JP2002309164A - ガラス用塗料組成物およびその硬化方法 - Google Patents
ガラス用塗料組成物およびその硬化方法Info
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Abstract
面におけるマーキング性に優れたガラス用塗料組成物お
よびその硬化方法を提供する。 【解決手段】 ガラス用塗料組成物およびその硬化方法
を提供するにあたり、メラミン樹脂100重量部に対し
て、ポリオール化合物を50〜400重量部、シランカ
ップリング剤を5〜100重量部の範囲でそれぞれ含
む。
Description
物およびその硬化方法に関し、より詳細にはガラスに対
する密着力に優れるとともに、表面におけるマーキング
性に優れたガラス用塗料組成物およびその硬化方法に関
する。
汎用材料であり、例えば、容器に用いられた場合にあっ
ては、ガラス自体が化学的に安定なことから、内容物の
保護性や保管性に優れた材料である。しかしながら、ガ
ラスは、透明性が高いために、例えばガラス容器内に保
管した内容物が、光劣化しやすいといった問題や、耐衝
撃性が不十分であって、割れやすいといった問題が見ら
れた。
に顔料等の着色剤を添加したり、あるいは、フッ化水素
酸を用い、ガラス表面をエッチングして半透明化したり
する手法がとられていた。しかしながら、ガラス中に着
色剤を添加した場合、ガラスを溶融してリサイクルする
際に、生成するガラスの種類が制限されるなどして、リ
サイクルのコストや手間が多くかかるという問題が見ら
れた。また、ガラス中に着色剤を添加した場合、ガラス
表面は未だ難接着性であって、ガラス表面に文字等をマ
ーキングすることが実質的に困難であった。さらに、ガ
ラス表面をエッチングする場合、厳格な安全管理が必要
であって、別途洗浄工程が必要なフッ化水素酸を使用し
なければならず、コストや手間が多くかかり、不経済で
あるという問題が見られた。
をポリマー樹脂フィルムで覆ったり、耐衝撃性ガラスを
使用したりするなどの手法がとられていた。しかしなが
ら、ガラス表面をポリマー樹脂フィルムで覆った場合
や、耐衝撃性ガラスを使用した場合、製造コストが高く
なるという問題があり、また、ガラスを溶融してリサイ
クルする際に、生成するガラスの種類が制限されるなど
して、リサイクルのコストや手間が多くかかるという問
題が見られた。
からなる塗装を施すことが提案されている。このような
ガラス用塗料組成物としては、硬化塗膜の硬さに優れ、
ガラス表面との密着力に優れていることから、文献1:
「塗料用合成樹脂入門、北岡協三著、高分子学会刊行、
ページ134〜139」や、文献2:「プラスチック材
料講座[8]、ユリア・メラミン樹脂、三輪一郎、松永英
夫著、日刊工業新聞社刊行、ページ291〜316」に
記載されているように、アミノ樹脂、例えばメラミン樹
脂が多用されていた。かかるガラス用塗料組成物は、一
般にガラス表面に塗装した後、加熱硬化させることによ
り、硬化塗膜を形成して、ガラスの装飾性や美的外観性
を向上させるとともに、ガラスの保護膜としての機能を
はたしていた。しかしながら、かかるガラス用塗料組成
物は、ガラス表面が汚染されている場合や、ガラス表面
が極めて平滑である場合、あるいはガラス表面に曲面部
分を有する場合には、硬化塗膜がガラス表面から剥離し
やすいという問題が見られた。また、従来のガラス用塗
料組成物からなる硬化塗膜上に、ガラス内部の情報表示
のために、エポキシ塗料からなるマーキングを施すこと
が多いが、かかる硬化塗膜によって、エポキシ塗料がは
じかれてしまうという問題も見られた。
には、(A)成分としてのポリオール樹脂(a1)と、
イソシアネート化合物と反応する硬化剤(a2)とから
なるフィルム形成性樹脂に対して、(B)成分としての
アルコキシシラン化合物の部分加水分解縮合物と、
(C)成分としての大きさが0.1〜40μmである無
機骨材(c1)及び粒径が0.01〜30μmである有
機高分子粒子(c2)からなる少なくとも1種の骨材と
を添加してなる塗料組成物が開示されている。また、特
開平11−80662号公報には、エポキシ樹脂を主成
分とし、それにポリオール化合物を反応させた塗料組成
物が開示されており、特開平8−283660号公報に
は、イソシアネート化合物およびポリオール化合物を反
応させて得られたウレタン樹脂を主成分としたガラス用
保護材料が開示されている。しかしながら、いずれの塗
料組成物やガラス用保護材料からなる硬化塗膜も強度が
不足しており、しかも塗膜の薄膜化や平滑化が困難であ
るという問題が見られた。また、硬化塗膜上に、エポキ
シ塗料からなるマーキングを施した場合に、かかるエポ
キシ塗料がはじかれてしまうという問題もいまだ改善さ
れないままであった。
者らは、上記の問題に鑑み鋭意検討したところ、従来使
用しているメラミン樹脂をそのまま使用しつつも、ポリ
オール化合物と、シランカップリング剤とを、適当比率
で添加するだけで、ガラスに対する密着力に優れるとと
もに、表面におけるマーキング性に優れたガラス用塗料
組成物が提供できることを見出したものである。すなわ
ち、従来は、ポリオール化合物を添加すると、硬化塗膜
の硬さが低下する一方、シランカップリング剤を添加す
ると、離型性や撥水性が向上し、マーキング塗料をはじ
きやすくなると考えられていたものの、配合材料の適当
比率等を考慮することにより、これらの問題を生じさせ
ることなく、ガラスに対する密着力に優れるとともに、
表面におけるマーキング性に優れたガラス用塗料組成物
が提供できることを見出し、本発明を完成させたもので
ある。よって、本発明の目的は、ガラスに対する密着力
に優れるとともに、表面におけるマーキング性に優れた
ガラス用塗料組成物を提供することである。また、本発
明の別の目的は、ガラスに対する密着力に優れるととも
に、表面におけるマーキング性に優れたガラス用塗料組
成物の硬化方法を提供することである。
ン樹脂100重量部に対して、ポリオール化合物を50
〜400重量部、シランカップリング剤を5〜100重
量部の範囲で含むことを特徴とするガラス用塗料組成物
が提供され、上述した問題点を解決することができる。
すなわち、このように構成することにより、ポリオール
化合物およびシランカップリング剤の相乗効果により、
硬化塗膜の硬さが低下することなく、ガラスに対する密
着力に優れるとともに、表面におけるマーキング性に優
れた硬化塗膜が得られるガラス用塗料組成物を提供する
ことができる。
するにあたり、メラミン樹脂が、メチル化およびブチル
化、あるいはいずれか一方のアルキル化を施してあるメ
ラミン樹脂であることが好ましい。このように構成する
ことにより、メラミン樹脂と、ポリオール化合物とが十
分に反応することができ、ガラスに対する密着力に優れ
た硬化塗膜が得られるとともに、硬化速度に優れたガラ
ス用塗料組成物を提供することができる。
するにあたり、ポリオール化合物が、アクリルポリオー
ル化合物およびラクトンポリオール化合物の混合物であ
ることが好ましい。このように構成することにより、ア
クリルポリオール化合物およびラクトンポリオール化合
物の相乗効果により、硬化塗膜の硬さが低下することな
く、ガラスに対する密着力にさらに優れるとともに、表
面におけるマーキング性に優れた硬化塗膜が得られるガ
ラス用塗料組成物を提供することができる。
するにあたり、ポリオール化合物の全体量(100重量
部)中のラクトンポリオール化合物の使用量を0.1〜
30重量部の範囲内の値とすることが好ましい。このよ
うに構成することにより、ポリオール化合物を組み合わ
せて添加しても、ラクトンポリオール化合物の働きによ
り、硬化塗膜の硬さが低下することなく、ガラスに対す
る密着力にさらに優れるとともに、表面におけるマーキ
ング性に優れた硬化塗膜が得られるガラス用塗料組成物
を提供することができる。
するにあたり、ポリオール化合物のヒドロキシル価を5
〜500mgKOH/gの範囲内の値とすることが好ま
しい。このように構成することにより、ポリオール化合
物と、メラミン樹脂やシランカップリング剤とが、確実
に反応することができ、結果として、硬化塗膜の硬さ低
下が少なくなる一方、ガラスに対する密着力にさらに優
れた硬化塗膜が得られるガラス用塗料組成物を提供する
ことができる。なお、ポリオール化合物のヒドロキシル
価は、滴定方法により測定することができる。
するにあたり、シランカップリング剤が、アミン系シラ
ンカップリング剤およびエポキシ系シランカップリング
剤、あるいはいずれか一方のシランカップリング剤であ
ることが好ましい。このように構成することにより、カ
ップリング剤を比較的少量添加した場合であっても、カ
ップリング剤が、確実にメラミン樹脂やポリオール化合
物と反応することができ、結果として、硬化塗膜の硬さ
の低下がより少なくなる一方、ガラスに対する密着力に
さらに優れた硬化塗膜が得られるガラス用塗料組成物を
提供することができる。
するにあたり、着色剤を含むとともに、当該着色剤の含
有量を、メラミン樹脂100重量部に対して、0.1〜
100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。この
ように構成することにより、容易にカラー化を図ること
ができ、装飾性や美的感覚、あるいは光透過による内容
物の劣化保護に優れた硬化塗膜が得られるガラス用塗料
組成物を提供することができる。
するにあたり、硬化剤を含むとともに、当該硬化剤の含
有量を、メラミン樹脂100重量部に対して、0.1〜
30重量部の範囲内の値とすることが好ましい。このよ
うに構成することにより、良好な貯蔵安定性を維持した
ままメラミン樹脂の硬化速度を速めることができ、ま
た、得られる硬化塗膜の硬さを高めることもできる。
するにあたり、粘度を1×100〜1×106mPa・s
(25℃)の範囲内の値とすることが好ましい。このよ
うに構成することにより、取り扱いが容易で、しかも表
面平滑性に優れた、薄膜の硬化塗膜が容易に得られるガ
ラス用塗料組成物を提供することができる。
ン樹脂100重量部に対して、ポリオール化合物を50
〜400重量部、シランカップリング剤を5〜100重
量部の範囲で含むガラス用塗料組成物を、ガラスに対し
て塗布するための塗布工程と、塗布したガラス用塗料組
成物を加熱硬化させるための硬化工程と、を含むことを
特徴とするガラス用塗料組成物の硬化方法が提供され、
上述した問題点を解決することができる。このように実
施することにより、ガラスに対する密着力に優れるとと
もに、表面におけるマーキング性に優れた硬化塗膜を効
果的に得ることができる。
方法を実施するにあたり、ガラス用塗料組成物の塗布工
程前に、ポリオール化合物をガラスに対してプライマー
処理するためのプライマー工程を設けることが好まし
い。このように実施することにより、ガラス表面に確実
にポリオール化合物が存在するため、曲面等であっても
ガラスに対する密着力にさらに優れた硬化塗膜を得るこ
とができる。
方法を実施するにあたり、ガラス用塗料組成物の塗布工
程前に、ガラスに対して、フレーム処理するためのフレ
ーム工程を設けることが好ましい。このように実施する
ことにより、ガラス表面に付着した有機物等を排除する
とともに、表面の濡れ性を向上させて、ガラスに対する
密着力にさらに優れた硬化塗膜を効果的に得ることがで
きる。
は、メラミン樹脂100重量部に対して、ポリオール化
合物を50〜400重量部、シランカップリング剤を5
〜100重量部の範囲でそれぞれ含むことを特徴とする
ガラス用塗料組成物である。以下、構成材料等に分けて
具体的に説明する。
のこと、メラミン樹脂の誘導体、例えば、メチロール型
メラミン樹脂、イミノ型メラミン樹脂、イミノ型アルキ
ルエーテル化メラミン樹脂、メチロール型アルキルエー
テル化メラミン樹脂、アルキルエーテル化メラミン樹脂
等のいずれも使用することができる。また、アルキルエ
ーテル化メラミン樹脂としては、アルキル部分が、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n
−ブチル基、およびi−ブチル基の少なくとも一つであ
ることがより好ましい。さらに、イミノ基やメチロール
基を有するメラミン樹脂は、耐水性を低下させる場合が
あるので、硬化塗膜の耐水性をより向上させる場合に
は、アルキルエーテル化メラミン樹脂、例えば、ブチル
化メラミン樹脂およびメチル化メラミン樹脂、あるいは
いずれか一方のメラミン樹脂を使用することが好まし
い。
アルキルエーテル化メラミン樹脂と、アルキド樹脂、ア
クリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、および
ウレタン樹脂等との混合物であることが好ましい。この
ような樹脂と混合してメラミン樹脂を構成することによ
り、ガラスに対する密着力を向上させることができると
ともに、硬化塗膜の平滑性や薄膜性を向上させることが
できるためである。ここで、併用する樹脂の添加量を、
上述したメラミン樹脂100重量部に対して、10〜5
00重量部の範囲内の値とすることが好ましい。この理
由は、かかる併用する樹脂の添加量が10重量部未満の
値となると、添加効果が発現しない場合があるためであ
り、一方、かかる併用する樹脂の添加量が500重量部
を超えると、ガラス用塗料組成物の硬化速度が低下した
り、硬化温度が著しく高くなったりする場合があるため
である。したがって、併用する樹脂の添加量を、上述し
たメラミン樹脂100重量部に対して、30〜300重
量部の範囲内の値とすることがより好ましく、50〜2
00重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
えばアルキルエーテル化メラミン樹脂に対して、ヒドロ
キシル基含有アクリル樹脂、ヒドロキシル基含有エポキ
シ樹脂、ヒドロキシル基含有ポリエステル樹脂、および
ヒドロキシル基含有ウレタン樹脂等のポリオール化合物
を予め反応させて構成したポリオール変性メラミン樹脂
を使用することが好ましい。このようなポリオール変性
メラミン樹脂を使用することにより、ガラスに対する密
着力をさらに向上させるとともに、硬化塗膜の平滑性や
薄膜性をより向上させることができるためである。
を、上述したメラミン樹脂100重量部に対して、10
〜500重量部の範囲内の値とすることが好ましい。こ
の理由は、反応させるポリオール化合物量が10重量部
未満の値となると、ポリオール化合物の反応効果が発現
しない場合があるためである。一方、反応させるポリオ
ール化合物量が500重量部を超えると、メラミン樹
脂、すなわち、メラミン樹脂を含むガラス用塗料組成物
の硬化速度が著しく低下したり、あるいは硬化塗膜の硬
さが低下したりする場合があるためである。したがっ
て、反応させるポリオール化合物の量を、上述したメラ
ミン樹脂100重量部に対して、50〜400重量部の
範囲内の値とすることがより好ましく、100〜300
重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
同様である。)を添加することが好ましい。このような
硬化剤としては、シュウ酸ジメチルエステル、シュウ酸
ジエチルエステル、マレイン酸無水物、フタル酸無水
物、モノクロロ酢酸ナトリウム塩、モノクロロ酢酸カリ
ウム塩、α、α−ジクロロヒドリン、エチルアミン塩酸
塩、トリエタノールアミン塩酸塩、塩化アンモニウム、
硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、芳香族スルフ
ォン酸アンモニウム、塩化アンモニウム塩、硫酸アンモ
ニウム塩、リン酸アンモニウム塩、芳香族スルフォン酸
アンモニウム塩、尿素誘導体、イミドスルフォン酸二ア
ンモニウム、芳香族スルフォン酸、リン酸等の一種単独
または二種以上の組み合わせが挙げられる。
メラミン樹脂100重量部に対して、0.1〜30重量
部の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、か
かる硬化剤の添加量が0.1重量部未満の値となると、
添加効果が発現しない場合があるためである。一方、か
かる硬化剤の添加量が30重量部を超えると、メラミン
樹脂との反応性を制御することが困難となり、貯蔵安定
性が低下する場合があるためである。したがって、メラ
ミン樹脂の硬化剤の添加量を、メラミン樹脂100重量
部に対して、0.5〜20重量部の範囲内の値とするこ
とがより好ましく、1〜10重量部の範囲内の値とする
ことがさらに好ましい。
基を有する化合物であれば、使用することができるが、
例えば、後述するアクリルポリオール化合物、ポリエス
テルポリオール化合物、含フッ素ポリオール化合物、お
よびラクトンポリオール化合物が好適例として挙げられ
る。ただし、これらのポリオール化合物のうち、比較的
少量の添加により、硬化塗膜の硬さの改良効果を十分に
発現させることができるとともに、ガラス用塗料組成物
の硬化速度を低下させるおそれが少ないことから、アク
リルポリオール化合物およびラクトンポリオール化合物
の混合物を使用することがより好ましい。また、アクリ
ルポリオール化合物/ラクトンポリオール化合物の混合
物を使用する場合、その混合比率を、重量比で50〜9
9.9/50〜0.1の範囲内の値とすることが好まし
く、70〜99/30〜1の範囲内の値とすることがよ
り好ましく、80〜98/20〜2の範囲内の値とする
ことがさらに好ましい。
リオール化合物を好適に使用することができる。ただ
し、これらのポリオール化合物のうち、メラミン樹脂
や、カップリング剤とともに、容易に反応できることか
ら、二価〜三価の多価ポリオール化合物を使用すること
がより好ましく、三価のポリオール化合物を使用するこ
とがさらに好ましい。例えば、カプロラクトンポリオー
ル化合物を多価アルコール等で開環させて、三価のカプ
ロラクトンポリオール化合物とすることが好ましい。な
お、三価のポリオール化合物を使用した場合、ガラスに
対する密着力を向上させるためには、三つのヒドロキシ
ル基を全て反応させる必要はなく、少なくとも一つのヒ
ドロキシル基を反応させることで十分である。この理由
は、未反応のヒドロキシル基を残すことにより、逆に、
ガラス表面に存在するヒドロキシル基と反応することが
できるためである。すなわち、メラミン樹脂や、カップ
リング剤と反応したポリオール化合物が、さらにガラス
表面に存在するヒドロキシル基と反応し、ガラスに対す
る密着力により優れたガラス用塗料組成物を提供するこ
とができるためである。
リルモノマーと、他のエチレン性不飽和モノマーとを、
共重合して得られるポリオール化合物と定義される。こ
のようなヒドロキシル基含有アクリルモノマーとして
は、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレート類等を挙げることがで
きる。
マーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリ
レート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル
(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレ
ート類;スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化
合物;アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メ
タクリル酸等のビニル化合物;グリシジル(メタ)アク
リレート等のエポキシ基含有モノマー;ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−
エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ブトキシメチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド
等のアミノ基含有モノマーやアクリルアミド類等の一種
単独または二種以上の組み合わせを挙げることができ
る。また、アクリルポリオール化合物としては、硬化塗
膜に柔軟性を与え、ガラスに対するより優れた密着力が
得られることからラクトンで変性されたエチレン性不飽
和モノマー、例えばε−カプロラクトン変性アクリルモ
ノマーを使用して得られたアクリルポリオール化合物、
すなわち、ラクトン変性アクリルポリオール化合物を使
用することがより好ましい。このようなソフトセグメン
トを含有するモノマーとしては、より具体的に、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート/ε−カプロラク
トン付加体や、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)
アクリレート等が挙げられる。
アルコール成分との重縮合物と定義される。このような
カルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
2,7−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン
酸及びその無水物、こはく酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸等の一
種単独または二種以上の組み合わせを挙げることができ
る。
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,
4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,
5−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノール
Aアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールSアル
キレンオキサイド付加物;1,2−プロパンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、
2,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオー
ル、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2
−ドデカンジオール、1,2−オクタデカンジオール等
の側鎖を有する脂肪族グリコール等の一種単独または二
種以上の組み合わせを挙げることができる。
基含有ラジカル重合性不飽和モノマーと、フルオロオレ
フィンモノマーとを共重合して得られるポリオール化合
物、又は、フルオロオレフィンモノマーを重合させて得
られるヒドロキシル基を有しないフッ素ポリマーに、ア
クリルポリオール化合物を混合して得られるポリオール
化合物である。
合性不飽和モノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチ
ルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテ
ル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシペン
チルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエー
テル類;エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエ
チレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレング
リコールモノアリルエーテル等のヒドロキシアリルエー
テル類等の一種単独または二種以上の組み合わせを挙げ
ることができる。また、フルオロオレフィンモノマーと
しては、二フッ化オレフィンモノマー、三フッ化オレフ
ィンモノマー及び四フッ化オレフィンモノマーがあり、
具体的には、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、三フッ
化塩化エチレン、四フッ化エチレン等を挙げることがで
きる。
(γ−ラクトン、β−ラクトン、δ−ラクトン)を、ア
ルコール類、あるいは芳香性液体やアルカリ剤を用いて
開環して得られる化合物が好適に使用できる。例えば、
カプロラクトンモノマーやバレロラクトンモノマーを、
メタノールやエタノール等の低級アルコール、あるいは
多価アルコールでそれぞれ開環して得られる化合物が好
ましい。
500mgKOH/gの範囲内の値とすることが好まし
い。この理由は、かかるヒドロキシル価が5mgKOH
/g未満の値となると、硬化性反応基量が少なすぎて、
メラミン樹脂やシランカップリング剤との反応性や、ポ
リオール化合物自身の硬化性が低下する場合があるため
である。一方、かかるヒドロキシル価が500mgKO
H/gを超えると、得られる塗膜に親水性基が残留し、
塗膜の耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性が低下する場合
があるためである。したがって、ポリオール化合物にお
けるヒドロキシル価を10〜300mgKOH/gの範
囲内の値とすることがより好ましく、30〜200mg
KOH/gの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
〜500,000の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる数平均分子量が200未満の値とな
ると、得られる塗膜の機械的強度が低下する場合がある
ためであり、一方、500,000を超えると、塗料組
成物の粘度が高くなりすぎて、塗装性が低下する場合が
あるためである。したがって、ポリオール化合物におけ
る数平均分子量を300〜50,000の範囲内の値と
することがより好ましく、500〜20,000の範囲
内の値とすることがさらに好ましい。
ン樹脂100重量部に対して、50〜400重量部の範
囲内の値とする。この理由は、かかるポリオール化合物
の添加量が50重量部未満の値となると、添加効果が発
現しない場合があるためであり、一方、かかるポリオー
ル化合物の添加量が400重量部を超えると、ガラス用
塗料組成物の反応性が著しく低下したり、あるいは得ら
れる硬化塗膜の硬さや鉛筆硬度が低下したりする場合が
あるためである。したがって、ポリオール化合物の添加
量(含有量)を、メラミン樹脂100重量部に対して、
100〜300重量部の範囲内の値とすることがより好
ましく、150〜250重量部の範囲内の値とすること
がさらに好ましい。
化合物を組み合わせて使用することが好ましい。ただ
し、その場合であっても、ポリオール化合物の全体量を
100重量%としたときに、アクリルポリオールの使用
量を50〜99.9重量%の範囲内の値とすることが好
ましい。この理由は、アクリルポリオールの使用量が、
全体量の50重量%未満の値となると、得られる硬化塗
膜の密着性や耐熱性が低下する場合があるためであり、
一方、アクリルポリオールの使用量が、全体量の99.
9重量%を超えると、逆に、得られる硬化塗膜の密着性
が著しく低下する場合があるためである。したがって、
アクリルポリオールの使用量を、ポリオール化合物の全
体量を100重量%としたときに、70〜99重量%の
範囲内の値とすることがより好ましく、80〜98重量
%の範囲内の値とすることがより好ましい。
わせて使用した場合に、ポリオール化合物の全体量を1
00重量%としたときに、ラクトンポリオールの使用量
を0.1〜50重量%の範囲内の値とすることが好まし
い。この理由は、ラクトンポリオールの使用量が、全体
量の0.1重量%未満の値となると、得られる硬化塗膜
の密着性が著しく低下したり、硬化塗膜上へのマーキン
グ性についても低下したりする場合があるためである。
一方、ラクトンポリオールの使用量が、全体量の50重
量%を超えると、逆に、得られる硬化塗膜のガラスへの
密着性が低下する場合があるためである。したがって、
ラクトンポリオールの使用量を、ポリオール化合物の全
体量を100重量%としたときに、1〜30重量%の範
囲内の値とすることがより好ましく、2〜20重量%の
範囲内の値とすることがさらに好ましい。
物(アクリルポリオールとラクトンポリオールとの混合
物)中における、カプロラクトンポリオールの添加量
と、硬化塗膜のガラスに対する密着力との関係を説明す
る。すなわち、メラミン樹脂100重量部と、アクリル
ポリオールおよびカプロラクトンポリオールの混合物2
10重量部と、ウレイドプロピルトリエトキシシラン2
5重量部と、リン酸系硬化剤5重量部と、有機溶剤54
0重量部と、からなるガラス硬化用塗料を用意し、ポリ
オール化合物の全体量(100重量部)におけるカプロ
ラクトンポリオールの添加量を0.05〜50重量部の
範囲で変えて、実施例1に準じて、硬化塗膜のガラスに
対する密着力を評価した。そして、図1の横軸には、ポ
リオール化合物(100重量部)中のカプロラクトンポ
リオールの添加量(重量部)を採って示してあり、図1
の縦軸には、JIS K−5400に基づいた碁盤目テ
−プ法により測定される硬化塗膜における100碁盤目
あたりの、はがれ数(個/100碁盤目)を採って示し
てある。また、初期評価結果を実線で示してあり、耐湿
試験後(40℃×95%RH、24時間)の評価結果を
点線で示してある。なお、評価した硬化塗膜は、実施例
1に準拠して、160℃×10分の焼付け条件で形成し
た厚さ25μmの硬化塗膜である。
リオール化合物(100重量部)中のカプロラクトンポ
リオールの添加量が1〜30重量部の範囲であれば、初
期も耐湿試験後もはがれ数が4(個/100碁盤目)以
下の値であるが、ポリオール化合物の添加量が0.05
重量部と比較的少なくなると、初期も耐湿試験後も、は
がれ数が10(個/100碁盤目)以上の値となってい
る。一方、ポリオール化合物の添加量が50重量部と比
較的多くなると、初期も耐湿試験後も、はがれ数が5
(個/100碁盤目)以上の値と若干多くなっている。
したがって、硬化塗膜のガラスに対する密着力を高め
て、初期および耐湿試験後のはがれ数を低下させるため
には、ポリオール化合物の全体量(100重量部)にお
けるカプロラクトンポリオール化合物の添加量を0.1
〜30重量部の範囲内の値とすることが有効であり、カ
プロラクトンポリオール化合物の添加量を1〜20重量
部の範囲内の値とすることがより有効であり、カプロラ
クトンポリオール化合物の添加量を2〜10重量部の範
囲内の値とすることがさらに有効であることが理解され
る。
チルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラ
ン、イソブチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメ
トキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、
1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、γ−ウ
レイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ノナ
フルオロブチルエチルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−ア
ミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、γ−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピル
トリメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシ
シリル)プロピル]アンモニウムクロライド等の一種単
独または二種以上の組み合わせを挙げることができる。
ラミン樹脂やポリオール化合物と反応し、ガラスに対す
るより強固な密着力を発揮できることからγ−ウレイド
プロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルト
リメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン等のアミノシランカップリング剤を用い
ることがより好ましい。
とも好ましい。このように部分縮合物を使用することに
より、ガラスとの密着力をより高めることができる。な
お、シランカップリング剤の部分縮合物は、シランカッ
プリング剤に含まれるアルコキシ基の一部が加水分解さ
れて、水酸基が生成された状態でもよく、さらに生成さ
れた水酸基同士、あるいは生成された水酸基と、アルコ
キシ基とが反応して、シラノール結合を一部生成した状
態であっても良い。
ップリング剤、例えば、アルミニウムカップリング剤
や、チタンカップリング剤を併用することも好ましい。
例えば、γ−ウレイドプロピルトリエトキシアルミニウ
ム、γ−ウレイドプロピルトリメトキシアルミニウム、
γ−アミノプロピルトリエトキシアルミニウム、γ−ア
ミノプロピルトリメトキシアルミニウム、γ−(2−ア
ミノエチル)アミノプロピルトリメトキシアルミニウ
ム、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジ
メトキシアルミニウム等のアルミニウムカップリング剤
や、γ−ウレイドプロピルトリエトキシチタン、γ−ウ
レイドプロピルトリメトキシチタン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシチタン、γ−アミノプロピルトリメトキ
シチタン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルト
リメトキシチタン、γ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルメチルジメトキシチタン等のチタンカップリング
剤を用いることがより好ましい。
ラミン樹脂100重量部に対して、5〜100重量部の
範囲内の値とする。この理由は、かかるシランカップリ
ング剤の添加量が5重量部未満の値となると、添加効果
が発現しない場合があるためであり、一方、かかるシラ
ンカップリング剤の添加量が100重量部を超えると、
メラミン樹脂との反応性を制御することが困難となった
り、あるいは硬化塗膜の硬さが低下したりする場合があ
るためである。したがって、シランカップリング剤の添
加量(含有量)を、メラミン樹脂100重量部に対し
て、10〜50重量部の範囲内の値とすることがより好
ましく、20〜40重量部の範囲内の値とすることがさ
らに好ましい。
ング剤の添加量と、硬化塗膜のガラスに対する密着力と
の関係を説明する。図2の横軸には、メラミン樹脂10
0重量部に対するシランカップリング剤(ウレイドプロ
ピルトリエトキシシラン)の添加量(重量部)を採って
示してあり、図2の縦軸には、JIS K−5400に
基づいた碁盤目テ−プ法により測定される硬化塗膜にお
ける100碁盤目あたりの、はがれ数(個/100碁盤
目)を採って示してある。そして、初期評価結果を実線
で示してあり、耐湿試験後(40℃×95%RH、24
時間)の評価結果を点線で示してある。なお、評価した
硬化塗膜は、実施例1に準拠して、160℃×10分の
焼付け条件で形成した厚さ25μmの硬化塗膜である。
図2から容易に理解できるように、シランカップリング
剤の添加量が5〜100重量部の範囲であれば、初期も
耐湿試験後もはがれ数が1(個/100碁盤目)以下の
値であるが、シランカップリング剤の添加量が0.5重
量部と低下すると、初期も耐湿試験後も、はがれ数が1
0(個/100碁盤目)以上の値となっている。一方、
シランカップリング剤の添加量が100重量部となる
と、初期または耐湿試験後のはがれ数が、2(個/10
0碁盤目)以上の値となっている。したがって、硬化塗
膜のガラスに対する密着力を高めて、初期および耐湿試
験後のはがれ数を低下させるためには、シランカップリ
ング剤の添加量をメラミン樹脂100重量部に対して、
5〜100重量部の範囲内の値とすることが有効であ
り、シランカップリング剤の添加量を10〜80重量部
の範囲内の値とすることがより有効であり、シランカッ
プリング剤の添加量を20〜50量部の範囲内の値とす
ることがさらに有効であることが理解される。
のではないが、ガラスに対して容易に塗布できるように
液状であることが好ましい。そして、ガラス用塗料組成
物の粘度を1×100〜1×106mPa・s(25℃)
の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かか
る粘度が1×100mPa・s未満の値となると、たれ
等の問題が生じやすくなり、均一な厚さを有する硬化塗
膜を形成することが困難となる場合があるためである。
一方、かかる粘度が1×106mPa・sを超えると、
硬化塗膜の薄膜化が困難となったり、塗布方法が過度に
制限されたりする場合があるためである。したがって、
ガラス用塗料組成物の粘度を5×100〜1×104mP
a・s(25℃)の範囲内の値とすることがより好まし
く、1×101〜5×103mPa・s(25℃)の範囲
内の値とすることがさらに好ましい。なお、ガラス用塗
料組成物の粘度を調整するに際して、粘度調整剤や有機
溶剤を添加することが好ましい。
ミン樹脂100重量部に対して、ポリオール化合物を5
0〜400重量部の範囲、シランカップリング剤を5〜
100重量部の範囲で含むガラス用塗料組成物を、ガラ
スに対して塗布するための塗布工程と、塗布したガラス
用塗料組成物を加熱硬化させるための硬化工程と、を含
むことを特徴とするガラス用塗料組成物の硬化方法であ
る。以下、各工程等に分けて具体的に説明する。なお、
ガラス用塗料組成物については、第1の実施形態と同様
のガラス用塗料組成物を使用することができるため、こ
こでの説明は省略するものとする。
する工程であって、その塗布方法は、特に限定されない
ものの、例えば、静電塗装法、電着塗装法、ロールコー
ター法、エアースプレー法、エアレススプレー法、カー
テンフローコーター法、ディッピング法等を挙げること
ができる。これらの塗布方法のうち、より薄膜化が可能
で、ガラスの曲面にも均一に塗布することができる一
方、塗布装置の構造も簡易であることから、静電塗装法
やエアースプレー法を用いることがより好ましい。
度に応じて適宜変更可能であるが、通常、140℃〜2
50℃、10分の条件で行うことが好ましく、150℃
〜230℃、10分の条件で行うことがより好ましく、
160℃〜220℃、10分の条件で行うことがさらに
好ましい。なお、ガラス用塗料組成物が、常温乾燥塗料
である場合には、室温で1日〜1週間乾燥させることが
好ましく、2〜4日乾燥させることがより好ましい。
0.5〜300μmの範囲内の値とすることが好まし
い。この理由は、かかる硬化塗膜の膜厚が0.5μm未
満の値となると、硬化塗膜を均一に塗布することが困難
となったり、あるいは、硬化塗膜の硬さが低下したりす
る場合があるためである。一方、かかる硬化塗膜の膜厚
が300μmを超えると、ガラスの外観性を損なった
り、あるいは硬化塗膜の加熱硬化が不十分となったりす
る場合があるためである。したがって、塗膜の膜厚(乾
燥硬化膜厚)を、1〜100μmの範囲内の値とするこ
とがより好ましく、10〜50μmの範囲内の値とする
ことがさらに好ましい。
(JIS K 5400準拠)を2〜6Hの範囲内の値と
することが好ましい。この理由は、かかる硬化塗膜の鉛
筆硬度が2H未満の値となると、硬化塗膜の硬さや耐熱
性が低下する場合があるためである。一方、かかる硬化
塗膜の鉛筆硬度が6Hを超えると、硬化塗膜がガラス表
面から剥離しやすくなったり、あるいはガラス用塗料組
成物に使用可能な原材料の種類が過度に制限されたりす
る場合があるためである。したがって、硬化塗膜の鉛筆
硬度(JIS K 5400準拠)を3〜5Hの範囲内の
値とすることがより好ましく、4〜5Hの範囲内の値と
することがさらに好ましい。
料組成物からなる硬化塗膜との密着性を高めるために、
プライマー層を間に設けることが好ましい。このような
プライマーとしては、エポキシ樹脂系プライマー、ポリ
ウレタン変性エポキシ樹脂系プライマー、及び、ポリエ
ステル樹脂系プライマーからなる群より選択される少な
くとも一種であることが好ましい。また、上述したポリ
オール化合物を含むプライマー、例えば、ポリオール化
合物/有機溶剤、ポリオール化合物/シランカップリン
グ剤/有機溶剤、およびポリオール化合物/メラミン樹
脂/シランカップリング剤/有機溶剤を塗装することも
好ましい。
組成物を塗布する前に、ガラスに対してフレーム処理
(火炎処理)を実施することが好ましい。すなわち、ガ
ラス表面を加熱して、表面の濡れ性を向上させたり、あ
るいはガラス表面に付着している有機物を排除したりす
ることにより、ガラスに対する硬化塗膜との密着性をよ
り高めることができる。また、フレーム処理の条件は、
ガラス表面の濡れ性等を考慮して定めることが好ましい
が、例えば800〜1,500℃のプロパンガスからな
る燃焼ガスを、0.5〜30秒の条件で吹き付け、ガラ
ス表面を加熱することが好ましい。なお、フレーム処理
(火炎処理)を実施するにあたり、ガラス表面温度につ
いては、50〜200℃の範囲内の値とすることが好ま
しく、60〜180℃の範囲内の値とすることがより好
ましく、70〜150℃の範囲内の値とすることがさら
に好ましい。
組成物を塗布する前に、ガラスに対して洗浄処理を実施
することが好ましい。すなわち、ガラス表面をアルコー
ルや水拭きして、表面の濡れ性を向上させたり、あるい
はガラス表面に付着している有機物やほこりを排除した
りすることにより、ガラスに対する硬化塗膜との密着性
をより高めることができる。なお、洗浄処理を実施する
にあたり、アルコールおよび水、あるいはいずれか一方
を用いて、シャワー洗浄やジェット洗浄するか、あるい
はこれらの液体にガラスを浸漬することが好ましい。
硬化塗膜上に、マーキング塗料、例えば、一液性エポキ
シ樹脂、一液性ウレタン樹脂、あるいはポリエステル樹
脂等を用いてマーキング(インクジェット印刷や、レー
ザーマーキングを含む。)することが好ましい。このよ
うにマーキングすることにより、硬化塗膜の外観性や装
飾性を高めることができるとともに、ガラス容器内部の
内容物や内容量、あるいはガラス容器に関する情報を提
供できることから好ましい。また、一液性エポキシ樹
脂、一液性ウレタン樹脂、あるいはポリエステル樹脂等
をマーキングした後、硬化させて、硬化塗膜と密着させ
るために、例えば120〜220℃の温度で、20分の
条件で加熱することが好ましい。なお、マーキング塗料
が、硬化塗膜上ではじかれないように、マーキング塗料
中にも、硬化塗膜に含まれるシランカップリング剤と同
種のシランカップリング剤を添加することが好ましい。
ーキング工程を実施した後、不良が生じたような場合を
考慮して、ガラスのリサイクル工程を設けることが好ま
しい。すなわち、リサイクルするガラスを粉砕し、粒状
ガラスとした後、この粒状ガラスを、ガラス溶融炉に
て、600〜1100℃程度の温度に加熱して、ガラス
を溶融させるとともに、ガラス表面の硬化塗膜を熱分解
(昇華)させて、消去することが好ましい。この場合、
800℃、10分程度の加熱条件で、硬化塗膜が熱分解
(昇華)することが好ましく、600℃、10分程度の
加熱条件で、硬化塗膜が熱分解(昇華)することがより
好ましい。そのため、シランカップリング剤の添加量
を、上述したように、メラミン樹脂100重量部に対し
て、100重量部以下の値とすることが有効である。す
なわち、逆にシランカップリング剤の添加量が、100
重量部を超えると、800℃、10分程度の加熱条件で
あっても、硬化塗膜が熱分解(昇華)せずに、一部残留
する場合があるためである。したがって、少なくとも8
00℃、10分程度の加熱条件で、硬化塗膜が容易に熱
分解(昇華)するように、シランカップリング剤の添加
量を、上述したように、メラミン樹脂100重量部に対
して、100重量部以下の値とすることが有効である。
詳しく説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、これ
ら実施例のみの記載に限定されるものではなく、本発明
の目的の範囲内において適宜変更することができる。
条件で、30分間攪拌して(回転数:1000rp
m)、粘度40mPa・s(25℃)、固形分約39重
量%のガラス用塗料組成物を得た。 メラミン樹脂 100重量部 アクリルポリオール化合物 180重量部 (ヒドロキシル価300mgKOH/g、数平均分子量3,000) ラクトンポリオール化合物 30重量部 (ヒドロキシル価200mgKOH/g、数平均分子量1,000) ウレイドプロピルトリエトキシシラン 25重量部 リン酸系硬化触媒 5重量部 キシレン 300重量部 酢酸ブチル 150重量部 イソプロピルアルコール 90重量部 なお、表1中、メラミン樹脂をA1、アクリルポリオー
ル化合物をB1、ラクトンポリオール化合物をB2、ウ
レイドプロピルトリエトキシシランをC1、リン酸系硬
化触媒をD1でそれぞれ表わす。以下、同様である。
安定性、焼き付け性等の評価を行った。得られた結果を
表1に示す。
週間保存した。その後、以下の基準により、沈殿物を目
視により確認し、貯蔵安定性の評価を行った。 ◎:沈降物が無い。 ○:沈降物がわずかにあるが、手攪拌で容易に均一な溶
液となる。 △:沈降物があるが、機械的攪拌(1000rpm)により均
一な溶液となる。 ×:沈降物があり、機械的攪拌(1000rpm)によっても
均一な溶液とならない。
m、ボトルネック部高さ3cm、ボトルネック部直径2
cm)に、得られたガラス用塗料組成物をエアースプレ
ーし、次いで、160℃×10分、180℃×10分、
200℃×10分の条件で、それぞれ焼き付け、硬化塗
膜を生成した。その後、以下の基準により、硬化塗膜を
目視により確認し、焼き付け性の評価を行った。表1
に、繰り返し試験数10の平均の評価結果を示す。 ◎:全ての焼き付け条件において、外観性に優れた均一
な薄膜が得られる。 ○:180℃×10分および200℃×10分の焼き付
け条件であれば、外観性に優れた均一な薄膜が得られ
る。 △:200℃×10分の焼き付け条件であれば、外観性
に優れた均一な薄膜が得られる。 ×:200℃×10分の焼き付け条件であっても、外観
性に優れた均一な薄膜が得られない。
m、ボトルネック部高さ3cm、ボトルネック部直径2
cm)に、得られたガラス用塗料組成物をエアースプレ
ーし、次いで、160℃×10分、180℃×10分、
200℃×10分の条件で、それぞれ焼き付け、硬化塗
膜を生成した。その後、JIS K−5400に基づい
た碁盤目テ−プ法によりガラス付着性を測定し、100
碁盤目あたりのはがれ数から焼き付け性の評価を行っ
た。表1に、繰り返し試験数10の平均の評価結果を示
す。 ◎:全ての焼き付け条件において、はがれ数は0個/1
00碁盤目である。 ○:180℃×10分および200℃×10分の焼き付
け条件であれば、はがれ数は0個/100碁盤目であ
る。 △:200℃×10分の焼き付け条件であれば、はがれ
数は0個/100碁盤目である。 ×:200℃×30分の焼き付け条件であっても、はが
れ数は1個以上/100碁盤目である。
m、ボトルネック部高さ3cm、ボトルネック部直径2
cm)に、得られたガラス用塗料組成物をエアースプレ
ーし、次いで、160℃×10分の条件で、焼き付け、
硬化塗膜を生成した。その後、JIS K−5400に
準じて、JIS S 6006に規定される鉛筆を用い
て、硬化塗膜に対する鉛筆硬度試験を行った。表1に、
繰り返し試験数10の平均の評価結果を示す。
ンに対してエアースプレーし、次いで、160℃×10
分の条件で焼き付け、硬化塗膜を生成した。次いで、4
0℃×95%RHの湿度オーブン中に、ガラスビンを2
4時間および72時間それぞれ放置した。その後、湿度
オーブンからガラスビンを取り出し、室温条件(25℃
×50%RH)に1時間放置した後、JIS K−54
00に基づいた碁盤目テ−プ法によりガラス付着性を測
定した。表1に、繰り返し試験数10の平均の評価結果
を示す。
ンに対してエアースプレーし、次いで、200℃×10
分の条件で、焼き付け、硬化塗膜を生成した。次いで、
一液型エポキシ塗料を、スクリ−ン印刷により硬化塗膜
表面にライン状に印刷し、180℃×20分の条件で、
加熱硬化させた。その後、以下の基準により、硬化塗膜
を目視により確認し、マーキング性の評価を行った。表
1に、繰り返し試験数10の平均の評価結果を示す。 ◎:0.2mm幅のラインが再現されている。 ○:1.0mm幅のラインが再現されている。 △:2.0mm幅のラインが再現されている。 ×:一液型エポキシ塗料がはじかれ、2.0mm幅のラ
インが再現されていない。
オール化合物の添加量の影響を検討した。すなわち、実
施例1におけるメラミン化合物100重量部に対するポ
リオール化合物(アクリルポリオールと、カプロラクト
ンポリオールとの混合物)の合計添加量を210重量部
から、100重量部(実施例2)、150重量部(実施
例3)、250重量部(実施例4)、および300重量
部(実施例5)に変更したほかは、実施例1と同様にガ
ラス用塗料組成物を作成して、評価した。また、実施例
1におけるメラミン化合物100重量部に対するポリオ
ール化合物の添加量を210重量部から、40重量部
(比較例1)および500重量部(比較例2)にそれぞ
れ変更したほかは、実施例1と同様にガラス用塗料組成
物を作成して、評価した。結果から理解できるように、
ポリオール化合物の添加量が少なくなると(比較例
1)、ガラス付着性や、耐湿性が低下する傾向が見られ
た。また、ポリオール化合物の添加量が多くなると(比
較例2)、ガラス付着性や耐湿性も低下するばかりか、
鉛筆硬度やマーキング性についても低下する傾向が見ら
れた。したがって、本発明で規定するポリオール化合物
の範囲内の値に添加量を制限することにより、ガラス付
着性や耐湿性ばかりでなく、鉛筆硬度やマーキング性に
ついても優れた特性が得られることが判明した。
ンカップリング剤の添加量の影響を検討した。すなわ
ち、実施例1におけるメラミン化合物100重量部に対
するシランカップリング剤の添加量を25重量部から、
10重量部(実施例6)、50重量部(実施例7)、お
よび100重量部(実施例8)に変更したほかは、実施
例1と同様にガラス用塗料組成物を作成して、評価し
た。また、実施例1におけるメラミン化合物100重量
部に対するシランカップリング剤の添加量を25重量部
から、0.5重量部(比較例3)および300重量部
(比較例4)にそれぞれ変更したほかは、実施例1と同
様にガラス用塗料組成物を作成して、評価した。結果か
ら理解できるように、シランカップリング剤の添加量が
過度に少なくなると(比較例3)、ガラス付着性や、耐
湿性が低下する傾向が見られた。また、シランカップリ
ング剤の添加量が多くなると(比較例4)、ガラス付着
性も低下するばかりか、鉛筆硬度やマーキング性につい
ても低下する傾向が見られた。したがって、本発明で規
定するシランカップリング剤の範囲内の値に添加量を制
限することにより、ガラス付着性や耐湿性ばかりでな
く、鉛筆硬度やマーキング性についても優れた特性が得
られることが判明した。
検討した。すなわち、実施例1におけるメラミン化合物
100重量部に対する硬化剤の添加量を5重量部から、
1重量部(実施例9)、10重量部(実施例10)、お
よび30重量部(実施例11)にそれぞれ変更したほか
は、実施例1と同様にガラス用塗料組成物を作成して、
評価した。結果から理解できるように、硬化触媒の添加
量が比較的少なくなると(実施例9)、ガラス付着性
や、鉛筆硬度が低下する傾向が見られた。また、硬化触
媒の添加量が比較的多くなると(実施例11)、ガラス
付着性も若干低下するばかりか、鉛筆硬度や耐湿性につ
いても低下する傾向が見られた。したがって、本発明で
好ましいとする硬化触媒の範囲内の値に添加量を制限す
ることにより、優れた貯蔵安定性を維持したままガラス
付着性や鉛筆硬度ばかりでなく、耐湿性やマーキング性
についても優れた特性が得られることが判明した。
を検討した。すなわち、実施例1における配合中に、着
色剤(フタロシアニングリーン)を添加するとともに、
かかる着色剤の添加量をメラミン化合物100重量部に
対して、5重量部(実施例12)、10重量部(実施例
13)、および30重量部(実施例14)としたほか
は、実施例1と同様にガラス用塗料組成物をそれぞれ作
成して、評価した。結果から理解できるように、着色剤
の添加量が比較的多くなると(実施例14および実施例
15)、ガラス付着性等が若干低下する傾向が見られ
た。したがって、本発明で好ましいとする着色剤の範囲
内の値に添加量を制限することにより、着色剤を添加し
た場合であっても、ガラス付着性等の低下を防止できる
ことが判明した。
類の影響を検討した。すなわち、実施例1におけるアク
リルポリオール化合物/カプロラクトンポリオール化合
物の混合物の代わりに、アクリルポリオール化合物/ポ
リエステルポリオール化合物(ヒドロキシル価300m
gKOH/g、数平均分子量3,000)の混合物(実
施例15)、アクリルポリオール化合物/含フッ素ポリ
オール化合物(ヒドロキシル価300mgKOH/g、
数平均分子量3,000)の混合物(実施例16)、お
よびアクリルポリオール化合物(ヒドロキシル価300
mgKOH/g、数平均分子量3,000)(実施例1
7)の単独にそれぞれ変更したほかは、実施例1と同様
にガラス用塗料組成物を作成して、評価した。結果から
理解できるように、同量の添加であれば、アクリルポリ
オール化合物/カプロラクトンポリオール化合物の混合
物を用いた場合に、ガラス付着性等において、最も優れ
た特性が得られることが判明した。
およびフレーム処理効果を検討した。すなわち、実施例
2において、ガラス用塗料組成物を塗布する前に、ガラ
スビンに対してエタノ-ルをジェット噴射で3秒間吹き
つけ(実施例18)、ガラスビンに対して水をジェット
噴射で3秒間吹きつけ(実施例19)、およびガラスビ
ンに対してプロパンガスからなる温度1,000℃のフ
レーム(火炎)を1秒間吹きつけたほかは、実施例1と
同様にガラス用塗料組成物からなる硬化塗膜を生成し
て、評価した。なお、比較のため、実施例2の結果も併
せて示す。結果から理解できるように、ガラスビンの洗
浄や、フレーム処理により、他の特性を低下させること
なく、ガラス付着性を改善できることが判明した。
を検討した。すなわち、実施例2において、ガラス用塗
料組成物を塗布する前に、カプロラクトンポリオール化
合物(50重量部)のトルエン(50重量部)溶液をジ
ェット噴射で1秒間吹きつけ(実施例21)、カプロラ
クトンラクトンポリオール化合物(50重量部)および
ウレイドプロピルトリエトキシシラン(10重量部)の
トルエン(50重量部)溶液をジェット噴射で1秒間吹
きつけ(実施例22)、カプロラクトンポリオール化合
物(50重量部)と、ウレイドプロピルトリエトキシシ
ラン(10重量部)と、メラミン樹脂(30重量部)と
のトルエン(50重量部)溶液をジェット噴射で1秒間
吹きつけ(実施例23)、それぞれガラスビンの表面に
プライマー層を形成したほかは、実施例1と同様にガラ
ス用塗料組成物からなる硬化塗膜を生成して、評価し
た。なお、比較のため、実施例2の結果も併せて示す。
結果から理解できるように、ガラスビンをプライマー処
理することにより、その他の特性を低下させることな
く、硬化塗膜のガラスに対する付着性を改善できること
が判明した。
所定量のポリオール化合物と、シランカップリング剤と
をそれぞれ含むことにより、ガラスに対する密着力に優
れるとともに、表面におけるマーキング性に優れた硬化
塗膜が得られるガラス用塗料組成物を提供することが可
能となった。また、ポリオール化合物として、アクリル
ポリオール化合物と、ラクトンポリオール化合物との混
合物を使用することにより、160℃、10分程度の硬
化条件であっても、ガラスに対する密着力にさらに優れ
るとともに、表面におけるマーキング性に優れた硬化塗
膜が得られるガラス用塗料組成物を提供することが可能
となった。なお、本発明のガラス用塗料組成物からなる
硬化塗膜(実施例1〜23)によれば、ガラスを再利用
する際に、600℃以下の温度に加熱することにより、
容易に昇華して、ガラスの再利用を妨げることもなかっ
た。また、本発明のガラス用塗料組成物の硬化方法によ
れば、ガラスに対する密着力に優れるとともに、表面に
おけるマーキング性に優れたガラス用塗料組成物からな
る硬化塗膜をガラス表面に効果的に形成することが可能
となった。
ール化合物の添加量と、硬化塗膜のガラスに対する密着
力との関係を説明するために供する図である。
のガラスに対する密着力との関係を説明するために供す
る図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 メラミン樹脂100重量部に対して、ポ
リオール化合物を50〜400重量部、シランカップリ
ング剤を5〜100重量部の範囲で含むことを特徴とす
るガラス用塗料組成物。 - 【請求項2】 前記メラミン樹脂が、メチル化およびブ
チル化、あるいはいずれか一方のアルキル化を施してあ
るメラミン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載
のガラス用塗料組成物。 - 【請求項3】 前記ポリオール化合物が、アクリルポリ
オールおよびラクトンポリオール化合物の混合物である
ことを特徴とする請求項1または2に記載のガラス用塗
料組成物。 - 【請求項4】 前記ポリオール化合物の全体量(100
重量部)中のラクトンポリオール化合物の使用量を0.
1〜30重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請
求項1〜3のいずれか一項に記載のガラス用塗料組成
物。 - 【請求項5】 前記ポリオール化合物のヒドロキシル価
を5〜500mgKOH/gの範囲内の値とすることを
特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガラス
用塗料組成物。 - 【請求項6】 前記シランカップリング剤が、アミン系
シランカップリング剤およびエポキシ系シランカップリ
ング剤、あるいはいずれか一方のカップリング剤である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の
ガラス用塗料組成物。 - 【請求項7】 着色剤を含むとともに、当該着色剤の含
有量を、前記メラミン樹脂100重量部に対して、0.
1〜100重量部の範囲内の値とすることを特徴とする
請求項1〜6のいずれか一項に記載のガラス用塗料組成
物。 - 【請求項8】 硬化剤を含むとともに、当該硬化剤の含
有量を、前記メラミン樹脂100重量部に対して、0.
1〜30重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請
求項1〜7のいずれか一項に記載のガラス用塗料組成
物。 - 【請求項9】 粘度を1×100〜1×106mPa・s
(25℃)の範囲内の値とすることを特徴とする請求項
1〜8のいずれか一項に記載のガラス用塗料組成物。 - 【請求項10】 メラミン樹脂100重量部に対して、
ポリオール化合物を50〜400重量部、シランカップ
リング剤を5〜100重量部の範囲で含むガラス用塗料
組成物を、ガラスに対して塗布するための塗布工程と、 塗布したガラス用塗料組成物を加熱硬化させるための硬
化工程と、 を含むことを特徴とするガラス用塗料組成物の硬化方
法。 - 【請求項11】 前記塗布工程前に、ポリオール化合物
をガラスに対してプライマー処理するためのプライマー
工程を設けることを特徴とする請求項10に記載のガラ
ス用塗料組成物の硬化方法。 - 【請求項12】 前記塗布工程前に、前記ガラスに対し
て、フレーム処理するためのフレーム工程を設けること
を特徴とする請求項10または11に記載のガラス用塗
料組成物の硬化方法。
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JP2001109526A JP4791646B2 (ja) | 2001-04-09 | 2001-04-09 | ガラス用塗料組成物およびその硬化方法 |
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JP2002309164A true JP2002309164A (ja) | 2002-10-23 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011051459A1 (en) | 2009-10-30 | 2011-05-05 | Agc Glass Europe | Coated glass sheet |
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2001
- 2001-04-09 JP JP2001109526A patent/JP4791646B2/ja not_active Expired - Lifetime
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