JPH09239983A - インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録ヘッドカートリッジ及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録ヘッドカートリッジ及びインクジェット記録装置

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JPH09239983A
JPH09239983A JP5614096A JP5614096A JPH09239983A JP H09239983 A JPH09239983 A JP H09239983A JP 5614096 A JP5614096 A JP 5614096A JP 5614096 A JP5614096 A JP 5614096A JP H09239983 A JPH09239983 A JP H09239983A
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recording head
jet recording
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ink jet
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淳 日南
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英一郎 清水
Teruo Arashima
輝雄 荒島
亘 ▲高▼橋
Wataru Takahashi
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14032Structure of the pressure chamber
    • B41J2/14056Plural heating elements per ink chamber

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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク流路内に設けられた面積の異なる複数
の発熱抵抗体に同じ駆動電圧、駆動信号を与えつつ、所
望量のインクをほぼ等しい吐出速度で吐出させる。 【解決手段】 インク流路4内には、互いに独立して駆
動可能な第1の発熱抵抗体5と、第2の発熱抵抗体6と
が配置される。第2の発熱抵抗体6は、第1の発熱抵抗
体5の面積よりも小さく、吐出口3a側に配置される。
第2の発熱抵抗体6は、並列に配置され、かつ、電気的
に直列に接続された2つの発熱素子56a,6bで構成
される。電流が流れる方向での第1の発熱抵抗体5の長
さ(L1)と第2の発熱抵抗体6の長さ(L2×2)と
はほぼ等しく、両者の発泡しきい値電圧はほぼ等しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録用の液体(イ
ンクなど)を飛翔液滴として吐出口から吐出させ、被記
録媒体に付着させることによって記録を行うインクジェ
ット記録ヘッド、インクジェット記録ヘッドカートリッ
ジ及びインクジェット記録装置に関する。なお、本発明
において記録とは、布やプラスチック等へのプリントを
も含む言葉として用いる。
【0002】
【従来の技術】インクを吐出して被記録媒体上に記録を
行うインクジェット記録装置は、装置の小型化の容易
性、低騒音性等の観点から多くの製品が製造されてい
る。その中でも、熱エネルギーをインクに与えることで
インク発生する気泡を利用してインクを吐出させる記録
方式は、インク流路の多数本化及び高密度化に好適な方
式として知られている。
【0003】そして近年、さらに小型化を図ることや、
高画質特に高画質カラー記録を行うことに対する要求が
高まってきている。このような要求を満たすための構成
として、特公昭62−48585号公報には、1つのイ
ンク流路内に複数の発熱抵抗体を設けた構成が開示され
ている。これによれば、それぞれの発熱抵抗体に入力さ
れる駆動信号の入力タイミングをずらすことにより、吐
出されるインク滴の大きさ(インク吐出量)を変調し、
階調記録を行うことで高画質記録を実現している。
【0004】一方、カラー記録においては、イエロー、
マゼンタ、シアン、ブラックのインクを用いて記録を行
うものが一般的であるが、色境界の混色を防止するため
に、ブラックインクの吐出量よりも他の色のインクの吐
出量を減らせばよいことが知られている。従来は、イン
クの吐出量を異ならせる場合、発熱抵抗体の面積を変え
ていた。しかし、発熱抵抗体の電流が流れる方向での長
さが異なると、発熱抵抗体に接続される配線も含めた発
泡しきい値電圧も異なってしまうため、複数種類の電圧
印加回路が記録装置本体に必要となる。発泡しきい値電
圧とは、発熱抵抗体を駆動しインクに気泡を生じさせる
ために必要最低限の電圧のことである。また、記録ヘッ
ド自体についても、別電圧の配線ラインを設けなければ
ならず、配線エリアが大きくなってしまう。その結果、
記録ヘッドのサイズアップ、さらにはコストアップを招
くことになる。
【0005】このため駆動電圧を等しくしようとする
と、発熱抵抗体の大きさに応じて印加パルス幅を変える
必要がある。これは、インクの発泡までの時間に差が生
じ吐出安定性に欠けることになるばかりでなく、異なっ
た印加パルス幅を入力するための回路を必要とするとい
う別の問題点が生じる。しかも、吐出量の温度係数補償
のため、近年では発熱抵抗体への印加パルスをプレヒー
トパルスとメインヒートパルスに分け、それぞれのヒー
トパルスの幅及びそれらのヒート間の休止時間の3つの
パラメータを温度テーブルに基づいて制御する、いわゆ
るパルス幅変調を行っている。そのため、大きい発熱抵
抗体と小さい発熱抵抗体とで異なったパルス幅を印加す
る場合には、これらのテーブルを2つもち、それを参照
しながら駆動しなければならず、こうした周辺部分での
コストアップも招いていた。なお、熱エネルギーをイン
クに与えることでインクに発生する気泡を利用してイン
クを吐出させる記録方式では、電気熱変換体の発熱抵抗
体に入力するエネルギーを変化させても、吐出液滴の体
積の変化幅は小さいことが経験的に分かっている。前述
したパルス幅変調では、変調幅は20〜30%程度であ
る。
【0006】そこで、特開平6−316078号公報で
は、吐出するインクの色ごとに、発熱抵抗体の長さを共
通として幅を変えることで発熱抵抗体の面積を変え、あ
るいは、発熱抵抗体上に形成されるパッシベーション膜
の厚さを変えることで、発熱抵抗体の駆動条件をほぼ等
しくしながらも、インクの吐出量を異ならせている記録
ヘッドが提案されている。
【0007】上述した観点から、本出願人は、1つのイ
ンク流路内の複数の発熱抵抗体を同一の駆動条件で駆動
することによる高速階調記録の検討を重ねてきた。その
結果、1つのインク流路と1つの吐出口から階調記録が
得られる吐出量の変化は、発熱抵抗体の面積等の設計に
より得られるものの、そうして変調されたインク滴の吐
出速度は一様ではなく、図10に示すように、吐出量の
増加に対応してほぼ直線的に増加する傾向を示すことが
確認された。これは、階調記録によって高画質を得る方
法では、被記録媒体に対して1回の走査で複数のインク
流路ごとに独立して吐出量を変調させながら記録を行う
ことが非常に難しいことを示唆している。つまり、被記
録媒体と非接触で記録を行うインクジェット記録では、
吐出速度の差が、被記録媒体への着弾時間のずれ、すな
わち着弾位置のずれを引き起こしてしまうのである。
【0008】そこで引続き検討を重ねた結果、1つのイ
ンク流路内に設けられた複数の発熱抵抗体のそれぞれの
位置を吐出口との関係において最適化することにより、
特に、小さな面積の発熱抵抗体を駆動した場合にも、小
さなインク滴の吐出速度を大きなインク滴の吐出速度に
近付ける手法を見出した。つまり、図11に示すよう
に、小さい発熱抵抗体1006を、大きい発熱抵抗体1
005よりも吐出口1003a側に近付けて配置するこ
とによって、小さい発熱抵抗体1006の駆動により吐
出されるインク滴の吐出速度を、大きい発熱抵抗体10
05の駆動により吐出されるインク滴の吐出速度に近付
けている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複数の
発熱抵抗体をインク流路の幅方向に配列した場合、例え
ば、360dpiの記録ヘッドではインク流路のピッチ
は約70.5μmとなるので、発熱抵抗体はインク吐出
方向に細長い形状を前提に設計せざるを得ない。例え
ば、一番小さい発熱抵抗体は12μm×100μmとい
った寸法が予測される。このように細長い発熱抵抗体と
すると、その周辺部の2〜4μmといった発泡無効領域
を見込んで発泡有効面積を確保するためには、より長く
(例えば12μm×120μm)して面積を稼ぐ設計と
なる。
【0010】こうした場合、この小さな発熱抵抗体は、
インク流路内で吐出口側にどんなに近付けても、120
μmといった長さの重心位置(発泡中心位置)は、吐出
口から60μm以上離れていることになる。実際には、
発熱抵抗体に接続される配線等の関係から、発熱抵抗体
の前端面から10〜20μmは必要となり、結果とし
て、小さな発熱抵抗体は吐出口から70μm以上離れ
る。一方、大きな発熱抵抗体を駆動して大きなインク滴
を吐出するためには、インク流路内へのインク供給が速
やかに行われなければならず、インク流路をむやみに長
くすることはできない。特に、毎秒6000発といった
高速記録を実現するためには、実際にはインク流路の長
さは最長でも400μm、望ましくは300μm以下が
限界となっており、小さな発熱抵抗体が吐出口から70
μm以上離れる状況の中で、大きな発熱抵抗体をさらに
吐出口から離すことは設計上困難である。従って、こう
した制約の中で、大きさの異なるインク滴の吐出速度を
ほぼ同じにするのは非常に難しい。
【0011】こうした背景を踏まえ、本出願人は、図1
2に示すように、細長いインク流路1014に対して複
数の発熱抵抗体1015,1016を幅方向に配置せ
ず、前後に配置することを検討した。こうすると、イン
ク流路1014の幅いっぱいに発熱抵抗体1015,1
016を配置できるため、発熱抵抗体周縁部の発泡無効
領域も減り効率が上がるばかりでなく、発熱抵抗体10
15,1016の長さが幅広分に見合う以上に短くな
り、また小さい発熱抵抗体1016の重心位置も吐出口
1013a側に近付くため、所望の吐出量を維持しつ
つ、それぞれのインク滴がほぼ等しい吐出速度となる。
【0012】しかしながら、発熱抵抗体を前後に配置し
た場合には、電気熱変換体の発泡しきい値電圧が大きく
異なってしまうことになる。この問題点に対し、パッシ
ベーション膜の厚さを変えて対処する方法では、レジス
ト塗布、パターニング、エッチング及びレジスト剥離と
いった一連のフォトリソグラフィ工程が必要となり、結
果として製造コストが上昇してしまう。
【0013】そこで本発明は、インク流路内に設けられ
た面積の異なる複数の発熱抵抗体に同じ駆動電圧、駆動
信号を与えても、各発熱抵抗体の面積に対応した所望量
のインクがほぼ等しい吐出速度で吐出されるインクジェ
ット記録ヘッド、インクジェット記録ヘッドカートリッ
ジ及びインクジェット記録装置を提供することを目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のインクジェット記録ヘッドは、インク流路と、
前記インク流路内に配置され、それぞれ面積が異なり独
立して駆動可能な複数の発熱抵抗体を備えた電気熱変換
体とを有し、所定の発熱抵抗体を駆動することにより、
駆動した発熱抵抗体の面積に応じた気泡を前記インク流
路内のインクに生じさせ、異なる体積のインクを吐出口
から吐出するインクジェット記録ヘッドにおいて、前記
各発熱抵抗体のうち、面積が小さいものは面積が大きい
ものよりも前記吐出口に近い位置に配置されるととも
に、少なくとも面積が一番小さい発熱抵抗体は、並列に
配置され、かつ、電気的に直列に接続された複数の発熱
素子で構成され、インクに気泡を生じさせるための発泡
しきい値電圧が、前記発熱抵抗体ごとにほぼ等しいこと
を特徴とする。
【0015】ここで、前記発泡しきい値電圧がほぼ等し
いとは、前記各発熱抵抗体についての発泡しきい値電圧
が、その平均値から5%以内の範囲の電圧にあることが
好ましい。
【0016】また、前記各発熱抵抗体の電流が流れる方
向の長さが、前記発泡しきい値電圧がほぼ等しくなる程
度に等しい長さのものや、前記各発熱抵抗体が、それそ
れ前記インク流路の中心線に対して対称に配置されてい
るものであってもよい。
【0017】さらに、前記各発熱抵抗体が、互いに隣接
する発熱抵抗体間の距離が20μm以下となるように配
置されているものでもよく、この場合特に、前記発熱抵
抗体が前記インク流路の流路壁から10μm以上離れて
いる場合には、前記流路壁から10μm以上離れている
発熱抵抗体とそれに隣接する発熱抵抗体との間の距離が
15μm以下となるように配置されていることが好まし
い。
【0018】また、異なる色のインクを吐出するため
に、吐出するインクの色ごとに前記インク流路及び前記
電気熱変換体が設けられているものであってもよく、こ
の場合には、前記異なる色のインクのうち1色は黒イン
クであり、前記黒インクを吐出するための電気熱変換体
の各発熱抵抗体の面積は、他の色のインクを吐出するた
めの電気熱変換体の、対応する発熱抵抗体の面積よりも
大きいものであってもよい。
【0019】また、前記電気熱変換体は1枚の基板上に
形成されており、前記基板には、前記電気熱変換体を駆
動するためのドライブ回路と、シフトレジスタ回路と、
ラッチ回路とが作り込まれているものとすることもでき
る。
【0020】本発明のインクジェット記録ヘッドカート
リッジは、上記本発明のインクジェット記録ヘッドと、
前記インクジェット記録ヘッドに供給するインクを貯蔵
するインクタンクとを有するものである。
【0021】本発明のインクジェット記録装置は、上記
本発明のインクジェット記録ヘッドまたは上記本発明の
インクジェット記録ヘッドカートリッジを備え、記録信
号に基づいてインクを前記インクジェット記録ヘッドの
吐出口から吐出して記録を行うものである。
【0022】上記のとおり構成された本発明のインクジ
ェット記録ヘッドでは、インク流路内の電気熱変換体は
面積の異なる複数の発熱抵抗体を有しており、駆動する
発熱抵抗体の組み合せにより、吐出されるインク滴の大
きさを変えることができる。また、インクに気泡を生じ
させるために必要最低限の電圧は、発熱抵抗体の電流が
流れる方向における長さに影響される。ここで、少なく
とも一番小さい面積の発熱抵抗体が、並列に配置され、
かつ、電気的に直列に接続された複数の発熱素子で構成
されるので、このような発熱抵抗体は、電流の流れる方
向における長さを他の発熱抵抗体とほぼ等しくしつつ、
その発泡中心位置をより吐出口に近付けて配置すること
が可能となる。その結果、各発熱抵抗体についての発泡
しきい値電圧をほぼ等しくすることで、所望の大きさの
インク滴の吐出が同一の駆動条件で得られ、しかも、そ
の吐出速度はほぼ等しくなる。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0024】図1は、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドの第1の実施形態の一部を破断した要部斜視図であ
り、図2は、図1に示したインクジェット記録ヘッドの
1つのインク流路についての電気熱変換体の構成を示す
図である。
【0025】本実施形態のインクジェット記録ヘッドは
360dpiの解像度をもつモノクロ印字用のインクジ
ェット記録ヘッドであり、放熱部材であるアルミプレー
ト11には、インク吐出用の熱エネルギーを発生させる
ための複数の電気熱変換体2が表面に形成されたシリコ
ン基板1が、熱伝導性のよい接着剤により接着されてい
る。シリコン基板1の表面には、各電気熱変換体2に対
応したインク流路4を構成する複数の溝、及び各溝にそ
れぞれ開口する複数の吐出口3aが形成された溝付き天
板3が接合されている。溝付き天板3がシリコン基板1
に接合されることで、各電気熱変換体2がシリコン基板
1の溝間の壁で仕切られ、各電気熱変換体2は、それぞ
れ1つのインク流路4に1つずつ配置されることにな
る。
【0026】シリコン基板1には、電気熱変換体2を駆
動するための駆動回路(不図示)が作り込まれており、
この駆動回路はシリコン基板1の後端部(吐出口が形成
された側と反対側の端部)に形成された端子に電気的に
接続されている。また、アルミプレート11には、シリ
コン基板1の駆動回路とインクジェット記録装置の制御
回路との中継を行うための配線基板(不図示)が固定さ
れており、配線基板の端子とシリコン基板1の端子と
は、ボンディングワイヤーを介して電気的に接続されて
いる。
【0027】ここで、電気熱変換体2の構成について図
2を参照して説明する。電気熱変換体2は、それぞれ独
立して駆動可能な第1の発熱抵抗体5と、第1の発熱抵
抗体5よりも面積が小さい第2の発熱抵抗体6とを有す
る。第1の発熱抵抗体5は、第1の個別配線8と共通配
線7とに電気的に接続され、第2の発熱抵抗体6は、第
2の個別配線9と共通配線7とに電気的に接続される。
これにより、共通配線7と第1の個別配線8との間に電
圧を印加することで第1の発熱抵抗体5を駆動できる
し、共通配線7と第2の個別配線9との間に電圧を印加
することで第2の発熱抵抗体6を駆動できる。さらに、
共通配線7と第1の個別配線8との間、及び第2の個別
配線9との間に、同時に電圧を印加すれば、第1の発熱
抵抗体5と第2の発熱抵抗体6とを同時に駆動すること
もできる。そして、第1の発熱抵抗体5と第2の発熱抵
抗体6との間の距離dは、20μm以下としている。こ
れにより、両者を同時に駆動したときに確実に一体の発
泡が生じる。従って、どの発熱抵抗体を駆動するかによ
ってインクの吐出量を3通りに変調させることができる
(吐出しない場合も含めると4通り)。
【0028】第2の発熱抵抗体6は、長方形の2つの発
熱素子6a,6bで構成される。各発熱素子6a,6b
は、その長手方向がインク流路4の幅方向と平行になる
ようにインク流路4の長さ方向に並べられて配置され、
それぞれ電流がインク流路4の幅方向に流れるように、
第2の個別配線9に直列に接続されている。また、第2
の発熱抵抗体6は第1の発熱抵抗体5よりも吐出口側に
配置されており、第2の発熱抵抗体6の発泡中心位置か
ら吐出口までの距離OCA は、第1の発熱抵抗体5の発
泡中心位置から吐出口までの距離OCB よりも小さい。
さらに、電流の流れる方向における第1の発熱抵抗体5
の長さ(L1)は、第2の発熱抵抗体6の長さ(L2×
2)とほぼ等しくなっている。
【0029】以上説明したように、第2の発熱抵抗体6
を2つの発熱素子6a,6bで構成し、各発熱素子6
a,6bを上述したように配置することで、配線抵抗を
含めて考えた、第1の発熱抵抗体5の発泡しきい値電圧
と、第2の発熱抵抗体6の発泡しきい値電圧とをほぼ同
じにしつつ、第2の発熱抵抗体6の発泡中心位置を吐出
口により近く配置することができる。その結果、同一の
駆動電圧及び駆動信号で所望のインク吐出量を得ること
ができ、しかも、インク吐出速度を、インク滴の大きさ
によらずにほぼ一定とすることができる。従って、この
ようなインクジェット記録ヘッドを用いて記録を行うこ
とにより、高画質の階調記録を簡単な構成で実現するこ
とが可能となる。
【0030】発泡しきい値電圧がどの程度ずれてもいい
かを検討した結果、安定した吐出を行うためには、すべ
ての発熱抵抗体についての発泡しきい値電圧の平均値に
10%以上上乗せするのがよいことが確認された。ま
た、30%以上上乗せするのは、過大なエネルギーによ
り発熱抵抗体がストレスを受け、寿命が損なわれること
も確認された。そのため、電源電圧のばらつきも考慮
し、発泡しきい値電圧を5%以内、より好ましくは3%
以内に揃えるのがよい。
【0031】図3は、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドの第2の実施形態の1つのインク流路についての電気
熱変換体の構成を示す図である。
【0032】本実施形態では、第1の発熱抵抗体15の
構成を第2の発熱抵抗体16の構成と同様にしている。
すなわち、第1の発熱抵抗体15は長方形の2つの発熱
素子15a,15bで構成され、各発熱素子15a,1
5bは、その長手方向がインク流路14の幅方向と平行
になるようにインク流路14の長さ方向に並べられて配
置され、それぞれ電流がインク流路14の幅方向に流れ
るように、第1の個別配線18に直列に接続されてい
る。これに伴い、第1の発熱抵抗体15の電流が流れる
方向での長さはL1×2となるので、第2の発熱抵抗体
16についても、電流が流れる方向での長さをほぼ等し
くするために、その発熱素子16a,16bの長さL2
を第1の発熱抵抗体15の発熱素子15a,15bの長
さとほぼ等しくしている。
【0033】これにより、各発熱抵抗体15,16の電
流が流れる方向での長さを第1の実施形態よりも長くで
き、基本的な発泡パワーの調整はそれぞれの発熱素子1
5a,15b,16a,16bの幅W1,W2の調整で
すむ。従って、記録ヘッドの設計、試作、検証といっ
た、一連の開発工程を簡略化することができる。
【0034】図4は、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドの第3の実施形態の1つのインク流路についての電気
熱変換体の構成を示す図である。
【0035】本実施形態は、基本的には第1の発熱抵抗
体25及び第2の発熱抵抗体26の構成が第2の実施形
態と同様である。ただし、インク流路24の幅が、吐出
口23aに向かうにつれて徐々に広がっていく形状とな
っているので、それに合わせて各発熱抵抗体25,26
の発熱素子25a,25b,26a,26bの形状を変
えている。すなわち、第1の発熱抵抗体25において
は、その発熱素子25a,25bのインク流路24の幅
方向の長さをL1b>L1bとし、第2の発熱抵抗体2
6においてもその発熱素子26a,26bのインク流路
24の幅方向の長さをL2a>L2bとしている。
【0036】この場合でも、電流の流れる方向での第1
の発熱抵抗体25の長さL1(=L1a+L1b)と第
2の発熱抵抗体26の長さL2(=L2a+L2b)と
をほぼ等しくし、上述の実施形態と同様の効果を得るこ
とができる。なお、配線抵抗分を加味して第1の発熱抵
抗体25と第2の発熱抵抗体26との発泡しきい値電圧
を合せておけば、L1とL2の長さはまったく同一の寸
法でなくてもよい。
【0037】図5は、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドの第4の実施形態のシリコン基板の平面図及びその要
部拡大図である。
【0038】本実施形態はカラー記録用のインクジェッ
ト記録ヘッドであり、1枚のシリコン基板31上に、ブ
ラックインク用の電気熱変換体32BK、シアンインク
用の電気熱変換体32C、マゼンタインク用の電気熱変
換体32M及びイエローインク用の電気熱変換体32Y
が形成されている。なお、図5において、符号37は、
記録装置側の電気信号を受け取るためのコンタクトパッ
ドである。また、シリコン基板31上に破線で示した領
域は、各電気熱変換体32BK,32C,32M,32
Yを駆動するための機能素子が配された領域を示す。
【0039】ブラックインク用の電気熱変換体32BK
は、第1の実施形態と同様に配置された、第1の発熱抵
抗体35BKと2つの発熱素子36aBK,36bBK
で構成される第2の発熱抵抗体36BKとを有する。イ
エローインク用の電気熱変換体32Yも同様に、第1の
発熱抵抗体35Yと2つの発熱素子36aY,36bY
で構成される第2の発熱抵抗体36Yとを有する。シア
ンインク用の電気熱変換体32C及びマゼンタインク用
の電気熱変換体32Mは、イエローインク用の電気熱変
換体32Yと同じ構成であるので、その説明は省略す
る。
【0040】また、カラー記録の際の色境界での混色を
抑えることを目的としてブラックインクの吐出量よりも
他の色のインクの吐出量を減らすために、イエローイン
ク用の第1の発熱抵抗体35Y及び第2の発熱抵抗体3
6Yの面積を、それぞれブラックインク用の第1の発熱
抵抗体35BK及び第2の発熱抵抗体36BKの面積よ
りも小さくしている。さらに、上述した実施形態では、
例えばブラックインク用の電気熱変換体32BKにおい
て、第1の発熱抵抗体35BKと第2の発熱抵抗体36
BKについての、配線抵抗をも含めた発泡しきい値電圧
が等しくなるようにしているが、本実施形態では、さら
に、各色についても発泡しきい値電圧が等しくなるよう
にしている。
【0041】従って、本実施形態では、こうした小型化
が可能な一体型のカラー記録ヘッドにおいても、すべて
の色について、所望のインク吐出量を同一の駆動条件で
得ることができ、かつ、インク吐出速度をインク滴の大
きさによらずにほぼ一定とすることができる。
【0042】上述したように、本実施形態では同一のシ
リコン基板31上に各色インク用の電気熱変換体32B
K,32C,32M,32Yを形成した例を示した。こ
のような構成は、小型化を大きく押し進めるために好適
であるが、本発明は必ずしも同一の基板上に形成された
場合に限定されるものではなく、各色インク用の電気熱
変換体をそれぞれ異なる基板上に形成したものであって
もよい。
【0043】上述した4つの実施形態を通じて、1つの
インク流路内に複数の発熱抵抗体を設けている関係上、
これらに接続する配線等のために大きな面積が必要とな
る。しかし本発明ではこれに対して、駆動回路やシフト
レジスタ回路、ラッチ回路といった回路を高集積半導体
プロセスで基板に一体に作り込むことにより、工程がわ
ずかに増えるものの、基板サイズを大幅に縮小すること
ができ、結果として低コストでインクジェット記録ヘッ
ドを作製することができるようになる。
【0044】また、図11に示したように発熱抵抗体が
インク流路の中心線に対して非対称に配置されている
と、発泡消泡時に受ける流路壁の影響は発熱抵抗体ごと
に異なり、吐出時のインクの挙動が理論上と実際とで大
きくずれることがある。ところが本発明では、発熱抵抗
体をインク流路の中心線に対して対称に配置することが
できるので、吐出時のインクの挙動が理論上と実際とで
大きくずれることもなくなる。その結果、所望のインク
吐出量を得るための発熱抵抗体の面積や配置の設計が容
易になり、インクジェット記録ヘッドの短期間での開発
を可能とする。
【0045】さらに、上述した実施形態では1つのイン
ク流路に対して面積の異なる2種類の発熱抵抗体を設け
た4値記録が可能な例を示したが、1つのインク流路に
対して面積の異なる3種類以上の発熱抵抗体を設け、イ
ンク吐出量をより細かく制御してもよい。この場合、最
も面積の小さい発熱抵抗体については、上述した実施形
態の第2の発熱抵抗体のように複数の発熱素子で構成さ
れるが、必要に応じて他の発熱抵抗体についても複数の
発熱素子で構成してもよい。
【0046】次に、本発明のインクジェット記録ヘッド
カートリッジについて説明する。図8は、本発明のイン
クジェット記録ヘッドカートリッジの斜視図である。
【0047】このインクジェット記録ヘッドカートリッ
ジは、上述した本発明のインクジェット記録ヘッド40
を備えている。インクジェット記録ヘッド40には、イ
ンクジェット記録ヘッド40に供給されるインクを貯蔵
するインクタンク41が、着脱自在にもしくは不可分に
接続されている。そして、このインクタンク41から供
給されたインクを吐出口42から吐出することで記録を
行う。インクタンク41としては、インクジェット記録
ヘッド40に合わせて単色のインクを貯蔵するものでも
よいし、複数色、例えばイエロー、マゼンタ、シアンの
インク貯蔵部が一体化されたものであってもよい。
【0048】次に、本発明のインクジェット記録装置の
概略について説明する。
【0049】本発明が適用されるインクジェット記録装
置の概観は、図9に示されている。螺旋溝204の刻ま
れたリードスクリュー205は、駆動モータ213の正
逆回転に連動し、駆動力伝達ギア211,209を介し
て回転駆動される。キャリッジHCはインクジェット記
録ヘッドカートリッジ200を搭載しており、キャリッ
ジHCに設けられたピン(不図示)によって螺旋溝20
4に対して係合している。さらにキャリッジHCは案内
レール203に摺動自在に案内されており、これにより
図示矢印a,b方向に往復移動できるようになってい
る。紙押え板202は、キャリッジHCの移動方向にわ
たって、記録媒体230をプラテンローラ201に対し
て押圧する。
【0050】フォトカプラ207,208は、キャリッ
ジHCのレバー206のこの域での存在を確認して駆動
モータ213の回転方向の逆転等を行なうためのホーム
ポジション検知手段を構成する。インクジェット記録ヘ
ッドの前面をキャップするキャップ部材222は、支持
部材216によって支持され、さらに吸引手段215を
備え、キャップ内開口223を介してインクジェット記
録ヘッドの吸引回復を行なう。本体支持板219には支
持板218が取付けられており、この支持板218に摺
動自在に支持されたクリーニングブレード217は、図
示しない駆動手段によって前後方向に移動される。クリ
ーニングブレード217の形態は図示するものに限られ
ず、公知のものが本例に適用できることは言うまでもな
い。レバー206は、吸引回復操作を開始するためのも
ので、キャリッジHCと当接するカム220の移動にと
もなって移動し、駆動モータ213からの駆動力がギア
210やクラッチ切換等の公知の伝達手段によって移動
制御される。
【0051】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復の各処理は、キャリッジHCがホームポジション
側領域にきたときリードスクリュー205の作用によっ
て、それぞれの対応位置で行なわれるようになってい
る。周知のタイミングで所望の作動を行なうようにすれ
ば、本例にはいずれも適用できる。
【0052】なお、以上説明した記録装置においては、
搭載したインクジェット記録ヘッドを駆動するための記
録信号をインクジェット記録ヘッドに与える記録信号供
給手段を有し、インクジェット記録装置の駆動を司る制
御手段を有する制御部を備えている。
【0053】また、インクジェット記録ヘッドカートリ
ッジ200は、インクジェット記録ヘッドと一体となっ
た構成を示したが、これに限定されるものではなく、イ
ンクタンクとインクジェット記録ヘッドが別体で、イン
ク供給路を通じてインクジェット記録ヘッドに供給され
る形態としたり、インクジェット記録ヘッド部とインク
タンク部とが着脱可能な形態としてもよい。さらに、本
発明のインクジェット記録ヘッドを用いた記録装置で布
等にプリントを行うことも可能である。
【0054】インクジェット記録ヘッドの構成として
は、上述したような吐出口、インク流路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を
開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含ま
れるものである。
【0055】また、本発明のインクジェット記録装置の
構成として設けられる、インクジェット記録ヘッドに対
しての回復手段、予備的な補助手段等を付加することは
本発明の効果を一層安定できるので好ましいものであ
る。これらを具体的に挙げれば、インクジェット記録ヘ
ッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、
加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは
別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加
熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行う
ことも安定した記録を行うために有効である。
【0056】さらに加えて、本発明に係るインクジェッ
ト記録装置の形態としては、ワードプロセッサやコンピ
ュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体また
は別体に設けられるものの他、リーダと組み合せた複写
装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の
形態を採るものであってもよい。
【0057】
【実施例】次に、本発明のインクジェット記録ヘッドの
具体的な実施例について説明する。
【0058】(第1実施例)本実施例は、図1及び図2
に示した第1の実施形態に基づく実施例である。まず、
シリコン基板1として、幅×長さが11mm×2.5m
m、厚さが約0.6mmの基板を用い、その面上に厚さ
約0.1μmのHfB2 からなる発熱抵抗体層と、厚さ
約0.5μmのAlの配線層、さらには厚さ約1μmの
SiO2 層と厚さ約0.5μmのTaによるパッシベー
ション層を、それぞれスパッタリング工程により成膜
し、適切なフォトリソグラフ工程により所望のパターン
に仕上げる。
【0059】そして、360dpiピッチで128本並
んだインク流路4の一つ一つに対し、図2に示すよう
に、24μm×35μmの大きさの2つの発熱素子6
a,6bを直列に接続した第2の発熱抵抗体6と、40
μm×65μmの大きさの第1の発熱抵抗体5とを配置
したインクジェット記録ヘッドを作製した。
【0060】このようなインクジェット記録ヘッドを用
い、第2の発熱抵抗体6のみを駆動した場合と、第1の
発熱抵抗体5のみを駆動した場合と、両者を駆動した場
合とで、同一の駆動条件でのインクの吐出速度を比較し
たところ、図6のグラフに示すように小さなインク滴で
も十分な吐出速度が得られ、大きなインク滴の吐出速度
との差は10%以内に収まっていた。また、第1の発熱
抵抗体5と第2の発熱抵抗体6とでの、配線抵抗を含め
た発泡しきい値電圧の差は、2%以内であった。
【0061】(第2実施例)本実施例は、図3に示した
実施形態に基づく実施例であり、第1実施例と同様に吐
出量と吐出速度との関係を調べた。その結果、図7に示
すように、小さなインク滴と大きなインク滴とでの吐出
速度の差は10%以内であった。
【0062】また、本実施例では、第2の発熱抵抗体1
6の位置を固定して、dをパラメータとして吐出特性を
評価した。その結果、第1実施例と同様にdが20μm
以下であれば実用上ほぼ理想的な階調が得られたが、望
ましくは15μm以下であった。特にインク流路壁と発
熱抵抗体との距離が近い場合には20μm以下で良好で
あったが、前記距離が10μm以上である場合には、d
は15μm以下が好適であった。
【0063】(第3実施例)本実施例は、図5に示した
実施形態に基づく実施例である。図5において、シリコ
ン基板31上に、ブラックインク用の電気熱変換体32
BKを64個、その他の電気熱変換体32C,32M,
32Yをそれぞれ24個ずつ形成した。また、ブラック
インク用の電気熱変換体32BKについては、第1の発
熱抵抗体35BKの大きさを40μm×60μmとし、
第2の発熱抵抗体36BKの各発熱素子36aBK,3
6bBKの大きさを24μm×35μmとした。イエロ
ーインク用の出に熱変換体32Yについては、第1の発
熱抵抗体35Yの大きさを24μm×63μmとし、第
2の発熱抵抗体36Yの各発熱素子36aY,26bY
の大きさを16μm×37μmとした。シアンインク用
の電気熱変換体32C及びマゼンタインク用の電気熱変
換体32Mは、イエローインク用の電気熱変換体32Y
と同様とした。
【0064】その結果、ブラックインク用の電気熱変換
体32BKにおいては、各発熱抵抗体の駆動組み合せに
より、25、50、75ngの吐出が、吐出速度10m
/s前後で得られた。その他の電気熱変換体32C,3
2M,32Yにおいては、各発熱抵抗体の駆動組み合せ
により、15、30、45ngの吐出が、吐出速度10
m/s前後で得られた。また、各発熱抵抗体についての
発泡しきい値電圧の平均値は、5%以内であった。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明のインクジェ
ット記録ヘッドは、少なくとも一番小さい面積の発熱抵
抗体を、並列に配置し、かつ、電気的に直列に接続され
た複数の発熱素子で構成するとともに、面積の小さい発
熱抵抗体を面積の大きい発熱抵抗体よりも吐出口側に配
置することにより、発泡しきい値電圧をほぼ等しくし、
所望の吐出量を同一の駆動条件で得ることができ、しか
もその吐出速度をほぼ等しくすることができる。
【0066】また、各発熱抵抗体をインク流路の中心線
に対して対称に配置することで、理論上と実際とでの吐
出時のインクの挙動のずれが小さいので、所望のインク
吐出量を得るための発熱抵抗体の面積や配置の設計を容
易に行うことができる。さらに、各発熱抵抗体間の距離
を20μm以下とすることで、すべての発熱抵抗体を同
時に駆動したとき、より確実に一体の発泡を生じさせる
ことができる。
【0067】本発明のインクジェット記録ヘッドカート
リッジ及びインクジェット記録装置は、上記本発明のイ
ンクジェット記録ヘッドを備えているので、高画質の階
調記録を簡単な構成で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドの第1の実
施形態の一部を破断した要部斜視図である。
【図2】図1に示したインクジェット記録ヘッドの1つ
のインク流路についての電気熱変換体の構成を示す図で
ある。
【図3】本発明のインクジェット記録ヘッドの第2の実
施形態の1つのインク流路についての電気熱変換体の構
成を示す図である。
【図4】本発明のインクジェット記録ヘッドの第3の実
施形態の1つのインク流路についての電気熱変換体の構
成を示す図である。
【図5】本発明のインクジェット記録ヘッドの第4の実
施形態のシリコン基板の平面図及びその要部拡大図であ
る。
【図6】本発明の第1実施例でのインク吐出量と吐出速
度の関係を示すグラフである。
【図7】本発明の第2実施例でのインク吐出量と吐出速
度の関係を示すグラフである。
【図8】本発明のインクジェット記録ヘッドカートリッ
ジの一実施形態の斜視図である。
【図9】本発明のインクジェット記録装置の一実施形態
の斜視図である。
【図10】背景技術に係るインクジェット記録ヘッドに
おけるインク吐出量と吐出速度の関係を示すグラフであ
る。
【図11】背景技術に係るインクジェット記録ヘッドの
1つのインク流路についての電気熱変換体の構成を示す
図である。
【図12】従来のインクジェット記録ヘッドの1つのイ
ンク流路についての電気熱変換体の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1,31 シリコン基板 2,32BK,32C,32M,32Y 電気熱変換
体 3 溝付き天板 3a,23a 吐出口 4,14,24 インク流路 5,15,25,35BK,35Y 第1の発熱抵抗
体 6,16,26,36BK,36Y 第2の発熱抵抗
体 7 共通配線 8,18 第1の個別配線 9 第2の個別配線 11 アルミプレート 37 コンタクトパッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒島 輝雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 ▲高▼橋 亘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク流路と、前記インク流路内に配置
    され、それぞれ面積が異なり独立して駆動可能な複数の
    発熱抵抗体を備えた電気熱変換体とを有し、所定の発熱
    抵抗体を駆動することにより、駆動した発熱抵抗体の面
    積に応じた気泡を前記インク流路内のインクに生じさ
    せ、異なる体積のインクを吐出口から吐出するインクジ
    ェット記録ヘッドにおいて、 前記各発熱抵抗体のうち、面積が小さいものは面積が大
    きいものよりも前記吐出口に近い位置に配置されるとと
    もに、 少なくとも面積が一番小さい発熱抵抗体は、並列に配置
    され、かつ、電気的に直列に接続された複数の発熱素子
    で構成され、 インクに気泡を生じさせるための発泡しきい値電圧が、
    前記発熱抵抗体ごとにほぼ等しいことを特徴とするイン
    クジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記発泡しきい値電圧がほぼ等しいと
    は、前記各発熱抵抗体についての発泡しきい値電圧が、
    その平均値から5%以内の範囲の電圧にあることである
    請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記各発熱抵抗体の電流が流れる方向の
    長さは、前記発泡しきい値電圧がほぼ等しくなる程度に
    等しい長さである請求項1または2に記載のインクジェ
    ット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記各発熱抵抗体は、それそれ前記イン
    ク流路の中心線に対して対称に配置されている請求項
    1、2または3に記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記各発熱抵抗体は、互いに隣接する発
    熱抵抗体間の距離が20μm以下となるように配置され
    ている請求項1、2、3または4に記載のインクジェッ
    ト記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記発熱抵抗体が前記インク流路の流路
    壁から10μm以上離れている場合には、前記流路壁か
    ら10μm以上離れている発熱抵抗体とそれに隣接する
    発熱抵抗体との間の距離が15μm以下となるように配
    置されている請求項5に記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  7. 【請求項7】 異なる色のインクを吐出するために、吐
    出するインクの色ごとに前記インク流路及び前記電気熱
    変換体が設けられている請求項1ないし6のいずれか1
    項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記異なる色のインクのうち1色は黒イ
    ンクであり、前記黒インクを吐出するための電気熱変換
    体の各発熱抵抗体の面積は、他の色のインクを吐出する
    ための電気熱変換体の、対応する発熱抵抗体の面積より
    も大きい請求項7に記載のインクジェット記録ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記電気熱変換体は1枚の基板上に形成
    されており、前記基板には、前記電気熱変換体を駆動す
    るためのドライブ回路と、シフトレジスタ回路と、ラッ
    チ回路とが作り込まれている請求項1ないし8のいずれ
    か1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれか1項に記
    載のインクジェット記録ヘッドと、前記インクジェット
    記録ヘッドに供給するインクを貯蔵するインクタンクと
    を有するインクジェット記録ヘッドカートリッジ。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし9のいずれか1項に記
    載のインクジェット記録ヘッドを備え、記録信号に基づ
    いてインクを前記インクジェット記録ヘッドの吐出口か
    ら吐出して記録を行うインクジェット記録装置。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載のインクジェット記
    録ヘッドカートリッジを備え、記録信号に基づいてイン
    クを前記インクジェット記録ヘッドカートリッジのイン
    クジェット記録ヘッドの吐出口から吐出して記録を行う
    インクジェット記録装置。
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