JP2002003754A - 放射線硬化型キートップ用コーティング剤組成物及びその硬化方法 - Google Patents

放射線硬化型キートップ用コーティング剤組成物及びその硬化方法

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JP2002003754A
JP2002003754A JP2000189170A JP2000189170A JP2002003754A JP 2002003754 A JP2002003754 A JP 2002003754A JP 2000189170 A JP2000189170 A JP 2000189170A JP 2000189170 A JP2000189170 A JP 2000189170A JP 2002003754 A JP2002003754 A JP 2002003754A
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Toshio Oba
敏夫 大庭
Shohei Kosakai
正平 小堺
Shigeru Konishi
繁 小西
Hideaki Nakamura
秀明 中村
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)一分子中に少なくとも2個のエチ
レン性不飽和基を有する数平均分子量1,000〜1
0,000のポリエーテルポリウレタン100重量部、
(B)一分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基
を有する数平均分子量200〜800のウレタンアクリ
レート10〜200重量部、(C)反応性希釈剤10〜
1000重量部、(D)光重合開始剤0〜30重量部、
(E)顔料0〜30重量部を含有してなることを特徴と
する放射線硬化型キートップ用コーティング剤組成物。 【効果】 本発明の放射線硬化型コーティング剤組成物
は、基材への密着性、傷つき防止性に優れており、キー
トップ用コーティング剤としての特性を十分満足するも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話等の移動
体通信機器、家庭用電話機、電子手帳、計測機器類、車
載用スイッチ、リモコン、計算機あるいはパーソナルコ
ンピュータのデータ入力装置やスイッチ装置等に部品と
して用いられるスイッチのキートップの傷つき防止を目
的として、その表面にコーティングされるコーティング
剤組成物及びその硬化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般
に、携帯電話などの押釦スイッチは、キートップの部分
を透明樹脂で形成し、そのキートップの裏面に文字、数
字、符号、記号等の印刷を施し、印刷層をキートップで
保護すると同時に高級感を出し、さらにLEDなどを用
いたバックライト式押釦スイッチとしたものも多い。
【0003】このような押釦スイッチ用のキートップ部
材は、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル、ス
チレン系等の透明熱可塑性樹脂又はシリコーン、ウレタ
ン、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、アクリル系
等の熱硬化性樹脂を用いて射出成形、圧縮成形、注型成
形、トランスファー成形等により形成される。そして、
このキートップ部材の裏面に符号等をスクリーン印刷又
はパッド印刷等により形成する。また、必要に応じてこ
のように形成された複数のキートップ部材をゴム製カバ
ー基材、ポリエステル製皿バネなどに接着配列し、携帯
電話などのキーボード部分に組み込まれて使用される。
【0004】上述した従来のキートップ部材は、指先の
押圧や衣類による摩擦などで摩耗したり傷つき、外観を
損なうのみならず、視認性が著しく低下する問題があ
り、シリコーン樹脂などの加熱硬化型の保護コーティン
グが施されていた。
【0005】また、この保護層は白色又は銀色に着色し
て遮光性層としたり、あるいは半透明性で光を一部透過
する着色透明層として使用される場合もあり、着色保護
層の迅速な硬化も望まれている。
【0006】本発明は上記要望に応えるためになされた
もので、基材に対する密着性に優れ、しかも傷つき防止
性に優れたコーティング層を形成でき、顔料を添加した
場合でも迅速に硬化し得て生産性の高い放射線硬化型キ
ートップ用コーティング剤組成物及びその硬化方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、一分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を
有する数平均分子量1,000〜10,000のポリエ
ーテルポリウレタンと、一分子中に少なくとも2個のエ
チレン性不飽和基を有する数平均分子量200〜800
のウレタンアクリレートとを併用し、これに反応性希釈
剤を加えた組成物をキートップ用コーティング剤として
用いることにより、キートップ基材に対して優れた密着
性を与えると共に、傷つきを防止する効果に優れている
こと、またこのコーティング剤は、紫外線、電子線等の
放射線により速やかに硬化させることができ、特に電圧
50〜200kVで電子を加速することにより得られる
電子線を吸収線量が10〜100kGyになるように照
射することにより、顔料で着色したコーティング剤も良
好に硬化させることができることを見出し、本発明をな
すに至った。
【0008】従って、本発明は、(A)一分子中に少な
くとも2個のエチレン性不飽和基を有する数平均分子量
1,000〜10,000のポリエーテルポリウレタン
100重量部、(B)一分子中に少なくとも2個のエチ
レン性不飽和基を有する数平均分子量200〜800の
ウレタンアクリレート10〜200重量部、(C)反応
性希釈剤10〜1000重量部、(D)光重合開始剤0
〜30重量部、(E)顔料0〜30重量部を含有してな
ることを特徴とする放射線硬化型キートップ用コーティ
ング剤組成物、及び上記コーティング剤組成物をキート
ップに0.1〜0.01mmの厚みに塗工し、電圧50
〜200kVで電子を加速することにより得られる電子
線を吸収線量が10〜100kGyになるように照射
し、硬化させることを特徴とするキートップ用コーティ
ング剤組成物の硬化方法を提供する。
【0009】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の(A)成分である一分子中に少なくとも2個の
エチレン性不飽和基を有するポリエーテルポリウレタン
の数平均分子量は、1,000〜10,000のもので
ある。数平均分子量が1,000未満であると、得られ
た硬化皮膜が伸びなくなり、10,000より大きいと
硬度、ヤング率が低くなり、傷つき防止効果が低下す
る。
【0010】本発明の一分子中に少なくとも2個のエチ
レン性不飽和基を有するポリエーテルポリウレタンは、
例えば、炭素数2〜10のオキシアルキレン基からなる
ジオールとジイソシアネート及びエチレン性不飽和基を
有する化合物とを反応させることにより得られる。
【0011】ここで、炭素数2〜10のオキシアルキレ
ン基からなるジオールの具体例としては、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコール、2−メチルテトラヒドロフラングリ
コール、3−メチルテトラヒドロフラングリコール、ポ
リヘプタメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリ
コール、ポリデカメチレングリコール、ビスフェノール
Aのポリアルキレンオキサイド付加体ジオールなどが挙
げられるが、吸水率や粘度の観点からポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコール、2−メチル
テトラヒドロフラングリコール、3−メチルテトラヒド
ロフラングリコールが好ましい。ポリアルキレンオキサ
イドはその単独重合体のみならず、それらのランダムも
しくはブロック共重合体も使用することができる。
【0012】ジイソシアネートとしては、2,4−トリ
レンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネ
ート、1,3−キシレンジイソシアネート、1,4−キ
シレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシ
アネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェ
ニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、2,2,4−トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−
トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げ
られ、なかでもヘキサメチレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネートなどが黄変し難いため、さらに
好ましい。これらのジイソシアネートは単独で用いて
も、2種以上併用してもよい。
【0013】さらに、エチレン性不飽和基を有する化合
物としては、例えば、水酸基、酸ハライド基、エポキシ
基を有する(メタ)アクリル系化合物を挙げることがで
きる。
【0014】水酸基を有する(メタ)アクリル系化合物
は、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセ
リンジ(メタ)アクリレートなどやアルキルグリシジル
エーテル、グリシジル(メタ)アクリレートなどのグリ
シジル基含有化合物と(メタ)アクリル酸の付加物など
が挙げられる。
【0015】酸ハライド基を有する(メタ)アクリル系
化合物としては、(メタ)アクリル酸クロライド、(メ
タ)アクリル酸ブロマイドなどを挙げることができる。
【0016】エポキシ基を有する(メタ)アクリル系化
合物としては、(メタ)アクリル酸のグリシジルエステ
ルなどが挙げられる。
【0017】一分子中に少なくとも2個のエチレン性不
飽和基を有するポリエーテルポリウレタンは、例えば、
上記ジオールとジイソシアネートを常法によりOH/N
CO=0.5〜2.0(モル比)で反応させた後、さら
に、エチレン性不飽和基を有する化合物を反応させるこ
とにより製造することができる。
【0018】本発明の(B)成分である一分子中に少な
くとも2個のエチレン性不飽和基を有するウレタンアク
リレートは、傷つき防止効果を向上させるものであり、
その数平均分子量は200〜800、望ましくは300
〜600である。数平均分子量が800より大きいと硬
化皮膜の硬度、ヤング率が低くなり、200未満のもの
は合成が困難である。
【0019】本発明の一分子中に少なくとも2個のエチ
レン性不飽和基を有するウレタンアクリレートは、例え
ば、ジイソシアネート及びエチレン性不飽和基を有する
化合物とを反応させることにより得られるが、ジイソシ
アネート、エチレン性不飽和基を有する化合物は(A)
成分で使用したものと同じものが使用できる。なお、
(A)成分と(B)成分は別々に合成して混合しても良
いし、一括して合成することも可能である。
【0020】(A)成分の一分子中に少なくとも2個の
エチレン性不飽和基を有する数平均分子量1,000〜
10,000のポリエーテルポリウレタン100重量部
に対し、(B)成分の一分子中に少なくとも2個のエチ
レン性不飽和基を有する数平均分子量200〜800の
ウレタンアクリレートは10〜200重量部、望ましく
は50〜100重量部の割合で使用される。10重量部
未満であると得られた皮膜の硬度、ヤング率が低く、傷
つき防止効果が低下し、200重量部を超えると伸びが
低下し、柔軟性・基材への追随性がなくなるため、長時
間の使用で基材から剥離したり、ひび割れなど生じる恐
れがある。
【0021】本発明の(C)成分である反応性希釈剤は
コーティング材の粘度を低下する目的で使用される。
(A)成分100重量部に対し、反応性希釈剤は10〜
1000重量部使用できるが、100〜300重量部が
望ましい。反応性希釈剤量が10重量部より少ないと粘
度低下効果が少なく、1000重量部より多いと硬化皮
膜の特性が損なわれる。好ましい反応性希釈剤として
は、下記の単官能性、2官能性、及び多官能性化合物を
用いることができる。
【0022】(単官能性化合物)N−ビニル化合物とし
ては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタ
ム、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド
などが挙げられ、またアミノ基や水酸基を含む化合物に
(メタ)アクリル酸がアミド化反応又はエステル化反応
で結合した構造の化合物として、メトキシエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレング
リコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ
ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、3−
クロロ−2−ヒドキシプロピル(メタ)アクリレート、
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポ
リプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキ
シポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、アル
キル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)ア
クリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレ
ート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、クミルフェノール(メタ)アク
リレート、クミルフェノキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、クミルフェノキシポリプロピレ
ングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキ
シエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、3−アクリ
ロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシ−1−(メタ)アクリロキシ−3−(メタ)アクリ
ロキシプロパン、ポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリε−カプロラクトンモノ(メ
タ)アクリレート、ジアルキルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、モノ
[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]アシッドフ
ォスフェート、トリクロロエチル(メタ)アクリレー
ト、2,2,3,3−テトラフロロプロピル(メタ)ア
クリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロブ
チル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)ア
クリレート、ジシクロペンテニルオキシアルキル(メ
タ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリ
レート、トリシクロデカニルオキシエチル(メタ)アク
リレート、トリシクロデカニルオキシエチル(メタ)ア
クリレート、イソボロニルオキシエチル(メタ)アクリ
レート、モルホリン(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0023】中でも、イソボルニルアクリレートは、
(A)及び(B)成分の反応性希釈剤として、粘度低下
能に優れ、かつ、得られた硬化皮膜はヤング率、硬度が
高く、しかも伸びの低下が少ない利点があるため、特に
好ましい。
【0024】(2官能性化合物)2官能性化合物とし
て、具体的には、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプ
ロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネ
ートのジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、グリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリセリンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA
のエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の
ジ(メタ)アクリレート、2,2’−ジ(ヒドロキシエ
トキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリレート、
トリシクロデカンジメチロールのジ(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンタジエンジ(メタ)アクリレート、ペ
ンタンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(グリシ
ジルオキシフェニル)プロパンの(メタ)アクリル酸付
加物等が挙げられる。
【0025】(多官能性化合物)多官能性化合物として
は、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシメチル)
イソシアヌレート、トリス(アクリロキシエチル)イソ
シアヌレート、トリス(アクリロキシプロピル)イソシ
アヌレート、トリアリルトリメリット酸、トリアリルイ
ソシアヌレート等が挙げられる。
【0026】使用する反応性希釈剤は、硬化皮膜特性を
大幅に低下しなければ、その種類は特に限定されない
が、キートップが高温になった場合も傷つき防止効果を
維持するために、その単独重合体のガラス転移温度(T
g)が50℃以上であることが望ましく、60℃以上が
更に望ましい。
【0027】上記のなかでも、窒素原子含有反応性希釈
剤は(A)成分のポリエーテルポリウレタンの粘度を低
下する効果以外に放射線を照射した場合の反応性を促進
する効果がある。窒素原子含有反応性希釈剤の具体的な
例としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロ
ラクタム、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルム
アミド、N,N’−ジビニルエチレンウレアなどが挙げ
られ、これらは1種類又は2種類以上を併用することも
可能である。
【0028】さらに、本発明の組成物には、放射線によ
る硬化性を向上するため、(D)成分として公知の光重
合開始剤を使用することができる。具体的な光重合開始
剤として、例えば1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フ
ェニル−ケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルア
セトフェノン、フェニルアセトフェノンジエチルケター
ル、アルコキシアセトフェノン、ベンジルメチルケター
ル、ベンゾフェノン及び3,3−ジメチル−4−メトキ
シベンゾフェノン、4,4−ジメトキシベンゾフェンノ
ン、4,4−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノ
ン誘導体、ベンゾイル安息香酸アルキル、ビス(4−ジ
アルキルアミノフェニル)ケトン、ベンジル及びベンジ
ルメチルケタール等のベンジル誘導体、ヘンゾイル及び
ベンゾインブチルメチルケタール等のベンゾイン誘導
体、ベンゾインイソプロピルエーテル、2−ヒドロキシ
−2−メチルプロピオフェノン、2,4−ジエチルチオ
キサントン及び2,4−ジクロロチオキサントン等のチ
オキサントン誘導体、フルオレン、2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロ
パン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6−
トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−
トリメチルペンチルホスフィンオキシド等のホスフィン
オキシド誘導体が挙げられる。(A)成分100重量部
に対し(D)成分の光重合開始剤は0〜30重量部使用
できる。なお、電子線硬化の場合、光重合開始剤は必ず
しも必要ないが、紫外線硬化の場合は(D)成分の光重
合開始剤は1〜30重量部必要である。
【0029】本発明の組成物には、(E)成分として顔
料を配合することができる。(E)成分の顔料は、必要
に応じ(A)成分100重量部に対し、0〜100重量
部使用され、キートップにコーティングする際、第一層
のコーティング層に顔料を添加し、二層目は顔料を添加
しないコーティング層とすることも可能である。この場
合、第一層のコーティング層における顔料添加量は、
(A)成分100重量部に対し1〜100重量部、特に
5〜30重量部とすることができる。なお、単層のコー
ティング層に対しても上記量を配合することは任意であ
る。
【0030】本発明で用いることができる顔料として
は、例えば、黄色はファストイエロー、ジスアゾイエロ
ー、フラバントロンイエロー等、赤色はナフトールレッ
ド、ジアニシジンレッド、ストロンチウムレッド等、青
色はフタロシアニンブルー、アルカリブルー、シアニシ
ジンブルー等、緑色はフタロシアニングリーン、ナフト
ールグリーン、マラカイトグリーン等、紫色はキナクド
リンバイオレット、ジオキサジンバイオレット、ナフト
ールバイオレット等、黒色はカーボンブラック、アニリ
ンブラック等、白色は二酸化チタン等が例示できる。
【0031】本発明のキートップ用コーティング剤に
は、必要に応じて、増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、有機溶剤、可塑剤、界面活性剤、シランカップリン
グ剤、有機又は無機粒子等の添加剤を、本発明の目的を
損なわない範囲で添加することができる。
【0032】また、キートップ用コーティング剤は、上
記した所要の成分を配合した後、攪拌混合することによ
り製造することができ、その粘度は、必要とする膜厚や
塗工方法にもよるが、例えばディッピングやスプレーで
0.01〜0.1mm塗布する場合、10〜200mP
a・s(25℃)の範囲が望ましい。
【0033】キートップ上の塗工されたコーティング剤
は紫外線や電子線などの放射線で硬化するが、顔料を添
加した着色層の場合は内部硬化性から電子線が望まし
い。その場合、加速電圧50〜200kVで加速した電
子を、吸収線量10〜100kGyになるよう照射する
ことが必要である。加速電圧が200kVより大きいと
キートップ基材を着色したり、機械的強度を低下させる
など基材を損傷することがあり、50kV未満では皮膜
の内部硬化性が不十分である。上記コーティング材に照
射する電子線の吸収線量は、10〜100kGyであ
り、100kGyを超えると硬化皮膜の伸びが低下し、
10kGyより少ないと硬化が十分でなくなる。
【0034】なお、キートップ基材の材質は公知のもの
とすることができ、ポリエステル、ポリカーボネート、
アクリル樹脂、スチレン系樹脂等の透明熱可塑性樹脂、
シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂、アクリル系等の熱硬化性樹脂
などが挙げられる。
【0035】また、コーティング層の厚さは、単層の場
合0.01〜0.1mmとすることができ、また複数層
の場合も各層の厚さをそれぞれ0.01〜0.1mmと
することができるが、その要求に応じて適宜選定され
る。複数層のコーティング層を形成する場合、各層はそ
れぞれ放射線によって硬化されるが、下層を塗布硬化し
た後、これに上層を塗布、硬化させるようにしてもよ
く、下層を塗布し、これを硬化する前又は半硬化させた
後、上層を塗布し、これら各層を放射線照射により一挙
に硬化させるようにしてもよい。
【0036】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるも
のではない。なお、各例中の部は、いずれも重量部であ
る。
【0037】〔実施例1〕イソホロンジイソシアネート
62.7部、数平均分子量2000のポリテトラメチレ
ンエーテルグリコール40.0部、数平均分子量400
のポリオキシプロピレングリコール22.0部、イソボ
ルニルアクリレート90部、2,6−ジ−tert−ブ
チルヒドロキシトルエン0.05部の混合液を反応容器
に仕込み、酸素5%、窒素95%の雰囲気下、70〜8
0℃で3時間反応させた。ついでこの反応混合物を40
℃まで冷却し、2−ヒドロキシアクリレート52.2部
を滴下した。滴下終了後、徐々に昇温させ、温度60〜
70℃で2時間反応させた。ついでジブチルチンジラウ
レート0.1部を添加し、さらに4時間反応させ、ポリ
エーテルウレタンアクリレート(数平均分子量約150
0)110.75部とウレタンアクリレート(数平均分
子量441)66.15部とイソボルニルアクリレート
90部の混合液を得た。更に、N−ビニルカプロラクタ
ム90部を混合し、キートップ用コーティング材Aを得
た。このものの25℃における粘度は110mPa・s
であった。
【0038】このコーティング材Aを、ガラス棒を用
い、ポリカーボネート板上に約25μmの膜厚に塗布
し、電圧100kVで電子を加速することにより得られ
た電子線(EB)を吸収線量30kGyになるよう照射
し、硬化フィルムを得た。硬化皮膜特性を下記のように
して測定した結果を表1に示す。 (1)密着性 カッターナイフを用い、碁盤目状にクロスカットし、セ
ロハンテープを貼り付け、はがした後に、基材に残存す
る皮膜の割合(%)を調べた。 (2)鉛筆硬度 硬化皮膜表面を6B〜6Hまでの鉛筆で力を入れて5回
こすり、傷がつかない鉛筆の硬度を求めた。 (3)ゲル分率 硬化フィルムをアセトンに16時間浸せき後、フィルム
を取り出し、70℃で4時間乾燥し、重量変化の比率を
下記式より求めた。 ゲル分率=(乾燥後のフィルム重量/初期のフィルム重
量)×100(%) (4)ヤング率 25℃、相対湿度50%で硬化フィルムを24時間状態
調整した後、標線間25mm、引っ張り速度1mm/m
inの条件で2.5%引っ張り弾性率を測定した。 (5)引っ張り破断伸びの測定 25℃、相対湿度50%で硬化フィルムを24時間状態
調整した後、標線間25mm、引っ張り速度50mm/
minの条件で測定した。
【0039】〔実施例2〕実施例1で得られたコーティ
ング材A100部にフタルシアニン系顔料10部をサン
ドミルにより粒径が1ミクロン以下になるように分散
し、青色に着色したキートップ用コーティング材Bを得
た。このものの25℃における粘度は290mPa・s
であった。実施例1と同様にしてEBを照射し、硬化皮
膜を得た。その特性を測定した結果を表1に示す。
【0040】〔実施例3〕実施例1で得られたコーティ
ング剤A100部に光重合開始剤としてダロキュアー1
173(チバガイギ社製商品名)3部を混合し、キート
ップ用コーティング剤Cを得た。このものの25℃にお
ける粘度は105mPa・sであった。実施例1のEB
照射の代わりに、高圧水銀灯を用い、500mJ/cm
2の紫外線を照射し、硬化皮膜を得た。その特性を測定
した結果を表1に示す。
【0041】〔比較例1〕比較のためにコーティングさ
れていないポリカーボネート基板の表面硬度を測定し
た。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明の放射線硬化型コーティング剤組
成物は、基材への密着性、傷つき防止性に優れており、
キートップ用コーティング剤としての特性を十分満足す
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小西 繁 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 (72)発明者 中村 秀明 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 Fターム(参考) 4J038 FA011 FA012 FA111 FA112 FA121 FA122 FA161 FA162 FA271 FA272 KA03 KA08 NA11 NA12 PA17 PB02 PC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一分子中に少なくとも2個のエチ
    レン性不飽和基を有する数平均分子量1,000〜1
    0,000のポリエーテルポリウレタン100重量部、
    (B)一分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基
    を有する数平均分子量200〜800のウレタンアクリ
    レート10〜200重量部、(C)反応性希釈剤10〜
    1000重量部、(D)光重合開始剤0〜30重量部、
    (E)顔料0〜30重量部を含有してなることを特徴と
    する放射線硬化型キートップ用コーティング剤組成物。
  2. 【請求項2】 反応性希釈剤の単独重合物のTgが50
    ℃以上である請求項1記載の放射線硬化型キートップ用
    コーティング剤組成物。
  3. 【請求項3】 反応性希釈剤がイソボルニルアクリレー
    ト及び/又は窒素原子含有反応性希釈剤である請求項1
    又は2記載の放射線硬化型キートップ用コーティング剤
    組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3に記載の組成物をキ
    ートップに0.01〜0.1mmの厚みに塗工し、電圧
    50〜200kVで電子を加速することにより得られる
    電子線を吸収線量が10〜100kGyになるように照
    射することにより硬化させることを特徴とするキートッ
    プ用コーティング剤組成物の硬化方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005515291A (ja) * 2002-01-24 2005-05-26 プラストラク ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ 特にプラスチックマテリアルズのためのペイント及び該ペイントを使用する塗装方法
CN102911541A (zh) * 2012-11-01 2013-02-06 武汉羿阳科技有限公司 耐候抗刮擦紫外固化硬涂层组合物

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