JP2002001959A - 液体吐出ヘッドおよびカートリッジおよび画像形成装置ならびに液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体吐出ヘッドおよびカートリッジおよび画像形成装置ならびに液体吐出ヘッドの製造方法

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JP2002001959A
JP2002001959A JP2001108556A JP2001108556A JP2002001959A JP 2002001959 A JP2002001959 A JP 2002001959A JP 2001108556 A JP2001108556 A JP 2001108556A JP 2001108556 A JP2001108556 A JP 2001108556A JP 2002001959 A JP2002001959 A JP 2002001959A
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liquid
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JP2001108556A
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Noriyuki Ono
敬之 小野
Masaru Iketani
優 池谷
Tomoyuki Hiroki
知之 廣木
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Canon Inc
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14024Assembling head parts

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板と溝付き部材とを接合する際に、基板の
吐出エネルギー発生部や溝付き部材の損傷および変形な
どが起こる。 【解決手段】 電気熱変換体が設けられた基板と、電気
熱変換体に対応する溝およびこの溝の一端に連通する吐
出口が形成された溝付き板とを具え、この溝付き板と基
板とを接合することにより吐出口に連通する流路を形成
し、この流路から吐出口を介して液滴を吐出する液体吐
出ヘッドであって、基板の表面に相隔てて形成されてそ
の表面から突出する少なくとも2つの突起部と、これら
突起部に対応して形成され、当該突起部が係止して基板
に対する溝付き板の位置決めを行うための係止凹部とを
有し、基板の表面から突起部の上端までの高さを基板の
表面から電気熱変換体の上端までの高さよりも高く設定
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吐出口から液滴を
吐出させる液体吐出ヘッド、およびこの液体ヘッドと当
該液体ヘッドに供給される液体を貯溜する液体タンクと
をユニット化したカートリッジ、および液体ヘッドの取
り付け部を有する画像形成装置、ならびに液体吐出ヘッ
ドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液滴を吐出するための吐出エネルギー発
生部を含む微細加工部が設けられた基板と、吐出エネル
ギー発生部に対応する溝およびこの溝の一端に連通する
吐出口が形成された溝付き部材とを接合することによ
り、吐出口に連通する流路を形成し、この流路から吐出
口を介して液滴を吐出させるようにした液体吐出ヘッド
にあっては、基板と溝付き板とを正確に位置合わせした
状態でこれらを接合する必要がある。
【0003】従来、このような液体吐出ヘッドにおける
基板と溝付き部材とは、以下のような位置合わせ方法に
よって行われていた.すなわち、基板に形成された基準
となる吐出エネルギー発生素子のうち、あらかじめ設定
した基準となる吐出エネルギー発生素子を認識した後、
この基板上に溝付き部材を載せて溝付き部材を基板上で
移動させ、基準となる吐出エネルギー発生素子に相対す
る溝付き部材の溝または吐出口を非接触にて検出するこ
とにより、基板と溝付き部材との位置合わせを行った
り、あるいは、基板の側端面が当接し得る位置決めスト
ッパを溝付き部材の端部に設け、基板上に溝付き部材を
載せて溝付き部材を基板上で移動させ、溝付き部材の位
置決めストッパを基板の側端面に押し当てることによ
り、基板と溝付き部材との位置合わせを行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、画像の高精細化
への要求に応じて液体吐出ヘッドに形成される吐出口の
高密度化が進められており、これに伴って隣接する流路
の間隔や、この流路を仕切る隔壁の肉厚も極めて薄くな
って来ている。このようなことから、基板と溝付き部材
とを位置合わせする際に、これらを接触させた状態で移
動すると、基板の表面が平坦ではないため、溝付き部材
に形成された隔壁の下端が基板の表面に引っ掛かって変
形したり損傷を受け、あるいは基板表面の吐出エネルギ
ー発生素子が損傷を受ける可能性があった。
【0005】隔壁の損傷や変形が生ずると、隣接する流
路の間でのクロストークが発生したり、あらかじめ設定
した量の液滴を正確に吐出させることが困難となり、プ
リント品質の低下を招いてしまう。また、吐出エネルギ
ー発生素子が損傷を受けると、液体吐出ヘッドの耐久性
が低下したり、正常な吐出動作を行うことが困難とな
り、プリント品質の低下を同様に招いてしまう。
【0006】また、基板上には吐出エネルギー発生素子
以外の微細加工が施されているため、これらの微細加工
部分が損傷を受けたり、変形を起こすと、やはり液体吐
出ヘッドの耐久性が低下したり、正常な吐出動作を行う
ことが困難となってプリント品質の低下を招くこととな
る。
【0007】このような不具合は、吐出口の高密度化に
伴って増大する傾向にあり、表面が平坦ではない基板に
対して溝付き板の下端を摺接させずに容易かつ迅速に位
置合わせできるようにすることが望まれる。
【0008】更に米国特許No.5992981に開示
されている基板上の吐出エネルギー発生素子と溝付き部
材の吐出ノズルの位置合せをする方法においても、微細
加工部が損傷する危険があった。
【0009】即ち基板の吐出エネルギー発生素子の外側
に設けた突起部の高さと、その突起部に対応する溝付き
部材の流路の外側に設けた凹部を形成する測壁の高さの
和が、流路を形成する測壁の高さよりも高く設定しない
と、測壁の先端が微細加工部に損触する可能性があっ
た。
【0010】あるいは、前記エネルギー発生素子を有す
る基板の形状により、前記エネルギー発生素子を有する
基板と前記流路を有する部材とを位置合わせ時に、暴れ
ないように外部から外力を加えなくてはならない場合が
ある。その場合、前記流路を有する部材の前記突起部を
受けている部分が、前記外力により変形を起こし前記エ
ネルギー発生素子を有する基板と前記流路を有する部材
との位置合わせ時にそれぞれ移動させる際に抵抗となっ
てしまい前記エネルギー発生素子を有する基板上の前記
突起部の強度が必要となったり、必要以上に位置合わせ
の移動力を上げる必要があり位置合わせ精度を悪くする
可能性がある。
【0011】本発明の第1の目的は、基板と溝付き部材
とを接合する際に基板の吐出エネルギー発生部や溝付き
部材の損傷および変形などを招くことなく、高精度な位
置合わせを容易に行い得る液体吐出ヘッドを提供するこ
とにある。
【0012】本発明の第2の目的は、このような液体吐
出ヘッドと、当該液体吐出ヘッドに供給されるインクを
貯溜する液体タンクとをユニット化したカートリッジを
提供 することにある。
【0013】本発明の第3の目的は、かかる液体吐出ヘ
ッドの取り付け部を有し、プリント媒体に画像を形成す
るための画像形成装置を提供することにある。
【0014】本発明の第4及び第5の目的は、このよう
な液体吐出ヘッドの製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、下記の各項(1)〜(17)のいずれかに示す液
体吐出ヘッドまたはカートリッジまたは画像形成装置ま
たは液体吐出ヘッドの製造方法を提供することにより、
前記目的を達成しようとするものである。
【0016】(1)それぞれ液滴を吐出するための吐出
エネルギー発生部を含む微細加工部が設けられた基板
と、前記吐出エネルギー発生部に対応する溝およびこれ
ら溝の一端にそれぞれ連通する吐出口が形成された溝付
き部材とを具え、この溝付き部材の前記溝が形成された
面を前記基板に押し当ててこれらを接合することにより
前記吐出口にそれぞれ連通する流路を形成し、前記吐出
エネルギー発生部に対応した前記流路から前記吐出口を
介して液滴を吐出させるようにした液体吐出ヘッドであ
って、前記基板の表面に相隔てて形成されて前記基板の
表面から突出する少なくとも2つの突起部と、これら突
起部に対応して形成され、当該突起部が係止して前記基
板に対する前記溝付き部材の位置決めを行うための係止
凹部とを有し、前記突起部の流路配列方向の幅が流路間
隔よりも大きく設定され、前記基板の表面から前記突起
部の上端までの高さが前記基板の表面から前記微細加工
部の上端までの高さよりも高く、更に前記係止凹部を形
成する溝壁の流路天井面からの高さと、突起部の高さ
と、の和は、流路を形成する溝壁の流路天井面からの高
さよりも大きく、設定されていることを特徴とする液体
吐出ヘッド。
【0017】(2)前記突起部は、前記吐出エネルギー
発生部の配列方向に沿ってこれらの両端側に形成されて
いることを特徴とする前記(1)項に記載の液体吐出ヘ
ッド。
【0018】(3)前記溝付き部材は、前記吐出口と反
対側の前記溝の後端に連通して液体が供給される共通液
室となる凹部が形成され、この凹部の内壁の一部が前記
係止凹部として機能することを特徴とする前記(1)項
に記載の液体吐出ヘッド。
【0019】(4)前記突起部の前記上端が前記基板の
表面とほぼ平行な平面を有することを特徴とする前記
(1)項から(3)項の何れかに記載の液体吐出ヘッ
ド。
【0020】(5)前記吐出エネルギー発生部は、液体
に膜沸騰を生じさせて前記吐出口から液体を吐出させる
ための熱エネルギーを発生する電気熱変換体を有するこ
とを特徴とする前記(1)項から(4)項の何れかに記
載の液体吐出ヘッド。
【0021】(6)それぞれ液滴を吐出するための吐出
エネルギー発生部を含む微細加工部が設けられた基板
と、前記吐出エネルギー発生部に対応する溝およびこれ
ら溝の一端にそれぞれ連通する吐出口が形成された溝付
き部材とを有し、この溝付き部材の前記溝が形成された
面を前記基板に押し当ててこれらを接合することにより
前記吐出口にそれぞれ連通する流路を形成し、前記吐出
エネルギー発生部に対応した前記流路から前記吐出口を
介して液滴を吐出させるようにした液体吐出ヘッドと、
この液体吐出ヘッドに供給される液体を貯溜する液体タ
ンクとを具えたカートリッジであって、前記基板の表面
に相隔てて形成されて前記基板の表面から突出する少な
くとも2つの突起部と、これら突起部に対応して形成さ
れ、当該突起部が係止して前記基板に対する前記溝付き
部材の位置決めを行うための係止凹部とを有し、前記基
板の表面から前記突起部の上端までの高さが前記基板の
表面から前記微細加工部の上端までの高さよりも高く設
定されていることを特徴とするカートリッジ。
【0022】(7)前記液体タンクは、前記液体吐出ヘ
ッドに対して着脱可能に装着されることを特徴とする前
記(6)項に記載のカートリッジ。
【0023】(8)液体は、インクおよびプリント媒
体、またはインクもしくはプリント媒体に吐出されるこ
のインクのプリント性を調整する処理液であることを特
徴とする前記(6)項または(7)項に記載のカートリ
ッジ。
【0024】(9)それぞれ液滴を吐出するための吐出
エネルギー発生部を含む微細加工部が設けられた基板
と、前記吐出エネルギー発生部に対応する溝およびこれ
ら溝の一端にそれぞれ連通する吐出口が形成された溝付
き部材とを有し、この溝付き部材の前記溝が形成された
面を前記基板に押し当ててこれらを接合することにより
前記吐出口にそれぞれ連通する流路を形成し、前記吐出
エネルギー発生部に対応した前記流路から前記吐出口を
介して液滴を吐出させるようにした液体吐出ヘッドの取
り付け部を具えた画像形成装置であって、前記基板の表
面に相隔てて形成されて前記基板の表面から突出する少
なくとも2つの突起部と、これら突起部に対応して形成
され、当該突起部が係止して前記基板に対する前記溝付
き部材の位置決めを行うための係止凹部とを有し、前記
基板の表面から前記突起部の上端までの高さが前記基板
の表面から前記微細加工部の上端までの高さよりも高く
設定されていることを特徴とする画像形成装置。
【0025】(10)前記液体吐出ヘッドの取り付け部
は、前記液体吐出ヘッドから液体が吐出されるプリント
媒体の搬送方向と交差する方向に走査移動可能なキャリ
ッジを有することを特徴とする前記(9)項に記載の画
像形成装置。
【0026】(11)前記液体吐出ヘッドは、着脱手段
を介して前記キャリッジに対して着脱自在に搭載される
ことを特徴とする前記(10)項に記載の画像形成装
置。
【0027】(12)それぞれ液滴を吐出するための吐
出エネルギー発生部を含む微細加工部が設けられた基板
と、前記吐出エネルギー発生部に対応する溝およびこれ
ら溝の一端にそれぞれ連通する吐出口が形成された溝付
き部材とを有し、この溝付き部材の前記溝が形成された
面を前記基板に押し当ててこれらを接合することにより
前記吐出口にそれぞれ連通する流路を形成し、前記吐出
エネルギー発生部に対応した前記流路から前記吐出口を
介して液滴を吐出させるようにした液体吐出ヘッドの製
造方法であって、前記基板の表面から前記微細加工部の
上端までの高さよりも高く前記基板の表面から上端が突
出する少なくとも2つの突起部を相隔てて形成するステ
ップと、これら突起部が係止して前記基板に対する前記
溝付き部材の位置決めを行うための係止凹部を当該突起
部に対応して前記溝付き部材に形成するステップと、前
記突起部の前記上端に前記溝付き部材を載せるステップ
と、前記突起部の前記上端に沿って前記溝付き部材を移
動し、前記係止凹部を前記突起部に落とし込んで前記基
板に対する前記溝付き部材の位置決めを行うステップと
を具えたことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
【0028】(13)前記溝付き部材の移動は、前記基
板の表面に対してほぼ平行な力を前記溝付き部材に付与
することによって行われることを特徴とする前記(1
2)項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【0029】(14)前記突起部に対する前記係止凹部
の落とし込みは、前記溝付き部材の自重を利用して重力
により行われることを特徴とする前記(12)項または
(13)項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【0030】(15)エネルギー発生素子を有する基板
と流路を有する部材とから構成される液体吐出ヘッド
で、前記エネルギー発生素子を有する基板上に突起部を
設け、前記溝付き部材と前記エネルギー発生素子を有す
る基板との位置合わせを行う際、前記溝付き部材が前記
エネルギー発生素子を有する基板上の前記突起部を移動
し、位置合わせを行う液体吐出ヘッドの製造方法におい
て、前記エネルギー発生素子を有する基板を前記溝付き
部材に供給する際、あるいは前記溝付き部材に前記エネ
ルギー発生素子を有する基板を供給する際の何れの場合
においても、前記エネルギー発生素子の並び方向(以
下、幅方向とする。)の寸法は、前記位置合わせの終了
の位置から離れた供給のねらい位置に前記ねらい位置に
おける供給精度を含めた最大のオフセット量以上とす
る。さらに、前記突起部の幅寸法以上の寸法をもち、か
つ液の吐出方向の前記エネルギー発生素子を有する基板
と前記溝付き部材の供給精度を含めた最大のオフセット
量以上の長さの凹部を前期溝付き部材に設けることを特
徴とする前記液体吐出ヘッドの製造方法。
【0031】(16)前記溝付き部材を前記ねらい位置
に供給する際、基板の前記突起部と接する前記溝付き部
材の部分を変形可能な材料で生成することを特徴とする
前記(15)項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【0032】(17)前記溝付き部材と前記基板を前記
位置合わせする際、前記溝付き部材が所定位置から大幅
にずれないようにクランプによる荷重を負荷ことを特徴
とする前記(15)項に記載の液体吐出ヘッドの製造方
法。
【0033】
【発明の実施の形態】
【0034】
【実施例】(実施例1)本発明をインクジェット方式の
ものに応用した実施例について、図1〜図15を参照し
ながら詳細に説明するが、本発明はこのような実施例に
限らず、これらをさらに組み合わせたり、この明細書の
特許請求の範囲に記載された本発明の概念に包含される
べき他の技術にも応用することができる。
【0035】本実施例によるインクジェットヘッドの外
観を図1に示し、吐出口板を省略した状態におけるその
正面形状を図2に示し、基板の平面形状を図3に示し、
溝付き部材の裏面形状を図4に示す。すなわち、本実施
例におけるインクジェットヘッド10は、エッチング法
や、蒸着法や、あるいはスパッタリング法などの半導体
製造プロセスを経て、本発明の吐出エネルギー発生部と
しての電気熱変換体11が所定間隔で一直線状に配列す
る基板12と、この基板12との接合により形成される
流路13を仕切るための溝壁14が所定間隔で形成され
た溝付き板15とで主要部が構成されている。
【0036】電気熱変換体11の配列方向に沿った基板
12の表面の両端側には、電気熱変換体11よりも上方
に突出する一対の突起部16が形成されている。これら
一対の突起部16の上端は、基板12の表面と平行な平
面17を有し、基板12の表面から突起部16の上端ま
での高さは、基板12の表面から電気熱変換体11の上
端までの高さよりも高く設定されている。また、電気熱
変換体11の配列方向に沿った突起部16の幅寸法は、
流路13を形成する一対の溝壁14の間隔よりも大きく
設定されている。これにより、流路13となる部分に突
起部16が入り込むのを防止することができる。
【0037】前記溝付き板15は、上述した溝壁14の
他に、これら溝壁14によって仕切られる各々の流路1
3に連通して共通液室18となる液室枠19と、液体を
蓄えた図示しない液体タンクから図示しない液体供給管
を介して共通液室18に液体を導入するための液体供給
ポート20と、この溝付き板15に一体的に形成されて
流路13に連通する吐出口21を所定間隔で一直線状に
形成した吐出口板22と、基板12の突起部16に対応
して溝壁14の配列方向に沿ったその両端部に形成され
る一対の係止凹部23とを有する。これら一対の係止凹
部23は、前記突起部16をそれぞれ収容し得る大きさ
を有しており、突起部16が係止凹部23に収容された
状態において、基板12と溝付き板15との位置決めが
なされた状態となる。
【0038】なお、一定間隔で形成した溝壁14を切除
することにより、この部分を係止凹部23とすることも
可能であり、本実施例ではこれら係止凹部23よりも外
側に形成した溝壁によって形成される流路と共に、電気
熱変換体11が介在しないダミー用の流路を形成してい
る。
【0039】液体は、図示しない液体タンクおよび液体
供給管を介して液体供給口20から共通液室18内に供
給され、毛細管現象により流路13内に引き込まれ、各
流路13の先端の吐出口21にて表面張力によるメニス
カスを形成し、各流路13内にて安定に保持される。こ
こで、各流路13内にそれぞれ臨む電気熱変換体11に
通電することにより、電気熱変換体11の上に介在する
液体が加熱され、瞬間的に沸騰して成長する気泡の圧力
により、吐出口21から所定量の液滴が吐出される。
【0040】ところで、射出成形によって製造される溝
付き板15は、その製造時において、形状に依存した残
留熱応力により反ってしまう場合がある。このような溝
付き板15を基板12の突起部16に載せた場合、溝付
き板15の中央部に位置する溝壁14の下端が基板12
の電気熱変換体11にぶつかってしまうおそれが生ず
る。
【0041】このような不具合を解消するため、基板1
2の表面から突起部16の上端までの高さを基板12の
表面から電気熱変換体11の上端までの高さよりも高く
設定する必要がある。これを具体的に説明すると、図5
に示すように、溝付き板15の中央部が基板12側に突
出するような変形状態において、この溝付き板15の変
形量、つまり反りの大きさをΔX,基板12の表面から
の電気熱変換体11の高さをhとすると、突起部16の
高さHは、 H≧ΔX+h を満たす必要がある。
【0042】しかしながら、上の不等式において右辺と
左辺とが等しい場合、溝壁14の下端が突起部16に載
った状態でも位置がずれていると、電気熱変換体11と
溝壁14の下端とが接触状態となるため、実際にはこれ
らの間に、例えば0.005mm程度のクリアランスCを
設ける必要がある。つまり、 H=ΔX+h+C を満たすように、突起部16の高さHを設定すればよ
い。このように、本実施例では基板12から電気熱変換
体11のみが突出していることを想定しているが、この
電気熱変換体11の上端よりもさらに基板12の表面か
らの突出量が大きな他の微細加工部が基板12に形成さ
れている場合には、この微細加工部の上端から基板12
の表面までの距離をhとして設定すればよい。
【0043】次に、このようなインクジェットヘッド1
0の組み立て手順につき、図6〜図8を参照して説明す
る。すなわち、基板12上の予め設定した基準となる電
気熱変換体11を画像処理などを利用した非接触方式、
あるいは接触方式で認識し、この電気熱変換体11の位
置を基準として溝付き板15を図6に示すように基板1
2の上に載せる。この状態では、突起部16の上端の平
面17上に溝付き板15の溝壁14の下端が乗り上げた
状態であり、溝壁14の下端と電気熱変換体11との間
には隙間が形成される。この状態から、溝付き板15を
電気熱変換体11の配列方向に沿って図6中、左側に移
動し、図7に示すように突起部16の上端の平面17に
沿って溝付き板15の溝壁14の下端を摺動させる。こ
のようにして溝付き板15が所定量移動すると、溝付き
板15の溝壁14の下端が突起部16の上端から外れ、
図8に示すように基板12の突起部16が溝付き板15
の係止凹部23に入り込み、溝付き板15の溝壁14の
下端が基板12の表面に当接した状態となる。その後、
さらに溝付き板15を移動し、隣接する溝壁14の中央
に電気熱変換体11が位置するように(図2参照)、基
板12に対する溝付き板15の位置を微調整した後、こ
れらを図示しないばねクリップまたは接着剤などを用い
て一体的に固定する。
【0044】ところで、係止凹部23の深さを突起部1
6の高さHよりも深くする必要があることは当然である
が、電気熱変換体11の上にさらに保護層や吐出性能の
向上のための微細加工が施されている場合には、突起部
16の高さHをこの微細加工の厚み分だけさらに高く設
定する必要がある。また、突起部16の上端から溝付き
部材15の溝壁14の下端がずれ落ちた場合、この溝壁
14の下端が電気熱変換体11に乗り上げないように、
突起部16とこれに隣接する電気熱変換体11との位置
関係を規定しておく必要もある。これに関し、図9を用
いて説明すると、図中の符号でP1は流路13の間隔、
つまり電気熱変換体11の配列間隔であり、P2は突起
部16とこの突起部16に隣接する電気熱変換体11と
の間の間隔、wは電気熱変換体11の幅寸法、θは係止
凹部23を仕切る溝壁の傾斜角、m1は係止凹部23に
臨む溝壁の下端の幅寸法、m2は溝壁14の下端の幅寸
法であり、上述したように突起部16の上端から溝付き
部材15の溝壁14の下端がずれ落ちた場合、この溝壁
14の下端が電気熱変換体11に乗り上げないようにす
るためには、 0<P1−m2+m1+(H−h)tanθ−(P2+w/2)≦
(P1−w−m2)/2 を満たす必要がある。
【0045】また、上述した電気熱変換体11の上方に
保護層や吐出性能向上などを目的とした微細加工部、例
えばリード弁が設けられている場合、基板12の表面か
らリード弁の上端までの高さを考慮して設定する必要が
ある。このような微細加工部が形成された本発明の基板
の他の実施例の外観を図10に模式的に示すが、先の実
施例と同一機能の部材にはこれと同一符号を記すに止
め、重複する説明は省略するものとする。すなわち、微
細加工部11aは、電気熱変換体11の上に積層した状
態で形成されており、この微細加工部11aの上端から
基板12の表面までの高さhは、基板12の表面からの
電気熱変換体11の上端までの突出高さよりも高くなっ
ている。従って、この場合には微細加工部11aの上端
から基板12の表面までの高さ寸法をhとして採用す
る。また、この微細加工部11aの幅寸法w1が電気熱
変換体11の幅寸法w2よりも小さい場合、上述したw
を電気熱変換体11の幅寸法w2とし、逆に微細加工部
11aの幅寸法w1が電気熱変換体11の幅寸法w2以上
ある場合には、wを微細加工部11aの幅寸法w1に設
定する。
【0046】このように、微細加工部11aが電気熱変
換体11よりも基板12の表面からさらに突出している
場合には、上述したhを基板12の表面から微細加工部
11aの上端までの高さに設定し、また、wを微細加工
部11aおよび電気熱変換体11の幅寸法w1,w2の大
きい方に設定すればよい。
【0047】なお、流路13の長手方向に沿った基板1
2と溝付き板15との前後方向の位置合わせは、溝付き
板15の吐出口板22を基板12に押し当てることによ
って行う。
【0048】このように、図6に示す状態から図2に示
す状態まで溝付き板15を移動する場合、溝付き板15
を基板12側に押し付ける必要がなく、溝付き板15を
基板12の表面に沿ってこれと平行に移動させるだけで
よく、しかもこの場合には電気熱変換体11に対して溝
付き板15の溝壁14の下端が全く当接しないので、電
気熱変換体11の損傷を確実に防ぐことができる上、溝
壁14の下端の損傷あるいは変形を最小限に止めること
ができる。
【0049】上述した実施例では、一対の突起部16と
係止凹部23とで電気熱変換体11の配列方向に沿った
基板12と溝付き板15との位置合わせを行うようにし
たが、相互に相隔てた3つ以上の突起部16および係止
凹部23を用いてこれらの位置合わせを行うようにして
もよい。
【0050】(実施例2)このような本発明による液体
吐出ヘッドの第2の実施例における基板の平面形状を図
11、図13に示し、これらと対応する溝付き板の裏面
形状をそれぞれ図12、図14に示すが、第1の実施例
と同一機能の要素には、これと同一符号を記すに止め、
重複する説明は省略するものとする。すなわち、図11
および図12に示す実施例では、液体供給ポート20を
挟んで溝壁14の反対側に位置する液室枠19の一部を
切り欠き、ここを係止凹部24として機能させると共に
この係止凹部24に嵌合し得る突起部25を基板12の
表面に形成している。
【0051】これにより、基板12上に溝付き板15を
載せた場合、溝付き板15が3つの突起部16、25に
て支持された状態となり、先の実施例よりも安定して溝
付き板15の移動を行うことができる。また、位置合わ
せ個所が3個所になっているため、溝壁14の長手方向
に沿った軸線に対する基板12と溝付き板15との傾き
を先の実施例よりも少なくすることが可能であり、より
正確な位置合わせをさらに容易に行うことができる。
【0052】(実施例3)また、図13および図14に
示す実施例では、上述した係止凹部24および突起部2
5を電気熱変換体11の配列方向に沿ってそれぞれ一対
設けたものであり、先の実施例よりもより正確な位置合
わせを行うことができる。
【0053】図11〜図14に示した何れの実施例にお
いても、基板12に形成された突起部16,25と溝付
き板15に形成された係止凹部23,24とが正規に嵌
合し合う位置に移動させても、溝壁14の下端が基板1
2の電気熱変換体11に接触するような不具合は発生し
ない。ちなみに、本実施例で用いた基板12は、15mm
×4mmの寸法を持つ矩形のものである。
【0054】(実施例4)以下に本発明の第4の実施例
を示す。
【0055】図15は、本発明のインクジェットプリン
トヘッドの製造方法において、エネルギー発生素子を有
する基板上に設ける突起部の寸法の規定方法を示す模式
図である。
【0056】図中の12は、エネルギー発生素子を有す
る基板、15は流路を有する溝付き板の断面、16は前
記エネルギー発生素子を有する基板12上の突起部を示
す。また、dは前記エネルギー発生素子を有する基板1
2と前記流路を有する溝付き板との供給時におけるオフ
セット量、Δdは供給時のバラツキ、Wは前記エネルギ
ー発生素子を有する基板12上の突起部のエネルギー発
生素子の並び方向の幅を示す。
【0057】(a)は、前記エネルギー発生素子を有す
る基板12と流路を有する溝付き板15とが位置合わせ
が終了する位置関係にある場合を示す。つまりオフセッ
ト量は0である。
【0058】(b)は、前記エネルギー発生素子を有す
る基板12と前記流路を有する溝付き板15を供給時に
(a)の位置よりオフセット量dだけずらして供給した
関係を示す。その際、装置精度および部品精度などによ
り供給位置にバラツキが生ずる。その供給精度を±Δd
とし、これらの値より前記エネルギー発生素子を有する
基板12上の前記突起部16の幅寸法Wは以下の関係と
する。
【0059】W≧d+|Δd| (c)は、上記の式を満足する幅寸法Wを持った前記突
起部16を設けたエネルギー発生素子を有する基板12
と前記流路を有する溝付き板15のオフセット量dにし
た供給時の位置関係を示している。なお、(c)は供給
精度Δd=0としてある。
【0060】(d)は、供給精度Δdだけ図中右方向に
前記エネルギー発生素子を有する基板12がずれて供給
された場合を示す。その場合、前記突起部16の図中左
側端面はW=d+|Δd|の場合、前記流路を有する溝
付き板15の前記突起部16の前記受け面4が位置合わ
せ時の移動方向側にはみ出ないようになる。本実施例で
は、位置合わせ時の移動方向は、前記エネルギー発生素
子を有する基板12を図中左方向に移動させるものとす
る。なお、前記流路を有する溝付き板15を図中右方向
に移動させるのも問題なく、部品形状および装置構成と
を加味した上でどちらを選択しても何ら問題はない。
【0061】(e)は、前述の(d)の場合に対し、供
給精度Δdだけ図中左方向に前記エネルギー発生素子を
有する基板12がずれて供給された場合を示す。この場
合でも、前述(d)同様前記突起部16を前記流路を有
する溝付き板15の前記受け面4が受けることとなる。
【0062】なお、本実施例では前記流路を有する溝付
き板15に対し前記エネルギー発生素子を有する基板1
2を供給したが、部品形状および装置構成などによりど
ちらを基準に供給してもよい。
【0063】また、図16は溝付き板15の裏面形状を
示しており前記突起部16の前記受け面4の吐出方向の
凹部の寸法規定方法を示す模式図である。図中の5は、
前記受け面4の吐出方向側の凹部である。また、L1は
前記凹部5の流路の並び方向の幅寸法、L2は前記凹部
5の吐出方向の長さ寸法を示す。
【0064】L1は、前記突起部16の幅寸法W以上で
あり、以下の関係となるようにする。
【0065】L1≧W また、前記エネルギー発生素子を有する基板12と前記
流路を有する溝付き板15との供給時に流路部の並び方
向にオフセットして供給を行うのと同様に、吐出方向の
寸法は、吐出方向のオフセット量と供給時の吐出方向の
供給精度の絶対量の合計以上とする。
【0066】よって図15同様、吐出方向においても、
供給時のバラツキの範囲で前記突起部16の吐出方向側
の端面が前記受け面4と前記凹部5の境界面より吐出方
向と反対側には行かないような関係となる。
【0067】図17は、前述の前記突起部16が前記エ
ネルギー発生素子を有する基板12と前記流路を有する
溝付き板15を流路部の並び方向および吐出方向にオフ
セットして供給し、供給精度が最大限ずれた場合の前記
受け面4と前記突起部16の位置関係を示す模式図であ
る。図より分かるように、前記突起部16の幅寸法をW
=d+|Δd|とし、図16のL1≧W、L2=Wとし
た場合、前記エネルギー発生素子を有する基板12が前
記流路を有する溝付き板15に対しオフセットした供給
位置が供給精度内で図中の右方向および吐出方向と反対
側にずれた場合(図中の矢印方向)においても前記突起
部16の2辺は前記受け面4の端部より下がっていない
ことが分がる。このように、前記突起部16がオフセッ
トして供給した場合に、前記受け面4より前記突起部1
6がオフセット方向に行きすぎないようにし、かつ前記
受け面4の吐出方向側の前記凹部5の幅寸法が前記突起
部16の幅寸法と同じかあるいはそれ以上に広く設定す
る。
【0068】なお、本実施例においては、供給時のオフ
セット量を0.075mmとし供給精度は±0.025
mmであったため、W≧0.1mmとなりW=0.12
mmと設定した。また、前記凹部5におけるL1はL1
=0.15mmとしL2=0.12mmと設定した。
【0069】(実施例5)以下に本発明の第5の実施例
を示す。
【0070】図18は、本発明のインクジェットプリン
トヘッドの製造方法において、エネルギー発生素子を有
する基板12と流路を有する溝付き板15を前記第4の
実施例同様に供給し位置合わせを行う場合の流路を有す
る溝付き板15の変形およびその時の移動原理を説明す
る模式図である。
【0071】本実施例においては、前記エネルギー発生
素子を有する基板12に対し、前記流路を有する溝付き
板15を供給する場合のみを記す。しかし、エネルギー
発生素子を有する基板あるいは流路を有する溝付き板1
5の何れを基準に供給しても何ら問題はない。
【0072】(a)は、前記エネルギー発生素子を有す
る基板12に対し、前記流路を有する溝付き板15を供
給し、前記突起部16の上に前記流路を有する溝付き板
15の受け面4が乗っている。
【0073】その際、前記受け面4は前記突起部16の
図中左側端面と同一面上か、あるいは必ず図中右側に位
置する。この状態で位置合わせを行う際、前記流路を有
する溝付き板15が移動時に暴れないように前記流路を
有する溝付き板15の上方より荷重を加えてクランプす
る。
【0074】(b)は、荷重を加えてクランプした際、
前記流路を有する部材が樹脂などの比較的柔らかい材料
で構成されている場合、図に示すように前記突起部16
を受けている前記受け面4が変形する。
【0075】(c)は、(b)の前記受け面4が変形を
起こした状態で位置合わせを行う場合を示す。前記受け
面4が変形した状態で図中左側に示す矢印方向に前記流
路を有する溝付き板15を移動させ前記エネルギー発生
素子を有する基板12の基準となる位置(図中非表示)
に前記流路を有する溝付き板15の基準位置(図中非表
示)が合うように移動させる。
【0076】(d)は、(c)の移動時の概略を示す。
前記受け面4が変形を起こした状態で矢印方向に前記流
路を有する溝付き板15を移動させる際、前記受け面4
が(a)の供給時に前記突起部16の図中左側端面が前
記受け面4の図中左側端面より移動方向と逆側に出てい
るため、前記受け面4が前記流路を有する部材の上方か
ら荷重を加えられて変形を起こし、前記受け面4に食い
込んだ場合にも移動方向には移動時に支障となる前記受
け面4の未変形部がないためスムーズに移動することが
できる。
【0077】なお、図中では図示してないが前記流路を
有する溝付き板15を前記エネルギー発生素子を有する
基板12の吐出方向端面への位置合わせも行う必要があ
るため、前記流路を有する溝付き板15を紙面上空から
紙面に向かって移動させる。しかし、前記受け面4の吐
出方向には凹部(図中非表示)が存在するため、前述同
様移動方向に支障となる前記受け面4の未変形部がな
く、スムーズに移動することが可能である。
【0078】また、凹部の深さは前記流路を有する溝付
き板15の材質および荷重により前記受け面4の変形量
よりも深くする必要がある。ただし、その際前記受け面
4の変形量に対し前記突起部16の高さおよび前記流路
を有する溝付き板15のそりなどの変形量に応して荷重
の調整あるいは、前記突起部16の高さの調整は必要で
ある。また、前記エネルギー発生素子を有する基板12
の表面に微細加工が施されている場合には、前記微細加
工部の高さも考慮に入れる必要がある。
【0079】なお、本実施例では前記エネルギー発生素
子を有する基板12の表面に高さ0.01mmの微細加
工を施し、また前記流路を有する溝付き板15のそりが
前記エネルギー発生素子を有する基板側に凸に0.01
mm、供給時のクランプ荷重を130g、位置合わせ移
動時のクランプ荷重を40g、突起部の幅寸法を0.1
2mm、突起部の高さ寸法を0.035mm、凹部の幅
寸法を0.15mm、長さを0.12mm、深さを0.
024mm、供給位置のオフセット量を0.075m
m、供給精度を±0.025mm、前記流路を有する溝
付き板15の材質は樹脂として行った。その結果、前記
受け面4の変形量は供給位置のバラツキ範囲(±0.0
25mm)で0.001から0.007mmであり、位
置合わせ移動時のクランプ荷重40gではほとんど測定
不可能な変形であり凹部の深さおよび移動もスムーズに
行うことができ、位置合わせ精度も±0.003mmと
なった。
【0080】また、本実施例においては荷重を前記流路
を有する溝付き板15の上方より加えたが供給方法や装
置構成などにより前記エネルギー発生素子を有する基板
12の裏面方向から加えても何ら問題はない。また、位
置合わせ方法は画像処理などの非接触方法により前記エ
ネルギー発生素子を有する基板および前記流路を有する
溝付き板15の基準となる位置を認識し、両者の基準が
一致する位置まで移動させる方法あるいは、前記エネル
ギー発生素子を有する基板12の側面を前記流路を有す
る溝付き板15の基準面に突き当てる方法、さらには、
前記エネルギー発生素子を有する基板12上に設けた前
記突起部16を前記流路を有する溝付き板15の基準に
突き当てる方法など、従来から行われている位置合わせ
方法のどれを用いてもよい。
【0081】上述したようなインクジェットヘッド10
を用いた本発明によるカートリッジの一実施例の外観を
図19に示す。すなわち、本実施例におけるカートリッ
ジ30は、シリアルタイプのものであり、インクジェッ
トヘッド10と、液体供給管31と、インクなどの液体
を収容する液体タンク32と、この液体タンク32内を
密閉する蓋部材33とで主要部が構成されている。
【0082】液体を吐出するための多数の吐出口21が
形成されたインクジェットヘッド10は、先の図1〜図
18に示した実施例に対応したものであり、液体は、液
体タンク32から液体供給管31を介して溝付き板15
と基板12とで形成される図示しない共通液室へと導か
れるようになっている。
【0083】本実施例におけるカートリッジ30は、イ
ンクジェットヘッド10と液体タンク32とを一体的に
形成したものであるが、このインクジェットヘッド10
に対し、液体タンク32側を交換可能に連結した構造を
採用するようにしても良い。
【0084】上述したカートリッジ30が搭載される本
発明によるインクジェット装置の一実施例の外観を図2
0に示す。すなわち、41はキャリッジ42を図中、矢
印a, b方向に案内する案内軸、43は送りねじ軸44
に形成されている螺旋溝であり、キャリッジ42は送り
ねじ軸44の正逆回転に従って案内軸41に沿い矢印
a, b方向に走査移動する。そして、移動しながらキャ
リッジ42に搭載されたカートリッジ30のインクジェ
ットヘッド10により、プリント媒体としてのプリント
用紙Pのプリント領域にプリントが行われる。
【0085】45はキャリッジ駆動モータ、46, 47
はキャリッジ駆動モータ45の駆動力を送りねじ軸44
に伝達するためのギヤ、48はプリント用紙Pをプラテ
ン49に向けて押付けているシート押え板である。ま
た、本実施例ではインクジェット装置の開口部50を有
すると共にインクジェットヘッド10の吐出口板22
(図1参照)を覆蓋するキャップ部材51と、このキャ
ップ部材51に連結されると共に回復動作時にキャップ
部材51を介してインクジェットヘッド10から液体を
吸引する吸引手段52と、さらに回復動作の前後などに
使用されるクリーニングブレード53と、キャップ部材
51を支持する支持部材54とを具えており、クリーニ
ングブレード53はその支持部材55を介して矢印方向
に移動させられ、インクジェットヘッド10の吐出口板
22の表面を掃拭する。
【0086】56は、ギヤ57およびカム58を介して
吸引手段52を駆動するためのレバーであり、これらレ
バー56とギヤ57とカム58とで伝達手段を構成す
る。そして、吸引動作時にはキャリッジ駆動モータ45
により図示しないクラッチ切換手段およびこの伝達手段
を介して吸引手段52へその駆動力が伝達される。ま
た、59, 60は、キャリッジ42のホームポジション
を検知するためのフォトカプラであり、キャリッジ42
に設けられた突出レバー61の光路遮断により、ホーム
ポジションが検知され、キャリッジ駆動モータ45の正
逆回転方向の切り換えなどが行われる。
【0087】なお、本実施例ではこれらのキャッピン
グ, クリーニング, 吸引回復は、キャリッジ42がホー
ムポジション側の領域に来た時に送りねじ軸44の作用
によって、それらの対応位置で所望の処理が行えるよう
に構成されているが、周知のタイミングで所望の作動を
行うように構成されるものであれば、どのような構成で
あってもよい。
【0088】また、本発明は、液体の吐出を行わせるた
めに利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生す
る手段(例えば、電気熱変換体やレーザ光など)を具
え、この熱エネルギーにより液体の状態変化を生起させ
るインクジェット方式の液体吐出ヘッドや、カートリッ
ジ、あるいは画像形成装置において優れた効果をもたら
すものである。かかる方式によれば、プリントの高密度
化および高精細化が達成できるからである。
【0089】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書や、同第474
0796号明細書に開示されている基本的な原理を用い
て行うものが好ましい。この方式は、いわゆるオンデマ
ンド型およびコンティニュアス型の何れにも適用可能で
あるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体が保持
されているシートや流路に対応して配置される電気熱変
換体に、プリント情報に対応した核沸騰を越える急速な
温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加する
ことにより熱エネルギを発生させ、液体吐出ヘッドの熱
作用面に膜沸騰を生じさせ、結果的にこの駆動信号に一
対一で対応した液体内の気泡を形成できるので有効であ
る。この気泡の成長および収縮により、吐出口を介して
液体を吐出させ、少なくとも1つの液滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体の吐出
が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号
としては、米国特許第4463359号明細書や、同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れたプリントを行うこ
とができる。
【0090】また、液体吐出ヘッドの構成としては、上
述の各明細書に開示されているような吐出口と流路と電
気熱変換体との組合せ構成(電気熱変換体が流路に沿っ
て配置された直線状流路または電気熱変換体が流路を挟
んで吐出口と正対する直角流路)の他に、流路が屈曲す
る領域に熱作用部が配置されている構成を開示する米国
特許第4558333号明細書や、米国特許第4459
600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるもので
ある。加えて、複数の電気熱変換体に対し、共通するス
リットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特
開昭59−123670号公報や、熱エネルギの圧力波
を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示した特
開昭59−138461号公報に基いた構成としても、
本発明の効果は有効である。すなわち、液体吐出ヘッド
の形態がどのようなものであっても、本発明によればプ
リントを確実に効率良く行うことができるようになるか
らである。
【0091】さらに、画像形成装置がプリントできるプ
リント媒体の最大幅に対応した長さを有するフルライン
タイプの液体吐出ヘッドに対しても本発明は有効に適用
できる。そのような液体吐出ヘッドとしては、複数の液
体吐出ヘッドの組合せによってその長さを満たす構成
や、一体的に形成された1個の液体吐出ヘッドとしての
構成の何れでもよい。
【0092】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、走査移動するキャリッジに対して一体的に固定
された液体吐出ヘッド、あるいはキャリッジに対して交
換可能に装着されることでキャリッジとの電気的な接続
や装置本体からの液体の供給が可能となる交換自在のチ
ップタイプの液体吐出ヘッド、あるいは液体吐出ヘッド
自体に一体的に液体を貯えるタンクが設けられたカート
リッジを用いた場合にも、本発明は有効である。
【0093】本発明の画像形成装置の構成として、液体
吐出ヘッドからの液体の吐出状態を適正にするための回
復手段や、予備的な補助手段などを付加することは本発
明の効果を一層安定できるので、好ましいものである。
これらを具体的に挙げれば、液体吐出ヘッドに対するキ
ャッピング手段や、クリーニング手段, 加圧あるいは吸
引手段, 電気熱変換体やこれとは別の加熱素子あるいは
これらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、
プリントとは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0094】また、搭載される液体吐出ヘッドの種類や
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、プリント色や溝度(明度)を
異にする複数のインクに対応して複数個数設けられるも
のであってもよい。すなわち、例えば画像形成装置のプ
リントモードとしては黒色などの主流色のみのプリント
モードだけではなく、液体吐出ヘッドを一体的に構成す
るか、複数個の組み合わせによるか何れでもよいが、異
なる色の複色カラーまたは混色によるフルカラーの各プ
リントモードの少なくとも一つを備えた装置にも本発明
は極めて有効である。この場合、プリント媒体の種類や
プリントモードに応じてインクのプリント性を調整する
ための処理液(プリント性向上液)を専用あるいは共通
の液体吐出ヘッドからプリント媒体に吐出することも有
効である。
【0095】さらに、以上説明した本発明の実施例にお
いては、室温やそれ以下で固化し、室温で軟化もしくは
液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット
方式では液体自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温
度調整を行って液体の粘性を安定吐出範囲にあるように
温度制御するものが一般的であるから、使用プリント信
号付与時に液状をなすものを用いてもよい。加えて、熱
エネルギーによる昇温を、固形状態から液体状態への状
態変化のエネルギーとして使用させることで積極的に防
止するため、または液体の蒸発を防止するため、放置状
態で固化し加熱によって液化するものを用いてもよい。
何れにしても熱エネルギのプリント信号に応じた付与に
よって液化し、液体が吐出されるものや、プリント媒体
に到達する時点ではすでに固化し始めるものなどのよう
な、熱エネルギの付与によって初めて液化する性質のも
のを使用する場合も本発明は適用可能である。このよう
な場合の液体は、特開昭54−56847号公報あるい
は特開昭60−71260号公報に記載されるような、
多孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固形物として
保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するよう
な形態としてもよい。本発明においては、上述した各液
体に対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実
行するものである。
【0096】なお、本発明にかかる画像形成装置の形態
としては、コンピュータなどの情報処理機器の画像出力
端末として用いられるものの他、リーダなどと組合せた
複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装
置や捺染装置の形態を採るものなどであっても良く、プ
リント媒体としては、シート状あるいは長尺の紙や布
帛、あるいは板状をなす木材や石材, 樹脂, ガラス, 金
属などの他に、3次元立体構造物などを挙げることがで
きる。
【0097】
【発明の効果】本発明によると、基板の表面から突出す
る少なくとも2つの突起部を基板の表面に相隔てて形成
し、これら突起部が係止して基板に対する溝付き部材の
位置決めを行うための係止凹部を突起部に対応して形成
し、基板の表面から突起部の上端までの高さを基板の表
面から吐出エネルギー発生部を含む微細加工部の上端ま
での高さよりも高く設定したので、突起部の上端に溝付
き部材を載せ、突起部の上端に沿って溝付き部材を移動
し、係止凹部を突起部に落とし込むことにより、基板に
対する溝付き部材の位置決めを行うことができる。この
結果、吐出エネルギー発生部を含む微細加工部や溝付き
部材の破損および変形などを生ずることなく、液体吐出
ヘッドを組み立てることができる。
【0098】また、現在使用されている製造装置をほと
んど変更することなく、溝付き部材と吐出エネルギー発
生素子を含む微細加工部が形成された基板とを容易かつ
正確に位置合わせすることができるため、高品位の液体
吐出ヘッドを低コストで製造可能である。
【0099】特に、突起部を吐出エネルギー発生部の配
列方向に沿ってこれらの両端側に形成した場合には、吐
出エネルギー発生部の破損および変形などをより確実に
防止することができる。また、吐出口と反対側の溝の後
端に連通して液体が供給される共通液室となる凹部を溝
付き部材に形成し、この凹部の内壁の一部を係止凹部と
して機能させるようにした場合には、基板と溝付き部材
との2次元的な位置合わせをより正確に行うことができ
る。
【0100】突起部の上端が基板の表面とほぼ平行な平
面を有する場合には、この上に溝付き部材を載せた場合
の安定性を確保することができる。
【0101】基板の表面に対しほぼ平行な力を溝付き部
材に付与して溝付き部材の移動を行うようにした場合に
は、溝付き部材の変形を最小限に抑えることができる。
【0102】突起部に対する係止凹部の落とし込みを溝
付き部材の自重を利用して重力により行った場合には、
吐出エネルギー発生部および溝付き部材の損傷や変形を
最小限に抑えることができる。
【0103】また、本発明の別な実施例においては以下
のような効果がある。
【0104】流路を有する溝付き板の流路部に不要な外
力を極力押さえる構造なため、流路の変形、破損等もな
くインクジェットプリントヘッドを組み立てることがで
きる。
【0105】エネルギー発生素子を有する基板上に微細
加工部を施されてても、本発明の方法を用いることで、
前記微細加工部に変形、破損等の悪影響を与えることが
ない。
【0106】現在使用されている製造装置をほとんど変
更することなく、流路を有する溝付き板と微細加工を施
されたエネルギー発生素子を有する基板を位置合わせす
ることができるため、より高品位のインクジェットプリ
ントヘッドが低コストで製造できる。
【0107】流路を有する溝付き板とエネルギー発生素
子を有する基板とをクランプした際、流路を有する溝付
き板がエネルギー発生素子を有する基板上の突起部の影
響により変形を起こし、突起部が流路を有する溝付き板
側に食い込んだ場合でも、突起部の強度アップあるいは
食い込まないようにクランプ力の低下させたり、必要以
上の位置合わせ移動力など不安定要素を増やすことなく
位置合わせを従来通りの方式で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による液体吐出ヘッドをインクジェッ
トヘッドに応用した第1の実施例の外観を表す斜視図で
ある。
【図2】 図1に示したインクジェットヘッドの吐出口
板を省略した正面図である。
【図3】 図1に示したインクジェットヘッドの基板の
平面図である。
【図4】 図1に示したインクジェットヘッドの溝付き
板の裏面図である。
【図5】 溝付き板が反っている場合の突起部と係止凹
部との関係を説明する模式図である。
【図6】 図1に示したインクジェットヘッドの製造手
順を表す概念図である。
【図7】 図1に示したインクジェットヘッドの製造手
順を表す概念図である。
【図8】 図1に示したインクジェットヘッドの製造手
順を表す概念図である。
【図9】 突起部と係止凹部との嵌合状態を示す拡大正
面図である。
【図10】 本発明による液体吐出ヘッドの第2の実施
例における基板の斜視図である。
【図11】 本発明による液体吐出ヘッドの第2の実施
例における基板の平面図である。
【図12】 図11に示した基板に対応する溝付き板の
裏面図である。
【図13】 本発明による液体吐出へッドの第3の実施
例における基板の平面図である。
【図14】 図13に示した基板に対応する溝付き板の
平面図である。
【図15】 本発明による液体吐出ヘッドの第4の実施
例で基板上に設ける突起部の位置関係を示す模式図。
【図16】 図15に示したインクジェットヘッドの溝
付き板の裏面を示し(a)は平面図、(b)は斜視図で
ある。
【図17】 供給精度が最大限にずれた場合の溝付き板
の受け面と基板の突起部の位置関係を示す模式図。
【図18】 本発明による液体吐出ヘッドの第5の実施
例で荷重を掛けながら溝付き板と基板の位置合わせ方法
を示す模式図。
【図19】 本発明によるカートリッジの一実施例の外
観を表す斜視図である。
【図20】 本発明による画像形成装置をシリアルタイ
プのインクジェットプリンタに応用した一実施例の外観
を表す斜視図である。
【符号の説明】
10 インクジェットヘッド 11 電気熱変換体 11a 微細加工部 12 基板 13 流路 14 溝壁 15 溝付き板 16 突起部 17 平面 18 共通液室 19 液室枠 20 液体供給ポート 21 吐出口 22 吐出口板 23,24 係止凹部 25 突起部 30 カートリッジ 31 液体供給管 32 液体タンク 33 蓋部材 41 案内軸 42 キャリッジ 43 螺旋溝 44 送りねじ軸 45 キャリッジ駆動モータ 46, 47 ギヤ 48 シート押え板 49 プラテン 50 開口部 51 キャップ部材 52 吸引手段 53 クリーニングブレード 54 支持部材 55 支持部材 56 レバー 57 ギヤ 58 カム 59, 60 フォトカプラ 61 突出レバー ΔX 溝付き板の変形量 h 電気熱変換体または微細加工部の高さ H 突起部の高さ P1 流路の間隔(電気熱変換体の配列間隔) P2 突起部とこの突起部に隣接する電気熱変換体との
間の間隔 w,w2 電気熱変換体の幅寸法 w1 微細加工部の幅寸法 電気熱変換体の幅寸法 θ 係止凹部を仕切る溝壁の傾斜角 m1 係止凹部に臨む溝壁の下端の幅寸法 m2 溝壁の下端の幅寸法 P プリント用紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣木 知之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF23 AF65 AF93 AG46 AG99 AN01 AP71 AP77 BA13

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ液滴を吐出するための吐出エネ
    ルギー発生部を含む微細加工部が設けられた基板と、前
    記吐出エネルギー発生部に対応する溝およびこれら溝の
    一端にそれぞれ連通する吐出口が形成された溝付き部材
    とを具え、この溝付き部材の前記溝が形成された面を前
    記基板に押し当ててこれらを接合することにより前記吐
    出口にそれぞれ連通する流路を形成し、前記吐出エネル
    ギー発生部に対応した前記流路から前記吐出口を介して
    液滴を吐出させるようにした液体吐出ヘッドであって、
    前記基板の表面に相隔てて形成されて前記基板の表面か
    ら突出する少なくとも2つの突起部と、これら突起部に
    対応して形成され、当該突起部が係止して前記基板に対
    する前記溝付き部材の位置決めを行うための係止凹部と
    を有し、前記突起部の流路配列方向の幅が流路間隔より
    も大きく設定され、前記基板の表面から前記突起部の上
    端までの高さが前記基板の表面から前記微細加工部の上
    端までの高さよりも高く、更に前記係止凹部を形成する
    溝壁の流路天井面からの高さと、突起部の高さと、の和
    は、流路を形成する溝壁の流路天井面からの高さよりも
    大きく、設定されていることを特徴とする液体吐出ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 前記突起部は、前記吐出エネルギー発生
    部の配列方向に沿ってこれらの両端側に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記溝付き部材は、前記吐出口と反対側
    の前記溝の後端に連通して液体が供給される共通液室と
    なる凹部が形成され、この凹部の内壁の一部が前記係止
    凹部として機能することを特徴とする請求項1に記載の
    液体吐出ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記突起部の前記上端が前記基板の表面
    とほぼ平行な平面を有することを特徴とする請求項1か
    ら請求項3の何れかに記載の液体吐出ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記吐出エネルギー発生部は、液体に膜
    沸騰を生じさせて前記吐出口から液体を吐出させるため
    の熱エネルギーを発生する電気熱変換体を有することを
    特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の液体
    吐出ヘッド。
  6. 【請求項6】 それぞれ液滴を吐出するための吐出エネ
    ルギー発生部を含む微細加工部が設けられた基板と、前
    記吐出エネルギー発生部に対応する溝およびこれら溝の
    一端にそれぞれ連通する吐出口が形成された溝付き部材
    とを有し、この溝付き部材の前記溝が形成された面を前
    記基板に押し当ててこれらを接合することにより前記吐
    出口にそれぞれ連通する流路を形成し、前記吐出エネル
    ギー発生部に対応した前記流路から前記吐出口を介して
    液滴を吐出させるようにした液体吐出ヘッドと、この液
    体吐出ヘッドに供給される液体を貯溜する液体タンクと
    を具えたカートリッジであって、前記基板の表面に相隔
    てて形成されて前記基板の表面から突出する少なくとも
    2つの突起部と、これら突起部に対応して形成され、当
    該突起部が係止して前記基板に対する前記溝付き部材の
    位置決めを行うための係止凹部とを有し、前記基板の表
    面から前記突起部の上端までの高さが前記基板の表面か
    ら前記微細加工部の上端までの高さよりも高く設定され
    ていることを特徴とするカートリッジ。
  7. 【請求項7】 前記液体タンクは、前記液体吐出ヘッド
    に対して着脱可能に装着されることを特徴とする請求項
    6に記載のカートリッジ。
  8. 【請求項8】 液体は、インクおよびプリント媒体、ま
    たはインクもしくはプリント媒体に吐出されるこのイン
    クのプリント性を調整する処理液であることを特徴とす
    る請求項6または請求項7に記載のカートリッジ。
  9. 【請求項9】 それぞれ液滴を吐出するための吐出エネ
    ルギー発生部を含む微細加工部が設けられた基板と、前
    記吐出エネルギー発生部に対応する溝およびこれら溝の
    一端にそれぞれ連通する吐出口が形成された溝付き部材
    とを有し、この溝付き部材の前記溝が形成された面を前
    記基板に押し当ててこれらを接合することにより前記吐
    出口にそれぞれ連通する流路を形成し、前記吐出エネル
    ギー発生部に対応した前記流路から前記吐出口を介して
    液滴を吐出させるようにした液体吐出ヘッドの取り付け
    部を具えた画像形成装置であって、前記基板の表面に相
    隔てて形成されて前記基板の表面から突出する少なくと
    も2つの突起部と、これら突起部に対応して形成され、
    当該突起部が係止して前記基板に対する前記溝付き部材
    の位置決めを行うための係止凹部とを有し、前記基板の
    表面から前記突起部の上端までの高さが前記基板の表面
    から前記微細加工部の上端までの高さよりも高く設定さ
    れていることを特徴とする画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記液体吐出ヘッドの取り付け部は、
    前記液体吐出ヘッドから液体が吐出されるプリント媒体
    の搬送方向と交差する方向に走査移動可能なキャリッジ
    を有することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装
    置。
  11. 【請求項11】 前記液体吐出ヘッドは、着脱手段を介
    して前記キャリッジに対して着脱自在に搭載されること
    を特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 【請求項12】 それぞれ液滴を吐出するための吐出エ
    ネルギー発生部を含む微細加工部が設けられた基板と、
    前記吐出エネルギー発生部に対応する溝およびこれら溝
    の一端にそれぞれ連通する吐出口が形成された溝付き部
    材とを有し、この溝付き部材の前記溝が形成された面を
    前記基板に押し当ててこれらを接合することにより前記
    吐出口にそれぞれ連通する流路を形成し、前記吐出エネ
    ルギー発生部に対応した前記流路から前記吐出口を介し
    て液滴を吐出させるようにした液体吐出ヘッドの製造方
    法であって、前記基板の表面から前記微細加工部の上端
    までの高さよりも高く前記基板の表面から上端が突出す
    る少なくとも2つの突起部を相隔てて形成するステップ
    と、これら突起部が係止して前記基板に対する前記溝付
    き部材の位置決めを行うための係止凹部を当該突起部に
    対応して前記溝付き部材に形成するステップと、前記突
    起部の前記上端に前記溝付き部材を載せるステップと、
    前記突起部の前記上端に沿って前記溝付き部材を移動
    し、前記係止凹部を前記突起部に落とし込んで前記基板
    に対する前記溝付き部材の位置決めを行うステップとを
    具えたことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記溝付き部材の移動は、前記基板の
    表面に対してほぼ平行な力を前記溝付き部材に付与する
    ことによって行われることを特徴とする請求項12に記
    載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記突起部に対する前記係止凹部の落
    とし込みは、前記溝付き部材の自重を利用して重力によ
    り行われることを特徴とする請求項12または請求項1
    3に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  15. 【請求項15】 エネルギー発生素子を有する基板と流
    路を有する部材とから構成される液体吐出ヘッドで、前
    記エネルギー発生素子を有する基板上に突起部を設け、
    前記溝付き部材と前記エネルギー発生素子を有する基板
    との位置合わせを行う際、前記溝付き部材が前記エネル
    ギー発生素子を有する基板上の前記突起部上を移動し、
    位置合わせを行う液体吐出ヘッドの製造方法において、
    前記エネルギー発生素子を有する基板を前記溝付き部材
    に供給する際、あるいは前記溝付き部材に前記エネルギ
    ー発生素子を有する基板を供給する際の何れの場合にお
    いても、前記エネルギー発生素子の並び方向(以下、幅
    方向とする。)の寸法は、前記位置合わせの終了の位置
    から離れた供給のねらい位置に前記ねらい位置における
    供給精度を含めた最大のオフセット量以上とする。さら
    に、前記突起部の幅寸法以上の寸法をもち、かつ液の吐
    出方向の前記エネルギー発生素子を有する基板と前記溝
    付き部材の供給精度を含めた最大のオフセット量以上の
    長さの凹部を前期溝付き部材に設けることを特徴とする
    前記液体吐出ヘッドの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記溝付き部材を前記ねらい位置に供
    給する際、基板の前記突起部と接する前記溝付き部材の
    部分を変形可能な材料で生成することを特徴とする請求
    項15に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記溝付き部材と前記基板を前記位置
    合わせする際、前記溝付き部材が所定位置から大幅にず
    れないようにクランプによる荷重を負荷ことを特徴とす
    る請求項15に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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