JP2002002294A - 可動体駆動装置 - Google Patents

可動体駆動装置

Info

Publication number
JP2002002294A
JP2002002294A JP2000183697A JP2000183697A JP2002002294A JP 2002002294 A JP2002002294 A JP 2002002294A JP 2000183697 A JP2000183697 A JP 2000183697A JP 2000183697 A JP2000183697 A JP 2000183697A JP 2002002294 A JP2002002294 A JP 2002002294A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roof
movable body
operation mode
rear door
driving device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000183697A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Tsusaka
仁 津坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takada Kogyo KK
Original Assignee
Takada Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takada Kogyo KK filed Critical Takada Kogyo KK
Priority to JP2000183697A priority Critical patent/JP2002002294A/ja
Publication of JP2002002294A publication Critical patent/JP2002002294A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Power-Operated Mechanisms For Wings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】故障時の対応において駆動力無しで行う手動操
作への依存度を少なくすることのできる可動体駆動装置
を提供する。 【解決手段】電動機52は自動車の折畳式のルーフを移
動させ、電動機42は折り畳んだルーフ格納用のトラン
クリッド20を開閉する。マイコン110は、トランク
を開け、ルーフを伸展し、トランクを閉める、など一連
の動作を予め定めた手順で電動機42および電動機52
の駆動を自動で切り替えて実行する通常作動モードと、
電動機42、52を個別に駆動し得る強制作動モードと
を有する。開閉完了位置の検知センサなど、一部の部品
の故障で一連の動作ができない場合でも、強制作動モー
ドにすれば作動可能な部分を個別に動かすことができる
ので、手動操作を少なくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2以上の可動体を
個別の駆動部で移動させる可動体駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の可動体駆動装置としては、例え
ば、開閉可能な折畳式屋根を持つ自動車に取り付けら
れ、一の可動体として折畳式のルーフを動かし、他の一
の可動体として、折り畳んだルーフを格納するトランク
ルームの扉(トランクリッド)を開閉駆動するものがあ
る。ハードルーフオープンカーにおいては、ルーフがフ
ロント部とリヤ部とから成り、クローズ状態では、フロ
ント部とリヤ部とは伸展して車体のルーフを形成してい
る。
【0003】この状態のルーフをオープン状態にしてト
ランクルームへ格納する際には、まずトランク用の駆動
装置によってトランクリッドを前開き状態(リアルーフ
側の端部から開口する状態)にする。次にルーフ用の駆
動装置によってフロント部とリヤ部を折り畳みながら車
体後方のトランクルームである格納部に移動し、折り畳
んだ状態で格納部に収容する。そして最後にトランクリ
ッドを閉じるようになっている。オープン状態からクロ
ーズ状態にするには上記と逆の手順となる。
【0004】このように、ルーフを開閉するための動作
は、ルーフ用の駆動装置によるルーフの伸展あるいは折
り畳み動作とトランク用の駆動装置によるトランクリッ
ドの開閉動作とを組み合わせた一連の動作になってい
る。通常は、操作性の向上を図るため、運転席等に配置
された開スイッチや閉スイッチを操作するだけで、ルー
フの移動動作とトランクリッドの開閉動作とを組み合わ
せた一連の動作が予め定めた手順に従って自動的に順次
遂行されるようになっている。
【0005】上述のような一連の動作を自動的に順次実
行するには、通常、1つ動作の完了を所定の検知スイッ
チで確認した後、次の動作に移行するようになってい
る。たとえば、ルーフをトランクに格納したオープン状
態から居住空間の屋根を形成するクローズ状態にするク
ローズ動作を行う場合には、まず、トランクリッドを開
く動作が行われる。そして所定の検知スイッチによって
トランクリッドが全開位置に到達したことが検出される
と、トランクリッドの開動作を停止し、ルーフの伸展動
作に切り替えるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の可動
体駆動装置では、1つ動作の完了を所定の検知スイッチ
で確認した後に、次の動作へ移行するようになっている
ので、一連の動作の途中で何らかの原因により作動しな
くなると、その後は、手動操作に切り替えて、モータ等
の駆動力を借りずにルーフ等を移動させるしかなかっ
た。
【0007】たとえば、先に示したクローズ動作の例で
は、トランクリッドが全開位置に到達したことが検知ス
イッチの故障等により検知されない場合には、たとえル
ーフ用の駆動装置にまったく異常がなくても、ルーフを
伸展させる次の段階の動作に移行しなくなる。このため
それ以後の移動を、モータの駆動力を借りずに手動操作
で行わなければならなかった。
【0008】手動操作に切り替えるには、通常、各所を
分解しなければならないので、故障が生じた場合の対処
に、多大な労力と長い時間を要するという問題があっ
た。
【0009】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、故障時の対応において駆動力無し
で行う手動操作への依存度を少なくすることのできる可
動体駆動装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存
する。 [1]2以上の可動体(20、30)を個別の駆動部
(40、50)で移動させる可動体駆動装置において、
制御手段(100、110)と、切替操作部(150、
151、152)と、通常操作部(141)と、強制操
作部(141、125)とを備え、前記制御手段(10
0、110)は、2以上の可動体(20、30)の移動
動作を組み合わせた一連の可動体移動処理を各可動体
(20、30)に対応する前記駆動部(40、50)を
予め定めた手順に従って順次作動させて実行する通常作
動モードと、前記可動体(20、30)ごとに前記駆動
部(40、50)を個別に作動させる強制作動モードの
いずれかの作動モードで前記駆動部(40、50)の動
作を制御するものであり、前記切替操作部(150、1
51、152)は、前記作動モードの切り替え操作を受
け付けるものであり、前記通常操作部(141)は、前
記通常作動モードにおいて前記一連の可動体移動処理の
実行指示を受け付けるものであり、前記強制操作部(1
41、125)は、前記強制作動モードにおいて前記可
動体(20、30)ごとの動作指示を受け付けるもので
あることを特徴とする可動体駆動装置。
【0011】[2]前記通常作動モードでは、所定のセ
ンサ(121〜124)で検知した各可動体(20、3
0)の位置情報に基づいて前記一連の可動体移動処理を
順次実行し、前記強制作動モードでは、前記センサ(1
21〜124)の検知結果に依存せずに各駆動部(4
0、50)を作動させることを特徴とする[1]に記載
の可動体駆動装置。
【0012】[3]前記強制操作部(141、125)
は、駆動すべき可動体(20、30)を選択する機能
と、可動体(20、30)の駆動方向を選択する機能
と、可動体(20、30)を駆動する旨の指示を受け付
ける機能とを有することを特徴とする[1]または
[2]に記載の可動体駆動装置。
【0013】[4]前記切替操作部(150、151、
152)およびまたは強制操作部(141、125)
は、他の機能を果たす既存のスイッチを兼用したもので
あることを特徴とする[1]、[2]または[3]に記
載の可動体駆動装置。
【0014】[5]前記切替操作部(150、151、
152)は、他の機能を果たす既存のスイッチを兼用し
たものであって、前記スイッチが予め定めた特定の手順
で操作されたとき通常作動モードから強制作動モードへ
の切り替え操作が行われたものと認識することを特徴と
する[1]、[2]、[3]または[4]に記載の可動
体駆動装置。
【0015】[6]自動車に取り付ける開閉可能な折畳
式屋根を一の可動体(30)とし、前記折畳式屋根を折
り畳んだ状態で格納する収納部の扉を他の一の可動体
(20)とするものであることを特徴とする[1]、
[2]、[3]、[4]または[5]に記載の可動体駆
動装置。
【0016】次に、前記各項に記載された発明の作用に
ついて説明する。制御手段(100、110)は、2以
上の可動体(20、30)の移動動作を組み合わせた一
連の可動体移動処理を各可動体(20、30)に対応す
る駆動部(40、50)を予め定めた手順に従って順次
作動させて実行する通常作動モードと、可動体(20、
30)ごとに駆動部(40、50)を個別に作動させる
強制作動モードとを有している。
【0017】通常時は、通常作動モードに設定され、通
常操作部(141)からの操作に従って一連の可動体移
動処理が行われる。たとえば、通常作動モードでは、1
つの操作スイッチを押下し続けることにより、各可動体
(20、30)に対応する駆動部(40、50)が予め
定めた順序で自動的に切り替わり、各可動体(20、3
0)が互いに連携して作動する。より具体的には、第1
の可動体(20)がまず正方向に移動し、その移動完了
後、第2の可動体(30)が所定の方向に移動し、その
移動完了後、第1の可動体(20)が今度は逆方向に移
動するなどの一連の動作が自動的に実行される等であ
る。
【0018】故障等が生じた場合には、切替操作部(1
50、151、152)を操作して作動モードを通常作
動モードから強制作動モードに切り替える。その後は、
強制操作部(141、125)の操作により各可動体
(20、30)を個別に移動させることが可能になる。
たとえば、2以上の可動体(20、30)の動作を連携
させるために設けた位置センサが故障した場合には、操
作者が目視で安全確認等を行いながら各可動体(20、
30)に対応する駆動部(40、50)を個別に作動さ
せることで、一連の動作を各段階ごとに進めることがで
きる。また特定の可動体(20、30)に対応する駆動
部(40、50)が作動しない場合には、強制作動モー
ドに切り替えることにより、他の正常な可動体(20、
30)については駆動部(40、50)を作動させて移
動させることができる。
【0019】このように、強制作動モードに切り替える
ことによって、作動可能な部分を個別に動かすことがで
きるので、一部に故障が発生した場合でも手動操作への
依存度を少なくすることができる。
【0020】なお、強制作動モードでは、2以上の可動
体(20、30)を個別に操作する必要があるので、強
制操作部(141、125)は、駆動すべき可動体(2
0、30)を選択する機能と、可動体(20、30)の
駆動方向を選択する機能と、可動体(20、30)を駆
動する旨の指示を受け付ける機能とを有している。
【0021】切替操作部(150、151、152)や
強制操作部(141、125)に、他の機能を果たす既
存のスイッチを兼用したものでは、装置価格を下げるこ
とができるとともに、スイッチの配置スペースを節約す
ることができる。また他の機能を果たす既存のスイッチ
が予め定めた特定の手順で操作されたときに、通常作動
モードから強制作動モードへ切り替わるようにしたもの
では、特定の手順を、通常では到底行われないような手
順にしておけば、誤って強制作動モードに切り替わって
しまうことを効果的に防止することができる。
【0022】また、本発明にかかる可動体駆動装置は、
いわゆるカブリオレタイプの自動車に取り付ける開閉可
能な折畳式屋根を一の可動体(30)とし、この折畳式
屋根を折り畳んだ状態で格納する収納部の扉を他の一の
可動体(20)としたものに好適である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。各図は、本発明の一実施の
形態を示している。このうち、図2は、本発明にかかる
可動体駆動装置を適用した車両の側面図、図3は車両の
後部の側面図、図4は車両の前部の側面図である。
【0024】図2〜図4に示すように、車体10の後部
には、トランクルーム11および、そのトランクルーム
11を開閉するためのトランクリッドである後部扉20
が設けられている。後部扉20は、トランクリッド開閉
駆動装置40によって、後縁24を略中心にして前縁2
3を跳ね上げた前開き状態に駆動される。また後述する
リフト機構47によって、前縁23を略中心にして後縁
24を跳ね上げた後ろ開き状態に駆動される。トランク
リッド開閉駆動装置40等の詳細な構成は後述する。
【0025】車体10の天井を形成するルーフ30は、
フロントルーフ31とリヤルーフ32とに二分割されて
いる。ルーフ30は、ルーフ駆動装置50によって、フ
ロントルーフ31とリヤルーフ32とが伸展して天井を
形成するクローズ状態と、折り畳まれて天井を開きトラ
ンクルーム11内に収容されるオープン状態とに駆動さ
れるものである。本実施の形態にかかる可動体駆動装置
では、トランクリッドである後部扉20を一の可動体と
し、ルーフ30を他の一の可動体とし、後部扉20の駆
動部をトランクリッド開閉駆動装置40とし、ルーフ3
0の駆動部をルーフ駆動装置50としたものである。
【0026】図5は後部扉が前開き状態であり、ルーフ
が折り畳み途中の状態である側面図、図6は後部扉の閉
じ状態であり、ルーフが完全に折り畳まれた状態である
側面図である。
【0027】図2〜図6に示すように、ルーフ30をオ
ープン状態にする際には、フロントルーフ31の前部を
車体10側に拘束するためのロック手段80および、フ
ロントルーフ31とリヤルーフ32との連結部のロック
手段90は、拘束解除状態にそれぞれなっており、フロ
ントルーフ31とリヤルーフ32とは折り畳み可能にな
っている。また、後部扉20は、折り畳まれたルーフ3
0を受け入れるべく前開き状態になっている。フロント
ルーフ31とリヤルーフ32との連結部は、フロントル
ーフ31の後部のベース部材33に、リヤルーフ32の
前部のヒンジ部材34が回転可能にピン結合して成る。
【0028】図10は、ルーフ駆動装置50の部分拡大
斜視図である。図2〜図6および図10に示すように、
車体10のキャビンの後方には円管状フレーム12が車
幅方向に架設されている。円管状フレーム12の両端部
にはそれぞれ、ルーフ駆動装置50の本体51が支持さ
れている。本体51は、前ベース部材511および後ベ
ース部材512から成る。
【0029】前ベース部材511には、ヒンジ部材56
により、バランスアーム57の基端部が揺動可能に枢支
され、バランスアーム57の先端部がベース部材33に
回転可能に連結されている。また、後ベース部材512
には、動力となる電動機52および、減速機53が装着
されている。電動機52は制御手段100を介して電源
(車載バッテリ)に接続されている。円管状フレーム1
2の両端部に配置された一対のルーフ駆動装置50を制
御する制御手段100の回路については後述する。
【0030】減速機53の出力ギア54には、その回転
中心を揺動中心とする駆動アーム55が固設されてい
る。駆動アーム55は、その先端部がリヤルーフ32の
後端部に固結されている。それにより、フロントルーフ
31、リヤルーフ32(駆動アーム55を含む)、バラ
ンスアーム57および車体10により、4節回転連鎖が
形成されている。
【0031】図7は後部扉の後ろ開き状態の側面図、図
8は車両用後部扉の開閉装置の斜視図、図9は開閉装置
の部分拡大斜視図である。
【0032】図7〜図9に示すように、後部扉20を車
体10側に支持するための一対の支持アーム41が、ト
ランクルーム11内の両側にそれぞれ配されている。一
対の支持アーム41は、略Z形状に形成されている。
【0033】一対の支持アーム41は後部が下方に大き
く曲げられ、その後端部41bが後方にそれぞれ延ばさ
れ、パイプ部材411により連結されている。パイプ部
材411は左右一対のヒンジ412を介して車体10に
枢着されている。したがって、ヒンジ412を中心にし
て支持アーム41の前端部41aおよび後部扉20の前
縁23が一体となって跳ね上がると、後部扉20が閉じ
状態から前開き状態になる。
【0034】トランクリッド開閉駆動装置40は、後部
扉20の前縁23を跳ね上げるべく、支持アーム41を
駆動するものである。トランクリッド開閉駆動装置40
の本体40aには、電動機42および、減速機43が装
着されている。減速機43の出力ギアであるセクタギア
44には、出力リンク45が一体的に結合されている。
出力リンク45の先端部は、連結リンク46を介して支
持アーム41に連結されている。
【0035】図7〜図9に示すように、各支持アーム4
1の中間部41cから前端部41aは、後部扉20の内
面に沿って前方へ延ばされている。各支持アーム41の
前端部41aは、後部扉20の前縁23の近傍まで延ば
されている。
【0036】支持アーム41の前端部41aと後部扉2
0の前縁23との間の隙間には、後ろ開きの際に後部扉
20を持ち上げるためのリフト機構47が介在してい
る。リフト機構47は、7節のリンク機構であり、第1
リンク471、第2リンク472、第3リンク473お
よび第4リンク474を有している。
【0037】第1リンク471および第3リンク473
の各下端部が支持アーム41の前端部41aに枢着さ
れ、第1リンク471の上端部は第2リンク472の下
端部に連結され、第3リンク473の上端部は第4リン
ク474の下端部に連結されている。第3リンク473
および第4リンク474の各上端部は、ヒンジ部材26
を介して後部扉20のインナーパネル22に連結されて
いる。
【0038】第2リンク472にガススプリング48の
シリンダが連結される一方、後部扉20のインナーパネ
ル22にガススプリング48の出力ロッド481が連結
されている。
【0039】支持アーム41の前端部41aには、矩形
状の孔を有するストライカ413が形成されている。車
体10側には、支持アーム41のストライカ413に係
合することにより、リフト機構47を介して後部扉20
の前縁23をストライカ413側に拘束して跳ね上げ不
能にするロック手段60が設けられている。ロック手段
60は、電気式のアンロックアクチュエータ67(図1
参照、図5、図11等では図示省略)により、電動で解
除可能になっている。
【0040】一方、一対の支持アーム41の後端部41
bを繋ぐパイプ部材411の中央部にはストライカ41
4が固設され、ストライカ414に係合することによ
り、後部扉20の後縁24をストライカ414側に拘束
して跳ね上げ不能にするロック手段70が設けられてい
る。
【0041】図11はロック手段60の平面図である。
なお、ロック手段70は、ロック手段60の構成とほぼ
同じ構成をしており、以下、ロック手段60を代表して
説明する。
【0042】図11に示すように、ロック手段60のベ
ース部材61には、ラッチ部材62が揺動可能に支持さ
れるとともに、ロッキングプレート63が回動可能に支
持されている。コイルばね64は、ラッチ部材62をス
トライカ413に係合する方向に付勢するとともに、ロ
ッキングプレート63をラッチ部材62に係止する方向
に付勢する。ロッキングプレート63は、ラッチ部材6
2に係止して、ラッチ部材62をストライカ413に係
合した状態に拘束する。また、付勢力に抗してロッキン
グプレート63をラッチ部材62から外す方向に回動す
るためのリリースレバー65が設けられている。
【0043】図7〜図9に示すように、支持アーム41
の前端部41aと後端部41bとの間の中間部41cに
は、折曲部415が形成されている。支持アーム41は
トランクルーム11内にあって、その折曲部415の部
位のみが他の部位より大きく外側へ張り出していて折れ
易く、後面衝突時等の衝撃を積極的に吸収するようにな
っている。
【0044】図8および図9に示すように、ストッパ手
段416は、一対の支持アーム41の前端部41a同士
を連結するロッド部材である。後部扉20側のヒンジ部
材26には、前端縁の一部を後方に切り込んで成る被当
接部255が形成されている。ストッパ手段416に
は、ヒンジ部材26の被当接部255に前方から対向す
る位置を通過する当接部417が形成されている。スト
ッパ手段416は、支持アーム41側でなく、後部扉2
0の前縁23に対応する車体10側に設けてもよい。
【0045】図1は、トランクリッド開閉駆動装置40
およびルーフ駆動装置50の制御手段100を示してい
る。図1に示すように制御手段100は、各種の演算処
理等を実行するCPU(中央処理装置)と、プログラム
や固定的データを記憶したROM(読み出し専用メモ
リ)と作業用の記憶領域等に用いるRAM(ランダム・
アクセス・メモリ)等を収めたマイコン110を中核と
するものである。
【0046】このマイコン110には、トランクリッド
開閉駆動装置40の有する電動機42、ルーフ駆動装置
50の有する電動機52がリレー回路を介して接続され
ている。トランクリッド開閉駆動装置40およびルーフ
駆動装置50はそれぞれ左右1対存在するので、電動機
42、電動機52もそれぞれ右用と左用とが用意されて
いる。さらにマイコン110には、ロック手段60のロ
ック状態を解除するアンロックアクチュエータ67がリ
レー回路を介して接続されている。アンロックアクチュ
エータ67も左用と右用の一対が用意されている。電動
機42、電動機52、アンロックアクチュエータ67
は、それぞれリレー回路を介して、電源に接続されてい
る。
【0047】またマイコン110には、後部扉20が全
閉位置にあることを検出する後部扉全閉位置検出スイッ
チ121と、後部扉20が全開位置にあることを検出す
る後部扉全開位置検出スイッチ122が接続されてい
る。さらにマイコン110には、ルーフ30が全閉位置
(クローズ状態)にあることを検知するルーフ全閉位置
検出スイッチ123と、ルーフ30が全開位置(オープ
ン状態)にあることを検知するルーフ全開位置検出スイ
ッチ124が接続されている。
【0048】さらにマイコン110には、ルーフ30の
開閉操作を行うためのルーフ操作スイッチ141と、ト
ランクリッドが後ろ開きで開いているか否かを検出する
トランクリッド閉確認スイッチ125が接続されてい
る。ルーフ操作スイッチ141は、共通接点を第1接点
に接続する状態と、共通接点を第2接点に接続する状態
と、共通接点を第1第2のいずれの接点にも接続しない
中立の状態とを選択できるものである。後述する通常作
動モードでは、第1接点はルーフをオープンするための
スイッチとして、第2接点はルーフをクローズするため
のスイッチとして使用するようになっている。またイグ
ニッションキーの操作状態を検出するキー位置検出部
(図示省略)がヒューズ132の先に接続されている。
【0049】またマイコン110には、トランスミッシ
ョンがどのシフトポジションにあるかを検出するインヒ
ビター150(A/T車)、トランスミッションがリバ
ースの位置にあることを検出するリバーススイッチ15
1(M/T車)、トランスミッションがニュートラルの
位置にあることを検出するニュートラルスイッチ152
(M/T車)が接続されている。このほか、トランスミ
ッションがリバース位置にあることを表示するリバース
ランプ161、トランクリッドが後ろ開きで開いた際に
点灯するトランクルームランプ162等が接続されてい
る。
【0050】次に作用について説明する。
【0051】最初に、後部扉20を後ろ開きで手動開閉
する場合について説明する。図2に示すように、後部扉
20の全閉状態およびルーフ30のクローズ状態におい
て、後部扉20を後ろ開きするには、単にロック手段7
0をストライカ414から外して拘束解除状態にして、
後部扉20を後ろ開き可能にすればよい。後部扉20を
後ろ開きしていくと、ガススプリング48の付勢力によ
ってリフト機構47の第1リンク471〜第4リンク4
74がそれぞれ起立し、後部扉20が持ち上げられ、や
がて、後部扉20の後縁24が跳ね上がって後ろ開き状
態になる。
【0052】後部扉20を後ろ開き状態から全閉状態に
するには、ガススプリング48の付勢力に抗して、リフ
ト機構47の第1リンク471〜第4リンク474を倒
伏させて、後部扉20の後縁24を下げて、ロック手段
70をストライカ414に係合し、後部扉20の後縁2
4をストライカ414側に拘束して後ろ開き不能にす
る。
【0053】次に、ルーフ30を電動で開閉する際の動
作について説明する。制御手段100は、後部扉20お
よびルーフ30の移動動作を制御する作動モードとし
て、通常作動モードと、強制作動モードを有している。
通常作動モードは、ルーフ操作スイッチ141を押し続
けるだけで、トランクリッド開閉駆動装置40の電動機
42やルーフ駆動装置50の電動機52の作動タイミン
グ、作動方向が自動的に切り替わり、ルーフ30と後部
扉20とが予め定めた手順に従って順次作動し、一連の
オープン動作あるいはクローズ動作が行われる作動モー
ドである。強制モードは、トランクリッド開閉駆動装置
40の電動機42とルーフ駆動装置50の電動機52と
を個別に操作し得る作動モードである。
【0054】まず、通常作動モードにおける後部扉20
およびルーフ30の移動操作について説明する。なお、
強制作動モードに切り替えるための特別な操作をしない
限り、作動モードは、通常作動モードに設定される。
【0055】通常作動モードにおいて、ルーフ30をク
ローズ状態からオープン状態にするには、図1に示した
ルーフ操作スイッチ141のオープン側をオンにし続け
る。ルーフ操作スイッチ141がオンにされたことを検
知したマイコン110は、まずアンロックアクチュエー
タ67へ通電し、ロック手段60をストライカ413か
ら外して、後部扉20を前開き可能な状態にする。マイ
コン110は、アンロックアクチュエータ67への通電
後、後部扉全閉位置検出スイッチ121の不動作を確認
後、所定のリレー回路に通電し、トランクリッド開閉駆
動装置40の電動機42を正転させる。
【0056】トランクリッド開閉駆動装置40の電動機
42が正転すると、電動機42の回転力が減速機43〜
セクタギア44〜出力リンク45〜連結リンク46の順
番に支持アーム41へ伝わり、支持アーム41がヒンジ
412を中心にして揺動する。それにより、支持アーム
41の前端部41aにリフト機構47を介して支持され
た後部扉20の前縁23が、跳ね上がって前開きする。
そして、後部扉20が完全に前開き状態になったことが
後部扉全開位置検出スイッチ122によって検出される
と、その検出信号を受けたマイコン110は、先のリレ
ー回路への通電を中止して、電動機42の回転を停止さ
せる。これで、まず、後部扉20が後ろ開きした状態に
なる。
【0057】次に、ルーフ操作スイッチ141のオープ
ン側が継続して押下されていることを条件に、マイコン
110は、他のリレー回路に通電し、ルーフ駆動装置5
0の電動機52を正転させる。このままルーフ操作スイ
ッチ141のオープン側を押し続けることで電動機52
が正転し続ける。
【0058】電動機52が正転すると、電動機52の回
転力が減速機53〜出力ギア54の順に駆動アーム55
に伝わり、駆動アーム55が回動し、リヤルーフ32の
後端部を引き込む。それにより、ヒンジ部材34がベー
ス部材33を引き込み、バランスアーム57が後方へ揺
動する。それにより、図5に示すように、ルーフ30が
フロントルーフ31とリヤルーフ32とに折り畳まれな
がら後方へ移動する。
【0059】さらに、電動機52を正転し続けると、ル
ーフ30が完全に折り畳まれた状態になり、トランクル
ーム11に収容される。そして、ルーフ30が完全に収
容状態になったことがルーフ全開位置検出スイッチ12
4によって検出されると、その検出信号がマイコン11
0に送られる。これを受けたマイコン110は、先のリ
レー回路への通電を中止し、ルーフ駆動装置50の有す
る電動機52の回転を停止させる。この時点で、後部扉
20が開きかつルーフ30がトランクルームに格納され
た状態になる。
【0060】さらにルーフ操作スイッチ141のオープ
ン側を押し続けると、マイコン110は、所定のリレー
回路に通電して、今度は、トランクリッド開閉駆動装置
40の電動機42を逆転駆動する。それにより、支持ア
ーム41がヒンジ412を中心にして下方に揺動し、さ
らに、電動機42が逆転すると、支持アーム41のスト
ライカ413がロック手段60のラッチ部材62に係合
し、ロッキングプレート63がラッチ部材62を係合状
態に拘束し、後部扉20が図6に示すように、全閉状態
に拘束される。
【0061】前後して、後部扉全閉位置検出スイッチ1
21によって後部扉20が全閉したことが検出される
と、この信号を受けたマイコン110は、先のリレー回
路への通電を中止し、電動機42の駆動を停止させる。
このように、通常作動モードでは、ルーフ操作スイッチ
141のオープン側を押下し続けることで、後部扉20
を開き、全開後にルーフ30を折り畳み、その後、後部
扉20を閉じるという一連の動作が自動的に遂行され
る。
【0062】図6に示すオープン状態において、ルーフ
30をクローズ状態にする場合には、操作者はルーフ操
作スイッチ141のクローズ側を単に押下し続ければよ
い。これにより、前述のオープン動作とは、逆の順番で
各部が作動して一連のクローズ動作が行われる。すなわ
ち、まずアンロックアクチュエータ67を通電してロッ
ク手段60を拘束解除状態にした後、トランクリッド開
閉駆動装置40の電動機42を正転させて、後部扉20
を前開き状態にする。
【0063】後部扉20が前開き状態になったことが後
部扉全開位置検出スイッチ122によって検知される
と、その旨の検出信号を受けたマイコンが電動機42を
停止させ、続いて、ルーフ駆動装置50の電動機52を
逆転駆動する。
【0064】それにより、駆動アーム55がリヤルーフ
32の後端部を押し上げるようになり、ヒンジ部材34
がベース部材33を前方へ押し込み、バランスアーム5
7が前方へ揺動し、フロントルーフ31とリヤルーフ3
2とが折り畳み状態から徐々に伸展しつつ、前方へ移動
し、フロントルーフ31とリヤルーフ32とが完全に伸
展して、天井を形成するようになると、前後して、ロッ
ク手段80,90が拘束状態になる。
【0065】ルーフ全閉位置検出スイッチ123の検出
信号がマイコン110に送られると、所定のリレー回路
への通電を中止し、ルーフ駆動装置50の電動機52の
回転が停止する。
【0066】電動機52の回転が停止すると同時に、マ
イコン110は、トランクリッド開閉駆動装置40の電
動機42を逆転駆動する。それにより、支持アーム41
がヒンジ412を中心にして下方に揺動し、さらに、電
動機42が逆転すると、支持アーム41のストライカ4
13がロック手段60のラッチ部材62に係合し、ロッ
キングプレート63がラッチ部材62を係合状態に拘束
し、後部扉20が図6に示すように、全閉状態に拘束さ
れる。前後して、後部扉全閉位置検出スイッチ121か
らの検出信号がマイコン110に送られ、これを受けた
マイコン110は、電動機42の回転を停止させる。な
お、ロック手段60、80、90は、電気式のほか、手
動でも解除し得るようになっている。
【0067】次に強制作動モードについて説明する。図
12は、強制作動モードにおける処理の流れを、図13
は、通常作動モードから強制作動モードへの切り替え操
作が行われた際の各種信号波形を、図14は、強制作動
モードで後部扉20やルーフ30を作動させる際の各種
信号波形をそれぞれ示している。
【0068】図12に示すように、イグニッションキー
がオン(ステップS1201)にされてから、7秒以内
にシフトポジションがニュートラルとリバースとに5回
以上交互に切り替えられると(ステップS1202:
Y)、強制作動モードに切り替わる。
【0069】図13は、このときの信号波形を示してい
る。ING電源の波形1301は、イグニッション電源
がオンか否かを示している。NEUT SIGの波形1
302は、シフトポジションがニュートラルの位置にあ
るか否かを示している。リバース信号の波形1303
は、シフトポジションがリバースの位置にあるか否かを
示している。IND信号(インジケータ信号)の波形1
304は、作動モードが、通常作動モードと強制作動モ
ードのいずれに設定されているかを示している。IND
信号に基づいて、作動モードを通知するための表示ラン
プが点灯するようになっている。
【0070】なお、イグニッションキースイッチをオン
にしてから7秒以内に、シフトポジションがニュートラ
ルとリバースの間で5回以上切り替わらなかった場合に
は、通常作動モードに設定される(ステップS120
2;N)。またイグニッションキーをオフにすると(ス
テップS1216)、通常作動モードに切り替わる。
【0071】強制作動モードに切り替わると、トランク
リッド開閉駆動装置40の電動機42とルーフ駆動装置
50の電動機52をそれぞれ個別に希望する方向に駆動
することが可能になる。また電動機42や電動機52の
駆動方向や駆動のオンオフは、操作者の操作に基づいて
行われる。すなわち、後部扉全閉位置検出スイッチ12
1、後部扉全開位置検出スイッチ122、ルーフ全閉位
置検出スイッチ123およびルーフ全開位置検出スイッ
チ124の検出結果に依存せず、操作者の操作に基づい
て電動機42や電動機52のオンオフが制御される。
【0072】ここでは、トランクリッド開閉駆動装置4
0の電動機42とルーフ駆動装置50の電動機52のい
ずれを駆動するかを、トランクリッド閉確認スイッチ1
25のオンオフによって切り替えるようになっている。
なお、本実施の形態では、後部扉20を前開きにした状
態で、さらに後部扉20を後ろ開きにすることが可能に
なっている。また電動機42あるいは電動機52を正転
駆動するか逆転駆動するかは、ルーフ操作スイッチ14
1のオープン側を押下するかクローズ側を押下するかに
より選択する。
【0073】後部扉20が後ろ開きしていない状態で
(ステップS1205)、ルーフ操作スイッチ141の
オープン側を押下すると(ステップS1206)、押下
し続けている間、トランクリッド開閉駆動装置40の電
動機42が正転駆動される(ステップS1207)。ト
ランクリッド開閉駆動装置40の電動機42が正転する
と、電動機42の回転力が減速機43〜セクタギア44
〜出力リンク45〜連結リンク46の順番に支持アーム
41へ伝わり、支持アーム41がヒンジ412を中心に
して揺動する。それにより、支持アーム41の前端部4
1aにリフト機構47を介して支持された後部扉20の
前縁23が、跳ね上がって前開きする。
【0074】ここで電動機42の正転駆動を停止するタ
イミングは、後部扉全開位置検出スイッチ122の検出
結果に依存せず、ルーフ操作スイッチ141の操作に従
う。すなわち、操作者自身が目視により後部扉20が適
切に開いたことを確認してルーフ操作スイッチ141の
押下を止めると後部扉20の開動作が停止する。なお、
電動機42に流れる電流値を監視し、電動機42に過負
荷がかかったことを検知した際に、電動機42の駆動を
強制停止させており、安全性が高い。
【0075】後部扉20が後ろ開きしていない状態で
(ステップS1205)、ルーフ操作スイッチ141の
クローズ側を押下すると(ステップS1208)、押下
し続けている間、トランクリッド開閉駆動装置40の電
動機42が逆転駆動される(ステップS1209)。そ
れにより、支持アーム41がヒンジ412を中心にして
下方に揺動し、さらに、電動機42が逆転すると、支持
アーム41のストライカ413がロック手段60のラッ
チ部材62に係合し、ロッキングプレート63がラッチ
部材62を係合状態に拘束し、後部扉20が図6に示す
ように、全閉状態に拘束される。
【0076】ここで電動機42の逆転駆動を停止するタ
イミングは、後部扉全閉位置検出スイッチ121の検出
結果に依存せず、正転の場合と同様に、ルーフ操作スイ
ッチ141の操作に従う。すなわち、操作者自身が目視
により後部扉20が適切に閉じたことを確認してルーフ
操作スイッチ141の押下を止めると後部扉20の閉動
作が停止することになる。なお、電動機42に流れる電
流値を監視し、過負荷が検知された際に電動機42の駆
動を強制停止する。
【0077】次に、強制作動モードにおいて、ルーフ3
0を開閉させる際の動作について説明する。ルーフ30
を開閉する際には、後部扉20を後ろ開きした状態にす
る。後部扉20を後ろ開きした状態で(ステップS12
11)、ルーフ操作スイッチ141のクローズ側を押下
すると(ステップS1214)、その押下を続けている
間、ルーフ駆動装置50の電動機52が逆転駆動される
(ステップS1215)。
【0078】電動機52が逆転駆動されると、駆動アー
ム55がリヤルーフ32の後端部を押し上げるようにな
り、ヒンジ部材34がベース部材33を前方へ押し込
み、バランスアーム57が前方へ揺動し、フロントルー
フ31とリヤルーフ32とが折り畳み状態から徐々に伸
展しつつ、前方へ移動し、フロントルーフ31とリヤル
ーフ32とが完全に伸展して、天井を形成するようにな
ると、前後して、ロック手段80,90が拘束状態にな
る。
【0079】ここで電動機52の逆転駆動が停止するタ
イミングは、ルーフ全閉位置検出スイッチ123の検出
結果に依存せず、ルーフ操作スイッチ141の操作に従
う。すなわち、操作者自身が目視によりルーフ30が適
切に展開して屋根を形成したたことを確認してルーフ操
作スイッチ141の押下を止めることになる。なお、電
動機52に流れる電流値を監視し、電動機52に過負荷
がかかったことが検知された際に、電動機52の駆動を
強制停止する為、安全性が高い。
【0080】後部扉20を後ろ開きした状態で(ステッ
プS1211)、ルーフ操作スイッチ141のオープン
側を押下すると(ステップS1212)、押下し続けて
いる間、ルーフ駆動装置50の電動機52が正転駆動さ
れる(ステップS1213)。電動機52が正転する
と、電動機52の回転力が減速機53〜出力ギア54の
順に駆動アーム55に伝わり、駆動アーム55が回動
し、リヤルーフ32の後端部を引き込む。それにより、
ヒンジ部材34がベース部材33を引き込み、バランス
アーム57が後方へ揺動する。それにより、図5に示す
ように、ルーフ30がフロントルーフ31とリヤルーフ
32とに折り畳まれながら後方へ移動する。さらに、電
動機52を正転し続けると、ルーフ30が完全に折り畳
まれた状態になり、トランクルーム11に収容される。
【0081】ここで、電動機52の正転駆動が停止する
タイミングは、ルーフ全開位置検出スイッチ124の検
出結果に依存せず、逆転の場合と同様に、ルーフ操作ス
イッチ141の操作に従う。すなわち、操作者自身が目
視によりルーフ30が適切に収納されたことを確認して
ルーフ操作スイッチ141の押下を止めることになる。
なお、電動機52に流れる電流値を監視して過負荷が検
知された際に電動機52の駆動を強制停止する為、安全
性が高い。
【0082】このように、強制作動モードに切り替える
ことによって、後部扉20を駆動する電動機42とルー
フ30を駆動する電動機52とを個別にかつ指定した回
転方向に動かすことができるので、故障が発生した場合
でも手動操作への依存度を少なくすることができる。
【0083】たとえば、オープン状態からクローズ状態
に通常作動モードで変位させる際に、後部扉20が開い
た時点で動作が停止して、その先の段階に一連の処理が
進まなくなった場合には、後部扉20が全開したことを
検出する後部扉全開位置検出スイッチ122が故障の原
因である場合と、ルーフ30を駆動する電動機52の側
に故障の原因がある場合が想定される。
【0084】このとき、仮に後部扉全開位置検出スイッ
チ122が故障の原因であれば、強制作動モードに切り
替えた後、後部扉20を後ろ開きにした状態でルーフ操
作スイッチ141のオープン側を押下することで、ルー
フ30を電動で展開することができる。さらに、ルーフ
30の展開完了を目視で確認した後、後部扉20の後ろ
開きを閉じた状態に、ルーフ操作スイッチ141のクロ
ーズ側を押下することで、後部扉20を電動で閉じるこ
とができる。
【0085】通常作動モードしか設けていない場合に
は、上述のように単にセンサが故障しただけの場合で
も、残りの動作をすべて手動で行わなければならなかっ
たが、本発明では、操作者がセンサの変わりを務めるこ
とにより、後部扉20およびルーフ30の移動を電動で
行うことができる。
【0086】なお、電動機52の側に故障の原因がある
場合には、ルーフ30の展開を手動で行わなければなら
ない。しかしながら、強制作動モードを設けていること
により、後部扉20の開閉を電動で行うことができ、手
動操作への依存度を減らすことができ、使用者の負担を
軽減することができる。
【0087】以上説明した実施の形態では、イグニッシ
ョンキーをオンにした後の所定期間にシフトポジション
を、通常の操作では、まず行われることのない特別な手
順で切り替えることにより、強制作動モードへ切り替わ
るようにしたが、切り替え操作は、これに限定されるも
のではない。また、実施の形態では、切替操作部を、シ
フトポジションを検出するためのスイッチで兼用した
り、通常作動モード時のルーフ操作スイッチ141を強
制操作時の開閉スイッチに兼用したり、さらにはトラン
クリッド閉確認スイッチ125を駆動対象の電動機を切
り替えるためのスイッチに兼用したが、それぞれ専用の
スイッチを独立に設けるように構成してもよい。
【0088】また実施の形態では、可動体駆動装置を、
自動車の折畳式屋根およびこれを収納するトランクリッ
ドの開閉装置に適用したが、2以上の可動体の移動動作
を組み合わせた一連の可動体移動処理を各可動体に対応
する駆動部を予め定めた手順に従って順次作動させて実
行するような装置であればよく、自動車のルーフ開閉装
置に限定されるものではない。なお、実施の形態では、
通常作動モードにおいて後部扉20やルーフ30の一の
移動動作の完了を確認してから次の移動動作を開始させ
たが、切り替わりの際に、2つの可動体の移動動作をあ
る程度、並行して行うようにしてもよい。
【0089】
【発明の効果】本発明に係る可動体駆動装置によれば、
各可動体に対応する駆動部を予め定めた手順に従って順
次作動させることで2以上の可動体の移動動作を組み合
わせた一連の動作を行う通常作動モードと、可動体ごと
に駆動部を個別に作動させ得る強制作動モードとを切り
替え可能にしたので、一部の故障が原因で通常作動モー
ドでの一連の処理が次の段階へ進まなくなった場合で
も、強制作動モードに切り替えることで、作動可能な部
分を個別に動かすことができ、故障発生時の対処におけ
る手動操作への依存度を少なくし、使用者の負担を軽減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る可動体駆動装置の
電気的な概略構成を示す回路図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る可動体駆動装置を
適用した車両の側面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る可動体駆動装置を
適用した車両の後部の側面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る可動体駆動装置を
適用した車両の前部の側面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る可動体駆動装置を
適用した車両用後部扉の前開き状態の側面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る可動体駆動装置を
適用した車両用後部扉の閉じ状態の側面図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る可動体駆動装置を
適用した車両用後部扉の後ろ開き状態の側面図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る可動体駆動装置を
適用した車両用後部扉の開閉装置の斜視図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る可動体駆動装置を
適用した車両の有する後部扉の開閉装置を示す部分拡大
斜視図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る可動体駆動装置
を適用した車両の有するルーフの駆動装置を示す部分拡
大斜視図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係る可動体駆動装置
を適用した車両の有する後部扉のロック手段を示す平面
図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係る可動体駆動装置
を強制作動モードで動作させる際の流れを示す流れ図で
ある。
【図13】本発明の一実施の形態に係る可動体駆動装置
において作動モードを強制作動モードに切り替える際の
各部の信号波形を示す説明図である。
【図14】本発明の一実施の形態に係る可動体駆動装置
において強制作動モードで各可動体を移動させる際の各
部の信号波形を示す説明図である。
【符号の説明】
10…車体 11…トランクルーム 12…円管状フレーム 20…後部扉 22…インナーパネル 23…前縁 24…後縁 25…中間部 26…ヒンジ部材 27…アウターパネル 30…ルーフ 31…フロントルーフ 32…リヤルーフ 33…ベース部材 34…ヒンジ部材 40…トランクリッド開閉駆動装置 40a…本体 41…支持アーム 41a…前端部 41b…後端部 41c…中間部 42…電動機 43…減速機 44…セクタギア 45…出力リンク 46…連結リンク 47…リフト機構 48…ガススプリング 50…ルーフ駆動装置 51…本体 52…電動機 53…減速機 54…出力ギア 55…駆動アーム 56…ヒンジ部材 57…バランスアーム 60…ロック手段 61…ベース部材 62…ラッチ部材 63…ロッキングプレート 64…コイルばね 65…リリースレバー 67…アンロックアクチュエータ 70…ロック手段 80…ロック手段 90…ロック手段 100…制御手段 110…マイコン 121…後部扉全閉位置検出スイッチ 122…後部扉全開位置検出スイッチ 123…ルーフ全閉位置検出スイッチ 124…ルーフ全開位置検出スイッチ 125…トランクリッド閉確認スイッチ 130…ヒュージブルリンク 132…ヒューズ 141…ルーフ操作スイッチ 150…インヒビター 151…リバーススイッチ 152…ニュートラルスイッチ 161…リバースランプ 162…トランクルームランプ 225…脆弱部 255…被当接部 411…パイプ部材 412…ヒンジ 413…ストライカ 414…ストライカ 415…折曲部 416…ストッパ手段 417…当接部 471…第1リンク 472…第2リンク 473…第3リンク 474…第4リンク 481…出力ロッド 511…前ベース部材 512…後ベース部材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年8月3日(2000.8.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2以上の可動体を個別の駆動部で移動させ
    る可動体駆動装置において、 制御手段と、切替操作部と、通常操作部と、強制操作部
    とを備え、 前記制御手段は、2以上の可動体の移動動作を組み合わ
    せた一連の可動体移動処理を各可動体に対応する前記駆
    動部を予め定めた手順に従って順次作動させて実行する
    通常作動モードと、前記可動体ごとに前記駆動部を個別
    に作動させる強制作動モードのいずれかの作動モードで
    前記駆動部の動作を制御するものであり、 前記切替操作部は、前記作動モードの切り替え操作を受
    け付けるものであり、 前記通常操作部は、前記通常作動モードにおいて前記一
    連の可動体移動処理の実行指示を受け付けるものであ
    り、 前記強制操作部は、前記強制作動モードにおいて前記可
    動体ごとの動作指示を受け付けるものであることを特徴
    とする可動体駆動装置。
  2. 【請求項2】前記通常作動モードでは、所定のセンサで
    検知した各可動体の位置情報に基づいて前記一連の可動
    体移動処理を順次実行し、前記強制作動モードでは、前
    記センサの検知結果に依存せずに各駆動部を作動させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の可動体駆動装置。
  3. 【請求項3】前記強制操作部は、駆動すべき可動体を選
    択する機能と、可動体の駆動方向を選択する機能と、可
    動体を駆動する旨の指示を受け付ける機能とを有するこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の可動体駆動装
    置。
  4. 【請求項4】前記切替操作部およびまたは強制操作部
    は、他の機能を果たす既存のスイッチを兼用したもので
    あることを特徴とする請求項1、2または3に記載の可
    動体駆動装置。
  5. 【請求項5】前記切替操作部は、他の機能を果たす既存
    のスイッチを兼用したものであって、前記スイッチが予
    め定めた特定の手順で操作されたとき通常作動モードか
    ら強制作動モードへの切り替え操作が行われたものと認
    識することを特徴とする請求項1、2、3または4に記
    載の可動体駆動装置。
  6. 【請求項6】自動車に取り付ける開閉可能な折畳式屋根
    を一の可動体とし、前記折畳式屋根を折り畳んだ状態で
    格納する収納部の扉を他の一の可動体とするものである
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載
    の可動体駆動装置。
JP2000183697A 2000-06-19 2000-06-19 可動体駆動装置 Pending JP2002002294A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000183697A JP2002002294A (ja) 2000-06-19 2000-06-19 可動体駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000183697A JP2002002294A (ja) 2000-06-19 2000-06-19 可動体駆動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002002294A true JP2002002294A (ja) 2002-01-08

Family

ID=18684241

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000183697A Pending JP2002002294A (ja) 2000-06-19 2000-06-19 可動体駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002002294A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4624297B2 (ja) 車両用シート装置
JP3860146B2 (ja) 車両用自動回転収納シートシステム
JPH04289332A (ja) 荷役車両における踏み込みペダルのロック装置
JP2002002294A (ja) 可動体駆動装置
JP3828516B2 (ja) 車両用自動回転収納シートシステム
JP3598318B2 (ja) オープンルーフの作動方法及びオープンルーフの作動制御装置
JP2002002301A (ja) 挟み込み防止機構
JPH07116384A (ja) 洗濯機
JP3869396B2 (ja) 車両用自動回転収納シートシステム
JP2003106045A (ja) 車両用可動体の駆動装置
JPH11113961A (ja) 車両の車椅子用昇降装置
JP2002021400A (ja) 車両用開閉体の駆動制御装置
JP5217306B2 (ja) 車両用ロック装置
JP2001088557A (ja) 車両用可動体の駆動装置
JP4232954B2 (ja) フォークリフトのパレットロック装置
JP2002002296A (ja) 車両用ルーフのロック装置
JP3990642B2 (ja) 天蓋開閉装置付コンテナ
JPH0415551Y2 (ja)
JPH0274426A (ja) 自動車用フロントシートの回転装置
JP4062277B2 (ja) オートバックドア制御装置
JPH09136672A (ja) キャブチルト装置
JPH0592723A (ja) 開閉ルーフの駆動制御装置
JPS61139531A (ja) 三転ダンプカ−の安全装置
JPH0219011B2 (ja)
JPH09182473A (ja) モータ制御装置