JP2002001782A - インラインスクリュー式射出成形装置及び射出成形方法 - Google Patents

インラインスクリュー式射出成形装置及び射出成形方法

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JP2002001782A
JP2002001782A JP2000190086A JP2000190086A JP2002001782A JP 2002001782 A JP2002001782 A JP 2002001782A JP 2000190086 A JP2000190086 A JP 2000190086A JP 2000190086 A JP2000190086 A JP 2000190086A JP 2002001782 A JP2002001782 A JP 2002001782A
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flow path
molten resin
resin flow
injection molding
fixed mold
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JP2000190086A
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Yoshihiro Kayano
義弘 茅野
Hiroyuki Imaizumi
洋行 今泉
Kazuaki Ochiai
和明 落合
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特別な装置等を用いず、金型組立体に若干の改
造を行うことで、射出速度が低速であってもバックフロ
ー現象を確実に防止し得る射出成形装置を提供する。 【解決手段】インラインスクリュー式射出成形装置は、
(A)射出成形用シリンダー10、(B)縮径部24を
有するヘッド部21、及び、先端部に縮径部24に面し
たシート部29が設けられた本体部27から成るスクリ
ュー20、(C)スクリュー20の該縮径部24に配設
され、スクリュー20の前後進方向に可動であり、シー
ト部29と係合し得る逆流防止リング30、並びに、
(D)キャビティ56、ゲート部55、及び、溶融樹脂
流路53,54を備えた金型組立体50、(E)溶融樹
脂流路53,54の一部分の断面積を変化させ得る流路
断面積変化手段40,41,42を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インラインスクリ
ュー式射出成形装置、及び、かかるインラインスクリュ
ー式射出成形装置を使用した射出成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、金型組立体に設けられたキャビテ
ィ内に溶融熱可塑性樹脂を射出し、キャビティ内の溶融
熱可塑性樹脂の内部に加圧流体を導入することによっ
て、成形品の内部に中空部を形成する中空射出成形法に
用いられる射出成形装置は、インラインスクリュー式射
出成形装置である。そして、中空射出成形法に基づき美
麗な外観を有する成形品を成形するために、通常、キャ
ビティ内に溶融熱可塑性樹脂を射出するためのゲート部
近傍における溶融熱可塑性樹脂の射出速度は、極めて遅
い射出速度に設定されている。
【0003】図5に一部を切り欠いた模式図を示すよう
に、インラインスクリュー式射出成形装置の一形式に、
(A)熱可塑性樹脂を可塑化、溶融、計量するための射
出成形用シリンダー10、(B)射出成形用シリンダー
10の内部に配設され、ヘッド部21と、ヘッド部21
の後端に配設された本体部27から成り、ヘッド部21
の後部には縮径部24が設けられ、本体部27の先端部
には、該縮径部24に面したシート部29が設けられて
いるスクリュー20、(C)射出成形用シリンダー10
内であって、スクリュー20の該縮径部24に配設さ
れ、スクリュー20の前後進方向に可動であり、シート
部29と係合し得る逆流防止リング30、並びに、
(D)キャビティ、該キャビティ内に溶融熱可塑性樹脂
を射出するためのゲート部、及び、該ゲート部と射出成
形用シリンダー10のノズル部11とを結ぶ溶融樹脂流
路53,54を備えた金型組立体50、を具備したイン
ラインスクリュー式射出成形装置が公知である。
【0004】上記の形式のインラインスクリュー式射出
成形装置においては、先ず、スクリュー20を後退状態
としておく。そして、計量工程においては、射出成形用
シリンダー10内、より具体的には、射出成形用シリン
ダー10の内壁とスクリューの本体部27との間に存在
する空間(便宜上、本体部空間13と呼ぶ)内で可塑
化、溶融された熱可塑性樹脂が、スクリュー20の回転
に伴い前方に移動させられ、それに伴い、逆流防止リン
グ30とシート部29とが離れる。すると、溶融熱可塑
性樹脂は、逆流防止リング30とシート部29との間の
隙間、及び、逆流防止リング30と縮径部24との間の
隙間を経由して、ヘッド部21と射出成形用シリンダー
10の内壁の間に存在する空間(便宜上、ヘッド部空間
12と呼ぶ)内に導入され、溶融熱可塑性樹脂が計量さ
れる。尚、溶融熱可塑性樹脂がヘッド部空間12内に充
填されることに伴い、スクリュー20は溶融熱可塑性樹
脂の圧力により後退するが、図示しない油圧シリンダー
等によりスクリュー20には前方への適当な背圧が加え
られている。
【0005】次いで、射出工程においては、油圧シリン
ダー等の作動によるスクリュー20の前進運動によっ
て、ヘッド部空間12内の溶融熱可塑性樹脂が、溶融樹
脂流路53,54及びゲート部を介してキャビティ内に
射出される。その際、逆流防止リング30が相対的に後
退し、逆流防止リング30とシート部29とが密着する
結果、スクリューの本体部27側への溶融熱可塑性樹脂
の逆流を防止することができる。尚、このような溶融熱
可塑性樹脂の逆流現象は、「バックフロー現象」と呼ば
れている。
【0006】ところで、キャビティ内への溶融熱可塑性
樹脂の射出速度を高速とすれば、逆流防止リング30と
シート部29とが直ちに確実に密着し、バックフロー現
象の発生を防止することができる。しかしながら、美麗
な外観を有し、しかも中空部を有する成形品を得るため
には、射出速度を遅くする必要がある。然るに、射出速
度を遅くした場合、ヘッド部空間12内の溶融熱可塑性
樹脂の幾ばくかは、ヘッド部空間12内にて計量された
溶融熱可塑性樹脂の圧力が上昇し、逆流防止リング30
とシート部29とが密着するまでの間に、スクリューの
本体部27側へと逆流する。即ち、バックフロー現象が
発生する。その結果、射出成形毎のキャビティ内に射出
される溶融熱可塑性樹脂の重量(ショット量と呼ぶ)が
ばらつくといった問題が生じ、しかも、中空率(成形品
体積に対する中空部体積の割合)がばらつき、安定した
中空率を有する製品が得られない。尚、基本的に、中空
射出成形法は、所謂打ち切り成形である。即ち、通常の
射出成形方法とは異なり、実際のショット量が少々ばら
ついた場合にもショット量のばらつきを吸収するための
余裕となるべき溶融熱可塑性樹脂量を、本来、射出すべ
き溶融熱可塑性樹脂量に加えるような設定は行われてい
ない。
【0007】一方、ヘッド部空間12内の溶融熱可塑性
樹脂の圧力を高めて逆流防止リング30とシート部29
とを密着させれば、バックフロー現象の発生といった問
題を解消することが可能である。それ故、一般には、背
圧を高めることが行われている。しかしながら、背圧を
高めてヘッド部空間12内の溶融熱可塑性樹脂の密度
(圧力)を高めると、樹脂焼けの問題や、可塑化時間が
長くなり成形サイクルが長くなる等の工業生産的にコス
トアップの問題が生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】かかる問題の対策とし
て、溶融熱可塑性樹脂の計量精度を安定させ、ショット
量のバラツキを安定させる方法が、特開平6−2106
86号公報に提案されている。しかしながら、計量時に
幾度もスクリューの前進、後退を繰り返すので、成形サ
イクルが通常の射出成形方法に比べて長くなる。しか
も、バレル内での溶融熱可塑性樹脂の滞留時間が長くな
り、熱可塑性樹脂の熱劣化を来す虞がある。また、特殊
な計量動作が必要とされるので、インラインスクリュー
式射出成形装置の大幅な改造が必要とされる。
【0009】逆流防止リングをシート部に速やかに密着
させるために、逆流防止リングを磁性体材料から作製す
る技術が、特開平9−11295号公報に開示されてい
る。しかしながら、磁性体の強度、耐摩耗性等の制約を
受ける虞がある。しかも、現行使用している逆流防止リ
ングを、磁性体から作製された新たな特殊な逆流防止リ
ングに交換する必要がある。
【0010】前述したように、美麗で、しかも、安定し
た中空率を有する成形品を安定して得るには、射出速度
が低速であっても、バックフロー現象を確実に防止する
ことが重要である。
【0011】従って、本発明の目的は、特別な装置等を
用いず、金型組立体に若干の改造を行うことで、射出速
度が低速であってもバックフロー現象を確実に防止し得
るインラインスクリュー式射出成形装置、及び、かかる
インラインスクリュー式射出成形装置を使用した射出成
形方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明のインラインスクリュー式射出成形装置は、
(A)熱可塑性樹脂を可塑化、溶融、計量するための射
出成形用シリンダー、(B)射出成形用シリンダーの内
部に配設され、ヘッド部と、ヘッド部の後端に配設され
た本体部から成り、ヘッド部の後部には縮径部が設けら
れ、本体部の先端部には、該縮径部に面したシート部が
設けられているスクリュー、(C)射出成形用シリンダ
ー内であって、スクリューの該縮径部に配設され、スク
リューの前後進方向に可動であり、シート部と係合し得
る逆流防止リング、並びに、(D)キャビティ、該キャ
ビティ内に溶融熱可塑性樹脂を射出するためのゲート
部、及び、該ゲート部と射出成形用シリンダーのノズル
部とを結ぶ溶融樹脂流路を備えた金型組立体、を具備
し、更に、(E)溶融樹脂流路の一部分の断面積を変化
させ得る流路断面積変化手段、を備えていることを特徴
とする。
【0013】溶融樹脂流路は、具体的には、例えば、ス
プルー部、スプルー部とランナー部との組合せ、第1の
スプルー部とランナー部と第2のスプルー部との組合せ
から構成することができる。断面積が変化し得る溶融樹
脂流路の一部分は、バックフロー現象が生じない状態、
あるいは、生じたとしても少ない状態において、逆流防
止リングとシート部との確実な、しかも、速やかな密着
を得るために、出来る限り上流側(即ち、射出成形用シ
リンダーのノズル部に出来る限り近い位置)に位置させ
ることが好ましい。尚、以下に説明する本発明の射出成
形方法においても同様である。
【0014】本発明のインラインスクリュー式射出成形
装置(以下、単に射出成形装置と呼ぶ場合がある)に
は、成形品に中空部を形成するために、キャビティ内に
射出された溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧流体を導入す
るための加圧流体導入部が更に備えられていることが好
ましい。
【0015】加圧流体導入部を更に備えている構成を含
む本発明の射出成形装置にあっては、溶融熱可塑性樹脂
のキャビティ内への射出開始時点において、流路断面積
変化手段の作動によって溶融樹脂流路の前記一部分の断
面を狭めた状態としておき、所定の時間が経過した後、
又は、所定の射出圧力に到達した後、流路断面積変化手
段の作動によって溶融樹脂流路の該一部分の断面を元の
状態とする構成とすることが望ましい。
【0016】これらの場合、流路断面積変化手段は、溶
融樹脂流路の前記一部分を占め得るピンあるいは平板、
ブロック、及び、該ピンあるいは平板、ブロックを移動
させるための移動手段から構成されていることが好まし
い。ピンあるいは平板、ブロックを移動させるための移
動手段として、具体的には、油圧シリンダーや空気圧シ
リンダー、電動モータを挙げることができる。尚、以下
に説明する本発明の射出成形方法においても同様であ
る。
【0017】あるいは又、金型組立体は、可動金型部、
第1の固定金型部及び第2の固定金型部から構成され、
溶融樹脂流路は、第1の溶融樹脂流路、第2の溶融樹脂
流路、及び、第3の溶融樹脂流路から構成され、可動金
型部と第1の固定金型部とを型締めした状態でキャビテ
ィが形成され、第1の固定金型部と第2の固定金型部と
は相対的に移動可能であり、第2の固定金型部には第1
の溶融樹脂流路が設けられており、第1の固定金型部に
は第3の溶融樹脂流路が設けられており、第1の固定金
型部と第2の固定金型部とを組み合わせた状態で、第1
の溶融樹脂流路及び第3の溶融樹脂流路と連通する第2
の溶融樹脂流路が形成され、第2の溶融樹脂流路の少な
くとも一部分は溶融樹脂流路の前記一部分に該当し、第
1の溶融樹脂流路は射出成形用シリンダーのノズル部と
連通し、流路断面積変化手段は、第1の固定金型部及び
第2の固定金型部、並びに、第1の固定金型部と第2の
固定金型部とを相対的に移動させ得る移動手段から構成
されていることが好ましい。移動手段として、具体的に
は、油圧シリンダーや電動モータを挙げることができ
る。尚、以下に説明する本発明の射出成形方法において
も同様である。
【0018】上記の目的を達成するための本発明の射出
成形方法は、上記の本発明のインラインスクリュー式射
出成形装置を使用する。即ち、本発明の射出成形方法
は、(A)熱可塑性樹脂を可塑化、溶融、計量するため
の射出成形用シリンダー、(B)射出成形用シリンダー
の内部に配設され、ヘッド部と、ヘッド部の後端に配設
された本体部から成り、ヘッド部の後部には縮径部が設
けられ、本体部の先端部には、該縮径部に面したシート
部が設けられているスクリュー、(C)射出成形用シリ
ンダー内であって、スクリューの該縮径部に配設され、
スクリューの前後進方向に可動であり、シート部と係合
し得る逆流防止リング、(D)キャビティ、該キャビテ
ィ内に溶融熱可塑性樹脂を射出するためのゲート部、及
び、該ゲート部と射出成形用シリンダーのノズル部とを
結ぶ溶融樹脂流路を備えた金型組立体、並びに、(E)
溶融樹脂流路の一部分の断面積を変化させ得る流路断面
積変化手段、を備えたインラインスクリュー式射出成形
装置を使用した射出成形方法であって、溶融熱可塑性樹
脂のキャビティ内への射出開始時点において、流路断面
積変化手段の作動によって溶融樹脂流路の一部分の断面
を狭めた状態としておき、所定の時間が経過した後、又
は、所定の射出圧力に到達した後、流路断面積変化手段
の作動によって溶融樹脂流路の該一部分の断面を元の状
態とすることを特徴とする。尚、本発明の射出成形方法
には、射出圧縮成形法が包含される。
【0019】尚、本発明の射出成形方法においては、ス
クリューの前進運動によって、ヘッド部と射出成形用シ
リンダーの内壁の間の空間(ヘッド部空間)内に存在す
る溶融熱可塑性樹脂がキャビティ内へ射出される。この
ようなスクリューの前進運動の形態(溶融熱可塑性樹脂
の射出形態)として、(1) 流路断面積変化手段の作
動によって溶融樹脂流路の一部分の断面が狭められた状
態から、流路断面積変化手段の作動によって溶融樹脂流
路の一部分の断面が元の状態となった後に至るまで、継
続して行う(即ち、溶融熱可塑性樹脂の射出を中断する
ことなく行う)形態(便宜上、第1の形態と呼ぶ)
(2) 流路断面積変化手段の作動によって溶融樹脂流
路の一部分の断面が狭められた状態から、溶融樹脂流路
の一部分の断面を元の状態とする直前まで、スクリュー
の前進運動を継続し(即ち、溶融熱可塑性樹脂の射出を
行い)、所定の時間が経過した時点で、又は、所定の射
出圧力に到達した時点で、スクリューの前進運動を一旦
停止し(即ち、溶融熱可塑性樹脂の射出を一旦停止
し)、溶融樹脂流路の一部分の断面を元の状態とした
後、スクリューの前進運動を再開する(即ち、溶融熱可
塑性樹脂の射出を再開する)形態(便宜上、第2の形態
と呼ぶ)を挙げることができる。
【0020】また、本発明の射出成形方法においては、
インラインスクリュー式射出成形装置は、キャビティ内
に射出された溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧流体を導入
するための加圧流体導入部を更に備えており、溶融熱可
塑性樹脂のキャビティ内への射出中、若しくは射出完了
後(射出完了と同時を含む)、キャビティ内に射出され
た溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧流体を導入する構成と
することができる。
【0021】本発明の射出成形方法においては、流路断
面積変化手段は、溶融樹脂流路の前記一部分を占め得る
ピンあるいは平板、ブロック、及び、該ピンあるいは平
板、ブロックを移動させるための移動手段から成り、溶
融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出開始時点におい
て、移動手段の作動によってピンあるいは平板、ブロッ
クを溶融樹脂流路の該一部分内に突出させ、以て、溶融
樹脂流路の該一部分の断面を狭めた状態としておき、所
定の時間が経過した後、又は、所定の射出圧力に到達し
た後、移動手段の作動によって溶融樹脂流路の該一部分
からピンあるいは平板、ブロックを後退させ、以て、溶
融樹脂流路の該一部分の断面を元の状態とする構成とす
ることができる。
【0022】あるいは又、金型組立体は、可動金型部、
第1の固定金型部及び第2の固定金型部から構成され、
溶融樹脂流路は、第1の溶融樹脂流路、第2の溶融樹脂
流路、及び、第3の溶融樹脂流路から構成され、可動金
型部と第1の固定金型部とを型締めした状態でキャビテ
ィが形成され、第1の固定金型部と第2の固定金型部と
は相対的に移動可能であり、第2の固定金型部には第1
の溶融樹脂流路が設けられており、第1の固定金型部に
は第3の溶融樹脂流路が設けられており、第1の固定金
型部と第2の固定金型部とを組み合わせた状態で、第1
の溶融樹脂流路及び第3の溶融樹脂流路と連通する第2
の溶融樹脂流路が形成され、第2の溶融樹脂流路の少な
くとも一部分は溶融樹脂流路の前記一部分に該当し、第
1の溶融樹脂流路は射出成形用シリンダーのノズル部と
連通し、流路断面積変化手段は、第1の固定金型部及び
第2の固定金型部、並びに、第1の固定金型部と第2の
固定金型部とを相対的に移動させ得る移動手段から成
り、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出開始時点
において、移動手段の作動によって第1の固定金型部と
第2の固定金型部との相対的な距離を狭め、以て、第1
の固定金型部と第2の固定金型部とから構成された第2
の溶融樹脂流路の少なくとも一部分の断面を狭めた状態
としておき、所定の時間が経過した後、又は、所定の射
出圧力に到達した後、移動手段の作動によって第1の固
定金型部と第2の固定金型部との相対的な距離を広げ、
以て、第2の溶融樹脂流路の少なくとも一部分の断面を
元の状態とする構成とすることができる。
【0023】本発明の射出成形装置あるいは射出成形方
法(以下、これらを総称して、単に本発明と呼ぶ場合が
ある)においては、溶融樹脂流路の一部分の断面が狭め
られる前の溶融樹脂流路の一部分の断面積をS0、溶融
熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出開始時点におい
て、流路断面積変化手段の作動によって溶融樹脂流路の
一部分の断面を狭めた状態としたときの溶融樹脂流路の
一部分の断面積をS1としたとき、0.1S0≦S1
0.9S0、好ましくは0.3S0≦S1≦0.7S0、一
層好ましくは0.4S0≦S1≦0.6S0を満足するこ
とが望ましい。ここで、断面積S1が小さいときには、
狭められた溶融樹脂流路の一部分の長さは短くてよい
が、断面積S1が大きいときには、狭められた溶融樹脂
流路の一部分の長さを長くすることが好ましい。尚、所
定の時間が経過した後、又は、所定の射出圧力に到達し
た後、流路断面積変化手段の作動によって溶融樹脂流路
の一部分の断面を元の状態としたときの溶融樹脂流路の
一部分の断面積はS0である。
【0024】本発明において、溶融熱可塑性樹脂のキャ
ビティ内への射出開始から射出完了までの時間をT0
したとき、所定の時間T1は、0.01T0≦T1≦0.
5T0、好ましくは0.01T0≦T1≦0.2T0、一層
好ましくは0.01T0≦T1≦0.1T0を満足するこ
とが望ましい。また、使用するインラインスクリュー式
射出成形装置の最高射出圧力をP0としたとき、所定の
射出圧力P1は、0.1P0≦P1≦0.9P0、好ましく
は0.2P0≦P1≦0.8P0、一層好ましくは0.3
0≦P1≦0.7P0を満足することが望ましい。
【0025】本発明において、ゲート部の構造は、公知
の如何なる形式のゲート構造とすることもでき、例え
ば、ダイレクトゲート構造、サイドゲート構造、ジャン
プゲート構造、ピンポイントゲート構造、トンネルゲー
ト構造、リングゲート構造、ファンゲート構造、ディス
クゲート構造、フラッシュゲート構造、タブゲート構
造、フィルムゲート構造を例示することができる。
【0026】加圧流体導入部を設ける場合、加圧流体導
入部は、例えば、公知のガス注入ノズルから構成するこ
とができる。加圧流体導入部を配設する位置は、例え
ば、射出成形用シリンダーのノズル部内やゲート部内で
あってもよいし、キャビティに面した金型組立体の部分
であってもよい。キャビティに面した金型組立体の部分
に加圧流体導入部を配設する場合、加圧流体導入部をキ
ャビティに近づく方向及びキャビティから遠ざかる方向
に移動させるための加圧流体導入部移動手段(例えば、
油圧シリンダーや空気圧シリンダーから構成される)を
備えていることが好ましい。加圧流体導入部は、例えば
配管を介して加圧流体源に接続されている。
【0027】ここで、使用に適した加圧流体としては、
常温・常圧下でガス状あるいは液状の流体であって、溶
融熱可塑性樹脂の内部への導入時、溶融熱可塑性樹脂と
反応したり混合しないものが望ましい。具体的には、窒
素ガス、炭酸ガス、空気、ヘリウムガス等、常温でガス
状の物質、水等の液体、高圧下で液化したガスを使用す
ることができるが、中でも、窒素ガスやヘリウムガス等
の不活性ガスが好ましい。尚、導入する加圧流体は、成
形品の中空部に断熱圧縮による焼けが生じないような不
活性な加圧流体であることが一層好ましく、窒素ガスを
用いる場合、純度90%以上のものを使用することが望
ましい。更には、加圧流体として、発泡性樹脂、繊維強
化樹脂材料等を使用することもできる。尚、この場合に
は、中空部に発泡性樹脂、繊維強化樹脂材料等が充填さ
れるが、このような構造も中空部という概念に含める。
【0028】キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹
脂の内部への加圧流体の導入開始の時点は、溶融熱可塑
性樹脂の射出中、射出完了と同時、あるいは射出完了後
とすることができる。キャビティ内の樹脂内への加圧流
体の導入は、キャビティ内の樹脂が冷却、固化した後も
続けることが好ましい。キャビティ内へ射出する溶融熱
可塑性樹脂の量は、キャビティ内を溶融熱可塑性樹脂で
完全に充填するために必要な量であってもよいし、成形
品に依っては、キャビティ内を溶融熱可塑性樹脂で完全
に充填するには不十分な量であってもよい。
【0029】キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹
脂の内部へ加圧流体を導入する場合、所望の中空部を有
し、しかも、美麗な外観を有する成形品を成形するため
に、溶融熱可塑性樹脂の射出速度は、遅い射出速度に設
定することが好ましい。例えば、所望の中空部を有して
いない成形品を成形するための溶融熱可塑性樹脂の射出
速度をIR1、所望の中空部を有する美麗な成形品を成
形するための溶融熱可塑性樹脂の射出速度をIR0とし
たとき、0.2IR1≦IR0≦0.8IR1、好ましく
は0.2IR1≦IR0≦0.5IR1、一層好ましくは
0.2IR1≦IR 0≦0.3IR1とすることが望まし
い。
【0030】本発明での使用に適した熱可塑性樹脂とし
て、結晶性熱可塑性樹脂や非晶性熱可塑性樹脂を挙げる
ことができ、具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリアミド6、
ポリアミド66、ポリアミドMXD6等のポリアミド系
樹脂;ポリオキシメチレン(ポリアセタール,POM)
樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポ
リブチレンエチレンテレフタレート(PBT)樹脂等の
ポリエステル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹
脂;ポリスチレン樹脂等のスチレン系樹脂;メタクリル
系樹脂;ポリカーボネート樹脂;変性PPE樹脂;ポリ
スルホン樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリアリレ
ート樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリアミドイミド
樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポ
リエーテルエーテルケトン樹脂;ポリエステルカーボネ
ート樹脂を例示することができる。
【0031】また、各種の熱可塑性樹脂に、安定剤、紫
外線吸収剤、離型剤、染顔料等を添加することができる
し、ガラスビーズ、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム
等の無機充填材、あるいは有機充填材を添加することも
できる。更には、各種の熱可塑性樹脂に、無機繊維を含
有させることもできる。無機繊維は、ガラス繊維、カー
ボン繊維、ウォラストナイト、ホウ酸アルミニウムウィ
スカー繊維、チタン酸カリウムウィスカー繊維、塩基性
硫酸マグネシウムウィスカー繊維、珪酸カルシウムウィ
スカー繊維及び硫酸カルシウムウィスカー繊維から成る
群から選択された少なくとも1種の材料から構成するこ
とが好ましい。尚、熱可塑性樹脂に含有される無機繊維
は1種類に限定されず、2種類以上の無機繊維を熱可塑
性樹脂に含有させてもよい。
【0032】場合によっては、金型組立体を、成形品の
成形時、キャビティの容積を可変とし得る構造とするこ
とができる。この場合、例えば油圧シリンダーで可動さ
せることができる可動中子を金型組立体に配設すればよ
い。あるいは又、金型組立体を構成する固定金型部と可
動金型部とを入れ子構造(印籠構造)とすればよい。そ
して、かかる構造の金型組立体を使用し、型締め時、成
形すべき成形品の容積(VM)よりもキャビティの容積
(VC)が大きくなるように、金型を型締めし、(金型
組立体の構造によっては、キャビティ内における可動中
子の配置位置を制御し、)該キャビティ(容積:VC
内に溶融熱可塑性樹脂を射出し、溶融熱可塑性樹脂の射
出開始前、開始と同時に、射出中に、あるいは射出完了
後(射出完了と同時を含む)、可動金型部を移動させて
(あるいは又、可動中子を移動させて)、キャビティの
容積を成形すべき成形品の容積(VM)まで減少させて
もよい。尚、キャビティの容積が成形すべき成形品の容
積(VM)となる時点を、溶融熱可塑性樹脂の射出中、
あるいは射出完了後(射出完了と同時を含む)とするこ
とができる。この場合にも、キャビティ内に射出された
溶融熱可塑性樹脂の内部への加圧流体を導入し、成形品
に中空部を形成してもよい。加圧流体の導入開始の時点
は、溶融熱可塑性樹脂の射出中、射出完了と同時、ある
いは射出完了後とすることができる。
【0033】本発明の射出成形装置あるいは射出成形方
法においては、先ず、スクリューを後退状態としてお
く。そして、計量工程においては、射出成形用シリンダ
ー内、より具体的には、射出成形用シリンダーの内壁と
スクリューの本体部との間に存在する空間(本体部空
間)内で可塑化、溶融された熱可塑性樹脂が、スクリュ
ーの回転により、前方に移動させられ、それに伴い、逆
流防止リングとシート部とが離れる。すると、溶融熱可
塑性樹脂は、逆流防止リングとシート部との間の隙間、
及び、逆流防止リングと縮径部との間の隙間を経由し
て、ヘッド部と射出成形用シリンダーの内壁の間に存在
する空間(ヘッド部空間)内に導入され、溶融熱可塑性
樹脂が計量される。次いで、射出工程においては、スク
リューの前進運動によって、ヘッド部空間内の溶融熱可
塑性樹脂が、溶融樹脂流路及びゲート部を介してキャビ
ティ内に射出される。このとき、即ち、溶融熱可塑性樹
脂のキャビティ内への射出開始時点において、既に、流
路断面積変化手段の作動によって溶融樹脂流路の一部分
の断面が狭められた状態となっている。それ故、スクリ
ューの前進運動に起因して、ヘッド部空間内の溶融熱可
塑性樹脂の圧力が、たとえ射出速度が遅くとも、従来の
技術におけるよりも速やかに上昇し、その結果、逆流防
止リングが速やかに相対的に後退し、逆流防止リングと
シート部とが直ちに密着する。その結果、スクリューの
本体部側への溶融熱可塑性樹脂の逆流(バックフロー現
象)の発生を確実に防止することができる。そして、所
定の時間が経過した後、又は、所定の射出圧力に到達し
た後、流路断面積変化手段の作動によって溶融樹脂流路
の一部分の断面が元の状態となる結果、通常の溶融熱可
塑性樹脂の射出を行うことができる。
【0034】
【実施例】以下、図面を参照して、実施例に基づき本発
明を説明する。ここで、実施例1〜実施例4において
は、図1に示す射出成形装置を使用し、実施例5〜実施
例8においては、図4に示す射出成形装置を使用した。
また、実施例1、実施例2、実施例5、実施例6におい
ては、所定の時間が経過した後、流路断面積変化手段の
作動によって溶融樹脂流路の一部分の断面を元の状態と
し、実施例3、実施例4、実施例7、実施例8において
は、所定の射出圧力に到達した後、流路断面積変化手段
の作動によって溶融樹脂流路の一部分の断面を元の状態
とした。更には、実施例1、実施例3、実施例5、実施
例7においては第1の形態を採用し、実施例2、実施例
4、実施例6、実施例8においては第2の形態を採用し
た。
【0035】(実施例1)実施例1における射出成形装
置の概要を図1及び図2に示す。尚、図1は、金型組立
体、及び射出成形用シリンダー等の一部を切り欠いた模
式的な断面図である。また、図2は、可動金型部の模式
的な平面図であり、パーティング面に斜線を付して示し
ている。更には、スクリュー等を模式的に分解した分解
図を図3の(A)に示し、逆流防止リングの側面図を図
3の(B)に示し、逆流防止リングとスクリューのヘッ
ド部の配置関係を図3の(C)及び(D)に示す。
【0036】実施例1の射出成形装置は、熱可塑性樹脂
を可塑化、溶融、計量するための射出成形用シリンダー
10と、スクリュー20と、逆流防止リング30と、流
路断面積変化手段40と、金型組立体50を備えてい
る。
【0037】射出成形用シリンダー10は、ほぼ円筒状
であり、外周には、加熱用ヒーター15が配設されてい
る。また、射出成形用シリンダー10の先端部に相当す
るノズル部11が金型組立体に接続される構造となって
いる。
【0038】スクリュー20(実施例1においては、径
60mmのものを使用)は、射出成形用シリンダー10
の内部に、回転自在に、且つ、前後進方向(軸線方向)
に移動自在に配設されている。そして、スクリュー20
は、電動モータ等の回転駆動手段(図示せず)により回
転駆動されると共に、油圧シリンダー等の加圧駆動手段
(図示せず)により前後進方向(図面の紙面上下方向)
に駆動される。更には、スクリュー20は、ヘッド部2
1と、ヘッド部21の後端25に配設された本体部27
から成る。ヘッド部21は、その先端がテーパー状にな
っており、その外周部には、前後進方向(軸線方向)に
沿って複数の溝部22が設けられている。ヘッド部21
の後部には肩部23を介して縮径部24が設けられてい
る。更には、ヘッド部21の後端25にはネジ部26が
設けられている。かかるネジ部26を本体部27に設け
られたネジ孔と螺合させることによって、ヘッド部21
は本体部27と固定される。また、本体部27の先端部
には、縮径部24に面したシート部29が設けられてい
る。具体的には、リング状のスペーサ28が本体部27
の先端に、ヘッド部21の縮径部24と本体部27に挟
まれた状態で固定されている。スペーサ28の前面がシ
ート部29に相当する。スペーサ28の外径は、射出成
形用シリンダー10の内径よりも小さく、スペーサ28
の外周部と射出成形用シリンダー10の内壁の間を溶融
熱可塑性樹脂が通過できる構造となっている。尚、ヘッ
ド部21の後端25はスペーサ28を貫通している。射
出成形用シリンダー10と、シート部29と、縮径部2
4の外周部と、肩部23によって、リング状の空間14
が形成されている。
【0039】逆流防止リング30は、射出成形用シリン
ダー10内であって、スクリュー20の縮径部24に配
設され、スクリュー20の前後進方向(軸線方向)に可
動であり、シート部29と係合し得る構造を有する。具
体的には、逆流防止リング30は、リング状の空間14
内に収納されており、逆流防止リング30は、かかるリ
ング状の空間14内で前後進方向(軸線方向)に自由に
移動可能である。逆流防止リング30の先端部には突起
部31が設けられており、かかる突起部31はヘッド部
21に設けられた溝部22と常に摺動自在に係合してい
る。それ故、逆流防止リング30の回転が抑制され、し
かも、逆流防止リング30の前後進方向(軸線方向)に
沿った移動が制限される。逆流防止リング30の先端部
と肩部23との間には、逆流防止リング30がどのよう
な位置にあっても、隙間が存在し(図3の(C)、
(D)参照)、かかる隙間を経由して溶融熱可塑性樹脂
が流れる。また、逆流防止リング30の内径は縮径部2
4の外径よりも大きく、逆流防止リング30の内壁と縮
径部24の外周との間の隙間を経由して溶融熱可塑性樹
脂が流れる。逆流防止リング30の外径は、射出成形用
シリンダー10の内径とほぼ等しい。
【0040】金型組立体50は、キャビティ56、キャ
ビティ56内に溶融熱可塑性樹脂を射出するためのゲー
ト部55、及び、ゲート部55と射出成形用シリンダー
10のノズル部11とを結ぶ溶融樹脂流路53,54を
備えている。溶融樹脂流路は、具体的には、スプルー部
53及びランナー部54から構成されている。また、キ
ャビティ56内に射出された溶融熱可塑性樹脂の内部に
加圧流体を導入するための加圧流体導入部(具体的に
は、ガス注入ノズル57)が、ゲート部55に配設され
ている。ガス注入ノズル57は、例えば配管を介して加
圧流体源に接続されているが、これらの図示は省略し
た。尚、キャビティ56の大きさは、直径20mm、長
さ150mmであり、成形品は2個取りとした。
【0041】流路断面積変化手段40は、射出成形用シ
リンダー10のノズル部11の近傍に位置するスプルー
部53の一部分53Aの近傍に配設されている。このス
プルー部53の一部分53Aが、流路断面積変化手段4
0によってその断面積を変化させられる溶融樹脂流路の
一部分に該当する。流路断面積変化手段40は、溶融樹
脂流路の一部分53Aを占め得るピン41、及び、この
ピン41を移動させるための油圧シリンダーから成る移
動手段42から構成されている。
【0042】この射出成形装置においては、溶融熱可塑
性樹脂のキャビティ56内への射出開始時点において、
流路断面積変化手段40の作動によって溶融樹脂流路の
一部分53Aの断面を狭めた状態としておき、所定の時
間が経過した後、又は、所定の射出圧力に到達した後、
流路断面積変化手段40の作動によって溶融樹脂流路の
一部分53Aの断面を元の状態とすることができる。よ
り具体的には、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ56内へ
の射出開始時点において、移動手段42の作動によって
ピン41をスプルー部53の一部分53A内に突出さ
せ、以て、スプルー部53の一部分53Aの断面を狭め
た状態としておき、所定の時間が経過した後、又は、所
定の射出圧力に到達した後、移動手段42の作動によっ
てスプルー部53の一部分53Aからピン41を後退さ
せる。
【0043】以下、この射出成形装置を用いた実施例1
の射出成形方法を説明する。尚、熱可塑性樹脂として、
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチ
ックス株式会社製、商品名:ユーピロンS3000:自
然色)を使用し、予め、120゜Cで5時間以上、予備
乾燥した。
【0044】先ず、スクリュー20を後退状態としてお
く。そして、射出成形用シリンダー10のノズル部11
を固定金型部51に接触させる。次いで、固定金型部5
1と可動金型部52との型締めを行った後(型締め力:
350トン)、移動手段42を作動させて、ピン41を
スプルー部53の一部分53Aに突出させ(図1におい
て、かかる状態のピン41を点線で示す)、溶融樹脂流
路の一部分53Aの断面を狭めた状態としておく。
【0045】[計量工程]そして、計量工程において
は、射出成形用シリンダー10内、より具体的には、射
出成形用シリンダー10の内壁とスクリュー20の本体
部27との間に存在する空間(本体部空間13)内で、
280゜Cにて熱可塑性樹脂を可塑化、溶融しておく。
尚、加熱用ヒーター15及びスクリュー20の回転によ
り、可塑化、溶融、混練が行われる。溶融熱可塑性樹脂
は、スクリュー20の回転によって前方へ送られる。こ
のとき、逆流防止リング30には後方から溶融熱可塑性
樹脂の圧力が加わり、逆流防止リング30はリング状の
空間14内において前方に移動し、逆流防止リング30
の後端面がスペーサ28の前面であるシート部29から
離れ、逆流防止リング30とシート部29の間には隙間
ができる(図3の(C)参照)。一方、逆流防止リング
30が最前方に移動しても、逆流防止リング30の先端
部と肩部23との間には隙間が残されている(図3の
(C)参照)。それ故、溶融熱可塑性樹脂は、逆流防止
リング30とシート部29との間の隙間、逆流防止リン
グ30と縮径部24との間の隙間、及び、逆流防止リン
グ30と肩部23との間の隙間を経由して、ヘッド部2
1と射出成形用シリンダー10の内壁の間に存在する空
間(ヘッド部空間12)内に導入され、溶融熱可塑性樹
脂が計量される。尚、溶融熱可塑性樹脂がヘッド部空間
12内に充填されることに伴い、スクリュー20は溶融
熱可塑性樹脂の圧力により後退するが、図示しない油圧
シリンダー等の加圧駆動手段によりスクリュー20には
前方への適当な背圧が加えられている。
【0046】[射出工程]計量工程の終了後、射出工程
を実行する。射出工程では、油圧シリンダー等の加圧駆
動手段の作動によりスクリュー20が前進させられ、ヘ
ッド部空間12内の溶融熱可塑性樹脂がノズル部11か
らスプルー部53、ランナー部54、ゲート部55を経
由してキャビティ56へ射出される。この溶融熱可塑性
樹脂のキャビティ56内への射出開始時点において、流
路断面積変化手段40の作動によって溶融樹脂流路の一
部分53Aの断面が狭められた状態となっている。それ
故、スクリュー20の前進運動に起因して、ヘッド部空
間12に存在する溶融熱可塑性樹脂の圧力が、たとえ射
出速度が遅くとも、従来の技術におけるよりも速やかに
上昇し、その結果、逆流防止リング30が速やかに相対
的に後退し、逆流防止リング30とシート部29とが直
ちに密着する(図3の(D)参照)。そして、その後
も、この状態が確実に保持される。その結果、スクリュ
ー20の本体部側への溶融熱可塑性樹脂の逆流(バック
フロー現象)の発生を確実に防止することができる。
【0047】射出開始から所定の時間(T1秒)が経過
した後、移動手段42の作動によって溶融樹脂流路の一
部分53Aからピン41を後退させ、溶融樹脂流路53
の一部分53Aの断面を元の状態とする。この間も溶融
熱可塑性樹脂の射出を継続する。射出完了から1.0秒
が経過した後、ガス注入ノズル57から、加圧流体とし
て加圧窒素ガス(ゲージ圧力:8×107Pa)をキャ
ビティ56内の溶融熱可塑性樹脂の内部に導入した。加
圧窒素ガスの導入から60秒間、キャビティ56内の熱
可塑性樹脂の冷却、固化を行った後、ガス注入ノズル5
7から成形品の内部の加圧窒素ガスを大気中に解放せし
めた。その後、固定金型部51及び可動金型部52の型
開きを行い、成形品を取り出した。
【0048】尚、実施例1、及び、後述する実施例2に
おける、 溶融樹脂流路の一部分53Aの断面が狭められる前の
溶融樹脂流路の一部分53Aの断面積(S0cm2) 移動手段42の作動によって溶融樹脂流路の一部分5
3Aの断面を狭めた状態としたときの溶融樹脂流路の一
部分53Aの断面積(S1cm2) 所定の時間(T1秒) 射出開始から射出完了までの時間(射出完了時間T0
秒) 射出された溶融熱可塑性樹脂の内、キャビティ56内
を占める体積の割合(%)、及び、 ピン41が完全に後退し、溶融樹脂流路の一部分53
Aの断面積が元のS0となった後の溶融熱可塑性樹脂の
射出率(IRcm3/秒)の値を、それぞれ、表3に示
す。
【0049】以上の操作を連続して100回行い、全数
(100ショット×2個=計200個)の成形品の重量
測定を行った。その結果を表1に示すが、各々のキャビ
ティ56における成形品の重量は極めて安定していた。
また、成形品をその軸線方向に切断し、中空部の断面観
察を行ったが、中空部はほぼ同じ形状であった。
【0050】(比較例)流路断面積変化手段40を作動
させることなく、実施例1と同じ熱可塑性樹脂を使用
し、実施例1と同様の成形を行った。即ち、射出開始時
から溶融熱可塑性樹脂の射出率IRを10cm3/秒と
し、射出開始から8秒後に射出を完了させた。射出完了
から1.0秒が経過した後、ガス注入ノズル57から、
加圧流体として加圧窒素ガス(ゲージ圧力:8×107
Pa)をキャビティ56内の溶融熱可塑性樹脂の内部に
導入した。尚、キャビティ56内に射出する溶融熱可塑
性樹脂の体積をキャビティ56の体積の70%とした。
そして、加圧窒素ガスの導入から60秒間、キャビティ
56内の熱可塑性樹脂の冷却、固化を行った後、ガス注
入ノズル57から成形品の内部の加圧窒素ガスを大気中
に解放せしめた。その後、固定金型部51及び可動金型
部52の型開きを行い、成形品を取り出した。
【0051】以上の操作を連続して100回行い、全数
(100ショット×2個=計200個)の成形品の重量
測定を行った。その結果を表2に示すが、各々のキャビ
ティ56における成形品の重量がばらついていた。ま
た、成形品をその軸線方向に切断し、中空部の断面観察
を行ったが、中空部の形状もばらついていた。
【0052】 [表1] 成形品の平均重量 標準偏差(σ) 一方のキャビティ 29.41グラム 0.13グラム 他方のキャビティ 29.40グラム 0.15グラム
【0053】 [表2] 成形品の平均重量 標準偏差(σ) 一方のキャビティ 29.40グラム 1.13グラム 他方のキャビティ 29.39グラム 1.02グラム
【0054】(実施例2)実施例2は実施例1の変形で
ある。実施例1の射出成形方法においては、流路断面積
変化手段40の作動によって溶融樹脂流路の一部分53
Aの断面が狭められた状態から、流路断面積変化手段4
0の作動によって溶融樹脂流路の一部分53Aの断面が
元の状態となった後に至るまで、溶融熱可塑性樹脂の射
出を継続して行った。
【0055】一方、実施例2においては、流路断面積変
化手段40の作動によって溶融樹脂流路の一部分53A
の断面が狭められた状態から、溶融樹脂流路の一部分5
3Aの断面を元の状態とする直前まで、スクリュー20
の前進運動を継続し(即ち、溶融熱可塑性樹脂の射出を
行い)、所定の時間が経過した時点で、スクリューの前
進運動を一旦停止し(即ち、溶融熱可塑性樹脂の射出を
一旦停止し)、溶融樹脂流路の一部分53Aの断面を元
の状態とした後、スクリューの前進運動を再開した(即
ち、溶融熱可塑性樹脂の射出を再開した)。以下、実施
例2の射出成形方法を説明する。
【0056】計量工程は実施例1と同様とすることがで
きるので、詳細な説明は省略する。計量工程の終了後、
射出工程を実行する。実施例2の射出工程も、前段(溶
融熱可塑性樹脂のキャビティ56内への射出開始時点に
おいて、流路断面積変化手段40の作動によって溶融樹
脂流路の一部分53Aの断面を狭めた状態としておく工
程)は、実施例1と同様とすることができるので、詳細
な説明は省略する。尚、以降の実施例においても、計量
工程は実施例1と同様とすることができるので、詳細な
説明は省略する。更には、以降の実施例3及び実施例4
においては、射出工程の前段を実施例1と同様とするこ
とができるので、詳細な説明は省略する。
【0057】射出開始から所定の時間(T0秒)が経過
した後、スクリュー20の前進運動を一旦停止し、即
ち、溶融熱可塑性樹脂の射出を一旦停止し、移動手段4
2の作動によって溶融樹脂流路の一部分53Aからピン
41を後退させる。ピン41が完全に後退し、溶融樹脂
流路の一部分53Aの断面積がS0となった後、スクリ
ュー20の前進運動を再開した。即ち、溶融熱可塑性樹
脂の射出を再開した。溶融熱可塑性樹脂の射出の中断
は、0.5秒であった。射出完了から1.0秒が経過し
た後、ガス注入ノズル57から、加圧流体として加圧窒
素ガス(ゲージ圧力:8×107Pa)をキャビティ5
6内の溶融熱可塑性樹脂の内部に導入した。加圧窒素ガ
スの導入から60秒間、キャビティ56内の熱可塑性樹
脂の冷却、固化を行った後、ガス注入ノズル57から成
形品の内部の加圧窒素ガスを大気中に解放せしめた。そ
の後、固定金型部51及び可動金型部52の型開きを行
い、成形品を取り出した。
【0058】以上の操作を連続して100回行い、全数
(100ショット×2個=計200個)の成形品の重量
測定を行った。その結果、各々のキャビティ56におけ
る成形品の重量は極めて安定していた。また、成形品を
その軸線方向に切断し、中空部の断面観察を行ったが、
中空部はほぼ同じ形状であった。
【0059】(実施例3)実施例3は実施例1の変形で
ある。実施例1の射出成形方法においては、溶融熱可塑
性樹脂の射出開始から所定の時間(T1秒)が経過した
後、流路断面積変化手段40の作動によって溶融樹脂流
路の一部分53Aの断面を元の状態とした。
【0060】一方、実施例3においては、所定の射出圧
力に到達した後、流路断面積変化手段40の作動によっ
て溶融樹脂流路の一部分53Aの断面を元の状態とす
る。以下、実施例3の射出成形方法を説明する。
【0061】射出開始後、射出圧力がゲージ圧P1(P
a)となった時点で、移動手段42の作動によって溶融
樹脂流路の一部分53Aからピン41を後退させる。こ
こで、射出圧力は、射出成形用シリンダー10に取り付
けられた圧力計(図示せず)によって測定することがで
きる。この間も溶融熱可塑性樹脂の射出を継続する。射
出完了から1.0秒が経過した後、ガス注入ノズル57
から、加圧流体として加圧窒素ガス(ゲージ圧力:8×
106Pa)をキャビティ56内の溶融熱可塑性樹脂の
内部に導入した。加圧窒素ガスの導入から60秒間、キ
ャビティ56内の熱可塑性樹脂の冷却、固化を行った
後、ガス注入ノズル57から成形品の内部の加圧窒素ガ
スを大気中に解放せしめた。その後、固定金型部51及
び可動金型部52の型開きを行い、成形品を取り出し
た。
【0062】尚、実施例3、及び、後述する実施例4に
おける、 溶融樹脂流路の一部分53Aの断面が狭められる前の
溶融樹脂流路の一部分53Aの断面積(S0cm2) 移動手段42の作動によって溶融樹脂流路の一部分5
3Aの断面を狭めた状態としたときの溶融樹脂流路の一
部分53Aの断面積(S1cm2) 所定の射出圧力(P1Pa) 射出最高圧力(P0Pa) 射出された溶融熱可塑性樹脂の内、キャビティ56内
を占める体積の割合(%)、及び、 ピン41が完全に後退し、溶融樹脂流路の一部分53
Aの断面積が元のS0となった後の溶融熱可塑性樹脂の
射出率(IRcm3/秒)の値を、それぞれ、表3に示
す。
【0063】以上の操作を連続して100回行い、全数
(100ショット×2個=計200個)の成形品の重量
測定を行った。その結果、各々のキャビティ56におけ
る成形品の重量は極めて安定していた。また、成形品を
その軸線方向に切断し、中空部の断面観察を行ったが、
中空部はほぼ同じ形状であった。
【0064】(実施例4)実施例4は実施例3の変形で
ある。実施例3の射出成形方法においては、実施例1と
同様に、流路断面積変化手段40の作動によって溶融樹
脂流路の一部分53Aの断面が狭められた状態から、流
路断面積変化手段40の作動によって溶融樹脂流路の一
部分53Aの断面が元の状態となった後に至るまで、溶
融熱可塑性樹脂の射出を継続して行った。
【0065】一方、実施例4においては、実施例2と同
様に、流路断面積変化手段40の作動によって溶融樹脂
流路の一部分53Aの断面が狭められた状態から、溶融
樹脂流路の一部分53Aの断面を元の状態とする直前ま
で、スクリュー20の前進運動を継続し(即ち、溶融熱
可塑性樹脂の射出を行い)、所定の射出圧力に到達した
後、スクリューの前進運動を一旦停止し(即ち、溶融熱
可塑性樹脂の射出を一旦停止し)、溶融樹脂流路の一部
分53Aの断面を元の状態とした後、スクリューの前進
運動を再開した(即ち、溶融熱可塑性樹脂の射出を再開
した)。以下、実施例4の射出成形方法を説明する。
【0066】射出開始後、射出圧力がゲージ圧でP
1(Pa)となった時点で、スクリュー20の前進運動
を一旦停止し、即ち、溶融熱可塑性樹脂の射出を一旦停
止し、移動手段42の作動によって溶融樹脂流路の一部
分53Aからピン41を後退させる。ピン41が完全に
後退し、溶融樹脂流路の一部分53Aの断面積がS0
なった後、スクリュー20の前進運動を再開した。即
ち、溶融熱可塑性樹脂の射出を再開した。溶融熱可塑性
樹脂の射出の中断は、0.5秒であった。射出完了から
1.0秒が経過した後、ガス注入ノズル57から、加圧
流体として加圧窒素ガス(ゲージ圧力:8×107
a)をキャビティ56内の溶融熱可塑性樹脂の内部に導
入した。加圧窒素ガスの導入から60秒間、キャビティ
56内の熱可塑性樹脂の冷却、固化を行った後、ガス注
入ノズル57から成形品の内部の加圧窒素ガスを大気中
に解放せしめた。その後、固定金型部51及び可動金型
部52の型開きを行い、成形品を取り出した。
【0067】以上の操作を連続して100回行い、全数
(100ショット×2個=計200個)の成形品の重量
測定を行った。その結果、各々のキャビティ56におけ
る成形品の重量は極めて安定していた。また、成形品を
その軸線方向に切断し、中空部の断面観察を行ったが、
中空部はほぼ同じ形状であった。
【0068】(実施例5)実施例5における射出成形装
置における金型組立体50Aの概要を図4に示す。尚、
射出成形用シリンダー、スクリュー、及び逆流防止リン
グの構成、構造は、実施例1にて説明した射出成形装置
における射出成形用シリンダー、スクリュー、及び逆流
防止リングの構成、構造と同様とすることができるの
で、詳細な説明は省略する。
【0069】金型組立体50Aは、可動金型部52、第
1の固定金型部51A及び第2の固定金型部51Bから
構成されている。一方、溶融樹脂流路は、第1の溶融樹
脂流路(第1のスプルー部153)、第2の溶融樹脂流
路(ランナー部154)、及び、第3の溶融樹脂流路
(第2のスプルー部155)から構成されている。可動
金型部52と第1の固定金型部51Aとを型締めした状
態でキャビティ56が形成される。ここで、第1の固定
金型部51Aと第2の固定金型部51Bとは相対的に移
動可能であり、第2の固定金型部51Bには第1の溶融
樹脂流路(第1のスプルー部153)が設けられてお
り、第1の固定金型部51Aには第3の溶融樹脂流路
(第2のスプルー部155)が設けられている。第3の
溶融樹脂流路(第2のスプルー部155)は、ゲート部
55を介してキャビティ56と連通する。
【0070】更には、第1の固定金型部51Aと第2の
固定金型部51Bとを組み合わせた状態で、第1の溶融
樹脂流路(第1のスプルー部153)及び第3の溶融樹
脂流路(第3のスプルー部155)と連通する第2の溶
融樹脂流路(ランナー部154)が形成される。第2の
溶融樹脂流路(ランナー部154)の少なくとも一部分
(実施例5においては全て)は溶融樹脂流路の一部分に
該当する。また、第1の溶融樹脂流路(第1のスプルー
部153)は射出成形用シリンダー10のノズル部11
と連通する。流路断面積変化手段は、第1の固定金型部
51A及び第2の固定金型部51B、並びに、第1の固
定金型部51Aと第2の固定金型部51Bとを相対的に
移動させ得る移動手段(例えば、油圧シリンダーや電動
モータ)から成る。尚、移動手段は図示していない。ま
た、第1の固定金型部51A及び第2の固定金型部51
Bの第2の溶融樹脂流路(ランナー部154)を構成す
る部分は、一種の入れ子構造(印籠構造)となってお
り、第2の溶融樹脂流路(ランナー部154)内を流れ
る溶融熱可塑性樹脂が外部に漏出することはない。
【0071】キャビティに面した金型組立体の部分に加
圧流体導入部であるガス注入ノズル57が配設されてい
る。そして、ガス注入ノズル57をキャビティ56に近
づける方向及びキャビティから遠ざける方向に移動させ
るための加圧流体導入部移動手段58(例えば、油圧シ
リンダーや空気圧シリンダーから構成される)が備えら
れている。また、ガス注入ノズル57は、例えば配管を
介して加圧流体源に接続されているが、これらの図示は
省略した。
【0072】この射出成形装置においては、溶融熱可塑
性樹脂のキャビティ56内への射出開始時点において、
流路断面積変化手段の作動によって、具体的には、移動
手段の作動によって、第1の固定金型部51Aと第2の
固定金型部51Bとの相対的な位置関係を変化させて、
第1の固定金型部51Aと第2の固定金型部51Bとの
組み合わせによって形成された第2の溶融樹脂流路(ラ
ンナー部154)の断面を狭めた状態としておく(図4
の(A)参照)。そして、所定の時間が経過した後、流
路断面積変化手段の作動によって、具体的には、移動手
段の作動によって、第1の固定金型部51Aと第2の固
定金型部51Bとの相対的な位置関係を変化させて、第
1の固定金型部51Aと第2の固定金型部51Bとの組
み合わせによって形成された第2の溶融樹脂流路(ラン
ナー部154)の断面を元の状態とする(図4の(B)
参照)。
【0073】以下、実施例5の射出成形方法を説明す
る。
【0074】図4の(A)に示した金型組立体50Aの
状態において、溶融熱可塑性樹脂の射出を開始し、射出
開始から所定の時間(T1秒)が経過した後、図示しな
い移動手段の作動によって、第1の固定金型部51Aと
第2の固定金型部51Bとの相対的な位置関係を変化さ
せて、第1の固定金型部51Aと第2の固定金型部51
Bとの組み合わせによって形成された第2の溶融樹脂流
路(ランナー部154)の断面を元の状態とする(図4
の(B)参照)。この間も溶融熱可塑性樹脂の射出を継
続する。射出完了から1.0秒が経過した後、ガス注入
ノズル57から、加圧流体として加圧窒素ガス(ゲージ
圧力:8×107Pa)をキャビティ56内の溶融熱可
塑性樹脂の内部に導入した。加圧窒素ガスの導入から6
0秒間、キャビティ56内の熱可塑性樹脂の冷却、固化
を行った後、加圧流体導入部移動手段58を作動させて
ガス注入ノズル57を後退させ、成形品の内部の加圧窒
素ガスを大気中に解放せしめた。その後、第1の固定金
型部51A及び可動金型部52の型開きを行い、成形品
を取り出した。
【0075】尚、実施例5、及び、後述する実施例6に
おける、 溶融樹脂流路の一部分の断面が狭められる前の溶融樹
脂流路の一部分の断面積(S0cm2) 移動手段の作動によって溶融樹脂流路の一部分の断面
を狭めた状態としたときの溶融樹脂流路の一部分の断面
積(S1cm2) 所定の時間(T1秒) 射出開始から射出完了までの時間(射出完了時間T0
秒) 射出された溶融熱可塑性樹脂の内、キャビティ56内
を占める体積の割合(%)、及び、 移動手段の作動によって溶融樹脂流路の一部分の断面
積が元の断面積S0となった後の溶融熱可塑性樹脂の射
出率(IRcm3/秒)の値を、それぞれ、表4に示
す。
【0076】以上の操作を連続して100回行い、全数
(計100個)の成形品の重量測定を行った。その結
果、成形品の重量は極めて安定していた。また、成形品
をその軸線方向に切断し、中空部の断面観察を行った
が、中空部はほぼ同じ形状であった。
【0077】(実施例6)実施例6は実施例5の変形で
ある。実施例5の射出成形方法においては、移動手段の
作動によって第2の溶融樹脂流路の断面が狭められた状
態から、移動手段の作動によって第2の溶融樹脂流路の
断面が元の状態となった後に至るまで、溶融熱可塑性樹
脂の射出を継続して行った。
【0078】一方、実施例6においては、移動手段の作
動によって第2の溶融樹脂流路の断面が狭められた状態
から、第2の溶融樹脂流路の断面を元の状態とする直前
まで、スクリュー20の前進運動を継続し(即ち、溶融
熱可塑性樹脂の射出を行い)、所定の時間が経過した時
点で、スクリューの前進運動を一旦停止し(即ち、溶融
熱可塑性樹脂の射出を一旦停止し)、第2の溶融樹脂流
路の断面を元の状態とした後、スクリューの前進運動を
再開した(即ち、溶融熱可塑性樹脂の射出を再開し
た)。以下、実施例6の射出成形方法を説明する。
【0079】計量工程は実施例5と同様とすることがで
きるので、詳細な説明は省略する。計量工程の終了後、
射出工程を実行する。実施例6の射出工程も、前段(溶
融熱可塑性樹脂のキャビティ56内への射出開始時点に
おいて、移動手段の作動によって第2の溶融樹脂流路の
断面を狭めた状態としておく工程)は、実施例5と同様
とすることができるので、詳細な説明は省略する。尚、
以降の実施例7及び実施例8においても、射出工程の前
段は実施例5と同様とすることができるので、詳細な説
明は省略する。
【0080】射出開始から所定の時間(T1秒)が経過
した後、スクリュー20の前進運動を一旦停止し、即
ち、溶融熱可塑性樹脂の射出を一旦停止し、移動手段の
作動によって第2の溶融樹脂流路の断面積を再びS0
し、その後、スクリュー20の前進運動を再開した。即
ち、溶融熱可塑性樹脂の射出を再開した。溶融熱可塑性
樹脂の射出の中断は、0.5秒であった。射出完了から
1.0秒が経過した後、ガス注入ノズル57から、加圧
流体として加圧窒素ガス(ゲージ圧力:8×10 7
a)をキャビティ56内の溶融熱可塑性樹脂の内部に導
入した。加圧窒素ガスの導入から60秒間、キャビティ
56内の熱可塑性樹脂の冷却、固化を行った後、加圧流
体導入部移動手段58を作動させてガス注入ノズル57
を後退させ、成形品の内部の加圧窒素ガスを大気中に解
放せしめた。その後、第1の固定金型部51A及び可動
金型部52の型開きを行い、成形品を取り出した。
【0081】以上の操作を連続して100回行い、全数
(計100個)の成形品の重量測定を行った。その結
果、成形品の重量は極めて安定していた。また、成形品
をその軸線方向に切断し、中空部の断面観察を行った
が、中空部はほぼ同じ形状であった。
【0082】(実施例7)実施例7は実施例5の変形で
ある。実施例5の射出成形方法においては、所定の時間
(具体的には、射出開始から所定の時間T1秒)が経過
した後、移動手段の作動によって第2の溶融樹脂流路の
断面を元の状態とした。
【0083】一方、実施例7においては、所定の射出圧
力に到達した後、移動手段の作動によって第2の溶融樹
脂流路の断面を元の状態とする。以下、実施例7の射出
成形方法を説明する。
【0084】射出開始後、射出圧力がゲージ圧でP
1(Pa)となった時点で、移動手段の作動によって第
2の溶融樹脂流路の断面を元の状態(断面積:S0
2)とする。この間も溶融熱可塑性樹脂の射出を継続
する。射出完了から1.0秒が経過した後、ガス注入ノ
ズル57から、加圧流体として加圧窒素ガス(ゲージ圧
力:8×106Pa)をキャビティ56内の溶融熱可塑
性樹脂の内部に導入した。加圧窒素ガスの導入から60
秒間、キャビティ56内の熱可塑性樹脂の冷却、固化を
行った後、加圧流体導入部移動手段58を作動させてガ
ス注入ノズル57を後退させ、成形品の内部の加圧窒素
ガスを大気中に解放せしめた。その後、第1の固定金型
部51A及び可動金型部52の型開きを行い、成形品を
取り出した。
【0085】尚、実施例7、及び後述する実施例8にお
ける、 溶融樹脂流路の一部分の断面が狭められる前の溶融樹
脂流路の一部分の断面積S0 移動手段の作動によって溶融樹脂流路の一部分の断面
を狭めた状態としたときの溶融樹脂流路の一部分の断面
積S1 所定の射出圧力(P1) 射出最高圧力(P0) 射出された溶融熱可塑性樹脂の内、キャビティ56内
を占める体積の割合(%)、及び、 移動手段の作動によって溶融樹脂流路の一部分の断面
積が元の断面積S0となった後の溶融熱可塑性樹脂の射
出率(IRcm3/秒)の値を、それぞれ、表4に示
す。
【0086】以上の操作を連続して100回行い、全数
(計100個)の成形品の重量測定を行った。その結
果、成形品の重量は極めて安定していた。また、成形品
をその軸線方向に切断し、中空部の断面観察を行った
が、中空部はほぼ同じ形状であった。
【0087】(実施例8)実施例8は実施例7の変形で
ある。実施例7の射出成形方法においては、実施例5と
同様に、移動手段の作動によって第2の溶融樹脂流路の
断面が狭められた状態から、移動手段の作動によって第
2の溶融樹脂流路の断面が元の状態となった後に至るま
で、溶融熱可塑性樹脂の射出を継続して行った。
【0088】一方、実施例8においては、実施例6と同
様に、移動手段の作動によって第2の溶融樹脂流路の断
面が狭められた状態から、第2の溶融樹脂流路の断面を
元の状態とする直前まで、スクリュー20の前進運動を
継続し(即ち、溶融熱可塑性樹脂の射出を行い)、所定
の射出圧力に到達した後、スクリューの前進運動を一旦
停止し(即ち、溶融熱可塑性樹脂の射出を一旦停止
し)、溶融樹脂流路の一部分53Aの断面を元の状態と
した後、スクリューの前進運動を再開した(即ち、溶融
熱可塑性樹脂の射出を再開した)。以下、実施例8の射
出成形方法を説明する。
【0089】射出開始後、射出圧力がゲージ圧でP
1(Pa)となった時点で、スクリュー20の前進運動
を一旦停止し、即ち、溶融熱可塑性樹脂の射出を一旦停
止し、移動手段の作動によって第2の溶融樹脂流路の断
面を元の状態(断面積:S0cm2)に戻す。第2の溶融
樹脂流路の断面積がS0となった後、スクリュー20の
前進運動を再開した。即ち、溶融熱可塑性樹脂の射出を
再開した。射出完了から1.0秒が経過した後、ガス注
入ノズル57から、加圧流体として加圧窒素ガス(ゲー
ジ圧力:8×107Pa)をキャビティ56内の溶融熱
可塑性樹脂の内部に導入した。加圧窒素ガスの導入から
60秒間、キャビティ56内の熱可塑性樹脂の冷却、固
化を行った後、加圧流体導入部移動手段58を作動させ
てガス注入ノズル57を後退させ、成形品の内部の加圧
窒素ガスを大気中に解放せしめた。その後、第1の固定
金型部51A及び可動金型部52の型開きを行い、成形
品を取り出した。
【0090】以上の操作を連続して100回行い、全数
(計100個)の成形品の重量測定を行った。その結
果、成形品の重量は極めて安定していた。また、成形品
をその軸線方向に切断し、中空部の断面観察を行った
が、中空部はほぼ同じ形状であった。
【0091】[表3]
【0092】[表4]
【0093】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。射出成形用シリンダー、スクリュー、逆流防止リン
グ、金型組立体、加圧流体導入部の構成や構造、射出成
形条件や使用した熱可塑性樹脂等は例示であり、適宜変
更することができる。
【0094】
【発明の効果】本発明の射出成形装置あるいは射出成形
方法においては、たとえ射出速度が遅くとも、スクリュ
ーのヘッド部と射出成形用シリンダーの内壁との間のヘ
ッド部空間に存在する溶融熱可塑性樹脂が、スクリュー
の本体部側へと逆流するバックフロー現象の発生を確実
に防止することができる。その結果、安定して均一な品
質を有する成形品を確実に成形することができる。ま
た、金型組立体の構造にもよるが、特別な装置等を用い
ず、金型組立体に若干の改造を行うことで、かかる優れ
た効果を達成することが可能であるし、成形サイクルが
大幅に延長することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のインラインスクリュー式射出成形装
置における金型組立体、及び射出成形用シリンダー等の
一部を切り欠いた模式的な断面図である。
【図2】実施例1のインラインスクリュー式射出成形装
置における可動金型部の模式的な平面図である。
【図3】スクリュー等を模式的に分解した分解図、逆流
防止リングの側面図、逆流防止リングとスクリューのヘ
ッド部の配置関係を示す図である。
【図4】実施例5のインラインスクリュー式射出成形装
置における金型組立体の模式的な断面図である。
【図5】従来のインラインスクリュー式射出成形装置に
おける金型組立体、及び射出成形用シリンダーの一部を
切り欠いた模式図である。
【符号の説明】
10・・・射出成形用シリンダー、11・・・ノズル
部、14・・・リング状の空間、15・・・加熱用ヒー
ター、20・・・スクリュー、21・・・ヘッド部、2
2・・・溝部、23・・・肩部、24・・・縮径部、2
5・・・ヘッド部の後端、26・・・ネジ部、27・・
・本体部、28・・・スペーサ、29・・・シート部、
30・・・逆流防止リング、31・・・突起部、40・
・・流路断面積変化手段、41・・・ピン、42・・・
移動手段、50,50A・・・金型組立体、51,51
A,51B・・・固定金型部、52・・・可動金型部、
53,54,153,154.155・・・溶融樹脂流
路、53A,154・・・溶融樹脂流路の一部分、55
・・・ゲート部、56・・・キャビティ、57・・・ガ
ス注入ノズル、58・・・加圧流体導入部移動手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今泉 洋行 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 落合 和明 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 Fターム(参考) 4F206 JA07 JD03 JM16 JN25 JQ23 JQ26 JQ81

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)熱可塑性樹脂を可塑化、溶融、計量
    するための射出成形用シリンダー、 (B)射出成形用シリンダーの内部に配設され、ヘッド
    部と、ヘッド部の後端に配設された本体部から成り、ヘ
    ッド部の後部には縮径部が設けられ、本体部の先端部に
    は、該縮径部に面したシート部が設けられているスクリ
    ュー、 (C)射出成形用シリンダー内であって、スクリューの
    該縮径部に配設され、スクリューの前後進方向に可動で
    あり、シート部と係合し得る逆流防止リング、並びに、 (D)キャビティ、該キャビティ内に溶融熱可塑性樹脂
    を射出するためのゲート部、及び、該ゲート部と射出成
    形用シリンダーのノズル部とを結ぶ溶融樹脂流路を備え
    た金型組立体、を具備し、更に、 (E)溶融樹脂流路の一部分の断面積を変化させ得る流
    路断面積変化手段、を備えていることを特徴とするイン
    ラインスクリュー式射出成形装置。
  2. 【請求項2】キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹
    脂の内部に加圧流体を導入するための加圧流体導入部を
    更に備えていることを特徴とする請求項1に記載のイン
    ラインスクリュー式射出成形装置。
  3. 【請求項3】溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出
    開始時点において、流路断面積変化手段の作動によって
    溶融樹脂流路の前記一部分の断面を狭めた状態としてお
    き、 所定の時間が経過した後、又は、所定の射出圧力に到達
    した後、流路断面積変化手段の作動によって溶融樹脂流
    路の該一部分の断面を元の状態とすることを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載のインラインスクリュー式
    射出成形装置。
  4. 【請求項4】流路断面積変化手段は、溶融樹脂流路の前
    記一部分を占め得るピン、及び、該ピンを移動させるた
    めの移動手段から成ることを特徴とする請求項1乃至請
    求項3のいずれか1項に記載のインラインスクリュー式
    射出成形装置。
  5. 【請求項5】金型組立体は、可動金型部、第1の固定金
    型部及び第2の固定金型部から構成され、 溶融樹脂流路は、第1の溶融樹脂流路、第2の溶融樹脂
    流路、及び、第3の溶融樹脂流路から構成され、 可動金型部と第1の固定金型部とを型締めした状態でキ
    ャビティが形成され、 第1の固定金型部と第2の固定金型部とは相対的に移動
    可能であり、 第2の固定金型部には第1の溶融樹脂流路が設けられて
    おり、 第1の固定金型部には第3の溶融樹脂流路が設けられて
    おり、 第1の固定金型部と第2の固定金型部とを組み合わせた
    状態で、第1の溶融樹脂流路及び第3の溶融樹脂流路と
    連通する第2の溶融樹脂流路が形成され、 第2の溶融樹脂流路の少なくとも一部分は溶融樹脂流路
    の前記一部分に該当し、 第1の溶融樹脂流路は射出成形用シリンダーのノズル部
    と連通し、 流路断面積変化手段は、第1の固定金型部及び第2の固
    定金型部、並びに、第1の固定金型部と第2の固定金型
    部とを相対的に移動させ得る移動手段から成ることを特
    徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の
    インラインスクリュー式射出成形装置。
  6. 【請求項6】(A)熱可塑性樹脂を可塑化、溶融、計量
    するための射出成形用シリンダー、 (B)射出成形用シリンダーの内部に配設され、ヘッド
    部と、ヘッド部の後端に配設された本体部から成り、ヘ
    ッド部の後部には縮径部が設けられ、本体部の先端部に
    は、該縮径部に面したシート部が設けられているスクリ
    ュー、 (C)射出成形用シリンダー内であって、スクリューの
    該縮径部に配設され、スクリューの前後進方向に可動で
    あり、シート部と係合し得る逆流防止リング、 (D)キャビティ、該キャビティ内に溶融熱可塑性樹脂
    を射出するためのゲート部、及び、該ゲート部と射出成
    形用シリンダーのノズル部とを結ぶ溶融樹脂流路を備え
    た金型組立体、並びに、 (E)溶融樹脂流路の一部分の断面積を変化させ得る流
    路断面積変化手段、を備えたインラインスクリュー式射
    出成形装置を使用した射出成形方法であって、 溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出開始時点にお
    いて、流路断面積変化手段の作動によって溶融樹脂流路
    の一部分の断面を狭めた状態としておき、 所定の時間が経過した後、又は、所定の射出圧力に到達
    した後、流路断面積変化手段の作動によって溶融樹脂流
    路の該一部分の断面を元の状態とすることを特徴とする
    射出成形方法。
  7. 【請求項7】インラインスクリュー式射出成形装置は、
    キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂の内部に加
    圧流体を導入するための加圧流体導入部を更に備えてお
    り、 溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出中、若しくは
    射出完了後、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹
    脂の内部に加圧流体を導入することを特徴とする請求項
    6に記載の射出成形方法。
  8. 【請求項8】流路断面積変化手段は、溶融樹脂流路の前
    記一部分を占め得るピン、及び、該ピンを移動させるた
    めの移動手段から成り、 溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出開始時点にお
    いて、移動手段の作動によってピンを溶融樹脂流路の該
    一部分内に突出させ、以て、溶融樹脂流路の該一部分の
    断面を狭めた状態としておき、 所定の時間が経過した後、又は、所定の射出圧力に到達
    した後、移動手段の作動によって溶融樹脂流路の該一部
    分からピンを後退させ、以て、溶融樹脂流路の該一部分
    の断面を元の状態とすることを特徴とする請求項6又は
    請求項7に記載の射出成形方法。
  9. 【請求項9】金型組立体は、可動金型部、第1の固定金
    型部及び第2の固定金型部から構成され、 溶融樹脂流路は、第1の溶融樹脂流路、第2の溶融樹脂
    流路、及び、第3の溶融樹脂流路から構成され、 可動金型部と第1の固定金型部とを型締めした状態でキ
    ャビティが形成され、 第1の固定金型部と第2の固定金型部とは相対的に移動
    可能であり、 第2の固定金型部には第1の溶融樹脂流路が設けられて
    おり、 第1の固定金型部には第3の溶融樹脂流路が設けられて
    おり、 第1の固定金型部と第2の固定金型部とを組み合わせた
    状態で、第1の溶融樹脂流路及び第3の溶融樹脂流路と
    連通する第2の溶融樹脂流路が形成され、 第2の溶融樹脂流路の少なくとも一部分は溶融樹脂流路
    の前記一部分に該当し、 第1の溶融樹脂流路は射出成形用シリンダーのノズル部
    と連通し、 流路断面積変化手段は、第1の固定金型部及び第2の固
    定金型部、並びに、第1の固定金型部と第2の固定金型
    部とを相対的に移動させ得る移動手段から成り、 溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出開始時点にお
    いて、移動手段の作動によって第1の固定金型部と第2
    の固定金型部との相対的な距離を狭め、以て、第1の固
    定金型部と第2の固定金型部とから構成された第2の溶
    融樹脂流路の少なくとも一部分の断面を狭めた状態とし
    ておき、 所定の時間が経過した後、又は、所定の射出圧力に到達
    した後、移動手段の作動によって第1の固定金型部と第
    2の固定金型部との相対的な距離を広げ、以て、第2の
    溶融樹脂流路の少なくとも一部分の断面を元の状態とす
    ることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の射出
    成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101206426B1 (ko) 2010-09-08 2012-11-29 주식회사 평화이엔지 고무사출성형기의 고무 역류방지장치
CN113320088A (zh) * 2021-05-28 2021-08-31 北京昌浩新能源科技有限公司 一种注塑产品成型系统中气眼排除的注塑机

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