JP2001521037A - 微小管の安定に有用なサルコジクチンおよびエレウセロビン - Google Patents

微小管の安定に有用なサルコジクチンおよびエレウセロビン

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JP2001521037A JP2000517972A JP2000517972A JP2001521037A JP 2001521037 A JP2001521037 A JP 2001521037A JP 2000517972 A JP2000517972 A JP 2000517972A JP 2000517972 A JP2000517972 A JP 2000517972A JP 2001521037 A JP2001521037 A JP 2001521037A
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フロリス・バンデルフト
誠二郎 細川
サンジー・キム
ティアンフ・リ
孝志 大嶋
ジェフ・フェファーコーン
ディオニシオス・バウアルーミス
ジン−ユ・シュ
ニコラス・ウィンシンガー
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Abstract

(57)【要約】 サルコジクチンAおよびB、エレウセロビンおよびその生物活性アナログを、固相および溶液相化学を使用して合成する。合成法は、標準化学操作に従った、接合体230および240の産生のための固相支持体上での一般的前駆体、例えば、化合物1880または200の結合を用いる。サルコジクチンおよびエレウセロビンアナログの組合わせライブラリーは、修飾C−8エステル、C−15エステルおよびC−4ケタール官能性を伴って構築され、チューブリン重合化および、タキソール耐性系を含む腫瘍細胞に対する細胞毒性活性の活性に関してスクリーニングする。化合物600、610、630、660−700、730、760、850および920はその対応する天然産物と比較して、同等のまたは優れた生物学的活性を有すると同定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、サルコジクチンAおよびB、エレウセロビンおよびそれらの誘導体
、および各々、それらの製造法に関する。より具体的に、本出願は、サルコジク
チンおよびエレウセロビンのアナログ、それらの合成および使用、ならびにこれ
らの化合物を含む医薬組成物に関する。
【0002】 (政府の権利) 本発明は、国立衛生研究所により認められた許可番号CA46446の下、政府の支 援を受けて成された。米国政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0003】 (背景技術) サルコジクチンA(7)およびB(8)(スキーム1)は、Pietra et al.により、 地中海ステロニフェランサンゴSarcodictyon roseumから発見され、最初に19 87年(D'Ambrosio et al., Helv. Chim. Acta 1987, 70, 2019-2027; D'Ambros
io et al. Helv. Chim. Acta 1988, 71, 964-976)に報告された。サルコジクチ ンC−Fは、続いて、同じグループにより報告された(D'Ambrosio et al. Helv.
Chim. Acta 1988, 71, 964-976)。
【0004】 スキーム1:タキソール(登録商標)、エポシロンA(2)およびB(3)、エレウセ
ロビン(4)、エレウソシドA(5)およびB(6)およびサルコジクチンA(7)およ
びB(8)の分子構造(Ac=アセチル、Bz=ベンゾイル)。
【化20】
【0005】 エレウセロビンは、軟サンゴのEleutherobia種(恐らく、オーストラリア西部 のベネッツ・ショール付近のインド洋で採取されたE. albiflora Alcynacea, Al
cyoniidea)からFenical et al.により単離され、最初に1995年に報告された
(Fenical et al., 米国特許第5,473,057号、1995年12月5日)。
【0006】 エレウソシドA(5)およびB(6)は、軟サンゴのEleutherobia aurea種(南ア フリカのクワズラ−ナタル・コースト近くで採取)から単離され、Kashman et al
.(Ketzinel et al. J. Nat. Prod. 1996, 59, 873-875)により報告された。これ
らの物質は、エレウセロビン(4)と密接に関係する。
【0007】 バルジボン(6)は、最初にKennartおよびWatson(Lin et al., Tetrahedron 19
93, 49, 7977-7984)により報告された。これらの物質は、また、構造的およびそ
の生物学的作用に関する両方共、エレウセロビン(4)およびエレウソシドA(5)
およびB(6)に関連する(スキーム1)。
【0008】 全4つの上記海洋由来天然産物(4−8)は、土壌由来(粘液細菌)エポシロンA
(2)およびB(3)および森林残留物タキソール(登録商標)(1)と同じ作用機構を
共有する(スキーム1)。(Lindel et al., J. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 8744-
8745; Long et al., Cancer Res. 1998, 58, 1111-1115)。この機構は、チュー ブリン重合化および微小管安定化に関与する。
【0009】 必要なのは、促進された生物活性を有するサルコジクチンAおよびB、ならび
にエレウセロビンのアナログの合成アナログ、およびこれらの天然産物およびそ
れらの生物活性アナログの製造のための合成法である。
【0010】 (発明の要約) 本発明は、エレウセロビン、エレウソシドAおよびB、およびサルコジクチン
AおよびBの生物活性アナログ、およびそれらの合成、およびチューブリン集合
および/または微小管安定化の促進のための使用に関する。
【0011】 より具体的に、本発明の重要な態様は、エレウセロビン、エレウソシドAおよ
びB、サルコジクチンAおよびBのアナログに関する。好ましいアナログは、以
下の式[A]:
【化21】 により示される。
【0012】 上記構造の好ましいR1基は、基−OHおよび−OAc(Ac=アセチル)また は以下の構造により示される基を含む:
【化22】
【0013】 好ましいR2基は以下のものを含む:−OH、−O(C1−C6アルキル)、−O CH2CF3、−O−イソプロピル、−O−tert−ブチル、−O−ベンジル、−O
CH2CH=CH2、−OCH2CCH、−O(CH2)2−OH、−NHMe、−N Me2、−NHEt、−NEt2、−NH−n−プロピル、−N−(プロピル)2、 −NH−イソプロピル、−N−(ブチル)2、−NH−ベンジル、−N−ベンジル2 、−SH、−SMe、−SEt、−S−n−プロピル、−S−イソプロピル、−
S−n−ブチル、−S−ベンジルおよび−S−フェニル(Me=メチル、Et= エチル)。
【0014】 好ましいR3基は以下のものを含む:−CH2OC(O)CH3、−CH2OC(O)
−フェニル、−CH2OC(O)O−CH3、−CH2OC(O)NH−フェニル、− CH2−OH、−CH(O)、−CH2−O−トリ−イソプロピルシリル、−CH2 O−Ac、−CH2−F、−CH23、−CH2NAc、−CH2NBz、C(O) −O(C1−C6アルキル)、−C(O)−CH2CF3、−C(O)−CH2CHCH2
−C(O)−O−CH2CH2Cl、−C(O)O(CH2)2CH2Cl、−C(O)O(C
2)2CH(CH3)、−C(O)CH2Ph、−C(O)CH2−フェニル−OMe、−
CH2−O−テトラヒドロピラン、−CH2−O−C(O)CHCl2、−CH2−O
−C(O)−CCl3、−CH2−O−C(O)CHBr2、−CH2−O−C(O)−C
3、−CH2−O−C(O)CHPh2、EtC(O)−O−CH2−、CH2=CH C(O)−O−CH2−、HCCC(O)−O−CH2−、n−プロピル−C(O)−O
−CH2−、i−PrC(O)−O−CH2−、シクロプロピル−C(O)−O−CH 2 −、n−BuC(O)−O−CH2−、i−BuC(O)−O−CH2−、t−Bu C(O)−O−CH2−、シクロ−C611C(O)−O−CH2−、フェニル−O− CH2−、2−フリル−C(O)−O−CH2−、PhCH=CHC(O)−O−CH 2 −、2−チオフェン−C(O)−O−CH2−、(C1−C6アルキル)−O−CH2 −、i−プロピル−O−CH2−、アリル−O−CH2−、ベンジル−O−CH2 −、AcOCH2CH2−O−CH2−、−COOH、−COO−(C1−C6アルキ
ル)、−COO−i−プロピル、−COO−t−ブチル、−COO−ベンジル、 −COOCH2CH=CH2、−COO−CH2CCH、−COO−シクロ−C6 11 、−CONHBn、−CONH(C1−C6アルキル)、−CONH−プロピルお
よび−COO−C817;および以下の構造により示される群から選択される基 :
【化23】 (Me=メチル、Et=エチル、Ac=アセチル、Bz=Bn=ベンジル、i− Pr=イソプロピル、n−Bu=n−ブチル、i−Bu=イソブチル、t−Bu
=tert−ブチル)。
【0015】 好ましいR4基は以下のものを含む:−OH、−OAc、2−Cl−AcO− 、CCl3C(O)O−、2−Br−AcO−、CF3C(O)O−、2−フェニル−
AcO−、(C1−C6アルキル)−C(O)O−、CH2=CHC(O)O−、HCC C(O)O−、i−プロピル−C(O)O−、シクロプロピル−C(O)O−、i−ブ
チル−C(O)O−、t−ブチル−C(O)O−、シクロ−C611C(O)O−、フ ェニル−O−、2−フリルC(O)O−、PhCH=CHC(O)O−および2−チ
オフェン−C(O)O−。
【0016】 好ましいR5基は−OAcおよび−OHを含む。 好ましいR6基は−OAcおよび−OHを含む。
【0017】 好ましいR7基は−Hおよび−メチルを含む。好ましいR8基は−OAc、2−
Cl−AcO−、CCl3C(O)O−、2−Br−AcO−、CF3C(O)O−、
2−フェニル−AcO−、(C1−C6アルキル)−C(O)O−、CH2=CHC(O
)O−、HCCC(O)O−、i−プロピル−C(O)O−、シクロプロピル−C(O
)O−、i−ブチル−C(O)O−、t−ブチル−C(O)O−、シクロ−C611
(O)O−、フェニル−O−、2−フリルC(O)O−、PhCH=CHC(O)O−
、および2−チオフェン−C(O)O−を含む。しかし、以下の但し書きを含む: a.R1
【化24】 およびR2が−OHである場合、R3は同時に−CO2−メチルまたは−CO2−エ
チルではない; b.R1
【化25】 およびR2が−O−メチルである場合、R3
【化26】 〔式中、R4は−OAc、R5はヒドロキシ、R6はヒドロキシおよびR7は水素〕
ではない; c.R1
【化27】 およびR2が−OHである場合、R3
【化28】 〔式中、R4は−OAc、R5はヒドロキシ、R6は−OAcおよびR7は水素〕 ではない;そして、 d.R1
【化29】 およびR2が−OHである場合、R3
【化30】 〔式中、R4およびR5は−OAc、R6は−OHおよびR7は水素〕 ではない。
【0018】 本発明の他の態様は、以下の構造式:
【化31】 で示される第1段階中間体(特に化合物III*、スキーム2、下記参照)に関する。 好ましいR1およびR3基は、但し書きを含まない以外、上記のサルコジクチン
AおよびBおよびエレウセロビンのアナログに関して上記のものである。
【0019】 本発明の他の態様は、以下の構造式:
【化32】 で示される第2段階中間体(特に化合物II*、スキーム2、下記参照)に関する。 好ましいR1およびR3基は、但し書きを含まない以外、上記のサルコジクチン
AおよびBおよびエレウセロビンのアナログに関して上記のものである。
【0020】 本発明の他の態様は、上記第2段階中間体(特に化合物II*、スキーム2)を製 造するための上記の第1段階中間体(特に化合物III*、スキーム2、下記参照)の
環化法に関する。本方法は、第2の中間体を製造するための第1段階中間体の環
化の段階を用いる。
【0021】 本発明の他の態様は、第3段階中間体(特に化合物I*、スキーム2)を製造す るための上記第2段階中間体(特に化合物II*、スキーム2、下記参照)の環化法 に関する。第3段階中間体は、以下の構造式で示され得る:
【化33】
【0022】 好ましいR1およびR3基は、但し書きを含まない以外、上記のサルコジクチン
AおよびBおよびエレウセロビンのアナログに関して上記のものである。本方法
は、第3段階中間体を製造するための第2段階中間体の環化の段階を用いる。エ
レウセロビン、エレウソシドAおよびB、サルコジクチンAおよびBの好ましい
アナログは、第3段階中間体上のR2の置換により製造し得る。
【0023】 (発明の詳細な記載) 本発明は、サルコジクチンAおよびB、エレウセロビン、サルコジクチンアナ
ログ、エレウセロビンアナログ、サルコジクチンおよびエレウセロビンアナログ
の両方のライブラリー、および固相および液相化学を使用したこのような化合物
の製造法に関する。本発明は、サルコジクチンAおよびB、エレウセロビンおよ
びエレウソシドA(5)およびB(6)の全合成由来のアナログ、エレウセロビン( 4)の絶対立体化学、およびこれらの化合物の多くのアナログの構造に関する。 本発明の更なる態様は、組合わせサルコジクチンライブラリーの生産および天然
産物より高い抗腫瘍特性を有するアナログの発見を導くその生物学的評価に関す
る。獲得した知識は、サルコジクチン−エレウセロビン分子フレームワーク内の
構造活性関係に関する重要な情報を提供し、本分野での更なる進歩の段階を準備
する。
【0024】 本明細書において、以下の略語は以下の意味を有する:Meはメチルを意味す
る;Etはエチルを意味する;i−Prはイソプロピル;n−Prはn−プロピ
ル;t−Bu、tert−BuまたはtBuはtert−ブチルを意味する;i−Buは イソブチル;Bzはベンジル;Bnはベンジル;Phはフェニル;c−Proは
シクロプロピル;c−Buはシクロブチル;Acはアセチル;更なる略語は自明
であるか、本明細書でそれらを使用する場所で説明する。
【0025】 好ましくは、本発明は、式中: R1
【化34】 2は−O−Me、−O−Etおよび−O−CH2CF3からなる群から選択され る基;そして R3は−C(O)−O−Me、−C(O)−O−Et、−C(O)−O−n−プロピル 、−C(O)−O−n−ブチル、−C(O)−(CH2)3−CH2−Phe、−C(O) −O−CH2CH2OBn、−C(O)−NHMe、−C(O)−アントラセン−9−
イル、−C(O)−O−CH2CH=CH2、−C(O)−O−(CH2)2CH2Clお よび−C(O)−NH−ベンジルからなる群から選択される基: である式[A]の化合物に関する。
【0026】 より好ましくは、本発明は、式中、R1が前段落で定義の通り、 R2が−O−Me、−O−Etおよび−O−CH2CF3からなる群から選択され る基: R3が−C(O)−O−Me、−C(O)−O−Et、−C(O)−O−n−プロピル 、−C(O)−O−CH2CH=CH2、−C(O)−O−C(CH2)2CH2Clおよ び−C(O)−NH−ベンジルからなる群から選択される基である、式[A]の化合
物に関する。
【0027】 より更に好ましくは、本発明は、R1
【化35】 2が−O−メチルまたは−O−エチル、そして R3が−C(O)−メチル、−CH(OMe)2または−C(O)−NH−ベンジルであ
る式[A]の化合物に関する。
【0028】 より好ましくは、本発明はまたR1
【化36】 2が−O−メチルまたは−O−エチル、そして R3が−C(O)−O−メチル、−C(O)−O−エチル、−C(O)−O−n−プロ ピル、−C(O)−O−n−ブチル、−C(O)−O−CH2CH2−Cl、−C(O)
−O−(CH2)3−CH2−フェニル、−C(O)−O−CH2CH2−O−ベンジル 、−C(O)−O−CH2−CH=CH2、CH(OMe)2、−C(O)−NH−メチ ルまたは−C(O)−O−アントラセン−9−イルメチルである式[A]の化合物に
関する。
【0029】 最も好ましくは、本発明は実施例に記載の化合物600、730−750およ
び/または850、または実施例に記載の化合物600、610、630、66
0−700、730、760、850および/または920に関する。最も好ま
しいのは化合物600、610、670および/または680である。 塩形成基が存在する場合、その塩も含む式[A]の化合物は、水和物の形でも得
られ得、またはその結晶は、例えば、結晶化に使用した溶媒を含み得る。
【0030】 本発明はまた、方法の任意の段階でえら得る化合物を出発物質として使用し、
残りの段階を行う、または出発物質を反応条件下で形成するまたは誘導体の形、
例えば、保護形または塩の形で使用する方法、または、本発明に従って得られる
化合物を方法条件下で産生し、更にその場で加工する方法を含む。本発明の方法
において、好ましくは、最初に特に有効であると記載した化合物をもたらす出発
物質を使用する。具体的な選択は、実施例に記載のものと類似の反応条件である
【0031】 医薬製剤 本発明は、処置を必要とする温血動物に、腫瘍阻害に有効な量の式Iの化合物
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、増殖性、特に腫瘍疾病
、特に、チューブリン脱重合化の阻害に応答する疾病に罹患している温血動物の
処置法、またはこのような処置への式Iの化合物の使用にも関する。本発明はま
た温血動物のプロテインキナーゼCの阻害における、またはヒトまたは動物の治
療的処置に使用するための医薬組成物の製造における式Iの化合物またはその薬
学的に許容される塩の使用に関する。種、年齢、個々の状態、投与形態、および
具体的な臨床像に依存して、有効量、例えば、約0.01−1000mg、特に0.
1−500mgの1日量が、約70kg体重の温血動物に投与される。
【0032】 本発明は、有効量、特に、上記疾病の一つの予防または処置に有効な量の活性
成分を、局所、経腸、例えば、経口または経直腸、または非経口投与に適し、無
機または有機、固体または液体であり得る薬学的に許容される担体と共に含む医
薬組成物にも関する。活性成分を希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース
、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリセ
ロール、および/または滑沢剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸または
ステアリン酸マグネシウムまたはカルシウムのようなその塩および/またはポリ
エチレングリコールと共に含む、経口投与用、特に錠剤またはゼラチンカプセル
に使用される。錠剤は、結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ト
ウモロコシ、小麦またはコメ澱粉のような澱粉、ゼラチン、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドン、
および所望により、崩壊剤、例えば、澱粉、寒天、アルギン酸またはアルギン酸
ナトリウムのようなその塩および/または沸騰性混合物、または吸着剤、色素、
香味剤および甘味剤を含み得る。本発明の薬理学的活性化合物を、非経口投与組
成物の形、または輸液の形で使用することも可能である。このような溶液は、好
ましくは等張性水溶液または懸濁液であり、これは、例えば、活性成分を単独ま
たは担体、例えば、マンニトールと共に含む凍結乾燥組成物の場合、使用前に製
造できる。医薬組成物は滅菌し得および/または賦形剤、例えば、防腐剤、安定
化剤、湿潤剤および/または乳化剤、溶解剤、浸透圧調整用塩および/または緩
衝剤を含み得る。所望により、抗生物質のような他の薬学的活性物質を含み得る
本医薬組成物は、それ自体既知の方法で、例えば、慣用の混合、顆粒化、糖菓剤
製造、溶解または凍結乾燥処理の手段により製造し、約1%から100%、特に
約1%から約20%の活性成分を含む。
【0033】 以下の実施例は本発明を説明する−これらは如何なる意味でも範囲を限定する
ものと考えてはならない。
【0034】 実施例I.サルコジクチンAおよびBの全合成 本実施例は、チューブリン重合化および微小管安定化特性を有する細胞毒性海
洋天然産物であるサルコジクチンA(7)およびB(8)の全合成を提供する。これ
らの標的分子への二つの関連する試みが開発され、両方とも出発物質として(+)
−カルボン(9)を出発物質として使用する。最初の試みは、アセチレン無水物2
7の立体選択的構築物を含むが(スキーム4、下記参照)、第2の試みは、同様の
中間体36への、より管理された、しかし選択性が低い順序を介して処理される
。両方の概念は、アセチレン無水物前駆体の10員環への塩基性条件下での閉環
、続くアセチレン結合のシス2重結合への同化および選択的還元を含む。これは
、サルコジクチンの必要な3環式骨格の形成のための架橋を促進する(27→3 7→38→39→4、スキーム7、下記参照および37→44→45→46→4
7→42、スキーム9、下記参照および36→4→45、スキーム10、下記参
照)。(E)−N(6')−メチルウロカニン酸残基の設置は、混合無水物52による
エステル化により達成されるが、C3エステル部分は、標準脱保護、酸化および
エステル化法により設置する。
【0035】 レトロシンセシス分析および概念: サルコジクチン(I*、スキーム2)の一般構造は、多くの付属基が出ている正 確な3環式フレームワークにより特徴付けられる。
【0036】 スキーム2:エレウセロビン(4)、エレウソシドA(5)およびB(6)およびサル
コジクチンA(7)およびB(8)のコア構造のレトロシンセシス分析。Ra−C( O)−O−は好ましくは式[A]で定義されたR3の対応する意味を有する;Rb−
O−は好ましくは式[A]で定義されたR2の対応する意味を有する;そしてRc −O−は好ましくは式[A]で定義されたR1の対応する意味を有する。(A)=ア セチリドアルデヒド添加;(B)=アセチリドケトン添加;および(C)=クネーフ
ェナーゲル縮合:
【化37】
【0037】 これらの付属基の中で卓越したものは、C−3のカルボキシレート基、C−4
のヒドロキシル基および(E)−N(6)−メチルウロカニン酸残基を担持するC−
8のエステル基である。C−4のラクトール官能性に関与する架橋酸素は、Iの
[6.2.1]−2環式構造を、10員環II*にほぐす計画的分離を可能にする。後 者の構造は、合成方向で、本質的に分解しI*に戻ると予期される。II*の5,6 −シス−2重結合は、対応するアセチレン部分から由来し得、そのC4−C5で
の逆アセチリド−アルデヒド付加を介した分離が、開鎖アセチレンアルデヒドII
I*を導く。逆アセチリド−ケトン付加およびクネーフェナーゲル縮合を介して構
造III*で示される二つの更なる分離は、中間体IV*をもたらし、その構造は(+) −カルボン(9)を非常に暗示させる。
【0038】 レトロシンセシス分析は、その実行がサルコジクチンA(7)およびB(8)の両
方の優れた全合成をもたらす概念をもたらす。順番は、3つの連続部分に分ける
ことができる:重要な環化前駆体の構築、3環式フレームワークの環化および形
成ならびに残りの側鎖の構築。
【0039】 環化前駆体27および36の構築 合成プランは、一般式(III*、スキーム2)の環化前駆体の最初の構築を要求す
る。保護基の縮合および可能な経路は、サブターゲットとしての構造式27(ス キーム4、下記参照)およびその構築に必要な重要中間体としての化合物14(ス
キーム3、下記参照)を定義する。この合成の出発物質としての(+)−カルボン(
9)の興味は、化合物13(スキーム3)への変換を記載したTrost et al., J. Am
. Chem. Soc. 1991, 113, 670-672の研究により相当促進する。従って、以下の 連絡プロトコール13の修飾を、スキーム3に示すように準備する。
【0040】 スキーム3:重要中間体(14)の合成。試薬および条件:a)1.2等量のH22 、0.3等量のNaOH、メタノール、2時間、0℃;b)H2、0.005等量の
PtO2、エタノール、12時間、25℃、2段階で87%;c)1.4等量のL DA、5.0等量のCH2O、THF、−78から0℃、2時間;d)1.2等量の
TBSCl、4.0等量のトリエチルアミン、CH2Cl2、12時間、2段階で 53%;e)1.2等量のL−セレクトリド、THF、−78℃、2時間、93%
;f)1.2等量のMsCl、2.5等量のトリエチルアミン、CH2Cl2、0℃ 、0.5時間;g)5.0等量のNa−ナフタレニド、THF、0℃、0.5時間、
2段階で85%;h)40等量のCH3C(OEt)3、0.1等量のn−酪酸、17
0℃、72時間、74%;i)1.2等量のDIBAL、CH2Cl2、−78℃、
0.5時間、97%。LDA=リチウムジイソプロピルアミド、TBS=tert− ブチルジメチルシリル、MsCl=メタンスルホニルクロライド、DIBAL=
ジイソブチルアルミニウムヒドライド:
【化38】
【0041】 塩基性過酸化水素条件下での(+)−カルボンのエポキシ化、続くこの環外2重
結合の水素化により、87%の全体的収率で、10を得る。10のLDA(略語 に関してはスキームの記載参照)での処理、続くホルムアミドでの停止および得 られたアルコールのシリル化は、53%の全体的収率で、シリルエーテル11を
もたらす。11におけるケトン官能性の立体選択的L−セレクトリド(登録商標)
還元は、12を導く(93%)。続くメシル化、その後のナトリウムナフタレニド
での還元は、アリルアルコール13を提供する(全体的に85%)。最後に、13
のCH3C(OEt)3およびn−PrCO2Hへの暴露は、クライゼン転位を介し て、予期されるエチルエステルをもたらし、それはDIBALで完全に還元され
、アルデヒド14を産生する(収率74%、2段階)。
【0042】 14から27への立体選択的変換をスキーム4に示す。 スキーム4:アセチレン−アルデヒド化合物27の第1世代合成。試薬および条
件:a)1.5等量の(EtO)2P(O)CH2CO2Et、2.0等量のNaH、TH
F、0℃で1時間、次いで25℃で4時間、100%;b)4.0等量のDIBA
L、CH2Cl2、−78℃、2時間、91%;c)0.2等量のTi(OiPr)4 、0.24等量のL−酒石酸ジエチル、2.0等量のt−BuOOH、4Å MS
、CH2Cl2、−20℃、8時間、91%;d)5.0等量のMsCl、6.0等 量のトリエチルアミン、CH2Cl2、−20℃、1時間;e)5.0等量のナトリ
ウムナフタレニド、THF、0℃、10分、2段階で90%;f)5.0等量のP
MBOC(=NH)CCl3、1.0等量のPPTS、CH2Cl2、25℃、48時
間、約50%変換を基本にして89%;g)1.1等量のHg(OAc)2、メタノ ール、25℃、12時間;次いで1.0等量のLi2PdCl4、3.0等量のCu
Cl2、メタノール、55℃、3時間、65%;h)15等量のHCCMgBr( THF中0.5M)、CH2Cl2:THF(3:1)、−78から25℃、12時間
;i)4.0等量のTBAF、THF、25℃、1時間、2段階で72%、ds比
率約7:1;j)1.5等量のデス−マーチンペルヨージナン(periodinae)、20
等量のピリジン、20等量のNaHCO3、CH2Cl2、0から25℃、72時 間;k)30等量のNCCH2COOEt、4.0等量のβ−アラニン、95%エ タノール、25℃、72時間;l)5.0等量のTMSOTf、10等量のiPr 2 NEt、CH2Cl2、−78℃、10分、3段階で71%;m)10等量のDI
BAL、CH2Cl2、−78℃で7時間、次いで−40℃で1時間、80%;n
)10等量のTIPSOTf、20等量のエチル−ジイソプロピルアミン、CH2Cl2
−78℃、1時間、91%。TBS=t−ブチルジメチルシリル;DIBAL=
ジイソブチルアルミニウムハイドライド;PMB=p−メトキシベンジル;PP
TS=p−トルエンスルホン酸ピリジニウム;TMS=トリメチルシリル;TI
PS=トリイソプロピルシリル;Ms=メタンスルホニル;TBAF=テトラ−
n−ブチルアンモニウムフルオリド;D−M[O]=デス−マーチン酸化;Tf=
トリフルオロメタンスルホネート;MS=モレキュラーシーブス;THF=テト
ラヒドロフラン:
【0043】
【化39】
【0044】 従って、アルデヒド14のトリエチルホスホノアセテートによるオレフィン化
は、NaHの存在下、定量的に進み、エチルエステル15を得る。15のDIB
AL還元は、収率91%でアリルアルコール16を与え、続くシャープルズ非対
称エポキシド化(L−酒石酸ジエチル)は、エポキシド17をもたらす(収率91 %)。エポキシド17のアリルアルコール19への転換は、メシレート18を介 して、90%の全体的収率で達成される。19のPMB−エーテルとしての保護
[PMBOC(=NH)CCl3、PPTS、約50%変換を基本にして収率89%
]、続くHg(OAc)2およびLi2PdCl4−CuCl28での連続処理は、メ
チルケトン21をもたらす(収率65%)。HCCMgBr(過剰)のケトン21へ
のキレート化制御付加、続くTBAFでの脱シリル化は、主要ジアステレオ異性
体(収率72%、約7:1de)としてアセチレンジオール22を与える。アルコー
ル22のアルデヒド23への過剰デス−マーチン試薬での酸化の試みは、ラクト
ンZ(スキーム5)、m.p.5120−121C(ジエチルエーテル−ヘキサン)の形
成を、収率60%でもたらす。
【0045】 スキーム5:Zの合成(進行段階中間体22の絶対立体化学は、ZのX線図から 推測)。a)3.0等量のデス−マーチンペルヨージナン、20等量の炭酸水素ナ トリウム、塩化メチレン、0から25℃、12時間、70%:
【化40】
【0046】 この結晶化合物の思いがけない製造は、22内および続く中間体の相対的立体
化学の割り当てを可能にする(X線結晶学的分析による)。
【0047】 1.5等量のデス−マーチン試薬でのピリジンおよびNaHCO3存在下の22
の制御酸化は、良好な収率で所望のアルデヒド23を導く。アルデヒド23は、
β−アラニン存在下でのシアノ酢酸エチルでのクネーフェナーゲル縮合に付され
、TMSOTfおよびi−Pr2NEtでのシリル化後、24を介して(E)−α,
β−不飽和シアノエステル25を導く(全体的収率71%)。シアノエステル担持
2重結合の幾何学は、中間体37(下記参照、スキーム7)への十分な閉環により
確認される。25のシアノエステル部分の非常に部位特異的還元がDIBALに
より行われ、収率80%でヒドロキシ−アルデヒド26を提供する。最後に、2
6の1級アルコールのTIPSOTfおよびi−Pr2NEtでの保護は、収率91%で
、標的保護アセチレンアルデヒド前駆体27を与える。
【0048】 第2の、あまり立体選択的でないが、より直接的な、環化前駆体アセチレンア
ルデヒド36への経路が、スキーム6に示すようにまた行われる。
【0049】 スキーム6:アセチレン−アルデヒド化合物36の第2世代合成。試薬および条
件:a)2.0等量のCH2=CH(OEt)、1.8等量のt−BuLi(THF中 1.7M)、THF、−78から0℃、1時間;次いで−78℃に冷却およびTH
F中の14を添加;次いで、−40℃にゆっくり加温;b)濃H2SO4、ジエチ ルエーテル、25℃、2分、ジアステレオ異性体約1.25:1混合物として2 段階で82%;c)5.0等量のエチニルマグネシウムブロミド(THF中0.5M
)、THF、−78から20℃、14時間、76%、29(43%)+7,8−ジア
ステレオ異性体(33%);d)29、2.0等量のTBAF(THF中1.0M)、 THF、0から25℃、1時間、92%;e)5.0等量のTESOTf、10等量のト
リエチルアミン、CH2Cl2、25℃、45分、98%;g)0.1等量のPPT
S、メタノール:CH2Cl2、(3:1)、25℃、45分、98%;g)0.05
等量のTPAP、1.5等量のNMO、CH2Cl2、4Å MS、1.5時間、9
8%;h)30等量のシアノ酢酸エチル、4.0等量のβ−アラニン、95%エタ
ノール、72時間、50℃、95%;i)10等量のDIBAL、ヘキサン、− 78℃で6時間、次いで−40℃で1時間、次いで−10℃で1時間、90%;
j)5.0等量のTIPSOTf、10等量のiPr2NEt、CH2Cl2、−78℃、1
時間、93%。THF=テトラヒドロフラン、TBAF=テトラ−n−ブチルア
ンモニウムフルオリド、TESOTf=トリフルオロメタンスルホン酸トリエチルシリ
ル、PPTS=p−トルエンスルホン酸ピリジニウム、TPAP=過ルテニウム
酸テトラ−n−プロピルアンモニウム、NMO=4−メチルモルホリンN−オキ
サイド、MS=モレキュラーシーブス、DIBAL=ジイソブチルアルミニウム
ハイドライド、TIPSOTf=トリフルオロメタンスルホン酸トリイソプロピルシリ ル:
【化41】
【0050】 従って、アルデヒド14(Nicolaou et al., J. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 1
1353-11354)を1−エトキシビニルリチウムと反応させ、続いて酸に曝し、C8 −エピマーヒドロキシケトン28を、82%の全体的収率で得る。次いで、この
混合物を過剰のエチニルマグネシウムブロミドと立体選択的方法で反応させ、二
つのエピマーアセチレンジオールのクロマトグラフィー的に分離可能な混合物で
ある29(収率43%)を、そのC7,C8−ジアステレオ異性体(収率33%)に 加えて得る。シリル保護基の29からの除去は、TBAFへの暴露により達成さ
れ、フラッシュカラムクロマトグラフィー後、純粋トリオール30(92%)をも
たらす。30の同一性は、22から得た確実なサンプル(その構造は、上記のよ うにX線分析により明白に証明されている)との比較により確認される。
【0051】 30のアルデヒド33への変換は、中間体31(TESOTf−トリエチルアミンで の過シリル化、収率100%)および32(メタノール中のPPTSによる選択的
脱シリル化、収率98%)、および後者の化合物のCH2Cl2中のTPAP−N MOでの酸化(収率98%)により定義される順番を必要とする。33のシアノ酢
酸エチルでのクネーフェナーゲル縮合は、上記で33に関して記載のように滑ら
かに進行し、(E)−α,β−不飽和シアノエステル34(収率95%)をもたらし 、そのDIBAL還元は、部位特異的にヒドロキシアルデヒド35(収率90%)
を与える。35のTIPSOTfおよびi−Pr2NEtでのシリル化は、最後に、所望
のアセチレンアルデヒド前駆体36を、収率93%で導く。
【0052】 3環式フレームワークの環化および形成: サルコジクチンへの最初の試みは、重要中間体27に関し、その最初のサブタ
ーゲットとして3環式化合物42を有する(スキーム7)。
【0053】 スキーム7:サルコジクチン3環式コア構造42の第1世代合成。試薬および条
件:a)1.5等量のLiHMDS、THF、25℃、10分;b)2.5等量のデス−マ
ーチンペルヨージナン、20等量のNaHCO3、CH2Cl2、0から25℃、 4.5時間、2段階で85%;c)1.0等量のPPTS、メタノール、25℃、 30分、94%;d)0.3等量のリンドラー触媒、H2、トルエン、25℃、2 0分、40に関して75%、加えて、5,6−ジヒドロアナログに関して15% ;e)1.0等量のPPTS、メタノール、25℃、10分、100%;f)10 等量のNa−液体NH3、−78℃;次いでTHF−エタノール中の41を添加 、5分、収率95%、42と5,6−ジヒドロアナログ43の約2:1混合物。 THF=テトラヒドロフラン;LiHMDS=リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
;PPTS=p−トルエンスルホン酸ピリジウム;リンドラー触媒=Pd/Ca
CO3/Pb。42:43=約2:1:
【化42】
【0054】 27の閉環は、THF中のLiHMDSの作用により、25℃で行い、予期される1
0員環アルコール(二つの異性体の混合物)を製造し、そのデス−マーチン試薬で
の酸化は、エネイノン(eneynone)37を85%の全体的収率で導く。次いで、T
MS基をメタノール中のPPTSへの暴露により37から除去し、収率94%で
アルコール38をもたらす。エネイノン38のリンドラー触媒存在下での水素化
は、恐らく、最初に形成されたジオン39の本質的な崩壊を介して、3環式系4
0の形成(収率75%)をもたらす。ヘミケタール40のそのメトキシ誘導体41
への定量的変換は、メタノール中のPPTSへの暴露により行う。側鎖結合のた
めの41からのPMB基の除去は、液体NH3(THF−エタノール)中のNaに より行い、標的3環式系42を、そのC5−C6飽和対応物である化合物43と
共にもたらす(合わせた収率95%、約2:1比)。
【0055】 わずかに修飾した順番をスキーム9に示す。 スキーム9:3環式コア42への別経路。試薬および条件:a)2.0等量のDD
Q、CH2Cl2:H2O(18:1)、25℃、0.5時間、80%;b)1.0等量
のPPTS、メタノール、25℃、1時間、80%;c)0.05等量の[Rh(nbd)
(dppb)]BF4、H2、アセトン、25℃、10分;d)0.5等量のPPTS、メタ ノール、25℃、10分、2段階で80%。DDQ=2,3−ジクロロ−5,6−
ジシアノ−1,4−ベンゾキノン;PPTS=p−トルエンスルホン酸ピリジニ ウム;nbd=2,5−ノルボルナジン、dppb=1,4−ビス(ジフェニルホ スフィノ)ブタン:
【化43】
【0056】 具体的に、37からのPMP−エーテルの除去は、水性CH2Cl2中でのDD
Qとの処理の後に達成され、収率80%でのヒドロキシイノン(ynone)44の形 成をもたらす。プロパルギルヒドロキシ部分の遊離は、メタノール中のPPTS
の作用により行い、収率80%でジオール45をもたらす。水素化触媒としての
[Rh(nbd)(dppb)]BF4の使用は、3環式アルコール42が、メチルケタール官能性
の形成後(PPTS、メタノール)、80%収率で単離されるため、有益であると
証明される。
【0057】 38から40への水素化において観察される、第1の試みにおけるC5−C6
2重結合の還元の有意な程度は、容易な除去のための異なる保護基を担持する中
間体36(スキーム10)に関連するサルコジクチンへの第2の一般的試みを思い
つかせた。その重要ジヒドロキシイノン45への変換は、スキーム10に詳述す
る。
【0058】 スキーム10:アルキノン45の第2世代合成。試薬および条件:a)2.0等量
のLiHMDS、THF、−20℃、20分;b)デス−マーチン酸化:2.0等量のデ
ス−マーチンペルヨージナン、6.0等量のNaHCO3、6.0等量のピリジン 、CH2Cl2、0℃、1時間、2段階で89%:c)5.0等量のトリメチルアミ
ン・3HF、THF(1:5)、25℃、1.5時間、78%。LiHMDS=リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド;THF=テトラヒドロフラン:
【化44】
【0059】 従って、36の、THF中のLiHMDSでの−20℃での処理は、前記のように、
10員環アルコール48(ジアステレオ異性体の混合物)の形成をもたらし、それ
は直ぐにデス−マーチン試薬でエネイノン49に酸化する(2段階で収率89%)
。両方のTES基の選択的除去は、トリエチルアミン・3HFへの暴露により達
成し(78%収率)、ジオール45をもたらし、選択的水素化および内部環化のた
めの段階を設定する。 この目的のために、スキーム8および第1表に要約した実験を、アセチレン基
質37(スキーム7)、38(スキーム7)および45(スキーム10)および、種々
の水素化条件を使用して条件行う。
【0060】 スキーム8および第1表:サルコジクチン3環式コアの構築のための選択的水素
化実験。試薬および条件:(A)(=第1表の条件);a)1.0等量のPPTS、メ
タノール、25℃、30中、94%;b)リンドラー触媒=Pd/CaCO3/P
d;PPTS=p−トルエンスルホン酸ピリジニウム;nbd=2,5−ノルボ ルナジン;dppb=1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン。 スキーム8:
【化45】
【0061】
【表1】
【0062】 探求は、アセトン溶液中のロジウム錯体[Rh(nbd)(dppb)]BF4の、選り抜きの触
媒としての採用を直ぐに導く(収率80%で得られる所望の生産物42のために 、約>10:1比)。考慮中の還元問題の解決に関して、唯一の残った仕事は、 最終標的に到達する前の側鎖の構築である。
【0063】 側鎖の構築および合成の完了: C−8エステル官能性の結合、混合無水物プロトコールを採用する(Nicolaou
et al., Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1997, 36, 2520-2524)、スキーム11参
照。
【0064】 スキーム11:サルコジクチンA(7)およびB(8)の全合成;a)1.05等量の
LiOH・H2O、THF:H2O、1:1、25℃、12時間、100%;b) 1.1等量t−BuC(O)Cl、THF、25℃、12時間、75%;c)2.0 等量の52、20等量のトリエチルアミン、1.0等量の4−DMAP、CH2
2、25℃、48時間、83%;d)2.0等量のTBAF、THF、25℃、 2時間、100%;e)2.0等量のデス−マーチンペルヨージナン、10等量の
NaHCO3、CH2Cl2、25℃、0.5時間、100%;f)6.0等量のNa
ClO2、3.0等量のNaH2PO4、50等量の2−メチル−2−ブテン、TH
F、t−BuOH、H2O、2時間;g)過剰のCH22、ジエチルエーテル、1
0分、2段階で88%;h)過剰のCH3CH22、ジエチルエーテル、0.5時 間、2段階で89%;i)2.0等量のCSA、CH2Cl2:H2O(10:1)、 25℃、48時間、7に関して80%、8に関して86%。THF=テトラヒド
ロフラン;4−DMAP=4−(N,N'−ジメチルアミノ)ピリジン;TBAF=
テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド;CSA=10−カンファースルホ
ン酸:
【化46】
【0065】 この目的のために、(E)−N(6)−メチルウロカニン酸エチル(50、スキー ム11;Viguerie et al., Heterocycles 1994, 37, 1561-1576)を連続してNa
OH(THF−H2O、100%)の作用によりそのナトリウム塩51に、そこか らTHF中のt−BuCOClの処理によりtert−ブチル混合無水物52に(収 率75%)変換する。トリエチルアミンおよび4−DMAPの存在下での42と 52の反応は、収率83%でエステル53の形成をもたらす。
【0066】 C−3の側鎖を完了する目的で、カルボン酸基を以下のようにこの位置で形成
する:(i)TBAFで脱シリル化して収率100%でアルコール54を得る;(i
i)デス−マーチン酸化してアルデヒド55を得る;そして(iii)55のNaCl O2での更なる酸化により56をもたらす。カルボン酸のCH22またはCH3
HN2への暴露は、メトキシ−サルコジクチンA(57、54からの全体的収率8
8%)またはメトキシサルコジクチンB(58、54からの全体的収率86%)を もたらす。最後に、サルコジクチンA(7)およびB(8)をその各々のメトキシ誘
導体から、CH2Cl2−H2O中のCSAでの処理により産生する(7に関して収
率80%およびBに関して86%)。
【0067】 生理学的活性のためのC5−C6 2重結合の重要性を評価するために、C5
−C6ジヒドロサルコジクチンA(61)を化学合成の標的とする。スキーム12
は中間体45からの61への有効な経路を要約する。
【0068】 スキーム12:C5,C6−ジヒドロ−サルコジクチンA61の合成。試薬およ び条件:a)1.0等量の5%Pd/BaSO4、EtOAc、25℃、1時間; b)2.0等量のPPTS、メタノール、25℃、6時間、2段階で64%;c) 5.0等量の52、20等量のトリエチルアミン、2.0等量の4−DMAP、C
2Cl2、25℃、48時間、83%;d)2.0等量のTBAF、THF、25
℃、2時間、100%;e)2.5等量のデス−マーチンペルヨージナン、10等
量のNaHCO3、CH2Cl2、25℃、0.5時間;f)6.0等量のNaClO 2 、3.0等量のNaH2PO4、50等量の2−メチル−2−ブテン、THF、t
−BuOH、H2O;g)過剰のCH22、ジエチルエーテル、3段階で88%。
PPTS=p−トルエンスルホン酸ピリジニウム、4−DMAP=4−(N,N' −ジメチルアミノ)ピリジン、TBAF=テトラ−n−ブチルアンモニウムフル オリド、D−M[O]=デス−マーチン酸化:
【化47】
【0069】 従って、EtOAc中の5%Pd/BaSO4存在下での45の水素化、続く メタノール中のPPTSへの暴露は、C5−C6結合が完全に還元された3環式
化合物43の形成をもたらす(全体的収率64%)。二つの側鎖の構築は、化合物
42に関して既に記載のように(スキーム9)、化合物59および60を介して滑
らかに進み、所望のジヒドロサルコジクチンA(61)を優れた全体的収率でもた
らす(スキーム12参照)
【0070】 サルコジクチンA(7)およびB(8)およびC5−C6ジヒドロサルコジクチンA
(61): 二つの試みが、10員環を構築するための分子内アセチリド−アルデヒド付加
に利用され、その同化および選択的水素化が一過性ヒドロキシ−ジエノンの形成
をもたらし、それは本質的にサルコジクチンAおよびBの3環式環系に崩壊する
。C−8およびC−15への適当な付属基結合は、次いで、合成の完了を導く。
設計概念は、固相合成、特異的アナログ構築および組合わせライブラリー発生を
可能にする。サルコジクチンAおよびBおよびそれらのアナログの固相合成は、
以下の実施例IIに記載する。これらの研究は、サルコジクチンおよび関連化合物
の化学生物学の調査を促進する。
【0071】 実施例II:固相および液相合成および組合わせサルコジクチンライブラリーの生
物学的評価: 本実施例において、(a)液および固相の組合わせによる、共通前駆体1880
または200の固相への結合、従って、産生接合体230および240、続く標
準化学操作を介したサルコジクチンA(7)およびB(8)の第1全合成;(b)C−
8エステル、C−15エステルおよびC−4ケタール官能性を修飾する、および
従って、一般構造330、370および400のアナログを産生する液および固
相化学によるサルコジクチンの組合わせライブラリーの構築;(c)ライブラリー
のメンバーのチューブリン重合化特性;および(d)タキソール−耐性系を含む多
くの腫瘍細胞に対する、選択した数のこれらの化合物の細胞毒性作用を記載する
。数個の合成アナログは、天然産物と同程度か、優れた生物活性(例えば、60 0、610、630、660−700、730、760、850、920)とし て同定され、癌化学療法の分野における更なる開発の段階を用意する。
【0072】 分子多様性設計。固相概念。 サルコジクチンA(7)およびB(8)の構造の調査は、可能な分子多様性の3つ
の枝を確認する;骨格炭素C−3、C−4およびC−8から伸びるもの(番号付 けに関して、スキーム2、構造I*参照)。更に、固相への適当な一般的中間体の
容易な利用可能性およびC−3、C−4およびC−8の官能基の可能性のある反
応性が、構造I**下に記載した一般的サルコジクチンライブラリーの設計および
構築に関する魅力ある機会を提示する(スキーム13)。
【0073】 スキーム13はサルコジクチンライブラリー(I)のレトロシンセシス分析を説明
する。(A)トランスケタール化開裂;(B)官能基操作;(C)FG化学;(D)エス
テルまたはカーボネート形成;(E)導入。好ましくは、R−O−は式[A]で定義
のR1に対応する意味を有する;R'−O−は式[A]で定義のR2に対応する意味 を有する;およびR'"は式[A]で定義のR3の対応する意味を有する:
【化48】
【0074】 従って、化合物I**は、種々のアルコールとの、樹脂II**との同時開裂により
得、一方後者の構造(II**)は、指示した位置での種々の官能基(FG)操作により
、III**から調製できる。構造III**は、次ぎに、エステルまたはカルバメート結
合形成により、式IV**から得られる。最後に、接合体IV**の切断は、可能な前駆
体であるサルコジクチン骨格V**、適当なリンカーVI**および樹脂VII**をほぐ す(スキーム13)。
【0075】 樹脂および結合用基質の構築: サルコジクチンA(7)およびB(8)の固相合成、およびライブラリーの調製に
おいて、官能化樹脂10、12および14を、スキーム14に記載のように設計
し、構築する(Nicolaou et al., Nature (London) 1997, 387,268-272; Nicolao
u et al., J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 5132-5133, Nicolaou et al., Angew
. Chem. Int. Ed. Engl. 1997, 36, 2097-2103)。
【0076】 スキーム14:固相でのサルコジクチンコアの導入のための樹脂100、120
および140の合成。試薬および条件:a)グルタール酸無水物(4.0等量)、ト
リエチルアミン(5.0等量)、CH2Cl2、25℃、8時間;b)t−BuCOC
l(3.0等量)、トリエチルアミン(5.0等量)、CH2Cl2、25℃、6時間、
2段階で>90%;c)1,4−ブタンジオール(4.0等量)、NaH(4.0等量)
、テトラブチルアンモニウムヨウジド(“n−BuNI”)(0.1等量)、DMF 、25℃、15時間、99%;d)I2(4.0等量)、Ph3P(4.0等量)、イミ ダゾール(4.0等量)、CH2Cl2、0℃、4時間、>95%;e)Ph3P(10
.0等量)、100℃、15時間、>95%s;f)LiHMDS(1.3等量)、THF、
25℃、2時間、>90%。LiHMDS=リチウムビス(トリメチルシリル)アミド;
THF=テトラヒドロフラン;●=ポリスチレン:
【化49】
【0077】 従って、ヒドロキシメチルポリスチレン樹脂(90)を過剰のグルタール酸無水
物とトリエチルアミン存在下反応させ、続いて、同じ条件下で塩化ピバロイルで
キャッピングし、樹脂100を全体的収率>90%で得る。他方、メリフィール
ド樹脂(110)と過剰の1,4−ブタンジオールの1ナトリウムアルコキシドの 反応は、収率99%での樹脂120の形成をもたらす。後者(12)のI2−Ph3 P−イミダゾールでのヨウ素化は、次いで、ヨージド130(>95%収率)をも
たらし、それをPh3Pでの100℃での処理によりホスホニウム塩に(収率95
%)、そこからLiHMDSの作用によりホスホラン140(収率>90%)に変換する(
略語に関して、スキームの記載参照)。これらの樹脂は、次いで、160、17 0、180および200のような適当なサルコジクチン骨格と容易に結合する( スキーム15)。後者の化合物は、スキーム15に示すような先の合成中間体4 7から製造する。
【0078】 スキーム15:繋ぎ鎖サルコジクチンコア160、170、180および200
の47からの合成。試薬および条件:a)PPTS(1.0等量)、ジオール:CH 2 Cl2(2:1)、25℃、2時間、1,2−エタンジオールに関して91%、1,
4−ブタンジオールに関して94%;b)酢酸無水物(3.0等量)、ピリジン(5.
0等量)、CH2Cl2、25℃、1時間、96%;c)PPTS(1.0等量)、1,
6−ヘキサンジオール(10等量)、CH2Cl2、92%;d)デス−マーチンペ ルヨージナン(2.0等量)、ピリジン(5.0等量)、NaHCO3(10等量)、C H2Cl2、2時間、96%。PPTS=ピリジニウム−p−トルエンスルホネー
ト:
【化50】
【0079】 従って、47のエチレングリコールまたは1,4−ブタンジオールとの、PP TS存在下での結合は、各々化合物160(91%)および170(94%)の形成
をもたらす。他方、47のアセチル化は、180(96%)をもたらし、その1, 6−ヘキサンジオールとのPPTS存在下での反応は190(92%)をもたらす
。190のデス−マーチン試薬での酸化は、所望のアルデヒド200を96%収
率で与える。
【0080】 固相支持体へのサルコジクチン骨格の充填。 トリエチルアミンおよび4−DMAPの存在下の過剰官能化樹脂100とサル
コジクチン誘導体160および170の反応は、予期しないことに、接合体21
0および220を、各々、収率>95%で導く。誘導体160および170が、
それ自体、1級よりむしろ2級ヒドロキシル基を介して、樹脂に結合するという
驚くべき事実は、酸性条件化で開裂に付した210および220の耐性、および
これらの骨格の塩基性条件下での回収の容易さにより明らかである。これは、樹
脂120および140の調査を導いた、スキーム16参照。
【0081】 スキーム16:固相支持体へのサルコジクチンコアの導入。試薬および条件:a
)100(5.0等量)、トリエチルアミン(10.0等量)、4−DMAP(0.5等 量)、CH2Cl2、25℃、8時間、>95%、次いでメタノール(20等量); b)120(10等量)、PPTS(1.0等量)、4Å MS、CH2Cl2、25℃
、48時間、50%;次いでMOM−Cl(20等量)でキャップ、iPr2NE t(20等量)、DMF、25℃、24時間;c)140(5.0等量)、THF、−
78から25℃、4時間、>95%;次いで、CH3CHO(20等量)でキャッ プ。4−DMAP=4−(ジメチルアミノ)ピリジン;PPTS=ピリジニウム−
p−トルエンスルホネート、MOM−Cl=メトキシメチルクロライド;DMF
=ジメチルホルムアミド;THF=テトラヒドロフラン;灰色丸=ポリスチレン
【化51】
【0082】 従って、180の樹脂120への接合は、PPTSの存在下で達成され、23
0を、脱水試薬での反応の完了を導く幾つかの試みにもかかわらず僅か50%の
収率であるが、提供する。対照的に、アルデヒド200の樹脂140への結合は
、アセトアルデヒドでのキャッピングに続き、滑らかに進行して接合体240を
>95%収率で提供し、この樹脂を更なる化学実験のより魅力的な出発点とする
【0083】 サルコジクチンAおよびBの固相合成。 研究中の樹脂230および240で、サルコジクチンライブラリーの合成への
それらの使用の調査を行う。ライブラリー構築の前置きとして、そして、操作に
必要な化学の開発のために、最初に天然に存在するサルコジクチンA(7)および
B(8)を標的にする。スキーム17に証明されるように、療法の樹脂は同等に十
分に機能する。
【0084】 スキーム17:サルコジクチンA(7)およびB(8)の固相合成。a)NaOMe(
5.0等量)、メタノール:THF(1:3)、25℃、12時間、>95%;b) 260(5.0等量)、トリエチルアミン(10等量)、4−DMAP(2.0等量)、
CH2Cl2、25℃、48時間、約90%;c)TBAF(10等量)、THF、 25℃、8時間、>95%;d)デス−マーチンペルヨージナン(5.0等量)、N
aHCO3(15等量)、ピリジン(15等量)、CH2Cl2、25℃、2時間、9 5%;e)NaClO2(12等量)、NaH2PO4(12等量)、2−メチル−2−
ブテン(50等量)、THF:t−BuOH:H2O(5:5:1)25℃、48時 間、>95%;f)メタノール(10等量)、DCC(10等量)、4−DMAP(5
.0等量)、DMF、25℃、48時間、約90%;g)CSA(3.0等量)、CH 2 Cl2:H2O(2:1)、25℃、40時間、約75%。サルコジクチンAの全 体的収率:240から約51%および230から約44%。サルコジクチンBの
全体的収率:240から約48%および230から約42%。4−DMAP=4
−(ジメチルアミノ)ピリジン;TBAF=テトラ−n−ブチルアンモニウムフル
オリド;DCC=ジシクロヘキシルカルボジイミド;THF=テトラヒドロフラ
ン;灰色丸=ポリスチレン:
【化52】
【0085】 従って、NaOMeは230または240の脱アセチル化を誘導し、滑らかに
250(>95%)を導き、それはトリエチルアミンおよび4−DMAPの存在下
で混合無水物260と結合し、収率約90%で接合体270を提供する。270
の脱シリル化(>95%)、続くデス−マーチン酸化(>95%)は、効率的にアル
デヒド280を導く。280のNaClO2での更なる酸化(>95%)および得 られたカルボン酸のメタノールまたはエタノールでのDCC存在下でのエステル
化は、収率約90%で、各々サルコジクチンAおよびB接合体290および30
0をもたらす。最後に、対応する樹脂からの天然物質(7および8)の産生は、C
2Cl2:H2O(2:1)中のCSAへの暴露により達成される。サルコジクチ ンA(7)の全体的収率は240から約51%または230から約44%、および
サルコジクチンB(8)のは、240から48%または230から42%である。
7および8のスペクトル特性は、溶液全合成によりこれらの研究室で先に得た確
実なサンプルにより示されるものと同一である。
【0086】 サルコジクチン組合わせライブラリーの構築。 両方とも下記のスキーム20および第2表に示されるサルコジクチンライブラ
リーは、固相(スキーム18)および溶液(スキーム19)法の組合わせにより構築
される。固相化学に関して、樹脂240を、化成、能率および反応性能の観点の
優れた特性により、使用する。並行および組合わせ法を両方適用し、後者はラジ
オフレキュエンシー・エンコーデッド・コンビナトリアル(REC)化学(Nicolaou e
t al., Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1995, 34, 2289-2291; Moran et al., J.
Am. Chem. Soc. 1995, 117, 10787-10788; Nicolaou et al., Angew. Chem. In
t. Ed. Engl. 1997, 36, 2097-2103)を利用する。
【0087】 スキーム18:固相上へのサルコジクチンライブラリーの合成。試薬および条件
:a)NaOMe(5.0等量)、メタノール:THF(1:3)、25℃、12時間
、>95%;b1)LG−Rm(5.0等量)、トリエチルアミン(10等量)、4−
DMAP(2.0等量)、DMF、50℃、48時間、90−95%;b2)LG−
Rm(10等量)、DCC(10等量)、4−DMAP(2.0等量)、DMF、50 ℃、48時間、90−95%;c)TBAF(10等量)、THF、25℃、8時 間、>95%;d)LG−Rn(10等量)、トリエチルアミン(10等量)、4− DMAP(2.0等量)、CH2Cl2、25℃、20時間、70−95%;e)PP
TS(3.0等量)、メタノール、25℃、24時間、60−90%;f)デス−マ
ーチンペルヨージナン(5.0等量)、NaHCO3(15等量)、ピリジン(15等 量)、CH2Cl2、25℃、2時間、95%;g)NaClO2(25等量)、KH2 PO4(25等量)、2−メチル−2−ブテン(50等量)、THF:t−BuOH :H2O(5:5:1)25℃、48時間、>95%;h)HO−Rp(10等量)、
DEAD(10等量)、Ph3P(10等量)、THF、0から25℃、12時間、 >95%;i)H2N−Pr(10等量)、DCC(10等量)、4−DMAP(5等 量)、DMF、25℃、20時間、>95%;j)CSA(3.0等量)、HO−R o、25℃、15時間、60−90%、k)(PhO)2PON3(10等量)、DE AD(10等量)、Ph3P(10等量)、THF、0から25℃、4時間、>95 %;l)Ph3P(10等量)、H2O(30等量)、THF、25℃、8時間、>9 5%;m)LG−Rq(10等量)、トリエチルアミン(15等量)、CH2Cl2、 25℃、10時間、>90%。LG=脱離基;4−DMAP=4−(ジメチルア ミノ)ピリジン;TBAF=テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド;DE AD=ジエチルアゾジカルボキシレート;DCC=ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド;THF=テトラヒドロフラン;DMF=ジメチルホルムアミド;灰色丸=
ポリスチレン:
【化53】
【0088】 以下のスキーム18(a)から18(e)は、上記の部分反応の詳細を示す
【化54】
【0089】 以下のスキーム18(f)から18(i)は、上記の部分反応の詳細を示す
【化55】
【0090】 以下のスキーム18(j)から18(k)は、上記の部分反応の詳細を示す
【化56】
【0091】 スキーム18[18(A)、18(B)、18(C)および18(a)から18(k)を 含む]において、 Roは=H、O−Me、O−Et、O−CH2CF3およびO−n−プロピルを意
味する; O−Rpは=−Me、O−Et、O−n−プロピル、O−n−ブチル、O−CH 2 CF3
【化57】 またはHN−Me、HN−n−プロピル、
【化58】 を意味する。
【0092】 従って、樹脂250または樹脂250を含むIRORI Microkans(登録商標)21の 個々のフラスコを、スキーム18に要約の化学を行うために利用する。従って、
250(240の脱アセチル化に由来)は、適当な結合条件下でLG−Rn[酸無 水物、酸塩化物、カルボン酸またはイソシアネート]と反応し、エステルおよび カルバメートのシリーズを提供し(90−95%)、これはTBAFで脱保護し、
ヒドロキシエステル310を導く(>95%)。反応物(樹脂またはMicrokans(登 録商標)、310)の一部をLG−Rn[酸無水物、酸塩化物またはイソシアネー ト]と適当な結合条件化で処理し、HO−Ro存在下のPPTS−誘導開裂後(6
0−90%)、320の結合体を介して一連のサルコジクチン330を提供する(
スキーム18(A)参照)。
【0093】 反応物310の一部の2番目をデス−マーチン酸化に付し、収率>95%でア
ルデヒド樹脂340を提供する。340のNaClO2での更なる酸化は、カル ボン酸樹脂350(>95%)をもたらし、これはミツノブ条件下のアルコール[ HO−Rp]またはDCC/4−DMAP条件下のアミン[H2N−Rp]との結合
反応に付す。得られたエステルまたはアミド(360)を次いで、HO−Ro中で
酸(CSA)開裂条件下に曝し、サブライブラリー370を得る(60−90%)( スキーム18(B)参照)。
【0094】 反応物31の一部の3番目を、(PhO)2PON3、DEADおよびPh3Pの 作用により、収率>95%でアジド380に変換する。380のアジド基のPh 3 P−H2Oでの還元は、対応するアミン(95%)を与え、これをLG−Rq[無 水物または酸塩化物]と結合させてアミド誘導体390を得る。次いで、化合物 400を、HO−Ro中のPPTSに曝すことにより、樹脂390から放出させ
る(60−90%)。各ライブラリーメンバーを、約1−5mgスケールで得、シリ
カゲルクロマトグラフィー(フラッシュカラムまたは薄層)またはHPLCにより
精製する。開裂のむしろ広い範囲の収率は、動態的理由および/または産生条件
下での長い暴露の個々の生産物の不安定性に帰する。
【0095】 固相でのDCC結合生産物で得られた低い収率のため、多くのサルコジクチン
アナログを慣用の溶液法で製造する。具体的に、サルコジクチン420−540
は、スキーム19に概略のように合成する。
【0096】 スキーム19:溶液中のサルコジクチンアナログ480−540の合成。試薬お
よび条件:a)酸Ar−IまたはAr−IIまたはAr−III(1.3等量)、DCC(
2.0等量)、4−DMAP(0.5等量)、CH2Cl2、25℃、36時間;b)T
BAF(2.0等量)、THF、25℃、1時間、2段階にわたり720に関して 73%、2段階にわたり730に関して61%、2段階にわたり440に関して
79%;c)デス−マーチンペルヨージナン(2.5等量)、NaHCO3(約10等
量)、CH2Cl2、25℃、0.5時間、450に関して44%、460に関して
40%、470に関して84%;d)NaClO2(6.0等量)、NaH2PO4(3
.0等量)、2−メチル−2−ブテン(50等量)、THF:t−BuOH:H2O(
5:5:1)、0℃、2時間;e)CH22またはCH3CH22、0℃、10分 、2段階にわたり480に関して43%、2段階にわたり490に関して71%
、2段階にわたり500に関して87%;f)酢酸無水物(5.2等量)、トリエチ
ルアミン(6.8等量)、4−DMAP(1.6等量)、CH2Cl2、25℃、2時間
、100%;g)CSA(触媒、10%mol)、CH2Cl2:H2O(10:1)、2 5℃、72時間、95%;h)DAST(2.0等量)、CH2Cl2、−78℃、3
時間、99%;i)PH3PCHCO2Me(1.5等量)、ベンゼン、80℃、95
−98%;j)LiOH(3.0等量)、THF:H2O(1:1)、25℃、100 %。DCC=ジシクロヘキシルカルボジイミド;4−DMAP=4−(ジメチル アミノ)−ピリジン;TBAF=テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド; THF=テトラヒドロフラン;CSA=カンファースルホン酸;DAST=ジエ
チルアミノスルファートリフルオリド*)J. Am. Chem. Soc. 34, 8661-73 (1998)
:
【化59】
【化60】
【0097】 従って、多くのエステル側鎖がC−8に挿入され、C−4の付属基は、CH2 OH、CH2OAcおよびCH2Fを含むように修飾される。従って、DCC/4
−DMAPにより助けられる410とカルボン酸Ar−I、Ar−IIおよびAr
−III(対応する既知のピリジン、チアゾ−ル(Nicolaou et al., J. Am. Chem. S
oc. 1997, 119, 7960-7973; Nicolaou et al., J. Am. Chem. Soc. 1997, 119,
7974-7991)およびオキサゾール(Kende et al., Tetrahedron Lett. 1995, 36, 4
741-4744)アルデヒドから、優れた収率でヴィティヒオレフィン化−サポニン化 連続により由来)の結合は、シリコン保護基のTBAF除去後、エステル420(
73%)、430(61%)および440(79%)を各々与える。これらのヒドロ キシエステルのデス−マーチン酸化は、各々アルデヒド450(44%)、460
(40%)および470(84%)を導く。
【0098】 450、460および470のNaClO2での更なる酸化および得られたカ ルボン酸のCH22またはCH3CH22での処理は、各々サルコジクチン48 0(43%)、490(71%)および500(87%)を導く。フルオロサルコジク
チン52(K. C. Nicolaou et al., Angew. Chem. Int. Ed. 1998, 37, 1418-142
1)は、先に合成した化合物51(K. C. Nicolaou et al., Angew. Chem. Int. Ed
. 1998, 37, 1418-142)からDASTの作用により産生され(99%)、一方アセ テート53(K. C. Nicolaou et al., Angew. Chem. Int. Ed. 1998, 37, 1418-1
421)および54は、51から、スキーム19に示すように、CH2Cl2:H2O 中の酢酸無水物/トリエチルアミン/4−DMAPおよびCSAとの連続処理に
より製造する。
【0099】 サルコジクチンの生物学的評価 合成サルコジクチンライブラリー(スキーム20に示す)を、濾過比色アッセイ
および100μM化合物を37℃で使用して、チューブリン重合化の誘導に関し
てスクリーニングする(結果は表3に記載する;Bollag et al., Cancer Res. 19
95, 55, 2325-2333)。
【0100】 スキーム20および第2表:サルコジクチンアナログの種々の構造およびチュー
ブリン重合化特性。 スキーム20:
【化61】
【化62】
【化63】
【0101】 第2表:サルコジクチンアナログ(X1)−(X20)のチューブリン重合化特性
【表2】
【表3】
【0102】 これらの研究の後、二つのタキソール耐性系(1A9PTX10および1A9PTX22;Giann
akakou et al., J. Biol. Chem. 1995, 272, 17118-17125)を含む卵巣癌細胞で 細胞毒性実験を行う。試験した細胞系で2000nM以下のIC50値を示す実験を
、第3表に表にする。
【0103】 第3表は、サルコジクチンの以下のチューブリン重合化および細胞毒性特性を有
するサルコジクチンの細胞毒性を表にする:(a)チューブリン重合化測定は、医
薬濃度(100μM)の調節およびインキュベーション時間(90分)以外、37℃ で行う。(b)細胞毒性実験は、先に記載のように行う(Giannakakou et al., J.
Biol. Chem. 1995, 272, 17118-17125; Nicolaou et al., Angew. Chem. Int. E
d. Engl. 1997, 36, 2097-2103参照)。 第3表:サルコジクチンのチューブリン重合化および細胞毒性特性:
【表4】
【0104】 本データは、多くの重要な構造活性関係(SAR)を示す。従って、好ましい化
合物600、730−750および850は、サルコジクチンA(7)またはB( 8)のものよりも優れたチューブリン重合化特性を示す。細胞毒性研究において 、特に好ましい化合物600、610、630、660−700、730、76
0、850および920は、天然物質(7および8)のものと同等か、それよりも
高い有効性を示す。特に顕著なのは、より好ましい化合物600、610、67
0、680および広い意味で、また730、760、850および920のタキ
ソール耐性腫瘍細胞系への細胞毒性である。興味深いことに、これらの化合物の
いくつかのチューブリン重合化特性は、その細胞毒性作用と常に調和している訳
ではない(例えば、610および700)。これらの観察は、これらの化合物の作
用のDNAアルキル化のような付加的機構を示す。
【0105】 C−8エステル側鎖の重要性は多くの置換により明らかになっている。従って
、天然ウロカニン酸側鎖のアセテート(化合物1070、スキーム20、第2表)
またはフェニルカルバメート(化合物1010)への置換は、活性の大きな損失を
もたらす。同様に、エステル側鎖のα,β−不飽和部分を残しながらのヘテロ環 のフェニル基への置換は、ごくわずかな生物活性のみを導く(化合物990)。イ
ミダゾール由来天然置換基のピリジン(化合物480、スキーム20、第2およ び3表)、チアゾール(化合物490)またはオキサゾール(化合物500)部分へ のより微細な置換でさえ、活性のかなりの損失を導き、それにより天然産物のそ
の作用機構における窒素原子の役割が示される。比較して、C−4ケタール中心
の修飾は、生物活性により耐容性であるように見える。従って、天然産物のOH
基のOMe部分への置換は、タキソール耐性細胞系への促進された生物活性をも
たらすが(化合物600および610)、一方O−nPrまたはOCH2CF3での
置換は、細胞毒性の全体的減少をもたらす(化合物740および840)。
【0106】 強いチューブリン重合化または細胞毒性特性を示すことができないC−15還
元化合物およびその誘導体(例えば、化合物510−530および550−59 0、スキーム20、第2および3表)は、むしろ興味をそそることに、C−15 位が還元され、グリコシル化されたエレウセロビン(4)の強い生物活性を与える
。興味深いことに、C−15ジメチルアセタール(化合物730)は、天然産物( 7および8)と同等な生物活性を示し、従って、エステル官能性が活性に必須で ないことを証明する。C−2エステル基のアルコール成分の修飾は、天然産物と
比較して、これらの化合物の生物活性の有意な修飾をもたらす。従って、メチル
(化合物600)のエチル(化合物610)、n−プロピル(化合物680)またはア
リル基(化合物700)への置換は、生物活性の促進をもたらす。傾向の逆転は、
n−ブチル(化合物630)またはイソペンチル(化合物710)のようなバルキエ
ール(bulkier)置換基で示される。興味深いことに、しかし、アントラセニル(化
合物920)、ベンジルオキシエチル(化合物690)および4−ブチルフェニル(
化合物660)の大きな部分は、天然産物と同程度か、または良好な細胞毒性を 示す(そのチューブリン重合能が中程度であってさえ)。スキーム21は、現在ま
で得られたサルコジクチンファミリーの化合物内のSARを要約する。
【0107】 スキーム21:サルコジクチンの構造活性関係(SAR)。a)側鎖のアセテート 、フェニルカルバメートまたはシンナモイルエステルでの置換は耐容性でない。
b)置換イミダゾールヘテロ環のピリジン、チアゾールまたはオキサゾールでの 置換は、減少した活性を導く。c)メチルおよびエチルケタールは十分耐容性で あるが、プロピルまたはトリフルオロエチルケタールは耐容性でない。d)エス テルは対応するアミドよりも活性である;エステル基の置換は十分耐容性である
;エステルのアルコールおよびその誘導体への還元は、耐容性でない(エレウセ ロビン4以外)。
【化64】
【0108】 本実施例において、天然に存在するサルコジクチンA(7)およびB(8)の化学
合成のための固相化学の開発およびそのサルコジクチン組合わせライブラリーの
構築への適用を説明する。本ライブラリーは、溶液法で合成された化合物により
補われ、チューブリン重合化および細胞毒性に関する生物学的評価に付される。
結果は、新規合成法開発および本新規構造クラスの化合物の構造活性関係の観点
の両方に有用である。更に、本明細書に記載の化学は、化学生物学実験における
REC化学(Nicolaou et al., Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1995, 34, 2289-2
291; Moran et al., J. Am. Chem. Soc. 1995, 117, 10787-10788; Nicolaou et
al., Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1997, 36, 2097-2103)の使用を証明し、癌
化学両方の分野での更なる開発の段階を準備する。
【0109】 実施例III.エレウセロビンおよびエレウソシドAおよびBの合成: 本実施例は、細胞毒性海洋天然産物エレウセロビン(4)およびエレウソシドA
(5)およびB(6)の全合成を記載する。本方法は、(+)−カルボン−由来中間体
35の、アラビノース−由来トリクロロアセトイミデート900(スキーム23 、下記参照)でのグリコシド化、続く塩基−誘導閉環および同化を含み、ジヒド ロキシエネイノン1900を提供する。1900の選択的水素化は、ジエノン2
000の産生および分子内崩壊を導き、2100、そこから22を、標的分子の
必要な構造フレームワークと共にもたらす。最後に、混合無水物のエステル化、
続く脱保護は、エレウソシドA(5)およびB(6)の前駆体として働くエレウセロ
ビン(4)を提供する。エレウセロビンのα−グリコシドアノマーである化合物2
700(スキーム25、下記参照)は、また開発した化学の提供により合成し、生
物学的スクリーニングのための所望のアナログを産生する順番の柔軟性を証明す
る。
【0110】 レトロシンセシス分析および方法 D−アラビノピラノース部分以外、エレウセロビン(4)およびエレウソシドA
(5)およびB(6)の構造特性は、サルコジクチン(7、8)と類似である。その全
合成の方法は、炭水化物単位の導入のための適当な但し書きを含む類似のレトロ
シンセシス分析から考案される。スキーム2(上記参照)は、エレウセロビン(4)
およびエレウソシド(5、6)のコア構造のレトロシンセシス分析を概説する。従
って、標的構造(I*)からの(E)−N(6)−メチルウロカニン酸残基の除去およ び中心2環式コアの酸素架橋の分解は、10員環ジヒドロキシジエノンII*を導 き、その起源は開鎖アセチレン無水物III*から追跡できる。スキーム23(下記 参照)に示すように、更なる炭素−炭素結合切断および逆グリコシド化は、ヒド ロキシアセチレン35を導き、その(+)−カルボンとの関係は明白である。カル
ボンの(+)−エナンチオマーが最初の出発物質として選択されるが、(−)−エナ
ンチオマーがまた天然物質の完全立体化学がそれを必要とする場合、利用可能で
あることを知ることは容易である。計画された全合成に必要なトリクロロアセト
イミデート900は、D−アラビノーステトラアセテート1000をたどる。エ
レウセロビン(4)およびエレウソシドA(5)およびB(6)の全合成の実行は、下
記のように行う。
【0111】 エレウセロビン(4)の全合成 (+)−カルボン由来ヒドロキシアルデヒドフラグメント35(スキーム23、 下記参照)の構築は、先の実施例に記載されている。従って、ここでは必須フラ グメントであるトリクロロアセトイミデート900の合成から始める(スキーム 22)。
【0112】 スキーム22:グリコシドドナー900の構築。試薬および条件:a)1.1等量
のNaH、DMF、0℃、30分;次いで1.2等量のPMB−Cl、2時間、 93%;b)0.1等量のTsOH・H2O、エチレングリコール−メタノール(1
:10)、25℃、6時間、84%;(c)4.0等量のTBS−OTf、10等量
のトリエチルアミン、CH2Cl2、0℃、2時間、97%;(d)3.4等量のN BS、11等量のピリジン、アセトン−H2O(93:7)、80%(約2:1比の
アノマー);(e)0.1等量のNaH、5.0等量のCl3CCN、CH2Cl2、2
5℃、3.5時間、93%。Ts=p−トルエンスルホニル、TBSOTf=ter
t−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、NBS=N−ブロ モスクシンイミド、PMB=p−メトキシベンジル:
【化65】
【0113】 従って、アラビノーステトラアセテート(1000)は、近年これらの研究室(N
icolaou et al., Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1997, 36, 2520-2524)から報告
される順番により、チオグリコシド1100に有効に変換される。1100のヒ
ドロキシル基は、次いで、PMBとしてPMB−Clの作用により、NaH存在
下保護され(収率93%)、得られた化合物1200のアセトニド基は、エチレン
グリコール:メタノール(1:10)中のTsOHでの処理により除去され、収率
84%でジオール1300をもたらす。1300中のヒドロキシル基を、次いで
シリル化(TBSOTf−トリエチルアミン、1400の収率97%)し、アノマ
ー位を、水性アセトン中のNBS−ピリジンの作用により遊離し、ラクトール1
500(収率80%、アノマーの約1:2の混合物)を得る。最後に、NaHでの
1500の処理、続くCl3CCNの添加により、所望のトリクロロアセトイミ デート900を、収率93%で主要異性体として(95%以上の純度)を得る。こ
の感受性中間体の精製は、短いカラムでのフラッシュクロマトグラフィーにより
達成する(シリカ、1%トリエチルアミン含有ヘキサン中10%ジエチルエーテ ル)。
【0114】 次ぎの仕事は、ヒドロキシアルデヒド35の、アラビノース由来カルボヒドレ
ートドナー900での立体特異的グリコシド化の適当な条件の定義である。この
目的のために、スキーム24および第4表の実験を行う:
【0115】 スキーム24および第4表:エレウセロビン(4)の全合成のための重要中間体条
件。糖部分の結合の実験。a)出発物質の濃度は0.1M、TMSOTf(2−5 %)、1.5等量のイミデート;b)出発物質の濃度は0.07M、TMSOTf( 2−5%)、2.5等量のイミデート;c)二つのアノマーの割合はNMRで決定 。TES=トリエチルシリル、PMB=p−メトキシベンジル、TBS=t−ブ
チルジメチルシリル、NIS=N−ヨウドスクシンイミド:
【化66】
【0116】 第4表:エレウセロビン(4)の全合成のための重要中間体条件:
【表5】
【0117】 実際、実験条件を変化することにより、形成されたグリコシド結合の立体選択
性を逆転することが可能である。従って、35と900の、触媒としてのTMS
OTf存在下、−78℃での反応は、α−アノマー2600が優性で約8:1の
比率のグリコシドを提供するが(合わせた収率75%)、溶媒としてのジオキサン
:トルエン(2:1)の0℃での使用は、所望のβ−アノマー2500が優性で約
8:1の生産物の比率を導く(クロマトグラフィー精製後の純度75%)。フラッ
シュクロマトグラフィー法は、次ぎの段階のために準備がされた純粋2500を
産生する。
【0118】 純粋β−アノマー2500の、THF中、−30℃でのLiHMDSとの反応は、ア
セチリド形成を介した滑らかな結晶化をもたらし、アルデヒド基の分子内攻撃は
、中間体2級アルコール(ジアステレオマーの混合物)を提供し、これは直ぐにデ
ス−マーチン試薬でジエノン1600に酸化される(スキーム23;Chen et al.
, Angew. Chem. Int. Ed. 1998, 37, 789-792)。
【0119】 スキーム23:エレウセロビン(4)の全合成。試薬および条件:a)900、T MSOTf、図25参照;b)2.0等量のLiHMDS、THF、−30℃、20分;
c)2.0等量のデス−マーチンペルヨージナン、10等量のNaHCO3、10 等量のピリジン、CH2Cl2、0℃、15分、2段階で93%;d)2.2等量の
DDQ、CH2Cl2:H2O(20:1)、25℃、91%;e)12等量の酢酸無
水物、16等量のトリエチルアミン、0.5等量の4−DMAP、CH2Cl2、 25℃、1時間、95%;f)トリエチルアミン・3HF:THF(1:7)、2 5℃、3時間、81%;g)H2、50mol%、リンドラー触媒、OhCH3、25
℃、20分;h)0.2等量のPPTS、メタノール、25℃、20分、2段階で
76%;i)10等量の2400、15等量のトリエチルアミン、2.0等量の4
−DMAP、CH2Cl2、25℃、18時間、97%;j)17等量のTBAF 、4.0等量のAcOH、THF、25℃、2.5時間、96%。TMSOTf=
トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、LiHMDS=リチウムヘキサメ
チルジシラザン、DDQ=2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾ キノン、4−DMAP=4−ジメチルアミノピリジン、リンドラー触媒=Pd/
CaCO3/Pb、PPTS=ピリジウムp−トルエンスルホネート、TBAF =テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド:
【化67】
【0120】 ここで、ピラノース環のC−2位への挿入をする。PMB基の1600からの
DDQでの選択的除去は、収率91%で対応するヒドロキシ化合物1700(ス キーム23)の形成を導く。標準アセチル化は、次いで、アセテート1800(収
率95%)を導く。両方のTES基を、次いで1800から、THF中のEt3 3 HFの区別される作用により、TBS基に損傷を与えることなく除去し、ジオ ール1900をもたらす。
【0121】 合成の次ぎの目的は、重要ジエノン2000の産生であり、一過性の中間体は
その架橋異性体2100に容易に崩壊されることが予期される(スキーム23)。
実際、アセチレン部分の選択的水素化により(リンドラー触媒、H2、トルエン、
25℃)、化合物1900が予期されるラクトール2100を産生させ、そのメ トキシケタール2200への変換は直接であることが証明される(メタノール、 PPTS、1900からの収率76%)。
【0122】 (E)−N(6)−メチルウロカニン酸残基の標的分子の主フレームワークへの結
合は、CH2Cl2中のトリエチルアミンおよび4−DMAP存在下の25℃での
アルコール2200と混合無水物2400の反応により達成され(Yang et al.,
Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1997, 36, 166-168; Nicolaou et al., Angew. C
hem. Int. Ed. Engl. 1997, 36, 525-526)、エステル化産物2300を導く(収 率97%)。最後に、2300の、THF中のTBAF−AcOHへの暴露は、 TBS基の開裂および、収率96%でエレウセロビン(4)の放出をもたらす。合
成エレウセロビン(4)は、天然物質で報告されているものと同一の物理学的デー
タを示す。更に、その回転の徴候[α]D−67(c=0.2、メタノール)は、天然
エレウセロビンで報告されているものと同じであり、後者の(+)−カルボンおよ
び構造4に対応する、完全立体化学を確立する。
【0123】 エレウセロビンのα−グリコシドアナログ2700(スキーム25)は、4と同
じ経路に従って、α−アノマー2600(スキーム24)から合成される(スキー ム23に示す)。
【0124】 スキーム25:エレウセロビンのα−アノマー(2700)の合成、即ち2600
から2700への変換。反応条件は、スキーム23の通り:
【化68】 構築に関連する段階の収率は、エレウセロビン順序のものと類似である。
【0125】 エレウソシドの全合成 エレウソシドA(5)およびB(6)を、スキーム26に示すようにエレウセロビ
ン(4)から合成する。
【0126】 スキーム26:エレウソシドA(5)およびB(6)(スキーム26(A))および誘導
体3100および3200(スキーム26(B))の合成。試薬および条件:a)1.
1等量の酢酸無水物、3.0等量のトリエチルアミン、0.2等量の4−DMAP
、0℃、1時間、16%の2800と73%の2900と3000の混合物(N MRにより2.2:1);b)2.0等量のCSA、CH2Cl2:H2O(10:1) 、25℃、48時間、80%の5と6の混合物(出発物質の87%変換に基づく)
;c)4.0等量のTBAF、THF、25℃、6時間、4(22%)、3100( 60%)および3200(8%)。4−DMAP=4−ジメチルアミノピリジン、 CSA=10−カンファースルホン酸:
【化69】
【0127】 スキーム26(B)
【化70】
【0128】 CH2Cl2中、過剰のトリエチルアミンおよび0.2等量の4−DMAP存在 下で、0℃での4の1.1等量の酢酸無水物への暴露は、トリアセテート280 0(収率12%)およびジアセテート2900および3000(1H−NMRで29
00が優性で約1:2混合物として収率75%)、加えて幾分かの未反応出発物 質(13%)をもたらす。分けることができないジアセテートの混合物(2900 および3000)を、湿潤CH2Cl2のCSAに曝し、エレウソシドAおよびB の混合物(5+6)をもたらす(スキーム26(A))。この混合物は、慣用のクロマ
トグラフィー法で分離できず、これ自体、全てに関して、天然エレウソシドA( 5)およびB(6)で報告されているデータと適合すると特徴付けられる。THF 中のビス−TBSエーテル2300(または4)とTBAFの25℃での暴露は、
アセテート基の2位から4−ヒドロキシ基へのゆっくりした移動を引き起こし、
異性体エレウセロビン3100(収率60%)を導き、およびデアシル化はデアセ
トキシエレウセロビン3200(収率8%)を導く(スキーム26(B))。3100
の構造は、NMR分光法により確立され(1H 1D−および2D−COSY)、
4と2300と比較される。
【0129】 従って、要約として、実施例IIIは実施例IおよびIIのサルコジクチンAおよ びBの記載と類似の方法を教示する;閉環前の分子へのアラビノースピラノシド
部分の挿入により、海洋天然産物エレウセロビン(4)およびエレウソシドA(5)
およびB(6)が達成されている。加えて、グリコシド結合がα−位に位置してい
る異性体エレウセロビン(2700)およびエレウソシドアナログ2800−32
00の化学合成が記載される。報告された化学は、珍しい天然に存在する物質だ
けでなく、設計アナログおよび生物学的スクリーニング目的の組合わせライブラ
リーへの接近を可能にする。チューブリン重合化および微小管安定化の興味をそ
そる機構と組合わせて、記載の方法は、可能性のある新規クラスの抗癌剤として
、エレウセロビンおよびエレウソシドを魅力的な物とする。
【0130】 スキーム27−33に記載の化合物は、スキーム20および第2表に記載の化
合物と同じ条件に従って合成する。 本発明の好ましい形を図面に示し、記載するが、好ましい形のバリエーション
は当業者に明白であるため、本発明は、示し、記載する特定の形に限定されると
解釈すべきではなく、特許請求の範囲の通りである。
【0131】 詳細な実験 一般法。全ての反応は、特記しない限り、乾燥させた、新たに蒸留した溶媒で、
無水条件下、アルゴン雰囲気下で行う。テトラヒドロフラン(THF)、トルエン
およびエチルエーテル(エーテル)をナトリウム−ベンゾフェノンから、および塩
化メチル(CH2Cl2)を水素化カルシウムから蒸留する。無水溶媒はまたそれら
を商品として入手可能なアルミナカラムを通して得る。収率は、特記しない限り
、クロマトグラフィーおよび分光学的(1H NMR)に均質な物質に関する。試 薬は、特記しない限り、最高の商品品質を購入し、更なる精製無しに使用する。
反応は、0.25mm E. Merkシリカゲルプレート(60F-254)で、可視化剤として UV光および7%エタノール性ホスホモリブデン酸またはp−アニスアルデヒド
溶液を使用し、展開剤として加熱して行う薄層クロマトグラフィーで監視する。
E. Merkシリカゲル(60、粒子サイズ0.040−0.063mm)をフラッシュカ ラムクロマトグラフィーに使用する。分取薄層クロマトグラフィー(PTLC)分
離を、0.25、0.50または1mm E. Merkシリカゲルプレート(60F-254)で行 う。NMRスペクトルをBruker DRX-600、AMX-500またはAMX-400装置に記録し、
内部対象として残余非重水素化溶媒を使用して計算する。以下の略語を多重度の
説明のために使用する:s=1重、d=2重、t=3重、q=4重、sept=7重
、m=多重、br=ブロード。IRスペクトルをPerkin−Elmer 1600シリーズFT-I
Rスペクトロメーターに記録する。光学的回転をPerkin-Elmer 241偏光計に記録 する。高分解能マススペクトル(HRMS)をVG ZAB-ZSEマススペクトロメーター
に、マトリックスとしてのNBAによる高速原子衝撃(FAB)条件下、記録する
。融点(mp)は未補正であり、トーマス・フーバー・ユニメルト毛細管融点装置で
記録する。
【0132】 スキーム3に説明するような、S−(+)−カルボンからのエポキシド10の合成
。 4N NaOHの溶液(48ml、192.0mmol、0.3等量)を、メタノール( 1000ml)中のS−(+)−カルボン(100.0g、665mmol、1.0等量)の 溶液に、0℃でゆっくり添加し、続いて、35%過酸化水素溶液(70.0ml、7
92.6mmol、1.2等量)を3時間にわたり滴下する。TLC分析で確認して反 応が完了した後、飽和Na2SO3溶液(200ml)のゆっくりした添加により停止
させ、CH2Cl2(3回300ml)で抽出する。有機抽出物をNa2SO4で乾燥さ
せ、濃縮してカルボンエポキシド産物を得、それを更に精製することなく使用す
る。エタノール(500ml)中の本エポキシド(101.8g、612.4mmol、1.
0等量)およびPtO2(0.72g、3.18mmol、0.095等量)の溶液を水素 雰囲気(1atm)下、25℃で12時間撹拌する。次いで、反応混合物を、ジエチ ルエーテルで溶出してCelite(登録商標)(珪藻土、Celite Corp.)パッドを通して
濾過し、濃縮する。粗生産物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘ キサン中5%EtOAc)で精製して、エポキシド10(97.8g、87%、2 段階)を無色油状物として得る。Rf=0.40(シリカゲル、EtOAc−ヘキサ
ン、1:10);FT−IR(正味)νmax2959、2873、1708、146
6、1438、1369、1111、884および814cm-1
【0133】 スキーム3に説明するような、ホルムアルデヒドアドール反応を介した11の合
成 THF(400ml)中のジイソプロピルアミン(14.06ml、107.26mmol 、1.2等量)の溶液に、−78℃で、ヘキサン中の1.6M n−BuLi溶液(
67.1ml、107.3mmol、1.2等量)を添加する。次いで、反応物を0℃に温
め、30分撹拌し、その後、THF(100ml)中のケトン10(15.0g、89
.2mmol、1.0等量)の溶液を、カニューレを介して−78℃で1.5時間にわた
り滴下し、その後撹拌を30分続ける。140℃で熱分解し、得られたガスを−
78℃で45分、THF(500ml)を通してバブリングして製造したホルムアル
デヒド(33.0g、1.10mol、12.2等量)の溶液を、カニューレを介して、
1時間にわたり−78℃でエノレート溶液に添加する。次いで、反応混合物を0
℃に温め、飽和NH4Cl溶液(100ml)の添加により停止し、ジエチルエーテ ル(3回300ml)で抽出する。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃
縮する。粗生産物をシリカの短いパッドを通して濾過し、ヘキサン中の10%E
tOAcで溶出して対応するアルコール(約10.9g、約63%)を得る。CH2 Cl2(200ml)中の本アルコール(10.9g、55.0mmol、1.0等量)、トリ
エチルアミン(46ml、330mmol、6.0等量)および4−DMAP(328mg、
2.68mmol、0.05等量)の溶液に、TBSCl(9.9g、66.0mmol、1. 2等量)を0℃で添加する。反応混合物を、25℃で12時間撹拌し、反応の終 りをTLC分析で確認した後、メタノール(10ml)および水(100ml)の添加に
より停止させる。有機相を分離し、Na2SO4で乾燥させて濃縮する。粗生産物
をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中3%EtOAc)によ
り精製してシリルエーテル11(8.21g、53%、2段階)を得る。Rf=0. 70(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:10);FT−IR(正味)νmax 2958、2931、2856、1705、1471、1254、1109、8
82、835、777cm-1
【0134】 スキーム3に説明するような、ケトン11のエナンチオ選択的還元を介した12
の合成 THF(300ml)中のケトン11(19.2g、61.4mmol)の溶液に、−78
℃で、THF(73.7ml、73.7mmol、1.2等量)の1.0M L−セレクトリ
ドを、カニューレを介して1.5時間にわたり添加する。反応混合物を同じ温度 で更に30分撹拌し、出発ケトンの完全な消費をTLCで確認した後、飽和NH 4 Cl溶液(100ml)の添加により停止させ、0℃に温める。次いで、過剰の3 5%過酸化水素(8.0ml、79.8mmol、1.3等量)溶液を添加し、混合物を0 ℃で1時間撹拌する。反応混合物をEtOAc(3回200ml)で抽出し、有機抽
出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。粗生産物をフラッシュクロマトグラフ
ィー(シリカゲル、ヘキサン中5%EtOAc)で精製し、2級アルコール12( 18.0g、93%)を明黄色油状物として得る。Rf=0.32(シリカゲル、E tOAc−ヘキサン、1:10);FT−IR(正味)3553、3506、29 55、2882、1471、1436、1388、1266、1255、109
2、1068、1006、960、905、836、776cm-1
【0135】 スキーム3に説明するような、対応するメシレートを介したアリルアルコール1
3の合成 CH2Cl2(250ml)中のアルコール12(29.0g、92.2mmol、1.0等
量)およびトリエチルアミン(33.8ml、243.0mmol、2.6等量)の溶液に、
0℃でメタンスルホニルクロライド(8.2ml、106.3mmol、1.15等量)を 1時間にわたり滴下する。反応混合物を、0℃で2時間(反応の進行をTLCで 監視しながら)撹拌し、食塩水の添加により停止し、EtOAc(3回300ml) で抽出する。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。生産物を
ジエチルエーテルで溶出してシリカゲルの短パッドで濾過し、予期されるメシレ
ートを得、それを直ぐに更に精製することなく次の段階に使用する。Na−金属
(12.3g、535.6mmol、5.8等量)の、THF(1800ml)中のナフタレ ン(80.3g、627.1mmol、6.8等量)への添加および混合物の2時間の撹 拌により調製した、NaC108の溶液に、THF中のメシレート(300ml)の 溶液を、カニューレを介して0℃で滴下する。反応混合物を30分(TLC監視)
撹拌し、NH4Cl溶液(200ml)の添加により停止させ、食塩水で処理し、E tOAc(3回300ml)で抽出する。有機抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮
する。粗生産物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中10 %Et2O、続いてヘキサン中10%EtOAc)により精製し、アリルアルコー
ル13(24.2g、85%、2段階)を無色油状物として得る。Rf=0.53(シ
リカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:3);FT−IR(正味)νmax3351、
2956、2931、2857、1468、1254、1095、1058、8
37、776cm-1
【0136】 スキーム3に説明するような、重要中間体アルデヒド14の合成 アルコール13(1.61g、5.42mmol、1.0等量)、オルト酢酸トリエチ ル(39.6ml、216.8mmol、40.0等量)およびプロピオン酸(0.04ml、 0.542mmol、0.1等量)の混合物を170℃で72時間加熱する。過剰のオ ルト酢酸トリエチルを真空蒸留(25mmHg)により除去し、残りの残渣をフラッシ
ュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中3%EtOAc)で精製して予期
されるエチルエステル(1.50g、74%)を産生し、それを更に精製すること なく次ぎの段階に使用する。DIBALの1.0M CH2Cl2溶液(4.6ml、 4.60mmol、1.2等量)を、CH2Cl2(19ml)中のエチルエステル(1.41 g、3.83mmol、1.0等量)の溶液に−78℃で徐々に添加し、反応混合物を 30分、その温度で撹拌する。飽和NH4Cl溶液(20ml)の添加および2時間 の環境温度での撹拌により停止を行う。有機相を分離し、Na2SO4で乾燥させ
て濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中5 %EtOAc)で精製し、アルデヒド14(1.20g、97%)を無色油状物とし
て得る。エチルエステルのデータ:Rf=0.34(シリカゲル、EtOAc−ヘ キサン、1:30);FT−IR(正味)νmax2929、2857、1738、1
470、1369、1255、1156、1100、837、775cm-1
【0137】 スキーム4に説明するような、α,β−不飽和エステル15の合成 水素化ナトリウム(鉱物油中60%w/w、542mg、13.55mmol、2.0 等量)のTHF(30ml)懸濁液に、THF(10ml)中のホスホノ酢酸トリエチル(
2.7ml、13.55mmol、2.0等量)の溶液を徐々に、カニューレを介して0℃
で添加する。添加が完了した後、反応混合物を、0℃に再び冷却する前に25℃
で20分撹拌する。THF(15ml)中のアルデヒド14(2.20g、6.78mmo
l、1.0等量)の溶液を、反応混合物にカニューレを介して0℃で添加し、反応 混合物を同じ温度で1時間、および25℃で4時間撹拌する。反応の終了がTL
Cで確認された後、反応混合物を飽和NH4Cl溶液(50ml)の添加により停止 させ、ジエチルエーテル(2回100ml)で抽出し、Na2SO4で乾燥させて濃縮
する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中2%Et OAc)で精製し、α,β−不飽和エステル15(2.67g、100%)を無色油 状物として得る。Rf=0.53(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:10)
;FT−IR(正味)νmax2956、1722、1651、1465、1367 、1258、1159、1078、841cm-1
【0138】 スキーム4に説明するような、エステル15からアリルアルコール16の合成 DIBALの1.0M CH2Cl2溶液(12.2ml、12.20mmol、4.0等 量)を、CH2Cl2(15ml)中のα,β−不飽和エチルエステル15(1.20g、
3.05mmol、1.0等量)の溶液に−78℃で徐々に添加し、反応物を2時間、 同じ温度で撹拌する。反応混合物を、飽和NH4Cl溶液(30ml)の添加により 停止させ、環境温度で2時間激しく撹拌し、CH2Cl2(3回50ml)で抽出し、
Na2SO4で乾燥させて濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリ カゲル、ヘキサン中10%EtOAc)で精製し、アリルアルコール16(980
mg、91%)を明黄色油状物として得る。Rf=0.21(シリカゲル、EtOAc
−ヘキサン、1:10);FT−IR(正味)νmax3326、2925、1464
、1385、1253、1106、1005、836、774、668cm-1
【0139】 スキーム4に説明するような、アリルアルコール16からエポキシド17の合成 CH2Cl2(90ml)中のL−酒石酸ジエチル(0.28ml、1.50mmol、0.2
等量)および粉末化4Åモレキュラーシーブ(MS)(6.8g)の懸濁液に、チタン
(IV)イソプロポキシド(0.40ml、1.25mmol、0.2等量)を−20℃で、続 いて、tert−ブチルヒドロペルオキシドの5.0M CH2Cl2溶液(2.7ml、 13.5mmol、2.0等量)を添加する。混合物を40分、同じ温度で撹拌した後 、CH2Cl2(5ml)中のアリルアルコール16(2.38g、6.75mmol、1.0
等量)の溶液を、カニューレを介して滴下する。反応混合物を8時間、同じ温度 で撹拌した後、更にCH2Cl2(150ml)で希釈し、飽和NaHCO3溶液(10
0ml)の添加により停止させる。次いで、混合物を、CH2Cl2で溶出してCelit
e(登録商標)パッドを通して濾過し、有機相を分離し、水および食塩水で洗浄し 、Na2SO4で乾燥させて濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シ リカゲル、ヘキサン中10%EtOAc)で精製し、エポキシアルコール17(2
.25g、91%)を無色油状物として得る。Rf=0.47(シリカゲル、EtO Ac−ヘキサン、1:3);FT−IR(正味)νmax3442、2927、146
5、1387、1253、1104、838、775、668cm-1
【0140】 スキーム4に説明するような、対応するメシレートを介したアリルアルコール1
9の合成 CH2Cl2(28ml)中のエポキシアルコール17(1.05g、2.82mmol、 1.0等量)およびトリエチルアミン(2.40ml、16.9mmol、6.0等量)の溶 液に、メタンスルホニルクロライド(1.4ml、18.08mmol、4.9等量)を− 20℃で滴下する。1時間(TLC監視)後、反応混合物を飽和NH4Cl溶液(2
0ml)の添加により停止し、CH2Cl2(2回50ml)で抽出し、Na2SO4で乾 燥させて濃縮する。残渣を、CH2Cl2で溶出して短シリカゲルパッドを介して
濾過し、濃縮し、更に精製することなく次段階に直ぐに使用する。THF中のメ
シレートの溶液(28ml)を、カニューレを介して、アリルアルコール13の合成
に関して記載したのと同じ方法で産生したナトリウムナフタレニドの0.3M THF溶液(4.7ml、14.1mmol、5.0等量)に0℃で添加する。10分後、 反応混合物を飽和NH4Cl溶液(50ml)の添加により停止させ、ジエチルエー テル(2回50ml)で抽出し、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させて濃縮する
。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中5%EtOA c)で精製し、アリルアルコール19(895mg、90%)を無色油状物として産 生する。Rf=0.34(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:10);FT−
IR(正味)νmax3420、2955、1464、1387、1254、107 3、837、775cm-1
【0141】 スキーム4に説明したような、PMB−エーテル20の合成 CH2Cl2(8ml)中のアリルアルコール19(445mg、1.57mmol、1.0 等量)およびp−メトイベンジル(methoybenzyl)−2,2,2−トリクロロアセト イミデート(2.22g、7.85mmol、5.0等量)を、p−トルエンスルホン酸 ピリジニウム(395mg、0.31mmol、0.2等量)に25℃で添加する。反応 混合物を48時間、同じ温度で撹拌し、反応の終了をTLCで確認した後、飽和
NaHCO3溶液(10ml)の添加により停止させる。有機相を分離し、水性相を CH2Cl2(2回10ml)で抽出する。合わせた有機抽出物をNa2SO4で抽出し
、濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc− ペンタン、1:99)で精製し、PMB−エーテル20(240mg、50%変換を
基本にして89%)を明黄色油状物として産生する。Rf=0.61(シリカゲル、
EtOAc−ヘキサン、1:3);FT−IR(正味)νmax2954、1614、
1514、1464、1250、1080、837、775cm-1
【0142】 スキーム4に説明したような、メチルケトン21の合成 メタノール(2ml)中のPMB−エーテル20(135mg、0.285mmol、1. 0等量)および酢酸水銀(100mg、3.4mmol、1.2等量)の溶液を25℃で1 2時間撹拌する。次いで、反応混合物をメタノール(1ml)中のLiCl(24.1
mg、0.568mmol、2.0等量)、PdCl2(50.5mg、0.285mmol、1.0
等量)およびCuCl2(0.115mg、0.855mmol、3.0等量)の溶液に、カ ニューレを介して移し、更に55℃で3時間撹拌する。飽和NaHCO3(5ml) を添加し、生産物をジエチルエーテル(20回3ml)で抽出する。有機抽出物をN
2SO4で乾燥させて濃縮する。粗生産物をフラッシュクロマトグラフィー(シ リカゲル、ヘキサン中6%EtOAc)で精製し、メチルケトン21(90.5mg 、65%)を無色油状物として得る。Rf=0.34(シリカゲル、EtOAc−ヘ
キサン、1:15);FT−IR(正味)νmax2956、1714、1514、1
249、1081、836cm-1
【0143】 スキーム4に説明するような、プロパルギルアルコール22の合成 CH2Cl2:THF(3:1、20ml)中のメチルケトン21(180mg、0.3
69mmol、1.0等量)の撹拌した溶液に、エチニルマグネシウムブロミド(TH F中0.5M、11.8ml、5.40mmol、14.6等量)を、シリンジを介して、 15分にわたり添加する。反応物を6時間、その温度で撹拌し、その後、25℃
に温める。反応混合物を飽和NH4Cl溶液(10ml)で停止させる。水性相を分 離し、ジエチルエーテル(3回20ml)で抽出し、合わせた有機相をNa2SO4
乾燥させて濃縮する。残渣をTHF(2ml)に取りこみ、TBAFの1.0M T HF溶液(1.47ml、1.47mmol、4.0等量)で25℃で処理する。2時間後(
TLC監視)、反応を水で停止させ、酢酸エチル(3回20ml)で抽出する。合わ せた有機相をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラ
フィー(シリカゲル、ヘキサン中50%EtOAc)で精製し、ジオール22(1 06mg、72%、2段階)を無色油状物として得る。Rf=0.24(シリカゲル、
EtOAc−ヘキサン、1:1);FT−IR(正味)νmax3305、2958、
1614、1514、1248、1090、1035、820cm-1
【0144】 スキーム4に説明するような、酸化−クネーフェナーゲル縮合−保護順序を介し
たシアノエステル25の合成 NaHCO3(504mg、5.99mmol、20.0等量)、ピリジン(0.485ml 、5.99mmol、20.0等量)、デス−マーチンペルヨージナン(191mg、0. 449mmol、1.5等量)およびジオール22(0.120g、0.300mmol、1.
0等量)の混合物を、25℃で4時間撹拌する。次いで、本反応物に、飽和Na HCO3溶液(15ml)を添加し、生産物をジエチルエーテル(3回25ml)で抽出 する。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、ジエチルエーテルで溶出してCe
lite(登録商標)で濾過し、濃縮してアルデヒド23を得、それを更に精製するこ
となく次段階に使用する。95%エタノール中のアルデヒド23(1.8ml)の溶 液に、シアノ酢酸エチル(0.963ml、9.00mmol、30等量)およびβ−アラ
ニン(107mg、1.20mmol、4.0等量)を添加する。72時間、25℃の後、
反応混合物をシリカゲルのパッドを通して濾過し、ジエチルエーテルで溶出し、
濃縮してα,β−不飽和シアノエステル24を得、をれを更に精製することなく 次段階に使用する。24の残渣をCH2Cl2に溶解し、N,N−ジイソプロピル エチルアミン(0.522ml、2.99mmol、10等量)を添加する。反応物を−7
8℃に冷却し、TMSOTf(0.288ml、1.49mmol、5.0等量)を15分 にわたり添加する。2時間後、反応を過剰のメタノール(1.0ml)で停止させ、 濃縮する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、6%E tOAc、ヘキサン)で精製し、25(0.12g、71%、3段階)を得る。Rf =0.27(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:3);FT−IR(正味)νm
ax2959、2231、1730、1614、1513、1248、1078、
1022、842cm-1
【0145】 スキーム4に説明するような、α,β−不飽和アルデヒド27の合成 ヘキサン(25ml)中のシアノエステル25(280mg、0.497mmol、1.0 等量)の溶液に、−78℃でDIBALの1.0M THF溶液(5.0ml、5.0m
mol、10.0等量)を滴下する。7時間、−78℃および1時間、−40℃の後 、EtOAc(5ml)を添加し、反応混合物を25℃で温める。水(30ml)の添加
および1時間の環境温度での撹拌により、後処理を完了させる。反応混合物をジ
エチルエーテル(3回50ml)で抽出し、Na2SO4で乾燥させて濃縮する。生産
物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中10%EtOAc)
で精製し、アルコール26(210mg、80%)を得る。CH2Cl2(0.95ml) 中の26(50.0mg、0.0949mmol、1.0等量)の溶液に、N,N−ジイソプ
ロピルエチルアミン(0.33ml、1.90mmol、20.0等量)を添加し、得られ た混合物を−78℃に冷却し、その後、TIPSOTf(0.26ml、0.95mmol、10
.0等量)を滴下する。1時間後(TLC監視)、反応混合物をメタノール(0.2ml
)の添加により停止させる。10分後、水性飽和NH4Cl溶液(5ml)を添加し、
混合物を25℃に温め、ジエチルエーテル(10ml)で抽出して濃縮する。残渣を
フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中2%EtOAc)で精製
し、TIPSエーテル27(58.8mg、91%)を無色油状物として得る。Rf
0.33(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:10);FT−IR(正味)νm
ax3470、3300、2957、2360、2337、1672、1613、
1513、1418、1370、1302、1250cm-1
【0146】 スキーム6に説明するような、ジアステレオ異性体ジオール29の合成 THF(70.0ml)中のエチルビニルエーテル(1.16g、16.0mmol、2. 0等量)の溶液に、−78℃でヘキサン中の1.7M t−BuLi(8.5ml、1
4.4mmol、1.8等量)を添加し、溶液を0℃に温める。反応を黄色から無色へ の色の変化により追跡する。得られたビニル−アニオン溶液を次いで−78℃に
冷却し、THF(25ml)中のアルデヒド14(2.60g、8.02mmol、1.0等
量)の溶液を滴下し、その後、反応混合物を更に30分、−78℃で撹拌する。 反応を飽和NH4Cl溶液(40ml)の添加により停止させ、ジエチルエーテル(3
回150ml)で抽出する。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥させて濃縮する
。次いで、粗生産物をジエチルエーテルに溶解し、激しく撹拌しながら、分液漏
斗中で、濃H2SO4で処理する。加水分解の進行をTLCで追跡し、完了したら
、ジエチルエーテル溶液を水(20ml)および飽和NaHCO3溶液(20ml)で洗 浄し、MgSO4で乾燥させて濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(
シリカゲル、ヘキサン中10%から15%ジエチルエーテル)で精製し、ヒドロ キシケトン28を立体異性体の分けることができない混合物(NMRにより約1.
25:1)として得る。THF(78ml)中の混合物28の溶液に、−78℃で、 エチニルマグネシウムブロミド(THF中0.5M、70.8ml、35.0mmol、4
.4等量)を添加し、本溶液を−78℃で6時間撹拌し、次いでゆっくり−10℃
まで温める。反応混合物を、飽和NH4Cl溶液(50ml)の添加により停止し、 ジエチルエーテル(3回100ml)で抽出する。合わせた有機抽出物をMgSO4 で乾燥させ、濃縮し、得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲ ル、ヘキサン中10%から25%ジエチルエーテル)で精製し、所望の異性体(1
.39g、44%)を、そのC−7、C−8立体異性体(1.04g、33%)と共 に得る。29:Rf=0.40(シリカゲル、ジエチルエーテル:ヘキサン、1: 3)。
【0147】 スキーム6に説明するような、トリオール30の合成 THF(16ml)中のジオール29(0.63g、1.59mmol、1.0等量)の溶 液に、0℃でTBAF(THF中1.0M、3.18ml、3.18mmol、2.0等量)
を添加し、反応混合物を1時間にわたり25℃に温める。反応の完了がTLCで
確認された後、溶液を、飽和NH4Cl(50ml)の添加により希釈し、ジエチル エーテル(3回100ml)で抽出する。合わせた有機抽出物を濃縮し、残渣をシリ
カゲルを通して濾過し、トリオール30(0.45g、100%)を明黄色油状物 として得る。Rf=0.12(シリカゲル、ジエチルエーテル−ヘキサン、3:1)
;FT−IR(正味)νmax3385、2958、1448、1368、1078 、946cm-1
【0148】 スキーム6に説明するような、トリシリルエーテル31の合成 CH2Cl2(16ml)中のトリオール30(0.45g、1.59mmol、1.0等量
)の溶液に、トリエチルアミン(2.3ml、16.5mmol、10.3等量)を添加し、
溶液を0℃に冷却する。次いで、TESOTf(2.10g、8.00mmol、5.0等量) を添加し、反応混合物を25℃に温める。出発物質トリオールの消滅がTLCで
確認された後、溶液を飽和NH4Cl(50ml)の添加により希釈し、CH2Cl2(
3回100ml)で抽出する。有機抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥させて濃縮す
る。残渣をシリカゲルを通して濾過し(ヘキサン中25%ジエチルエーテル)、ト
リシリルエーテル31(0.99g、100%)を明黄色油状物として得る。Rf
0.62(シリカゲル、ジエチルエーテル−ヘキサン、1:9);FT−IR(正味
)νmax3308、2956、2876、1459、1414、1378、123
9、1115、1006cm-1
【0149】 スキーム6に説明するような、アルコール32を製造するための1級ヒドロキシ
ドの選択的脱保護 3:1メタノール/CH2Cl2(20ml)中のトリシリルエーテル31(1.48
g、2.37mmol、1.0等量)の溶液に、触媒量のPPTS(45mg、0.24mmo
l、0.1等量)を添加する。その完了後(TLC監視)、反応混合物を飽和NaH CO3(50ml)の添加により後処理し、ジエチルエーテル(3回150ml)で抽出 する。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥させて濃縮する。残渣をシリカゲ ルを通して濾過し、ジエチルエーテルで溶出して、アルコール32(1.18g、
98%)を無色油状物として得る。Rf=0.12(シリカゲル、ジエチルエーテル
:ヘキサン、1:9);FT−IR(正味)νmax3490、3308、2955、
2876、1459、1414、1378、1238、1109、1072、1
004cm-1
【0150】 スキーム6に説明するような、アルデヒド33の合成 CH2Cl2(16ml)中のアルコール32(1.24g、2.43mmol、1.0等量
)および粉末活性化4Å MS(0.5g)の溶液に、NMO(0.43g、3.64m
mol、1.5等量)を添加し、反応混合物を10分撹拌する。次いで、TPAP(0
.043g、0.181mmol、0.07等量)を添加し、反応混合物を25℃で30
分撹拌する。不均質溶液をシリカゲルの短パッドを通して濾過し、CH2Cl2
洗浄する。濃縮後、アルデヒド33(1.20g、98%)を無色油状物として得 る。Rf=0.42(シリカゲル、ジエチルエーテル−ヘキサン、1:9);FT−
IR(正味)νmax3309、2955、2876、1719、1458、141 4、1378、1238、1073、1004cm-1
【0151】 スキーム6に説明するような、α,β−不飽和シアノエステル34の形成 エタノール(15ml)中のアルデヒド33(1.14g、2.25mmol、1.0等量
)、シアノ酢酸エチル(7.63g、67.0mmol、30等量)およびβ−アラニン(
0.080g、9.00mmol、4.0等量)の溶液を、50℃で72時間撹拌する。
次いで、反応混合物を濃縮し、ヘキサン中の10%ジエチルエーテルで溶出して
シリカゲルの短パッドを通して濾過し、シアノエステル34(1.28g、95%
)を無色油状物として得る。Rf=0.40(シリカゲル、ジエチルエーテル−ヘキ
サン、1:9);FT−IR(正味)νmax3308、2958、2878、220
1、1735、1619、1461、1370、1249、1117、1008
cm-1
【0152】 スキーム6に説明するような、ヒドロキシアルデヒド35の合成 ヘキサン(8.4ml)中のシアノエステル34(101mg、0.168mmol、1.0
等量)の溶液に、−78℃でDIBAL(トルエン中1.0M、1.7ml、1.70m
mol、10.0等量)を添加する。反応混合物を6時間、−78℃で撹拌し、次い でゆっくり−10℃に2時間で温める。溶液を次いで酢酸エチル(0.2ml)で希 釈し、飽和NH4Cl(10ml)溶液を添加し、反応を2時間撹拌し、その後、ジ エチルエーテルで溶出して短Celite(登録商標)パッドを通して濾過し、酢酸エチ
ル(3回10ml)で抽出する。合わせた有機抽出物を濃縮し、フラッシュクロマト
グラフィー(シリカゲル、ヘキサン中10%ジエチルエーテル)で精製し、ヒドロ
キシアルデヒド35(79.8mg、90%)を明黄色油状物として製造する。Rf
0.42(シリカゲル、ジエチルエーテル−ヘキサン、1:1);FT−IR(正味
)νmax3447、3307、2957、2877、1677、1459、141
4、1380、1239、1117、1008cm-1
【0153】 スキーム6に説明するような、トリシリルエーテル36の合成 CH2Cl2(8ml)中のヒドロキシアルデヒド35(930.0mg、1.65mmol 、1.0等量)およびiPr2NEt(2.8ml、16.07mmol、9.7等量)の溶液
に、−78℃でTIPSOTf(2.2ml、8.25mmol、5.0等量)を添加し、溶液をそ
の温度で1時間撹拌する。反応混合物をメタノール(0.5ml)の添加および続く 飽和NH4Cl(10ml)の添加により停止させる。次いで、混合物をジエチルエ ーテル(10ml)で抽出し、有機抽出物を合わせ、Na2SO4で乾燥させて濃縮す
る。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、2%EtOA c−ヘキサン)で精製し、トリシリルエーテル36(1.10g、93%)を明黄色
油状物として得る。Rf=0.33(シリカゲル、ヘキサン);FT−IR(正味)ν
max3309、2957、2872、2361、1675、1462、1381 、1239、1167、1117、1007、882、819、741cm-1
【0154】 スキーム7に説明するような、アルデヒド27への分子内アセチリド付加による
アルキノン37の合成 LiHMDS(THF中1.0M、0.037ml、0.037mmol、1.5等量)の溶液を
、THF(1.2ml)中のアルデヒド27(17.0mg、0.025mmol、1.0等量)
の溶液に25℃で添加する。10分後(TLC監視)、反応混合物を水性飽和NH 4 Cl溶液(5ml)の添加により停止させ、ジエチルエーテル(2回10ml)で抽出 し、Na2SO4で乾燥させて濃縮する。残渣をCH2Cl2(1.0ml)に再溶解し 、NaHCO3(41.8mg、0.497mmol、20等量)を本溶液に0℃で添加す る。40分後、デス−マーチンペルヨージナン(10.6mg、0.025mmol、1.
0等量)を反応混合物に同じ温度で添加し、本溶液を25℃に温める。4時間、 環境温度で撹拌後、反応混合物をジエチルエーテル(5ml)で希釈し、飽和水性N
aHCO3溶液(5ml)およびチオ硫酸ナトリウム5水和物(Na223・5H2
、65mg、0.261mmol、10.4等量)の連続した添加により停止する。得ら れた溶液をジエチルエーテル(2回10ml)で抽出し、合わせた有機抽出物をNa 2 SO4で乾燥させて濃縮する。粗生産物をフラッシュクロマトグラフィー(シリ カゲル、ヘキサン中1%EtOAc)で精製し、エニネオン(enyneone)37(14
.4mg、85%、2段階)を無色油状物として得る。Rf=0.46(シリカゲル、 EtOAc−ヘキサン、1:10);FT−IR(正味)νmax2961、2361
、2197、1650、1611、1512、1461、1384、1461、
1384、1248、1175、1095、1035、841、760、685
cm-1
【0155】 スキーム7に説明するような、プロパルギルアルコール38の合成 メタノール(1ml)中のトリメチルシリルエーテル37(3.2mg、0.0047mm
ol、1.0等量)の溶液に、25℃で、PPTS(1.18mg、0.0047mmol、 1.0等量)を添加し、反応混合物を環境温度で30分撹拌する。反応を飽和Na
HCO3溶液(1ml)の添加により停止し、ジエチルエーテル(2回10ml)で抽出 する。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。粗生産物をフラ
ッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中15%EtOAc)で精製し
、アルコール38(2.7mg、94%)を無色油状物として得る。Rf=0.45(シ
リカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:3)。
【0156】 スキーム7に説明するような、基本3環式コア40の合成 トルエン(1ml)中のアルキノン38(6.2mg、0.0135mmol、1.0等量) の溶液に、Pbで処理したCaSO4上の5%Pd(リンドラー触媒、14.0mg 、0.00675mmol、0.5等量)を25℃でアルゴン下添加する。本懸濁液を H2雰囲気(1atm)下、同じ温度で20分撹拌し、反応混合物をCelite(登録商標)
を通して濾過し、濃縮する。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲ ル、10%EtOAc−ヘキサンで精製し、ヘミケタール40(6.2mg、75%
)を無色油状物として、その5,6−ジヒドロアナログ(1.5mg、15%)と共に 得る。Rf=0.55(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:3);FT−IR
(正味)νmax3418、2866、1615、1515、1463、1248、 1017cm-1
【0157】 スキーム7に説明するような、メチルケタール41の合成 メタノール(0.5ml)中のヘミケタール40(4.0mg、0.0066mmol、1. 0等量)の溶液に、PPTS(1.65mg、0.0066mmol、1.0等量)を添加す
る。10分後、反応を飽和NaHCO3溶液(5ml)の添加により停止する。次い で、2相系をCH2Cl2(3回10ml)で抽出し、有機抽出物を合わせ、Na2S O4で乾燥させて濃縮する。生産物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル
、ヘキサン中5%EtOAc)で精製し、ケタール41(4.5mg、100%)を明
黄色として得る。Rf=0.68(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:3);
FT−IR(正味)νmax2957、2866、1614、1514、1463、 1250、1064cm-1
【0158】 スキーム7に説明するような、PMBエーテル41からアルコール42の合成 THF(1ml)およびエタノール(2滴)中のエーテル41(5.0mg、0.008 0mmol、1.0等量)の溶液に、液体NH3(1ml)を−78℃で添加する。次いで 、ナトリウム(1.8mg、0.078mmol、9.8等量)を添加し、反応を−78℃ で20分撹拌する。脱保護の終了がTLCで確認された後、反応を固体NH4C l(50mg)の添加により停止し、環境温度に温めてNH3を発生させ、ジエチル エーテル(3回10ml)で抽出し、Na2SO4で乾燥させ、フラッシュクロマトグ
ラフィー(シリカゲル、ヘキサン中15%EtOAc)で精製し、分離できない混
合物としてアルコール42を、その5,6−ジヒドロアナログ43と共に(約2:
1、3.8mg、95%)得る。
【0159】 スキーム9に説明するような、ヒドロキシアルキノン45からアルコール42の
合成 アセトン(3ml)中のα,β−アルキノン45(26.8mg、0.055mmol、1. 0等量)の溶液に、[Rh(nbd)(dppb)]BF4(1.9mg、0.0027mmol、0.05等 量)を25℃でアルゴン下添加する。次いで、反応フラスコを排気し、水素ガス(
1atm)で処理する。10分後、反応を飽和NaHCO3(10ml)の添加により停 止させ、ジエチルエーテル(3回10ml)で抽出し、Na2SO4で乾燥させ、粗残
渣に濃縮する。メタノール(6ml)中の本残渣の溶液に、PPTS(6.9mg、0. 027mmol、0.5等量)を25℃で添加する。10分後、反応を飽和NaHCO 3 (10ml)の添加により停止させ、ジエチルエーテル(3回20ml)で抽出し、N a2SO4で乾燥させて濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ ゲル、ヘキサン中15%EtOAc)で精製し、メチルケタール42(22.2mg 、80%、2段階)を無色油状物として得る。Rf=0.43(シリカゲル、EtO
Ac−ヘキサン、1:3);FT−IR(正味)νmax3456、2940 286
6、1466、1366、1047、881cm-1
【0160】 スキーム12に説明するような、ヒドロキシアルキノン45から5,6−ジヒド ロアナログ43の合成 酢酸エチル(0.5ml)中のケトン45(4.5mg、0.0092mmol、1.0等量)
の溶液に、BaSO4上の5%Pd(19.6mg、0.0092mmol、1.0等量)を
添加する。本懸濁液を、水素雰囲気(1atm)下、25℃で1時間撹拌する。次い で、反応混合物をCelite(登録商標)を通して濾過し、蒸発により濃縮する。メタ
ノール(0.5ml)中の粗残渣の溶液に、PPTS(4.6mg、0.018mmol、2. 0等量)を添加し、混合物を6時間、25℃で撹拌する。NaHCO3(5ml)の飽
和溶液を添加し、反応混合物をジエチルエーテル(3回10ml)で抽出し、Na2 SO4で乾燥させて濃縮する。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲ
ル、15%EtOAc−ヘキサン)により精製し、5,6−ジヒドロメチルケター
ルアナログ43(3.0mg、64%、2段階)を得る。Rf=0.50(シリカゲル、
EtOAc−ヘキサン、1:3);FT−IR(正味)νmax3422、2961、
2865、2361、1464、1383、1122、1047、882、68
4cm-1
【0161】 スキーム9に説明するような、2環式アルコール44の合成 CH2Cl2(4.6ml)およびH2O(0.3ml)中のPMB−エーテル37(31. 0mg、0.045mmol、1.0等量)の溶液に、DDQ(21.0mg、0.091mmol
、2.0等量)を添加し、反応を25℃で30分撹拌する。出発エーテルの消滅が
TLCで確認された後、反応混合物を飽和NaHCO3(3ml)の添加により停止 させ、ジエチルエーテル(3回10ml)で抽出し、Na2SO4で乾燥させる。粗残
渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1: 99)で精製し、アルコール44(20.4mg、80%)を無色油状物として得る。
f=0.57(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:10);FT−IR(正 味)νmax3490、2959、2866、2197、1651、1464、13
84、1252、1122、1095、1021、864、843cm-1
【0162】 スキーム10に説明するような、アルキノン49の合成 THF(17ml)中のアルデヒド36(243.0mg、0.338mmol、1.0等量
)の溶液に、LiHMDSの1.0M THF溶液(0.68ml、0.68mmol、2.0等量
)を−20℃で添加する。反応混合物を20分、その温度で撹拌し、ついで、飽 和NH4Cl溶液(30ml)で停止し、ジエチルエーテル(2回50ml)で抽出し、 Na2SO4で乾燥させ、粗残渣に濃縮する。本残渣のCH2Cl2(9ml)中の溶液
を、CH2Cl2(9ml)中のNaHCO3(170.0mg、2.0mmol、5.9等量)、
ピリジン(0.16ml、2.0mmol、5.9等量)およびデス−マーチン試薬(286
.0mg、0.67mmol、2.0等量)の溶液に0℃で添加する。反応を1時間同じ温
度で撹拌し、次いで、飽和NaHCO3(20ml)およびNa223・5H2O(1
.17g、4.7mmol、13.9等量)の連続的添加により停止させる。更に30分
撹拌し、ジエチルエーテル(2回50ml)で抽出し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮
する。次いで、本粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサ ン中0.5%EtOAc)で精製し、2環式アルキノン49(216mg、89%、 2段階)を明黄色油状物として得る。Rf=0.74(シリカゲル、EtOAc−ヘ
キサン、1:10);FT−IR(正味)νmax2957、2362、1652、1
460、1383、1212、1114、1004、883、732、684cm -1
【0163】 スキーム10に説明するような、ジオール45の合成 THF(1ml)中のトリシリルエーテル49(200mg、0.28mmol、1.0等 量)の溶液に、トリエチルアミン・3HF(0.23ml、1.40mmol、5.0等量)
を25℃で添加する。1.5時間後、反応混合物を0℃に冷却し、NaHCO3( 10ml)の添加により停止させ、ジエチルエーテル(3回10ml)で抽出し、Na2 SO4で乾燥させて濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル
、ヘキサン中25%EtOAc)により精製し、ジオール45(107mg、78%
)を無色油状物として得る。Rf=0.26(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、
1:3);FT−IR(正味)νmax3411、2941、2867、2202、1
650、1465、1385、1207、1089、1018、883、757
、685cm-1
【0164】 スキーム11に説明するような、芳香族側鎖の混合物無水物52の合成 (1:1)THF:水(32.0ml)中のエチルエステル50(750mg、4.16m
mol、1.0等量)の溶液に、25℃で、LiOH・H2O(192mg、4.57mmol
、1.1等量)を添加し、得られた反応混合物を同じ温度で12時間撹拌する。溶
媒を減圧下除去し、固体をベンゼンと共沸し(5ml5回)、最後に高真空下で乾燥
させる。酸塩51を更に精製することなく使用する。THF中の51の溶液(4 0ml)に、25℃で、塩化ピバロイル(0.54ml、4.58mmol、1.1等量)を添
加し、反応混合物を同じ温度で12時間撹拌する。TLCで判断して完了後、反
応混合物を濾過し、濾液を減圧下濃縮し、高真空下乾燥させて無水物52(69 8mg、75%)を得る。無水物をCH2Cl2中の0.2M溶液として貯蔵し、この
形でエステル化に使用する。
【0165】 芳香族側鎖の結合による53の合成(スキーム11) アルコール42(61.0mg、0.120mmol、1.0等量)、4−DMAP(14
.7mg、0.120mmol、1.0等量)、トリエチルアミン(0.3ml、2.15mmol 、17.9等量)および混合無水物52(CH2Cl2中0.2M溶液6.0ml、1.2
2mmol、10.0等量)の混合物を25℃で22時間撹拌する。次いで、反応混合
物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、10:10:1、E tOAc:CH2Cl2:メタノール)で精製し、エステル53(75.0mg、98 %)を得る。Rf=0.42(シリカゲル、10:10:1、EtOAc:CH2C l2:メタノール);FT−IR(正味)νmax2940、2864、1704、1 639、1465、1384、1269、1154、1060、994cm-1
【0166】 スキーム11に説明するような、アルコール54の合成 THF(2ml)中のシリルエーテル53(75.0mg、0.117mmol、1.0等量
)の溶液に、THF中の1.0M TBAF(0.22ml、0.22mmol、1.9等量
)を添加し、反応物を1時間25℃で撹拌する。完了後(薄層クロマトグラフィー
監視)、反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、10
:10:1、EtOAc:CH2Cl2:メタノール)で精製し、アルコール54(
50.0mg、89%)を得る。Rf=0.23(シリカゲル、10:10:1、Et OAc:CH2Cl2:メタノール);FT−IR(正味)νmax3380、2961
、2361、1700、1636、1450、1382、1269、1156、
1036、731cm-1
【0167】 スキーム11に説明するような、アルデヒド55の合成 CH2Cl2(2ml)中のアリルアルコール54(50mg、0.104mmol、1.0 等量)の溶液に、NaHCO3(88.0mg、0.595mmol、10.0等量)および デス−マーチン試薬(84.8mg、0.20mmol、2.0等量)を添加し、反応物を 30分、環境温度で撹拌し、その後、イソプロパノール(0.1ml)、続いて酢酸 エチル(10ml)を添加する。沈殿を濾取し、濾液を濃縮し、フラッシュクロマト
グラフィー(シリカゲル、10:10:1、EtOAc:CH2Cl2:メタノー ル)で精製し、アルデヒド55(49.5mg、100%)を得る。Rf=0.43(シ リカゲル、10:10:1、EtOAc:CH2Cl2:メタノール)。
【0168】 スキーム11に説明するような、酸56を仲介するメチルエステル57の合成 t−BuOH:H2O(5:1)中のアルデヒド55(14.0mg、0.0291mm
ol、1.0等量)の溶液に、THF中の2.0M 2−メチル−2−ブテン(1ml、
2.0mmol、68.7等量)、NaH2PO4(10.5mg、0.087mmol、2.9等 量)およびNaClO2(15.7mg、0.174mmol、6.0等量)を0℃で添加す る。反応物を同じ温度で2時間撹拌し、その後CH22のジエチルエーテル溶液
(過剰)を添加し、反応物を更に10分、25℃で撹拌する。過剰のCH22をア
ルゴン流で除去し、反応物を酢酸エチル(3回15ml)で抽出し、Na2SO4で乾
燥させて濃縮する。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、10 :10:1 EtOAc:CH2Cl2:メタノール)で精製し、メチルエステル 57(13.1mg、88%、2段階)を得る。Rf=0.42(シリカゲル、10:1
0:1 EtOAc:CH2Cl2:メタノール);FT−IR(正味)νmax341
0、2960、1711、1637、1435、1384、1269、1155
、1048、732cm-1
【0169】 スキーム11に説明するような、サルコジクチンA(7)の合成の完了 10:1 CH2Cl2:H2O(1.1ml)中のメチルエステル57の溶液に、C
SA(10mg、0.043mmol、6.4等量)を添加し、反応物を25℃で16時間
撹拌し、その後、トリエチルアミンを添加し、反応混合物を濃縮する。粗混合物
をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、10:10:1、EtOAc: CH2Cl2:メタノール)で精製し、サルコジクチンA(7)(4.6mg、79%)を
白色固体として得る。Rf=0.32(シリカゲル、10:10:1、EtOAc :CH2Cl2:メタノール);FT−IR(正味)νmax2958、2361、17
11、1636、1244、1153、1050cm-1
【0170】 スキーム11に説明するような、エチルエステル58の合成 t−BuOH:H2O(5:1、合計1.2ml)中のアルデヒド55(27.8mg、
0.058mmol、1.0等量)の溶液に、THF中の2.0M 2−メチル−2−ブ
テン(1ml、2.0mmol、34.4等量)、NaH2PO4(20.9mg、0.174mmo
l、3.0等量)およびNaClO2(31.5mg、0.340mmol、2.9等量)を0 ℃で添加する。反応物を同じ温度で2時間撹拌し、その後、過剰のCH3CHN2 のジエチルエーテル溶液を添加し、反応物を更に10分、25℃で撹拌する。過
剰のCH3CHN2をアルゴン流により除去し、反応をジエチルエーテル(2回1 5ml)で抽出し、Na2SO4で乾燥させて濃縮する。粗残渣をフラッシュクロマ トグラフィー(シリカゲル、10:10:1 EtOAc:CH2Cl2:メタノ ール)で精製し、エチルエステル58(27.0mg、89%、2段階)を得る。Rf =0.41(シリカゲル、10:10:1 EtOAc:CH2Cl2:メタノール
);FT−IR(正味)νmax2963、1708、1636、1269、1154
、1048cm-1
【0171】 スキーム11に説明するような、サルコジクチンB(8)の合成の完了 10:1 CH2Cl2:H2O(1.1ml)中のエチルエステル58(3.5mg、0
.0067mmol、1.0等量)の溶液に、CSA(10.0mg、0.043mmol、6. 4等量)を添加し、反応物を25℃で24時間撹拌し、その後、トリエチルアミ ンを添加し、反応混合物を濃縮する。粗混合物をフラッシュクロマトグラフィー
(シリカゲル、10:10:1 EtOAc:CH2Cl2:メタノール)で精製し
、サルコジクチンB(8)を白色固体として得る(3.0mg、86%)。Rf=0.3 2(シリカゲル、10:10:1 EtOAc:CH2Cl2:メタノール);FT
−IR(正味)νmax3348、2926、2855、1708、1637、14 58、1383、1299、1271、1244、1156、1051cm-1
【0172】 スキーム12に説明するような、C5,C6−飽和アナログ61の合成 アナログ61は、アルコール43から二つの天然産物(53、54、55、5 6、57、58)に従った同じ反応順序で合成する。Rf=0.32(シリカゲル、
10:10:1、EtOAc:CH2Cl2:メタノール);FT−IR(正味)νm
ax2959、1711、1638、1451、1247、1159、1043cm -1
【0173】 スキーム14に説明するような、混合無水樹脂100の合成 CH2Cl2(50ml)中のヒドロキシメチルポリスチレン樹脂(5.00g、4. 00mmol、1.0等量)の懸濁液を、25℃で、トリエチルアミン(2.79ml、2
0.0mmol、5.0等量)およびグルタール酸無水物(1.87g、16.0mmol、4
.0mmol)で処理する。反応混合物を穏やかに(<300rpm)8時間にわたり25 ℃で撹拌し、その後、フリット漏斗に注ぎ、CH2Cl2(50ml)、メタノール( 50ml)、CH2Cl2(3回50ml)およびジエチルエーテル(2回200ml)で洗 浄し、高真空下、一定重量になるまで乾燥する。得られた樹脂をCH2Cl2(5 0ml)中に25℃で再懸濁し、トリエチルアミン(2.79ml、20.0mmol、5. 0等量)、続いて塩化ピバロイル(1.44g、12.0mmol、3.0等量)で処理す
る。反応混合物をおだやかに6時間にわたり25℃で撹拌し、その後、フリット
漏斗に注ぎ、以下の蒸留溶媒で、アルゴン雰囲気下洗浄する:CH2Cl2(50m
l)、ジエチルエーテル(50ml)、CH2Cl2(3回50ml)およびジエチルエーテ
ル(2回200ml)および高真空下、一定重量(5.60g)になるまで乾燥する。 >90%の2段階収率が、ベンジルアルコールでの混合無水樹脂の力価測定によ
り決定される。従って、3つの別の実験において、混合無水樹脂(300mg、0.
207mmol、1.0等量)をベンジルアルコール(15.6mg、0.145mmol、0.
7等量)、(20.1mg、0.186mmol、0.9等量)および(24.5mg、0.22 7mmol、1.1等量)、続いてトリエチルアミン(43.2ml、0.310mmol、1.
5等量)および4−DMAP(5.0mg、0.041mmol、0.2等量)で処理する。
反応混合物のTLC分析は、0.7および0.9等量のベンジルアルコールでの実
験に関してベンジルアルコールの完全な消費を確認し、少なくとも90%の収率
を概算する。
【0174】 スキーム14に説明するような、ヒドロキシ樹脂120の合成 DMF(100ml)中のNaH(鉱物油中60%、1.76g、44.0mmol、4.
0等量)の懸濁液に、0℃で、1,4−ブタンジオール(3.86ml、44.0mmol 、4.0等量)を添加し、反応混合物を1時間、0℃で撹拌する。次いで、メリフ
ィールド樹脂(10.0g、11.0mmol、1.0等量)、その後テトラ−n−ブチ ルアンモニウムヨージド(400mg、0.11mmol、0.1等量)を添加し、混合物
を12時間にわたり穏やかに(<300rpm)撹拌する。樹脂をフリット漏斗に注 ぎ、水性HCl(1N、200ml)、DMF(2回300ml)、メタノール(200m
l)、CH2Cl2(300ml)、メタノール(200ml)、CH2Cl2(2回300ml)
およびジエチルエーテル(2回200ml)で洗浄し、高真空下、一定重量になるま
で乾燥する(9.98g、収率99%)。本樹脂のサンプルを、CH2Cl2中に2 5℃で懸濁させ、Fmoc−Cl(5.0等量)およびピリジン(5.0等量)で6時間処
理する。反応性ヒドロキシル基をFmoc−樹脂のCH2Cl2中10%トリエチルア
ミンで25℃、8時間の処理により放出したFmoc発色団の量から光度的に定量す
る。
【0175】 スキーム14に説明するような、ヨード樹脂130の合成 CH2Cl2(100ml)中のヒドロキシ樹脂120(9.00g、9.39mmol、 1.0等量)の懸濁液を、0℃で、連続してイミダゾール(2.55g、37.6mmo
l、4.0等量)、Ph3P(9.85g、37.6mmol、4.0等量)およびヨウ素(9
.55g、37.6mmol、4.0等量)で処理する。反応混合物を穏やかに0℃で4
時間撹拌し、その後、フリット漏斗に注ぎ、CH2Cl2(3回200ml)、メタノ
ール(200ml)、CH2Cl2(2回200ml)およびジエチルエーテル(2回20 0ml)で洗浄し、一定重量になるまで高真空下で乾燥させる(9.95g、>95 %収率)。120の合成において記載したように、樹脂をFmocアッセイに付して 、アルコールの完全な消費が示される。
【0176】 スキーム14に説明するような、ホスホラン樹脂140の合成 DMF(30ml)中のヨウ素樹脂130(5.00g、4.45mmol、1.0等量) およびPh3P(11.7g、44.5mmol、10.0等量)の混合物を、おだやかに
100℃で15時間撹拌し、その後、フリット漏斗に注ぎ、暖かい(100℃)D
MF(3回200ml)、CH2Cl2(2回200ml)およびジエチルエーテル(3回 300ml)で洗浄し、6.10gの一定重量になるまで乾燥させる(増加質量を基 にして、収率>95%)。樹脂の一部(2.2g、1.57mmol、1.0等量)をTH
F(15ml)に25℃で再懸濁し、LiHMDS(THF中1.0M、2.04ml、2.04
mmol、1.3等量)を添加し、反応物を2時間環境温度で撹拌し、その後、樹脂は
深赤色となる。上清溶媒をカニューレ挿入により除去し、樹脂をTHF(3回1 5ml)で洗浄し、得られた樹脂を更に処理することなく次段階に使用する(収率>
90%)。収率は下記のように決定する。イリド(ylide)をベンズアルデヒド(5.
0等量、25℃、6時間)で希釈し、得られた樹脂をオゾン分解(CH2Cl2、−
78℃、30分)、続いて還元的後処理(Me2S)に付す。回収されたベンズア ルデヒドの量を、確実なベンズアルデヒドサンプルから計算したHPLC吸収に
より定量する。
【0177】 スキーム15に説明するような、アセテート180 CH2Cl2(10ml)中のヒドロキシ化合物47(0.404g、0.806mmol 、1.0等量)の溶液を、25℃でピリジン(0.322g、4.03mmol、5.0等
量)および酢酸無水物と処理する。反応混合物を1時間、25℃で撹拌し、その 後、TLC分析は完全な反応を示す。反応混合物をジエチルエーテル(150ml)
に注ぎ、飽和水性NaHCO3(3回100ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥させて
濃縮する。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、Et OAc−ヘキサン、1:3)で精製し、純粋アセテート180(0.421g、収 率96%)を得る。Rf=0.20(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:3) ;[α]D25+47.8(c=2.32、CHCl3);FT−IR(正味)νmax294 2、2866、2363、2334、1739、1720、1459、1364
、1239、1034cm-1
【0178】 スキーム15に説明するようなヒドロキシケタール190 CH2Cl2(5ml)中のケタール180(0.421g、0.774mmol、1.0等
量)の溶液を、25℃で、1,6−ヘキサンジオール(0.913g、7.74mmol 、10等量)およびPPTS(0.194g、0.774mmol、1.0等量)で処理す
る。反応混合物を4時間、25℃で撹拌し、その後、TLC分析は反応の完了を
示す。反応混合物を短シリカカラムに充填し、EtOAc−ヘキサン(1:2)で
溶出し、純粋ヒドロキシケタール190(0.450g、収率92%)を得る。Rf =0.15(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:2);[α]D25+36.5(c
=1.0、C66);FT−IR(正味)νmax3427、2936、2864、1 742、1465、1368、1238、1051、1032、880cm-1
【0179】 スキーム15に説明するようなアルデヒドケタール200 CH2Cl2(10ml)中のデス−マーチンペルヨージナン(0.451g、1.0 7mmol、1.5等量)の溶液に、25℃で、ピリジン(0.280g、3.56mmol 、5.0等量)およびNaHCO3(0.598g、7.12mmol、10等量)を添加 する。混合物を15分環境温度で撹拌し、次いで0℃に冷却する。アルコール1
90(0.450g、0.712mmol、1.0等量)をCH2Cl2(10ml)中の溶液 として添加する。反応混合物を15分後に冷却浴からだし、更に2時間、25℃
で撹拌し、その後、TLC分析は完全な反応を示す。粗混合物を短シリカゲルカ
ラムに充填し、EtOAc−ヘキサン(1:3)で溶出して、純粋生産物200( 0.430g、収率96%)を得る。Rf=0.18(シリカゲル、EtOAc−ヘ キサン、1:3);[α]D25+29.0(c=1.0、C66);FT−IR(正味)ν
max2940、2865、1939、1458、1369、1238、1032 、996、880cm-1
【0180】 スキーム16に説明するような、トランスケタール化による樹脂120へのサル
コジクチンコア180の結合 火炎乾燥4Åモレキュラーシーブ(0.30g)を含むCH2Cl2(3ml)中の樹 脂120(0.563g、0.54mmol、10等量)の懸濁液に、25℃で、CH2 Cl2(1ml)中のケタール180(28mg、0.054mmol、1.0等量)、続いて PPTS(13mg、0.054mmol、1.0等量)を添加する。反応混合物を、リス
トシェーカーで環境温度で48時間穏やかに撹拌し、次いで濾過し、無水CH2 Cl2(2回5ml)で洗浄する。合わせた濾液中の未反応出発物質を精製し、純粋 180(回収された出発物質を基にして収率50%)を回収する。樹脂上の過剰の
アルコールをDMF(3ml)中に樹脂を再懸濁し、続いてMOM−Cl(88mg、 0.054mmol、20等量)およびiPr2NEt(126mg、1.1mmol、20等 量)を、24時間、環境温度で添加することによりキャップする。樹脂をフリッ ト漏斗で濾過し、1%トリエチルアミン含有CH2Cl2(3回50ml)、ジエチル
エーテル(2回50ml)で洗浄し、高真空下で0.56gの一定重量になるまで乾 燥させる(サルコジクチンコア上に充填した0.039mmmol/g)。
【0181】 スキーム16に説明するような、ヴィティヒ反応による、樹脂140上へのサル
コジクチンコア200の結合 −78℃に冷却したTHF(2ml)中のイリド140(0.75mmol、7.0等量)
の懸濁液に、THF(5ml)中のアルデヒド200(67.6mg、0.107mmol、 1.0等量)の溶液を添加する。反応混合物をゆっくり2時間にわたり環境温度に
温め、更に2時間25℃で撹拌し、その後、TLC分析はアルデヒドの完全な消
費を示す(収率>95%)。過剰のイリドをアセトアルデヒド(99mg、2.25mm
ol、21等量)の添加により消費させ、樹脂をフリット漏斗で回収し、1%トリ エチルアミン含有THF(3回50ml)、ジエチルエーテル(2回50ml)で洗浄し
、高真空下、836mgの一定重量になるまで乾燥させる(サルコジクチンコア上 に充填した0.128mmol/g)。開裂証明実験において、本樹脂のサンプル(2 25mg、28.8mmol、1.0等量)を、メタノール(0.5ml)中のPPTS(14.
3mg、57.6mmol、2.0等量)で25℃で30時間処理し、精製後(シリカゲル
、フラッシュカラムクロマトグラフィー)、対応するメチルケタール14.2mgが
回収される(2段階で90%)。
【0182】 スキーム17に説明するような、アセテート240の加水分解およびポリマー結
合アルコール250の形成 THF(20ml)中の樹脂240(3.12g、0.40mmol、1.0等量)の懸濁 液に、NaOMe(メタノール中0.5M、4.0ml、2.0mmol、5.0等量)を添
加する。反応混合物をリストシェーカーで12時間、環境温度で撹拌する。樹脂
を濾過し、1%トリエチルアミン含有メタノール(100ml)、1%トリエチルア
ミン含有CH2Cl2(100ml)およびジエチルエーテル(100ml)で洗浄し、高
真空下で乾燥させる。反応の完了が、メタノール中のPPTS(約3等量)での樹
脂からの生産物の開裂後に確認される。開裂から得た粗生産物のNMR分析は、
先に報告された生産物410(スキーム19)に対応する単一化合物を示し、それ
により>95%の収率が確認される。サルコジクチンA(7)およびB(8)を導く
反応の順番の正確な方法は、樹脂240に関してしか記載していないが、同様な
方法が樹脂230で行われ、同じ結果である。
【0183】 スキーム17に説明するような、ウロカニン酸側鎖の結合および樹脂270の合
成 DMF(6ml)中のヒドロキシ樹脂250(2.0g、0.256mmol、1.0等量
)の懸濁液を、Et3N(0.357ml、2.56mmol、10等量)および4−DMA
P(62mg、0.512mmol、2.0等量)の存在下、混合無水物260(0.302
g、1.28mmol、5.0等量)で24時間、50℃で処理する。樹脂を濾過し、 1%トリエチルアミン含有CH2Cl2(2回25ml)、ジエチルエーテル(25ml)
、1%トリエチルアミン含有CH2Cl2(2回25ml)およびジエチルエーテル( 3回20ml)で洗浄し、次いで高真空下で洗浄する。PPTS(約3等量)および メタノールの作用による、樹脂からの生産物の開裂の後、反応の完了がTLC分
析で確認される(これはまた、恐らく試薬260の不純性に由来する、5−10 %の極性の小さい副産物の存在も確認する)。開裂から得た粗生産物のNMR分 析は、その同一性16を確認し、収率90%の概算を導く。
【0184】 アルコール270の脱シリル化および酸化。スキーム17に説明するような、固
体支持アルデヒド280の合成 THF(1.5ml)中の樹脂270(300mg、38.4mmol、1.0等量)を、T BAF(THF中1.0M、384mmol、10等量)で8時間、25℃で処理する 。樹脂を濾過し、1%トリエチルアミン含有THF(4回10ml)およびジエチル
エーテル(3回10ml)で洗浄し、次いで高真空下で乾燥させる。PPTS(約3 等量)およびメタノールの作用によるサンプルの樹脂からの生産物の開裂の後、 反応の完了が、TLC分析で確認される。このようにして得た生産物のNMR分
析は、その同一性を確認し、脱保護段階に関する>95%の収率を概算する。樹
脂(250mg、32mmol、1.0等量)をピリジン(12.8mg、160mmol、5.0
等量)含有CH2Cl2(1.0ml)に再懸濁し、予め形成したCH2Cl2(1.5ml) 中のデス−マーチンペルヨージナン(67.2mg、160mmol、5.0等量)、Na
HCO3(40.3mg、480mmol、15等量)およびピリジン(25.6mg、64mm
ol、10等量)の懸濁液で処理する。混合物を2時間環境温度で反応させる。樹 脂を、次いで濾過し、CH2Cl2(4回10ml)、H2O(3回10ml)、メタノー ル(2回5ml)、CH2Cl2(2回5ml)、ジエチルエーテル(3回5ml)で洗浄し、
高真空下乾燥させる。反応の完了、得られた生産物の同一性および反応の収率( >95%)をTLCおよびNMRにより、樹脂のサンプルをCSA(約3等量)お よびメタノールでの開裂に付した後に確認する。
【0185】 アルデヒド280の酸化および得られるカルボン酸のエステル化。スキーム17
に説明するような、ポリマー結合サルコジクチンA(290)およびB(300)の
合成 THF:t−BuOH:H2O(4:4:1)中の樹脂280(220mg、28. 2mmol、1.0等量)、亜塩素酸ナトリウム(63.3mg、704mmol、25等量) 、KH2PO4(83.7mg、704mmol、25等量)およびイソブチレン(THF中
2M、1.40mmol、50等量)の混合物を、48時間、環境温度で反応させる。
得られる樹脂を濾過し、水(3回10ml)、メタノール(2回10ml)、CH2Cl2 中0.5M PPTS(3回10ml)、CH2Cl2(2回10ml)およびジエチルエ ーテル(2回10ml)で洗浄し、次いで高真空下乾燥させる。反応の完了を、樹脂
からのメタノール中のCSA(約3等量)による酸生産物の開裂後にTLCにより
確認し、それにより、>95%の収率を概算する。次いで、樹脂を二分し(各々 100mg、12.8mmol、1.0等量)、各々をDCC含有DMF(0.5ml)および
4−DMAP(7.7mg、64mmol、5.0等量)で処理する。樹脂の最初の部分に
メタノール(4.0mg、128mmol、10等量)を、第2の部分にエタノール(5. 9mg、128mmol、10等量)を添加する。反応容器をリストシェーカーで48 時間撹拌し、その後、各樹脂を濾過し、CH2Cl2(4回5ml)、メタノール(2 回5ml)、CH2Cl2(3回5ml)、ジエチルエーテル(3回5ml)で洗浄する。反 応の完了が、CSA(約3等量)およびメタノールの作用による固体支持体からの
各エステル生産物のサンプルの解離後、TLCにより確認され、それにより、>
90%の収率が確認される。
【0186】 ポリマー結合サルコジクチンAとBのCSA/H2Oによる開裂。スキーム17 に説明するような、サルコジクチンA(7)およびB(8)の合成 CH2Cl2/H2O(2:1、2.0ml)中の樹脂290(92mg、11.7mmol、
1.0等量)または300(90mg、11.5mmol、1.0等量)の懸濁液を、25℃
で、CSA(8mg、35.1mmol、3.0等量)で処理し、40時間にわたり激しく
撹拌する。次いで、反応混合物をNaHCO3(9.8mg、117mmol、10等量)
で停止させ、濾過し、水性相をCH2Cl2(3回1ml)で洗浄する。合わせた有機
相をMgSO4で乾燥させ、濃縮し、PTLC(CH2Cl2中3%)で精製し、3.
0mgの天然サルコジクチンA(7)(290からの収率約75%、240からの全 体的収率約51%)または2.6mgのサルコジクチンB(8)(300からの収率約 75%、240からの全体的収率約44%)を得る。
【0187】 樹脂250と塩化trans−シンナモイルとの反応。スキーム18に説明するよう な、シンナモエートエステルの合成への方向。 DMF(5.0ml)中の樹脂250(600mg、0.077mmol)の懸濁液に、塩化
シナモイル(128mg、0.77mmol、10等量)、トリエチルアミン(0.215m
l、1.54mmol、20等量)および4−DMAP(46.5mg、0.385mmol、5
.0等量)を添加し、反応混合物を50℃で12時間加熱する。次いで、樹脂を濾
過し、1%トリエチルアミン含有CH2Cl2(5回20ml)およびジエチルエーテ
ル(2回100ml)で洗浄し、次いで高真空下で乾燥させる。反応の完了を、メタ
ノール中のPPTS(約3等量)により固体支持体からのエステルの開裂後、TL
C分析により確認し、それにより>95%の収率を概算する。
【0188】 チアゾール酸側鎖Ar−IIによる樹脂250のDCC介在エステル化。スキーム
18に説明するような、チアゾールエステル310の合成への方向。 DMF(3.0ml)中の樹脂250(200mg、0.026mmol)の懸濁液に、チア
ゾール酸側鎖Ar−II(スキーム5および6)(48mg、0.26mmol、10等量) 、DCC(52mg、0.26mmol、10等量)および4−DMAP(6.3mg、0.0
52mmol、2.0等量)を添加し、反応混合物を50℃で48時間加熱する。次い
で、樹脂を濾過し、1%トリエチルアミン含有CH2Cl2(5回20ml)およびジ
エチルエーテル(2回100ml)で洗浄し、反応混合物を50℃で48時間加熱す
る。次いで、樹脂を濾過し、1%トリエチルアミン含有CH2Cl2(5回20ml)
およびジエチルエーテル(2回100ml)で洗浄し、次いで、高真空下で乾燥させ
る。反応の完了を、メタノール中のPPTS(約3等量)処理による固体支持体か
らのエステルの開裂の後確認し、それにより90−95%の収率を概算する。
【0189】 アルコール250とイソシアン酸フェニルの反応。スキーム18に説明するよう
な、カルバミン酸フェニル310の合成への方向。 DMF(4.0ml)中の樹脂250(500mg、0.064mmol、1.0等量)の懸 濁液に、イソシアン酸フェニル(77mg、0.64mmol、10等量)および4−D MAP(39mg、0.32mmol、5等量)を添加し、反応混合物をリストシェーカ ーで10時間振盪する。樹脂を濾過し、1%トリエチルアミン含有CH2Cl2( 3回15ml)およびジエチルエーテル(2回15ml)で洗浄し、次いで、高真空下 で乾燥させる。反応の完了を、樹脂からの基質のPPTS(約3等量)/メタノー
ル開裂により得た産物のTLC分析により確認し、それにより>95%の収率を
概算する。
【0190】 一般的脱シリル化法。スキーム18に説明するような、ヒドロキシ樹脂310の
合成。 THF中のシリル化樹脂(1.0等量)の懸濁液を、TBAF(10等量、THF
中1.0M)と、25℃で6時間反応させる。次いで、樹脂を濾過し、1%トリエ
チルアミン含有THF、CH2Cl2(1%トリエチルアミン含有)およびジエチル
エーテルで洗浄し、次いで、高真空下で乾燥させる。反応の完了を、PPTS( 約3等量)およびメタノールの影響下、樹脂からの対応するアルコールの開裂に より証明し、それにより>95%の収率を概算する。
【0191】 ヒドロキシ樹脂310の官能化の一般法。スキーム18(A)に説明するような、
化合物320の合成 CH2Cl2中の樹脂310(1.0等量)の懸濁液を、トリエチルアミン(10等
量)、4−DMAP(2.0等量)および酢酸無水物(10等量)または塩化ベンゾイ
ル(10等量)またはクロロギ酸メチル(10等量)またはフェニルイソシアネート
(10等量)で処理する。15時間後、樹脂を濾過し、1%トリエチルアミン含有
CH2Cl2およびジエチルエーテルで洗浄し、高真空下で乾燥させる。反応をP
PTS(約3等量)/メタノール開裂後に得た生産物のTLC分析により監視する
。アシル化、ベンゾイル化およびカルバメートの形成は、滑らかであるように見
え(>95%)、一方カルボネート形成は二つの極性の低い未同定副産物と共に収
率70%で形成する。
【0192】 固体支持体ヒドロキシ樹脂310のデス−マーチン酸化の一般法。スキーム18
(B)に説明するような、アルデヒド樹脂340の合成 ピリジン(5.0等量)含有CH2Cl2中のヒドロキシ樹脂310(1.0等量)の
懸濁液に、予め形成したCH2Cl2中のデス−マーチンペルヨージネート(5.0
等量)、NaHCO3(15等量)およびピリジン(10等量)の懸濁液を添加する。
次いで、樹脂を濾過し、CH2Cl2、H2O、メタノール、ジエチルエーテルで 洗浄し、高真空下、乾燥させる。樹脂のCSA(約3等量)およびメタノールでの
処理により得られた開裂生産物の>95%の収率が、TLC分析により概算され
る。
【0193】 アルデヒド樹脂340の亜塩素酸ナトリウム酸化の一般法。カルボン酸350の
合成(スキーム18(B)) THF:t−BuOH:H2O(4:4:1)中のアルデヒド樹脂340(1.0 等量)、亜塩素酸ナトリウム(25等量)、KH2PO4(25等量)およびイソブチ レン(THF中2M、50等量)の混合物を、48時間、環境温度で反応させる。
得られた樹脂を濾過し、水、メタノール、CH2Cl2中の0.5M PPTS、 CH2Cl2、ジエチルエーテルで洗浄し、高真空下で乾燥させる。反応の完了を
、メタノール中のCSA(約3等量)での樹脂からの酸生産物の開裂の後に確認し
、それにより>95%の収率を概算する。
【0194】 DCC/4−DMAP介在エステルまたはアミドサルコジクチンアナログ360
の形成の一般法 DMF中のスキーム18(B)に説明するような樹脂350(1.0等量)の懸濁 液に、DCC(10等量)、4−DMAP(5.0等量)、アルコールまたはアミン(
10等量、アミンはHClまたはPPTS塩として使用する)を添加し、反応混 合物を環境温度で20時間反応させる。次いで、樹脂を濾過し、CH2Cl2、メ
タノールおよびジエチルエーテルで洗浄し、高真空下で乾燥させる。樹脂のCS
A(約3等量)およびメタノールの処理により得た開裂産物のTLC分析により収
率>85%が概算される。
【0195】 スキーム18(B)に説明するような、エステルサルコジクチンアナログ360の
Ph3P/DEAD−介在形成の一般法 Ph3P(10等量)およびアルコール(10等量)含有THF中の樹脂350の 懸濁液を0℃に冷却する。次いで、DEAD(10等量)を滴下し、反応混合物を
25℃に温める。12時間後、樹脂を濾過し、CH2Cl2およびジエチルエーテ
ルで洗浄し、高真空下で乾燥させる。反応の完了を、メタノール中のCSA(約 3等量)での樹脂からのエステルの開裂後にTLC分析により確認し、それによ り>90%の収率を概算する。
【0196】 スキーム18(C)に説明するような、ミツノブ反応を介したアジド380の形成
の一般法 Ph3P(10等量)および(PhO)2P(O)N3(10等量)含有THF中の樹脂 310(1.0等量)の懸濁液を0℃に冷却し、DEAD(10等量、滴下)で処理 する。添加の完了後、反応混合物を25℃に温める。4時間後、樹脂を濾過し、
CH2Cl2(1%トリエチルアミン含有)、ジエチルエーテルで洗浄し、高真空下
乾燥させる。反応の完了を、PPTS(約3等量)およびメタノールの作用により
、固体支持体からアジド生産物を開裂した後、TLCにより確認する。開裂生産
物のNMR分析は、収率>95%を確認する(スペクトルデータに関して、化合 物560参照)。
【0197】 アジド380のPh3P/H2O−介在還元のための一般法。スキーム18(C)に
説明するような、アミド390の合成の方向 Ph3P(10等量)およびH2O(50等量)含有THF中の樹脂380(1.0等
量)の懸濁液を、50℃に加熱し、その温度で8時間撹拌する。次いで、樹脂を 濾過し、1%トリエチルアミン含有CH2Cl2およびジエチルエーテルで洗浄し
、高真空下、乾燥させる。反応の完了を、PPTS(約3等量)およびメタノール
の作用による固体支持体からのアミン生産物の開裂の後、TLC分析により確認
し、それにより>95%の収率を概算する。
【0198】 スキーム18(C)に説明するような、アミド390の合成の一般法 CH2Cl2中の樹脂結合アミン(1.0等量)の懸濁液を、25℃でトリエチル アミン(15等量)および酢酸無水物(10等量)または塩化ベンゾイル(10等量)
で、10時間、環境温度で処理する。次いで、樹脂を濾過し、1%トリエチルア
ミン含有CH2Cl2、ジエチルエーテルで洗浄し、高真空下で乾燥させる。>9
0%の収率が、樹脂のPPTS(約3等量)およびメタノールでの処理により得ら
れた開裂産物のTLC分析により概算される。
【0199】 PPTS/ROHでの開裂の一般法。スキーム18に説明するような、サルコジ
クチンアナログ330および400の合成 ROH中の樹脂320または390(1.0等量)の懸濁液を、PPTS(3.0 等量)で処理する。15時間後、反応を固体NaHCO3(10等量)で停止させ、
濾過し、CH2Cl2およびメタノールで洗浄する。合わせた濾液を濃縮し、次い
で生産物をPTLCで精製する(60−90%、正確な全体的収率に関しては、 追加的材料における個々の化合物参照)。
【0200】 CSA/H2Oでの開裂の一般法。スキーム18(B)に説明するような、サルコ ジクチンアナログ370の合成 CH2Cl2/H2O(2:1)中の樹脂290または300(1.0等量)の懸濁液
を、25℃で、CSA(3.0等量)で処理する。40時間後、反応を固体NaH CO3(10等量)で停止させ、濾過し、CH2Cl2で洗浄する。合わせた濾液の 有機相を集め、MgSO4で乾燥させ、濃縮し、生産物をPTLCで精製する(6
0−90%、正確な全体的収率に関しては、追加的材料における個々の化合物参
照)。
【0201】 CSA/ROHでのトランスケタール化の一般法。スキーム18(C)に説明する
ような、サルコジクチンアナログ370の合成 ROH(0.5ml)中の樹脂360の懸濁液を、25℃でCSA(3.0等量)で処
理する。15時間後、樹脂をNaHCO3(10等量)で停止させ、濾過し、CH2 Cl2およびメタノールで洗浄する。合わせた濾液を濃縮し、生産物をPTLC で精製する(60−90%、正確な全体的収率に関しては、追加的材料における 個々の化合物参照)。
【0202】 スキーム19に説明するような、ピリジンカルボン酸Ar−Iの製造 ベンゼン(37ml)中の2−ピリジンカルボキシアルデヒド(pyridinecarboxald
ehyde)(2.0g、18.7mmol、1.0等量)の溶液に、Ph3PCHCO2Me(9
.36g、28.0mmol、1.5等量)を添加し、反応混合物を環流温度で2時間加
熱する。反応の終了が確認(TLC)された後、溶媒を減圧下蒸発させ、粗生産物
をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジエチルエーテル−ヘキ サン、1:1、Rf=0.26)で精製し、予期された、α,β−不飽和メチルエス
テル(2.9g、収率95%)を得る。このように製造したメチルエステル(1.5 g、9.2mmol、1.0等量)を、THF:H2O(1:1、30ml)とLiOH・H 2 O(1.16g、27.6mmol、3.0等量)で、環境温度で3時間処理し、その後
、反応の終了を確認(TLC)する。反応混合物を飽和水性NaHCO3(3回20
ml)で抽出し、合わせた水性抽出物を1M HClでpH4まで酸性化し、更に EtOAc(4回20ml)で抽出する。合わせた有機溶液の濃縮は、定量的収率で
、本質的に純粋なカルボン酸Ar−I(1.4g、収率100%)をもたらす。Rf =0.35(シリカゲル、EtOAc);mp141−142℃(EtOAc);F T−IR(正味)νmax3434、3091、1700、1644、1595、1 568、1464、1319、1224、1016、980cm-1
【0203】 スキーム19に説明するような、チアゾールカルボン酸Ar−IIの製造 ピリジン誘導体Ar−Iの合成に関して記載の方法に従って、対応するチアゾ
ールアルデヒド(2.0g、16mmol、1.0等量)を、ベンゼン(32ml)中のPh 3 PCHCO2Me(8.0g、24.0mmol、1.5等量)と反応させ、クロマトグ ラフィー精製(シリカゲル、ジエチルエーテル−ヘキサン、3:1)後、予期され
たα,β−不飽和チアゾールメチルエステル(2.8g、収率97%)を得る。Rf =0.42(シリカゲル、ジエチルエーテル−ヘキサン、3:1);FT−IR(正
味)νmax3095、3048、1707、1631、1431、1300、12
75、1170、1125、998cm-1。このように得たメチルエステル(0.5
0g、2.73mmol、1.0等量)を、上記ピリジン酸Ar−Iに関して記載のよ うに、THF:H2O(1:1、7ml)中のLiOH・H2O(0.33g、8.19m
mol、3.0等量)の作用によりケン化し、白色結晶性固体としてチアゾール酸A r−II(0.46g、収率100%)を産生する。Rf=0.32(シリカゲル、Et
OAc);mp172−173℃(EtOAc);FT−IR(正味)νmax3413
、2919、1690、1672、1625、1496、1414、1308、
1273、1196、1137cm-1
【0204】 スキーム19に説明するような、オキサゾールカルボン酸Ar−IIIの製造 上記ピリジン誘導体Ar−Iの合成に関して記載した方法に従って、対応する
オキサゾールアルデヒド(0.7g、6.3mmol、1.0等量)を、ベンゼン(13ml
)中のPh3PCHCO2Me(3.16g、9.45mmol、1.5等量)と反応させ、
クロマトグラフィー精製(シリカゲル、EtOAc)後、予期したα,β−不飽和 オキサゾールメチルエステル(2.7g、96%)を得る。Rf=0.61(シリカゲ
ル、EtOAc);FT−IR(正味)νmax3132、3088、1716、16
46、1439、1388、1336、1298、1209、1166、976
、916、866、814cm-1。本エステル(0.3g、1.80mmol、1.0等量
)を、THF:H2O(1:1、15ml)中のLiOH:H2O(0.22g、5.4mm
ol、3.0等量)の作用により、ピリジンカルボン酸Ar−Iに関して記載のよう
にケン化し、チアゾールカルボン酸Ar−III(0.28g、100%)を定量的収
率で、白色結晶性固体として得る。Rf=0.33(シリカゲル、EtOAc);m
p165−166℃(EtOAc);FT−IR(正味)νmax3085、2938 、2546、1668、1636、1598、1566、1429、1404、
1274、1219、1105、981、915、870、796、692、6
37cm-1
【0205】 ピリジン側鎖の結合および脱シリル化。スキーム19に説明するような、化合物
420の合成 CH2Cl2(2.2ml)中のヒドロキシ化合物410(23.0mg、0.046mmol
、1.0等量)の化合物の溶液に、4−DMAP(2.8mg、0.023mmol、0.5
等量)、ピリジンカルボン酸Ar−I(10.2mg、0.068mmol、1.5等量)お
よびDCC(18.8mg、0.091mmol、2.0等量)を25℃で添加する。反応 混合物を、20時間、その温度で撹拌し、次いで濃縮する。粗混合物をフラッシ
ュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:4、Rf=0. 28)で精製し、対応するエステル(24.5mg、85%)を得る。後者の化合物を
下記のように脱シリル化する:THF(1ml)中のシリルエーテル(24.5mg、0
.038mmol、1.0等量)の溶液をTBAF(THF中1.0M、77ml、2.0等
量)で処理し、反応混合物を1時間、25℃で撹拌する。溶媒を減圧下除去し、 粗生産物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン 、1:1)で精製し、アルコール420(16.1mg、87%)を得る。Rf=0.1
0(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:1);[α]D25−13.75(c=0.
8、CHCl3);FT−IR(正味)νmax3410、2961、1713、16 47、1583、1468、1434、1319、1160、1034、986
、786、752cm-1
【0206】 チアゾール側鎖の結合および脱シリル化。スキーム19に説明するような、化合
物430の合成 上記化合物420の記載の方法に従って、CH2Cl2(1.8ml)中のヒドロキ シ化合物410(15mg、0.030mmol、1.0等量)の溶液に、4−DMAP( 1.8mg、0.015mmol、0.5等量)、チアゾールカルボン酸Ar−II(6.5mg
、0.039mmol、1.3等量)およびDCC(11.3mg、0.055mmol、1.7 等量)を、25℃で添加し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtO
Ac−ヘキサン、1:4)後、対応するエステル(12mg、収率61%)を得る。 THF(1ml)中の、後者の化合物(6.0mg、9.1mmol、1.0等量)のTBAF(
THF中1.0M、18ml、2.0等量)による脱シリル化は、フラッシュクロマ トグラフィー(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:2)の後、アルコール4
30(5.5mg、100%)をもたらす。Rf=0.18(シリカゲル、EtOAc−
ヘキサン、1:2);[α]D25+19.6(c=0.55、CHCl3);FT−IR(
正味)νmax3414、2961、1711、1636、1450、1270、1
158、1038cm-1
【0207】 オキサゾール側鎖の結合および脱シリル化。スキーム19に説明するような、化
合物440の合成 化合物420の合成に記載の方法に従って、アルコール410(21mg、0.0
42mmol、1.0等量)を、CH2Cl2(2ml)中の4−DMAP(2.5mg、0.0 20mmol、0.5等量)、オキサゾールカルボン酸Ar−III(8.4mg、0.055
mmol、1.3等量)およびDCC(16.9mg、0.082mmol、2.0等量)で処理 し、クロマトグラフィー精製(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:4、Rf =0.43)後、所望のエステル(23mg、86%)を得る。後者の化合物(23m
g、0.036mmol、1.0等量)を、化合物420に関して上記の方法に従って、
TBAF(THF中1.0M、72ml、2.0等量)の作用により脱保護し、クロマ
トグラフィー精製(フラッシュカラム、シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1 :1)後、アルコール440(16mg、92%)を得る。Rf=0.21(シリカゲル
、EtOAc−ヘキサン、1:1);[α]D25+8.1(c=1.6、CHCl3); FT−IR(正味)νmax3410、2961、2865、1712、1651、 1451、1302、1258、1160、1106、1035、988cm-1
【0208】 アルコール440の酸化。スキーム19に説明するようなアルデヒドの合成 CH2Cl2(2.0ml)中のアルコール440(16mg、0.033mmol、1.0等
量)の溶液に、CH2Cl2(1.5ml)中のNaHCO3(20mg、0.238mmol、 約7等量)およびデス−マーチンペルヨージナン(25mg、0.060mmol、約2 等量)を添加し、反応混合物を50分、25℃で撹拌し、その後イソプロパノー ル(過剰)、続いてEtOAc(2.0ml)を添加する。沈殿物をシリカの短プラグ を通して濾過し、濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、 EtOAc−ヘキサン、1:1)により精製し、所望のアルデヒド470(13. 3mg、84%)を得る。Rf=0.56(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:
1);[α]D25+85.0(c=1.3、CHCl3);FT−IR(正味)νmax296
2、1697、1650、1450、1301、1256、1160、1107
cm-1
【0209】 スキーム19に説明するような、サルコジクチンアナログ480の製造 化合物470に関して上記の方法に従って、アルコール420(16.0mg、0
.033mmol、1.0等量)を、CH2Cl2(1.5ml)中のNaHCO3(26.6mg 、0.334mmol、約10等量)およびデス−マーチンペルヨージナン(35.4mg
、0.083mmol、約2.5等量)で処理し、クロマトグラフィー精製(シリカゲル
、EtOAc−ヘキサン、1:4、Rf=0.35)後、対応するアルデヒド(7. 0mg、44%)を得る。このようにして得たアルデヒド450(7.0mg、0.01
5mmol、1.0等量)を、THF:t−BuOH:H2O(5:5:1、2.2ml)中
の2−メチル−2−ブテン(THF中2.0M、1.5ml)、NaH2PO4(5.3mg
、0.044mmol、約3等量)およびNaClO2(8.0mg、0.088mmol、約6
等量)で0℃で処理する。反応混合物を、0℃で2時間撹拌し、その後、ジエチ ルエーテル中のCH22の溶液(過剰)を添加し、撹拌を更に10分、25℃で続
ける。過剰のCH22をアルゴン流で除去し、反応混合物をジエチルエーテル( 3回8ml)で抽出し、過剰のNa2SO4で乾燥させて濃縮する。粗残渣をフラッ シュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:4)で精製し
、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:4)
で精製し、サルコジクチンアナログ480(3.2mg、2段階で43%)を得る。 Rf=0.56(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:1);[α]D25−37.1
4(c=0.07、CHCl3)。
【0210】 スキーム19に説明するような、サルコジクチンアナログ490の製造 化合物470の合成に関する上記の方法に従って、CH2Cl2(1.0ml)中の アルコール430(5.0mg、0.010mmol、1.0等量)の溶液に、NaHCO3 (6.7mg、0.080mmol、8.0等量)およびデス−マーチンペルヨージナン(8
.5mg、0.02mmol、2.0等量)を添加し、反応混合物を30分、25℃で撹拌
し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1: 4;Rf=0.45)後、対応するアルデヒド460(2.0mg、40%)を得、それ
を直接次段階に使用する。従って、t−BuOH:H2O(5:1、0.6ml)中の
アルデヒド460(2.0mg、0.004mmol、1.0等量)を、2−メチル−2− ブテン(THF中2.0M、0.5ml、1.0mmol)、NaH2PO4(1.4mg、0.0
12mmol、3.0等量)およびNaClO2(2.2mg、0.024mmol、6.0等量)
で0℃で処理する。反応混合物を0℃で2時間撹拌し、その後、ジエチルエーテ
ル中のCH22(過剰)の溶液を添加し、撹拌を更に10分、25℃で続ける。過
剰のCH22をアルゴン流により除去し、反応混合物をジエチルエーテル(3回 5ml)で抽出し、Na2SO4で乾燥させて濃縮する。粗残渣をフラッシュクロマ トグラフィー(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:4)で精製し、サルコジ
クチンアナログ490(1.5mg、2段階で71%)を得る。Rf=0.45(シリカ
ゲル、EtOAc−ヘキサン、1:4);[α]D25−13.4(c=0.10、CH Cl3);FT−IR(正味)νmax2960、2360、2337、1714、1 636、1436、1268、1157cm-1
【0211】 スキーム19に説明するような、サルコジクチンアナログ500の製造 化合物490の合成に関する上記の方法に従って、アルデヒド470(8.5mg
、0.017mmol、1.0等量)を、t−BuOH:H2O(5:1、1.2ml)中の(
2−メチル−2−ブテン(THF中2.0M、1.0ml)、NaH2PO4(6.3mg、
0.053mmol、約3等量)およびNaClO2(9.6mg、0.106mmol、約6等
量)で処理し、ジアゾエタン処理およびクロマトグラフィー精製(シリカゲル、E
tOAc−ヘキサン、1:2)後、サルコジクチンアナログ500(8.0mg、2 段階で87%)を得る。Rf=0.35(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:
2);[α]D25+3.6(c=0.8、CHCl3);FT−IR(正味)νmax2963
、1713、1650、1449、1301、1250、1158、1049cm -1
【0212】 スキーム19に説明するような、サルコジクチンアナログ520の製造 CH2Cl2(1.0ml)中のアルコール510(2.5mg、0.0052mmol、1. 0等量)を、−78℃でDAST[(ジエチルアミン)サルファートリフルオリド](
1.3ml、0.010mmol、約2等量)で処理し、その温度で3時間撹拌する。反 応混合物を固体NaHCO3(30mg)の添加により停止させ、25℃に温め、濃 縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:CH2Cl2: メタノール、10:10:1)で精製し、所望のサルコジクチンアナログ520(
2.5mg、収率99%)を得る。Rf=0.31(シリカゲル、EtOAc:CH2
2:メタノール、10:10:1);[α]D25−32.4(c=0.25、CHCl 3 );FT−IR(正味)νmax2961、1762、1637、1451、138 4、1269、1156、1037、980cm-1
【0213】 スキーム19に説明するような、サルコジクチンアナログ530の製造 CH2Cl2(1.0ml)中のアルコール410(5.0mg、0.01mmol、1.0等 量)の溶液に、酢酸無水物(5.0mg、0.052mmol、5.2等量)、トリエチルア
ミン(10ml、0.07mmol、6.8等量)および4−DMAP(2.0mg、0.01 6mmol、1.6等量)を添加し、反応混合物を環境温度で2時間撹拌する。反応の
完了が確認された後(TLC)、飽和NaHCO3溶液(2回2ml)で停止させ、減 圧下での溶媒除去およびフラッシュクロマトグラフィー精製(シリカゲル、Et OAc)により、定量的収率でサルコジクチンアナログ530を得る(5.2mg、 100%)。Rf=0.41(シリカゲル、EtOAc);[α]D25−16.2(c=0
.55、CHCl3);FT−IR(正味)νmax2961、1737、1704、1
638、1450、1381、1233、1155、1039cm-1
【0214】 スキーム19に説明するような、サルコジクチンアナログ540の製造 CH2Cl2:H2O(10:1)中のケタール530(5.2mg、0.01mmol、1
.0等量)の撹拌した溶液に、環境温度で触媒量のCSA(10mol%)を添加し、 撹拌を72時間続ける。反応の完了がTLCで確認された後(40時間)、固体N
aHCO3での停止、濾過、クロマトグラフィー精製(シリカゲル、EtOAc) により、サルコジクチンアナログ540を得る(5.1mg、収率95%)。Rf=0
.37(シリカゲル、EtOAc);[α]D25−28.9(c=0.35、CHCl3) ;FT−IR(正味)νmax3348、2962、1737、1704、1638 、1233、1155cm-1
【0215】 スキーム22に説明するような、フェニルチオグリコシド1200の合成 DMF(20ml)中のNaH(鉱物油中60%、0.408g、10.2mmol、1.
2等量)の液に、DMF(30.0ml)中の1100(2.55g、8.67mmol、1.
0等量;Nicolaou et al., Tetrahedron 1997, 53, 8751-8778; Lindle, T. Ang
ew. Chem. Int. Ed. 1998, 110, 806-808)の溶液を添加し、反応混合物を30分
、0℃で撹拌し、その後、PMB−Cl(1.6ml、11.0mmol、1.1等量)を 添加する。次いで、反応物を室温で2時間撹拌し、飽和NH4Cl(10ml)の添 加により停止させ、ジエチルエーテル(3回50ml)で抽出し、MgSO4で乾燥 させて濃縮する。粗生産物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキ サン中20%EtOAc)で精製し、アセトニド1200(3.26g、93%)を
得る。Rf=0.64(シリカ、EtOAc−ヘキサン、1:2);[α]D+40.4
(c 1.0、CHCl3);FT−IR(正味)νmax2986、2934、161 2、1514、1379、1243、1074、833、745cm-1
【0216】 スキーム22に説明するような、フェニルチオグリコシドジオール1300の合
成 メタノール(100ml)中のアセトニド1200(3.26g、8.11mmol、1.
0等量)の液に、エチレングリコール(10ml)を添加する。次いで、溶液を0℃ に冷却し、TsOH・H2O(150mg、0.80mmol、0.1等量)を添加し、反 応物を25℃に温め、5時間撹拌する。反応が完了した後(TLC分析)、トリエ
チルアミン(1.0ml)、続いて飽和NaHCO3溶液(30.0ml)を添加する。次 いで、反応混合物を酢酸エチル(3回200ml)で抽出し、合わせた有機抽出物を
食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させる。濃縮後、生産物をフラッシュクロマ
トグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中EtOAc、3:2)で精製し、ジオール
1300(2.47g、84%)を得る。Rf=0.54(シリカゲル、EtOAc−
ヘキサン、2:1);[α]D−25.9(c 1.0、CHCl3);FT−IR(正味
)νmax3369、2908、1613、1514、1249、1079、822
cm-1
【0217】 スキーム22に説明するような、フェニルチオグリコシドビス−TBSエーテル
1400の合成 CH2Cl2(25ml)中のジオール1300(1.26g、3.48mmol、1.0等
量)の溶液に、0℃で、トリエチルアミン(4.7ml、33.5mmol、9.6等量)、
続いてTBS−OTf(3.1ml、13.5mmol、3.9等量)を添加し、反応混合 物を同じ温度で2時間撹拌する。完了後(TLC分析)、反応を水(5ml)の添加に
より停止させ、CH2Cl2(2回50ml)で抽出する。合わせた抽出物を食塩水で
洗浄し、Na2SO4で乾燥させて濃縮する。粗残渣をフラッシュクロマトグラフ
ィー(シリカゲル、ヘキサン中ジエチルエーテル、1:30)で精製し、シリルエ
ーテル1400(2.00g、97%)を得る。Rf=0.60(シリカゲル、EtO
Ac−ヘキサン、1:5);[α]D−40.42(c 1.0、CHCl3);FT− IR(正味)νmax2930、2856、1612、1514、1472、125 3、1109、840cm-1
【0218】 スキーム22に記載のような、ビス−TBSエーテルアセタール1500の合成 湿潤アセトン(93%アセトン、7%水)(40ml)中の1400(1.66g、2
.81mmol)の溶液に、0℃でN−ブロモスクシンイミド(3.3等量、1.65g 、9.27mmol)、続いてピリジン(11等量、30.9mmol、2.5ml)を添加する
。得られる溶液を4時間、0℃で撹拌し、飽和Na2SO3溶液の添加により停止
させる。反応混合物をジエチルエーテル(3回5ml)で抽出し、有機抽出物を食塩
水で洗浄し、濃縮前にNa2SO4で乾燥させる。粗残渣をフラッシュクロマトグ
ラフィー(シリカゲル、ヘキサン中10%EtOAc)で精製し、1500(1.1
2g、二つのアノマーの約2:1混合物として80%)を得る。Rf=0.37、 0.46(シリカゲル、ジエチルエーテル−ヘキサン、1:1);FT−IR(正味
)3456、2930、2857、1513、1469、1253、1096、 1034、836cm-1
【0219】 スキーム22に説明するような、トリクロロアセトアミドの900の合成 CH2Cl2(5.0ml)中のアノマー混合物1500(0.218g、437mmol)
およびCCl3CN(0.220ml、2.20mmol、5.0等量)の溶液に、0℃で、
NaH(0.002、41.7mmol、0.1等量)を添加し、反応混合物を室温で3.
5時間(TLC分析)撹拌し、その後、濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフ
ィー(シリカゲル、2%トリエチルアミン含有ヘキサン中に33%EtOAc)で
精製し、900(0.261g、93%)を得る。Rf=0.76(シリカゲル、ジエ
チルエーテル−ヘキサン、1:3);[α]D−69.7(c 1.0、CHCl3); FT−IR(正味)νmax3348、2930、2857、1670、1514、 1252、1113、1006、837cm-1
【0220】 スキーム23に説明するような、エニノン1600の合成 LiDMS(THF中1.0M、0.150ml、0.150mmol、2.0等量)の溶
液を、THF(4.0ml)中の35(77.5mg、0.0742mmol、1.0等量)の液
に−30℃で滴下し、反応物を10分、−30℃で撹拌する。反応がTLC分析
で示されて完了した後、飽和NH4Cl溶液(5ml)を添加し、得られた2相混合 物をジエチルエーテル(3回30ml)で抽出する。合わせた抽出物を食塩水で洗浄
し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗残渣を得、それを短カラムクロマトグラ
フィー(シリカゲル、ヘキサン中10%EtOAc)で精製する。次いで、異性体
の精製混合物を直ぐに次段階に使用する。CH2Cl2(4.0ml)中の本混合物の 溶液に、0℃でNaHCO3(62.3mg、0.742mmol、10.0等量)およびピ
リジン(60ml、0.742mmol、10.0等量)を添加し、得られた溶液を0℃に
冷却し、10分撹拌する。デス−マーチン試薬(63.0mg、0.149mmol、2.
0等量)を添加し、反応物を更に15分、0℃で撹拌する。反応がTLC分析で 示されるように完了した後、それを飽和Na223(2ml)の添加により停止さ せる。混合物をCH2Cl2(3回30ml)で抽出し、合わせた抽出物をNa2SO4 で乾燥させ、濃縮して粗残渣を得、それをフラッシュクロマトグラフィーシリカ
ゲル、ヘキサン中5%EtOAc)で精製し、1600(72.0mg、2段階で9 3%)を得る。Rf=0.80(シリカゲル、ジエチルエーテル−ヘキサン、1:3
);[α]D−11.5(c 0.46、CHCl3);FT−IR(正味)νmax2954
、2878、1663、1512、1462、1250、1115、1037、
1004、834、777、741cm-1
【0221】 スキーム22に示すような、エニノンアルコール1700の合成 CH2Cl2(7.0ml)および水(0.35ml)中のPMB−エーテル1600(2 02mg、0.194mmol、1.0等量)の溶液に、DDQ(98.0mg、0.432mm
ol、2.3等量)を添加し、得られた溶液を25℃に温め、20分撹拌する。TL
C分析により完了したら、反応を飽和Na223溶液(2.0ml)および飽和Na
HCO3溶液(2.0ml)の添加により停止させる。次いで、反応混合物をCH2C l2(3回40ml)で抽出し、合わせた抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濃縮して 粗残渣を得、それをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中1 0%EtOAc)で精製してアルコール1700(163mg、91%)を得る。Rf =0.6(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:5);[α]D=−0.176(c
1.6、CHCl3);FT−IR(正味)νmax2955、2929、2203、
1663、1462、1366、1252、1214、1118、1076、1
004、835、740cm-1
【0222】 スキーム23に説明するような、エニノンアセテート180の合成 CH2Cl2(5.0ml)中のアルコール1700(163mg、0.177mmol、1.
0等量)の溶液に、0℃でトリエチルアミン(400ml、2.86mmol、16.1等
量)、4−DMAP(10.0mg、0.0818mmol、0.46等量)および酢酸無水
物(0.2ml、2.12mmol、12.0等量)を添加し、反応物を25℃に温め、1 時間撹拌する。完了がTLC分析で確認された後、反応を飽和NaHCO3溶液(
2.0ml)の添加により停止させる。次いで、反応混合物をCH2Cl2(3回40m
l)で抽出し、合わせた抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濃縮して粗残渣を得、そ
れをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中10%EtOAc)
で精製し、アセテート1800(162mg、95%)を得る。Rf=0.57(シリ カゲル、ジエチルエーテル−ヘキサン、1:5);[α]D−0.34(c 1.4、 CHCl3;FT−IR(正味)νmax2956、1746、1661、1461、
1371、1237、1119、1004cm-1
【0223】 スキーム23に説明するような、エニノンジオール1900の合成 THF(4.2ml)中のシリルエーテル1800(161mg、0.167mmol、1.
0等量)の溶液に、0℃でトリエチルアミン・3HF(0.60ml、3.68mmol、
22.0等量)を添加し、反応混合物を25℃に温め、4時間撹拌する。完了後( TLC分析)、反応を飽和NaHCO3溶液(2.0ml)の0℃での添加により停止 させる。次いで、2相混合物をジエチルエーテル(3回40ml)で抽出し、合わせ
た抽出物を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗残渣を得、それ
をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中50%EtOAc)で
精製し、ジオール1900(100mg、81%)を得る。Rf=0.40(シリカゲ ル、ジエチルエーテル−ヘキサン、3:1);[α]D−53.5(c 0.85、C HCl3);FT−IR(正味)νmax3410、2929、2856、1744、 1652、1370、1254、1123、1063、1037、837、77
7cm-1
【0224】 スキーム23に説明するような、3環式コア化合物2200の合成 エネイノン1900(103mg、0.140mmol、1.0等量)およびリンドラー
触媒(148mg、0.069mmol、0.5等量)の異種混合物を水素(1atm)で処理 し、反応物を25℃で20分撹拌する。次いで、反応混合物を、ジエチルエーテ
ルで溶出してCelite(登録商標)パッドを通して濾過して濃縮し、粗残渣を得、そ
れを更に精製することなく使用する。本残渣をメタノール(4.0ml)に溶解し、 PPTS(7.0mg、0.028mmol、0.2等量)を添加し、反応混合物を25℃ で20分撹拌する。完了したら(TLC監視)、反応を飽和NaHCO3溶液(2. 0ml)の添加により停止させる。次いで、反応混合物をジエチルエーテル(3回2
0ml)で抽出し、合わせた抽出物を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃 縮して粗残渣を得それをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン 中50%EtOAc)で精製し、メチルケタール2200(80.1mg、76%)を
得る。Rf=0.74(シリカゲル、ジエチルエーテル−ヘキサン、3:1);[α] D −38.61(c 0.65、CHCl3);FT−IR(正味)νmax3448、2 929、2856、1748、1254、1144、1038、837、775
cm-1
【0225】 スキーム23に説明するような、エレウセロビンビス−TBSエーテル2300 CH2Cl2(0.4ml)中のアルコール2200(64mg、0.0871mmol、1.
0等量)の溶液に、トリエチルアミン(0.177ml、1.27mmol、15.0等量)
および4−DMAP(21mg、0.0017mmol、0.02等量)を添加する。次い
で、溶液を0℃に冷却し、混合無水物2400の0.2M CH2Cl2溶液を添 加する(4.2ml、0.84mmol、9.6等量;上記実施例2の通り)。次いで、反 応混合物を25℃に温め、18時間撹拌する。反応が確認された後(TLC分析)
、反応を飽和NaHCO3溶液の添加により停止させ、CH2Cl2(3回20ml) で抽出する。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濃縮して粗残渣を得
、それをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中67%EtO Ac)で精製してウロカニン酸エステル2300(73.0mg、97%)を得る。R f =0.35(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:3);[α]D−61.3(c 0.6、CHCl3);FT−IR(正味)νmax2929、2856、2362、
2338、1746、1707、1639、1468、1367、1296、1
253、1150、1062、1038、1001、886、837、775cm -1
【0226】 スキーム23に説明するような、エレウセロビン(4)の合成 THF(4.0ml)中のジシリルエーテル2300(15.5mg、0.017mmol、
1.0等量)の溶液に、0℃で酢酸(THF中1.0M、0.070ml、0.070m
mol、4.1等量)およびTBAF(THF中1.0M、0.30ml、0.30mmol、 17.6等量)を添加する。反応混合物を25℃に温め、2.5時間撹拌し、その 後水(1.0ml)および飽和NaHCO3溶液(1.0ml)を添加し、混合物をCH2
2(3回20ml)で抽出する。合わせた抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濃縮し て粗残渣を得、それをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、1%トリエ チルアミン含有CH2Cl2中2%メタノール)で精製して、エレウセロビン4(1
1.0mg、96%)を得る。Rf=0.22(シリカゲル、メタノール:CH2Cl2 、1:20);[α]D−67(c 0.15、メタノール);FT−IR(正味)νmax
3388、2933、2851、1735、1708、1637、1367、1
247、1162、1039、998cm-1
【0227】 スキーム24に説明するような、β−グリコシド2500の合成 2:1ジオキサン:トルエン(6.0ml)中のアルコール7000(20.0mg、 0.0355mmol、1.0等量)およびイミデート9000(62.1mg、0.096
6mmol、2.7等量)の溶液を0℃に冷却し、TMSOTf(ジエチルエーテル中 0.05M、40ml、0.002mmol、0.05等量)を添加し、反応混合物を0℃
で10分撹拌し、その後トリエチルアミン(20ml)、続いてNaHCO3(3ml) を添加する。次いで、反応混合物をジエチルエーテル(3回20ml)で抽出し、合
わせた抽出物を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗残渣を得、
それをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサンナか3%EtOA c、1:5)で精製し、2500(27.9mg、75%)を得る。Rf=0.56(シ リカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:5);[α]D−27.7(c 1.0、CH Cl3);FT−IR(正味)νmax2954、1676、1612、1512、1 461、1364、1250、1114、1038、835、740cm-1
【0228】 スキーム24に説明するような、エレウセロビンのα−アノマー(2700)の合
成 エレウセロビンのα−アノマーは、化合物2600からスキーム23に記載の
反応順序に従って構築する。Rf=0.1(シリカゲル、メタノール:CH2Cl2 、1:20)。
【0229】 スキーム26(A)に説明するような、ビス−アセトキシエレウセロビン(280 0)およびエレウソシドAおよびBのメチル−ケタール前駆体(2900+300
0) CH2Cl2(0.60ml)中の天然エレウセロビン(4)(10.0mg、0.015mm
ol、1.0等量)、トリエチルアミン(6.0ml、0.043mmol、3.0等量)およ び4−DMAP(0.40mg、0.0033mmol、0.2等量)の溶液に、0℃で酢 酸無水物(CH2Cl2中1.0M、0.017ml、0.017mmol、1.1等量)を添
加し、反応混合物を同じ温度で1時間撹拌する、次いで、反応混合物を飽和Na
HCO3溶液(0.50ml)の添加により停止させ、CH2Cl2(5回20ml)で抽出
する。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濃縮して粗残渣を得、をれ
をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2中2%メタノール)で
精製してトリアセテート2800(1.8mg、16%)を分離できない混合物エレ ウソシド2900および3000(7.8mg、73%)ならびに回収された1(0. 5mg、5%)と共に得る。2800。Rf=0.44(シリカゲル、メタノール−C
2Cl2、1:20);[α]D−67.3(c 1.2、CHCl3);FT−IR(正
味)νmax2962、1746、1740、1644、1634、1372、12
26、1156、1068、759、668、617cm-1
【0230】 スキーム26(A)に説明するような、エレウソシドAおよびB(5+6)の合成 CH2Cl2(2.0ml)およびH2O(0.20ml)中の2700および2800混 合物(7.8mg、0.011mmol、1.0等量)の溶液に、25℃でCSA(5.2mg 、0.022mmol、2.0等量)を添加し、反応物を同じ温度で48時間撹拌する 。完了したら(TLC監視)、反応を飽和NaHCO3溶液(0.50ml)の添加によ
り停止させ、CH2Cl2(5回20ml)で抽出する。合わせた有機抽出物をNa2 SO4で乾燥させ、濃縮して粗残渣を得、それをフラッシュクロマトグラフィー(
シリカゲル、CH2Cl2中3%メタノール)で精製し、エレウソシドA(5)およ びB(6)の混合物(5.3mg、80%)を得る。5と6の混合物のデータ:5と6 の混合物Rf=0.32(シリカ、メタノール−CH2Cl2、1:20);FT−I
R(正味)νmax3734、3628、2962、2928、2866、1734 、1700、1684、1652、1646、1636、1558、1456、
1374、1252、1160、1065、1037、986、884、874
cm-1
【0231】 領域異性体エレウセロビン(3100)およびデアセトエレウセロビン(3200)
の合成(スキーム26(B)) THF(350ml)中のジシリルエーテル2300(5.4mg、6.1mmol)の溶液
に、TBAF(THF中1.0M、20ml、20mmol、3.3等量)を添加し、反応
混合物を6時間、環境温度で撹拌する。完了後(TLC分析)、粗残渣を直ぐにカ
ラムクロマトグラフィー(溶出溶媒は、CH2Cl2中のメタノールを2から10 %に徐々に上昇)で精製してエレウセロビン4(22%)、移動産物3100(60
%)およびトリオール3200(8%)を得る。Rf=0.28(シリカ、×2、メタ
ノール:CH2Cl2、1:20);FT−IR(正味)νmax3355、2964、
2925、1704、1638、1260、1070、800cm-1
【0232】 スキーム20および第2表に示す重要化合物の選択データ: 化合物550 分取TLC精製後単離収率2.8mg(24から全体的に79%)。Rf=0.68(
シリカゲル、EtOAc):[α]D25−21.5(c=0.20、CHCl3);Rf
0.15(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:3);FT−IR(正味)max2
961、1711、1637、1451、1271、1154、1068、10
37、980、715cm-1
【0233】 化合物560 分取TLC精製後単離収率2.4mg(24から全体的に64%)。Rf=0.56(
シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、4:1);[α]D25−43.8(c=0.5、 CHCl3);FT−IR(正味)νmax2962、2104、1703、1639 、1450、1270、1156cm-1
【0234】 化合物570 分取TLC精製後単離収率1.5mg(24から全体的に41%)。Rf=0.52(
シリカゲル、EtOAc);FT−IR(正味)νmax3333、2961、170
9、1639、1543、1445、1315、1220、1160、1048
cm-1
【0235】 化合物580 分取TLC精製後単離収率3.9mg(24から全体的に71%)。Rf=0.32(
シリカゲル、CH2Cl2中3%メタノール)。 化合物590 分取TLC精製後単離収率2.2mg(24から全体的に59%)。 化合物620 分取TLC精製後単離収率2.3mg(24から全体的に64%)。Rf=0.41(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物630 分取TLC精製後単離収率0.7mg(24から全体的に20%)。Rf=0.42(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物640 分取TLC精製後単離収率1.9mg(24から全体的に55%)。Rf=0.43(
シリカゲル、EtOAc)。
【0236】 化合物650 分取TLC精製後単離収率0.5mg(24から全体的に14%)。Rf=0.43(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物660 分取TLC精製後単離収率1.8mg(24から全体的に46%)。Rf=0.43(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物670 分取TLC精製後単離収率2.0mg(24から全体的に58%)。Rf=0.40(
シリカゲル、EtOAc)。
【0237】 化合物680 分取TLC精製後単離収率2.0mg(24から全体的に61%)。Rf=0.44(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物690 分取TLC精製後単離収率2.1mg(24から全体的に54%)。Rf=0.43(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物700 分取TLC精製後単離収率2.3mg(24から全体的に69%)。Rf=0.40(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物710 分取TLC精製後単離収率0.7mg(24から全体的に42%)。Rf=0.62(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物730 分取TLC精製後単離収率2.0mg(24から全体的に61%)。Rf=0.39(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物740 分取TLC精製後単離収率1.9mg(24から全体的に56%)。Rf=0.38(
シリカゲル、CH2Cl2中3%メタノール)。
【0238】 化合物750 分取TLC精製後単離収率1.6mg(24から全体的に55%)。Rf=0.40(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物760 分取TLC精製後単離収率2.9mg(24から全体的に62%)。Rf=0.40(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物770 分取TLC精製後単離収率1.1mg(24から全体的に56%)。Rf=0.51(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物790 分取TLC精製後単離収率1.3mg(24から全体的に33%)。Rf=0.40(
シリカゲル、EtOAc)。
【0239】 化合物800 分取TLC精製後単離収率1.0mg(24から全体的に26%)。Rf=0.38(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物810 分取TLC精製後単離収率1.3mg(24から全体的に34%)。Rf=0.43(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物820 分取TLC精製後単離収率1.1mg(24から全体的に28%)。Rf=0.45(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物830 分取TLC精製後単離収率1.1mg(24から全体的に28%)。Rf=0.43(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物840 分取TLC精製後単離収率1.2mg(24から全体的に32%)。Rf=0.39(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物850 分取TLC精製後単離収率2.2mg(24から全体的に69%)。Rf=0.32(
シリカゲル、CH2Cl2中3%メタノール);[α]D25−1.9(c=0.21、エ タノール);FT−IR(正味)max2960、1712、1637、1435、1
385、1299、1269、1245、1155、1050cm-1。 化合物860 分取TLC精製後単離収率2.0mg(24から全体的に50%)。Rf=0.43(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物870 分取TLC精製後単離収率0.8mg(24から全体的に46%)。Rf=0.74(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物880 分取TLC精製後単離収率2.1mg(24から全体的に54%)。Rf=0.42(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物890 分取TLC精製後単離収率1.8mg(24から全体的に45%)。Rf=0.43(
シリカゲル、EtOAc)。
【0240】 化合物900 分取TLC精製後単離収率1.3mg(24から全体的に32%)。Rf=0.40(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物910 分取TLC精製後単離収率1.0mg(24から全体的に25%)。Rf=0.42(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物920 分取TLC精製後単離収率1.7mg(24から全体的に40%)。Rf=0.38(
シリカゲル、EtOAc)。 化合物930 分取TLC精製後単離収率1.0mg(24から全体的に23%)。Rf=0.41(
シリカゲル、EtOAc−ヘキサン)。 化合物940 分取TLC精製後単離収率0.5mg(24から全体的に17%)。Rf=0.74(
シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:3)。
【0241】 化合物950 分取TLC精製後単離収率0.5mg(24から全体的に20%)。Rf=0.11(
シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:3)。 化合物960 分取TLC精製後単離収率1.7mg(24から全体的に62%)。Rf=0.46(
シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:3)。 化合物970 分取TLC精製後単離収率2.2mg(24から全体的に68%)。Rf=0.31(
シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:1)。 化合物980 分取TLC精製後単離収率1.6mg(24から全体的に51%)。Rf=0.28(
シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:2);Rf=0.31(シリカゲル、Et
OAc−ヘキサン、1:3)。 化合物990 分取TLC精製後単離収率2.2mg(24から全体的に68%)。Rf=0.50(
シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:3)。
【0242】 化合物1000 分取TLC精製後単離収率1.5mg(24から全体的に40%)。Rf=0.38(
シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:3)。 化合物1010 分取TLC精製後単離収率0.7mg(24から全体的に28%)。Rf=0.52(
シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:1)。 化合物1020 分取TLC精製後単離収率0.5mg(24から全体的に20%)。Rf=0.32(
シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:1)。 化合物1030 分取TLC精製後単離収率1.5mg(24から全体的に42%)。Rf=0.35(
シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:1)。 化合物1040 分取TLC精製後単離収率0.5mg(24から全体的に17%)。Rf=0.51(
シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:1)。
【0243】 化合物1050 分取TLC精製後単離収率1.9mg(24から全体的に60%)。Rf=0.31(
シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:1)。 化合物1060 分取TLC精製後単離収率2.2mg(24から全体的に57%)。Rf=0.31(
シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:1)。 化合物1070 分取TLC精製後単離収率1.8mg(24から全体的に68%)。Rf=0.39(
シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:4);[α]D25−2.1(c=0.10、 CHCl3);FT−IR(正味)max2960、1739、1719、1436、 1370、1236、1049cm-1。 化合物1080 分取TLC精製後単離収率2.6mg(24から全体的に79%)。Rf=0.28(
シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:4)。 化合物1090 分取TLC精製後単離収率1.7mg(24から全体的に61%)。Rf=0.44(
シリカゲル、EtOAc−ヘキサン、1:4)。
【0244】 1600のα−アノマーのデータ [α]D+38.0(c 0.40、CHCl3);FT−IR(正味)max2955、2 879、2205、1736、1653、1613、1513、1461、13
66、1250、1094、1037、1004、835、777、740cm-1 。 1700のα−アノマーのデータ [α]D+36.6(c 0.80、CHCl3);FT−IR(正味)max3471、2 955、2879、2206、1653、1600、1461、1255、11
59、1114、1091、1027、1004、834、777、740cm-1 。 1800のα−アノマーのデータ [α]D+56.7(c 0.76、CHCl3);FT−IR(正味)max2956、2 878、2206、1757、1659、1465、1368、1231、11
16、1004、836、778、740cm-1。 1900のβ−アノマーのデータ [α]D+42.8(c 0.46、CHCl3);FT−IR(正味)max3440、2 957、2930、2856、2205、1739、1652、1468、13
68、1254、1230、1168、1091、1057、1037、836
、778cm-1。 2200のβ−アノマーのデータ [α]D+47.1(c 0.95、CHCl3);FT−IR(正味)max3472、2 957、2930、2856、1747、1469、1366、1254、12
33、1096、1056、1038、837、777cm-1。 23のβ−アノマーのデータ [α]D+23.1(c 1.1、CHCl3);FT−IR(正味)max2956、29 29、2856、1748、1705、1639、1439、1468、136
7、1253、1154、1095、1037、836、776cm-1
【0245】 スキーム27:エレウセロビンコア中間体15111の一般的合成。PG1=保
護基(トリ−低級アルキルシリル);R3=低級アルキル:
【化71】
【化72】
【0246】 2111:3N NaOH(0.15等量)の溶液を、メタノール中のS−(+) −カルボン(1.0等量、0.7M)に、0℃でゆっくり添加し、35%過酸化水素
溶液(1.3等量)を3時間にわたり滴下する。反応混合物を飽和Na2SO3溶液 の添加により停止させ、CH2Cl2で抽出する。抽出物をNa2SO4で乾燥させ
、濃縮してエポキシドを得る(92%)。
【0247】 3111:エタノール中の2111(1.0等量、1.3M)およびPtO2(0. 5%)の溶液を、H2で室温で6時間処理する。次いで、反応混合物をCelite(登 録商標)パッドで濾過し、濃縮する。粗生産物をフラッシュクロマトグラフィー(
シリカ、ヘキサン中5%EtOAc)で精製し、3111を得る(95%)。
【0248】 4111:ヘキサン中の1.6M BuLi(1.1等量)を、THF中のジイソ
プロピルアミン(1.2等量)の溶液に−78℃で添加することにより、LDAの 溶液を産生する。次いで、溶液を0℃に温め、30分撹拌し、その後THF中の
3111(1.0等量、1.0M)の溶液をカニューレを介して−78℃で1.5時 間にわたり滴下する。次いで、得られる溶液を30分撹拌する。ホルムアルデヒ
ドの溶液を、140℃でホルムアルデヒド(10.0等量)を熱分解して調製し、 得られたガスをTHFを通して−78℃で45分にわたりバブリングする。次い
で、このホルムアルデヒド溶液をカニューレを介して−78℃で1時間にわたり
エノレート溶液に添加する。反応を飽和NH4Cl溶液の添加により停止させ、 室温に温め、ジエチルエーテルで抽出する。抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃
縮する。粗生産物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中10% EtOAc)で精製し、4111を得る(63%)。
【0249】 5111:CH2Cl2中の4111(1.0等量、0.25M)、トリエチルアミ
ン(6.0等量)およびDMAP(0.05等量)の溶液に、0℃でt−ブチルジメチ
ルシリルクロライド(3.0等量)を添加する。反応混合物を室温で12時間撹拌 し、水の添加により停止させる。有機相を分離し、Na2SO4で乾燥させて濃縮
する。粗生産物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中3%Et OAc)で精製し、5111を得る(84%)。
【0250】 6111:THF中の5111(1.0等量、0.2M)の溶液に、THF中1. 0mL−セレクトリド(1.2等量)をカニューレを介して1.5時間添加する。反 応混合物を更に30分撹拌し、飽和NH4Cl溶液の添加により停止させ、0℃ に温める。次いで、過剰の35%過酸化水素溶液を添加し、混合物を0℃で1時
間撹拌する。反応混合物をEtOAcで抽出し、抽出物をNa2SO4で乾燥させ
て濃縮する。粗生産物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中5 %EtOAc)で精製し、6111(100%)を得る。
【0251】 7111:CH2Cl2中の6111(1.0等量、0.4M)およびトリエチルア
ミン(2.5等量)の溶液に、0℃でメタンスルホニルクロライド(1.2等量)を1
時間にわたり滴下する。反応混合物を0℃で2時間撹拌し、食塩水の添加により
停止させ、EtOAcで抽出する。合わせた抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃
縮する。粗生産物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中10% EtOAc)で精製し、7111を得る(91%)。
【0252】 8111:NaC108の0.4M溶液を、THF中のナフタレン(5.0等量) へのNa金属(5.0等量)の添加により調製し、混合物を2時間撹拌させる。次 いで、THF中の7111(1.0等量、0.2M)の溶液をカニューレを介して0
℃で滴下する。反応混合物を30分撹拌し、飽和NH4Cl溶液の添加により停 止させる。次いで、反応物を食塩水に注ぎ、EtOAcで抽出する。抽出物をN
2SO4で乾燥させて濃縮する。粗生産物をフラッシュクロマトグラフィー(シ リカ、ヘキサン中10%EtO2、続いてヘキサン中10%EtOAc)で精製し
て8111を得る(96%)。
【0253】 9111:8111(1.0等量、0.1M)、オルト酢酸トリエチル(40.0等
量)およびプロピオン酸(0.1等量)を170℃で4日加熱する。過剰のオルト酢
酸トリエチルを真空蒸留により除去し、残っている残渣をフラッシュクロマトグ
ラフィー(シリカ、ヘキサン中3%EtOAc)で精製してエステル9111を得
る(74%)。
【0254】 10111:ジイソブチルアルミニウムハイドライドの0.1M CH2Cl2 溶液(1.0等量)に、CH2Cl2中のエチルエステル9111(1.0等量、0.2
M)の溶液を−78℃で添加し、反応混合物を30分撹拌する。反応混合物を飽 和NH4Cl溶液の添加により停止させ、室温で2時間撹拌する。有機相を分離 し、Na2SO4で乾燥させて濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー( シリカ、ヘキサン中5%EtOAc)で精製し、アルデヒド10111を得る(9
2%)。
【0255】 11111:THF中のエチルビニルエーテル(1.0等量、0.4M)の溶液に
、−78℃でヘキサン中の1.7M tert−BuLi(1.8等量)を添加し、溶液
を0℃に温めると黄色から無色に変化する。次いで、溶液を−78℃に冷却し、
THF中の10111(1.0等量)の溶液を滴下し、その後反応混合物を更に3 0分、−78℃で撹拌する。反応を飽和NH4Cl溶液の添加により停止させ、 ジエチルエーテルで抽出する。抽出物をMgSO4で乾燥させて濃縮する。次い で、粗生産物をジエチルエーテル中に溶解し、濃H2SO4で激しく撹拌しながら
処理する。ジエチルテール溶液を水および飽和NaHCO3溶液で洗浄し、Mg SO4で乾燥させて濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘ
キサン中10%から15%ジエチルエーテル)で精製し、11111を得る(98
%)。
【0256】 12111:THF中の11111(1.0等量、0.1M)の溶液に、−78℃
で0.5Mエチニルマグネシウムブロミド(4.5等量)を添加し、反応混合物を−
78℃で12時間、−10℃にゆっくり暖めながら撹拌する。反応混合物を飽和
NH4Cl溶液の添加により停止させ、ジエチルエーテルで抽出する。抽出物を MgSO4で乾燥させ、濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、
ヘキサン中10%から25%ジエチルエーテル)で精製し、所望の12111を 得る(56%)。
【0257】 13111:THF中の12111(1.0等量、0.1M)の溶液に、0℃で1
M TBAF(2.0等量)を添加し、反応混合物を25℃に温める。反応を飽和 NH4Clの添加により停止させ、ジエチルエーテルで抽出する。抽出物を濃縮 し、残渣をシリカゲルを通して濾過し、13111を得る(100%)。
【0258】 14111:CH2Cl2中の13111(1.0等量、0.1M)の溶液に、2, 6−ルチジン(6.0等量)を添加し、溶液を0℃に冷却する。次いで、トリアル キルシリルトリフレート(例えば、tert−ブチルジメチルシリルトリフレート)( 3.0等量)の一部を添加し、反応混合物を25℃に温める。反応を飽和NH4C lの添加により停止させ、CH2Cl2で抽出する。抽出物をMgSO4で乾燥さ せて濃縮する。残渣をシリカを通して濾過し(ヘキサン中25%ジエチルエーテ ル)、14111を得る(100%)。
【0259】 15111:メタノール中の14111(1.0等量、0.1M)の溶液に、触媒
量のPPTS(0.1等量)を添加する。反応混合物を飽和NaHCO3の添加およ
びジエチルエーテルでの抽出により後処理する。抽出物をMgSO4で乾燥させ て濃縮する。残渣をシリカゲルを通した濾過により精製し、15111を得る( 98%)。
【0260】 スキーム28:エレウセロビンコア24111の一般的合成。PG=保護基:
【化73】
【化74】
【0261】 16111:CH2Cl2中のアルコール15111(1.0等量、0.1M)およ
び活性化4Åモレキュラーシーブの溶液に、NMO(1.5等量)を添加し、反応 混合物を10分撹拌する。次いで、TPAP(0.05等量)を反応混合物に添加 し、それを室温で撹拌する。次いで、反応混合物をシリカゲルを通して濾過し、
CH2Cl2で洗浄する。濃縮後、アルデヒド15111を得る(98%)。
【0262】 17111:エタノール中のアルデヒド16111(1.0等量、0.2M)、エ
チルシアノアセテート(40.0等量)およびα−アラニン(4.0等量)の溶液を、
50℃で72時間撹拌する。次いで、反応混合物を濃縮し、シリカゲルを通して
濾過し(ヘキサン中10%ジエチルエーテル)、17111を得る(95%)。
【0263】 18111:ヘキサン中のシアノエステル17111(1.0等量、0.6M)の
溶液に、−78℃でトルエン中1M DIBAL(10.0等量)を添加する。反 応混合物を6時間−78℃で撹拌し、次いでゆっくり−10℃に2時間温める。
次いで、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NH4Cl溶液の添加により停 止させ、酢酸エチルで抽出する。抽出物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィ
ー(シリカ、ヘキサン中10%ジエチルエーテル)で精製し、18111を得る( 67%)。
【0264】 19111:CH2Cl2中のアルコール18111(1.0等量、0.2M)の溶
液に、塩基(3.0等量)およびトリアルキルシリルクロライド(3.0等量)を添加
し、得られる溶液を25℃で撹拌する。反応を水性飽和塩化アンモニウム溶液の
添加により停止させ、濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ 、ヘキサン中2%EtOAc)で精製してTIPSエーテル19111を得る。
【0265】 20111:リチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1.0MTHF溶液(1
.5等量)を、THF中のアルデヒド19111(1.0等量、0.1M)の溶液に2
5℃で添加する。10分後、反応混合物を水性飽和塩化アンモニウム溶液の添加
により停止させ、ジエチルエーテルで抽出し、Na2SO4で乾燥させて濃縮する
。 21111:化合物20111をCH2Cl2に溶解し、NaHCO3を溶液に 0℃で添加する。10分後、デス−マーチンペルヨージネートを反応混合物に同
じ温度で添加し、次いで、反応混合物を25℃に温める。4時間後、反応混合物
をジエチルエーテルで希釈し、水性飽和炭酸水素ナトリウム溶液を混合物に添加
し、次いでチオ硫酸ナトリウム5水和物を添加する。得られる溶液をジエチルエ
ーテルで抽出し、抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。粗生産物をフラッ
シュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中1%EtOAc)で精製し、211
1の保護アルコールを得る(85%)。
【0266】 22111:THF中の21111の溶液に、25℃でトリエチルアミン・3
HF(5:1、0.1MとなるTHF/試薬)を添加する。撹拌後、反応混合物を 濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製する。
【0267】 23111:小フラスコに、リンドラー触媒(0.5等量)をアルゴン下添加す る。トルエン中の22111(1.0等量)の溶液を次いで触媒に添加し、反応混 合物をH2で室温で処理する。20分後、反応混合物をCelite(登録商標)で濾過 し、濃縮して23111とする。
【0268】 24111:メタノール中の23111(1.0等量)の溶液に、PPTS(1等
量)を添加する。次いで、反応混合物を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラ フィー(シリカ、1%トリエチルアミン含有ヘキサン中50%ジエチルエーテル)
で精製し、24111を得る(77%)。
【0269】 スキーム29:側鎖の導入および、Rsがスキーム31および32で形成された
生産物により示される;Rrがスキーム33で形成された生産物により示される
;RtがH、Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Bu、t−Bu、Bn、C
2CH=CH2、CH2CCH、c−C611、C817およびHO(CH2)2から なる群から選択される基を含む;Rv=THP、Ac、2−Xl−Ac、CCl 3 C(O)、2−PhAc、EtC(O)、CH2=CHC(O)、HCCC(O)、n−
PrC(O)、i−PrC(O)、シクロ−PrC(O)、n−BuC(O)、i−Bu
C(O)、t−BuC(O)、Lev、シクローC611C(O)、Bz、2−フリル C(O)、PhCH=CHC(O)、2−チオフェンC(O)、Me、Et、n−Pr
、i−Pr、All、Prop、n−Bu、Bn、AcOCH2CH2;Rw:H
、Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Bu、t−Bu、Bn、CH2CH= CH2、CH2CCH、c−C611、C817(All=アリル、Bn=ベンジル 、Ac=アセチル、Pr=Prop=プロピル、Bu=ブチル、Ph=フェニル
、Me=メチル、et=エチル、THP=テトラヒドロピラニル)であるサルコ ジクチンおよびアナログの合成。 反応条件:a.DCC、4−DMAP、CH2Cl2、25℃。b.混合無水物、
トリエチルアミン、4−DMAP、CH2Cl2、23℃。c.TBAF、THF
、25℃;d−NH3、THF、エタノール、−78℃。e.DDQ、CH2Cl 2 、H2O、25℃。f.3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、CSA、THF、2 5℃。g.Rv−OH、トリエチルアミン、4−DMAP、CH2Cl2、25℃
。h.Rv−Cl、トリエチルアミン、CH2Cl2、25℃。i.Rv−I、N
aH、DMF、25℃。l.CSA、CHCl3、Rt−OH。m.Rr−OC(
NH)CCl3、TMS−OTf、ジエチルエーテル、0℃。n.デス−マーチン
ペルヨージナン、NaHCO3、ピリジン、CH2Cl2、25℃。o.NaCl O2、NaH2PO4、2−メチル−2−ブテン、THF、tert−ブタノール、H2 O:
【化75】
【化76】
【0270】 32111:化合物28111(1.0等量)をCH2Cl2に溶解し、NaHC O3(10等量)を溶液に0℃で添加する。10分後、デス−マーチンペルヨージ ナン(2.5等量)を反応混合物に同じ温度で添加し、次いで、反応混合物を25 ℃に温める。1時間後、反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、水性飽和炭酸
水素ナトリウム溶液を混合物に添加し、次いでチオ硫酸ナトリウム5水和物を添
加する。得られた溶液をジエチルエーテルで抽出し、抽出物をNa2SO4で乾燥
させて濃縮する。粗生産物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、10/1 0/1=EtOAc/CH2Cl2/メタノール)で精製し、アルデヒド3211 1を得る(100%)。
【0271】 33111:t−BuOH/H2O(5/1)中の32111(1.0等量)および
THF中2−メチル−2−ブテン2.0M(70等量)の溶液に、NaH2PO4(3
.0等量)およびNaCl2(6.0等量)を0℃で添加する。反応混合物を2時間撹
拌し、次いでジエチルエーテル中CH22(過剰)の溶液を添加する。反応混合物
を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、10/10/1=E tOAc/CH2Cl2/メタノール)で精製し、エステル33111を得る(71
%)。
【0272】 スキーム30:更なるエレウセロビンおよび、XRxがMeHN、Me2N、E tHN、Et2N、n−PrHN、n−Pr2N、i−PrHN、i−Pr2N、 n−Bu2N、BnHN、Bn2N、HS、MeS、EtS、n−PrS、i−P
rS、n−Bu、PhSおよびBnSからなる群から選択される基であるサルコ
ジクチンアナログ。26111から36111への変換、28111から371
11への変換および37111から38111および39111への変換。反応
条件:p.CSA、CHCl3、Rx−XH。q.Rx−XX−Rx、PPh3
THF。r.DAST、CH2Cl2、0℃。s.下記の方法Oに記載の試薬、条
件。t.CSA、CHCl3、Rt−OH。
【化77】
【0273】 スキーム31:式[A]のR1に関するR1側鎖酸および無水物。出発物質:491
11:J. Org. Chem. 44, 2250-6 (1979)およびJ. Org. Chem. 58, 4494-6 (199
3)参照;53111および57111:J. Org. Chem. 61, 4623-33 (1996)参照
。反応条件:u.LiOH、THF、H2O、25℃。v.Ph3=CHCO2M e、PhH、25℃。w.DIBAL−H、CH2Cl2、−78℃。x.(CH3 )3−C(O)Cl、THF、25℃。y.Ph3=CMeCO2Me溶媒、25℃:
【化78】
【化79】
【0274】 42111:THF中の41111(1.0等量、0.3M)の溶液に、塩化ピバ
ロイル(2.0等量)およびトリエチルアミン(2.0等量)を添加する。反応物を一
晩室温で撹拌する。次いで、溶液をCelite(登録商標)を通して濾過し、濃縮し、
CH2Cl2に溶解して0.2M貯蔵溶液を作る。
【0275】 スキーム32:式[A]に関するR1側鎖酸および無水物の合成の更なる説明。出 発物質:61111:J. Org. Chem. 61, 4623-33 (1996);66111および7
3111:Aldrichから商品として入手可能。反応条件:s.試薬条件は下記方 法O参照。u.LiOH、THF、H2O、25℃。v.Ph3P=CHCO2M e、PhH、25℃。w.DIBAL−H、CH2Cl2、−78℃。z.NaS
Me、エタノール。
【化80】
【0276】 スキーム33:R40がAc、2−Cl−Ac、CCl3C(O)、2−Br−Ac 、CF3C(O)、2−PhAc、EtC(O)、CH2=CHC(O)、HCCC(O)
、n−PrC(O)、i−PrC(O)、c−PrC(O)、n−BuC(O)、i−B
uC(O)、t−BuC(O)、シクロC611C(O)、Bz、2−フリルC(O)、 PhCH=CHC(O)および2−チオフェンC(O)からなる群から選択されるR 2 (式[A]の)側鎖イミダートの合成および結合後の計画段階。反応条件:a.N aH、PMB−Cl、DMF、25℃。b.p−TsOH、(CH2OH)2、メタ
ノール、25℃。c.TBS−OTf、トリエチルアミン、CH2Cl2、25℃
。d.NBS、ピリジン、アセトン、H2O、0℃。e.Cl3CCN、NaH、
CH2Cl2、25℃。f.方法E(記載参照)。g.方法G(記載参照)。h.方法
H(記載参照)。i.方法I(記載参照)。j.方法C(記載参照)。k.TBS−C
l、イミダゾール、DMF、25℃。l.(R40)2O、トリエチルアミン、4− DMAP、CH2Cl2。m.カリウム−tert−ブチレート、DMSO。n.Hg
Cl2、HgO、アセトン、H2O。*)=結合後
【化81】
【化82】
【0277】 77111:DMF中のNaH(1.2等量、0.51M)の溶液に、DMF中の
76111(1.0等量、0.30M)の溶液を0℃で添加し、反応混合物を0℃で
30分撹拌し、その後PMBCl(1.3等量)を添加する。次いで、反応物を室 温で2時間撹拌し、次いで飽和NH4Clの添加により停止させ、ジエチルエー テルで抽出し、MgSO4で乾燥させて濃縮する。粗生産物をフラッシュクロマ トグラフィー(シリカ、ヘキサン中20%EtOAc)で精製して77111を得
る(93%)。
【0278】 78111:メタノールおよびエチレングリコール(メタノール:エチレング リコール=10:1)中の77111(1.0等量、0.07M)の溶液に、室温で CSA(0.1等量)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌し、次いで飽和NaH CO3の添加により停止させ、酢酸エチルで抽出し、MgSO4で乾燥させて濃縮
する。粗生産物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中60%E tOAc)で精製して78111を得る(84%)。
【0279】 79111:CH2Cl2中の78111(1.0等量、0.14M)およびトリエ
チルアミン(10.0等量)の溶液に、0℃でTBDMSOTf(4等量)を添加し、反応混 合物を0℃で2時間撹拌し、次いで飽和NaHCO3の添加により停止させ、酢 酸エチルで抽出し、MgSO4で乾燥させて濃縮する。粗生産物をフラッシュク ロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中3%ジエチルエーテルおよび1%トリエ チルアミン)で精製し、79111を得る(93%)。
【0280】 80111:湿潤アセトン(93%アセトン、7%水)中の79111(1.0等
量、0.07M)の溶液に、0℃でN−ブロモスクシンイミド(3.3等量)および ピリジン(11.0等量)を添加する。得られた溶液を4時間0℃で撹拌し、飽和 Na2SO3溶液の添加により停止させる。反応混合物をジエチルエーテルで抽出
し、抽出物を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させて濃縮する。粗生産物をフ
ラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中10%EtOAc)で精製し、
80111を得る(80%)。
【0281】 81111:CH2Cl2中の80111(1.0等量、0.09M)およびCCl 3 CN(5.0等量)の溶液に、NaH(0.1等量)を添加し、反応を室温で3.5時
間撹拌し、その後濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、2% トリエチルアミン含有ヘキサン中33%EtOAc)で精製し、81111を得 る(93%)。 87111:81111から76111のように、82111から合成する。
【0282】 89111:DMF中のアルコール88111(1.0等量、0.1M)の溶液に
、イミダゾール(6.0等量)およびTBDMSCl(2.4等量)を添加する。次いで、反 応混合物を室温で撹拌し、停止させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで
精製する。 90111:CH2Cl2中のアルコール89111(1.0等量、0.1M)の溶
液に、トリエチルアミン(3.0等量)、4−DMAP(0.3等量)および無水物( 例えば、酢酸無水物)(2.0等量)を添加する。次いで、反応混合物を室温で撹拌
し、停止させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製する。
【0283】 91111:湿潤アセトン(93%アセトン、7%水)中の90111(1.0等
量、0.1M)の溶液に、0℃でN−ブロモスクシンアミド(3.3等量)およびピ リジン(11.0等量)を添加する。得られた溶液を室温で撹拌し、停止させ、濃 縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製する。
【0284】 92111:CH2Cl2中の91111(1.0等量、0.1M)およびCCl3 CN(5.0等量)の溶液に、0℃でNaH(0.1等量)を添加する。次いで、反応
混合物を室温で撹拌し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製する。
【0285】 94111:DMF中のアルコール93111(1.0等量、0.1M)の溶液に
、イミダゾール(6.0等量)およびTBDMSCl(2.4等量)を添加する。次いで、反 応混合物を室温で撹拌し、停止させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで
精製する。
【0286】 95111:THF中のNaH(1.2等量、0.5M)の溶液に、THF中の9
4111(1.0等量、0.3M)を添加し、反応混合物を0℃で30分撹拌し、そ
の後PMBCl(1.3等量)を添加する。次いで、反応混合物を室温で撹拌し、停止さ
せ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製する。
【0287】 96111:DMSO中のアルコール95111(1.0等量、0.1M)の溶液
に、t−ブトキシドカリウム(0.3等量)を添加する。次いで、反応混合物を室 温で撹拌し、停止させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製してC−
1ビニルエーテルを得る。得られたTHFおよび水(THF:水=20:1)中の
ビニルエーテル(1.0等量、0.1M)の溶液に、HgCl2(0.3等量)を添加す
る。次いで、反応混合物を70℃で撹拌し、停止させ、濃縮し、フラッシュクロ
マトグラフィーで精製する。
【0288】 97111:CH2Cl2中の96111(1.0等量)およびCCl3CN(5.0
等量)の溶液に、NaH(0.1等量)を添加する。次いで、反応混合物を室温で撹
拌し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製する。
【0289】 方法A(スキーム29の(a)):CH2Cl2中のアルコール(例えば、2411 1)(1.0等量)の溶液に、DCC(1.8等量)、4−DMAP(0.5等量)および
カルボン酸官能性を有する側鎖前駆体(1.5等量)を添加する。次いで、反応混 合物を室温で撹拌し、停止させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製
する。
【0290】 方法B(スキーム29の(b)):CH2Cl2中のアルコール(例えば、2411 1)(1.0等量)の溶液に、トリエチルアミン(10.0等量)、4−DMAP(2. 0等量)および側鎖の混合無水物(5.0等量)を添加する。次いで、反応混合物を
室温で撹拌し、停止させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製する。
【0291】 方法C(スキーム29の(c)およびスキーム33の(j)):THF(0.1M)中 のジエチルエーテル(例えば、27111)(1.0等量)の溶液に、TBAF(4. 0等量)を添加する。次いで、反応混合物を室温で2時間撹拌し、H2Oで停止さ
せ、CH2Cl2で抽出し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製する。
【0292】 方法D(スキーム29の(d)):THF:エタノール(20:1、0.1M)中の 27111(1.0等量)の溶液を、液体NH3(0.05M)に添加し、続いてNa 金属(10等量)を添加し、反応物を20分、−78℃で撹拌する。次いで、反応
混合物を固体NH4Clで停止させ、ジエチルエーテルで希釈し、濾過し、濃縮 してフラッシュクロマトグラフィーで精製する。
【0293】 方法E(スキーム29の(e)、スキーム33の(f)):CH2Cl2:水(18: 1、0.01M)中の27111(1.0等量)の溶液に、DDQ(2.0等量)を添加
し、反応混合物を室温で30分撹拌する。次いで、反応混合物を飽和NaHCO 3 溶液で停止させ、CH2Cl2で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、 濃縮してフラッシュクロマトグラフィーで精製する。
【0294】 方法F(スキーム29の(f)):THF中の28111(1.0等量、0.1M)の
溶液に、25℃で3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(10.0等量)およびCSA( 1.0等量)を添加する。反応混合物を室温で撹拌し、停止させ、濃縮し、フラッ
シュクロマトグラフィーで精製する。
【0295】 方法G(スキーム29、スキーム33の(a)):CH2Cl2中のアルコール28
111(1.0等量、0.1M)の溶液に、トリエチルアミン(3.0等量)、4−D MAP(0.3等量)および無水物(例えば、酢酸無水物)(2.0等量)を添加する。
次いで、反応混合物を室温で撹拌し、停止させ、濃縮し、フラッシュクロマトグ
ラフィーで精製する。
【0296】 方法H(スキーム29、スキーム33の(h)):CH2Cl2中の28111(1.
0等量、0.1M)の溶液に、トリエチルアミン(3.0等量)および塩化物(例えば
、BzCl)(2.0等量)を添加する。反応混合物を室温で撹拌し、停止させ、濃
縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製する。
【0297】 方法I(スキーム29、スキーム33の(i)):DMF中の28111(1.0等
量、0.1M)の溶液に、0℃でNaH(1.3等量)を添加し、反応混合物を30 分撹拌する。この混合物に、ヨウ化物(例えば、MeI)を0℃で添加し、得られ
た混合物を室温で撹拌し、停止させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで
精製する。
【0298】 方法J(スキーム29の(j)):THF(0.1M)中の酸33111(1.0等量)
の溶液に、ジエチルエーテル中のCH22(過剰)の溶液を添加する。反応をTL
Cで監視する。出発物質の消滅の後、反応混合物を濃縮し、残渣をフラッシュク
ロマトグラフィー(シリカ、10/10/1=EtOAc/CH2Cl2/メタノ ール)で精製してエステル34111を高収率で得る。
【0299】 方法K(スキーム29の(k)):CH2Cl2(0.1M)中の33111(1.0等 量)の溶液に、アルコールR5OH(2.0等量)、DMAP(0.5等量)およびDC
C(1.5等量)を添加する。反応をTLCで監視する。出発物質の消滅後、反応 混合物を濃縮し、水で洗浄し、CH2Cl2で抽出し、濃縮し、残渣をフラッシュ
クロマトグラフィーで精製してエステル34111を高収率で得る。
【0300】 方法L(スキーム30の(p)):CHCl3(0.1M)中の26111(1.0等量
)の溶液に、環境温度でR6OH(2.0等量)、続いて触媒量のCSA(0.1等量)
を添加し、反応の進行をTLCで監視する。反応が完了した後、飽和NaHCO 3 を添加し、有機相をジエチルエーテルで抽出し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮 し、フラッシュクロマトグラフィーで精製してアセタール36111を高収率で
得る。
【0301】 方法M(スキーム30の(q)):ジエチルエーテル(0.1M)中の26111(1
.0等量)の溶液に、−20℃でBF3・ジエチルエーテル(1.0等量)、続いてチ
オールRX−SH(1.2等量)を添加し、反応の進行をTLCで監視する。反応 が完了した後、飽和NaHCO3を添加し、有機相をジエチルエーテルで抽出し 、Na2SO4で乾燥させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製してチ
オアセタール36111を高収率で得る。
【0302】 方法N(スキーム30の(r)):CH2Cl2(0.1M)中のアルコール2811 1(1.0等量)の溶液に、DAST(1.2等量)を添加し、溶液を室温まで温める
。反応の進行をTLCで監視する。反応が完了した後、飽和NaHCO3を添加 し、有機相をジエチルエーテルで抽出し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮し、フラ
ッシュクロマトグラフィーで精製してフッ素化化合物37111を高収率で得る
【0303】 方法O(スキーム30、スキーム32の(s)):CH2Cl2中の28111(1.
0等量、0.4M)およびトリエチルアミン(2.5等量)の溶液に、0℃でメタン スルホニルクロライド(1.2等量)を1時間にわたり滴下する。反応混合物を0 ℃で2時間撹拌し、食塩水の添加により停止させ、EtOAcで抽出する。合わ
せた抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。粗生産物をフラッシュクロマト
グラフィー(シリカ、ヘキサン中10%EtOAc)で精製して対応するメシレー
トを得る(91%)。DMF(0.1M)中のメシレート(1.0等量)の溶液に、環境
温度で予め乾燥させたCsF(1.2等量)を添加し、溶液を50℃に温める。反 応の進行をTLCで監視する。反応が完了した後、飽和NaHCO3を添加し、 有機相をジエチルエーテルで抽出し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮し、フラッシ
ュクロマトグラフィーで精製してフッ素化化合物37111を高収率で得る。
【0304】 方法P(スキーム31、スキーム32の(u)):THF/水(3:4)中のエステ
ル(1.0等量、0.4M)の溶液に、NaOH(1.1等量)を添加し、反応混合物 を室温で12時間撹拌する。次いで、溶液を濃縮し、高真空下で12時間乾燥さ
せて酸塩を得る。
【0305】 方法Q(スキーム31、スキーム32の(v)):ベンゼン中のアルデヒド(1.0
等量、0.2M)の溶液に、Ph3=CHCO2Me(1.5等量)を添加し、反応混 合物を80℃に加熱する。反応が完了したら、混合物を濃縮し、残渣をフラッシ
ュクロマトグラフィーで精製する。
【0306】 方法R(スキーム31、スキーム32の(w)):CH2Cl2中のエステル(1.0
等量、0.2M)の溶液に、−78℃でCH2Cl2中の1.0M DIBAL(1. 0等量)を添加する。反応を飽和NH4Cl溶液の添加により停止させ、ジエチル
エーテルで抽出し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/443 A61K 31/443 31/7048 31/7048 A61P 35/00 A61P 35/00 43/00 111 43/00 111 C07F 7/18 C07F 7/18 A C07H 15/26 C07H 15/26 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 フロリス・バンデルフト アメリカ合衆国92122カリフォルニア州サ ンディエゴ、ロンバード・プレイス・ナン バー206、8933番 (72)発明者 細川 誠二郎 アメリカ合衆国92122カリフォルニア州サ ンディエゴ、ジェネシー・アベニュー・ナ ンバー67、8148番 (72)発明者 サンジー・キム アメリカ合衆国92122カリフォルニア州サ ンディエゴ、チャーマント・ドライブ・ナ ンバー1729、7556番 (72)発明者 ティアンフ・リ アメリカ合衆国92126カリフォルニア州サ ンディエゴ、プレーリー・ウッド・ドライ ブ11462番 (72)発明者 大嶋 孝志 アメリカ合衆国92121カリフォルニア州サ ンディエゴ、ジェネシー・アベニュー・ナ ンバー143、8148番 (72)発明者 ジェフ・フェファーコーン アメリカ合衆国92121カリフォルニア州サ ンディエゴ、ジェネシー・アベニュー・ナ ンバー11、9675番 (72)発明者 ディオニシオス・バウアルーミス アメリカ合衆国92122カリフォルニア州サ ンディエゴ、ノーベル・ドライブ・ナンバ ー39、4249番 (72)発明者 ジン−ユ・シュ アメリカ合衆国92037カリフォルニア州 ラ・ジョラ、ビア・アリカンテ3187−ビー 番 (72)発明者 ニコラス・ウィンシンガー アメリカ合衆国92037カリフォルニア州 ラ・ジョラ、グラビラ・ストリート643番 Fターム(参考) 4C057 BB02 DD01 JJ60 4C071 AA03 AA07 BB01 BB05 CC11 DD40 EE05 FF18 GG01 HH05 HH28 JJ05 LL01 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 CA01 MA01 MA04 NA14 ZB26 4H049 VN01 VP01 VR23 VR41 VU06 VW01

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式[A]: 【化1】 〔式中、R1は、基−OHおよび−OAc(Ac=アセチル)および以下の構造に より示される基: 【化2】 からなる群から選択される基; R2は、−OH、−O(C1−C6アルキル)、−OCH2CF3、−O−イソプロピ ル、−O−tert−ブチル、−O−ベンジル、−OCH2CH=CH2、−OCH2 CCH、−O(CH2)2−OH、−NHMe、−NMe2、−NHEt、−NEt2 、−NH−n−プロピル、−N−(プロピル)2、−NH−イソプロピル、−N− ブチル2、−NH−ベンジル、−N−ベンジル2、−SH、−SMe、−SEt、
    −S−n−プロピル、−S−イソプロピル、−S−n−ブチル、−S−ベンジル
    および−S−フェニルからなる群から選択される基; R3は、−CH2OC(O)CH3、−CH2OC(O)−フェニル、−CH2OC(O
    )O−CH3、−CH2OC(O)NH−フェニル、−CH2−OH、−CH(O)、−
    CH2−O−トリ−イソプロピルシリル、−CH2O−Ac、−CH2−F、−C H23、−CH2NAc、−CH2NBz、C(O)−O(C1−C6アルキル)、−C
    (O)−CH2CF3、−C(O)−CH2CHCH2、−C(O)−O−CH2CH2Cl
    、−C(O)O(CH2)2CH2Cl、−C(O)O(CH2)2CH(CH3)、−C(O)C
    2Ph、−C(O)CH2−フェニル−OMe、−CH2−O−テトラヒドロピラ ン、−CH2−O−C(O)CHCl2、−CH2−O−C(O)−CCl3、−CH2 −O−C(O)CHBr2、−CH2−O−C(O)−CF3、−CH2−O−C(O)C
    HPh2、EtC(O)−O−CH2−、CH2=CHC(O)−O−CH2−、HCC
    C(O)−O−CH2−、n−プロピル−C(O)−O−CH2−、i−PrC(O)−
    O−CH2−、シクロプロピル−C(O)−O−CH2−、n−BuC(O)−O−C
    2−、i−BuC(O)−O−CH2−、t−BuC(O)−O−CH2−、シクロ −C611C(O)−O−CH2−、フェニル−O−CH2−、2−フリル−C(O) −O−CH2−、PhCH=CHC(O)−O−CH2−、2−チオフェン−C(O)
    −O−CH2−、(C1−C6アルキル)−O−CH2−、i−プロピル−O−CH2 −、アリル−O−CH2−、ベンジル−O−CH2−、AcOCH2CH2−O−C
    2−、−COOH、−COO−(C1−C6アルキル)、−COO−i−プロピル 、−COO−t−ブチル、−COO−ベンジル、−COOCH2CH=CH2、−
    COO−CH2CCH、−COO−シクロ−C611、−CONHBn、−CON
    H(C1−C6アルキル)、−CONH−プロピルおよび−COO−C817;およ び以下の構造により示される群から選択される基: 【化3】 からなる群から選択される基; R4は、−OH、−OAc、2−Cl−AcO−、CCl3C(O)O−、2−B
    r−AcO−、CF3C(O)O−、2−フェニル−AcO−、(C1−C6アルキル
    )−C(O)O−、CH2=CHC(O)O−、HCCC(O)O−、i−プロピル−C
    (O)O−、シクロプロピル−C(O)O−、i−ブチル−C(O)O−、t−ブチル
    −C(O)O−、シクロ−C611C(O)O−、フェニル−O−、2−フリル−C(
    O)O−、PhCH=CHC(O)O−および2−チオフェン−C(O)O−からな る群から選択される基; R5は、−OAcおよび−OHからなる群から選択される基; R6は、−OAcおよび−OHからなる群から選択される基; R7は、−Hおよび−メチルからなる群から選択される基; R8は、−OAc、2−Cl−AcO−、CCl3C(O)O−、2−Br−Ac
    O−、CF3C(O)O−、2−フェニル−AcO−、(C1−C6アルキル)−C(O
    )O−、CH2=CHC(O)O−、HCCC(O)O−、i−プロピル−C(O)O−
    、シクロプロピル−C(O)O−、i−ブチル−C(O)O−、t−ブチル−C(O)
    O−、シクロ−C611C(O)O−、フェニル−O−、2−フリル−C(O)O− 、PhCH=CHC(O)O−、および2−チオフェン−C(O)O−からなる群か
    ら選択される基; および以下の但し書き: a.R1が 【化4】 およびR2が−OHである場合、R3は同時に−CO2−メチルまたは−CO2−エ
    チルではない; b.R1が 【化5】 およびR2が−O−メチルである場合、R3は 【化6】 (式中、R4は−OAc、R5はヒドロキシ、R6はヒドロキシおよびR7は水素) ではない; c.R1が 【化7】 およびR2が−OHである場合、R3は 【化8】 (式中、R4は−OAc、R5はヒドロキシ、R6は−OAcおよびR7は水素) ではない;そして、 d.R1が 【化9】 およびR2が−OHである場合、R3は 【化10】 (式中、R4およびR5は−OAc、R6は−OHおよびR7は水素) ではない: を含む〕 で示される化合物。
  2. 【請求項2】 式中、 R1が 【化11】 2は−O−Me、−O−Etおよび−O−CH2CF3からなる群から選択され る基; R3は−C(O)−O−Me、−C(O)−O−Et、−C(O)−O−n−プロピル 、−C(O)−O−n−ブチル、−C(O)−(CH2)3−CH2−Phe、−C(O) −O−CH2CH2OBn、−C(O)−NHMe、−C(O)−アントラセン−9−
    イルメチル、−C(O)−O−CH2CH=CH2、−C(O)−O−(CH2)2CH2 Cl、−CH(OMe)2および−C(O)−NH−ベンジルからなる群から選択さ れる基: である、請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 式中、R1が定義の通り、 R2が−O−Me、−O−Etおよび−O−CH2CF3からなる群から選択され る基: R3が−C(O)−O−Me、−C(O)−O−Et、−C(O)−O−n−プロピル 、−C(O)−O−CH2CH=CH2、−C(O)−O−C(CH2)2CH2Clおよ び−C(O)−NH−ベンジルからなる群から選択される基である、請求項2記載
    の化合物。
  4. 【請求項4】 以下の構造式: 〔式中、 R1は、−O−パラメトキシベンジル、−O−トリエチルシリルおよび以下の構 造式により示される基: 【化12】 からなる群から選択される基; R3は−CH2OC(O)CH3、−CH2OC(O)−フェニル、−CH2OC(O)O −CH3、−CH2OC(O)NH−フェニル、−CH2−OH、−CH(O)、−C H2−O−トリ−イソプロピルシリル、−CH2O−Ac、−CH2−F、−CH23、−CH2NAc、−CH2NBz、C(O)−O(C1−C6アルキル)、−C(O
    )−CH2CF3、−C(O)−CH2CHCH2、−C(O)−O−CH2CH2Cl、 −C(O)O(CH2)2CH2Cl、−C(O)O(CH2)2CH(CH3)、−C(O)CH 2 Ph、−C(O)CH2−フェニル−OMe、−CH2−O−テトラヒドロピラン 、−CH2−O−C(O)CHCl2、−CH2−O−C(O)−CCl3、−CH2− O−C(O)CHBr2、−CH2−O−C(O)−CF3、−CH2−O−C(O)CH
    Ph2、EtC(O)−O−CH2−、CH2=CHC(O)−O−CH2−、HCCC
    (O)−O−CH2−、n−プロピル−C(O)−O−CH2−、i−PrC(O)−O
    −CH2−、シクロプロピル−C(O)−O−CH2−、n−BuC(O)−O−CH 2 −、i−BuC(O)−O−CH2−、t−BuC(O)−O−CH2−、シクロ− C611C(O)−O−CH2−、フェニル−O−CH2−、2−フリル−C(O)− O−CH2−、PhCH=CHC(O)−O−CH2−、2−チオフェン−C(O)−
    O−CH2−、(C1−C6アルキル)−O−CH2−、i−プロピル−O−CH2− 、アリル−O−CH2−、ベンジル−O−CH2−、AcOCH2CH2−O−CH 2 −、−COOH、−COO−(C1−C6アルキル)、−COO−i−プロピル、 −COO−t−ブチル、−COO−ベンジル、−COOCH2CH=CH2、−C
    OO−CH2CCH、−COO−シクロ−C611、−CONHBn、−CONH
    (C1−C6アルキル)、−CONH−プロピルおよび−COO−C817;および 以下の構造により示される群から選択される基: 【化13】 からなる群から選択される基; R4は、−OH、−OAc、2−Cl−AcO−、CCl3C(O)O−、2−Br
    −AcO−、CF3C(O)O−、2−フェニル−AcO−、(C1−C6アルキル) −C(O)O−、CH2=CHC(O)O−、HCCC(O)O−、i−プロピル−C(
    O)O−、シクロプロピル−C(O)O−、i−ブチル−C(O)O−、t−ブチル −C(O)O−、シクロ−C611C(O)O−、フェニル−O−、2−フリルC(O
    )O−、PhCH=CHC(O)O−および2−チオフェン−C(O)O−からなる 群から選択される基; R5は、−OAcおよび−OHからなる群から選択される基; R6は、−OAcおよび−OHからなる群から選択される基; R7は、−Hおよび−メチルからなる群から選択される基;そして R8は、−OAc、2−Cl−AcO−、CCl3C(O)O−、2−Br−Ac
    O−、CF3C(O)O−、2−フェニル−AcO−、(C1−C6アルキル)−C(O
    )O−、CH2=CHC(O)O−、HCCC(O)O−、i−プロピル−C(O)O−
    、シクロプロピル−C(O)O−、i−ブチル−C(O)O−、t−ブチル−C(O)
    O−、シクロ−C611C(O)O−、フェニル−O−、2−フリル−C(O)O− 、PhCH=CHC(O)O−、および2−チオフェン−C(O)O−からなる群か
    ら選択される基である〕 で示される、進行段階中間体。
  5. 【請求項5】 以下の構造式: 【化14】 〔式中、 R1は、−O−パラメトキシベンジル、−O−トリエチルシリルおよび以下の構 造式により示される基: 【化15】 からなる群から選択される基; R3は−CH2OC(O)CH3、−CH2OC(O)−フェニル、−CH2OC(O)O −CH3、−CH2OC(O)NH−フェニル、−CH2−OH、−CH(O)、−C H2−O−トリ−イソプロピルシリル、−CH2O−Ac、−CH2−F、−CH23、−CH2NAc、−CH2NBz、C(O)−O(C1−C6アルキル)、−C(O
    )−CH2CF3、−C(O)−CH2CHCH2、−C(O)−O−CH2CH2Cl、 −C(O)O(CH2)2CH2Cl、−C(O)O(CH2)2CH(CH3)、−C(O)CH 2 Ph、−C(O)CH2−フェニル−OMe、−CH2−O−テトラヒドロピラン 、−CH2−O−C(O)CHCl2、−CH2−O−C(O)−CCl3、−CH2− O−C(O)CHBr2、−CH2−O−C(O)−CF3、−CH2−O−C(O)CH
    Ph2、EtC(O)−O−CH2−、CH2=CHC(O)−O−CH2−、HCCC
    (O)−O−CH2−、n−プロピル−C(O)−O−CH2−、i−PrC(O)−O
    −CH2−、シクロプロピル−C(O)−O−CH2−、n−BuC(O)−O−CH 2 −、i−BuC(O)−O−CH2−、t−BuC(O)−O−CH2−、シクロ− C611C(O)−O−CH2−、フェニル−O−CH2−、2−フリル−C(O)− O−CH2−、PhCH=CHC(O)−O−CH2−、2−チオフェン−C(O)−
    O−CH2−、(C1−C6アルキル)−O−CH2−、i−プロピル−O−CH2− 、アリル−O−CH2−、ベンジル−O−CH2−、AcOCH2CH2−O−CH 2 −、−COOH、−COO−(C1−C6アルキル)、−COO−i−プロピル、 −COO−t−ブチル、−COO−ベンジル、−COOCH2CH=CH2、−C
    OO−CH2CCH、−COO−シクロ−C611、−CONHBn、−CONH
    (C1−C6アルキル)、−CONH−プロピルおよび−COO−C817;および 以下の構造により示される群から選択される基: 【化16】 からなる群から選択される基; R4は、−OH、−OAc、2−Cl−AcO−、CCl3C(O)O−、2−Br
    −AcO−、CF3C(O)O−、2−フェニル−AcO−、(C1−C6アルキル) −C(O)O−、CH2=CHC(O)O−、HCCC(O)O−、i−プロピル−C(
    O)O−、シクロプロピル−C(O)O−、i−ブチル−C(O)O−、t−ブチル −C(O)O−、シクロ−C611C(O)O−、フェニル−O−、2−フリル−C(
    O)O−、PhCH=CHC(O)O−および2−チオフェン−C(O)O−からな る群から選択される基; R5は、−OAcおよび−OHからなる群から選択される基; R6は、−OAcおよび−OHからなる群から選択される基; R7は、−Hおよび−メチルからなる群から選択される基;そして R8は、−OAc、2−Cl−AcO−、CCl3C(O)O−、2−Br−Ac
    O−、CF3C(O)O−、2−フェニル−AcO−、(C1−C6アルキル)−C(O
    )O−、CH2=CHC(O)O−、HCCC(O)O−、i−プロピル−C(O)O−
    、シクロプロピル−C(O)O−、i−ブチル−C(O)O−、t−ブチル−C(O)
    O−、シクロ−C611C(O)O−、フェニル−O−、2−フリル−C(O)O− 、PhCH=CHC(O)O−、および2−チオフェン−C(O)O−からなる群か
    ら選択される基である〕 で示される、進行段階中間体。
  6. 【請求項6】 第1中間体が請求項2記載の化合物であり、第2中間体が請
    求項3記載の化合物であり、以下の段階: 第2中間体の製造のための、第1中間体の環化 を含む、第1中間体から第2中間体への環化の方法。
  7. 【請求項7】 第1中間体が請求項3記載の化合物であり、第2中間体が以
    下の構造式: 【化17】 〔式中、 R1は、−O−パラメトキシベンジル、−O−トリエチルシリルおよび以下の構 造式により示される基: 【化18】 からなる群から選択される基; R3は−CH2OC(O)CH3、−CH2OC(O)−フェニル、−CH2OC(O)O −CH3、−CH2OC(O)NH−フェニル、−CH2−OH、−CH(O)、−C H2−O−トリ−イソプロピルシリル、−CH2O−Ac、−CH2−F、−CH23、−CH2NAc、−CH2NBz、C(O)−O(C1−C6アルキル)、−C(O
    )−CH2CF3、−C(O)−CH2CHCH2、−C(O)−O−CH2CH2Cl、 −C(O)O(CH2)2CH2Cl、−C(O)O(CH2)2CH(CH3)、−C(O)CH 2 Ph、−C(O)CH2−フェニル−OMe、−CH2−O−テトラヒドロピラン 、−CH2−O−C(O)CHCl2、−CH2−O−C(O)−CCl3、−CH2− O−C(O)CHBr2、−CH2−O−C(O)−CF3、−CH2−O−C(O)CH
    Ph2、EtC(O)−O−CH2−、CH2=CHC(O)−O−CH2−、HCCC
    (O)−O−CH2−、n−プロピル−C(O)−O−CH2−、i−PrC(O)−O
    −CH2−、シクロプロピル−C(O)−O−CH2−、n−BuC(O)−O−CH 2 −、i−BuC(O)−O−CH2−、t−BuC(O)−O−CH2−、シクロ− C611C(O)−O−CH2−、フェニル−O−CH2−、2−フリル−C(O)− O−CH2−、PhCH=CHC(O)−O−CH2−、2−チオフェン−C(O)−
    O−CH2−、(C1−C6アルキル)−O−CH2−、i−プロピル−O−CH2− 、アリル−O−CH2−、ベンジル−O−CH2−、AcOCH2CH2−O−CH 2 −、−COOH、−COO−(C1−C6アルキル)、−COO−i−プロピル、 −COO−t−ブチル、−COO−ベンジル、−COOCH2CH=CH2、−C
    OO−CH2CCH、−COO−シクロ−C611、−CONHBn、−CONH
    (C1−C6アルキル)、−CONH−プロピルおよび−COO−C817;および 以下の構造により示される群から選択される基: 【化19】 からなる群から選択される基; R4は、−OH、−OAc、2−Cl−AcO−、CCl3C(O)O−、2−Br
    −AcO−、CF3C(O)O−、2−フェニル−AcO−、(C1−C6アルキル) −C(O)O−、CH2=CHC(O)O−、HCCC(O)O−、i−プロピル−C(
    O)O−、シクロプロピル−C(O)O−、i−ブチル−C(O)O−、t−ブチル −C(O)O−、シクロ−C611C(O)O−、フェニル−O−、2−フリルC(O
    )O−、PhCH=CHC(O)O−および2−チオフェン−C(O)O−からなる 群から選択される基; R5は、−OAcおよび−OHからなる群から選択される基; R6は、−OAcおよび−OHからなる群から選択される基; R7は、−Hおよび−メチルからなる群から選択される基;そして R8は、−OAc、2−Cl−AcO−、CCl3C(O)O−、2−Br−Ac
    O−、CF3C(O)O−、2−フェニル−AcO−、(C1−C6アルキル)−C(O
    )O−、CH2=CHC(O)O−、HCCC(O)O−、i−プロピル−C(O)O−
    、シクロプロピル−C(O)O−、i−ブチル−C(O)O−、t−ブチル−C(O)
    O−、シクロ−C611C(O)O−、フェニル−O−、2−フリル−C(O)O− 、PhCH=CHC(O)O−および2−チオフェン−C(O)O−からなる群から
    選択される基である〕 で示される化合物であり、以下の段階: 第2中間体の製造のための、第1中間体の環化 を含む、第1中間体から第2中間体への環化の方法。
  8. 【請求項8】 チューブリンと請求項1記載の化合物を、チューブリン集合
    の促進のために接触させる段階を含む、チューブリン集合を促進する方法。
  9. 【請求項9】 チューブリンと請求項1記載の化合物を、微小管の複数性の
    安定化のために接触させる段階を含む、微小管の複数性を安定化する方法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の化合物[A]を、処置を必要とする患者に腫
    瘍疾病の処置に十分な量で投与することを含む、腫瘍疾病の処置法。
  11. 【請求項11】 腫瘍疾病の処置のための、請求項1から3のいずれかに記
    載の式[A]の化合物の使用。
  12. 【請求項12】 温血動物の診断または治療的処置に使用するための、請求
    項1から3のいずれかに記載の式[A]の化合物。
  13. 【請求項13】 請求項1から3のいずれかに記載の式[A]の化合物と、少
    なくとも一つの薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
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