JP2001522270A - 腹腔鏡用シーラントアプリケータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 単数又は複数の液体を手術部位へ選択された方向に塗布するための腹腔鏡用アプリケータ装置（１０）が開示される。本装置（１０）は、一方の端部に液体出口（１６、１８、２０）を有する柄部（１２）と、入口（１６、１８、２０）と接続している単数又は複数の管（２１）内に柄部（１２）を貫通してノズル（２２）まで延びている個別の流路と、ノズル端部の二部分射出シャフト（１４）とを備え、二部分射出シャフト（１４）は同部分重射出シャフト（１４）及びノズル（２２）を外科トロカールの中に挿入するのに適するように構成されている。二部分射出シャフト（１４）は、柄部（１２）と直接的に隣接する剛性部分とノズルチップの近傍の可撓性部分とからなる。好適には、柄部（１２）内に可撓性シャフト（１４）／ノズル（２２）組立体の関節式動作を制御するための手段が設けられ、それによって液体を所望される方向に塗布することをなす。本発明は例えばフィブリンシーラントといった外科用シーラントの塗布に特に有効となる。かかる成分を塗布する方法もまた本発明の一部分である。

Description

【発明の詳細な説明】 腹腔鏡用シーラントアプリケータ 発明の分野 本発明は、シーラント供給源と流体連通している複数内孔チュービングが柄部 を越えて適宜の距離だけ延びており、関節接合されていて所望される方向へ所望 される部位まで腹腔鏡を介して挿入されることが可能となっている腹腔鏡用シー ラントアプリケータに関する。 国際特許出願番号ＰＣＴ／ＵＳ９６／１９５０５号、発明の名称「二つの液体 成分の混合物を塗布するための方法並びにこの方法を実施するための装置」、１ ９９６年１２月６出願、の明細書には、例えばフィブリンシーラントといった外 科用シーラントを塗布するためのアプリケータ装置が開示されている。このアプ リケータ装置は比較的細い複数内孔チュービングを含んでなり、この複数内孔チ ュービングは一方の端部で各シーラント成分の供給源と流体連通しており、他方 の端部で噴霧チップ（先端噴霧部分）を形成している又はそれに接続されている 。好適な実施形態においては、複数内孔チュービングは柄部を貫通して噴霧チッ プ側の端部又はその近傍まで延びている。この柄部は、シーラントを塗布するべ く外科医によって把持される器具の一部分であり、シーラント成分供給源からの 噴霧を行うための作動手段を含んでもよい。 シーラントは腹腔鏡術においても有用なものとなるであろう。 図面の簡単な説明 図１は本発明の腹腔鏡用アプリケータ装置の部分側断面図を示す 。 図２ａ及び図２ｂはシャフトに組み込まれた楔形部材が関節式動作をなしてい ない配置と完全に関節式動作をなしている配置とを示している。 発明の開示 本発明によれば、単数又は複数の液体を手術部位へ選択した方向に塗布するた め腹腔鏡用アプリケータ装置が開示される。本装置は一方の端部に液体入口を備 えた柄部と、前記液体入口と接続していると共に前記柄部を貫通してノズルまで 延びている単数又は複数の管の内部の個別の流路とを備え、シャフト及びノズル を外科トロカールの中に挿入するための二部分挿入シャフトをノズル端部にさら に備える。二部分挿入シャフトは、柄部に直接的に隣接する剛性部分とノズルチ ップの近傍にある可撓性部分とを備える。好適には、柄部の内部に、可撓性のシ ャフト／ノズル組立体を制御して関節式動作させるための手段が設けられ、それ によって所望の方向に液体を塗布せしめる。本発明は、例えばフィブリンシーラ ントといった外科用シーラントを塗布するに当たって特に有用である。係る成分 を塗布する方法もまた本発明の一部分である。 発明を実施するための最良の形態 本発明は、単数又は複数の液体成分を手術部位へ腹腔鏡術で塗布するために有 用な装置を提供する。好適には、各液体成分は例えはフィブリンシーラントとい った外科用シーラントを形成するものであり、本発明はさらにこのフィブリンシ ーラントに関して開示される。本装置は、分配チップ又は噴霧ノズルを備えた挿 入シャフトの可撓性部分を制御して関節式動作させることによってフィブリンシ ーラントを選択した方向に塗布することを容易にする。 図１は、柄部１２と外科トロカールの中に挿入可能となるよう適合させた挿入 シャフト１４とを備える本発明の装置１０を示している。柄部１２の第一端部に は、単数又は複数の液体成分又はシーラント成分、さらに噴霧塗布がなされるこ とが所望される場合の選択自由なものとしてガス成分のための入口１６、１８、 ２０がある。任意の数の入口が設けられ得る。入口１６、１８、２０は液体／ガ ス成分を受容するように構成されており、各成分の供給源（不図示）は、これら 入口に直接的に隣接していてもよく、また、これら入口から離隔しているが供給 チュービングを介して入口と流体連通しているようにされていてもよい。チュー ビング手段２１は入口から柄部１２及び挿入シャフト１４を通ってノズルすなわ ちアプリケータチップ２２まで延びている。こうして各液体／ガス成分が各供給 源からノズル２２まで供給され、さらにそこから外部へと供給される。このノズ ル２２は好適には別個の手段によって駆動させられて液体及びガスの実際の流れ を制御する。好適には、挿入シャフト１４は内視鏡及び腹腔鏡での使用に適した クラッディング（不図示）で覆われている。図１は、さらに、挿入シャフト１４ が、柄部１２の第二端部と一体をなす剛性シャフト２４と、同剛性シャフト２４ と一体をなす可撓性シャフト２６とを含んでなり、且つ、好適にはチュービング 手段２１及びノズル２２と共に途切れなく同じ長さにわたって延びる二部分組立 体となっていることを示している。可撓性シャフト２６は連続する蝶番関節２８ を備えており、それらが可撓性シャフト２６を一つの方向に屈曲させること及び それを元の位置にまっすぐにすることを可能とさせるように相互に接続されてい る。好適には、蝶番関節２８は楔形部材であり、これら楔形部材が頂部において 旋回式に相互にロックされて、チュービング手段にお ける可撓性シャフト２６の内部に含まれた部分の片側又は両側に沿って側部に配 設されている。本装置は、蝶番関節２８を関節式に作動させ可撓性シャフトを屈 曲した姿勢及びまっすぐな姿勢を経て関節式動作をさせるための手段をさらに備 え、この手段は好適には制御ワイヤ又は押し／引きワイヤ３０を含んでいる。こ の制御ワイヤ又は押し／引きワイヤ３０はその第一端部にてチュービンク手段２ １のノズル２２に又はそこにおいて接続され、柄部２２内のノズル２２の関節式 動作を制御するための制御手段３２までチュービング手段２１の中を通って又は 同チュービング手段２１に沿って延びている。ワイヤ３０がチュービング手段２ １を通って延びるのであれば、ワイヤ３０及びチュービング手段はマニホールド ３１にて交差する。この部分は、ワイヤ３０がチュービング手段２１から外へ出 て制御手段３２と係合する連結部となる。したがって、チュービング手段は、ワ イヤを含有しない部分２１ａとワイヤを含有する部分２１ｂとを含むことになる が、これらの部分はマニホールド３１を介して互いに流体連通している。選択自 由であるが、制御手段は手動による遠隔操作又はフットペダル操作される方式と されることができる。制御手段３２は好適にはラックピニオン組立体を含み、こ のラックピニオン組立体は回転可能なピニオンすなわちノブ３６と係合したラッ ク３４（すなわち歯を含有した要素）を含んでなり、ノブ３６の回転によりワイ ヤ３０を延出又は後退させてこれにより可撓性シャフト２６を関節式動作させた り又はまっすぐにさせたりするようにする。この関節式動作が図２ａ及び図２ｂ に示されている。図２ａは、制御ノブ（不図示）によってワイヤ３０が後退させ られる又は引っ込められるときの蝶番関節又は楔形部材２８の相対位置を示して いる。図２ｂは、制御ノブによってワイヤ（不図示）が延出されて楔形部材及び チュービング（不図示）が自身の上に折 り返されることを可能とされたときの蝶番関節又は楔形部材２８の相対位置を示 している。延出／後退の程度により関節式動作の程度を指示する。 図３は本発明の装置のノズル２２の端面図を示す。ノズル２２はチュービング 手段の個別の流路を介した流体連通によって入口１６、１８、２０と対応した各 出口３８を備える。液体のための出口３８及び選択自由なものである噴霧用ガス のための出口３８が端部楔形部材２８内に配置されているのが示されており、こ の楔形部材２８は好適には配置された出口３８の両側に位置する楔形部材２８ａ 及び２８ｂを備え、さらに架橋部分２８ｃを備える。好適には、個別の管が用い られ得るが、各出口３８及びワイヤ３０の取付端部４０は単一の好適なチュービ ング手段２１ｂ内に組み込まれる。見て分かるように、好適なチュービング手段 ２１は、ノズル２２の出口３８で終端している一体に設けられた各流路を内部に 有するチュービング手段からなる。管は、例えばプラスチック材料といったかか る医療目的に適した任意の可撓性材料のものとすることができる。ノズル２２は 別個の構成要素としてもよく、まさに管２１ｂの開放端部としてもよい。クラッ ディング４２は図示されるようにノズル／チュービング組立体全体の周囲に配置 されることができ、好適には挿入シャフト１４の長さ部分、すなわち剛性シャフ ト２４及び可撓性シャフト２６にわたって延びている。クラッディングは内視鏡 装置及び腹腔鏡装置で利用される任意の適宜な材料のものとすることができる。 好適には、本装置は単一の患者に対して使用される使い捨ての装置である。可 撓性シャフト及び剛性シャフト（典型的には、全体で長さ約１２ｃｍ）は、トロ カールの中へ通されてその中を通過する装置の一部分となることが意図される部 分である。剛性シャフト又 は可撓性シャフトの任意の部分の最大断面積の大きさは、装置が商業的に入手可 能なトロカールと共に使用され得るべく選択されるように意図される。 任意の液体成分が使用され得るが、本発明は例えばフィブリンシーラントとい った外科用シーラントの塗布に特によく適している。好適なシーラントがエドワ ードソン（Ｅｄｗａｒｄｓｏｎ）らによって開示されている。欧州特許第５９２ ２４２号公報では、ｐｈ１０のアセテート緩衝液と共に塗布される低ｐｈである ｐｈ４のフィブリンモノマー成分が用いられている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．腹腔鏡術において単数又は複数の液体成分を手術部位へ指向性をもって供 給するためのアプリケータ装置であって、 前記単数又は複数の液体成分の供給源と流体連通するための入口を第一端部に 有する柄部と、 前記第一端部から前記柄部を貫通して前記柄部の第二端部まで延びるチュービ ング手段の中に組み込まれている、前記入口の各々に対応した前記液体成分の各 々のための個別の流路であって、前記第二端部にて前記単数又は複数の液体成分 を前記手術部位へ分配するためのノズルを形成する又は該ノズルと一体となって いる流路と、 前記柄部と共に一体をなす剛性シャフトと、前記ノズル及び前記チュービング 手段と共に同じ長さにわたって延び且つ該ノズルで終端している、前記剛性シャ フトと共に一体をなす可撓性シャフトと、前記可撓性シャフトの動作を制御し、 それによって前記ノズルの動作を制御する関節式動作のための手段であって、前 記単数又は複数の液体を手術部位へ所望される方向に分配するべく前記柄部内に 設けられた関節式動作のための手段とを含んでなり、トロカールへ挿入可能とな るようにされた、前記柄部の前記第二端部の二部分挿入シャフトと、 を備えるアプリケータ装置。 ２．前記関節式動作のための手段は、 （ａ）前記可撓性シャフト内の前記チュービング手段及び前記ノズルの長さに 沿って側部に配置されると共に相互に接続された連続した蝶番関節手段と、 （ｂ）前記チュービング手段の前記ノズルに接続され該ノズルから前記チュー ビング手段を通って又は前記チュービング手段に沿っ て前記柄部まで延びている押し／引きワイヤと、 （ｃ）前記押し／引きワイヤの第二部分に接続された前記柄部内の制御手段で あって、前記制御手段の作動により前記可撓性シャフトにおいて所望される程度 の関節式動作をなさしめ前記単数又は複数の液体を所望される方向に塗布するよ うにした制御手段と、 を含んでなる請求項１に記載の腹腔鏡用アプリケータ装置。 ３．前記蝶番関節手段は前記可撓性シャフトを構成する前記チュービング手段 の長さに沿って配設された剛性材料からなる楔形部材を含んでなる、請求項２に 記載の腹腔鏡用アプリケータ。 ４．前記制御手段は、前記押し／引きワイヤの前記第二端部と一体をなすラッ クピニオン組立体と、制御ノブ又は作動装置とを含んでなる、請求項２に記載の 腹腔鏡用アプリケータ。 ５．前記単数又は複数の液体の供給源は前記入口に直接的に隣接して設けられ る、もしくは、供給チュービングを介して前記入口と流体連通させて前記入口か ら離隔して設けられることができる、請求項１に記載の腹腔鏡用アプリケータ。 ６．前記単数又は複数の液体は外科用シーラントを形成する成分である、請求 項１に記載の腹腔鏡用アプリケータ。 ７．前記シーラントはフィブリンシーラントである、請求項６に記載の腹腔鏡 用アプリケータ。 ８．前記成分は、フィブリノーゲン成分と、フィブリノーゲンのフィブリノペ プチドＡ及びＢの両方又は一方を触媒作用により開裂させることが可能な成分と を含んでなる、請求項７に記載の腹腔鏡用アプリケータ。 ９．前記成分は、フィブリン成分と、前記フィブリンモノマーを重合させるこ とが可能な成分とを含んでなる、請求項７に記載の腹腔鏡用アプリケータ。 １０．前記シーラントを噴霧するためのガスをさらに混和させる、請求項６に 記載の腹腔鏡用アプリケータ。