JP2001519656A - Tnf/ngfレセプターファミリーのレセプター機能モジュレーター - Google Patents

Tnf/ngfレセプターファミリーのレセプター機能モジュレーター

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JP2001519656A JP54029198A JP54029198A JP2001519656A JP 2001519656 A JP2001519656 A JP 2001519656A JP 54029198 A JP54029198 A JP 54029198A JP 54029198 A JP54029198 A JP 54029198A JP 2001519656 A JP2001519656 A JP 2001519656A
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ワラク、デイビッド
コバレンコ、アンドレイ
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イエダ リサーチ アンド ディベロップメント カンパニー リミテッド
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Abstract

(57)【要約】 RIPの機能をモジュレーション/メディエーションし得るタンパク質、それらの製造および使用を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 TNF/NGFレセプターファミリーの レセプター機能モジュレーター 発明の分野 本発明は、一般的には、TNF/NGFスーパーファミリーのレセプターに属するレ セプター、およびそれらの生物学的機能の制御の分野である。TNF/NGFスーパー ファミリーのレセプターには、p55およびp75の腫瘍壊死因子レセプター(TNF-R 、以下、p55-Rおよびp75-Rと呼ぶ)およびFASリガンドレセプター(FAS/APO1また はFAS-Rとも呼ばれているが、以下、FAS-Rと呼ぶ)などのレセプターが含まれる 。とくに、本発明は、自分自身がTNF/NGFレセプターファミリーのメンバーおよ び他の細胞内モジュレーターのタンパク質に直接的または間接的に結合するとこ ろの他のタンパク質に結合する新規なタンパク質に関する。より詳細には、本発 明は、そのようなタンパク質の1つ、本明細書中でRAP(すなわち、RIP会合タン パク質-2)と称されるタンパク質に関する。このタンパク質は、RIP(すなわち、 「レセプター相互作用タンパク質」)に結合し、ついで、それ自身に、そしてMOR T-1、FAS-R、p55-R、TRADDおよびTraf2に結合する。 したがって、本発明は、一般には、RIP機能のモジュレートまたはメディエー トを行なうことができ、それによってRIPに直接的または間接的に結合する他の タンパク質の機能もまた直接的または間接的にモジュレートま たはメディエートし得る新規なタンパク質に関する。とくに、本発明は、RAP、 その調製およびその使用、ならびにRAPのいずれかのアイソフォーム、アナログ 、フラグメントおよび誘導体、それらの調製および使用に関する。 関連技術の背景 腫瘍壊死因子(TNF-α)およびリンホトキシン(TNF-β)(以下、TNF、それ はTNF-αおよびTNF-βの両方を示す)は、単核食細胞によって主として形成され る多機能性の前炎症性サイトカインであり、細胞に対して多くの作用を有する( Wallach,D.(1986)Interferon 7(IonGrcsser編)、83〜122頁、Academic Pres s、London;ならびにBcutlerとCerami(1987))。TNF-aおよびTNF-βはともに、 特定の細胞表面レセプターに結合することによってそれらの作用を開始する。そ のような作用のいくつかは、生物にとって有益であるようである:それらは、た とえば、腫瘍細胞またはウイルス感染細胞を破壊することができ、顆粒球の抗菌 活性を増大することができる。このように、TNFは、腫瘍および感染源に対する 生物の防御に寄与し、傷害からの回復に寄与する。したがって、TNFは、抗腫瘍 剤として使用することができる。その適用において、TNFは、腫瘍細胞表面でそ のレセプターに結合し、それによって、腫瘍細胞を死に導く事象を開始する。TN Fはまた、抗感染剤として使用することができる。 しかし、TNF-αおよびTNF-βはともに有害作用もま た有する。TNF-aの過剰産生が、いくつかの疾患において主要な病原的役割を果 たし得ることの証拠がある。たとえば、主として血管系に対するTNF-αの作用が 、敗血症性ショック症状の主たる原因であることが知られている(Traceyら、19 86)。いくつかの疾患において、TNFは、脂肪細胞の活性を抑制することによっ て、そして食欲不振を生じさせることによって過度の体重喪失(悪液質(cachex ia))をもたらし得る。したがって、TNF-αは、カケチン(cachetin)と呼ばれ た。それはまた、リウマチ疾患における組織に対する損傷メディエーター(Beut lerとCerami、1987)として、移植片対宿主反応において観測される損傷の主要 なメディエーター(Piquetら、1987)として記載された。さらに、TNFは、炎症 プロセスおよび多くの他の疾患に関与していることが知られている。 2つの異なる、独立して発現するレセプターであるp55TNF-Rおよびp75 TNF-R は、TNF-αおよびTNF-βの両方と特異的に結合し、TNFの前記生物学的作用を開 始し、および/またはメディエートする。これら2つのレセプターは、そのシグ ナル伝達が異なることを示唆する構造的に異なる細胞内ドメインを有する(Hohma nnら、1989;Engelmannら、1990;Brockhausら、1990;Leotscherら、1990;Sch allら、1990;Nopharら、1990;Smithら、1990;およびHellerら、1990を参照の こと)。しかし、p55 TNF-Rおよびp75 TNF-Rの細胞内シグナリング(signaling) に関与している細胞機構、たとえば、様々なタンパク質およびおそらくは他の因 子をさらに解明しなければならない。リガンド、すなわちTNF(αまたはβ)が レセプタ ーに結合した後に通常起こるこの細胞内シグナリングは、TNFに対して観測され る細胞応答を最終的に生じさせる反応のカスケードを開始させるものである。 TNFの前記の細胞殺傷作用に関して、これまでに研究された大部分の細胞にお いて、この作用は、主としてp55TNF-Rによって引き起こされる。p55 TNF-Rの細 胞外ドメイン(リガンド結合ドメイン)に対する抗体は、それ自身で細胞殺傷作 用を引き起こし得る(欧州特許第412486号を参照のこと)。この細胞殺傷作用は 、細胞内のシグナリングプロセスの発生の第1段階であると考えられている抗体 によるレセプターの架橋の効果と相関している。さらに、変異の研究(Brakebusc hら、1992;Tartagliaら、1993)によって、p55 TNF-Rの生物学的機能はその細胞 内ドメインの完全性に依存することが示された。したがって、TNFの細胞殺傷作 用に至る細胞内シグナリングは、p55 TNF-Rの2つまたはそれ以上の細胞内ドメ インの会合する結果として開始されることが示唆されている。さらに、TNF(α またはβ)は、ホモ三量体として存在しており、そしてそういうものとして、こ れがレセプター分子に結合し得、レセプター分子を架橋し得ることによって、す なわち、レセプターの凝集を生じさせ得ることによって、p55 TNF-Rを介する細 胞内シグナリングを誘導することが示唆されている。 TNF/NGFスーパーファミリーレセプターの別のメンバーは、FASレセプター(FA S-R)である。これは、FAS抗原とも呼ばれ、様々な組織で発現し、TNF-RおよびN GF-Rを含む多数の細胞表面レセプターとの相同性を有する細胞表面タンパク質で ある。FAS-Rは、アポトーシ スの形で細胞死をメディエートし(Itohら、1991)、自己反応性T細胞のネガテ ィブのセレクターとして作用しているようである。すなわち、T細胞の成熟途中 において、FAS-Rは、自己抗原を認識するT細胞のアポトーシス死をメディエー トする。FAS-R遺伝子(lpr)における変異によって、ヒトの自己免疫疾患である 全身性エリテマトーデス(SLE)に似たリンパ増殖障害がマウスに生じることも また見出されている(Watanabc-Fukunagaら、1992)。FAS-Rのリガンドは、とく に、キラーT細胞(または細胞傷害性Tリンパ球−CTL)によって保持される細 胞表面会合分子であるようである。したがって、そのようなCTLは、FAS-Rを保持 する細胞と接触したときに、FAS-Rを保持する細胞のアポトーシス細胞死を誘導 し得る。さらに、FAS-Rに特異的なモノクローナル抗体が調製されている。これ らモノクローナル抗体は、ヒトFAS-RをコードするcDNAにより形質転換されたマ ウス細胞を含む、FAS-Rを保持する細胞でのアポトーシス細胞死を誘導し得る(I tohら、1991)。 多数のアプローチが本出願人によってなされている(たとえば、欧州出願番号 第186833号、同第308378号、同第398327号および同第412486号を参照のこと)。 そのようなアプローチにおいて、抗TNF抗体を使用してTNFのそのレセプターへの 結合を阻害することによって、または可溶性のTNFレセプター(本質的には、レ セプターの可溶性の細胞外ドメインである)を使用して細胞表面に結合したTNF- Rに対するTNFの結合と競合させることによってTNFの有害作用がレギュレートさ れる。さらに、TNFのそのレセプターへの結合がTNF誘導による細 胞作用に必要であるということに基づいて、TNF-Rの活性をモジュレートするこ とによってTNF作用をモジュレートするための出願人によるアプローチ(たとえ ば、欧州特許第568925号を参照のこと)がなされている。 簡単に記載すると、欧州特許第568925号は、シグナル伝達および/またはTNF- Rの切断をモジュレートする方法に関し、これによって、ペプチドまたは他の分 子は、レセプター自身と、またはレセプターと相互作用するエフェクタータンパ ク質とのいずれかと相互作用することができ、したがってTNF-Rの正常な機能を モジュレートすることができる。欧州特許第568925号において、p55TNF-Rの細胞 外ドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインに変異を有する様々な変異型 p55 TNF-Rの構築および特徴づけが記載されている。この方法において、p55 TNF -Rの前記ドメイン内の領域が、レセプターの機能発現、すなわち、リガンド(TN F)の結合、その後のシグナル伝達、および最終的に細胞で観測されるTNF作用を もたらす細胞内シグナリングに必須であるとして同定された。さらに、TNF-Rの 前記ドメイン内の様々な領域に結合し得るタンパク質、ペプチドまたは他の因子 の単離および同定を行うための多数のアプローチもまた記載されている。そのよ うなタンパク質、ペプチドおよび他の因子は、TNF-R活性のレギュレートまたは モジュレートに関与し得る。そのようなタンパク質およびペプチドをコードする DNA配列の単離およびクローニングのためのアプローチ;これらタンパク質およ びペプチドを産生するための発現ベクターを構築するためのアプローチ;および TNF-Rと相互作用するか、またはTNF-Rの様々 な領域と結合する前記のタンパク質およびペプチドと相互作用する抗体またはそ のフラグメントを調製するためのアプローチもまた、欧州特許第568925号に多数 記載されている。しかし、欧州特許第568925号は、TNF-R(たとえば、p55 TNF-R )の細胞内ドメインに結合する実際のタンパク質およびペプチドを特定しておら ず、TNF-Rの細胞内ドメインに結合するそのようなタンパク質またはペプチドの 単離および同定を行うための酵母のツーハイブリッド(two-hybrid)法を記載し ていない。同様に、欧州特許第568925号には、FAS-Rの細胞内ドメインと結合し 得るタンパク質またはペプチドは何ら開示されていない。 腫瘍壊死因子(TNF)レセプターおよび構造的に関連するレセプターのFAS-Rは 、細胞において、白血球産生リガンドによる刺激を受けたときにそれ自身の死を 導く破壊活性を引き起こすことが知られているが、この引き起こし機構は、依然 としてほとんど理解されていない。変異の研究によって、細胞傷害性に関するシ グナリングを行うFAS-Rおよびp55 TNFレセプター(p55-R)のそれらの細胞内ド メイン内の異なる領域が関与していることが示されている(Brakcbuschら、1992 ;Tartagliaら、1993;ItohとNagata、1993)。これらの領域(「デスドメイン 」)は配列類似性を有する。FAS-Rおよびp55-Rの両「デスドメイン」は自己会合 しやすい。それらの自己会合は、シグナリングの開始に必要なレセプターの凝集 を明らかに促進し(Songら、1994;Wallachら、1994;Boldinら、1995を参照の こと)、高レベルのレセプター発現によって、リガンドに依存しないシグナリン グを引 き起こさせることができる(Boldinら、1995)。 レセプター誘導による他の作用と同様に、TNFレセプターおよびFAS-Rによる細 胞死誘導は、リガンド−レセプター結合から酵素的エフェクター機能の最終的な 活性化に至る一連のタンパク質−タンパク質相互作用を介して生じる。事例研究 におけるそのような酵素的エフェクター機能によって、細胞死に関するシグナリ ングを開始する非酵素的なタンパク質−タンパク質相互作用:三量体TNFまたはF AS-Rリガンド分子のレセプターへの結合が解明された。それらの細胞内ドメイン の得られる相互作用(Brakebuschら、1992;Tartagliaら、1993;ItohとNagata 、1993)は、デスドメインモチーフが自己会合しやすいこと(Boldinら、1995a )、および2つの細胞質タンパク質(これらもまた互いに結合し得る)のレセプ ターの細胞内ドメインへの結合−MORT-1(またはFADD)のFAS-Rへの結合(Boldin ら、1995b;Chinnaiyanら、1995;Kischkelら、1995)およびTRADDのp55-Rへの 結合(Hsuら、1995;Hsuら、1996)が誘導されることによって増大される。相同 性領域のヘテロ会合を経由するレセプターによる細胞死誘導に関与する「デスド メイン」領域においてFAS-Rおよびp55-Rの細胞内ドメインに結合し、細胞死もま た独立して引き起こし得る3つのタンパク質が、酵母ツーハイブリッドスクリー ニング法により同定された。これらの1つは、タンパク質MORT-1(Boldinら、19 95b)であり、FAS-Rに特異的に結合するFADD(Chinnaiyanら、1995)としても知 られている。第2のタンパク質は、TRADD(Hsuら、1995、1996もまた参照のこと )であり、p55-Rに結合する。そして第3 のタンパク質は、RIP(Stangerら、1995もまた参照のこと)であり、FAS-Rおよ びp55-Rの両方に結合する。FAS-Rおよびp55-Rへの結合に加えて、これらのタン パク質はまた互いに結合することができる。これによって、FAS-Rおよびp55-Rの 間での機能的な「クロストーク(cross-talk)」がもたらされる。これらの結合 は、保存された配列モチーフ、すなわちレセプターおよびそれらの会合タンパク 質に共通する「デスドメインモジュール」を通して生じる。さらに、酵母ツーハ イブリッド試験において、MORT-1は、哺乳動物細胞内でFAS-Rに自発的に結合す ることが示されているが、この結合は、レセプター刺激後においてのみ起こる。 このことは、MORT-1がFAS-Rシグナリングの開始事象に参加していることを示唆 する。MORT-1は、酵素活性の配列モチーフの特徴をまったく含有しない。したが って、細胞死を引き起こすその能力は、MORT-1自身の固有的な活性ではなく、む しろ、MORT-1と結合し、シグナリングカスケードのさらに下流で作用するいくつ かの他のタンパク質の活性化を含むようである。分子のN末端部分を欠失してい るMORT-1変異体の細胞発現によって、FAS/APO1(FAS-R)またはp55-Rによる細胞傷 害性誘導が阻止されることが明らかにされた(Hsuら、1996;Chinnaiyanら、199 6)。このことは、このN末端領域は、タンパク質−タンパク質相互作用を経て 両レセプターの細胞殺傷作用に関するシグナリングを伝えることを示す。 したがって、レセプターであるp55-RおよびFAS-R、ならびにそれらの3つの会 合タンパク質、MORT-1、RIPおよびTRADDの「デスドメイン」モチーフは、タンパ ク質−タンパク質相互作用部位であるようである。その3つのタンパク質MORT-1 、RIPおよびTRADDは、それらのデスドメインがレセプターのデスドメインに結合 することによって、p55-RおよびFAS-Rの細胞内ドメインと相互作用する。RIPお よびTRADDの両方に関して、それらのデスドメインもまた自己会合する。しかし 、MORT-1は、この点に関して、そのデスドメインが自己会合しないという点で異 なる。さらに、MORT-1およびTRADDは、FAS-Rおよびp55-Rに異なるように結合し 、さらに互いに結合もする。そのうえ、MORT-1およびTRADDはともに、RIPに効果 的に結合する。したがって、その3つのタンパク質MORT-1、RIPおよびTRADDの間 の相互作用は、これらのタンパク質によってメディエートされる細胞内シグナリ ングの全体的なモジュレーションの重要な一部であるようである。これらの3つ の細胞内タンパク質の間における相互作用を妨害することによって、この相互作 用によって引き起こされる作用がモジュレーションされる。たとえば、MORT-1に 対するTRADDの結合の阻害によって、FAS-R-p55 TNF−R相互作用をモジュレート することができる。同様に、MORT-1に対するTRADD結合の前記の阻害に加えて、R IPの阻害は、FAS-R-p55 TNF-R相互作用をさらにモジュレートすることができる 。 p55-Rの「デスドメイン」、とくには、TRADDおよびRIP部位の1つの結合部位 に対して生成したモノクローナル抗体を使用して、これらタンパク質の結合を阻 害または防止することができ、したがって、FAS-Rおよびp55-Rとの間の相互作用 をモジュレーションすることができる。 さらに、FAS-R、p55-R、MORT-1、TRADD、RIP、MACH、 Mch4およびG1を含む様々なレセプターおよびそれらの結合タンパク質によってメ ディエートされる前記の細胞の細胞傷害活性およびそのモジュレーションに加え て、多数のこれらのレセプターおよびそれらの結合タンパク質はまた、核転写因 子NF-κBの活性のモジュレーションに関与することもまた最近見出されている。 この核転写因子NF-κBは、細胞の生存または生存性の重要なメディエーターであ り、多くの免疫応答遺伝子および炎症応答遺伝子の発現制御を担っている。たと えば、TNF-αは、実際にはNF-κBの活性化を刺激すること、したがって、TNF-α は、細胞内で2種類のシグナルを誘導し得ることが見出されている。細胞死を誘 引するシグナルおよびNF-κBを介して遺伝子発現を誘導することにより死の誘導 から細胞を保護する別のシグナル(BegとBaltimore、1996;Wangら、1996; Van Antwerpら、1996を参照のこと)。FAS-Rの類似した二重の作用もまた報告さ れている(前記のVan Antwerpら(1996)に記載されているこの作用に対する引 用文献を参照のこと)。したがって、TNF-αおよび/またはFAS-Rリガンドによ って様々なタイプの細胞を刺激したときの細胞死と細胞生存との間には微妙なバ ランスが存在するようである。刺激の最終的な結果は、どの細胞内経路がより大 きく刺激されるか、(通常はアポトーシスによる)細胞死を導く経路、あるいは NF-κBの活性化を介して細胞生存を導く経路に依存する。 さらに、本発明者らはまた、近年、さらに、TNF/NGFレセプターファミリーの メンバーがNF-κBを活性化する経路を解明している(Malininら、1997およびそ れに 示される様々な関連の引用文献;ならびに共に所有し、共に係属中のイスラエル 国特許出願番号第117800号および同第119133号を参照のこと)。簡単に記載する と、TNF/NGFレセプターファミリーのいくつかのメンバーは、共通したアダプタ ータンパク質Traf2を介してNF-κBを活性化し得ることが明らかにされている。N IKと呼ばれる新しく解明されたプロテインキナーゼ(前記のMalininら、1997な らびにイスラエル国特許出願第117800号および同第119133号を参照のこと)は、 Traf2に結合することができ、そしてNF-κB活性を刺激することができる。実際 、キナーゼ欠損(kinase-deficient)NIK変異体の細胞における発現によって、 正常な内因性様式でNF-κBを刺激することができない細胞が得られ、そしていず れかのFAS-Rを介するTNFによるNF-κB活性誘導が阻止され、そしてTRADD、RIPお よびMORT-1(これらは、これらのp55-Rおよび/またはFAS-Rのレセプターと結合 するアダプタータンパク質である)によるNF-κBの誘導が阻止された細胞もまた 得られることが示された(前記のMalininらおよびイスラエル国特許出願を参照 のこと)。レセプターp55-R、p75-R、FAS-Rならびにそれらのアダプタータンパ ク質MORT-1、TRADDおよびRIPは、すべて、Traf2に直接的または間接的に結合し 、NIKに対するその結合能によって、明らかにNF-κBの誘導をモジュレートする 。 FAS-Rおよび/またはp55-Rの刺激後における細胞死と細胞生存との間の細かい バランスに関与する前記のモジュレータータンパク質の中で、タンパク質RIPは 、重要な役割を有するようである。RIP(Stangcrら、1995、 およびMalininら、1997も参照のこと)は、独立した方法で、さらにはMORT-1、p 55-R、FAS-RおよびTRADDのデスドメインとの会合によって細胞の細胞傷害性を誘 導させる「デスドメイン」をそのC末端領域に有する。RIPはまた、プロテイン キナーゼドメインをそのN末端領域に有し、Traf2とのその交差(結合)を可能 にし、それによってNF-κBの誘導でのその関与を可能にすることが考えられる中 間ドメインを有する。したがって、RIPの特徴および配列(DNAおよびアミノ酸) に関する詳細は、前記の刊行物(とくに、Stangerら、1995)に記載されている 。これらは参考として本明細書中にその全体が援用される。 発明の要約 本発明の目的は、RIPタンパク質(以下、「RIP」)に結合し得る新規なタンパ ク質RAP、それは、すべてのそのアイソフォーム、アナログ、フラグメントまた は誘導体を含んでおり、それらを提供することである。RIPは、p55-RおよびFAS- Rならびにそれらの会合アダプターまたはモジュレータータンパク質、たとえば 、MORT−I.TRAD、MACH、Mch4、G1などの炎症、細胞の細胞傷害性/細胞死 の細胞内メディエーターと直接的または間接的に相互作用し得るので、本発明の 新規なタンパク質は、RIPに結合することによって、したがって、FASリガンドが そのレセプターに結合することによって、そしてTNFがそのレセプター(p55-R) に結合することによって開始される細胞内シグナリングプロセスに影響し得る。 そのように、本発明の新しいタンパク質は、細胞でのp55-R でメディエートされる作用およびFAS-Rでメディエートされる作用のモジュレー ターである。RIPはまた、Traf2と相互作用することができ、それによってNIKと 直接的または間接的に相互作用することができる。そして、そのように、RIPは 、NF-κBの誘導を含む炎症および細胞生存経路のモジュレーターとして作用し、 したがって、本発明の新しいタンパク質は、RIP関連の炎症および細胞生存活性 のモジュレーターである。同様に、RIPに結合することによって、あるいRIPに結 合するTraf2に結合することによって直接的または間接的にNF-κBおよび細胞生 存を誘導し得るFAS-R、p55-Rおよびそれらのモジュレータータンパク質MORT-1お よびTRADDによって、本発明のタンパク質はまた、メディエーターまたは様々な 前記のタンパク質が細胞生存を誘導するように作用する共通した細胞内シグナリ ング経路または関連する細胞内シグナリング経路を介して作用する細胞生存プロ セスであり得る。同様に、p75-Rは、RIPが結合するTraf2に結合するので、本発 明の新規なタンパク質はまた、p75-Rがメディエートする活性のRIPが関連するメ ディエーションのモジュレーターであり得る。 本発明の別の目的は、前記の新規なRAPタンパク質、そのアイソフォーム、ア ナログ、フラグメントおよび誘導体に対するアンタゴニスト(たとえば、抗体、 ペプチド、有機化合物またはいくつかのアイソフォームさえも)を提供すること である。これらを使用して、シグナリングプロセス、あるいは、より詳細には、 所望するときには炎症の細胞−細胞傷害プロセスまたは細胞生存プロセスを阻害 し得る。 本発明のさらなる目的は、前記の新規なRAPタンパク質、そのアイソフォーム 、アナログ、フラグメントおよび誘導体を使用して、レセプター活性のレギュレ ーションに関与し得るさらなるタンパク質または因子、たとえば、RAPタンパク 質に結合し、それらの活性に影響を与え得る他のタンパク質の単離および特徴づ け、および/またはこれら新規なタンパク質、アナログ、フラグメントおよび誘 導体が結合し、したがって、それらもまた関与するその機能において、シグナリ ングプロセスのさらに上流または下流における他のレセプターの単離および同定 を行うことである。 本発明のなおさらなる目的は、細胞内に導入され、RAPおよび可能なRAPアイソ フォームと結合するか相互作用し得るインヒビターを提供することである。その ようなインヒビターは、細胞の細胞傷害プロセスにおけるRIP会合活性を阻害す るために、したがって、所望するときには、細胞生存を増強するために作用し得 る。あるいは、そのようなインヒビターは、細胞生存プロセスにおけるRIP会合 活性を阻害するために、したがって、所望するときには、細胞の細胞傷害性を増 強するために作用し得る。 さらに、本発明の目的は、前記の新規なRAPタンパク質、そのアイソフォーム およびアナログ、フラグメントおよび誘導体を、それらに対するポリクローナル 抗体および/またはモノクローナル抗体を調製するための抗原として使用するこ とである。そのような抗体は、ついで、たとえば、細胞抽出物または形質転換細 胞株などの異なる供給源からこの新規なタンパク質を精製するために使 用することができる。 さらに、これらの抗体は、診断目的のために、たとえば、p55-R、FAS-Rまたは 他の関連レセプターによってメディエートされる細胞作用の異常な機能発現に関 連する障害を同定するために使用することができる。 本発明のさらなる目的は、前記の新規なRAPタンパク質、そのアイソフォーム またはアナログ、フラグメントまたは誘導体からなる医薬組成物、ならびに前記 の抗体または他のアンタゴニストからなる医薬組成物を提供することである。 本発明により、新規なタンパク質RAPが単離された。RAPは、RIPに対する結合 またはRIPとの相互作用が可能であり、したがって、RIPの細胞内活性のモジュレ ーターまたはメディエーターである。RIPは、細胞内シグナリング経路のモジュ レーションまたはメディエーションに関与している。たとえば、RIPは、自分自 身により、そして、多数の他の細胞死関連タンパク質、たとえば、MORT-1、TRAD D、MACH、Mch4、G1、p55-RおよびFAS-Rなどと直接的または間接的に結合して細 胞傷害活性を有する細胞の細胞傷害性または細胞死に関連した経路のモジュレー ションまたはメディエーションに関与している。RIPは、RIPおよびすべての前記 タンパク質に存在する「デスドメイン」モチーフ/モジュールを介して直接的ま たは間接的な様式でこれらのタンパク質と会合することができるか、またはこれ らに結合することができる。別の経路は、炎症、細胞生存または生存性の経路で あり、それら経路において、RIPは、RIPに存在するキナーゼモチーフまたはドメ インの存在によって、そしてNIKと 結合することができるTraf2に結合し得るRIPの能力によって直接的または間接的 に活性化の役割を有し得る。NIKは、ついで、炎症および細胞生存における中心 的な役割を果たすNF-κBの活性化に直接関与している。さらに、p55-RおよびTRA DDはまた、Traf2と相互作用することができ、さらにNF-κB活性化およびそれに よる細胞生存経路にも関与し得る。したがって、RIPは、p55-R、FAS-RおよびTRA DD(Traf2と同様に)と結合し得るか、またはそれらと相互作用し得ることによ り、さらに、これらのタンパク質による炎症、細胞生存の活性化のモジュレーシ ョンにも関与し得る。したがって、RIPは、これらの経路のモジュレーターまた はメディエーターである。同様に、本発明の新しいRAPは、RIPに結合することに よる、これらの細胞内経路のモジュレーターまたはメディエーターである。 RAPを、酵母ツーハイブリッドシステムを使用して単離およびクローニングを 行い、配列決定および特徴づけを行った。本明細書中下記に詳述されているよう に、RAPは、非常に特異的なRIP結合タンパク質であるようであり、したがって、 特異的なRIPのモジュレーター/メデイエーターであるようである。RAPは、TRAD D、MORT-1、p55-R、p75-RおよびMACHに結合しない。さらに、RAPは、特徴的なデ スドメインモジュールまたはモチーフを有さないようである。このことは、RAP はそれ自身で細胞の細胞傷害性を誘導しないという知見と一致する。 本明細書を通して使用されているRIP活性には、炎症および細胞死/生存の経 路のモジュレーション/メディエーションにおけるその活性、および細胞生存経 路のモ ジュレーション/メディエーションにおけるその活性の両方が含まれるものとす る。これらの活性は、本明細書の前記および下記、ならびに前記の刊行物および 特許出願において記載されており、それらのすべての内容は、参考として本明細 書中に援用される。同様に、本明細書を通して使用されているRAP活性には、RIP に対するその特異的な結合によるRIP活性のそのモジュレーション/メディエー ションが含まれるものとする。RAPによるRIPのこのモジュレーション/メディエ ーションには、RIPが直接的または間接的に関与している炎症、細胞死および細 胞生存の経路のモジュレーション/メディエーションが含まれる。そのように、 RAPは、すべての前記タンパク質、およびおそらくは、炎症、細胞死または細胞 生存に関与して、RIPが結合するか、またはRIPが直接的または間接的な様式で相 互作用する多数の他のタンパク質の間接的なモジュレーター/メディエーターと 見なすことができる。 したがって、本発明により、RAPと称される新しいタンパク質が提供される。 前記のように、RAPは、ツーハイブリッドスクリーニングアッセイにより単離お よびクローン化が行われ、RIPと結合する分子として特徴づけが行われた。RAP配 列と様々なデータベース、たとえば、Genebank「dbest」およびヒトゲノムデー タベースレベル1データベースの配列との間で行われた配列の比較によって、RA P配列といずれの既知配列との間にも明らかな相同性が何ら認められなかったた め、RAPは新規なタンパク質であることがRAPの配列決定によって明らかにされた 。実際には、それらの5'非コード領域のみが異なる 2つのDNA配列が見出された。この2つは、オルターナテイブスプライシング(a lternative splicing)によって、おそらく同じ遺伝子から生じたと考えられる 。 RAPがどのようにRIPに結合するかを解明することが依然として存在している。 とくに、それらが互いに結合することを可能にするRAPとRIPとの間の相同性領域 または結合領域を決定する必要がある。RAPは、明らかに、デスドメインモジュ ールを有さないし、酵素活性または他の活性の何らかの他の知られている領域、 たとえば、キナーゼドメインまたはプロテアーゼドメインを有さない。 前記を考慮して、したがって、前記のように、そして本明細書中下記に示され ているように、RAPは、明らかに、特異的なRIP結合タンパク質であり、したがっ て、RIPの細胞内活性のモジュレーター/メディエーターであることがわかる。 したがって、RAPは、明らかにRIPが直接的または間接的に関与している炎症、 細胞生存および/または細胞死の活性のモジュレート/メディエートを行う際の 役割を有する。とくに、TNF/NGFレセプターファミリーのレセプター、ならびに おそらくは、同様に他のレセプターを介して伝達される刺激を含む様々な刺激に よって生じるかまたは誘導される細胞傷害性および炎症に関連する活性のモジュ レート/メディエートを行う際の役割を有する(これらの細胞内事象におけるRI P関与のスキーム、したがってRAP関与のスキームについては、Malininら(1997 )の図1を参照のこと)。 RAPはまた、他のタンパク質の複合体、たとえば、RIP およびRIPに結合するタンパク質の一部として存在することによって細胞の細胞 傷害性および炎症のインヒビターとして作用し得る。そのように、RAPは、これ らの他のタンパク質(たとえば、p55-R、FAS-R、MACH、Mch4、G1およびMORT-1) の細胞傷害作用または炎症作用に影響し、最終的にはそれらの細胞傷害活性また は炎症においてそれらの活性を阻害し得る。 RAPはなおまた、細胞の細胞傷害性および炎症のエンハンサーまたは増大因子 (augmentor)として作用し得る。 これは、他のタンパク質、たとえば、RIPおよびRIPに前記のように結合し、RIP によるこれらのタンパク質の増加を助ける他のタンパク質の活性を増大させるこ とによって得られる。このような増加は、様々なタンパク質の細胞傷害活性を増 大させるか、またはそれらの炎症作用を増大させるのに役立つ。 同様に、類似した様式で、RAPはまた、RIPが細胞生存の経路に関与することに より、前記の細胞生存経路のインヒビターまたは増大因子として作用し得る。 したがって、本発明は、RIPに結合することができ、そしてRIPの細胞内活性の モジュレートまたはメディエートを行うことができるRIP会合タンパク質(RAP) のアイソフォーム、そのアナログまたはフラグメントをコードするDNA配列を提 供する。前記の細胞内活性は、炎症および/または細胞死および/または細胞生 存のモジュレーション/メディエーションである。 とくに、本発明は、下記からなる群から選択されるDNA配列を提供する: (a) 天然のRAPタンパク質のコード領域に由来する cDNA配列; (b) 適度なストリンジェント(stringcnt)条件下で(a)の配列に対するハイブ リダイゼーションが可能で、生物学的に活性なRAPタンパク質をコードするDNA配 列;および (c) (a)および(b)において規定されるDNA配列に対する遺伝コードの結果とし て縮重し、生物学的に活性なRAPタンパク質をコードするDNA配列。 本発明の前記DNA配列の別の具体的な態様は、RAPタンパク質の少なくとも1つ のアイソフォームをコードする配列の少なくとも一部からなるDNA配列である。 前記DNA配列の別の態様は、図1に示されるRAPタンパク質をコードする配列であ る。さらにもう1つの態様は、図2に示されるDNA配列である。 本発明は、本発明の前記配列のいずれかによってコードされるRAPタンパク質 およびそのアナログ、フラグメントまたは誘導体を提供する。前記タンパク質、 アナログ、フラグメントおよび誘導体は、RIPに結合することができ、細胞死お よび/または細胞生存の経路におけるその生物学的活性を細胞内からモジュレー ト/メディエートすることができる。 本発明の具体的な態様は、RAPタンパク質、そのアナログ、フラグメントおよ び誘導体である。図1および図2のDNA配列から推定されるRAPタンパク質の配列 を図3に示す。別の態様は、RAPタンパク質のいずれかのアイソフォーム、その アナログ、フラグメントおよび誘導体である。 本発明によって、本発明の前記RAPタンパク質ならび にそのアナログ、フラグメントまたは誘導体をコードするベクターもまた提供さ れる。このベクターは本発明の前記DNA配列を含有する。これらベクターは、適 切な真核生物宿主細胞または原核生物宿主細胞で発現し得る;そのようなベクタ ーを含有する形質転換された真核生物宿主細胞または原核生物宿主細胞も提供さ れる。そして、本発明は、本発明のRAPタンパク質あるいはアナログ、フラグメ ントまたは誘導体を産生するための方法も提供される。この方法は、そのような 形質転換宿主細胞を、前記のタンパク質、アナログ、フラグメントまたは誘導体 の発現に適切な条件下で増殖させ、前記タンパク質を得るために必要な前記タン パク質の翻訳後修飾を行い、前記の発現したタンパク質、アナログ、フラグメン トまたは誘導体を、前記形質転換細胞の培養培地から、あるいは前記形質転換細 胞の細胞抽出物から抽出することによって行われる。前記の規定には、RAPタン パク質のすべてのアイソフォームが含まれるものとする。 別の面において、本発明はまた、本発明のRAPタンパク質ならびにそのアナロ グ、フラグメントおよび誘導体に特異的な抗体あるいはその活性な誘導体または フラグメントを提供する。 本発明のなおさらなる面によって、本発明により、前記のDNA配列またはそれ らがコードするタンパク質の様々な使用が提供される。そのような使用には、下 記の方法がとくに含まれる: (i) タンパク質RIPによるモジュレートまたメディエートを受ける細胞内炎症 、細胞死および/または細胞生存の経路のモジュレーションのための方法であっ て、RIP に結合し得るRAPタンパク質、そのアイソフォーム、アナログ、フラグメントま たは誘導体の1つまたはそれ以上を用いて前記細胞を処置することからなり、こ の場合、前記細胞の前記処置は、前記細胞に、前記の1つまたはそれ以上のタン パク質、そのアイソフォーム、アナログ、フラグメントまたは誘導体をその細胞 内導入に適切な形で導入すること、あるいは前記細胞に、前記の1つまたはそれ 以上のタンパク質、アイソフォーム、アナログ、フラグメントまたは誘導体をコ ードするDNA配列を、前記配列を保持する適切なベクターの形で導入することか らなり、前記ベクターは、前記配列が前記細胞内で発現する方法で前記配列の前 記細胞内への挿入を行い得る。 (ii) 前記の(i)にしたがって、RIPタンパク質の作用を介して細胞での作用に よるTNFファミリーのリガンドによってメディエートされる炎症、細胞死および /または細胞生存の経路のモジュレーションのための方法であって、この場合、 細胞の前記処置は、前記細胞に、前記のRAPタンパク質またはそのアイソフォー ム、アナログ、フラグメントまたは誘導体を細胞内導入に適切な形で導入するこ と、あるいは前記細胞に、前記のG1タンパク質またはアイソフォーム、アナログ 、フラグメントまたは誘導体をコードするDNA配列を、前記配列を保持する適切 なベクターの形で導入することからなり、前記ベクターは、前記配列が前記細胞 内で発現する方法で前記配列の前記細胞内への挿入を行い得る。 (iii) 前記細胞の前記処置が組換え動物ウイルスベクターによる前記細胞のト ランスフェクションによって行われる前記(ii)の方法であって、この方法は下記 の工程か らなる: (a) FAS-Rまたはp55-Rを保持する細胞の表面で特定の細胞表面レセプター に結合し得るウイルス表面タンパク質(リガンド)をコードする配列と、前記細 胞で発現したときに、細胞内炎症、細胞死および/または細胞生存の経路のモジ ュレート/メディエートを行い得るRAPタンパク質ならびにそのアイソフォーム 、アナログ、フラグメントおよび誘導体から選択されるタンパク質をコードする 第2の配列とを保持する組換え動物ウイルスベクターの構築;および (b) 前記細胞への前記(a)のベクターの感染。 (iv) RIPタンパク質の作用を介して細胞でのTNFファミリー作用のリガンドに よってメディエートされる炎症、細胞死および/または細胞生存の経路をモジュ レートするための方法であって、前記細胞を、本発明の抗体あるいはその活性な フラグメントまたは誘導体で処置することからなり、前記処置は、前記の抗体、 その活性なフラグメントまたは誘導体を含有する適切な組成物を前記細胞に適用 することによって行われ、この場合、RAPタンパク質の少なくとも一部が細胞外 表面に露出するときには、前記組成物は細胞外適用のために処方され、そして前 記RAPタンパク質が完全に細胞内に存在するときには、前記組成物は細胞内適用 のために処方される。 (v) RIPタンパク質の作用を介して細胞でのTNFファミリー作用のリガンドに よってメディエートされる炎症、細胞死および/または細胞生存の経路をモジュ レートするための方法であって、前記細胞を、本発明のRAPタンパク質配列の少 なくとも一部のアンチセンス配列をコー ドするオリゴヌクレオチド配列で処置することからなり、前記オリゴヌクレオチ ド配列はRAPタンパク質の発現を阻止し得る。 (vi) 腫瘍細胞またはHIV感染細胞あるいは他の疾患細胞を処置するための前 記(ii)の方法であって、下記からなる: (a) 特定の腫瘍細胞表面レセプターまたはHIV感染細胞表面レセプターある いは他の疾患細胞が保持するレセプターに結合し得るウイルス表面タンパク質を コードする配列と、前記の腫瘍細胞、HIV感染細胞、または他の疾患細胞で発現 したときに、RIPタンパク質の作用を介して前記細胞を殺傷し得る本発明のRAPタ ンパク質、アナログ、フラグメントおよび誘導体から選択されるタンパク質をコ ードする配列とを保持する組換え動物ウイルスベクターの構築;および (b) 前記の腫瘍細胞またはHIV感染細胞または他の疾患細胞への前記(a)の ベクターの感染。 (vii) RIPタンパク質の作用を介して細胞でのTNFファミリー作用のリガンド によってメディエートされる細胞死および/または細胞生存の経路をモジュレー トするための方法であって、リボザイム法を適用することからなり、この場合、 本発明によるRAPタンパク質をコードする細胞mRNA配列と相互作用し得るリボザ イム配列をコードするベクターが、前記細胞内に、前記細胞内での前記リボザイ ム配列の発現を可能にする形で導入され、前記リボザイム配列が前記細胞内で発 現したときに、前記細胞mRNA配列と相互作用して、前記mRNA配列を切断し、その 結果、前記細胞での前記RAPタンパク質の発 現を阻害する。 (viii) 本発明による前記方法から選択される方法であって、前記のRAPタン パク質コード配列が、RIPに結合し得る本発明によるRAPアイソフォームの少なく とも1つ、その任意のアナログ、フラグメントおよび誘導体からなる方法。 (ix) RIPタンパク質に結合し得る本発明によるタンパク質の単離および同定 を行うための方法であって、酵母ツーハイブリッド法を適用することからなり、 この場合、前記RIPタンパク質をコードする配列は一方のハイブリッドベクター によって保持され、cDNAライブラリーまたはゲノムDNAライブラリーに由来する 配列が第2のハイブリッドベクターによって保持され、ついで、これらのベクタ ーを使用して酵母宿主細胞を形質転換し、ポジティブの形質転換細胞を単離し、 その後前記の第2のハイブリッドベクターを抽出して、前記RIPタンパク質に結 合するタンパク質をコードする配列を得る。 (x)前記(i)〜(ix)のいずれかの方法であって、前記RAPタンパク質が、RAPアイ ソフォームのいずれか1つ、その任意のアナログ、フラグメントおよび誘導体で ある方法。 (xi) 前記(i)〜(x)のいずれかの方法であって、RAPタンパク質あるいは任意 のそのアイソフォーム、アナログ、フラグメントまたは誘導体が、前記のRAPタ ンパク質、アイソフォーム、アナログ、フラグメントまたは誘導体が直接的また は間接的に結合し得る任意の他のメディエーターまたはインデューサーによるメ ディエートまたはモジュレートを受ける細胞作用のモジュレーションに関 与する方法。 本発明はまた、RIPタンパク質の作用を介して細胞でのTNFファミリー作用によ つて、あるいは前記のように、細胞での任意の他のメディエーターまたはインデ ューサーの作用によってメディエートされる炎症、細胞死および/または細胞生 存の経路のモジュレーションのための医薬組成物を提供する。この医薬組成物は 、活性成分として下記のいずれか1つからなる: (i) 本発明によるRAPタンパク質、およびその生物学的に活性なフラグメント 、アナログ、混合物の誘導体; (ii) 細胞表面レセプターと結合し得るタンパク質をコードし、本発明による RAPタンパク質あるいは生物学的に活性なフラグメントまたはアナログをコード する組換え動物ウイルスベクター; (iii) 本発明によるRAPタンパク質配列のアンチセンス配列をコードするオリ ゴヌクレオチド配列であって、前記オリゴヌクレオチドが、前記(ii)の組換え動 物ウイルスベクターの第2の配列であり得る。 本発明はまた、下記の方法を提供する: I. 細胞でのRIPタンパク質、あるいは任意の他のメディエーターまたはイン デューサーの作用、あるいは任意の他のNF-κBのインデューサーまたはインヒビ ターによるモジュレート/メディエートを受ける炎症、細胞内の細胞死および/ または細胞生存の経路のモジュレーションのための方法であって、前記細胞を、 前記の(i)〜(x)のいずれか1つの方法にしたがって、RAPタンパク質、そのアイ ソフォーム、アナログ、フラグメントまたは誘導体を用いて処置するか、あるい はRAPタンパク質、そ のアイソフォーム、アナログまたはフラグメントをコードする配列を用いて処置 することからなり、前記処置の結果、前記RIPでメディエートされる作用の増強 または阻害が得られ、それによってFAS-Rでメデイエートされる作用またはp55-R でメディエートされる作用の増強または阻害、あるいは前記の他のメディエータ ーまたはインデューサーの増強または阻害、あるいは他のNF-κBのインデューサ ーまたはインヒビターの増強または阻害もまた得られる。 II.前記RAPタンパク質、そのアナログ、フラグメントまたは誘導体が、RIPへ の結合に特異的に関与しているRAPタンパク質、あるいは前記の他のメディエー ターまたはインデューサー、あるいは他のNF-κBのインデューサーまたはインヒ ビターのそのような一部であるか、あるいは前記のRAPタンパク質配列が、RIPへ の結合に特異的に関与しているRAPタンパク質、あるいは前記の他のメディエー ターまたはインデューサー、あるいは他のNF-κBのインデューサーまたはインヒ ビターのそのような一部をコードする、前記の方法。 III.前記RAPタンパク質がRAPアイソフォームのいずれか1つであり、前記ア イソフォームがRIP会合作用を増強することができる、前記の方法。 IV.前記RAPタンパク質がRAPアイソフォームのいずれか1つであり、前記アイ ソフオームが、RIP会合作用、あるいは細胞での他のメディエーターまたはイン デューサーの結合作用を阻害することができ、それによって細胞でのFAS-R会合 またはp55-R会合による作用、あるいは細胞での他の細胞傷害メディエーターま たはイン デューサーの作用もまた阻害することができる、前記の方法。 V.前記のRAPタンパク質、アイソフォーム、アナログ、フラグメントまたは誘 導体が、NF-κBの直接的または間接的な阻害、あるいはJNKまたはp38キナーゼの 直接的または間接的な活性化によって、炎症および細胞生存の経路でのRIP会合 による作用を増強し得るかまたは阻害し得る、前記の方法。 RAPタンパク質の単離、それらの同定および特徴づけは、タンパク質の単離お よび同定のために使用されている任意の標準的なスクリーニング技法によって行 うことができる。たとえば、酵母ツーハイブリッド法、アフィニティークロマト グラフィー法、およびこの目的のために使用される任意の他のよく知られている 標準的な手順がある。 本発明の別の面および態様もまた、下記の本発明の詳細な説明から得られるよ うに提供される。 本明細書中に記載されている下記の用語:「細胞でのRIPまたはFASリガンドま たはTNFの作用のモジュレーション/メディエーション」および任意の他のその ような「モジュレーション/メディエーション」は、それらが使用される場合、 インビトロならびにインビボでの処置を含み、さらに阻害または増強/増大もま た含むことが理解されることに注意しなければならない。 図面の簡単な説明 図1は、RAPのヌクレオチド配列を示す;および 図2は、RAPの推定アミノ酸配列を示す。発明の詳細な説明 本発明は、ある面において、新規なRAPタンパク質に関する。このRAPタンパク 質は、RIPタンパク質に結合することができ、それによって、とくに、RIPが、本 明細書中前記に詳述されている炎症、細胞死および/または細胞生存の経路のモ ジュレーションまたはメディエーションに関与しているRIPの細胞内活性をメデ ィエートまたはモジュレートすることができる。したがって、RAPは、細胞死/ 炎症生存の経路におけるRIP活性を阻害し得るか、RAPは、炎症または細胞死生存 の経路におけるRIP活性を増強し得るか、あるいはRAPは、他の経路におけるRIP 活性を阻害しながら、これらの経路の1つにおけるRIP活性を増強し得る。 より詳細には、本発明により、新しいタンパク質RAPが提供される。RAPを配列 決定して特徴づけを行った。RAPは、RIPに関して高い特異性を有するRIP結合タ ンパク質であるが、炎症、細胞死または細胞生存を導く細胞内シグナリング経路 に関与していることが知られている多数のタンパク質に対する結合を示さないこ とが見出された。RAPはまた、明らかに、これらの経路の一方における活性なタ ンパク質に共通したドメインを1つも有していない。すなわち、RAPは、「デス ドメイン」モチーフまたはモジュールを有さず、キナーゼのモチーフまたはドメ インを有さず、プロテアーゼのドメインまたはモチーフを有していない。決定さ れたRAP配列はまた、Genebank、Human Genomeレベル1および「dbest」データベ ースを含む多数のデータベース内の配列との比較か ら得られるように、独特の配列である。前記に詳述されているように(記載され るすべての刊行物および特許出願もまた参照して)、RIPは、炎症、細胞死およ び細胞生存の経路に細胞の内側から関与している。したがって、RIP活性の調節 または制御は、これらの経路の一方かまたはすべてを、たとえば、TNFまたはFas リガンドがそれらのレセプター(とくに、TNFに対しては、p55-R)に結合するこ とによってそのような経路が開始される場合にレギュレートすることができる。 RIPは、どの経路がより大きく活性化されるかを決定する際に重要な役割を果た し得る。これは、RIPが、デスドメインを有する多数の細胞傷害タンパク質と、 そしてキナーゼ活性を有する多数のタンパク質とも結合し得ることによって生じ る。したがって、RIPに特異的に結合し得るタンパク質、本発明のRAPタンパク質 などは、RIP活性をモジュレートし、それによってある経路の誘導の程度を、そ れ以外の経路と比較してモジュレートする際に重要な役割を果たし得る。したが って、本発明のRAPタンパク質は、重要な細胞内シグナルのモジュレーターまた はメディエーターである。 細胞死を引き起こすFAS-RおよびTNFレセプターの独特な能力、ならびに様々な 他の組織損傷活性を引き起こすTNFレセプターの能力のために、これらのレセプ ター機能の異常は生物にとってとくに有害であり得る。実際、これらのレセプタ ーの過度な機能および不足した機能はともに、様々な疾患の病理学的発現に寄与 することが示されている。これらのレセプターのシグナリング活性に参加してい る分子の同定、およびこれら分子の機能をモ ジュレートする方法を見出すことは、これらの疾患に対する新しい治療法の潜在 的な手がかりになる。FAS-Rおよびp55-Rの毒性におけるRIPの考えられる重要な 役割を考慮して、したがって、RIPのモジュレーションを介するFAS-RおよびTNF におけるRAPの考えられる重要な調節的な役割を考慮して、RIPの細胞傷害機能を 阻止し得る薬剤を設計することはとくに重要であるようである。このような阻止 は、おそらくは、RAPのRIPへの結合を阻止することによるか、そうでなければ、 RAPがRIPでメディエートされる細胞傷害性を増強するように作用するそれらの条 件下におけるRAPとRIPとの間の相互作用を阻害することによって生じる(前記の ように、RIPは、それ自身で、そしてデスドメイン領域を有する他のタンパク質 と連携して細胞傷害性である)。 同様に、FAS-Rおよびp55-Rは、NF-κBの活性化、それによる細胞生存の活性化 に関与していることもまた知られている(前記を参照のこと)。したがって、細 胞、たとえば、ガン細胞、HIV感染細胞などを殺傷することが望まれる場合、FAS -Rおよびp55-R(ならびに、たとえば、MORT-1、MACH、Mch4、G1、TRADDなどのそ れらの会合タンパク質)の細胞傷害作用を増強し、一方でそれと同時に、NF-κB を誘導するそれらの能力を阻害することが望ましい。したがって、RIPに対するR APの相互作用または結合は、(おそらくはTraf2を介して、ならびにおそらくはR IPのキナーゼドメインおよび/または中間ドメインを介して)NF-κB誘導を増強 する際のRIPの可能な役割を増大させる場合、RAPとRIPとの間のこの相互作用を 阻止して、NF-κB活性化の増大を阻害 するか、または少なくともNF-κB活性化の増大を防ぎ、それによって、TNF誘導 またはFASリガンド誘導による作用のバランスを細胞の細胞傷害性の方に変化さ せ、最終的には細胞死を増大させることが望ましい。 同様に、(前記の状況とは)逆の状況において、RIPに対するRAPの結合が、実 際に、FAS-Rおよびp55-Rの炎症作用または細胞傷害作用の阻害を引き起こし、た とえば、生存細胞の増大が求められている炎症および様々な自己免疫疾患などに おけるこれら細胞傷害作用を阻止することが望ましい場合には、RAPとRIPとの間 の相互作用を増大させて、細胞死の全体的な阻害を増強し、そのバランスを細胞 生存の方に変化させる薬剤を設計することが重要である。RAPのRIPとの相互作用 が、NF-κB活性化を増大させる際にRIP機能を阻害する場合において、細胞生存 が望まれる場合、RAPとRIPとの間のこの相互作用を阻止して、それによってNF- κB活性化を増大させる際にRIP活性を増強させることが必要であることもまた、 前記を考慮すれば理解される。 前記のすべてを考慮すれば、RIPは、炎症、細胞死または細胞生存の経路の誘 導またはメディエーションの間でのバランスにおいて重要な役割を有し、したが って、RAPは、RIPのモジュレーターであることによって同等に重要な役割を有す ることが理解される。前記および下記のように、様々な薬剤または処置を使用し てRAP−RIPの相互作用/結合に影響を与えることによって、所望するような、細 胞死から細胞生存への細胞内シグナリング経路の変化、あるいはその逆の変化が 可能になるであろう。 本発明はまた、RAPタンパク質をコードするDNA配列およびそのDNA配列によっ てコードされるRAPタンパク質に関する。 さらに、本発明はさらに、RAPタンパク質の生物学的に活性なアナログ、フラ グメントおよび誘導体をコードするDNA配列、ならびにそれらによってコードさ れるアナログ、フラグメントおよび誘導体に関する。そのようなアナログ、フラ グメントおよび誘導体の調製は、標準的な手順よって行われる(たとえば、Samb rookら、1989を参照のこと)。この場合、RAPタンパク質をコードするDNA配列に おいて、1つまたはそれ以上のコドンの欠失、付加、または別のコドンによる置 換を行って、天然のタンパク質に関して少なくとも1つのアミノ酸残基の変化を 有するアナログを作製することができる。 RAPタンパク質、アイソフォーム、アナログ、フラグメントまたは誘導体をコ ードする本発明の前記DNA配列の中には、本発明の態様として、天然のRAPタンパ ク質のコード領域に由来するcDNA配列とハイブリダイズできるDNA配列もまた含 まれる。この場合、そのようなハイブリダイゼーションは、適度なストリンジェ ントな条件下で行われ、そのようなハイブリダイゼーション可能なDNA配列は、 生物学的に活性なRAPタンパク質をコードする。したがって、これらハイブリダ イゼーション可能なDNA配列は、天然のRAP cDNA配列に対して比較的高い相同性 を有するDNA配列を含み、そのように、たとえば、様々なRAPアイソフォームをコ ードする天然由来の配列、あるいはRAP活性を有するタンパク質をコードするRAP 様配列の一群に属するタンパク質をコードす る天然に存在する配列であり得るRAP様配列を表す。さらに、これらの配列はま た、たとえば、天然に存在しない合成された配列を含むことができる。そのよう な配列は、天然のRAP cDNA配列と類似しているが、多数の所望の改変が組込まれ ている。したがって、そのような合成配列には、RAPのアナログ、フラグメント および誘導体をコードするすべての可能な配列で、そのすべてがRAP活性を有す る配列が含まれる。 天然に存在する前記の様々なRAP様配列を得るために、様々な組織からの天然 由来のDNAサンプルまたはRNAサンプルのスクリーニングおよび単離を行う標準的 手順を用いることができる。そのような手順は、天然のRAPcDNAまたはその一部 をプローブとして使用する(たとえば、Sambrookら(1989)に示される標準的な 手順を参照のこと)。 同様に、RAPのアナログ、フラグメントまたは誘導体をコードする前記の様々 な合成RAP様配列を作製するために、多数の標準的手順を、そのようなアナログ 、フラグメントおよび誘導体の調製に関して本明細書の下記に詳述されているよ うに使用することができる。 RAPタンパク質に「実質的に対応する」ポリペプチドまたはタンパク質には、R APタンパク質だけでなく、RAPアナログのポリペプチドまたはタンパク質も含ま れる。 RAPタンパク質に実質的に対応するアナログは、RAPタンパク質のアミノ酸配列 の1つまたはそれ以上のアミノ酸が、別のアミノ酸による置換、欠失および/ま たは挿入が行われているそれらポリペプチドである。ただし、この場合、得られ るタンパク質は、それが対応するRAP タンパク質と実質的に同じ生物学的活性、またはそれよりも高い生物学的活性を 示す。 RAPタンパク質に実質的に対応するために、アイソフォームなどのRAPタンパク 質類の配列における変化は、一般に、比較的小さい。変化の数は10個を超え得る が、好ましくは、変化は10個以下であり、より好ましくは、5個以下であり、最 も好ましくは、そのような変化は3個以下である。任意の技法を使用して、RAP タンパク質に実質的に対応する潜在的に生物学的に活性なタンパク質を見出すこ とができるが、そのような技法の1つは、タンパク質をコードするDNAに対する 従来の変異誘発技法の使用であり、これによって少数の改変が得られる。ついで 、そのようなクローンによる発現タンパク質は、RIPに結合して、前記の細胞内 経路のモジュレーション/メディエーションにおけるRIP活性をモジュレートす るそれらの能力についてスクリーニングすることができる。 「保存的」変化は、タンパク質の活性を変化させないことが予想されるそれら の変化であり、通常、スクリーニングしなければならない最初のものである。な ぜなら、これら変化は、タンパク質の大きさ、電荷または配置を実質的に変化さ せないことが予想され、したがってその生物学的特性を変化させないことが予想 されるからである。 RAPタンパク質の保存的置換には、ポリペプチドにおける少なくとも1つのア ミノ酸残基が、異なるアミノ酸によって保存的に置換されているアナログが含ま れる。そのような置換は、好ましくは、表IAに示す下記のリ ストにしたがって行われる。そのような置換は、RAPタンパク質の生物学的活性 特徴を維持しながら合成されたポリペプチド分子の構造的特性および機能的特性 を改変するための日常的な実験によって決定することができる。 表IA オリジナルの残基 置換の例示 Ala Gly;Ser Arg Lys Asn Gln;His Asp Glu Cys Ser Gln Asn Glu Asp Gly Ala;Pro His Asn;Gln Ile Leu;Val Leu Ile;Val Lys Arg;Gln;Glu Met Leu;Tyr;Ile Phe Met;Leu;Tyr Ser Thr Thr Ser Trp Tyr Tyr Trp;Phe Val Ile;Leu あるいは、RAPタンパク質のもう一群の置換は、ポリペプチドにおける少なく とも1つのアミノ酸残基が除去され、下記の表IBにしたがって異なる残基がその 場所に挿入される置換である。ポリペプチドにおいて行われ得る置換のタイプは 、異なる種の相同性タンパク質の間におけるアミノ酸変化の頻度分析に基づくこ とができる。 たとえば、Schulzら、G.E.、Principlcs of Protcins Structurc Springer-Vcrl ag、New York、NY、1798の表1〜表2およびCreighton,T.E.、Proteins: Struc ture and MolecularPropcrties、W.H.Frecman & Co.、San Francisco、CA 1983 の図3〜図9などに示される。そのような分析に基づいて、代替的な保存的置換 を、下記の5つのグループのうちの1つの中での交換として本明細書中に規定す る。 表IB 1 低級脂肪族、非極性またはわずかに極性の残基:Ala、Ser、Thr(Pro、Gly) ; 2 陰性に極性をおびた残基およびそれらのアミド:Asp、Asn、Glu、Gln; 3 陽性に極性をおびた残基:His、Arg、Lys; 4 高級脂肪族非極性残基:Met、Leu、Ile、Val(Cys);および 5 高級芳香族残基:Phe、Tyr、Trp 前記の括弧内の3つのアミノ酸残基は、タンパク質骨格において特別な役割を 有している。Glyは、側鎖をまったく有しない唯一の残基であり、したがって、 鎖に柔軟性を与える。しかし、この残基は、a−ヘリックス以外の二次構造の形 成を促進しやすい。Proは、他と変わ ったその幾何構造のために、鎖を強固に束縛して、一般にβ−ターン様の構造を 促進しやすい。cysは、場合によっては、タンパク質の折り畳みにおいて重要な ジスルフィド結合の形成に参加し得ることができる。Schulzら(前記参照)は、 前記のグループ1およびグループ2を合わせていることに注意すること。Tyrは 、その水素結合能のために、ScrおよびThrなどとの共通点が大きいことにも注意 すること。 本発明による保存的なアミノ酸置換、たとえば、前記のアミノ酸置換は、この 分野では知られており、アミノ酸置換後においてポリペプチドの生物学的特性お よび構造的特性を保持していることが予想される。本発明による欠失および置換 の大部分は、タンパク質またはポリペプチド分子の特徴における極端な変化をも たらさない欠失および置換である。「特質」は、二次構造、たとえば、α−ヘリ ックスまたはβ−シートにおける変化ならびに生物学的活性、たとえば、RIPに 対する結合および/または細胞死でのRIP作用のメディエーションにおける変化 の両方を規定する非包含的な様式で規定される。 本発明において使用されるRAPタンパク質アナログを得るために使用すること ができるタンパク質におけるアミノ酸置換を行う例には、任意の既知の方法の工 程が含まれ、たとえば、米国特許第RE 33,653号、同第4,959,314号、同第4,588, 585号および同第4,737,462号(Markら);同第5,116,943号(Kothsら);同第4,96 5,195号(Namenら);同第4,879,111号(Chongら);および同第5,017,691号(Leeら );および米国特許第4,904,584号(Shawら)に示されるリジン置換タンパク質 において示されている。 RAPタンパク質の活性を有意に変化させない前記の保存的な置換に加えて、保 存的な置換、または保存性があまり高くなく、そしてより大きなランダムな変化 のどちらも、RAPタンパク質のアナログの生物学的活性の増大がみちびかれる場 合には、本発明の範囲内であるものとする。 置換または欠失の正確な効果を確認しようとする場合、当業者は、置換、欠失 などの効果を日常的な結合アッセイおよび細胞死アッセイによって評価するとい うことを充分に理解している。そのような標準的な試験を使用するスクリーニン グは、過度な実験を含まない。 許容されるRAPアナログは、RIPに対する結合能を少なくとも保持し、それによ って前記の細胞内経路におけるRIPの活性を前記のようにメディエートするアナ ログである。そのようにして、いわゆる、ドミナント−ネガテイブ(dominant-n egative)効果を有するアナログを作製することができる。すなわち、RIPに対す る結合、あるいはそのような結合に伴うその後のシグナリングまたは他の活性の いずれかが不完全なアナログを作製することができる。そのようなアナログを使 用して、たとえば、RIPの作用を阻害することができ、あるいはNF-κBを誘導す る(直接的または間接的な)RIPの作用を阻害することができる。そのような阻 害は、これらの活性のいずれか一方が、RAPおよびRIPの相互作用によってモジュ レートされる主要な活性であること(前記参照)に依存し、そしてこれは、RIP に結合するために、そのようなアナログが天然のRAPと競合することによるもの である。 遺伝子レベルにおいて、これらアナログは、一般に、 RAPタンパク質をコードするDNAにおけるヌクレオチドの部位特異的変異誘発、そ れによってアナログをコードするDNAを作製し、その後、DNAを合成し、組換え細 胞培養においてポリペプチドを発現させることによって調製される。アナログは 、典型的には、天然に存在するタンパク質と同じ生物学的活性または増大した量 的な生物学的活性を示す。Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biolo gy、 Greene Publications and Wiley Interscience、New York、NY、1987- 1995;Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、Cold Spring Ha rbor Laboratory、Cold Spring Harbor、NY、1989。 本明細書によるRAPタンパク質の調製、あるいは同じポリペプチドをコードす るが、遺伝子コードの知られている縮重によって許容される変化のために天然の 配列とは異なる代わりのヌクレオチド配列の調製は、以前に調製されたアナログ または天然型のRAPタンパク質をコードするDNAの部位特異的変異誘発によって行 うことができる。部位特異的変異誘発は、特定のオリゴヌクレオチド配列を使用 することによってアナログの作製を可能にする。そのようなオリゴヌクレオチド 配列は、所望の変異ならびに充分な数の隣接ヌクレオチドのDNA配列をコードし て、橋渡ししている欠失接合部の両側で安定な二重鎖を形成するのに充分な大き さおよび配列複雑度のプライマー配列を提供する。典型的には、約20〜25ヌクレ オチドの長さのプライマーが好ましく、配列のそれぞれの側で、約5個〜10個の 相補性ヌクレオチドが変更される。一般に、部位特異的変異誘発技法はこの分野 ではよく知られており、これは、Adelmanら、DNA 2:183(1983) などの刊行物によって例示されており、この開示は参考として本明細書中に援用 される。 よく理解されているように、部位特異的変異誘発技法は、典型的には、一本鎖 形態および二本鎖形態の両方で存在するファージベクターを用いる。部位特異的 変異誘発における有用な代表的なベクターには、M13ファージなどのベクターが 含まれる。このようなファージは、たとえば、Messingら、Third Cleveland Sym posium on Macromolecules and Recombinant DNA、A.Walton編、Elsevier、Amste rdam(1981)によって開示されており、この開示は参考として本明細書中に援用さ れる。これらファージは市販されており容易に入手することができ、それらの使 用も、一般に、当業者には充分に知られている。あるいは、一本鎖ファージの複 製起点を含有するプラスミドベクター(veiraら、Meth.Enzymol.153:3、1987 )を、一本鎖DNAを得るために用いることができる。 一般に、本明細書による部位特異的変異誘発は、関連ポリペプチドをコードす るDNA配列をその配列内に含む一本鎖ベクターを最初に得ることによって行われ る。所望の変異配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーを、自動化DNA/オ リゴヌクレオチド合成によって合成する。ついで、このプラマーを、タンパク質 配列を含有する一本鎖ベクターとアニーリングし、大腸菌(E.coli)ポリメラー ゼIクレノーフラグメントなどのDNA重合化酵素で処理して、変異を有する鎖の 合成を完全にする。したがって、変異配列および第2の鎖は所望の変異を有する 。ついで、このヘテロニ重鎖ベクターを使用して、大腸菌JM101細胞などの適当 な細胞を形質転換し、変異配列の 配置を有する組換えベクターを含むクローンを選択する。 そのようなクローンを選択した後に、変異RAPタンパク質配列を取り出して、 適当なベクターに、一般には、適当な宿主のトランスフェクションのために用い ることができる種類の転移ベクターまたは発現ベクターの中に入れることができ る。 したがって、RAPタンパク質をコードする遺伝子または核酸はまた、PCRおよび 化学的なオリゴヌクレオチド合成などの既知のDNA増幅技法またはRNA増幅技法を 使用することによって、インビトロ、インサイチュウおよび/またはインビボで 、検出、入手および/または改変を行うことができる。PCRは、反復したDNAポリ メラーゼ反応による特定のDNA配列の増幅(数の増大)を可能にする。この反応 は、クローニングの代わりとして使用することができる;核酸配列の情報だけが 必要である。PCRを行うために、目的の配列に相補的なプライマーが設計される 。ついで、そのプライマーを自動化DNA合成によって作製する。プライマーは遺 伝子の任意の部分にハイブリダイズするように設計することができるので、相補 的な塩基対形成におけるミスマッチが許容され得るような条件を作ることができ る。これらミスマッチ領域の増幅によって、新しい特性を有するペプチドが生成 される変異生成物の合成(すなわち、部位特異的変異誘発)を行うことができる 。たとえば、Ausubel(前記参照)、16章もまた参照のこと。さらに、逆転写酵 素を使用する相補的DNA(cDNA)合成をPCRと組み合わせることによって、RNAは 、クローニングすることなく、プロラクチンレセプターの細胞外ドメインの合成 に必要な出発物 質として使用することができる。 さらに、PCRプライマーは、新しい制限部位または他の特徴、増幅すべき遺伝 子セグメントの終点での終止コドンなどを組み入れるように設計することができ る。増幅遺伝子配列の5'末端および3'末端での制限部位のこのような設置は、RA Pタンパク質またはそのフラグメントをコードする遺伝子セグメントを、ベクタ ー内の他の配列および/またはクローニング部位に連結するための自由な設計を 可能にする。 PCRならびにRNAおよび/またはDNAを増幅する他の方法は、この分野ではよく 知られており、本発明にしたがって、過度な実験を行うことなく、本明細書中に 示されている教示および指針に基づいて使用することができる。DNA増幅またはR NA増幅の知られている方法には、下記の方法が含まれるが、これらに限定されな い。 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および関連の増幅プロセス(米国特許第4,683,195 号、同第4,683,202号、同第4,800,159号、同第4,965,188号(Mullisら);同第4,7 95,699号および同第4,921,794号(Taborら);同第5,142,033号(Innis);同第5, 122,464号(Wilsonら);同第5,091,310号(Innis);同第5,066,584号(Gyllenst enら);同第4,889,818号(Gelfandら);同第4,994,370号(Silverら);同第4 ,766,067号(Biswas);同第4,656,134号(Ringold);およびInnisら編、PCR P rotocols: A Guideto Method and Applications)、および二本鎖DNA合成のため のテンプレートとして標的配列に対するアンチセンスRNAを使用するRNAメディエ ート増幅(米国特許第5,130,238号(Malekら)、NASBAのトレードネーム (tradename)を有する);およびDNA増幅の使用を抗体標識と組み合わせる免疫 PCR(Ruzickaら、Science260:487(1993);Sanoら、Science 258:120(1992);San oら、Biotechniques 9:1378(1991))。これらの特許および参照文献の内容はす べて参考として本明細書中にすべてが援用される。 類似した様式で、RAPタンパク質の生物学的活性フラグメント(たとえば、RAP またはそのアイソフォームの任意のフラグメント)を、RAPタンパク質のアナロ グに関して前記に記載されているようにして調製することができる。RAPタンパ ク質の適切なフラグメントは、RAPの能力を保持して、RIPの生物学的活性または RIPと直接的または間接的に会合する他のタンパク質の生物学的活性をモジュレ ートし得るか、またはメディエートし得るフラグメントである。したがって、ア ナログに関して前記されているドミナント−ネガティブ作用またはドミナント− ポジティブ作用を有するRAPタンパク質フラグメントを調製することができる。 これらフラグメントは、本発明の特別な種類のアナログであることに注意しなけ ればならない。すなわち、それらは、完全なRAPタンパク質配列(たとえば、RAP またはそのアイソフォームのいずれか1つの配列に由来)に由来するRAPタンパ ク質の規定された部分である。そのような部分またはフラグメントはそれぞれ、 前記の所望する活性のいずれかを有する。そのようなフラグメントは、たとえば 、ペプチドであり得る。 同様に、誘導体は、RAPタンパク質、そのアナログまたはフラグメントの1つ またはそれ以上のアミノ酸残基 の側鎖基の標準的な修飾によって、あるいはRAPタンパク質、そのアナログまた はフラグメントを別の分子、たとえば、抗体、酵素、レセプターなどに結合させ ることによって調製することができ、これらはこの分野で充分に知られている。 したがって、本明細書中で使用される「誘導体」は、残基あるいはN末端基また はC末端基での側鎖として存在する官能基から、この分野で知られている手段に よって調製することができる誘導体を含み、それらは本発明に含まれる。誘導体 は、炭水化物残基またはリン酸残基などの化学的部分を有し得る。ただし、この 場合、そのような画分は、RAPタンパク質と同じ生物学的活性またはそれよりも 大きな生物学的活性を有し得る。 たとえば、誘導体には、カルボキシル基の脂肪族エステル、アンモニアまたは 一級アミンもしくは二級アミンとの反応によるカルボキシル基のアミド、アシル 基(たとえば、アルカノイル基または炭素環アロイル基)によって形成されるア ミノ酸残基の遊離アミノ基のN-アシル誘導体、あるいはアシル基によって形成 される遊離ヒドロキシル基(たとえば、セリン残基またはトレオニン残基のヒド ロキシル基)のO−アシル誘導体が含まれる。 用語「誘導体」は、アミノ酸が、20個の一般的に存在する天然アミノ酸の別の アミノ酸に変更されていない誘導体のみを含むものとする。 RAPは、タンパク質またはポリペプチド、すなわち、アミノ酸残基の1つの配 列である。本明細書中の定義にしたがって、RAPタンパク質の全配列を含むより 大きな配列からなるポリペプチドは、付加が本発明の基本的で 新規な特徴に影響を与えない限り、すなわち、それらが、RAPタンパク質の生物 学的活性を保持するかまたは増大する場合、あるいはRAPタンパク質の生物学的 活性を有するタンパク質またはポリペプチドが残るように切断され得る場合、そ のようなポリペプチドの範囲の中に含まれるものとする。したがって、たとえば 、本発明は、RAPタンパク質と他のアミノ酸またはペプチドとの融合タンパク質 を含むものとする。 新しいRAPタンパク質、それらのアナログ、そのフラグメントおよび誘導体に は、多数の可能な使用法がある、たとえば: (i) RAPタンパク質、そのアナログ、そのフラグメントおよび誘導体を使用し て、前記の炎症、細胞死または細胞生存の経路のいずれかにおけるRIPの機能を モジュレートすることができる。たとえば、RAPが、NF-κB、JNK(Juneキナーゼ )またはp38キナーゼの活性化に対するRIP作用をモジュレートし得る場合、その ようなRAP作用はともに、抗腫瘍適用、抗炎症適用または前炎症適用、抗HIV適用 などにおいて所望されるときにそのようなRAP−RIP作用を増強させる。この場合 、炎症をモジュレートして、細胞傷害作用を増強するか、または細胞生存作用を 阻止するRAPタンパク質、そのアナログ、そのフラグメントまたは誘導体を、そ れ自体は知られている標準的手順によって細胞に導入することができる。たとえ ば、RAPタンパク質が(推測されているように)完全に細胞内に存在して、FAS-R リガンドまたはTNFまたは他の細胞傷害タンパク質のRIPでメディエートされる作 用が所望される細胞のみに導入しなければならない場 合には、このタンパク質の細胞への特異的な導入システムが必要である。これを 行う1つの方法は、下記の2つの遺伝子が導入されるそのDNAに対する組換え動 物ウイルス、たとえば、ワクシニアに由来する組換えウイルスを作製することに よって行われる:細胞が特異的に発現する細胞表面タンパク質、たとえば、いく つかの細胞(CD4リンパ球および関連の白血病)に特異的に結合するAIDs(HIV)ウ イルスgp120タンパク質などのタンパク質に結合するリガンド、あるいはFAS-Rま たはp55-Rを保持する細胞に特異的に結合し、その結果、組換えウイルスベクタ ーがそのようなFAS-Rまたはp55-Rを保持する細胞と結合し得る任意の他のリガン ドをコードする遺伝子;およびRAPタンパク質をコードする遺伝子。したがって 、細胞表面結合タンパク質のウイルス表面での発現によって、ウイルスは、腫瘍 細胞あるいは他のFAS-Rまたはp55-Rを保持する細胞を特異的に標的とし、その後 、RAPタンパク質コード配列がウイルスを介して細胞内に導入され、そしていっ たん細胞内で発現すると、FAS-RリガンドまたはTNFの作用のRIPメディエーシヨ ンが増強されるか、あるいは独立したRIPが増強される。そのような組換え動物 ウイルスの構築は標準的な手順によって行われる(たとえば、Sambrookら、1989 を参照のこと)。別の可能性は、RAPタンパク質(たとえば、RAPまたはそのアイ ソフォームのいずれか)の配列を、細胞によって吸収され、その中で発現し得る オリゴヌクレオチドの形で導入することである。 (ii) それらを使用して、たとえば、敗血症ショック、移植片対宿主拒絶また は急性肝炎における組織損傷など の場合において、RIPの作用によって、あるいは独立したRIPの作用によってメデ ィエートされるFAS-RリガンドまたはTNFまたは関連するタンパク質の作用を阻害 することができる。この場合、FAS-Rリガンド誘導またはTNF誘導によるFAS-Rま たはp55-Rの細胞内シグナリング経路または独立したRIPの作用、あるいは他のタ ンパク質でメディエートされるシグナリングを阻止し、同時に細胞生存の経路を 増大させることが所望される。このような状況において、たとえば、細胞に、標 準的な手順によって、RAPタンパク質のアンチセンスをコードする配列を有する オリゴヌクレオチドを導入することができる。このオリゴヌクレオチドによって 、RAPタンパク質をコードするmRNAの翻訳が効果的に阻止され、それによってそ の発現が阻止されて、FAS-RリガンドまたはTNFまたはRIPまたは他のタンパク質 の作用が阻害される。そのようなオリゴヌクレオチドは、細胞に、前記の組換え ウイルス法を使用して導入することができ、ウイルスによって保持される第2の 配列がオリゴヌクレオチド配列である。 同様に、前記のように、RAP−RIP相互作用に性質に依存して、所望する場合に 、細胞の炎症および生存の経路を増強または阻害することは、前記の(i)および( ii)によって可能であり得る。 別の可能性は、RAPタンパク質の特異的な抗体を使用して、その細胞内シグナ リング活性を阻害することである。 RIPでメディエートされる作用またはRIPの独立した作用を阻害するなお別の方 法は、最近開発されたリボザ イム法によって行われる。リボザイムは、RNAを特異的に切断する触媒作用RNA分 子である。リボザイムは、選択した標的RNA、たとえば、本発明のRAPタンパク質 をコードするmRNAを切断するように操作することができる。そのようなリボザイ ムは、RAPタンパク質のmRNAに特異的な配列を有し、それと相互作用し(相補的 な結合を形成し)、その後mRNAを切断して、RAPタンパク質の発現の低下(また は完全な喪失)をもたらし得る。低下した発現レベルは、標的細胞でのリボザイ ムの発現レベルに依存する。リボザイムを選択された細胞(たとえば、FAS-Rま たはp55-Rを保持する細胞)に導入するために、この目的のために通常使用され る任意の適切なベクター、たとえば、プラスミド、動物ウイルス(レトロウイル ス)ベクターを使用することができる(前記の(i)もまた参照のこと、この場合 、ウイルスは、第2の配列として、選択されたリボザイム配列をコードするcDNA を有する)。(リボザイムに関する総説、方法などに関しては次のものを参照の こと、Chenら、1992;ZhaoとPick、1993;Shoreら、1993;JosephとBurke、1993 ;Shimayamaら、1993;Cantorら、1993;Barinaga、1993;Crisellら、1993およ びKoizumiら、1993)。この方法は、RAP−RIP相互作用が状況において細胞の細 胞傷害性を増強し、このような細胞傷害性を阻止することが望まれる場合に、あ るいはRAP−RIP相互作用が同じ状況においてNF-κBの活性化を阻害し、そのよう なNF-κB活性化を増大させるためにこのような阻害を阻止することが望まれる場 合に適する。すなわち、両方の場合において、前記(ii)の場合のように細胞生存 を増大することが望まれ る。 (iii) RAPタンパク質、そのアナログ、フラグメントまたは誘導体を使用して 、同じクラスの別のタンパク質、すなわち、細胞内シグナリングプロセスに関与 しているRIPあるいは機能的に関連するレセプターまたはタンパク質に結合する タンパク質の単離、同定およびクローニングを行うこともできる。この適用にお いて、前記の酵母ツーハイブリッドシステムを使用することができ、あるいは、 ストリンジェントでないサザンハイブリダイゼーション、その後のPCRクローニ ングを用いる最近開発されたシステム(Wilksら、1989)を使用することができ る。ウィルクス(Wilks)らの刊行物において、ストリンジェントでないサザン ハイブリダイゼーションの適用、つづくキナーゼモチーフ、想像されたキナーゼ 配列の知られている配列に基づくPCRによるクローニングによる2つの推定のタ ンパク質−チロシンキナーゼの同定およびクローニングが記載されている。この 方法を、RAPタンパク質の配列を使用する本発明にしたがって使用し、関連するR IP結合タンパク質の配列を同定してクローニングすることができる。 (iv) 本発明のRAPタンパク質あるいはそのアナログ、そのフラグメントまたは 誘導体を利用するなお別の方法は、アフィニティークロマトグラフィーの方法に おいてそれらを使用して、それらが結合し得る他のタンパク質または因子、たと えば、細胞内シグナリングプロセスに関与している他のタンパク質または因子を 単離して同定することである。この適用において、本発明のRAPタンパク質、そ のアナログ、そのフラグメントまたは誘導体 を、個々にアフィニティークロマトグラフィーマトリックスに結合し、ついで、 細胞抽出物、あるいは細胞内シグナリングプロセスに関与していることが考えら れる単離されたタンパク質または因子と接触させることができる。アフィニティ ークロマトグラフィー手順の後に、本発明のRAPタンパク質あるいはそのアナロ グ、そのフラグメントまたは誘導体に結合する他のタンパク質または因子を溶出 して、単離および特徴づけを行うことができる。 (v) 前記のように、本発明のRAPタンパク質あるいはそのアナログ、そのフラ グメントまたは誘導体を免疫原(抗原)として使用して、それに対する特異的な 抗体もまた作製することができる。これら抗体はまた、RAPタンパク質(たとえ ば、RAPまたは任意のそのアイソフォーム)を、細胞抽出物から、あるいはRAPタ ンパク質またはそのアナログまたはそのフラグメントを産生する形質転換された 細胞株から精製するために使用することができる。さらに、このような抗体は、 RIPでメディエートされるFAS-RリガンドまたはTNFの系あるいは独立したRIP活性 の異常な機能発現、たとえば、RIPまたはRIP自身の特異的な細胞作用によってメ ディエートされる反応が過大または不充分なFAS-Rリガンド誘導またはTNF誘導の 細胞作用に関連する障害を同定するための診断目的に使用することができる。し たがって、そのような障害が、RIPタンパク質または様々な他の前記のRIP結合タ ンパク質またはRAPタンパク質自身を含む機能が不調な細胞内シグナリングシス テムに関連しているならば、そのような抗体は、重要な診断用品として役に立つ であろう。 本発明のRAPタンパク質の単離、同定および特徴づけは、充分に知られている 標準的なスクリーニング手順のいずれかを使用して実施できることにも注意しな ければならない。たとえば、これらスクリーニング手順の1つである、本明細書 中下記に示されている酵母ツーハイブリッド法を使用して、RIPタンパク質(Sta ngerら、1995を参照のこと)、続いて(前記および下記の共に所有し、共に係属 中の特許出願の様々な他の新しいタンパク質に加えて)本発明の様々なRAPタン パク質が同定された。同様に、前記および下記に記載されているように、この分 野で充分に知られているアフィニティークロマトグラフィー法、DNAハイブリダ イゼーション法などの他の手順を用いて、本発明のRAPタンパク質の単離、同定 および特徴づけ、あるいは本発明のRAPタンパク質に結合し得るさらなるタンパ ク質、因子、レセプターなどの単離、同定および特徴づけを行うことができる。 本明細書中前記に示されているように、RAPタンパク質を使用して、RAPタンパ ク質、たとえば、RAPおよびそのアイソフォームに対する特異的な抗体を作製す ることができる。このような抗体またはそのフラグメントは、本明細書中下記に 詳細に示されているように使用することができる。これらの適用において、抗体 またはそのフラグメントはRAPタンパク質に特異的な抗体であることが理解され る。 本発明にしたがって、RAPはRIPに特異的に結合し、そのように、RIPのメディ エーター/モジュレーターであり、したがって、RIPが独立してあるいは他のタ ンパ ク質(たとえば、細胞死経路におけるFAS-R、p55-R、MORT-1、MACH、Mch4、G1お よびTRADD、あるいは細胞生存経路におけるTraf2)と連携して機能する方法で、 炎症、細胞死または細胞生存の経路におけるRIP活性をメディエート/モジュレ ートし得るという知見に基づいて、所望するように、そしてこれらの経路のいず れかがRAP−RIP相互作用による増強/阻害を受けることに依存してRAP−RIP相互 作用の増強または阻害を行い得る薬剤を設計することは重要である。そのような 薬剤が非常に役に立ち得る疾患は多数存在する。とくに、肝臓に対する急性損傷 は肝細胞のFAS-Rリガンドでメディエートされる死を反映していると思われる急 性肝炎;糖尿病の原因となる膵臓のβランゲルハンス細胞の死などの自己免疫誘 導による細胞死;移植片拒絶における細胞死(たとえば、腎臓、心臓および肝臓) ;多発性硬化症における脳での稀突起膠細胞の死;およびAIDSウイルスの増殖、 したがって、AIDS疾患の原因となるAIDS阻害によるT細胞自殺である。 RAPあるいはその可能なアイソフォームの1つまたはそれ以上は、1つまたは それ以上の前記経路におけるRIPの「天然の」インヒビターとして作用し得るこ とが考えられる。したがって、これらを、RIPの前記の特異的なインヒビターと して用いることができる。同様に、ペプチド、有機化合物、抗体などの他の物質 もまた、RAP−RIP相互作用を阻害し得る特異的な薬剤を得るためにスクリーニン グすることができる。 RAP−RIP相互作用のペプチドインヒビターを設計するやり方およびスクリーニ ングするやり方の非限定的な 例は、ICEプロテアーゼまたはICE様プロテアーゼのペプチドインヒビターに対す る以前の研究、ICEの基質特異性、およびペプチド合成を使用するエピトープ分 析に関する戦略に基づく。ICEによるペプチドの効率的な切断に関する最少の必 要条件として、P1位置におけるアスパラギン酸の強い優位性が存在し、P1位置の 右側にはメチルアミンが充分である切断部位の左側に4個のアミノ酸を含むこと が見出された(Slcathら、1990;Howardら、1991;Thornberry、1992)。さらに 、Ac-DEVD-AMCと略記される蛍光性基質ペプチド(テトラペプチド)であるアセ チル-Asp-Glu-Val-Asp-a-(4-メチルクマリル-7-アミド)は、FAS-R刺激直後の 細胞、ならびに他のアポトーシスプロセスにおいて切断されることが見出された ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)内の配列に対応し(Kaufmann、1989 ;Kaufmannら、1993;Lazebnikら、1994)、そしてCPP32プロテアーゼ(CED3/IC Eプロテアーゼファミリーのメンバー)およびMACHプロテアーゼによって効率的 に切断される(同様に、G1プロテアーゼによってもまた可能である−たとえば、 共に所有し、共に係属中のイスラエル国特許出願第120367号を参照のこと)。 基質のP1位置におけるAspは重要であるようなので、4番目のアミノ酸残基と してAspを有し、はじめの3つの残基位置において様々な組合せのアミノ酸を有 するテトラペプチドを、たとえば、固相支持体上の非常に多数のペプチドが抗体 との特異的な相互作用についてスクリーニングされたゲイセン(Geysen)によっ て開発された方法(Geysen、1985;Geysenら、1987)を使用して、プ ロテアーゼ活性部位への結合に関して迅速にスクリーニングすることができる。 MACHプロテアーゼの特定ペプチドへの結合を、G1プロテアーゼの放射標識などの 当業者においてよく知られている様々な検出法によって検出することができる。 ゲイセン(Geysen)のこの方法は、1作業日あたり少なくとも4000ペプチドを試 験できることが示された。 同様な方法で、正確な結合領域またはRAPとRIPとの間の相互作用を決定する相 同性の領域を解明することができ、ついで、このような相互作用を阻止するため に作用し得るペプチド、たとえば、結合領域の配列またはその相補的な配列に類 似する配列を有し、RIPに結合するために天然のRAPと競合し得る合成ペプチドを スクリーニングすることができる。 RAP−RIP相互作用を阻害することによって、炎症またはRAPの細胞死活性を阻 害し得る薬剤またはペプチドインヒビターは、細胞内への進入を容易にする分子 との結合体または複合体を形成させることができる。 米国特許第5,149,782号は、融合性(fusogenic)ポリペプチド、イオンチャン ネル形成ポリペプチド、他の膜ポリペプチド、および長鎖脂肪酸、たとえば、ミ リスチン酸、パルミチン酸などの膜混合剤を用いて、細胞膜を通過して輸送され 得る分子を結合することを開示する。これら膜混合剤は、分子結合体を細胞膜の 脂質二重層の中に挿入し、細胞質内へのそれらの進入を容易にする。 ロウ(Low)らの米国特許第5,108,921号は、レセプターでメディエートされる エンドサイトーシス活性の機構による、タンパク質および核酸などに限定されな いこれ らの分子の膜貫通送達に関する利用可能な方法を概説している。これらレセプタ ー系には、ガラクトース、マンノース、マンノース6-リン酸、トランスフェリ ン、アシアロ糖タンパク質、トランスコバラミン(ビタミンB12)、α-2マクロ グロブリン、インスリン、および上皮成長因子(EGF)などの他のペプチド成長 因子を認識するものが含まれる。ロウ(Low)らは、ビオチンおよび葉酸に関す るレセプターなどの栄養レセプターを使用して、大部分の細胞の膜表面における ビオチンレセプターおよび葉酸レセプターの位置および多様性、ならびに会合レ セプターでメディエートされる膜貫通輸送プロセスにより、細胞膜を横断する輸 送を増強し得ることは好都合であることを教示する。したがって、細胞質内に送 達され得る化合物と、ビオチンまたは葉酸などのリガンドとの間で形成される複 合体は、ビオチンレセプターまたは葉酸レセプターを有する細胞膜と接触して、 レセプターでメディエートされる膜貫通輸送機構を開始させ、それによって所望 の化合物の細胞内への進入が可能になる。 さらに、所望するペプチド配列をリーダー/シグナルペプチド配列と融合させ て「キメラペプチド」を作製することにより、そのような「キメラペプチド」は 、細胞膜を横断して細胞質内への輸送が可能になることがこの分野で知られてい る。 ペプチド分野の当業者によって充分に理解されているように、本発明のRAP−R IP相互作用のペプチドインヒビターには、ペプチドミメティック(peptidomimet ic)薬剤またはインヒビターが含まれるものとする。これらもまた、おそらくよ り安定的であるインヒビターを設計 するために、RAP/RIPプロテアーゼに対する結合について迅速にスクリーニング することができる。 細胞膜を横断するペプチドインヒビターの輸送を容易にするかまたは増強する ための前記と同じ手段はまた、RAPまたはそのアイソフォーム自体、ならびに細 胞内でそれらの作用を発揮する他のペプチドおよびタンパク質に適用可能である こともまた理解されるであろう。 本明細書中の随所で記載されている抗体に関して、用語「抗体」は、ポリクロ ーナル抗体、モノクローナル抗体(mAb)、キメラ抗体、可溶形態または結合形 態で標識され得る抗体に対する抗イディオ型(抗Id)抗体、ならびに酵素切断、 ペプチド合成または組換え技法に限定されないが、それらなどの知られている技 法のいずれかによって提供されるそれらのフラグメントを含むことを意味する。 ポリクローナル抗体は、抗原で免疫化された動物の血清から得られる抗体分子 の不均一集団である。モノクローナル抗体は、抗原に特異的な抗体の実質的に均 一な集団を含有し、その集団は実質的に類似するエピトープ結合部位を含有する 。mAbは当業者に知られている方法により得ることができる。たとえば、Kohler とMilstein、Nature、256:495-497(1975);米国特許第4,376,110号;Ausubelら 編、HarlowとLane、ANTIBODIES:ALABORATORY MANUAL、Cold Spring Harbor Lab oratory(1988);およびColliganら編、Current Protocols in Immunology、Gree ne Publishing Assoc.およびWilcy Intersciece、N.Y.(1992-1996):その参照 文献の内容は参考として本明細書中に全体が援用される。そのような抗 体は、免疫グロブリンの任意のクラスのものが可能であり、これには、IgG、IgM 、IgE、IgA、GILDおよびその任意のサブクラスが含まれる。本発明のmAbを産生 するハイブリドーマは、インビトロ、インサイチュウまたはインビボで培養する ことができる。高力価mAbのインビボまたはインサイチュウでの産生は、現時点 での好ましい産生方法である。 キメラ抗体は、その異なる部分が異なる動物種に由来する分子であり、マウス mAbに由来する可変領域およびヒトの免疫グロブリンの定常領域を有する抗体な どである。キメラ抗体は、適用において免疫原性を低下させ、産生量を増大させ るために主に使用される。たとえば、マウスmAbは、ハイブリドーマからより大 きな収量で得られ、ヒトにおいてより大きな免疫原性を有するが、そのような場 合に、ヒト/マウスのキメラmAbが使用される。キメラ抗体およびそれらの作製 方法はこの分野で知られている(Cabillyら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81: 3273-3277(1984);Morrisonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851-6855(19 84);Boulianneら、Nature 312:643-646(1984);Cabillyら、欧州特許出願第12 5023号(1984年11月14日公開);Neubergerら、Nature 314:268-270(1985);Ta niguchiら、欧州特許出願第171496号(1985年2月19日公開);Morrisonら、欧 州特許出願第173494号(1986年3月5日公開);Neubergerら、PCT出願公開第WO 8601533号(1986年3月13日公開);Kudoら、欧州特許出願第184187号(1986年 6月11日公開);Sahaganら、J.Immunol.137:1066-1074(1986):Robinsonら、 国際特許出願公開第W0 8702671号(1987年5月7 日公開);Liuら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:3439-3443(1987);Sunら、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:214-218(1987);Betterら、Science 240:104 1-1043(1988);ならびに、HarlowとLane、ANTIBODIES:A LABORATORYMANUAL(前 記)。これらの参照文献は参考として本明細書中に全体が援用される。 抗イディオ型(抗Id)抗体は、抗体の抗原結合部位と一般に会合する特徴的な 決定基を認識する抗体である。Id抗体は、mAb、これに対して抗Idが調製されて おり、その供給源と同じ種および遺伝子型の動物(たとえば、マウス株)を免疫 化することによって調製することができる。免疫化された動物は、免疫化抗体の イディオ型決定基の認識およびこれに対する応答を、これらのイディオ型決定基 に対する抗体(抗Id抗体)を産生することによって行う。たとえば、米国特許第 4,699,880号を参照のこと。これは参考として本明細書中に全体が援用 される。 抗Id抗体はまた、いわゆる、抗−抗Id抗体を産生するさらに別の動物における 免疫応答を誘導するための「免疫原」として使用することができる。抗−抗Id抗体 は、抗Idが誘導されたオリジナルのmAbとエピトープ的に同一であり得る。した がって、mAbのイディオ型決定基に対する抗体を使用することによって、同一特 異性の抗体を発現する他のクローンを同定することができる。 したがって、本発明のRAPタンパク質、そのアナログ、フラグメントまたは誘 導体に対して惹起されたmAbを使用して、BALB/cマウスなどの適切な動物で抗Id 抗体を誘導することができる。そのような免疫化マウスから得 られた脾臓細胞を使用して、抗Id mAbを分泌する抗Idハイブリドーマを作製する ことができる。さらに、抗IdmAbは、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH) などの担体に結合させることができ、さらにBALB/cマウスを免疫化するために使 用することができる。これらマウスから得られる血清は、前記のRAPタンパク質 あるいはそのアナログ、フラグメントまたは誘導体のエピトープに特異的なオリ ジナルのmAbの結合特性を有する抗−抗Id抗体を含有するであろう。 したがって、抗Id mAbは、それ自身のイディオ型エピトープ、またはGRBタン パク質-aなどの評価されているエピトープに構造的に類似した「イディオトープ 」を有する。 用語「抗体」には、インタクト(intact)な分子、ならびに抗原を結合し得る そのフラグメント、たとえば、FabおよびF(ab')2などの両方が含まれることもま た意味する。FabフラグメントおよびF(ab')2フラグメントは、インタクトな抗体 のFcフラグメントを欠き、循環からより迅速に排除され、インタクトな抗体より も小さい非特異的組織結合を有し得る(Wahlら、J.Nucl.Med.24:316-325(198 3))。 本発明において有用な抗体のFabおよびF(ab')2ならびに他のフラグメントは、 インタクトな抗体分子に関して本明細書中に開示されている方法にしたがって、 RAPタンパク質の検出および定量化のために使用され得ることが理解される。そ のようなフラグメントは、典型的には、(Fabフラグメントを作製するための) パパインまたは(F(ab')2フラグメントを作製するための)ペプシン などの酵素を使用するタンパク質分解切断によって作製される。 抗体は、それが分子と特異的に反応し、それによりその分子を抗体に結合し得 る場合に、分子を「結合し得る」と言われる。用語「エピトープ」は、抗体が結 合し得る任意の分子のそのような部分で、そのような抗体によってもまた認識さ れ得るそのような部分を示すことを意味する。エピトープまたは「抗原決定基」 は、通常、アミノ酸または糖側鎖などの分子の化学的に活性な表面集団からなり 、特異的な三次元構造特徴ならびに特異的な電荷特徴を有する。 「抗原」は、抗体が結合し得る分子または分子の一部であり、さらに、そのよ うな抗原のエピトープに結合し得る抗体を産生させるように動物を誘導し得る。 抗原は、1つまたはそれ以上のエピトープを有し得る。前記の特異的反応は、抗 原が、選択性の高い様式で、その対応する抗体とは反応するが、他の抗原により 惹起され得る多数の他の抗体とは反応しないことを示すことを意味する。 本発明において有用な抗体、それは抗体のフラグメントを含み、そのような抗 体は、サンプル中のRAPタンパク質を定性的または定量的に検出するために、あ るいは本発明のRAPタンパク質を発現する細胞の存在を検出するために使用する ことができる。これは、光学顕微鏡検出、フローサイトメトリー検出または蛍光 測定検出と組み合わせた蛍光標識抗体(下記参照)を用いる免疫蛍光技法によっ て行うことができる。 本発明において有用な抗体(またはそのフラグメント)は、本発明のRAPタンパ ク質をインサイチュウで検出す るために、免疫蛍光顕微鏡または免疫電子顕微鏡の場合のように組織学的に用い ることができる。インサイチュウでの検出は、患者から組織学的標本を取り出し 、本発明の標識抗体をそのような標本に提供することによって行うことができる 。抗体(またはフラグメント)は、好ましくは、標識抗体(またはフラグメント )を生物学的サンプルに塗布または重層することによって提供される。そのよう な手順を使用することによって、RAPタンパク質の存在だけでなく、試験組織に おけるその分布をも決定することができる。本発明を使用して、当業者は、(染 色手順などの)広範囲の様々な組織学的方法のいずれかを、そのようなインサイ チュウでの検出を行うために改変し得ることを容易に理解する。 本発明のRAPタンパク質に関するそのようなアッセイは、典型的には、生物学 的体液、組織抽出物、リンパ球または白血球などの新しく採取した細胞、あるい は組織培養でインキュベートされている細胞などの生物学的サンプルを、RAPタ ンパク質を同定し得る検出可能な標識抗体の存在下でインキュベートすること、 およびこの分野で充分に知られている多数の技法のいずれかによってその抗体を 検出することからなる。 生物学的サンプルは、ニトロセルロースなどの固相支持体または担体で、ある いは細胞、細胞粒子または可溶性タンパク質を固定化し得る他の固体支持体また は担体で処理することができる。ついで、支持体または担体は、適切な緩衝液で 洗浄され、その後、前記の本発明による検出可能な標識抗体で処理することがで きる。ついで、固相支持体または担体を緩衝液で2回洗浄して、未結合 抗体を除去することができる。ついで、前記の固体支持体または担体上に結合し た標識の量を従来の手段により検出することができる。 「固相支持体」、「固相担体」、「固体支持体」、「固体担体」、「支持体」 または「担体」は、抗原または抗体を結合し得る任意の支持体または担体を意図 する。よく知られている支持体または担体には、ガラス、ポリスチレン、ポリプ ロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロンアミラーゼ、天然セルロース および修飾セルロース、ポリアクリルアミド、ガブロス(gabbros)およびマグ ネタイトが含まれる。担体の性質は、本発明の目的のためには、ある程度の可溶 性または不溶性であり得る。支持体物は、実際には、結合分子が抗原または抗体 に結合し得る限り、任意の可能な構造的形状を有し得る。したがって、支持体ま たは担体の形状は、ビーズの場合のような球状であり得るか、あるいは試験管内 面または棒外面の場合のような円柱状であり得る。あるいは、表面は、シート、 試験紙などのように平坦であり得る。好ましい支持体または担体には、ポリスチ レンビーズが含まれる。当業者は、抗体または抗原の結合に適切な多くの他の担 体を知っているか、または日常的な実験での使用によってこれらを確認し得るで あろう。 前記の本発明の抗体の与えられたロットの結合活性は、よく知られている方法 にしたがって測定することができる。当業者は、日常的な実験を用いることによ って、それぞれの測定に関して適切で最適なアッセイ条件を決定することができ る。 洗浄、攪拌、振盪、ろ過などの他の工程を、特定の状 況について慣用的に、あるいは必要であるように、アッセイに加えることができ る。 本発明による抗体を検出可能に標識し得る方法の1つは、抗体を酵素に結合す ることによって行われ、酵素免疫アッセイ(EIA)で使用される。ついで、この 酵素は、その後適切な基質に曝されたときに、たとえば、分光光度法的手段、蛍 光光度法的手段または視覚的手段により検出され得る化学物質が産生されるよう な様式で基質と反応する。抗体を検出可能に標識を行うために使用され得る酵素 には、下記の酵素が含まれるが、これらに限定されない:マレイン酸デヒドロゲ ナーゼ、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、δ-5-ステロイドイソメラーゼ、酵母アルコ ールデヒドロゲナーゼ、α-グリセロリン酸デヒドロゲナーゼ、トリオースリン 酸イソメラーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、アス パラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、リボヌクレア ーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、グル コアミラーゼ、およびアセチルコリンエステラーゼ。検出は、酵素の発色性基質 を用いる比色法によって行うことができる。検出はまた、同じように調製した標 準と比較して、基質の酵素反応の程度を視覚的に比較することによって行うこと ができる。 検出は、様々な他の免疫アッセイのいずれかによって行うことができる。たと えば、抗体または抗体フラグメントを放射能標識することによって、R-PTPaseを 、放射免疫アッセイ(RIA)の使用により検出することができる。RIAの適切な説明 は、ワーク ティー エス(Work,T.S.) らによるLaboratory Techniques and Biochemistry in Molecular Biology (Nor th Holl and Publishing Company、NY(1978))に見出すことができる。とくに、 チャード ティー(Chard,T.)による「An Introduction to Radioimmune Assay and Related Techniques」と題される章を参照すること。これは参考として本明 細書中に援用される。放射性同位元素は、gカウンターまたはシンチレーション カウンターを使用するような手段によって、あるいはオートラジオグラフィーに よって検出することができる。 本発明による抗体を蛍光性化合物で標識することもまたは可能である。蛍光標 識された抗体をその適切な波長の光に曝したときに、その存在を、蛍光により検 出することができる。最も一般的に使用される蛍光標識化合物には、フルオレセ インイソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリン、ピコシアニン、アロ フィコシアニン、o-フタルアルデヒドおよびフルオレスカミンがある。 抗体はまた、152Eまたはランタニド系列の他の金属などの蛍光放出金属を使 用して検出可能に標識することができる。これら金属は、ジエチレントリアミン 五酢酸(ETPA)などの金属キレート基を使用して抗体に結合させることができる。 抗体はまた、化学発光性化合物に結合させることによって検出可能に標識する ことができる。ついで、化学発光標識された抗体の存在は、化学反応の途中で生 成する発光の存在を検出することによって測定される。とくに有用な化学発光標 識化合物の例は、ルミノール、イソルミノール、テロマチック(theromatic)ア クリジニウムエステル、イミダゾール、アクリジニウム塩およびシュ ウ酸エステルである。 同様に、生物発光性化合物を使用して本発明の抗体を標識することができる。 生物発光は、触媒活性タンパク質が化学発光反応の効率を増大させる生物学的シ ステムで見出されている一種の化学発光である。生物発光性タンパク質の存在は 、発光の存在を検出することによって測定される。標識するための重要な生物発 光性化合物は、ルシフェリン、ルシフェラーゼおよびエクオリンである。 本発明の抗体分子は、「ツーサイト」アッセイまたは「サンドイッチ」アッセ イとしても知られている免疫測定アッセイでの利用のために適合化され得る。代 表的な免疫測定アッセイにおいては、一定量の未標識抗体(または抗体フラグメ ント)を固体支持体または担体に結合させ、一定量の検出可能な可溶性標識抗体 を添加して、固相抗体、抗原および標識抗体の間で形成される三元複合体の検出 および/または定量を可能にする。 代表的で好ましい免疫測定アッセイには、固相に結合した抗体を最初に試験サ ンプルと接触させて、固相抗体−抗原の二元複合体形成によってサンプルから抗 原を抽出する「フォワード」アッセイが含まれる。適切な時間のインキュベーシ ョンを行った後に、固体支持体または担体を洗浄して、もし未反応抗原が存在し ているならば、未反応抗原を含む体液サンプルの残渣を除き、ついで未知量の標 識抗体(これは「レポータ−分子」として機能する)を含有する溶液と接触させ る。標識抗体が、未標識抗体を介して固体支持体または担体に結合した抗原との 複合体を形成し得る第2のインキュベーションを行った後に、固体支持体または 担体を2回洗浄して、未反応 の標識抗体の残土を除く。 別のタイプの「サンドイッチ」アッセイにおいて、これもまた本発明の抗原に よって有用であり得るが、いわゆる、「同時」アッセイおよび「リバース」アッ セイが使用される。同時アッセイは、固体支持体または担体に結合した抗体およ び標識抗体がともに試験サンプルに同時に添加されるように、単一のインキュベ ーション工程を含む。インキュベーションが終了した後に固体支持体または担体 を洗浄して、体液サンプルおよび複合体を形成しなかった標識抗体の残渣を除く 。ついで、固体支持体または担体と結合した標識抗体の存在を、従来の「フォワ ード」サンドイッチアッセイの場合のように測定する。 「リバース」アッセイでは、最初に、標識抗体の溶液を体液サンプルに徐々に 添加し、その後、適切な時間のインキュベーションの後に、固体支持体または担 体へ結合した未標識の抗体の添加が行われる。第2のインキュベーションを行っ た後に、固相を従来の様式で洗浄して、試験サンプルの残渣および反応しなかっ た標識抗体の溶液を除く。ついで、固体支持体または担体に結合した標識抗体を 、「同時」アッセイおよび「フォワード」アッセイの場合のように測定する。 本発明のRAPタンパク質は、標準的な組換えDNA手順によって作製することがで きる(たとえば、Sambrookら、1989およびAnsabelら、1987-1995、前記参照)。 この場合、この分野で充分に知られている適切な真核生物または原核生物の宿主 細胞が、タンパク質をコードする配列を含有する適当な真核生物ベクターまたは 原核生物ベクターによって形質転換される。したがって、本発明 はまた、本発明のタンパク質を製造するためのそのような発現ベクターおよび形 質転換宿主に関する。前記のように、これらタンパク質には、それらの生物学的 に活性なアナログ、フラグメントおよび誘導体も含まれ、したがって、それらを コードするベクターには、これらタンパク質のアナログおよびフラグメントをコ ードするベクターも含まれ、形質転換宿主には、そのようなアナログおよびフラ グメントを産生する宿主が含まれる。形質転換宿主によって産生されるこれらタ ンパク質の誘導体は、タンパク質あるいはそれらのアナログまたはフラグメント の標準的な改変によって製造される誘導体である。 本発明はまた、RAPタンパク質をコードする組換え動物ウイルスベクターから なる医薬組成物に関する。そのようなベクターはまた、細胞内にRAPタンパク質 配列を挿入させるため特定の標的細胞(たとえば、ガン細胞)の表面タンパク質 を結合し得るウイルス表面タンパク質をコードする。さらに、本発明の医薬組成 物は、活性成分として、(a)RAPタンパク質配列のアンチセンス配列をコードす るオリゴヌクレオチド配列、または(b)RAP−RIP相互作用を阻止する薬剤を含む 。 本発明による医薬組成物は、その意図される目的を達成するのに充分な量の活 性成分を含む。さらに、医薬組成物は、当業者に充分に知られているように、賦 形剤および補助剤からなる薬学的に許容され得る適切な担体を含有することがで き、そのような賦形剤および補助剤は、薬学的に使用され得る製剤への活性化合 物の加工を容易にし、それを必要とする患者に投与するためのそのような製剤を 安定化し得る。 RAPタンパク質およびそのアイソフォームまたはアイソタイプは、前記の共に 所有し、共に係属中の特許出願に示されているように、異なる組織で、著しく異 なるレベルで、そしてさらに細胞内シグナリング経路に関与している様々な他の タンパク質の発現に類似する様式で明らかに異なるパターンのアイソタイプを伴 って発現されていることが考えられる。これらの違いは、おそらくは、Fas/APO1 リガンドおよびTNFに対する応答の組織特異的な特徴に寄与し得る。他のCED3/IC Eホモログの場合(Wangら、1994;Alnemriら、1995)のように、本発明者らは、 不完全なCED3/ICE領域を含有するMACHアイソフォーム(たとえば、MACHα3)が 、同時に発現したMACHα1分子またはMACHα2分子の活性に対する阻害作用を有す ることを見出したことを以前に(前記の特許出願において)明らかにしている;そ れらはまた、Fas/APO1およびp55-Rによる死の誘導を阻止することが見出されて いる。そのような阻害性アイソフォームの細胞での発現は、Fas/APO1でメディエ ートされる細胞傷害性およびTNFでメディエートされる細胞傷害性に対する細胞 の自己防御機構を構成し得る。少なくともいくつかのG1アイソフォームの類似す る阻害性作用もまた考えられる(G1は、最近単離された新しいMch4結合タンパク 質であり、おそらくは、MACH結合タンパク質であり、MORTモジュールおよびプロ テアーゼドメインを有するMORT-1結合タンパク質でもある−共に所有し、共に係 属中のイスラエル国特許出願第120367号を参照のこと)。MACHアイソフォームの 広い不均一性、および同様にG1アイソフォームの考えられる類似した不均一性は 、CED3/ICE ファミリーの他のプロテアーゼのいずれかについて観測されている不均一性を大 きく上回り、活性なMACHアイソフォーム、そして類似により、さらに活性なG1ア イソフォームの機能のとくに細かい調整を可能にし得る。したがって、前記のよ うに、RAPタンパク質または可能なアイソフォームは、RIPとのそれらの相互作用 およびそれらの影響に関して異なる組織における様々な作用、それによって前記 の細胞死または細胞生存の経路の活性化の間におけるバランスに対して様々な作 用を有する。 いくつかの可能なRAPアイソフォームが他の機能を示すこともまた可能である 。たとえば、RAPまたはいくつかのRAPアイソフォームはまた、RIPとの相互作用 を介して、あるいはRIPとは独立的にさえ、Fas/APO1およびTNFレセプターの細胞 傷害性でない他の作用に関与している分子のドッキング(docking)部位として 作用し得る。 炎症、細胞死を引き起こすFas/APO1およびTNFレセプターの特徴的な能力、な らびに他の組織損傷活性を引き起こすTNFレセプターの能力のために、これらの レセプターの機能における異常は、生物にとってとくに有害であり得る。実際、 これらのレセプターの過度な機能発現および不充分な機能発現はともに、様々な 疾患の病理的発現に寄与していることが明らかにされている(Vassalli、1992; NagataとGolstein、1995)。レセプターのシグナリング活性に参加している分子 の同定およびこれら分子の活性をモジュレートする方法の発見は、新しい治療法 を導き得る。本発明の他の面は下記の実施例から明らかである。 次に、本発明を、下記の非限定的な実施例および添付 する図面においてより詳細に説明する。 下記の手順は、本発明のRAPおよびその可能なアイソフォームの対応する単離 、クローニングおよび特徴づけに(いくらかの改変を伴って)等しく適用できる ことにもまた注意しなければならない:(i)ツーハイブリッドスクリーニングお よびツーハイブリッドβ-ガラクトシダーゼ発現試験;(ii)タンパク質の誘導発 現、代謝的標識および免疫沈降;(iii)インビトロ結合;(iv)細胞傷害性の評価 ;および(v)ノーザン分析および配列分析(Boldinら、1995bもまた参照のこと )、MORT-1およびMORT-1結合タンパク質(たとえば、MACH)ならびに新しく単離 されたタンパク質G1(イスラエル国特許出願第120367号)に関する下記の2、3( Boldinら、1996もまた参照のこと)および4。したがって、これらの手順は、本 発明によるRAPの単離、クローニングおよび特徴づけのために使用される同じ手 順の完全な開示と解釈される。これらは、共に所有し、共に係属中のイスラエル 国出願第114,615号、同第114,986号、同第115,319号、同第116,588号、同第117, 932号および同第120367号、ならびに対応するPCT出願第PCT/US96/10521号におけ る同一の型式または同等の型式で詳述されている。さらに、NIKタンパク質およ びNF-κBの活性化におけるその役割、したがって、細胞生存およびこの細胞生存 経路におけるTraf2によって果たされる役割、たとえば、Traf2とRIPと他のタン パク質との間の相互作用に関して、これらは、本発明者らにより、共に係属中の 共に所有するイスラエル国出願第117800号、同第119133号、およびマリニン(Ma linin)ら、1997に詳しく記載されている。実施例:RIPタンパク質に結合するRAPタンパク質のクローニングおよび単離 (i)ツーハイブリッドスクリーニング配列分析および予備的な分析 B細胞ライブラリーにおいて、おとり(bait)としてそのデスドメインを欠く RIPを用いてツーハイブリッドスクリーニング(たとえばFieldsとSongら、1989 、WO/96/18641を参照のこと)を使用して、約1.9Kbの大きさのクローンを単離し 、配列分析を行った。 この配列の5'末端由来のプライマーを設計し、調製した。PCRを用いて、いく つかのcDNAライブラリーをスクリーニングした。結腸のcDNAライブラリーおよび 心臓のcDNAライブライリーの両方から、約0.3kBのクローンを得て、B細胞ライ ブラリーから得られた約1.9kBクローンにライゲートした。 約2.2kBの新しいクローンを配列分析し(図1参照)そしてその推定アミノ酸 配列を決定した(図2)。 配列の分析は、RAPタンパク質は明らかに「デスドメイン」を有していないこと 、それはMORTモジュール(MORTMODULE)を有していないこと、ICEファミリーのプ ロテアーゼドメインのようなプロテアーゼドメインを有していないこと、キナー ゼドメインを有していないこと、それはTRAFドメインをも有していないことを示 す(前記の共に所有し、共に係属中の特許出願および様々な参照文献、とくに細 胞内シグナリング経路に存在する全ての様々なドメインに関するMalininら、199 7を参照のこと)。結合の研究により、RAPは本質的にRIPに結合するだけであり 、RAPはTRADD、MORT-1、p55-R、p75-R およびMACHに結合することができないことが明らかとなった。 したがって、RAPは、非常に特異的な方法で、おそらく今日までに単離された 他の細胞内シグナリングタンパク質に存在しない結合ドメイン領域を介して、RI Pに相互作用/結合する特異的なRIP結合タンパク質であるようである。RAPは、 炎症および細胞死/細胞生存の経路のRIPによるモジュレーション/メディエー ションにおいて重要な役割を有するRIPの細胞内活性の特異的なモジュレーター /メディエーターであるようである。 簡単に記載すると、RAPタンパク質のクローンを得、つづいて「おとり」とし てRIPの「デスドメイン」領域を欠くRIPタンパク質のフラグメントを使用してヒ ト抹消血リンパ球ツーハイブリッドcDNAライブラリーのツーハイブリッドスクリ ーニングを行なった。RIPの配列は、以前の刊行物(たとえば、Stangerら、1995 )から、またヒトRIPの配列である受け入れ番号U25994によりGenBankデータベー スに存在するものとして(受け入れ番号U25995によりマウスRIPの配列もまた存 在する)入手可能であった。この配列情報を用いて、適当なPCRプライマーをOLI GO4(登録商標)ソフトウェアにより設計し、RIPのコード部分に対応するがC末 端の「デスドメイン」領域を欠いているDNAフラグメントを、全RNAヒト繊維芽細 胞ライブラリー由来のテンプレートcDNAを用いてPCRにより得た(標準的な方 法を使用)。ついで、RIPの「デスドメイン」領域を欠くこのRIPのコード部分を pGBT-9ベクター(クロンテック(Clontech))にクローン化し、そして前記のように ツーハイブリッド スクリーニング法においておとりとして用いた。このツーハイブリッドスクリー ニングにおいて、多くのクローンが得られ、全てのものが「デスドメイン」(RI PのC末端領域)の外側のRIPの領域においてRIPと相互作用するRIP結合タンパク 質であるタンパク質についてコードしており、これはRIPの「おとり」に存在し ていなかった。前記のごとくさらに実施したのち、図1にその配列が示されるcD NAクローンを得た。 RAPクローンの前記配列および「dbest」データベース、ヒトゲノムデータベー スレベル1およびGenBankデータベースにおける配列の分析により、RAP配列は、 このRAP配列に有意な相同性を示す既知の配列がまったくない独特の(新規な) 配列であることが明らかとなった。 結合アッセイ試験を行ない、RAPは他の既知の細胞内シグナリングタンパク質 のいずれかと結合し得るかどうかを調べた。これらの試験において、タンパク質 TRADD、MORT-1、p55-R、p75-R、MACHをRAPに結合するそれらの能力について試験 した。しかしながら、RAPはこれらのタンパク質のいずれとも結合できないこと が見出された。RAPはまた、関連のないコントロールのタンパク質、たとえば、 ラミン、サイクリンDのいずれとも結合しなかった。 したがって、前記全ての結果は、新しいRAPタンパク質はおそらく非常に特異 的な様式でRIPと相互作用し、そのようにして、RIPの特異的なモジュレーター/ メディエーターであり得ることを示している。RAPおよびRIP間の相互作用の正確 な部位は未だ決定されていないが、この部位はRIPおよびRAPに特異的なものであ り、 かつRIPと相互作用することが知られている他のタンパク質、たとえばMORT-1、T RADD、FAS-RおよびおそらくTraf2(Malininら、1997参照)によっても共有され てはいないようである。また、(前記の配列分析および様々なデータベースにお ける配列との比較から)RAPは「デスドメイン」、MORTモジュール、プロテアー ゼドメイン(たとえば、ICE/CED3モチーフ)、キナーゼドメイン/モチーフ、T RAFドメインをも有していないということが明らかである。これと一致して、予 備的な生物学的活性分析によりまた、RAPは明らかに下記の特徴を有することが 明らかとなった: (i)RAPは、過剰発現された場合にそれ自身で細胞に有毒ではない; (ii)RAPはTNF殺傷から細胞を保護せず、したがって、明らかにTNF誘導の細胞 の細胞損傷性のインヒビターではない; (iii)RAPはそれ自身でNF-κBを誘導しない; (iv)RAPはTRADD、RIPおよびp55TNF−RによるNF-κBの活性化を阻止しない; (v)RAPはまた、RIPにより生ずるJNK(Junキナーゼ)誘導を阻止することも見 出された。 したがって、前記を考慮し、RAPは非常に特異的なRIP結合タンパク質、それゆ えRIPモジュレーター/メデイエーターであるようであり、RIPでメディエートさ れる細胞内シグナリング経路に関与しているようである。 前記を参照し、RAPは細胞の内側でRIP活性のモジュレーション/メディエーシ ョンに関与しているようである。RIP活性には、炎症および細胞死の経路(独立 にそ の「デスドメイン」を介して、またはMORT-1、TRADD、p55-R、FAS-RおよびMACH 、Mch4、G1などの関連するプロテアーゼとの相互作用を介して)におけるRIPの 関与があり、また細胞生存経路(NF-κBの活性化、おそらくTraf2との相互作用 を介して)におけるRIPの関与がある。RAPがRIPの活性をモジュレート/メディ エートし得る可能な方法を本明細書中前記に詳述している。たとえば、RAP−RIP 相互作用は細胞死または細胞生存の経路のいずれかを増強し得、または細胞死ま たは細胞生存の経路のいずれかを阻害し得、この増強または阻害は、おそらくこ れら2つの相反する細胞内経路の他のメンバーの相対的な活性に依存している。 RAPはドッキングタンパク質としても作用し得、多くのRIP分子および他のRIP結 合タンパク質またはRAP結合タンパク質の凝集を提供し得る。ついで、その凝集 は、細胞におけるこれら経路の他のメンバーの相対的な活性/量に依存する細胞 死または細胞生存の方向のいずれか(あるいは両方でさえ)において機能し得る 。 これまで、本発明を充分に説明してきたが、本発明は、本発明の精神および範 囲から逸脱することなく、そして過度の実験を行うことなく、広範囲の等価なパ ラメーター、濃度および条件において同じことを実施し得ることは、当業者によ って充分に理解されるであろう。 本発明をその具体的な態様と関連して説明してきたが、さらなる改変が可能で あることは理解されるであろう。本出願は、一般に、本発明の原理にしたがい、 そして本発明が関係する分野において知られている操作または慣用的な操作で生 じるような本開示からの発 展、ならびに本明細書の前記に記される本質的な特徴に適用することができ、添 付した請求の範囲内においてしたがうような本開示からの発展を含む本発明の任 意の変化、使用または適応を含むものとする。 本明細書中に引用されるすべての参照文献は、雑誌の記事または要約、公開さ れたまたは対応の米国特許または外国特許出願、発行された米国特許または外国 特許、あるいはいずれかの他の参照文献を含み、本明細書中に参考として、すべ てのデータ、表、図および参照文献に示される本文を含むすべてが援用される。 さらに、本明細書中に引用された参照文献における引用文献の内容のすべてもま た、参考としてすべてが援用される。 既知の方法の工程、従来の方法の工程、既知の方法または従来の方法に対する 参照は、いかなる点においても、本発明の任意の面、説明または態様が関連分野 において開示、教示または示唆されていることを承認するものではない。 特定の態様の前記説明は、本発明の一般的な性質を完全に明らかにしているの で、(本明細書中に引用された参照文献の内容を含む)この分野の技術内の知識 を適用することによって、過度な実験を行うことなく、本発明の一般的な思想か ら逸脱することなく、様々な適用のために、そのような特定の態様の容易な改変 および/または適応を行うことが可能である。したがって、そのような適応およ び改変は、本明細書中に示された教示および指針に基づいて、開示された態様の 均等物の意味および範囲に含まれるものとする。本明細 書中の表現または用語は、説明するためのものであり、限定するためのものでは ない。したがって、本明細書中の用語または表現は、当業者の知識との組合せに おいて、本明細書中に示される教示および指針を参照して当業者により解釈され 得ることを理解しなければならない。参照文献
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 16/18 C12P 21/02 C C12N 1/21 C12Q 1/68 A 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12P 21/02 5/00 B C12Q 1/68 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 コバレンコ、アンドレイ イスラエル国、76100 レホボト、ワイズ マン インスティチュート オブ サイエ ンス、ベイト クローレ(番地なし)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. RIPに結合し得、かつRIPの細胞内活性をモジュレートまたはメディエートし 得るRIP会合タンパク質(RAP)、そのアイソフォーム、フラグメントまたはアナ ログをコードするDNA配列。 2. (a)天然のRAPタンパク質のコード領域に由来するcDNA配列; (b)適度なストリンジェント条件下に(a)の配列にハイブリダイゼーションし得 、かつ生物学的に活性なRAPタンパク質をコードするDNA配列;および (c)(a)および(b)に規定されるDNA配列に対する遺伝コードの結果として縮重し 、かつ生物学的に活性なRAPタンパク質をコードするDNA配列、 からなる群から選択された請求の範囲第1項記載のDNA配列。 3. 図1に示される配列からなる請求の範囲第1項記載のDNA配列。 4. 図1に示される配列からなり、かつ少なくとも1つの活性なRAPタンパク質 、アイソフォーム、アナログまたはフラグメントをコードする請求の範囲第1項 または第2項記載のDNA配列。 5. 請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1つに記載のDNA配列からなるベクタ ー。 6. 真核生物宿主細胞内で発現され得る請求の範囲第6項記載のベクター。 7. 原核生物宿主細胞内で発現され得る請求の範囲第6項記載のベクター。 8. 請求の範囲第5項〜第7項のいずれか1つに記載のベクターを含有する形質 転換された真核生物宿主細胞または原核生物宿主細胞。 9. 前記タンパク質、そのアイソフォーム、フラグメント、アナログまたは誘導 体がRIPと結合し得、かつ炎症、紐胞生存または細胞死の経路において、RIPがこ れらの経路の他の細胞内モジュレーターまたはメディエーターと結合することに より直接的または間接的に関与し、これらの経路においてRIPの細胞内活性をモ ジュレートまたはメディエートし得る、請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1 つに記載のDNA配列によりコードされるRAPタンパク質、そのアイソフォーム、フ ラグメント、機能的アナログまたは誘導体。 10.前記タンパク質、アイソフォーム、アナログ、フラグメントおよび誘導体が 図2に示されるアミノ酸配列の少なくとも一部を有する、請求の範囲第10項記載 のRAPタンパク質、そのアイソフォーム、フラグメント、アナログおよび誘導体 。 11.前記タンパク質、アナログまたは誘導体の発現に適する条件下で請求の範囲 第10項記載の形質転換された宿主細胞を増殖すること、前記タンパク質、フラグ メント、アナログまたは誘導体を得るために必要な転写後修飾を行なうことおよ び前記発現タンパク質、フラグメント、アナログまたは誘導体を単離することか らなる、請求の範囲第9項または第10項記載のRAPタンパク質、そのアイソフォ ーム、フラグメント、アナログまたは誘導体の製造法。 12.請求の範囲第9項または第10項記載のRAPタンパク 質、アイソフォーム、フラグメント、アナログまたは誘導体に特異的な抗体また はその活性なフラグメントまたは誘導体。 13.RIPに結合し得、かつRIPの前記細胞内活性をモジュレートまたはメディエー トし得る請求の範囲第9項または第10項記載のRAPタンパク質、アイソフォーム 、アナログ、フラグメントまたは誘導体の1つまたはそれ以上による前記細胞の 処置からなり、前記細胞の前記処置が前記1つまたはそれ以上のタンパク質、ア イソフォーム、アナログ、フラグメントまたは誘導体を、前記細胞に、その細胞 内導入に適する形で導入すること、または前記1つまたはそれ以上のタンパク質 、アイソフォーム、アナログ、フラグメントまたは誘導体をコードするDNA配列 を、前記細胞に、前記配列を保持する適当なベクターの形で導入することからな り、前記ベクターが前記配列が前記細胞において発現されるように前記配列を前 記細胞に挿入し得る、炎症、細胞死または細胞生存の経路、それらにおいてRIP がこれら経路の他のモジュレーター/メディエーターを介して直接的または間接 的に関与する、それら経路でのRIPでモジュレート/メディエートされる細胞内 作用のモジュレーションまたはメディエーションのための方法。 14.細胞の前記処置が前記RAPタンパク質、アイソフォーム、アナログ、フラグ メントまたは誘導体をコードするDNA配列を、前記配列を保持する適当なベクタ ーの形で前記細胞に導入することからなり、前記ベクターが前記配列が前記細胞 において発現されるように 前記配列を前記細胞に挿入し得る、請求の範囲第14項記載の細胞でのRIPでモ ジュレート/メディエートされる作用のモジュレーションのための方法。 15.(a)処置される前記細胞の表面における特定の細胞表面レセプターに結合し 得るウイルス表面タンパク質(リガンド)をコードする配列および前記細胞で発現 された場合にRIPの活性をモジュレート/メディエートし 得る、請求の範囲第 9項または第10項記載のRAPタンパク質、アイソフォーム、アナログ、フラグメ ントおよび誘導体から選択されたタンパク質をコードする第2の配列を保持する 組換え動物ウイルスベクターの構築;および (b)前記(a)のベクターによる前記細胞の感染、 の工程からなる前記細胞の前記処置が組換え動物ウイルスベクターによる前記 細胞のトランスフェクションにより行なわれる請求の範囲第13項または第14項記 載の方法。 16.請求の範囲第12項記載の抗体またはその活性なフラグメントまたは誘導体に より前記細胞を処置することからなり、前記処置が前記抗体、その活性なフラグ メントまたは誘導体を含有する適当な組成物の前記細胞への適用により行なわれ 、前記細胞のRAPタンパク質またはその一部が細胞外表面に曝される場合には、 前記組成物は細胞外適用のために処方され、かつ前記RAPタンパク質が細胞内で ある場合には、前記組成物は細胞内適用のために処方される、細胞でのRIPでモ ジュレート/メディエートされる作用をモジュレートするための方法。 17.請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1つに記載のRAPタンパク質をコード するDNA配列の少なくとも一部についてのアンチセンス配列をコードするオリゴ ヌクレオチド配列により前記細胞を処置することからなり、前記オリゴヌクレオ チド配列がRAPタンパク質の発現を阻止し得る、細胞でのRIPでモジュレート/メ ディエートされる作用をモジュレートするための方法。 18.前記オリゴヌクレオチド配列が請求の範囲第15項記載のウイルスを介して前 記細胞に導入され、前記ウイルスの前記第2の配列が前記オリゴヌクレオチド配 列をコードする、請求の範囲第17項記載の方法。 19.(a)特定の腫瘍細胞表面レセプターまたはHIV感染細胞表面レセプターまたは 他の疾患細胞により保持されるレセプターに結合し得るウイルス表面タンパク質 をコードする配列および前記腫瘍細胞、HIV感染細胞、または他の疾患細胞にお いて発現された場合に、RIPでモジュレート/メディエートされる前記細胞の直 接または間接の殺傷を増強し得る、請求の範囲第9項または第10項記載のRAPタ ンパク質、アイソフォーム、アナログ、フラグメントおよび誘導体から選択され るタンパク質をコードする配列を保持する組換え動物ウイルスベクターの構築; および (b)(a)の前記ベクターによる前記腫瘍細胞またはHIV感染細胞または他の疾患 細胞の感染、 からなる腫瘍細胞またはHIV感染細胞または他の疾患細胞を処置するための方 法。 20.リボザイム法を適用することからなり、その方法に おいて、請求の範囲第9項または第10項記載のRAPタンパク質をコードする細胞m RNA配列と相互作用し得るリボザイム配列をコードするベクターが、前記細胞内 で前記リボザイム配列が発現可能な形で前記細胞に導入され、そして前記リボザ イム配列が前記細胞内で発現される場合に、それが細胞mRNA配列と相互作用し、 かつ前記mRNA配列を切断し、その結果、前記細胞内で前記RAPタンパク質の発現 を阻止する、細胞でのRIP作用をモジュレートするための方法。 21.酵母ツーハイブリッド法を適用することからなり、その方法において、前記 RIPをコードする配列が1つのハイブリッドベクターにより保持され、かつcDNA ライブラリーまたはゲノムDNAライブラリー由来の配列が第2のハイブリッドベ クターにより保持され、ついでそれらベクターを使って酵母宿主細胞を形質転換 し、そしてポジティブの形質転換細胞を単離し、その後、前記第2のハイブリッ ドベクターを抽出して前記RIPに結合するタンパク質をコードする配列を得る、R IPに直接的に結合し得る請求の範囲第9項または第10項記載のタンパク質を単離 および同定するための方法。 22.前記タンパク質がRAPアイソフォーム、そのアナログ、フラグメントおよび 誘導体の少なくとも1つである請求の範囲第13項〜第21項のいずれか1つに記載 の方法。 23.活性成分として、請求の範囲第9項または第10項記載の少なくとも1つのRA Pタンパク質、その生物学的に活性なフラグメント、そのアナログ、誘導体また は 混合物からなる、細胞でのRIP作用のモジュレーションのための医薬組成物。 24.活性成分として、細胞表面レセプターを結合し得るタンパク質をコードし、 かつ請求の範囲第9項または第10項記載の少なくとも1つのRAPタンパク質、ア イソフォーム、活性なフラグメントまたはアナログをコードする組換え動物ウイ ルスベクターからなる、細胞でのRIP作用をモジュレートするための医薬組成物 。 25.活性成分として、請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1つに記載のRAPタ ンパク質DNA配列のアンチセンス配列をコードするオリゴヌクレオチド配列から なる、細胞でのRIP作用をモジュレートするための医薬組成物。 26.RIPに結合し得る請求の範囲第9項または第10項記載の1つまたはそれ以上 のRAPタンパク質、アイソフォーム、アナログ、フラグメントまたは誘導体によ り前記細胞を処置することからなり、前記細胞の前記処置が前記1つまたはそれ 以上のタンパク質、アイソフォーム、アナログ、フラグメントまたは誘導体を、 前記細胞に、その細胞内導入に適する形で導入すること、または前記1つまたは それ以上のタンパク質、アイソフォーム、アナログ、フラグメントまたは誘導体 をコードするDNA配列を、前記細胞に、前記配列を保持する適当なベクターの形 で導入することからなり、前記ベクターが前記配列が前記細胞において発現され るように前記配列を前記細胞に挿入し得る、RIPにより直接的または間接的にモ ジュレート/メディエートされるプロセスをモジュレートするための方法。 27.RIPに結合し得る請求の範囲第9項または第10項記載の1つまたはそれ以上 のRAPタンパク質、アイソフォーム、アナログ、フラグメントまたは誘導体によ り前記細胞を処置することからなり、細胞の前記処置が前記1つまたはそれ以上 のタンパク質、アイソフォーム、アナログ、フラグメントまたは誘導体を、前記 細胞に、その細胞内導入に適する形で導入すること、または前記1つまたはそれ 以上のタンパク質、アイソフォーム、アナログ、フラグメントまたは誘導体をコ ードするDNA配列を、前記細胞に、前記配列を保持する適当なベクターの形で導 入することからなり、前記ベクターが前記配列が前記細胞において発現されるよ うに前記配列を前記細胞に挿入し得る、RIPにより直接的または間接的にモジュ レート/メディエートされ、かつNF-κBおよびJNKの阻害を含むプロセスをモジ ュレートするための方法。 28.ペプチドである請求の範囲第9項記載のフラグメント。
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