JP2002000234A - うなぎ骨の有効処理方法 - Google Patents

うなぎ骨の有効処理方法

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JP2002000234A
JP2002000234A JP2000192804A JP2000192804A JP2002000234A JP 2002000234 A JP2002000234 A JP 2002000234A JP 2000192804 A JP2000192804 A JP 2000192804A JP 2000192804 A JP2000192804 A JP 2000192804A JP 2002000234 A JP2002000234 A JP 2002000234A
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Takeo Nohara
武男 野原
Yoshikazu Hosokawa
吉計 細川
Koji Masuda
幸司 増田
Setsuji Sakurai
節二 桜井
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Takata Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来は廃棄されて公害問題にもなっていたう
なぎの調理残滓の骨部分を被処理原料として、殆ど余す
ことなく利用して有用な製品に転化できる処理方法を提
供する。 【解決手段】 うなぎの骨部分に水を加えて煮出し、煮
出し液と骨とを分別する第一工程と、煮出し分別後の骨
に水とエンドペプチダーゼ型蛋白分解酵素とを加えて骨
に付随する蛋白質を分解し、蛋白質分解液と骨とに分別
する第二工程と、蛋白質分解液から分別した骨に水とリ
パーゼとを加えて骨に残る脂肪を分解し、脂肪分解液を
除去する第三工程と、脂肪分解液を除去した骨を乾燥し
て粉砕する第四工程とを順次経るうなぎ骨の有効処理方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒲焼き等に供され
たうなぎの残りの骨部分を有効利用するための処理方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】世界で消費されるうなぎは約20万トン
に上り、その内の10万トンは日本で消費され、大半が
蒲焼きとして食されている。蒲焼きの場合、殆どが調理
師によって捌かれ、身、頭、骨及び内臓に分けられる
が、約250gの魚体の7%に当たる約17.5gの骨
部分には多くの残存蛋白質と約26%の脂肪が含まれて
いる。しかるに、この骨部分は生臭みが強いこと等か
ら、フライにした珍味等として僅かに利用される程度で
あり、蒲焼きで発生する約7千トンもの骨の大部分が廃
棄処分されていると推察され、公害問題にもなってい
る。
【0003】そこで、特開平8−131127号公報で
は、うなぎ等の魚の骨を加圧下で焼き、これを水酸化ナ
トリウム水溶液中に浸漬したのち、水洗、乾燥して骨粉
を製造する方法が提案されている。しかしながら、この
方法では、焼いた骨の浸漬に用いた水酸化ナトリウム水
溶液が新たな廃棄物となり、蛋白質及び脂肪の分解物を
含むアルカリ性廃液の処理を必要とする上、骨に付随し
ている蛋白質及び脂肪を有効利用できず、骨粉の収率も
低いという難点があった。
【0004】一方、主に鮭を対象として中骨や残骨から
調味エキスを製造する方法として、特開2000−60
478号公報では、中骨や残骨をエンド型プロテアーゼ
で処理したのち、エキソ型プロテアーゼで処理する方法
が提案されている。この方法は、鮭等の骨に付随する蛋
白質を上記二種の蛋白加水分解酵素によって分解し、旨
味成分への転化と苦みの抑制を行い、処理液より油分を
分別除去し、加熱、濾過、濃縮等を経て調味エキスを得
るものであり、処理液から分別された骨については60
0〜700℃の高温加熱によって有機物を灰化した上で
粉砕してカルシウム純度の高い骨粉にするとしている。
しかしながら、このような方法は、鮭等の骨には有効で
あっても、うなぎ骨の処理に適するとは言えない。
【0005】すなわち、上記提案の調味エキスの製造方
法をうなぎ骨の処理に適用した場合、蛋白質の分解によ
る旨味を有する調味エキスは得られても、うなぎが本来
持っている特有の旨味を充分に残した調味エキスは得ら
れず、しかも蛋白質の分解のために酵素の使用量を多く
する必要があり、処理が高コストについて経済的に見合
わず、また処理後の骨から得られる骨粉も単なるカルシ
ウム粉末に近く、元来うなぎ骨に含まれている様々な有
用成分を喪失してしまうことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、うなぎ骨の有
効処理方法としては、うなぎが本来持っている特有の旨
味を損なわずにエキスとして取り出すことを可能にし、
また最終的に骨粉とする場合にも、うなぎ骨に含まれる
様々な有用成分を活かすと共に、うなぎ骨独特の生臭さ
を解消し、加えて処理コストが低く経済的に見合うこと
が理想的である。しかるに、うなぎは、その特異な生態
と体型から窺えるように、骨格形態、肉質の組成、骨に
対する蛋白質や脂質の結び付き等が他の魚類に比較して
大きく異なり、これがうなぎ骨を有効利用する上での困
難さに結びついている。例えば、うなぎの脂質含量は2
0%以上であり、調理残滓の骨部分には約26%もの脂
肪が含まれており、鮭の同8%、鰤の同18%、鰹の同
2%、鮪の同1%、鯖の同17%、鯵の同6.9%、ひ
らめの同1.2%等に比較して骨部分の脂肪含有量が突
出して多く、不飽和脂肪酸の酸化によって生じる生臭さ
が際立って強くなる要因となっている。また、うなぎの
脊椎骨数も100〜119と極端に多く、そのために骨
に付随する蛋白質の分解や脂肪の分離が難しいものにな
っている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の情況
にもかかわらず、蒲焼き等に供されたうなぎの残りの骨
部分について、付随する蛋白質及び脂肪まで殆ど余さず
に有効利用し、且つうなぎの持つ本来の旨味や有用成分
を活かし得る理想的な手段を究明すべく、鋭意検討を重
ねた。その結果、蛋白質を酵素分解する処理に先立って
煮出しを行えば、脂肪分の大半が骨から分離するため、
煮出し液を分別することにより、後の酵素による蛋白質
の分解効率が向上する共に生臭さの要因となる残留脂肪
の除去が容易になる上、同時にうなぎ特有の旨味をその
ままエキスとして取り出すことができ、また蛋白質の酵
素分解に続いて残留脂肪を酵素分解して除くことによ
り、最終的に分別した骨を単に粉砕するだけで、うなぎ
骨中の種々の有用成分がそのまま残って且つ生臭さのな
い良品質の骨粉が得られることを見出し、本発明をなす
に至った。
【0008】すなわち、本発明の請求項1に係るうなぎ
骨の有効処理方法は、うなぎの骨部分に水を加えて煮出
し、煮出し液と骨とを分別する第一工程と、煮出し分別
後の骨に水とエンドペプチダーゼ型蛋白分解酵素とを加
えて骨に付随する蛋白質を分解し、蛋白質分解液と骨と
に分別する第二工程と、蛋白質分解液から分別した骨に
水とリパーゼとを加えて骨に残る脂肪を分解し、その脂
肪分解液を除去する第三工程と、脂肪分解液を除去した
骨を乾燥して粉砕する第四工程とを含んでなるものとし
ている。
【0009】この処理方法によれば、第一工程において
骨に付随していた油分の大半がうなぎ特有の旨味と共に
抽出されて煮出し液中に移行するから、第二工程ではエ
ンドペプチダーゼ型蛋白分解酵素による蛋白質の分解が
効率よく進行すると共に、第三工程においても残留して
いる脂肪分が少ないためにリパーゼによる分解が完全に
なされ、もって第四工程で得られる骨粉は生臭さのない
ものとなる。また、この骨粉は、高温加熱(焼成)を経
ていないため、うなぎ骨中に存在していた種々の有用成
分をそのまま含むものとなる。
【0010】請求項2の発明は、上記請求項1の処理方
法において、前記第一工程で分別した煮出し液を上層の
油分と下層の抽出エキス分とに分別し、その抽出エキス
分を濃縮して第一のうなぎエキスとする構成を採用して
いる。この場合、第一工程の煮出し液より分別された油
分は魚油となり、また濃縮した第一のうなぎエキスはう
なぎ本来の特有の旨味を有するものとなる。
【0011】請求項3の発明は、上記請求項1又は2の
処理方法において、前記第二工程で分別した蛋白質分解
液を濃縮して第二のうなぎエキスとする構成を採用して
いる。この濃縮した第二のうなぎエキスは、蛋白質の分
解によって転化した旨味成分を含むものとなる。
【0012】請求項4の発明では、上記請求項1〜3の
いずれかの処理方法の前記第二工程において、骨に対し
て0.01〜1重量%のエンドペプチダーゼ型蛋白分解
酵素を加えて加温下で酵素分解を行うものとしているか
ら、うなぎの骨部分に残る蛋白質を効率よく、安価に分
解できる。
【0013】請求項5の発明では、上記請求項1〜4の
いずれかの処理方法の前記第三工程において、骨に対し
て0.01〜0.5重量%のリパーゼを加えて加温下で
酵素分解を行うものとしているから、うなぎの骨部分に
残る脂肪分を効率的に且つ安価に分解除去できる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係るうなぎ骨の有効処理
方法は、従来では廃棄処分されていたうなぎの調理残滓
の骨部分、主として蒲焼きに供されたうなぎの残滓から
内臓を取り除いた骨部分を有効利用するものである。し
かして、この骨部分には骨に付着した多少の身(肉)と
脂肪組織が含まれているが、処理に際しては、そのまま
後述する第一〜第四工程の各処理操作を順次行うが、抽
出効率を高めるために粉砕機にかけて砕いた状態にして
処理してもよい。
【0015】まず第一工程では、骨部分に水を加えて煮
出したのち、その煮出し液と骨とを分別する。この煮出
しにより、骨に含まれる脂肪分の大半が煮出し液中に抽
出されて骨から遊離し、同時に骨部分に含まれていたう
なぎ本来の旨味成分も抽出されて煮出し液中に移行す
る。従って、この煮出し液から分別された骨には、蛋白
質と抽出し切れなかった少量の脂肪分が残ることにな
る。一方、分別した煮出し液は静置することによって上
層の透明な油分と下層の抽出エキス分とに分かれるか
ら、この上下層の液を分液ロート等を用いて分別すれ
ば、油分はそのまま魚油として利用できると共に、抽出
エキス分は減圧又は常圧下で濃縮して第一のうなぎエキ
スとなし得る。
【0016】しかして、この第一のうなぎエキスは、う
なぎが本来持っている特有の旨味を有するものであるか
ら、種々の食品に添加してうなぎ独特の風味を与える調
味料として非常に有用なものとなる。なお、このうなぎ
エキスには、保存性を高めるために、食塩等を添加して
防腐効果をもたせるのがよい。
【0017】上記第一工程における煮出しとその後の分
別の操作は、一回に限らず、骨から油分を出来るだけ除
く上で、分別した骨に新しく水を加えて再び煮出して分
別する操作を複数回繰り返してもよい。また一回の煮出
しは10分程度でよい。しかして、この煮出しにおい
て、油分の酸化による生臭臭を抑えるためには酸化防止
効果や矯臭効果のあるローズマリーやお茶及び若しくは
それらの抽出液を添加してもよい。また分別操作は、煮
出し後の容器を静置して骨を沈降させ、上部の液を他の
容器に移せばよいが、網やフィルターを利用して行うこ
ともでき、これは以降の第二及び第三工程における骨と
液との分別でも同様である。
【0018】第二工程は、前記第一工程で煮出し液から
分別された骨に、水とエンドペプチダーゼ型蛋白分解酵
素とを加えて骨に付随する蛋白質を分解したのち、蛋白
質分解液と骨とに分別する。この工程では、酵素による
蛋白質の分解を促進するために好ましくは処理液を45
〜65℃程度に加温し、5〜16時間程度放置して酵素
分解を行うのがよい。しかして、この酵素分解において
は、前記第一工程で元の骨部分に付随していた油分の大
半が抽出除去されているため、酵素が油分に邪魔されず
に骨の隅々まで容易に到達し、もって蛋白質の分解が効
率よく進行するから、酵素使用量は少なくて済む。
【0019】上記のエンドペプチダーゼ型蛋白分解酵素
の添加量は、骨に対して0.01〜1重量%の範囲とす
るのがよく、更に0.1〜1重量%の範囲がより好適で
あり、更にまた経済的な面からは0.01〜0.2重量
%の範囲が好ましい。また、エンドペプチダーゼ型蛋白
分解酵素であれば何でもよく、好適な市販品としては、
例えば天野製薬社製の商品名パパインW40、同社製の
商品名プロテアーゼアマノA等が挙げられる。
【0020】この第二工程で骨から分別された蛋白質分
解液は、蛋白質の分解によって転化した旨味成分を含む
から、減圧又は常圧下で濃縮して第二のうなぎエキスと
する。この第二のうなぎエキスは、前記第一のうなぎエ
キスがナチュラルなうなぎ風味を有しているのに対し
て、うなぎの厚みを感じる旨みを有しており、一般加工
食品の風味付けとしての用途がある。なお、第二のうな
ぎエキスにおいても、保存性を高めるために、食塩等を
添加しておくのがよい。
【0021】第二工程で蛋白質分解液から分別した骨
は、数回の水洗いを行った上で第三工程の処理に供す
る。しかして、この水洗いにおける薄い洗液は廃棄すれ
ばよいが、初期の濃い洗液は前記の蛋白質分解液に合し
て含まれる旨味成分を有効利用することが望ましい。
【0022】第三工程は、前記第二工程で蛋白質分解液
から分別した骨に、水と脂肪分解酵素であるリパーゼと
を加えて骨に残る脂肪を分解したのち、その脂肪分解液
を骨から分別して除去する。この酵素分解操作は、脂肪
の分解を促進するために好ましくは前記の蛋白質の酵素
分解と同様に処理液を25〜50℃程度に加温し、3〜
10時間程度放置すれはよい。また酵素分解でグリセリ
ンと脂肪酸が生じるため、分別前の脂肪分解液中に炭酸
水素ナトリウム等の中和剤を添加することが望ましい。
【0023】この第三工程では、前記第一工程で脂肪の
大半が除去されているために骨に残る脂肪分が僅かであ
ることに加え、前記第二工程で蛋白質も除去されている
から、脂肪は少量の酵素によって殆どが骨から除かれる
ことになる。また、リパーゼの添加量も骨に対して0.
1〜0.5重量%程度の少量でよい。因みに、前記第二
工程を経た段階で骨に残留する脂質含量は1〜4重量%
程度であるが、この第三工程によって該脂質含量が0.
1〜0.4重量%程度と略1/10まで減少することが
判明している。かくして脂肪分解後の液から分別した骨
は、数回の水による洗浄を行った上で次の第四工程に供
する。
【0024】第四工程では、第三工程で洗浄を終えた骨
を乾燥して粉砕することにより、骨粉を製造する。この
骨粉は、第一〜第四工程を通じて焼成のような高温加熱
を経ていないため、元のうなぎ骨中に存在していた様々
な微量の有用成分が損なわれずに自然な形で含まれてお
り、しかも脂肪分が殆ど除かれているので生臭さも全く
なく、人体に摂取し易く骨粗鬆症等に好適な高品質のカ
ルシウム剤となる。
【0025】上述のように、本発明の有効処理方法によ
れば、従来は廃棄されて公害問題にもなっていたうなぎ
の調理残滓の骨部分を原料として、その成分を殆ど余す
ことなく利用し、魚油(うなぎ油)、うなぎ独特の風味
を濃厚に有する第一のうなぎエキス、蛋白質の分解にて
転化した旨味を有する第二のうなぎエキス、様々な微量
の有用成分を自然な形で含んで且つ生臭さのない骨粉と
いった良質の製品を、低コストで容易に得ることができ
る。しかして、上記の第一及び第二のうなぎエキスは風
味調味料として、また骨粉はカルシウム強化剤として、
それぞれ魚肉・畜肉加工製品、麺類、スナック食品、ク
ッキーや煎餅の如き練り焼き菓子、冷凍食品、水産加工
食品、栄養補助食品、いわゆる健康食品、清涼・医薬飲
料等に好適に配合できる。
【0026】
【実施例】蒲焼きに供されたうなぎの調理残滓から内臓
を取り除いた骨部分を用い、付着した血液を洗い取った
上でチョッパにてミンチ状に砕き、その1265gを被
処理原料として採取した。そして、この砕いた骨部分
に、酸化防止剤及び臭み除去剤を兼ねるローズマリー抽
出物6.3g(0.5重量%)と水1260gを加え、
約10分間の煮出しを行ったのち、上部の煮出し液を分
液ロートに分別し、残部に新しい水600gを加えて再
び10分間の煮出しを行い、その煮出し液を先の分液ロ
ートに移し、更に残部に新しい水600gを加えて10
分間の煮出しを行い、その煮出し液を先の分液ロートに
移した。そして、この分液ロートの煮出し液を数時間静
置して上層の透明な油分と下層の抽出エキス分とに分離
させ、下層の抽出エキス分を分取して減圧下で濃縮し、
これに食塩10gを加えて第一のうなぎエキス117g
(原料の骨部分に対して9.2%)を得た。一方、上層
の油分は184g(同14.5重量%)であり、魚油と
して生臭さの少ないものであった。
【0027】次に、上記の煮出し液から分別した骨に水
600gとエンドペプチダーゼ型蛋白分解酵素(天野製
薬社製の商品名パパインW40)1.54g(骨に対し
て0.13重量%)とを加え、50℃の加温下で16時
間静置して酵素分解を行ったのち、90°C以上に10
分間加熱して酵素を失活させ、上層の蛋白質分解液を骨
から分別し、この骨を新しい水で数回洗浄し、初期の濃
い洗液は前記分別した蛋白質分解液に合し、薄い洗液は
廃棄した。この時点で骨は白色となっていた。そして、
得られた蛋白質分解液を減圧下で濃縮し、食塩20gを
加えて第二のうなぎエキス232.3g(原料の骨部分
に対して18.4%)を得た。
【0028】続いて、上記の水洗後の骨に水600gと
リパーゼ(田辺製薬社製の商品名タリパーゼ)2.5g
(骨に対して0.2重量%)とを加え、50℃の加温下
で6時間静置して残留脂肪の酵素分解を行ったのち、9
0°Cに10分間加熱して酵素を失活させ、液中に炭酸
水素ナトリウム約30gを添加混合した上で脂肪分解液
を骨から分別除去し、この骨を新しい水で数回洗浄し
た。そして、水を切った骨を乾燥したのち、粉砕して白
色の骨粉127g(元の骨部分に対して約10重量%)
を得た。この骨粉は生臭さが全くないものであった。
【0029】
【発明の効果】請求項1の発明に係るうなぎ骨の有効処
理方法によれば、従来は廃棄されて公害問題にもなって
いたうなぎの調理残滓の骨部分を原料として、煮出して
骨を分別する第一工程と、蛋白分解酵素にて蛋白質を分
解して液を分別する第二工程と、リパーゼにて残留脂肪
を分解して液を除去する第三工程と、骨を乾燥して粉砕
する第四工程とを順次経て処理を行うことから、原料成
分を殆ど余すことなく利用して、魚油、うなぎ独特の風
味を濃厚に持つエキス、蛋白質の分解にて転化した旨味
を有するエキス、様々な微量の有用成分を自然な形で含
んで且つ生臭さのない骨粉といった良質の製品を、低コ
ストで容易に得ることができる。
【0030】請求項2の発明によれば、上記の処理方法
において、第一工程で分別した煮出し液より、魚油とす
る油分と、うなぎ本来の特有の旨味を有するエキスとを
容易に得ることができる。
【0031】請求項3の発明によれば、上記の処理方法
において、前記第二工程で分別した蛋白質分解液より、
蛋白質の分解によって転化した旨味成分を含むエキスを
容易に得ることができる。
【0032】請求項4の発明によれば、上記の処理方法
の第二工程において、うなぎの骨部分に付随する蛋白質
を短時間で効率よく低コストで分解できる。
【0033】請求項5の発明によれば、上記の処理方法
の第三工程において、うなぎの骨部分に残る脂肪分をよ
り短時間で効率よく低コストで完全に分解除去できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B026 DG14 DP10 4B042 AC01 AC10 AD39 AE01 AE08 AG25 AH03 AK16 AP27 4B047 LB06 LB09 LG54 LG58 LP01 LP18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 うなぎの骨部分に水を加えて煮出し、煮
    出し液と骨とを分別する第一工程と、煮出し分別後の骨
    に水とエンドペプチダーゼ型蛋白分解酵素とを加えて骨
    に付する蛋白質を分解し、蛋白質分解液と骨とに分別
    する第二工程と、蛋白質分解液から分別した骨に水とリ
    パーゼとを加えて骨に残る脂肪を分解し、その脂肪分解
    液を除去する第三工程と、脂肪分解液を除去した骨を乾
    燥して粉砕する第四工程とを含んでなるうなぎ骨の有効
    処理方法。
  2. 【請求項2】 前記第一工程で分別した煮出し液を上層
    の油分と下層の抽出エキス分とに分別し、その抽出エキ
    ス分を濃縮して第一のうなぎエキスとする請求項1記載
    のうなぎ骨の有効処理方法。
  3. 【請求項3】 前記第二工程で分別した蛋白質分解液を
    濃縮して第二のうなぎエキスとする請求項1又は2に記
    載のうなぎ骨の有効処理方法。
  4. 【請求項4】 前記第二工程において、骨に対して0.
    01〜1重量%のエンドペプチダーゼ型蛋白分解酵素を
    加えて加温下で酵素分解を行う請求項1〜3のいずれか
    に記載のうなぎ骨の有効処理方法。
  5. 【請求項5】 前記第三工程において、骨に対して0.
    01〜0.5重量%のリパーゼを加えて加温下で酵素分
    解を行う請求項1〜4のいずれかに記載のうなぎ骨の有
    効処理方法。
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