JP2002003236A - 光学素子成形用型の製造方法 - Google Patents

光学素子成形用型の製造方法

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JP2002003236A
JP2002003236A JP2000186205A JP2000186205A JP2002003236A JP 2002003236 A JP2002003236 A JP 2002003236A JP 2000186205 A JP2000186205 A JP 2000186205A JP 2000186205 A JP2000186205 A JP 2000186205A JP 2002003236 A JP2002003236 A JP 2002003236A
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carbon film
molding
amorphous carbon
optical element
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Keiji Hirabayashi
敬二 平林
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    • C03B2215/08Coated press-mould dies
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形品表面性及び成形耐久性が良好で、短い
成形サイクルの光学素子成形用型の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 型材の少なくとも離型面に、イオンビー
ム蒸着法によるアモルファス炭素膜からなる離型層を形
成する光学素子成形用型の製造方法において、アモルフ
ァス炭素膜成膜時の離型面の表面温度を、型材を冷却す
ることにより180℃以下とするによる光学素子成形用
型の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ、プリズム
等のガラスよりなる光学素子をガラス素材のプレス成形
により製造するために使用される型の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】研磨工程を必要としないでガラス素材の
プレス成形によってレンズを製造する技術は、従来の製
造において必要とされた複雑な工程をなくし、簡単かつ
安価にレンズを製造することを可能とし、近年レンズの
みならずプリズムその他のガラスよりなる光学素子の製
造に使用されるようになった。
【0003】このようなガラスの光学素子のプレス成形
に使用される型の材材に要求される性質としては、硬
度、耐熱性、離型性、鏡面加工性等に優れていることが
挙げられる。従来、この種の型の材料として金属、セラ
ミックス及びそれらをコーティングした材料等、数多く
の提案がなされている。いくつかの例を挙げるならば、
特開昭49−51112号公報には13Crマルテンサ
イト鋼が、特開昭52−45613号公報にはSiC及
びSi34が、特開昭60−246230号公報には超
硬合金に貴金属をコーティングした材料が、また特開昭
61−183134、61−281030、特開平1−
301864号公報にはダイヤモンド薄膜もしくはダイ
ヤモンド状炭素膜、特開昭64−83529号公報には
硬質炭素膜をコーティングした材料が提案されている。
また、特公平2−31012号公報には、レンズまたは
型のどちらか一方に5〜500nmの炭素膜を成膜する
ことが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、13C
rマルテンサイト鋼は酸化し易く、更に高温でFeがガ
ラス中に拡散してガラスが着色する欠点を持つ。SiC
及びSi34は一般的に酸化されにくいとされている
が、高温では酸化が起こり、表面にSiO2層が形成さ
れ、ガラスの融着が生じる。貴金属をコーティングした
材料は融着を起こしにくいが、極めて軟らかいため傷が
つき易く変形し易いという欠点を持つ。
【0005】また、特公平2−31012の実施例で用
いられている成膜方法(真空蒸着法)で得られる炭素膜
は、一般的には膜と基板との密着力が弱く、成形中に膜
が剥離する等、耐久性に問題がある場合がある。
【0006】更に、一般的にダイヤモンド状炭素膜、a
−C:H膜、硬質炭素膜を用いた型は、型とガラスとの
離型性が良く、ガラスとの融着を起こし難いが、離型性
の再現性に乏しい傾向が有り、再現性良く、高離型性の
炭素膜を成膜する方法が望まれている。
【0007】従って、本発明の目的は、成形品表面性及
び成形耐久性が良好で、短い成形サイクルの光学素子成
形用型の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点に
鑑み成されたもので、型材の少なくとも離型面に、イオ
ンビーム蒸着法によるアモルファス炭素膜からなる離型
層を形成する光学素子成形用型の製造方法において、ア
モルファス炭素膜成膜時の離型面の表面温度を、型材を
冷却することにより180℃以下とすることを特徴とす
る光学素子成形用型の製造方法である。
【0009】更に本発明は、型材の少なくとも離型面
に、イオンビーム蒸着法によるアモルファス炭素膜から
なる離型層を形成する光学素子成形用型の製造方法にお
いて、アモルファス炭素膜成膜時の離型面の表面温度
を、型材裏面及び側面を冷却することにより180℃以
下とすることを特徴とする光学素子成形用型の製造方法
である。
【0010】なお、本発明において「型材」とは、型母
材、または型母材に加えて型母材と離型層の間に介在す
る中間層等を含めた部材をいう。また、「型材の離型
面」とは、型材の表面のうちガラスが離型する領域をい
う。
【0011】
【作用】以下、本発明の作用を、本発明をなすに際して
得た知見と共に説明する。
【0012】本発明者は、従来の光学素子成形用型の問
題点に鑑み、高い離型性を有する炭素膜を再現性良く成
膜するための詳細な実験及び観察を続けたところ、炭素
膜成膜時の離型面の表面温度が、離型性の再現性に大き
く関与していることを明らかにすることができた。
【0013】図2に、従来の型材冷却及び保持方法のイ
オンビーム蒸着装置を示す。従来の方法では、型材は裏
面から水冷機構を有する型材ホルダーで保持されて成膜
が行われる。一方、型材はガラスの形状や大きさによっ
て、その寸法及び容量はまちまちであるため、その冷却
効率には大きな差が存在する。このため、型材の離型面
の表面温度は型材によって大きく異なることが判明し
た。例えば、図2の装置で、加速電圧8kV、電流値5
0mA、CH4/H2=30/10とした場合、長さ(型
材の底側端部から離型面側端部までの距離)が10mm
以下の型材のアモルファス炭素膜を成膜する場合は、離
型面の表面温度は250℃程度まで上昇する。しかし、
長さが80mm程度の長尺の型材の場合、離型面の表面
温度は500℃程度まで上昇する。型毎の離型温度のば
らつきの原因の要因として、上記型材の離型面の表面温
度が異なるためと考えられる。そして、離型面の表面温
度が高いと離型性に悪影響を及ぼすことが確認された。
【0014】この離型性悪化の原因には不明な点が多い
が、離型面の表面温度が高いとアモルファス炭素膜中の
水素濃度の減少や型材または中間層成分のアモルファス
炭素膜中への拡散、更には型材または中間層成分の酸化
による酸素分子の混入等が考えられる。
【0015】本発明は上記問題点に鑑み行われたもの
で、型材の少なくとも離型面に、イオンビーム蒸着法に
よるアモルファス炭素膜からなる離型層を形成する光学
素子成形用型の製造方法において、アモルファス炭素膜
成膜時の離型面の表面温度を、型材を冷却することによ
り180℃以下とすることにより、高い離型温度を有す
る光学素子成形用型を提供することが可能となった。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の光学素子成形用型の模式
的断面図を図1に示す。図1(A)の、型母材11の離
型面に、アモルファス炭素膜よりなる炭素膜12を成膜
している。また、図1(B)のように、型母材11とア
モルファス炭素膜12の間に中間層13を形成してもよ
い。図1では、凸面レンズ成形用型を示したが、本発明
では、凸面レンズ成形用型に限定されるものでなく、凹
面レンズ成形用型、非球面レンズ成形用型、シリンドリ
カルレンズ成形用型等にも使用可能である。
【0017】本発明で言う、アモルファス炭素膜とは、
炭素含有ガスをプラズマ化し、プラズマ中のイオンを用
いて成膜された炭素膜、または黒鉛等の固体炭素材料を
イオンビームまたはプラズマでスパッタリングして成膜
された炭素膜であり、硬度が高いことからダイヤモンド
状炭素膜とも呼ばれているものである。このアモルファ
ス炭素膜は、非晶質であるため非常に平滑な表面を有し
ており、型材表面に成膜することにより型材表面の平滑
性と同様及びそれ以上の平滑性を得ることができる。こ
のアモルファス炭素膜の厚さは、1nm以上、10μm
以下、望ましくは5nm以上、1μm以下、最適には1
0nm以上、500nm以下である。10μmより厚い
場合は、膜剥離等生じ易く型耐久性の劣化の原因となる
ことがある。アモルファス炭素膜の厚さが前記範囲内で
あればアモルファス炭素膜の密着力は非常に良好であ
る。
【0018】また、前記、アモルファス炭素膜は通常い
かなる結晶性も有していないが、電子顕微鏡等で微小領
域(nmオーダー)を詳細に観察すると、数nm程度の
大きさの微結晶のダイヤモンドまたはグラファイトが観
察されることがある。これらの微結晶の量を見積もるの
は非常に困難であるが、全体積のせいぜい数%以下であ
ろうと思われる。このため、本発明の上記アモルファス
炭素膜は、非晶質を主体とする炭素膜で、結晶相は全く
含有しないか、またはほとんど無視できる量(数%以
下)の炭素結晶相(ダイヤモンド、グラファイト)のみ
を含有する炭素膜である。
【0019】また、本発明のアモルファス炭素膜の成膜
方法は、イオンビーム蒸着法、イオンプレーティング法
等がある。イオンビーム蒸着法は、炭素源ガス及び水
素、酸素、塩素、フッ素、希ガス等の希釈ガスを熱フィ
ラメントまたは高周波更には磁場等を印加してプラズマ
化し、このプラズマから電界を用いてイオンを加速し、
イオンビームを形成し、このイオンビームを型材上に照
射してアモルファス炭素膜を成膜する方法である。この
時、加速電圧は3kV以上、好適には5kV以上が望ま
しい。イオンプレーティング法はビーム状にイオンを引
き出すものではないが、上記イオンビーム蒸着法と同
様、電界を用いてイオンを加速し、このイオンを型材上
に照射してアモルファス炭素膜を成膜する方法であり、
本発明の中ではイオンビーム蒸着法に含める。このう
ち、イオンビーム蒸着法は高加速電圧のイオンを型材に
照射してアモルファス炭素膜を成膜するので膜の密着力
が良好であり、本発明に好適な方法である。
【0020】また、本発明で言うアモルファス炭素膜
は、研究者により、水素化アモルファス炭素膜、ダイヤ
モンド状炭素膜(または、DLC膜:diamond−
like carbon)、i−C膜とも称されること
がある。本発明におけるアモルファス炭素膜は、前述し
た方法で成膜され、前述した特徴を有する膜のことであ
り、いわゆる水素化アモルファス炭素膜、ダイヤモンド
状炭素膜(または、DLC膜:diamond−lik
e carbon)、i−C膜を含むもので、単に名称
により明確に区別されるものではない。
【0021】前述したように、アモルファス炭素膜は一
般的にイオンビーム蒸着法やイオンプレーティング法で
成膜されるが、加速されたイオンを型材表面の離型面に
照射してアモルファス炭素膜を成膜するので離型面の表
面温度が、一般的には300℃以上、型材形状や、型材
ホルダーの冷却能力によっては500℃以上となること
がある。このような温度で成膜した型を用いて光学素子
を成形すると離型性が悪く、離型温度の低下による成形
タイムの増加や、ガラスの割れ、ガラスの融着、型の成
形耐久性の悪化等を生じる。
【0022】このため、本発明では型材へのアモルファ
ス炭素膜成膜時の離型面の表面温度を、型材を冷却する
ことにより、180℃以下とすることにより、離型性の
向上をはかる。
【0023】イオンビーム蒸着法において、型材を冷却
する方法を図3に示す。図3の型材ホルダーは型材の冷
却を裏面のみを冷却する図2のホルダーと異なり、型材
側面も冷却できるように、ホルダーが型材を埋め込んで
固定できるように掘ってあり、更に冷却水が型材側面近
傍の所まで流れて冷却効率が高くなるように設計されて
いる。更に型材と型材ホルダーは冷却効率を高めるた
め、側面も接触面積が高くなるように固定されている。
【0024】このような型材ホルダーを用いることによ
り、アモルファス炭素膜成膜時の離型面の表面温度は1
80℃以下、代表的には100℃以下とすることができ
る。
【0025】上記、本発明のアモルファス炭素膜成膜時
の離型面の表面温度とすることで、離型温度が高くな
り、成形サイクルが短く、ガラスの割れ・融着のない、
成形耐久性の高い型を作成することができる。この時
の、アモルファス炭素膜中の水素濃度は、15〜30a
tm%となり、酸素濃度は5atm%以下となる。本発
明のアモルファス炭素膜成膜時の離型面の表面温度の範
囲外の高い表面温度では、アモルファス炭素膜中の水素
濃度が減少し、例えば、400℃の場合は5〜10at
m%となる。また、酸素濃度は増大し、例えば400℃
では10〜15atm%となる。
【0026】なお、本発明で言うところの「離型面の表
面温度」とは、イオンビームが直接照射され、アモルフ
ァス炭素膜が成膜される離型面の表面またはその極近傍
(1mm以内)の領域のことである。例えば、80mm
程度の長さの型材にアモルファス炭素膜をイオンビーム
蒸着法で成膜する場合、冷却方法が十分でないと、離型
面の表面の温度は400℃以上となるが、離型面の反対
側の裏面の温度は、80℃程度、離型面から10mm程
度離れた場所でも200℃程度と非常に大きな温度差が
生じる。離型面の表面温度を制御することで離型性の改
善がなされることは、本発明により初めてなされたもの
である。
【0027】本発明の型材の冷却方法は、型材ホルダー
に冷却水を十分に流せば、本発明の離型面の表面温度に
することができるが、適宜、他の冷却方法、例えば、液
体窒素による冷却等を用いることもできる。
【0028】また、成形により劣化した本発明の製造方
法により作成された光学素子成形用型を酸素またはアル
ゴンのイオンビームを該成形用型に照射し、アモルファ
ス炭素膜を除去した後、炭素源を含有するイオンビーム
を照射し、再度アモルファス炭素膜を成膜することによ
り、繰り返し型を再利用することができる。
【0029】本発明で用いられる型母材は、アルミナ、
ジルコニア等の酸化物系セラミックス、炭化珪素、窒化
珪素、炭化チタン、窒化チタン、炭化タングステン等の
炭化物、窒化物系セラミックス、更に、WC系の超硬合
金、モリブデン、タングステン、タンタル等の金属等を
用いることができる。型母材の形状は、成形装置や成形
レンズの形状により任意に決めることができるが、例え
ばレンズを成形する場合、離型面をそのレンズ径の曲率
に合わせて、曲面形状にし、その曲面上に前述した合成
法を用いて前記アモルファス炭素膜を成膜する。
【0030】また、型母材として焼結体を用いた場合、
型母材上に中間層として種々の金属炭化物、金属窒化
物、金属炭窒化物層を形成することにより型母材表面の
均一性が増し、成形性が向上する。本発明の中間層とし
ては、チタン、タンタル、クロム、シリコンの炭化物、
窒化物、炭窒化物等を用いることができる。
【0031】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。
【0032】<実施例1及び比較例1>アモルファス炭
素膜の成膜は、図3に示すようなイオンビーム蒸着装置
を用いて行った。図中31は真空槽、32はイオン源、
33はイオンビームを模式的に示したものである。34
は光学素子成形用型材で35の型材ホルダーに保持され
ている。36はガス導入口で、炭素源ガス(メタン、エ
チレン等)及び酸素ガス、アルゴンガス、水素ガス等各
種ガスが接続されている。37は排気口であり、不図示
のバルブ、ターボポンプ及びロータリーポンプが接続さ
れている。38は冷却水導入口で、ここから冷却水が型
材ホルダー内部に導入されている。
【0033】WC系超硬合金よりなる型材の離型面に窒
化チタン膜(公知のイオンプレーティング法により1μ
mの膜厚に成膜)が中間層として形成された凹面型材を
図3の装置へ入れ、アモルファス炭素膜の成膜を行う。
型材は回転させながら、成膜を行った。成膜条件はメタ
ン20ml/min、水素10ml/minとし、加速
電圧:10kV、圧力:2×10-2Pa、合成時間:2
0分とした。この時、不図示の熱電対で測定した離型面
の表面温度は成膜時間と共に上昇し、最終的に110℃
となった。
【0034】また、比較例1として、図2に示すような
型材ホルダーを用いる以外は、同様な成膜条件でアモル
ファス炭素膜の成膜を行った。この時、不図示の熱電対
で測定した離型面の表面温度は成膜時間と共に上昇し、
最終的に420℃となった。
【0035】両者の型を連続成形機を用いてガラス成形
(フリント系ガラス、SF−8、口径φ15、凹メニス
形状)を行ったところ、実施例1の型は2000ショッ
ト成形後も良好な成形品が得られ、また型表面の劣化も
観測されなかったが、比較例1については1200ショ
ットからレンズ外周部で曇りが発生し、また型表面を観
察したところ離型面外周部でアモルファス炭素膜が消耗
し、下地の窒化チタン膜が露出し始めているのが見られ
た。また、比較例の成形サイクルは、プレス時間が長く
なり、更に離型温度が低いため、実施例に比べて25%
長くなった。
【0036】<実施例2−4及び比較例2−4>型材ホ
ルダーに流す冷却水の流量を制御して、離型面の表面温
度を制御する以外は、実施例1と同一条件で成膜したア
モルファス炭素膜を用いた光学素子成形用型を作成し
た。次に、この光学素子成形用型によってガラスレンズ
のプレス成形を行った。成形ガラスはクラウン系光学ガ
ラスSK12を用い、成形は、連続成形装置でプレス成
形を行った。レンズ形状はφ25凸メニス形状である。
結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】実施例2−4においては、離型面の表面温
度を本発明の範囲にすることにより、成形品表面性及び
成形耐久性が良好で、短い成形サイクルの光学素子成形
用型を得ることができた。これに対し、比較例2−4で
は離型面の表面温度が本発明の範囲外のため成形品表面
性及び成形耐久性の劣化が確認され、更に成形サイクル
が長くなることが分かった。
【0039】以上示したように、離型面の表面温度を本
発明の範囲内にすることにより、光学素子成形用型とし
て十分な成形品表面性及び成形耐久性が、短い成形サイ
クルで得られた。
【0040】なお本発明の実施例において、成形品表面
性と成形耐久性に関する評価基準(◎、○、△、×)
は、以下の基準により行った。まず、成形品表面性の評
価は、成形レンズに集光灯の光を当ててその表面性(表
面の曇り、キズ及び微小凹凸)を目視で検査することに
より行った。評価基準としては、製品として使用可能か
どうかを「限度見本」と呼ばれるサンプルと比較して決
定した。この限度見本は、アス及びクセ(所望のレンズ
形状からのずれ量)がニュートンリング約1本で、最大
表面粗さ(P−V値)で約30nm、平均表面粗さ(R
MS)で約5nmであり、集光灯の光を当てて確認でき
る、大きさ約10μmまでのキズがレンズ全体の中で2
個でかつ、近接していない、という条件のもので、この
「限度見本」より表面性の悪い成形品は製品として使用
できない。評価基準のうち、×は、この限度見本より表
面性が劣り、製品として使用不可能なものである。△
は、限度見本と同レベルの表面性または、簡単な拭き洗
浄で、限度見本と同レベルの表面性が得られるものであ
る。○は、限度見本以上の表面性が得られているもので
ある。◎は、非常に良好な表面性で曇り等がほとんどな
いものである。また、成形耐久性は、限度見本と同レベ
ルまたはそれ以上の製品を規定の数量成形することが可
能かどうかで評価した。×は、ガラスの融着または割れ
等のために、規定の数量を成形することができなかった
ものである。△は、ほぼ規定回数の成形が可能なもの、
○は、規定回数の1.5倍以上の成形が可能なもの、更
に◎は、規定回数の2倍以上の成形が可能なものであ
る。
【0041】また、成形サイクルは実施例1の成形サイ
クル時間を基準として、それよりも長いものをプラス、
短いものをマイナスとして増減を示したものである。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、型材の少なくとも
離型面に、イオンビーム蒸着法によるアモルファス炭素
膜からなる離型層を形成する光学素子成形用型の製造方
法において、アモルファス炭素膜成膜時の離型面の表面
温度を、型材を冷却することにより180℃以下とする
ことにより、成形品表面性及び成形耐久性が良好で、短
い成形サイクルの光学素子成形用型を製造することがで
きる。
【0043】また、型材の少なくとも離型面に、イオン
ビーム蒸着法によるアモルファス炭素膜からなる離型層
を形成する光学素子成形用型の製造方法において、アモ
ルファス炭素膜成膜時の離型面の表面温度を、型材裏面
及び側面を冷却することにより180℃以下とすること
により、成形品表面性及び成形耐久性が優れ、短い成形
サイクルの光学素子成形用型を製造することができ
る。、成形サイクルが短い光学素子成形用型を製造する
ことができる。
【0044】これらの光学素子成形用型を用いることに
より生産性の向上とコストダウンを実現することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学素子成形用型の模式的断面図であ
る。
【図2】本発明の比較例で用いられるイオンビーム蒸着
装置を示す概念図である。
【図3】本発明の実施例で用いられるイオンビーム蒸着
装置を示す概念図である。
【符号の説明】 11 型母材 12 アモルファス炭素膜 13 中間層 21,31 真空槽 22,32 イオン源 23,33 イオンビーム 24,34 光学素子成形用型材 25,35 型材ホルダー 26,36 ガス導入口 27,37 排気口 28,38 冷却水導入口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型材の少なくとも離型面に、イオンビー
    ム蒸着法によるアモルファス炭素膜からなる離型層を形
    成する光学素子成形用型の製造方法において、アモルフ
    ァス炭素膜成膜時の離型面の表面温度を、型材を冷却す
    ることにより180℃以下とすることを特徴とする光学
    素子成形用型の製造方法。
  2. 【請求項2】 型材の少なくとも離型面に、イオンビー
    ム蒸着法によるアモルファス炭素膜からなる離型層を形
    成する光学素子成形用型の製造方法において、アモルフ
    ァス炭素膜成膜時の離型面の表面温度を、型材裏面及び
    側面を冷却することにより180℃以下とすることを特
    徴とする光学素子成形用型の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101464005B1 (ko) * 2006-05-05 2014-11-20 피피지 인더스트리즈 오하이오 인코포레이티드 싸이오에터 작용성 올리고머성 폴리싸이올 및 이로부터 제조된 제품

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