JP2002003490A - 1−(チアゾリン−2−イル)アゼチジン誘導体の製造法 - Google Patents

1−(チアゾリン−2−イル)アゼチジン誘導体の製造法

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JP2002003490A JP2000185604A JP2000185604A JP2002003490A JP 2002003490 A JP2002003490 A JP 2002003490A JP 2000185604 A JP2000185604 A JP 2000185604A JP 2000185604 A JP2000185604 A JP 2000185604A JP 2002003490 A JP2002003490 A JP 2002003490A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カルバペネム系抗生物質の重要な中間体化合
物となる1−(チアゾリン−2−イル)アゼチジン誘導
体について、工業的に適用し得るより簡便な、新規製造
法の提供。 【解決手段】 次式(II): 【化1】 (式中、Raはスルホニル残基を表わし、Bzlはベン
ジル基を表す。)で表される化合物より、そのベンジル
基を除去し、次いでチオ硫酸ナトリウムと反応させて、
得られた化合物にさらにクロロエチルイソチオシアネー
トと反応させることからなる、次式(I): 【化2】 で示される1−(チアゾリン−2−イル)アゼチジン誘
導体の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種医薬品の合成
中間体化合物として重要な、次式(I):
【0002】
【化7】
【0003】で示される1−(チアゾリン−2−イル)
アゼチジン誘導体の新規な製造方法に関する。
【0004】
【従来の技術】最近、窒素原子含有の4員環構造を有す
るアゼチジン化合物が注目をあびてきており、各種医薬
品化合物の側鎖の修飾基として種々用いられてきてい
る。例えば、本発明の目的化合物である式(I)のアゼ
チジン化合物を、順次酸処理ならびに還元処理等をして
誘導される次式(V):
【0005】
【化8】
【0006】で示される3−メルカプト−1−(1,3
−チアゾリン−2−イル)アゼチジンは、強力な抗菌活
性を有するカルバペネム系抗生物質の2位の側鎖置換基
として利用されているものである(例えば、特許第26
66118号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、
カルバペネム系抗生物質の2位の側鎖として利用されて
いる式(V)で示される3−メルカプト−1−(1,3
−チアゾリン−2−イル)アゼチジンを合成する際に、
重要な中間体化合物となる上記式(I)で示される1−
(チアゾリン−2−イル)アゼチジン誘導体について、
工業的に適用し得るより簡便な、新規製造法を提供する
ことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明は、具体的態様として以下の製造法を提供
する。すなわち、次式(II):
【0009】
【化9】
【0010】(式中、Raはスルホニル残基を表わし、
Bzlはベンジル基を表す。)で表される化合物のベン
ジル基を除去して、次式(III):
【0011】
【化10】
【0012】(式中、Raはスルホニル残基を表す。)
で表される化合物とし、得られた式(III)の化合物
を単離するか、または単離することなくチオ硫酸ナトリ
ウムと反応させて、次式(IV):
【0013】
【化11】
【0014】で表される化合物とした後、得られた式
(IV)の化合物を単離するか、または単離することな
くクロロエチルイソチオシアネートと反応させることを
特徴とする、次式(I):
【0015】
【化12】
【0016】で示される1−(チアゾリン−2−イル)
アゼチジン誘導体の製造方法を提供する。
【0017】また本発明は、上記製造方法において、各
反応ステップで生成する式(IV)で示される化合物を
単離することなく行うか、さらには式(III)で示さ
れる化合物および式(IV)で示される化合物のそれぞ
れを、単離することなく行う式(I)で示される1−
(チアゾリン−2−イル)アゼチジン誘導体の製造方法
を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明が提供する式(I)で示さ
れる1−(チアゾリン−2−イル)アゼチジン誘導体の
製造法は、本発明者らが開発し、提供している簡便な合
成法により得られる式(II)のN−ベンジル−アゼチ
ジン誘導体を出発原料として、その反応条件には苛酷な
高圧、あるいは高温度での加熱、さらには高価な試薬、
溶媒等を使用することなく、極めて簡便な操作により、
高収率で目的物を製造できるという工業的製造法とし
て、特に優れたものである。
【0019】以下に本発明が提供する式(I)で示され
る1−(チアゾリン−2−イル)アゼチジン誘導体の製
造法について、さらに詳細に説明する。
【0020】本発明が新規に提供する1−(チアゾリン
−2−イル)アゼチジン誘導体の製造法は、基本的には
下記化学式で示される方法により実施される。
【0021】
【化13】
【0022】(上記化学反応式中、Raはスルホニル残
基を表わし、Bzlはベンジル基を表す。また、○内の
各数字は、工程ナンバーを示す。)
【0023】すなわち本発明は、式(II)で示される
化合物のベンジル基を除去して式(III)で表される
化合物へ誘導する第1工程と、第1工程で得られた式
(III)の化合物にチオ硫酸ナトリウムを反応させて
式(IV)で表される化合物に導く第2工程と、第2工
程で得られた式(IV)の化合物にクロロエチルイソチ
オシアネート(ClCH2CH2NCS)を反応させて目
的とする式(I)で表される1−(チアゾリン−2−イ
ル)アゼチジン誘導体を得る第3工程とからなるもので
ある。以下に各工程を詳細に説明することにより、本発
明を明らかにする。
【0024】本発明の製造法である、式(II)で示さ
れる化合物のベンジル基を除去して式(III)で示さ
れる化合物へ誘導する第1工程は、通常の有機化学上用
いられている脱ベンジル化反応により実施される。具体
的には、ラネーニッケル、酸化パラジウム、パラジウム
−炭素等の触媒を用いる、水素添加反応等により、好ま
しく実施することができる。
【0025】本工程の水素添加反応等に使用する溶媒と
しては、反応に直接関与しない溶媒が挙げられ、例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール等のアルコール系溶媒が好ましく、このアルコ
ール系溶媒と共に水を共存させた混合溶媒が、特に好ま
しく使用し得る。
【0026】なお本発明の製造方法で、出発化合物であ
る式(II)で示される化合物における置換基Raのス
ルホニル残基としては、低級アルキルスルホニル基ある
いはアリールスルホニル基等があげられる。低級アルキ
ルスルホニル基としては、メタンスルホニル基、エタン
スルホニル基等を例示することができ、また、アリール
スルホニル基としては、フェニルスルホニル基、p−ト
ルエンスルホニル基等を例示することができる。なかで
も、特に好ましい式(II)で示される化合物は、置換
基Raがメタンスルホニル基を有する化合物であり、こ
の化合物は、本発明者らによりすでに提案された方法に
より収率よく得ることができる。
【0027】この第1工程により製造される式(II
I)で表わされる化合物は、反応終了後、適宜所望によ
り、濾過、液性変換、濃縮、抽出、転溶、塩形成等、有
機化学上汎用される通常の処理手段を採用することによ
り、例えば、遊離塩基として、あるいは塩の形態(例え
ば、塩酸塩)として単離することもできる。しかしなが
ら、式(III)の化合物を反応溶液から単離すること
なく、そのまま次の第2工程に付すことも可能であり、
工業的製造法としては、式(III)の化合物を単離す
ることなく次の第2工程に付すのが好ましい。
【0028】次いで上記工程により脱ベンジル化された
式(III)の化合物に、チオ硫酸ナトリウムを反応さ
せて式(IV)で示される化合物へ変換する第2工程
は、具体的には、式(III)の化合物を、適当な溶媒
に溶解させ、そこに当モル量ないしやや過剰のチオ硫酸
ナトリウムを添加し、反応が完結するまで適宜攪拌等の
手段を行うことにより実施される。
【0029】反応に使用する溶媒としては、式(II
I)の化合物ならびにチオ硫酸ナトリウムを溶解する溶
媒であればどのようなものでもよく、例えば、メタノー
ル、エタノール等のアルコール系溶媒とともに水を共存
させた混合溶媒が好ましく使用し得る。
【0030】さらに、本第2工程は、第1工程の反応終
了後、反応溶液から工程1で使用した触媒を除去した溶
液をそのまま用い、チオ硫酸ナトリウムと反応させるこ
ともできる。
【0031】これらの反応は、室温ないし加熱下に実施
することができ、例えば室温下にチオ硫酸ナトリウムを
添加し攪拌した後、50℃程度の加熱条件下で攪拌を行
う等、適宜反応条件を選択することができる。反応終了
後、目的とする式(IV)の化合物は結晶として反応溶
液中から単離することができる。
【0032】この場合においても、目的とする式(I
V)の化合物を反応溶液から単離することなく、そのま
ま次の第3工程に付すことも可能である。したがって、
工業的製造法としては、式(IV)の化合物を反応系よ
り単離することなく、次の第3工程に付すのが好まし
い。
【0033】次いで、以上の工程により得られた式(I
V)の化合物に、クロロエチルイソチオシアネートを反
応させ、アゼチジン環の窒素原子上に1,3−チアゾリ
ル基を導入した、本発明の目的化合物である式(I)で
示される1−(チアゾリン−2−イル)アゼチジン誘導
体へ誘導する第3工程は、以下のようにして実施され
る。
【0034】すなわち、適当な溶媒中、塩基の存在下、
式(IV)の化合物に対し、当モル量ないしやや過剰量
のクロロエチルイソチオシアネートを添加し、0℃〜1
00℃程度の温度条件下で反応させることにより実施さ
れる。
【0035】反応に使用する溶媒としては、当該反応に
対して不活性なものであれば特に限定はされず、例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコ
ール系溶媒、含水アルコール等の溶媒が好ましく使用さ
れる。
【0036】また塩基としては、メチルジエチルアミ
ン、エチルジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、ピリジン等の有機アミン、ナトリウムメト
キシド、ナトリウムエトキシド、炭酸カリウム、炭酸水
素カリウム等の無機塩基等を挙げることができ、その添
加量は、反応に使用するクロロエチルイソシアネートの
添加量とほど同一とするのが良い。
【0037】当該反応は、好ましくは室温下に行われ、
ほぼ20時間程度実施することで完結し、目的とする式
(I)で表わされる1−(チアゾリン−2−イル)アゼ
チジン誘導体は、反応終了後、適宜所望により、濾過、
液性変換、濃縮、抽出、転溶、塩形成等、有機化学上汎
用される通常の処理手段を採用することにより、結晶と
して単離することができる。
【0038】かくして製造された本発明の目的化合物で
ある式(I)で示される1−(チアゾリン−2−イル)
アゼチジン誘導体は、その後、例えば下記反応式:
【0039】
【化14】
【0040】に示す、酸処理とそれに続く酸化反応、次
いで還元反応を順次行い、例えば、カルバペネム系抗生
物質の2位の側鎖として利用されている式(V)で示さ
れる3−メルカプト−1−(1,3−チアゾリン−2−
イル)アゼチジンに誘導される。
【0041】その詳細を説明すれば、すなわち、式
(I)で示される本発明の化合物は、酸処理とそれに続
く酸化反応に付され、式(VI)で示されるジスルフィ
ド化合物へ変換される。この場合の式(I)の化合物に
対する酸処理は、具体的には、水もしくはアルコール系
の溶媒中、塩酸、硫酸などの鉱酸;あるいはメタンスル
ホン酸、エタンスルホン酸などの有機酸による酸処理を
行うことにより実施される。また、その後の酸化反応
は、過酸化水素、クロム酸、四酢酸鉛、有機過酸等の酸
化剤を用いる方法、あるいはFeなどの金属の触媒を用
いて空気酸化を行う方法により実施される。
【0042】次いで、かくして、製造された式(VI)
で示されるジスルフィド化合物は、適当な溶媒中で、ト
リフェニルホスフィンと処理することにより、式(V)
で示される3−メルカプト−1−(1,3−チアゾリン
−2−イル)アゼチジンへ変換されるが、そのような溶
媒としては、反応に対して不活性なものであれば特に限
定はされず、例えば、メタノール、エタノール、プロパ
ノール等のアルコール系溶媒、さらにこれら溶媒に水を
共存させた混合溶媒、あるいはアセトニトリルが好まし
く使用される。
【0043】この反応は、好ましくは室温条件下に行わ
れ、反応終了後、適宜所望により、濾過、液性変換、濃
縮、抽出、転溶、塩形成等、有機化学上汎用される通常
の処理手段を採用することにより、式(V)で示される
3−メルカプト−1−(1,3−チアゾリン−2−イ
ル)アゼチジンを塩酸塩の結晶として単離することがで
きる。
【0044】かくして製造された、式(V)で示される
3−メルカプト−1−(1,3−チアゾリン−2−イ
ル)アゼチジンは、例えばカルバペネム系抗生物質の一
つである(1R,5S,6S)−2−[1−(1,3−
チアゾリン−2−イル)アゼチジン−3−イル]チオ−
6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−
カルバペン−2−エム−3−カルボン酸、またはそのエ
ステル体であるピバロイルオキシメチルエステルの2位
の側鎖として使用される。
【0045】したがって、本発明はカルバペネム系抗生
物質の側鎖置換基として有用な、式(V)で示される3
−メルカプト−1−(1,3−チアゾリン−2−イル)
アゼチジンを製造するに際して極めて重要な中間化合物
である、式(I)で示される1−(チアゾリン−2−イ
ル)アゼチジン誘導体の簡易な製造方法を提供するもの
である。
【0046】
【実施例】以下に本発明を、実施例によりさらに詳細に
説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるもので
はなく、特許請求の範囲の記載に包含される限り、種々
の変更例が可能であり、かかる変更例も本発明の権利範
囲に含まれるものである。
【0047】実施例1
【0048】
【化15】
【0049】N−ベンジル−3−メタンスルホニルオキ
シアゼチジンの塩酸塩[化合物(1)]55.56g
(200mmol)のメタノール150mlおよび水3
2ml混合液に、室温下に、10%パラジウム−炭素
(50%含水)11.11gを加え、次いで40℃に
て、水素ガス500Kpa加圧で19時間攪拌し、水素
添加を行い、化合物(2)を得た。反応終了後、触媒を
吸引濾過にて濾別し、さらにメタノール20mlにて洗
浄した。
【0050】得られた濾液中から化合物(2)を単離す
ることなく、濾液にチオ硫酸ナトリウム・5水和物の4
9.63g(200mmol)を添加した後、室温下で
1時間攪拌し、次いで50〜60℃にて22時間攪拌し
た。反応終了をTLCにて確認後、反応溶液を0〜5℃
まで冷却した。この反応液にイソプロパノール400m
lを加え、0〜5℃にて1時間攪拌し、結晶を析出させ
た。析出した結晶を濾取して、イソプロパノール140
mlにて洗浄し、真空乾燥し、化合物(3)を無色結晶
として62.6g(純度:46.9%;収率:86.9
%)得た。
【0051】1H−NMR(400MHz;D2O)δ:
4.44−4.54(3H,m),4.19−4.27
(2H,m).
【0052】実施例2
【0053】
【化16】
【0054】上記実施例1で得た化合物(3)1.52
g(9mmol)を水2.5mlとメタノール7.5m
lの混合溶媒に懸濁し、28%ナトリウムメトキシド
1.54g(8mmol)とトリエチルアミン0.28
ml(2mmol)を0℃下で添加した。その後、クロ
ロエチルイソチオシアネート1.21g(10mmo
l)を加え、室温下30分間攪拌した。反応液を再び0
℃に冷却し、塩化水素をバブリングした1.3mol/
Lの塩化水素−メタノール溶液1.5ml(2mmo
l)を加えてpHを3とした後、0℃下でイソプロパノ
ール20mlを加えて30分間攪拌した。反応溶液を吸
引濾過し、得られたケーキ状物をメタノール/イソプロ
パノール=1/2溶液15mlにてリパルプ洗浄後、真
空乾燥し、化合物(5)を無色結晶として4.21g
(純度:48.5%;収率88.9%)得た。
【0055】1H−NMR(400MHz;D2O)δ:
4.41−4.47(1H,m),4.34−4.38
(2H,m),3.92(2H,t,J=7.54H
z),3.56(2H,t,J=7.54Hz).
【0056】実施例3
【0057】
【化17】
【0058】N−ベンジル−3−メタンスルホニルオキ
シアゼチジンの塩酸塩[化合物(1)]2.22g(8
mmol)のメタノール6mlおよび水2ml混合液
に、室温下に、10%パラジウム−炭素(50%含水)
0.44gを加え、次いで40℃にて、水素ガス500
Kpa加圧で24時間攪拌し、水素添加を行い化合物
(2)の生成を確認し、触媒を吸引濾過にて濾別し、さ
らにメタノール1mlにて洗浄した。
【0059】次いで得られた濾液にチオ硫酸ナトリウム
・5水和物の1.98g(8mmol)を添加した後、
室温下で1時間攪拌し、続いて50℃にて22時間攪拌
した。反応終了をTLCにて確認後、反応溶液を0℃ま
で冷却し、この溶液にトリエチルアミン1.23ml
(8.8mmol)および調製したクロロエチルイソチ
オシアネート1.07g(8.8mmol)を加え、室
温下30分間攪拌した。
【0060】反応液を濃縮し、さらに濃縮液にイソプロ
パノール10mlを添加して共沸することにより水を完
全に留去して結晶残渣を得た。この残渣をメタノール1
6mlに懸濁し、室温下に28%ナトリウムメトキシド
1.53g(8mmol)を加えて15分間攪拌した。
アルカリ性条件下で不溶の塩を吸引濾過し、メタノール
5mlで洗浄した。濾液に塩化水素をバブリングした
1.33mol/Lの塩化水素−メタノール溶液7.4
ml(9.6mmol)を加えて液性を酸性とした(p
H試験紙にて3〜4)。この酸性溶液にイソプロパノー
ル25mlを添加し15分間攪拌し、目的とする化合物
(5)を析出させ、吸引濾取した。得られた結晶を室温
にて1時間真空乾燥し、化合物(5)を1.96g(純
度:85.2%;化合物(1)からの収率82.1%)
得た。
【0061】参考例1
【0062】
【化18】
【0063】濃塩酸54.8ml中に、上記実施例3で
得た化合物(5)33.06g(130mmol)を室
温にて加え、50〜60℃にて2時間攪拌した。反応終
了後、水27.4mlおよびメタノール27.4mを加
え、0℃に冷却し、続いて炭酸水素カリウム104.1
g(8当量)を25分間かけて加えた。1時間攪拌した
後、30%過酸化水素水7.39g(65mmol)
を、内温が25℃以下になるように45分間かけて加
え、さらに0℃にて40分間攪拌した後、Na2SO3
7H2Oを3.28g(13mmol)および水164
mlを加え、室温にて1時間攪拌した。反応液を室温に
1日放置後、吸引濾取して、次いで30℃の温水164
mlで2回リパルプ洗浄した。さらにヘプタン164m
lで1回リパルプ洗浄後、7.5時間通気乾燥して恒量
化し、無色結晶として化合物(6)を25.17g(純
度:82.7%;収率:92.8%)得た。
【0064】1H−NMR(270MHz;CDCl3
δ:4.35(4H,t,J=8.1Hz),4.03
(4H,t,J=7.6Hz),3.83−4.01
(6H,m),3.38(4H,t,J=7.6Hz)
【0065】参考例2
【0066】
【化19】
【0067】上記参考例1で得た化合物(6)17.3
3g(50mmol)に、塩化水素をバブリングした8
mol/Lの塩化水素−メタノール溶液15.6ml
(125mmol)、トリフェニルホスフィン16.2
g(60mmol)、水1.92gおよびアセトニトリ
ル25mlを添加し、室温にて90分間攪拌した。次い
で、テトラヒドロフラン50mlおよび少量の化合物
(7)[108mg]を添加し、室温にて40分間攪拌
した。結晶の析出を確認した後、さらにテトラヒドロフ
ラン325mlを50分間かけて加え、室温にてさらに
60分間攪拌した。析出した結晶を濾取して、テトラヒ
ドロフラン50mlにて洗浄し、真空乾燥し、無色結晶
として目的物である3−メルカプト−1−(1,3−チ
アゾリン−2−イル)アゼチジンの塩酸塩[化合物
(7)]を20.22g(純度:96.6%;収率:9
2.7%)得た。本品の機器分析データは、標品のデー
タと完全に一致した。
【0068】
【発明の効果】以上に記載のように、本発明が提供する
製造法によれば、本発明者らが先に提供している、極め
て安価な化合物(II)から、特別高価な試薬あるいは
溶媒を使用することなく、高収率で目的とする式(I)
の1−(チアゾリン−2−イル)アゼチジン誘導体を製
造することができる。
【0069】この式(I)の1−(チアゾリン−2−イ
ル)アゼチジン誘導体は、カルバペネム系抗生物質の2
位の側鎖置換基として重要な、3−メルカプト−1−
(1,3−チアゾリン−2−イル)アゼチジンを製造す
る中間体化合物である。
【0070】本発明の各ステップにおける目的物は、単
離することなく次の工程に使用し得るものでもあり、ま
た、反応溶液中から結晶として単離することができるも
のである。したがって、その操作も簡便なものであるこ
とより、工業的製造方法として特に優れたものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(II): 【化1】 (式中、Raはスルホニル残基を表わし、Bzlはベン
    ジル基を表す。)で表される化合物のベンジル基を除去
    して、次式(III): 【化2】 (式中、Raはスルホン酸残基を表す。)で表される化
    合物とし、得られた式(III)の化合物を単離する
    か、または単離することなくチオ硫酸ナトリウムと反応
    させて、次式(IV): 【化3】 で表される化合物とした後、得られた式(IV)の化合
    物を単離するか、または単離することなくクロロエチル
    イソチオシアネートと反応させることを特徴とする、次
    式(I): 【化4】 で示される1−(チアゾリン−2−イル)アゼチジン誘
    導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 次式(IV): 【化5】 で表される化合物にクロロエチルイソチオシアネートを
    反応させることを特徴とする、次式(I): 【化6】 で示される1−(チアゾリン−2−イル)アゼチジン誘
    導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 式(IV)で示される化合物を単離する
    ことなく行う請求項1に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 式(III)で示される化合物および式
    (IV)で示される化合物のそれぞれを、単離すること
    なく行う請求項1に記載の製造方法。
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