JP2002003525A - 不飽和カルボン酸系共重合体の製造法 - Google Patents

不飽和カルボン酸系共重合体の製造法

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carboxylic acid
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mol
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Yasunari Okada
保也 岡田
Shigeru Matsuo
松尾  茂
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カルシウムイオン捕捉能に優れることから
洗剤用ビルダーに適し、使用後には自然環境に悪影響を
及ぼすことなく生分解する不飽和カルボン酸系共重合体
を簡略な工程で製造する方法を提供する。 【解決手段】アクリル酸などの不飽和カルボン酸と塩化
ビニリデンを重合開始剤の存在下に共重合させた後、得
られた不飽和カルボン酸−塩化ビニリデン共重合体を加
水分解することからなる不飽和カルボン酸系共重合体の
製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不飽和カルボン酸
系共重合体の製造法に関する。さらに詳しくは、自然環
境に悪影響を及ぼすことのない生分解性の不飽和カルボ
ン酸系共重合体の簡略な工程での製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アクリル酸系重合体は、親水性を
有することから洗剤用ビルダーや地盤掘削用添加剤、土
壌の保水剤、紙おむつなどの衛生用品として幅広い分野
において利用されている。
【0003】そして、例えば、洗剤用ビルダーは、界面
活性剤を主たる構成成分とする繊維用の合成洗剤におい
て、その洗浄能力を高めるために、界面活性剤の補助成
分として配合されている。この洗剤用ビルダーには、従
来、炭酸ナトリウムや炭酸カリウム、ほう酸ナトリウム
などが用いられていた。その後、洗浄水として硬水を使
用した場合においても不溶性の沈殿を生成することのな
いトリポリリン酸ナトリウムが盛んに使用されるように
なった。しかしながら、このトリポリリン酸ナトリウム
は、その使用済の廃液が湖沼や河川に流入して、湖沼や
河川での富栄養化の原因になることから、現在では、ゼ
オライトAが用いられている。このゼオライトAは、ビ
ルダーとしての性能が不充分であることから、高分子量
ポリカルボン酸がこのゼオライトAの性能を補うために
用いられている。
【0004】ところで、この高分子量ポリカルボン酸
は、ビルダーとしての性能には優れているのであるが、
生分解性がないため洗浄廃水による環境への影響が大き
く、その配合割合が大幅に制限されている。そこで、こ
の高分子量ポリカルボン酸に生分解性を発現させるため
の提案が種々なされている。例えば、アクリル酸とアク
ロレインとの共重合体やポリオキシカルボキシメチレン
を用いる方法、アクリル酸オリゴマーをエステルで結合
させて高分子量化する方法、ポリアスパラギン酸を用い
る方法などが提案されている。しかしながら、これらの
方法においても、ビルダーとしての性能が不充分であっ
たり、製造工程が煩雑であるなど、経済的に有利な方法
ではないという問題があった。
【0005】また、鉱業や土木建設の分野においては、
地盤の掘削に際して、掘削時に発生する摩擦熱の吸収
や、坑底での掘削屑の地上への搬出、坑壁の維持あるい
は崩壊性地層での崩壊防止のために、予め地上で調製し
た泥水組成物を掘削個所に連続的にかつ循環して注入さ
れている。この泥水組成物への添加剤成分としてもアク
リル酸系重合体が用いられている。さらに、砂漠などの
乾燥地帯における緑化事業において、植栽した植物の成
長を助けるために保水剤が用いられているが、この保水
剤にもアクリル酸系重合体が用いられている。
【0006】しかしながら、このアクリル酸系重合体に
は生分解性がないために、これらの用途に使用された後
も、自然界に放置されたまま残留し、自然界の生態系に
悪影響を及ぼすおそれがあるという問題がある。そこ
で、これら用途向けのアクリル酸系重合体は、自然環境
に悪影響を与えることなく無害化することが望まれてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、自然環境に
悪影響を与えることのない生分解性の不飽和カルボン酸
系共重合体を簡略な工程で製造する方法を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、不飽和カルボン
酸類と塩化ビニリデンとを共重合させた後に加水分解す
ることにより、生分解性を有する不飽和カルボン酸系共
重合体が簡略な工程で得られることを見出し、これら知
見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の要旨は、下記のとおり
である。 (1)下記一般式〔1〕、
【0010】
【化2】
【0011】〔式〔1〕中、R1 は水素原子またはメチ
ル基を示し、R2 は水素原子または−COOMを示し、
Mは水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基
を示す。〕で表される不飽和カルボン酸と、塩化ビニリ
デンを重合開始剤の存在下に共重合した後、水溶性有機
溶媒中において加水分解することを特徴とする不飽和カ
ルボン酸系共重合体の製造法。 (2)一般式〔1〕で表される不飽和カルボン酸20〜
98モル%と、塩化ビニリデン2〜80モル%を共重合
させる前記(1)に記載の不飽和カルボン酸系共重合体
の製造法。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、前記一般式〔1〕で表
される不飽和カルボン酸と、塩化ビニリデンを重合開始
剤の存在下に共重合した後、水溶性有機溶媒中において
加水分解する不飽和カルボン酸系共重合体の製造法であ
る。そして、この一般式〔1〕においてMが表わすアル
カリ金属原子としては、リチウム原子、ナトリウム原
子、カリウム原子であるものが挙げられる。また、この
一般式〔1〕で表される不飽和カルボン酸の具体例とし
ては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、フマル酸およびこれらのアルカリ
金属塩、アンモニウム塩が好適なものとして挙げられ
る。
【0013】つぎに、これら不飽和カルボン酸と塩化ビ
ニリデンの共重合反応時に用いる重合開始剤としては、
アゾビスイソブチロニトリルや過酸化ベンゾイルなどが
好適に用いられる。これら重合開始剤の使用割合は、原
料化合物に対して、0.5〜10質量%、好ましくは1
〜5質量%である。また、この共重合反応時に、連鎖移
動剤を用いて得られる不飽和カルボン酸系共重合体の分
子量の調節をするようにすることができる。この連鎖移
動剤としては、例えば、メルカプトエタノールやエタン
チオールなどのメルカプタン類が好適に用いられる。さ
らに、この連鎖移動剤の使用割合は、通常、原料化合物
に対して、0.5〜5質量%程度とすればよい。
【0014】そして、これら重合開始剤の存在下に、不
飽和カルボン酸と塩化ビニリデンの共重合反応を行う際
の反応温度は、70〜100℃の範囲内が好ましく、反
応時間は1〜10時間とすればよい。反応溶媒として
は、アセトンやメチルアルコール、テトラヒドロフラン
などが好適に用いられる。
【0015】また、この不飽和カルボン酸と塩化ビニリ
デンの共重合反応において用いる不飽和カルボン酸と塩
化ビニリデンの使用割合については、不飽和カルボン酸
20〜98モル%と塩化ビニリデン20〜98モル%が
好ましい。それは、この不飽和カルボン酸の使用割合が
20モル%未満であると、得られる不飽和カルボン酸系
共重合体のカルシウムキレート能などの性能低下を招く
ことがあり、また、この不飽和カルボン酸の使用割合が
98モル%を超えると、得られる不飽和カルボン酸系共
重合体の生分解性が発現しなくなることがあるからであ
る。そして、さらに好ましい不飽和カルボン酸と塩化ビ
ニリデンの使用割合は、不飽和カルボン酸40〜70モ
ル%と塩化ビニリデン30〜60モル%である。
【0016】つぎに、このようにして得られた不飽和カ
ルボン酸と塩化ビニリデンとの共重合体を加水分解する
ことにより、この共重合体の主鎖にケトン基を有する不
飽和カルボン酸系共重合体とする。すなわち、この不飽
和カルボン酸系共重合体は、下記一般式〔2〕、
【0017】
【化3】
【0018】〔式中、R1 、R2 およびMは、一般式
〔1〕におけるR1 、R2 およびMと同一である。〕で
表される繰返し単位および下記式〔3〕、
【0019】
【化4】
【0020】で表される繰返し単位からなる不飽和カル
ボン酸系共重合体である。そして、ここでの加水分解反
応は、水溶性有機溶媒中において行われる。この水溶性
有機溶媒としては、N−メチルピロリドンやジメチルホ
ルムアミドなどが好適に用いられる。また、不飽和カル
ボン酸−塩化ビニリデン共重合体の加水分解には、例え
ば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ
金属水酸化物の水溶液が好適に用いられる。この加水分
解に用いるアルカリ金属水酸化物水溶液の濃度は、5〜
15質量%であるものが好ましい。また、この加水分解
反応の温度は、0〜100℃、好ましくは60〜80℃
であり、反応時間は1〜10時間、好ましくは2〜4時
間である。
【0021】このようにして得られる不飽和カルボン酸
系共重合体は、生分解性を有すると共に、従来のアクリ
ル酸系重合体と同様にキレート能や分散能、凝集能、保
水能を有しているので、幅広い産業分野で利用すること
ができる。この不飽和カルボン酸系共重合体は、洗剤用
ビルダーや地盤掘削泥水組成物用の添加剤、土壌保水
剤、紙おむつなどの衛生用品などに利用することができ
る。
【0022】ここで、この不飽和カルボン酸系共重合体
を洗剤用ビルダーとして使用する場合には、この共重合
体と組み合わせて用いる界面活性成分は、陰イオン性界
面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性
剤、両性界面活性剤のいずれを用いてもよい。
【0023】この陰イオン性界面活性剤としては、例え
ば脂肪酸石ケン、アルキルエーテルカルボン酸塩、N−
アシルアミノ酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハ
ク酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級ア
ルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、脂
肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、アルキルエ
ーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩な
どが好適に用いられる。また、陽イオン性界面活性剤と
しては、脂肪族アミン塩、脂肪族四級アンモニウム塩、
ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウ
ム塩、イミダゾリニウム塩などが好適である。
【0024】さらに、非イオン性界面活性剤としては、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステ
ル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モ
ノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリ
オキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアル
キルアミン、アルキルアミンオキシドなどが好適に用い
られる。そして、両性界面活性剤としては、例えばカル
ボキシベタイン型化合物、アミノカルボン酸塩、イミダ
ゾリニウムベタインなどが好適に用いられる。また、こ
の不飽和カルボン酸系重合体を洗剤用ビルダーとして液
体洗剤組成物を製造する際には、この不飽和カルボン酸
系共重合体からなるビルダー成分と界面活性剤成分の他
に、酵素や蛍光増白剤、制泡剤を配合すればよい。
【0025】また、鉱業や土木建設の分野での地盤の掘
削に際して使用する泥水組成物への添加剤成分や、乾燥
地帯における緑化事業において使用する土壌保水剤ある
いは紙おむつなどの衛生用品などに、この不飽和カルボ
ン酸系共重合体を用いる場合には、従来からこれら使途
に用いられてきたアクリル酸系重合体の場合と同様に成
形加工して使用すればよい。
【0026】そして、これら洗剤用ビルダーや、地盤掘
削泥水組成物用添加剤、土壌保水剤、衛生用品などの用
途において使用済となった不飽和カルボン酸系共重合体
やその成形品は、それらを回収して所定の場所に保管し
て置くだけで、徐々にその分解が進行して無機化するの
で、自然界の生態系に悪影響を及ぼすことなく処分する
ことができる。
【0027】
【実施例】つぎに、実施例により本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0028】〔実施例1〕 (1)不飽和カルボン酸−塩化ビニリデン共重合体の製
造 攪拌装置、熱電対および還流冷却器を備えた内容積10
0ミリリットルのセパラブルフラスコに、不飽和カルボ
ン酸としてアクリル酸7.2g、塩化ビニリデン9.7
g、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.
66g、連鎖移動剤としてメルカプトエタノール0.1
6gおよび溶媒のアセトン30ミリリットルを入れ、こ
れを70℃に保持されたオイルバスに浸して、攪拌下に
3時間重合反応を実施した。
【0029】反応終了後、生成物をヘキサンにより再沈
殿させることにより、アクリル酸−塩化ビニリデン共重
合体を得た。この共重合体につき、 1H−NMRによる
測定をしたところ、アクリル酸の残基に由来する構造単
位が50モル%であり、塩化ビニリデンの残基に由来す
る構造単位が50モル%のアクリル酸−塩化ビニリデン
共重合体であることが確認された。
【0030】(2)不飽和カルボン酸−塩化ビニリデン
共重合体の加水分解 熱電対と還流冷却器を備えた内容積500ミリリットル
の三つ口フラスコに、上記(1)で得られたアクリル酸
−塩化ビニリデン共重合体2.0gと、溶媒のN−メチ
ルピロリドン200ミリリットルを入れて溶解させた。
ついで、このフラスコ内の溶液に、水酸化ナトリウム
1.4gを水20ミリリットルに溶解させた水酸化ナト
リウム水溶液を加えた後、80℃に保持されているオイ
ルバスに浸して、攪拌下に3時間、加水分解反応を行っ
た。反応終了後、透析によりN−メチルピロリドンを除
去し、凍結乾燥することによって、目的とする不飽和カ
ルボン酸系共重合体を得た。得られた不飽和カルボン酸
系共重合体は、 1H−NMRによる測定結果から、アク
リル酸の残基に由来する構造単位50モル%と、前記式
〔3〕で表される繰返し単位46モル%、および塩化ビ
ニリデンの残基に由来する構造単位4モル%からなるも
のであることが確認された。
【0031】(3)不飽和カルボン酸系共重合体の生分
解性の評価 上記(2)で得られた不飽和カルボン酸系共重合体につ
き、JIS K 6950に準拠して生分解性の評価を
した。生分解率は、TOC(全有機炭素量)から算出し
た。この結果、上記(2)で得られた不飽和カルボン酸
系共重合体の生分解率は、52%であった。
【0032】(4)不飽和カルボン酸系共重合体のカル
シウムイオン捕捉能の評価 内容積200ミリリットルのビーカーに、上記(2)で
得られた不飽和カルボン酸系共重合体20mgを入れ、
ついで、これに塩化カルシウム0.1規定、塩化カリウ
ム0.1規定、アンモニア0.4規定とを含有するカル
シウムイオン濃度40ppmの水溶液100gを加え
て、これらを溶解させた。
【0033】つぎに、カルシウムイオン電極を用いて、
この水溶液中の二価のカルシウムイオン濃度を測定し、
この共重合体1gによって捕捉される炭酸カルシウム
(単位;mg)に換算し、この値をカルシウムイオン捕
捉能力とした。この結果、この不飽和カルボン酸系共重
合体のカルシウムイオン捕捉能力は、110mg/gで
あった。
【0034】〔実施例2〕 (1)不飽和カルボン酸−塩化ビニリデン共重合体の製
造 アクリル酸の使用量を3.6gとし、塩化ビニリデンの
使用量を14.6gとした他は、実施例1の(1)と同
様にして不飽和カルボン酸系共重合体を得た。ここで得
られた共重合体は、アクリル酸の残基に由来する構造単
位が25モル%であり、塩化ビニリデンの残基に由来す
る構造単位が75モル%のアクリル酸−塩化ビニリデン
共重合体であることが確認された。 (2)不飽和カルボン酸−塩化ビニリデン共重合体の加
水分解 上記(1)で得られた不飽和カルボン酸−塩化ビニリデ
ン共重合体を用いた他は、実施例1の(2)と同様にし
て、この共重合体の加水分解をした。ここで得られた不
飽和カルボン酸系共重合体は、アクリル酸の残基に由来
する構造単位25モル%と、前記式〔3〕で表される繰
返し単位64モル%、および塩化ビニリデンの残基に由
来する構造単位11モル%からなるものであることが確
認された。
【0035】(3)不飽和カルボン酸系共重合体の生分
解性の評価 上記(2)で得られた不飽和カルボン酸系共重合体につ
き、実施例1の(3)と同様にして、この共重合体の生
分解性の評価をした。この結果、この不飽和カルボン酸
系共重合体の生分解率は、68%であった。 (4)不飽和カルボン酸系共重合体のカルシウムイオン
捕捉能の評価 上記(2)で得られた不飽和カルボン酸系共重合体につ
き、実施例1の(4)と同様にして、この共重合体のカ
ルシウムイオン捕捉能の評価をした。この結果、この不
飽和カルボン酸系共重合体のカルシウムイオン捕捉能
は、95mg/gであった。
【0036】〔実施例3〕 (1)不飽和カルボン酸−塩化ビニリデン共重合体の製
造 アクリル酸の使用量を10.8gとし、塩化ビニリデン
の使用量を4.9gとした他は、実施例1の(1)と同
様にして不飽和カルボン酸系共重合体を得た。ここで得
られた共重合体は、アクリル酸の残基に由来する構造単
位が75モル%であり、塩化ビニリデンの残基に由来す
る構造単位が25モル%のアクリル酸−塩化ビニリデン
共重合体であることが確認された。 (2)不飽和カルボン酸−塩化ビニリデン共重合体の加
水分解 上記(1)で得られた不飽和カルボン酸−塩化ビニリデ
ン共重合体を用いた他は、実施例1の(2)と同様にし
て、この共重合体の加水分解をした。ここで得られた不
飽和カルボン酸系共重合体は、アクリル酸の残基に由来
する構造単位75モル%と、前記式〔3〕で表される繰
返し単位24モル%、および塩化ビニリデンの残基に由
来する構造単位1モル%からなるものであることが確認
された。
【0037】(3)不飽和カルボン酸系共重合体の生分
解性の評価 上記(2)で得られた不飽和カルボン酸系共重合体につ
き、実施例1の(3)と同様にして、この共重合体の生
分解性の評価をした。この結果、この不飽和カルボン酸
系共重合体の生分解率は、38%であった。 (4)不飽和カルボン酸系共重合体のカルシウムイオン
捕捉能の評価 上記(2)で得られた不飽和カルボン酸系共重合体につ
き、実施例1の(4)と同様にして、この共重合体のカ
ルシウムイオン捕捉能の評価をした。この結果、この不
飽和カルボン酸系共重合体のカルシウムイオン捕捉能は
130mg/gであった。
【0038】
【発明の効果】本発明の方法によれば、カルシウムイオ
ン捕捉能に優れることから洗剤用ビルダーとして有用性
が高く、また地盤掘削用添加剤や土壌の保水剤、衛生用
品など幅広い分野に利用できるとともに、使用後には生
分解するので自然環境に悪影響を及ぼすことのない不飽
和カルボン酸系共重合体を簡略な工程で製造することが
できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔1〕、 【化1】 〔式〔1〕中、R1 は水素原子またはメチル基を示し、
    2 は水素原子または−COOMを示し、Mは水素原
    子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を示す。〕
    で表される不飽和カルボン酸と、塩化ビニリデンを重合
    開始剤の存在下に共重合した後、水溶性有機溶媒中にお
    いて加水分解することを特徴とする不飽和カルボン酸系
    共重合体の製造法。
  2. 【請求項2】 一般式〔1〕で表される不飽和カルボン
    酸20〜98モル%と、塩化ビニリデン2〜80モル%
    を共重合させる請求項1に記載の不飽和カルボン酸系共
    重合体の製造法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002051891A1 (fr) * 2000-12-25 2002-07-04 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Resine chimiquement degradable et film d'emballage

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002051891A1 (fr) * 2000-12-25 2002-07-04 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Resine chimiquement degradable et film d'emballage

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