JP2002005903A - 超音波探傷装置及び探傷方法 - Google Patents
超音波探傷装置及び探傷方法Info
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Abstract
検体外周の欠陥検出が難しいネジ歯面内欠陥検出に関し
て、従来装置の不具合を解消できる超音波探傷装置を提
供する。 【解決手段】 被検体外周の支持体上端に円環状の歯車
を設けた固定治具、固定治具と被検体との間隙を設けら
れた歯車117と噛合回転するエンコーダ歯車116、
歯車の回転から被検体回りの回転角度を検出するエンコ
ーダ115、及び被検体の半径方向に移動可能で、所定
屈折角の超音波を被検体内部に発射し、被検体外周の垂
直面からの反射エコーを受波するが、欠陥部の反射エコ
ーは受波しない斜角UTセンサ110等で構成されるセ
ンサガイド板114を設けた。これにより、被検体軸心
方向の超音波で被検体中央内部欠陥の検出及び外周の微
小な欠陥の検出が可能になる。また、被検体外周内部の
欠陥のみの検出に際しても、被検体上端面と対向する下
端面とを正確な平行面にする必要がなくなる。
Description
ている欠陥を超音波を使用して検出する超音波探傷装置
及び超音波探傷方法に係り、特に、被検体としてのボル
トのネジ部等の限定された外周縁部に発生し、又は超音
波の発信方向と偏向した方向に傾斜して発生する欠陥を
検出できる超音波探傷装置及び超音波探傷方法に関す
る。
の分割面を結合して一体化するボルト等のネジ部では、
大きな応力がかかり、割れの発生が懸念されることか
ら、その割れを検出してボルト等の破断を防止すること
が必須となっている。この割れの検出手段としては、超
音波探傷センサ(Ultrasonic Testing sensor:以下U
Tセンサという)を適用した超音波探傷装置を使用して
行う超音波探傷方法が従来から知られている。
内部に超音波を入射し、内部に発生している欠陥(割
れ)からの跳ね返りである反射エコーを検出することに
より、被検体中の欠陥の存在を割り出し検出するように
したものである。すなわち、従来の超音波探傷装置は、
図5に示すように被検体としてのボルト101の端面1
01aに超音波探傷センサ102を設置し、ボルト端面
101aからボルト101の軸心方向と平行にボルト1
01の内部に超音波103を発射する。
に発射された超音波103は、ボルト101内に不連続
構造を形成する割れ105が発生していなければ、超音
波103は反射されずボルト101内の割れ105発生
がないことが検知できる。
Tセンサ102から発射された超音波103の経路中
に、例えば、ボルト101のネジ部101bから発生し
た割れ105による不連続構造がある場合には、ボルト
101の内部に発射された超音波103は、この割れ1
05によって反射される。この反射された、反射波(反
射エコー)106は、割れ105が超音波103の発射
方向に垂直面をなして発生している場合、UTセンサ1
02で検出され、発射時間と入射時間との時刻差Δt′
を計測し、この時刻差Δt′と既知であるボルト内音速
vとから、積演算Δt′×vによりボルト101の内部
に発生している割れ105等の欠陥およびその位置を検
出することができる。
探傷方法では、UTセンサ102として、ボルト101
の軸心方向と一致させて超音波103を発射させる、い
わゆる垂直ビームを発生させるようにしたUTセンサ1
01が用いられていた。このために、図6(a)に示す
ように、ボルト101のネジ部101bから発生した割
れ105がネジ山の深さ範囲に留まる場合又は図6
(b)に示すように、割れ105がネジ山の深さ以上の
ボルト101内部に発生しているような場合でも、割れ
105の方向が超音波103の伝送方向(垂直ビーム方
向)と直交する方向から偏向して発生している場合に
は、これらの割れ105によって反射する反射波106
がUTセンサ102では得られない、あるいは反射波1
06がセンサ102に戻らず、UTセンサ102で検出
できないことがあり、割れ105等欠陥の検出が困難に
なっていた。
ムを発生させるものが使用されていたために、ボルト1
01に割れ105等の欠陥が発生していない場合も、図
6(b)に示すような割れ105がボルト101内に発
生している場合も、反射エコー106がUTセンサ10
2に入射されないため、割れ105等の欠陥の発生の有
無の区別がつかないという不具合があった。
来の超音波探傷装置およびこの装置を使用して行われて
いる超音波探傷方法の不具合を解消して、ネジ山高さ内
に留まる微小割れ及び被検体の内部で被検体内に発射さ
れる超音波の方向に垂直にされた垂直面から傾いた状態
で発生している割れを検出できる超音波探傷装置及び探
傷方法を提供することを課題とする。
波探傷装置は、次の手段とした。
検体の外周を包囲して配置された支持体の上端に設けら
れ、被検体の全外周を包囲して設けられた円環状の歯車
を上端に配置した固定治具を設けた。なお、固定治具上
への円環状の歯車の配置は、固定治具と歯車との間に磁
石等を配置し、固定治具と歯車とは固着せず、欠陥検出
時には歯車は固定治具の所定位置に磁石の吸引力で配置
され、欠陥検出後には取り外し工具等を使用することな
く自在に取り外し出来るようにし、作業時間短縮を図れ
るものにすることが好ましい。
に、被検体の上部全外周とも間隙が設けられて配置され
て上部外周に沿って回転し、固定治具に設けた歯車と噛
合して回転するエンコーダ歯車、エンコーダ歯車の回転
から被検体の外周回りの回転角度を検出するエンコーダ
及び被検体の外周回り回転角度位置で被検体の上方を半
径方向に移動自在にされ、被検体の任意回転角度位置に
配置でき、軸心方向から偏向した屈折角の超音波を被検
体内部に発射でき、超音波の発射方向に直交して被検体
外周に形成されたネジ溝等の被検体外周内部の垂直面で
発射方向と同方向に反射される反射エコーを受波でき、
また、超音波の発射方向と同方向に反射されない被検体
内部に発生している欠陥からの反射エコーは受波できな
い、従来のUTセンサに対応する斜角UTセンサをそれ
ぞれ具えたセンサガイド板を設けた。
る超音波が被検体外周内部に形成されたネジ溝の歯面の
如く、被検体外周内部の高さ方向に形成された垂直面の
何れにも垂直に入射できるように、発射される超音波の
軸心方向からの屈折角が異なる複数のものを使用するこ
とが好ましい。また、センサガイド板を被検体の外周回
りに制御駆動して回転させる駆動装置及び斜角UTセン
サを被検体の半径方向に制御駆動して移動させる駆動装
置をそれぞれ設けるようにすることが好ましい。
く被検体軸心に平行な超音波の被検体内部への発射によ
る被検体中央内部に発生している割れ等の欠陥の検出が
できるばかりでなく、ネジ溝等が刻設された被検体外周
内部に発生している割れ等の欠陥の検出が、屈折角が異
なるようにされた複数の斜角UTセンサからの選択、斜
角UTセンサの被検体の上方半径方向の移動量及びセン
サガイド板の被検体回りの回転量による斜角UTセンサ
の任意角度の設定の組み合わせにより、ネジ溝の歯面角
度のように種々の角度に形成される場合、若しくは所定
角度で形成する場合であってもネジ溝が配置されている
高さ方向の違いにより入射角が変化する場合において
も、ネジ溝の歯面等の被検体外周に形成された垂直面に
内部から超音波を垂直に入射させることができ、欠陥が
発生してない被検体内部からの反射エコーは斜角UTセ
ンサに入射させることができるようになる。
の欠陥がネジ溝の歯面等を起点とするネジ溝の深さ程度
の微小な欠陥であっても、確実に、しかも、被検体の全
高、全周にわたって検出することができる。
段とした。
サから被検体内部に超音波を発射し、被検体内部の欠陥
で反射される反射エコーを受信し、この受信信号により
被検体内部に生じている欠陥を検出する超音波探傷を行
うUTセンサとして、被検体上端に設置され、内部に設
けられ独立に駆動可能な超音波振動子の駆動時間(ディ
レイ時間)を調整することにより、発進された超音波を
軸心方向から所望の方向に偏向させた屈折角にして被検
体内部全周方向に発射し、被検体内部の外周に形成され
たネジ溝等の垂直面で反射される反射エコーを検出し、
被検体外周内部に生じている欠陥を検出できるフェーズ
ドアレイUTセンサを設けた。
用、効果がえられるとともに、本発明の超音波探傷装置
においては、発進された超音波の軸心方向からの屈折角
がディレイ時間を変更(制御)することにより、任意に
変更できるために浅い位置のネジ部の欠陥検出には超音
波の屈折角が大きくなるディレイ時間にし、深い位置の
ネジ部の欠陥検出には屈折角が小さくなるディレイ時間
にすることにより、欠陥検出ができるようになる。
く、屈折角が異なる複数の斜角UTセンサからのセンサ
の選択、被検体の上方半径方向移動及びセンサガイド板
の被検体回りの回転による斜角UTセンサの任意角度の
設定の組み合わせによる欠陥検出、いわゆる、センサ走
査をさせることなく被検体高さ方向の被検体外周部全体
の欠陥探傷がディレイ時間の制御のみでできる。
段を採用した。
アレイUTセンサからの超音波を走査し若しくは超音波
振動子のディレイ時間を調整することにより、軸心方向
から所望の方向に偏向させる屈折角にし、被検体外周内
部に発射させる工程、 (5)被検体内部の外周に形成された垂直面に入射され
た超音波が、垂直面から反射される反射エコーを斜角U
Tセンサ若しくはフェーズドアレイUTセンサに入射さ
せ検出する工程、 (6)被検体内部の外周に発射された超音波に対応する
反射エコーが検出されないとき、超音波の発射方向の被
検体内部に欠陥が生じていることを検出し、反射エコー
が検出されたとき当該反射エコーが検出された超音波の
発射方向には欠陥が生じていないことを検出する工程、
とからなるものとした。
角UTセンサからの超音波を軸心方向から所望の方向に
偏向させる屈折角にし走査して欠陥探傷を行ったときに
は、上記(a)と同様な作用、効果がえられるととも
に、UTセンサとしてのフェーズドアレイUTセンサか
らの超音波をディレイ時間制御により超音波を軸心方向
から所望の方向に偏向させる屈折角にして欠陥探傷を行
ったときには、上記(a)と同様な作用、効果に加え、
上記(b)と同様な作用、効果がえられる。
段とした。
サから被検体内部に超音波を発射し、被検体内部の欠陥
で反射される反射エコーを受信し、この受信信号により
被検体内部に生じている欠陥を検出して超音波探傷を行
うUTセンサとして、被検体上端に設置され、絞った集
束超音波ビームは被検体内部に生じている欠陥部先端部
からの反射エコーを良好に検出できることから、一般的
に使用されている絞った集束超音波ビームを発射でき、
被検体内部に生じている欠陥部先端部からの反射エコー
を検出し、被検体外周部に発生している欠陥先端で反射
される反射エコーを検出して被検体内部欠陥を検出でき
る集束型斜角センサを設けた。
束超音波ビームは、被検体外周内部に刻設されたネジ溝
の歯面から反射された反射エコー、換言すれば被検体外
周内部に欠陥がないときの反射エコーが集束型斜角セン
サに入射されないようにするために、集束型斜角センサ
から発射される集束超音波ビームは、軸心方向からの偏
向が小さい浅い屈折角で発射されるものにすることが好
ましい。
発射された浅い屈折角の集束超音波ビームは、被検体外
周内部に刻設されたネジ溝の歯面等を起点とする、ネジ
溝深さよりも小さい欠陥部先端部から反射される反射エ
コーも検出できる。さらに、反射エコーは欠陥部先端部
から反射されるものだけが集束型斜角センサに入射され
るので、欠陥部形状が集束超音波ビームの発射方向と如
何なる角度に傾いて発生したものであっても、欠陥部が
被検体内部に生じている限り検出することができる。
が検出できることから、集束型斜角センサの中心と欠陥
部が生じるネジ溝等との距離を予め計測しておくことに
より、ネジ溝からの欠陥部の深さを容易に算出でき、ま
た、過去被検体内部に生じた欠陥部のデータ等の解析か
ら欠陥部の角度を予測しておくことにより、欠陥部の長
さ(大きさ)も容易に算出でき、欠陥部発生による被検
体の破損を予め高精度で予測することができ、被検体の
信頼性を向上させることができる。
段を採用した。
所望の方向に偏向させた浅い屈折角で集束超音波ビーム
を被検体内部に発射させる工程、 (9)被検体内部の欠陥部先端部から反射される反射エ
コーを集束型斜角センサに入射させる工程、 (10)被検体内部に発射された集束超音波ビームに対
応する反射エコーが検出されたとき、当該反射エコーを
発生させた集束超音波ビーム発射方向の被検体内部に欠
陥があり、また、集束超音波ビームに対応する反射エコ
ーが検出されないときには被検体内部には欠陥がないこ
とを確認する工程、とからなる。
用、効果が得られる。
実施の一形態を図面にもとづき説明する。
同一若しくは類似の部材には、同一符号を付して説明は
省略する。図1は、本発明の超音波探傷装置の実施の第
1形態を示す図で、図1(a)は平面図、図1(b)は
側面図、図1(c)は図1(b)に示すA部詳細図であ
る。
傷装置は、ボルト101内に斜角超音波(以下超音波ビ
ームという)113を入射するためにボルト端面101
aの半径方向に配置した斜角UTセンサ110を、ボル
ト端面101aの半径方向111及び側面外周の円周方
向112に移動させ走査させるためのセンサガイド板1
14と、そのセンサガイド板114をボルト101の上
方で保持すると共に、エンコーダ115の回転量を伝達
するための歯車117を上端に配置した固定治具118
からなる。
18は、センサガイド板114を円周方向112に回転
させ、斜角UTセンサ110によるボルト101の円周
方向112の走査をさせ、また回転位置におけるボルト
101の半径方向の走査をさせる必要性から、相互に分
離構造にされている。すなわち、ボルト101の外周面
に刻設されたねじ部104に螺合されて、ボルト101
の外周に配置されたナット120の上端には磁石121
を介して固定治具118がナット120と同心状に配設
されると共に、固定治具118の上端には、同様にナッ
ト120と同心状にされて配置され外周面に歯列が形成
された円環状の歯車117が設けられている。
端面101aの半径方向111に配置され、センサガイ
ド板114の回転と共に、円周方向112に回転する斜
角UTセンサ110の円周方向112の移動量を検知す
るためのエンコーダ115及びエンコーダ歯車116を
装備しており、このエンコーダ歯車116と歯車117
との噛合以外には、センサガイド板114と固定治具1
18とは分離された構造のものとなっている。
イド板114に設けられている斜角UTセンサ110と
同様にボルト端面101の半径方向に配置されセンサガ
イド板114上端に固着された支持台上のセンサガイド
板114上方から外れた位置に固着されており、歯車1
17と噛合するエンコーダ歯車116の回転によりボル
ト101の外周に沿って回転し、センサガイド板114
を円周方向に移動させ、これにより、センサガイド板1
14に配置された斜角UTセンサ110を円周方向11
2に走査させることができる。この斜角UTセンサ11
0の走査量を検知するため、エンコーダ115にはエン
コーダ115からの信号を長さ表示させるための周方向
長さ装置119が装備されている。
11の走査は、センサガイド板114に端部が固着さ
れ、歯車117と噛合するエンコーダ歯車の回転によっ
てボルト101の外周に沿って回転するボルト端面10
1aの半径方向111に配置されたガイド板上を、斜角
UTセンサ110を半径方向111に滑動させることに
よって、ボルト101の任意円周方向112位置での半
径方向111の走査を行うようにしている。
信してボルト101内に発生している割れ105等の欠
陥を検出するUTセンサは、図5、図6に示したUTセ
ンサ102のように垂直ビームを発射できるものの外
に、例えば、垂直ビーム方向から30°,45°,60
°又は75°偏向して超音波を発射し、又は反射波を受
信できるようにした斜角UTセンサ110を使用するよ
うにしている。
ようにした本実施の形態では、特定角度偏向させた角度
の屈折角度の超音波を発射する斜角UTセンサ110と
斜角UTセンサ110の半径方向111の位置との組合
せにより、ボルト101の内部に向けて発射される超音
波ビーム113の角度が、ボルト101の外周に刻設さ
れ、超音波ビーム113が伝送されてくる方向に対向し
て設けられたネジ部101bの歯面(以下対向歯面とい
う)122に対して、超音波ビーム113がほぼ垂直に
入射する角度にされて発射されるようにしている。
構成にされて斜角UTセンサ110は、ネジ部101b
の対向する歯面に対して、ほぼ垂直入射する超音波ビー
ム113を発射していることから、ネジ部101bの対
向歯面122からの反射エコー123が検出できること
になり、この反射エコー123の状態からボルト101
のネジ部101bが設けられていない部分に発生してい
る割れ105は勿論のこと、ネジ部101bのネジ山の
高さ以下の部分に発生している割れ105も検出できる
ことになる。
対向歯面122に向け超音波ビーム113を発射できる
円周方向112、半径方向111の健全部位置124a
に斜角UTセンサ110が配置された場合、それぞれの
ネジ部104の対向歯面122からの反射エコー123
は図2(c)に示すような反射エコーピーク123aが
得られる。
対向歯面122に向け超音波ビーム113を発射する円
周方向112、半径方向111の非健全部位置124b
に斜角UTセンサ110が配置された場合、割れ105
の発生しているネジ部104の対向歯面122からは、
反射エコー123がセンサに受信されないため、図2
(d)に示すように反射エコーピーク123aが消え、
若しくは、反射エコーピーク123aに比較して若しく
は小さなものになる。
3aの波形に着目することで、割れ105のボルト10
1内部に発生している欠陥の有無を検出することが可能
となる。また、斜角UTセンサ110を、半径方向11
1に移動させて走査することで、ボルト101の高さ方
向の位置を変えたネジ部の探傷が可能となる。
01bに超音波を入射していること及び割れ105等の
欠陥により、反射エコー123の方向が偏向され、斜角
UTセンサ110の受信部で受信されないことを用いて
いるため、割れ105方向が何れの方向に傾いた場合で
も、及び割れ105等の欠陥部がネジ部101bのネジ
山より小さくネジ内に留まる微小な割れであっても、有
効な探傷手法となる。また、得られた欠陥の円周方向1
12の長さを測定するためには、斜角UTセンサ110
を半径方向111に向けたまま、円周方向112を走査
させることが必要であり、手動探傷では困難な走査にな
る。これに対し、センサガイド板114を使用すること
で、これらの走査が容易に実行できる。
01に取り付けられているものの、固定治具118とは
分離構造であるため、斜角UTセンサ110による円周
方向112の走査に応じて回転し、更に、この回転に伴
い、エンコーダ歯車116が固定治具118の歯車11
7に沿って回転する構造としているため、エンコーダ1
15により、円周方向112の走査量を検知でき、エン
コーダ115からの信号を長さ表示する周方向長さ表示
装置119により、検出された欠陥の円周方向112長
さの測定も容易にできる。
施の第2形態を示す図で、図3(a)は平面図、図3
(b)は側面図である。図に示すように、本実施の形態
の超音波探傷装置では、上述した実施の第1形態で使用
した斜角UTセンサ110に代えてフェーズドアレイ
(phased array)UTセンサ130を適用して、ボルト
101のネジ部101bの割れ105等の欠陥を検出す
るようにしている。
レイ状に並べたセンサ群の位相(フェイズ)を制御する
ことにより、超音波を電子的に走査させ電子走査を行う
ものでセンサ内にある独立に駆動可能な超音波振動子の
駆動時間(ディレイ時間)を調整することで、所望の方
向すなわち、フェーズドアレイUTセンサ130の軸心
方向から偏向させた方向、いわゆる屈折角θを変えた超
音波を送信できる。
ーズドアレイUTセンサ130を配置しディレイ時間を
調整することで、ネジ部101bの対向歯面122に入
射する超音波103を、例えばボルト101の外周面の
ネジ溝歯面等にほぼ垂直に入射する角度とすることが可
能となり、斜角UTセンサ110をボルト101の半径
方向に走査させたときと同様の反射エコー123を得る
ことができる。
波の送信方向を制御できるため、対向歯面122からの
反射エコー123の方向が、対向歯面122に入射する
超音波103の方向から大きくずれる屈折角θ大となる
ような制御をした場合、浅い位置ネジ部131の軸方向
133の超音波ビーム走査を行い、対向歯面122から
の反射エコー123を図3(c)、図3(d)で示すよ
うに検出し、屈折角θ小となるような制御をした場合、
深い位置ネジ部132の軸方向133の超音波ビーム走
査を行い対向歯面122からの反射エコー123を図3
(e)、図3(f)で示すように検出することになる。
は、実施の第1形態における斜角UTセンサ110と同
様に、割れ105のある対向歯面122からの反射エコ
ー123は浅い位置ネジ部131、深い位置ネジ部13
2に拘わらず、図3(d)、図3(f)に示すように消
えることから、欠陥の有無を検出できることになる。こ
のように、フェーズドアレイUTセンサ130を適用し
て、被検体に発生している欠陥を検出するようにした場
合、屈折角θ147を変えることで軸方向133での超
音波ビームの走査が可能となるため、フェーズドアレイ
UTセンサ130を移動させて走査させることなく、ネ
ジ部101b高さ方向の探傷を実施することができる。
囲は、反射エコー123がフェーズドアレイUTセンサ
130に受信される範囲に限定される。ただし、リニア
アレイ走査を適用することで制限なくネジ部101b高
さ方向の探傷が可能となる。
置した、フェーズドアレイUTセンサ130の場合ディ
レイ時間を制御することで、円周方向112への超音波
ビームの走査が可能となることから、円周方向112の
走査をすることなく、全周のネジ部探傷が実施できる。
施の第3形態を示す図で、図4(a)は平面図、図4
(b)および図4(c)は側面図である。図に示すよう
に、本実施の形態の超音波探傷装置では、上述した実施
の第1形態で使用した斜角UTセンサ110に代えて、
ネジ部101bからの反射エコー123を受信しない小
さな屈折角θを有する集束型斜角センサ140を適用し
て、ボルト101のネジ部101bの割れ105等の欠
陥を検出するようにしている。
音波ビーム141を放射することから、割れ105等の
欠陥先端部からの反射エコー123を検出する手法とし
て、一般的に使用されている。この集束型斜角センサ1
40をボルト端面101aに配置し、屈折角θは、ネジ
部101bの対向歯面122からの反射エコー123
を、集束型斜角センサ140が受信しない非常に浅い角
度のものとしている。
101内に割れ105等欠陥がないと反射エコー123
は集束型斜角センサ140では受信されないが、割れ1
05等の欠陥があるとその先端部から発生する欠陥部先
端反射エコー142を受信することになり、欠陥部先端
反射エコー142の有無により、割れ105の有無を検
出することが出来ることになる。また、欠陥部先端反射
エコー142は割れ105等の先端部からのものであ
り、割れ105等の欠陥の傾きには依存しない。
用することにより、傾いた割れ105等であっても検出
できることになる。更に、検出した割れ105等の先端
部からの欠陥部先端反射エコー142と、あらかじめ測
定しておいたネジ底143と集束型斜角センサ140の
中心位置との距離Y144を用い次式により欠陥深さT
145を同定できる。
Y距離144、Wはビーム路程146、θは屈折角14
7である。
い、割れ105等の端部から発生する欠陥部先端反射エ
コー142を使用して行う、いわゆる端部エコー法を適
用することで、傾いた割れ105等の欠陥の検出、割れ
105等の欠陥先端と集束型斜角センサ140の中心位
置との距離l及びネジ底143からの欠陥深さT145
の同定が可能となる。
傷装置によれば、内部の欠陥を検出する被検体の外周に
配置された支持体の上端に設けられ、被検体外周を包囲
して設けた円環状の歯車を上端に配置した固定治具、固
定治具及び被検体の上部外周と間隙を設けて配置され、
歯車と噛合回転するエンコーダ歯車、エンコーダ歯車回
転から被検体回りの回転角度を検出するエンコーダ、回
転位置で被検体の半径方向に移動でき、所定屈折角の超
音波を被検体内部に発射し、発射方向と直交して被検体
外周部に設けられた垂直面で反射される反射エコーのみ
を受波し、欠陥部からの反射エコーは受波しない斜角U
Tセンサを有するセンサガイド板を設けた。
発射による被検体中央内部欠陥の検出ができ、被検体外
周に発生している欠陥の検出が、屈折角が異なる斜角U
Tセンサの選択、被検体の上方半径方向の移動量、被検
体回りの回転量の設定組み合わせで、垂直面の角度が異
なる場合又は同一角度でも高さ方向の違いで入射角が変
化する場合でも、超音波を被検体外周の垂直面に垂直に
入射させることができ、被検体内部の欠陥が被検体外周
に生じている微小なものであっても、被検体の全高、全
周にわたって検出できる。
検出する超音波探傷を行うUTセンサとして、被検体上
端に設置され、独立に駆動する内部の超音波振動子のデ
ィレイ時間を調整し、発進される超音波を所望の屈折角
にして被検体内部全周方向に発射し、外周に形成された
垂直面からの反射エコーを検出し、被検体外周内部の欠
陥を検出できるフェーズドアレイUTセンサを設けた。
られ、また、発進される超音波の屈折角がディレイ時間
制御により、任意に変更できる浅い位置のネジ部の欠陥
検出には屈折角の大きいディレイ時間にし、深い位置の
ネジ部の欠陥検出には屈折角が小さいディレイ時間に
し、斜角UTセンサの選択、半径方向移動量、任意角度
の設定の組合わせたセンサ走査を行わず被検体高さ方向
の欠陥探傷ができる。
Tセンサ、フェーズドアレイUTセンサの走査、ディレ
イ時間の調整により超音波を所望の屈折角にし、被検体
外周内部に発射させる工程、被検体外周の垂直面に入射
された超音波の反射エコーを斜角UTセンサ、フェーズ
ドアレイUTセンサに入射させる工程、被検体内部から
の反射エコーに発射超音波の反射エコーが検出されず被
検体内部に欠陥が生じていることを検出する工程とから
なる。
を所望の屈折角にし走査して欠陥探傷を行ったときは、
上記斜角UTセンサを設けた超音波探傷装置を使用して
探傷したときと同様な効果がえられる、フェーズドアレ
イUTセンサからの超音波をディレイ時間制御により所
望の屈折角にして欠陥探傷を行ったときには、これに加
えフェーズドアレイUTセンサを設けた超音波探傷装置
を使用して探傷したときと同様な作用、効果が更に得ら
れる。
上端に設置され、被検体内部に生じている欠陥部先端部
からの反射エコーを良好に検出できる絞った集束超音波
ビームを発射でき、被検体内部に生じている欠陥部先端
部からの反射エコーを検出し、被検体外周部に発生して
いる欠陥先端で反射される反射エコーを検出して被検体
内部欠陥を検出できる集束型斜角センサを設けた。
れた浅い屈折角の集束超音波ビームは、被検体外周内部
に刻設されたネジ溝の歯面等を起点とする、ネジ溝深さ
よりも小さい欠陥部先端部から反射される反射エコーも
検出できる。また、反射エコーは欠陥部先端部から反射
だけが集束型斜角センサに入射され、欠陥部形状が集束
超音波ビーム方向と傾いたものでも欠陥部を検出でき
る。また、集束型斜角センサは、集束型斜角センサ中
心、欠陥部が生じるネジ溝等との距離計測により、欠陥
部の深さを容易に算出でき、また欠陥部の角度を予測し
欠陥部長さも容易に算出でき、欠陥部発生による被検体
破損を予測でき、信頼性の向上を図ることができる。
斜角センサから所望の方向に浅い屈折角で集束超音波ビ
ームを被検体内部に発射させる工程、被検体内部の欠陥
部先端部からの反射エコーを集束型斜角センサに入射さ
せる工程、発射された集束超音波ビームに対応する反射
エコーが検出されたとき、当該集束超音波ビーム発射方
向の被検体内部に欠陥部発生を検出する工程とからな
る。
けた超音波探傷装置により得られる効果と同様な効果が
得られる。
す図で、図1(a)は平面図、図1(b)は断面図、図
1(c)は図1(b)に示すA部詳細図、
波探傷方法の実施の第1形態を示す図で、図2(a)は
平面図、図2(b)は断面図、図2(c)は欠陥のない
被検体内部からのピーク反射エコーを示す図、図2
(d)は欠陥のある被検体内部からのピーク反射エコー
を示す図、
す図で、図3(a)は平面図、図3(b)は断面図、図
3(c)は屈折角大の場合の欠陥のない被検体内部から
のピーク反射エコーを示す図、図3(d)は屈折角大の
場合の欠陥のある被検体内部からのピーク反射エコーを
示す図、図3(e)は屈折角小の場合の欠陥のない被検
体内部からのピーク反射エコーを示す図、図3(f)は
屈折角小の場合の欠陥のある被検体内部からのピーク反
射エコーを示す図、
す図で、図4(a)は平面図、図4(b)は欠陥のない
被検体の超音波探傷を行っているときの断面図、図4
(c)は欠陥のある被検体の超音波探傷を行っていると
きの断面図、図4(d)は欠陥のない被検体内部からの
反射エコーを示す図、図4(e)は欠陥のある被検体内
部からのピーク反射エコーを示す図、
は平面図、図5(b)は欠陥部が被検体の中央部まで発
生し、欠陥部からの反射エコーがUTセンサに到達して
いる場合の断面図、
を行っている図を示し、図6(a)は欠陥部が被検体の
外周部に発生し欠陥部の検出が出来ないことを説明する
ための断面図、図6(b)は欠陥部が被検体の中央部ま
で発生していても、欠陥部が傾いているために欠陥部の
検出が出来ないことを説明するための断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 被検体の上端に載置されたUTセンサか
ら被検体内部に超音波を発射し、被検体内部の欠陥から
の反射エコーを受信し、この受信信号により被検体内部
に生じている欠陥を検出する超音波探傷装置において、
前記被検体の外周を包囲して配置された支持体の上端に
設けられ円環状の歯車が前記被検体の外周を包囲して上
端に配置された固定治具と、前記固定治具と間隙を設け
て前記被検体の上部外周を包囲して配設され、前記上部
外周に沿って回転するセンサガイド板とからなり、前記
センサガイド板には前記歯車と噛合して前記被検体の外
周を回転するエンコーダ歯車、前記エンコーダ歯車の回
転による前記センサガイド板の前記被検体の外周回りの
回転角度を検出するエンコーダ及び前記被検体の上方を
半径方向に移動自在にされ、軸心方向から偏向した前記
超音波を前記被検体内部に発射し、前記被検体内部外周
に形成された垂直面で反射された反射エコーを検出でき
る前記UTセンサとしての斜角UTセンサを設けたこと
を特徴とする超音波探傷装置。 - 【請求項2】 被検体の上端に載置されたUTセンサか
ら被検体内部に超音波を発射し、被検体内部の欠陥から
の反射エコーを受信し、この受信信号により被検体内部
に生じている欠陥を検出する超音波探傷装置において、
独立に駆動可能な超音波振動子を内部に設け前記超音波
振動子の駆動時間を調整することにより、軸心方向から
所望の方向に偏向させた超音波を前記被検体内部に発射
し、前記被検体内部の外周に形成された垂直面で反射さ
れた反射エコーを検出できる前記UTセンサとしてのフ
ェーズドアレイUTセンサを前記被検体上端に設けたこ
とを特徴とする超音波探傷装置。 - 【請求項3】 前記斜角UTセンサ若しくはフェーズド
アレイUTセンサの軸心方向から所望の方向に偏向させ
た超音波を前記被検体内部に発射させる工程と、前記被
検体内部外周に形成された垂直面から反射される反射エ
コーを前記斜角UTセンサ若しくはフェーズドアレイU
Tセンサに入射させて検出する工程と、前記被検体内部
に発射された超音波に対応する前記反射エコーが検出さ
れないとき、前記超音波の発射方向の前記被検体内部に
欠陥が生じていることを検出する工程とからなることを
特徴とする超音波探傷方法。 - 【請求項4】 被検体の上端に載置されたUTセンサか
ら被検体内部に超音波を発射し、被検体内部の欠陥から
の反射エコーを受信し、この受信信号により被検体内部
に生じている欠陥を検出する超音波探傷装置において、
集束超音波ビームを被検体内部に発射し、被検体内部に
発生している欠陥先端で反射される反射エコーを検出
し、被検体内部欠陥を検出できる前記UTセンサとして
の集束型斜角センサを前記被検体上端に設けたことを特
徴とする超音波探傷装置。 - 【請求項5】 前記集束型斜角センサから軸心方向から
所望の方向に偏向させた前記集束超音波ビームを前記被
検体内部に発射させる工程と、前記被検体内部から反射
される反射エコーを前記集束型斜角センサに入射させる
工程と、前記被検体内部に発射された前記集束超音波ビ
ームに対応する前記反射エコーが検出されたとき、前記
集束超音波ビーム発射方向の前記被検体内部に欠陥が生
じていることを検出する工程とからなることを特徴とす
る超音波探傷方法。
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