JP2001521480A - 湾曲した安全合わせガラス板を製作する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、第１の湾曲せしめられたガラス板（１）と、第１の合わせ層（２）と、薄層系（３）を備えた、特に２軸張り出し変形せしめられた熱可塑性の支持フォイル（４）と、第２の合わせ層（５）と、第１のガラス板に合わせて湾曲せしめられた第２のガラス板（１０）とから成る湾曲した安全合わせガラス板を製作する方法に関する。支持フォイルにひだが形成されるのを避けるために、本発明による方法は次の方法段階を有している：（ａ）第１の合わせ層（２）と支持フォイル（４）とから成るフォイル前積層体の合わせ層側を第１のガラス板（１）上にのせる。（ｂ）第１のガラス板（１）に合わせて湾曲せしめられた曲げこわさのあるカバー板（１０）をフォイル前積層体の上にのせる。（ｃ）第１のガラス板（１）とフォイル前積層体とから形成されていてその上にカバー板がのせられているガラスとフォイルのセットを排気し、かつ圧力と熱を作用させて前結合する。（ｄ）カバー板（１０）を取り外す。（ｅ）第２の合わせ層（５）及び第２のガラス板（１０）を前結合したガラスとフォイルのセット上にのせる。（ｆ）このようにして形成した積層体を排気し、かつ圧力及び熱を作用させて前結合する。(ｇ)この前結合した積層体を圧力及び熱を作用させて最終結合して、安全合わせガラス板にする。

Description

【発明の詳細な説明】 湾曲した安全合わせガラス板を製作する方法 本発明は、第１の湾曲せしめられたガラス板と、第１の合わせ層と、薄層系を 有する熱可塑性の支持フォイルと、第２の合わせ層と、第１のガラス板に合わせ て湾曲せしめられた第２のガラス板とから、湾曲した安全合わせガラス板を製作 する方法に関する。 このような構造の安全合わせガラス板は、特に自動車用の、対太陽保護ガラス として、ますます使用されてきている。この目的のために、支持フォイル上の薄 層系は、通常は、誘電層内に埋め込まれている３層までの、有利には銀をベース とする貴金属層から成っている(US 47 99 745 A1)。薄層系のための支持体とし て熱可塑性のフォイルを使用することによって、支持フォイルは、結合のために 必要な熱処理の際に、ガラス板の湾曲に適合することができる。支持フォイルの 適合変形は、２軸張り出し変形せしめられた熱可塑性の支持フォイルを使用する と、一層容易に行われる。適当な支持フォイルの選択は例えばEP 0 077 672 B2 及びEP 0 457 209 A2によって行うことができる。湾曲した安全合わせガラス板 を製作するのに特に適した２軸張り出し変形せしめられた支持フォイルは、古い ＰＣＴ出願であるEP 96-04018(WO 97/10099, Flachglas Automotive GmbH)に記載されている。両方の合わせ層は支持フォイル をガラス板と粘着結合させ、積層体を安全合わせガラス板にする。 前述の構造の安全合わせガラス板を製作するために、第１の合わせ層と、薄層 系を備えた支持フォイルと、第２の合わせ層とから前積層体を形成し、その場合 フォイルを互いにプレスし、排気し、熱を作用させて前結合することは、既に提 案されている(EP 0 535 128 B1)。このようにして形成されたフォイルの前積層 体は、両方のガラス板の間に挟まれ、次いでガラス板とフォイルの前積層体とか ら成る積層体は排気プロセスと前結合プロセスとを受ける。最後にこの積層体は 温度を高めかつ大きな圧力のもとで安全合わせガラス板に最終結合される。この 形式の方法はガラス板の湾曲の程度がわずかである場合には申し分なく行われる 。しかしながら、湾曲の程度が大きく、特に複数の軸線に沿って湾曲している場 合には、実地においてしばしば、なかんずく縁の範囲において、「縁しわ」とも 呼ばれるひだが支持フォイルに形成される。この問題に対処するために、少なく とも１つの合わせ層と支持フォイルとから成る前積層体を特別な装置で前成形す るような種々の手段が既に提案されている(WO 94/04357)。このような方法は高 価であり、ガラス板のそれぞれのタイプについてそれぞれ成形型を別個に製作す ることを必要とする。更に、公知の方法では、ガラス 板の目標形状からの公差に基づく偏差が、ガラス板とフォイルの前成形体との結 合の際に、完成した安全合わせガラス板を検査する光学装置によって認識される 適合誤差を生ぜしめることがある。 したがって本発明の課題は、前述の構造の安全合わせガラス板のための改善さ れた製作法を提示し、制作中に支持フォイルにひだが生じることを充分に回避し 、少なくともガラス板の視野範囲内ではひだが形成されないように、特に複数の 軸線に沿って湾曲せしめられた安全合わせガラス板を製作し得るようにすること である。最終的に結合された安全合わせガラス板は、薄層系を備えた支持フォイ ルの欲せざる変形によって生ぜしめられる光学的な傷を、なかんずく反射せしめ られた光において、また透過した光においても、ほとんど有していないようにす る。 この課題を解決するために、本発明は請求項１の方法段階（ａ）〜（ｇ）によ って特徴付けられた方法を提案する。 本発明は次の驚くべき認識に基づくものである。すなわち、まず、第１の湾曲 せしめられたガラス板と、第１の合わせ層と、支持フォイルとから成る前結合さ れた前積層体を、支持フォイル上に置かれた相応して湾曲せしめられた曲げこわ さを有するカバー板によって製作してから、第２の合わせ層及び第２のガラス板 を前積層体と結合し、次いで積層体全体を最終的に結 合する多段階の前結合プロセス及び最終結合プロセスによって、支持フォイルの 有害なひだの形成を確実に回避することができるという認識である。本発明は、 横方向の湾曲量が１０mm以上である複数の軸線に沿って湾曲せしめられた自動車 の安全合わせガラス板の製作に特に適している。この場合横方向の湾曲量とは、 標準的に、フロントガラス又はリアガラスの対称軸線である横方向の中心軸線に 関する湾曲量を指す。 場合によっては、現場において一方のガラス板又は支持フォイル上に液状の状 態の合わせ材料、例えば鋳造プラスチック又は適当な溶剤に溶解せしめられた液 状の合わせ材料を設けて合わせ層を形成することはできる。しかしながら、本発 明においては合わせ層としては、有利には表面を粗面にされた、普通の厚さ換言 すれば通常は０.３８又は０.７６mmの厚さの、安全合わせガラス板のために当業 者に周知の材料から成る合わせ層が使用される。 支持フォイルとしては、有利には、ＰＣＴ出願EP 96-04018(WO 97/10099)によ るものが使用される。しかしながら本発明はこの支持フォイルに限定されるもの ではない。本発明との関連で支持フォイルのための材料及び厚さを選択する重要 な基準は、合わせ層及び使用される前結合プロセス及び最終結合プロセスとの支 持フォイルの適合性並びに、安全合わせガラス板の製作の際に支持フォイルがひ だのない適合をし得る ような適当な熱収縮性が存在していることである。この場合原理的には２軸張り 出し変形せしめられた支持フォイルが有利ではある。しかしながら本発明におい ては、ガラス板のその都度の湾曲に応じて、張り出し変形せしめられていないか 、あるいはわずかにしか張り出し変形せしめられていない支持フォイルを使用す ることもできる。このような支持フォイルは、特に方法段階（ｃ）が比較的に高 い温度で行われる場合に、使用することができる。支持フォイルはその都度の使 用目的に充分な透光性を有し、薄層系のための支持体として適しており、かつ両 面において合わせ層に対する良好な付着性を有していなければならない。 有利には、本発明において使用されるフォイルの前積層体においては、支持フ ォイルの薄層系が第１の合わせ層に接している。この形式で薄層系は製作の際、 特に方法段階（ｂ）及び（ｅ）において、損傷を防止されている。フォイルの前 積層体を製作するためには、例えば支持フォイルが貯蔵ローラから引き出され、 圧力及び熱を作用せしめられて、かつ同時にあるいはその前に排気されて、合わ せフォイルによって形成される第１の合わせ層と前結合される。 曲げこわさを有するカバー板のためには、原理的には、フォイル前積層体の支 持フォイルに適合しかつ作用せしめられる温度において形状が安定しており、し かも支持フォイルと接着しない任意の材料を使用する ことができる。もちろん、支持フォイルに接しているカバー板の表面は可及的に 滑らかでなければならない。有利にはカバー板はガラスあるいはガラスに類似し た材料から成っている。この形式で、方法段階（ｃ）の熱処理の際には、フォイ ルの前積層体の上方及び下方においてほぼ同じ熱的条件を生ぜしめることができ る。原理的には、同一のガラス板を何回もカバー板として使用することが可能で ある。しかしながら、製作される安全合わせガラス板の第２のガラス板を方法段 階（ｃ）〜（ｄ）のためのカバー板として使用すると、特に有利である。特に、 湾曲した安全合わせガラス板を製作する場合に普通であるように、両方のガラス 板を共通に湾曲させる場合、カバー板及び第１のガラス板の湾曲が互いに合致せ しめられ、したがってカバー板は方法段階（ｃ）においてフォイル前積層体の支 持フォイルに全面的に密接せしめられ、ひだの形成が確実に阻止される。 特に、方法段階（ｃ）を比較的に高い温度で行う場合、カバー板をフォイル前 積層体上に接触させる前に、付着力を減少させる分離層をカバー板に設けるのが よい。このようにする代わりに、分離層をフォイルの前積層体の支持フォイル上 に配置し、有利にはフォイルの前積層体と一緒に第１のガラス板上に位置せしめ ることができる。いずれにせよ、支持フォイルがカバー板に点状に強く付着し、 方法段階（ｃ）又は（ｄ） において粒子が支持フォイルからもぎ取られ、完成した安全合わせガラス板にお いて光学的な傷になることを回避しなければならない。この場合、分離層として 薄い分離フォイルを使用し、この分離フォイルが方法段階（ｃ）の条件の下で支 持フォイルに付着しないようにすると、特に有利であると分かった。分離フォイ ルとしては、本発明によりＰＥＴから成る支持フォイルが有利に使用される場合 に、例えばポリエチレン（ＰＥ）あるいは被覆されていないＰＥＴ並びに酢酸塩 が適していることが判明した。これらの材料は充分な作用を有していて、安価で あり、したがってその使用により経費を著しく増大させることはない。更にフォ イルを分離層として使用することは、粉末状又は液状の分離層に比して、方法段 階（ｃ）の前の取り付け及び方法段階（ｃ）の後の取り除きの際の操作が比較的 に簡単であるという利点を有している。もちろん、分離層（分離フォイル）は、 方法段階（ｃ）において支持フォイルが不規則に変形せしめられないようにする ためには、面全体にわたって一様な厚さを有していなければならない。 第１及び第２の合わせ層は有利にはポリビニルブチラール（ＰＶＢ）あるいは エチレンビニルアセテート−コポリマー（ＥＶＡ）から成っている。特にこの合 わせ材料のためには、方法段階（ｃ）が最大２.５バールの圧力及び少なくとも ほぼ１０°、有利には少な くとも５０°だけ、最大で方法段階（ｇ）の最終結合の際の温度よりも低い温度 で行われると、有利である。適当な材料を選択することによって、フォイルの前 積層体の支持フォイルがカバー板に沿って良好に滑ることができ、カバー板の取 り外しの際にカバー板に点状に接着していないことが保証されていれば、方法段 階（ｃ）における温度は有利には方法段階（ｇ）の最終結合の温度の直ぐ下に調 整せしめられ、したがって支持フォイルは塑性変形して、第１のガラス板及びカ バー板の湾曲に永続的に適合することができる。このようにして生ぜしめられた 支持フォイルの適合変形は、フォイルの前積層体が第１のガラス板と前結合され る第１の前結合プロセスによって固定されるので、残りの方法段階におけるひだ の形成が最小限に減少せしめられる。 驚くべきことには、本発明による製作法によって、いわゆる「みかん膚」効果 も従来の方法に比べて著しく減少させることができる。なかんずく反射において 見られるみかん膚効果は、排気のために必要な合わせフォイル表面の隆起によっ て生ぜしめられ、この隆起は結合プロセスの際に薄層系を備えた支持フォイルの 不規則な凹凸として現れる。この不都合な効果はおそらくは、被覆された支持フ ォイルが方法段階（ｃ）において曲げこわさを有するカバー板の滑らかな変形せ しめられない表面に押し付けられ、接している第１の 合わせ層の粗い排気表面が支持フォイルに強く移されないことによって、著しく 減少せしめられるのであり、したがって本発明により製作された安全合わせガラ ス板は従来達成することができなかった良好な反射性質を有している。 本発明によればいずれにせよ、２軸張り出し変形せしめられた支持フォイルが 使用される場合、方法段階（ｃ）及び（ｆ）の前結合熱処理の温度は方法段階（ ｇ）による最終結合の最大温度よりも下であり、それもそれぞれ少なくともほぼ １０°だけ低い。これによって、支持フォイルは両方の前結合熱処理の後でもな お残っている熱収縮能力を有しており、これによって場合により最終結合の前に 存在している支持フォイルの軽い変形を最終結合の際に除去することができる。 有利には方法段階（ｃ）及び（ｆ）は次のように行われる。すなわち、２軸張り 出し変形せしめられている支持フォイルの残りの熱収縮能力がまだ、２軸張り出 し変形及び熱固定によって生ぜしめられたもとの値の少なくともほぼ１０％、有 利には少なくともほぼ２０％であるようにする。 ２軸張り出し変形せしめられたＰＥＴ支持フォイルがガラス板によって形成さ れているカバー板に付着することは、方法段階（ｃ）における温度が、普通はほ ぼ１２５℃である最終結合温度よりも少なくともほぼ５０°だけ低く、ほぼ７５ ℃にとどまるようにすると 、分離層なしでも、つまり安価に、回避することができる。この場合、支持フォ イルの変形は方法段階（ｃ）においてはまだかなりの弾性変形分を有していて、 支持フォイルの最終的な塑性変形は方法段階（ｆ）において初めて、あるいは最 終結合（方法段階（ｇ））で行われ、このことは場合によってはわずかなひだの 形成あるいはわずかに強められたみかん膚効果を生ぜしめることがある。自動車 における普通の寸法を有する安全合わせガラス板は普通は方法段階（ｃ）におけ る温度を低くし、したがって付加的な分離層を使用しないでも、ひだなしに製作 し得ることが分かった。これに対し、１４mmよりも大きな横方向湾曲量を有する 安全合わせガラス板は有利にはより高い温度でかつ分離層を使用して方法段階（ ｃ）を行う。 方法段階（ｆ）は熱処理炉内で、あるいはオートクレーブ内で、有利には最大 ２.５バールの圧力及び方法段階（ｇ）による最終結合の際の温度よりも少なく とも１０°だけ低い温度で行われる。方法段階（ｇ）による最終結合は特に１１ ５〜１３５℃の温度及び最大１３バールの圧力で行われる。方法段階（ｃ）及び （ｆ）による前結合プロセスにおいては、特に有利には、合わせガラス製作にお いて自体公知のリップ前結合プロセスが使用され、その場合ガラスとフォイルと カバー板のセット若しくはガラスとフォイルとガラスのセットの回りに負圧系に 接続されたリップ成形材が 巻かれ、まだ結合されていない層の間の中間スペースから空気が吸い出され、こ れらの層にほぼ３０分〜１時間持続する熱処理を施して、これらの層を相互に結 合する。しかしほかの自体公知の前結合プロセス、例えば前結合ロールあるいは 真空袋を使用することもできる。方法段階（ｇ）による最終結合のためには、ガ ラス板，合わせ層及び支持フォイルのセットはやはり合わせガラス製作において 自体公知のオートクレーブ処理を受ける。 以下においては、本発明を２つの実施例によって詳細に説明する。 図１ａ〜ｅは、第１実施例による本発明の方法の重要な段階並びに第１実施例 の方法段階と合致する第２実施例の方法段階の原理図である。 図２ａ〜ｃは、第２実施例による本発明の方法の重要な段階の原理図である。例１ ０.３８mmの厚さの両面を粗面化されたMonsanto（モンサント）杜製のＰＶＢ 合わせフォイル（２）及び薄層系（３）としてSouthwall（サウスウォール）社 製の複銀層による高度の透光性の対太陽保護層（製品名ＸＩＲ ７５）を備えた ＰＥＴ支持フォイル（４）を巻体から引き出し、ほぼ６０〜８０℃の温度で、薄 層系（３）をＰＥＴ支持フォイル（４）とＰＶＢ合わせフォイル（２）との間に 位置させてロール対を 通過させて、排気された部分的に接着せしめられたフォイル前積層体の形に結合 し、次いで所定の寸法に切断した。 ＰＥＴ支持フォイル（４）は被覆する前に２軸張り出し変形して、熱固定した 。張り出し変形及び被覆はＰＣＴ出願EP 96-04018(WO 97/10099)により、次のよ うな条件で行った。すなわちＰＥＴ支持フォイル（４）は被覆後及びフォイル前 積層体の製作前に次の熱収縮性質を有していた： 被覆されたＰＥＴ支持フォイル（４）は１２０℃に加熱されたポリエチレング リコール（分子量約４００）から成る液浴内に２０秒間浸漬けすると、フォイル 平面内で縦方向に対して平行及び垂直にそれぞれほぼ０.４％だけ収縮する。こ の場合収縮の測定は、長さ測定装置のジョーの間に長さ１５０mm及び幅１５mmの フォイル条片の端部を締め込んで行う。フォイル条片の長さは温度調節された浴 内に浸漬けする前及び熱処理の終了後に同じ温度で測定される。これから、所定 の収縮温度及び滞在時間での百分率の変化が収縮量として計算される。 被覆されたＰＥＴ支持フォイル（４）はＰＶＢ合わせフォイル（２，５）に対 する充分な付着を保証するために、両面に４０ｍＪ／ｍ²の表面エネルギを有し ていた。 以上のようにして製作したフォイル前積層体の合わ せ層側を、厚さ２.１mmの複数の軸線に沿って湾曲させた水平の支持台上の固定 した第１のガラス板（１）の凹面上にひだが形成されないように、のせた（方法 段階(ａ)）。ほぼ長さ１.５０ｍ及び幅０.９０ｍの第１のガラス板（１）はその 縦方向でも、また著しくわずかではあるがその横方向でも湾曲せしめられていた 。縦方向の湾曲量はほぼ１０cmであり、横方向の湾曲量はほぼ１２mmであった。 この第１のガラス板はその縁に沿って２５mm幅のセラミック顔料から成る印刷さ れ焼き付けされた不透明な非透光条片（図示せず）を備えていた。 このようにして形成されたガラスとフォイルのセット上に、図１ａに示すよう に、カバー板として、製作すべき安全合わせガラス板の１.５mm厚の第２のガラ ス板（１０）をのせた（方法段階(ｂ)）。この第２のガラス板はあらかじめ第１ のガラス板と一緒に重力曲げプロセスで湾曲させてあった。ガラスとフォイルと カバー板のセットの回りに排気のための真空リップ成形体（１１）を巻き付け、 その接続部を介してセットをほぼ２０分間排気した（図１ｂ）。依然として負圧 を作用せしめられているセットを熱処理炉内でほぼ７５℃に加熱し、ほぼ３０分 間この温度に保ち、次いで室温に冷却した（方法段階(ｃ)）。カバー板（１０） を取り出した（方法段階(ｄ)）後に、ＰＥＴ支持フォイル（４）がひだを形成す ることなしに第１のガラス 板（１）の形状に適合していることが認められた。 このようにして形成されたガラスとフォイルの前積層体のＰＥＴ支持フォイル （４）の露出している被覆されていない面上に、図１ｃ及び１ｄに示した次の段 階で、まずMonsanto（モンサント）社製の０.３８mm厚の粗面化された第２のＰ ＶＢ合わせフォイル５（図１ｃ）をのせ、その上に前にカバー板として使用した 第２のガラス板（１０）をのせた（図１ｄ，方法段階(ｅ)）。ガラス板(１，１ ０）から突出しているＰＶＢ合わせフォイル（２，５）及びＰＥＴ支持フォイル （４）の縁をナイフで切断した。ガラス板の回りに、前の第１の前結合プロセス におけるように、負圧系に接続されたリップ成形体（１１）を排気のために巻き 付けた。 次の排気プロセスにおいて、リップ成形体にほぼ２０分間負圧を作用させ、こ れによってガラスとフォイルとガラスから成るセットを排気した（図１ｅ）。次 いでこのセットを、負圧を維持して、熱処理炉内でほぼ３０分間の熱処理によっ て最高でほぼ１００℃の温度で前結合した（方法段階(ｆ)）。次いで中間冷却し た後に、この前結合されたガラスとフォイルとガラスのセットをオートクレーブ 内で、ほぼ１２５℃の温度と、１３バールまでの圧力で最終結合した（方法段階 (ｇ)）。 完成した安全合わせガラス板を、オートクレーブか ら取り出した後に、反射性質及び透光性質についてチェックした。非透光条片に よって被われたガラス縁の内部では部分的にＰＥＴ支持フォイルのわずかな波形 性が確認された。しかしながら被覆されたＰＥＴ支持フォイル（４）の視野範囲 においてはひだがなかった。ＰＥＴ支持フォイルは単にわずかな、目によっては 認められないみかん膚効果を示すに過ぎなかった。全体としてガラス板は、自動 車のフロントガラス及びリヤガラスの安全性及び反射性質並びに透光性質につい ての厳しい要求を満たしていた。例２ 例１のようにして、まず０.３８mm厚の両面を粗面化されたＰＶＢ合わせフォ イル（２）と薄層系（３）としての高度に透光性の対太陽保護層を備えたＰＥＴ 支持フォイル（４）とからフォイル前積層体を製作した。 このフォイル前積層体の合わせフォイル側を、複数の軸線に沿って湾曲せしめ られていて水平の支持台上に固定されている２.１mm厚の第１のガラス板（１） の凹面上に、ひだが形成されないように、のせた（方法段階(ａ)）。この第１の ガラス板（１）は例１の寸法と同じ寸法を有していて、縦方向にも、横方向にも 湾曲せしめられていた。その縦方向湾曲量は例１におけるようにほぼ１０cmであ り、横方向湾曲量は１５mmであった。この第１のガラス板はその縁に沿って２５ mm幅の印刷され焼き付けられた不透明の非透光条片を備えていた。例１と異なっ て、フォイル前積層体と一緒に、その支持フォイル側に配置された、方法段階（ ｃ）のための分離層として機能する被覆されていないほぼ２５μ厚のＰＥＴ分離 フォイル（６）をのせた。このようにして形成されたガラスとフォイルのセット の上に、カバー板として、１.５mm厚の第２のガラス板（１０）をのせた（図２ ａ，方法段階(ｂ)）。このガラスとフォイルとカバー板のセットの回りに、排気 のために、真空リップ成形体（１１）を巻き付け、これに続いて真空リップ成形 体を介してセットをほぼ２０分間排気した（図２ｂ）。依然として負圧で負荷さ れているセットを熱処理炉内でほぼ１１５℃に加熱し、ほぼ３０分間この温度に 保ち、次いで室温に冷却した（方法段階(ｃ)）。カバー薄板（１０）を取り外し （方法段階(ｄ)）かつＰＥＴ分離フォイル（６）を取り外した後に、ＰＥＴ支持 フォイル（４）が第１のガラス板（１）の形状に適合したことが認められた。 このようにして形成されたガラスとフォイルの前積層体のＰＥＴ支持フォイル （４）の露出している被覆されていない面上に、次の段階でまずMonsanto（モン サント）社製の防眩保護層を有する０.７６mm厚の粗面化された第２のＰＶＢ合 わせフォイル（５）（図２ｃ）及びその上に、前にカバー層として使用し、ＰＥ Ｔ分離フォイルが取り除かれている第２のガラス板 （１０）をのせた（図１ｃ及び１ｄ，方法段階(ｅ)）。ガラス板（１，１０）の 縁から突出しているＰＶＢ合わせフォイル（２，５）及びＰＥＴ支持フォイル（ ４）の縁をナイフで切断した。ガラス板の回りに、前の第１の前結合プロセスに おけるように、負圧システムに接続されているリップ成形体（１１）を排気のた めに巻き付けた（図１ｅ）。 次の排気プロセスにおいてリップ成形体（１１）にほぼ２０分間負圧を作用さ せ、これによってガラスとフォイルとガラスのセットを排気した。次いでこのセ ットを、負圧を維持して、熱処理炉内でほぼ３０分間最大でほぼ１００℃の温度 で熱処理し、前結合した（方法段階(ｆ)）。次いで中間冷却した後に、オートク レーブ内で前結合されたガラスとフォイルとガラスのセットをほぼ１２５℃の温 度と１３バールまでの圧力とによって最終結合した（方法段階(ｇ)）。 完成した安全合わせガラス板を、オートクレーブから取り出した後に、反射性 質及び透光性質についてチェックした。全視野内で、ＰＥＴ支持フォイル（４） はひだを有していなかった。更に実際上みかん膚効果は認められなかった。全体 としてガラス板は安全性及び反射性質及び透光性質についての自動車のフロント ガラス及びリヤガラスに対する厳しい要求を満たしていた。比較例 まず例１におけるように第１の合わせフォイル（２）と被覆されたＰＥＴ支持 フォイル（４）とから排気された前結合された前積層体を製作することによって 、同じ寸法，同じ湾曲度並びに同じ成分の安全合わせガラス板を製作した。この ようにして形成された前積層体の合わせフォイル側を第１のガラス板（１）上に のせた。前積層体上にMonsanto（モンサント）杜製の０.３８mm厚の第２のＰＶ Ｂ合わせフォイル（５）をのせた。このガラスとフォイルのセットを、適合する ように湾曲せしめられた第２のガラス板（１０）によって完成させ、次いで排気 し、例１の方法段階（ｆ）におけるように前結合し、次いで方法段階（ｇ）のよ うに最終結合した。前結合プロセスの後に、ＰＥＴ支持フォイル（４）の縁範囲 においてガラス板の視野範囲内に達する一連のひだが形成された。これらのひだ は引き続く最終結合においても除去されなかった。したがってこのように製作さ れた安全合わせガラス板は光学的性質に欠陥があるため、自動車のガラス板とし て使用し得なかった。 例２及び比較例による安全合わせガラス板について、視野範囲内の反射屈折力 を測定した。この測定は次のように行われた。ガラス板背面における反射を消し た。したがって単にわずかなミリディオプトリーのガラス表面からの反射屈折力 並びに被覆されたＰＥＴ支持炉鋳るからの比較的に高い反射屈折力を測定した。 この場合次の数値が得られた。 もちろん、測定値を比較し得るようにするために、比較例のガラス板を測定す る場合に、ひだのないガラス板範囲だけを測定した。この測定結果の示すところ では、本発明による製作法では、単に被覆された支持フォイルの有害なひだの形 成を回避することが可能であるばかりでなしに、ガラス板の反射性質も従来技術 に比べて、みかん膚効果の減少によって、１／３以上も（反射屈折力の測定値で ）激烈に改善することが可能である。したがって本発明による製作法の使用によ って、今まで達成することができなかった反射性質を有する被覆された支持フォ イルを埋め込まれている安全合わせガラス板を製作することができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，Ｍ Ｗ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ， ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，Ｅ Ｓ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＧＷ，ＨＵ，ＩＤ ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ， ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，Ｍ Ｇ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ， ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，Ｖ Ｎ，ＹＵ，ＺＷ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1. 第１の湾曲せしめられたガラス板（１）と、第１の合わせ層（２）と、薄 層系（３）を備えた熱可塑性の支持フォイル（４）と、第２の合わせ層（５）と 、第１のガラス板に合わせて湾曲せしめられた第２のガラス板（１０）とから成 る湾曲した安全合わせガラス板を製作する方法において、次の方法段階： （ａ） 第１の合わせ層（２）と支持フォイル（４）とから成るフォイル前積層 体の合わせ層側を第１のガラス板（１）上にのせること、 （ｂ） 第１のガラス板（１）に合わせて湾曲せしめられた曲げこわさのあるカ バー板（１０）をフォイル前積層体の上にのせること、 （ｃ） 第１のガラス板（１）とフォイル前積層体とから形成されているガラス とフォイルのセットを排気し、かつ圧力と熱を作用させて前結合すること、 （ｄ） カバー板（１０）を取り外すこと、 （ｅ） 第２の合わせ層（５）及び第２のガラス板（１０）を前結合したガラス とフォイルのセット上にのせること、 （ｆ） このようにして形成した積層体を排気し、かつ圧力及び熱を作用させて 前結合すること、 （ｇ） この前結合した積層体を圧力及び熱を作用させて最終結合して、安全合 わせガラス板にすること， を特徴とする、安全合わせガラス板を製作する方法。 2. ２軸張り出し変形せしめられた支持フォイル（４）を使用することを特徴 とする、請求項１記載の方法。 3. 薄層系（３）が第１の合わせ層（２）に接触しているフォイル前積層体を 使用することを特徴とする、請求項１又は２記載の方法。 4. 第２のガラス板（１０）をカバー板（１０）として使用することを特徴と する、請求項１から３までのいずれか１項記載の方法。 5. カバー板（１０）をフォイル前積層体にのせる前に、カバー板（１０）に 付着力を減少させる薄い分離層を設けておくことを特徴とする、請求項１から４ までのいずれか１項記載の方法。 6. フォイル前積層体の支持フォイル（４）にカバー板（１０）をのせる前に 、支持フォイルに付着力を減少させる薄い分離層を設けておくことを特徴とする 、請求項１から５までのいずれか１項記載の方法。 7. 分離層として、方法段階（ｃ）の条件下でカバー板（１０）にも支持フォ イル（４）にも接着しない分離フォイル（６）を使用することを特徴とする、請 求項５又は６記載の方法。 8. 第１及び第２の合わせ層（２，５）がポリビニルブチラール（ＰＶＢ）あ るいはエチレンビニルアセテート−コポリマー（ＥＶＡ）から成っていることを 特徴とすおる、請求項１から７までのいずれか１項記載の方法。 9. ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）から成る支持フォイル（４）を使 用することを特徴とする、請求項１から８までのいずれか１項記載の方法。 10．方法段階（ｃ）及び（ｆ）を、支持フォイル（４）の両方の張り出し変形 方向での熱収縮能力が方法段階（ｇ）において方法段階（ａ）の前に存在してい た熱収縮能力のまだ少なくとも１０％、有利にはまだ少なくとも２０％であるよ うな程度に、最終結合の最大の温度よりも低い温度で行うことを特徴とする、請 求項２から９までのいずれか１項記載の方法。 11．方法段階（ｃ）を、最大２.５バールの圧力と、方法段階（ｇ）による最 終結合の際の最大の温度よりも少なくとも１０°だけ、有利には５０°だけ低い 温度とを作用させて行うことを特徴とする、請求項１から１０までのいずれか１ 項記載の方法。 12．方法段階（ｆ）を、最大２.５バールの圧力と、方法段階（ｇ）による最 終結合の際の最大の温度よりも少なくとも１０°だけ低い温度とを作用させて行 うことを特徴とする、請求項１から１１までのいずれか１項記載の方法。 13．方法段階（ｇ）による最終結合をほぼ１１５〜１３５℃及び最大１３バー ルの圧力で行うことを特徴とする、請求項１から１２までのいずれか１項記載の 方法。