JP2002005897A - 渦電流探傷方法及びその装置 - Google Patents

渦電流探傷方法及びその装置

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JP2002005897A
JP2002005897A JP2000192513A JP2000192513A JP2002005897A JP 2002005897 A JP2002005897 A JP 2002005897A JP 2000192513 A JP2000192513 A JP 2000192513A JP 2000192513 A JP2000192513 A JP 2000192513A JP 2002005897 A JP2002005897 A JP 2002005897A
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Masaaki Kurokawa
政秋 黒川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出信号に含まれる被測定部材の傷に起因す
る成分とノイズに起因する成分とを峻別して探傷精度の
向上を図り得る渦電流探傷方法を提供する。 【解決手段】 被測定部材の変形に対して相対的に大き
な感度を有する標準比較形のプローブで検出した検出信
号As 、θs を、全て被測定部材の変形に起因するもの
であるとみなしてこの検出信号As 、θs に基づき変形
量Dを仮定するとともに、この仮定の正否を、変形量D
に対応する理論的な検出信号A’f 、θ’ f と、傷に対
して相対的に大きな感度を有する自己比較形のプローブ
で前記被測定部材を実測して得る検出信号Af 、θf
の比較により検証して傷又はノイズの何れであるかを判
定するものである。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は渦電流探傷装置及び
その信号処理方法に関し、特に熱交換器及び配管等の非
破壊検査を行う際に適用して有用なものである。 【0002】 【従来の技術】金属の非破壊検査方法として渦電流探傷
法が知られている。これは、励磁電流を供給したコイル
が発生する磁束により、被測定部材に渦電流を発生さ
せ、さらにこの渦電流により発生する磁束を表す検出信
号を前記コイルの出力信号として得るものである。この
ときの検出信号は、被測定部材の傷の位置、形状、深さ
等を反映したものとなるので、この検出信号に基づき金
属(磁性体)である被測定部材の探傷を行うことができ
る。 【0003】かかる渦電流探傷法として、従来、2種類
の方法が知られている。一つは自己比較型渦電流探傷法
であり、他の一つは標準比較型渦電流探傷法である。 【0004】自己比較型渦電流探傷法とは、図8(a)
に示すように、同特性の2個のコイル1、2を同一平面
上に一体的に並設して構成した自己比較型のプローブ3
を用いる探傷法で、両コイル1、2で同時に被測定部材
4に渦電流を発生させるとともに、この渦電流に基づく
それぞれの出力信号である検出信号を得、信号処理部5
で両検出信号を比較することにより被測定部材4の傷の
有無等を検出するものである。すなわち、被測定部材4
に傷、変形等の異常がない場合にはコイル1、2で得る
検出信号は、当該自己比較型のプローブ3と被測定部材
4との間の距離により一義的に定まる信号となり、両者
は振幅、位相が全く同じ信号である。したがって、この
場合の両検出信号の振幅及び位相の差は何れも零であ
る。一方、被測定部材4に傷、変形等があれば、かかる
傷の深さ、長さ、幅等に応じて両検出信号の振幅及び位
相が異なるため、このときの振幅差及び位相差を検出す
ることにより被測定部材4における傷の有無、大きさ、
位置等を検出する所望の探傷を行うことができる。すな
わち、検出信号の位相及び振幅を特徴量として傷の深
さ、傷の方向、傷の存在部位を判断している。ここで、
「傷の存在部位の判断」とは、検出した傷が被測定部材
4におけるコイル1、2側(内側)であるか、又はその
反対側(外側)であるかの判断をいう。 【0005】一方、標準比較型渦電流探傷法とは、図8
(b)に示すように、同特性の2個のコイル6、7を離
間させて構成した標準比較型のプローブ8を用いる探傷
法で、一方のコイル6と、他方のコイル7とでそれぞれ
別の被測定部材4、9を測定する点が異なるだけで、コ
イル6、7の出力信号の処理等における探傷原理に関し
ては、上記自己比較法の場合と全く同様である。ここ
で、被測定部材4は、当該探傷の対象となる部材である
が、被測定部材9は、傷等がないことが保証された標準
の被測定部材であり、コイル7はこの被測定部材9上を
移動することなく、固定したままで、コイル6のみを被
測定部材4上を移動させて、その各部の探傷を行う。す
なわち、コイル7の出力信号を基準信号として、この基
準信号に対するコイル6の検出信号の振幅差及び位相差
により所望の探傷を行うものである。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上述の如き従来技術に
係る渦電流探傷法においては、被測定部材4の傷のみな
らず、被測定部材4の変形等によっても検出信号の振幅
及び位相が変化する。このため、検出された振幅差及び
位相差が被測定部材4の傷のみを特定するものとはなり
得ない場合が生じ、この場合には探傷精度の低下を生起
する。すなわち、傷以外で検出信号の振幅差及び位相差
を生起する原因は、当該探傷における「ノイズ」となる
が、このノイズの原因としては、被測定部材4の表面の
凹凸である変形及び被測定部材4内に存在する比透磁率
>1の磁性付着物の存在等が考えられる。探傷精度を向
上させるには、検出信号に含まれる被測定部材4の傷に
起因する成分とノイズに起因する成分とを峻別する必要
がある。 【0007】本発明は、上記従来技術に鑑み、検出信号
に含まれる被測定部材の傷に起因する成分とノイズに起
因する成分とを峻別して探傷精度の向上を図り得る渦電
流探傷方法及びその装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、次の知見を基礎とするものである。すなわち、標
準比較法と自己比較法とでは、被測定部材の傷と変形と
に対する感度が異なる。標準比較法が変形に対してより
高い感度を有する。図1は、自己比較型のプローブと標
準比較型のプローブとで変形と傷の感度特性の一例を解
析により求めた場合の特性図である。同図に示す特性
は、被測定部材の変形に対する各検出信号の振幅を1と
して、被測定部材の傷に対する各検出信号の振幅を求め
たものである。同図を参照すれば、標準比較型の方が変
形と傷とのそれぞれの場合における検出信号の振幅差が
大きく、変形に対して大きな感度を有していることが分
かる。 【0009】一般的に、傷に大きな感度を有するプロー
ブと、変形に大きな感度を有するプローブはそのコイル
の大きさ等の諸元及び構造等を選択することにより任意
に設計することができる。そこで、本願発明は、例えば
標準比較型のプローブ等、変形の検出に特化したプロー
ブで得る検出信号は、全て被測定部材の変形等(ノイ
ズ)に起因するものであると仮定して変形量を推定する
一方、この推定結果を、例えば自己比較型のプローブ
等、傷の検出に特化したプローブで得る検出信号で評価
することにより傷と変形等のノイズとの峻別を可能にし
たものである。 【0010】本発明の構成は、次の点を特徴とする。 【0011】1) 被測定部材に渦電流を発生させ、こ
の渦電流に起因する磁束が被測定部材に発生している傷
により変化して複数のコイルで構成したプローブの出力
信号である検出信号の振幅差及び位相差として表れるこ
とを利用して被測定部材の傷を検出する渦電流探傷方法
において、被測定部材の変形に対して相対的に大きな感
度を有する第1のプローブと、被測定部材の傷に対して
相対的に大きな感度を有する第2のプローブとでそれぞ
れ被測定部材の渦電流探傷を行い、前記第1のプローブ
で得られた検出信号は、全て被測定部材の変形に起因す
るものであるとみなしてこの検出信号に基づき変形量を
仮定するとともに、前記第2のプローブで検出したと仮
定した場合の前記変形量に対応する理論的な検出信号を
求め、この理論的な検出信号と、前記被測定部材の実測
により得られた第2のプローブの検出信号とを比較して
両者の振幅差及び位相差を検出し、この振幅差及び位相
差が所定値以上である場合には傷であると判定し、所定
値未満である場合には変形等のノイズであると判定する
こと。 【0012】2) 上記1)に記載する渦電流探傷方法
において、理論的な検出信号と、実測により得られた第
2のプローブの検出信号とを比較した結果の振幅差及び
位相差が、所定値以上である場合には、第2のプローブ
の検出信号に基づき被測定部材の傷の特性を検出するこ
と。 【0013】3) 被測定部材に渦電流を発生させ、こ
の渦電流に起因する磁束が被測定部材に発生している傷
により変化して複数のコイルで構成したプローブの出力
信号である検出信号の振幅差及び位相差として表れるこ
とを利用して被測定部材の傷を検出する渦電流探傷方法
において、標準比較型のプローブと、自己比較型のプロ
ーブとでそれぞれ被測定部材の渦電流探傷を行い、前記
標準形のプローブで得られた検出信号は、全て被測定部
材の変形に起因するものであるとみなしてこの検出信号
に基づき変形量を仮定するとともに、前記自己比較型の
プローブで検出したと仮定した場合の前記変形量に対応
する理論的な検出信号を求め、この理論的な検出信号
と、前記被測定部材の実測により得られた自己比較型の
プローブの検出信号とを比較して両者の振幅差及び位相
差を検出し、この振幅差及び位相差が所定値以上である
場合には傷であると判定し、所定値未満である場合には
変形等のノイズであると判定すること。 【0014】4) 上記3)に記載する渦電流探傷方法
において、理論的な検出信号と、実測により得られた自
己比較型のプローブの検出信号とを比較した結果の振幅
差及び位相差が、所定値以上である場合には、自己比較
型の検出信号に基づき被測定部材の傷の特性を検出する
こと。 【0015】5) 上記1)乃至4)に記載する何れか
一つの渦電流探傷方法において、第1及び第2のプロー
ブ又は標準比較型及び自己比較型のプローブの励磁電流
の周波数を種々変化させて同様の作業を繰返し、複数の
周波数に対するデータを採取し、この複数のデータに基
づく検出信号の周波数に対する位相差分布も加味して傷
であるか、又はノイズであるかを判定すること。 【0016】6) 被測定部材の変形に対して相対的に
大きな感度を有するのコイルで構成した第1のプローブ
と、被測定部材の傷に対して相対的に大きな感度を有す
るコイルで構成した第2のプローブと、これら第1及び
第2のプローブで検出した検出信号を処理する信号処理
部とを有するとともに、信号処理部は、第1のプローブ
で検出した検出信号を、全て被測定部材の変形に起因す
るものであるとみなしてこの検出信号に基づき変形量を
仮定するとともに、第2のプローブで検出した場合の前
記変形量に対応する理論的な検出信号を求め、さらにこ
の理論的な検出信号と、前記第2のプローブで前記被測
定部材を実測して得る検出信号とを比較して両者の振幅
差及び位相差を検出し、この振幅差及び位相差が所定値
以上である場合には傷であると判定し、所定値未満であ
る場合には変形等のノイズであると判定するものである
こと。この結果、本発明によれば、傷及びノイズに対し
て感度が異なる2種類のプローブでそれぞれ渦電流探傷
を行うとともに、第1のプローブの実測値を全部変形に
起因するものであると仮定してこれを第2のプローブの
実測値で検証することができ、この検証結果の適否で傷
又はノイズの何れであるかを良好に判定することができ
る。 【0017】7) 上記6)に記載する渦電流探傷装置
において、信号処理部は、さらに、理論的な検出信号
と、実測により得られた第2のプローブの検出信号とを
比較した結果の振幅差及び位相差が、所定値以上である
場合には、第2のプローブの検出信号に基づき被測定部
材の傷の特性を検出するものであること。この結果、本
発明によれば、被測定部材の傷に起因する検出信号であ
ることを保証した上で第2のプローブの検出信号に基づ
き被測定部材の傷の特性を検出することができる。 【0018】8) 標準比較型のプローブと、自己比較
型のプローブと、これら標準比較型のプローブ及び自己
比較型のプローブで検出した検出信号を処理する信号処
理部とを有するとともに、信号処理部は、標準比較型の
プローブで検出した検出信号を、全て被測定部材の変形
に起因するものであるとみなしてこの検出信号に基づき
変形量を仮定するとともに、自己比較型のプローブで検
出した場合の前記変形量に対応する理論的な検出信号を
求め、さらにこの理論的な検出信号と、前記自己比較型
のプローブで前記被測定部材を実測して得る検出信号と
を比較して両者の振幅差及び位相差を検出し、この振幅
差及び位相差が所定値以上である場合には傷であると判
定し、所定値未満である場合には変形等のノイズである
と判定するものであること。この結果、本発明によれ
ば、傷及びノイズに対して感度が異なる標準比較型及び
自己比較型のプローブでそれぞれ渦電流探傷を行うとと
もに、標準比較型のプローブの実測値を全部変形に起因
するものであると仮定してこれを自己比較型のプローブ
の実測値で検証することができ、この検証結果の適否で
傷又はノイズの何れであるかを良好に判定することがで
きる。 【0019】9) 上記8)に記載する渦電流探傷装置
において、標準比較型のプローブの被測定部材側のコイ
ルは、自己比較型のプローブのコイルの一つを兼用して
用いるものであること。この結果、本発明によれば、一
つのコイルは標準比較型のプローブと自己比較型のプロ
ーブで共用することができる。この結果、本発明によれ
ば、一つのコイルは標準比較型のプローブと自己比較型
のプローブで共用することができる。 【0020】10) 上記8)に記載する渦電流探傷装
置において、標準比較型のプローブの被測定部材側のコ
イルは、自己比較型のプローブのコイルと一体的に構成
したこと。この結果、本発明によれば、標準比較型のプ
ローブを変形の検出用として特化させ、また自己比較型
のプローブを傷の検出用として特化させることができ
る。 【0021】11) 上記8)乃至10)の何れか一つ
に記載する渦電流探傷装置において、信号処理部は、さ
らに、理論的な検出信号と、実測により得られた自己比
較型のプローブの検出信号とを比較した結果の振幅差及
び位相差が、所定値以上である場合には、自己比較型の
プローブの検出信号に基づき被測定部材の傷の特性を検
出するものであること。この結果、本発明によれば、被
測定部材の傷に起因する検出信号であることを保証した
上で自己比較型のプローブの検出信号に基づき被測定部
材の傷の特性を検出することができる。 【0022】12) 上記6)乃至11)に記載する何
れか一つの渦電流探傷装置において、信号処理部は、第
1及び第2のプローブ又は標準比較型及び自己比較型の
プローブの励磁電流の周波数を種々変化させて同様の渦
電流探傷作業を繰返して得る複数のデータを処理し、さ
らにこの複数のデータに基づく検出信号の周波数に対す
る位相差分布も加味して傷であるか、又はノイズである
かを判定するものであること。この結果、本発明によれ
ば、傷とノイズとで周波数に対する位相差分布が異なる
ことを利用することができる。 【0023】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき詳細に説明する。 【0024】図1は本発明の実施の形態に係る渦電流探
傷装置を概念的に示す説明図である。同図に示すよう
に、この渦電流探傷装置は、標準比較型のプローブ11
と、自己比較型のプローブ12と、これら標準比較型の
プローブ11及び自己比較型のプローブ12で検出した
検出信号を処理する信号処理部13とからなる。ここで
標準比較型のプローブ11はコイル14、15からな
る。また、自己比較型のプローブ12はコイル15、1
6からなる。すなわち、コイル15は標準比較型のプロ
ーブ11と自己比較型のプローブ12とで兼用してい
る。 【0025】信号処理部13は、標準比較型のプローブ
11で検出した検出信号As 、θsを、全て被測定部材
4の変形に起因するものであるとみなしてこの検出信号
s、θs に基づき変形量Dを仮定するとともに、この
仮定の正否を、変形量Dに対応する理論的な検出信号
A’f 、θ’f と、自己比較型のプローブ12で前記被
測定部材4を実測して得る検出信号Af 、θf との比較
により検証して傷又はノイズの何れであるかを判定する
ものである。 【0026】さらに詳言すると、図3のフローチャート
に示すように、先ず被測定部材4の変形に対して相対的
に大きな感度を有する標準比較型のプローブ11で被測
定部材4とともに標準の被測定部材9を測定し、その結
果得る検出信号As 、θs を、全て被測定部材4の変形
に起因するものであるとみなす(ステップS1)。 【0027】次に、検出信号As 、θs に基づき変形量
Dを仮定する(ステップS2)。具体的には、検出信号
s 、θs に対応する変形量Dのデータベースを予め作
成しておき、このデータベースを参照するか、又は検出
信号As 、θs に基づき所定の演算により求める。 【0028】続いて、自己比較型のプローブ12で計測
したと仮定した場合に変形量Dに対応する検出信号A’
f 、θ’f を求める(ステップS3)。これを、変形量
Dに対応する理論的な検出信号A’f 、θ’f という。
この検出信号A’f 、θ’fは、変形量Dに対応する検
出信号A’f 、θ’f のデータベースを予め作成してお
き、このデータベースを参照するか、又は変形量Dに基
づき所定の演算により求める。 【0029】一方、被測定部材4の傷に対して相対的に
大きな感度を有する自己比較型のプローブ12でも被測
定部材4を測定し、その結果得る検出信号Af 、θf
上述の理論的な検出信号A’f 、θ’f と比較して両者
の振幅差ΔAf 及び位相差Δθf 差を求め(ステップS
4)、これら振幅差ΔAf 及び位相差Δθf が所定値X
以上であるか否かを判定する(ステップS5)。ステッ
プS5の判定の結果、所定値X以上である場合には傷で
あると判定し、所定値X未満である場合には変形等のノ
イズであると判定する。 【0030】傷と判定された場合には、自己比較型のプ
ローブ12の実測値、すなわち検出信号Af 、θf に基
づき傷の位置及び体積を特定する(ステップS6)。こ
こでは、検出信号θf >135°のとき内面(プローブ
12側)の傷、検出信号θf<135°のとき外面(プ
ローブ12と反対側)の傷と判定している。また、傷の
体積とは、傷の深さ、幅及び長さ等をいう。 【0031】ノイズと判定された場合(ステップS7)
には、必要に応じ、そのノイズの内容、例えば変形であ
るか、磁性付着物によるものであるかを判定する。 【0032】図4は、上記第1の実施の形態に係る渦電
流探傷装置で、伝熱管の探傷装置を形成した場合のプロ
ーブ部分の具体的な実施例を示す斜視図である。同図に
示すように、当該プローブIは、ロッド部材31と、こ
のロッド部材31の両端部にそれぞれ固着されたセンサ
部32、33とからなる。センサ部32はコイル34
を、センサ部33はコイル35、36を有している。か
くして、コイル34、35で標準比較型のプローブを構
成するとともに、コイル35、36で自己比較型のプロ
ーブを構成している。 【0033】かかるプローブを用いて伝熱管37の探傷
を行う際には、ロッド部材31を持ってセンサ部33を
伝熱管37の内部に挿入し、その軸方向に移動させなが
ら各部の探傷を行う。このとき、センサ部32は傷及び
変形等がないことが保証された、伝熱管37と同径、同
材質の標準の伝熱管38内に挿入しておき、センサ部3
2と伝熱管37との関係と同様の関係を作っておく。各
コイル34、35、36の出力信号は、上記第1の実施
の形態と同様に処理する。 【0034】図5は本発明の実施の形態に係る渦電流探
傷装置を概念的に示す説明図である。同図に示すよう
に、この渦電流探傷装置は、標準比較型のプローブ41
と、自己比較型のプローブ42とを完全に分離してそれ
ぞれコイル44、45及びコイル46、47で構成した
ものである。ここで、コイル45、46、47は一体的
に、構成してあり、いずれも被測定部材4の上方に位置
させてある。すなわち、第1の実施の形態において、標
準比較型のプローブ11と自己比較型のプローブ12で
兼用するコイル15の機能を2個のコイル45とコイル
46又は47とに分けたものである。これらコイル45
乃至47の出力信号の処理方法は、第1の実施の形態に
おける処理と何ら変わるところはない。本形態の場合に
は、信号処理部43で、図2の信号処理部13と同様の
処理を行う。すなわち、信号処理部43は、図3に示す
フローチャートと同様の処理を実施する。 【0035】かかる本形態によれば、コイル44、45
を標準比較型のプローブに特化させて、またコイル4
6、47を自己比較型のプローブに特化させたプローブ
として構成することができる。ちなみに、渦電流探傷に
おけるプローブ(コイル)の特性は、そのコイル径、形
状等により変化し、変形に大きな感度を有するものや、
逆に傷に大きな感度を有するもの等を任意に作製するこ
とができる。したがって、変形の検出に特化させたプロ
ーブ又は傷の検出に特化させたプローブの何れも形成し
得る。 【0036】なお、上記第1及び第2の実施の形態で
は、標準比較型のプローブ11、41を変形を検出する
ためのプローブ、自己比較型のプローブ12、42を傷
を検出するためのプローブとして構成したが、本願発明
をより一般化した場合には、被測定部材4の変形に対し
て相対的に大きな感度を有する変形の検出に特化した第
1のプローブと、被測定部材4の傷に対して相対的に大
きな感度を有する傷に特化した第2のプローブとでそれ
ぞれ被測定部材4の渦電流探傷を行って上述の如き信号
処理をすれば良いということになる。 【0037】また、上述の如き各実施の形態乃至実施例
におけるコイル14乃至16、44乃至47の形式及び
構造に特別な限定はない。自己誘導形又は相互誘導形の
何れでも良いし、各コイル14乃至16、44乃至47
が複数のコイルを含むものであっても良い。 【0038】上述の如き渦電流探傷においては、通常、
複数の周波数の励磁電流を用いて探傷を行っている。検
出信号θs 、θf の特性が当該周波数依存性を有する点
に着目して、探傷の精度を向上させるためである。上記
実施の形態においても、当然、複数の周波数を用いるこ
とができる。すなわち、信号処理部13、43で、各周
波数毎に、図3に示す信号処理を行う。このことにより
各周波数における判定結果を総合的に判定することがで
き、その分判定精度を向上させることができる。図6は
凹凸変形と傷との周波数依存性を示す特性図、図7は磁
性付着物と傷との周波数依存性を示す特性図である。両
図に示すように、傷及び凹凸変形、磁性付着物は励磁電
流の周波数により、検出信号θs 、θf の位相が異な
る。そこで、かかる周波数依存特性を加味することによ
り、より精度の高い探傷を行うことができる。 【0039】 【発明の効果】以上実施の形態とともに具体的に説明し
た通り、〔請求項1〕に記載する発明は、被測定部材に
渦電流を発生させ、この渦電流に起因する磁束が被測定
部材に発生している傷により変化して複数のコイルで構
成したプローブの出力信号である検出信号の振幅差及び
位相差として表れることを利用して被測定部材の傷を検
出する渦電流探傷方法において、被測定部材の変形に対
して相対的に大きな感度を有する第1のプローブと、被
測定部材の傷に対して相対的に大きな感度を有する第2
のプローブとでそれぞれ被測定部材の渦電流探傷を行
い、前記第1のプローブで得られた検出信号は、全て被
測定部材の変形に起因するものであるとみなしてこの検
出信号に基づき変形量を仮定するとともに、前記第2の
プローブで検出したと仮定した場合の前記変形量に対応
する理論的な検出信号を求め、この理論的な検出信号
と、前記被測定部材の実測により得られた第2のプロー
ブの検出信号とを比較して両者の振幅差及び位相差を検
出し、この振幅差及び位相差が所定値以上である場合に
は傷であると判定し、所定値未満である場合には変形等
のノイズであると判定するので、被測定部材の傷に起因
する検出信号の成分と、変形等のノイズに起因する検出
信号の成分とを峻別することができる。 【0040】〔請求項2〕に記載する発明は、〔請求項
1〕に記載する渦電流探傷方法において、理論的な検出
信号と、実測により得られた第2のプローブの検出信号
とを比較した結果の振幅差及び位相差が、所定値以上で
ある場合には、第2のプローブの検出信号に基づき被測
定部材の傷の特性を検出するので、被測定部材の傷をノ
イズから峻別した状態で、精度良く検出することがで
き、高精度の渦電流探傷を行うことができる。 【0041】〔請求項3〕に記載する発明は、被測定部
材に渦電流を発生させ、この渦電流に起因する磁束が被
測定部材に発生している傷により変化して複数のコイル
で構成したプローブの出力信号である検出信号の振幅差
及び位相差として表れることを利用して被測定部材の傷
を検出する渦電流探傷方法において、標準比較型のプロ
ーブと、自己比較型のプローブとでそれぞれ被測定部材
の渦電流探傷を行い、前記標準形のプローブで得られた
検出信号は、全て被測定部材の変形に起因するものであ
るとみなしてこの検出信号に基づき変形量を仮定すると
ともに、前記自己比較型のプローブで検出したと仮定し
た場合の前記変形量に対応する理論的な検出信号を求
め、この理論的な検出信号と、前記被測定部材の実測に
より得られた自己比較型のプローブの検出信号とを比較
して両者の振幅差及び位相差を検出し、この振幅差及び
位相差が所定値以上である場合には傷であると判定し、
所定値未満である場合には変形等のノイズであると判定
するので、被測定部材の傷に起因する検出信号の成分
と、変形等のノイズに起因する検出信号の成分とを峻別
することができる。 【0042】〔請求項4〕に記載する発明は、〔請求項
3〕に記載する渦電流探傷方法において、理論的な検出
信号と、実測により得られた自己比較型のプローブの検
出信号とを比較した結果の振幅差及び位相差が、所定値
以上である場合には、自己比較型の検出信号に基づき被
測定部材の傷の特性を検出するので、被測定部材の傷を
ノイズから峻別した状態で、精度良く検出することがで
き、高精度の渦電流探傷を行うことができる。 【0043】〔請求項5〕に記載する発明は、〔請求項
1〕乃至〔請求項4〕に記載する何れか一つの渦電流探
傷方法において、第1及び第2のプローブ又は標準比較
型及び自己比較型のプローブの励磁電流の周波数を種々
変化させて同様の作業を繰返し、複数の周波数に対する
データを採取し、この複数のデータに基づく検出信号の
周波数に対する位相差分布も加味して傷であるか、又は
ノイズであるかを判定するので、傷とノイズとで周波数
に対する位相差分布が異なることを利用することがで
き、位相分布の周波数依存特性も加味してさらに高精度
に傷とノイズの峻別を行うとともに、高精度の渦電流探
傷を行うことができる。 【0044】〔請求項6〕に記載する発明は、被測定部
材の変形に対して相対的に大きな感度を有するのコイル
で構成した第1のプローブと、被測定部材の傷に対して
相対的に大きな感度を有するコイルで構成した第2のプ
ローブと、これら第1及び第2のプローブで検出した検
出信号を処理する信号処理部とを有するとともに、信号
処理部は、第1のプローブで検出した検出信号を、全て
被測定部材の変形に起因するものであるとみなしてこの
検出信号に基づき変形量を仮定するとともに、第2のプ
ローブで検出した場合の前記変形量に対応する理論的な
検出信号を求め、さらにこの理論的な検出信号と、前記
第2のプローブで前記被測定部材を実測して得る検出信
号とを比較して両者の振幅差及び位相差を検出し、この
振幅差及び位相差が所定値以上である場合には傷である
と判定し、所定値未満である場合には変形等のノイズで
あると判定するものであるので、傷及びノイズに対して
感度が異なる2種類のプローブでそれぞれ渦電流探傷を
行うとともに、第1のプローブの実測値を全部変形に起
因するものであると仮定してこれを第2のプローブの実
測値で検証することができ、この検証結果の適否で傷又
はノイズの何れであるかを良好に判定することができ
る。この結果、本発明によれば、被測定部材の傷に起因
する検出信号の成分と、変形等のノイズに起因する検出
信号の成分とを峻別することができる。 【0045】〔請求項7〕に記載する発明は、〔請求項
6〕に記載する渦電流探傷装置において、信号処理部
は、さらに、理論的な検出信号と、実測により得られた
第2のプローブの検出信号とを比較した結果の振幅差及
び位相差が、所定値以上である場合には、第2のプロー
ブの検出信号に基づき被測定部材の傷の特性を検出する
ものであるので、被測定部材の傷に起因する検出信号で
あることを保証した上で第2のプローブの検出信号に基
づき被測定部材の傷の特性を検出することができる。こ
の結果、本発明によれば、被測定部材の傷をノイズから
峻別した状態で、精度良く検出することができ、高精度
の渦電流探傷を行うことができる。 【0046】〔請求項8〕に記載する発明は、標準比較
型のプローブと、自己比較型のプローブと、これら標準
比較型のプローブ及び自己比較型のプローブで検出した
検出信号を処理する信号処理部とを有するとともに、信
号処理部は、標準比較型のプローブで検出した検出信号
を、全て被測定部材の変形に起因するものであるとみな
してこの検出信号に基づき変形量を仮定するとともに、
自己比較型のプローブで検出した場合の前記変形量に対
応する理論的な検出信号を求め、さらにこの理論的な検
出信号と、前記自己比較型のプローブで前記被測定部材
を実測して得る検出信号とを比較して両者の振幅差及び
位相差を検出し、この振幅差及び位相差が所定値以上で
ある場合には傷であると判定し、所定値未満である場合
には変形等のノイズであると判定するものであるので、
傷及びノイズに対して感度が異なる標準比較型及び自己
比較型のプローブでそれぞれ渦電流探傷を行うととも
に、標準比較型のプローブの実測値を全部変形に起因す
るものであると仮定してこれを自己比較型のプローブの
実測値で検証することができ、この検証結果の適否で傷
又はノイズの何れであるかを良好に判定することができ
る。この結果、本発明によれば、被測定部材の傷に起因
する検出信号の成分と、変形等のノイズに起因する検出
信号の成分とを峻別することができる。 【0047】〔請求項9〕に記載する発明は、〔請求項
8〕に記載する渦電流探傷装置において、標準比較型の
プローブの被測定部材側のコイルは、自己比較型のプロ
ーブのコイルの一つを兼用して用いるものであるので、
一つのコイルは標準比較型のプローブと自己比較型のプ
ローブで共用することができる。この結果、本発明によ
れば、プローブのコイルを最小数で構成することができ
る。 【0048】〔請求項10〕に記載する発明は、〔請求
項8〕に記載する渦電流探傷装置において、標準比較型
のプローブの被測定部材側のコイルは、自己比較型のプ
ローブのコイルと一体的に構成したので、標準比較型の
プローブを変形の検出用として特化させ、また自己比較
型のプローブを傷の検出用として特化させることができ
る。この結果、本発明によれば、傷とノイズとの峻別を
容易に、高精度化することができる。 【0049】〔請求項11〕に記載する発明は、〔請求
項8〕乃至〔請求項10〕の何れか一つに記載する渦電
流探傷装置において、信号処理部は、さらに、理論的な
検出信号と、実測により得られた自己比較型のプローブ
の検出信号とを比較した結果の振幅差及び位相差が、所
定値以上である場合には、自己比較型のプローブの検出
信号に基づき被測定部材の傷の特性を検出するものであ
るので、被測定部材の傷をノイズから峻別した状態で、
精度良く検出することができる。この結果、本発明によ
れば、高精度の渦電流探傷を行うことができる。 【0050】〔請求項12〕に記載する発明は、〔請求
項6〕乃至〔請求項11〕に記載する何れか一つの渦電
流探傷装置において、信号処理部は、第1及び第2のプ
ローブ又は標準比較型及び自己比較型のプローブの励磁
電流の周波数を種々変化させて同様の渦電流探傷作業を
繰返して得る複数のデータを処理し、さらにこの複数の
データに基づく検出信号の周波数に対する位相差分布も
加味して傷であるか、又はノイズであるかを判定するも
のであるので、傷とノイズとで周波数に対する位相差分
布が異なることを利用することができる。この結果、本
発明によれば、位相分布の周波数依存特性も加味してさ
らに高精度に傷とノイズの峻別を行うことができ、高精
度の渦電流探傷を行うことができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】自己比較型のプローブと標準比較型のプローブ
とで変形と傷の感度特性の一例を解析により求めた場合
の特性図である。 【図2】本発明の第1の実施の形態に係る渦電流探傷装
置を概念的に示すブロック図である。 【図3】図2に示す渦電流探傷装置における信号処理の
手順を示すフローチャートである。 【図4】図2に示す実施の形態に関する実施例を概念的
に示す説明図である。 【図5】本発明の第2の実施の形態に係る渦電流探傷装
置を概念的に示すブロック図である。 【図6】励磁電流の周波数を種々変化させて得る検出信
号の傷と変形とに基づく成分の分布を概念的に示す説明
図である。 【図7】励磁電流の周波数を種々変化させて得る検出信
号の傷と磁性付着物とに基づく成分の分布を概念的に示
す説明図である。 【図8】従来技術に係る渦電流探傷法を概念的に示す説
明図で、(a)は自己比較法の場合、(b)は標準比較
法の場合である。 【符号の説明】 4 被測定部材 9 被測定部材 11 標準比較型のプローブ 12 自己比較型のプローブ 13 信号処理部 14、15、16 コイル I プローブ 32、33 センサ部 34、35、36 コイル 41 標準比較型のプローブ 42 自己比較型のプローブ 43 信号処理部 44、45、46、47 コイル

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 被測定部材に渦電流を発生させ、この渦
    電流に起因する磁束が被測定部材に発生している傷によ
    り変化して複数のコイルで構成したプローブの出力信号
    である検出信号の振幅差及び位相差として表れることを
    利用して被測定部材の傷を検出する渦電流探傷方法にお
    いて、 被測定部材の変形に対して相対的に大きな感度を有する
    第1のプローブと、被測定部材の傷に対して相対的に大
    きな感度を有する第2のプローブとでそれぞれ被測定部
    材の渦電流探傷を行い、 前記第1のプローブで得られた検出信号は、全て被測定
    部材の変形に起因するものであるとみなしてこの検出信
    号に基づき変形量を仮定するとともに、 前記第2のプローブで検出したと仮定した場合の前記変
    形量に対応する理論的な検出信号を求め、 この理論的な検出信号と、前記被測定部材の実測により
    得られた第2のプローブの検出信号とを比較して両者の
    振幅差及び位相差を検出し、 この振幅差及び位相差が所定値以上である場合には傷で
    あると判定し、所定値未満である場合には変形等のノイ
    ズであると判定することを特徴とする渦電流探傷方法。 【請求項2】 〔請求項1〕に記載する渦電流探傷方法
    において、 理論的な検出信号と、実測により得られた第2のプロー
    ブの検出信号とを比較した結果の振幅差及び位相差が、
    所定値以上である場合には、第2のプローブの検出信号
    に基づき被測定部材の傷の特性を検出することを特徴と
    する渦電流探傷方法。 【請求項3】 被測定部材に渦電流を発生させ、この渦
    電流に起因する磁束が被測定部材に発生している傷によ
    り変化して複数のコイルで構成したプローブの出力信号
    である検出信号の振幅差及び位相差として表れることを
    利用して被測定部材の傷を検出する渦電流探傷方法にお
    いて、 標準比較型のプローブと、自己比較型のプローブとでそ
    れぞれ被測定部材の渦電流探傷を行い、 前記標準形のプローブで得られた検出信号は、全て被測
    定部材の変形に起因するものであるとみなしてこの検出
    信号に基づき変形量を仮定するとともに、 前記自己比較型のプローブで検出したと仮定した場合の
    前記変形量に対応する理論的な検出信号を求め、 この理論的な検出信号と、前記被測定部材の実測により
    得られた自己比較型のプローブの検出信号とを比較して
    両者の振幅差及び位相差を検出し、 この振幅差及び位相差が所定値以上である場合には傷で
    あると判定し、所定値未満である場合には変形等のノイ
    ズであると判定することを特徴とする渦電流探傷方法。 【請求項4】 〔請求項3〕に記載する渦電流探傷方法
    において、 理論的な検出信号と、実測により得られた自己比較型の
    プローブの検出信号とを比較した結果の振幅差及び位相
    差が、所定値以上である場合には、自己比較型の検出信
    号に基づき被測定部材の傷の特性を検出することを特徴
    とする渦電流探傷方法。 【請求項5】 〔請求項1〕乃至〔請求項4〕に記載す
    る何れか一つの渦電流探傷方法において、 第1及び第2のプローブ又は標準比較型及び自己比較型
    のプローブの励磁電流の周波数を種々変化させて同様の
    作業を繰返し、複数の周波数に対するデータを採取し、
    この複数のデータに基づく検出信号の周波数に対する位
    相差分布も加味して傷であるか、又はノイズであるかを
    判定することを特徴とする渦電流探傷方法。 【請求項6】 被測定部材の変形に対して相対的に大き
    な感度を有するのコイルで構成した第1のプローブと、
    被測定部材の傷に対して相対的に大きな感度を有するコ
    イルで構成した第2のプローブと、これら第1及び第2
    のプローブで検出した検出信号を処理する信号処理部と
    を有するとともに、 信号処理部は、第1のプローブで検出した検出信号を、
    全て被測定部材の変形に起因するものであるとみなして
    この検出信号に基づき変形量を仮定するとともに、第2
    のプローブで検出した場合の前記変形量に対応する理論
    的な検出信号を求め、さらにこの理論的な検出信号と、
    前記第2のプローブで前記被測定部材を実測して得る検
    出信号とを比較して両者の振幅差及び位相差を検出し、
    この振幅差及び位相差が所定値以上である場合には傷で
    あると判定し、所定値未満である場合には変形等のノイ
    ズであると判定するものであることを特徴とする渦電流
    探傷装置。 【請求項7】 〔請求項6〕に記載する渦電流探傷装置
    において、 信号処理部は、さらに、理論的な検出信号と、実測によ
    り得られた第2のプローブの検出信号とを比較した結果
    の振幅差及び位相差が、所定値以上である場合には、第
    2のプローブの検出信号に基づき被測定部材の傷の特性
    を検出するものであることを特徴とする渦電流探傷装
    置。 【請求項8】 標準比較型のプローブと、自己比較型の
    プローブと、これら標準比較型のプローブ及び自己比較
    型のプローブで検出した検出信号を処理する信号処理部
    とを有するとともに、 信号処理部は、標準比較型のプローブで検出した検出信
    号を、全て被測定部材の変形に起因するものであるとみ
    なしてこの検出信号に基づき変形量を仮定するととも
    に、自己比較型のプローブで検出した場合の前記変形量
    に対応する理論的な検出信号を求め、さらにこの理論的
    な検出信号と、前記自己比較型のプローブで前記被測定
    部材を実測して得る検出信号とを比較して両者の振幅差
    及び位相差を検出し、この振幅差及び位相差が所定値以
    上である場合には傷であると判定し、所定値未満である
    場合には変形等のノイズであると判定するものであるこ
    とを特徴とする渦電流探傷装置。 【請求項9】 〔請求項8〕に記載する渦電流探傷装置
    において、 標準比較型のプローブの被測定部材側のコイルは、自己
    比較型のプローブのコイルの一つを兼用して用いるもの
    であることを特徴とする渦電流探傷装置。 【請求項10】 〔請求項8〕に記載する渦電流探傷装
    置において、 標準比較型のプローブの被測定部材側のコイルは、自己
    比較型のプローブのコイルと一体的に構成したことを特
    徴とする渦電流探傷装置。 【請求項11】 〔請求項8〕乃至〔請求項10〕の何
    れか一つに記載する渦電流探傷装置において、 信号処理部は、さらに、理論的な検出信号と、実測によ
    り得られた自己比較型のプローブの検出信号とを比較し
    た結果の振幅差及び位相差が、所定値以上である場合に
    は、自己比較型のプローブの検出信号に基づき被測定部
    材の傷の特性を検出するものであることを特徴とする渦
    電流探傷装置。 【請求項12】 〔請求項6〕乃至〔請求項11〕に記
    載する何れか一つの渦電流探傷装置において、 信号処理部は、第1及び第2のプローブ又は標準比較型
    及び自己比較型のプローブの励磁電流の周波数を種々変
    化させて同様の渦電流探傷作業を繰返して得る複数のデ
    ータを処理し、さらにこの複数のデータに基づく検出信
    号の周波数に対する位相差分布も加味して傷であるか、
    又はノイズであるかを判定するものであることを特徴と
    する渦電流探傷装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013047630A (ja) * 2011-08-29 2013-03-07 Jfe Steel Corp 磁気特性測定方法および磁気特性測定装置
CN106680366A (zh) * 2016-12-29 2017-05-17 核动力运行研究所 一种热交换管涡流检测信号质量自动检测方法
CN114088807A (zh) * 2020-08-05 2022-02-25 常州常宝精特钢管有限公司 冷轧钢管涡流检验不相关信号的分析方法
JP7509416B2 (ja) 2020-09-18 2024-07-02 株式会社テイエルブイ 肉厚測定システム、肉厚測定方法及び肉厚測定プログラム

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