JP2003118121A - 液体吐出ヘッド,ヘッドカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド,ヘッドカートリッジおよび画像形成装置

Info

Publication number
JP2003118121A
JP2003118121A JP2001312648A JP2001312648A JP2003118121A JP 2003118121 A JP2003118121 A JP 2003118121A JP 2001312648 A JP2001312648 A JP 2001312648A JP 2001312648 A JP2001312648 A JP 2001312648A JP 2003118121 A JP2003118121 A JP 2003118121A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
casing
head
ejection
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001312648A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Mori
利浩 森
Toshio Kashino
俊雄 樫野
Masashi Miyagawa
昌士 宮川
Yoshiaki Suzuki
良明 鈴木
Hiroaki Mihara
弘明 三原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2001312648A priority Critical patent/JP2003118121A/ja
Publication of JP2003118121A publication Critical patent/JP2003118121A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体吐出ヘッドの仕切り壁を介して隣接する
複数の液路の間でクロストークが発生する。 【解決手段】 液滴を吐出させるための複数の電気熱変
換体14が所定間隔で設けられた素子基板13と、複数
の仕切り壁21とこれら仕切り壁21の長手方向一端側
に位置する吐出口18とが電気熱変換体14の間隔に対
応して所定間隔で形成されたケーシング32とを具え、
このケーシング32の仕切り壁21が形成された面を素
子基板13に押し当ててこれらを接合することにより、
隣接する仕切り壁21により挟まれて電気熱変換体14
がそれぞれ臨むと共に吐出口18にそれぞれ連通する複
数の液路21と、これら液路21の基端がそれぞれ連通
する共通液室22とを形成してなるインクジェットヘッ
ド10であって、素子基板13とケーシング32との間
に隣接する液路21を相互にシールするための弾性変形
可能なシール部材24を介装した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液滴を吐出するた
めの吐出口が形成された液体吐出ヘッド、およびこの液
体吐出ヘッドと当該液体吐出ヘッドに供給される液体タ
ンクの取り付け部とを有するヘッドカートリッジ、なら
びにこれら液体吐出ヘッドまたはヘッドカートリッジの
取り付け部を有する画像形成装置に関する。
【0002】なお、本明細書において、「プリント」と
は、文字や図形など有意の情報を形成する場合のみなら
ず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るよ
うに顕在化したものであるか否かを問わず、広くプリン
ト媒体上に画像,模様,パターンなどを形成したり、あ
るいはエッチングなどの加工をも含む。また、「プリン
ト媒体」とは、一般的なプリント装置で用いられる紙片
のみならず、布帛,プラスチックフィルム,金属板,ガ
ラス,セラミックス,木材,皮革など、液体を受容可能
なものであり、シート状物体以外の三次元立体、例えば
球体や円筒体などもその対象となる。さらに、「液体」
とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈されるべ
きものであり、プリント媒体に付与されることによっ
て、画像,模様,パターンなどの形成、またはプリント
媒体のエッチング加工、あるいはインクの処理(例えば
プリント媒体に付与されるインク中の色材の凝固または
不溶化)などに供されるものを含む。
【0003】
【従来の技術】熱などのエネルギーを液体に付与するこ
とで、この液体に相変化(気化)に伴う急峻な体積変化
を生じさせ、この相変化に基づく作用力によって吐出口
から液体を吐出させ、これをプリント媒体に付着させて
画像形成を行うインクジェットプリント方法、いわゆる
バブルジェット(登録商標)プリント方法が知られてい
る。このバブルジェット(登録商標)プリント方法にお
いては、米国特許第4723129号明細書に開示され
ているように、液滴を吐出するための吐出口と、この吐
出口に連通する液路と、この液路に臨むように配されて
吐出口から液滴を吐出させるための吐出エネルギー発生
手段、つまり電気熱変換体とを具えた液体吐出ヘッド、
つまりインクジェットヘッドが用いられる。
【0004】このインクジェットヘッドは、液滴を吐出
するための吐出口を高密度に配置することができるた
め、小型の装置でも高品位の画像、特にカラー画像を高
速かつ低騒音でプリントすることが可能であり、プリン
タ,複写機,ファクシミリなどの多くのオフィス機器の
他、捺染装置などの産業用システムにまで利用されるよ
うになって来ている。これに伴い、さらに液滴の吐出速
度の高速化および安定した気泡発生に基づく良好な液滴
の吐出を可能とするインクジェットヘッドに対する要求
が高まっている。
【0005】吐出口から液滴を吐出させるための吐出エ
ネルギー発生手段として電気熱変換体を用いた従来のイ
ンクジェットヘッドの概略構造を図10に示す。すなわ
ち、インクジェットヘッド100は、支持板101と、
この支持板101に搭載され、複数の電気熱変換体10
2が所定間隔で設けられた素子基板103と、複数の仕
切り壁104とこれら仕切り壁104の長手方向一端側
に位置する吐出口105とがこれら電気熱変換体102
の配列間隔に対応して所定間隔で形成されたケーシング
106と、このケーシング106の仕切り壁104が形
成された面を素子基板103に押し当てることにより、
隣接する仕切り壁104により挟まれて電気熱変換体1
02がそれぞれ臨む複数の液路107とこれら液路10
7の基端がそれぞれ連通する共通液室108とを形成す
るように、素子基板103とケーシング106とを一体
的に連結する締結クリップ109と、素子基板103と
共に支持板101に搭載され、ボンディングワイヤ11
0を介して素子基板103の電気熱変換体102に電気
的に接続し、図示しないプリント装置本体からの電気信
号を受けて所定の電気熱変換体102を駆動するための
配線基板111とを具えている。吐出口105は、ケー
シング106と一体的に成形された吐出口板112に形
成されており、ケーシング106には共通液室108に
連通する液体供給口113が形成され、吐出口112か
らの液滴の吐出に伴って液体供給口113から共通液室
108内に液体が補給されるようになっている。
【0006】素子基板103とケーシング106との接
合に際しては、素子基板103とケーシング106とが
所望の位置関係となるように素子基板103に対してケ
ーシング106を高精度に位置決めし、仮止め用の接着
剤114を素子基板103とケーシング106との接合
部分に塗布してこれらを仮止めした後、締結クリップ1
09のばね力を利用して素子基板103にケーシング1
06を強固に接合させ、最終的に素子基板103とケー
シング106との接合部分を図示しない封止剤を用いて
封止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図10に示した従来の
インクジェットヘッド100において、素子基板103
とケーシング106との接合面の平面度の相違などが原
因となって、これらの間に隙間115が存在すると、こ
こに仮止め用の接着剤114や図示しない封止剤が毛細
管現象によって浸透し、個々の液路107が極めて微細
であることと相俟って、これら液路107の一部が接着
剤114や封止剤により塞がれてしまうことがあった。
このような現象が発生すると、一部の液路107に連通
する吐出口112からの液滴の吐出不良や不吐出などが
起こるため、インクジェットヘッド100の信頼性を損
なうこととなる。
【0008】このような接着剤114や封止剤を用いる
ことによる不具合を回避するため、締結クリップ109
のばね力のみを利用して素子基板103にケーシング1
06を接合させるようにしたインクジェットヘッドも知
られている。しかしながら、インクジェットヘッドの素
子基板103の表面は、フォトリソグラフィなどの半導
体製造工程を経ているため、凹凸があるのが普通であ
り、ケーシング106の仕切り壁104をこの素子基板
103の表面に均一な力で押圧することが実質的にでき
ない。このため、特に多数の液路107を有するインク
ジェットヘッド100の場合、図10中のXI−XI矢視断
面構造の一部を抽出拡大した図11に示すように、素子
基板103と仕切り壁104の接合面との間に隙間11
5が形成されることがあった。このような隙間115の
存在により、液路107内で発生する気泡116による
圧力波が隙間115を介して隣接する液路107に伝播
するクロストークが発生し、電気熱変換体102にて発
生した熱エネルギーにより液路107内の液体中に発生
する気泡116による圧力が隙間115を介して隣接す
る液路107へ逃げてしまい、しかもこの隙間115の
存在によって気泡116による圧力が隣接する液路10
7へ伝搬するため、これらの液路107に連通する吐出
口112に位置する液体のメニスカス面の位置がずれて
しまい、所定量の液滴を正確に吐出させることができな
くなる結果、高品質なプリントを維持することが困難で
ある。
【0009】上述した素子基板103とケーシング10
6との間の隙間115の発生を防止するため、半導体製
造技術を利用して素子基板103の表面に液路107お
よび共通液室108を囲む枠状の下部ケーシングを一体
的に成形し、液体供給口113が形成された平坦な板状
の上部ケーシングをこの下部ケーシングに重ねてインク
ジェットヘッドを形成することも知られている。下部ケ
ーシングは、例えば液状の樹脂を素子基板の表面にスピ
ンコートするか、あるいはDF(ドライフィルム)化さ
れた樹脂を素子基板の表面に積層し、通常のフォトリソ
グラフィ工程によって所望の形状にパターニングするこ
とによって形成することができる。
【0010】しかしながら、このような方法によって製
造されるインクジェットヘッドにおいても、図11と同
様な部分の断面構造を表す図12に示すように、仕切り
壁104および共通液室108(図10参照)を形成す
る下部ケーシング117の膜厚を均一にすることが極め
て困難であり、この下部ケーシング117の膜厚のばら
つきなどによって上部ケーシング118との間に隙間1
19が発生し、液路107内で発生する気泡116によ
る圧力波がこの隙間119を介して隣接する液路107
に伝播するクロストークが発生してしまう不具合があっ
た。
【0011】
【発明の目的】本発明の目的は、仕切り壁を介して隣接
する複数の液路の間で発生するクロストークを従来のも
のよりも抑制し得る液体吐出ヘッドを提供することにあ
る。
【0012】本発明の他の目的は、このような液体吐出
ヘッドが組み込まれたヘッドカートリッジおよびこれら
液体吐出ヘッドまたはヘッドカートリッジを用いる画像
形成装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の形態は、
液滴を吐出させるための複数の吐出エネルギー発生部が
所定間隔で設けられた基板と、複数の仕切り壁とこれら
仕切り壁の長手方向一端側に位置する吐出口とが前記吐
出エネルギー発生部の間隔に対応して所定間隔で形成さ
れたケーシングとを具え、このケーシングの前記仕切り
壁が形成された面を前記基板に押し当ててこれらを接合
することにより、隣接する仕切り壁により挟まれて前記
吐出エネルギー発生部がそれぞれ臨むと共に前記吐出口
にそれぞれ連通する複数の液路と、これら液路の基端が
それぞれ連通する共通液室とを形成してなる液体吐出ヘ
ッドであって、前記基板と前記ケーシングとの間に隣接
する前記液路を相互にシールするための弾性変形可能な
シール部材を介装したことを特徴とするものである。
【0014】本発明によると、弾性変形可能なシール部
材が基板とケーシングとの間に圧縮状態で介装され、基
板とすべての仕切り壁との間の隙間がシール部材によっ
て塞がれているため、仕切り壁によって相互に仕切られ
た液路が完全に分離された状態となる。従って、吐出エ
ネルギー発生部を駆動して液路内の液体を吐出口から液
滴として吐出させた場合、この液路内で発生する圧力波
は隣接する液路内には伝播しない。
【0015】本発明の第2の形態は、液滴を吐出させる
ための複数の吐出エネルギー発生部が所定間隔で設けら
れた基板と、複数の仕切り壁とこれら仕切り壁の長手方
向一端側に位置する吐出口とが前記吐出エネルギー発生
部の間隔に対応して所定間隔で形成された下部ケーシン
グと、この下部ケーシングに重ねられる上部ケーシング
とを有し、前記下部ケーシングを前記基板と前記上部ケ
ーシングとで挟み付けてこれらを接合することにより、
隣接する仕切り壁により挟まれて前記吐出エネルギー発
生部がそれぞれ臨むと共に前記吐出口にそれぞれ連通す
る複数の液路と、これら液路の基端がそれぞれ連通する
共通液室とを形成してなる液体吐出ヘッドであって、前
記下部ケーシングと前記上部ケーシングとの間に隣接す
る前記液路を相互にシールするための弾性変形可能なシ
ール部材を介装したことを特徴とするものである。
【0016】本発明によると、弾性変形可能なシール部
材が基板とケーシングとの間に圧縮状態で介装され、基
板とすべての仕切り壁との間の隙間がシール部材によっ
て塞がれているため、仕切り壁によって相互に仕切られ
た液路が完全に分離された状態となる。従って、吐出エ
ネルギー発生部を駆動して液路内の液体を吐出口から液
滴として吐出させた場合、この液路内で発生する圧力波
は隣接する液路内には伝播しない。
【0017】本発明の第3の形態は、本発明の第1の形
態または第2の形態による液体吐出ヘッドと、この液体
吐出ヘッドに供給される液体を貯溜するための液体タン
クの取り付け部とを具えたことを特徴とするヘッドカー
トリッジにある。
【0018】本発明の第4の形態は、本発明の第1の形
態または第2の形態による液体吐出ヘッドの取り付け部
か、または本発明の第3の形態によるヘッドカートリッ
ジの取り付け部と、前記液体吐出ヘッドの吐出口から吐
出される液滴によって画像が形成されるプリント媒体の
搬送手段とを具えたことを特徴とする画像形成装置にあ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の第1の形態による液体吐
出ヘッドにおいて、ケーシングの仕切り壁が形成された
面と基板とがシール部材を介して押し当たるように付勢
してこれらを接合させる付勢手段をさらに具えたもので
あってよい。
【0020】シール部材が基板およびケーシングの少な
くとも一方に一体的に設けられていてよい。
【0021】ケーシングが共通液室に液体を供給するた
めの液体供給口を有するものであってよい。この場合、
相互に独立した共通液室および液体供給口を複数組有す
ることができ、独立した共通液室および液体供給口に異
なる種類の液体を供給してよい。
【0022】本発明の第2の形態による液体吐出ヘッド
において、下部ケーシングと上部ケーシングとがシール
部材を介して押し当たるように付勢すると共に下部ケー
シングを基板と上部ケーシングとで挟み付けてこれらを
接合させる付勢手段をさらに具えたものであってよい。
【0023】シール部材が下部ケーシングおよび上部ケ
ーシングの少なくとも一方に一体的に設けられていてよ
い。
【0024】上部ケーシングが共通液室に液体を供給す
るための液体供給口を有するものであってよい。この場
合、相互に独立した共通液室および液体供給口を複数組
有することができ、独立した共通液室および液体供給口
に異なる種類の液体を供給してよい。
【0025】本発明の第1または第2の形態による液体
吐出ヘッドにおいて、吐出エネルギー発生部が液体に熱
エネルギーを付与して膜沸騰を生じさせる電気熱変換体
を有するものであってよい。
【0026】本発明の第3の形態によるヘッドカートリ
ッジにおいて、液体タンクが液体タンクの取り付け部に
対して着脱可能であってよい。
【0027】液体がインクおよび/またはプリント媒体
に吐出されるこのインクのプリント性を調整する処理液
であることができる。
【0028】本発明の第4の形態による画像形成装置に
おいて、液体吐出ヘッドまたはヘッドカートリッジの取
り付け部が液体吐出ヘッドから液体が吐出されるプリン
ト媒体の搬送方向と交差する方向に走査移動可能なキャ
リッジを有するものであってよい。この場合、液体吐出
ヘッドまたはヘッドカートリッジは、着脱手段を介して
キャリッジに対して着脱自在に搭載されるものであって
よい。
【0029】
【実施例】本発明による液体吐出ヘッドをインクジェッ
トヘッドに応用した実施例について、図1〜図6を参照
しながら詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の
みに限らず、これらをさらに組み合わせたり、この特許
請求の範囲に記載された本発明の概念に包含されるあら
ゆる変更や修正が可能であり、従って本発明の精神に帰
属する他の技術にも当然応用することができる。
【0030】第1の実施例によるインクジェットヘッド
の概略構造を図1に示し、その平面形状の一部を図2に
破断状態で示し、全体の外観を分解して図3に示し、図
1中のIV−IV矢視断面構造の一部を抽出拡大して図4に
示す。すわなち、図示しないプリンタ本体からの電気信
号を受ける配線基板11と共に支持板12に固定される
単結晶シリコンウェーハからなる素子基板13には、本
発明による吐出エネルギー発生部としての電気熱変換体
14と、この電気熱変換体14を駆動するための図示し
ない電気回路と、この電気回路の末端に位置するアルミ
ニウムなどの電極パッド15とがエッチング,蒸着,ス
パッタリングなどの半導体製造プロセスにより形成され
ている。これら電極パッド15は、配線基板11に形成
された図示しない電気回路の電極パッド16に対してア
ルミニウムや金のボンディングワイヤ17、あるいは図
示しないTABを用いたリードなどを介してそれぞれ電
気的に接続される。
【0031】素子基板13には、複数の吐出口18が開
口する吐出口板19と、この吐出口板19の吐出口18
に先端側がそれぞれ連通する複数の液路20を形成する
ための複数の仕切り壁21とを有し、液路20の基端側
が一括して連通する共通液室22となる枠状の下部ケー
シング23が樹脂、例えばMCC(MicrolithographyCh
emical Corporation)製のSU−8(感光性ネガレジス
トの商品名)などにより形成される。
【0032】後述するシール部材24を介して下部ケー
シング23に重ね合わされ、これによって液路20と共
通液室22とを素子基板13との間に形成する上部ケー
シング25は、単結晶シリコンウェーハにて形成され、
この上部ケーシング25には共通液室22に連通する液
体供給口26が設けられている。液体供給口26や共通
液室22となる部分は、単結晶シリコンウェーハを異方
性エッチングすることにより加工することができる。こ
の上部ケーシング25は、両端部が支持板12に形成さ
れた一対の係止穴27に対して係止される枠状のクリッ
プ28により、下部ケーシング23に対して密着状態で
接合される。本発明の付勢手段としてのクリップ28
は、例えば燐青銅,ばね用ステンレス鋼,FRPなどで
ほぼM字形状に形成され、その中央部にて上部ケーシン
グ25がシール部材24を介して下部ケーシング23に
押し当たり、下部ケーシング23を素子基板13と上部
ケーシング25とで挟み付けてこれらが一体的に接合さ
れた状態となるようなばね力を発揮する。上部ケーシン
グ25に対してクリップ28のばね力が作用する位置
は、液路20および共通液室22が上部ケーシング25
によって完全に塞がれるような位置であることが好まし
く、特に流路の吐出口18側により近い領域に対してよ
り強力な付勢力を発揮することが望ましい。
【0033】本実施例では、液体供給口26に連通する
環状のスペーサ29が上部ケーシング25とクリップ2
8との間に介装されているが、このスペーサ29と上部
ケーシング25とを一体的に形成することも可能であ
る。液体供給口26には、樹脂などで成形された液体通
路形成部材30が連結され、この液体通路形成部材30
を介して図示しないインクタンクからインクや、プリン
ト媒体に対するインクのプリント性を調整するための処
理液が共通液室22内に供給されるようになっている。
【0034】下部ケーシング23と上部ケーシング25
との間に介装されるシール部材24は、弾性変形可能で
あって、下部ケーシング23と同様にパターン成形でき
るものであることが好ましい。例えば、日本ゼオン株式
会社のZPN207D(商品名)などの環化ゴムを樹脂
成分とするレジストを使用することができる。このシー
ル部材24は、クリップ28のばね力によって弾性変形
するが、単にクリップ28のばね力が大きければ良いと
言うものではなく、上述した材料を用いた場合、クリッ
プ28により1kgf〜2kgfのばね力を加えた状態にてシ
ール部材24を50℃から100℃の温度に加熱するこ
とにより、図4に示すように下部ケーシング23の仕切
り壁21と上部ケーシング25との間に介在するシール
部材24が変形してこれらの隙間を完全に封止し、クロ
ストークが発生しない高性能なインクジェットヘッド1
0を得ることができる。この加熱温度としては、下部ケ
ーシング23が変形せずシール部材24のみが変形する
ような温度を選択することが必要である。
【0035】本実施例のような構成のインクジェットヘ
ッド10の場合、上部ケーシング25を下部ケーシング
23に対して正確に位置決めし、ポリエステル系の紫外
線硬化型の接着剤31、例えばグレースジャパン株式会
社のUV−300(商品名)などを用いてこれらを仮止
めした後、クリップ28を支持板12の係止穴27に差
し込んで上部ケーシング25と下部ケーシング23およ
び素子基板13と支持板12に強固に固定する。このよ
うな接着剤31を用いて仮止めを行う場合、必要以上に
接着剤を用いると、これが液路20内に浸透して悪影響
を与える場合が生ずるので注意すべきである。
【0036】上述した実施例では、ケーシングを下部ケ
ーシング23と上部ケーシング25とに分け、下部ケー
シング23を素子基板13の表面に一体的に形成した
が、下部ケーシング23と上部ケーシング25とを一体
的に形成し、これを素子基板13に重ね合わせて接合す
ることも可能である。
【0037】このような本発明による液体吐出ヘッドを
インクジェットヘッドに応用した他の実施例の概略構造
を図5に示し、その主要部の外観を図6に示すが、先の
実施例と同一機能の要素にはこれと同一符号を記すに止
め、重複する説明は省略するものとする。すなわち、本
実施例におけるケーシング32は、複数の仕切り壁21
とこれら仕切り壁21の長手方向一端側に位置する吐出
口18とが素子基板13に形成された電気熱変換体14
の間隔に対応して所定間隔で形成されており、基本的に
は上述した実施例における下部ケーシング23と上部ケ
ーシング25とを一体的に形成した形状を有し、例えば
ポリサルフォンなどの樹脂を成形することによって製造
することができる。本実施例のケーシング32は、素子
基板13と重ね合わせることによって共通液室22が複
数(図示例では4つ)形成され、これに対応して液体供
給口26も複数設けられている。このように、独立した
複数の共通液室22および液体供給口26を有する単一
のケーシング32を採用し、個々の共通液室22に異な
る液体を供給することによって、例えば黄色,マゼンタ
色,シアン色,黒色のインクを用いたカラープリント用
のインクジェットヘッドユニットをコンパクトに構成す
ることができる。
【0038】本実施例では、シール部材24が素子基板
13に対するケーシング32の接合面側に一体的に形成
され、素子基板13とケーシング32との間に介装され
る。素子基板13とケーシング32とを接合するクリッ
プ28のばね力により、仕切り壁21と素子基板13と
の間でシール部材24が弾性変形し、これによって仕切
り壁21と素子基板13との間の隙間を完全に塞いでク
ロストークの発生を防止することができる。
【0039】上述したようなインクジェットヘッド10
が組み込まれた本発明によるヘッドカートリッジの一実
施例の外観を図7に示す。すなわち、本実施例における
ヘッドカートリッジ40は、シリアルスキャンタイプの
ものであり、インクジェットヘッド10と、液体通路形
成部材30と、インクなどの液体を収容する液体タンク
41と、この液体タンク41内を密閉する蓋部材42と
で主要部が構成されている。液体を吐出するための多数
の吐出口18が形成されたインクジェットヘッド10
は、先の図1〜図4に示した実施例に対応するものであ
り、液体は、液体タンク41から液体通路形成部材30
を介してインクジェットヘッド10の共通液室へと導か
れるようになっている。
【0040】本実施例におけるヘッドカートリッジ40
は、インクジェットヘッド10と液体タンク41とを一
体的に形成したものであるが、このインクジェットヘッ
ド10に対し、液体タンク41側を交換可能に連結した
構造を採用するようにしても良い。
【0041】本発明による画像形成装置を上述したヘッ
ドカードリッジ40を使用するシリアルスキャンタイプ
のインクジェットプリンタに応用した一実施例の概略構
造を図8に示し、その制御ブロックを図9に示す。すな
わち、すなわち、51はキャリッジ52を図中、矢印方
向に案内する案内軸、53は送りねじ軸54に形成され
ている螺旋溝であり、キャリッジ52は送りねじ軸54
の正逆回転に従って案内軸51に沿い、矢印a, b方向
に走査移動する。そして、移動しながらキャリッジ52
に搭載されたヘッドカートリッジ40のインクジェット
ヘッド10により、プリント媒体としてのプリント用紙
Pのプリント領域にプリントが行われる。
【0042】55はキャリッジ駆動モータ、56, 57
はキャリッジ駆動モータ55の駆動力を送りねじ軸54
に伝達するためのギヤ、58はプリント用紙Pをプラテ
ン59に向けて押付けているシート押え板である。ま
た、本実施例では開口部60を有すると共にインクジェ
ットヘッド10の吐出口板19(図1参照)を覆蓋する
キャップ部材61と、このキャップ部材61に連結され
ると共に回復動作時にキャップ部材61を介してインク
ジェットヘッド10から液体を吸引する吸引手段62
と、さらに回復動作の前後などに使用されるクリーニン
グブレード63と、キャップ部材61を支持する支持部
材64とを具えており、クリーニングブレード63はそ
の支持部材65を介して矢印方向に移動させられ、イン
クジェットヘッド10の吐出口板19の表面を払拭す
る。
【0043】66は、ギヤ67およびカム68を介して
吸引手段62を駆動するためのレバーである。そして、
吸引動作時にはキャリッジ駆動モータ55により図示し
ないクラッチ切換手段およびこの伝達手段を介してその
駆動力が伝達される。また、69,70は、キャリッジ
52のホームポジションを検知するためのフォトカプラ
であり、キャリッジ52に設けられた突出レバー71の
光路遮断により、ホームポジションが検知され、キャリ
ッジ駆動モータ55の正逆回転方向の切り換えなどが行
われる。
【0044】なお、本実施例ではこれらのキャッピン
グ, クリーニング, 吸引回復は、キャリッジ52がホー
ムポジション側の領域に来た時に送りねじ軸54の作用
によって、それらの対応位置で所望の処理が行えるよう
に構成されているが、周知のタイミングで所望の作動を
行うように構成されるものであれば、どのような構成で
あってもよい。
【0045】このインクジェットプリンタは、ホストコ
ンピュータ80からプリント情報を制御信号として受け
る。プリント情報はインクジェットプリンタ内部の入出
力インタフェース72に一時保存され、同時にインクジ
ェットプリンタ内で処理可能なデータに変換され、CP
U73に入力される。CPU73は、ROM74に保存
されている制御プログラムに基づき、CPU73に入力
されたRAM75などの周辺ユニットを用いて上述した
プリント情報をプリントデータに変換処理する。CPU
73はまた、このプリントデータをプリント媒体の適当
な位置にプリントするため、プリントデータに同期して
プリント用紙Pおよびインクジェットヘッド10を駆動
するキャリッジ駆動モータ55およびプリント用紙搬送
用モータ76を駆動するためのモータ駆動データを作成
する。プリントデータおよびモータ駆動データは、各々
ヘッドドライバ77およびモータドライバ78を介して
インクジェットヘッド10およびキャリッジ駆動モータ
55,プリント用紙搬送用モータ76に伝達され、それ
ぞれ制御されたタイミングで駆動され、所定の画像をプ
リント用紙Pに形成する。
【0046】なお、本発明は、液体の吐出を行わせるた
めに利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生す
る手段(例えば電気熱変換体やレーザ光など)を具え、
この熱エネルギーにより液体の状態変化を生起させるイ
ンクジェット方式の液体吐出ヘッドやヘッドカートリッ
ジまたは画像形成装置において優れた効果をもたらすも
のである。かかる方式によれば、プリントの高密度化お
よび高精細化が達成できるからである。
【0047】その代表的な構成や原理については、例え
ば米国特許第4723129号明細書や、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は、いわゆるオンデマン
ド型およびコンティニュアス型の何れにも適用可能であ
るが、特にオンデマンド型の場合には、液体が保持され
ているシートや流路に対応して配置される電気熱変換体
に、プリント情報に対応した核沸騰を越える急速な温度
上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加すること
により熱エネルギーを発生させ、液体吐出ヘッドの熱作
用面に膜沸騰を生じさせ、結果的にこの駆動信号に一対
一で対応した液体内の気泡を形成できるので有効であ
る。この気泡の成長および収縮により、吐出口を介して
液体を吐出させ、少なくとも1つの液滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体の吐出
が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号
としては、米国特許第4463359号明細書や、同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。
【0048】なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れたプリントを行うこ
とができる。
【0049】液体吐出ヘッドの構成としては、上述の各
明細書に開示されているような吐出口と液路と電気熱変
換体との組合せ構成(電気熱変換体が液路に沿って配置
された直線状液路または電気熱変換体が液路を挟んで吐
出口と正対する直角液路)の他に、熱作用部が屈曲する
領域に配置されている構成を開示する米国特許第455
8333号明細書や、米国特許第4459600号明細
書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加え
て、複数の電気熱変換体に対し、共通するスリットを電
気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−
123670号公報や、熱エネルギーの圧力波を吸収す
る開孔を吐出部に対応させる構成を開示した特開昭59
−138461号公報に基いた構成としても、本発明の
効果は有効である。すなわち、液体吐出ヘッドの形態が
どのようなものであっても、本発明によればプリントを
確実に効率良く行うことができるようになるからであ
る。
【0050】画像形成装置がプリントできるプリント媒
体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの
液体吐出ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。
このような液体吐出ヘッドとしては、複数の液体吐出ヘ
ッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的
に形成された1個の液体吐出ヘッドとしての構成の何れ
でもよい。
【0051】上述した実施例の如きシリアルタイプのも
のでも、走査移動するキャリッジに対して一体的に固定
された液体吐出ヘッドや、キャリッジに対して交換可能
に装着されることでキャリッジとの電気的な接続や装置
本体からの液体の供給が可能となる交換自在のチップイ
ンタイプのヘッドカートリッジ、あるいは液体吐出ヘッ
ド自体に液体を貯溜したタンクが一体的または交換可能
に設けられるヘッドカートリッジを用いた場合にも本発
明は有効である。
【0052】本発明の画像形成装置の構成として、液体
吐出ヘッドからの液体の吐出状態を適正にするための回
復手段や、予備的な補助手段などを付加することは本発
明の効果を一層安定できるので、好ましいものである。
これらを具体的に挙げれば、液体吐出ヘッドに対するキ
ャッピング手段,クリーニング手段,加圧あるいは吸引
手段,電気熱変換体やこれとは別の加熱素子あるいはこ
れらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段,プ
リント作業とは別に吐出を行う予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0053】搭載される液体吐出ヘッドの種類や個数に
ついても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設
けられたものの他、色相や濃度(明度)を異にする複数
種のインクに対応して複数個設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば画像形成装置のプリントモード
としては黒色などの主流色のみのプリントモードだけで
はなく、液体吐出ヘッドを一体的に構成するか、複数個
の組み合わせによるか何れでもよいが、異なる色の複色
カラーまたは混色によるフルカラーの各プリントモード
の少なくとも一つを備えた画像形成装置にも本発明は極
めて有効である。この場合、プリント媒体の種類やプリ
ントモードに応じてインクのプリント性を調整するため
の処理液(プリント性向上液)を専用あるいは共通の液
体吐出ヘッドからプリント媒体に吐出することも有効で
ある。
【0054】以上説明した本発明の実施例においては、
室温やそれ以下で固化し、室温で軟化もしくは液化する
ものを用いても良く、あるいはインクジェット方式では
液体自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を
行って液体の粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御
するものが一般的であるから、使用プリント信号付与時
に液状をなすものを用いてもよい。加えて、熱エネルギ
ーによる昇温を、固形状態から液体状態への状態変化の
エネルギーとして使用させることで積極的に防止するた
め、または液体の蒸発を防止するため、放置状態で固化
し加熱によって液化するものを用いてもよい。何れにし
ても熱エネルギーのプリント信号に応じた付与によって
液化し、液体が吐出されるものや、プリント媒体に到達
する時点ではすでに固化し始めるものなどのような、熱
エネルギーの付与によって初めて液化する性質のものを
使用する場合も本発明は適用可能である。このような場
合の液体は、特開昭54−56847号公報あるいは特
開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔
質シートの凹部または貫通孔に液状又は固形物として保
持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような
形態としてもよい。本発明においては、上述した各液体
に対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行
するものである。
【0055】本発明にかかる画像形成装置の形態として
は、コンピュータなどの情報処理機器の画像出力端末と
して用いられるものの他、リーダなどと組合せた複写装
置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置や捺
染装置、あるいはエッチング装置の形態を採るものなど
であっても良く、プリント媒体としては、シート状ある
いは長尺の紙や布帛、あるいは板状をなす木材や皮革,
石材,樹脂,ガラス,金属などの他に、3次元立体構造
物などを挙げることができる。
【0056】
【発明の効果】本発明の第1の形態の液体吐出ヘッドに
よると、基板とケーシングとの間に隣接する液路を相互
にシールするための弾性変形可能なシール部材を介装し
たので、基板に形成される吐出エネルギー発生部の膜厚
のばらつきやケーシングに形成される仕切り壁の高さの
ばらつき、あるいはケーシングに反りなどの変形があっ
ても、基板と仕切り壁との間の隙間がシール部材によっ
て塞がれているため、個々の液路を仕切り壁およびシー
ル部材によって完全に仕切ることができる。この結果、
吐出エネルギー発生部の駆動に伴って液路内で発生する
圧力波が隣接する液路に伝播するような不具合を確実に
防止でき、吐出口から液滴を連続して吐出させる際の応
答性の改善および液滴形成の安定化が達成され、高品質
の画像を高速でプリントすることができる。
【0057】ケーシングの仕切り壁が形成された面と基
板とがシール部材を介して押し当たるように付勢してこ
れらを接合させる付勢手段を設けた場合には、接着剤な
どを用いて基板とケーシングとを接合する際の接着剤の
流動に伴う不具合を解消することができ、しかもこれら
の組み立てを容易かつ迅速に行うことができる。
【0058】シール部材を基板およびケーシングの少な
くとも一方に一体的に設けた場合には、シール部材とこ
れが一体的に設けられる基板およびケーシングとの位置
合わせを行う必要がなくなり、基板とケーシングとの組
み立て作業を容易かつ迅速に行うことができる。
【0059】本発明の第2の形態の液体吐出ヘッドによ
ると、下部ケーシングと上部ケーシングとの間に隣接す
る液路を相互にシールするための弾性変形可能なシール
部材を介装したので、基板に形成される吐出エネルギー
発生部の膜厚のばらつきや下部ケーシングに形成される
仕切り壁の高さのばらつき、あるいは上部ケーシングに
反りなどの変形があっても、下部ケーシングの仕切り壁
と上部ケーシングとの間の隙間がシール部材によって塞
がれているため、個々の液路を仕切り壁およびシール部
材によって完全に仕切ることができる。この結果、吐出
エネルギー発生部の駆動に伴って液路内で発生する圧力
波が隣接する液路に伝播するような不具合を確実に防止
でき、吐出口から液滴を連続して吐出させる際の応答性
の改善および液滴形成の安定化が達成され、高品質の画
像を高速でプリントすることができる。
【0060】下部ケーシングと上部ケーシングとがシー
ル部材を介して押し当たるように付勢すると共に下部ケ
ーシングを基板と上部ケーシングとで挟み付けてこれら
を接合させる付勢手段を設けた場合には、接着剤などを
用いて基板と下部ケーシングおよび上部ケーシングとを
接合する際の接着剤の流動に伴う不具合を解消すること
ができ、しかもこれらの組み立てを容易かつ迅速に行う
ことができる。
【0061】シール部材を下部ケーシングおよび上部ケ
ーシングの少なくとも一方に一体的に設けた場合には、
シール部材とこれが一体的に設けられる下部ケーシング
および上部ケーシングとの位置合わせを行う必要がなく
なり、基板と下部ケーシングおよび上部ケーシングとの
組み立て作業を容易かつ迅速に行うことができる。
【0062】相互に独立した共通液室および液体供給口
を複数組有する場合、特に独立した共通液室および液体
供給口に異なる種類の液体を供給する場合には、カラー
プリント用に複数の液体吐出ヘッドを1ユニット化して
コンパクトな液体吐出ヘッドユニットを構成することが
できる。
【0063】本発明によるヘッドカートリッジにおい
て、液体タンクが液体タンクの取り付け部に対して着脱
可能である場合、液体タンクに貯溜されていた液体がな
くなった場合でも、これを新たな液体タンクと交換する
ことによって継続的にヘッドカートリッジを使用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液体吐出ヘッドをインクジェット
ヘッドに応用した一実施例の内部構造を表す断面図であ
る。
【図2】図1に示したインクジェットヘッドの一部を破
断状態で表す平面図である。
【図3】図1に示したインクジェットヘッドの分解斜視
図である。
【図4】図1中のIV−IV矢視断面の拡大図である。
【図5】本発明による液体吐出ヘッドをインクジェット
ヘッドに応用した他の実施例の内部構造を表す断面図で
ある。
【図6】図5に示したインクジェットヘッドの主要部の
外観を表す斜視図である。
【図7】本発明によるヘッドカートリッジの一実施例の
外観を表す斜視図である。
【図8】本発明による画像形成装置をインクジェットプ
リンタに応用した一実施例の概略構造を表す斜視図であ
る。
【図9】図8に示したインクジェットプリンタの制御ブ
ロック図である。
【図10】従来のインクジェットヘッドの内部構造を表
す断面図である。
【図11】図10中のXI−XI矢視断面の拡大図である。
【図12】従来の他のインクジェットヘッドにおける図
11に対応した断面図である。
【符号の説明】
P プリント用紙 10 インクジェットヘッド 11 配線基板 12 支持板 13 素子基板 14 電気熱変換体 15,16 電極パッド 17 ボンディングワイヤ 18 吐出口 19 吐出口板 20 液路 21 仕切り壁 22 共通液室 23 下部ケーシング 24 シール部材 25 上部ケーシング 26 液体供給口 27 係止穴 28 クリップ 29 スペーサ 30 液体通路形成部材 31 接着剤 32 ケーシング 40 ヘッドカートリッジ 41 液体タンク 42 蓋部材 51 案内軸 52 キャリッジ 53 螺旋溝 54 送りねじ軸 55 キャリッジ駆動モータ 56, 57 ギヤ 58 シート押え板 59 プラテン 60 開口部 61 キャップ部材 62 吸引手段 63 クリーニングブレード 64 支持部材 65 支持部材 66 レバー 67 ギヤ 68 カム 69,70 フォトカプラ 71 突出レバー 72 入出力インタフェース 73 CPU 74 ROM 75 RAM 76 プリント用紙搬送用モータ 77 ヘッドドライバ 78 モータドライバ 80 ホストコンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮川 昌士 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 鈴木 良明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 三原 弘明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF40 AF93 AG12 AG70 AG85 AN01 AP02 AP24 AP25 AP34 AQ02 BA03 BA13

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液滴を吐出させるための複数の吐出エネ
    ルギー発生部が所定間隔で設けられた基板と、複数の仕
    切り壁とこれら仕切り壁の長手方向一端側に位置する吐
    出口とが前記吐出エネルギー発生部の間隔に対応して所
    定間隔で形成されたケーシングとを具え、このケーシン
    グの前記仕切り壁が形成された面を前記基板に押し当て
    てこれらを接合することにより、隣接する仕切り壁によ
    り挟まれて前記吐出エネルギー発生部がそれぞれ臨むと
    共に前記吐出口にそれぞれ連通する複数の液路と、これ
    ら液路の基端がそれぞれ連通する共通液室とを形成して
    なる液体吐出ヘッドであって、 前記基板と前記ケーシングとの間に隣接する前記液路を
    相互にシールするための弾性変形可能なシール部材を介
    装したことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記ケーシングの前記仕切り壁が形成さ
    れた面と前記基板とが前記シール部材を介して押し当た
    るように付勢してこれらを接合させる付勢手段をさらに
    具えたことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 前記シール部材は、前記基板および前記
    ケーシングの少なくとも一方に一体的に設けられている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体
    吐出ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記ケーシングは、前記共通液室に液体
    を供給するための液体供給口を有することを特徴とする
    請求項1から請求項3の何れかに記載の液体吐出ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 液滴を吐出させるための複数の吐出エネ
    ルギー発生部が所定間隔で設けられた基板と、複数の仕
    切り壁とこれら仕切り壁の長手方向一端側に位置する吐
    出口とが前記吐出エネルギー発生部の間隔に対応して所
    定間隔で形成された下部ケーシングと、この下部ケーシ
    ングに重ねられる上部ケーシングとを有し、前記下部ケ
    ーシングを前記基板と前記上部ケーシングとで挟み付け
    てこれらを接合することにより、隣接する仕切り壁によ
    り挟まれて前記吐出エネルギー発生部がそれぞれ臨むと
    共に前記吐出口にそれぞれ連通する複数の液路と、これ
    ら液路の基端がそれぞれ連通する共通液室とを形成して
    なる液体吐出ヘッドであって、 前記下部ケーシングと前記上部ケーシングとの間に隣接
    する前記液路を相互にシールするための弾性変形可能な
    シール部材を介装したことを特徴とする液体吐出ヘッ
    ド。
  6. 【請求項6】 前記下部ケーシングと前記上部ケーシン
    グとがシール部材を介して押し当たるように付勢すると
    共に前記下部ケーシングを前記基板と前記上部ケーシン
    グとで挟み付けてこれらを接合させる付勢手段をさらに
    具えたことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出ヘッ
    ド。
  7. 【請求項7】 前記シール部材は、前記下部ケーシング
    および前記上部ケーシングの少なくとも一方に一体的に
    設けられていることを特徴とする請求項5または請求項
    6に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記上部ケーシングは、前記共通液室に
    液体を供給するための液体供給口を有することを特徴と
    する請求項5から請求項7の何れかに記載の液体吐出ヘ
    ッド。
  9. 【請求項9】 相互に独立した共通液室および液体供給
    口を複数組有することを特徴とする請求項4または請求
    項8に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記独立した共通液室および液体供給
    口には、異なる種類の液体が供給されることを特徴とす
    る請求項9に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記吐出エネルギー発生部は、液体に
    熱エネルギーを付与して膜沸騰を生じさせる電気熱変換
    体を有することを特徴とする請求項1から請求項10の
    何れかに記載の液体吐出ヘッド。
  12. 【請求項12】 請求項1から請求項11の何れかに記
    載の液体吐出ヘッドと、 この液体吐出ヘッドに供給される液体を貯溜するための
    液体タンクの取り付け部とを具えたことを特徴とするヘ
    ッドカートリッジ。
  13. 【請求項13】 前記液体タンクは、前記液体タンクの
    取り付け部に対して着脱可能であることを特徴とする請
    求項12に記載のヘッドカートリッジ。
  14. 【請求項14】 液体がインクおよび/またはプリント
    媒体に吐出されるこのインクのプリント性を調整する処
    理液であることを特徴とする請求項12または請求項1
    3に記載のヘッドカートリッジ。
  15. 【請求項15】 請求項1から請求項11の何れかに記
    載の液体吐出ヘッドの取り付け部か、または請求項12
    から請求項14の何れかに記載のヘッドカートリッジの
    取り付け部と、 前記液体吐出ヘッドの吐出口から吐出される液滴によっ
    て画像が形成されるプリント媒体の搬送手段とを具えた
    ことを特徴とする画像形成装置。
  16. 【請求項16】 前記液体吐出ヘッドまたは前記ヘッド
    カートリッジの取り付け部は、前記液体吐出ヘッドから
    液体が吐出されるプリント媒体の搬送方向と交差する方
    向に走査移動可能なキャリッジを有することを特徴とす
    る請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 【請求項17】 前記液体吐出ヘッドまたは前記ヘッド
    カートリッジは、着脱手段を介して前記キャリッジに対
    して着脱自在に搭載されることを特徴とする請求項16
    に記載の画像形成装置。
JP2001312648A 2001-10-10 2001-10-10 液体吐出ヘッド,ヘッドカートリッジおよび画像形成装置 Pending JP2003118121A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001312648A JP2003118121A (ja) 2001-10-10 2001-10-10 液体吐出ヘッド,ヘッドカートリッジおよび画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001312648A JP2003118121A (ja) 2001-10-10 2001-10-10 液体吐出ヘッド,ヘッドカートリッジおよび画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003118121A true JP2003118121A (ja) 2003-04-23

Family

ID=19131267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001312648A Pending JP2003118121A (ja) 2001-10-10 2001-10-10 液体吐出ヘッド,ヘッドカートリッジおよび画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003118121A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020157697A (ja) * 2019-03-28 2020-10-01 コニカミノルタ株式会社 インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020157697A (ja) * 2019-03-28 2020-10-01 コニカミノルタ株式会社 インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの製造方法
JP7088107B2 (ja) 2019-03-28 2022-06-21 コニカミノルタ株式会社 インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH02192954A (ja) 液体噴射記録ヘッドおよび液体噴射記録装置
US7434917B2 (en) Ink jet recording head having temperature control heaters and nozzle arrays of differing discharge amounts
KR100909132B1 (ko) 액체 토출 장치 및 액체 토출 방법
JP3177100B2 (ja) インクジェットヘッドおよびインクジェット装置ならびに前記ヘッドの製造方法および前記ヘッドの製造装置
US5835110A (en) Ink jet head and ink jet printer
JP2010046853A (ja) インクジェット記録ヘッド
JP3103177B2 (ja) インクタンク・ヘッド交換型インクジェット記録装置
JP2003118121A (ja) 液体吐出ヘッド,ヘッドカートリッジおよび画像形成装置
JP3437425B2 (ja) インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置
JP3115755B2 (ja) インクジェット記録ヘッド、その製造方法およびインクジェット記録装置
JPH1148499A (ja) 液体吐出方法、液体吐出ヘッド、並びに該液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジ及び液体吐出装置
JP3176249B2 (ja) インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録装置および情報処理システム
JP2002001959A (ja) 液体吐出ヘッドおよびカートリッジおよび画像形成装置ならびに液体吐出ヘッドの製造方法
JPH05246032A (ja) インクジェット記録ヘッドおよび該記録ヘッドを搭載した記録装置
JP3255787B2 (ja) インクジェット記録ヘッド
JP3155416B2 (ja) インクジェットヘッドおよびインクジェット装置
JPH09239983A (ja) インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録ヘッドカートリッジ及びインクジェット記録装置
JP2692983B2 (ja) インクジェットヘッド及び該ヘッドを備えたインクジェットカートリッジ及び該カートリッジを搭載したインクジェット記録装置
JP3683941B2 (ja) インクジェットヘッド、該ヘッドを有するインクジェットカートリッジ及び該ヘッドを搭載するインクジェット装置
JP2003311982A (ja) 液体吐出ヘッド
JP2003127374A (ja) 液体吐出ヘッドならびにヘッドカートリッジおよび画像形成装置
JPH09109394A (ja) 記録ヘッド
JP3229465B2 (ja) インクジェットヘッドおよび記録装置
JP4854141B2 (ja) 液体吐出記録ヘッド及び液体吐出記録装置
JP3466827B2 (ja) インクジェット記録ヘッド及び該インクジェット記録ヘッドの製造方法