JP2001525245A - パラジウム、カドミウム、アルカリ金属およびランタノイドをベースとする触媒および酢酸ビニルの製造方法 - Google Patents

パラジウム、カドミウム、アルカリ金属およびランタノイドをベースとする触媒および酢酸ビニルの製造方法

Info

Publication number
JP2001525245A
JP2001525245A JP2000524071A JP2000524071A JP2001525245A JP 2001525245 A JP2001525245 A JP 2001525245A JP 2000524071 A JP2000524071 A JP 2000524071A JP 2000524071 A JP2000524071 A JP 2000524071A JP 2001525245 A JP2001525245 A JP 2001525245A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
cadmium
palladium
compound
lanthanoid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000524071A
Other languages
English (en)
Inventor
ヘルツォーク・ベルンハルト
ウァン・タオ
ニコラウ・イオアン
Original Assignee
セラニーズ・ケミカルズ・ヨーロッパ・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング
セラニーズ・インターナショナル・コーポレイション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by セラニーズ・ケミカルズ・ヨーロッパ・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング, セラニーズ・インターナショナル・コーポレイション filed Critical セラニーズ・ケミカルズ・ヨーロッパ・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング
Publication of JP2001525245A publication Critical patent/JP2001525245A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J23/00Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00
    • B01J23/38Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00 of noble metals
    • B01J23/54Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00 of noble metals combined with metals, oxides or hydroxides provided for in groups B01J23/02 - B01J23/36
    • B01J23/56Platinum group metals
    • B01J23/63Platinum group metals with rare earths or actinides
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J23/00Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00
    • B01J23/38Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00 of noble metals
    • B01J23/54Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00 of noble metals combined with metals, oxides or hydroxides provided for in groups B01J23/02 - B01J23/36
    • B01J23/56Platinum group metals
    • B01J23/60Platinum group metals with zinc, cadmium or mercury
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/04Preparation of carboxylic acid esters by reacting carboxylic acids or symmetrical anhydrides onto unsaturated carbon-to-carbon bonds
    • C07C67/05Preparation of carboxylic acid esters by reacting carboxylic acids or symmetrical anhydrides onto unsaturated carbon-to-carbon bonds with oxidation
    • C07C67/055Preparation of carboxylic acid esters by reacting carboxylic acids or symmetrical anhydrides onto unsaturated carbon-to-carbon bonds with oxidation in the presence of platinum group metals or their compounds

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明はパラジウムおよび/またはそれの化合物、カドミウム化合物並びにアルカリ金属化合物並びに少なくとも1種類のランタノイド金属化合物を含有する触媒、およびこれを酢酸、エチレンおよび酸素または酸素含有ガスから酢酸ビニルを製造するために用いることに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はパラジウムおよび/またはその化合物、カドミウム化合物、アルカリ
金属化合物および少なくとも1種類のランタノイド金属化合物を含有する触媒、
およびそれを酢酸、エチレンおよび酸素または酸素含有ガスから酢酸ビニルを製
造するために用いることに関する。
【0002】
【従来の技術】
気相においてエチレンをパラジウム/カドミウム/アルカリ金属を含有する固
定触媒床を用いて酢酸および酸素または酸素含有ガスと反応させて酢酸ビニルを
得ることができることは公知である。米国特許第4,902,823号明細書、
同第3,939,199号明細書、同第4,668,819号明細書によると、
触媒活性金属塩は含浸、噴霧、蒸着(Aufdampfen) 、浸漬または沈着によって触
媒用担体に担持される。更に、パラジウム、カドミウムおよびカリウムを含有す
る触媒の製法も公知であり、この場合には結合剤、例えばアルカリ金属−または
アルカリ土類金属炭酸塩を含有する担体を含浸処理前に酸で洗浄しそして含浸処
理後に塩基で処理している(ヨーロッパ特許出願公開(A)第519,435号
明細書)。
【0003】 ヨーロッパ特許出願公開(A)第634,209号明細書によると、パラジウ
ム、カドミウムおよびカリウムを含有する触媒が、担体粒子をパラジウム塩、カ
ドミウム塩およびカリウム塩を含有する溶液と良く混合することによって浸漬処
理しそしてその後にただちに乾燥することによって製造されている。この場合該
溶液の動的粘度は少なくとも0.003Pa・sであり、浸漬の際の溶液容量は
担体粒子の空隙容積の5〜80%である。ヨーロッパ特許出願公開(A)第63
4,208号明細書によると、担体粒子の空隙容積の80%より多い溶液容量を
浸漬の際に使用している。この方法の場合には既に乾燥開始するまでの時間を、
乾燥の終了後にシェルが空隙容積の5〜80%の上述の金属塩を含有する程に短
く選択しなければならない。
【0004】 パラジウム、カドミウムおよびカリウムを含有する触媒はヨーロッパ特許出願
公開(A)第634,214号明細書に開示されている方法では、担体粒子を十
分に混合しながら少なくとも0.3mmの平均径の液滴の状態かまたは液体噴霧
の形でパラジウム塩、カドミウム塩およびカリウム塩の溶液を噴霧しそしてその
後に直ちに乾燥し、その際に該溶液の動的粘度が少なくとも0.003Pa・s
でありそして噴霧する際の溶液容量が担体粒子の空隙容積の5〜80%である様
にすることによって製造できる。
【0005】 国際特許出願(WO)96/37455号明細書から、この種の触媒に少なくとも
1種類のルテニウム化合物および/または少なくとも1種類のジルコニウム化合
物を添加することによって著しく改善されることが公知である。例えばパラジウ
ム 、カドミウム、カリウムを含有するシェル触媒は922g/L・時(生じた
酢酸ビニルのg数/触媒1Lおよび1時間)の空時得率であるのに、その他は同
じ条件でジルコニウムを添加した後では950g/L・時の初期生産量が認めら
れる。
【0006】
【発明の構成】
驚くべきことに本発明者は、パラジウム、カドミウムおよびカリウムを含有す
る触媒が少なくとも1種類のランタノイド金属化合物の添加によって著しく改善
されること、即ち高い空時得率が酢酸ビニルへの同等またはより良好な選択率の
もとで達成されることを見出した。
【0007】 従って本発明の対象は、気相においてエチレン、酢酸および酸素または酸素含
有ガスからパラジウムおよび/またはそれの化合物、カドミウム化合物並びにア
ルカリ金属化合物を担体上に担持する触媒によって酢酸ビニルを製造する方法に
おいて、触媒が追加的に少なくとも1種類のランタノイド金属化合物を含有する
、上記方法に関する。
【0008】 更に本発明の対象は、パラジウムおよび/またはその化合物、カドミウム化合
物並びにアルカリ金属化合物を担体上に担持する触媒において、該触媒が追加的
に少なくとも1種類のランタノイド金属化合物を含有することを特徴とする、上
記触媒にも関する。
【0009】 “ランタノイド金属”とは14種の希土類金属のセリウム、プラセオジム、ネ
オジム、プロメチウム、サマリウム、ヨーロピウム、ガドリニウム、テルビウム
、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムおよび
ルテチウム並びに希土類元素に類似する化学挙動を示す元素のスカンジウム、イ
ットリウムおよびランタンを意味する。
【0010】 担体としては公知の不活性担体物質、例えば珪酸、酸化アルミニウム、アルミ
ノ珪酸塩、珪酸塩、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸塩、炭化珪素およ
びカーボン物質が適している。40〜350m2 /gの比表面積(BET−法で
測定)および50〜2000Å(水銀ポロシメーターを使用して測定)の平均孔
径を有する担体、なかでも珪酸(SiO2 )およびSiO2 −Al2 3 −混合
物が特に適している。これらの担体はあらゆる形状、例えば球状、タブレット状
、環状、星型または成形された粒子の他の形状で使用でき、その直径あるいはそ
の長さおよび厚さは一般に3〜9mmである。
【0011】 かゝる担体は、例えば四塩化珪素または四塩化珪素/三塩化アルミニウム−混
合物を酸水素炎中で炎中加水分解(flame hydrolyse)することによって製造でき
るエーロゲニック(aerogenic) SiO2 またはエーロゲニックSiO2 /Al2 3 −混合物から製造できる(米国特許第3,939,199号明細書)。
【0012】 パラジウム−、カドミウム−、アルカリ金属−およびランタノイド金属塩のた
めの溶剤としては、選ばれた塩を溶解しそして含浸処理後に乾燥によって容易に
再び除くことができるあらゆる化合物が適している。酢酸塩を使用する場合には
、なかでも炭素原子数2〜10の非置換カルボン酸、例えば酢酸、プロピオン酸
、nーおよびイソ−酪酸および種々のバレリン酸が適している。カルボン酸とし
てはその物理的性質および経済的理由から酢酸を使用するのが有利である。塩化
物、クロロ−およびアセテート錯塩のためには中でも水が適している。他の溶剤
を追加的に使用することも、該塩が酢酸または水に十分に溶解しない場合に有利
である。例えば塩化パラジウムは氷酢酸によりも水性酢酸に実質的により良好に
溶解する。追加的溶剤としては、不活性でありそして酢酸あるいは水と混和し得
るものが適する。酢酸のための添加物としては、ケトン類、例えばアセトンおよ
びアセチルアセトン、更にエーテル類、例えばテトラヒドロフランまたはジオキ
サン、または炭化水素、例えばベンゼンが挙げられる。
【0013】 パラジウム、カドミウム、アルカリ金属の複数の塩およびそれぞれのランタノ
イド金属を適用することができるが、一般にはこれらの元素のそれぞれの正確に
1種類の塩を適用する。
【0014】 触媒作用金属化合物が担体粒子のコアにまで浸透しているいわゆる“完全含浸
した”触媒を製造することもまたは該金属塩がコアにで浸透しておらず且つ担体
粒子の多かれ少なかれ外側の大部分、即ち粒子のいわゆる“シェル”だけに浸透
していてもよい。
【0015】 いずれの場合にも適用される各元素、即ちパラジウム、カドミウム、アルカリ
金属およびランタノイド金属は塩溶液の状態でそれぞれに単独でまたは任意の組
合せで任意の順序で適用でき、その際にこれらの適用される元素の唯一の溶液を
使用するのが有利である。これらの適用される元素のそれぞれの正確に1種類の
塩を含有する唯一の溶液を使用するのが特に有利である。この場合この溶液は少
なくとも2種類の異なるランタノイド金属の塩よりなる混合物を含有していても
よいが、この溶液が1種類だけのランタノイド金属の1種類の塩を含有している
のが有利である。
【0016】 以下で“塩の溶液”について一般的に説明する場合、適用すべき塩全体の一部
だけをそれぞれに含有する複数の溶液を順に使用する場合についても同様のこと
が言える。その際に個々の量の合計量は担体に適用すべき塩の全体量である。
【0017】 完全含浸処理した触媒を製造するためには次の様に行なうのが有利である(米
国特許第4,902,823号明細書、同第3,393,199号明細書および
同第4,668,819号明細書): 活性成分の溶液による触媒用担体の浸漬処理は、担体材料を溶液で覆いそして
次いで場合によっては過剰の溶液を注ぎ出すかまたは濾去する様にして行なう。
溶液の損失量を考慮して、触媒担体の総空隙容積に相応する料の溶液しか使用せ
ず、そして担体物質粒子が均一に湿潤する様に注意深く十分に混合することが重
要である。浸漬および十分な混合を、例えば回転ドラムまたは転動ドライヤーで
同時に実施するのが有利であり、この場合には乾燥をただちに後続させてもよい
。更に一般に、触媒用担体の浸漬処理に使用される溶液の組成は、一度の浸漬処
理によって所望の量の活性物質が適用される様に決めるのが有利である。しかし
ながらこの量は数度の含浸処理によって適用してもよく、その場合には各含浸処
理の後に乾燥処理を行なうのが好ましい。
【0018】 シェル触媒を製造するためには以下の三つの方法の一つに従って行なうのが有
利である。その際に各元素、即ちパラジウム、カドミウム、アルカリ金属および
ランタノイド金属の少なくとも1種類の少なくとも1種類の塩の、少なくとも0
.003Pa・s、好ましくは0.005〜0.009Pa・sの動的粘度を有
する溶液を常に使用する。 1.担体粒子を少なくとも0.3mmの平均直径の液滴の状態の塩溶液と良く混 合するかまたは噴霧液の状態で1回または複数回噴霧処理しそして各噴霧処理 の後直ちに乾燥する。この場合、“直ちに”乾燥とは噴霧処理された粒子の乾 燥を速やかに開始しなければならないことを意味している。一般に噴霧処理の 終了後遅くとも30分以内に粒子の乾燥を開始すれば十分である。溶液容量は いずれの噴霧処理の場合にも担体粒子の空隙容積の5〜80%である。この方 法は、ヨーロッパ特許出願公開(A)第634,214号明細書に詳細に説明 されており、この明細書はここに全文を記載したものとする。 2.担体粒子を溶液と十分に混合しながら一回または複数回浸漬処理し、いずれ の浸漬処理の後直ちに乾燥処理する。この場合“直ちに”乾燥とは第一の方法 の場合と同じことを意味しそしていずれの浸漬処理の際の溶液容量も担体粒子 の空隙溶液の5〜80%である。この方法は、ヨーロッパ特許出願公開(A) 第634,209号明細書に詳細に説明されており、この明細書もここに全文 を記載したものとする。 3.担体粒子を溶液で一度または二度以上浸漬処理しそして各浸漬処理の後に乾 燥処理するが、溶液容量は第二の方法と相違して上限がない。これは今や各浸 漬処理の際に空隙容積の80%より多い。比較的に多い溶液容量であるために 十分な混合が、一般には必要とされるが、絶対に必要というわけではない。そ れ故に今では各浸漬の期間並びにそれに続き乾燥を始めるまでの時間、即ち各 浸漬処理の開始からそれに続く乾燥を開始するまでの時間は、最後の乾燥の終 了後に担体粒子の空隙容積の5〜80%のシェルが触媒活性元素を含有する程 度に短くなければならない。この目的のためにこの時間をどの程度短く選択し なければならないかは予備実験によって容易に決めることができる。この方法 は、ヨーロッパ特許出願公開(A)第634,208号明細書に詳細に説明さ れており、この明細書もここに全文を記載したものとする。
【0019】 浸漬処理されたかまたは噴霧処理された触媒担体の乾燥は十分に含浸処理され
た触媒の場合も並びにシェル触媒の場合にも好ましくは減圧(0.01〜0.0
8MPa)で実施される。乾燥の際の温度は一般に50〜80℃、好ましくは5
0〜70℃であるべきである。更に一般には、乾燥を不活性ガス流、例えば窒素
流または二酸化炭素流中で行なうのが有利である。乾燥処理後の溶剤残留量は好
ましくは8%より少なくなければならず、特に6%より少ないのが有利である。
【0020】 パラジウム、カドミウム、アルカリ金属および少なくとも1種類のランタノイ
ド金属を含有する完成触媒は以下の金属含有量を有している: パラジウム含有量: 一般に 0.6〜3.5重量% 好ましくは 0.8〜3.0重量% 特に好ましくは 1.0〜2.5重量% カドミウム含有量: 一般に 0.1〜2.5重量% 好ましくは 0.4〜2.5重量% 特に好ましくは 1.3〜2 重量% アルカリ金属含有量: 一般に 0.3〜10 重量% カリウムを使用するのが有利である。 カリウム含有量: 一般に 0.5〜4.0重量% 好ましくは 1.0〜3.0重量% 特に好ましくは 1.5〜2.5重量% ランタノイド金属含有量: 一般に 0.01〜1 重量% 好ましくは 0.05〜0.5重量% 特に好ましくは 0.2〜0.5重量% パラジウム、カドミウムおよびアルカリ金属を含有する触媒に微量混入する為
に1種類以上のランタノイド金属を使用する場合には、“ランタノイド金属含有
量”は完成触媒中に含まれる全てのランタノイド金属の総含有量を意味する。上
記の%表示は常に触媒の全重量(活性元素+アニオン+担体物質)を基準とする
触媒中に存在する元素(パラジウム、カドミウム、アルカリ金属およびランタノ
イド金属)の量を意味する。
【0021】 塩としてはパラジウム、カドミウム、アルカリ金属およびランタノイド金属の
可溶性のあらゆる塩が適している。特に酢酸塩、塩化物、アセテート錯塩および
クロロ錯塩が好ましい。しかしこの場合に邪魔なアニオンが例えば塩化物である
場合には、触媒を使用する前にこのアニオンを十分に除かなければならない。こ
れは、金属を例えば還元および/またはアルカリ反応性化合物との反応によって
不溶性状態に転化した後に、微量混入物含有担体を例えば水で洗浄することによ
って行なう。
【0022】 パラジウムの塩としては、カルボキシレート、好ましくは炭素原子数2〜5の
脂肪族モノカルボン酸の塩、例えば酢酸塩、プロピオン酸塩または酪酸塩が特に
適する。更に例えば硝酸塩、亜硝酸塩、酸化物水和物、蓚酸塩、アセチルアセト
ナートまたはアセトアセテートが適している。特に有利なパラジウム塩はその良
好な溶解性および入手性のために酢酸パラジウムである。
【0023】 カドミウム化合物としては中でも酢酸塩が適している。
【0024】 アルカリ金属化合物としては中でもナトリウム−、カリウム−、ルビジウム−
またはセシウム化合物の少なくとも1種類、特に少なくとも1種類のカリウム化
合物を使用するのが有利である。中でもカルボキシレート、特に酢酸塩およびプ
ロピオン酸塩がかゝる化合物として適している。反応条件のものでアルカリ金属
酢酸塩に転化する化合物、例えば水酸化物、酸化物および炭酸塩も適している。
【0025】 ランタノイド金属化合物としては中でも塩化物、硝酸塩、酢酸塩およびアセチ
ルアセトナートが適している。
【0026】 ときには有効であるパラジウム化合物の還元を実施する場合には、ガス状還元
剤を使用してもよい。還元剤としては例えば水素、メタノール、ホルムアルデヒ
ド、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブチレンまたは他のオレフィンが適
している。還元温度は一般に40〜260℃、好ましくは70〜200℃である
。一般に還元反応のために不活性ガスで希釈された還元剤を使用するのが有利で
ある。これは0.01〜50容量%、好ましくは0.5〜20容量%の還元剤含
有量を有している。不活性ガスとしては例えば窒素、二酸化炭素または貴ガスが
適する。還元反応は液相で0〜90℃、好ましくは15〜25℃で実施すること
もできる。還元剤として例えばヒドラジン、蟻酸またはアルカリ金属水素化硼素
塩の各水溶液、例えば水素化硼素ナトリウムの水溶液を使用することができる。
還元剤の量はパラジウム量に依存している。即ち還元当量は量において少なくと
も酸化当量に等しくなければならないが、更に多量の還元剤も害にはならない。
還元反応は乾燥後に実施する。
【0027】 酢酸ビニルの製造は一般に酢酸、エチレンおよび酸素を含有するガスを導入し
ながら100〜220℃、好ましくは120〜200℃の温度で0.1〜2.5
MPa、好ましくは0.1〜2.0MPaの圧力で完成触媒の使用下に行なう。
その際に未反応成分は循環供給してもよい。時には窒素または二酸化炭素の様な
不活性ガスで希釈することも有利であり得る。二酸化炭素は反応の間に僅かな量
生じるから、希釈するには特に二酸化炭素が適している。
【0028】 本発明の触媒によって、同じ反応条件で公知の触媒と比較して、反応器容積お
よび時間当りに多い量の酢酸ビニルを製造することに成功した。これによって得
られる粗酢酸ビニルの後処理は、反応器排出ガス中の酢酸ビニル含有量が比較的
に多いので容易である。このことは更に後処理段階のエネルギーを節約させてい
る。適する後処理法は例えば米国特許第5,066,365号明細書に掲載され
ている。
【0029】 これに対して空時得率を一定に維持しようとする場合には、反応温度を下げそ
してそれによって同じ総生産効率で反応を選択的に実施することができ、反応原
料が節約される。この場合には副生成物として生じそしてそれ故に除かなければ
ならない二酸化炭素の量およびそれの除去の際に随伴して排出されるエチレンの
損失量も少ない。更にこの方法は触媒の有効寿命を増加させる。
【0030】 以下の実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、これら実施例は本発明
を限定するものではない。パラジウム、カドミウム、カリウムおよびランタノイ
ド金属の各元素の%表示は触媒の全重量を基準とする重量%である。
【0031】 触媒用担体材料としては、ドイツ特許出願公開(A)第3,912,504号
明細書に従い直径および高さ6mmのタブレットとして製造されたSiO2 を使
用する。このタブレットを触媒担体として使用した。1Lの担体の空隙容積は3
92mLである。
【0032】
【実施例】
実施例1 65℃で25.3g(0.11モル)の酢酸パラジウム、25g(0.09モ
ル)の酢酸カドミウム、25.3g(0.26モル)の酢酸カリウムおよび6.
82g(0.016モル)のセリウムアセチルアセトナートを130mLの氷酢
酸に溶解し(溶液容量=空隙容積の33%)そしてこの高粘性溶液を65℃に予
熱された受器に導入する。1Lの触媒担体を同様に65℃に加温しそしてフラス
コに入れる。担体粒子に全含浸溶液を注ぎ掛けそして全部の含浸溶液が触媒担体
に吸収されるまでの間十分に良く混合する。この工程は3分後に終了する。乾燥
は65℃、0.02MPaで窒素流中で、重量が一定するまで行なう。完成触媒
は2.0重量%のPd、1.7重量%のCd、1.7重量%のKおよび0.38
重量%のCeを含有している。
【0033】 比較例1a 実施例1と同様に実施するが、ただし酢酸パラジウム、酢酸カドミウムおよび
酢酸カリウムを含有する含浸処理溶液にランタノイド金属塩を添加しない。完成
触媒は2.0重量%のPd、1.7重量%のCdおよび1.7重量%のKを含有
している。
【0034】 実施例1に従って製造された本発明の触媒および比較例1aに従って製造され
た触媒1aを次の様な方法で試験する。それぞれ225mLの触媒を20mmの
内径および65cmの長さの管状反応器に充填する。次いで0.8MPaの圧力
(反応器入口)および150℃の触媒温度にて反応用ガスを5日間にわたってこ
の触媒に通す。このガスは58容量%のエチレン、25容量%の窒素、12容量
%の酢酸および5容量%の酸素を含有する。結果は下記表から明らかである。 ┌─────┬────────────┬────────────┐ │ 例 │ 空時得率 │ CO2 選択率 │ ├─────┼────────────┼────────────┤ │ 実施例1 │ 820 │ 7.0 │ ├─────┼────────────┼────────────┤ │比較例1a│ 720 │ 7.6 │ └─────┴────────────┴────────────┘ 空時得率: g(酢酸ビニル)/L(触媒)・時 CO2 選択率:未反応エチレンの量を基準とするモル% 驚くべきことに、パラジウム、カドミウムおよびカリウムを含有する公知の触
媒にランタノイド金属化合物を少量でも添加した場合、酢酸ビニルの製造におけ
る触媒のCO2 選択率および生産率(空時得率)が著しく改善されることを見出
した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヘルツォーク・ベルンハルト ドイツ連邦共和国、D−46145 オーバー ハウゼン、ローベルト−コッホ−ストラー セ、44 (72)発明者 ウァン・タオ アメリカ合衆国、テキサス州 78413、コ ープス・クリスティ、オデッサ・ドライ ブ、7638 (72)発明者 ニコラウ・イオアン アメリカ合衆国、テキサス州 78413、コ ープス・クリスティ、エバーハード・ロー ド 6717、アパートメント 2902 Fターム(参考) 4G069 AA03 BA01A BA02A BA02B BA03A BA04A BA05A BA07A BA08A BA15A BA21A BA21B BA27A BB02A BB05A BB08A BB12A BB15A BB16A BC01A BC02A BC03A BC05A BC06A BC36A BC36B BC38A BC39A BC40A BC41A BC42A BC43A BC43B BC44A BC72A BC72B BD05A BD12A BE08A BE08B BE10A BE11A BE11B BE46A CB30 DA06 EA02Y EB18Y EC02Y EC03Y EC06Y FC08 4H006 AA02 AC48 BA02 BA07 BA08 BA25 BC13 BC32 BE30 4H039 CA66 CD10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン、酢酸および酸素または酸素含有ガスから気相中で
    パラジウムおよび/またはそれの化合物、カドミウム化合物並びにアルカリ金属
    化合物を担体に担持する触媒によって酢酸ビニルを製造する方法において、触媒
    が追加的に少なくとも1種類のランタノイド金属化合物を含有する、上記方法。
  2. 【請求項2】 触媒が少なくとも1種類のカリウム化合物を含有する請求項
    1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 触媒が触媒の全重量を基準として0.01〜1重量%のラン
    タノイド金属を含有する請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 触媒が触媒の全重量を基準として0.05〜0.5重量%の
    ランタノイド金属を含有する請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 【請求項5】 パラジウムおよび/またはその化合物、カドミウム化合物並
    びにアルカリ金属化合物を担体に担持する触媒において、該触媒が追加的に少な
    くとも1種類のランタノイド金属化合物を含有することを特徴とする、上記触媒
  6. 【請求項6】 触媒が少なくとも1種類のカリウム化合物を含有する請求項
    5に記載の触媒。
  7. 【請求項7】 触媒が該触媒の総重量を基準として0.01〜1重量%のラ
    ンタノイド金属を含有する請求項5または6に記載の触媒。
  8. 【請求項8】 触媒が該触媒の総重量を基準として0.05〜0.5重量%
    のランタノイド金属を含有する請求項5〜7のいずれか一つに記載の触媒。
JP2000524071A 1997-12-11 1998-12-02 パラジウム、カドミウム、アルカリ金属およびランタノイドをベースとする触媒および酢酸ビニルの製造方法 Withdrawn JP2001525245A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE19755022A DE19755022C2 (de) 1997-12-11 1997-12-11 Katalysator und Verfahren zur Herstellung von Vinylacetat
DE19755022.3 1997-12-11
PCT/EP1998/007817 WO1999029419A1 (de) 1997-12-11 1998-12-02 Katalysator auf der basis von palladium, cadmium, alkali und lanthanoide und verfahren zur herstellung von vinylacetat

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001525245A true JP2001525245A (ja) 2001-12-11

Family

ID=7851530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000524071A Withdrawn JP2001525245A (ja) 1997-12-11 1998-12-02 パラジウム、カドミウム、アルカリ金属およびランタノイドをベースとする触媒および酢酸ビニルの製造方法

Country Status (10)

Country Link
US (1) US6346501B1 (ja)
EP (1) EP1083989A1 (ja)
JP (1) JP2001525245A (ja)
KR (1) KR20010032973A (ja)
CN (1) CN1281385A (ja)
BR (1) BR9813560A (ja)
CA (1) CA2313644A1 (ja)
DE (1) DE19755022C2 (ja)
ID (1) ID25474A (ja)
WO (1) WO1999029419A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6358882B1 (en) 1998-12-08 2002-03-19 The Standard Oil Company Fluid bed vinyl acetate catalyst
DE19914066A1 (de) * 1999-03-27 2000-10-05 Celanese Chem Europe Gmbh Katalysatoren für die Gasphasenoxidation von Ethylen und Essigsäure zu Vinylacetat, Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Verwendung
TW201236755A (en) * 2003-12-19 2012-09-16 Celanese Int Corp Halide free precursors for catalysts
EP2380661A3 (en) * 2004-12-20 2012-02-01 Celanese International Corporation Modified support materials for catalysts
US8227369B2 (en) * 2005-05-25 2012-07-24 Celanese International Corp. Layered composition and processes for preparing and using the composition
DE102006062331A1 (de) * 2006-12-22 2008-06-26 Uhde Gmbh Herstellung von Vinylchlorid
CN105904482B (zh) * 2016-06-16 2017-06-16 清华大学深圳研究生院 一种机械臂偏心关节机构

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4120492A1 (de) * 1991-06-21 1992-12-24 Hoechst Ag Verfahren zur herstellung von vinylacetat
DE4323980C1 (de) * 1993-07-16 1995-03-30 Hoechst Ag Palladium und Kalium sowie Cadmium, Barium oder Gold enthaltender Schalenkatalysator, Verfahren zu dessen Herstellung sowie dessen Verwendung zur Herstellung von Vinylacetat
DE4323981C1 (de) * 1993-07-16 1995-03-09 Hoechst Ag Palladium und Kalium sowie Cadmium, Barium oder Gold enthaltender Schalenkatalysator, Verfahren zu dessen Herstellung sowie dessen Verwendung zur Herstellung von Vinylacetat
HUP9801129A3 (en) * 1995-05-23 1998-09-28 Celanese Gmbh Process and catalyst for producing vinyl acetate
DE19533486A1 (de) * 1995-09-12 1997-03-13 Basf Ag Monomodale und polymodale Katalysatorträger und Katalysatoren mit engen Porengrößenverteilungen und deren Herstellverfahren
DE19533484A1 (de) * 1995-09-12 1997-03-13 Basf Ag Monomodale und polymodale Katalysatorträger und Katalysatoren mit engen Porengrößenverteilungen und deren Herstellverfahren
GB9622911D0 (en) * 1996-11-04 1997-01-08 Bp Chem Int Ltd Process
GB9817363D0 (en) * 1998-08-11 1998-10-07 Bp Chem Int Ltd Process for the production of vinyl acetate

Also Published As

Publication number Publication date
US6346501B1 (en) 2002-02-12
BR9813560A (pt) 2000-10-10
EP1083989A1 (de) 2001-03-21
DE19755022A1 (de) 1999-06-24
DE19755022C2 (de) 2000-03-09
CA2313644A1 (en) 1999-06-17
ID25474A (id) 2000-10-05
CN1281385A (zh) 2001-01-24
WO1999029419A1 (de) 1999-06-17
KR20010032973A (ko) 2001-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100734762B1 (ko) 비닐 아세테이트 제조용 촉매 및 비닐 아세테이트의제조방법
JP4750283B2 (ja) エチレンと酢酸の気相酸化による酢酸ビニルの製造用触媒、その製法およびその使用方法
US5674800A (en) Process of preparing vinyl acetate
US5777156A (en) Carrier catalyst, process for the production therefor for the preparation of vinyl acetate
US4093559A (en) Process for the preparation of a palladium catalyst
JPH01228940A (ja) 酢酸ビニルの製造方法
JPH067676A (ja) 担持触媒、その製造方法およびこれを酢酸ビニルの製造に使用する方法
KR100550813B1 (ko) 팔라듐, 금, 알칼리 금속 및 란타노이드를 기본으로 하는 촉매 및 비닐 아세테이트의 제조방법
JPH11244696A (ja) 触媒、該触媒の製造方法および該触媒を使用して酢酸ビニルを製造する方法
JP3946763B2 (ja) アルデヒド及びその誘導体の合成方法
JP2001525245A (ja) パラジウム、カドミウム、アルカリ金属およびランタノイドをベースとする触媒および酢酸ビニルの製造方法
JPH11244697A (ja) 触媒、該触媒の製造方法および該触媒を使用して酢酸ビニルを製造する方法
JPH05186393A (ja) 触媒およびビニルアセテートの製造方法
JPH04108759A (ja) 酢酸ビニルの製造方法
US5998659A (en) Process and catalyst for producing vinyl acetate
JPH11505806A (ja) 酢酸ビニルを製造するための触媒および方法
MXPA00005755A (en) Catalyst based on palladium, cadmium, alkali and lanthanoids and a method for producing vinyl acetate
CZ20002161A3 (cs) Katalyzátor na bázi palladia, kadmia, alkalických kovů a lanthanoidů a způsob přípravy vinylacetátu
MXPA00005757A (en) Catalyst based on palladium, gold, alkali, and lanthanoid, and a method for producing vinyl acetate

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060207