JP2001041938A - 超音波プローブ - Google Patents

超音波プローブ

Info

Publication number
JP2001041938A
JP2001041938A JP21792799A JP21792799A JP2001041938A JP 2001041938 A JP2001041938 A JP 2001041938A JP 21792799 A JP21792799 A JP 21792799A JP 21792799 A JP21792799 A JP 21792799A JP 2001041938 A JP2001041938 A JP 2001041938A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrasonic probe
wave
ultrasonic
subject
acoustic lens
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP21792799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3753567B2 (ja
Inventor
Yoshihiko Takishita
芳彦 瀧下
Hiroshi Yamamoto
弘 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP21792799A priority Critical patent/JP3753567B2/ja
Priority to TW089115113A priority patent/TW490559B/zh
Priority to KR10-2000-0044085A priority patent/KR100373416B1/ko
Priority to US09/629,840 priority patent/US6588278B1/en
Publication of JP2001041938A publication Critical patent/JP2001041938A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3753567B2 publication Critical patent/JP3753567B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N29/00Investigating or analysing materials by the use of ultrasonic, sonic or infrasonic waves; Visualisation of the interior of objects by transmitting ultrasonic or sonic waves through the object
    • G01N29/04Analysing solids
    • G01N29/07Analysing solids by measuring propagation velocity or propagation time of acoustic waves
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N29/00Investigating or analysing materials by the use of ultrasonic, sonic or infrasonic waves; Visualisation of the interior of objects by transmitting ultrasonic or sonic waves through the object
    • G01N29/04Analysing solids
    • G01N29/06Visualisation of the interior, e.g. acoustic microscopy
    • G01N29/0609Display arrangements, e.g. colour displays
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 漏洩弾性表面波の減衰が大きい被検体につい
ても振動子によって受信される漏洩波と垂直反射波との
時間差Δtを明確に求めることができ、被検体の応力分
布や破壊靭性値それに劣化度等を非破壊で評価可能な超
音波プローブを提供する。 【解決手段】 振動子2と当該振動子2から送信された
超音波を収束して被検体Sに入射する音響レンズ3とを
備えた超音波プローブ1において、音響レンズ3の垂直
入射波の伝搬経路G→I及び垂直反射波の伝搬経路I→
Gにおける超音波の伝搬速度と、斜角入射波の伝搬経路
A→B→C及び漏洩波の伝搬経路D→E→Fにおける超
音波の伝搬速度とを異ならせる。具体的には、音響レン
ズの垂直入射波及び垂直反射波の伝搬経路に、振動子設
定面3aからレンズ曲率面3bまで貫通する透孔4を開
設するか、振動子設定面3a又はレンズ曲率面3bにく
ぼみ5を形成する。透孔又はくぼみ内に充填物を充填す
ることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検体の非破壊検
査に適用される超音波プローブに係り、特に、被検体に
発生する漏洩弾性表面波の音速変化から被検体の劣化度
等を評価したり、被検体より発生する漏洩波のレベル変
化から被検体表層の健全性を評価するに好適な超音波プ
ローブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平10−3189
95号公報等に記載されているように、超音波モードの
1つである漏洩弾性表面波の音速変化から、応力分布や
破壊靭性値、それに熱脆化や粒界腐蝕といった被検体の
劣化度(以下、本明細書においては、これらを総称して
「被検体の劣化度等」という。)を非破壊で評価する技
術が知られている。
【0003】図19は従来よりこの種の非破壊検査に適
用されている超音波プローブの一例を示す要部断面図及
び平面図であって、これらの図から明らかなように、本
例の超音波プローブ101は、平面形状が円形に形成さ
れた単一型の振動子102と、当該振動子102から送
信された超音波を収束して被検体Sに入射する凹レンズ
型の音響レンズ103とを備えた構成になっている。振
動子102は、上下面にそれぞれ上部電極102aと下
部電極102bが設けられた圧電薄膜をもって構成され
る。一方、音響レンズ103は、アルミニウム等の超音
波伝搬速度が大きな物質をもって構成され、振動子対向
面103aが平面状に、レンズ曲率面103bが球面状
に形成されている。なお、前記超音波プローブ101の
上部電極102a側には、必要以上の振動の発生を抑制
するためのダンパ材が取り付けられることがあり、また
下部電極102b側には、振動子102の保護板が取り
付けられることもある。
【0004】被検体の劣化度等を評価するに際し、超音
波プローブ101は、3次元方向に移動する機械式スキ
ャナ(図示省略)に固定され、水中で被検体Sと対向に
配置される。その高さ位置は、図19(a)に示すよう
に、被検体Sの表面よりもやや下方に音響レンズ103
の焦点Pがくるように調整される。図中の符号ΔZは、
被検体Sの表面から焦点Pまでのデフォーカス量を示し
ている。この状態で、振動子102の電極に図示しない
制御部から駆動電圧を供給すると、振動子102が駆動
し、当該振動子102から送信された超音波が音響レン
ズ103及び水を通って被検体Sに入射する。また、被
検体Sからの反射波及び漏洩波は、水及び音響レンズ1
03を通って振動子102に受信される。
【0005】振動子102から送信された超音波のう
ち、経路A→B→Cを通って被検体Sの表面にレーリー
臨界角θL で入射した斜角入射波は、漏洩弾性表面波に
変換され、被検体Sの表面に沿って進行する。この漏洩
弾性表面波は、入射点Cから被検体Sの表面を伝搬する
間にレーリー臨界角θL で漏洩し、被検体表面のD点で
漏洩した漏洩波は、経路D→E→Fを通って振動子10
2に受信される。一方、振動子102から送信された超
音波のうち、垂直経路G→H→Iを通って被検体Sの表
面に入射した垂直入射波は、被検体Sによって反射さ
れ、その反射波(垂直反射波)が経路I→H→Gを通っ
て振動子2に受信される。
【0006】振動子102による漏洩波と垂直反射波と
の受信タイミングには、振動子102から斜角入射波及
び垂直入射波が送信されてから漏洩波及び垂直反射波が
振動子102に受信されるまでの各波の行程差に基づく
時間差があり、この時間差Δtと、超音波プローブ10
1と被検体Sとの間に介在する超音波媒質である水中を
伝搬する超音波の音速VW と、音響レンズ103のデフ
ォーカス量ΔZとから、次式によって漏洩弾性表面波の
音速VL を算出することができ、当該漏洩弾性表面波の
音速VL の変化から被検体Sの劣化度等を評価すること
ができる。
【0007】
【数1】
【0008】図20は、振動子102によって受信され
た漏洩波のエコー波形Lと垂直反射波のエコー波形Vと
を示す図であって、前記時間差Δtは、この漏洩波のエ
コー波形Lと垂直反射波のエコー波形Vとのピーク間の
時間差を計測することによって求められる。また、水中
を伝達する超音波の音速VW は、水温を測定することに
よって求めることができ、音響レンズ103のデフォー
カス量ΔZは、被検体Sと超音波プローブ101の設定
間隔と音響レンズ103の焦点距離の差から求めること
ができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前出の
(1)式から漏洩弾性表面波の音速VL を求め、被検体
Sの劣化度等を評価するためには、振動子102の受信
信号から漏洩波のエコー波形Lと垂直反射波のエコー波
形Vとを明確に分離でき、その時間差Δtを計れること
が前提となる。一般に、音響レンズ103のデフォーカ
ス量ΔZを大きくすると、漏洩弾性表面波の伝搬距離が
長くなって、経路A→B→C→D→E→Fと経路G→H
→I→H→Gの行程差が大きくなり、図20に示すよう
に時間軸上で漏洩波のエコー波形Lと垂直反射波のエコ
ー波形Vとが分離して時間差Δtの測定が可能になる
が、本願発明者らの研究によると、漏洩弾性表面波が減
衰しやすい被検体、例えば、母材の表面に溶射皮膜が施
された被検体については、音響レンズ103のデフォー
カス量ΔZを種々変更しても漏洩波のエコー波形Lと垂
直反射波のエコー波形Vとを明確に分離できず、時間差
Δtを求めることができないことが判明した。即ち、本
願発明者らは、母材の表面に厚さ0.1mmのWC系サ
ーメット材料からなる溶射皮膜が施された被検体につい
て実験を行ったところ、音響レンズ103のデフォーカ
ス量ΔZを大きくすると漏洩弾性表面波の減衰が大きく
なって漏洩波のエコー波形Lを検出することが困難にな
り、反対に、音響レンズ103のデフォーカス量ΔZを
小さくすると垂直反射波のエコー波形Vに漏洩波のエコ
ー波形Lが埋没して両者を明確に分離することができ
ず、時間差Δtを求めることができなかった。
【0010】これについて理論的な解析を加えると、前
記の被検体にのど厚(図19(a)のGH間)が5mm
のアルミニウム製(音速=6400m/s)の音響レン
ズからデフォーカス量ΔZを0.2mmとして10MH
zの超音波パルスを送信した場合、WC系溶射皮膜を伝
搬する漏洩弾性表面波の音速VL は約2300m/s
(表面を研磨した同種の溶射皮膜を用いて予め計測した
値)であり、レーリー臨界角は約41度であるので、図
19(a)に示した経路G→H→I→H→Gを伝搬する
垂直入射波及び垂直反射波の伝搬時間が10.05μs
であるのに対して、図19(a)に示した経路A→B→
C→D→E→F経路を伝搬する斜角入射波、漏洩弾性表
面波及び漏洩波の伝搬時間は10.1μsであり、その
差が50nsとなって使用周波数の周期(100ns)
の半分しかないので、仮に微弱な漏洩波が受信されてい
ても、時間差Δtを求めることができない。
【0011】なお、前記においては、被検体の表層を伝
搬する漏洩弾性表面波の音速変化から被検体の劣化度等
を評価する技術を例にとって説明したが、漏洩弾性表面
波を利用した超音波検査方法は、このほかに、被検体よ
り漏洩する漏洩波のレベル変化からクラックの有無や被
膜剥離の有無といった被検体表層の健全性を評価する方
法としても適用することができる。
【0012】即ち、漏洩弾性表面波は、被検体の表面か
ら1波長程度、被検体の内部に浸透するが、母材に対す
る被膜の密着性が良好である場合には、被検体の内部に
浸透した漏洩弾性表面波の母材への浸透量が大きくなる
ため、振動子にて受信される漏洩波のレベルが低くな
る。これに対して、母材に対する被膜の密着性が悪い場
合には、母材と被膜との間に剥離による空気層が生じ、
当該空気層と被膜との界面で漏洩弾性表面波が反射され
るために漏洩弾性表面波の母材への浸透量が小さくな
り、相対的に振動子にて受信される漏洩波のレベルが大
きくなる。したがって、超音波プローブにおける漏洩波
の受信レベルより演算処理部にて母材に対する被膜の密
着性の良否を判定することができる。
【0013】一方、被検体の表層にクラック等の欠陥が
存在すると、被検体の表層における漏洩弾性表面波の伝
搬がクラック等によって妨げられるために、振動子にて
受信される漏洩波のレベルが低くなる。これに対して、
被検体の表層にクラック等の欠陥が存在しない場合に
は、被検体の表層における漏洩弾性表面波の伝搬がクラ
ック等によって妨げられないため、振動子にて受信され
る漏洩波のレベルが高くなる。したがって、この場合に
も、超音波プローブにおける漏洩波の受信レベルより演
算処理部にて被検体表層におけるクラックの有無を判定
することができる。
【0014】被検体表層の健全性を評価するためには、
必ずしも漏洩波と垂直反射波の双方を検出可能な超音波
プローブを用いる必要はないが、少なくとも漏洩波のエ
コー波形を明確に検出できる超音波プローブを用いる必
要がある。
【0015】本発明は、かかる従来技術の不備を解決す
るためになされたものであって、その課題は、被検体の
表層を伝搬する漏洩弾性表面波を利用して被検体の劣化
度等や健全性を評価する超音波検査方法に適用可能な超
音波プローブを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
達成するため、まず第1に、振動子設定面が平面状に形
成されたフラット型超音波プローブと、当該フラット型
超音波プローブの先端部に取り付けられ、前記振動子か
ら送信された超音波を集束する音響レンズとを備えた集
束型の超音波プローブにおいて、前記音響レンズとし
て、被検体への垂直入射波及び被検体からの垂直反射波
の伝搬経路における超音波の伝搬速度と、被検体への斜
角入射波及び被検体からの漏洩波の伝搬経路における超
音波の伝搬速度とを異ならせたものを用いるという構成
にした。
【0017】音響レンズの垂直入射波及び垂直反射波の
伝搬経路における超音波の伝搬速度と、音響レンズの斜
角入射波及び漏洩波の伝搬経路における超音波の伝搬速
度とを異ならせる手段としては、(a)音響レンズの垂
直入射波及び垂直反射波の伝搬経路に、振動子対向面か
らこれと対向するレンズ曲率面まで貫通する透孔を開設
する、(b)音響レンズのレンズ曲率面における垂直入
射波及び垂直反射波の伝搬経路にくぼみを形成する、
(c)音響レンズに開設された透孔内又はくぼみ内に当
該音響レンズを構成する素材よりも超音波の伝搬速度が
遅い素材からなる充填物を充填する、(d)音響レンズ
に開設された透孔内又はくぼみ内に当該音響レンズを構
成する素材よりも超音波の伝搬速度が速い素材からなる
充填物を充填する、といった手段がある。
【0018】なお、前記(c)の具体例としては、アル
ミニウムからなる音響レンズの透孔内又はくぼみ内に樹
脂を充填したものを挙げることができる。また、前記
(d)の具体例としては、樹脂からなる音響レンズの透
孔内又はくぼみ内にアルミニウムの円筒体を圧入する
か、アルミニウムからなる心材の周囲に樹脂をアウトサ
ートモールドして音響レンズとしたものを挙げることが
できる。
【0019】音響レンズの垂直入射波及び垂直反射波の
伝搬経路における超音波の伝搬速度と、音響レンズの斜
角入射波及び漏洩波の伝搬経路における超音波の伝搬速
度とを異ならせると、デフォーカス量ΔZを大きくでき
ない場合にも、振動子による垂直反射波の受信タイミン
グと漏洩波の受信タイミングとをずらすことができるの
で、垂直反射波のエコー波形Vと漏洩波のエコー波形L
とを時間軸上で明確に分離できるようになり、各エコー
波形の受信の時間差Δtを求めることが可能になる。し
たがって、漏洩弾性表面波の音速VL が求められること
から、母材の表面に溶射皮膜などの漏洩弾性表面波Lが
減衰しやすい被膜が施された被検体についても、その劣
化度等を非破壊で評価することができる。また、垂直反
射波のエコー波形Vと漏洩波のエコー波形Lとを時間軸
上で明確に分離でき、漏洩波の受信レベルを正確に求め
られることから、被検体表層の健全性も非破壊で評価す
ることができる。
【0020】また、本発明は、前記の課題を達成するた
め、第2に、振動子設定面が平面状に形成されたフラッ
ト型超音波プローブと、当該フラット型超音波プローブ
の先端部に取り付けられ、前記振動子から送信された超
音波を集束する音響レンズとを備えた集束型の超音波プ
ローブにおいて、前記音響レンズとして、被検体への斜
角入射波及び被検体からの漏洩波の伝搬経路を有し、被
検体への垂直入射波及び被検体からの垂直反射波の伝搬
経路を有しないものを用いるという構成にした。
【0021】被検体への垂直入射波及び被検体からの垂
直反射波の伝搬経路を除く手段としては、(a)音響レ
ンズとして、振動子対向面の中央部にくぼみが形成され
たものを用い、前記フラット型超音波プローブの振動子
設定面と前記くぼみにて構成される空間内に空気を封入
する、(b)音響レンズの振動子対向面に、前記フラッ
ト型超音波プローブに備えられる振動子よりも小型の超
音波遮蔽部材を設ける、といった手段がある。
【0022】かように、被検体への斜角入射波及び被検
体からの漏洩波の伝搬経路を有し、被検体への垂直入射
波及び被検体からの垂直反射波の伝搬経路を有しない音
響レンズを備えた超音波プローブを用いると、垂直反射
波のエコー波形Vが得られず時間差Δtを求めることが
できないが、漏洩波の受信レベルを正確に求められるの
で、被検体表層の健全性を評価することができる。
【0023】なお、音響レンズの形状については何ら制
限があるものではなく、曲率面が球面状に形成された凹
レンズを用いることもできるし、シリンドリカルレンズ
を用いることもできる。
【0024】凹レンズを用いた場合には、被検体に超音
波をスポット状に入射できるため、高精度の超音波検査
を実行することができる。一方、シリンドリカルレンズ
を用いた場合には、被検体に超音波をライン状に入射す
ることができるため、高精度の超音波検査を高能率に実
行することができる。
【0025】なお、音響レンズは、フラット型超音波プ
ローブの先端部に一体不可分に固着することもできる
し、フラット型超音波プローブの先端部に着脱可能に取
り付けることもできる。
【0026】音響レンズをフラット型超音波プローブの
先端部に着脱可能に取り付けると、仕様が異なる各種の
フラット型超音波プローブと音響レンズを組み合わせ
て、多様な仕様の集束型超音波プローブを得ることがで
きるので、少ない部品点数で多様な超音波検査を実行す
ることができ、超音波検査のトータルコストを低減する
ことができる。また、フラット型の超音波プローブと音
響レンズとを着脱可能に結合したことから、水中におけ
る集束型超音波プローブの組立が可能で、フラット型超
音波プローブと音響レンズとの間に気泡が介在すること
がなく、検査結果の信頼性を高めることができる。ま
た、気泡を除去するための手数を要しないので、この点
からも検査コストの低減を図ることができる。
【0027】また、本発明は、前記の課題を達成するた
め、第3に、フラット型超音波プローブと音響レンズの
組み合わせを用いる構成に代えて、振動子設定面が球面
状に形成された超音波プローブを用い、当該振動子設定
面に設けられた振動子の表面中央部に、当該振動子より
も小型の超音波遮蔽部材を備えるという構成にした。
【0028】この超音波プローブを用いた場合にも、垂
直反射波のエコー波形Vが得られず時間差Δtを求める
ことができないが、漏洩波の受信レベルを正確に求めら
れるので、被検体表層の健全性を評価することができ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係る超音波プロー
ブの実施形態例を説明するに先立ち、超音波検査装置の
全体構成を図1及び図2に基づいて説明する。図1は超
音波検査装置のブロック図、図2は超音波検査装置にお
ける超音波プローブ設定部の一部断面した斜視図であ
る。
【0030】これらの図に示すように、本例の超音波検
査装置は、被検体Sの表面に沿って超音波を二次元走査
する超音波走査部10と、当該超音波走査部10の駆動
部20と、当該駆動部20を介して前記超音波走査部1
0を制御し、超音波の受信波形から被検体の応力分布や
破壊靭性値それに劣化度等の所望の検査結果を演算によ
って求める演算処理部30と、当該演算処理部30にて
得られた超音波検査結果を表示する表示部40とから主
に構成されている。
【0031】超音波走査部10は、図2に示すように、
超音波プローブ1と、当該超音波プローブ1及び被検体
Sを収納する水Wが貯えられた水槽11と、超音波プロ
ーブ1を三次元方向に駆動する機械式スキャナ12とか
らなる。機械式スキャナ12は、水槽11の相平行な2
辺に沿ってY−Y方向に配置された一対のY軸ガイド1
3と、当該Y軸ガイド13によってY−Y方向に案内さ
れるY軸スライダ14と、当該Y軸スライダ14に両端
が固定され、X−X方向に配置されたX軸ガイド15
と、当該X軸ガイド15によってX−X方向に案内され
るX軸スライダ16と、当該X軸スライダ16に垂直に
固定されたZ軸ガイド17と、前記超音波プローブ1を
保持し、前記Z軸ガイド17によってZ−Z方向に案内
されるZ軸スライダ18を有しており、前記各スライダ
14,16,18は、図1に示す3つのモータM1〜M
3によって駆動される。これらの各モータには、ロータ
リーエンコーダ等の位置信号出力装置が備えられてお
り、各スライダ14,16,18の座標信号を演算処理
部30にて検出できるようになっている。
【0032】駆動部20には、超音波プローブ1からの
超音波の発信と超音波プローブ1による超音波の受信と
を行うパルサー/レシーバー21と、当該パルサー/レ
シーバー21の受信信号をデジタル変換するA/D変換
器22と、前記機械式スキャナ12に備えられた3つの
モータM1〜M3を駆動するモータドライバ23とが備
えられている。
【0033】また、演算処理部30には、CPU31
と、キーボードやマウス等の入力手段32と、当該入力
手段32からの指令によって駆動するトリガー33及び
モータコントローラ34と、A/D変換された受信信号
をモータドライバ23及びモータコントローラ34を介
してモータ(M1〜M3)から取り込まれた座標信号と
共に蓄積する第1のメモリ35と、トリガー33からの
信号によって起動されCPU31による信号処理のゲー
トを設定するタイマー36と、CPU31による信号処
理の手順を記憶した第2のメモリ37とが備えられてい
る。
【0034】したがって、本例の超音波検査装置は、入
力手段32を操作することによって機械式スキャナ12
に備えられたモータM1〜M3を駆動することができ、
水槽11内に設定された被検体Sに対する超音波プロー
ブ1の位置決めを行うことができる。このときの超音波
プローブ1の座標信号は、モータドライバ23及びモー
タコントローラ34を介して第1のメモリ35に取り込
まれる。この状態から、入力手段32を操作することに
よって、パルサー/レシーバー21及びモータコントロ
ーラ34を駆動することができ、超音波プローブ1を被
検体Sの表面に沿って二次元的に移動しつつ、超音波プ
ローブ1からの超音波の送信と超音波プローブ1による
超音波の受信とを行うことができる。超音波プローブ1
によって受信された超音波は、A/D変換器22によっ
てA/D変換され、モータドライバ23及びモータコン
トローラ34を介してモータM1〜M3より取り込まれ
た座標信号と共に第1のメモリ35に蓄積される。CP
U31は、タイマー36に設定されたゲートごとに第1
のメモリ35に蓄積された信号を取り込んで、第2のメ
モリ37に記憶された信号処理手順に基づいてその信号
処理を行い、その処理結果を表示装置40に色調表示す
る。
【0035】以下、本発明に係る超音波プローブの実施
形態例について説明する。
【0036】〈超音波プローブの第1例〉第1実施形態
例に係る超音波プローブを、図3及び図4に基づいて説
明する。図3(a),(b)は第1実施形態例に係る超
音波プローブの要部断面図及び平面図、図4は振動子に
よって受信される漏洩波及び垂直反射波のエコー波形図
である。
【0037】図3(a),(b)から明らかなように、
本例の超音波プローブ1Aは、振動子設定面7aが平面
状に形成されたフラット型超音波プローブ7と、前記振
動子設定面7aに取り付けられた平面形状が円形の単一
型振動子2と、当該振動子2から送信された超音波を収
束して被検体Sに入射する凹型の音響レンズ3とを備え
た構成になっている。本例の超音波プローブ1Aは、音
響レンズ3として、その中央部に、振動子対向面3aか
らレンズ曲率面3bまで貫通する透孔4を開設したこと
を特徴とする。透孔4の直径は、垂直入射波及び垂直反
射波の伝搬範囲以上に設定すれば足りるが、雑音の受信
を極力抑制するため、斜角入射波及び漏洩波の伝搬を阻
害しない範囲内で可能な限り大きくする方が好ましい。
振動子2は、表裏両面に電極が設けられた圧電薄膜をも
って構成され、前記振動子設定面7aに接着等の手段に
よって固定される。一方、音響レンズ3は、アルミニウ
ム等の超音波伝搬速度が大きな物質をもって構成され、
振動子対向面3aが平面状に形成され、これと対向する
レンズ曲率面3bが球面状に形成されている。
【0038】前記したように、超音波プローブは、被検
体Sの評価に際して、被検体Sと共に水中に配置され
る。したがって、音響レンズ3の中央部に透孔4が開設
された本実施形態例の超音波プローブ1Aを用いると、
図3(a)に示すように、振動子2の斜角経路A→B→
C及びD→E→Fと被検体Sとの間には、超音波の伝搬
速度が高いアルミニウム製の音響レンズ3(音速=約6
400m/s)と超音波の伝搬速度が低い水(19℃で
約1480m/s、26℃で約1500m/s)とが介
在するのに対して、振動子2の垂直経路G→I及びI→
Gと被検体Sとの間には、超音波の伝搬速度が低い水の
みが介在することになるので、経路A→B→C→D→E
→Fを通る斜角入射波、漏洩弾性表面波及び漏洩波の伝
搬時間よりも経路G→I→Gを通る垂直入射波及び垂直
反射波の伝搬時間の方が長くなり、図4に示すように、
垂直反射波のエコー波形Vと漏洩波のエコー波形Lとが
分離し、かつ漏洩波のエコー波形Lの方が表面反射波の
エコー波形Vよりも先行した受信信号が得られる。した
がって、漏洩波のエコー波形Lと表面反射波のエコー波
形Vとの時間差Δtを求めることができ、漏洩弾性表面
波の音速VL を求めることができるので、当該漏洩弾性
表面波の音速変化から例えば被検体Sの応力分布や破壊
靭性値それに熱脆化や粒界腐蝕といった被検体の劣化
度、並びに被検体表面におけるクラックの有無や被検体
表面に設けられた被膜の剥離の有無といった被検体表面
の健全性を非破壊で評価することができる。
【0039】前記と同様に、母材の表面に厚さ0.1m
mのWC系溶射皮膜が施された被検体とレンズのど厚
(透孔4を開設する前のGH間の距離)が5mmのアル
ミニウム製音響レンズを用い、デフォーカス量ΔZを
0.2mm、使用周波数を10MHz、漏洩弾性表面波
の音速VL を2300m/s、レーリー臨界角を41度
として垂直波Vと漏洩弾性表面波Lの時間差Δtを求め
ると、経路A→B→C→D→E→Fを伝搬する超音波の
伝搬時間が約10μsであるのに対して、経路G→I→
Gを伝搬する超音波の伝搬時間は約15μsであり、そ
の差が5μs(使用周波数の周期の50倍)となって、
溶射被膜を有する被検体においても両波を分離できるこ
とが判る。
【0040】なお、前例においては、使用周波数を10
MHzとしたが、5〜20MHzの範囲で変更した場合
にも同様の結果が得られた。
【0041】〈超音波プローブの第2例〉第2実施形態
例に係る超音波プローブを、図5に基づいて説明する。
図5は第2実施形態例に係る超音波プローブの要部断面
図である。
【0042】第2実施形態例に係る超音波プローブ1B
は、音響レンズ3の中央部(垂直入射波及び垂直反射波
の伝搬経路)に透孔4を開設する構成に代えて、音響レ
ンズ3のレンズ曲率面3bの中央部にくぼみ5を形成し
たことを特徴とする。くぼみ5の直径は、垂直入射波及
び垂直反射波の伝搬範囲以上であり、雑音の受信を極力
抑制するため、斜角入射波及び漏洩波の伝搬を阻害しな
い範囲内で可能な限り大きく形成される。
【0043】この超音波プローブ1Bを用いた場合に
も、第1例に係る超音波プローブ1Aと同様に、経路A
→B→C→D→E→Fを通る超音波の伝搬時間よりも経
路G→I→Gを伝搬する超音波の伝搬時間を相対的に遅
らせることができるので、垂直反射波のエコー波形Vと
漏洩波のエコー波形Lの分離が可能で、被検体の劣化度
等並びに被検体表層の健全性の評価を行うことができ
る。
【0044】〈超音波プローブの第3例〉第3実施形態
例に係る超音波プローブを、図6(a),(b),
(c)に基づいて説明する。図6は第3実施形態例に係
る超音波プローブの要部断面図である。
【0045】第3実施形態例に係る超音波プローブ1C
は、音響レンズ3の中央部に単に透孔4を開設するかく
ぼみ5を形成する構成に代えて、開設された透孔4内又
は形成されたくぼみ5内に音響レンズ3を構成する素材
とは超音波の伝搬速度が異なる素材からなる充填物6を
充填したことを特徴とする。図6(a)は音響レンズ3
の中央部に開設された透孔4内に充填物6を充填した場
合、図6(b)は音響レンズ3の振動子設定面3aに形
成されたくぼみ5内に充填物6を充填した場合、図6
(c)は音響レンズ3のレンズ曲率面3bに形成された
くぼみ5内に充填物6を充填した場合を示している。そ
の他については、第1実施形態例及び第2実施形態例に
係る超音波プローブと同じであるので、重複を避けるた
めに説明を省略する。
【0046】音響レンズ3を構成する素材と充填物6と
は、超音波の伝搬速度の差が大きいほど好ましく、音響
レンズ3がアルミニウム(音速=6400m/s)をも
って構成される場合には、充填物6としてはアクリル樹
脂等の樹脂材料(音速=2000〜3000m/s)が
好適に用いられ、反対に音響レンズ3が樹脂材料をもっ
て構成される場合には、充填物6としてはアルミニウム
が好適に用いられる。充填部6として樹脂を用いる場合
には、開設された透孔4又は形成されたくぼみ5内に充
填物である樹脂をポッティングすることによって音響レ
ンズ3を製造することができる。また、充填部6として
固体を用いる場合には、開設された透孔4又は形成され
たくぼみ5内に充填物である固体を圧入することによっ
ても音響レンズ3を製造することができる。さらに、音
響レンズ3が樹脂材料から構成される場合には、アルミ
ニウム等の充填物6の周囲に樹脂をアウトサート成形す
ることによっても所望の音響レンズ3を製造することが
できる。
【0047】勿論、音響レンズ3を構成する素材よりも
超音波の伝搬速度が低い充填物6を充填した場合には、
経路A→B→C→D→E→Fを通る超音波の伝搬時間よ
りも経路G→I→Gを伝搬する超音波の伝搬時間が相対
的に遅くなって、図4に示すように漏洩波のエコー波形
Lの方が垂直反射波のエコー波形Vより先行した形にな
り、逆に、音響レンズ3を構成する素材よりも超音波の
伝搬速度が高い充填物6を充填した場合には、経路A→
B→C→D→E→Fを通る超音波の伝搬時間よりも経路
G→I→Gを伝搬する超音波の伝搬時間が相対的に速く
なって、図20に示すように垂直反射波のエコー波形V
の方が漏洩波のエコー波形Lより先行した形になる。
【0048】本例の超音波プローブ1Cは、音響レンズ
3における垂直入射波及び垂直反射波の伝搬経路G→I
及びI→Gと斜角入射波及び漏洩波の伝搬経路A→B→
C及びD→E→Fとを音速が異なる素材で構成したの
で、各経路を通る超音波の伝搬時間の差が大きくなっ
て、垂直反射波のエコー波形Vと漏洩波のエコー波形L
の分離が可能になり、被検体の劣化度等並びに被検体表
層の健全性の評価を行うことができる。
【0049】〈超音波プローブの第4例〉第4実施形態
例に係る超音波プローブを、図7(a),(b)に基づ
いて説明する。図7(a),(b)は第4実施形態例に
係る超音波プローブの平面方向から見た要部斜視図及び
底面方向から見た要部斜視図である。
【0050】第4実施形態例に係る超音波プローブ1D
は、図7(a)に示すように、音響レンズ3としてシリ
ンドリカルレンズを用いると共に、振動子2として複数
個の振動子2a〜2nが隣接して一方向に配列されたア
レイ型の振動子を備えたことを特徴とする。このシリン
ドリカルレンズの底面の垂直入射波及び垂直反射波の伝
搬経路には、図7(b)に示すように、透孔4が開設さ
れている。透孔4の大きさは、垂直入射波及び垂直反射
波の伝搬範囲以上であり、雑音の受信を極力抑制するた
め、斜角入射波及び漏洩波の伝搬を阻害しない範囲内で
可能な限り大きく形成される。なお、シリンドリカルレ
ンズの底面に透孔4を開設する構成に代えてくぼみを形
成することも可能であり、さらには、開設された透孔又
は形成されたくぼみ内に、斜角入射波及び漏洩波の伝搬
経路とは超音波の伝搬速度が異なる充填物を充填するこ
とも勿論可能である。
【0051】本例の超音波プローブ1Dは、音響レンズ
3としてシリンドリカルレンズを用いると共に、振動子
2としてアレイ型の振動子を備えたので、被検体Sの表
面を面状にトレースすることができ、円筒形の音響レン
ズに平面形状が円形の単一型の振動子を備えた場合に比
べて、被検体Sの検査効率を高めることができる。
【0052】〈超音波プローブの第5例〉第5実施形態
例に係る超音波プローブの第5例を、図8に基づいて説
明する。図8は第5実施形態例に係る超音波プローブの
平面方向から見た要部斜視図である。
【0053】第5実施形態例に係る超音波プローブ1E
は、図8に示すように、音響レンズ3としてシリンドリ
カルレンズを用いると共に、振動子2として単一型の振
動子を備えたことを特徴とする。このシリンドリカルレ
ンズの底面の垂直入射波及び垂直反射波の伝搬経路に
は、図7(b)に示したと同様に、透孔4が開設され
る。勿論、シリンドリカルレンズの底面に透孔4を開設
する構成に代えてくぼみを形成することも、開設された
透孔又は形成されたくぼみ内に、斜角入射波及び漏洩波
の伝搬経路とは超音波の伝搬速度が異なる充填物を充填
することも可能である。その他については、第4実施形
態例に係る超音波プローブと同じであるので、重複を避
けるために説明を省略する。
【0054】本例の超音波プローブ1Eは、音響レンズ
3としてシリンドリカルレンズを用いると共に、振動子
2として単一型の振動子を備えたので、被検体Sの表面
に超音波ビームを線状に照射することができ、円筒形の
音響レンズに平面形状が円形の単一型の振動子を備えた
場合に比べて、被検体Sの検査効率を高めることができ
る。
【0055】〈超音波プローブの第6例〉第6実施形態
例に係る超音波プローブの第6例を、図9に基づいて説
明する。図9は第6実施形態例に係る超音波プローブの
要部断面図である。
【0056】第6実施形態例に係る超音波プローブ1F
は、図9に示すように、音響レンズ3の振動子対向面3
aの中央部(垂直入射波及び垂直反射波の伝搬経路)に
くぼみ5を形成し、当該くぼみ5と前記フラット型超音
波プローブ7に備えられた振動子2の表面にて構成され
る空間内に超音波遮蔽部材8を封入するか、超音波遮蔽
体としての空気を封入するという構成にした。くぼみ5
の直径は、垂直入射波及び垂直反射波の伝搬範囲以上で
あり、雑音の受信を極力抑制するため、斜角入射波及び
漏洩波の伝搬を阻害しない範囲内で可能な限り大きく形
成される。
【0057】この超音波プローブ1Fを用いた場合は、
被検体Sへの垂直入射波の伝搬及び被検体Sからの垂直
反射波の伝搬が超音波遮蔽部材8又は超音波遮蔽体とし
ての空気によって制限されるので、垂直反射波のエコー
波形Vが得られず、したがって時間差Δtを求めること
ができないが、斜角入射波の伝搬経路と漏洩波の伝搬経
路とが設けられているので、漏洩波の受信レベルを検出
することができ、この漏洩波の受信レベルから被検体表
層の健全性を評価することができる。
【0058】〈超音波プローブの第7例〉第7実施形態
例に係る超音波プローブの第7例を、図10(a),
(b)に基づいて説明する。図10(a),(b)は第
7実施形態例に係る超音波プローブの要部断面図及び要
部平面図である。
【0059】第7例の超音波プローブ1Gは、図10
(a),(b)に示すように、音響レンズ3に透孔4や
くぼみ5を形成せず、レンズ曲率面3bの中央部(垂直
入射波及び垂直反射波の伝搬経路)に、前記フラット型
超音波プローブ7に備えられた振動子2よりも小径の超
音波遮蔽部材8を配設したことを特徴とする。超音波遮
蔽部材8の直径は、垂直入射波及び垂直反射波の伝搬範
囲以上であり、雑音の受信を極力抑制するため、斜角入
射波及び漏洩波の伝搬を阻害しない範囲内で可能な限り
大きく形成される。
【0060】本例の超音波プローブ1Gを用いた場合
も、被検体Sへの垂直入射波の伝搬及び被検体Sからの
垂直反射波の伝搬が超音波遮蔽部材8によって制限され
るが、斜角入射波の伝搬経路と漏洩波の伝搬経路とが設
けられているので、漏洩波の受信レベルを検出すること
ができ、この漏洩波の受信レベルから被検体表層の健全
性を評価することができる。
【0061】なお、前記第6実施形態例及び第7実施形
態例においては、振動子2として平面形状が円形に形成
されたものを用い、その対向面の中央部に超音波遮蔽部
材8を配置するか、超音波遮蔽体としての空気層を形成
するという構成にしたが、かかる構成に代えて、振動子
2をリング状に形成し、被検体Sへの垂直入射波の伝搬
及び被検体Sからの垂直反射波の伝搬を制限するという
構成にすることもできる。
【0062】〈超音波プローブの第8例〉第8実施形態
例に係る超音波プローブを、図11に基づいて説明す
る。図11は第8実施形態例に係る超音波プローブの要
部断面図である。
【0063】図11から明らかなように、本例の超音波
プローブ1Hは、フラット型超音波プローブ7の外周面
には雄ねじ7aを刻設すると共に、音響レンズ3の上半
部に形成された凹部3cの内周面に前記雄ねじ7aと螺
合可能な雌ねじ3dを刻設し、これら両ねじ7a、3d
を螺合することによって、フラット型超音波プローブ7
の先端部に音響レンズ3を着脱可能に固定したことを特
徴とする。
【0064】前記凹部3cの底面は平面状に形成されて
おり、フラット型超音波プローブ7の先端部に密着でき
るようになっている。また、当該音響レンズ3の中央部
(垂直入射波及び垂直反射波の伝搬経路)には、凹部3
cの底面からレンズ曲率面3bまで貫通する透孔4が開
設されている。
【0065】本例の超音波プローブ1Hは、第1実施形
態例に係る超音波プローブ1Aと同様の効果を奏するほ
か、フラット型超音波プローブ7の先端部に音響レンズ
3を着脱可能に取り付けるという構成にしたので、仕様
が異なる各種のフラット型超音波プローブ7と音響レン
ズ3とを組み合わせて多様な仕様の集束型超音波プロー
ブを得ることができ、少ない部品点数で多様な超音波検
査を実行することができることから、超音波検査のトー
タルコストを低減することができる。また、フラット型
超音波プローブ7と音響レンズ3とを着脱可能に結合し
たことから、水中における集束型超音波プローブの組立
が可能であり、フラット型超音波プローブ7と音響レン
ズ3の間に気泡が介在することがないので、検査結果の
信頼性を高めることができる。加えて、気泡を除去する
ための手数を要しないので、この点からも検査コストの
低減を図ることができる。
【0066】なお、本例の超音波プローブ1Hには、音
響レンズ3として、垂直入射波及び垂直反射波の伝搬経
路に凹部3cの底面からレンズ曲率面3bまで貫通する
透孔4を開設したものが用いられているが、第2実施例
に係る超音波プローブ1Bと同様に、透孔4に代えてく
ぼみ5が形成されたものを用いることもできるし、第3
実施例に係る超音波プローブ1Cと同様に、透孔4内又
はくぼみ5内に充填物6が充填されたものを用いること
もできる。さらには、第6実施例に係る超音波プローブ
1F又は第7実施例に係る超音波プローブ1Gと同様
に、所定の部分に超音波遮蔽部材8(空気を含む。)が
設けられたものを用いることもできる。
【0067】〈超音波プローブの第9例〉第9実施形態
例に係る超音波プローブを、図12に基づいて説明す
る。図12は第9実施形態例に係る超音波プローブの要
部斜視図である。
【0068】図12から明らかなように、本例の超音波
プローブ1Iは、音響レンズ3の側面に、凹部3cまで
貫通するねじ孔3eを開設し、当該ねじ孔3eに螺合さ
れたビス3fにて、凹部3c内に挿入されたフラット型
超音波プローブ7の先端部を締結したことを特徴とす
る。 本例の超音波プローブ1Iも、第8実施形態例に
係る超音波プローブ1Hと同様の効果を有する。
【0069】なお、かかる構成は、アレイ型の振動子を
備えたフラット型超音波プローブにシリンドリカルレン
ズ型の音響レンズを装着する場合にのみ適用できるもの
ではなく、単一型の振動子を備えたフラット型超音波プ
ローブにシリンドリカルレンズ型の音響レンズを装着す
る場合にも適用できることは勿論である。また、第8実
施形態例においては、フラット型超音波プローブ7の外
周面に雄ねじ7aを刻設すると共に、音響レンズ3の凹
部内周面に雌ねじ3dを刻設し、これら両ねじ7a、3
dを螺合することによって、フラット型超音波プローブ
7の先端部に音響レンズ3を固定したが、かかる構成に
代えて、フラット型超音波プローブ7の外周面と音響レ
ンズ3の凹部内周面とを平滑面とし、音響レンズ3の凹
部3cに挿入されたフラット型超音波プローブ7の先端
外周面を、音響レンズ3の外部より貫通されたビスにて
固定するように構成することもできる。
【0070】〈超音波プローブの第10例〉第10実施
形態例に係る超音波プローブを、図13(a),(b)
に基づいて説明する。図13(a),(b)は、第10
実施形態例に係る超音波プローブの要部断面図及び平面
図である。
【0071】第10実施形態例に係る超音波プローブ1
Jは、図13(a),(b)に示すように、フラット型
超音波プローブ7の先端部に音響レンズ3を装着する構
成に代えて、プローブ本体に形成された球面状の振動子
設定面1aにリング状の振動子2を設定し、当該振動子
2の表面を保護材9にて覆ったことを特徴とする。
【0072】本例の超音波プローブ1Jは、第6実施形
態例に係る超音波プローブ1F及び第7実施形態例に係
る超音波プローブ1Gと同様の効果を有するほか、音響
レンズを省略できるので、超音波プローブの小型化を図
ることができる。
【0073】〈超音波プローブの第11例〉第11実施
形態例に係る超音波プローブを、図14(a),(b)
に基づいて説明する。図14(a),(b)は、第11
実施形態例に係る超音波プローブの要部断面図及び平面
図である。
【0074】第11実施形態例に係る超音波プローブ1
Kは、図14(a),(b)に示すように、プローブ本
体に形成された球面状の振動子設定面1aに平面形状が
円形の振動子2を設定すると共に、その中心部にそれよ
りも小径の超音波遮蔽部材8を設け、これら振動子2及
び超音波遮蔽部材8の表面を保護材9にて覆ったことを
特徴とする。
【0075】本実施形態例に係る超音波プローブ1K
も、第10実施形態例に係る超音波プローブと同様の効
果を有する。
【0076】以下、前記のように構成された超音波検査
装置を用いた超音波検査方法の一例を、前出の図3
(a)並びに図15及び図16に基づいて説明する。こ
の検査方法は、水温の測定を行うことなく、漏洩弾性表
面波の音速VL を算出できるようにしたことを特徴とす
る。図15は音響レンズの焦点を被検体の表面に合致し
た場合における超音波プローブの配置を示す説明図であ
り、図16は超音波検査方法の手順を示すフローチャー
トである。図16に示した超音波検査方法の手順は、図
1に示した第2のメモリ37に記憶される。
【0077】まず、手順S1で、機械式スキャナ12の
Z軸スライダ18を駆動して超音波プローブ1を被検体
Sに接近する方向又は被検体Sから離隔する方向に移動
し、図15に示すように、音響レンズ3の焦点を被検体
Sの表面に合致させる。音響レンズ3の焦点が被検体S
の表面に合致すると、漏洩波のエコーレベルが最大にな
るので、音響レンズ3の焦点が被検体Sの表面に合致し
たことを知ることができる。
【0078】手順S2で、振動子2から超音波を送信
し、経路A→B→C→D→E→Fを通る超音波の伝搬時
間tL0と、経路G→I→Gを通る超音波の伝搬時間tV0
を計測する。また、Z軸スライダ18の出力値Z0 の読
み込みを行う。
【0079】次に、手順S3,S4で、漏洩弾性表面波
を検出するまで超音波プローブ1を被検体Sに接近させ
る。超音波プローブ1の停止位置は、必ずしも漏洩弾性
表面波のエコーレベルが最大になる位置とする必要はな
く、漏洩弾性表面波を検出できる範囲内で任意に設定で
きる。漏洩弾性表面波が検出されたとき、超音波プロー
ブ1は、図3(a)に示す位置になり、音響レンズ3の
焦点位置は、被検体Sの表面からデフォーカス量ΔZだ
け内側になる。
【0080】手順S5で、振動子2から超音波を送信
し、経路A→B→C→D→E→Fを通る超音波の伝搬時
間tL1と、経路G→I→Gを通る超音波の伝搬時間tV1
を計測する。また、Z軸スライダ18の出力値Z1 の読
み込みを行う。
【0081】次いで手順S6に移行し、手順S2で計測
された経路A→B→C→D→E→Fを通る超音波の伝搬
時間tL0と手順S5で計測された経路A→B→C→D→
E→Fを通る超音波の伝搬時間tL1との時間差Δt
L(=tL0−tL1)、手順S2で計測された経路G→I
→Gを通る超音波の伝搬時間tV0と手順S5で計測され
た経路G→I→Gを通る超音波の伝搬時間tV1との時間
差ΔtV(=tV0−tV1)及び手順S2で計測されたZ
軸スライダ18の出力値Z0 と手順S5で計測されたZ
軸スライダ18の出力値Z1 の差、即ち音響レンズ3の
デフォーカス量ΔZ(=Z0−Z1)を算出する。
【0082】最後に、これらの算出値から、下記の
(2)式を用いて漏洩弾性表面波の音速VL を求める
【0083】
【数2】
【0084】(2)式は水の音速VW を変数に含まない
ので、この式に基づけば、水の音速VW を測定すること
なく漏洩弾性表面波の音速VL を算出することができ
る。なお、上記においては説明を省略したが、上記の検
査方法を実行するに際しては、機械式スキャナ12のY
軸スライダ14及び/又はX軸スライダ16を適宜駆動
して、被検体Sの表面に沿って超音波プローブ1を走査
することはもちろんである。また、図16の超音波検査
方法においては、手順S1で音響レンズ3の焦点を被検
体Sの表面に合致させたが、この手順において音響レン
ズ3の焦点を被検体Sの表面に完全に合致させなければ
所要の超音波検査を実行できないというものではなく、
音響レンズ3の焦点を被検体Sの表面よりやや内側に位
置付けることもできる。この場合には、手順S3,S4
において、音響レンズ3の焦点位置が、手順S1で設定
された音響レンズ3の焦点位置よりもさらに被検体Sの
内側に移動される。
【0085】以下、当該(2)式の妥当性について説明
する。音響レンズ3の焦点位置を被検体Sの表面に合致
させたときに経路A→B→C→D→E→Fを通る超音波
の伝搬時間tL0と音響レンズ3の焦点位置を被検体Sの
表面からずらしたときに経路A→B→C→D→E→Fを
通る超音波の伝搬時間tL1との時間差ΔtL は、音響レ
ンズ3のデフォーカス量をΔZ、レーリー臨界角を
θL 、水の音速をVW 、漏洩弾性表面波の音速をVL
したとき、
【0086】
【数3】
【0087】で表され、スネルの法則からVW=VLsi
nθLであることを利用して(3)式からθL を消去す
ると、下記の(4)式が得られる。
【0088】
【数4】
【0089】一方、音響レンズ3の焦点位置を被検体S
の表面に合致させたときに経路G→I→Gを通る超音波
の伝搬時間tV0と音響レンズ3の焦点位置を被検体Sの
表面からずらしたときに経路G→I→Gを通る超音波の
伝搬時間tV1との時間差ΔtV は、下記の(5)式で表
される。
【0090】
【数5】
【0091】この(5)式から、水の音速をVW は、下
記の(6)式で求められる。
【0092】
【数6】
【0093】ここで、(6)式を(4)式に代入すれ
ば、水の音速VW を変数に含まない漏洩弾性表面波の音
速VL を求める(2)式を得ることができる。
【0094】なお、本例においては、第1実施形態例に
係る超音波プローブ1Aを用いた検査方法について説明
したが、第2乃至第5実施例に係る超音波プローブ1B
乃至1Eを用いた場合にも、同様の効果を得ることがで
きる。
【0095】次に、前記のように構成された超音波検査
装置及び超音波プローブを用いた超音波検査方法の他の
例を、図1、図2、図3、図15及び図17を参照して
説明する。ここに、図17は超音波検査方法の手順を示
すフローチャートである。
【0096】まず、図17の手順S1において、入力手
段32を操作し、機械式スキャナ12に備えられたモー
タM1,M2を駆動して、水槽11内に設定された被検
体Sに対する超音波プローブ1のX−Y方向の位置決め
を行う。このときの超音波プローブ1のX−Y座標は、
モータドライバ23及びモータコントローラ34を介し
て第1のメモリ35に取り込まれ、超音波プローブ1の
現在位置が特定される。
【0097】次いで、図17の手順S2に移行し、入力
手段32を操作して機械式スキャナ12に備えられたモ
ータM3を駆動し、機械式スキャナ12のZ軸スライダ
18に取り付けられた超音波プローブ1をZ方向に移動
し、図3に示すように、音響レンズ3の焦点を被検体S
の表面より所要のデフォーカス量ΔZだけ下方に合致さ
せる。音響レンズ3の焦点が図15に示すように被検体
Sの表面に合致すると漏洩波のエコーレベルが最大にな
るので、超音波プローブ1をZ方向に移動しつつ、漏洩
波のエコーレベルを連続的に検知することによって、音
響レンズ3の焦点を被検体Sの表面に合致させることが
でき、その位置から所要のデフォーカス量ΔZだけ超音
波プローブ1を下降することによって、音響レンズ3の
焦点を所定の位置に合致させることができる。この操作
は、演算処理部30に備えられた第2のメモリ37に記
憶されたプログラムに基づいて自動的に行わせることが
できる。なお、デフォーカス量ΔZが大きいほど垂直反
射波の検出タイミングと漏洩波の検出タイミングとがず
れて漏洩波レベルの検出が容易になるが、その反面溶射
皮膜S2 による漏洩弾性表面波の減衰が大きくなって漏
洩波レベルが低下するため、両者を勘案して、膜厚が
0.1mmの溶射皮膜の場合、デフォーカス量ΔZを
0.2mm程度とすることが好ましい。
【0098】次いで、図17の手順S3に移行し、入力
手段32を操作して所要の範囲で超音波プローブ1をX
−Y方向に二次元走査しつつ、所要の走査ピッチで漏洩
波のエコー像を超音波プローブ1の座標信号と共に演算
処理部30に備えられた第1のメモリ35に取り込む。
この操作も、演算処理部30に備えられた第2のメモリ
37に記憶されたプログラムに基づいて自動的に行わせ
ることができる。
【0099】最後に、図17の手順S4に移行し、第1
のメモリ35に蓄積されたデータを順次CPU31に取
り込んでC画像化し、その結果を表示部40に表示す
る。この操作も、演算処理部30に備えられた第2のメ
モリ37に記憶されたプログラムに基づいて自動的に行
わせることができる。
【0100】図18に、前記実施形態例に係る装置にて
得られた漏洩波のCスコープ画像を示す。図18(a)
は、溶射皮膜S2 の形成前に母材S1 に当然施されるべ
き前処理としてのブラスト処理を中央部にのみ施さない
で溶射皮膜S2 が形成された被検体より得られた漏洩波
のCスコープ画像であり、図18(b)は、母材S1
表面に正常に溶射皮膜S2 が形成され、溶射皮膜S2
形成後に曲げ応力が負荷された被検体より得られた漏洩
波のCスコープ画像である。
【0101】図18(a)の例では、ブラスト処理が施
されなかった母材S1 の中央部における漏洩波のエコー
レベルが周囲の正常部分に比べて明らかに高くなってお
り、前記実施形態例に係る装置にて溶射皮膜S2 の剥離
若しくは密着不足を鮮明に映像化できることが判る。ま
た、図18(b)の例では、母材S1 の中央部に漏洩波
のエコーレベルが周囲の正常部分に比べて明らかに低い
縞状のエコー像が現れており、肉眼では観察できない微
小(幅2〜5μm)なクラックも鮮明に映像化できるこ
とが判る。
【0102】これに対して、超音波プローブ1として、
被検体Sへの漏洩弾性表面波を励起させる斜角入射波の
送信と被検体Sからの漏洩波の受信とが可能ではある
が、振動子にて検出される漏洩波のエコー像と垂直反射
波のエコー像が時間軸上で分離できないものを用いて同
様の検査を行った場合には、正常部分と欠陥部のエコー
レベルのレベル差が小さく、欠陥を鮮明に検出すること
が困難であった。
【0103】なお、本例においては、第1実施形態例に
係る超音波プローブ1Aを用いた検査方法について説明
したが、第2乃至第11実施例に係る超音波プローブ1
B乃至1Kを用いた場合にも、同様の効果を得ることが
できる。
【0104】以上説明した各超音波検査方法によると、
被検体Sの表面側から検査部位である被検体Sの表層部
分に超音波を入射するので、被検体Sの厚みや被検体S
の内部状態それに被検体Sの底面の状態に関わりなく、
常に高精度の欠陥検査を行うことができる。また、上記
と同様の理由から、被検体Sの端部まで超音波検査が可
能で、信頼性の高い欠陥検査を行うことができる。
【0105】
【発明の効果】請求項1乃至3に記載の発明によると、
振動子設定面が平面状に形成されたフラット型超音波プ
ローブと、当該フラット型超音波プローブの先端部に取
り付けられ、前記振動子から送信された超音波を集束す
る音響レンズとを備えた集束型の超音波プローブにおい
て、前記音響レンズとして、被検体への垂直入射波及び
被検体からの垂直反射波の伝搬経路における超音波の伝
搬速度と、被検体への斜角入射波及び被検体からの漏洩
波の伝搬経路における超音波の伝搬速度とを異ならせた
ものを用いたので、デフォーカス量ΔZを大きくできな
い場合にも、振動子による垂直反射波の受信タイミング
と漏洩波の受信タイミングとをずらすことができ、各エ
コー波形の受信の時間差Δtを求めることができる。よ
って、母材の表面に溶射皮膜などの漏洩弾性表面波Lが
減衰しやすい被膜が施された被検体についても、その劣
化度等を非破壊で評価することができると共に、漏洩波
の受信レベルを正確に求められることから、被検体表層
の健全性も非破壊で評価することができる。
【0106】請求項4乃至6に記載の発明によると、前
記と同様の集束型の超音波プローブにおいて、前記音響
レンズとして、被検体への斜角入射波及び被検体からの
漏洩波の伝搬経路を有し、被検体への垂直入射波及び被
検体からの垂直反射波の伝搬経路を有しないものを用い
たので、漏洩波の受信レベルが正確に求められ、被検体
表層の健全性を評価することができる。
【0107】請求項7に記載の発明によると、音響レン
ズとして、レンズ曲率面が球面状に形成された凹レンズ
を用いたので、フラット型超音波プローブから出力され
た超音波を被検体の表層部分にスポット状に集中させる
ことができ、高精度の検査を行うことができる。
【0108】請求項8に記載の発明によると、音響レン
ズとして、シリンドリカルレンズを用いたので、フラッ
ト型超音波プローブから出力された超音波を被検体の表
層部分にライン状に集中させることができ、高精度の検
査を高能率に行うことができる。
【0109】請求項9に記載の発明によると、音響レン
ズをフラット型超音波プローブの先端部に着脱可能に取
り付けたので、仕様が異なる各種のフラット型超音波プ
ローブと音響レンズを組み合わせて、多様な仕様の集束
型超音波プローブを得ることができ、少ない部品点数で
多様な超音波検査を実行することができるので、超音波
検査のトータルコストを低減することができる。また、
フラット型の超音波プローブと音響レンズとを着脱可能
に結合したことから、水中における集束型超音波プロー
ブの組立が可能で、フラット型超音波プローブと音響レ
ンズとの間に気泡が介在することがなく、検査結果の信
頼性を高めることができる。また、気泡を除去するため
の手数を要しないので、この点からも検査コストの低減
を図ることができる。
【0110】請求項10に記載の発明によると、フラッ
ト型超音波プローブと音響レンズの組み合わせを用いる
構成に代えて、振動子設定面が球面状に形成された超音
波プローブを用い、当該振動子設定面に設けられた振動
子の表面中央部に、当該振動子よりも小型の超音波遮蔽
部材を備えたので、超音波プローブの構成の簡略化を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】超音波検査装置のブロック図である。
【図2】超音波検査装置における超音波走査部の構成図
である。
【図3】第1実施形態例に係る超音波プローブの要部断
面図及び平面図である。
【図4】振動子によって受信される漏洩波及び垂直反射
波のエコー波形である。
【図5】第2実施形態例に係る超音波プローブの要部断
面図である。
【図6】第3実施形態例に係る超音波プローブの要部断
面図である。
【図7】第4実施形態例に係る超音波プローブの平面側
から見た斜視図と底面側から見た斜視図である。
【図8】第5実施形態例に係る超音波プローブの平面側
から見た斜視図である。
【図9】第6実施形態例に係る超音波プローブの要部断
面図である。
【図10】第7実施形態例に係る超音波プローブの要部
断面図及び平面図である。
【図11】第8実施形態例に係る超音波プローブの要部
断面図である。
【図12】第9実施形態例に係る超音波プローブの斜視
図である。
【図13】第10実施形態例に係る超音波プローブの要
部断面図及び平面図である。
【図14】第11実施形態例に係る超音波プローブの要
部断面図及び平面図である。
【図15】音響レンズの焦点を被検体の表面に合致した
場合の説明図である。
【図16】第1例に係る超音波検査方法の手順を示すフ
ローチャートである。
【図17】第2例に係る超音波検査方法の手順を示すフ
ローチャートである。
【図18】第2例に係る超音波検査方法を実行すること
によって得られる漏洩波のC画像を示す図である。
【図19】従来より知られている超音波プローブの要部
断面図及び平面図である。
【図20】振動子によって受信される漏洩波及び垂直反
射波のエコー波形である。
【符号の説明】
1 超音波プローブ 2 振動子 3 音響レンズ 3a 振動子設定面 3b レンズ曲率面 4 透孔 5 くぼみ 6 充填物 7 フラット型超音波プローブ 8 超音波遮蔽部材 9 保護材
【手続補正書】
【提出日】平成11年8月3日(1999.8.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】第3実施形態例に係る超音波プローブ1C
は、音響レンズ3の中央部に単に透孔4を開設するかく
ぼみ5を形成する構成に代えて、開設された透孔4内又
は形成されたくぼみ5内に音響レンズ3を構成する素材
とは超音波の伝搬速度が異なる素材からなる充填物6を
充填したことを特徴とする。図6(a)は音響レンズ3
の中央部に開設された透孔4内に充填物6を充填した場
合、図6(b)は音響レンズ3の振動子対向面3aに形
成されたくぼみ5内に充填物6を充填した場合、図6
(c)は音響レンズ3のレンズ曲率面3bに形成された
くぼみ5内に充填物6を充填した場合を示している。そ
の他については、第1実施形態例及び第2実施形態例に
係る超音波プローブと同じであるので、重複を避けるた
めに説明を省略する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 1 超音波プローブ 2 振動子 3 音響レンズ 3a 振動子対向面 3b レンズ曲率面 4 透孔 5 くぼみ 6 充填物 7 フラット型超音波プローブ 8 超音波遮蔽部材 9 保護材
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正内容】
【図14】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04R 1/44 330 H04R 1/44 330L 330C 17/00 330 17/00 330A Fターム(参考) 2G047 BB01 BB02 BC02 CB03 GB11 GB25 GG09 GG24 GG30 5D019 AA01 AA05 AA11 AA21 BB12 BB18 BB22 BB23 EE01 FF02 FF05 GG03 GG09 GG10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動子設定面が平面状に形成されたフラ
    ット型超音波プローブと、当該フラット型超音波プロー
    ブの先端部に取り付けられ、前記振動子から送信された
    超音波を集束する音響レンズとを備えた集束型の超音波
    プローブにおいて、前記音響レンズとして、被検体への
    垂直入射波及び被検体からの垂直反射波の伝搬経路にお
    ける超音波の伝搬速度と、被検体への斜角入射波及び被
    検体からの漏洩波の伝搬経路における超音波の伝搬速度
    とを異ならせたものを用いたことを特徴とする超音波プ
    ローブ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の超音波プローブにおい
    て、前記音響レンズとして、前記垂直入射波及び垂直反
    射波の伝搬経路に振動子対向面からこれと対向するレン
    ズ曲率面まで貫通する透孔を開設するか、レンズ曲率面
    における前記垂直入射波及び垂直反射波の伝搬経路にく
    ぼみを形成したものを用いたことを特徴とする超音波プ
    ローブ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の超音波プローブにおい
    て、前記音響レンズとして、前記垂直入射波及び垂直反
    射波の伝搬経路に振動子対向面からレンズ曲率面まで貫
    通する透孔を開設するか、振動子対向面又はレンズ曲率
    面における前記垂直入射波及び垂直反射波の伝搬経路に
    くぼみを形成し、これら透孔内又はくぼみ内に当該音響
    レンズを構成する素材とは超音波の伝搬速度が異なる素
    材からなる充填物が充填されたものを用いたことを特徴
    とする超音波プローブ。
  4. 【請求項4】 振動子設定面が平面状に形成されたフラ
    ット型超音波プローブと、当該フラット型超音波プロー
    ブの先端部に取り付けられ、前記振動子から送信された
    超音波を集束する音響レンズとを備えた集束型の超音波
    プローブにおいて、前記音響レンズとして、被検体への
    斜角入射波及び被検体からの漏洩波の伝搬経路を有し、
    被検体への垂直入射波及び被検体からの垂直反射波の伝
    搬経路を有しないものを用いたことを特徴とする超音波
    プローブ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の超音波プローブにおい
    て、前記音響レンズとして、振動子対向面の中央部にく
    ぼみが形成されたものを用い、当該くぼみと前記フラッ
    ト型超音波プローブに備えられた振動子の表面にて構成
    される空間内に超音波遮蔽部材を封入するか、超音波遮
    蔽体としての空気を封入したことを特徴とする超音波プ
    ローブ。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の超音波プローブにおい
    て、前記音響レンズの振動子対向面中央部に、前記フラ
    ット型超音波プローブに備えられる振動子よりも小型の
    超音波遮蔽部材を設けたことを特徴とする超音波プロー
    ブ。
  7. 【請求項7】 請求項1又は4に記載の超音波プローブ
    において、前記音響レンズとして、レンズ曲率面が球面
    状に形成された凹レンズを用いたことを特徴とする超音
    波プローブ。
  8. 【請求項8】 請求項1又は4記載の超音波プローブに
    おいて、前記音響レンズとして、シリンドリカルレンズ
    を用いたことを特徴とする超音波プローブ。
  9. 【請求項9】 請求項1又は4に記載の超音波プローブ
    において、前記フラット型超音波プローブの先端部に、
    前記音響レンズを着脱可能に取り付けたことを特徴とす
    る超音波プローブ。
  10. 【請求項10】 球面状の振動子設定面に設けられた振
    動子の表面中央部に、当該振動子よりも小型の超音波遮
    蔽部材を備えたことを特徴とする超音波プローブ。
JP21792799A 1999-07-30 1999-07-30 超音波プローブ Expired - Fee Related JP3753567B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21792799A JP3753567B2 (ja) 1999-07-30 1999-07-30 超音波プローブ
TW089115113A TW490559B (en) 1999-07-30 2000-07-28 Ultrasonic inspection apparatus and ultrasonic detector
KR10-2000-0044085A KR100373416B1 (ko) 1999-07-30 2000-07-29 초음파 검사 장치 및 초음파 프로브
US09/629,840 US6588278B1 (en) 1999-07-30 2000-07-31 Ultrasonic inspection device and ultrasonic probe

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21792799A JP3753567B2 (ja) 1999-07-30 1999-07-30 超音波プローブ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001041938A true JP2001041938A (ja) 2001-02-16
JP3753567B2 JP3753567B2 (ja) 2006-03-08

Family

ID=16711914

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21792799A Expired - Fee Related JP3753567B2 (ja) 1999-07-30 1999-07-30 超音波プローブ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3753567B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005034576A1 (ja) * 2003-10-02 2005-04-14 Hitachi Medical Corporation 超音波トランスジューサおよびそれを用いた超音波治療装置
CN112676259A (zh) * 2020-12-30 2021-04-20 广州安费诺诚信软性电路有限公司 一种含有微小孔的fpc板的清洗工艺
CN116793231A (zh) * 2023-07-03 2023-09-22 深圳市易显传感技术有限公司 镜片厚度检测方法和装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5705770B2 (ja) * 2011-03-28 2015-04-22 トヨタ自動車株式会社 超音波計測方法、及び超音波計測装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005034576A1 (ja) * 2003-10-02 2005-04-14 Hitachi Medical Corporation 超音波トランスジューサおよびそれを用いた超音波治療装置
CN112676259A (zh) * 2020-12-30 2021-04-20 广州安费诺诚信软性电路有限公司 一种含有微小孔的fpc板的清洗工艺
CN112676259B (zh) * 2020-12-30 2022-07-19 广州安费诺诚信软性电路有限公司 一种含有微小孔的fpc板的清洗工艺
CN116793231A (zh) * 2023-07-03 2023-09-22 深圳市易显传感技术有限公司 镜片厚度检测方法和装置
CN116793231B (zh) * 2023-07-03 2024-06-07 深圳市易显传感技术有限公司 镜片厚度检测方法和装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3753567B2 (ja) 2006-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4544240B2 (ja) 管体の超音波探傷装置および超音波探傷方法
JP4630992B2 (ja) 超音波検査方法及びこれに用いる超音波検査装置
EP2546641B1 (en) Ultrasonic flaw detector and ultrasonic flaw detection method for objects having a complex surface shape
CN102422123B (zh) 用于测量材料厚度的装置和方法
KR100373416B1 (ko) 초음파 검사 장치 및 초음파 프로브
JP2008286640A (ja) 管体の超音波探傷装置及び超音波探傷方法
CN110199194B (zh) 使用超声波来检测部件的多元件方法及装置
CN206710388U (zh) 小径管外焊滑块角焊缝的超声波检测系统
JP2001041938A (ja) 超音波プローブ
JPH0273151A (ja) 超音波探触子
KR20150103290A (ko) 초음파 탐촉자
JP2007178186A (ja) 超音波探傷方法及び装置
JP2002214204A (ja) 超音波探傷装置およびその方法
JP4633268B2 (ja) 超音波探傷装置
JP2001083123A (ja) 局部水浸式超音波プローブ及びこれを備えた超音波検査装置
JP3777071B2 (ja) 超音波検査装置
JP2001289831A (ja) 超音波プローブ
Bou-Hamdan Design and Implementation of an Ultrasonic Scanner Setup that is Controlled using MATLAB and a Microcontroller
JP2000131297A (ja) 漏洩弾性表面波測定用探触子
JP2003021622A (ja) 超音波検査方法及び超音波検査装置
JP2001041942A (ja) 超音波検査装置
JP2001124746A (ja) 超音波検査方法
JP2003009274A (ja) 超音波プローブ
Long et al. Further development of a conformable phased array device for inspection over irregular surfaces
US7415865B2 (en) Determining the extent of a lateral shadow zone in an ultrasound inspection method

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040916

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050726

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050922

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051213

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091222

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091222

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091222

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101222

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101222

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111222

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111222

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121222

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131222

Year of fee payment: 8

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees