JP2001522940A - 炭素焼結合金基板をダイアモンド層で被覆するための方法 - Google Patents

炭素焼結合金基板をダイアモンド層で被覆するための方法

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Abstract

(57)【要約】 炭素焼結合金上に布設されたダイアモンド層の付着をより確実にするために、ダイアモンド層で被覆される前に、炭素焼結合金基板がまずWC選択性エッチング段階を、次にCo選択性エッチング段階を経、その後ダイアモンド粉末による毛羽立て処理が行われるよう、提案される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ダイアモンドで被覆される前に、基板がCo選択エッチング段階
およびWC選択エッチング段階を経、さらにダイアモンド粉末の摩擦によって表
面毛羽立て処理を受ける、炭素焼結合金基板をダイアモンド層で被覆するための
方法に関するものである。
【0002】 ここで「炭素焼結合金」とは、Coを結合材とするWC焼結合金の意である。
【0003】
【従来の技術】
ダイアモンド被覆された炭素焼結合金基板を用意する必要性、およびそのため
の技術の開発については、DE−OS 19 522 372のこれに関する説
明が全面的に参考になるが、この文献はこの件に関してこの明細書の一部をなす
【0004】 この発明に関しては、現行技術のうち以下の試みが重要と思われる。 EP 0 374 923により、1989年以来以下の方法が周知のものと
なった。すなわち、基板における造型加工の後、基板は1000度から1600
度の間で温度処理され、その後、選択的化学エッチング段階において基板表面か
らコバルトが除去される。続いて超音波浴内において、例えばダイアモンド粉末
のような硬い粒子によって表面が活性化される。次に、CVD法によってダイア
モンド層が析出される。
【0005】 この文献においてまとめられた結果は、ダイアモンド被覆された基板の磨耗様
態について明らかな改善を示すが、粉末による毛羽立て処理が行われた場合と、
そうでない場合については、違いが見られない。この結果の違いは、温度処理が
行われたか、あるいは行われなかったか、によるものである。
【0006】 1991年にはEP 0 519 587が、これに関する周知の試みについ
て、中でも前記EP 0 374 923による試みについて述べている。すな
わち、ダイアモンド被覆の前に基板表面が「研磨、または引っ掻かれる」という
ものであるが、この「研磨、または引っ掻き」がどのように行われるかについて
は述べられていない。しかしながら、研磨または引っ掻きが行われなければ、ダ
イアモンド層の炭素焼結合金基板への十分な付着が得られない、というのが周知
のところである、という点については詳述されている。
【0007】 この文献において提案される方法は、炭化焼結金属基板表面にまず選択的WC
エッチング段階が施され、次に、第一のエッチング段階の残りをさらにエッチン
グで除去する、第二のエッチングが行われる、というものである。その後、CV
DまたはPECVD法によって、ダイアモンドフィルムが布設される。「残余」
エッチング段階についての説明によると、第一のエッチング段階において使用さ
れた溶液の残留物、ならびにコバルト結合材の一部が、第二エッチング段階で除
去される、という。
【0008】 いずれにせよ強調されるのは、処理された基板が研磨されないという点である
【0009】 最後に、1995年にはDE−OS 19 522 372において以下の方
法が提案された。すなわち、無差別に研磨され、あるいは引っ掻かれた炭素焼結
合金基板がまず第一の化学システムにおいて選択的Coエッチング段階を経、洗
浄された後、第二の化学システムにおいて選択的WCエッチング段階を経、再度
浄化された後、ダイアモンドフィルムが布設される。ここでの発見は、上述の複
数の段階にわたるエッチング方法によって、基板表面の炭化タングステンからな
る粒が所望どおり除去可能であり、基板があらかじめ研磨ないし引っ掻かれたか
否か、の違いはひとえに、WC粒が損傷を受けているか、あるいは受けていない
かの違いである、というものである。
【0010】 さらにEP−A−500 119から周知となったのは、炭素焼結合金基板が
まずCoエッチング段階を経、次にダイアモンド粉末による毛羽立て処理を受け
、最後にダイアモンド層で被覆される、という方法である。
【0011】 1996年12月の「ダイアモンドおよび関連素材」5巻、12号、1478
〜1489頁に掲載の、F.Deuerler、他による、「剛性金属切削工具
におけるダイアモンドフィルムの付着を改善するための、基板表面の前処理」で
さらに周知となったのは、ダイアモンド粉末による毛羽立て処理、およびそれに
続くダイアモンド被覆の前に、EP−A−0 374 923におけると同様、
炭素焼結合金基板がCo選択エッチングされるか、あるいはWC選択エッチング
される、という方法である。
【0012】 最後に、1996年4月の「ダイアモンドおよび関連素材」5巻、3/05号
、292〜289頁に掲載の、E.Cappelli、他による、「様々な切削
工具材料におけるダイアモンド核形成および成長:基板前処理の影響」から周知
となったのは、F.Deuerlerの場合と同様、ダイアモンド粉末による毛
羽立て処理、およびそれに続くダイアモンド被覆の前に、WC選択エッチング段
階を経るか、あるいはこのWC選択エッチング段階に加えて、ダイアモンド粉末
による毛羽立て処理の後、さらなる選択的エッチング、すなわちCo選択エッチ
ング段階を経る、という方法である。
【0013】 したがって、DE−OS−19 522 372ならびにE.Cappell
iによって周知となった方法では、被覆前処理として、Co選択エッチング段階
ならびにWC選択エッチング段階が行われるが、DE−OS−19 522 3
72では両エッチング段階がともに、基板表面が機械的に引っ掻かれた後で行わ
れる一方、E.Cappelliによると、WC選択エッチング段階は、ダイア
モンド粉末によって引っ掻き跡がつく毛羽立ち処理の前に、Co選択エッチング
段階はその後に、それぞれ行われる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記の様々な技術を前提とするものであり、その課題は、炭素焼
結合金基板におけるダイアモンド層の付着をさらに改善するための方法を提供す
ることである。この発明によるとこの課題は、Co選択エッチング段階およびW
C選択エッチング段階が、ダイアモンド粉末による表面毛羽立て処理、および自
明のことながら、ダイアモンド被覆処理が実施される前に行われることによって
、解決する。
【0015】
【課題を解決するための手段】
すなわち、DE−OS−19 522 372に記載された化学的処理方法に
よると、炭素焼結合金基板が機械的に研磨されようが、されまいが、ダイアモン
ド層の付着に関しては差異がなく、所望の効果が得られ、またE.Cappel
liの結論も、ダイアモンド粉末による毛羽立て処理は付着の質について何ら決
定的な役割を有しない、というものであるが、この発明においては、この発明に
よって提案される順序で処理が行われると、前記毛羽立て処理段階によってダイ
アモンド層の付着が実質的に改善される、という認識が得られる。この発明によ
る、処理段階の組み合わせおよび順序によると、基板に施される機械的前処理に
関わらず、ダイアモンド被覆の強固な付着が可能となる。すなわち、処理されて
いない基板、あるいは研磨ないし磨かれた基板が、この発明による処理を経た後
ダイアモンド被覆されると、その付着品質は基本的に同じものとなり得る。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明による方法の好ましい一実施形態においては、まずWC選択エッチン
グ段階が、次にCo選択エッチング段階が行われるが、その際、Co選択エッチ
ング段階は毛羽立て処理段階と同時に行われ得る。
【0017】 上述のように、ダイアモンド粉末毛羽立て処理が、自明のことながら、ダイア
モンド被覆の前に行われる一方で、さらにこの処理が、WC選択エッチングおよ
びCo選択エッチングの後に、場合によってはこれらのエッチング段階のうち時
間的に後の方のエッチングと同時に行われることもまた、基本的にこの発明の枠
内である。したがって、この発明の方法は以下のように行われ得る。 ・Coエッチング ・WCエッチング、場合によっては同時に、 ・ダイアモンド粉末毛羽立て処理 ・ダイアモンド被覆 または、好ましくは ・WCエッチング ・Coエッチング、場合によっては同時に、 ・ダイアモンド粉末毛羽立て処理 ・ダイアモンド被覆 選択的WCエッチングおよび選択的Coエッチングにそれぞれ適した従来の化
学システムに関しては、例えばDE 19 522 372が参考となり得るが
、この文献はまたこの件に関して、この明細書の一部をなす。
【0018】 上記のエッチング段階は、上の文献に詳述されているように、基本的に液体化
学システム内において行われる。ダイアモンド粉末による毛羽立て処理はその際
、乾燥した状態で、例えばダイアモンド粉末の照射または、それとの摩擦によっ
て行われ得るが、好ましくは超音波浴内において行われ、さらに好ましくは、ダ
イアモンド被覆の直前に実施されるエッチング段階と同時に行われる。それぞれ
の化学的エッチング液体システムによる超音波衝撃、およびダイアモンド粉末の
エッチング槽への供給によって、処理が行われる。
【0019】 以下には、この発明に従って処理された、ならびに比較のためこの発明によら
ずに処理された、炭素焼結合金基板の例が示される。これらの基板について行わ
れた磨耗様態の実験結果については、図面に示され、かつ論及される。
【0020】 A)実験の基礎となる炭素焼結合金 3% タイプ(Co含有量3.5%): 硬質合金―転回切削プレート Sandvik Hφ5 形状: SPGN 120308 6% タイプ: 硬質合金―転回切削プレート Sandvik H13A 形状: SPGN 120308 B)処理 B.1)前記全ての基板は以下のように、以下の順序で処理された。 ・WCエッチング段階 ・Coエッチング段階 ・毛羽立て処理段階 比較実験として使用された、毛羽立て処理を施されない転回切削プレートについ
ては、毛羽立て処理段階のみが省略された。
【0021】 B.2)ダイアモンド被覆 ダイアモンド粉末による毛羽立て処理が施された、この発明による転回切削プ
レート、ないし同様に処理されたが、この発明による毛羽立て処理は施されなか
った転回切削プレートは、以下のようにテストされた。 ・平面フライス ・フライスされた材料: AlSi20 送り: 一回転ないし歯につき、0.1mm (フライスヘッドの歯は一つのみ) 切削深度: 0.5mm 切削速度: 1200、1500ないし2000m/分 乾式加工 C)結果 分単位のフライス時間の関数で、自由表面の磨耗、すなわち連続的なダイアモ
ンド層の磨耗によって十分に研磨された炭素焼結合金表面の最大面積が測定され
、記入された。剥げ落ちなければ、磨耗箇所の幅が250μmに達するまでテス
トが行われる。ダイアモンド層が剥げ落ちると、露出した硬質合金領域が測定さ
れる(磨耗曲線の屈曲は上に向けて険しくなる)。
【0022】 図1に破線で示されたのは、この発明に従ってダイアモンド粉末による毛羽立
て処理が施された3%タイプの転回切削プレート、ならびにこの発明による毛羽
立て処理が施されなかった、3%タイプの転回切削プレートが、それぞれ120
0m/分の切削速度で測定された場合の、「フライス時間の関数で示された自由
表面の磨耗」状態であり、上記プレートは全て20μm厚のダイアモンド層で被
覆されていた。
【0023】 毛羽立て処理が施されなかった3%タイプの転回切削プレートの層が剥げ落ち
る頻度は、所定のフライス条件下では、毛羽立て処理が行われたものにおけるよ
り、明らかに高いことがわかる。
【0024】 図2に示されたのは、この発明に従って毛羽立て処理された、6%タイプの二
つの転回切削プレート(破線で図示)、ならびにこの発明の毛羽立て処理が施さ
れなかった6%タイプの三つの転回切削プレートについての、図1と同様の実験
結果である。ここでも切削速度は1200m/分であり、ダイアモンド層の層厚
は20μmである。
【0025】 ここで明らかとなるのは、剥げ落ちるまでの耐用時間は、毛羽立て処理された
基板の方が長い、ということである。
【0026】 図3に示されたのは、毛羽立て処理された3%タイプの転回切削プレート、な
らびに上記のように、WCおよびコバルトエッチングされ、毛羽立て処理の代わ
りに超音波洗浄のみ行われた3%タイプの転回切削プレートの、さらには、毛羽
立て処理されず、かつ超音波洗浄されなかった3%タイプの転回切削プレートの
、磨耗箇所の幅が250μmに達するまでのフライス時間である。切削速度は、
1500m/分であり、ダイアモンド層の厚さはここでも20μmであった。こ
の発明に従って処理された基板の、層付着が改善されていることは明らかである
。毛羽立て処理が施されたこの発明の基板が、炭素焼結合金基板表面の大きな領
域が露出するまで、極めて広範囲にわたり連続的な磨耗様態を示したのに対し、
毛羽立て処理も行われず、かつ超音波洗浄も行われなかった基板においては特に
、層の剥げ落ちが早期に発生した。これは、図4aから図4dに示された、この
発明による毛羽立て処理が施された転回切削プレートにおける、拡大倍率20(
図4a、4c、4e)ないし80(図4b、4d、4f)の光学顕微鏡による検
査で確認される。この発明による毛羽立て処理が施された転回切削プレートが完
璧に研磨された層を示しているのに対し、毛羽立て処理が行われなかった、4e
および4fのプレートではダイアモンド層が基板材料から明らかに剥げ落ちてい
る。
【0027】 図5は、一方はこの発明にしたがって前処理され、他方はダイアモンド粉末に
よる毛羽立て処理が省略される以外は、同じ条件下で前処理され、続いてともに
30μm層厚のダイアモンド層で被覆された、Sandvik Hφ5転回切削
プレートをそれぞれ比較するものである。切削速度は2000m/分であった。
【0028】 毛羽立て処理が行われなかった三つの転回切削プレートでは、短い切削時間の
後既に層が剥げ落ちている。同じことが、より小規模ではあるにしても、曲線―
Δ―で示された、エッチング処理はされたが、毛羽立て処理はなされず、超音波
処理された上述の転回切削プレートにあてはまる。しかしながら明らかなのは、
この発明の毛羽立て処理されたプレートにおける磨耗状態が、太い曲線で示され
たように、実質的に改善している、という点である。短いフライス時間の後既に
大きな表面が剥げ落ちているのがわかるその他の基板とは対照的に、この発明に
従って前処理された転回切削プレートの層は全く剥げ落ちていない(磨耗箇所の
幅が連続的に拡大している)。
【0029】 最後に図6には、図5に示されたように切削速度が2000m/分、ダイアモ
ンド層の厚さが30μmの場合の、この発明によるダイアモンド粉末毛羽立て処
理が施された転回切削プレートにおける磨耗箇所の幅、ならびに露出した炭素焼
結合金材料の大きさが、フライス時間の関数で示される。
【0030】 図7は、この発明にしたがって処理され、30μmのダイアモンド層で被覆さ
れた3%タイプの転回切削プレートにおける自由表面の磨耗状態がフライス時間
の関数で示され、商業上一般的な多結晶ダイアモンド(PKD:PolyKri
stallin−Diamant)被覆プレートのそれと対比される。ここから
、この発明によってPKDプレートに類似した磨耗様態が得られる、ということ
がわかる。
【0031】 この発明に従って被覆された転回切削プレートの磨耗上昇率が15分の切削時
間経過後、より険しくなるのは、層が剥げ落ちるからではなく、PKD基板に比
して層厚がはるかに薄いからである。
【0032】 これらの結果より、この発明にしたがって被覆された転回切削プレートの磨耗
様態は、テスト条件(切削速度)および、周知のように、基板材料のCo含有量
に依存しつつも、毛羽立て処理が行われない以外は同様に処理された、したがっ
て特に原則としてDE 19 522 372ないしEP 0 519 587
におけるように処理されたプレートよりも、実質的に改善されていることがわか
る。
【0033】 既に述べられたように、選択的WCエッチングないし選択的Coエッチングの
ための化学システムについては、例えば始めに述べられた文献より既に知られて
おり、先の実施例で利用されたシステムは、その他の前記周知のシステムによっ
て容易に代替可能である。同様に、ダイアモンド被覆についても多くの方法が知
られている。この発明は、特定の化学システムを用いた前記エッチング段階の実
施に限定されるものでもなければ、また特定のダイアモンド被覆技術の使用に限
定されるものでもない。
【0034】 好ましくは超音波浴での毛羽立て処理段階と、被覆プロセスとの間に、被覆さ
るべき基板が液体(Dl水、アルコール等)内で超音波処理を受け、表面にただ
緩やかに付着するダイアモンド粒子が除去されるプロセス段階が設けられると、
CVDによって析出されたダイアモンド層の付着強度はさらに改善される。必要
とあれば、その後の流れおよび乾燥がよりうまくゆくように、液体にわずかな量
の湿潤剤がさらにまた添加され得る。この処理段階の後も、その前のエッチング
によって生じた穴、ないし凸凹にうまく定着したダイアモンド粒子は依然として
表面上に留まり、これによってダイアモンド層の付着はさらに一層改善され得る
。これは、WCエッチング―Coエッチング―毛羽立て処理―超音波処理―被覆
、という経過をとる方法にこの処理が組み合わされた場合、特に有利に働く。
【0035】 この発明の方法は特に工具の製造に適しており、特にフライス加工、穴あけ加
工、転回切削プレートのような切削加工工具、または軸受け金や回転軸等の機械
部品の製造に適している。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイアモンド層で被覆される前に、基板がWC選択エッチン
    グ段階とCo選択エッチング段階を経、さらにダイアモンド粉末との接触による
    毛羽立て処理が施され、その後、基板の所望の部分にダイアモンド層が布設され
    る、炭素焼結合金基板をダイアモンド層で被覆するための方法であって、 両選択エッチング段階が毛羽立て処理段階の前に行われるか、あるいはそのうち
    の少なくとも一つが毛羽立て処理と同時に行われることを特徴とする、方法。
  2. 【請求項2】 諸段階が以下の順序、すなわち、 (a) ― 選択的Coエッチング ― 選択的WCエッチング ― ダイアモンド粉末毛羽立て処理 ― ダイアモンド被覆 または、かつ好ましくは、 (b) ― 選択的WCエッチング ― 選択的Coエッチング ― ダイアモンド粉末毛羽立て処理 ― ダイアモンド被覆 のいずれかの順序どおりに行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 ダイアモンド粉末毛羽立て処理が超音波浴で行われることを
    特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 超音波浴の液状媒体が同時に、前記選択的エッチング段階の
    いずれかのための、好ましくは選択的Coエッチング段階のための、化学システ
    ムであることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 毛羽立て処理および被覆処理の前に、好ましくは超音波浴内
    で、基板が液体洗浄されることを特徴とし、好ましくは前記液体が湿潤剤を含む
    、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 特にフライス加工、穴あけ加工、転回切削プレートのような
    切削加工工具等の工具、または軸受け金や回転軸等の機械部品を製造するための
    、請求項1から5のいずれかに記載の方法の利用。
JP2000519625A 1997-11-07 1998-11-05 炭素焼結合金基板をダイアモンド層で被覆するための方法 Withdrawn JP2001522940A (ja)

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