JP2718546B2 - シクロペンテノン誘導体の立体選択的製造法 - Google Patents

シクロペンテノン誘導体の立体選択的製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はプロスタグランジン合成の中間体として有用
な(+)−2,3−イソプロピリデンジオキシ−4−シク
ロペンテノン、すなわち、次の式(I) で表わされる化合物を高立体選択的に製造する方法に関
する。
具体的には本発明は、シクロペンタジエンと次の式
(II) で表わされるラクトンとのデイールスアルダー反応付加
物、すなわち次の式(III) で表わされる(1S,2R,3S,4R)−3−〔(S)−1,2−ジ
ヒドロキシエチル〕−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−
エン−2−カルボン酸ラクトンを出発原料とする、一連
の反応工程から成る上記した2,3−イソプロピリデンジ
オキシ−4−シクロペンテノンの高立体選択的な製造方
法に関する。
本発明は更にまた、上記した式(III)の化合物から
式(I)の目的化合物を合成する反応の過程で得られる
種々の新規な中間体化合物、および、新規な中間体化合
物を経由する新規な反応過程から成る方法にも関する。
〔従来の技術〕
近年、プロスタグラジンは種々の生理作用を有するこ
とが知られるようになり、その研究開発が活発に進めら
れているが、このプロスタグラジン合成の中間体の1つ
として(+)−2,3−イソプロピリデンジオキシ−4−
シクロペンテノン、すなわち次の式(I) で表わされる化合物は重要な位置を占めている。そして
従来からこの式(I)の化合物の製法については種々の
提案があるが、これら従来法では収率が低く、また立体
選択性が乏しい欠点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記したように、(+)−2,3−イソプロピルデンジ
オキシ−4−シクロペンテノンの製造に当たり、高収率
でかつ立体選択性が高く、しかして容易に入手しうる原
料を用いる方法の解明が、これ迄に求められていた課題
であった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記した課題の解決のために鋭意研究し
た結果、(+)−2,3−イソプロピリデンジオキシ−4
−シクロペンテノン、すなわち次の式(I) で表わされる化合物は、シクロペンタジエンと次の式
(II) で表わされるラクトンとのデイールスアルダー反応付加
物、すなわち次の式(III) で表わされる(1S,2R,3S,4R)−3−〔(S)−1,2−ジ
ヒドロキシエチル〕−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−
エン−2−カルボン酸ラクトンを出発原料とする一連の
反応工程の結果得られる反応生成物である(1R,2S,4S,5
S,6R,7S)−4,5−O−イソプロピリデンジオキシ−トリ
シクロ〔5.2.1.02.6〕デカ−3−オン−8−エンからレ
トロデイールスアルダー反応の反応生成物として得られ
るものであることを解明して本発明を完成したのであ
る。
すなわち、本発明は、次の式(XII) で表わされる(1R,2S,4S,5S,6R,7S)−4,5−O−イソプ
ロピリデンジオキシ−トリシクロ〔5.2.1.02.6〕−デカ
−3−オン−8−エンをレトロデイールスアルダー反応
に付すことによって、次の式(I) で表わされる(+)−2,3−イソプロピリデンジオキシ
−4−シクロペンテノンを得ることを特徴とするもので
ある。
この式(XII)の化合物から式(I)の化合物を生成
する反応はデイールスアルダー反応の逆反応すなわちレ
トロデイールスアルダー反応であって、高沸点用溶媒中
で加熱処理を加えることによって行なわれる。この反応
において用いられる溶媒としてはオルトジクロルベンゼ
ン、クロルベンゼン、デカリンなどが挙げられ、反応温
度は150゜〜200℃、反応時間は3〜12時間の反応条件で
反応が行なわれる。
上記した式(XII)の化合物は、シクロペンタジエン
と次の式(II) で表わされるラクトンとを出発原料とする一連の工程で
得られるが、この一連の工程もまた新規な工程である。
すなわち、上記式(II)で表わされるラクトンと、シ
クロペンタジエンとをデイールスアルダー反応に付して
付加化合物の式(III) で表わされるエンド付加体とし、次いでこの式(III)
の化合物をヨード化して式(IV) で表わされるヨード化合物とし、次いでこの式(IV)の
化合物を塩基と処理して式(V) で表わされるエノールラクトンとし、次いでこの式
(V)の化合物を還元した後でアルカリ処理して式(V
I) で表わされる(+)−ジエノンとし、次いでこの式(V
I)の化合物を還元して式(VII) で表わされるアルコールとし、次いで式(VII)の化合
物をブロムサクシンイミドと処理して式(VIII) で表わされるブロモエーテルとし、次いで式(VIII)の
化合物を酸化して式(IX) で表わされるエキソジオールとし、次いで式(IX)の化
合物をアセトナイド化して式(X) で表わされるアセトナイドとし、次いで式(X)の化合
物を酸の存在下亜鉛と処理して式(XI) で表わされるアルコールとし、次いで式(XI)の化合物
を酸化して式(XII) で表わされるエノンとすることによって本発明の出発原
料化合物が得られる。
上記した式(II)のラクトンとシクロペンタジエンと
の反応は溶媒の存在下または無溶媒で加熱することによ
って容易に行なわれるが、例えば封管中で無溶媒で120
゜〜160℃、好ましくは130〜150℃の温度で行うことが
好適している。反応は10〜30時間にわたって行なわれる
が、20時間程度で反応は完結する。
こうして得られた式(III)のエンド付加体はイミダ
ゾールの存在下にトリフエニルホスフインおよびヨウ素
と反応させることによりヨード化されるが、この場合、
エーテルとアセトニトリルの混合溶媒を用い反応温度0
〜40℃、好適には10〜20℃において1〜10時間の反応時
間で反応せしめられる。
こうして得られた式(IV)のヨード化合物は次いで芳
香族系溶媒中で強有機塩基と処理して脱ヨウ化水素処理
に付される。この場合用いる溶媒としてはベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒が、また強有機塩
基としてはジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジアザ
ビシクロオクタン(DABCO)などが挙げられ、50゜〜120
℃の反応温度、好ましくは70〜90℃の反応温度で反応せ
しめられる。
こうして得られた式(V)のエノールラクトン化合物
はエーテル系溶媒例えばテトラヒドロフラン中で還元
剤、例えば水素化ジイソブチルアルミニウムで−100゜
〜0℃の温度、好ましくは−80゜〜−60℃の温度で30分
〜10時間の反応時間反応せしめられて還元し、次いでア
ルカリ、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの0.
1〜1N水溶液で−80゜〜30℃の温度で30分〜2時間の間
処理して式(VI)の(+)−ジエノン化合物とされる。
こうして得られた式(VI)の(+)−ジエノン化合物
はアルコール、例えばメタノール、エタノールなどの中
で塩化セリウムの存在下に水素化ホウ素ナトリウムで−
10゜〜10℃の温度、好ましくは0℃と近傍の温度で30分
〜24時間の反応時間還元反応に付される。
こうして得られた式(VII)のアルコール化合物はハ
ロゲン化炭化水素溶媒、例えば塩化メチレン、クロロホ
ルム、ジクロルエタンなどの中でN−ブロモサクシイミ
ドと処理される。この反応は−10゜〜30℃、好ましくは
0℃〜20℃の温度で1〜12時間の反応時間で行なわれて
式(VIII)のブロモエーテルとされる。
こうして得られた式(VIII)のブロモエーテルは含水
溶液、例えば含水のエーテル系溶媒のテトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどの中で、1−メチルモルホリン−1
−オキサイドと触媒量の四酸化オスミウムと処理するこ
とによって酸化される。この反応は−10゜〜30℃の温
度、好ましくは0〜20℃の温度で1〜24時間の反応時間
で行なわれる。
こうして得られた式(IX)のエキソジオールは非プロ
トン性溶媒、例えばDMF、DMAA、ベンゼン、トルエンな
どの中で触媒としての酸が例えばp−トルエンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、硫酸などの存在下に、アセト
ン化剤例えばアセトン、2,2−ジメトキシプロパンなど
と処理してアセトナイド化される。この反応は0゜〜12
0℃の温度、好ましくは10〜20℃の温度で3〜24時間の
反応時間で行われる。
こうして得られた式(X)のアセトナイドはアルコー
ル系溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロピ
ルアルコールなどの中で酸、例えばギ酸、酢酸、プロピ
オン酸などの存在下に亜鉛末と処理して式(XI)のエン
ドアルコールとされる。この反応は40゜〜100℃の温
度、好ましくは50゜〜80℃の温度で1〜12時間の反応時
間で行なわれる。
こうして得られた式(XI)のエンドアルコールはハロ
ゲン化炭化水素溶媒、例えば塩化メチレン、クロロホル
ム、ジクロルエタンなどの中でピリジン−塩化クロミウ
ム錯体(pyridinium chlorochromate)と処理して本発
明の原料化合物の式(XII)のエノンとされる。この反
応は0〜40℃の温度、好ましくは10〜20℃の温度で3〜
12時間の反応時間に行なわれる。
次に本発明を実施例によって更に詳細に説明すること
にする。
実施例 1 (1S,2R,3S,4R)−3−〔(S)−1−ヒドロキシ−2
−ヨードエチル〕−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エ
ン−2−カルボン酸ラクトン(式(IV)の化合物)の合
次の式(II) で表わされるラクトンとシクロペンタジエンとのデイー
ルスアルダー反応によって得られた式(III)のアルコ
ール体を出発原料物質として用い以下の反応を行った。
アルコール体(式(III))440mg(2.44mmol)の無水
ジエチルエーテル(以下Et2Oと略す):アセトニトリル
=3:1、9ml溶液にトリフエニルホスフイン1.94g(7.33m
mol)、イミダゾール500mg(7.33mmol)、ヨウ素1.86g
(7.33mmol)を順に加え、室温で3時間撹拌した。反応
液をEt2O 20mlで希釈後、10%(w/v)チオ硫酸ナトリウ
ム水溶液(5ml)、飽和炭酸水素ナトリウム(以下NaHCO
3と略す)水溶液(5ml)、飽和食塩水(5ml)で洗浄
後、硫酸マグネシウム(以下MgSO4と略す)で乾燥後、
減圧下溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフイーに付し、ヘキサン:Et2O=6/1の流分から無色
油状のヨード体(式(IV))700mg(99%)を得た。
▲〔α〕22 D▼−34.9゜(c 1.07,CHCl3);IR(film)
ν 1760cm-1;1H−NMR(CDCl3)δ 1.48(d,1H,J=10.0H
z)、1.65(d,1H,J=10.0Hz)、2.70〜2.99(m,1H)、
3.05〜3.22(m,1H)、3.22〜3.48(m,4H)、3.82〜4.01
(m,1H)、6.15〜6.40(m,2H);MS(m/z)290、66(100
%)。
実施例 2 (1S,2R,3S,4R)−3−〔1−ヒドロキシビニル〕−ビ
シクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2−カルボン酸ラ
クトン(式(V)の化合物)の合成 ヨード体(式(IV))700mg(2.41mmol)の無水ベン
ゼン7ml溶液に1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセ
ン(DBU)0.72ml(4.83mmol)を加え、14時間加熱還流
した。反応液をEt2O 15mlで希釈後、10%塩酸水溶液5m
l、飽和NaHCO3水溶液5ml、飽和食塩水5mlで洗浄し、MgS
O4で乾燥後、減圧下溶媒留去した。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフイーに付し、Et2Oの流分から無色油
状のエノールラクトン体(式(V))270mg(68%)を
得た。
▲〔α〕22 D▼+41.8゜(c 0.34,CHCl3);IR(film)
ν 1795,1665cm-1;1H−NMR(CDCl3)δ 1.37〜1.55(m,
1H)、1.55〜1.73(m,1H)、3.15〜3.70(m,4H)、4.27
(dd,1H,J=2.4,1.5Hz)、4.62(dd,1H,J=2.4,1.5H
z)、6.15〜6.31(2H,m);MS(m/z)162、66(100
%)。
実施例 3 (1R,2S,6S,7R)−トリシクロ〔5.2.1.02.6〕デカ−3
−オン−4,8−ジエン(式(VI)の化合物)の合成 エノールラクトン体(式(V))100mg(0.62mmol)
のテトラヒドロフラン(以下THFと略す)4ml溶液にジイ
ソブチルアルミニウムヒドリド0.22ml(1.24mmol)を−
68℃で加え、同温で1.5時間撹拌した。次いで0.5規定水
酸化ナトリウム水溶液0.37ml(1.86mmol)を加え、室温
で2時間撹拌した。反応液をセライト過し、液をEt
2O(10ml×3)で抽出し、Et2O層を飽和NaHCO3水溶液5m
l、飽和食塩水5mlで洗浄後MgSO4で乾燥し、減圧下溶媒
留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイー
に付し、ヘキサン/Et2O=3/1の流分から、エノン体(式
(VI))を39mg(43%)を得た。
実施例 4 (1R,2S,3S,6S,7R)−トリシクロ〔5.2.1.02.6〕デカ−
3−ヒドロキシ−4,8−ジエン(式(VII)の化合物)の
合成 エノン体(式(VI))700mg(4.79mmol)のメタノー
ル(10ml)溶液に三塩化セリウム・7H2O 2.14g(5.75mm
ol)を加え室温で10分間撹拌後、氷冷し水素化ホウ素ナ
トリウム195mg(5.27mmol)を5分間に渡って少しずつ
加え、40分間撹拌した。反応液にアセトン(1ml)を加
えた後、セライト過し、液を減圧下溶媒留去した。
残渣を塩化メチレン(以下CH2Cl2と略す)15mlで希釈
し、飽和NaHCO3水溶液(5ml)、飽和食塩水(5ml)で洗
浄後、MgSO4で乾燥し、減圧下溶媒留去した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフイーに付しヘキサン/Et2
O=6/1(v/v)の流分から、アルコール体590mg(83%)
を得た。
▲〔α〕24 D▼−215.1゜(c 0.49,CHCl3);IR(Nujo
l)ν 3200cm-1;1H−NMR(CDCl3)δ 1.18〜1.67(m,3
H,1H,exchangeable with D2O)、2.29〜3.10(m,2H)、
3.20〜3.41(m,1H)、4.65(br.t,1H,J=8.6Hz)、5.10
(s,2H)5.81(dd,1H,J=7.1,3.1Hz);MS(m/z)148,68
(100%)。
実施例 5 (1S,2R,3S,6S,7R,8R,9R)−3,9−エポキシ−8−ブロ
モ−トリシクロ〔5.2.1.02.6〕デカ−4−エン(式(VI
II)の化合物)の合成 アルコール体(式(VII))590mg(3.99mmol)の無水
CH2Cl2(12ml)溶媒に氷冷下N−ブロモサクシイミド
(NBS)797mg(4.39mmol)を加え15分間撹拌後、更に室
温で45分間撹拌した。反応液をCH2Cl2(20ml)で希釈
後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(5ml)飽和NaHCO3
水溶液(5ml)、飽和食塩水(5ml)で洗浄し、MgSO4
乾燥後、減圧下溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフイーに付し、ヘキサン/Et2O=4/1の流分
から、無色針状のブロモエーテル体(式(VIII))770m
g(85%)を得た。
▲〔α〕23 D▼−148.8゜(c 0.70,CHCl3);IR(fil
m)ν 1460,1025,1035cm-1;1H−NMR(CDCl3)δ 1.89〜
2.15(m,1H)、2.35〜2.60(m,2H)、2.60〜2.85(m,1
H)、2.95〜3.20(m,2H)、4.0〜4.15(m,1H)、4.55〜
4.80(m,2H)、5.75(m,1H)、6.05(dd,1H,J=5.7,2.6
Hz);MS(m/z)227、117、63(100%)。
実施例 6 (1S,2R,3S,4R,5S,6S,7R,8R,9R)−8−ブロモ−4,5−
ジヒドロキシ−3,9−エポキシ−トリシクロ〔5.2.1.0
2.6〕−デカン(式(IX)の化合物)の合成 ブロモエーテル体(式(VIII))711mg(3.13mmol)
のTHF/H2O=3/1(20ml)溶液に、1−メチルモルホリン
−1−オキシド635mg(4.70mmol)を加え氷冷下、0.1M
四酸化オスミウムTHF溶液0.94ml(0.094mmol)を加え、
同温で1時間撹拌後、室温で10時間撹拌した。反応液に
5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(10ml)を氷冷下加
え、セライト過した。液をEt2O(20ml×3)で抽出
し、Et2O層を飽和NaHCO3水溶液(5ml×2)、飽和食塩
水(5ml)で洗浄後、MgSO4で乾燥し、減圧下溶媒留去し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイーに付
し、ヘキサン/酢酸エチル=2/1の流分から、無色針状
のジオール体(式(IX))772mg(95%)を得た。
mp 131〜132℃;▲〔α〕22 D▼−123.7゜(c 0.64,CH
Cl3);IR(Nujol)ν 3400,1460cm-1;1H−NMR(CDCl3
δ 1.70〜2.00(m,2H)、2.35〜2.70(m,2H)、2.70〜
2.95(m,2H,1H exchen−geable with D2O)、2.95〜3.2
9(m,2H,1H ex−chengeable with D2O)、3.85(d,1H,J
=2.9Hz)、4.10〜4.45(m,3H)、4.53(d,1H,J=5.7H
z);MS(m/z)229、163(100%)。
実施例 7 (1S,2R,3S,4R,5S,6S,7R,8R,9R)−8−ブロモ−3,9−
エポキシ−4,5−O−イソプロピリデンジオキシ−トリ
シクロ〔5.2.1.02.6〕−デカン(式(X)の化合物)の
合成 ジオール体(式(IX))721mg(2.76mmol)のジメチ
ルホルムアミド(8ml)溶液に、2,2−ジメトキシプロパ
ン0.51ml(4.14mmol)、p−トルエンスルホン酸26mg
(0.14mmol)を加え、室温で5時間撹拌した。ジメチル
ホルムアミドを減圧下留去し残渣をEt2O(30ml)で希釈
し、飽和NaHCO3水(5ml)、飽和食塩水(5ml)で洗浄
後、MgSO4で乾燥し、減圧下溶媒留去した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフイーに付し、ヘキサン/Et2
O=6/1の流分から、無色針状のアセトナイド体(式
(X))790mg(95%)を得た。
▲〔α〕22 D▼−95.4゜(c 0.67,CHCl3);IR(film)
ν 2950cm-1;1H−NMR(CDCl3)δ 1.29(s,3H)、1.45
(s,3H)、1.62〜1.88(m,1H)、2.12〜2.38(m,1H)、
2.48〜2.60(m,1H)、2.60〜2.90(m,2H)、2.95〜3.25
(m,1H)、3.55(d,1H,J=2.9Hz)、4.40(d,1H,J=5.7
Hz)、4.60(dd,1H,J=11.4,5.7Hz)、4.60〜4.65(m,2
H);MS(m/z)301、286(100%)。
実施例 8 (1S,2R,3S,4R,5S,6R,7S)−3−ヒドロキシ−4,5−O
−イソプロピリデンジオキシ−トリシクロ〔5.2.1.
02.6〕−デカ−8−エン(式(XI)の化合物)の合成 ブロモエーテル体(式(X))759mg(2.52mmol)の
無水メタノール(15ml)溶液に、活性亜鉛994mg(15.1m
mol)、酢酸0.029ml(0.50mmol)を加え、5時間加熱還
流した。反応液をセライト過後、液を減圧下留去し
た。残渣をEt2O(30ml)で希釈後、飽和NaHCO3水(10ml
×2)、飽和食塩水(10ml)で洗浄後、MgSO4で乾燥
し、減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフイーに付し、ヘキサン/Et2O=1/1の流分から無色あ
め状のアルコール体(式(XI))492mg(88%)を得
た。
mp 116〜118℃;▲〔α〕23 D▼+55.07゜(c 0.67,CH
Cl3);IR(Nujol)ν 3200cm-1;1H−NMR(CDCl3)δ 1.
25(s,3H)、1.45(s,3H)、1.18〜1.55(m,2H)、2.50
〜2.70(m,1H exchenge−able with D2O)、2.75〜3.20
(m,4H)、4.05(d,1H,J=2.1Hz)、4.09(d,1H,J=2.1
Hz)、4.05〜4.30(m,1H)、6.1(dd,1H,J=5.4,3.0H
z)、6.27(dd,1H,J=5.4,3.0Hz)、;MS(m/z)222、20
7、66(100%)。
実施例 9 (1R,2S,4S,5S,6R,7S)−4,5−O−イソプロピリデンジ
オキシ−トリシクロ〔5.2.1.02.6〕−デカ−3−オン−
8−エン(式(XII)の化合物)の合成 アルコール体(式(XI))400mg(1.80mmol)の無水C
H2Cl2(10ml)溶液に氷冷下、ピリジニウムクロロクロ
メート426mg(1.98mmol)を加え15分間撹拌後更に室温
で10時間撹拌した。反応液をフロリジルを用いて過
し、液を減圧下溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフイーに付し、ヘキサン/Et2O=2/1の流
分から無色針状のケトン体(式(XII))310mg(78%)
を得た。
▲〔α〕24 D▼+266.8゜(c 0.68,CHCl3);IR(fil
m)ν 1740cm-1;1H−NMR(CDCl3)δ 1.29(s,3H)、1.
48(s,3H)、1.48〜1.75(m,2H)、3.0〜3.15(m,2
H)、3.15〜3.35(m,2H)、3.95(d,1H,J=5.8Hz)、4.
30(d,1H,J=5.8Hz)、6.05〜6.30(m,2H);MS(m/z)2
20、205、66(100%)。
実施例 10 (+)−2,3−イソプロピリデンジオキシ−4−シクロ
ペンテノン(式(I)の化合物)の合成 ケトン体(式(XII))280mg(1.27mmol)の無水O−
シクロロベンゼン(3ml)溶媒を6時間加熱還流した。
反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフイーに付し、
ヘキサン/Et2O=3/1の流分から、無色隣片状のエノン体
(式(I))128mg(65%)を得た。Et2O−ヘキサンよ
り再結晶を行なうと、無色針状晶77mg(40%)を得た。
mp 36〜37℃ ▲〔α〕24 D▼=+71.57゜(c 1.01,CHCl3)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 猪股 浩平 宮城県仙台市青葉区川内三十人町16―6 アパートメントランドフェアA202

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の式(XII) で表わされる(1R,2S,4S,5S,6R,7S)−4,5−O−イソプ
    ロピリデンジオキシ−トリシクロ〔5.2.1.02.6〕−デカ
    −3−オン−8−エンをレトロデイールスアルダー反応
    に付すことによって、次の式(I) で表わされる(+)−2,3−イソプロピリデンジオキシ
    −4−シクロペンテノンを製造する方法。
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