JP2001524098A - 重合体−白金化合物 - Google Patents

重合体−白金化合物

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Abstract

(57)【要約】 腫瘍の処置で使用する重合体-白金化合物が記述されている。この化合物は、重合体骨格に沿って間隔を置いて配置された白金含有側鎖を有する重合体骨格から構成されている。これらの側鎖は、一端でこの骨格に結合され、そして他端でこの白金化合物に結合されたオリゴペプチドから構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】 重合体-白金化合物 本願は、1997年4月18日に出願された米国仮出願番号第60/044,743号(その内 容は、本明細書中で参考として援用されている)の優先権を主張している。発明の分野 本発明は、腫瘍の処置で使用する重合体-白金化合物に関する。 発明の背景 シス-ジアミンジクロロ白金(II)(シスプラチン)は、固形腫瘍(卵巣、精巣およ び頭および首を含めて)の処置用の癌化学療法で広く使用されており、扁平上皮 細胞癌腫および小細胞肺癌腫に対する組み合わせ化学療法で特に有効である(Sur ら、1983;Steerenbergら、1987)。 シスプラチンの抗腫瘍活性は、ジアクオ(diaquo)種がDNAのN-7グアニン残基を 架橋して鎖内および鎖間架橋を生じる能力から得られる。抗腫瘍活性を示すため には、白金錯体は、少なくとも1個の水素原子(これは、DNAリン酸基および2個 の強固に結合した脱離基(例えば、クロライド)の酸素原子と水素結合する)を有 する2個のシスアミンまたはアンミン官能基が必要である。 他の癌化学療法剤と同様に、シスプラチンは、非常に毒性の薬剤である。シス プラチンの主な欠点には、その極端な腎毒性(これは、主要な用量限定要因であ る)、腎臓を経由したその急速な排泄(僅か数分の循環半減期)、および血漿タン パク質に対する強い親和性がある(Freiseら、1982)。 この薬剤の毒性を最小にする試みには、組み合わせ化学療法、シスプラチンア ナログの合成(Prestayko,1991;Weissら、1993)、免疫療法およびリポソーム中 への取り込み(Surら、1983;Weissら、1993)および重合体-白金酸塩結合体の調 995;Schechterら、1989)が挙げられる。 シスプラチンアナログの合成に関して、非常に多くの白金アナログが前臨床試 験および臨床試験を受けているが、シスプラチンおよびカーボプラチンのみが、 日常的な臨床使用について認可されている(Prestayko,1991;Weissら、1993)。 これらのアナログの多くは、シスプラチンと比較して、治療指数の著しい改善を 示さない。シスプラチンおよびそのアナログは、他の欠点を有する。多くは、経 口投与するとき不活性であり、一部は、水溶性が低く、殆どは、著しい毒性副作 用(腎機能不全、悪心および嘔吐、骨髄抑制および腎毒性を含めて)を誘導する。 重合体-白金結合体の調製に関して、このような結合体は、溶解性を高め全身 的な毒性を低下させる解決法として、提案されている。数個の白金-重合体シス ら、1996;Neuseら、1995;Schechterら、1989)ものの、臨床検査の段階に入っ ているものはなく、インビボで著しく有益なものは殆どない。失敗は、生体適合 性の欠如、提案されたキャリアの毒性、抗腫瘍活性の欠如および他の問題点を原 因としている。発明の要旨 従って、本発明の目的は、インビボで抗腫瘍活性を有する新規な重合体-白金 化合物を提供することにある。 1局面では、本発明は、腫瘍処置で使用するための組成物を包含し、この組成 物は、腫瘍部位で蓄積するように設計された重合体-白金錯体化合物を含有する 。この化合物は、骨格に沿って間隔を置いて配置された白金含有側鎖を有する合 成重合体骨格から構成されている。この側鎖は、(i)一端でこの骨格に結合され 他端で白金化合物に結合されたオリゴペプチドから構成され、そして(ii)少なく とも1個の結合(linkage)を含有し、この結合は、選択された生理学的条件下に て切断されてこの白金化合物を生じるように設計されており、この白金化合物は 、抗腫瘍活性を有するか、または抗腫瘍活性を有するようにインビボで転化され る。 1実施態様では、この合成重合体は、約1,000ダルトンと5,000,000ダルトンと の間の分子量を有するN-アルキルアクリルアミド単独重合体である。 他の実施態様では、この合成重合体は、1,000ダルトンと5,000,000ダルトンと の間の分子量を有する共重合体であり、そして2個の繰り返し単位mおよびnを 、約0.1と99.9との間のm:n比で含有する。 この繰り返し単位は、1実施態様では、N-アルキルアクリルアミド単位および このオリゴペプチド側鎖を備えた単位から構成され、このオリゴペプチド側鎖は 、白金化合物を結合できる近位末端基で終わっている。 1実施態様では、この重合体-白金化合物中の重合体は、以下の形状の共重合 体である: ここで、R1は、HまたはCH3であり、R2は、低級アルキル基または低級ヒドロキ シアルキル基であり、そしてR3は、オリゴペプチド側鎖である。 このオリゴペプチドは、他の実施態様では、Gly-(W)p-Glyの形状のオリゴペプ チドであり、ここで、pは、0〜3であり得、そして(W)は、任意のアミノ酸ま たは任意のアミノ酸の組み合わせであり得る。1実施態様では、このペプチドは 、Gly-Phe-Leu-Glyであり、そしてこの白金化合物への結合のためのカルボキシ ル部分、ジアミン部分またはマロニル部分で終わっている。他の実施態様では、 このペプチドは、近位カルボキシル末端基で終わっているGly-Glyである。 好ましい実施態様では、R1は、CH3であり、R2は、2-ヒドロキシプロピルであ り、そしてR3は、Gly-Phe-Leu-Gly-[X]であり、ここで、[X]が、ジアミン、カル ボキシル基またはマロニル部分である。 この重合体-白金化合物は、非経口投与に適切な薬学的に受容可能な媒体に溶 解される。 他の局面では、本発明は、白金化合物を被験体の固形腫瘍に標的化させる方法 を包含する。この方法は、骨格に沿って間隔を置いて配置された側鎖を有する合 成重合体骨格から構成された重合体-白金化合物を調製する工程を包含する。こ の側鎖は、(i)一端でこの骨格に結合され他端で白金化合物に結合されたオリゴ ペプチドから構成され、そして(ii)少なくとも1個の結合を含有し、この結合は 、選択された生理学的条件下にて切断されてこの白金化合物を生じるように設計 されており、この白金化合物は、抗腫瘍活性を有するか、または抗腫瘍活性を有 するようにインビボで転化される。この化合物は、薬学的に有効な量で、被験体 に 非経口投与される。 他の局面では、本発明は、白金化合物を含有する薬学的に受容可能な溶液を被 験体に非経口投与することによりこの化合物を腫瘍の処置に使用するとき、この 化合物の治療指数を高める方法を包含する。この方法は、この化合物を投与する 前に、この白金化合物を、N-アルキルアクリルアミド第一繰り返し単位およびオ リゴペプチド側鎖を有する第二繰り返し単位から構成される共重合体で錯化する 工程であって、このオリゴペプチド側鎖は、この白金化合物と錯化できる近位末 端基で終わっている工程を包含する。 他の局面では、本発明は、白金化合物を、N-アルキルアクリルアミド第一繰り 返し単位およびオリゴペプチド側鎖を有する第二繰り返し単位から構成される共 重合体で錯化することにより、この化合物の溶解性および/または安定性を改良 する方法であって、このオリゴペプチド側鎖は、上記白金化合物と錯化できる近 位末端基で終わっている方法を包含する。この重合体-白金錯体は、非錯体白金 化合物よりも、生理学的な条件下にて、溶解性および/または安定性が高い。 本発明のこれらの目的および他の目的および特徴は、添付の図面と関連して以 下の発明の詳細な説明を読むと、さらに完全に理解される。 図面の簡単な説明 図1A〜1Bは、エチレンジアミン末端基と共にオリゴペプチド側鎖を備えたヒド ロキシプロピルメチルアクリルアミド(HPMA)共重合体の合成の反応スキームであ り、ここで、このオリゴペプチドは、Gly-Phe-Leu-Gly(図1A)またはGly-Gly(図1 B)である; 図2は、カルボキシル末端基を有するGly-Glyオリゴペプチド側鎖を備えたHPM A共重合体の合成の反応スキームである; 図3は、赤血球溶解のプロットであり、HPMA-Gly-Gly-エチレンジアミン(白丸 )、HPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-エチレンジアミン(白三角)、HPMA-Gly-Gly-COOH(黒丸 )およびHPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-COOH(黒三角)について、μg/mlでの重合体濃度の 関数として、完全な溶解を引き起こすコントロール洗浄剤のパーセントとして表 わしている; 図4A〜4Bは、重合体-白金化合物の合成のための反応スキームであり、ここで 、この重合体は、エチレンジアミン末端基と共にGly-Phe-Leu-Glyオリゴペプチ ド側鎖(図4A)および末端エチレンジアミン基と共にGly-Glyオリゴペプチド側鎖( 図4B)を有するHPMA共重合体である; 図5A〜5Bは、重合体-白金化合物の合成のための反応スキームであり、ここで 、この重合体は、カルボキシル基で終わるGly-Phe-Leu-Gly(図5A)およびGly-Gly (図5B)オリゴペプチド側鎖を有するHPMA共重合体である; 図6は、本発明の他の実施態様に従った重合体-白金化合物の合成のための反 応スキームであり、ここで、この重合体は、この白金化合物との結合のためのマ ロニル部分で終わっているGly-Phe-Leu-Glyペプチド側鎖を有するHPMA共重合体 である; 図7A〜7Eは、本発明の他の実施態様に従った重合体-白金化合物を示す; 図8A〜8Bは、HPMA-Gly-Gly-エチレンジアミン-Pt(白丸)、HPMA-Gly-Phe-Leu-G ly-エチレンジアミン-Pt(白三角)、HPMA-Gly-Gly-O-Pt(黒丸)およびHPMA-Gly-Ph e-Leu-Gly-O-Pt(黒三角)について、pH=5.5(図8A)およびpH=7.4(図8B)での、時 間(時間)の関数としてのHPMA共重合体-白金化合物からインビトロで解離された 白金のパーセントを示すプロットである; 図9A〜9Bは、時間の関数として、重合体-白金化合物HPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-マ ロネート-Ptから生理食塩水への白金のインビトロ解離を示すプロットであって 、ここで、解離した白金は、AAS(図9A)およびo-フェニレンジアミン比色分析(図 9B)により測定される; 図10A〜10Bは、マウスで確立されたB16メラノーマに対するHPMA-Gly-Phe-Leu- Gly-エチレンジアミン-Pt(図10A)およびHPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-O-Pt(図10B)の効 果を示す棒グラフであり、種々の用量の白金について、処置した動物の平均生存 時間の未処置コントロール動物の平均生存時間に対する比×100(T/C)として表わ され、そして1mg/kgのシスプラチンを与えた動物および未処置のコントロール 動物と比較している; 図11は、10mg/kgのHPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-O-Ptで処置した(黒三角)、1mg/kg のシスプラチンで処置した(白丸)または未処置の(黒線)s.c.B16メラノーマ保有 マウスについて、時間(日)の関数としての、腫瘍サイズ(mm2)を示すプロットで ある; 図12は、1mg/kgのHPMA-Gly-Gly-エチレンジアミン-Pt(白三角)または1mg/kg のシスプラチン(黒丸)の静脈内注射の72時間後、B16F10腫瘍において、時間(分) の関数としての相対白金濃度を示すプロットである;そして 図13は、時間の関数として、HPMA共重合体-Gly-Phe-Leu-Gly-マロネート-Pt( 黒四角)または遊離シスプラチン(白丸)の静脈内投与後、マウスでの腫瘍におけ る白金含量(μg/g)を示すプロットである。 発明の詳細な説明 I.重合体-白金化合物の調製 本発明の重合体-白金化合物は、白金化合物の結合のための重合体を含有する 。本明細書中で呼ぶ「白金」とは、典型的には、白金錯体または化合物の文脈で 使用されるが、1個またはそれ以上の配位子に結合した白金金属原子を意味する 。この白金原子は、形式電荷(例えば、K2PtCl4(テトラクロロ白金酸カリウム)の ような白金塩の場合には、白金は、(−2)の形式電荷を備えている)を備えても よいか、または形式電荷(例えば、シスプラチン、PtCl2(NH3)2の場合)を備えて いなくてもよい。この白金金属原子は、種々の酸化状態(例えば、Pt(O)、Pt(II) またはPt(IV))で存在し得るが、白金は、本発明の文脈では、典型的には、Pt(II )である。これらの白金種は、任意の配位状態であり得るが、典型的には、4配 位である。本明細書中で使用する「白金酸塩」または「白金酸塩種」とは、白金 原子がPt(II)またはPt(IV)の酸化状態にある白金化合物を意味する。 種々の重合体が使用に適切であり、これには一般に、生体適合性(例えば、非 毒性および非免疫原性)である任意の重合体が挙げられる。好ましくは、この重 合体は、腫瘍部位での高い内皮浸透および保持および腎濾過に適切なサイズを得 るための分子量範囲を容易に調節するための、合成物質である。好ましい重合体 は、医薬品の調製を容易にするために親水性であり、さらに好ましくは、この重 合体は、水溶性である。この重合体はまた、安定であるべきであり、特に、この 重合体-白金化合物の調製および薬学的調製物への処方後に、安定であるべきで ある。 インビボ投与および薬剤との結合体化に適切な重合体は、Duncanにより概説さ れている(Duncanら、1992)。本発明での使用にも適切なこのような重合体には、 ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよびそれらの共重合体、デキ ストラン、メタクリレート-ビニルピロリドン共重合体などが挙げられる。選択 した重合体は、この白金重合体と結合するのに適切な化学部分で誘導体化できる ことが分かる。 この重合体は、単独重合体または共重合体(これには、ブロック共重合体、ラ ンダム共重合体および交互共重合体が含まれる)であり得る。この重合体は、所 望の物理的特性を得るために、望ましいなら、非分解性または生分解性結合で架 橋され得る。本発明で使用する重合体の好ましい1群には、N-アルキルアクリル アミド重合体があり、アクリルアミド族のモノマー(例えば、アクリルアミド、 メタクリルアミドおよびヒドロキシプロピルアクリルアミド)から調製した単独 重合体および共重合体が挙げられる。本発明を支持して実施した研究では、N-(2 -ヒドロキシプロピル)-メタクリルアミド(HPMA)をベースにした共重合体は、HPM Aと、白金化合物の結合のためのオリゴペプチド側鎖を有するモノマー単位とを 共重合することにより、調製された。この共重合体は、白金化合物と反応されて 、腫瘍を保有する哺乳動物にて抗腫瘍活性を有する重合体-白金化合物が形成さ れる。 A.代表的なHPMA共重合体の調製 本発明を支持して調製される代表的な重合体は、2個の繰り返し単位から構成 される共重合体である。1個は、N-アルキルアクリルアミド繰り返し単位である 。他の単位は、白金化合物との結合のための末端基で終わるオリゴペプチド側鎖 を備えるように、設計される。代表的なN-アルキルアクリルアミド共重合体は、 以下の一般構造を有する: ここで、R1は、HまたはCH3であり、R2は、低級アルキル基または低級ヒドロキ シアルキル基であり、そしてR3は、アルキル鎖またはペプチジル側鎖(下記)であ り、そしてmおよびnは、それぞれ、0.1モルパーセントと99.9モルパーセント との間、さらに好ましくは、1モルパーセントと99モルパーセントとの間、最も 好ましくは、5モルパーセントと95モルパーセントとの間である。 「アルキル」とは、典型的には、長さが約1個〜12個の炭素原子の範囲の炭化 水素鎖を意味する。この炭化水素鎖は、飽和または不飽和であり得、必要に応じ て、そこに結合した追加の官能基(例えば、ヒドロキシルまたはハロ)を含有し得 る。この炭化水素鎖は、分枝または直鎖であり得る。代表的なアルキル基には、 エチル、プロピル、1-メチルブチル、1-エチルプロピルおよび3-メチルペンチル が挙げられる。 「低級アルキル」とは、1個〜5個の炭素原子を含有するアルキル基を意味し 、そしてメチル、エチル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル(それらのフッ化形状 、モノヒドロキシ形状または塩素化形状を含めて)により例示されるように、直 鎖または分枝であり得る。 オリゴペプチド側鎖R3は、好ましくは、ペプチジル部分またはアミノ酸部分か ら構成され、これらは、白金に結合するための官能基を含有するか、またはそれ らを含有するように機能化され得る。この側鎖は、得られる白金-重合体錯体の インビボ溶解性または毒性に悪影響を与えるべきではない。好ましい実施態様で は、このオリゴペプチド側鎖は、白金化合物に結合できる近位末端基で終わって おり、ここで、結合とは、付着、錯化、配位、キレート化および共有結合を含む ことを意味する。この白金化合物を、このオリゴペプチド側鎖との反応または 錯化のための基を含有させるかまたはそれを含有するように機能化することも可 能である。 「アミノ酸」とは、アミノ基およびカルボン酸基の両方を含有する任意の化合 物を意味する。このアミノ基は、例えば、α-アミノ酸では、このカルボキシ官 能性に隣接した位置で、またはこの分子内の任意の位置で生じ得る。このアミノ 酸はまた、追加の官能基(例えば、アミノ、チオ、カルボキシル、カルボキサミ ド、イミダゾールなど)を含有し得る。このアミノ酸は、合成物質であるか、ま たは天然に生じ得る。 「オリゴペプチド」または「ペプチジル」とは、共に結合した2個またはそれ 以上のアミノ酸を意味する。代表的なオリゴペプチドには、Gly-Gly、Gly-Phe-G ly、Gly-Phe-Phe、Gly-Leu-Gly、Gly-Val-Ala、Gly-Phe-Ala、Gly-Leu-Phe、Gly -Leu-Ala、Ala-Val-Ala、Gly-Phe-Leu-Gly、Gly-Phe-Phe-Leu、Gly-Leu-Leu-Gly 、Gly-Phe-Tyr-Ala、Gly-Phe-Gly-Phe、Ala-Gly-Val-Phe、Gly-Phe-Phe-Gly、Gl y-Phe-Leu-Gly-Phe、Gly-Gly-Phe-Leu-Gly-Pheのアミノ酸組み合わせが挙げられ るが、これらに限定されない。好ましいオリゴペプチドは、Gly-(W)p-Glyであり 、ここで、pは、0〜3であり、そして(W)は、任意のアミノ酸または任意のア ミノ酸の組み合わせである。2個の例には、Gly-GlyおよびGly-Phe-Leu-Glyが挙 げられる。この白金化合物は、このオリゴペプチドのアミドまたはカルボキシル 基と錯化できるか、または以下で述べるように、このペプチジル側鎖は、一鋸歯 状(mono-dentate)結合または二鋸歯状(bi-dentate)結合のいずれかで白金と錯化 するための隣接末端基で終わっている。 上で述べたように、好ましい実施態様では、このオリゴペプチド側鎖は、その 隣接末端にて、この白金化合物をこの重合体に錯化することによって共有的に備 えている。この末端基は、一般に、結合を介して白金を結合するのに適切な部分 を有するものであり、この結合は、好ましくは、インビトロでは安定であるが、 インビボでは切断されて、活性形状の白金化合物を解離し得る。代表的な末端基 には、ヒドロキシ、カルボキシ、種々のα,ω-アミン(エチレンジアミンおよび エチレントリアミンを含めて)、および錯体またはキレート環(例えば、マロニル 部分)が挙げられる。 本発明の化合物で使用するのに好ましい共重合体は、HPMAの共重合体である。 上記構造を参照すると、HPMA共重合体では、R1は、CH3であり、そしてR2は、CH2 CHOHCH3(ヒドロキシプロピル)である。以下で記述するように、エチレンジアミ ン、カルボキシルまたはマロネートの近位末端基を有するGly-GlyまたはGly-Phe -Leu-Glyのいずれかのオリゴペプチド側鎖を含有するHPMA共重合体を調製するこ とにより、本発明を支持する研究を実施した。 図1A〜1Bは、Gly-Phe-Leu-Gly(図1A)またはGly-Gly(図1B)のぺプチジル側鎖と エチレンジアミンの近位末端基とを備えたヒドロキシプロピルメチルアクリルア ミド(HPMA)共重合体の合成のための反応スキームを示す。実施例1で記述するよ うに、HPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-エチレンジアミン共重合体(図1Aでの化合物III)は 、Gly-Phe-Leu-Gly-p-ニトロフェノールを含有するHPMA共重合体(化合物I)側鎖 とエチレンジアミン(化合物II)とを反応させることにより、調製される。ペプチ ジル-p-ニトロフェノールを含有するHPMA共重合体の調製は、Duncan(Duncanら、 1987)により記述されており、その内容の全体は、本明細書中で参考として援用 されている。 図2は、ペプチジル-カルボキシペンダント基を備えたHPMA共重合体の合成の ための反応スキームであり、ここで、このペプチジル側鎖は、Gly-Glyである。 実施例2で記述するように、Gly-Gly-p-ニトロフェノール側鎖を含有するHPMA共 重合体(化合物IV)は、水酸化ナトリウム(化合物VI)で調製され処理されて、その ナトリウムカルボキシレート(化合物VII)が形成される。0.02M HClとの反応は、 カルボキシル末端基と共にGly-Glyオリゴペプチド側鎖を備えた所望のHPMA共重 合体(化合物VIII)を生成する。 図2の反応スキームはまた、末端カルボキシル基と共にGly-Phe-Leu-Glyオリ ゴペプチド側鎖を含有するHPMA共重合体の合成にも適切である(化合物XII、図5A )。上で述べたように、この重合体-白金錯体で使用する重合体は、他の実施態様 では、単独重合体であり、特に、アクリルアミド族のモノマーから調製した単独 重合体である。この単独重合体は、当業者に公知の方法に従って、この白金化合 物の結合のための側鎖で誘導体化される。 本発明の重合体-白金錯体で使用する合成重合体は、約1,000ダルトンと5,000, 000ダルトンの間の分子量、さらに好ましくは、5,000ダルトンと1,000,000ダル トンの間の分子量を有する。この分子量は、この化合物の血液循環寿命および身 体分配(特に、腫瘍でのその向上した内皮浸透および保持)を決定する際に、重要 なパラメータである。この重合体の多分散性はまた、循環寿命および分配の1因 子である(Seymourら、1987)。 上で述べたように、この重合体-白金化合物で使用する重合体は、生理学的に 受容可能な媒体に可溶なものである。好ましくは、この重合体は、生理食塩水ま たは他の水性ベースの薬学的キャリアでの投与のために、水溶性である。 実施例1および2で記述のように調製した重合体を、実施例3で記述のように 、生体適合性について試験した。これらの重合体の細胞毒性は、このHPMA共重合 体をL132(ヒト胎児肺細胞)またはB16メラノーマ細胞の培地に添加すること、お よび72時間インキュベートすることにより、決定した。インキュベーション後、 この培地に、5-ジメチルチアゾール-2-イル-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロ マイド(MTT)を添加し、そしてインキュベートした後、この培地を除去し、そし てジメチルスルホキシドを添加して、このMTT結晶を溶解させた。これらの細胞 の吸光度は、重合体なしの細胞のコントロール培地と比べて、これらの試験培地 の生存能を測定するために、定量した。ポリ-L-リシンのポジティブコントロー ルもまた、試験した。ネガティブコントロールとしてのデキストランおよびポジ ティブコントロールとしてのポリ-L-リシンと比較して、これらのHPMA共重合体 の毒性は観察されなかった。 これらのHPMA共重合体の生体適合性もまた、これらの重合体が赤血球を溶解す る性能の評価により、決定した。実施例3Bで記述するように、リン酸緩衝化生理 食塩水に懸濁した赤血球をこのHPMA共重合体に添加し、そして1時間または24時 間インキュベートした。ポリ-L-リシンをポジティブコントロールの重合体とし て使用し、そしてTriton X100洗浄剤を使用して、100%溶解を起こした。インキ ュベーション後、これらの試験細胞を遠心分離し、その上澄み液をヘモグロビン 解離について分析した。これらの結果を図3で示し、ここで、赤血球溶解は、完 全な溶解を引き起こすコントロール洗浄剤のパーセントとして表わされるが、HP MA-Gly-Gly-エチレンジアミン(白丸)、HPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-エチレンジアミン (白三角)、HPMA-Gly-Gly-COOH(黒丸)およびHPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-COOH(黒三角) について、μg/mlの重合体濃度の関数として、示されている。このデータは、こ のHPMA共重合体が、赤血球を著しく溶解しないことを明らかにしている。 B.重合体-白金化合物の調製 実施例1および2で記述するように調製したHPMA共重合体を、本発明に従って 、重合体-白金化合物を調製するために使用した。 図4Aは、エチレンジアミンで終わるGly-Phe-Leu-Glyオリゴペプチド側鎖を有 するHPMA共重合体から構成した重合体-白金化合物の合成のための反応スキーム である。実施例4Aで記述するように、このHPMA共重合体は、テトラクロロ白金酸 カリウム(II)(化合物IX)と反応されて、エチレンジアミン末端基でアミン官能基 と結合した白金を有する化合物(化合物X)が形成される。 図4Bは、図1Bに関して記述のように調製される、エチレンジアミンで終わるGl y-Gly側鎖を有するHPMA共重合体のための類似の反応スキームである。図4Bで詳 述するように、テトラクロロ白金酸カリウムとの反応により、エチレンジアミン 末端基でアミン基と結合した白金を有する化合物(化合物XI)が得られる。 図4A〜4Bで示す重合体-白金化合物の溶解性研究を実施して、25℃で水中での 溶解性を決定した。これらの結果は、表1で示しシスプラチンの水溶性と比較し ているが、これらの重合体-白金化合物が、約320mg/mlより高い水溶性を有し、 これは、シスプラチンの溶解性よりも著しい改善であることを示している。表1 で示したこれらの化合物に関する安定性データは、これらの化合物が、溶液状態 のままであること、例えば、6ヶ月より長く安定であることを示している。 1重量%Ptは、原子吸収分光法により決定した。2 en=エチレンジアミン 末端遊離酸水酸基と共にペプチジル側鎖を有するHPMA共重合体からの重合体- 白金化合物の合成は、図5A〜5Bで示し、そして実施例5で記述する。図5Aでは、 Gly-Phe-Leu-Gly側鎖および末端カルボキシル基を有するHPMA共重合体をシスプ ラチン(化合物XIII)と反応して、重合体-白金化合物を得、ここで、白金は、こ のカルボキシル基によって、この重合体と錯化される(化合物XIV)。図5Bは、Gly -Gly側鎖を有するHPMA共重合体の類似反応を示す。 図6は、本発明の他の実施態様に従った重合体-白金化合物の合成のための反 応スキームであり、ここで、この重合体は、この白金化合物との結合のためのマ ロニル部分で終わっているGly-Phe-Leu-Glyペプチド側鎖を有するHPMA共重合体 である。この重合体は、このHPMA重合体と、ジエチルアミノマロネート塩酸塩( 化合物XVII)を備えたGly-Phe-Leu-Gly-p-ニトロフェノール側鎖(化合物XVI)とを 反応させることにより、調製される。この生成物(化合物XVIII)は、実施例6で 記述のように処理され、そして最後にシス-[Pt(NH3)2(H2O)2]2+(これは、実施例 6Aで記述のように調製した)と反応されて、所望の重合体-白金化合物(化合物XX) を生じる。 上記重合体-白金化合物は、白金用の出発物質として、シスプラチンまたはテ トラクロロ白金酸カリウムを用いて調製した。本発明の重合体-白金錯体を形成 するためには、多数の容易に入手または合成できる白金錯体のいずれかが使用で きることが分かる。この白金出発物質は、この重合体を錯化するために、少なく とも1個(好ましくは、2個)の容易に置換可能な配位子を有するべきであり、好 ましくは、合成を容易にするために、水溶性である。この出発白金化合物は、必 ずしもインビボ治療活性を有していなくてもよく、好ましくは、この重合体の生 物学的に誘導される置換時に、全体的または部分的に、生物学的活性形状にイン ビボ転化される。さらに好ましくは、この白金化合物は、この重合体を全体的ま たは部分的に解離することにより、意図している標的部位にて、生物学的活性形 状にインビボ転化される。 この白金化合物は、そのペプチジル側鎖のアミドまたはカルボキシル基への結 合によって、この重合体に錯化できることもまた、分かる。これらの側鎖がこの 白金化合物を結合するための近位末端基を含有する実施態様では、この化合物は 、このようにして結合して、一鋸歯状種、二鋸歯状種またはそれらの混合物のい ずれかを生じ得ることが分かる。この重合体-白金化合物の調製のために上で述 べた反応条件は、一鋸歯状種および二鋸歯状種の混合物を生じる。この反応条件 は、従って、これらの種の1種またはそれ以上を好むように選択できる。この白 金化合物を結合するための他の末端基が考慮されることもまた分かり、一部の例 は、図7で示されている。これらの構造では、この重合体骨格は、波線により表 わされ、単一のペプチジル側鎖は、この重合体と結合して示されており、そして (AA)は、任意のアミノ酸である;lは、0〜4である;qは、0〜2である;Z1 は、OまたはNHである;Z2は、OHまたはNH2である;Z3は、OH2、NH3、NH2R4であ り、ここで、R4は、低級アルキルである;Xは、F、Br、Cl、I、OHまたは水であ る;aは、0〜9である;bおよびcは、独立して、0〜2であり得るが、一緒 になると、2より大きい合計とはならない;R5およびR6は、H、低級アルキルま たは一緒になって、5個〜7個の原子の環を形成する。 II.重合体-白金化合物のインビトロ特性付け 図7A〜7Cで記述されているように、上記のように調製した重合体-白金化合物( 実施例4、5および6)を、白金の解離について、インビトロで試験した。この インビトロ解離は、クエン酸リン酸緩衝液またはリン酸緩衝化生理食塩水(PBS) 中にて、これらの試験化合物を溶解させることにより、それぞれ、pH5.5および pH7.4で決定した。この緩衝液中の遊離のPtは、以下の「方法」セクションで記 述のように、o-PDAアッセイまたはAASを用いて分析した。 エチレンジアミン基およびカルボキシル近位末端基を有する重合体-白金化合 物についての結果は、図8A〜8Bで示されており、ここで、この重合体-白金化合 物から解離されたPtの濃度は、利用可能な全量のパーセントで表わしているが、 時間の関数としてプロットされている。分かるように、pH5.5(図8A)およびpH7.4 (図8B)では、末端カルボキシル基を備えた側鎖を有するHPMA共重合体であるHPMA -Gly-Gly-O-Pt(黒丸)およびHPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-O-Pt(黒三角)は、エチレンジ アミンで終結された重合体であるHPMA-Gly-Gly-エチレンジアミン-Pt(白丸)およ びHPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-エチレンジアミン-Pt(白三角)よりも急速に白金を解離 する。 これらの結果は、カルボキシル末端基によってこの重合体に結合した白金が、 エチレンジアミン末端基によってこの重合体に結合した白金よりも急速に解離さ れることを示している。これらの結果はまた、これらのエチレンジアミン種で終 わるペプチジル側鎖が、まず、酵素的に切断されて、白金種を解離しなければな らないことを示唆している。 分かるように、HPMA-Gly-Gly-O-PtおよびHPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-O-Ptは、pH5. 5にて、ほぼ同じ速度で、白金を解離する。pH7.4では、このより短いGly-Gly側 鎖を有する重合体は、pH5.5での速度のおよそ50%で、Ptを解離する。この結果 は、この重合体-白金化合物からの白金化合物の解離速度が、その組成の選択お よび側鎖の長さによって制御できることを示している。 マロネート末端基を有する重合体-白金化合物についてのインビトロ解離結果 は、図9A〜9Bで示す。図9Aでは、(実施例6で記述のように調製した)化合物を、 37℃で、リン酸緩衝化生理食塩水(pH7.4)に溶解し、この溶液を、実施例7Bでさ らに充分に記述されているように、7分、4時間および24時間で試料採取した。 これらの試料を、AASにより、Pt含量について分析し、その結果を、その全量の パーセントとして示す。図9Bでは、同じ重合体からの白金解離は、実施例7Cで記 述のように決定したが、これらの試料は、72時間にわたって取り出し、そしてo- フェニレンジアミン比色分析を用いて、遊離のPtについて分析した。図9Aおよび 9Bの結果は、よく一致している。 要約すると、このインビトロ解離データは、これらの重合体-白金化合物から の白金の解離速度が、この白金の結合のための末端基の選択、このオリゴペプチ ド側鎖の組成物および長さおよびpHによって制御できることを立証している。 III.重合体-白金化合物のインビボ特性付け 上記のようにして調製した重合体-白金化合物を、抗腫瘍活性、毒性および体 内分布を評価するために、マウスにて、インビボで試験した。この抗腫瘍活性お よび毒性は、実施例8で記述の腫瘍モデルを用いて評価した。 A.腹腔内接種したL1210腫瘍 実施例8Aで記述されているように、これらの重合体-白金化合物を、L1210腹腔 内(i.p.)腫瘍モデルに対して試験した。この腫瘍は、0日目で接種し、続いて、 1日目、2日目および3日目で、種々の投薬量で腹腔内投与し、24時間あたり単 一用量で投与した、HPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-エチレンジアミン-PtまたはHPMA-Gly -Gly-エチレンジアミン-Ptで処置した。比較処置として、遊離のシスプラチンを 投与した。これらの結果を、表2に示す。 1指示用量は、腫瘍接種に続いて、1日1回、3日間投与した。2 T/C=未処置コントロール群の平均生存時間で割った処置動物の平均生存時間の 比×100。3 en=エチレンジアミン 表2で分かるように、このモデルでの遊離シスプラチンの最大許容用量は、1 日1回、3日間投与したとき、2mg/kgであった。白金の結合のためのエチレン ジアミン末端基で終わる酵素分解可能側鎖Gly-Phe-Leu-Glyを有するHPMA共重合 体は、遊離シスプラチンの最適用量と比較して、同程度に活性であった。しかし ながら、このHPMA共重合体は、遊離シスプラチンに対する2mg/kgと比較して、 1日1回、3日間の白金投薬量で7倍より多い量(例えば、15mg/kg)が、毒性死 なしで投与されたことから明らかなように、遊離シスプラチンよりも著しく毒性 が低かった。HPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-エチレンジアミン-Pt化合物は、1日当たり 3mg/kgの用量で3日間、抗腫瘍活性を有していたこともまた、注目される。対 照的に、遊離シスプラチンは、この投薬量では毒性であった。 表2を引き続いて参照すると、白金の結合のための末端エチレンジアミン基を 備えた非酵素的に生分解性の側鎖Gly-Glyを有するHPMA共重合体は、試験した投 薬量範囲にわたって、著しい活性を示さなかった。 B.腹腔内B16メラノーマ腫瘍モデル 実施例8Bで記述するように、この重合体-白金化合物であるHPMA-Gly-Phe-Leu- Gly-エチレンジアミン-Ptを、腹腔内接種(i.p.)したB16メラノーマモデルに対し て試験した。接種後1日目では、このHPMA共重合体を、5、10、15および20mg/kg の白金濃度で、単一用量として、i.p.投与した。これらの結果を、表3に示す。 1T/C=未処置コントロール群の平均生存時間で割った処置動物の平均生存時間の 比×100。2 en=エチレンジアミン このデータは、この重合体-白金化合物の形態で安全に投与され得る白金の量 が、遊離シスプラチンについて安全に投与され得る量よりも、4倍より高いこと を示している;例えば、遊離シスプラチン5mg/kgでは、2/5の毒性死であり、そ して重合体-白金化合物20mg/kgでは、0/5の毒性死である。 C.B16 メラノーマ皮下腫瘍モデル 実施例8Cで記述するように、固形腫瘍を樹立するために、マウスに、B16メラ ノーマ細胞を皮下接種した。この腫瘍に対するHPMA共重合体-白金化合物の活性 を、2、5、10、15mg/kgの白金用量で、この重合体-白金化合物であるHPMA-Gl y-Phe-Leu-Gly-エチレンジアミン-PtおよびHPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-O-Ptを投与す ることにより、試験した。 これらの結果を図10A〜10Bで示すが、ここで、図10Aは、HPMA-Gly-Phe-Leu-Gl y-エチレンジアミン-Ptで処置した動物に対応しており、そして図10Bは、HPMA-G ly-Phe-Leu-Gly-O-Ptで処置した動物に対する。このデータは、数個の白金投薬 量について、処置した動物の平均生存時間と未処置コントロール動物の平均生存 時間との比×100(T/C)として表わされる。1動物試験群には、1mg/kgのシスプ ラチンを与え、そして1群の腫瘍保有マウスは、コントロールとして、未処置の ままにした。 このデータから、このHPMA共重合体-白金化合物は、このs.c.腫瘍モデルにお いて、遊離シスプラチンよりもかなり良好な抗腫瘍活性を有することが分かり得 る。HPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-エチレンジアミン-Pt化合物に関して(図10A)、抗腫 瘍活性は、遊離シスプラチンと比べて、著しく改良され、そして10mg/kgの白金 投薬量で最高であった。このHPMA共重合体-Gly-Phe-Leu-Gly-エチレンジアミン- Ptは、遊離シスプラチンよりも15倍より大きく毒性が低かった。 HPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-O-Pt化合物に関して(図10B)、抗腫瘍活性は、10mg/kg で最も高く、200よりも高いT/Cであった。10mg/kgおよび15mg/kgの用量での毒性 死(それぞれ、2/6および4/4)は、10mg/kgおよび15mg/kgの投薬量で起こったが、 しかしながら、このHPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-O-Pt化合物は、依然として、遊離シ スプラチン(このモデルでのその最大許容用量は、1mg/kgであった)よりも5〜1 0倍毒性が低かった。 図10A〜10Bを引き続いて参照すると、例えば、末端カルボキシル基により与え られる遊離酸の水酸基によって結合した白金を有する化合物についての抗腫瘍活 性(図10B)は、エチレンジアミン結合白金を備えた化合物よりも高い腫瘍活性(図 10A)を示した。この結果は、上で述べた測定した白金インビトロ解離速度と相関 している(図8A〜8B)。このHPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-エチレンジアミン-Ptは、イン ビトロで安定であり、そして抗腫瘍活性のために、腫瘍内での酵素的活性化を必 要としている。このことにより、遊離薬剤よりも劇的に毒性が低い化合物が生じ る。酵素的に生分解性のGly-Phe-Leu-Gly側鎖からの解離速度は、酵素的切断を 促進するための適切な酵素(例えば、タンパク質分解酵素、トリプシンまたはパ パイン)の投与により制御され得る。 これらの結果は、この重合体-白金化合物からの白金化合物の解離速度が、こ の白金化合物の結合のための末端基の選択およびこのオリゴペプチド側鎖の組成 の選択により制御され得ることを立証している。 B16固形腫瘍を保有している動物の腫瘍サイズを、この重合体-白金化合物であ るHPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-O-Ptまたはシスプラチンで処置したマウスについて、 時間(日)の関数として、モニターした。図11で分かるように、10mg/kgのこの重 合体-白金錯体で処置した動物(黒三角)は、1mg/kgのシスプラチンで処置したも の(白丸)と比較して、顕著な腫瘍増殖の阻害を有した。実線は、未処置動物を表 わす。 要約すると、このインビボデータは、本発明の重合体-白金化合物が、シスプ ラチンと比較したとき、向上した抗腫瘍活性を達成することを明らかにしている 。この重合体-白金化合物は、少なくとも一部は、腫瘍部位でのこの化合物の蓄 積により、改良された抗腫瘍活性を達成する。この重合体-白金化合物は、生物 学的に活性形態の白金を解離し得、この場合、この白金の解離は、白金を結合す る末端基の選択およびこのオリゴペプチド側鎖の組成および長さの選択により、 制御され得る。 腫瘍領域でのこの重合体-白金化合物の向上した蓄積のさらなる証拠を、図12 に示す。実施例9で記述するように、腫瘍保有マウスを、遊離シスプラチン(1m g/kg、黒丸)またはHPMA-Gly-Gly-エチレンジアミン-Pt(1mg/kg、白三角)で静脈 内処置した。処置後の種々の時点において、これらの腫瘍を切開し、その白金含 量を原子吸光測定により決定した。 図12で分かるように、このHPMA共重合体で処置した腫瘍の相対白金濃度は、等 用量のシスプラチンで処置した動物よりも著しく高い。このことは、この重合体 -白金化合物の形態で投与した白金が、この腫瘍部位での改良された蓄積を達成 することを示す。この改良された蓄積は、この重合体-白金化合物の腫瘍への向 上したまたは選択的な方向付けまたは標的化を立証している。 他の研究では、実施例10で記述されているように、腫瘍保有マウスを、HPMA共 重合体-Gly-Phe-Leu-Gly-マロネート-Ptで処置した。これらの腫瘍を、この重合 体-白金化合物の投与後、間隔を置いて72時間まで取り除き、そして白金含量に ついてAASにより分析した。これらの結果を図13で示すが、この重合体-白金化合 物で処置したマウス中の白金含量(黒四角)と遊離シスプラチンで処置したマウス 中の白金含量(白丸)との間には、著しい相違があることが分かる。HPMA共重合体 -Gly-Phe-Leu-Gly-マロネート-Ptの投与の4時間後、最大の腫瘍白金含量が測定 され、この最大値は、遊離シスプラチンで処置したマウスの腫瘍中に存在する白 金よりほぼ4倍高かった。明らかに、本発明の重合体-白金化合物は、この腫瘍 中で蓄積するのに効果的である。 IV.重合体-白金化合物を投与し標的化する方法 他の局面では、本発明は、被験体中の腫瘍に白金化合物を投与する方法を包含 する。この方法は、上記のように、白金含有オリゴペプチド側鎖を備えた重合体 を有する重合体-白金化合物を調製することを包含する。この化合物は、治療に 有効な量で、この腫瘍保有被験体に投与される。 投与のためには、この化合物は、種々の方法で処方され得る。非経口投与のた めには、この重合体-白金化合物は、所望の白金濃度で、水性媒体(例えば、等張 性生理食塩水)に溶解され得る。この化合物は、単一の最大瞬間用量または緩慢 な注入として、非経口的に投与できる。あるいは、この化合物は、錠剤、エリキ シル剤、懸濁液などの調製により、経口投与のために処方され得る。 腫瘍処置のために適切な投薬量は、腫瘍保有マウスへのインビボ投与のために 本明細書中で提示したデータに基づいて、決定される。この情報は、他の白金化 合物(例えば、シスプラチンおよびカルボプラチン)に対する公知投薬量、および これらの通常の白金酸塩と本発明の重合体-白金化合物との間の毒性関係と組み 合わせて、ヒトにおける適切な治療投薬量の選択のための指針を与える。当業者 は、より高い治療上の利点を得るために、既知白金酸塩の毒性および/または薬 物動態とこの重合体-白金化合物のそれとの相違に基づいて、投薬レベルおよび レジメンを調節し得る。 本発明の重合体-白金化合物を使用する化学療法はまた、他の化学療法剤と組 み合わせて、一定の種類の癌に適切であり得る。例えば、ビンブラスチン、ブレ オマイシン、アクチノマイシン、アドリアマイシン、プレドニゾン、ビンクリス チン、タキサン(タキソテール、タキソール)、5-フルオロウラシル、カンプトセ カン(canptothecan)、シクロホスファミドおよびゲミシトビン(gemcytobine)は 、この重合体-白金化合物と共に投与され得る。一例として、卵巣癌の治療は、2 4時間の注入として、治療に有効な量のこの重合体-白金化合物およびアドリアマ イシン(共投与する)の投与を包含し得る。この重合体-白金化合物と共に、開発 中の他の化学療法剤(例えば、トポイソメラーゼ阻害剤、血管形成阻害剤)が投与 され得ることも、さらに考慮され得る。 他の局面では、本発明は、白金種の治療係数を高める方法を提供する。この方 法は、ペプチジル側鎖(これは、高めた治療係数(例えば、最大許容投薬量と最小 治効用量との比)を達成するためのこのような結合のために、近位末端基で終わ っている)により白金化合物を錯化することを包含する。このことは、上で述べ たインビボデータにより証明され、この場合、この重合体-白金錯体は、シスプ ラチンより著しく毒性が低いが、腫瘍処置のために生物学的に活性である。 他の局面では、本発明は、より高い割合の投薬物質を腫瘍に標的化または選択 的に方向付ける方法を提供する。提供した例により上で示されるように、重合体 -白金化合物の形態で投与した白金は、重合体と錯化していない白金化合物(特に 、白金酸塩化合物)に関連して、腫瘍中でのより大きな蓄積を達成する。前述の ことから、本発明の種々の特徴および目的がいかにして満たされるかが理解され 得る。本発明の重合体-白金化合物は、細胞毒性も赤血球を溶解する能力もない ことから明らかなように、生体適合性である。この白金化合物は、オリゴペプチ ド側鎖(これは、その遠位末端で水溶性合成重合体と結合され、その近位末端で 、この白金化合物と結合されている)により、この重合体骨格に結合されている 。結合した白金化合物の解離速度は、その組成の選択およびこの側鎖または側鎖 上の末端基の長さにより、制御される。この側鎖は、1実施態様では、酵素的に 生分解性であり、適切な酵素の非存在下で安定な化合物を提供する。他の実施態 様では、この側鎖は、非酵素的に生分解性であり、そして改良された抗腫瘍活性 を達成するのにより望ましい白金解離速度を与える。この重合体-白金化合物に 由来の白金化合物はまた、その組成およびオリゴペプチド側鎖の長さの両方に対 す るpH効果により、制御され得る。 本発明の重合体-白金錯体により達成される抗腫瘍活性は、少なくとも部分的 には、この白金化合物の腫瘍部位での向上した蓄積のためである。この重合体お よびオリゴペプチドの組成および分子量は、この化合物の腫瘍での蓄積および保 持に影響を与える要因である。 HPMA以外の重合体も、この重合体-白金化合物での使用に適切であることが分 かる。上で述べたように、この化合物中で使用する重合体は、生体適合性であっ て腫瘍部位での内皮浸透性および腎臓クリアランスによる身体からの除去に十分 な分子量を有するものである。HPMAについては、糸球体濾過を制限する分子量閾 値は、およそ45,000ダルトンであると確認されている(Seymourら、1987)。この 閾値は、もちろん、各重合体に関して、その物理化学的特性に依存して異なり、 そして実験的に決定され得る。選択した任意の重合体については、腫瘍部位での 内皮浸透性と腎臓クリアランス機構による除去との間のバランスは、実験的に決 定され得る。この重合体は、さらに、薬学的に受容可能なキャリア中での処方お よび長期間の保存が容易にできる物理化学的な特性(例えば、溶解性、安定性)を 有する。実施例 以下の実施例は、本発明の重合体-白金化合物の調製およびこの化合物の特性 付けを示す。これらの実施例は例示であり、いずれの様式でも、本発明を限定す るものではないことが理解される。 V.物質 A.化学物質 シスプラチン(シス-ジアンミンジクロロ白金(II))、テトラクロロ白金酸カリ ウム、o-フェニレンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ニン ヒドリンおよびヒドリンダンチンは、Sigma(UK)により供給した。アミノプロパ ン-2-オールは、Flukaにより供給した。全ての溶媒および化学物質は、Sigma(UK )またはAldrich(UK)から供給し、そして使用前に、蒸留するかまたはモレキュラ ーシーブで乾燥した。 B.細胞株 使用する細胞株、L132(ヒト胎児肺細胞)、COR L23(非小細胞型肺癌細胞)およ びH69(小細胞型肺癌細胞)は、European Collection of Cell Cultures,Centre for Applied Biology,Microbiology and Research(Salisbury,Wiltshire UK) から得た。 VI.方法 A.原子吸光測定(AAS) 原子吸光は、(火炎)Perkin-Elmer 280装置(Perkin-Elmer,Norwalk,CT)また は(無炎)Perkin-Elmer AA100(グラファイト炉)を用いて実施し、濃硝酸、濃塩酸 および過酸化水素(30%)中でのテトラクロロ白金酸カリウム(K2PtCl4)またはシ スプラチン(Pt(NH3)2Cl2)の水溶液で校正した。 B.o- フェニレンジアミン比色アッセイ(o-PDA) 1〜5mgの未知白金含量を含む試料を、2回蒸留水1ml、およびo-フェニレン ジアミン(o-PDA)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液(1〜2mg/ml)1mlに溶解し 、そして100℃で10分間インキュベートした。この試料中に存在する白金の量は 、参照としてシスプラチンを用いて703nmでの吸光度を測定することにより、決 定した。 実施例1 HPMA 共重合体-ペプチド-エチレンジアミンの合成 ペプチジル-p-ニトロフェノール(ONp)を含有するHPMA共重合体の合成は、先に 記述しており(Duncanら、1987)、この文献中で合成を記述している箇所の内容は 、本明細書中で参考として援用されている。 およそ30,000の重量平均分子量(MW)および1.3〜1.5の多分散性(Mw/Mn)のHPMA 共重合体(これは、ペンダントペプチジル側鎖、例えば、Gly-Gly-ONpまたはGly- Phe-Leu-Gly-ONp(5モル%または10モル%)を含有する)1gを、2回蒸留水(DDW )50mLに添加し、そして室温で15分間または溶解するまで攪拌した。必要なら、 そのpHを、0.01M HClで5.7に調節した。 この溶液を、20分間にわたって、エチレンジアミンのDDW(10ml)攪拌溶液に滴 下し、次いで、4時間攪拌した。この混合物を、DDW(5L)に対して、4日間の透 析(ビスキング(visking)管、細孔サイズ10,000)前に濾過した。得られた溶液を 、 Amicon「CENTRIPREP」フィルター(Amicon,Danvers,MA)、細孔サイズ10,000を 用いて、およそ20mLまで濃縮し、そして凍結乾燥して、白色/灰白色の綿毛状生 成物を得た(典型的な収量;0.9g)。 この生成物中のエチレンジアミンの含量は、ニンヒドリン方法により決定した 。試料の1ml溶液に、ニンヒドリン溶液(1ml、20g/Lニンヒドリンおよび3g/lヒ ドリンダンチンのDMSO溶液および酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)75:25(v/v)を含 む)を添加し、そして75℃で15分間インキュベートした。この溶液を、エタノー ル溶液(DDW中で50%(v/v))3mlの添加前に、室温で15分間静置した。その吸光度 を570nmで記録した。第一アミノ基の数は、1-アミノプロパン-2-オールから調製 した標準溶液を参照して算出したが、HPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-エチレンジアミン について3〜4×10-4mol/mgであり、そしてHPMA-Gly-Gly-エチレンジアミンに ついては、3〜8×10-4mol/mgであった。 実施例2 HPMA- 共重合体-ペプチド-COONaのの合成 ペプチジル-p-ニトロフェノール(ONp)を含有するHPMA共重合体の合成は、先に 記述した(Duncanら、1987)。 NaOHの溶液(0.01M、50ml)を、およそ30,000の重量平均MWおよび1.3〜1.5の多 分散性(Mw/Mn)のHPMA共重合体(これは、ペンダントペプチジル側鎖、例えば、Gl y-Gly-ONpまたはGly-Phe-Leu-Gly-ONp(5モル%または10モル%)を含有する)1 gに添加した。この溶液を、濾過およびビスキング管(細孔サイズ10,000、5L D DWで4日間)を用いた透析の前に、室温で4時間攪拌した。濾過と共に、必要な ら、得られた溶液を、Amicon「CENTRIPREP」フィルター(細孔サイズ10,000)を用 いて、20mlまで濃縮し、そして凍結乾燥して、白色/灰白色の綿毛状生成物を得 た(典型的な収量;0.9g)。 以下の手順を使用して、HPMA共重合体-Gly-Gly-OHおよびHPMA共重合体-Gly-Ph e-Leu-Gly-OHを生成した。HPMA共重合体-Gly-Gly-ONaまたはHPMA共重合体-Gly-P he-Leu-Gly-ONa(0.7g)に、HClの溶液(0.02M;20ml)を添加し、この混合物を、A micon「CENTRIPREP」フィルター(細孔サイズ10,000)を用いた遠心分離による精 製前に、室温で4時間攪拌した。これらの試料を、濾過した溶液が無色になるま で、2,000gで40分間遠心した(最低4回の遠心)。各段階では、この重合体溶液 を、遠心分離前に、DDWで15mLまで希釈した。得られた溶液を凍結乾燥して、白 色/灰白色の綿毛状生成物を得た(典型的な収量;0.5g)。 カルボン酸基の定量は、既知濃度の水酸化ナトリウムを、DDWの溶液中の既知 重量のこの試料で滴定することにより達成した(酸塩基滴定)。HPMA-Gly-Phe-Leu -Gly-OHについては、2×10-4mol/gのCOOH基が存在し、そしてHPMA-Gly-Gly-OH については、3〜5×10-4mol/gのCOOH基が存在していた。 実施例3 HPMA 共重合体の生体適合性 A.細胞毒性 細胞を、マイクロタイタープレートにて、標準条件を用いて培養した。24時間 後、細胞(典型的には、L132またはB16メラノーマ)を1×106細胞/mlの密度で接 種して、この試験重合体および正基準としてのポリ-L-リジン(MW 56,500)を、種 々の濃度(0〜5mg/ml)で添加した。この培地への5-ジメチルチアゾール-2-イル -2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT:10μl)の添加前に、細胞を72 時間インキュベートした。これらのプレートをさらに5時間インキュベートし、 この培地を除去し、そしてジメチルスルホキシド(DMSO)100μlを添加して、この 暗青色の結晶を溶解した。マイクロタイタープレートリーダーを用いて、550nm での吸光度を測定し、試験培養物の生存度は、重合体の非存在下でインキュベー トしたコントロール細胞のパーセントとして表わした。 B.赤血球細胞の溶解 血液は、心臓を穿刺することにより殺した後、オスWistarラットから得た。こ の血液を、冷やしたリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中にて、4℃で、1,000gで、 10分間にわたって、3回遠心分離することにより、赤血球を集めた。その最終ペ レットをPBSに再懸濁して、赤血球の2%(w/v)溶液を得た。マイクロタイタープ レートアッセイを用いて、この赤血球溶液100μlを、種々の濃度で、約100μlの 試験重合体に添加し、そして5時間インキュベートした。界面活性剤であるTrit on X100(1% v/v)を一度に用いると、100%の溶解が生じた。インキュベーショ ン後、このマイクロタイタープレートを1,000gで10分間遠心分離して、インタ クトな細胞を沈降させ、その上清(100μl)を新しいプレートに移して、ヘモグロ ビンの解離を、550nmで、分光光度的に測定した。結果は、全量(Triton X-100) のパーセントとして、解離したヘモグロビンの量として表わし、図3に示す。 実施例4 HPMA 共重合体-Gly-Phe-Leu-Gly-エチレンジアミン-PtおよびHPMA-Gly-Gly-エチ レンジアミン-Ptの合成 A.HPMA 共重合体-Gly-Phe-Leu-Gly-エチレンジアミン-Ptの合成 HPMA共重合体-Gly-Phe-Leu-Gly-エチレンジアミン(実施例1から得た)の溶液( DDW(20ml)中で0.8g)に、20分間にわたって、DDW中のK2[PtCl4]を滴下した。結 合していない白金は、分離した溶液が無色になるまで、2,000×gで40分間繰り 返し遠心する遠心分離(Amicon「CENTRIPREP」フィルター、細孔サイズ10,000)に より除去した(最低4回)。重合体-白金化合物を含有する得られた溶液は、各遠 心の開始時点で、DDWを用いて、15mlまで希釈した。得られた重合体-白金溶液を 凍結乾燥して、褐色の綿毛状固形物を得た(典型的な収量0.7g)。この反応を、 図4Aに図示する。 その全白金含量は、上記の原子吸光測定またはo-PDA法により、測定した。 HPMA共重合体-Gly-Phe-Leu-Gly-エチレンジアミン-Ptの数個のバッチの典型的 な分析結果を、表4に示す。 B.HPMA-Gly-Gly- エチレンジアミン-Ptの合成 HPMA共重合体-Gly-Gly-エチレンジアミン(実施例1から得た)の溶液(DDW(20m L)中で0.8g)に、20分間にわたって、DDW中のK2[PtCl4]を滴下した。結合してい ない白金は、分離した溶液が無色になるまで、2,000×gで40分間繰り返し遠心 する遠心分離(Amicon「CENTRIPREP」フィルター、細孔サイズ10,000)により除去 した(最低4回)。重合体-白金を含有する得られた溶液は、各遠心の開始時点で 、DDWを用いて、15mlまで希釈した。遠心分離した重合体-白金溶液を凍結乾燥し て、褐色の綿毛状固形物を得た(典型的な収量0.7g)。この反応を、図4Bに図示 する。 その全白金含量は、この方法の節で上で記述のように、原子吸光測定またはo- PDA法により、測定した。HPMA共重合体-Gly-Gly-エチレンジアミン-Ptの数個の バッチの典型的な分析結果を、表5に示す。 実施例5 HPMA 共重合体-Gly-Gly-O-PtおよびHPMA共重合体-Gly-Phe-Leu-Gly-O-Ptの合成 室温で攪拌下にて、HPMA共重合体-Gly-Gly-ONaの溶液(DDW(30ml)中で0.8g)に 、20分間にわたって、Pt(NH3)2Cl2(2回蒸留水80ml中で0.12g)を滴下した。この 混合物をさらに4時間攪拌した。結合していない白金は、分離した溶液が無色に なるまで、2,000×gで40分間繰り返し遠心する遠心分離(Amicon「CENTRIPREP」 フィルター、細孔サイズ10,000)により分離した(最低4回)。得られた溶液(典型 的には、20ml)を凍結乾燥して、白色の綿毛状固形物(典型的な収量0.7g)を得た 。この反応を、図5A〜5Bに図示する。 その白金含量は、上記のように、AASおよびo-PDAアッセイにより、測定した。 HPMA共重合体-Gly-Gly-O-PtおよびHPMA共重合体-Gly-Phe-Leu-Gly-O-Ptの典型 的な分析結果を、表6に示す。 実施例6 HPMA 共重合体-Gly-Phe-Leu-Gly-マロネート-Ptの合成 HPMA共重合体-Gly-Phe-Leu-Gly-ONp(化合物XVI、無水DMF(4ml)中で0.5g)の 攪拌溶液に、ジエチルアミノマロネートヒドロクロリドの溶液(化合物XVII、無 水DMF(2ml)中で0.21g)を添加した。次いで、4分間にわたって、トリエチルア ミン(0.2g)を添加し、その全量を15時間攪拌した。真空下で乾燥状態まで蒸発 させた後、その残留物をDDW(4ml)に溶解した。この溶液を、次いで、濾過し、2 .6×34cm Sephadex G-25カラムに適用し、そしてDDWで溶出した。この重合体画 分を合わせ、そして凍結乾燥して、綿毛状の白色固形物(化合物XVIII、0.439g) を得た。この固形物の0.435g部分をメタノール1.3mlに溶解した。この溶液を15 ℃まで冷却し、そして攪拌しながら、0.99M水酸化ナトリウム水溶液0.686mlを添 加した。15℃で15分間攪拌した後、この攪拌を、室温で、さらに3.75時間継続し た。この溶液のpHを、1M塩酸の添加により、およそ10.5まで調節し、そして濾過 後、この溶液を2.6×34cm Sephadex G-25カラムに適用し、そして水で溶出した 。この重合体画分(容量60ml)を合わせ、そしてAmicon「Centriprep 10」濃縮機( MWカットオフ10,000ダルトン)を用いて、20mlの容量まで濃縮した(Amicon,Danv ers,MA)。この容量を、2回蒸留水を用いて45mlまで補い、そして30mlまで濃縮 し、45mlまで補い、そして最終的に、12mlまで濃縮した(繰り返し限外濾過手順) 。この溶液の9ml部分のpHを、0.01M NaOHを用いて7.5に調節し、 そしてこの溶液(化合物XIX)を、次いで、以下で記述のように調製したシス-[Pt( NH3)2(H2O)2]2+溶液(7.53)に滴下した。その全量を暗所にて20時間攪拌し、次い で、濾過した。その濾液を2.6×34cm Sephadex G-25カラムに適用し、そして水 で溶出した。この重合体画分を合わせ、そして凍結乾燥して、白色の綿毛状固形 物(収量0.206g)を得た。この固形物(化合物XX)は、9.9重量%のPtを含有してい ることが分かった(ICP分析)。この反応スキームを、図6に図示する。 A.シス-[Pt(NH3)2(H2O)2]2+溶液の調製 シス-[PtCl2(NH3)2](2回蒸留水4ml中で0.2g)の攪拌懸濁液に、硝酸銀の溶 液(2回蒸留水4ml中で0.221g)を添加した。この混合物を暗所にて4時間攪拌 し、次いで、濾過した。その濾液の設定容量は、上で指示したようなプラチネー ション(platination)目的に使用した。 実施例7A 重合体-白金化合物からのPtのインビトロ解離 実施例4および5で上で記述のように調製した重合体-白金錯体を、それぞれ 、pH5.5およびpH7.4で、クエン酸リン酸緩衝液またはリン酸緩衝化生理食塩水(P BS)に溶解し、そして37℃で、各個の溶液に対して透析した。48時間にわたって 、この透析液から、試料を規則的に取り出し、そして遊離のPtを、上記o-PDAア ッセイまたはAASを用いて分析した。この重合体-白金化合物から解離したPtの濃 度は、利用可能な全量のパーセントとして表わし、結果を、図8A〜8Bに示す。 実施例7B HPMA 共重合体-Gly-Phe-Leu-Gly-マロネート-PtからのPtのインビトロ解離(AAS法 ) 実施例6で記述のように調製した結合体を、37℃で、pH7.4のリン酸緩衝化生 理食塩水(PBS)に溶解した。この溶液の試料を、7分、4時間および24時間で取 り出し、それぞれを、Sephadex G-25カラムに適用した。このカラムをPBSを用い て溶出し、溶出した画分を、AASにより、Pt含量について分析した。この結合体 から解離したPtの量は、その全量のパーセントとして表わし、その結果を、図9A に示している。 実施例7C HPMA 共重合体-Gly-Phe-Leu-Gly-マロネート-PtからのPtのインビトロ解離(o-PDA 法) 実施例6で上で記述のように調製した結合体を、pH7.4のリン酸緩衝化生理食 塩水に溶解し、そして37℃で、このPBS溶液に対して、透析した(2.4nmの細孔サ イズおよびおよそ10,000の分子量カットを有するシームレスビスキングセルロー ス管)。この透析液から、72時間にわたって、試料を規則的に取り出し、そして 遊離のPtを、o-フェニレンジアミン比色アッセイ(o-PDA)を用いて分析した;未 知の白金含量を含む試料を、DMF(1.2mg/ml)中のo-PDA溶液1mlに添加し、そして 100℃で10分間インキュベートした。この試料中に存在する白金の量は、基準と してシスプラチンを用いて、704nmでの吸光度を測定することにより、決定した 。この結合体から解離されたPtの濃度は、利用可能な全量のパーセントとして表 わし、その結果を、図9Bに示している。 実施例8 抗腫瘍活性および毒性のインビボ評価 UKCCCR(United Kingdom Coordinating committee on Cancer Research)ガイド ラインに従って、全ての動物の研究を行った。 I.Li210 i.p. 腫瘍モデル 0日目で、DBA2マウス(オス9〜12週齢、20〜30g)に、106生存細胞をi.p.投 与した。引き続いて、動物を、1日目、2日目および3日目で、単一または複数 のi.p.用量のいずれかで、シスプラチンまたは重合体-白金化合物(HPMA-Gly-Phe -Leu-Gly-エチレンジアミン-PtまたはHPMA-Gly-Gly-エチレンジアミン-Ptを備え た化合物(実施例4で記述のように調製した))で処置した。動物を毎日秤量し、 そして腫瘍の進行の徴候について、1日2回観察し、もし、その体重が初期体重 の80%より低下したなら、またはもし、他の重症の毒素学的な問題が認められた なら、殺した。この実験の最終時点にて、肉眼解剖学の変化を記した。それらの 結果を、表2に示す。 A.B16 メラノーマi.p.モデル オスC57BL/6Jマウスに、106生存B16F10細胞を腹腔内(i.p.)接種した。これら の細胞を0日目で注射し、そして翌日、単一用量または複数用量として、遊離シ スプラチンまたは重合体-白金化合物HPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-エチレンジアミン-P tをi.p.注射した。動物を、上記のようにしてモニターした。その結果を、表3 に示す。 B.B16 メラノーマs.c.モデル オスC57BL/6Jマウスに、105生存B16F10細胞を皮下(s.c.)接種した。2個の直 交径の積により測定した面積がおよそ50〜70mm2になるまで、腫瘍を樹立させた 。s.c.腫瘍を保有する動物を、2、5、10、15mg Pt/kgで、遊離シスプラチンま たは重合体-白金化合物HPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-エチレンジアミン-PtおよびHPMA- Gly-Phe-Leu-Gly-O-PTのi.p.注射またはi.v.注射のいずれかにより、処置した。 この結果は、HPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-エチレンジアミン-Pt化合物について図10 Aに、そしてHPMA-Gly-Phe-Leu-Gly-ヒドロキシ-Pt化合物について図10Bに示す。 このデータは、未処置コントロール群の平均生存時間で割った処置動物の平均生 存時間の比×100(T/C)として、表わしている。 実施例9 HPMA 共重合体-白金化合物の体内分布 A.B16 メラノーマs.c.モデル オスC57BL/6Jマウスに、105生存B16F10細胞をs.c.接種し、2個の直交径の積 により測定した面積がおよそ50〜70mm2になるまで、腫瘍を樹立させた。動物に 、遊離シスプラチン(1mg/kg)またはHPMA共重合体-Gly-Gly-エチレンジアミン-P t(1mg/kg)をi.v.注射し、そして72時間までの時点で殺した。これらの腫瘍を切 開し、そしてNaOHを用いて溶解させて、無色の溶液を得た。AASを用いて試料を 分析して、遊離シスプラチンおよび重合体-白金錯体を注射した動物から取り出 した腫瘍のPt含量を比較した。その結果を、図12に示す。 実施例10 B15F10 腫瘍を保有するマウス中でのHPMA共重合体-Gly-Phe-Leu-Gly-マロネート- Ptの蓄積 オスC57B1/63マウスに、105生存B16F10細胞をs.c.接種し、2個の直交径の積 により測定した面積がおよそ50〜70mm2になるまで、腫瘍を樹立させた。動物 に、遊離シスプラチン(1mg/kg)またはHPMA共重合体-Gly-Phe-Leu-Gly-マロネー ト-Pt(1mg/kg)をi.v.注射し、そして動物を72時間までの時点で殺した。これら の腫瘍を取り出し、秤量し、そして硝酸に溶解し、続いて、過酸化水素に溶解し て、無色の溶液を得、引き続いて、水を既知容量まで補った。試料を、原子吸光 (無炎)測定を用いて分析し、これは、Perkin-Elmer 280装置を用いて実施し、そ して校正は、濃硝酸、過酸化水素(30%)および水中にて、シスプラチン(Pt(NH3)2 Cl2)で行った。その結果を、図13に示す。 本発明は、特定の実施態様に関して記載しているものの、本発明から逸脱する ことなく、種々の変更および改良を行い得ることは、当業者に明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 エバゴロウ,エバゴラス ジー. イギリス国 エヌ17 0ジェイピー ロン ドン,トッテンハム,パーク レーン 112 (72)発明者 バックレー,ロバート ジー. イギリス国 アールジー6 5ユーエック ス バークシャー,レディング,アーレ イ,ビーコンズフィールド ウェイ 6 (72)発明者 ジアナシ,エリザベッタ イギリス国 エスダブリュー17 ロンド ン,バルハム,テラピン ロード 16

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.腫瘍処置で使用するための組成物であって、該組成物は、以下を含有する : 腫瘍部位で蓄積するように設計された重合体-白金錯体であって、該錯体は、 白金化合物との錯化のために重合体に沿って間隔を置いて配置された側鎖を有す るN-アルキルアクリルアミド重合体から構成されており、該側鎖は、(i)一端で 該重合体に結合され他端で該白金化合物に結合したオリゴペプチドから構成され 、そして(ii)少なくとも1個の結合を含有し、該結合は、選択された生理学的条 件下にて切断されて該白金化合物を生じるように設計されており、該白金化合物 は、抗腫瘍活性を有するか、または抗腫瘍活性を有するようにインビボで転化さ れる。 2.前記N-アルキルアクリルアミド重合体が、約1,000ダルトンと5,000,000ダ ルトンとの間の分子量を有する単独重合体である、請求項1に記載の組成物。 3.前記N-アルキルアクリルアミド重合体が、1,000ダルトンと5,000,000ダル トンとの間の分子量を有する共重合体であり、該共重合体が、2個の繰り返し単 位mおよびnを、約0.1と99.9との間のm:n比で含有する、請求項1に記載の 組成物。 4.前記繰り返し単位が、N-アルキルアクリルアミド単位および前記オリゴペ プチド側鎖を備えた単位から構成され、該オリゴペプチドが、前記白金化合物を 結合できる近位末端基で終わっている、請求項3に記載の組成物。 5.以下の形状の共重合体である、請求項4に記載の組成物: ここで、R1は、HまたはCH3であり、R2は、低級アルキル基または低級ヒドロキ シアルキル基であり、そしてR3は、前記オリゴペプチド側鎖である。 6.前記オリゴペプチドが、Gly-(W)p-Glyから選択され、ここで、pが、0〜 3であり、そしてWが、アミノ酸または任意のアミノ酸の組み合わせである、請 求項5に記載の組成物。 7.前記オリゴペプチドが、Gly-Phe-Leu-GlyおよびGly-Glyからなる群から選 択される、請求項5に記載の組成物。 8.前記近位末端基が、カルボキシル基、ジアミンおよびマロニルから選択さ れる、請求項5に記載の組成物。 9.R1が、CH3であり、R2が、2-ヒドロキシプロピルであり、そしてR3が、Gly -Phe-Leu-Gly-[X]であり、ここで、[X]が、カルボキシル基、ジアミンおよびマ ロニルから選択される、請求項5に記載の組成物。 10.R1が、CH3であり、R2が、2-ヒドロキシプロピルであり、そしてR3が、G ly-Phe-Leu-Glyであり、そして前記近位末端基が、ジアミンである、請求項5に 記載の組成物。 11.前記重合体-白金錯体が、非経口投与に適切な水性媒体に溶解されてい る、前出の請求項のいずれかに記載の組成物。 12.白金化合物を被験体の固形腫瘍に標的化させる方法であって、該方法は 、以下を含有する: 腫瘍部位で蓄積するように設計された重合体-白金錯体を調製する工程であっ て、該錯体は、白金化合物との錯化のために該重合体に沿って間隔を置いて配置 された側鎖を有するN-アルキルアクリルアミド重合体から構成されており、該側 鎖は、(i)一端で該重合体に結合され他端で該白金化合物に結合されたオリゴペ プチドから構成され、そして(ii)少なくとも1個の結合を含有し、該結合は、選 択された生理学的条件下にて切断されて該白金化合物を生じるように設計されて おり、該白金化合物は、抗腫瘍活性を有するか、または抗腫瘍活性を有するよう にインビボで転化される、工程;および 薬学的に有効量の該錯体を該被験体に非経口投与する工程。 13.前記N-アルキルアクリルアミド重合体が、約1,000ダルトンと5,000,000 ダルトンとの間の分子量を有するN-アルキルアクリルアミドの単独重合体である 、請求項12に記載の方法。 14.前記N-アルキルアクリルアミド重合体が、約1,000ダルトンと5,000,000 ダルトンとの間の分子量を有する共重合体であり、該共重合体が、2個の繰り返 し単位mおよびnを、約0.1と99.9との間のm:n比で含有する、請求項12に 記載の方法。 15.前記繰り返し単位が、N-アルキルアクリルアミド単位および前記オリゴ ペプチド側鎖を備えた単位から構成され、該オリゴペプチドが、前記白金化合物 を結合できる近位末端基で終わっている、請求項14に記載の方法。 16.以下の形状の共重合体である、請求項15に記載の組成物: ここで、R1は、HまたはCH3であり、R2は、低級アルキル基または低級ヒドロキ シアルキル基であり、そしてR3は、前記オリゴペプチド側鎖である。 17.前記オリゴペプチドが、Gly-(W)p-Glyから選択され、ここで、pが、0 〜3であり、そしてWが、アミノ酸または任意のアミノ酸の組み合わせである、 請求項16に記載の方法。 18.前記オリゴペプチドが、Gly-Phe-Leu-GlyおよびGly-Glyからなる群から 選択される、請求項16に記載の方法。 19.前記近位末端基が、カルボキシル基、ジアミンおよびマロニルから選択 される、請求項16に記載の方法。 20.R1が、CH3であり、R2が、2-ヒドロキシプロピルであり、そしてR3が、G ly-Phe-Leu-Gly-[X]であり、ここで、[X]が、カルボキシル基、ジアミンおよび マロニルから選択される、請求項16に記載の組成物。 21.R1が、CH3であり、R2が、2-ヒドロキシプロピルであり、そしてR3が、G ly-Phe-Leu-Glyであり、そして前記近位末端基が、ジアミンである、請求項16 に記載の方法。 22.白金化合物を含有する薬学的に受容可能な溶液を被験体に非経口投与す ることにより該化合物を腫瘍の処置に使用する場合、該化合物の治療指数を高め る方法であって、該方法は、以下を包含する: 該投与前に、該白金化合物を、N-アルキルアクリルアミド第一繰り返し単位お よびオリゴペプチド側鎖を有する第二繰り返し単位から構成される共重合体で錯 化する工程であって、該オリゴペプチド側鎖は、該白金化合物と錯化できる近位 末端基で終わっている、工程。 23.白金化合物の溶解性を改良する方法であって、該方法は、該白金化合物 を、N-アルキルアクリルアミド第一繰り返し単位およびオリゴペプチド側鎖を有 する第二繰り返し単位から構成される共重合体で錯化する工程であって、該オリ ゴペプチド側鎖は、該白金化合物と錯化できる近位末端基で終わっている、工程 を包含する。 24.白金化合物の安定性を改良する方法であって、該方法は、該白金化合物 を、N-アルキルアクリルアミド第一繰り返し単位およびオリゴペプチド側鎖を有 する第二繰り返し単位から構成される共重合体で錯化する工程であって、該オリ ゴペプチド側鎖は、該白金化合物と錯化できる近位末端基で終わっている、工程 を包含する。
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