JP2002003923A - 脱pスラグを再利用する転炉溶銑脱p方法 - Google Patents

脱pスラグを再利用する転炉溶銑脱p方法

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JP2002003923A JP2000186143A JP2000186143A JP2002003923A JP 2002003923 A JP2002003923 A JP 2002003923A JP 2000186143 A JP2000186143 A JP 2000186143A JP 2000186143 A JP2000186143 A JP 2000186143A JP 2002003923 A JP2002003923 A JP 2002003923A
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学 吉見
Toshiyuki Kaneko
敏行 金子
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政宣 熊倉
Yuichi Hirokawa
雄一 廣川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、脱Pスラグを再利用する転炉溶銑
脱P方法を提供する。 【解決手段】 上底吹き設備を有する転炉において、脱
Pスラグを冷間及び/又は熱間で再利用して脱P時の精
錬条件を調整し、転炉スラグ中の燐酸濃度が20%以下
である脱Pスラグを1回以上再利用する脱Pスラグを再
利用する転炉溶銑脱P方法。 【効果】 脱Pスラグ中の石灰分を有効に利用でき、副
原料の削減が可能となり、スラグのリサイクルにより全
体でのスラグ排出量を減少することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱Pスラグを再利
用する転炉溶銑脱P方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高級鋼の需要が増大するにつれ低
P鋼の要請がますます強くなってきている。純酸素上吹
転炉による脱P・脱C同時処理で所定の低P鋼を得るに
は、媒溶剤が大量に必要となり、また、1基の転炉吹錬
で行うには炉壁へスラグが付着するため、〔%P〕を目
的値まで下げることに困難が伴っていた。そこで、低P
鋼の安定溶製および媒溶剤量の節減による溶製コスト合
理化を目的とする溶銑脱P法が検討され、一部実施され
るようになってきた。
【0003】具体的には、トーピードカー、取鍋または
転炉で溶銑中に生石灰、CaF2 、Na2 CO3 等を添
加して撹拌(インジェクション)する方法が採られてき
た。しかし、生石灰、CaF2 、Na2 CO3 等は比較
的高価であり、コスト面から媒溶剤量の更なる節減が望
まれる状況下にあった。
【0004】脱Pについては、特公昭55−30042
号公報において、上吹転炉滓は溶銑段階における脱P処
理に用いて有効であることが開示されている。すなわ
ち、上吹転炉滓の脱P能力は1600〜1750℃とい
う高温の転炉終点では、ほぼ飽和状態となっているが、
溶銑のように1250〜1400℃程度の低温で、熱力
学的に脱Pに有利な条件で、かつ転炉終点に比べ未だ脱
Pされていない高いP含有量の溶銑に対しては、まだ充
分な脱P能力を有すると述べられている。
【0005】該公報での脱P方法は、上吹転炉滓を溶銑
脱Pに使用し、低P鋼のみならず、一般鋼溶製のトータ
ルコストミニマム化を図る新プロセスであって、転炉滓
系媒溶剤を用いるメリットを最大限に活用した2段の
式向流精錬法を具現化したものであり、反応容器とし
ては、例えば脱P炉、脱C炉と2基の上底吹転炉形式の
炉を用いる製鋼法である。
【0006】このような溶銑脱P法における脱P処理剤
(フラックス)として従来は、上記特公昭55−300
42号公報に示されているように、生石灰系または転炉
滓系の脱P剤を用いることができる。フラックスとして
転炉滓を使用することにより、スラグの滓化が促進され
るため、効率的な脱Pが可能になるとともに、しかも脱
P・脱Cに必要なトータルの媒溶剤量を約半減し、かつ
発生スラグ量も大幅に低減することができる。
【0007】上記のように、脱炭末期スラグ(転炉滓)
を脱P用上底吹転炉形式の炉に脱Pフラックスとしてリ
ターン使用することにより、大幅な媒溶剤節減と発生ス
ラグ量の大幅低減等、非常に有益な効果がもたらされ
る。通常、低P鋼溶製の際は、スラグの塩基度(CaO
/SiO2 )を2以上とし、滓化促進のためCaF2
添加した組成のフラックスを用いるのが一般的であっ
た。しかし、媒溶剤使用量を更に低減するためには、C
aF2 使用量をミニマムにし、かつ低い塩基度で脱Pす
ることが必要である。CaF2 を含む転炉滓を脱P処理
に使用する場合、脱P処理スラグ中の(%F)が高いと
スラグへの(MgO)溶解度が増大し、耐火物原単位が
悪化してしまう惧れがある。
【0008】一方特開昭62−207810号公報に
は、CaF2 を使用しない脱Pフラックスとして、Ca
O−Al23 −Fe23 系でCaO:Al23
2.5〜20:1、(SiO2 )で10%以下のものが
提案されている。この発明では、生石灰、天然ボーキサ
イト、鉄鉱石等を事前に混合して上記組成の脱P剤とし
ているが、その場合、粉砕および混合の費用が発生す
る。さらに、単に混合しただけでは滓化に時間がかかっ
てしまう。短時間に滓化させようとすれば、混合後プリ
メルトにする必要があり、さらにコストが増大する。し
たがって、低コストでしかも良好な滓化性を得るために
は、転炉滓を使用することが必要となる。
【0009】該公報には、脱P処理初期に添加するフラ
ックスの組成のみが示されているが、脱P処理中に溶銑
中の〔Si〕が酸化してSiO2 を生成し、スラグ中
(%SiO2 )が増大するので、スラグ塩基度が低下し
てしまう。そのため、初期フラックス組成、特にCaO
/Al23 比を規定するだけでは、安定した脱P能を
達成することができない可能性がある。また、脱P処理
中にスラグ中の(%FeO)は低下していくが、処理末
期まで或る値以上の高(%T.Fe)(スラグ中の酸化
鉄および金属鉄のFe分の合計をT.Feと記す)を維
持しなければ脱Pは充分に進行しない。つまり、脱P処
理中のスラグ組成〔塩基度、Al23 濃度および(%
T.Fe)〕を規定しなければ、高脱P率を達成するこ
とができない。
【0010】これら従来方法の欠点の解決を図った脱P
方法として、特開平8−157921号公報が開示され
ている。この技術の概要は「上底吹転炉形式の炉で転炉
滓と酸化鉄が主成分の脱P用フラックスを用い、酸素上
吹で溶銑を脱Pする際、処理中のスラグ条件を塩基度
(%CaO/%SiO2 )=1.2〜2.0、(Al2
3 )=2〜16%、(T.Fe)=7〜30%にする
溶銑の脱P方法であり、この方法では、更にスラグ中の
(%F)を2%以下にし、Al23 源として鋼の連続
鋳造滓および/または造塊滓を用いるのがよい」という
もので、その結果フラックスにCaF2 を添加すること
なく脱P処理が可能であり、低P鋼溶製コストの低減を
達成することができ、処理後のスラグは、エージングを
省略して路盤材等へ活用することができる効果を有する
と述べられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記に述べた発明は以
下の課題を有している。すなわち、脱炭滓、造塊滓の再
利用をおこなっても脱P処理後のスラグ中燐酸濃度は、
3〜5%に過ぎず、スラグの脱P能に充分な余裕を残し
たままスラグが系外に排出されていた。これは従来、脱
Pスラグを転炉に再利用することが技術的に未確立の状
態であったがため、脱Pスラグ中の燐酸濃度を更に高め
ることが困難視されていたがためである。
【0012】また、従来での脱炭滓もしくは造塊滓の再
利用操業においても、スラグが脱P処理に供される回数
は1回限りであり、まだ多くの脱P能を有しているスラ
グであっても、脱P済みスラグとして排出されることが
極通常の作業として行われていた。
【0013】「鉄と鋼」第69年(1983)第15号
1749ページに、P分配((P)/[P])とFet
Oの相関が示されている。これによると1300℃にお
いて、300を超えるP分配を得ることが可能であるこ
とがわかる。これは、溶銑[P]0.030%のときス
ラグ中P25 が20%になることを意味する。
【0014】すなわち、理論的にはスラグ中の燐酸濃度
は、脱Pに適正な条件をみたせば燐酸濃度>20%まで
は脱Pにより濃縮可能であるのに対し、1回程度のリサ
イクル使用においては、燐酸濃度は3〜5%のレベルに
しか濃化できない実状にあった。この結果、上記スラグ
を再利用しても削減できるスラグ量はリサイクルしたス
ラグ量の高々10〜30%程度に留まり、近年要求され
ているスラグ排出量の極少化の期待に沿うには不充分で
あった。
【0015】さらに、スラグリサイクルに必要なスラグ
再加熱のための熱源コストを考え合わせると、脱炭滓、
造塊滓のリサイクルはコスト削減の観点からも大きな課
題を有していた。本発明は、転炉での脱Pスラグをその
まま捨てずに再利用し、脱P処理を行うことを目的す
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した従来方
法における問題点を解決するためになされたものであっ
て、その要旨とするところは、下記手段にある。 (1) 上底吹き設備を有する転炉において、脱Pスラ
グを冷間及び/又は熱間で再利用して脱P処理する脱P
スラグを再利用する転炉溶銑脱P方法。 (2) 脱Pスラグ中のP25 濃度が20%以下であ
る脱Pスラグを1回以上再利用する(1)記載の脱Pス
ラグを再利用する転炉溶銑脱P方法。
【0017】(3) 脱Pスラグ中のP25 濃度を上
昇させるに当たって、転炉での精錬条件を調整し下記範
囲で行う(1)記載の脱Pスラグを再利用する転炉溶銑
脱P方法。 1.処理温度=1200℃以上、1350℃以下 2.スラグ中(%CaO)=20%以上、50%以下 3.塩基度(CaO/SiO2 )=1.2以上、3.0
以下 4.スラグ中T.Fe=15%以上、25%以下 (4) 転炉での溶銑精錬に当たって、予め脱S処理し
た溶銑を用いる(1)ないし(3)のいずれかに記載の
脱Pスラグを再利用する転炉溶銑脱P方法。
【0018】
【発明の実施の形態】転炉型予備処理においては、生産
性、設備上の制約から脱Pは高速送酸の短時間処理とな
らざるを得ない。このため、脱Pスラグ中の燐酸(P2
5 )濃度は平衝値から大きくかけ離れた低い値に止ま
っていた。例えば、排出される脱Pスラグ中の燐酸(P
25 )濃度は高々3〜6%程度であり、そのまま排出
されスラグ処理場に搬送されている現状であった。
【0019】本発明者らは、この脱Pスラグについて調
査・検討を行い、従来一般的には再利用困難と考えられ
ていた脱Pスラグであっても、脱Pスラグ中にはPと結
び付き安定した3CaO・P25 となってPを固定し
ているCaOの外に、フリーのCaOが多分に存在し、
このCaOが顧みられることなく無駄に捨てられている
ことに気付き、この利用を図るべく多くの実験研究を行
った結果、このような脱Pスラグは、前述のようにまだ
大きな脱P能を有しており、適正な脱P条件で操業する
ならば再利用を繰り返すことにより、燐酸(P25
=20%程度まで濃縮(使用)できる能力があり、再び
脱P処理に利用した場合でも、燐酸濃度を平衝値近傍ま
で近付けるまで使用可能であることを見いだした。
【0020】そこで、コスト的に最良な操業はP25
を20%程度まで濃縮する操業であるとの仮定の下に、
本発明者らは、更なる研究を行ったところ脱Pにより燐
酸濃度を増加させるためには、脱P時において適正な条
件が存在することを突き止めた。
【0021】すなわち、脱P処理中のスラグの温度12
00℃以上1350℃以下、塩基度(CaO/SiO
2 )1.2以上3.0以下、(%T.Fe)15%以上
25%以下、(%CaO)20%以上を保ち、脱Pに寄
与するCaO−FeO(カルシウムフェライト)が充分
に存在する条件を整えることが、必要があることが判っ
た。
【0022】温度については、1200℃以下では脱炭
時の熱が不足し、1350℃を超えると熱力学的にスラ
グ中P25 が溶銑中の[C]により還元されやすくな
り復Pが起こり、P25 濃度が低下してくるからであ
る。また酸化鉄の分解も起こり、酸化鉄濃度も低下す
る。スラグ中(CaO)については(CaO)=20%
以下になると、脱P能力が低下する。これはP25
固定が主に3CaO・P25 で行われることに起因す
る。
【0023】スラグ塩基度については、1.2を下回る
と、酸性酸化物であるP25 は不安定となり、3.0
を超えるとスラグの滓化性が極端に低下する。さらに、
酸化鉄濃度が15%を下回るとPの酸化反応が進行せ
ず、逆に燐酸が溶銑中〔C〕により還元されやすくな
り、燐酸濃度の低下となって現れる。また、T.Feが
25%以上になると、スロッピングが激しくなり操業に
支障をきたす。
【0024】なお、脱Pスラグの再利用に当たっては、
脱Pスラグ中の組成がどのような組成を有するかによっ
て決められるものであり、したがって、脱Pスラグが冷
間であっても熱間であっても使用に差し支えな。しか
し、冷間スラグであれば溶融滓化するために熱を必要と
するので、その点熱間スラグの方が熱をそのまま利用で
き熱効率から言っても有利である。
【0025】実際のプロセスに適用するに当たっては、
脱P処理中のスラグのリサイクルを繰り返すと、燐酸の
平衝到達濃度に対する脱Pスラグ中の燐酸の濃度差が減
少し、燐酸濃度の上昇のドライビングフォースが縮小す
るので、燐酸上昇速度が停滞する。これを勘案すると、
燐酸濃度は20%以下に止めて置く必要がある。すなわ
ち、燐酸濃度は20%以下の範囲で脱Pスラグリサイク
ルを実施することが望ましい。燐酸濃度が20%を超え
る場合では1回の脱P吹錬における燐酸濃度上昇代が1
%以下と少なくなり、スラグの再加熱コストに見合うコ
スト削減が期待しにくくなる。
【0026】さらには、復燐を考慮した場合にもこの値
に意味がある。すなわち、本発明者らの研究結果から
は、燐酸濃度が15%を超えると復燐の可能性が大きく
なるからである。なお、系外に排出するスラグの燐酸濃
度は通常の転炉溶銑脱P操業より高くなるように操業し
た方がよく、具体的には燐酸(P25 )濃度は6%以
上であることがコスト上より望ましい。
【0027】図1〜4に各種の因子と燐酸(P25
濃度との関係を図示した。すなわち、図1は燐酸(P2
5 )=15%のスラグを用いて脱P処理を行った場合
のスラグ中の(%P25 )の変化の温度依存性を調査
した結果であり、スラグ温度が1200〜1350℃で
あれば、燐酸濃度は15%以上を確保できる。
【0028】同様に、図2はスラグ塩基度と燐酸濃度と
の関係を示したもので、同図からはスラグ塩基度が1.
2〜3.0であれば、燐酸濃度は15%以上を確保でき
る。また同様に、図3はスラグ中の酸化鉄濃度(T・F
eで示した)と燐酸濃度との関係を示したもので、同図
からはスラグ中のT・Feが15〜25%であれば、燐
酸濃度は15%以上が確保できる。
【0029】図4はスラグ中のCaO濃度と燐酸濃度の
関係を示したもので、同図からCaO濃度は20〜50
%であれば燐酸濃度は15%以上を確保できる。また、
図5はスラグ再利用回数と再利用後の燐酸濃度との関係
を示したもので、再利用条件によってばらつきもある
が、一応この図からは6回の再利用によて燐酸濃度は2
0%に達し、これ以上の再利用は脱P能力が不足する可
能性が高く、この程度が限度であるものと思われる。な
お、短時間で脱P処理を行うためには、溶銑中のPの移
動を促進するために鋼浴を強撹拌することが必要であり
上底吹き転炉を用いるのが適している。
【0030】一方、転炉における脱P処理の後、転炉を
傾動してスラグを排滓し引き続き脱C処理を行う等、脱
P・脱Cを同一炉で実施するプロセスにおいては、脱P
スラグが炉内に残留し脱C処理時にキャリーオーバーさ
れる。このプロセスの場合にも燐酸濃度を20%以下と
し、脱C処理時にインプットするPを制限する必要があ
る(10kg/t程度のスラグがキャリーオーバーした
場合に普通銑操業と同等の脱P負荷になり予備処理の効
果が失われる値)。
【0031】また、本発明を実行する際には、脱P吹錬
に供する溶銑は、予め脱S処理を実施しておくことが望
ましい。これは、脱S処理時に溶銑温度は低下するが、
前述したようにスラグ温度が1350℃以下の低温条件
にて脱P処理を実施した後に脱S処理を行うと、脱S処
理後の温度は1300℃程度までに低下し、引き続き実
施する脱C吹錬における熱的な余裕が著しく減少するた
め、高価な炭材等の熱源添加が必要となりコスト増加に
繋がるからである。
【0032】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。330
t転炉において溶銑を装入し、脱P滓を6〜14kg/
t投入して脱P処理を実施した。その結果を本発明を従
来例とともに表1に示した。
【0033】
【表1】
【0034】表1から明らかなように、本実施例No.
1〜13によれば、脱P処理に際して脱Pスラグを再利
用することにより、生石灰の使用量10kg/t以下で
目的とする脱P効果を得ることができた。これに対し
て、従来例では脱Pに必要なCaO分を全て新規の生石
灰によりまかなわねばならず、目的とする脱P効果を得
るために15kg/t以上の生石灰使用が必要であっ
た。
【0035】また、表1から明らかなように、本実施例
No.9〜12は請求項3で規制した条件のうち、一部
の条件が外れた場合についての結果を示したものである
が、いずれにおいても生石灰の使用量10kg/t以下
で目的とする脱P効果を得ることができた。これに対し
て、本実施例No.1〜8によれば、生石灰の使用量は
さらに少ない1kg/tで目的とする脱P効果を得るこ
とができる。これは、本実施例No.1〜8では、脱P
処理温度、スラグ中CaO濃度、塩基度、スラグ中T.
Fe濃度の各々の項目について最適の条件で操業を行う
ことにより、高い脱P効果が得られたためである。
【0036】さらに、表1から明らかなように、本実施
例No.13によれば、脱P処理後に脱S処理を行った
ため、転炉装入温度が低めとなり、脱C処理時の炭材使
用量が増加したが、生石灰の使用量は1kg/t以下で
目的とする脱P効果を得ることができた。これに対し
て、本実施例No.1〜8では生石灰の使用量1kg/
t以下で目的とする脱P効果と1300℃以上の転炉装
入温度が得られている。これは、本実施例No.1〜8
では脱P前に脱S処理を行うことにより、脱P後〜転炉
装入温度の温度低下要因から脱Sによる温度低下を排除
しているためである。
【0037】
【発明の効果】脱P処理時に脱Pスラグを再利用するこ
とにより、脱Pスラグ中の石灰分を有効に利用でき、副
原料の削減が可能となる。また、スラグのリサイクルに
より全体でのスラグ排出量を減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スラグ温度と燐酸濃度との関係を示す図
【図2】スラグ塩基度と燐酸濃度との関係を示す図
【図3】スラグ中の酸化鉄濃度(T・Fe)と燐酸濃度
との関係を示す図
【図4】スラグ中のCaO濃度と燐酸濃度との関係を示
す図
【図5】スラグ使用回数と燐酸濃度との関係を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C21C 7/00 C21C 7/00 J 7/064 7/064 A (72)発明者 熊倉 政宣 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内 (72)発明者 廣川 雄一 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内 Fターム(参考) 4K002 AA10 AC07 AE01 AE02 AE10 4K013 AA07 BA03 CF02 EA00 4K014 AA03 AD01 AE01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上底吹き設備を有する転炉において、脱
    Pスラグを冷間及び/又は熱間で再利用して脱P処理す
    ることを特徴とする脱Pスラグを再利用する転炉溶銑脱
    P方法。
  2. 【請求項2】 脱Pスラグ中のP25 濃度が20%以
    下である脱Pスラグを1回以上再利用することを特徴と
    する請求項1記載の脱Pスラグを再利用する転炉溶銑脱
    P方法。
  3. 【請求項3】 脱Pスラグ中のP25 濃度を上昇させ
    るに当たって、転炉での精錬条件を調整し下記範囲で行
    うことを特徴とする請求項1記載の脱Pスラグを再利用
    する転炉溶銑脱P方法。 1.処理温度=1200℃以上、1350℃以下 2.スラグ中(%CaO)=20%以上、50%以下 3.塩基度(CaO/SiO2 )=1.2以上、3.0
    以下 4.スラグ中T.Fe=15%以上、25%以下
  4. 【請求項4】 転炉での溶銑精錬に当たって、予め脱S
    処理した溶銑を用いることを特徴とする請求項1ないし
    3のいずれかに記載の脱Pスラグを再利用する転炉溶銑
    脱P方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014189427A (ja) * 2013-03-26 2014-10-06 Nippon Steel & Sumitomo Metal リン酸含有スラグの製造方法およびリン酸含有スラグ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014189427A (ja) * 2013-03-26 2014-10-06 Nippon Steel & Sumitomo Metal リン酸含有スラグの製造方法およびリン酸含有スラグ

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