chemistry)」、第18章、第14節、第4
82から515貢などに記載されている。好ましい色素
の一般式としては、米国特許第5,994,051号第
32〜36頁記載の一般式、および米国特許5,74
7,236号第30〜34頁記載の一般式が挙げられ
る。また、好ましいシアニン色素、メロシアニン色素、
ロダシアニン色素の一般式は、米国特許第5,340,
694号第21〜22欄の(XI)、(XII)、(XIII) に
示されているもの(ただし、n12 、n15 、n17 、n18 の
数は限定せず、0以上の整数(好ましくは4以下))が
挙げられる。
【0014】本発明においては、上記の有機対イオンを
少なくとも1つ持つ色素(好ましくは増感色素)を用い
る(要件1とする)が、さらに好ましくは、2a、要件
1の色素(好ましくは増感色素)が、少なくとも1つの
アニオン性基を持つ場合、2b、要件1の色素(好まし
くは増感色素)が、少なくとも1つの陽性の対イオンを
持つ場合(好ましくは2aと2bの要件を合わせ持つ場
合)、3a、要件1の色素(好ましくは増感色素)が、
少なくとも2つのアニオン性基を持つ場合、3b、要件
1の色素(好ましくは増感色素)が、少なくとも2つの
陽性の対イオンを持つ場合(好ましくは3aと3bの要
件を合わせ持つ場合)、4、要件1の色素(好ましくは
増感色素)が、少なくとも1つのスルホ基以外のアニオ
ン性基を持つ場合、5、要件1の色素(好ましくは増感
色素)が、少なくとも1つのスルホ基以外のアニオン性
基と少なくとも1つのスルホ基を持つ場合、6、要件1
の色素(好ましくは増感色素)が、少なくとも1つのカ
ルボキシル基と少なくとも1つのスルホ基を持つ場合、
7、要件1の色素(好ましくは増感色素)が、少なくと
も1つのカルボキシル基と少なくとも1つのスルホ基を
持つメロシアニン色素である場合、である。以上、1、
2a、2b、3a、3b、4、5、6、7の要件は、よ
り多く併せ持つ方が好ましく、最も好ましくは全ての要
件を併せ持つ場合である。
【0015】本発明において、好ましく用いられる増感
色素を一般式の形で説明すると、下記一般式(I)のよう
に表わされる。 一般式(I)
【0016】
【化1】
【0017】式中、dye1 は増感色素、R1 はアニオ
ン性基、qは0以上の整数を表わす。qが2以上のと
き、R1 は繰り返されるが同一である必要はない。M1
は電荷均衡対イオンを表わし、m1 は0より大きい数を
表わす。m1 が2以上のとき、M1 は繰り返されるが同
一である必要はない。但し、M1 のうち少なくとも1つ
は、有機の対イオンである。
【0018】qとして好ましくは1以上10以下、さら
に好ましくは2以上10以下、特に好ましくは2以上3
以下である。m1 として好ましくは1以上10以下、さ
らに好ましくは2以上10以下、特に好ましくは2以上
3以下である。
【0019】R1 で表されるアニオン性基としては、負
電荷を有する置換基ならいかなるものでも良く、例えば
pH5 〜8 の間で90% 以上解離したプロトン解離性酸性基
が挙げられる。具体的には、例えばスルホ基、カルボキ
シル基、スルファト基、リン酸基、ほう酸基、が挙げら
れる。その他に、電子吸引基が置換したアミノ基(−C
ON- SO2 −基(スルホニルカルバモイル基、カルボ
ニルスルファモイル基)、−CON- CO−基(カルボ
ニルカルバモイル基)、−SO2- SO2 −基(スル
フォニルスルファモイル基)、ここでは、いずれも解離
の形で表記したが、非解離の形(−CONHSO2
基、−CONHCO−基、−SO2 NHSO2 −基)で
表記することも可能である。)、フェノール性水酸基、
など、これらのpkaと周りのpH によっては、プロト
ンが解離する基が挙げられる。さらに好ましくはスルホ
基、カルボキシル基、−CON- SO2 −基、−CON
- CO−基、−SO2- SO2 −基である。
【0020】次に、本発明で好ましく用いられる、上記
の代表的なアニオン性基を持つ置換基を一般式の形(R
1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f)で下記に示す。
【0021】
【化2】
【0022】式中、Ra 、Rb 、Rc 、Rd はアルキル
基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリーロキ
シ基、ヘテロシクリルオキシ基、アミノ基を表わす。A
1 、A2 、A3 、A4 、A5 、及びA6 は連結基を表わ
す。r、s、t、u、x、yは各々、0又は1である。
r、s、t、u、x、yは好ましくは1である。
【0023】なお、式中のアニオン性基は、解離した形
で表記(例えば、N - 、CO2 - )したが、解離していな
い形で表記(例えば、NH,CO2H)することも可能である。
対イオンとして陽イオンが存在する場合、例えば(N
- 、Na+ )と表記する。非解離状態では( NH )と
表記するが、対イオンのカチオン化合物がプロトンと考
えれば、(N- 、H+ )と表記することも可能である。
実際には、色素の置かれたpHなどの環境により解離
状態になったり、非解離状態になったりする。
【0024】アニオン性基として好ましくは、少なくと
も1つのスルホ基以外のアニオン性基を持つ場合であ
り、さらに好ましくは、少なくとも1つのスルホ基以外
のアニオン性基と少なくとも1つのスルホ基を持つ場合
であり、特に好ましくは、少なくとも1つのカルボキシ
ル基と少なくとも1つのスルホ基を持つ場合である。
【0025】但し、本発明においては、アニオン性基
は、少なくとも1つは解離した形で存在する方が好まし
い。また、その対イオンとして陽性の有機対イオンを少
なくとも1つ持つ場合が好ましい。
【0026】M1 は色素のイオン電荷を中性にするため
に必要であるとき、陽イオン又は陰イオンの存在を示す
ために式の中に含められている。典型的な陽イオンとし
ては、無機陽イオンあるいは有機陽イオンのいずれであ
ってもよく、水素イオン(H+ ) 、アルカリ金属イオン
(例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウム
イオン)、アルカリ土類金属イオン(例えばカルシウム
イオン)などの無機イオン、アンモニウムイオン(好ま
しくは、アンモニウムイオン、炭素数1から30の置換
もしくは無置換のアルキル、アリール、ヘテロ環が置換
したアンモニウムイオン(好ましくは、テトラアルキル
アンモニウムイオン(好ましくは、テトラメチルアンモ
ニウムイオン)、トリアルキルアンモニウムイオン(好
ましくは、トリエチルアンモニウムイオン)、1,8−
ジアザビシクロ[ 5.4.0]−7−ウンデセニウムイ
オン)、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカチ
オン性の複素環イオン(好ましくは、ピリジニウムイオ
ン、エチルピリジニウムイオン))などの有機イオンが
挙げられる。陰イオンとしては、無機陰イオンあるいは
有機陰イオンのいずれであってもよく、ハロゲン陰イオ
ン(例えばフッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨ
ウ素イオン)、硫酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフ
ルオロホウ酸イオン、などの無機イオン、置換アリ−ル
スルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオ
ン、p−クロルベンゼンスルホン酸イオン)、アリ−ル
ジスルホン酸イオン(例えば1、3−ベンゼンスルホン
酸イオン、1、5−ナフタレンジスルホン酸イオン、
2、6−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫
酸イオン(例えばメチル硫酸イオン)、チオシアン酸イ
オン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメ
タンスルホン酸イオン、などの有機イオンが挙げられ
る。さらに、イオン性ポリマー又は色素と逆電荷を有す
る他の色素を用いても良い。また、CO2 - 、SO3 -
は、対イオンとして水素イオンを持つときはCO2 H、
SO3 Hと表記することも可能である。m1 は電荷を均
衡させるのに必要な数を表わす。m1 が2以上のとき、
1 は同一である必要はない。
【0027】本発明の増感色素の対イオンとしては、有
機の対イオンを少なくとも1つ持ち、好ましくは2つ以
上の有機の対イオンを持つ。従って、好ましくはM1
うち少なくとも1つ、さらに好ましくは2つ以上は、有
機の対イオンである。有機の対イオンとして具体的に
は、前述のM1 の説明で挙げた有機の対イオンが好まし
い。有機の対イオンとしては、増感色素が負電荷を持つ
場合は陽イオン、増感色素が正電荷を持つ場合は陰イオ
ンが好ましいが、有機の陽イオンを持つ場合が好まし
い。さらに、好ましくは前述の有機のアンモニウムイオ
ンである。好ましいアンモニウムイオンとしては、一般
式(A)で表されるイオンである。 一般式(A)
【0028】
【化3】
【0029】式中、R5 、R6 、R7 、及びR8 は、水
素原子、アルキル基、アリール基、複素環基を表す。
【0030】R5 、R6 、R7 、及びR8 が水素原子を
含むとき、水素原子をアニオン性基の方に表記すること
が可能であり(例えば、CO2 - をCO2 H、SO3 -
をSO3 H)、その場合は次のように形式上電荷を持た
ない形で表記することも可能である。
【0031】
【化4】
【0032】アンモニウムイオンとして、好ましくはト
リアルキルアンモニウムイオンであり、さらに好ましく
は、トリエチルアンモニウムイオンである。
【0033】次に、本発明で用いる増感色素について、
さらに詳細に説明する。本発明の増感色素の中で、さら
に好ましくは前記一般式(I)で表わされる増感色素
が、下記一般式(X)、(XI)、(XII)から選ばれた場合
である。 一般式(X)
【0034】
【化5】
【0035】式(X)中、L11、L12、L13、L14、L
15、L16、及びL17はメチン基を表す。p11、及びp12
は0または1を表す。n11は0、1、2、3または4を
表す。Z11及びZ12は含窒素複素環を形成するために必
要な原子群を表す。ただし、これらに環が縮環していて
も良い。M1 、m1 は一般式(I)と同義である。R11
びR12はアルキル基、アリール基、又は複素環基を表
す。
【0036】但し、L11、L12、L13、L14、L15、L
16、L17、Z11、Z12、R11及びR 12には、少なくとも
1つのR1 で表されるアニオン性基が置換している。さ
らに好ましくは、R11又はR12にR1 で表されるアニオ
ン性基が置換して場合であり、特に好ましくはR11及び
12の両方にR1 で表されるアニオン性基が置換して場
合である。
【0037】一般式(XI)
【0038】
【化6】
【0039】式(XI)中、L18、L19、L20、及びL21
メチン基を表す。p13は0又は1を表す。q11は0又は
1を表わす。n12は0、1、2、3又は4を表す。Z13
は含窒素複素環を形成するために必要な原子群を表す。
14とZ14’は(N−R14)q11と一緒になって複素
環、又は非環式の酸性末端基を形成するために必要な原
子群を表す。ただし、Z13、及びZ14とZ14’に環が縮
環していても良い。M1、m1 は一般式(I)と同義であ
る。R13はアルキル基、アリール基、又は複素環基を表
す。R14は水素原子、アルキル基、アリール基、又は複
素環基を表す。
【0040】但し、L18、L19、L20、L21、Z13、Z
14、Z14’、R13及びR14には、少なくとも1つのR1
で表されるアニオン性基が置換している。さらに好まし
くは、R13又はR14にR1 で表されるアニオン性基が置
換して場合であり、特に好ましくはR13及びR14の両方
にR1 で表されるアニオン性基が置換して場合である。
【0041】一般式(XII)
【0042】
【化7】
【0043】式(XII)中、L22、L23、L24、L25、L
26、L27、L28、L29、及びL30はメチン基を表す。p
14及びp15は0又は1を表す。q12は0又は1を表わ
す。n 13及びn14は0、1、2、3又は4を表す。
15、及びZ17は含窒素複素環を形成するために必要な
原子群を表す。Z16とZ16’は(N−R16)q12と一緒
になって複素環を形成するために必要な原子群を表す。
ただし、Z15、Z16とZ16’、及びZ17に環が縮環して
いても良い。M1 、m1 は一般式(I)と同義である。R
15、及びR17はアルキル基、アリール基、又は複素環基
を表す。R16は水素原子、アルキル基、アリール基、又
は複素環基を表す。
【0044】但し、L22、L23、L24、L25、L26、L
27、L28、L29、L30、Z15、Z16、Z16’、Z17、R
15、R16、及びR17には、少なくとも1つのR1 で表さ
れるアニオン性基が置換している。さらに好ましくは、
15、R16、又はR17にR1で表されるアニオン性基が
置換して場合であり、特に好ましくはR15、R16、及び
17の少なくとも2つにR1 で表されるアニオン性基が
置換して場合であり、最も好ましくはR15、R16、及び
17の全てにR1 で表されるアニオン性基が置換して場
合である
【0045】一般式(X)、(XI)、及び(XII)のうち、
好ましくは(XI)、及び(XII)であり、さらに好ましく
は(XI)である。
【0046】以下に、本発明の増感色素、一般式(I)、
(X) 、(XI)、(XII) について詳細に説明する。
【0047】本発明において、特定の部分を「基」と称
した場合には、当該部分はそれ自体が置換されていなく
ても、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換
されていても良いことを意味する。例えば、「アルキル
基」とは置換または無置換のアルキル基を意味する。ま
た、本発明における化合物に使用できる置換基は、置換
の有無にかかわらず、どのような置換基でも含まれる。
例えば、後述のVが挙げられる。
【0048】Z11、Z12、Z13、Z15、Z17は含窒素複
素環、好ましくは5又は6員の含窒素複素環を形成する
のに必要な原子群を表す。ただし、これらに環が縮環し
ていても良い。環としては、芳香族環、又は非芳香族環
いずれでも良い。好ましくは芳香族環であり、例えばベ
ンゼン環、ナフタレン環などの炭化水素芳香族環や、ピ
ラジン環、チオフェン環などの複素芳香族環が挙げられ
る。
【0049】含窒素複素環としてはチアゾリン核、チア
ゾール核、ベンゾチアゾール核、オキサゾリン核、オキ
サゾール核、ベンゾオキサゾール核、セレナゾリン核、
セレナゾール核、ベンゾセレナゾール核、テルラゾリン
核、テルラゾール核、ベンゾテルラゾール核、3,3−
ジアルキルインドレニン核(例えば3,3−ジメチルイ
ンドレニン)、イミダゾリン核、イミダゾール核、ベン
ゾイミダゾール核、2−ピリジン核、4−ピリジン核、
2−キノリン核、4−キノリン核、1−イソキノリン
核、3−イソキノリン核、イミダゾ〔4,5−b〕キノ
キザリン核、オキサジアゾール核、チアジアゾール核、
テトラゾール核、ピリミジン核などを挙げることができ
るが、好ましくはベンゾチアゾール核、ベンゾオキサゾ
ール核、3,3−ジアルキルインドレニン核(例えば
3,3−ジメチルインドレニン)、ベンゾイミダゾール
核、2−ピリジン核、4−ピリジン核、2−キノリン
核、4−キノリン核、1−イソキノリン核、3−イソキ
ノリン核であり、さらに好ましくはベンゾチアゾール
核、ベンゾオキサゾール核、3,3−ジアルキルインド
レニン核(例えば3,3−ジメチルインドレニン)、ベ
ンゾイミダゾール核であり、特に好ましくはベンゾオキ
サゾール核、ベンゾチアゾール核、ベンゾイミダゾール
核であり、最も好ましくはベンゾオキサゾール核、ベン
ゾチアゾール核である。
【0050】これらの含窒素複素環上の置換基をVとす
ると、Vで示される置換基としては、いかなるものでも
良く、特に制限は無いが、例えば、ハロゲン原子、アル
キル基[(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含
む)、また、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシ
クロアルケニル基を含む)、アルキニル基、も含むこと
とする。]、アリール基、複素環基(ヘテロ環基と言っ
ても良い)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カ
ルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリ
ルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カル
バモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、ア
リールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基
を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカル
ボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリ
ールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ
基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカ
プト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チ
オ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリ
ールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル
基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキ
シカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ
環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、
ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスフ
ォ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、その他の
公知の置換基、が例として挙げられる。更に詳しくは、
Vは、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基[〔直鎖、分岐、
環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それら
は、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキ
ル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロ
ピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−ク
ロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシ
ル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から3
0の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シ
クロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシク
ロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素
数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル
基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから
水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビ
シクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ
[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多
いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説
明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基
のアルキル基)はこのような概念のアルキル基を表す
が、さらにアルケニル基、アルキニル基も含むこととす
る。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしく
は無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル
基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換の
アルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲ
ラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましく
は、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロア
ルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケ
ンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例え
ば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセ
ン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは
無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5
から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル
基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素
原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシク
ロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシク
ロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含
するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素
数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例え
ば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニ
ル基)] 、アリール基(好ましくは炭素数6から30の
置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p
−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサ
デカノイルアミノフェニル)、複素環基(好ましくは5
または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非
芳香族の複素環化合物から一個の水素原子を取り除いた
一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の
5もしくは6員の芳香族の複素環基である。例えば、2
−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベン
ゾチアゾリル、なお、1−メチル−2−ピリジニオ、1
−メチル−2−キノリニオのようなカチオン性の複素環
基でも良い。)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ
基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素
数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例
えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブト
キシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、
アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置
換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノ
キシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキ
シ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミ
ノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数
3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリ
ルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ
環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もし
くは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾ
ールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキ
シ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、
炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカル
ボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置
換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオ
キシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイ
ルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカ
ルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましく
は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモ
イルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル
オキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホ
リノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミ
ノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオ
キシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、
炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカル
ボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エ
トキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキ
シ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシ
カルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の
置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ
基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキ
シフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシル
オキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ま
しくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無
置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もし
くは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチルアミ
ノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N-メチル−アニリノ、
ジフェニルアミノ)、アンモニオ基(好ましくはアンモ
ニオ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアル
キル、アリール、ヘテロ環が置換したアンモニオ基、例
えば、トリメチルアンモニオ、トリエチルアンモニオ、
ジフェニルメチルアンモニオ)、アシルアミノ基(好ま
しくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換も
しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6
から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルア
ミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピ
バロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミ
ノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカ
ルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好まし
くは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノ
カルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,
N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチ
ルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミ
ノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素
数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニ
ルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エト
キシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミ
ノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メ
チルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカ
ルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置
換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ
基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p-クロロフ
ェノキシカルボニルアミノ、m-n−オクチルオキシフェ
ノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基
(好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換
のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルア
ミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−
n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及び
アリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から
30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミ
ノ、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール
スルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、
ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、
2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p
−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、
アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換
もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、
エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基
(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換の
アリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェ
ニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ
基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換
のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチ
オ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スル
ファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換もし
くは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルス
ルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)ス
ルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−
アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイ
ル、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイ
ル)、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基
(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換
のアルキルスルフィニル基、6から30の置換もしくは
無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスル
フィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニ
ル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル及び
アリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1から30
の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、6から
30の置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、例
えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニル
スルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル
基(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換も
しくは無置換のアルキルカルボニル基、、炭素数7から
30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭
素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカル
ボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例え
ば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステ
アロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニ
ルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカ
ルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましく
は、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリール
オキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、
o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキ
シカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニ
ル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2
から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル
基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシ
カルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1
から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例え
ば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−
ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカル
バモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、
アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から
30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3
から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例え
ば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチ
ルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルア
ゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N
−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数
2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例え
ば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチ
ルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましく
は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィ
ニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホス
フィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオ
キシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは
無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシ
ホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオ
キシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2
から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ
基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチル
アミノホスフィニルアミノ)、ホスフォ基、シリル基
(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換
のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジ
メチルシリル、フェニルジメチルシリル)、ヒドラジノ
基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換
のヒドラジノ基、例えば、トリメチルヒドラジノ)、ウ
レイド基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは
無置換のウレイド基、例えばN,N−ジメチルウレイ
ド)、を表わす。また、環(芳香族もしくは非芳香族
の、炭化水素環、又は複素環。これらは、さらに組み合
わされて多環縮合環を形成することができる。例えばベ
ンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、キノリン
環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン
環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン
環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、
チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン
環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベ
ンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン
環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチ
リジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、キノリ
ン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジ
ン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン
環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジ
ン環、フェナジン環、が挙げられる。)が縮合した構造
をとることもできる。
【0051】上記の官能基の中で、水素原子を有するも
のは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても
良い。そのような官能基の例としては、アルキルカルボ
ニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノス
ルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、
アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。
その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、
p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセ
チルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基
が挙げられる。
【0052】Z11、Z12、Z13、Z15、及びZ17上の置
換基Vとして、さらに好ましいものは上述のアルキル
基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、芳香環
縮合、カルボキシル基である。
【0053】Z11、Z12、Z13、Z15、及びZ17によっ
て形成される複素環の具体例としては、米国特許第5,
340,694号第23〜24欄のZ11、Z12、Z13
14、及びZ16の例として挙げられているものと同様な
ものが挙げられる。
【0054】Z14とZ14’と(N−R14)q11はそれぞ
れ一緒になって、複素環、又は非環式の酸性末端基を形
成するために必要な原子群を表わす。複素環(好ましく
は5又は6員の複素環)としてはいかなるものでも良い
が、酸性核が好ましい。次に、酸性核及び非環式の酸性
末端基について説明する。酸性核及び非環式の酸性末端
基は、いかなる一般のメロシアニン色素の酸性核及び非
環式の酸性末端基の形をとることもできる。好ましい形
においてZ14はチオカルボニル基、カルボニル基、エス
テル基、アシル基、カルバモイル基、シアノ基、スルホ
ニル基であり、さらに好ましくはチオカルボニル基、カ
ルボニル基である。Z14’は酸性核及び非環式の酸性末
端基を形成するために必要な残りの原子群を表す。非環
式の酸性末端基を形成する場合は、好ましくはチオカル
ボニル基、カルボニル基、エステル基、アシル基、カル
バモイル基、シアノ基、スルホニル基などである。
【0055】q11は0又は1であるが、好ましくは1で
ある。
【0056】ここでいう酸性核及び非環式の酸性末端基
は、例えばジェイムス(James)編「ザ・セオリー
・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス」(The
Theory of the Photograph
ic Process)第4版、マクミラン出版社、1
977年、198〜200貢に記載されている。ここで
は、非環式の酸性末端基とは、酸性すなわち電子受容性
の末端基のうち、環を形成しないものを意味することと
する。酸性核及び非環式の酸性末端基は、具体的には、
米国特許第3、567、719号、第3、575、86
9号、第3、804、634号、第3、837、862
号、第4、002、480号、第4、925、777
号、特開平3ー167546号、米国特許第5,99
4,051号、米国特許5,747,236号などに記
載されているものが挙げられる。
【0057】酸性核は、炭素、窒素、及び/又はカルコ
ゲン(典型的には酸素、硫黄、セレン、及びテルル)原
子からなる複素環(好ましくは5員又は6員の含窒素複
素環)を形成するとき好ましく、さらに好ましくは炭
素、窒素、及び/又はカルコゲン(典型的には酸素、硫
黄、セレン、及びテルル)原子からなる5員又は6員の
含窒素複素環を形成するときである。具体的には、例え
ば次の核が挙げられる。
【0058】2ーピラゾリンー5ーオン、ピラゾリジン
ー3、5ージオン、イミダゾリンー5ーオン、ヒダント
イン、2または4ーチオヒダントイン、2ーイミノオキ
サゾリジンー4ーオン、2ーオキサゾリンー5ーオン、
2―チオオキサゾリジンー2、5―ジオン、2ーチオオ
キサゾリンー2、4ージオン、イソオキサゾリンー5ー
オン、2ーチアゾリンー4ーオン、チアゾリジンー4ー
オン、チアゾリジンー2、4ージオン、ローダニン、チ
アゾリジンー2、4ージチオン、イソローダニン、イン
ダンー1、3ージオン、チオフェンー3ーオン、チオフ
ェンー3ーオンー1、1ージオキシド、インドリンー2
ーオン、インドリンー3ーオン、2ーオキソインダゾリ
ニウム、3ーオキソインダゾリニウム、5、7ージオキ
ソー6、7ージヒドロチアゾロ[3,2-a] ピリミジン、シ
クロヘキサンー1、3ージオン、3、4ージヒドロイソ
キノリンー4ーオン、1、3ージオキサンー4、6ージ
オン、バルビツール酸、2ーチオバルビツール酸、クロ
マンー2、4ージオン、インダゾリンー2ーオン、ピリ
ド[1,2−a]ピリミジンー1、3ージオン、ピラゾ
ロ[1,5−b]キナゾロン、ピラゾロ[1,5−a]
ベンゾイミダゾール、ピラゾロピリドン、1、2、3、
4ーテトラヒドロキノリンー2、4ージオン、3ーオキ
ソー2、3ージヒドロベンゾ[d]チオフェンー1、1
ージオキサイド、3ージシアノメチンー2、3ージヒド
ロベンゾ[d]チオフェンー1、1ージオキサイドの
核。
【0059】さらに、これらの核を形成しているカルボ
ニル基もしくはチオカルボニル基を、酸性核の活性メチ
レン位で置換したエキソメチレン構造を有する核、及
び、非環式の酸性末端基の原料となるケトメチレンやシ
アノメチレンなどの構造を有する活性メチレン化合物の
活性メチレン位で置換したエキソメチレン構造を有する
核。
【0060】ただし、これらのカルボニル基もしくはチ
オカルボニル基を置換したエキソメチレン構造を有する
核よりも、カルボニル基もしくはチオカルボニル基を有
する核が好ましく、さらに好ましくはチオカルボニル基
を有する核である。
【0061】これらの酸性核、及び非環式の酸性末端基
には、前述の置換基Vで示した置換基又は環が、置換し
ていても、縮環していても良い。
【0062】Z14とZ14’と(N−R14)q11として好
ましくは、ヒダントイン、2または4ーチオヒダントイ
ン、2ーオキサゾリンー5ーオン、2ーチオオキサゾリ
ンー2、4ージオン、チアゾリジンー2、4ージオン、
ローダニン、チアゾリジンー2、4ージチオン、バルビ
ツール酸、2ーチオバルビツール酸であり、さらに好ま
しくは、ヒダントイン、2または4ーチオヒダントイ
ン、2ーオキサゾリンー5ーオン、ローダニン、バルビ
ツール酸、2ーチオバルビツール酸である。特に好まし
くは2または4ーチオヒダントイン、2ーオキサゾリン
ー5ーオン、ローダニン、バルビツール酸であり、最も
好ましくはローダニンである。
【0063】Z16とZ16’と(N−R16)q12によって
形成される複素環としては、前述のZ14とZ14’と(N
−R14)q11の複素環の説明で述べたものと同じものが
挙げられる。好ましくは前述のZ14とZ14’と(N−R
14)q11の複素環の説明で述べた酸性核からオキソ基、
又はチオキソ基を除いたものである。
【0064】さらに好ましくは、前述のZ14とZ14’と
(N−R14)q11の具体的として挙げた酸性核からオキ
ソ基、又はチオキソ基を除いたものであり、
【0065】さらに好ましくはヒダントイン、2または
4ーチオヒダントイン、2ーオキサゾリンー5ーオン、
2ーチオオキサゾリンー2、4ージオン、チアゾリジン
ー2、4ージオン、ローダニン、チアゾリジンー2、4
ージチオン、バルビツール酸、2ーチオバルビツール酸
からオキソ基、又はチオキソ基を除いたものであり、特
に好ましくは、ヒダントイン、2または4ーチオヒダン
トイン、2ーオキサゾリンー5ーオン、ローダニン、バ
ルビツール酸、2ーチオバルビツール酸からオキソ基、
又はチオキソ基を除いたものであり、最も好ましくは2
または4ーチオヒダントイン、2ーオキサゾリンー5ー
オン、ローダニンからオキソ基、又はチオキソ基を除い
たものである。
【0066】q12は0又は1であるが、好ましくは1で
ある。
【0067】R11、R12、R13、R15、及びR17はアル
キル基、アリール基、又は複素環基であり、R14、及び
16は水素原子、アルキル基、アリール基、又は複素環
基である。R14、及びR16として好ましくは、アルキル
基、アリール基、又は複素環基である。R11、R12、R
13、R14、R15、R16、及びR17で表されるアルキル
基、アリール基、又は複素環基として、具体的には、例
えば、炭素原子1から18、好ましくは1から7、特に
好ましくは1から4の無置換アルキル基(例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、オクタデシ
ル)、炭素原子1から18、好ましくは1から7、特に
好ましくは1から4の置換アルキル基{例えば置換基と
して前述のVが置換したアルキル基が挙げられる。好ま
しくはアラルキル基(例えばベンジル、2−フェニルエ
チル)、不飽和炭化水素基(例えばアリル基)、ヒドロ
キシアルキル基(例えば、2−ヒドロキシエチル、3−
ヒドロキシプロピル)、カルボキシアルキル基(例え
ば、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、
4−カルボキシブチル、カルボキシメチル)、アルコキ
シアルキル基(例えば、2−メトキシエチル、2−(2
−メトキシエトキシ)エチル)、アリーロキシアルキル
基(例えば2ーフェノキシエチル、2ー(1ーナフトキ
シ)エチル)、アルコキシカルボニルアルキル基(例え
ばエトキシカルボニルメチル、2ーベンジルオキシカル
ボニルエチル)、アリーロキシカルボニルアルキル基
(例えば3ーフェノキシカルボニルプロピル)、アシル
オキシアルキル基(例えば2ーアセチルオキシエチ
ル)、アシルアルキル基(例えば2ーアセチルエチ
ル)、カルバモイルアルキル基(例えば2ーモルホリノ
カルボニルエチル)、スルファモイルアルキル基(例え
ばN,Nージメチルスルファモイルメチル)、スルホア
ルキル基(例えば、2−スルホエチル、3−スルホプロ
ピル、3−スルホブチル、4−スルホブチル、2−[3
−スルホプロポキシ]エチル、2−ヒドロキシ−3−ス
ルホプロピル、3−スルホプロポキシエトキシエチ
ル)、スルホアルケニル基、スルファトアルキル基(例
えば、2ースルファトエチル基、3−スルファトプロピ
ル、4−スルファトブチル)、複素環置換アルキル基
(例えば2−(ピロリジン−2−オン−1−イル)エチ
ル、テトラヒドロフルフリル)、アルキルスルホニルカ
ルバモイルアルキル基(例えばメタンスルホニルカルバ
モイルメチル基)、アシルカルバモイルアルキル基(例
えばアセチルカルバモイルメチル基)、アシルスルファ
モイルアルキル基(例えばアセチルスルファモイルメチ
ル基)、アルキルスルフォニルスルファモイルアルキル
基(例えばメタンスルフォニルスルファモイルメチル
基)}、炭素数6から20、好ましくは炭素数6から1
0、さらに好ましくは炭素数6から8の無置換アリール
基(例えばフェニル基、1ーナフチル基)、炭素数6か
ら20、好ましくは炭素数6から10、さらに好ましく
は炭素数6から8の置換アリール基(例えば置換基の例
として挙げた前述のVが置換したアリール基が挙げられ
る。具体的にはp−メトキシフェニル基、p−メチルフ
ェニル基、p−クロロフェニル基などが挙げられ
る。)、炭素数1から20、好ましくは炭素数3から1
0、さらに好ましくは炭素数4から8の無置換複素環基
(例えば2ーフリル基、2ーチエニル基、2ーピリジル
基、3ーピラゾリル、3ーイソオキサゾリル、3ーイソ
チアゾリル、2ーイミダゾリル、2ーオキサゾリル、2
ーチアゾリル、2ーピリダジル、2ーピリミジル、3ー
ピラジル、2ー(1,3,5-トリアゾリル)、3ー(1,2,4-
トリアゾリル)、5ーテトラゾリル)、炭素数1から2
0、好ましくは炭素数3から10、さらに好ましくは炭
素数4から8の置換複素環基(例えば置換基の例として
挙げた前述のVが置換した複素環基が挙げられる。具体
的には5ーメチルー2ーチエニル基、4ーメトキシー2
ーピリジル基などが挙げられる。)、及び一部重複する
が、前述のR1で表わされるアニオン性基が置換したア
ルキル基、アリール基、複素環基(好ましくは、前述の
1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1fで表される基)が
挙げられる。
【0068】好ましくは、前述のR1で表わされるアニ
オン性基が置換したアルキル基、アリール基、複素環基
であり、さらに好ましくは、前述のR1a、R1b、R1c
1d、R1e、R1fで表される基である。
【0069】次に、アニオン性基について説明する。ア
ニオン性基(R1 で表される)として1つある場合は、
好ましくはスルホ基以外のアニオン性基(好ましくはカ
ルボキシル基、−CON- SO2 −基、−CON- CO
−基、−SO2- SO2 −基、さらに好ましくはカル
ボキシル基)である。アニオン性基(R1 で表される)
として2つ以上ある場合は、少なくとも1つのスルホ基
以外のアニオン性基(好ましくはカルボキシル基、−C
ON-SO2 −基、−CON- CO−基、−SO2-
SO2 −基、さらに好ましくはカルボキシル基)と少な
くとも1つのスルホ基がある場合が好ましい。
【0070】代表的なアニオン性基を持つ置換基は、一
般式の形(R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f)で表
されるが、これらについて説明する。
【0071】Ra 、Rb 、Rc 、Rd はアルキル基、ア
リール基、複素環基、アルコキシ基、アリーロキシ基、
ヘテロシクリルオキシ基、アミノ基を表わすが、好まし
く次のものが挙げられる。
【0072】例えば、炭素数1から18、好ましくは炭
素数1から10、さらに好ましくは炭素数1から5の無
置換アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、
ブチル)、炭素数1から18、好ましくは炭素数1から
10、さらに好ましくは炭素数1から5の置換アルキル
基(ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジ
ル、カルボキシエチル、エトキシカルボニルメチル、ア
セチルアミノメチル、また、ここでは好ましくは炭素数
2から18、さらに好ましくは炭素数3から10、特に
好ましくは炭素数3から5の不飽和炭化水素基(例えば
ビニル基、エチニル基、1ーシクロヘキセニル基、ベン
ジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含ま
れることにする。)、炭素数6から20、好ましくは炭
素数6から15、さらに好ましくは炭素数6から10の
置換または無置換のアリール基(例えばフェニル、ナフ
チル、p−カルボキシフェニル、p−ニトロフェニル、
3、5ージクロロフェニル、p−シアノフェニル、m−
フルオロフェニル、p−トリル)、
【0073】炭素数1から20、好ましくは炭素数2か
ら10、さらに好ましくは炭素数4から6の置換されて
も良い複素環基(例えばピリジル、5ーメチルピリジ
ル、チエニル、フリル、モルホリノ、テトラヒドロフル
フリル)
【0074】炭素数1から10、好ましくは炭素数1か
ら8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、2ー
メトキシエトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2ーフェ
ニルエトキシ)、炭素数6から20、好ましくは炭素数
6から12、さらに好ましくは炭素数6から10のアリ
ールオキシ基(例えばフェノキシ、p−メチルフェノキ
シ、p−クロロフェノキシ、ナフトキシ)、炭素数1か
ら20、好ましくは炭素数3から12、さらに好ましく
は炭素数3から10のヘテロシクリルオキシ基(複素環
基で置換されたオキシ基を意味する。例えば2−チエニ
ルオキシ、2−モルホリノオキシ)、炭素0から20、
好ましくは炭素数0から12、さらに好ましくは炭素数
0から8のアミノ基(例えば、アミノ、メチルアミノ、
ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、ヒド
ロキシエチルアミノ、ベンジルアミノ、アニリノ、ジフ
ェニルアミノ、環を形成したモルホリノ、ピロリジノ)
が挙げられる。さらに、これらに、前述のVが置換して
いても良い。
【0075】さらに好ましくは、メチル基、エチル基、
ヒドロキシエチル基であり、特に好ましくはメチル基で
ある。
【0076】A1 、A2 、A3 、A4 、A5 、及びA6
は連結基であれば、いかなるものでも可能であるが、好
ましくは下記に示す連結基である。
【0077】A1 、A2 、A3 、A4 、A5 、及びA6
で表される連結基(好ましくは2価の連結基)は、好ま
しくは炭素原子、窒素原子、硫黄原子、酸素原子のう
ち、少なくとも1種を含む原子又は原子団からなる。好
ましくはアルキレン基(例えばメチレン、エチレン、ト
リメチレンン、テトラメチレンン、ペンタメチレン)、
アリーレン基(例えばフェニレン、ナフチレン)、アル
ケニレン基(例えば、エテニレン、プロペニレン)、ア
ルキニレン基(例えば、エチニレン、プロピニレン)、
アミド基、エステル基、スルホアミド基、スルホン酸エ
ステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル
基、チオエーテル基、エーテル基、カルボニル基、−N
(Va)−(Vaは水素原子、又は一価の置換基を表わ
す。一価の置換基としては前述のVが挙げられる。)、
複素環2価基(例えば、6−クロロ−1,3,5−トリ
アジン−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,4−ジイ
ル基、キノキサリン−2,3−ジイル基)を1つまたは
それ以上組み合わせて構成される炭素数0以上100以
下、好ましくは炭素数1以上20以下の連結基を表す。
【0078】上記の連結基は、更に前述のVで表わされ
る置換基を有しても良い。また、これらの連結基は環
(芳香族もしくは非芳香族の、炭化水素環、又は複素
環)を含有しても良い。
【0079】更に好ましくは炭素数1以上10以下のア
ルキレン基(例えばメチレン、エチレン、トリメチレ
ン、テトラメチレン)、炭素数6以上10以下のアリー
レン基(例えばフェニレン、ナフチレン)、炭素数2以
上10以下のアルケニレン基(例えば)例えば、エテニ
レン、プロペニレン)、炭素数2以上10以下のアルキ
ニレン基(例えば、エチニレン、プロピニレン)、エー
テル基、アミド基、エステル基、スルホアミド基、スル
ホン酸エステル基を1つ又はそれ以上組み合わせて構成
される炭素数1以上10以下の2価の連結基である。こ
れらは、前述のVで置換されていても良い。
【0080】次に、R11、R12、R13、R14、R15、R
16、R17の好ましい場合について説明する。
【0081】好ましくは、R11、R12のうち少なくとも
1つ、R13、R14のうち少なくとも1つ、及びR15、R
16、R17のうち少なくとも1つは、R1で表されるアニ
オン性基を持つアルキル基、アリール基、複素環基の場
合であり、さらに好ましくはR11、R12の両方、R13
14の両方、及びR15、R16、R17のうち少なくとも2
つ(特に好ましくはR15、R16、R17の全て)は、R1
で表されるアニオン性基を持つアルキル基、アリール
基、複素環基の場合であるが、アニオン性基としては、
上記で説明した場合が好ましい。すなわち、アニオン性
基(R1 で表される)として1つある場合は、好ましく
はスルホ基以外のアニオン性基(好ましくはカルボキシ
ル基、−CON- SO2−基、−CON- CO−基、−
SO2- SO2 −基、さらに好ましくはカルボキシル
基)である。アニオン性基(R1 で表される)として2
つ以上ある場合は、少なくとも1つのスルホ基以外のア
ニオン性基(好ましくはカルボキシル基、−CON-
2 −基、−CON- CO−基、−SO2- SO2
基、さらに好ましくはカルボキシル基)と少なくとも1
つのスルホ基がある場合が好ましい。
【0082】R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f
r、s、t、u、x、yが1の場合、R11、R12
13、R14、R15、R16、またはR17で表される基とし
て好ましく用いられる。
【0083】その場合のR1a、R1b、R1c、R1d
1e、R1fとして具体的には、カルボキシアルキル基
(例えば、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロ
ピル、4−カルボキシブチル、カルボキシメチル、2−
カルボキシエトキシエチル)、スルホアルキル基(例え
ば、2−スルホエチル、3−スルホプロピル、3−スル
ホブチル、4−スルホブチル、2−[3−スルホプロポ
キシ]エチル、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル、
3−スルホプロポキシエトキシエチル)、スルホアルケ
ニル基、スルファトアルキル基(例えば、2ースルファ
トエチル基、3−スルファトプロピル、4−スルファト
ブチル)、アルキルスルホニルカルバモイルアルキル基
(例えばメタンスルホニルカルバモイルメチル基、メタ
ンスルホニルカルバモイルエトキシエチル基)、アシル
カルバモイルアルキル基(例えばアセチルカルバモイル
メチル基)、アシルスルファモイルアルキル基(例えば
アセチルスルファモイルメチル基)、アルキルスルフォ
ニルスルファモイルアルキル基(例えばメタンスルフォ
ニルスルファモイルメチル基)}、が挙げられる。
【0084】R1a、R1b、R1c、R1d、R1eとして、特
に好ましい例を下記に示す。
【0085】
【化8】
【0086】R98 〜R110の中では、番号の小さい方が好
ましく、最も好ましくはR98である。R1fとして好まし
くは、スルホアルキル基(例えば、2−スルホエチル、
3−スルホプロピル、3−スルホブチル、4−スルホブ
チル)である。この場合も、前述したアニオン性基(R
1で表される)が置換している場合と同様に、R11、R
12、R13、R14、R15、R16、R17としてアニオン性基
が1つある場合は、R1a、R1b、R1c、R1d、R1eが好
ましく、さらに好ましくはR1eでX=CO2 - の場合であ
る。アニオン性基として2つ以上ある場合は、少なくと
も1つのR1a、R1b、R1c、R1d、R1e(さらに好まし
くはR1eでX=CO2 - の場合)と少なくとも1つのR1f
場合が好ましい。
【0087】L11、L12、L13、L14、L15、L16、L
17、L18、L19、L20、L21、L22、L23、L24
25、L26、L27、L28、L29、及びL30はそれぞれ独
立にメチン基を表す。L1 〜L30で表されるメチン基は
置換基を有していても良く、置換基としては前述のVが
挙げられる。例えば置換又は無置換の炭素数1から1
5、好ましくは炭素数1から10、特に好ましくは炭素
数1から5のアルキル基(例えば、メチル、エチル、2
−カルボキシエチル)、置換または無置換の炭素数6か
ら20、好ましくは炭素数6から15、更に好ましくは
炭素数6から10のアリール基(例えばフェニル、o−
カルボキシフェニル)、置換または無置換の炭素数3か
ら20、好ましくは炭素数4から15、更に好ましくは
炭素数6から10の複素環基(例えばN,N−ジメチル
バルビツール酸基)、ハロゲン原子、(例えば塩素、臭
素、沃素、フッ素)、炭素数1から15、好ましくは炭
素数1から10、更に好ましくは炭素数1から5のアル
コキシ基(例えばメトキシ、エトキシ)、炭素数0から
15、好ましくは炭素数2から10、更に好ましくは炭
素数4から10のアミノ基(例えばメチルアミノ、N,
N−ジメチルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミ
ノ、N−メチルピペラジノ)、炭素数1から15、好ま
しくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から
5のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチ
オ)、炭素数6から20、好ましくは炭素数6から1
2、更に好ましくは炭素数6から10のアリールチオ基
(例えばフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ)など
が挙げられる。また他のメチン基と環を形成してもよ
く、もしくはZ11〜Z17、R11〜R17と共に環を形成す
ることもできる。
【0088】L11、L12、L16、L17、L18、L19、L
22、L23、L29、L30として好ましくは、無置換メチン
基である。
【0089】n11、n12、n13、及びn14はそれぞれ独
立に0、1、2、3または4を表す。好ましくは0、
1、2、3であり、更に好ましくは0、1、2である。
11、n12、n13、及びn14が2以上の時、メチン基が
繰り返されるが同一である必要はない。
【0090】p11、p12、p13、p14、及びp15はそれ
ぞれ独立に0または1を表す。好ましくは0である。
【0091】R5 、R6 、R7 、及びR8 は、水素原
子、アルキル基、アリール基、複素環基を表すが、具体
的には、前述のR11、R12、R13、R14、R15、R16
及びR 17として挙げたものと同様のものが挙げられる。
好ましくは、水素原子、アルキル基である。さらに好ま
しくは、R5 、R6 、R7 、及びR8 のうち1つが水素
原子、3つがアルキル基(好ましくは炭素数1から1
8、さらに好ましくは炭素数1から7、特に好ましくは
炭素数1から4の置換又は無置換のアルキル基(好まし
くは無置換アルキル基))の場合、又は、4つともアル
キル基(好ましくは炭素数1から18、さらに好ましく
は炭素数1から7、特に好ましくは炭素数1から4の置
換又は無置換のアルキル基(好ましくは無置換アルキル
基))の場合であり、特に好ましくはR5 、R6 、R
7 、及びR8 のうち1つが水素原子、3つがアルキル基
の場合である。最も好ましくは、一般式(A)で表される
対イオンとして、トリエチルアンモニウムの場合であ
る。
【0092】以下に本発明の増感色素(一般式(I)、
及び下位概念の一般式(X)、(XI)、(XII)も含む)の
具体例を示すが、これにより本発明が制限されるわけで
はない。
【0093】
【化9】
【0094】
【化10】
【0095】
【化11】
【0096】
【化12】
【0097】
【化13】
【0098】
【化14】
【0099】
【化15】
【0100】
【化16】
【0101】本発明の増感色素(下位概念の色素も含
む)は、エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロ
サイクリック・コンパウンズーシアニンダイズ・アンド
・リレィティド・コンパウンズ(Heterocyclic Compound
s-Cyanine Dyes and Related Compounds) 」、ジョン・
ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons) 社ーニ
ューヨーク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・ス
ターマー(D.M.Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コン
パウンズースペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイ
クリック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds-Spec
ial topics in heterocyclic chemistry) 」、第18
章、第14節、第482から515貢、ジョン・ウィリ
ー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社ーニューヨ
ーク、ロンドン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリ
ー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd's Chemistry
of Carbon Compounds)」2nd.Ed.vol.IV,partB,1977
刊、第15章、第369から422貢、エルセビア・サ
イエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevier
Science Publishing Company Inc.)社刊、ニューヨー
ク、などに記載の方法に基づいて合成することができ
る。
【0102】本発明において、本発明の増感色素だけで
なく、本発明以外の他の増感色素を用いたり、併用して
も良い。用いられる色素として、好ましくはシアニン色
素、メロシアニン色素、ロダシアニン色素、3核メロシ
アニン色素、4核メロシアニン色素、アロポーラー色
素、ヘミシアニン色素、スチリル色素などが挙げられ
る。さらに好ましくはシアニン色素、メロシアニン色
素、ロダシアニン色素であり、特に好ましくはシアニン
色素である。これらの色素の詳細については、エフ・エ
ム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリック・コ
ンパウンズーシアニンダイズ・アンド・リレィティド・
コンパウンズ(Heterocyclic Compounds-Cyanine Dyes a
nd Related Compounds)」、ジョン・ウィリー・アンド
・サンズ(John Wiley & Sons)社ーニューヨーク、
ロンドン、1964年刊、デー・エム・スターマー(D.
M.Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズース
ペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケ
ミストリー(Heterocyclic Compounds-Special topics i
n heterocyclic chemistry) 」、第18章、第14節、
第482から515貢などに記載されている。好ましい
色素としては、米国特許第5,994,051号第32
〜44頁記載、及び米国特許第5,747,236号第
30〜39頁記載の一般式、及び具体例で示された増感
色素が挙げられる。また、好ましいシアニン色素、メロ
シアニン色素、ロダシアニン色素の一般式は、米国特許
第5、340、694号第21〜22欄の(XI)、
(XII)、(XIII)に示されているもの(ただし、n12
、n15 、n17 、n18 の数は限定せず、0以上の整数
(好ましくは4以下)とする。)が挙げられる。
【0103】これらの増感色素は1種用いても良いが、
2種以上用いても良く、増感色素の組み合わせは、特に
強色増感の目的でしばしば用いられる。その代表例は米
国特許2,688,545号、同2,977,229
号、同3,397,060号、同3,522,052
号、同3,527,641号、同3,617,293
号、同3,628,964号、同3,666,480
号、同3,672,898号、同3,679,428
号、同3,303,377号、同3,769,301
号、同3,814,609号、同3,837,862
号、同4,026,707号、英国特許1,344,2
81号、同1,507,803号、特公昭43−493
36号、同53−12375号、特開昭52−1106
18号、同52−109925号などに記載されてい
る。
【0104】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
を持たない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物
質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んで良
い。
【0105】本発明における分光増感において有用な強
色増感剤(例えば、ピリミジルアミノ化合物、トリアジ
ニルアミノ化合物、アゾリウム化合物、アミノスチリル
化合物、芳香族有機酸ホルムアルデヒド縮合物、アザイ
ンデン化合物、カドミウム塩)、及び強色増感剤と増感
色素の組み合わせは、例えば米国特許3,511,66
4号、同3,615,613号、同3,615,632
号、同3,615,641号、同4,596,767
号、同4,945,038号、同4,965,182
号、同4,965,182号、同2,933,390
号、同3,635,721号、同3,743,510
号、同3,617,295号、同3,635,721号
等に記載されており、その使用法に関しても上記の特許
に記載されている方法が好ましい。
【0106】本発明の増感色素(また、その他の増感色
素、強色増感剤についても同様)を本発明のハロゲン化
銀乳剤中に添加する時期は、これまで有用である事が認
められている乳剤調製の如何なる工程中であってもよ
い。例えば、米国特許2,735,766号、同3,6
28,960号、同4,183,756号、同4,22
5,666号、特開昭58−184142号、同60−
196749号等に開示されているように、ハロゲン化
銀の粒子形成工程または/及び脱塩前の時期、脱塩工程
中及び/または脱塩後から化学熟成の開始前迄の時期、
特開昭58−113920号等に開示されているよう
に、化学熟成の直前または工程中の時期、化学熟成後塗
布迄の時期の乳剤が塗布される前なら如何なる時期、工
程に於いて添加されても良い。また、米国特許4,22
5,666号、特開昭58−7629号等に開示されて
いるように、同一化合物を単独で、または異種構造の化
合物と組み合わせて、例えば、粒子形成工程中と化学熟
成工程中または化学熟成完了後とに分けたり、化学熟成
の前または工程中と完了後とに分けるなどして分割して
添加しても良く、分割して添加する化合物及び化合物の
組み合わせの種類をも変えて添加されても良い。
【0107】本発明の増感色素(また、その他の増感色
素、強色増感剤についても同様)の添加量としては、ハ
ロゲン化銀粒子の形状、サイズにより異なるが、ハロゲ
ン化銀1モル当たり、1×10-6〜8×10-2モルで用
いることができる。例えば、ハロゲン化銀粒子サイズが
0.2〜1.3μmの場合には、ハロゲン化銀1モル当
たり、2×10-6〜3.5×10-2モルの添加量が好ま
しく、7.5×10-6〜1.5×10-2モルの添加量が
より好ましい。
【0108】本発明の増感色素(また、その他の増感色
素、強色増感剤についても同様)は、直接乳剤中へ分散
することができる。また、これらはまず適当な溶媒、例
えばメチルアルコール、エチルアルコール、メチルセロ
ソルブ、アセトン、水、ピリジンあるいはこれらの混合
溶媒などの中に溶解され、溶液の形で乳剤中へ添加する
こともできる。この際、塩基や酸、界面活性剤などの添
加物を共存させることもできる。また、溶解に超音波を
使用することもできる。また、この化合物の添加方法と
しては米国特許第3,469,987号などに記載のご
とき、該化合物を揮発性の有機溶媒に溶解し、該溶液を
親水性コロイド中に分散し、この分散物を乳剤中へ添加
する方法、特公昭46−24185号などに記載のごと
き、水溶性溶剤中に分散させ、この分散物を乳剤中へ添
加する方法、米国特許第3,822,135号に記載の
ごとき、界面活性剤に化合物を溶解し、該溶液を乳剤中
へ添加する方法、特開昭51−74624号に記載のご
とき、レッドシフトさせる化合物を用いて溶解し、該溶
液を乳剤中へ添加する方法、特開昭50−80826号
に記載のごとき、化合物を実質的に水を含まない酸に溶
解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法などが用いられ
る。その他、乳剤中への添加には米国特許第2,91
2,343号、同3,342,605号、同2,99
6,287号、同3,429,835号などに記載の方
法も用いられる。
【0109】本発明の色素、又は増感色素の添加法とし
て、好ましくは有機溶媒の溶液としてハロゲン化銀乳剤
に添加した場合である。本発明の色素、又は増感色素
は、無機の対イオンを持つ色素、又は増感色素に比べ
て、有機溶媒に対する溶解性が高く、少ない有機溶媒量
で添加可能である。このことは、安定した品質のハロゲ
ン化銀写真乳剤、及びハロゲン化銀写真感光材料の提供
に有効である。
【0110】有機溶媒としては、例えばメチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロパノール、イソプロパ
ノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノ
ール、ベンジルアルコール、フッ素アルコール、メチル
セロソルブ、アセトン、ピリジンあるいはこれらの混合
溶媒などが挙げられる。好ましくは、メチルアルコー
ル、エチルアルコールであり、さらに好ましくはメチル
アルコールである。本発明の増感色素の添加は前記の如
く、乳剤調製中のいかなる時期でもよいが、好ましくは
化学熟成の開始以降、より好ましくは化学熟成中又は化
学熟成終了後、特に好ましくは化学熟成終了後である。
【0111】次に本発明のハロゲン化銀写真乳剤、及び
ハロゲン化銀写真感光材料、並びにこれらの製造方法に
ついて詳しく説明する。
【0112】本発明において感光機構をつかさどるハロ
ゲン化銀写真乳剤にはハロゲン化銀として臭化銀、ヨウ
臭化銀、塩臭化銀、ヨウ化銀、ヨウ塩化銀、ヨウ臭塩化
銀、塩化銀のいずれを用いてもよい。また、乳剤最外表
面のハロゲン組成が0.1mol%以上、さらに好まし
くは1mol%以上、特に好ましくは5mol%以上の
ヨードを含んでも良い。粒子サイズ分布は、広くても狭
くてもいずれでもよいが、狭い方がよりこのましい。写
真乳剤のハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面
体、斜方十二面体のような規則的(regular)な結晶体を
有するもの、また球状、板状などのような変則的(irre
gular)な結晶形をもつもの、高次の面((hkl)面)
をもつもの、あるいはこれらの結晶形の粒子の混合から
なってもよいが、好ましくは平板状粒子であり、平板状
粒子については下記に詳細に記述する。高次の面を持つ
粒子についてはJournal of Imaging Science誌、第30
巻(1986年)の247頁から254頁を参照するこ
とができる。また、本発明に用いられるハロゲン化銀写
真乳剤は、上記のハロゲン化銀粒子を単独または複数混
合して含有していても良い。ハロゲン化銀粒子は、内部
と表層が異なる相をもっていても、接合構造を有するよ
うな多相構造であっても、粒子表面に局在相を有するも
のであっても、あるいは粒子全体が均一な相から成って
いても良い。またそれらが混在していてもよい。これら
各種の乳剤は潜像を主として表面に形成する表面潜像型
でも、粒子内部に形成する内部潜像型のいずれでもよ
い。
【0113】本発明では、ハロゲン組成が塩化銀、臭化
銀、塩臭化銀、ヨウ臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀
の平板ハロゲン化銀粒子が好ましく使用される。平板粒
子は、(100)又は(111)かの主表面を持つもの
が好ましい。(111)主表面を有する平板粒子、以下
これを(111)平板と呼ぶ、は普通三角形か六角形の
面をもつ。一般的には分布がより均一になれば、より六
角形の面を持つ平板粒子の比率が高くなる。六角形の単
分散平板に関しては特公平5−61205に記載されて
いる。
【0114】(100)面を主表面に持つ平板状粒子、
以下(100)平板と呼ぶ、は長方形または正方形の形
も持つ。この乳剤においては針状粒子より、隣接辺比が
5:1未満の粒子が平板粒子と呼ばれる。塩化銀或いは
塩化銀を多く含む平板粒子ににおいては、(100)平
板粒子は本来(111)平板に比べて主表面の安定性が
高い。(111)平板の場合は、(111)主表面を安
定化させる事が必要であるが、それに関しては特開平9
−80660号、特開平9−80656号、米国特許第
5298388号に記載されている。
【0115】本発明において用いられる塩化銀或いは塩
化銀の含有率の高い(111)平板に関しては下記の特
許に開示されている。米国特許第4414306号、米
国特許第4400463号、米国特許第4713323
号、米国特許第4783398号、米国特許第4962
491号、米国特許第4983508号、米国特許第4
804621号、米国特許第5389509号、米国特
許第5217858号、米国特許第5460934号。
【0116】本発明に用いられる高臭化銀(111)平
板粒子に関しては下記の特許に記載されている。米国特
許第4425425号、米国特許第4425426号、
米国特許第443426号、米国特許第4439520
号、米国特許第4414310号、米国特許第4433
048号、米国特許第4647528号、米国特許第4
665012号、米国特許第4672027号、米国特
許第4678745号、米国特許第4684607号、
米国特許第4593964号、米国特許第472288
6号、米国特許第4722886号、米国特許第475
5617号、米国特許第4755456号、米国特許第
4806461号、米国特許第4801522、米国特
許第4835322号、米国特許第4839268号、
米国特許第4914014号、米国特許第496201
5号、米国特許第4977074号、米国特許第498
5350号、米国特許第5061609号、米国特許第
5061616号、米国特許第5068173号、米国
特許第5132203号、米国特許第5272048
号、米国特許第5334469号、米国特許第5334
495号、米国特許第5358840号、米国特許第5
372927号。
【0117】本発明に用いられる(100)平板に関し
ては、下記の特許に記載されている。 米国特許第43
86156号、米国特許第5275930号、米国特許
第5292632号、米国特許第5314798号、米
国特許第5320938号、米国特許第5319635
号、米国特許第5356764号、欧州特許第5699
71号、欧州特許第737887号、特開平6−308
648号、特開平9−5911号。
【0118】本発明に使用するハロゲン化銀乳剤は、本
発明に開示する増感色素を吸着せしめた、より表面積/
体積比の高い平板状ハロゲン化銀粒子が好ましく、アス
ペクト比は2以上(好ましくは、100以下)、好まし
くは3以上100以下、より好ましくは5以上80以
下、更に好ましくは8以上80以下であり、平板状粒子
の厚さは、0.2μm未満が好ましく、より好ましくは
0.1μm未満、更に好ましくは0.07μm未満であ
る。
【0119】ここでのアスペクト比が2以上(好ましく
は、100以下)であるとは、アスペクト比(ハロゲン
化銀粒子の円相当直径/粒子厚み)が2以上(好ましく
は、100以下)のハロゲン化銀粒子が乳剤中の全ハロ
ゲン化銀粒子の投影面積の50%以上存在することを意
味する。好ましくは、70%以上、特に好ましくは85
%以上存在する乳剤である。
【0120】この様な高アスペクト比で且つ薄い平板粒
子を調製する為に下記の技術が適用される。本発明の平
板粒子は粒子間の転位線量分布が均一であることが望ま
しい。本発明の乳剤は1粒子当たり10本以上の転位線
を含むハロゲン化銀粒子が全粒子の100ないし50%
(個数)を占めることが好ましく、より好ましくは10
0ないし70%を、特に好ましくは100ないし90%
を占める。
【0121】50%を下回ると粒子間の均質性の点で好
ましくない。
【0122】本発明において転位線を含む粒子の割合及
び転位線の本数を求める場合は、少なくとも100粒子
について転位線を直接観察して求めることが好ましく、
より好ましくは200粒子以上、特に好ましくは300
粒子以上について観察して求める。
【0123】本発明に用いられる写真乳剤は、P. Glafk
ides著 Chimie et Physique Photogrphique (Paul Mon
tel 社刊、1967年)、G. F. Dufin 著 Photo-grap
hicEmulsion Chemistry (The Focal Press 刊、196
6年)、V. L.Zelikman et al 著Making and Coating P
hotographic Emulsion (The Focal Press 刊、1964
年)などに記載された方法を用いて調製することができ
る。
【0124】すなわち、酸性法、中性法等のいずれでも
よく、又、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる
方法としては、片側混合法、同時混合法、それらの組み
合わせなどのいずれを用いても良い。粒子を銀イオン過
剰の下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)を
用いることもできる。同時混合法の一つの形式としてハ
ロゲン化銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ方
法、すなわち、いわゆるコントロールド・ダブルジェッ
ト法を用いることもできる。またアンモニア、チオエー
テル、四置換チオ尿素等のいわゆるハロゲン化銀溶剤を
使用して粒子形成させることが好ましい。より好ましく
は四置換チオ尿素化合物であり、特開昭53−8240
8号、同55−77737号に記載されている。好まし
いチオ尿素化合物はテトラメチルチオ尿素、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジンチオンである。ハロゲン化
銀溶剤の添加量は用いる化合物の種類および目的とする
粒子サイズ、ハロゲン組成により異なるが、ハロゲン化
銀1モルあたり2×10-5〜10-2モルが好ましい。
【0125】コントロールド・ダブルジェット法および
ハロゲン化銀溶剤を使用した粒子形成方法では、結晶型
が規則的で粒子サイズ分布の狭いハロゲン化銀乳剤を作
るのが容易であり、本発明に用いられるハロゲン化銀乳
剤を作るのに有用な手段である。また、粒子サイズを均
一にするためには、英国特許第1,535,016号、
特公昭48−36890号、同52−16364号に記
載されているように、硝酸銀やハロゲン化アルカリの添
加速度を粒子成長速度に応じて変化させる方法や、英国
特許第4,242,445号、特開昭55−15812
4号に記載されているように水溶液の濃度を変化させる
方法を用いて、臨界飽和度を超えない範囲において早く
成長させることが好ましい。本発明の乳剤は単分散乳剤
が好ましく、{(粒径の標準偏差)/(平均粒径)}×
100 で表される変動係数が20%以下、より好ましくは
15%以下である。ハロゲン化乳剤粒子の平均粒子サイ
ズは0.5μm以下が好ましく、より好ましくは0.1
μm〜0.4μmである。
【0126】本発明のハロゲン化銀乳剤は化学増感され
ることが好ましい。化学増感の方法としては、硫黄増感
法、セレン増感法、テルル増感法、貴金属増感法などの
知られている方法を用いることができ、単独または組み
合わせて用いられる。組み合わせて使用する場合には、
例えば、硫黄増感法と金増感法、硫黄増感法とセレン増
感法と金増感法、硫黄増感法とテルル増感法と金増感法
などが好ましい。
【0127】本発明に用いられる硫黄増感は、通常、硫
黄増感剤を添加して、40℃以上の高温で乳剤を一定時
間攪拌することにより行われる。硫黄増感剤としては公
知の化合物を使用することができ、例えば、ゼラチン中
に含まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、たと
えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニ
ン類等を用いることができる。好ましい硫黄化合物は、
チオ硫酸塩、チオ尿素化合物である。硫黄増感剤の添加
量は、化学熟成時のpH、温度、ハロゲン化銀粒子の大
きさなどの種々の条件の下で変化するが、ハロゲン化銀
1モル当り10 -7〜10-2モルであり、より好ましくは
10-5〜10-3モルである。
【0128】本発明に用いられるセレン増感剤として
は、公知のセレン化合物を用いることができる。すなわ
ち、通常、不安定型および/または非不安定型セレン化
合物を添加して40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌
することにより行われる。不安定型セレン化合物として
は特公昭44−15748号、同43−13489号、
特開平4−109240号、及び特開平4―32485
5号等に記載の化合物を用いることができる。特に特開
平4―322855号中の一般式(VIII) および(IX)で
示される化合物を用いることが好ましい。また、低分解
活性セレン化合物も好ましく用いることができる。低分
解活性セレ化合物とは、AgNO3 10ミリモル、セレ
ン化合物0.5ミリモル、2−(N−モルホリノ)エタ
ンスルホン酸バッファー40ミリモルの水/1,4−ジ
オキサン体積比1/1の混合溶液(pH=6.3)を4
0℃にて反応させた時の該セレン化合物の半減期が6時
間以上であるセレン化合物である。この低分解活性セレ
ン化合物については、特開平9−166841号の化合
物例SE−1からSE−10の化合物を用いることが好
ましい。
【0129】本発明に用いられるテルル増感剤は、ハロ
ゲン化銀粒子表面または内部に、増感核になると推定さ
れるテルル化銀を生成せしめる化合物である。ハロゲン
化銀乳剤中のテルル化銀生成速度については特開平5―
313284号に記載の方法で試験することができる。
具体的には、米国特許第1,623,499号、同第
3,320,069号、同第3,772,013号、英
国特許第235,211号、同第1,121,496
号、同第1,295,462号、同第1,396,69
6号、カナダ特許第800,958号、特開平4−20
4640号、同4−271341号、同4−33304
3号、同5−303157号、ジャーナル・オブ・ケミ
カル・ソサイアティー・ケミカル・コミュニケーション
(J.Chem.Soc.Chem.Commun.)635(1980)、ibid
1102(1979)、ibid 645(1979)、
ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・パーキ
ン・トランザクション(J.Chem.Soc.Perkin.Trans.)
1;2191(1980)、S.パタイ(S.Patai)編、ザ
・ケミストリー・オブ・オーガニック・セレニウム・ア
ンド・テルリウム・カンパウンズ(The Chemistry of O
rganic Serenium and Tellunium Compounds),Vol1(1
986)、同 Vol 2(1987)に記載の化合物を用
いることができる。特に特開平5−313284号中の
一般式(II)(III)(IV)で示される化合物が好ましい。
【0130】本発明で用いられるセレンおよびテルル増
感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成
条件等によって変わるが、一般にハロゲン化銀1モル当
たり10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3
ル程度を用いる。本発明における化学増感の条件として
は特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとし
ては6〜11、好ましくは7〜10であり、温度として
は40〜95℃、好ましくは45〜85℃である。本発
明に用いられる貴金属増感剤としては、金、白金、パラ
ジウム、イリジウム等が挙げられるが、特に金増感が好
ましい。本発明に用いられる金増感剤としては具体的に
は、塩化金酸、カリウムクロレート、カリウムオーリチ
オシアネート、硫化金などが挙げられ、ハロゲン化銀1
モル当たり10-7〜10-2モル程度を用いることができ
る。本発明に用いるハロゲン化銀乳剤にはハロゲン化銀
粒子の形成または物理熟成の過程においてカドミウム
塩、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩などを共存させてもよ
い。本発明においては、還元増感を用いることができ
る。還元増感剤としては第一スズ塩、アミン類、ホルム
アミジンスルフィン酸、シラン化合物などを用いること
ができる。本発明のハロゲン化銀乳剤は、欧州公開特許
(EP)−293,917に示される方法により、チオ
スルホン酸化合物を添加してもよい。
【0131】本発明では前記の感光性ハロゲン化銀粒子
を含む写真乳剤層とは別に、非感光性ハロゲン化銀粒子
を含む親水性コロイド層も好ましく用いられうる。本発
明において用いられる非感光性ハロゲン化銀粒子のハロ
ゲン組成には特別の制限はなく、塩化銀、臭化銀、塩臭
化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、ヨウ塩臭化銀のいずれ
からなるものでも使用できるが、臭化銀含有率が50モ
ル%以上であるハロゲン化銀粒子が好ましい。臭化銀含
有率が50モル%以上であるヨウ塩臭化銀がより好まし
く、臭化銀含有率が50モル%以上であるヨウ臭化銀が
更に好ましく、この組成のヨウ臭化銀においては、ヨウ
化銀含量が1モル%以下であることが最も好ましい。ハ
ロゲン化銀粒子の形状は、立方体、十四面体、八面体、
不定型、板状のいずれでも良いが、立方体もしくは十四
面体が好ましい。
【0132】本発明に用いられる非感光性ハロゲン化銀
粒子は、P.Glafkides 著 Chimieet Physique Photogrph
ique (Paul Montel 社刊、1967年)、G.F.Dufin
著Photographic Emulsion Chemistry (The Focal Press
刊、1966年)、V. L. Zelikman et al著Making and
Coating Photographic Emulsion(The Focal Press刊、
1964年)などに記載された方法を用いて調製するこ
とができる。本発明の非感光性ハロゲン化銀粒子は青色
域感度が、本発明の感光材料に用いられる感光性ハロゲ
ン化銀粒子の1/10以下の感度であり、分光増感され
ていないことが好ましい。非感光性ハロゲン化銀粒子は
単分散粒子が好ましく、{(粒径の標準偏差)/(平均
粒径)}×100 で表される変動係数が20%以下、より
好ましくは15%以下である。ハロゲン化乳剤粒子の平
均粒子サイズは0.1μm以上が好ましく、より好まし
くは0.2μm〜10μmであり、さらに好ましくは
0.3 μm〜1.0μmである。非感光性ハロゲン化銀
粒子の使用量は0.01g/m2 から1g/m2 が好ま
しく、より好ましくは0.03g/m2 から0.5g/
2 である。非感光性ハロゲン化銀粒子を含有せしめる
親水性コロイド層は、感光性ハロゲン化銀乳剤層より
も、支持体に近い位置にハレーション防止層(AH)とし
て設けても良く、又は、遠い位置に1層以上の保護層と
して設けても良い。
【0133】本発明のハロゲン化銀乳剤層及びその他の
親水性コロイド層のバインダーとしては好ましくはゼラ
チンが用いられるが、それ以外の親水性コロイドを用い
ることもでき、またそれらをゼラチンと併用することも
できる。たとえばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分
子化合物とのグラフトポリマー、アルブミン、ガゼイン
等の蛋白質、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、セルロース硫酸エステル類等の如き
セルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体など
の糖誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコ
ール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポ
リアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等
の単一あるいは共重合体の如き多種の合成親水性高分子
物質を用いることができる。ゼラチンとしては石灰処理
ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラ
チン加水分解物、ゼラチン酵素分解物も用いることがで
きる。本発明において、バインダーとしてのゼラチン塗
布量は、ハロゲン化銀乳剤層を有する側の全親水性コロ
イド層のゼラチン量が3g/m2以下で(好ましくは1.
0〜3.0g/m2)、かつハロゲン化銀乳剤層を有する
側の全親水性コロイド層及びその反対側の面の全親水性
コロイド層の全ゼラチン量が6.0g/m2以下であり、
好ましくは2.0〜6.0g/m2である。
【0134】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の乳剤
層及び保護層を含めた親水性コロイド層の膨潤率は80
〜150%の範囲が好ましく、より好ましくは90〜1
40%の範囲である。親水性コロイド層の膨潤率は、ハ
ロゲン化銀写真感光材料における乳剤層及び保護層を含
めた親水性コロイド層の厚み(d0) を測定し、該ハロ
ゲン化銀写真感光材料を25℃の蒸留水に1分間浸漬
し、膨潤した厚み(Δd)を測定し、膨潤率(%)=
(Δd÷d0)×100の計算式によって求める。
【0135】本発明の実施に際して用いうる支持体とし
ては、例えばバライタ紙、ポリエチレン被覆紙、ポリプ
ロピレン合成紙、ガラス板、セルロースアセテート、セ
ルロースナイトレート、例えばポリエチレンテレフタレ
ートなどのポリエステルフイルムを挙げることができ
る。これらの支持体は、それぞれハロゲン化銀写真感光
材料の使用目的に応じて適宜選択される。
【0136】ヒドラジン誘導体は、いずれのものでも用
いることができるが、例えば特開平11-344788 、特開20
00-98521、特開2000-105438 に記載されている化合物を
好ましく用いることができる。
【0137】ヒドラジン誘導体として、1分子内にアシ
ルヒドラジノ基を複数個有する化合物を用いることがで
きる。このようなヒドラジン誘導体は、特公平7−82
220、特開平4−16938、特開平5−19709
1、特開平9−235266、特開平9−179229
などに記載されている。
【0138】ヒドラジン誘導体の添加量としてはハロゲ
ン化銀1モルあたり1×10-6モルないし5×10-2
ル含有されるのが好ましく、特に1×10-5モルないし
2×10-2モルの範囲が好ましい添加量である。ヒドラ
ジン誘導体は、乳剤層及び/又は他の親水性コロイド層
に含まれる。ここで、他の親水性コロイド層としては、
保護層、乳剤層と支持体との間に設けられる層、中間層
等が挙げられる。
【0139】ヒドラジン誘導体は、適当な水混和性有機
溶媒、例えばアルコール類(メタノール、エタノール、
プロパノール、フッ素化アルコール)、ケトン類(アセ
トン、メチルエチルケトン)、ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブなどに溶解し
て用いることができる。また、既に良く知られている乳
化分散法によって、ジブチルフタレート、トリクレジル
フォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジ
エチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘ
キサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化
分散物を作製して用いることができる。あるいは固体分
散法として知られている方法によって、ヒドラジン誘導
体の粉末を水の中にボールミル、コロイドミル、あるい
は超音波によって分散して用いることもできる。
【0140】本発明に用いられうる造核促進剤として
は、アミン誘導体、オニウム塩、ジスルフィド誘導体ま
たはヒドロキシメチル誘導体などが挙げられる。以下に
その例を列挙する。特開平7−77783号公報48頁
2行〜37行に記載の化合物で、具体的には49頁〜5
8頁に記載の化合物A−1)〜A−73)。特開平7−
84331号に記載の(化21)、(化22)および
(化23)で表される化合物で、具体的には同公報6頁
〜8頁に記載の化合物。特開平7−104426号に記
載の一般式〔Na〕および一般式〔Nb〕で表される化
合物で、具体的には同公報16頁〜20頁に記載のNa
−1〜Na−22の化合物およびNb−1〜Nb−12
の化合物。特開平8−272023号に記載の一般式
(1)、一般式(2)、一般式(3)、一般式(4)、
一般式(5)、一般式(6)および一般式(7)で表さ
れる化合物で、具体的には同公報に記載の1−1〜1−
19の化合物、2−1〜2−22の化合物、3−1〜3
−36の化合物、4−1〜4−5の化合物、5−1〜5
−41の化合物、6−1〜6−58の化合物および7−
1〜7−38の化合物。特開平9−297377号記載
の造核促進剤。
【0141】造核促進剤は、適当な水混和性有機溶媒、
例えばアルコール類(メタノール、エタノール、プロパ
ノール、フッ素化アルコール)、ケトン類(アセトン、
メチルエチルケトン)、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、メチルセルソルブなどに溶解して用い
ることができる。また、既によく知られている乳化分散
法によって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォス
フェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチル
フタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノ
ンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物
を作製して用いることができる。あるいは固体分散法と
して知られている方法によって、造核促進剤の粉末を水
の中にボールミル、コロイドミル、あるいは超音波によ
って分散し用いることができる。
【0142】造核促進剤は、支持体に対してハロゲン化
銀乳剤層側の該ハロゲン化銀乳剤層あるいは他の親水性
コロイド層のどの層に添加してもよいが、該ハロゲン化
銀乳剤層あるいはそれに隣接する親水性コロイド層に添
加することが好ましい。造核促進剤添加量はハロゲン化
銀1モルに対し1×10-6〜2×10-2モルが好まし
く、1×10-5〜2×10-2モルがより好ましく、2×
10-5〜1×10 -2モルが最も好ましい。
【0143】以下に本発明における現像液、定着液など
の処理剤および処理方法等について述べるが、言うまで
もなく本発明は以下の記述および具体例に限定されるも
のではない。
【0144】本発明の現像処理には、公知の方法のいず
れを用いることもできるし、現像処理液には公知のもの
を用いることができる。
【0145】本発明に使用できる現像液(以下、現像開
始液および現像補充液の双方をまとめて現像液とい
う。)に用いる現像主薬には特別な制限はないが、ジヒ
ドロキシベンゼン類や、アスコルビン酸誘導体、ハイド
ロキノンモノスルホン酸塩を含むことが好ましく、単独
使用でも併用でも良い。さらに現像能力の点でジヒドロ
キシベンゼン類やアスコルビン酸誘導体と1−フェニル
−3−ピラゾリドン類の組み合わせ、またはジヒドロキ
シベンゼン類やアスコルビン酸誘導体とp−アミノフェ
ノール類の組み合わせが好ましい。本発明に用いうるジ
ヒドロキシベンゼン現像主薬としてはハイドロキノン、
クロロハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、
メチルハイドロキノンなどがあるが、特にハイドロキノ
ンが好ましい。
【0146】本発明に使用できる現像液に用いられるア
スコルビン酸類は、エンジオール型(Endiol) 、エナミ
ノール型(Enaminol)、エンジアミン型(Endiamin)、チオ
ールエノール型(Thiol-Enol)およびエナミンチオール型
(Enamin-Thiol)が化合物として一般に知られている。こ
れらの化合物の例は米国特許第2,688,549号、
特開昭62−237443号などに記載されている。こ
れらのアスコルビン酸類の合成法もよく知られており、
例えば野村次男と大村浩久共著「レダクトンの化学」
(内田老鶴圃新社1969年)に記載されている。本発
明に用いられるアルコルビン酸類はリチウム塩、ナトリ
ウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩の形でも使用
できる。
【0147】本発明に用いうる1−フェニル−3−ピラ
ゾリドンまたはその誘導体の現像主薬としては、1−フ
ェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジ
メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル
−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドンなどがあ
る。本発明に用いうるp−アミノフェノール系現像主薬
としてN−メチル−p−アミノフェノール、p−アミノ
フェノール、N−(β−ヒドロキシフェニル)−p−ア
ミノフェノール、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリ
シンなどがあるが、なかでもN−メチル−p−アミノフ
ェノールが好ましい。
【0148】ジヒドロキシベンゼン系現像主薬は通常
0.05モル/リットル〜0.8モル/リットルの量で
用いられるのが好ましい。またジヒドロキシベンゼン類
と1−フェニル−3−ピラゾリドン類もしくはp−アミ
ノフェノール類の組み合わせを用いる場合には前者を
0.05モル/リットル〜0.6モル/リットル、好ま
しくは0.23モル/リットル〜0.5モル/リット
ル、後者を0.06モル/リットル以下、好ましくは
0.03モル/リットル〜0.003モル/リットルの
量で用いるのが好ましい。
【0149】アスコルビン酸誘導体現像主薬は、通常
0.01モル/リットル〜0.5モル/リットルの量で
用いられるのが好ましく、0.05モル/リットル〜
0.3モル/リットルがより好ましい。またアスコルビ
ン酸誘導体と1−フェニル−3−ピラゾリドン類もしく
はp−アミノフェノール類の組み合わせを用いる場合に
はアスコルビン酸誘導体を0.01モル/リットル〜
0.5モル/リットル、1−フェニル−3−ピラゾリド
ン類もしくはp−アミノフェノール類を0.005モル
/リットル〜0.2モル/リットルの量で用いるのが好
ましい。
【0150】本発明で感光材料を処理する際の現像液に
は、通常用いられる添加剤(たとえば現像主薬、アルカ
リ剤、pH緩衝剤、保恒剤、キレート剤等)を含有する
事ができる。以下にこれらの具体例を示すが、本発明は
これらに限定されるものではない。本発明で感光材料を
現像処理する際の現像液に用いられる緩衝剤としては、
炭酸塩、特開昭62−186259号に記載のほう酸、
特開昭60−93433号に記載の糖類(たとえばサッ
カロース)、オキシム類(たとえばアセトオキシム)、
フェノール類(たとえば5−スルホサリチル酸)、第3
リン酸塩(たとえばナトリウム塩、カリウム塩)などが
用いられ、好ましくは炭酸塩、ほう酸が用いられる。緩
衝剤、特に炭酸塩の使用量は、好ましくは0.1モル/
リットル以上、特に0.2〜1.5モル/リットルであ
る。
【0151】本発明に用いられうる保恒剤としては亜硫
酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫
酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カ
リウム、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムなどがあ
る。亜硫酸塩は0.2モル/リットル以上、特に0.3
モル/リットル以上用いられるが、あまりに多量添加す
ると現像液中の銀汚れの原因になるので、上限は1.2
モル/リットルとするのが望ましい。特に好ましくは、
0.35〜0.7モル/リットルである。ジヒドロキシ
ベンゼン系現像主薬の保恒剤として、亜硫酸塩と併用し
て前記のアスコルビン酸誘導体を少量使用しても良い。
なかでも素材コストの点からエリソルビン酸ナトリウム
を用いることが好ましい。添加量はジヒドロキシベンセ
ン系現像主薬に対して、モル比で0.03〜0.12の
範囲が好ましく、特に好ましくは0.05〜0.10の
範囲である。保恒剤としてアスコルビン酸誘導体を使用
する場合には現像液中にホウ素化合物を含まないことが
好ましい。
【0152】上記以外に用いられる添加剤としては、臭
化ナトリウム、臭化カリウムのような現像抑制剤、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ジメチルホルムアミドのような有機溶剤、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアル
カノールアミン、イミダゾールまたはその誘導体等の現
像促進剤、ヘテロ環メルカプト化合物(たとえば3−
(5−メルカプトテトラゾール−1−イル)ベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、1−フェニル−5−メルカプトテ
トラゾールなど)、特開昭62−212651号に記載
の化合物を物理現像ムラ防止剤として添加することもで
きる。また、メルカプト系化合物、インダゾール系化合
物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾイミダゾール
系化合物をカブリ防止剤または黒ポツ(black pepper)防
止剤として含んでも良い。具体的には、5−ニトロイン
ダゾール、5−p−ニトロベンゾイルアミノインダゾー
ル、1−メチル−5−ニトロインダゾール、6−ニトロ
インダゾール、3−メチル−5−ニトロインダゾール、
5−ニトロベンゾイミダゾール、2−イソプロピル−5
−ニトロベンゾイミダゾール、5−ニトロベンゾトリア
ゾール、4−((2−メルカプト−1,3,4−チアジ
アゾール−2−イル)チオ)ブタンスルホン酸ナトリウ
ム、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チ
オール、メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾ
トリアゾール、2−メルカプトベンゾトリアゾールなど
を挙げることができる。これらの添加剤の量は、通常現
像液1リットルあたり0.01〜10ミリモルであり、
より好ましくは0.1〜2ミリモルである。
【0153】さらに本発明に用いられうる現像液中には
各種の有機、無機のキレート剤を単独または併用で用い
ることができる。無機キレート剤としてはたとえば、テ
トラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウ
ムなどを用いることができる。一方、有機キレート剤と
しては、主に有機カルボン酸、アミノポリカルボン酸、
有機ホスホン酸、アミノホスホン酸および有機ホスホノ
カルボン酸を用いることができる。有機カルボン酸とし
てはたとえば、アクリル酸、シュウ酸、マロン酸、コハ
ク酸、グルタル酸、グルコン酸、アジピン酸、ピメリン
酸、アシエライン酸、セバチン酸、ノナンジカルボン
酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、マ
レイン酸、イタコン酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸な
どを挙げることができる。
【0154】アミノポリカルボン酸としてはたとえば、
イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトニロ三プロピオン
酸、エチレンジアミンモノヒドロキシエチル三酢酸、エ
チレンジアミン四酢酸、グリコールエーテル四酢酸、
1,2−ジアミノプロパン四酢酸、ジエチレントリアミ
ン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、1,3−ジ
アミノ−2−プロパノール四酢酸、グリコールエーテル
ジアミン四酢酸、その他特開昭52−25632号、同
55−67747号、同57−102624号、および
特公昭53−40900号に記載の化合物を挙げること
ができる。
【0155】有機ホスホン酸としては、たとえば米国特
許3,214,454号、同3,794,591号およ
び西独特許公開2,227,369号等に記載のヒドロ
キシアルキリデン−ジホスホン酸やリサーチ・ディスク
ロージャー第181巻,Item18170(1979年5
月号)等に記載の化合物が挙げられる。アミノホスホン
酸としては、たとえばアミノトリス(メチレンホスホン
酸)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ア
ミノトリメチレンホスホン酸等が挙げられるが、その他
上記リサーチ・ディスクロージャー18170、特開昭
57−208554号、同54−61125号、同55
−29883号、同56−97347号等に記載の化合
物を挙げることができる。
【0156】有機ホスホノカルボン酸としては、たとえ
ば特開昭52−102726号、同53−42730
号、同54−121127号、同55−4024号、同
55−5025号、同55−126241号、同55−
65955号、同55−65956号および前述のリサ
ーチ・ディスクロージャー18170等に記載の化合物
を挙げることができる。
【0157】これらの有機および/または無機のキレー
ト剤は、前述のものに限定されるものではない。また、
アルカリ金属塩やアンモニウム塩の形で使用しても良
い。これらのキレート剤の添加量としては、現像液1リ
ットルあたり好ましくは、1×10-4〜1×10-1
ル、より好ましくは1×10-3〜1×10-2モルであ
る。
【0158】さらに、現像液中に銀汚れ防止剤として、
たとえば特開昭56−24347号、特公昭56−46
585号、特公昭62−2849号、特開平4−362
942号に記載の化合物の他、メルカプト基を1つ以上
有するトリアジン(たとえば特公平6−23830号、
特開平3−282457号、特開平7−175178号
に記載の化合物)、同ピリミジン(たとえば2−メルカ
プトピリミジン、2,6−ジメルカプトピリミジン、
2,4−ジメルカプトピリミジン、5,6−ジアミノ−
2,4−ジメルカプトピリミジン、2,4,6−トリメ
ルカプトピリミジンなど)、同ピリジン(たとえば2−
メルカプトピリジン、2,6−ジメルカプトピリジン、
3,5−ジメルカプトピリジン、2,4,6−トリメル
カプトピリジン、特開平7−248587号に記載の化
合物など)、同ピラジン(たとえば2−メルカプトピラ
ジン、2,6−ジメルカプトピラジン、2,3−ジメル
カプトピラジン、2,3,5−トリメルカプトピラジン
など)、同ピリダジン(たとえば3−メルカプトピリダ
ジン、3,4−ジメルカプトピリダジン、3,5−ジメ
ルカプトピリダジン、3,4,6−トリメルカプトピリ
ダジンなど)、特開平7−175177号に記載の化合
物、米国特許5,457,011号に記載のポリオキシ
アルキルホスホン酸エステルなどを用いることができ
る。これらの銀汚れ防止剤は単独または複数の併用で用
いることができ、添加量は現像液1リットルあたり0.
05〜10ミリモルが好ましく、0.1〜5ミリモルが
より好ましい。また、溶解助剤として特開昭61−26
7759号記載の化合物を用いることができる。さらに
必要に応じて色調剤、界面活性剤、消泡剤、硬膜剤等を
含んでも良い。
【0159】現像液の好ましいpHは8.5〜12.0
であり、特に好ましくは8.5〜11.0の範囲であ
る。pH調整に用いるアルカリ剤には通常の水溶性無機
アルカリ金属塩(たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)を用いるこ
とができる。
【0160】現像液のカチオンとしては、ナトリウムイ
オンに比べてカリウムイオンの方が現像抑制をせず、ま
たフリンジと呼ばれる黒化部のまわりのギザギザが少な
い。さらに、濃縮液として保存する場合には一般にカリ
ウム塩のほうが溶解度が高く好ましい。しかしながら、
定着液においてはカリウムイオンは銀イオンと同程度に
定着阻害をすることから、現像液のカリウムイオン濃度
が高いと、感材により現像液が持ち込まれることにより
定着液中のカリウムイオン濃度が高くなり、好ましくな
い。以上のことから現像液におけるカリウムイオンとナ
トリウムイオンのモル比率は20:80〜80:20の
間であることが好ましい。カリウムイオンとナトリウム
イオンの比率は、pH緩衝剤、pH調整剤、保恒剤、キ
レート剤などの対カチオンで、上記の範囲で任意に調整
できる。
【0161】現像液の補充量は、感光材料1m2につき2
00ミリリットル以下であり、200〜30ミリリット
ルが好ましく、180〜60ミリリットルが最も好まし
い。現像補充液は、現像開始液と同一の組成および/ま
たは濃度を有していても良いし、開始液と異なる組成お
よび/または濃度を有していても良い。
【0162】本発明における定着処理剤の定着剤として
は、チオ硫酸アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ
硫酸ナトリウムアンモニウムが使用できる。定着剤の使
用量は適宜かえることができるが、一般には約0.7〜
約3.0モル/リットルである。
【0163】本発明における定着液は、硬膜剤として作
用する水溶性アルミニウム塩、水溶性クロム塩を含んで
も良く、水溶性アルミニウム塩が好ましい。それにはた
とえば塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カル明
礬、硫酸アルミニウムアンモニウム、硝酸アルミニウ
ム、乳酸アルミニウムなどがある。これらは使用液にお
けるアルミニウムイオン濃度として、0.01〜0.1
5モル/リットルで含まれることが好ましい。なお、定
着液を濃縮液または固形剤として保存する場合、硬膜剤
などを別パートとした複数のパーツで構成しても良い
し、すべての成分を含む一剤型の構成としても良い。
【0164】定着処理剤には所望により保恒剤(たとえ
ば亜硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩などを0.0
15モル/リットル以上、好ましくは0.02モル/リ
ットル〜0.3モル/リットル)、pH緩衝剤(たとえ
ば酢酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナ
トリウム、リン酸、コハク酸、アジピン酸などを0.1
モル/リットル〜1モル/リットル、好ましくは0.2
モル/リットル〜0.7モル/リットル)、アルミニウ
ム安定感材能や硬水軟化のある化合物(たとえばグルコ
ン酸、イミノジ酢酸、5−スルホサリチル酸、グルコヘ
プタン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、マ
レイン酸、グリコール酸、安息香酸、サリチル酸、タイ
ロン、アスコルビン酸、グルタル酸、アスパラギン酸、
グリシン、システイン、エチレンジアミン四酢酸、ニト
リロ三酢酸やこれらの誘導体およびこれらの塩、糖類、
ほう酸などを0.001モル〜リットル〜0.5モル/
リットル、好ましくは0.05モル/リットル〜0.3
モル/リットル)を含むことができる。
【0165】このほか、特開昭62−78551号に記
載の化合物、pH調整剤(たとえば水酸化ナトリウム、
アンモニア、硫酸など)、界面活性剤、湿潤剤、定着促
進剤等も含むことができる。界面活性剤としては、たと
えば硫酸化物スルフォン酸化物などのアニオン界面活性
剤、ポリエチレン系界面活性剤、特開昭57−6840
号記載の両性界面活性剤が挙げられ、公知の消泡剤を使
用することもできる。湿潤剤としては、アルカノールア
ミン、アルキレングリコール等がある。定着促進剤とし
ては、特開平6−308681号に記載のアルキルおよ
びアリル置換されたチオスルホン酸およびその塩や、特
公昭45−35754号、同58−122535号、同
58−122536号記載のチオ尿素誘導体、分子内に
3重結合を有するアルコール、米国特許4,126,4
59号記載のチオエーテル化合物、特開昭64−473
9号、特開平1−4739号、同1−159645号お
よび同3−101728号に記載のメルカプト化合物、
同4−170539号に記載のメソイオン化合物、チオ
シアン酸塩を含むことができる。
【0166】本発明における定着液のpHは、4.0以
上と異なる組成および/または、好ましくは4.5〜
6.0を有する。定着液は処理により現像液が混入して
pHが上昇するが、この場合、硬膜定着液では6.0以
下好ましくは5.7以下であり、無硬膜定着液において
は7.0以下好ましくは6.7以下である。
【0167】定着液の補充量は、感光材料1m2につき5
000ミリリットル以下であり、300ミリリットル以
下が好ましく、200〜60ミリリットルがより好まし
い。補充液は、開始液と同一の組成および/または濃度
を有していても良いし、開始液濃度を有していても良
い。
【0168】定着液は電解銀回収などの公知の定着液再
生方法により再生使用することができる。再生装置とし
ては、たとえばフジハント社製Reclaim R-60などがあ
る。また、活性炭などの吸着フィルターを使用して、色
素などを除去することも好ましい。
【0169】現像、定着処理が済んだ感光材料は、つい
で水洗または安定化処理される(以下特に断らない限
り、安定化処理を含めて水洗といい、これらに使用する
液を、水または水洗水という。)。水洗に使用される水
は、水道水でもイオン交換水でも蒸留水でも安定化液で
もよい。これらの補充量は、一般的には感光材料1m2
たり約17リットル〜約8リットルであるが、それ以下
の補充量で行うこともできる。特に3リットル以下の補
充量(0も含む。すなわち、ため水水洗)では、節水処
理が可能となるのみならず、自動現像機装置の配管を不
要とすることもできる。水洗を低補充量で行う場合は、
特開昭63−18350号、同62−287252号等
に記載のスクイズローラー、クロスオーバーローラーの
洗浄槽を設けることがより好ましい。また、少量水洗時
に問題となる公害負荷低減や、水垢防止のために種々の
酸化剤(たとえばオゾン、過酸化水素、次亜塩素酸ナト
リウム、活性ハロゲン、二酸化塩素、炭酸ナトリウム過
酸化水素塩など)添加やフィルター濾過を組み合わせて
も良い。
【0170】水洗の補充量を少なくする方法として、古
くより多段向流方式(たとえば2段、3段等)が知られ
ており、水洗補充量は感光材料1m2あたり200〜50
ミリリットルが好ましい。この効果は、独立多段方式
(向流にせず、多段の水洗槽に個別に新液を補充する方
法)でも同様に得られる。
【0171】さらに、本発明では水洗工程に水垢防止手
段を施しても良い。水垢防止手段として公知のものを使
用することができ、特に限定はしないが、防ばい剤(い
わゆる水垢防止剤)を添加する方法、通電する方法、紫
外線または赤外線や遠赤外線を照射する方法、磁場をか
ける方法、超音波処理する方法、熱をかける方法、未使
用時にタンクを空にする方法などがある。これらの水垢
防止手段は、感光材料の処理に応じてなされても良い
し、使用状況に関係なく一定間隔で行われても良いし、
夜間など処理の行われない期間のみ施しても良い。また
あらかじめ水洗水に施しておいて、これを補充しても良
い。さらには、一定期間ごとに異なる水垢防止手段を行
うことも、耐性菌の発生を抑える上では好ましい。防ば
い剤としては特に限定はなく公知のものが使用できる。
前述の酸化剤の他たとえばグルタルアルデヒド、アミノ
ポリカルボン酸等のキレート剤、カチオン性界面活性
剤、メルカプトピリジンオキシド(たとえば2−メルカ
プトピリジン−N−オキシドなど)などがあり、単独使
用でも複数の併用でも良い。通電する方法としては、特
開平3−224685号、同3−224687号、同4
−16280号、同4−18980号などに記載の方法
が使用できる。
【0172】このほか、水泡ムラ防止や汚れ転写防止の
ために、公知の水溶性界面活性剤や消泡剤を添加しても
良い。また、感光材料から溶出した染料による汚染防止
に、特開昭63−163456号に記載の色素吸着剤を
水洗系に設置しても良い。
【0173】水洗工程からのオーバーフロー液の一部ま
たは全部は、特開昭60−235133号に記載されて
いるように、定着能を有する処理液に混合利用するする
こともできる。また微生物処理(たとえば硫黄酸化菌、
活性汚泥処理や微生物を活性炭やセラミック等の多孔質
担体に担持させたフィルターによる処理等)や、通電や
酸化剤による酸化処理をして、生物化学的酸素要求量
(BOD)、化学的酸素要求量(COD)、沃素消費量
等を低減してから排水したり、銀と親和性のあるポリマ
ーを用いたフィルターやトリメルカプトトリアジン等の
難溶性銀錯体を形成する化合物を添加して銀を沈降させ
てフィルター濾過するなどし、排水中の銀濃度を添加さ
せることも、自然環境保全の観点から好ましい。
【0174】また、水洗処理に続いて安定化処理する場
合もあり、その例として特開平2−201357号、同
2−132435号、同1−102553号、特開昭4
6−44446号に記載の化合物を含有した浴を感光材
料の最終浴として使用しても良い。この安定浴にも必要
に応じてアンモニウム化合物、Bi、Al等の金属化合
物、蛍光増白剤、各種キレート剤、膜pH調節、硬膜
剤、殺菌剤、防ばい剤、アルカノールアミンや界面活性
剤を加えることもできる。
【0175】水洗、安定化浴に添加する防ばい剤等の添
加剤および安定化剤は、前述の現像、定着処理剤同様に
固形剤とすることもできる。
【0176】本発明に使用しうる現像液、定着液、水洗
水、安定化液の廃液は焼却処分することが好ましい。ま
た、これらの廃液はたとえば特公平7−83867号、
米国特許5,439,560号等に記載されているよう
な濃縮装置で濃縮液化または固化させてから処分するこ
とも可能である。
【0177】処理剤の補充量を低減する場合には、処理
槽の開口面積を小さくして液の蒸発、空気酸化を防止す
ることが好ましい。ローラー搬送型の自動現像機につい
ては米国特許3,025,779号、同3,545,9
71号などに記載されており、本明細書においては単に
ローラー搬送型自動現像機として言及する。この自現機
は現像、定着、水洗および乾燥の四工程からなってお
り、本発明の方法も、他の工程(たとえば停止工程)を
除外しないが、この四工程を踏襲するのが最も好まし
い。さらに、現像定着間および/または定着水洗間にリ
ンス浴を設けても良い。
【0178】本発明に用いうる現像処理では、dry to d
ryで25〜160秒が好ましく、現像時間および定着時
間が、それぞれ、40秒以下、好ましくは6〜22秒、
各液の温度は25〜50℃が好ましく、30〜40℃が
好ましい。水洗の温度および時間は0〜50℃で40秒
以下が好ましい。本発明の方法によれば、現像、定着お
よび水洗された感光材料は水洗水を絞りきる、すなわち
スクイズローラーを経て乾燥しても良い。乾燥は約40
〜約100℃で行われ、乾燥時間は周囲の状態によって
適宜かえられる。乾燥方法はいずれの方法も用いること
ができ特に限定はないが、温風乾燥や、特開平4−15
534号、同5−2256号、同5−289294号に
開示されているようなヒートローラー乾燥、遠赤外線に
よる乾燥などがあり、複数の方法を併用しても良い。
【0179】本発明の感光材料に用いられる各種添加剤
に関しては、特に制限はなく、例えば下記箇所に記載さ
れたものを好ましく用いることができる。
【0180】特開平3−39948号公報第10頁右下
11行目から同公報第12頁左下5行目に記載のポリヒ
ドロキシベンゼン化合物、具体的には、同公報に記載の
化合物(III)−1〜25の化合物。
【0181】特開平1−118832号公報に記載の一
般式(I)で表される実質的には可視域に吸収極大を持
たない化合物、具体的には、同公報に記載の化合物I−
1〜I−26の化合物。
【0182】特開平2−103536号公報第17頁右
下19行目から同公報18頁右上4行目に記載のかぶり
防止剤。
【0183】特開平2−103536号公報第18頁左
下12行目から同頁左下20行目に記載のポリマーラテ
ックス。特開平9−179228号に記載の一般式
(I)で表される活性メチレン基を有するポリマーラテ
ックスで、具体的には同公報に記の化合物I−1〜I−
16。特開平9−179228号に記載のコア/シェル
構造を有するポリマーラテックで、具体的には同公報に
記載の化合物P−1〜P−55。
【0184】特開平2−103536号公報第19頁左
上15行目から同公報19頁右上15行目に記載のマッ
ト剤、滑り剤、可塑剤。
【0185】特開平2−103536号公報第18頁右
上5行目から同頁右上17行目に記載の硬膜剤。
【0186】特開平2−103536号公報第18頁右
下6行目から同公報19頁左上1行目に記載の酸基を有
する化合物。
【0187】特開平2−18542号公報第2頁左下1
3行目から同公報第3頁右上7行目に記載の導電性物
質。具体的には、同公報第2頁右下2行目から同頁右下
10行目に記載の金属酸化物、および同公報に記載の化
合物P−1〜P−7の導電性高分子化合物。
【0188】特開平2−103536号公報第17頁右
下1行目から同頁右上18行目に記載の水溶性染料。
【0189】特開平09−179243号記載の一般式
(FA)、一般式(FA1)、一般式(FA2)、一般
式(FA3)で表される固体分散染料。具体的には同公
報記載の化合物F1〜F34、特開平7−152112
号記載の(II−2)〜(II−24)、特開平7−152
112号記載の(III−5)〜(III−18)、特開平7−
152112号記載の(IV−2)〜(IV−7)。
【0190】特開平2−294638号公報及び特開平
5−11382号に記載の固体分散染料。
【0191】特開平2−12236号公報第9頁右上7
行目から同頁右下3行目に記載の界面活性剤、特開平2
−103536号公報第18頁左下4行目から同頁左下
7行目に記載のPEC系界面活性剤。特開平3−399
48号公報第12頁左下6行目から同公報第13頁右下
5行目に記載の含弗素界面活性剤。具体的には、同公報
に記載の化合物IV−1〜VI−15の化合物。
【0192】特開平5−274816号公報に記載の酸
化されることにより現像抑制剤を放出しうるレドックス
化合物。好ましくは同公報に記載の一般式(R−1)、
一般式(R−2)、一般式(R−3)で表されるレドッ
クス化合物。具体的には、同公報に記載の化合物R−1
〜R−68の化合物。
【0193】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の露光
方法について説明する。写真像を得るための露光は通常
の方法を用いて行なえばよい。すなわち自然光(日
光)、タングステン電灯、蛍光灯、水銀灯、キセノンア
ーク灯、炭素アーク灯、キセノンフラッシュ灯、レーザ
ー、LED、CRTなど公知の多種の光源をいずれでも
用いることができる。また、電子線、X線、γ(ガン
マ)線、α(アルファ)線などによって励起された蛍光
体から放出する光によって露光されてもよい。特に各種
スキャナー、イメージセッターや製版カメラの光源が好
ましく用いられる。
【0194】特に本発明においては、レーザー光源が好
ましく用いられる。レーザー光には、レーザー発振媒体
としてヘリウム−ネオンガス、アルゴンガス、クリプト
ンガス、二酸化炭素ガスなどを利用したもの、またルビ
ー、カドミウムなどの固体を発振媒体としたレーザー、
その他液体レーザー、半導体レーザーなどがあり、これ
らのうち比較的長寿命で且つ安価なヘリウム−ネオンレ
ーザーが最も普及している。これらのレーザー光は、通
常の照明などに用いられている光と異なり、単一周波数
で位相のそろった鋭い方向性を有するコヒーレントな光
であることから、それらを光源として露光するためのハ
ロゲン化銀写真感光材料は、使用するレーザーの発光波
長に合致した分光特性を有することを必要とする。
【0195】好ましくは、620nm〜690nmに発
振波長を有するレーザー光源によって露光する場合であ
り、更に好ましくは該レーザー光源が少なくとも2〜5
のレーザー光源から選ばれた場合であり、特に好ましく
は、該レーザー光源が、He−Neレーザー、および6
70nm±10nmに発振波長を有する半導体レーザー
を含む少なくとも2〜5(特に好ましくは2)のレーザ
ー光源から選ばれた場合である。
【0196】本発明はグラフィックアーツ(網点画像に
よる連続階調の画像の再生あるいは線画像の再生を良好
ならしめるために、超硬調(特にγが10以上)の写真
性を示す画像形成システム)において用いることができ
る。以下に記載の感光材料に本発明は好ましく適用され
る。良好な保存安定性を有する処理液で現像し、超硬調
な写真特性が得られる画像形成システムとして米国特許
第4,166,742号、同第4,168,977号、
同第4,221,857号、同第4,224,401
号、同第4,243,739号、同第4,272,60
6号、同第4,311,781号にみられるように特定
のアシルヒドラジン化合物を添加した表面潜像型ハロゲ
ン化銀写真感光材料を、亜硫酸保恒剤を0.15モル/
リットル以上含むpH11.0〜12.3の現像液で処
理して、γが10を超える超硬調のネガ画像を形成する
システムが提案されている。この新しい画像形成システ
ムには、従来の超硬調画像形成システムでは塩化銀含有
率の高い塩臭化銀しか使用できなかったのに対して、沃
臭化銀や沃塩臭化銀でも使用できるという特徴がある。
また、従来のリス現像液が極微量の亜硫酸保恒剤しか含
有できなかったのに対して、多量の亜硫酸保恒剤を含有
できるため、比較的保存安定性が良いという点も特徴で
ある。
【0197】欧州特許出願公開第0208514号、特
開昭61−223734号、同63−46437号には
2種類のハロゲン化銀粒子を含有し、ヒドラジン誘導体
を含有する高コントラスト材料が記載されている。
【0198】特開平4−331951号公報の特許請求
の範囲には、ヒドラジン誘導体を含有し、他のハロゲン
化銀粒子に比較して、ハロゲン化銀粒子の表面積当たり
高濃度で色増感されたハロゲン化銀粒子を特徴とする高
コントラスト感光材料が記載されている。また、英国特
許出願公開第9407599号公報の特許請求の範囲に
は、非脱着性増感色素で分光増感されたハロゲン化銀粒
子及び分光増感されていないハロゲン化銀粒子を含み、
ヒドラジン誘導体を含有する高コントラスト感光材料が
記載されている。どちらの場合も、ヒドラジン誘導体の
存在のため、像様露光及び現像によって、分光増感され
感光性粒子と分光増感されない非感光性粒子が生成され
る銀画像に寄与し、高感度で、高濃度を維持したまま、
増感色素の節約や残色の改良の効果がある。
【0199】本発明にに用いられる写真乳剤の調製法等
については特開平10−239789号の第63欄36
行〜第65欄2行等が適用できる。また、カラ−カプラ
−等の添加剤、写真感光材料への添加剤等、本発明が適
用さる感光材料の種類、感光材料の処理等については特
開平10−239789号の第65欄3行〜第73欄1
3行等が適用できる。
【0200】本発明に関する感光材料には、前記の種々
の添加剤が用いられるが、それ以外にも目的に応じて種
々の添加剤を用いることができる。これらの添加剤は、
より詳しくはリサーチディスクロージャー Item 176
43(1978年12月)、同 Item 18716(19
79年11月)および同 Item 308119(1989
年12月)に記載されており、その該当個所を後掲の表
にまとめて示した。
【0201】 添加剤種類 RD17643 RD18716 RD308119 1 化学増感剤 23頁 648頁右欄 996頁 2 感度上昇剤 同 上 3 分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄〜 996右〜 998右 強色増感剤 649頁右欄 4 増 白 剤 24頁 998右 5 カブリ防止剤 24〜25頁 649頁右欄 998右〜1000右 および安定剤 6 光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄〜 1003左〜1003右 フィルター染料 650頁左欄 紫外線吸収剤 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650左〜右欄 1002右 8 色素画像安定剤 25頁 1002右 9 硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 1004右〜1005左 10 バインダー 26頁 同 上 1003右〜1004右 11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 1006左〜1006右 12 塗布助剤、 26〜27頁 同 上 1005左〜1006左 表面活性剤 13 スタチック 27頁 同 上 1006右〜1007左 防止剤 14 マット剤 1008左〜1009左。
【0202】本発明の乳剤ならびにその乳剤を用いた写
真感光材料に使用することができる層配列等の技術、ハ
ロゲン化銀乳剤、色素形成カプラー、DIRカプラー等
の機能性カプラー、各種の添加剤等、及び現像処理につ
いては、欧州特許第0565096A1号(1993年
10月13日公開)及びこれに引用された特許に記載さ
れている。以下に各項目とこれに対応する記載個所を列
記する。
【0203】1.層構成:61頁23〜35行、61頁
41行〜62頁14行 2.中間層:61頁36〜40行、 3.重層効果付与層:62頁15〜18行、 4.ハロゲン化銀ハロゲン組成:62頁21〜25行、 5.ハロゲン化銀粒子晶癖:62頁26〜30行、 6.ハロゲン化銀粒子サイズ:62頁31〜34行、 7.乳剤製造法:62頁35〜40行、 8.ハロゲン化銀粒子サイズ分布:62頁41〜42
行、 9.平板粒子:62頁43〜46行、 10.粒子の内部構造:62頁47行〜53行、 11.乳剤の潜像形成タイプ:62頁54行〜63頁5
行、 12.乳剤の物理熟成・化学増感:63頁6〜9行、 13.乳剤の混合使用:63頁10〜13行、 14.かぶらせ乳剤:63頁14〜31行、 15.非感光性乳剤:63頁32〜43行、 16.塗布銀量:63頁49〜50行、
【0204】17. ホルムアルデヒドスカベンジャー:6
4頁54〜57行、 18.メルカプト系カブリ防止剤:65頁1〜2行、 19.かぶらせ剤等放出剤:65頁3〜7行、 20.色素:65頁7〜10行、 21.カラーカプラー全般:65頁11〜13行、 22.イエロー、マゼンタ及びシアンカプラー:65頁1
4〜25行、 23.ポリマーカプラー:65頁26〜28行、 24.拡散性色素形成カプラー:65頁29〜31行、 25.カラードカプラー:65頁32〜38行、 26.機能性カプラー全般:65頁39〜44行、 27.漂白促進剤放出カプラー:65頁45〜48行、 28.現像促進剤放出カプラー:65頁49〜53行、 29.その他のDIRカプラー:65頁54行〜66頁4
行、 30.カプラー分散方法:66頁5〜28行、 31.防腐剤・防かび剤:66頁29〜33行、 32.感材の種類:66頁34〜36行、 33.感光層膜厚と膨潤速度:66頁40行〜67頁1
行、 34.バック層:67頁3〜8行、 35.現像処理全般:67頁9〜11行、 36.現像液と現像薬:67頁12〜30行、 37.現像液添加剤:67頁31〜44行、 38.反転処理:67頁45〜56行、 39.処理液開口率:67頁57行〜68頁12行、 40.現像時間:68頁13〜15行、 41.漂白定着、漂白、定着:68頁16行〜69頁31
行、 42.自動現像機:69頁32〜40行、 43.水洗、リンス、安定化:69頁41行〜70頁18
行、 44.処理液補充、再使用:70頁19〜23行、 45.現像薬感材内蔵:70頁24〜33行、 46.現像処理温度:70頁34〜38行、 47.レンズ付フィルムへの利用:70頁39〜41行。
【0205】次に、本発明で特に好ましく用いることが
できる熱現像感光材料について説明する。有機銀塩を利
用した熱画像形成システムが、例えば、米国特許315
2904号、同3457075号の各明細書およびD.
クロスタボーア(Klosterboer) 著「熱によって処理され
る銀システム(Thermally Processed Silver Systems)」
(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアル
ズ(Imaging Processes and Materials)Neblette 第8
版、J.スタージ(Sturge)、V.ウオールワース(Walwort
h)、A.シェップ(Shepp) 編集、第9章、第279頁、1
989年)に記載されてる。特に、熱現像感光材料は、
一般に、触媒活性量の光触媒(例えば、ハロゲン化
銀)、還元剤、還元可能な銀塩(例えば、有機銀塩)、
必要により銀の色調を制御する色調剤を、バインダーの
マトリックス中に分散した感光性層を有している。熱現
像感光材料は、画像露光後、高温(例えば80℃以上)
に加熱し、還元可能な銀塩(酸化剤として機能する)と
還元剤との間の酸化還元反応により、黒色の銀画像を形
成する。酸化還元反応は、露光で発生したハロゲン化銀
の潜像の触媒作用により促進される。そのため、黒色の
銀画像は、露光領域に形成される。米国特許2910377
号、特公昭43-4924 号をはじめとする多くの文献に開示
されている。
【0206】本発明において好ましく用いることができ
る熱現像感光材料の説明、および用いることができる技
術は、EP803764A1号、EP883022A1号、WO98/36322号、特
開昭56-62648号、同58-62644号、特開平9-281637号、同
9-297367号、同9-304869号、同9-311405号、同9-329865
号、同10-10669号、同10-62899号、同10-69023号、同10
-186568 号、同10-90823号、同10-171063 号、同10-186
565 号、同10-186567号、同10-186569 号〜同10-186572
号、同10-197974 号、同10-197982 号、同10-197983
号、同10-197985 号〜同10-197987 号、同10-207001
号、同10-207004号、同10-221807 号、同10-282601
号、同10-288823 号、同10-288824 号、同10-307365
号、同10-312038 号、同10-339934 号、同11-7100 号、
同11-15105号、同11-24200号、同11-24201号、同11-308
32号、同11-84574号、同11-65021号、同11-109547 号、
同11-125880 号、同11-129629 号、同11-133536 号〜同
11-133539 号、同11-133542 号、同11-133543 号、同11
-223898 号、同11-352627 号に挙げられており、これら
を参照することができる。
【0207】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明がこれらによって限定されるものではな
い。
【0208】 実施例1 乳剤Aの調整 1液 水 750ml ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 3g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg クエン酸 0.7g 2液 水 300ml 硝酸銀 150g 3液 水 300ml 塩化ナトリウム 38g 臭化カリウム 32g ヘキサクロロイリジウム(III) 酸カリウム(0.005% KCl 20%水溶液)5ml ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム(0.001% NaCl 20%水溶液) 7ml 3液に用いるヘキサクロロイリジウム(III) 酸カリウム
(0.005% KCl 20%水溶液)およびヘキサクロロロジウム
酸アンモニウム(0.001% NaCl 20%水溶液) は、粉末を
それぞれKCl 20%水溶液、NaCl 20%水溶液に溶解し、40
℃で120 分間加熱して調製した。
【0209】38℃、pH4.5に保たれた1液に、2
液と3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時
に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形
成した。続いて下記4液、5液を8分間にわたって加
え、さらに、2液と3液の残りの10%の量を2分間に
わたって加え、0.21μmまで成長させた。さらに、
ヨウ化カリウム0.15gを加え5分間熟成し粒子形成
を終了した。 4液 水 100ml 硝酸銀 50g 5液 水 100ml 塩化ナトリウム 13g 臭化カリウム 11g 黄血塩 5mg
【0210】その後、常法にしたがってフロキュレーシ
ョン法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に
下げ、アニオン性沈降剤を加え、硫酸を用いてハロゲン
化銀が沈降するまでpHを下げた。(pH 3.2±0.
2の範囲であった)次に上澄み液を約3リットル除去し
た(第一水洗)。さらに3リットルの蒸留水を加えてか
ら、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度上
澄み液を3リットル除去した(第二水洗)。第二水洗と
同じ操作をさらに1回繰り返し(第三水洗)て水洗・脱
塩行程を終了した。水洗・脱塩後の乳剤にゼラチン45
gを加え、pH5.6 、pAg7.5に調整し、ベンゼンチオスル
ホン酸ナトリウム10mg、ベンゼンチオスルフィン酸ナ
トリウム3mg、チオ硫酸ナトリウム15mgと塩化金酸1
0mgを加え55℃にて最適感度を得るように化学増感を
施し、安定剤として1,3,3a,7-テトラアザインデン10
0mg、防腐剤としてプロキセル(商品名、ICI C
o.,Ltd.製)100mgを加えた。最終的に塩化銀
を70モル%、沃化銀を0.08モル%含む平均粒子径0.
22μm、変動係数9%のヨウ塩臭化銀立方体粒子乳剤
を得た。(最終的に乳剤として、pH=5.7、pAg
=7.5、電導度=40μS/m、密度=1.2x10
3 kg/m3 、粘度=50mPa・sとなった。)
【0211】 乳剤Bの調整 1液 水 750ml ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 1g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg クエン酸 0.7g 2液 水 300ml 硝酸銀 150g 3液 水 300ml 塩化ナトリウム 38g 臭化カリウム 32g ヘキサクロロイリジウム(III) 酸カリウム(0.005% KCl 20%水溶液)5ml ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム(0.001% NaCl 20%水溶液)15ml 3液に用いるヘキサクロロイリジウム(III) 酸カリウム
(0.005% KCl 20%水溶液)およびヘキサクロロロジウム
酸アンモニウム(0.001% NaCl 20%水溶液)は、粉末を
それぞれKCl 20%水溶液、NaCl 20%水溶液に溶解し、40
℃で120 分間加熱して調製した。
【0212】38℃、pH4.5に保たれた1液に、2
液と3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時
に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形
成した。その後、1,3,3a,7- テトラアザインデン500
mgを加え、続いて下記4液、5液を8分間にわたって加
え、さらに、2液と3液の残りの10%の量を2分間に
わたって加え、0.18μmまで成長させた。さらに、
ヨウ化カリウム0.15gを加え5分間熟成し粒子形成
を終了した。 4液 水 100ml 硝酸銀 50g 5液 水 100ml 塩化ナトリウム 13g 臭化カリウム 11g 黄血塩 2mg
【0213】その後、常法にしたがってフロキュレーシ
ョン法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に
下げ、アニオン性沈降剤を加え、硫酸を用いてハロゲン
化銀が沈降するまでpHを下げた。(pH 3.2±0.
2の範囲であった)次に上澄み液を約3リットル除去し
た(第一水洗)。さらに3リットルの蒸留水を加えてか
ら、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度上
澄み液を3リットル除去した(第二水洗)。第二水洗と
同じ操作をさらに1回繰り返し(第三水洗)て水洗・脱
塩行程を終了した。水洗・脱塩後の乳剤にゼラチン45
gを加え、pH5.6、pAg7.5に調整し、ベンゼンチオスル
ホン酸ナトリウム10mg、ベンゼンチオスルフィン酸ナ
トリウム3mg、トリフェニルホスフィンセレニド2mg、
塩化金酸1mgを加え55℃にて最適感度を得るように化
学増感を施し、安定剤として1,3,3a,7- テトラアザイン
デン100mg、防腐剤としてプロキセル100mgを加え
た。最終的に塩化銀を70モル%、沃化銀を0.08モル%
含む平均粒子径0.18μm、変動係数10%のヨウ塩
臭化銀立方体粒子乳剤を得た。(最終的に乳剤として、
pH=5.7、pAg=7.5、電導度=40μS/
m、密度=1.2x103kg/ m3 、粘度=50mP
a・sとなった。)
【0214】 非感光性ハロゲン化銀粒子の調整 1液 水 1リットル ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 3.0g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20 mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 8 mg 2液 水 400ml 硝酸銀 100g 3液 水 400ml 塩化ナトリウム 13.5g 臭化カリウム 45.0g ヘキサクロロジウム(III) 酸カリウム(0.001%水溶液) 860ml
【0215】70℃、pH4.5に保たれた1液と2液
と3液を攪拌しながら同時に15分間にわたって加え、
核粒子を形成した。続いて下記4液、5液を15分間に
わたって加えた。さらにヨウ化カリウム0.15gを加
え粒子形成を終了した。 4液 水 400ml 硝酸銀 100g 5液 水 400ml 塩化ナトリウム 13.5g 臭化カリウム 45.0g
【0216】その後、常法にしたがってフロキュレーシ
ョン法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に
下げ、アニオン性沈降剤を加え、硫酸を用いてハロゲン
化銀が沈降するまでpHを下げた(pH 3.2±0.
2の範囲であった)。次に上澄み液を約3リットル除去
した(第一水洗)。さらに3リットルの蒸留水を加えて
から、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度
上澄み液を3リットル除去した(第二水洗)。第二水洗
と同じ操作をさらに1回繰り返し(第三水洗)て水洗・
脱塩行程を終了した。水洗・脱塩後の乳剤にゼラチン4
5gを加え、pH5.7、pAgを7.5に調整し、防
腐剤として、フェノキシエタノールを加え、最終的に平
均塩化銀を30モル%、沃化銀を0.08モル%含む、
平均粒子径0.45μm 、変動係数10%の未後熟ヨウ
塩臭化銀立方体乳粒子の分散物を得た。(最終的に乳
剤として、pH=5.7、pAg=7.5、電導度=4
0μS/ m、密度=1.3×103 kg/ m3 、粘度=
50mPa・sとなった。)
【0217】塗布試料の作成 下記に示す両面が塩化ビニリデンを含む防湿層下塗りか
らなるポリエチレンテレフタレートフィルム支持体上
に、UL層/乳剤層/保護層下層/保護層上層保護層の
構成となるように塗布して試料を作成した。以下に各層
の調製方法、塗布量および塗布方法を示す。 <乳剤層>乳剤Bに、表1に示す本発明の増感色素、及
び、比較の増感色素を5.7 ×10-4モル/モルAgを加え
て分光増感を施した。さらにKBr3.4 ×10-4モル/モ
ルAg、化合物(Cpd-1)3.2 ×10-4モル/モルAg、化
合物(Cpd-2)8.0 ×10-4モル/モルAgを加え、乳剤A
を乳剤Bに対してAg量で1/2量となる量添加し、良
く混合した。次いで、1,3,3a,7- テトラアザインデン1.
2 ×10-4モル/モルAg、ハイドロキノン1.2 ×10-2
ル/モルAg、クエン酸3.0 ×10-4モル/モルAg、ヒ
ドラジン系造核剤(Cpd-3)を1.5 ×10-4モル/モルA
g、造核促進剤(Cpd-4)を6.0 ×10-4モル/モルAg、
2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-1,3,5- トリアジンナトリ
ウム塩を90mg/m2 、ゼラチンに対して30wt%の粒径
10μmのコロイダルシリカ、水性ラテックス(Cpd-5)
を100mg/m2、ポリエチルアクリレートラテックスを150m
g/m2、メチルアクリレートと2-アクリルアミド-2-メチ
ルプロパンスルホン酸ナトリウム塩と2-アセトキシエチ
ルメタクリレートのラテックス共重合体(重量比88:
5:7)を150mg/m2、コアシェル型ラテックス(コア:
スチレン/ブタジエン共重合体(重量比37/63)、
シェル:スチレン/2-アセトキシエチルアクリレート
(重量比84/16)、コア/シェル比=50/50)
を150mg/m2、ゼラチンに対し4wt%の化合物(Cpd-6)
を添加し、クエン酸を用いて塗布液pHを5.6 に調整し
た。このようにして調製した乳剤層塗布液を下記支持体
上にAg3.4g/m2、ゼラチン1.5g/m2になるよ
うに塗布した。 <保護層上層> ゼラチン 0.3g/m2 平均3.5μm の不定形シリカマット剤 25mg/m2 化合物(Cpd-7) (ゼラチン分散物) 20mg/m2 粒径10〜20μm のコロイダルシリカ(日産化学製スノーテックスC) 30mg/m2 化合物(Cpd-8) 50mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 化合物(cpd-9) 20mg/m2 防腐剤(プロキセル) 1.0mg/m2 <保護層下層> ゼラチン 0.5g/m2 非感光性ハロゲン化銀粒子 Ag量として0.1g/m2 化合物(Cpd-10) 15mg/m2 1,5−ジヒドロキシ−2−ベンズアルドキシム 10mg/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 150mg/m2 化合物(Cpd-17) 3mg/m2 防腐剤(プロキセル) 1.5mg/m2 <UL層> ゼラチン 0.5g/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 150mg/m2 化合物(Cpd-6) 40mg/m2 化合物(Cpd-11) 10mg/m2 防腐剤(プロキセル) 1.5mg/m2
【0218】<支持体>なお、使用した支持体(二軸延
伸したポリエチレンテレフタレート支持体(厚味100
μm))は下記組成のバック層及び導電層を有する。 <バック層> ゼラチン 3.3g/m2 化合物(Cpd-12) 40mg/m2 化合物(Cpd-13) 20mg/m2 化合物(Cpd-14) 90mg/m2 化合物(Cpd-15) 40mg/m2 化合物(Cpd-16) 26mg/m2 1,3−ジビニルスルホニル−2−プロパノール 60mg/m2 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径6.5μm ) 30mg/m2 流動パラフィン 78mg/m2 化合物(Cpd-6) 120mg/m2 硝酸カルシウム 20mg/m2 防腐剤(プロキセル) 12mg/m2 <導電層> ゼラチン 0.1g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 SnO2 /Sb(9/1重量比、平均粒子径0.25μ) 200mg/m2 防腐剤(プロキセル) 0.3mg/m2
【0219】
【化17】
【0220】
【化18】
【0221】
【化19】
【0222】
【化20】
【0223】
【化21】
【0224】<塗布方法>上記下塗層を施した支持体上
に、まず乳剤面側として支持体に近い側よりUL層、乳
剤層、保護層下層、保護層上層の順に4層を、35℃に
保ちながらスライドビードコーター方式により硬膜剤液
を加えながら同時重層塗布し、冷風セットゾーン(5
℃)を通過させた後、乳剤面とは反対側に支持体に近い
側より、導電層、バック層の順に、カーテンコーター方
式により硬膜剤液を加えながら同時重層塗布し、冷風セ
ットゾーン(5℃)を通過させた。各々のセットゾーン
を通過した時点では、塗布液は充分なセット性を示し
た。引き続き乾燥ゾーンにて両面を同時に下記乾燥条件
にて乾燥した。なお、バック面側を塗布した後、巻き取
りまではローラー、その他には一切無接触の状態で搬送
した。この時の塗布速度は200m/min であった。
【0225】<乾燥条件>セット後、水/ゼラチンの重
量比が800%となるまで30℃の乾燥風で乾燥し、8
00〜200%を35℃30%の乾燥風で乾燥させ、そ
のまま風を当て、表面温度34℃となった時点(乾燥終
了と見なす)より30秒後に、48℃2%の空気で1分
間乾燥した。この時、乾燥時間は乾燥開始〜水/ゼラチ
ン比800%までが50秒、800〜200%までが3
5秒、200%〜乾燥終了までが5秒である。
【0226】この感材を25℃55%で巻き取り、次い
で同環境下で裁断し、6時間調湿したバリアー袋に、2
5℃50%で8時間調湿した後、25℃50%で2時間
調湿してある厚紙と共に密閉し、表1に示す試料を作成
した。
【0227】
【表1】
【0228】バリアー袋内の湿度を測定したら45%で
あった。また、得られた試料の乳剤層側の膜面pHは
5.5〜5.8、バック側の膜面pHは6.0〜6.5
であった。
【0229】[感度の変動幅の評価]表1の試料につい
て、同一の感材を同様な方法で10回作成し、ステップ
ウエッジを通し発光時間10-5秒のキセノンフラッシュ
光で露光し、富士写真フィルム製自動現像処理機FG9
601Sに現像液ND−1(母液2:水1)35℃、3
0" 、定着液NF−1(母液1:水2)34℃、水洗水
(水温25℃)を満たして、処理し、センシメトリー評
価を行った。濃度4.0を与える露光量の逆数を感度と
し、各々の試料の感度の平均値を100としたときの感
度の変動幅を%で示した。 <感度の変動幅の結果>その結果、本発明の増感色素は
比較の増感色素に比べて感度の変動幅が少なく、特異的
に優れていることが分かった。また、試料1〜3と試料
4〜6は添加溶剤を水からメタノールに変えているが、
本発明の色素は比較色素に比べて、感度の変動幅が少な
く特異的に優れていることが分かった。このように、本
発明の色素、及び/又は製造方法を使用すると、乳剤・
感材の製造ロットによる感度などの品質のバラツキが少
なく、特異的に優れていることを見出した。 [染着の評価]染着とはフィルム感材の処理後にペーパ
ー感材を処理した時に、フィルムから自動現像処理機の
搬送ローラーに転写した色素などがペーパーに付く故障
である。実験手順は、富士写真フィルム製自動現像処理
機FG9601Sに現像液ND−1(母液2:水1)3
5℃、30" 、定着液NF−1(母液1:水2)34
℃、水洗水(水温5℃)を満たし、上記で得られた試料
を用いて、大全サイズ(50.8cm×61cm)あた
り使用液50cc補充しながら大全サイズ1枚ずつを1
分間隔で3枚処理し、その10分後に同社製スキャナペ
ーパーPR−H100WPを同様に大全サイズ1枚ずつ
を1分間隔で3枚処理する。それを3サイクル行い、処
理済みペーパーの乳剤面及びバック面の全面及び先端部
の着色を比較確認する。
【0230】得られた試料の染着を5段階評価で評価
(5は発生が最も無く良い、1は発生が最も有り悪い)
して表1の1〜7に示した。 <染着の結果>その結果、本発明の増感色素は比較の増
感色素に比べて染着の発生が少なく、特異的に優れてい
ることが分かった。また、試料1〜3と試料4〜6は添
加溶剤を水からメタノールに変えているが、本発明の色
素は比較色素に比べて、染着が少なく特異的に優れてい
ることが分かった。このように、本発明の色素、及び/
又は製造方法を使用すると、染着が少なく、特異的に優
れていることを見出した。 [色素の溶解性向上の結果]表1の試料10〜15にお
いて、比較試料10、12、14は、比較色素の添加溶
媒のメタノールへの溶解度が低いため、溶解度の高い本
発明の色素の添加溶媒の2倍の溶媒量が必要であった。
このように、本発明の色素、及び/又は製造方法を使用
すると、添加溶媒の使用量を削減できる点で優れている
ことを見出した。また、本発明の色素は、溶液中で経時
した際の色素濃度低下が少ない点も優れている。
【0231】実施例2 下記に示す方法で乳剤0、1、2、3を調製した。 (0)乳剤0の調製 反応容器中に水1000ml、脱イオン化した骨ゼラチ
ン25g、50%のNH4 NO3 水溶液15mlおよび
25%のNH3 水溶液7.5ml を加えて50℃に保
ち、良く攪拌し、1Nの硝酸銀水溶液750mlと、1
mol/1の臭化カリウム水溶液を50分で添加し、反
応中の銀電位を−40mVに保った。得られた臭化銀粒
子は八面体で、球相当径が0.846±0.036μm
であった。これを乳剤0とした。乳剤0を通常のフロキ
ュレーション法により脱塩後、銀1molに対して2.
8×10-4 molの増感色素をメタノール溶液の状態で添
加し、その存在下で金・硫黄・セレン増感を最適に行っ
た。 (1)乳剤1の調製 平均分子量15000のゼラチンを含む水溶液(水12
00ml、ゼラチン7.0g、KBr4.5gを含む)を
30℃に保って攪拌しながら、1.9MAgNO3 水溶
液と1.9MKBr水溶液を25ml/minで70秒間のダ
ブルジェット法により添加して平板状粒子の核を得た。
この乳剤の内400mlを種晶とし、これに不活性ゼラチ
ン水溶液650ml(ゼラチン20g、KBr1.2gを
含む)を添加して75℃に昇温し、40分間熟成した。
そしてAgNO3 水溶液(AgNO3 1.7gを含む)
を1分30秒間かけて添加し、続いてNH4 NO3 (5
0wt%)水溶液7.0mlとNH3 (25wt%)7.
0mlを添加し、さらに40分間熟成した。
【0232】次に乳剤をHNO3 (3N)でpH7にし
てKBr1.0gを添加した後、1.9MAgNO3
溶液366.5mlとKBr水溶液を、続いて1.9MA
gNO3 水溶液53.6mlとKBr(KIを33.3mo
l %含む)水溶液を、そして1.9MAgNO3 水溶液
160.5mlとKBr水溶液をpAgを7.9に保ちな
がら添加して、乳剤1を得た。
【0233】得られた乳剤1は、中間殻に沃化銀含有率
が最も高い領域を有する三重構造粒子であり、アスペク
ト比の平均が2.8であり、アスペクト比3以上の平板
状粒子の全投影面積に占める割合は26%であった。粒
子サイズの変動係数は7%であり、粒子サイズの平均は
球相当径で0.98μmであった。
【0234】乳剤1を通常のフロキュレーション法によ
り脱塩後、銀1mol に対して4.1×10-4molの増感
色素をメタノール溶液の状態で添加し、その存在下で金
・硫黄・セレン増感を最適に行った。
【0235】(2)乳剤2の調製 平均分子量15000のゼラチンを含む水溶液(水12
00ml、ゼラチン7.0g、KBr4.5gを含む)を
30℃に保って攪拌しながら、1.9MAgNO3 水溶
液と1.9MKBr水溶液を25ml/minで70秒間のダ
ブルジェット法により添加して平板状粒子の核を得た。
この乳剤の内350mlを種晶とし、これに不活性ゼラチ
ン水溶液650ml(ゼラチン20g、KBr1.2gを
含む)を添加して75℃に昇温し、40分間熟成した。
そしてAgNO3 水溶液(AgNO3 1.7gを含む)
を1分30秒間かけて添加し、続いてNH4 NO3 (5
0wt%)水溶液6.2mlとNH3 (25wt%)6.
2mlを添加し、さらに40分間熟成した。
【0236】次に乳剤をHNO3 (3N)でpH7にし
てKBr1.0gを添加した後、1.9MAgNO3
溶液366.5mlとKBr水溶液を、続いて1.9MA
gNO3 水溶液53.6mlとKBr(KIを33.3mo
l %含む)水溶液を、そして1.9MAgNO3 水溶液
160.5mlとKBr水溶液をpAgを8.3に保ちな
がら添加して、乳剤2を得た。
【0237】得られた乳剤2は、中間殻に沃化銀含有率
が最も高い領域を有する三重構造粒子であり、アスペク
ト比の平均が6.7であり、アスペクト比6以上の平板
状粒子の全投影面積に占める割合は80%、アスペクト
比3以上100以下の平板状粒子の全投影面積に占める
割合は95%であった。粒子サイズの変動係数は11%
であり、粒子サイズの平均は球相当径で1.00μmで
あった。
【0238】乳剤2を通常のフロキュレーション法によ
り脱塩後、銀1mol に対して5.4×10-4mol の増感
色素をメタノール溶液の状態で添加し、その存在下で金
・硫黄・セレン増感を最適に行った。
【0239】(3)乳剤3の調製 0.05モルの臭化カリウムを有する0.8%低分子量
(分子量1万)ゼラチン溶液1.5リットルに攪拌しな
がらダブルジェット法で0.5Mの硝酸銀溶液と、同じ
く0.5M の臭化カリウム溶液とを15cc、15秒間添
加する。この間、ゼラチン溶液は40℃に保たれた。こ
の時、ゼラチン溶液のpH は5.0であった。添加後、
75℃に昇温した。10%のトリメリット化ゼラチン(ト
リメリット化率95%)溶液220ccが添加された
後、乳剤を20分間熟成した。その後、0.47M の硝酸
銀溶液を80cc添加した。さらに、10分熟成した後、
60分間に150gの硝酸銀と、pBrを2.55に保つよ
うにヨウ化カリウムを5モル%含む臭化カリウム溶液が
加速された流量で(終了時の流量が開始時の流量の19
倍)コントロールダブルジェット法で0mVに保たれて
添加された。添加終了後、10%KI溶液を30cc添加
した。その後、1N NaOH を添加して乳剤のpH を7.
2にした後、0.5M の硝酸銀溶液327ccと黄血塩
の10-2M 溶液を16.4cc添加し、0.5M の臭化
カリウム溶液327ccを、20分間で電位0mVでコン
トロールダブルジェット法で添加した。(シェル形成)
その後、乳剤を35℃まで冷却し、通常のフロキュレイ
ション法で水洗し、40℃にて脱イオンされたアルカリ
処理骨ゼラチン80gと2%Zn(NO3)2を40cc添加
し、溶解しpH を6.5、pAgを8.6に調製後、冷暗
所に保存した。
【0240】この平板粒子は、その投影面積円相当直径
(以後、円相当径と言う)の変動係数が15%で、円相
当径は2.5μm、平均の厚みは0.10μmであり
(アスペクト比25)、ヨウ化銀を5.7モル%含むヨ
ウ臭化銀であった。
【0241】乳剤3を通常のフロキュレーション法によ
り脱塩後、銀1mol に対して9.3×10-4mol の増感
色素をメタノール溶液の状態で添加し、その存在下でチ
オ硫酸ナトリウムと塩化金酸カリウムとチオシアン酸カ
リウムで60℃で最適に化学増感した。
【0242】(4)塗布試料の作製 下塗り層を設けてあるトリアセチルセルロースフィルム
支持体に、表2に示すような乳剤層および保護層を塗布
し、試料を作成した。
【0243】
【表2】
【0244】各試料に使用した乳剤および増感色素と各
試料を後掲の表3に示す。表3の試料については、同一
の試料を同様な方法で10回作成し、これらの試料にセ
ンシトメトリー用露光(1/100秒)を与え、下記の
カラー現像処理を行った。
【0245】 処 理 方 法 工程 処理時間 処理温度 補 充 量 タンク容量 発色現像 2分45秒 38℃ 33ml 20リットル 漂 白 6分30秒 38℃ 25ml 40リットル 水 洗 2分10秒 24℃ 1200ml 20リットル 定 着 4分20秒 38℃ 25ml 30リットル 水洗(1) 1分05秒 24℃ (2) から(1) へ 10リットル の向流配管方式 水洗(2) 1分00秒 24℃ 1200ml 10リットル 安 定 1分05秒 38℃ 25ml 10リットル 乾 燥 4分20秒 55℃ 補充量は35mm巾1m長さ当たり 次に、処理液の組成を記す。 (発色現像液) 母液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1.1 1−ヒドロキシエチリデン−1,1 −ジホスホン酸 3.0 3.2 亜硫酸ナトリウム 4.0 4.4 炭酸カリウム 30.0 37.0 臭化カリウム 1.4 0.7 ヨウ化カリウム 1.5 mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 2.8 4−〔N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルア ミノ〕−2−メチルアニリン硫酸塩 4.5 5.5 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH 10.05 10.05 (漂白液) 母液(g) 補充液(g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄ナトリウム三水塩 100.0 120.0 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0 11.0 臭化アンモニウム 140.0 160.0 硝酸アンモニウム 30.0 35.0 アンモニア水(27%) 6.5ml 4.0ml 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH 6.0 5.7 (定着液) 母液(g) 補充液(g) エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 0.5 0.7 亜硫酸ナトリウム 7.0 8.0 重亜硫酸ナトリウム 5.0 5.5 チオ硫酸アンモニウム水溶液(70%) 170.0ml 200.0ml 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 6.7 6.6 (安定液) 母液(g) 補充液(g) ホルマリン(37%) 2.0ml 3.0ml ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニル エーテル(平均重合度10) 0.3 0.45 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 0.08 水を加えて 1.0リットル 1.0 リットル pH 5.8−8.0 5.8 −8.0
【0246】処理済みの試料を緑色フィルターで濃度測
定し、フレッシュ感度を評価した。感度は被り濃度より
0.2高い濃度を与える露光量の逆数で定義し、各々の
試料の感度の平均値を100としたときの感度の変動幅
を%で示した。 <感度の変動幅の結果>感度の変動幅の結果を表3に示
す。
【0247】
【表3】
【0248】本発明の増感色素は比較の増感色素に比べ
て感度の変動幅が少なく、特異的に優れていることが分
かった。また、八面体粒子の乳剤0から、平板粒子の乳
剤1、乳剤2、乳剤3とアスペクト比が高くなると、比
較色素の感度の変動幅はほとんど変わらないのに対し
て、本発明の色素では顕著に変動幅が少なくなることが
分かった。また、平板粒子のアスペクト比は3以上、さ
らに8以上が特に優れている。このように、本発明の色
素、及び/又は製造方法を使用すると、乳剤・感材の製
造ロットによる感度などの品質のバラツキが少なく、特
異的に優れていることを見出した。 実施例3 《PET 支持体の作成》テレフタル酸とエチレングリコ−
ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/テ
トラクロルエタン=6/4(重量比)中25℃で測定)のPET
を得た。これをペレット化した後130 ℃で4 時間乾燥し
た後、300 ℃で溶融後T 型ダイから押し出したあと急冷
し、熱固定後の膜厚が175 μm になるような厚みの未延
伸フィルムを作成した。
【0249】これを、周速の異なるロ−ルを用い3.3 倍
に縦延伸、ついでテンタ−で4.5 倍に横延伸を実施し
た、この時の温度はそれぞれ、110 ℃、130 ℃であっ
た。この後、240 ℃で20秒間熱固定後これと同じ温度で
横方向に4%緩和した。この後テンタ−のチャック部をス
リットした後、両端にナ−ル加工を行い、4kg/cm2 で巻
き取り、厚み175 μm のロ−ルを得た。
【0250】《表面コロナ処理》ピラー社製ソリッドス
テートコロナ処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を
室温下において20m/分で処理した。この時の電流、電圧
の読み取り値から、支持体には0.375kV ・ A ・ 分/m2
処理がなされていることがわかった。この時の処理周波
数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアラン
スは1.6mm であった。
【0251】《下塗り支持体の作成》 (下塗り塗布液A の調製) ポリエステル共重合体水分散
物ペスレジンA-515GB(30%、高松油脂(株)製)200mlに
ポリスチレン微粒子(平均粒径0.2 μm)1g 、界面活性
剤 1(1wt%)20mlを添加し、これに蒸留水を加えて1000ml
として下塗り塗布液A とした。 (下塗り塗布液Bの調製) 蒸留水680ml にスチレン−ブタ
ジエン共重合体水分散物(スチレン/ブタジエン/イタ
コン酸=47/50/3(重量比)、濃度30wt%、)200ml、ポリ
スチレン微粒子(平均粒径2.5 μm)0.1g を添加し、更
に蒸留水を加えて1000mlとして下塗り塗布液B とした。 (下塗り塗布液C の調製) イナートゼラチン10g を蒸留
水500ml に溶解し、そこに特開昭61−20033 号明細書記
載の酸化スズ−酸化アンチモン複合物微粒子の水分散物
(40wt%)40gを添加して、これに蒸留水を加えて1000mlに
して下塗り塗布液C とした。 (下塗り支持体の作成) 上記コロナ放電処理を施した
後、下塗り塗布液A をバーコーターでウエット塗布量が
5ml/m2になる様に塗布して180 ℃で5 分間乾燥した。乾
燥膜厚は約0.3 μmであった。次いでこの裏面 (バック
面) にコロナ放電処理を施した後、下塗り塗布液B をバ
ーコーターでウエット塗布量が5ml/m2、乾燥膜厚が約0.
3 μmになる様に塗布して180 ℃で5分間乾燥し、更に
この上に下塗り塗布液C をバーコーターでウエット塗布
量が3ml/m2、乾燥膜厚が約0.03μmになる様に塗布して
180 ℃で5 分間乾燥して下塗り支持体を作成した。
【0252】《有機酸銀分散物の調製》ヘンケル社製ベ
ヘン酸(製品名Edenor C22-85R)43.8g 、蒸留水730ml
、tert- ブタノール60mlを79℃で撹拌しながら1N-NaOH
水溶液117ml を55分かけて添加し240分反応させた。次
いで、硝酸銀19.2g の水溶液112.5ml を45秒かけて添加
し、そのまま20分間放置し、30℃に降温した。その後、
吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を濾水の伝導度が30
μS/cmになるまで水洗した。こうして得られた固形分
は、乾燥させないでウエットケーキとして取り扱い、乾
燥固形分100 g相当のウエットケーキに対し、ポリビニ
ルアルコール (商品名:PVA-205)7.4 gおよび水を添加
し、全体量を385 gとしてからホモミキサーにて予備分
散した。次に予備分散済みの原液を分散機 (商品名:マ
イクロフルイダイザーM−110S−EH、マイクロフ
ルイデックス・インターナショナル・コーポレーション
製、G10Zインタラクションチャンバー使用) の圧力
を1750kg/m2 に調節して、三回処理し、ベヘン酸銀
分散物Bを得た。こうして得たベヘン酸銀分散物に含ま
れるベヘン酸銀粒子は平均短径0.04μm 、平均長径0.8
μm 、変動係数30%の針状粒子であった。粒子サイズの
測定は、Malvern Instruments Ltd.製MasterSizerXにて
行った。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクション
チャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節する
ことで所望の分散温度に設定した。
【0253】《還元剤の25%分散物の調製》1,1-ビス(2
- ヒドロキシ-3,5- ジメチルフェニル)-3,5,5-トリメチ
ルヘキサン80g とクラレ (株) 製変性ポバールMP203 の
20% 水溶液64g に水176gを添加し良く混合してスラリー
とした。平均直径0.5mm のジルコニアビーズ800 g用意
してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサ
ンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて5
時間分散し還元剤分散物を得た。こうして得た還元剤分
散物に含まれる還元剤粒子は平均粒径0.72μm であっ
た。
【0254】《メルカプト化合物の20%分散物の調製》
3-メルカプト-4- フェニル-5-ヘプチル-1、2 、4-トリ
アゾール64g とクラレ (株) 製変性ポバールMP203 の20
%水溶液32g に水224gを添加し良く混合してスラリーと
した。平均直径0.5mm のジルコニアビーズ800 g用意し
てスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサン
ドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて10時
間分散しメルカプト分散物を得た。こうして得たメルカ
プト化合物分散物に含まれるメルカプト化合物粒子は平
均粒径0.67μm であった。
【0255】《有機ポリハロゲン化合物の30%分散物の
調製》トリブロモメチルフェニルスルホン48g と3-トリ
ブロモメチルスルホニル-4- フェニル-5- トリデシル-
1,2,4-トリアゾール48g とクラレ (株) 製変性ポバール
MP203 の20% 水溶液48g に水224gを添加し良く混合して
スラリーとした。平均直径0.5mm のジルコニアビーズ80
0 g用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機
(1/4 Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)
製)にて5 時間分散し有機ポリハロゲン化合物分散物を
得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれ
るポリハロゲン化合物粒子は平均粒径0.74μmであっ
た。
【0256】《フタラジン化合物のメタノール溶液の調
製》6-イソプロピルフタラジン26g をメタノール100ml
に溶解して使用した。
【0257】《顔料の20%分散物の調製》C.I. Pigment
Blue 60を64g と花王 (株) 製デモールN を6.4gに水25
0gを添加し良く混合してスラリーとした。平均直径0.5m
m のジルコニアビーズ800 g用意してスラリーと一緒に
ベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミ
ル:アイメックス(株)製)にて25時間分散し顔料分散
物を得た。こうして得た顔料分散物に含まれる顔料粒子
は平均粒径0.21μm であった。
【0258】《ハロゲン化銀粒子1の調製》蒸留水1421
ccに1wt%臭化カリウム溶液6.7cc を加え、さらに1N硝酸
を8.2cc 、フタル化ゼラチン21.8g を添加した液をチタ
ンコートしたステンレス製反応壺中で攪拌しながら、35
℃に液温を保ち、 硝酸銀37.04gに蒸留水を加え159cc に
希釈した溶液a1と臭化カリウム32.6g を蒸留水にて容量
200cc に希釈した溶液b1を準備し、コントロールダブル
ジェット法でpAg を8.1に維持しながら、溶液a1の全量
を一定流量で1分間かけて添加した。(溶液b1は、コン
トロールドダブルジェット法にて添加)その後3.5%の過
酸化水素水溶液を30cc添加し、さらにベンゾイミダゾー
ルの3wt%水溶液を336cc 添加した。その後、再び溶液a1
を蒸留水希釈して317.5cc にした溶液a2と、溶液b1に対
して最終的に銀1モル当たり1×10-4モルになるよう六
塩化イリジウム酸二カリウムを溶解し液量を溶液b1の2
倍の400cc まで蒸留水希釈した溶液b2を用いて、やはり
コントロールドダブルジェット法にて、pAg を8.1 に維
持しながら、一定流量で溶液a2を10分間かけて全量添加
した。 (溶液b2は、コントロールドダブルジェット法で
添加)その後2-メルカプト-5- メチルベンゾイミダゾー
ルの0.5%メタノール溶液を50cc添加し、さらに硝酸銀で
pAg を7.5 に上げてから1N硫酸を用いてpHを3.8 に調整
し攪拌を止め、沈降/ 脱塩/ 水洗工程を行い、脱イオン
ゼラチン3.5gを加えて1Nの水酸化ナトリウムを添加し
て、pH6.0 、 pAg8.2に調整してハロゲン化銀分散物を作
成した。できあがったハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平
均球相当径0.031 μm 、球相当径の変動係数11% の純臭
化銀粒子である。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を用い10
00個の粒子の平均から求めた。該粒子の{100 }面比率
は、クベルカムンク法を用いて85%と求められた。該乳
剤を攪拌しながら50℃に昇温し、N,N-ジヒドロキシ-N,N
- ジエチルメラミンの0.5wt%メタノール溶液を5ccとフ
ェノキシエタノールの3.5wt%メタノール溶液5cc を加
え、1分後にベンゼンチオスルホン酸ナトリウムを銀1
モルに対して3 ×10-5モル加えた。さらに2分後比較色
素SS-4のメタノール溶液を銀1モルあたり、5×10-3
ル加え、さらに2分後テルル化合物を銀1モルあたり5
×10-5モル加えて50分間熟成した。熟成終了間際に、2-
メルカプト-5- メチルベンゾイミダゾールを銀1モルあ
たり1×10 -3モル添加して温度を下げ、化学増感を終了
しハロゲン化銀粒子1を作成した。
【0259】《ハロゲン化銀粒子2の調製》水700ml に
フタル化ゼラチン22g および臭化カリウム30mgを溶解し
て温度35℃にてpHを5.0 に合わせた後、硝酸銀18.6g お
よび硝酸アンモニウム0.9gを含む水溶液159ml と臭化カ
リウムおよび沃化カリウムを92:8のモル比で含む水溶液
をpAg7.7に保ちながらコントロールダブルジェット法で
10分間かけて添加した。ついで、硝酸銀55.4g および硝
酸アンモニウム2gを含む水溶液476ml および1リットル
中に1×10-5モルの六塩化イリジウム酸二カリウムと1
モルの臭化カリウムを含む水溶液pAg7.7に保ちながらコ
ントロールダブルジェット法で30分間かけて添加した
後、4-ヒドロキシ-6- メチル-1,3,3a,7-テトラザインデ
ン1gを添加し、さらにpHを下げて凝集沈降させ脱塩処理
をした。その後、フェノキシエタノール0.1gを加え、pH
5.9 、pAg8.2に調製し沃臭化銀粒子(沃素含量コア8 モ
ル% 、平均2 モル% 、平均サイズ0.05μm 、投影面積変
動係数8%、{100 }面比率88%の立方体粒子) の調製を
終えた。こうして得たハロゲン化銀粒子を60℃に昇温し
て銀1モル当たりチオ硫酸ナトリウム85 μモルと2,3,
4,5,6-ペンタフルオロフェニルジフェニルフォスフィン
セレニドを1.1 ×10-5モル、1.5 ×10-5モルのテルル化
合物、塩化金酸3.5 ×10-8モル、チオシアン酸2.7 ×10
-4モルを添加し、120 分間熟成した後40℃に急冷したの
ち、1 ×10-4モルの比較色素SS-4のメタノール溶液と5
×10-4モルの2-メルカプト-5- メチルベンゾイミダゾー
ルを添加し30℃に急冷してハロゲン化銀乳剤2を得た。
【0260】《乳剤層塗布液の調製》 (乳剤層塗布液No.1) 上記で得た有機酸銀分散物103g、
ポリビニルアルコールPVA-205(クラレ (株) 製) の20wt
%水溶液5gを混合し40℃に保った中へ、上記25%還元剤
分散物23.2g 、顔料C.I. Pigment Blue 60の5%水分散物
を4.8g、有機ポリハロゲン化物30% 分散物10.7g 、メル
カプト化合物20%分散物3.1gを添加した。その後、40℃
に保温したUF精製したSBR ラテックス40wt%を106 gを
添加して十分攪拌した後、フタラジン化合物のメタノー
ル液を6ml を添加し有機酸銀含有液を得た。また、ハロ
ゲン化銀粒子1を5gとハロゲン化銀粒子2を5g事前によ
く混合し塗布直前にスタチックミキサーで有機酸銀含有
液と混合し乳剤層塗布液を調製しそのままコーティング
ダイへ塗布銀量1.4g/m2 となるように送液した。
【0261】該乳剤層塗布液の粘度は東京計器のB 型粘
度計で測定して、40℃で85 [mPa ・s ] であった。レオ
メトリックスファーイースト株式会社製RFSフルード
スペクトロメーターを使用した25℃での塗布液の粘度は
剪断速度が0.1 、1 、10、100 、1000〔1/秒〕において
それぞれ1500、220 、70、40、20〔mPa ・ s 〕であっ
た。
【0262】なお、UF精製したSBR ラテックスは以下の
ように得た。下記のSBR ラテックスを蒸留水で10倍に希
釈したものをUF- 精製用モジュール、FS03-FC-FUY03A1
(ダイセン・メンブレン・ システム (株))を用いてイオン
伝導度が1.5mS/cmになるまで希釈精製したものを用い
た。この時ラテックス濃度は40% であった。(SBRラテッ
クス:-St(68)-Bu(29)-AA(3)- のラテックス) 平均粒径
0.1 μm 、濃度45% 、イオン伝導度4.2mS/cm (イオン伝
導度の測定は東亜電波工業 (株) 製伝導度計CM-30Sを使
用しラテックス原液(40%) を25℃にて測定) 、pH8.2
【0263】《乳剤面中間層塗布液の調製》 (中間層塗布液) ポリビニルアルコールPVA-205(クラレ
(株) 製) の10wt%水溶液772g、メチルメタクリレート/
スチレン/2- エチルヘキシルアクリレート/ ヒドロキシ
エチルメタクリレート/ アクリル酸共重合体 (共重合重
量比59/9/26/5/1)ラテックス27.5%液226gにエアロゾー
ルOT (アメリカンサイアナミド社製) の5wt%水溶液を2m
l 、ベンジルアルコール4g、2,2,4-トリメチル-1,3- ペ
ンタンジオールモノイソブチレート1gとベンゾイシチア
ゾリノン10mgを加えて中間層塗布液とし、5ml/m2になる
ようにコーティングダイへ送液した。塗布液の粘度はB
型粘度計40℃で21〔mPa ・ s 〕であった。
【0264】《乳剤面保護層第1層塗布液の調製》 (保護層第1層塗布液No.1) イナートゼラチン80gを水
に溶解し、フタル酸の10%メタノール溶液を138ml 、1N
の硫酸を28ml、エアロゾールOT (アメリカンサイアナミ
ド社製) の5wt%水溶液を5ml 、フェノキシエタノール1g
を加え、総量1000g になるように水を加えて塗布液と
し、10ml/m2 になるようにコーティングダイへ送液し
た。塗布液の粘度はB 型粘度計40℃で17〔mPa ・ s 〕で
あった。
【0265】《乳剤面保護層第2層塗布液の調製》 (保護層第2層塗布液) イナートゼラチン100 gを水に
溶解し、N-パーフルオロオクチルスルフォニル-N- プロ
ピルアラニンカリウム塩の5%溶液を20ml、エアロゾール
OT (アメリカンサイアナミド社製) の5wt%溶液を16ml、
ポリメチルメタクリレート微粒子 (平均粒径4.0 μm)2
5 g、1Nの硫酸を44ml、ベンゾイシチアゾリノン10mgに
総量1555g となるよう水を添加して、4wt%のクロムみょ
うばんと0.67wt% のフタル酸を含有する水溶液445ml を
塗布直前にスタチックミキサーで混合したものを表面保
護層塗布液とし、10ml/m2 になるようにコーティングダ
イへ送液した。塗布液の粘度はB 型粘度計40℃で9 〔mP
a ・ s 〕であった。
【0266】《バック面塗布液の調製》 (塩基プレカーサーの固体微粒子分散液の調製)塩基プ
レカーサー化合物64g 、および花王 (株) 製界面活性剤
デモールN 10g を蒸留水246ml と混合し、混合液をサン
ドミル(1/4 Gallonサンドグラインダーミル、アミメッ
クス(株)製)を用いてビーズ分散し、平均粒子径0.2
μmの、塩基プレカーサーの固体微粒子分散液を得た。 (染料固体微粒子分散液の調製)シアニン染料化合物9.
6gおよび p−アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム
5.8gを蒸留水305mlと混合し、混合液をサンドミル(1/4
Gallonサンドグラインダーミル、アミメックス(株)
製)を用いてビーズ分散して平均粒子径0.2 μmの染料
固体微粒子分散液を得た。 (ハレーション防止層塗布液の調製)ゼラチン17g、ポ
リアクリルアミド 9.6g、上記塩基プレカーサーの固体
微粒子分散液70g 、上記染料の固体微粒子分散液56g 、
ポリメチルメタクリレート微粒子 (平均粒子サイズ6.5
μm) 1. 5g、ポリエチレンスルフォン酸ナトリウム2.2
g、着色染料化合物の1%水溶液0.2g、H2O を844ml 混合
しハレーション防止層塗布液を調製した。 (保護層塗布液の調製)容器を40℃に保温しゼラチン50
g 、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム0.2g、N,N-エ
チレンビス (ビニルスルフォンアセトアミド) 2.4g、t-
オクチルフェノキシエトキシエタンスルフォン酸ナトリ
ウム1g、ベンゾイソチアゾリノン30mg、C8F17SO3K を32
mg、C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)4(CH2)4-SO 3Na を64mg、
H2O を950ml 混合して保護層塗布液とした。
【0267】
【化22】
【0268】《熱現像感光材料の作製》上記下塗りを施
した支持体にハレーション防止層塗布液を固体微粒子染
料の固形分塗布量が0.04g/m2となるり、保護層塗布液を
ゼラチン塗布量が1g/m2 となるように同時重層塗布し、
乾燥しハレーション防止バック層を作成した後、バック
面と反対の面に下塗面から乳剤層、中間層、保護層第1
層、保護層第2層の順番でスライドビード塗布方式にて
同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料を作製した。な
お、バック面塗布後巻き取らずに乳剤面を塗布した。
【0269】塗布はスピード160m/minで行い、コーティ
ングダイ先端と支持体との間隔を0.18mmに、減圧室の圧
力を大気圧に対して392Pa 低く設定した。引き続くチリ
ングゾーンでは、乾球温度が18℃、湿球温度が12℃の風
を平均風速は7m/ 秒で30秒間吹き当てて、塗布液を冷却
した後、つるまき式の浮上方式の乾燥ゾーンにて、乾球
温度が30℃、湿球温度が18℃の乾燥風を、穴からの吹き
出し風速20m/秒で、200秒間吹き当てて、塗布液中の溶
剤の揮発を行った。上記のようにして、試料1を得た。
【0270】比較色素SS-4の代わりに、比較色素SS-5,S
S-7,SS-8と本発明の色素(7)、(12)、(55)、
(105)を用いた表4の試料を作成した。表4の試料
については、同一の試料を同様な方法で10回作成し、
660nm ダイオードを備えたレーザー感光計で写真材料を
露光した後、写真材料を122 ℃で19秒間処理(現像)
し、得られた画像の評価を濃度計により行った。次に、
各試料の感度(Dminより1.0 高い濃度を与える露光量の
比の逆数)の平均値を100としたときの感度の変動幅
を%で示した。 <感度の変動幅の結果>感度の変動幅の結果を表4に示
す。
【0271】
【表4】
【0272】比較色素の感度の変動幅は熱現像感材系に
おいて、特に大きいことが分かる。本発明の増感色素は
比較の増感色素に比べて感度の変動幅が少なく、熱現像
感材において、特に優れていることが分かった。このよ
うに、本発明の色素、及び/又は製造方法を使用する
と、乳剤・感材の製造ロットによる感度などの品質のバ
ラツキが少なく、熱現像感材において、特に優れている
ことを見出した。 実施例4 実施例1と同様な染着と感度の変動幅の比較を、特開平
7−92601号、同11−160828号の実施例1
のカラー反転感材の系、特開平6−347944号の実
施例1のカラーペーパーの系、特開平8−292512
号の実施例1の印刷感材の系、で評価して行った。その
結果、実施例1と同様な効果が得られ、同様に有用であ
ることが分かった。
【0273】実施例5 実施例1、2、及び3と同様な感度の変動幅の比較を、
特開平8−29904号の実施例5のカラーネガ感材の
系、特開平8−122954号の実施例1のX線感材の
系、特願平11−89801号の実施例1のインスタン
ト感材の系、特開2000−122206号の実施例
5、6の熱現像感材の系、特願2000−89436号
の実施例1の熱現像感材の系、で評価して行った。その
結果、実施例1、2、及び3と同様な効果が得られ、同
様に有用であることが分かった。
【0274】
【発明の効果】本発明の特定の増感色素、該増感色素の
乳剤への添加方法により、安定した品質の、及び/又は
染着の改良された、及び/又は添加溶媒の削減可能なハ
ロゲン化銀写真乳剤、及び、ハロゲン化銀写真感光材料
を得ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機対イオンを少なくとも1つ持つ、色
    素又は増感色素を少なくとも1つ含むことを特徴とする
    ハロゲン化銀写真乳剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の色素又は増感色素が、少
    なくとも2つのアニオン性基、及び/又は、少なくとも
    2つの陽性の有機対イオンを持つことを特徴とする請求
    項1記載のハロゲン化銀写真乳剤。
  3. 【請求項3】 請求項1、2、記載の色素、又は増感色
    素が、少なくとも1つのカルボキシル基及び少なくとも
    1つのスルホ基を持つことを特徴とする請求項1、2、
    記載のハロゲン化銀写真乳剤。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、又は3記載の色素又は増
    感色素が、少なくとも1つのカルボキシル基及び少なく
    とも1つのスルホ基を持つメロシアニン色素であること
    を特徴とする請求項1、2、又は3記載のハロゲン化銀
    写真乳剤。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3、又は4記載のハロゲ
    ン化銀写真乳剤層を少なくとも1つ含むことを特徴とす
    るハロゲン化銀写真感光材料。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、又は4記載の色素又
    は増感色素を有機溶媒の溶液としてハロゲン化銀写真乳
    剤に添加することを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の製造方法で製造されたこ
    とを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤。
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