JP2002003243A - 紫外線遮蔽用ガラス容器、および紫外線遮蔽用ガラス容器の製造方法 - Google Patents

紫外線遮蔽用ガラス容器、および紫外線遮蔽用ガラス容器の製造方法

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JP2002003243A
JP2002003243A JP2000185407A JP2000185407A JP2002003243A JP 2002003243 A JP2002003243 A JP 2002003243A JP 2000185407 A JP2000185407 A JP 2000185407A JP 2000185407 A JP2000185407 A JP 2000185407A JP 2002003243 A JP2002003243 A JP 2002003243A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 幅広い波長の紫外線に対して優れた遮蔽性を
発揮することができるとともに、可視光域での透明性に
優れた紫外線遮蔽用ガラス容器、および紫外線遮蔽用ガ
ラス容器の製造方法を提供する。 【解決手段】 紫外線吸収層をガラス容器の表面に備え
た紫外線遮蔽用ガラス容器において、紫外線吸収層が、
熱硬化性樹脂100重量部あたり、紫外線吸収剤0.1
〜10重量部と、蛍光増白剤0.01〜5重量部と、シ
ランカップリング剤0.1〜10重量部と、を含む熱硬
化性材料の硬化物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線遮蔽用ガラ
ス容器、および紫外線遮蔽用ガラス容器の製造方法に関
する。より詳しくは、幅広い波長の紫外線に対して優れ
た遮蔽性を発揮することができるとともに、可視光域に
おいては透明性に優れ、さらには耐水性に優れた紫外線
遮蔽用ガラス容器、およびこのような紫外線遮蔽用ガラ
ス容器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紫外線遮蔽用ガラスやこれから得
られる紫外線遮蔽用ガラス容器が知られており、ガラス
容器等の内容物に対する、紫外線劣化、変色、においの
発生等の防止が図られている。そこで、ガラス成分と、
酸化セリウムや酸化鉄等の紫外線遮蔽成分とを含む紫外
線遮蔽用ガラス容器が、例えば、特開平2−38339
号公報、特開平2−48427号公報および特公昭44
−14824号公報に開示されている。しかしながら、
これらの紫外線遮蔽用ガラス容器は、紫外線遮蔽成分に
起因して、製造時に気泡が発生したり、着色しやすく、
透明性に優れた紫外線遮蔽用ガラス容器を安定して製造
することが困難であった。
【0003】そこで、ガラス容器自体には紫外線遮蔽性
を有していないものの、そのガラス表面に紫外線吸収層
を備えることにより、紫外線遮蔽性を付与した紫外線遮
蔽用ガラス容器が、特開昭61−186249号公報や
特開昭61−190433号公報に開示されている。す
なわち、艶出し剤と、着色剤と、紫外線吸収剤と、光硬
化促進剤とを含有してなる紫外線硬化型塗料や電子線硬
化型塗料からなる紫外線吸収層を備えることにより、ガ
ラス容器自体に対し、紫外線遮蔽性を付与していた。
【0004】さらに、特開平6−145387号公報や
特開平7−196904号公報には、透明基材表面に、
アクリル樹脂中に、蛍光増白剤および紫外線吸収剤を多
量に溶解添加したアクリル樹脂系プライマーからなる紫
外線吸収性薄膜を形成し、その紫外線吸収性薄膜上に、
さらにシロキサンプレポリマーからなる保護薄膜を形成
した紫外線吸収透明体が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
61−186249号公報や特開昭61−190433
号公報に開示された紫外線遮蔽用ガラス容器において
は、紫外線吸収層に光硬化促進剤をさらに添加しなけれ
ばならないために、可視光域での透明性が乏しくなり、
また、紫外線吸収剤のみを用いているために、紫外線遮
蔽効果を発揮できる波長が狭いという問題が見られた。
さらに、かかる紫外線遮蔽用ガラス容器は、紫外線照射
や電子線照射により紫外線吸収層を形成することを特徴
としているが、紫外線吸収剤の分散がばらついたり、表
面凹凸を有するガラス容器に適用した場合には、紫外線
吸収層において硬化不良が生じやすいなどの問題も見ら
れた。
【0006】また、特開平6−145387号公報や特
開平7−196904号公報に開示された紫外線吸収透
明体においては、特定のプライマー層と保護薄膜層の組
合せからなるため、過度に厚くなったり、製造工程が複
雑となったり、あるいは保護薄膜層の調製に5日以上要
するなど、経済的にも不利益が生じていた。一方、プラ
イマー層に、アクリル系樹脂と、多量の紫外線吸収剤
と、蛍光増白剤等を添加して構成しているものの、かか
るプライマー層のみでは、機械的強度に乏しく、単層の
紫外線吸収層として使用することができず、さらには、
紫外線吸収剤や蛍光増白剤等が多量に添加してあるため
に、ブリードする場合が見られた。また、特開平7−1
96904号公報に開示された紫外線吸収透明体におい
ては、紫外線吸収剤として、インドール系化合物を使用
しなければならないなどの制約も見られた。
【0007】そこで、出願人は、特開平3−23188
6号公報において、熱硬化させて形成した紫外線吸収層
を備えた紫外線遮蔽用ガラス容器を、既に提案してい
る。かかる紫外線遮蔽用ガラス容器は、熱硬化性樹脂中
に、紫外線吸収剤を所定量添加してなる結晶化模様塗料
を塗布した後、加熱硬化させて紫外線吸収層を形成する
ことを特徴としている。そして、この紫外線遮蔽用ガラ
ス容器によれば、375nm以下の紫外線を99%以上
遮断することができ、しかも紫外線吸収剤のばらつき
や、多少の表面凹凸にかかわらず、均一な紫外線遮蔽特
性や硬化特性を有する紫外線遮蔽用ガラス容器を得るこ
とができる。しかしながら、このような紫外線遮蔽用ガ
ラス容器であっても、使用する紫外線吸収剤の種類によ
っては、遮蔽効果を発揮できる紫外線の波長域が若干狭
いという問題が見られた。
【0008】このような状況下、発明者らは、上述した
問題を鋭意検討し、熱硬化性樹脂中に、紫外線吸収剤
と、蛍光増白剤と、シランカップリング剤とを所定量添
加して構成した硬化性材料を使用することにより、上述
した問題を解決することができることを見出した。すな
わち、本発明の目的は、紫外線吸収剤と、蛍光増白剤と
の相乗効果により、幅広い波長、例えば波長300〜4
00nmの紫外線に対して優れた遮蔽性を発揮すること
ができるとともに、可視光域、例えば波長450nmの
光においては、優れた透明性を有し、さらには耐水性に
優れた紫外線遮蔽用ガラス容器、およびこのような紫外
線遮蔽用ガラス容器が効率的に得られる紫外線遮蔽用ガ
ラス容器の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手投】本発明の紫外線遮蔽用ガ
ラス容器は、紫外線吸収層をガラス容器の表面に備えた
紫外線遮蔽用ガラス容器において、紫外線吸収層が、熱
硬化性樹脂100重量部あたり、紫外線吸収剤0.1〜
10重量部と、蛍光増白剤0.01〜5重量部と、シラ
ンカップリング剤0.1〜10重量部と、を含む熱硬化
性材料の硬化物であることを特徴としている。このよう
に構成することにより、紫外線吸収剤と蛍光増白剤との
相乗効果により、幅広い波長の紫外線に対して優れた遮
蔽性を発揮することができるとともに、可視光域の光に
対しては、優れた透過性を発揮することができる。すな
わち、比較的低波長域の紫外線に対しては、紫外線吸収
剤が紫外線遮蔽効果を発揮し、比較的長波長域の紫外線
に対しては、蛍光増白剤が紫外線遮蔽効果を発揮し、し
かもそれぞれ単独で用いた場合では得られない優れた相
乗的な紫外線遮蔽効果が得られるものである。また、こ
のように構成すると、耐水性に優れた紫外線吸収層を備
えたガラス容器を提供することができる。したがって、
紫外線吸収層の厚さを比較的薄くした場合であっても、
紫外線吸収層がガラス容器から剥離することが少なくな
る。
【0010】また、本発明の紫外線遮蔽用ガラス容器を
構成するにあたり、シランカップリング剤が、ウレイド
系シランカップリング剤であることが好ましい。このよ
うに構成することにより、紫外線吸収層を形成する前の
硬化性材料の保存安定性を向上させることができる。ま
た、ウレイド系シランカップリング剤は、トリアジン環
構造に対して特異的に作用し、紫外線吸収層の密着力や
耐湿性を著しく向上させることができる。
【0011】また、本発明の紫外線遮蔽用ガラス容器を
構成するにあたり、紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール
系化合物であり、蛍光増白剤が、チオフェン系化合物で
あることが好ましい。このように構成することにより、
幅広い波長の紫外線に対して、より優れた遮蔽性を発揮
することができるとともに、可視光域の光に対しては、
優れた透過性を発揮することができる。
【0012】また、本発明の紫外線遮蔽用ガラス容器を
構成するにあたり、熱硬化性樹脂がアクリルメラミン系
樹脂であることが好ましい。このように構成することに
より、紫外線吸収層中にトリアジン環構造を容易に含む
ことができる。そのため、トリアジン環構造に起因し
て、ガラス容器上に、紫外線吸収層を強固に形成するこ
とができ、しかも優れた耐熱性や耐湿性を発揮すること
ができる。
【0013】また、本発明の紫外線遮蔽用ガラス容器を
構成するにあたり、紫外線吸収層の厚さを5〜20μm
の範囲内の値とすることが好ましい。このように構成す
ることにより、紫外線遮蔽効果を十分に発揮することが
できるとともに、紫外線吸収層の剥離がより少なくな
る。
【0014】また、本発明の別の態様は、紫外線吸収層
をガラス容器の表面に備えた紫外線遮蔽用ガラス容器の
製造方法であり、熱硬化性樹脂100重量部あたり、紫
外線吸収剤0.1〜10重量部と、蛍光増白剤0.01
〜5重量部と、シランカップリング剤0.1〜10重量
部と、を含む熱硬化性材料を塗布する工程と、当該熱硬
化性材料を熱硬化させて前記紫外線吸収層を形成する工
程と、を含むことを特徴としている。このように製造す
ることにより、幅広い波長の紫外線に対して優れた遮蔽
性を発揮することができるとともに、可視光域において
は透明性に優れ、さらには耐水性に優れた紫外線遮蔽用
ガラス容器を効率的に提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明における紫外線遮蔽用ガラ
ス容器に関する実施形態(第1の実施形態)、および紫
外線遮蔽用ガラス容器の製造方法に関する実施形態(第
2の実施形態)をそれぞれ具体的に説明する。
【0016】[第1の実施形態]第1の実施形態は、ガ
ラス容器の表面に、熱硬化性樹脂100重量部あたり、
紫外線吸収剤0.1〜10重量部と、蛍光増白剤0.0
1〜5重量部と、シランカップリング剤0.1〜10重
量部と、を含む熱硬化性材料を硬化してなる紫外線吸収
層を備えた紫外線遮蔽用ガラス容器である。
【0017】1.紫外線吸収層 (1)硬化性樹脂 種類1 硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂を使用する。このよ
うに熱硬化性樹脂を使用することにより、ガラス容器表
面上に、紫外線吸収材料を塗布した後、所定条件で加熱
するだけで、紫外線吸収層を容易に形成することができ
る。また、熱硬化性樹脂を周囲から加熱するだけで硬化
させることができるため、ガラス容器の表面に多少の凹
凸があったとしても、硬化不良を生じることがない。な
お、ガラス容器は、耐熱性に優れているため、例えば、
250℃を超える比較的高い加熱温度を採用することが
でき、そのため、熱硬化性樹脂を、例えば10分以下の
比較的短時間で熱硬化させることができる。
【0018】種類2 熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、フェノキシ系
樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系
樹脂、尿素系樹脂、グアナミン系樹脂、ポリエステル系
樹脂、ウレタン系樹脂、シアネートエステル系樹脂、シ
リコーン系樹脂、アクリルフェノール系樹脂、アクリル
シリコーン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、アクリル
エポキシ系樹脂、アクリルメラミン系樹脂等の一種単独
または二種以上の組合せが挙げられる。特に、これらの
熱硬化性樹脂のうち、トリアジン環構造を内部に有して
おり、ガラス容器に対して優れた密着性や耐湿性を発揮
でき、しかも透明性にも優れていることから、アクリル
メラミン系樹脂がより好ましい。
【0019】なお、アクリルメラミン系樹脂を使用した
場合、従来、後述する硬化触媒、例えば、ドデシルベン
ゼンスルホン酸に起因して、保管中にアクリルメラミン
系樹脂に含まれるメチロール基が反応して、ゲル化する
場合が見られた。そこで、硬化触媒として、アルキルリ
ン酸アミン塩等を用いることにより、アクリルメラミン
系樹脂の熱硬化特性を低下させずに、保存安定性を著し
く向上させることができる。したがって、後述するよう
に、アクリルメラミン系樹脂を使用した場合、硬化触媒
として、アルキルリン酸アミン塩を用いることがより好
ましい。また、アクリルメラミン系樹脂の硬化部位であ
るメチロール基の一部をアルキル基、例えばブチル基に
よりブロックしてあることも好ましい。このようにメチ
ロール基の一部をブロックすることにより、アクリルメ
ラミン系樹脂の保存安定性を著しく向上させることがで
きる。
【0020】種類3 また、硬化させた場合における可視光域の光透過率、例
えば、450〜500nmの波長の光に対する光透過率
が、80%以上の値となる熱硬化性樹脂を選択すること
が好ましい。この理由は、かかる光透過率が、80%未
満の値となると、ガラス容器に収容される内容物の視認
性が低下したり、着色した場合に、所望の色が発現しな
い場合があるためである。したがって、かかる光透過率
が、90%以上の値となる熱硬化性樹脂を選択すること
が好ましく、95%以上の値となる熱硬化性樹脂を選択
するすることがさらに好ましい。
【0021】(2)紫外線吸収剤 種類 このような紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸
系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾー
ル系化合物、トリアジン系化合物、シアノアクリレート
系化合物からなる群から選択される少なくとも一つの化
合物であることが好ましい。このような種類の紫外線吸
収剤であれば、より優れた有機蛍光色素の劣化防止を図
ることができるためである。
【0022】ただし、少量で、より優れた紫外線遮蔽効
果を有することができ、しかもアクリルメラミン系樹脂
に対して、容易に混合分散できることから、ベンゾトリ
アゾール系化合物であることがより好ましい。好ましい
ベンゾトリアゾール系化合物としては、具体的に、2−
[2−ヒドロキシ−3,5−ジ(2,2−ジメチルベン
ジン)−フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、ポリ
エチレングリコールの3−[3−(2H−ベンゾトリア
ゾール−2−イル−5−t−ブチル−1−ヒドロキシ)
フェニル]プロピオン酸モノおよびジエステル、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert
−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−
ヒドロキシ−3’,5’−ジtert−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ
−3’,5’−ジtert−ブチルフェニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジtert−アミルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ジ(1,1
−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリア
ゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−ジメチルベンジル
−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニ
ル]−2H−ベンゾトリアゾール、イソオクチル−3−
[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−
tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオ
ネート、メチル−3−[3−tert−ブチル−5−
(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロ
キシフェニル]プロピオネートと、ポリエチレングリコ
ール300との縮合物等が挙げられる。
【0023】平均分子量 また、紫外線吸収剤の平均分子量を、300〜1,00
0の範囲内の値とすることが好ましい。このような平均
分子量であれば、室温で液状物か粉状物であるため、有
機溶剤等に溶解させて均一に硬化性樹脂中に混合するこ
とができ、紫外線吸収層における透明性を損なうおそれ
がないためである。また、このような分子量を有する紫
外線吸収剤であれば、揮発性が少なく、長期間にわたっ
て、紫外線遮蔽効果を発揮することができるためであ
る。したがって、紫外線吸収剤の平均分子量を、400
〜900の範囲内の値とすることがより好ましく、50
0〜800の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、このような紫外線吸収剤の平均分子量は、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により、
測定することができる。
【0024】添加量 また、紫外線吸収剤の添加量を硬化性樹脂100重量部
あたり、0.1〜10重量部の範囲内の値とすることが
好ましい。この理由は、かかる紫外線吸収剤の添加量が
0.1重量部未満となると、幅広い波長での紫外線遮蔽
性が低下する場合があり、一方、紫外線吸収剤の添加量
が10重量部を超えると、紫外線吸収層の透明性や耐湿
性が低下する場合があるためである。したがって、紫外
線遮蔽性と、紫外線吸収層の透明性等とのバランスがよ
り良好な点から、紫外線吸収剤の添加量を硬化性樹脂1
00重量部あたり、0.5〜5重量部の範囲内の値とす
ることがより好ましく、1〜3重量部の範囲内の値とす
ることがさらに好ましい。
【0025】(3)蛍光増白剤 種類1 蛍光増白剤としては、紫外線を吸収して、より長波長の
蛍光を発揮できる化合物であれば特に制限されるもので
はないが、例えば、濃度7mg/リットル、液厚さ1c
mの測定条件において、波長400nmの紫外線を10
%以上遮蔽できる蛍光増白剤であることが好ましい。こ
の理由は、かかる測定条件において、波長400nmの
紫外線を10%以上遮蔽することにより、蛍光増白剤を
紫外線吸収層に添加した場合に、幅広い波長での紫外線
遮蔽効果を得ることができるためである。したがって、
蛍光増白剤としては、波長400nmの紫外線を20%
以上遮蔽できる蛍光増白剤であることがより好ましく、
30%以上遮蔽できる蛍光増白剤であることがさらに好
ましい。
【0026】種類2 また、蛍光増白剤の種類としては、チオフェン系化合物
等が挙げられるが、より具体的には、2,5−ビス
(5'−ターシャリブチルベンゾオキサゾリル(2))
チオフェン、2,5−ビス(5'−ブチルベンゾオキサ
ゾリル(2))チオフェン、2,5−ビス(5'−エチ
ルベンゾオキサゾリル(2))チオフェン、2,5−ビ
ス(5'−メチルベンゾオキサゾリル(2))チオフェ
ン等の一種単独または二種以上の組合せが挙げられる。
【0027】添加量1 また、蛍光増白剤の添加量を、熱硬化性樹脂100重量
部あたり、0.01〜5重量部の範囲内の値とすること
が好ましい。この理由は、かかる蛍光増白剤の添加量が
0.01重量部未満の値となると、波長400nm程度
の紫外線の遮蔽性が不十分となる場合があるためであ
り、一方、蛍光増白剤の添加量が5重量部を超えると、
透明性や耐湿性が低下し、また、紫外線吸収層が剥離し
やすくなるためである。したがって、紫外線遮蔽性と、
耐湿性等とのバランスがより良好となるため、蛍光増白
剤の添加量を、硬化性樹脂100重量部あたり、0.0
5〜3重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、
0.1〜1重量部の範囲内の値とすることがさらに好ま
しい。
【0028】添加量2 また、蛍光増白剤の添加量を、紫外線吸収剤の添加量を
考慮して定めることが好ましい。すなわち、蛍光増白剤
の添加量を、重量比で、紫外線吸収剤の添加量の1/2
0〜2/3とすることが好ましい。この理由は、蛍光増
白剤の添加量が、紫外線吸収剤の添加量の1/20未満
となると、蛍光増白剤と紫外線吸収剤との相互作用が発
揮されない場合があるためであり、一方、紫外線吸収剤
の添加量の2/3を超えると、蛍光増白剤が析出する場
合があるためである。したがって、蛍光増白剤の添加量
を、重量比で、紫外線吸収剤の添加量の1/10〜1/
2とすることがより好ましく、1/5〜1/3とするこ
とがさらに好ましい。
【0029】(4)シランカップリング剤 種類 シランカップリング剤の種類としては、特に制限される
ものではないが、例えば、γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらのう
ち、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウ
レイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロ
ピルジメトキシメチルシラン、γ−ウレイドプロピルジ
エトキシメチルシラン等のウレイド系シランカップリン
グ剤は、煮沸試験等においても優れた耐水性を示すとと
もに、硬化性樹脂の安定性を阻害することがないことか
らより好ましい。
【0030】添加量 また、シランカップリング剤の添加量を、硬化性樹脂1
00重量部あたり、0.1〜10重量部の範囲内の値と
することが好ましい。この理由は、かかるシランカップ
リング剤の添加量が0.1重量部未満の値となると、耐
熱性や耐湿性が低下し、紫外線吸収層がガラス容器から
剥離しやすくなるためである。すなわち、紫外線吸収層
を形成するための硬化性材料に、紫外線吸収剤や蛍光増
白剤を添加すると、紫外線吸収層の耐熱性や耐湿性が一
般に低下するものの、シランカップリング剤を添加する
ことにより、それを有効に防止することができる。一
方、シランカップリング剤の添加量が10重量部を超え
ると、ブリードしたり、紫外線吸収層を形成するための
硬化性材料の保存安定性が低下したり、さらには紫外線
吸収層の透明性が低下する場合があるためである。特
に、熱硬化性樹脂として、アクリルメラミン系樹脂を用
いた場合、シランカップリング剤の添加量が10重量部
を超えると、硬化性材料の段階でゲル化しやすくなるた
め、得られる紫外線吸収層の透明性が極端に低下する場
合がある。したがって、このような保存安定性と、耐湿
性等とのバランスがより良好となるため、シランカップ
リング剤の添加量を、硬化性樹脂100重量部あたり、
0.5〜7重量部の範囲内の値とすることがより好まし
く、1〜5重量部の範囲内の値とすることがさらに好ま
しい。
【0031】(5)硬化触媒 種類 硬化触媒の種類としては、使用する硬化性樹脂の種類に
もよるが、例えば、アクリルフェノール系樹脂や、アク
リルメラミン系樹脂を用いた場合には、アルキルベンゼ
ンスルホン酸、アルキルリン酸アミン塩等を添加するこ
とが好ましい。これらの硬化触媒のうち、アルキルリン
酸アミン塩は、アクリルメラミン系樹脂の熱硬化特性を
低下させずに、保存安定性を著しく向上させることがで
きることから、より好ましい硬化触媒である。
【0032】添加量 また、硬化触媒の添加量は、使用する硬化性樹脂の種類
にもよるが、例えば、熱硬化性樹脂100重量部あた
り、硬化触媒を0.01〜5重量部含むことが好まし
い。この理由は、かかる硬化触媒の添加量が0.01重
量部未満の値となると、添加効果が発現しない場合があ
るためであり、一方、硬化触媒の添加量が5重量部を超
えると、硬化性樹脂の保存安定性が低下する場合がある
ためである。したがって、硬化触媒の添加量を、熱硬化
性樹脂100重量部あたり、0.05〜3重量部含むこ
とがより好ましく、0.1〜2重量部含むことがさらに
好ましい。
【0033】(6)厚さ また、紫外線吸収層の厚さを5〜20μmの範囲内の値
とすることが好ましい。この理由は、かかる紫外線吸収
層の厚さが5μm未満の値となると、紫外線遮蔽性が低
下したり、紫外線吸収層が剥離しやすくなったり、ガラ
ス容器に対する保護効果が低下する場合があるためであ
る。一方、かかる紫外線吸収層の厚さが20μmを超え
ると、厚さが不均一となったり、紫外線吸収層が剥離し
やすくなる場合があるためである。したがって、紫外線
遮蔽性と、剥離防止等とのバランスがより良好となるた
め、紫外線吸収層の厚さを、7〜15μmの範囲内の値
とすることがより好ましく、10〜13μmの範囲内の
値とすることがさらに好ましい。
【0034】(7)添加剤 紫外線吸収層には、各種添加剤を添加することが好まし
い。このような添加剤としては、着色剤や艶消し剤等が
挙げられる。このような着色剤や、艶消し剤を添加する
ことにより、さらに装飾性に優れた紫外線遮蔽用ガラス
容器を提供することができる。
【0035】2.ガラス容器 (1)構成材料 ガラス容器の構成材料は特に制限されるものではない
が、例えば、以下に示すガラス網目成分、ガラス網目修
飾成分、添加剤等から構成することが好ましい。
【0036】ガラス網目成分 ガラス網目成分は、紫外線遮蔽用ガラスの骨格となる構
成物である。このようなガラス網目成分としては、具体
的にSiO2が挙げられる。また、ガラス網目成分の添
加量を、全体量を100重量%としたときに、40〜8
2重量%の範囲内の値とすることが好ましい。この理由
は、ガラス網目成分の添加量が40重量%未満となる
と、耐水性や機械的特性が著しく低下する場合があるた
めであり、一方、ガラス網目成分の添加量が82重量%
を超えると、溶融性が低下して、気泡を巻き込みやすく
なる場合があるためである。したがって、機械的特性や
溶融性のバランスがより良好となることから、ガラス網
目成分の添加量を、全体量に対して、40〜65重量%
の範囲内の値とすることがより好ましく、40〜60重
量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0037】ガラス網目修飾成分 ガラス網目修飾成分として、アルカリ金属酸化物やアル
カリ土類金属酸化物を添加するのが好ましい。具体的
に、Na2O、K2O、Li2O、CaO、MgO、Ba
O、B23、Al23等の一種単独または二種以上のガ
ラス網目修飾成分からなる組合せを挙げることができ
る。
【0038】添加剤 また、ガラス容器の構成材料には、用途等に応じて、抗
菌剤、防カビ剤、電磁波遮蔽剤、清澄剤、発泡剤、還元
剤等を添加することも好ましい。特に清澄剤を添加する
ことにより、気泡の巻き込みが少なく、透明性により優
れた紫外線遮蔽用ガラスが得られることから好ましい。
このような清澄剤としては、硫酸塩、例えば、Na2
4、K2SO4、BaSO4、CaSO4等や、弗化物、
例えば、蛍石、ケイフッ素化合物等が挙げられる。
【0039】(2)基本組成 ガラス容器を構成するガラスの基本組成としては、例え
ば、SiO2、Na2O、K2O、CaO、MgO、B2
3、Al23、CeO2およびMnO2の組合せや、Si
2、Na2O、K2O、CaO、MgO、B23、Al2
3、CeO2、MnO2およびCoOの組合せが挙げら
れる。このように組合せることにより、安価で、しかも
優れた透明性を有するガラスを得ることができる。
【0040】(3)形態 また、ガラス容器の形態についても任意であり、例え
ば、板状、球状、多角形状、円柱状、棒状あるいはこれ
らのガラスの組合せにより、紫外線遮蔽すべき内容物を
収容できる形態とすることが好ましい。
【0041】[第2の実施形態]第2の実施形態は、紫
外線遮蔽用ガラス容器の製造方法であり、硬化性樹脂1
00重量部あたり、0.1〜10重量部のカップリング
剤と、0.1〜10重量部の紫外線吸収剤と、0.01
〜5重量部の蛍光増白剤とを含む紫外線吸収材料をガラ
ス容器の表面に塗布する工程(第1の工程と称する場合
がある。)と、当該紫外線吸収材料を硬化させて紫外線
吸収層を形成する工程(第2の工程と称する場合があ
る。)と、を含むことを特徴としている。
【0042】(1)第1の工程 第1の工程は、第1の実施形態と同様の硬化性材料を調
製したのち、当該硬化性材料をガラス容器の表面に塗布
する工程である。かかる硬化性材料の塗布方法は特に制
限されるものではないが、例えば、ディッピング法、ス
プレー法、フローコート法、印刷法、インクジェット法
等を採用することができる。特にスプレー法によれば、
大面積であっても、均一な厚さを有する紫外線吸収層を
形成することができることからより好ましい。
【0043】(2)第2の工程 第2の工程は、硬化性材料からなる塗膜を加熱して、硬
化させることにより、紫外線吸収層を形成する工程であ
る。ここで、加熱条件としては、オーブンや遠赤外線照
射装置等を用いて、加熱温度を130〜250℃の範囲
内の値とすることが好ましい。この理由は、加熱温度が
130℃未満の値となると、硬化不良が発生する場合が
あるためであり、一方、加熱温度が250℃を超える
と、紫外線吸収層の一部に気泡が発生して、表面が平滑
とならない場合があるためである。また、加熱時間は、
加熱温度によるが、1〜60分の範囲内の値とすること
が好ましい。この理由は、加熱時間が1分未満の値とな
ると、硬化不良が発生する場合があるためであり、一
方、加熱時間が60分を超えると、紫外線吸収層の一部
に気泡が発生して、表面が平滑とならない場合があるた
めである。
【0044】
【実施例】以下、実施例をもとに、さらに本発明を説明
する。ただし、言うまでもなく、本発明の範囲は、実施
例の記載に制限されるものではない。
【0045】[実施例1] (1)ガラス容器の作成 ガラス溶解炉に、全体量に対して、SiO2の添加量が
73重量%、Na2O+K2Oの添加量が14重量%、C
aO+MgOの添加量が11重量%、Al23の添加量
が2重量%、MnO2の添加量が0.0078重量%、
CoOの添加量が0.00002重量%となるように、
けい砂、ソーダ灰、石灰、カレット、Na2SO4、Ce
2、MnO2およびCoO等のガラス原料をそれぞれ投
入した。そして、これらのガラス原料を、温度1,47
0℃、48時間の条件で溶解させて、ガラス融液とし
た。
【0046】次いで、得られたガラス融液を、溶解炉お
よびこれに連結された作業室から、長さ約10mのフォ
アハ−スに供した。このフォアハ−スにおいて、ガラス
融液の温度を、バーナーを用いて1,250〜1,30
0℃に保持しながら、移送速度10m/分で、ガラス成
形機まで移送した。そして、ガラス成形機を用いて、胴
部高さ80mm、首部高さ20mm、胴直径40mm、
首部直径20mm、厚さ4mmのボトルネック型のガラ
ス容器を成形した。
【0047】(2)紫外線遮蔽用ガラス容器の作成 得られたガラス容器の表面に、表1に示す下記構成成分
からなる硬化性材料を吹きつけ塗布した後、加熱オーブ
ンを用いて、200℃、10分の条件で加熱した。その
後、室温まで冷却して、厚さ10μmの紫外線吸収層を
備えた紫外線遮蔽用ガラス容器を得た。熱硬化性樹脂:
アクリルメラミン系塗料PG2220Aクリアー(硬化
触媒としてアルキルリン酸アミン塩を含む。)(藤倉化
成(株)社製、固形分40重量%)100重量部 紫外線吸収剤:ベンゾトリアゾール系化合物チヌビン1
130(日本チバガイギー(株)社製、固形分86重量
%)2重量部 蛍光増白剤: 2,5−ビス(5'−ターシャリブチル
ベンゾオキサゾリル(2))チオフェン(ユビッテクス
OB,日本チバガイギー(株)社製、固形分100重量
%)0.5重量部 シランカップリング剤:ウレイド系シランカップリング
剤A−1160(日本ユニカー(株)社製、固形分50
重量%)4重量部 シンナー: PG9895CN(藤倉化成(株)社
製)60重量部 なお、表1中、実施例1で使用した熱硬化性樹脂をA−
1、熱硬化性樹脂に含まれる硬化触媒をB−1、紫外線
吸収剤をC−1、蛍光増白剤をD−1、シランカップリ
ング剤をE−1と表している。
【0048】(3)硬化性材料および紫外線遮蔽用ガラ
ス容器の評価 硬化性材料の保存安定性 (2)で調製した硬化性材料を、40℃の温度条件に、
72時間放置して、外観変化や粘度変化から硬化性材料
の保存安定性を以下の基準で評価した。評価した結果を
表2に示す。 ◎:全く変化なし。 〇:わずかに粘度変化が観察される。 △:少々粘度変化が観察される。 ×:顕著なゲル化が観察される。
【0049】紫外線遮蔽性 得られた紫外線遮蔽用ガラス容器の一部を板状(厚さ4
mm)に切り出し、その光透過率(波長250〜450
nm)を、分光光度計を用いて測定した。図1に得られ
た紫外線吸収スペクトルを示す。そして、この紫外線吸
収スペクトルから、紫外線吸収端を算出し、以下の基準
で評価した。評価した結果を表2に示す。 ◎:紫外線吸収端が400nm以上である。 〇:紫外線吸収端が390nm以上である。 △:紫外線吸収端が370nm以上である。 ×:紫外線吸収端が370nm未満である。
【0050】透明性 得られた紫外線遮蔽用ガラス容器の透明性を、以下の基
準に拠って、目視にて評価した。評価結果を表2に示
す。 ◎:無色透明である。 〇:わずかに青色がかっている。 △:少々青色がかっている。 ×:顕著に青色がかっている。
【0051】耐水性 得られた紫外線遮蔽用ガラス容器の耐水性を、100℃
の沸騰水に、1時間浸漬させた後の紫外線吸収層の外観
変化を、以下の基準に拠って、目視にて評価した。評価
結果を表2に示す。 ◎:紫外線吸収層の外観変化なし。 〇:紫外線吸収層がわずかに白化している。 △:紫外線吸収層が少々剥離している。 ×:紫外線吸収層が顕著に剥離している。
【0052】[実施例2〜3]実施例2では、表1に示
すように、実施例1における紫外線吸収剤の添加量を、
2.0重量部から1.5重量部に減少させたほかは実施
例1と同様に、紫外線遮蔽用ガラス容器を作成して、評
価した。評価結果を表2に示す。また、実施例3では、
表1に示すように、実施例1における紫外線吸収剤の添
加量を、2.0重量部から3.0重量部に増加させたほ
かは実施例1と同様に、紫外線遮蔽用ガラス容器を作成
して、評価した。評価結果を表2に示す。
【0053】[実施例4〜5]実施例4では、表1に示
すように、実施例1における蛍光増白剤の添加量を、
0.5重量部から0.2重量部に減少させたほかは実施
例1と同様に、紫外線遮蔽用ガラス容器を作成して、評
価した。評価結果を表2に示す。また、得られた紫外線
遮蔽用ガラス容器の紫外線吸収スペクトルを図1に示
す。また、実施例5では、表1に示すように、実施例1
における蛍光増白剤の添加量を、0.5重量部から1.
0重量部に増加させたほかは実施例1と同様に、紫外線
遮蔽用ガラス容器を作成して、評価した。評価結果を表
2に示す。
【0054】[実施例6〜7]実施例6では、表1に示
すように、実施例1におけるシランカップリング剤の添
加量を、4重量部から3重量部に減少させたほかは実施
例1と同様に、紫外線遮蔽用ガラス容器を作成して、評
価した。評価結果を表2に示す。また、実施例7では、
表1に示すように、実施例1におけるシランカップリン
グ剤の添加量を、4重量部から1重量部に減少させたほ
かは実施例1と同様に、紫外線遮蔽用ガラス容器を作成
して、評価した。評価結果を表2に示す。
【0055】[実施例8〜9]実施例8では、表1に示
すように、シランカップリング剤の種類を、実施例1に
おけるウレイド系シランカップリング剤のA−1160
から、アミノ系シランカップリング剤のA−1100
(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、日本ユニカ
ー(株)製)に変更したほかは実施例1と同様に、紫外
線遮蔽用ガラス容器を作成して、評価した。評価結果を
表2に示す。実施例9では、表1に示すように、シラン
カップリング剤の種類を、実施例1におけるウレイド系
シランカップリング剤のA−1160から、エポキシ系
シランカップリング剤のA−187(γ−グリシドキシ
プロピルトリエトキシシラン、日本ユニカー(株)製)
に変更したほかは実施例1と同様に、紫外線遮蔽用ガラ
ス容器を作成して、評価した。評価結果を表2に示す。
なお、表1中、実施例8で使用したシランカップリング
剤をE−2と表し、実施例9で使用したシランカップリ
ング剤をE−3と表している。
【0056】[実施例10]実施例10では、表1に示
すように、実施例1における熱硬化性樹脂の種類を、硬
化触媒としてアルキルリン酸アミン塩の代わりにアルキ
ルベンゼンスルホン酸を含むアクリルメラミン系塗料P
G9895A(藤倉化成(株)製)に変更したほかは実
施例1と同様に、紫外線遮蔽用ガラス容器を作成して、
評価した。評価結果を表2に示す。なお、実施例10で
使用した熱硬化性樹脂に含まれる硬化触媒を表1中、B
−2と表している。
【0057】[実施例11]実施例11では、表1に示
すように、実施例1における熱硬化性樹脂の種類を、ア
クリルメラミン系塗料から、アクリルエポキシ系塗料
(アクリエース、カシュー(株)製)に変更したほかは
実施例1と同様に、紫外線遮蔽用ガラス容器を作成し
て、評価した。評価結果を表2に示す。なお、実施例1
1で使用した熱硬化性材料を表1中、A−2と表してい
る。
【0058】[実施例12]実施例12では、表1に示
すように、実施例1における熱硬化性材料に、艶消剤の
AD5405F(藤倉化成(株)社製、固形分8重量
%)を30重量部添加したほかは実施例1と同様に、紫
外線遮蔽用ガラス容器を作成して、評価した。評価結果
を表2に示す。
【0059】[比較例1〜3]比較例1では、紫外線吸
収剤の添加効果を確認するため、表3に示すように、実
施例1で使用した紫外線吸収剤を添加しなかったほかは
実施例1と同様に、紫外線遮蔽用ガラス容器を作成し
て、評価した。評価結果を表4に示す。また、比較例2
では、表3に示すように、実施例1で使用した紫外線吸
収剤の使用量を、2重量部から0.05重量部に低下さ
せたほかは実施例1と同様に、紫外線遮蔽用ガラス容器
を作成して、評価した。評価結果を表4に示す。さら
に、比較例3では、紫外線吸収剤を増量した場合の影響
を確認するため、表3に示すように、実施例1で使用し
た紫外線吸収剤の使用量を、2重量部から20重量部に
増加させたほかは実施例1と同様に、紫外線遮蔽用ガラ
ス容器を作成して、評価した。評価結果を表4に示す。
【0060】[比較例4〜6]比較例4では、蛍光増白
剤の添加効果を確認するため、表3に示すように、実施
例1で使用した蛍光増白剤を添加しなかったほかは実施
例1と同様に、紫外線遮蔽用ガラス容器を作成して、評
価した。評価結果を表4に示す。また、得られた紫外線
遮蔽用ガラス容器の紫外線吸収スペクトルを図1に示
す。また、比較例5では、表3に示すように、実施例1
で使用した蛍光増白剤の使用量を、0.5重量部から
0.005重量部に低下させたほかは実施例1と同様
に、紫外線遮蔽用ガラス容器を作成して、評価した。評
価結果を表4に示す。さらに、比較例6では、蛍光増白
剤を増量した場合の影響を確認するため、表3に示すよ
うに、実施例1で使用した蛍光増白剤の使用量を、0.
5重量部から10重量部に増加させたほかは実施例1と
同様に、紫外線遮蔽用ガラス容器を作成して、評価し
た。評価結果を表4に示す。
【0061】[比較例7]比較例7では、表3に示すよ
うに、実施例1で使用したアクリルメラミン系塗料PG
2220Aクリアーおよび硬化触媒の代わりに、紫外線
硬化型樹脂を使用した塗料HO7517U(藤倉化成
(株)製)を用い、紫外線照射装置を用いて100mJ
/m2の紫外線を照射したほかは、実施例1と同様に、
紫外線遮蔽用ガラス容器を作成して、評価した。評価結
果を表4に示す。なお、比較例7で使用した光硬化性樹
脂を表3中、A3と表している。
【0062】[比較例8〜10]比較例8では、シラン
カップリング剤の添加効果を確認するため、表3に示す
ように、実施例1で使用したシランカップリング剤を添
加しなかったほかは実施例1と同様に、紫外線遮蔽用ガ
ラス容器を作成して、評価した。評価結果を表4に示
す。また、比較例9では、表3に示すように、実施例1
で使用したシランカップリング剤の使用量を4重量部か
ら0.01重量部に低下させたほかは実施例1と同様
に、紫外線遮蔽用ガラス容器を作成して、評価した。評
価結果を表4に示す。さらに、比較例10では、シラン
カップリング剤を増量した場合の影響を確認するため、
表3に示すように、実施例1で使用したシランカップリ
ング剤を4重量部から20重量部に増加させたほかは実
施例1と同様に、紫外線遮蔽用ガラス容器を作成して、
評価した。評価結果を表4に示す。
【0063】[比較例11〜12]比較例11では、表
3に示すように、蛍光増白剤を使用せず、紫外線吸収剤
の種類をNCI707F30T(ニッコー化学研究所
製)に変更したほかは実施例1と同様に、紫外線遮蔽用
ガラス容器を作成して、評価した。評価結果を表4に示
す。また、得られた紫外線遮蔽用ガラス容器の紫外線吸
収スペクトルを図1に示す。また、比較例12では、さ
らに紫外線吸収剤NCI707F30Tの使用量を3重
量部に増加させたほかは比較例11と同様に、紫外線遮
蔽用ガラス容器を作成して、評価した。評価結果を表4
に示す。また、得られた紫外線遮蔽用ガラス容器の紫外
線吸収スペクトルを図1に示す。なお、比較例11〜1
2で使用した紫外線遮蔽剤を表3中、C2と表してい
る。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【発明の効果】本発明の紫外線遮蔽用ガラスおよびそれ
から得られる紫外線遮蔽用ガラス容器によれば、熱硬化
性樹脂中に、紫外線吸収剤と、蛍光増白剤と、シランカ
ップリング剤とを所定量添加して構成した硬化性材料を
使用することにより、幅広い波長の紫外線に対して優れ
た遮蔽性を発揮することができるとともに、可視光域で
は透明性に優れ、さらには耐水性に優れた紫外線遮蔽用
ガラス容器、およびこのような紫外線遮蔽用ガラス容器
を効率的に製造することができる紫外線遮蔽用ガラス容
器の製造方法を提供できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、4および比較例4,11,12の紫
外線遮蔽用ガラスにおけるそれぞれの紫外線吸収スペク
トルを示す図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線吸収層をガラス容器の表面に備え
    た紫外線遮蔽用ガラス容器において、 前記紫外線吸収層が、 熱硬化性樹脂100重量部あたり、 紫外線吸収剤0.1〜10重量部と、 蛍光増白剤0.01〜5重量部と、 シランカップリング剤0.1〜10重量部と、 を含む熱硬化性材料の硬化物であること、 を特徴とする紫外線遮蔽用ガラス容器。
  2. 【請求項2】 前記シランカップリング剤が、ウレイド
    系シランカップリング剤であることを特徴とする請求項
    1に記載の紫外線遮蔽用ガラス容器。
  3. 【請求項3】 前記紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール
    系化合物であり、前記蛍光増白剤が、チオフェン系化合
    物であることを特徴とする請求項1または2に記載の紫
    外線遮蔽用ガラス容器。
  4. 【請求項4】 前記熱硬化性樹脂がアクリルメラミン系
    樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一
    項に記載の紫外線遮蔽用ガラス容器。
  5. 【請求項5】 前記紫外線吸収層の厚さを5〜20μm
    の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか一項に記載の紫外線遮蔽用ガラス容器。
  6. 【請求項6】 紫外線吸収層をガラス容器の表面に備え
    た紫外線遮蔽用ガラス容器の製造方法において、 熱硬化性樹脂100重量部あたり、紫外線吸収剤0.1
    〜10重量部と、蛍光増白剤0.01〜5重量部と、シ
    ランカップリング剤0.1〜10重量部と、を含む熱硬
    化性材料を塗布する工程と、 当該熱硬化性材料を熱硬化させて前記紫外線吸収層を形
    成する工程と、 を含むことを特徴とする紫外線遮蔽用ガラス容器の製造
    方法。
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