JP2001519352A - カルバペネム系抗菌化合物、該化合物を含有する組成物および治療方法 - Google Patents

カルバペネム系抗菌化合物、該化合物を含有する組成物および治療方法

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JP2001519352A JP2000514918A JP2000514918A JP2001519352A JP 2001519352 A JP2001519352 A JP 2001519352A JP 2000514918 A JP2000514918 A JP 2000514918A JP 2000514918 A JP2000514918 A JP 2000514918A JP 2001519352 A JP2001519352 A JP 2001519352A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、カルバペネム核が−Z−CH基を介して連結したナフトスルタムによって2位で置換されているカルバペネム系抗菌剤に関する。該ナフトスルタムはさらに、カチオン性基などの各種置換基で置換されている。その化合物は式(I)によって表される。医薬組成物および使用方法も含まれる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、カルバペネム核が2位で、−Z−CH−基を介して連結したナフ
トスルタムで置換されているカルバペネム系抗菌剤に関する。ナフトスルタムは
さらに、1以上のカチオン性基を含む各種置換基で置換されている。
【0002】 (背景技術) 本発明のカルバペネムは、グラム陽性菌、特にメチシリン抵抗性黄色ブドウ球
菌(MRSA)、メチシリン抵抗性表皮ブドウ球菌(MRSE)およびメチシリ
ン抵抗性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌類(MRCNS)に対して有用である。そ
こで本発明の抗菌性化合物は、これらの抑制困難な病原体によって引き起こされ
る感染を治療するための療法に対して大きく貢献するものとなる。そのような病
原体(MRSA/MRCNS)に対して有効で、同時に望ましくない副作用が比
較的少ない薬剤に対する必要性が高まっている。
【0003】 (発明の開示) 本発明は、下記式Iによって表される化合物ならびに該化合物の医薬的に許容
される塩を含む。
【0004】
【化21】 式中、 RはHまたはメチルを表し; COMは、カルボン酸基、カルボキシレートアニオン、医薬的に許容される
エステル基または保護基で保護されたカルボン酸基を表し; Zはトランス−エテンジイルまたはエチンジイルを表し; Pは水素、水酸基、Fまたは水酸基保護基で保護された水酸基を表し; 各Rは独立に、Q;水素;ハロゲン;CN;NO;NR;OR;S
;C(O)NR;C(O)OR;S(O)R;SO;SO NR;NRSO;C(O)R;OC(O)R;OC(O)
NR;NRC(O)NR;NRCO;OCO;N
C(O)R;未置換もしくは1〜4個のR基で置換された直鎖もしくは
分岐鎖のC1−6アルキル;および未置換もしくは1〜4個のR基で置換され
たC3−7シクロアルキルから選択され; 各R、RおよびRは独立に、水素;未置換もしくは1〜4個のR基で
置換された直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル;または未置換もしくは1〜
4個のR基で置換されたC3−7シクロアルキルを表すか;あるいは RとRとが介在する原子とともに、1〜3個のO、S、NRによって中
断されていても良い4〜6員の飽和環を表し;Rは上記で定義の通りであるか
−C(O)−であり;該環は未置換であるか1〜4個のR基で置換されており
;あるいは RとRとが介在する原子とともに、1〜3個のO、S、NRによって中
断されていても良い4〜6員の飽和環を表し;Rは上記で定義の通りであるか
−C(O)−であり;該環は未置換であるか1〜4個のR基で置換されており
; 各Rは独立に、ハロゲン;−CN;−NO;−NR;−OR;−
SR;−CONR;−COOR;−SOR;−SO;−SO NR;−NRSO;−COR;−NRCOR;−OCO
;−OCONR;−NRCONR;−NRCO;−
OCO;−C(NR)NR;−NRC(NH)NR;−
NRC(NR)R;または−Qを表し; R、RおよびRは、水素または未置換もしくは1〜4個のR基で置換
された直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキルを表すか;あるいは RとRとが介在する原子とともに、1〜3個のO、S、−C(O)−また
はNRによって中断されていても良い4〜6員の飽和環を表し;Rは上記で
定義の通りであり;該環は未置換であるか1〜4個のR基で置換されており; 各Rは独立に、ハロゲン;−CN;−NO;フェニル;−NHSO ;−OR;−SR;−N(R;−N(R;−C(O)N(R ;−SON(R;ヘテロアリール;ヘテロアリーリウム;−CO ;−C(O)R;−OCOR;−NHCOR;グアニジニル;カル
バミミドイル;またはウレイドを表し; 各Rは独立に、水素、直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル基、C3−7 のシクロアルキル基またはフェニルを表すか;あるいはR基が2個存在する場
合、それらのR基が一体となって、1個もしくは2個のO、S、SO、−C
(O)−、NHおよびNCHによって中断されていても良い4〜6員の飽和環
を表すことができ; Qは、下記のものからなる群から選択され;
【0005】
【化22】 aおよびbは1、2もしくは3であり; Lは医薬的に許容される対イオンであり; αはO、SまたはNRを表し; β、δ、λ、μおよびσはCR、NもしくはNを表し;ただし、上記
で定義のLによって電荷の均衡を取っているNであるのはβ、δ、λ、
μおよびσのうちの1個以下であり; 各Rは独立に、水素;未置換もしくは1〜4個のR基で置換されたフェニ
ルまたは直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキルを表し; 各Rは独立に、水素;ハロゲン;フェニル;−CN;−NO;−NR ;−OR;−SR;−CONR;−COOR;−SOR;−S
;−SONR;−NRSO;−COR;−NR
OR;−OCOR;−OCONR;−NRCO;−NR
ONR;−OCO;未置換もしくは1〜4個のR基で置換された
直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキルを表し; RおよびRは、水素または未置換であるか1〜4個のR基で置換された
直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキルを表すか;または RとRとが介在する原子とともに、1以上のO、S、NRもしくは−C
(O)−によって中断されていても良い4〜6員の飽和環を表し;該環は未置換
であるか1〜4個のR基で置換されており; 各Rは独立に、水素;未置換であるか1〜4個のR基で置換されている直
鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル;1〜4個のR基で置換されていても良
いC3−6シクロアルキル;1〜4個のR基で置換されていても良いフェニル
;または1〜4個のR基で置換されていても良いヘテロアリールを表すか;ま
たは RとRが介在する原子とともに、1個もしくは2個のO、S、SO、N
HまたはNCHによって中断されていても良い5〜6員の飽和環を表し; Rは、水素または1個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐
鎖のC1−8アルキルであり;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個のハロ
ゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR、N (R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)R
NRC(O)NRまたはフェニルもしくはヘテロアリールで置換されて
おり;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基または1〜2個
の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換であるか1
〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良く; RおよびRは、水素;フェニル;未置換であるか1〜4個のR基で置換
されており、O、S、NR、Nもしくは−C(O)−によって中断
されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキルを表すか;または RおよびRが介在する原子とともに、O、S、SO、NR、Nもしくは−C(O)−によって中断されていても良い4〜6員の飽和環を表
し;該環は未置換であるか1〜4個のR基で置換されており; RとRとが一体となって上記で定義の4〜6員環を表す場合には、R
上記で定義の通りであるか、あるいはRは、一体となったRとRによって
表されO、S、NRもしくは−C(O)−によって中断されていても良い環に
融合した別の飽和4〜6員環を表し;それらの環は未置換であるか1〜4個のR 基で置換されている。
【0006】 医薬組成物および治療方法も本発明に含まれる。
【0007】 (発明を実施するための最良の形態) 本発明は、別段の断りがない限り、以下に定義の用語を用いて本明細書で詳細
に説明される。
【0008】 カーボキシレートアニオンとは、負電荷を有する基−COOを指す。
【0009】 「アルキル」という用語は、別段の断りがない限り、炭素数1〜10の基から
誘導される1価アルカン(炭化水素)を指す。それは、直鎖、分岐鎖または環で
あっても良い。好ましいアルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、t−ブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルなどがある。
置換されている場合アルキル基は、可能な結合箇所で、上記で定義のRおよび
から選択される4個以下の置換基で置換されていても良い。アルキル基がア
ルキル基で置換されていると言う場合、その表現は「分岐アルキル基」と互換的
である。
【0010】 シクロアルキルは、炭素原子間に交互の二重結合すなわち共鳴二重結合を持た
ない炭素数3〜15のアルキル基である。該基は、融合している1〜4個の環を
有していても良い。
【0011】 「アルケニル」という用語は、炭素数2〜10であって、1以上の炭素−炭素
二重結合を有する直鎖、分岐鎖もしくは環状の炭化水素基を指す。好ましいアル
ケニル基には、エテニル、プロペニル、ブテニルおよびシクロヘキセニルなどが
ある。エテンジイルとは、シスまたはトランスの形の−CH=CH−部分な
らびにそれの混合物を指す。
【0012】 「アルキニル」という用語は、炭素数2〜10であって、1以上の炭素−炭素
三重結合を有する直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基を指す。好ましいアルキニル
基には、エチニル、プロピニルおよびブチニルなどがある。エチンジイルとは、
−C≡C−を指す。
【0013】 アリールとは、フェニル、置換フェニルなどの芳香環、ならびにナフチル、フ
ェナントレニルなどの融合環を指す。従って、アリール基には、原子数6個以上
の環が1以上あり;そのような環は5個まで存在し;そこに含まれる原子数は2
2個以下であり;隣接する炭素原子または好適なヘテロ原子間に交互の(共鳴)
二重結合がある。好ましいアリール基は、フェニル、ナフチルおよびフェナント
レニルである。アリール基も同様に、上記で定義のように置換されていても良い
。好ましい置換アリールには、フェニルおよびナフチルなどがある。
【0014】 「ヘテロアリール」という用語は、環原子が5個もしくは6個の単環式芳香族
炭化水素基または原子数8〜10個の二環式芳香族基であって、1以上のヘテロ
原子O、SもしくはNを有し、炭素原子もしくは窒素原子が結合箇所であり、1
個もしくは2個の別の炭素原子がOもしくはSから選択されるヘテロ原子によっ
て置き換わっていても良く、1〜3個の別の炭素原子が窒素ヘテロ原子で置き換
わっていても良い基を指し、該ヘテロアリール基は前述のように置換されていて
も良い。この種のものの例としては、ピロール、ピリジン、オキサゾール、チア
ゾールおよびオキサジンがある。第1の窒素および酸素もしくは硫黄とともに、
別の窒素原子が存在して、例えばチアジアゾールを形成していても良い。例とし
て以下のものが挙げられる。
【0015】
【化23】
【0016】 ヘテロアリーリウムとは、4級窒素原子を有し、従って正電荷を有するヘテロ
アリール基を指す。例としては以下のものが挙げられる。
【0017】
【化24】
【0018】 1以上の別の窒素原子を有する環で、特定の窒素原子上に電荷を示している場
合、その電荷が、生じている電荷共鳴によって、環中の異なる窒素原子上に存在
し得ることは明らかである。
【0019】
【化25】
【0020】 「ヘテロシクロアルキル」という用語は、環中の炭素原子の1個がO、Sもし
くはNから選択されるヘテロ原子によって置き換わっており、3個以下の別の炭
素原子がヘテロ原子によって置き換わっていても良いシクロアルキル基(非芳香
族)を指す。
【0021】 「4級窒素」および「正電荷」という用語は、4価の正に帯電した窒素原子を
指し、それには例えば、テトラアルキルアンモニウム基(例:テトラメチルアン
モニウム)、ヘテロアリーリウム(例:N−メチルピリジニウム)、生理的pH
でプロトン化されている塩基性窒素などがある。従ってカチオン基には、正に帯
電した含窒素基ならびに生理的pHでプロトン化している塩基性窒素が含まれる
【0022】 「ヘテロ原子」という用語は、独立に選択されるO、SもしくはNを意味する
【0023】 ハロゲンおよび「ハロ」は、臭素、塩素、フッ素およびヨウ素を指す。
【0024】 アルコキシとは、C〜Cアルキル−O−であって、アルキル基が本明細書
に記載のように置換されていても良いものを指す。
【0025】 ある基が「置換」されていると言う場合、別段の断りがない限りそれは、その
基が1〜4個の置換基を有することを意味する。R、R、RおよびRに関
しては、アルキル基上で使える置換基は、Rの取り得る形から選択される。可
変の基の多くが、4個以下のR基によって置換されていても良い。R、R およびRに関しては、それらが置換アルキルを表す場合、そのアルキル上で使
える置換基としては、Rが取り得る形から選択される。
【0026】 官能基が「保護されている」と言う場合、その基が修飾型となっていて、保護
された部位で望ましくない副反応が起こらないようにしてあることを意味する。
本発明の化合物に好適な保護基は、当業界の技術レベルを考慮し、グリーンらの
著作(Greene, T.W. et al., Protective Groups in Organic Synthesis Wiley,
New York(1991))などの標準的な本を参照すれば、本願から明らかになるもの である。好適な保護基の例は、本明細書を通じて示してある。
【0027】 アルキル基がO、S、N、−C(O)−などの1以上の部分「によって中断さ
れている」場合、それには、その部分を末端とするアルキル基、ならびにそのよ
うな基の組み合わせが中間部または末端にあるアルキル基が含まれる。従って例
えば、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)NR−および同様のその
ような部分が含まれる。そのような部分を末端とするアルキル基の例としては、
−O−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−O−、−C1−6アルキル−O
C(O)−、−O−C1−6アルキル−S−などがある。本明細書における一般
的記載によれば、他の部分も含まれることは明らかである。
【0028】 本発明のカルバペネム化合物の一部では、Mは容易に脱離可能なカルボキシル
保護基であり、ないしはPは水酸基保護基によって保護された水酸基を表す。そ
のような従来の保護基は、本明細書に記載の合成手順の際に、水酸基もしくはカ
ルボキシル基を保護的にブロックするのに使用される公知の基から成るものであ
る。それらの従来の封鎖基は容易に脱離可能である。すなわち、それらの基は所
望に応じて、分子の他の部分の開裂その他の破壊を起こさない方法によって脱離
させることができる。そのような方法には、化学的および酵素的加水分解、温和
な条件下での化学的還元剤もしくは酸化剤による処理、遷移金属触媒および求核
剤による処理、ならびに接触水素化などがある。
【0029】 カルボキシル保護基の例としては、アリル、ベンズヒドリル、2−ナフチルメ
チル、ベンジル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)などのシリル、フェ
ナシル、p−メトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−メトキシフェニル、
p−ニトロベンジル、4−ピリジルメチルおよびt−ブチルなどがある。
【0030】 好適なC−6ヒドロキシエチル保護基の例としては、トリエチルシリル、t−
ブチルジメチルシリル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベン
ジルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、
t−ブチルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル
などがある。
【0031】 本発明のカルバペネム化合物は、それ自体で、さらには医薬的に許容される塩
およびエステルの形で、動物およびヒト患者における細菌感染の治療に有用であ
る。「医薬的に許容されるエステル、塩または水和物」という用語は、製薬化学
者には明らかであると考えられる本発明の化合物の塩、エステルおよび水和物、
すなわち実質的に無毒で、嗜好性、吸収、分配、代謝および排泄などの当該化合
物の薬物動態的性質に好ましい影響を与え得るものを指す。やはり選択の際に重
要であって、より実務的な面での他の要素としては、得られる原薬の原料コスト
、結晶化しやすさ、収量、安定性、溶解性、吸湿性および流動性がある。簡便に
は医薬組成物は、有効成分と医薬的に許容される担体とを組み合わせて製剤する
ことができる。従って本発明は、新規カルバペネム化合物を有効成分として利用
する医薬組成物ならびに細菌感染治療方法に関するものでもある。
【0032】 3位でカルバペネム核に結合している−COMは、カルボン酸基(MはHを
表す)、カルボキシレートアニオン(Mは負電荷を表す)、医薬的に許容される
エステル(Mはエステル形成基を表す)または保護基によって保護されたカルボ
ン酸(Mはカルボキシル保護基を表す)を表す。
【0033】 上記の医薬的に許容される塩は−COOMの形を取ることができ、その場合M
は負電荷であって、ナトリウムもしくはカリウムなどのアルカリ金属カチオンの
ような対イオンによって電荷の均衡が取られている。他の医薬的に許容される対
イオンには、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アンモニウムまたはアルキルア
ンモニウムカチオンが可能であり、例としてはテトラメチルアンモニウム、テト
ラブチルアンモニウム、コリン、トリエチルヒドロアンモニウム、メグルミン、
トリエタノールヒドロアンモニウムなどがある。
【0034】 上記の医薬的に許容される塩には酸付加塩などもある。従って式Iの化合物は
、無機もしくは有機酸から誘導される塩の形態で用いることができる。そのよう
な塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸
塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンフ
ァースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル
硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン
酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ
化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタ
ンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パ
モ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩
、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、ト
シル酸塩およびウンデカン酸塩などがある。
【0035】 医薬的に許容されるエステルは、医薬化学者には容易に明らかであると考えら
れるようなものであり、例えば米国特許4309438号に詳細に記載のものな
どがある。そのような医薬的に許容されるエステルには、ピバロイルオキシメチ
ル、アセトキシメチル、フタリジル、インダニルおよびメトキシメチルならびに
米国特許4479947号に詳細に記載の他のものなどの生理的条件下で加水分
解されるものなどがある。それらは「生体内不安定(biolabile)エステル」と も称される。
【0036】 生体内不安定エステルは生体において加水分解可能であり、胃もしくは腸の粘
膜からの良好な吸収、胃酸分解に対する耐性および他の要素から、経口投与に好
適な場合がある。生体内不安定エステルの例としては、Mがアルコキシアルキル
基、アルキルカルボニルオキシアルキル基、アルコキシカルボニルオキシアルキ
ル基、シクロアルコキシアルキル基、アルケニルオキシアルキル基、アリールオ
キシアルキル基、アルコキシアリール基、アルキルチオアルキル基、シクロアル
キルチオアルキル基、アルケニルチオアルキル基、アリールチオアルキル基また
はアルキルチオアリール基を表す化合物などがある。これらの基は、そのアルキ
ル部分またはアリール部分で、アシル基もしくはハロ基によって置換されていて
も良い。生体内不安定エステル形成部分の例としては、Mがアセトキシメチル、
1−アセトキシエチル、1−アセトキシプロピル、ピバロイルオキシメチル、1
−イソプロピルオキシカルボニルオキシエチル、1−シクロヘキシルオキシカル
ボニルオキシエチル、フタリジルおよび(2−オキソ−5−メチル−1,3−ジ
オキソレン−4−イル)メチルの場合がある。
【0037】 Lは、適切な電荷均衡を維持する上で必要に応じて、存在しても不在であっ
ても良い。存在する場合Lは、医薬的に許容される対イオンを表す。無機もし
くは有機酸由来のほとんどのアニオンが好適である。そのような対イオンの代表
的な例としては、酢酸、アジピン酸、アミノサリチル酸、無水メチレンクエン酸
、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、臭素、ク
エン酸、樟脳酸、カンファースルホン酸、塩素、エストール酸(estolate)、エ
タンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプタン酸、グルコン酸、グルタミン酸、ラ
クトビオン酸、リンゴ酸、マレイン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、パント
テン酸、ペクチン酸、リン酸/二リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、
サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸およびトシル酸のイオンな
どがある。他の好適なアニオン種は、通常の技術を有する化学者には明らかであ
ろう。
【0038】 同様に、Lがマロン酸、酒石酸またはエチレンジアミンテトラ酢酸(EDT
A)のイオンなどの複数の負電荷を有する化学種を表す場合、適切な数のカルバ
ペネム分子がそれと会合して、全体の電荷均衡および中性が維持される場合があ
る。
【0039】 ナフトスルタム骨格の番号割り付けは以下の通りである。
【0040】
【化26】 本発明の化合物の小群では、ナフトスルタム骨格に結合した1以上のR基が正
電荷部分を有している。従ってそれには、Qまたは正電荷基を有する部分などが
ある。
【0041】 Zは、トランス−エテンジイルまたはエチンジイルを表す。Zがエテンジイル
を表す場合、二重結合の部分ではトランス配置のみが想到される。
【0042】 興味深い式Iの化合物の別の小群は、COMがカルボキシレートアニオンを
表す化合物に関するものである。従って、その場合のMは、正電荷を有するR側
鎖におけるように、正電荷を有する基によって電荷均衡が取られている負電荷を
表す。同様に、正電荷を有するR側鎖が複数の正電荷を有する場合、カルボキシ
レートアニオンとともに全体の電荷を中性とする負電荷対イオンが存在しても良
い。
【0043】 興味深い式Iの化合物の別の小群は、1個のRが正電荷部分を有する基を表し
、残りのR基が水素ならびに未置換もしくは1〜4個のR基で置換された直鎖
もしくは分岐鎖のC1−6アルキルから選択される式Iの化合物に関するもので
ある。詳細には、その興味深い小群には、1個のRが正電荷部分を有する基であ
り、残りのR基が水素である式Iの化合物などがある。
【0044】 1以上のR基に含まれる正電荷部分に関しては、1〜3個の正電荷が存在する
ことが好ましく、最も好ましくは2個の正電荷が存在して、カルボキシレートア
ニオンおよび負電荷の対イオンによって電荷の均衡が保たれているようにする。
【0045】 興味深い化合物の別の小群は、式Iによって表され、1個のR基が、1〜4個
のR基によって置換された直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル基であり、
1個のR基がQを表すものである。従って、正電荷を有する部分Qは、そのア
ルキル基に結合している。
【0046】 興味深い化合物の別の群は、Qが下記のものからなる群から選択される式Iに
よって表される化合物である。
【0047】
【化27】 詳細には、その興味深い化合物群は、Qが下記のものを表す式Iによって表さ
れる化合物である。
【0048】
【化28】 この化合物小群内では、L、aおよびbは最初に定義した通りであり;R は最初に定義した通りであって、水素あるいは1個もしくは2個のO、S、SO
、SO、NR、Nもしくは−C(O)−によって中断されていて
も良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルからなる群から選択される部分を
表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個のハロゲン、CN、NO、O
、SR、SOR、SO、NR、N(R、−C
(O)−R、C(O)NR、SONR、CO、OC(O
)R、OC(O)NR、NRC(O)R、NRC(O)NR またはフェニル基もしくはヘテロアリール基で置換されており;該フェニルも
しくはヘテロアリールは、1〜4個のR基または1〜2個の直鎖もしくは分岐
鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換であるか1〜4個のR基で置
換されている)で置換されていても良い。
【0049】 興味深い別の化合物群は、Qが−Nを表し、R、Rおよび
が最初に定義した通りである式Iによって表される化合物である。
【0050】 特に興味深い式Iの化合物の好ましい小群は、式Iによって表される化合物に
関するものであり、 COMはカルボキシレートアニオンを表し; ナフトスルタム骨格に結合した1個のR基が1以上の正電荷部分を有し、残り
のR基が水素ならびに未置換であるか1〜4個のR基で置換された直鎖もしく
は分岐鎖のC1−6アルキルから選択され; Rは最初に定義した通りであり; Rは、水素または直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル基を表し; Qは、下記のものからなる群から選択され;
【0051】
【化29】 式中、L、aおよびbは最初に定義した通りであり;Rは水素あるいは1
個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(
O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルか
らなる群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個
のハロゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR 、N(R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)
、NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロアリール基で
置換されており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基また
は1〜2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換
であるか1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良い。
【0052】 この小群内では、他の変数は全て、式Iに関して最初に定義した通りである。
【0053】 本発明のより好ましい化合物小群は、下記式Iaによって表される化合物また
は該化合物の医薬的に許容される塩である。
【0054】
【化30】 式中、 COMはカルボキシレートアニオンを表し; 1個のR基が正電荷部分を有してナフトスルタム骨格に結合しており、他のR
基が水素ならびに未置換であるか1〜4個のR基で置換された直鎖もしくは分
岐鎖のC1−6アルキルから選択され; Zはトランス−CH=CH−またはエチンジイルを表し; Rは最初に定義した通りであり; Qは、下記のものからなる群から選択され;
【0055】
【化31】 式中、L、aおよびbは最初に定義した通りであり;Rは水素あるいは1
個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(
O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルか
らなる群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個
のハロゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR 、N(R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)
、NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロアリール基で
置換されており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基また
は1〜2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換
であるか1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良く; Rは、水素または直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル基を表し; Rは最初に定義した通りである。
【0056】 この小群内では、他の変数は全て、式Iに関して最初に定義した通りである。
【0057】 本発明のより好ましい化合物の別の小群は、下記式Ibによって表される化合
物または該化合物の医薬的に許容される塩である。
【0058】
【化32】 式中、 COMはカルボキシレートアニオンを表し; 1個のR基が正電荷部分を有してナフトスルタム骨格に結合しており、他のR
基が水素ならびに未置換であるか1〜4個のR基で置換された直鎖もしくは分
岐鎖のC1−6アルキルから選択され; Zはトランス−CH=CH−またはエチンジイルを表し; Rは最初に定義した通りであり; Qは、下記のものからなる群から選択され;
【0059】
【化33】 式中、L、aおよびbは最初に定義した通りであり;Rは水素あるいは1
個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(
O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルか
らなる群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個
のハロゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR 、N(R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)
、NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロアリール基で
置換されており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基また
は1〜2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換
であるか1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良く; Rは、水素または直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル基を表し; Rは最初に定義した通りである。
【0060】 この小群内では、他の変数は全て、式Iに関して最初に定義した通りである。
【0061】 本発明のより好ましい化合物の別の小群は、下記式Icによって表される化合
物または該化合物の医薬的に許容される塩である。
【0062】
【化34】 式中、 COMはカルボキシレートアニオンを表し; 1個のR基が正電荷部分を有してナフトスルタム骨格に結合しており、他のR
基が水素、ハロゲンならびに未置換であるか1〜4個のR基で置換された直鎖
もしくは分岐鎖のC1−6アルキルから選択され; Zはトランス−CH=CH−またはエチンジイルを表し; Rは最初に定義した通りであり; Qは、下記のものからなる群から選択され;
【0063】
【化35】 式中、L、aおよびbは最初に定義した通りであり;Rは水素あるいは1
個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(
O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルか
らなる群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個
のハロゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR 、N(R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)
、NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロアリール基で
置換されており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基また
は1〜2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換
であるか1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良く; Rは、水素または直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル基を表し; Rは最初に定義した通りである。
【0064】 この小群内では、他の変数は全て、式Iに関して最初に定義した通りである。
【0065】 本発明のより好ましい化合物の別の小群は、下記式Idによって表される化合
物または該化合物の医薬的に許容される塩である。
【0066】
【化36】 式中、 COMはカルボキシレートアニオンを表し; 1個のR基が正電荷部分を有してナフトスルタム骨格に結合しており、他のR
基が水素、ハロゲンならびに未置換であるか1〜4個のR基で置換された直鎖
もしくは分岐鎖のC1−6アルキルから選択され; Zはトランス−CH=CH−またはエチンジイルを表し; Rは最初に定義した通りであり; Qは、下記のものからなる群から選択され;
【0067】
【化37】 式中、L、aおよびbは最初に定義した通りであり;Rは水素あるいは1
個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(
O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルか
らなる群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個
のハロゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR 、N(R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)
、NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロアリール基で
置換されており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基また
は1〜2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換
であるか1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良く; Rは、水素または直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル基を表し; Rは最初に定義した通りである。
【0068】 この小群内では、他の変数は全て、式Iに関して最初に定義した通りである。
【0069】 さらに好ましくは本発明は、4位のR基が正電荷部分を表し、3位および5位
のR基が水素を表す式Iaによって表される化合物に関するものである。
【0070】 詳細には、そのような化合物は下記式Ieによって表すことができる化合物ま
たは該化合物の医薬的に許容される塩である。
【0071】
【化38】 式中、 Rは、QならびにQである1個のR基によって置換された直鎖もしくは分岐
鎖のC1−6アルキル鎖からなる群から選択される正電荷部分を有し; Zはトランス−CH=CH−またはエチンジイルを表し; Qは、下記のものからなる群から選択され;
【0072】
【化39】 式中、L、aおよびbは最初に定義した通りであり;Rは水素あるいは1
個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(
O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルか
らなる群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個
のハロゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR 、N(R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)
、NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロアリール基で
置換されており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基また
は1〜2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換
であるか1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良い。
【0073】 同様に、そのような化合物は、下記式Ifによって表すことができる化合物ま
たは該化合物の医薬的に許容される塩である。
【0074】
【化40】 式中、 Rは、QならびにQである1個のR基によって置換された直鎖もしくは分岐
鎖のC1−6アルキル鎖からなる群から選択される正電荷部分を有し; Zはトランス−CH=CH−またはエチンジイルを表し; Qは、下記のものからなる群から選択され;
【0075】
【化41】 式中、L、aおよびbは最初に定義した通りであり;Rは水素あるいは1
個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(
O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルか
らなる群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個
のハロゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR 、N(R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)
、NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロアリール基で
置換されており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基また
は1〜2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換
であるか1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良い。
【0076】 本発明の化合物のさらに好ましい小群は、Rが
【0077】
【化42】 を表し;R、a、bおよびLが最初に定義した通りである式Ieによって表
される化合物である。
【0078】 本発明の化合物のさらに別のより好ましい小群は、下記式Igによって表され
る化合物である。
【0079】
【化43】 式中、 Rは
【0080】
【化44】 を表し;R、a、bおよびLは最初に定義した通りである。
【0081】 本発明の化合物の代表例は以下の通りである。
【0082】
【化45】
【0083】
【化46】
【0084】
【化47】
【0085】
【化48】
【0086】
【化49】
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【化50】
【0090】
【表3】
【0091】
【化51】
【0092】
【表4】
【0093】
【化52】
【0094】
【表5】
【0095】
【化53】
【0096】
【表6】
【0097】
【化54】
【0098】
【表7】
【0099】
【化55】
【0100】
【表8】
【0101】
【化56】
【0102】
【表9】
【0103】
【化57】
【0104】
【表10】
【0105】
【化58】
【0106】
【表11】
【0107】
【化59】
【0108】
【表12】
【0109】
【化60】
【0110】
【表13】
【0111】
【化61】
【0112】
【表14】
【0113】
【化62】
【0114】
【表15】
【0115】
【化63】
【0116】
【表16】
【0117】
【化64】
【0118】
【表17】
【0119】
【化65】
【0120】
【表18】
【0121】
【化66】
【0122】
【表19】
【0123】
【化67】
【0124】
【表20】 上記において、Qは表で定義した通りであり、Lは医薬的に許容される対イ
オンを表す。
【0125】 本発明の化合物は、フローチャートAおよびBに示した方法に従って製造され
る。フローチャートAに示した方法に従って、好適に保護された活性化2−トリ
フリル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレートA1をヒドロキシアリル
トリアルキルスタンナンと反応させてA2を製造し、次にそのナフトスルタムを
ミツノブ(Mitsunobu)条件下で反応させてA3を製造することで、ビニル結合 カルバペネム類が製造される。存在する保護基を脱離させることで、所望のビニ
ル生成物A4が得られる。
【0126】
【化68】
【0127】
【化69】 アセチレン結合カルバペネムは、フローチャートBに示した方法に従って製造
される。該フローチャートでは、中間体A1を保護されたヒドロキシプロパルギ
ルトリアルキルスタンナンと反応させてA5を得て、プロパルギル水酸基を脱保
護してA6を得て、次にそのナフトスルタムをミツノブ条件下で反応させてA7 を得る。存在する保護基を脱離させることで、所望の最終アセチレン生成物A8 が得られる。
【0128】
【化70】
【0129】
【化71】 上記のフローチャートに関して、P、R、RおよびMは式Iの化合物に関し
て定義した通りである。ただし、MはNaなどの金属カチオンであることが
できる。
【0130】 P**はカルボキシル保護基を表す。
【0131】 場合により、本発明の化合物の合成で使用するナフトスルタム側鎖基は化学文
献に記載されている。それ以外の場合、必要なナフトスルタムに容易に変換でき
る前駆体化合物が文献に記載されている。必要なナフトスルタムが文献で公知で
はない場合は、新たに開発された合成法によって、そのナフトスルタムを合成す
る必要がある。当業者であれば、類似のナフトスルタムについて既に公開されて
いる合成法に変更を加えて、不必要な実験を行わずに、簡単な方法で必要な化合
物を製造することができる。本明細書には、ナフトスルタム合成法の例が多く記
載してある(以下を参照)。
【0132】 ナフトスルタム側鎖を最初に、2位でそれぞれアリル基またはプロパルギル基
によって置換された、好適に保護されたカルバペン−2−エム−3−カルボキシ
レートA2またはA3と反応させる。
【0133】 2位で活性化されたカルバペネムA1は、1991年2月19日に与えられた
米国特許4994568号に従って得ることができる(該特許の内容は、引用に
よって本明細書に含まれるものとする)。
【0134】 カルバペネムのC−3にあるカルボン酸基は通常、p−ニトロベンジル(PN
B)、アリル、p−メトキシベンジル、トリクロロエチル、2−トリメチルシリ
ルエチルなどのカルボキシル保護基によって保護する。さらに、6−(ヒドロキ
シエチル)側鎖の水酸基は、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(
TES)、tert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、tert−ブチル
ジフェニルシリル(TBDPS)、アセチル、アリルオキシカルボニル、2−ト
リメチルシリルエトキシカルボニル、2−トリクロロエトキシカルボニルなどの
水酸基保護基によって保護する。
【0135】 カルバペネムへのナフトスルタム側鎖基の結合は、アリルもしくはプロパルギ
ル置換カルバペネム(それぞれA2もしくはA3)およびナフトスルタム側鎖基
のテトラヒドロフラン(THF)、エーテル、アセトニトリル、ジメチルホルム
アミド(DMF)、ベンゼン、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの好適な
溶媒の溶液を、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、ジアゾジカルボン酸ジ
イソプロピル(DIAD)およびテトラメチルジアゾジカルボキサミド(TMA
D)などのアゾジカルボキシレートとトリフェニルホスフィン、トリブチルホス
フィンなどのトリ置換ホスフィンのようなミツノブ反応(総説については、Hugh
es, D.L., Organic Reactions, Paquette, L. ed., Vol.42, John Wiley & Sons
, USA, 1992参照)を構成する試薬の組み合わせにより、約−20℃〜35℃の 温度で、約5〜90分間処理することで行う。
【0136】 別法として、ナフトスルタムとカルバペネムを、ジアゾカルボキシレートとホ
スフィンの予め形成しておいた複合体に同時に加えることができる。ナフトスル
タム、カルバペネムおよび活性化試薬を混合したら、約−20℃〜35℃の温度
で約5〜90分間反応を進行させる。
【0137】 得られた混合物について、当業者であれば熟知している標準的な後処理手順を
行って、粗2−ナフトスルタム−メチル置換カルバペネムを得て、それを必要に
応じて、再結晶またはヘキサン、酢酸エチル、エーテル、ベンゼン、塩化メチレ
ン、クロロホルム、アセトン、メタノールなどの好適な溶媒もしくは2種以上の
溶媒を溶離液とするシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。
【0138】 ナフトスルタム側鎖の修飾は、保護基の脱離を行う前に行うのが最も良い。側
鎖に水酸基を有する化合物の場合、最初に該水酸基を活性化させることで、正電
荷を有する置換基を側鎖に導入することができる。それは例えば、該水酸基を、
トリフレート、メシレート、トシレート、ヨウ素、塩素、臭素などの好適な脱離
基に変換し、次に生じた脱離基を、N−メチル−イミダゾール、N−(2−ヒド
ロキシエチル)−イミダゾール、N−メチル−ジアザビシクロオクタン、1−(
カルバモイルメチル)−4−アザ−1−アゾニアビシクロ−[2.2.2]−オ
クタン、1−(3−ヒドロキシプロプ−1−イル)−4−アザ−1−アゾニアビ
シクロ−[2.2.2]−オクタン、ピリジン、モルホリンなどの求核剤として
作用し得る窒素原子を有する化合物Qで置換することで行う。
【0139】 別法として、場合によっては、ナフトスルタムをカルバペネムに付加する前に
、電荷を有する置換基をナフトスルタムに組み込むことができるか、あるいは脱
保護後に組み込むことができる。しかしながら、脱保護の前に電荷を有する置換
基を導入することが非常に好ましい。
【0140】 場合によっては、化合物Qの塩基性を利用し、それを活性化反応における塩基
として用いることで、水酸基の活性化および電荷部分による置換を、1段階で行
うことができる。
【0141】 水酸基の好適な脱離基への変換は、約−100℃〜0℃の温度で約5〜120
分間にわたり、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルア
ミンなどの好適な塩基存在下に、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、エーテル
、ベンゼンなどの好適な溶媒中で、無水トリフルオロメタンスルホン酸、無水メ
タンスルホン酸、無水トルエンスルホン酸、メタンスルホニルクロライド、ベン
ゼンスルホニルクロライド、トルエンスルホニルクロライドなどの活性化剤で水
酸基置換化合物を処理することで行う。そうして得られた中間体には脱離基があ
り、それは、約−10℃〜50℃で、約0.25〜24時間にわたって過剰量の
ヨウ化ナトリウムもしくはヨウ化カリウムにより、該中間体のアセトン、メチル
エチルケトンなどの好適な溶媒溶液を処理することで、ヨウ素のようなより好適
な脱離基に変換することができる。
【0142】 多くの場合、そのヨウ化物は、それ以上精製せずに使用できる程度の純度で得
られる。取り扱いを容易にするため、結晶ではない場合には該ヨウ化物をベンゼ
ンから凍結乾燥して、非晶質で取り扱いやすい固体を得ることができる。
【0143】 得られた活性化中間体を試薬Qと反応させることで、活性化水酸基もしくはヨ
ウ素を置換する。水酸基の活性化および置換を1段階で行うことができる場合も
ある。上記の段落で説明したように、好適な塩基の存在下、水酸基置換化合物の
塩化メチレン、テトラヒドロフラン、エーテル、DMF、ベンゼン、アセトニト
リル、DMSOなどの好適な溶媒溶液に活性化試薬を加える。得られた活性化中
間体を、約−78℃〜50℃の温度で、約15〜120分間にわたって1〜3モ
ル当量の化合物Qで処理する。活性化中間体をある溶媒中で形成し、該活性化中
間体を単離し、異なる溶媒中で置換反応を行うことが望ましい場合もある。それ
以外の場合には中間体を単離せずに置換を行うことができ、Qが塩基としても使
用される場合には、活性化中間体の形成と同時に置換を行うこともできる。
【0144】 置換反応がヨウ化物を用いることで最も良好に行われる場合には、ヨウ化物の
溶液をほぼ同等量(0.9〜1.05モル当量)の化合物Qと混合する。次に、
トリフルオロメタンスルホン酸銀、テトラフルオロホウ酸銀などの非求核性酸の
銀塩を加える。該反応は銀塩が存在しなくとも進行するが、銀塩存在下でより早
く進行する。さらに銀塩は、置換されたヨウ化物を反応混合物から除く上で役立
ち、その後の段階の効率を向上させることができる。次に、得られた混合物につ
いて、当業者であれば熟知している標準的な後処理手順を行って粗生成物を得て
、それを必要に応じて、再結晶もしくはクロマトグラフィーによって精製する。
【0145】 ヨウ化メチル、臭化メチル、ベンジルトリクロロアセトイミデート、トリフル
オロメタンスルホン酸メチル、テトラフルオロホウ酸トリエチルオキソニウムな
どの好適なアルキル化剤との反応によって4級化することができる窒素原子を有
する側鎖に対して、側鎖に正電荷を導入する方法を用いることができる。そのよ
うな側鎖における窒素原子の4級化は、該化合物の溶液をわずかに過剰の(1.
05〜1.2モル当量)アルキル化試薬で処理することで行う。
【0146】 標的化合物の合成は、最後から2番目の中間体に存在する保護基を、標準的な
方法を用いて脱離させることで行う。次に必要に応じて、イオン交換クロマトグ
ラフィー、逆相シリカゲルでのHPLC、逆相ポリスチレンゲルでのMPLCな
どの標準的な方法を用いて、あるいは再結晶によって、脱保護最終生成物を精製
する。
【0147】 最終生成物の構造的な特性決定は、NMR、IR、MSおよびUVなどの標準
的な方法によって行うことができる。扱い易くするため、最終生成物が結晶では
ない場合は、それを水から凍結乾燥して、非晶質で扱い易い固体を得ることがで
きる。
【0148】 本発明の化合物は、各種グラム陽性菌に対して活性であり、さらにはグラム陰
性菌にもやや低いながら活性である貴重な抗菌剤であり、従ってヒト医薬および
動物薬において利用することができる。
【0149】 本発明の化合物の多くは、MRSA/MRCNSに対して生理活性である。in vitro での抗菌活性は、感受性細菌に感染した哺乳動物に対してそれらの化合物
を投与した場合のin vivo活性を予想させるものである。
【0150】 標準的な感受性試験を行うと、本発明の化合物がMRSAに対して活性である
ことがわかる。
【0151】 本発明の化合物は、該化合物を医薬的に許容される担体と組み合わせることで
、医薬組成物に製剤することができる。そのような担体の例については以下に説
明する。
【0152】 本発明の化合物は、粉末もしくは結晶の形、溶液または懸濁液の形で使用する
ことができる。それらは各種手段によって投与することができ、特に重要なもの
としては、局所投与、経口投与および注射(静脈注射または筋肉注射)による腹
腔内投与などがある。
【0153】 好ましい投与経路である注射用の組成物は、アンプルに入った単位用量で、あ
るいは複数用量容器に入れて製剤することができる。注射用組成物は、油性媒体
もしくは水性媒体中での懸濁液、液剤または乳濁液などの形態を取ることができ
、各種製剤用薬剤を含むことができる。別法として、有効成分を粉末(凍結乾燥
品または非凍結乾燥品)の形態とし、それを投与時に無菌水などの好適な媒体で
再生することができる。注射用組成物では代表的には、担体は無菌水、生理食塩
水または例えば筋肉注射用の落花生油のような別の注射用液体を含むものである
。さらに、各種の緩衝剤、保存剤などを含有させることもできる。
【0154】 局所投与剤の製剤は、疎水性もしくは親水性基剤などの担体中で軟膏、クリー
ム、ローションを形成することで;水性、油性またはアルコール性液体中で塗布
剤を形成することで;あるいは乾燥希釈剤中で粉剤を形成することで行うことが
できる。
【0155】 経口投与組成物は、錠剤、カプセル、経口懸濁液および経口液剤などの形態を
取ることができる。経口組成物は、従来の製剤用薬剤などの担体を利用すること
ができ、徐放性を持たせたり、急速搬送性の製剤とすることができる。
【0156】 投与する用量は、投与対象の患者の状態および大きさ、投与の経路および頻度
、選択した特定化合物に対する病原体の感受性、感染の病原力ならびに他の要素
によって大きく左右される。しかしながら、それらの事項については、抗菌の分
野で公知の投与基準に従って、医師の通常の裁量に委ねられるべきものである。
感染の性質および投与対象者の特異性(peculiar identity)は別として、正確 な投与法に影響を与える別の因子としては、化合物の分子量がある。
【0157】 液体または固体を問わず、ヒト投与用の組成物は単位用量当たり、約0.01
%から約99%という高い割合までの範囲で活性物質を含むことができ、好まし
い範囲としては約10〜60%である。その組成物は通常、約15mg〜約2.
5gの有効成分を含むが、一般には、約250mg〜1000mgの範囲の投与
量を用いることが好ましい。腹腔内投与では、単位用量には、純粋な化合物を無
菌水溶液で、あるいは液剤用の可溶性粉剤の形態で含有するのが普通であり、そ
れらは中性pHおよび等張性に調節することができる。
【0158】 本明細書に記載の本発明は、細菌感染の治療を必要とする哺乳動物での細菌感
染治療方法において、該感染の治療に有効な量で式Iの化合物を該哺乳動物に投
与する段階を有することを特徴とする方法も含むものである。
【0159】 式Iの抗菌化合物の好ましい投与方法には、経口投与および腹腔内投与があり
、例えば静脈内注入、静脈内ボーラスおよび筋肉注射などがある。
【0160】 成人の場合、式Iの抗菌化合物約5〜50mg/kgを1日1〜4回投与する
ことが好ましい。好ましい用量は、1日1〜4回投与で、抗菌剤250mg〜1
000mgである。より具体的には、軽度の感染の場合、1日2回または3回投
与で約250mgの用量が望ましい。感受性の高いグラム陽性菌に対する中等度
の感染の場合、1日3回または4回投与で約500mgの用量が望ましい。抗生
物質に対する感受性が上限である微生物に対する重度で生命の危険がある感染の
場合、1日3回または4回投与で約1000〜2000mgの用量が望ましい。
【0161】 小児の場合、1日2回、3回または4回投与で、約5〜25mg/kgの用量
が好ましく、代表的には10mg/kgの用量が望ましい。
【0162】 式Iの化合物は、カルバペネム類として知られる広い分類に属するものである
。多くのカルバペネムが、デヒドロペプチダーゼ(DHP)として知られる腎臓
酵素による攻撃を受けやすい。その攻撃すなわち分解によって、カルバペネム抗
菌剤の効力は低下し得る。他方、本発明の化合物の多くは、相対的にそのような
攻撃を受けにくく、従ってDHP阻害薬の使用を必要としない場合がある。しか
しながら、そのような使用は適宜行うものであり、本発明の一部であると想到さ
れる。DHP阻害薬およびそれのカルバペネムとの使用は、例えば、1979年
7月24日出願の欧州特許出願79102616.4号(特許番号000761
4号)および1982年8月9日出願の同82107174.3号(公開番号0
072014号)に開示されている。
【0163】 DHP阻害が望ましいかまたは必要な場合、本発明の化合物を、上記の特許お
よび公開出願に記載のような適切なDHP阻害薬と組み合わせるかまたは併用す
ることができる。上記引用の欧州特許出願では、本発明のカルバペネム類のDH
P感受性の測定方法が記載されており、好適な阻害薬、併用組成物および投与方
法が開示されている。併用組成物中での式Iの化合物:DHP阻害薬の好ましい
重量比は約1:1である。
【0164】 好ましいDHP阻害薬は、7−(L−2−アミノ−2−カルボキシエチルチオ
)−2−(2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸
またはそれの有用な塩である。
【0165】 以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明はこれら実施例によ
って限定されるものではない。
【0166】 製造例1 5−(トリメチルシリルオキシメチル)−1,8−ナフトスルタムの合成
【0167】
【化72】
【0168】 段階1:5−ブロモ−1,8−ナフトスルタム 1,8−ナフトスルタム(5g、24.4mmol)の酢酸(20mL)懸濁
液に、暗色のヨウ素(6.5g、25.6mmol)および臭素(1.3mL、
25.2mmol)の酢酸(20mL)溶液を10分間かけて加えた。懸濁液を
さらに95分間攪拌し、次に60℃の油浴に30分間入れた。冷却して室温とし
た後、混合物を1%NaHSO水溶液(300mL)に加えた。暗色沈殿物を
濾過し、窒素気流下に終夜乾燥した。得られた固体(6g)を酢酸エチルに溶か
し、シリカゲル(約6g)を加え、混合物を減圧下に溶媒留去した。シリカに吸
着させた混合物を4.5×30cmシリカカラム(シリカゲル60)に負荷し、
5%酢酸エチル/塩化メチレンで溶出して、25mLずつの分画を回収した。分
画24〜60を合わせ、溶媒留去して緑色固体を得て、それをトルエンから再結
晶することで、標題化合物を明緑色固体として得た(3.8g)。
【0169】 H NMR(CDCl、500MHz)δ:6.82(d、ArH)、6 .83(brs、NH)、7.80(d、ArH)、7.93(t、ArH)、
8.05(d、ArH)および8.38(d、ArH)。
【0170】 段階2:5−(ヒドロキシメチル)−1,8−ナフトスルタム 三頸フラスコに入れた5−ブロモ−1,8−ナフトスルタム(0.5g、1.
76mmol)の脱水テトラヒドロフラン(10mL)溶液を、窒素下にドライ
アイス/アセトン浴で冷却した。N−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液2
.75mL、4.4mmol)を2分間かけて加え、懸濁液をさらに7分間攪拌
した。フラスコに取り付けた乾燥管の球部に入ったパラホルムアルデヒド(0.
317g、10.6mmol)をヒートガンで加熱しながら、窒素のゆるやかな
気流をその固体に吹きつけた。発生したホルムアルデヒドをフラスコに導入し、
13分間かけて、ファイアストン(Firestone)バルブに連結されたラインから キャリアガスを排気した。さらに5分後、混合物を浴から出し、10分間攪拌し
た。塩酸(2N溶液3mL)を加え、透明懸濁液をさらに10分間攪拌した。混
合物を酢酸エチル(50mL)と水(50mL)との間で分配した。酢酸エチル
層を飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水
し、濾過し、溶媒留去した。固体残留物(0.5g)を5%メタノール/塩化メ
チレンに溶かし、24×4.5cmシリカゲルカラム(シリカゲル60、5%メ
タノール/塩化メチレンで充填/負荷/溶出)に負荷し、8mLずつの分画を回
収した。分画12〜42を合わせ、溶媒留去して、標題化合物を白色固体として
得た(0.185g)。
【0171】 H NMR(DMSO−d、500MHz)δ:4.85(d、CH O H)、5.22(t、CH OH)、6.82(d、ArH)、7.52(d、
ArH)、7.83(t、ArH)、8.13(d、ArH)および8.38(
d、ArH)。
【0172】 段階3:5−(トリメチルシリルオキシメチル)−1,8−ナフトスルタム 5−(ヒドロキシメチル)−1,8−ナフトスルタム(0.185g、0.7
9mmol)のテトラヒドロフラン(1mL)溶液に、N,O−ビス(トリメチ
ルシリル)アセトアミド((BSA)、0.49mL、1.98mmol)を加
えた。混合物を室温で1時間攪拌してから溶媒留去した。残留油状物を塩化メチ
レン(1mL)に溶かし、シリカゲル60(2.5g)で濾過し、そのシリカを
追加の塩化メチレン(50mL)で溶出した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を
ベンゼン(3mL)から凍結乾燥して、標題化合物を白色固体として得た(0.
20g)。
【0173】 H NMR(CDCl、500MHz)δ:0.19(s、SiMe) 、5.07(s、CH)、6.83(d、ArH)、6.87(brs、NH
)、7.50(d、ArH)、7.78(t、ArH)、7、95(d、ArH
)および8.26(d、ArH)。
【0174】 製造例2 5−(2−(トリメチルシリルオキシ)−エチル)−1,8−ナフトスルタムの 合成
【0175】
【化73】
【0176】 段階1:5−(2−(ヒドロキシ)−エチル)−1,8−ナフトスルタム 5−ブロモ−1,8−ナフトスルタム(0.6g、2.11mmol)の脱水
テトラヒドロフラン(10mL)溶液を、窒素下にドライアイス/アセトン浴で
冷却した。N−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液3.3mL、5.28m
mol)を7分間かけて加え、懸濁液をさらに8分間攪拌した。過剰量のエチレ
ンオキサイドを、5分間かけて混合物にゆっくり吹き込んだ。三フッ化ホウ素エ
ーテラート(0.26mL、2.11mmol)を5分間かけて加えた。さらに
20分後、酢酸(0.35mL、6mmol)を加えることで反応停止した。混
合物を酢酸エチル(100mL)と水(100mL)との間で分配した。酢酸エ
チル層を飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで
脱水し、濾過し、溶媒留去した。残留油状物(0.7g)を5%メタノール/塩
化メチレンに溶かし、24×2.75cmシリカゲルカラム(シリカゲル60、
5%メタノール/塩化メチレンで充填/負荷/溶出)に負荷し、8mLずつの分
画を回収した。分画26〜39を合わせ、溶媒留去して、標題化合物を油状物と
して得た(0.28g)。
【0177】 H NMR(DMSO−d、500MHz)δ:3.22(t、CHA r)、3.87(t、CH OH)、6.79(d、ArH)、7.35(d、
ArH)、7.74(t、ArH)、7.91(d、ArH)および8.21(
d、ArH)。
【0178】 段階2:5−(2−(トリメチルシリルオキシ)−エチル)−1,8−ナフト スルタム 5−(2−(ヒドロキシ)−エチル)−1,8−ナフトスルタム(0.09g
、0.36mmol)のテトラヒドロフラン(1mL)溶液に、N,O−ビス(
トリメチルシリル)アセトアミド(0.223mL、0.90mmol)を加え
た。混合物を室温で20分間攪拌してから溶媒留去した。残留油状物を塩化メチ
レン(3mL)に溶かし、シリカゲル60(2.7g)で濾過し、そのシリカを
追加の塩化メチレン(50mL)で溶出した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を
ベンゼン(3mL)から凍結乾燥して、標題化合物を白色固体として得た(0.
08g)。
【0179】 製造例3 4−(2−(トリメチルシリルオキシ)−エチル)−1,8−ナフトスルタムの 合成
【0180】
【化74】
【0181】 段階1:1−(メトキシカルボニルメチル)−4−ナフタレンスルホン酸カリ ウム 1−ナフタレン酢酸メチル(1mL、5.77mmol)の四塩化炭素(1m
L)溶液を、窒素下に氷浴で冷却した。クロロスルホン酸(0.38mL、5.
7mmol)を8分間かけて滴下した。さらに30分後、粘稠混合物を浴から出
し、室温で17時間攪拌することで白色固体を得た。固体を塩化メチレン(5m
L)と水(5mL)との間で分配した。ソルカ−フロック(solka-floc)で濾過
した後、塩化メチレン層を追加の水で抽出し(5mLで2回)、合わせた水系抽
出液を炭酸カリウムで塩基性とすることで沈殿を得た。懸濁液を濃縮して約5m
Lとし、氷浴で冷却した。次に、懸濁液を濾過し、回収固体を冷水(2mL)で
洗浄した。固体を窒素気流下に乾燥して、標題化合物を白色固体として得た(0
.84g)。
【0182】 H NMR(DMSO−d、500MHz)δ:3.73(s、OMe) 、4.27(s、CHAr)、7.53(d、ArH)、7.71(t、Ar
H)、7.76(t、ArH)、8.06(d、ArH)、8.10(d、Ar
H)および8.73(d、ArH)。
【0183】 段階2:1−(メトキシカルボニルメチル)−5−ニトロ−4−ナフタレンス ルホン酸 メタノール/氷浴で約−15℃まで冷却した90%硝酸に、1−(メトキシカ
ルボニルメチル)−4−ナフタレンスルホン酸カリウム(10g、31.4mm
ol)を30分間かけて滴下した。2時間後、浴温は−10℃に達し、ジエチル
エーテル(200mL)を混合物に加えた。沈殿固体を濾過し、エーテル(10
0mL)とイソプロパノール(20mL)とで洗浄し、窒素気流下に乾燥して、
標題化合物を、5−ニトロ異性体と8−ニトロ異性体の約70:30混合物とし
て得た(約12g)。
【0184】 H NMR(DO、500MHz)δ:3.69(s、OMe)、4.3 0(s、CHAr)、7.67(t、ArH)、7.71(d、ArH)、8
.18(d、ArH)、8.29(d、ArH)および8.33(d、ArH)
【0185】 段階3:1−(メトキシカルボニルメチル)−5−アミノ−4−ナフタレンス ルホン酸ナトリウム 濃硫酸0.5mLを含む水(20mL)に、1−(メトキシカルボニルメチル
)−5−ニトロ−4−ナフタレンスルホン酸(2g、6.15mmol)を溶か
し、還流している鉄(4g、71.6mmol)の水(100mL)懸濁液に5
分間かけて滴下した。1時間還流した後、暗色混合物を冷却して室温とし、炭酸
ナトリウムで塩基性とし、濃縮して約30mLとした。残留混合物をCG−16
1アンバークロム(amberchrom)樹脂カラム(2.5×30cm)に負荷した。
カラムを水(200mL)、10%MeCN/HO(200mL)および25
%MeCN/HO(400mL)で洗浄し、25mLずつの分画を回収した。
分画21〜28を合わせ、溶媒留去して、標題化合物を暗色固体として得た(0
.675g)。
【0186】 H NMR(DO、500MHz)δ:3.64(s、OMe)、4.1 8(s、CHAr)、7.04(d、ArH)、7.38(d、ArH)、7
.41(d、ArH)、7.45(t、ArH)および8.22(d、ArH)
【0187】 段階4:4−(メトキシカルボニルメチル)−1,8−ナフトスルタム 1−(メトキシカルボニルメチル)−5−アミノ−4−ナフタレンスルホン酸
ナトリウム(0.675g、2.13mmol)をオキシ塩化リン(10g、6
5.2mmol)に懸濁させ、1時間還流して薄い懸濁液を得た。混合物を冷却
して室温とし、酢酸エチル(100mL)と水(100mL)との間で分配した
。水層を酢酸エチル(50mL)で抽出し、合わせた酢酸エチル層を飽和塩化ナ
トリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、
溶媒留去して、標題化合物を固体として得た(0.55g)。
【0188】 H NMR(CDCl、500MHz)δ:3.72(s、OMe)、4 .15(s、CHAr)、6.86(brs、NH)、6.97(d、ArH
)、7.60(t、ArH)、7.67(d、ArH)、7.71(d、ArH
)および7.95(d、ArH)。
【0189】 段階5:4−(2−(ヒドロキシ)−エチル)−1,8−ナフトスルタム 4−(メトキシカルボニルメチル)−1,8−ナフトスルタム(0.2g、0
.72mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液を窒素下に氷浴で冷却し
た。水素化リチウムアルミニウム(1.0M THF溶液1.44mL、1.4 4mmol)を1分間かけて加えて、明黄色懸濁液を得た。30分後、水を注意
深く加え、混合物を酢酸エチル(30mL)と1N塩酸(10mL)との間で分
配した。水層を酢酸エチル(50mL)で抽出し、合わせた酢酸エチル層を飽和
塩化ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過
し、溶媒留去した。残留固体(0.16g)を分取薄層クロマトグラフィー(1
000ミクロンシリカゲル板2枚、展開液/溶出液:5%MeOH/CHCl )によって精製して、標題化合物を固体として得た(0.127g)。
【0190】 H NMR(0.14mL CDClおよび0.01mL CDOD、5 00MHz)δ:3.33(t、CHAr)、3.91(t、CH OH)、
6.84(d、ArH)、7.49(dd、ArH)、7.59(d、ArH)
、7.59(d、ArH)および7.83(d、ArH)。
【0191】 段階6:4−(2−(トリメチルシリルオキシ)−エチル)−1,8−ナフト スルタム 4−(2−(ヒドロキシ)−エチル)−1,8−ナフトスルタム(0.125
g、0.50mmol)のテトラヒドロフラン(1mL)溶液に、N,O−ビス
トリメチルシリルアセトアミド(0.31mL、1.25mmol)を加えた。
1時間後、混合物の溶媒留去を行い、残留物を塩化メチレン(2mL)に溶かし
、シリカゲル(2.5g)で濾過した。シリカゲルを塩化メチレン(50mL)
で溶出し、溶媒を留去し、残留物をベンゼン(3mL)から凍結乾燥して、標題
化合物を油状物として得た(0.16g、定量的)。
【0192】 H NMR(CDCl、500MHz)δ:0.035(s、TMS)、 3.37(t、CHAr)、3.94(t、CH O(TMS))、6.95
(d、ArH)、7.56(dd、ArH)、7.64(d、ArH)、7.7
1(d、ArH)および7.92(d、ArH)。
【0193】 製造例4 4−(トリメチルシリルオキシメチル)−1,8−ナフトスルタムの合成
【0194】
【化75】
【0195】 段階1:1−ブロモ−4−ナフタレンスルホン酸カリウム 1−ブロモナフタレン(19mL、137mmol)の四塩化炭素(24mL
)溶液を、窒素下に氷浴で冷却した。クロロスルホン酸(9.1mL、137m
mol)を20分間かけて滴下した。さらに5分後、粘稠灰色懸濁液を氷浴から
出し、室温で16時間攪拌することで灰色ペーストを得た。混合物を塩化メチレ
ン(100mL)と水(300mL)との間で分配した。水層を炭酸カリウムで
塩基性とし、得られた懸濁液を濾過した。回収固体を塩化メチレン(50mL)
と水(50mL)で洗浄し、減圧乾燥して、標題化合物を白色固体として得た(
30g)。
【0196】 H NMR(DMSO−d、500MHz)δ:7.61(m、ArH) 、7.65(m、ArH)、7.82(m、2ArH)、8.14(dd、Ar
H)および8.90(dd、ArH)。
【0197】 段階2:1−ブロモ−5−ニトロ−4−ナフタレンスルホン酸 メタノール/氷浴で約−15℃まで冷却した90%硝酸(2mL)に、1−ブ
ロモ−4−ナフタレンスルホン酸カリウム(1.38g、4.24mmol)を
20分間かけて滴下した。1.5時間後、混合物を20時間冷蔵庫に入れた。ジ
エチルエーテル(20mL)を加え、沈殿固体を濾過し、エーテル(100mL
)とイソプロパノール(20mL)とで洗浄し、窒素気流下に乾燥して、標題化
合物を、5−ニトロ異性体と8−ニトロ異性体の約4:1混合物として得た(約
1.25g)。
【0198】 H NMR(DO、500MHz)δ:7.70(dd、ArH)、8. 09(d、ArH)、8.20(d、ArH)、8.21(dd、ArH)およ
び8.63(d、ArH)。
【0199】 段階3:1−ブロモ−5−アミノ−4−ナフタレンスルホン酸ナトリウム 1−ブロモ−5−ニトロ−4−ナフタレンスルホン酸(1g、3.01mmo
l)と塩化スズ・2水和物(1.83g、8.1mmol)を、水(10mL)
とエタノール(10mL)の混合液に懸濁させた。得られた混合物を100℃の
油浴で3時間加熱した。混合物を冷却して室温とし、濾過した。回収固体を水(
20mL)に懸濁させ、混合物を炭酸ナトリウムで塩基性とし、CG−161ア
ンバークロム樹脂カラム(3×9cm)に負荷した。カラムを水(300mL)
で洗浄し、25%MeCN/HOで溶出して、12mLずつの分画を回収した
。分画17〜19を合わせ、溶媒留去して、標題化合物を固体として得た(0.
33g)。
【0200】 H NMR(DO、500MHz)δ:7.07(dd、ArH)、7. 49(t、ArH)、7.83(d、ArH)、7.85(dd、ArH)およ
び8.08(d、ArH)。
【0201】 段階4:4−ブロモ−1,8−ナフトスルタム 1−ブロモ−5−アミノ−4−ナフタレンスルホン酸ナトリウム(1.2g、
3.70mmol)をオキシ塩化リン(10mL、107mmol)に懸濁させ
、混合物を1時間還流して薄い懸濁液を得た。混合物を冷却して室温とし、氷(
100mL)に投入した。沈殿物を回収し、水(20mL)で洗浄し、減圧乾燥
した(0.675g)。濾液から第2の生成物塊を得た(0.186g)。合わ
せた固体を5%メタノール/塩化メチレンに溶かし、シリカゲルカラム(29×
3.5cm、5%メタノール/塩化メチレンで充填および溶出)に負荷し、8m
Lずつの分画を回収した。分画27〜39を合わせ、溶媒留去して、標題化合物
を固体として得た(0.55g)。
【0202】 H NMR(0.14mL CDClおよび0.01mL CDOD、5 00MHz)δ:6.89(d、ArH)、7.58(dd、ArH)、7.6
8(d、ArH)、7.73(d、ArH)および7.95(d、ArH)。
【0203】 段階5:4−ホルミル−1,8−ナフトスルタム 4−ブロモ−1,8−ナフトスルタム(0.24g、0.845mmol)の
脱水テトラヒドロフラン(5mL)溶液を、窒素下にドライアイス/アセトン浴
で冷却した。n−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液1.32mL、2.1
1mmol)を加え、混合物を5分間攪拌した。ギ酸エチル(1mL、12.4
mmol)を加え、さらに5分経過した後、2N塩酸(3mL)を加えた。フラ
スコを浴から取り出し、黄色溶液を酢酸エチル(30mL)と水(30mL)と
の間で分配した。酢酸エチル層を飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で洗浄
し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、溶媒留去した。残留油状物を分取シリ
カゲル板(1000ミクロンの板3枚、5%メタノール/塩化メチレンで展開・
溶出)で精製して、標題化合物を赤色固体として得た(0.035g)。
【0204】 H NMR(CDCl、500MHz)δ:7.09(d、ArH)、7 .78(dd、ArH)、8.12(d、ArH)、8.30(d、ArH)、
8.70(d、ArH)および10.5(s、CHO)。
【0205】 段階6:4−(ヒドロキシメチル)−1,8−ナフトスルタム 4−ホルミル−1,8−ナフトスルタム(0.035g、0.15mmol)
の脱水メタノール(1mL)溶液を、窒素下に氷浴で冷却した。水素化ホウ素ナ
トリウム(0.011g、0.3mmol)を加え、溶液を30分間攪拌した。
混合物を塩化メチレン(10mL)と0.2N塩酸(10mL)との間で分配し
た。水層を5%メタノール/塩化メチレンで抽出し(10mLで2回)、合わせ
た有機層を溶媒留去して、標題化合物を黄色固体として得た(0.032g)。
【0206】 H NMR(0.14mL CDClおよび0.01mL CDOD、5 00MHz)δ:5.13(s、CH OH)、6.85(d、ArH)、7.
50(dd、ArH)、7.57(d、ArH)、7.82(d、ArH)およ
び7.88(d、ArH)。
【0207】 段階7:4−(トリメチルシリルオキシメチル)−1,8−ナフトスルタム 4−(ヒドロキシメチル)−1,8−ナフトスルタム(0.032g、0.1
36mmol)のテトラヒドロフラン(0.5mL)溶液に、N,O−ビス(ト
リメチルシリル)アセトアミド(0.084mL、0.34mmol)を加えた
。混合物を室温で45分間攪拌してから溶媒留去した。残留油状物を塩化メチレ
ン(1mL)に溶かし、シリカゲル60(1g)で濾過し、そのシリカを追加の
塩化メチレン(50mL)で溶出した。溶媒を減圧下に留去し、残留物をベンゼ
ン(3mL)から凍結乾燥して、標題化合物を白色固体として得た(0.037
g)。
【0208】 H NMR(CDCl、500MHz)δ:0.23(s、SiMe) 、6.78(brs、NH)、5.23(s、CH)、6.97(d、ArH
)、7.58(dd、ArH)、7.64(d、ArH)、7.90(d、Ar
H)および7.97(d、ArH)。
【0209】 製造例5 4−(3−トリメチルシリルオキシプロプ−1−イル)−1,8−ナフトスルタ ムの合成
【0210】
【化76】
【0211】 段階1〜6:4−(3−トリメチルシリルオキシプロプ−1−イル)−1,8 −ナフトスルタムの合成 製造例3の手順において、1−ナフタレン酢酸メチルに代えて1−ナフタレン
プロピオン酸メチルを用いることで、4−(3−トリメチルシリルオキシプロプ
−1−イル)−1,8−ナフトスルタムが製造される。
【0212】 実施例6
【0213】
【化77】 i)市販のプロパルギルアルコール(5.0g、35.72mmol)のN,
N−ジメチルホルムアミド(50mL)溶液をN雰囲気下に攪拌しながら冷却
して0℃とし、それにイミダゾール(668mg、9.83mmol)を加え、
反応液を5分間攪拌した。次に、無希釈のトリエチルシリルクロライド(16.
2mL、96.21mmol)を上記の溶液に5分間かけて滴下した。無色溶液
を室温で10分間攪拌し、酢酸エチル、希重炭酸ナトリウム水溶液および氷の二
相系混合液間で分配した。酢酸エチル抽出液を水および飽和ブラインで洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで脱水した。得られた抽出液を減圧下に濃縮して粘稠油状物
を得て、それを次に軽い減圧下に置き(3.7mm)、分別蒸留して(57〜6
1℃)、純粋なトリエチルシリルオキシプロピニルエーテル3.03gを無色油
状物として得た。
【0214】 ii)トリエチルシリルオキシプロピニルエーテル(3.03g、18.15
mmol)のテトラヒドロフラン(33mL)溶液をN雰囲気下に−78℃で
攪拌しながら、それにn−ブチルリチウム(8.0mL、19.96mmol)
を30分間かけて滴下した。反応液を昇温させて−20℃とし、1時間攪拌し、
塩化t−ブチルスズ(5.89mL、21.78mmol)を30分間かけて滴
下し、反応液を再度1時間攪拌した。暗色溶液を、酢酸エチル、水および氷の二
相系混合液間で分配した。酢酸エチル抽出液を水および飽和ブラインで洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで脱水した。抽出液を減圧下に濃縮して、暗色粘稠油状物を
得た。粗スタンネートを、フラッシュクロマトグラフィー(フロリジル(floris
il)200〜400メッシュ)を用いて精製し、9:1ヘキサン:塩化メチレン
で溶出して、純粋な生成物6.12gを無色油状物として得た。
【0215】 H NMR(CDCl)d:0.64(q、6H)、0.91(t、6H )、1.02(t、18H)、1.31(m、6H)、1.72(m、6H)、
4.34(s、2H)。
【0216】 実施例7
【0217】
【化78】 カルバペネム2−イル−トリフレート(100mg、0.164mmol)
およびトリエチルシリルオキシプロピニルスタンナン(112mg、0.246
mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液をN雰囲気下に0
℃で攪拌しながら、それに臭化リチウム(28mg、0.328mmol)およ
びビスアセトニトリルパラジウム(II)クロライド(2.1mg、0.008
2mmol)を加えた。反応液を1時間攪拌し、酢酸エチル、水および氷の二相
系混合液間で分配した。得られた酢酸エチル抽出液を水および飽和ブラインで洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。抽出液を減圧下に濃縮し、得られた粗残
留物をシリカゲル板薄層クロマトグラフィー(1000ミクロンの板2枚)を用
いて精製し、4:1ヘキサン/酢酸エチルで溶出して、所望の生成物70mgを
淡黄色油状物として得た。
【0218】 H NMR(CDCl)δ:0.59(m、12H)、0.73(m、1 8H)、1.24(d、3H)、1.26(d、3H)、3.18(m、1H)
、3.20(dd、1H)、4.12(p、1H)、4.25(dd、1H)、
4.53(s、2H)、5.28〜5.49(q、2H)、7.65(d、2H
)、8.21(d、2H)。
【0219】 実施例8
【0220】
【化79】 (1S,5R,6S)−6−((1R)−トリエチルシリルオキシエチル)−
3−(4−ニトロベンジルカルボキシル)−2−(1−トリエチルシリルオキシ
−1−プロピニル)−1−(メチル)−カルバペネム(77mg、0.122m
mol)のTHF(2mL)溶液を0℃でN雰囲気下に攪拌しながら、それに
酢酸(11μL、0.183mmol)およびフッ化テトラブチルアンモニウム
の1.0Mテトラヒドロフラン溶液(122μL、0.122mmol)を加え
た。反応液を1時間攪拌し、酢酸エチル、重炭酸ナトリウム水溶液および氷の二
相系混合液間で分配した。得られた酢酸エチル抽出液を水および飽和ブラインで
洗浄した。抽出液を硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して、淡黄色固体を
得た。得られた粗生成物をシリカゲル板薄層クロマトグラフィー(1000ミク
ロンの板1枚)で精製し、1:1ヘキサン:酢酸エチルで溶出して、所望の生成
物33mgを半結晶固体として得た。
【0221】 H NMR(CDCl)δ:0.57(q、6H)、0.90(t、9H )、1.22(t、6H)、1.74(t、1H)、3.16(m、1H)、3
.23(dd、1H)、4.23〜4.32(m、2H)、4.48(d、2H
)、5.26〜5.48(q、2H)、7.64(d、2H)、8.21(d、
2H)。
【0222】 実施例9
【0223】
【化80】 (1S,5R,6S)−6−((1R)−トリエチルシリルオキシエチル)−
3−(4−ニトロベンジルカルボキシル)−2−(1−ヒドロキシプロピニル)
−1−(メチル)−カルバペネム(84mg、0.164mmol)、4−(2
−(トリメチルシリルオキシ)−エチル)−1,8−ナフトスルタム(43mg
、0.137mmol)およびトリフェニルホスフィン(43mg、0.164
mmol)のTHF(2mL)溶液を0℃でN雰囲気下に攪拌しながら、それ
にアゾジカルボン酸ジイソプロピルを加え、反応液を20分間攪拌した。反応混
合物を減圧下に濃縮して約1.0mLとし、シリカゲル板薄層クロマトグラフィ
ー(1000ミクロンの板1枚)を用いて精製し、1:1ヘキサン:酢酸エチル
で溶出して、所望の生成物57mgを無色油状物として得た。
【0224】 H NMR(CDCl)δ:0.05(s、9H)、0.52(q、6H )、0.88(t、9H)、1.11(d、3H)、1.19(d、3H)、3
.10(m、1H)、3.25(dd、1H)、3.31(t、2H)、3.8
6(t、2H)、4.18(m、2H)、4.77(s、2H)、5.16〜5
.38(q、2H)、6.91(dd、1H)、7.45(d、2H)、7.5
0〜7.62(M、3H)、7.85(dd、1H)、8.00(d、2H)。
【0225】 実施例10
【0226】
【化81】 (1S,5R,6S)−6−((1R)−トリエチルシリルオキシエチル)−
3−(4−ニトロベンジルカルボキシル)−2−(4−(2−トリメチルシリル
オキシ)−エチル)−1,8−ナフトスルタム−1−プロピニル)−1−(メチ
ル)−カルバペネム(48mg、0.0563mmol)のTHF(1mL)溶
液を0℃でN雰囲気下に攪拌しながら、それに酢酸(4.8μL、0.084
5mmol)およびフッ化テトラブチルアンモニウムの1.0Mテトラヒドロフ
ラン溶液(59μL、0.059mmol)を加えた。反応液を10分間攪拌し
、酢酸エチル、重炭酸ナトリウム水溶液および氷の二相系混合液間で分配した。
酢酸エチル抽出液を水および飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した
。得られた抽出液を減圧下に濃縮して、粘稠残留物を得た。得られた残留物をシ
リカゲル板薄層クロマトグラフィー(1000ミクロンの板2枚)で精製し、3
:2ヘキサン:酢酸エチルで溶出して、所望の生成物34mgを黄褐色固体とし
て得た。
【0227】 H NMR(CDCl)δ:0.52(q、6H)、0.88(t、9H )、1.13(d、3H)、1.24(d、3H)、1.55(t、1H)、3
.14(m、1H)、3.28(dd、1H)、3.35(t、2H)、3.9
1(bt、2H)、4.21(m、2H)、4.76(s、2H)、5.20〜
5.33(q、2H)、6.91(d、1H)、7.45(d、2H)、7.5
2(t、1H)、7.58〜7.60(M、2H)、7.88(dd、1H)、
8.02(d、2H)。
【0228】 実施例11
【0229】
【化82】 (1S,5R,6S)−6−((1R)−トリエチルシリルオキシエチル)−
3−(4−ニトロベンジルカルボキシル)−2−(4−(2−(ヒドロキシ)−
エチル)−1,8−ナフトスルタム−1−プロピニル)−1−(メチル)−カル
バペネム(51mg、0.0684mmol)の塩化メチレン(1mL)溶液を
−20℃でN雰囲気下に攪拌しながら、それに2,6−ルチジン(8.4μL
、0.0761mmol)を加え、反応液を5分間攪拌した。無水トリフルオロ
酢酸(12.7μL、0.0798mmol)を加え、反応液をさらに20分間
攪拌した。反応混合物を酢酸エチル、水、氷および2N塩酸50μLの二相系混
合液間で分配した。酢酸エチル抽出液を水、飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリ
ウムで脱水した。抽出液を減圧下に濃縮して、粗アルキルトリフレートを定量的
収率で得た。
【0230】 ii)上記で得られた粗アルキルトリフレートをアセトニトリル(2.0mL
)に溶かし、N雰囲気とした。その溶液を攪拌しながら、ダブコアセトアミド
トリフレート塩(33mg、0.103mmol)を加え、反応液を室温で3時
間攪拌した。次に、反応液をジエチルエーテル(10mL)で希釈して、油状懸
濁液を得た。懸濁液を遠心し、エーテル上清を廃棄した。得られた油状物を真空
ポンプで吸引して、半結晶固体を得た。粗生成物をアンバークロムCG−161
樹脂充填カラム(2.5×10cm)で精製し、水−アセトニトリルによる勾配
溶離を行った。生成物を含む分画を合わせたものを減圧下に濃縮して約10mL
とし、凍結乾燥して、所望の生成物35mgを白色凍結乾燥品として得た。
【0231】 H NMR(d−(CHCO)δ:0.57(q、6H)、0.9 1(t、9H)、1.16(t、6H)、3.22(m、1H)、3.49(d
d、1H)、4.02(m、2H)、4.30〜4.35(m、4H)、4.6
4(s、12H)、4.72(s、2H)、4.79(s、2H)、5.24〜
5.38(q、2H)、7.18(d、1H)、7.21(bs、1H)、7.
58(d、2H)、7.71(m、2H)、7.82(dd、1H)、7.92
(d、1H)、8.05(d、2H)、8.09(dd、1H)。
【0232】 実施例12
【0233】
【化83】 i)(1S,5R,6S)−6−((1R)−トリエチルシリルオキシエチル
)−3−(4−ニトロベンジルカルボキシル)−2−(4−(2−(4−カルバ
モイルメチル−1,4−ジアゾニアビシクロ−{2,2,2}−オクト−1−イ
ル−メチル)−1,8−ナフトスルタム−1−プロピニル)−1−(メチル)−
カルバペネムトリフレート(35mg、0.0292mmol)のTHF−水(
2:1、1mL)溶液を0℃でN雰囲気下に攪拌しながら、それに2N塩酸(
14.6mL、0.0292mmol)を加え、反応液を1時間攪拌した。
【0234】 ii)重炭酸ナトリウム水溶液(29μL、0.0292mmol)によって
、上記反応混合物のpHを中性に調節した。次に、5%白金/炭素触媒(3.5
mg、10重量%)を加え、黒色懸濁液を水素雰囲気とした。反応液を大気圧お
よび室温で22分間高攪拌した。黒色懸濁液をセライト層濾過して無色溶液を得
て、それをマクロプレプ(macro prep)イオン交換樹脂(1.0×10cmカラ
ムに2.0mLを充填したもの)で処理し、5%ブライン水溶液で溶出した。次
に、粗生成物を含む塩溶液について、アンバークロムCG−161樹脂(1.0
×10cmカラムに10mLを充填したもの)を用いて脱塩を行い、アセトニト
リル−水の勾配溶離を行った。純粋な生成物を含む分画を合わせ、減圧下に濃縮
して約20mLとし、凍結乾燥して、所望の生成物15.8mgを白色凍結乾燥
品として得た。
【0235】 H NMR(2:1 DO:CDCN)δ:1.24(d、3H)、1.
52(d、3H)、3.20(m、1H)、3.62(dd、1H)、4.04
(bt、2H)、4.24(bt、2H)、4.38(dd、1H)、4.44
〜4.54(m、7H)、4.62(s、6H)、4.78(s、2H)、5.
28(s、2H)、7.58(d、1H)、8.18(d、1H)、8.36(
t、1H)、8.38(dd、1H)、8.46(d、1H)。
【0236】 実施例13
【0237】
【化84】 カルバペネム−2−イル−トリフレート(200mg、0.329mmol
)および()−:()−ビニルスタンナンの2:1混合物[Jung, M.E.; Li
ght, L.A., Tetrahedron Lett., 1982, 23, 3851に従って製造したもの](14
4μL、0.493mmol)のNMP(4mL)溶液をN雰囲気下に攪拌し
ながら、それにパラジウムジベンジリジンアセトン−クロロホルム触媒(17m
g、0.0165mmol)およびトリ−トリフリルホスフィン(7.6mg、
0.0329mmol)を加えた。塩化亜鉛の1.0Mエーテル溶液(362μ
L、0.0329mmol)を加え、反応液を6時間攪拌して、黒色懸濁液を得
た。反応混合物を、酢酸エチル、水および氷の二相系混合液間で分配した。酢酸
エチル抽出液を水および飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した。抽
出液を減圧下に濃縮して褐色粘稠油状物を得た。それを、シリカゲル板薄層クロ
マトグラフィーを用いて精製し、1:1酢酸エチル:ヘキサンで溶出して、標題
化合物103mgを無色油状物として得た。
【0238】 H NMR(CDCl)δ:0.58(m、6H)、0.94(t、9H )、1.22(d、3H)、1.29(d、3H)、3.23(dd、1H)、
3.37(p、1H)、4.19(dd、1H)、4.21(m、1H)、4.
32(dd、2H)、5.26〜5.48(q、2H)、6.18(dt、1H
)、7.27(d、1H)、7.68(d、2H)、8.22(d、2H)。
【0239】 実施例14
【0240】
【化85】 実施例9に記載の手順を用いて、上記の化合物が製造される。
【0241】 実施例15
【0242】
【化86】 実施例10に記載の手順を用いて、上記の化合物が製造される。
【0243】 実施例16
【0244】
【化87】 実施例11に記載の手順を用いて、上記の化合物が製造される。
【0245】 実施例17
【0246】
【化88】 実施例12に記載の手順を用いて、上記の化合物が製造される。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年3月23日(2000.3.23)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 [式中、 RはHまたはメチルを表し; COMは、カルボン酸基、カルボキシレートアニオン、医薬的に許容される
エステル基または保護基で保護されたカルボン酸基を表し; Zはトランス−エテンジイルまたはエチンジイルを表し; Pは水素、水酸基、Fまたは水酸基保護基で保護された水酸基を表し; 各Rは独立に、Q;水素;ハロゲン;CN;NO;NR;OR;S
;C(O)NR;C(O)OR;S(O)R;SO;SO NR;NRSO;C(O)R;OC(O)R;OC(O)
NR;NRC(O)NR;NRCO;OCO;N
C(O)R;未置換もしくは1〜4個のR基で置換された直鎖もしくは
分岐鎖のC1−6アルキル;および未置換もしくは1〜4個のR基で置換され
たC3−7シクロアルキルから選択され; 各R、RおよびRは独立に、水素;未置換もしくは1〜4個のR基で
置換された直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル;または未置換もしくは1〜
4個のR基で置換されたC3−7シクロアルキルを表すか;あるいは RとRとが介在する原子とともに、1〜3個のO、S、NRによって中
断されていても良い4〜6員の飽和環を表し;Rは上記で定義の通りであるか
−C(O)−であり;該環は未置換であるか1〜4個のR基で置換されており
;あるいは RとRとが介在する原子とともに、1〜3個のO、S、NRによって中
断されていても良い4〜6員の飽和環を表し;Rは上記で定義の通りであるか
−C(O)−であり;該環は未置換であるか1〜4個のR基で置換されており
; 各Rは独立に、ハロゲン;−CN;−NO;−NR;−OR;−
SR;−CONR;−COOR;−SOR;−SO;−SO NR;−NRSO;−COR;−NRCOR;−OCO
;−OCONR;−NRCONR;−NRCO;−
OCO;−C(NR)NR;−NRC(NH)NR;−
NRC(NR)R;または−Qを表し; R、RおよびRは、水素または未置換もしくは1〜4個のR基で置換
された直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキルを表すか;あるいは RとRとが介在する原子とともに、1〜3個のO、S、−C(O)−また
はNRによって中断されていても良い4〜6員の飽和環を表し;Rは上記で
定義の通りであり;該環は未置換であるか1〜4個のR基で置換されており;
各Rは独立に、ハロゲン;−CN;−NO;フェニル;−NHSO ;−OR;−SR;−N(R;−N(R;−C(O)N(R ;−SON(R;ヘテロアリール;ヘテロアリーリウム;−CO ;−C(O)R;−OCOR;−NHCOR;グアニジニル;カル
バミミドイル;またはウレイドを表し; 各Rは独立に、水素、直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル基、C3−7 のシクロアルキル基またはフェニルを表すか;あるいはR基が2個存在する場
合、それらのR基が一体となって、1個もしくは2個のO、S、SO、−C
(O)−、NHおよびNCHによって中断されていても良い4〜6員の飽和環
を表すことができ; Qは、下記のものからなる群から選択され;
【化2】 aおよびbは1、2もしくは3であり; Lは医薬的に許容される対イオンであり; αはO、SまたはNRを表し; β、δ、λ、μおよびσはCR、NもしくはNを表し;ただし、上記
で定義のLによって電荷の均衡を取っているNであるのはβ、δ、λ、
μおよびσのうちの1個以下であり; 各Rは独立に、水素;未置換もしくは1〜4個のR基で置換されたフェニ
ルまたは直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキルを表し; 各Rは独立に、水素;ハロゲン;フェニル;−CN;−NO;−NR ;−OR;−SR;−CONR;−COOR;−SOR;−S
;−SONR;−NRSO;−COR;−NR
OR;−OCOR;−OCONR;−NRCO;−NR
ONR;−OCO;未置換もしくは1〜4個のR基で置換された
直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキルを表し; RおよびRは、水素または未置換であるか1〜4個のR基で置換された
直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキルを表すか;または RとRとが介在する原子とともに、1以上のO、S、NRもしくは−C
(O)−によって中断されていても良い4〜6員の飽和環を表し;該環は未置換
であるか1〜4個のR基で置換されており; 各Rは独立に、水素;未置換であるか1〜4個のR基で置換されている直
鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル;1〜4個のR基で置換されていても良
いC3−6シクロアルキル;1〜4個のR基で置換されていても良いフェニル
;または1〜4個のR基で置換されていても良いヘテロアリールを表すか;ま
たは RとRが介在する原子とともに、1個もしくは2個のO、S、SO、N
HまたはNCHによって中断されていても良い5〜6員の飽和環を表し; Rは、水素または1個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐
鎖のC1−8アルキルであり;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個のハロ
ゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR、N (R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)R
NRC(O)NRまたはフェニルもしくはヘテロアリールで置換されて
おり;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基または1〜2個
の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換であるか1
〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良く; RおよびRは、水素;フェニル;未置換であるか1〜4個のR基で置換
されており、O、S、NR、Nもしくは−C(O)−によって中断
されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキルを表すか;または RおよびRが介在する原子とともに、O、S、SO、NR、Nもしくは−C(O)−によって中断されていても良い4〜6員の飽和環を表
し;該環は未置換であるか1〜4個のR基で置換されており; RとRとが一体となって上記で定義の4〜6員環を表す場合には、R
上記で定義の通りであるか、あるいはRは、一体となったRとRによって
表されO、S、NRもしくは−C(O)−によって中断されていても良い環に
融合した別の飽和4〜6員環を表し;それらの環は未置換であるか1〜4個のR 基で置換されている。]
【化3】
【化4】 [式中、 L、aおよびbは最初に定義した通りであり;R、水素あるいは1個もし
くは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(O)−
によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルからなる
群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個のハロ
ゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR、N (R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)R
NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロアリール基で置換さ
れており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基または1〜
2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換である
か1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良く; R、RおよびRは最初に定義した通りである。]
【化5】 式中、Lは最初に定義した通りであり;aおよびbは2を表し;Rは水素
あるいは1個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもし
くは−C(O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8 アルキルからなる群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換である
か1〜4個のハロゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO 、NR、N(R、−C(O)−R、C(O)NR
SONR、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NR C(O)R、NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロア
リール基で置換されており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個の
基または1〜2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル
基は未置換であるか1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良
い、請求項1に記載の化合物。
【化6】 [式中、 COMはカルボキシレートアニオンを表し; 1個のR基が正電荷部分を有し、他のR基が水素ならびに未置換であるか1〜
4個のR基で置換された直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキルから選択され
; Rは最初に定義した通りであり; Qは、下記のものからなる群から選択され;
【化7】 式中、L、aおよびbは最初に定義した通りであり;Rは水素あるいは1
個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(
O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルか
らなる群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個
のハロゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR 、N(R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)
、NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロアリール基で
置換されており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基また
は1〜2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換
であるか1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良く; Rは、水素または直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル基を表し; Rは最初に定義した通りである。]
【化8】 [式中、 COMはカルボキシレートアニオンを表し; 1個のR基が正電荷部分を有してナフトスルタム骨格に結合しており、他のR
基が水素ならびに未置換であるか1〜4個のR基で置換された直鎖もしくは分
岐鎖のC1−6アルキルから選択され; Rは最初に定義した通りであり; Qは、下記のものからなる群から選択され;
【化9】 式中、L、aおよびbは最初に定義した通りであり;Rは水素あるいは1
個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(
O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルか
らなる群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個
のハロゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR 、N(R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)
、NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロアリール基で
置換されており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基また
は1〜2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換
であるか1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良く; Rは、水素または直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル基を表し; Rは最初に定義した通りである。]
【化10】 [式中、 COMはカルボキシレートアニオンを表し; 1個のR基が正電荷部分を有してナフトスルタム骨格に結合しており、他のR
基が水素、ハロゲンならびに未置換であるか1〜4個のR基で置換された直鎖
もしくは分岐鎖のC1−6アルキルから選択され; Rは最初に定義した通りであり; Qは、下記のものからなる群から選択され;
【化11】 式中、L、aおよびbは最初に定義した通りであり;Rは水素あるいは1
個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(
O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルか
らなる群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個
のハロゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR 、N(R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)
、NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロアリール基で
置換されており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基また
は1〜2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換
であるか1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良く; Rは、水素または直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル基を表し; Rは最初に定義した通りである。]
【化12】 [式中、 COMはカルボキシレートアニオンを表し; 1個のR基が正電荷部分を有してナフトスルタム骨格に結合しており、他のR
基が水素、ハロゲンならびに未置換であるか1〜4個のR基で置換された直鎖
もしくは分岐鎖のC1−6アルキルから選択され; Rは最初に定義した通りであり; Qは、下記のものからなる群から選択され;
【化13】 式中、L、aおよびbは最初に定義した通りであり;Rは水素あるいは1
個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(
O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルか
らなる群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個
のハロゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR 、N(R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)
、NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロアリール基で
置換されており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基また
は1〜2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換
であるか1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良く; Rは、水素または直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル基を表し; Rは最初に定義した通りである。]
【化14】 [式中、 Rは、−R、Qおよび1個のR基によって置換された直鎖もしくは分岐鎖
のC1−6アルキル鎖からなる群から選択される正電荷部分を有し; Rは−RまたはQから独立に選択され; Qは、下記のものからなる群から選択され;
【化15】 式中、L、aおよびbは最初に定義した通りであり;Rは水素あるいは1
個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(
O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルか
らなる群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個
のハロゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR 、N(R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)
、NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロアリール基で
置換されており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基また
は1〜2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換
であるか1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良い。]
【化16】 [式中、 Rは、−R、Qおよび1個のR基によって置換された直鎖もしくは分岐鎖
のC1−6アルキル鎖からなる群から選択される正電荷部分を有し; Rは−RまたはQから独立に選択され; Qは、下記のものからなる群から選択され;
【化17】 式中、L、aおよびbは最初に定義した通りであり;Rは水素あるいは1
個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(
O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルか
らなる群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個
のハロゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR 、N(R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)
、NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロアリール基で
置換されており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基また
は1〜2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換
であるか1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良い。]
【化18】 を表し;R、a、bおよびLが最初に定義した通りである請求項16に記載
の化合物。
【化19】 [式中、 Rは
【化20】 を表し;R、a、bおよびLは最初に定義した通りである。]
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CN,CU,CZ,EE,GD,GE,H R,HU,ID,IL,IS,JP,KG,KR,KZ ,LC,LK,LR,LT,LV,MD,MG,MK, MN,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG,S I,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,US ,UZ,VN,YU (72)発明者 デイクストラ,ケビン・デイー アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 Fターム(参考) 4C050 KA03 KB05 KB13 KB16 4C086 AA01 AA03 CC08 MA02 MA03 MA05 NA05 NA14 ZB35

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記式Iによって表される化合物または該化合物の医薬的に
    許容される塩。 【化1】 [式中、 RはHまたはメチルを表し; COMは、カルボン酸基、カルボキシレートアニオン、医薬的に許容される
    エステル基または保護基で保護されたカルボン酸基を表し; Zはトランス−エテンジイルまたはエチンジイルを表し; Pは水素、水酸基、Fまたは水酸基保護基で保護された水酸基を表し; 各Rは独立に、Q;水素;ハロゲン;CN;NO;NR;OR;S
    ;C(O)NR;C(O)OR;S(O)R;SO;SO NR;NRSO;C(O)R;OC(O)R;OC(O)
    NR;NRC(O)NR;NRCO;OCO;N
    C(O)R;未置換もしくは1〜4個のR基で置換された直鎖もしくは
    分岐鎖のC1−6アルキル;および未置換もしくは1〜4個のR基で置換され
    たC3−7シクロアルキルから選択され; 各R、RおよびRは独立に、水素;未置換もしくは1〜4個のR基で
    置換された直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル;または未置換もしくは1〜
    4個のR基で置換されたC3−7シクロアルキルを表すか;あるいは RとRとが介在する原子とともに、1〜3個のO、S、NRによって中
    断されていても良い4〜6員の飽和環を表し;Rは上記で定義の通りであるか
    −C(O)−であり;該環は未置換であるか1〜4個のR基で置換されており
    ;あるいは RとRとが介在する原子とともに、1〜3個のO、S、NRによって中
    断されていても良い4〜6員の飽和環を表し;Rは上記で定義の通りであるか
    −C(O)−であり;該環は未置換であるか1〜4個のR基で置換されており
    ; 各Rは独立に、ハロゲン;−CN;−NO;−NR;−OR;−
    SR;−CONR;−COOR;−SOR;−SO;−SO NR;−NRSO;−COR;−NRCOR;−OCO
    ;−OCONR;−NRCONR;−NRCO;−
    OCO;−C(NR)NR;−NRC(NH)NR;−
    NRC(NR)R;または−Qを表し; R、RおよびRは、水素または未置換もしくは1〜4個のR基で置換
    された直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキルを表すか;あるいは RとRとが介在する原子とともに、1〜3個のO、S、−C(O)−また
    はNRによって中断されていても良い4〜6員の飽和環を表し;Rは上記で
    定義の通りであり;該環は未置換であるか1〜4個のR基で置換されており; 各Rは独立に、ハロゲン;−CN;−NO;フェニル;−NHSO ;−OR;−SR;−N(R;−N(R;−C(O)N(R ;−SON(R;ヘテロアリール;ヘテロアリーリウム;−CO ;−C(O)R;−OCOR;−NHCOR;グアニジニル;カル
    バミミドイル;またはウレイドを表し; 各Rは独立に、水素、直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル基、C3−7 のシクロアルキル基またはフェニルを表すか;あるいはR基が2個存在する場
    合、それらのR基が一体となって、1個もしくは2個のO、S、SO、−C
    (O)−、NHおよびNCHによって中断されていても良い4〜6員の飽和環
    を表すことができ; Qは、下記のものからなる群から選択され; 【化2】 aおよびbは1、2もしくは3であり; Lは医薬的に許容される対イオンであり; αはO、SまたはNRを表し; β、δ、λ、μおよびσはCR、NもしくはNを表し;ただし、上記
    で定義のLによって電荷の均衡を取っているNであるのはβ、δ、λ、
    μおよびσのうちの1個以下であり; 各Rは独立に、水素;未置換もしくは1〜4個のR基で置換されたフェニ
    ルまたは直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキルを表し; 各Rは独立に、水素;ハロゲン;フェニル;−CN;−NO;−NR ;−OR;−SR;−CONR;−COOR;−SOR;−S
    ;−SONR;−NRSO;−COR;−NR
    OR;−OCOR;−OCONR;−NRCO;−NR
    ONR;−OCO;未置換もしくは1〜4個のR基で置換された
    直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキルを表し; RおよびRは、水素または未置換であるか1〜4個のR基で置換された
    直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキルを表すか;または RとRとが介在する原子とともに、1以上のO、S、NRもしくは−C
    (O)−によって中断されていても良い4〜6員の飽和環を表し;該環は未置換
    であるか1〜4個のR基で置換されており; 各Rは独立に、水素;未置換であるか1〜4個のR基で置換されている直
    鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル;1〜4個のR基で置換されていても良
    いC3−6シクロアルキル;1〜4個のR基で置換されていても良いフェニル
    ;または1〜4個のR基で置換されていても良いヘテロアリールを表すか;ま
    たは RとRが介在する原子とともに、1個もしくは2個のO、S、SO、N
    HまたはNCHによって中断されていても良い5〜6員の飽和環を表し; Rは、水素または1個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐
    鎖のC1−8アルキルであり;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個のハロ
    ゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR、N (R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)R
    NRC(O)NRまたはフェニルもしくはヘテロアリールで置換されて
    おり;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基または1〜2個
    の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換であるか1
    〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良く; RおよびRは、水素;フェニル;未置換であるか1〜4個のR基で置換
    されており、O、S、NR、Nもしくは−C(O)−によって中断
    されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキルを表すか;または RおよびRが介在する原子とともに、O、S、SO、NR、Nもしくは−C(O)−によって中断されていても良い4〜6員の飽和環を表
    し;該環は未置換であるか1〜4個のR基で置換されており; RとRとが一体となって上記で定義の4〜6員環を表す場合には、R
    上記で定義の通りであるか、あるいはRは、一体となったRとRによって
    表されO、S、NRもしくは−C(O)−によって中断されていても良い環に
    融合した別の飽和4〜6員環を表し;それらの環は未置換であるか1〜4個のR 基で置換されている。] 【請求項2】 COMがカルボキシレートアニオンを表す請求項1に記載
    の化合物。 【請求項3】 1個のRが正電荷部分を有する基を表し、残りのR基が水素
    ならびに未置換もしくは1〜4個のR基で置換された直鎖もしくは分岐鎖のC 1−6 アルキルから選択される請求項1に記載の化合物。 【請求項4】 1個のRが正電荷部分を有する基であり、残りのR基が水素
    である請求項3に記載の化合物。 【請求項5】 前記R基が1〜3個の正電荷を有する請求項1に記載の化合
    物。 【請求項6】 前記R基が、カルボキシレートアニオンおよび負電荷の対イ
    オンによって電荷の均衡が保たれている2個の正電荷を有する請求項5に記載の
    化合物。 【請求項7】 1個のR基が、1〜4個のR基によって置換された直鎖も
    しくは分岐鎖のC1−6アルキル基であり、1個のR基がQを表す請求項1に
    記載の化合物。 【請求項8】 Qが下記のものからなる群から選択される、請求項1に記載
    の化合物。 【化3】 【請求項9】 Qが下記のものを表す、請求項8に記載の化合物。 【化4】 [式中、 L、aおよびbは最初に定義した通りであり;R、水素あるいは1個もし
    くは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(O)−
    によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルからなる
    群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個のハロ
    ゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR、N (R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)R
    NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロアリール基で置換さ
    れており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基または1〜
    2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換である
    か1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良く; R、RおよびRは最初に定義した通りである。] 【請求項10】 Qが−Nを表し、R、RおよびR
    最初に定義した通りである、請求項1に記載の化合物。 【請求項12】 COMがカルボキシレートアニオンを表し; ナフトスルタム骨格に結合した1個のR基が1以上の正電荷部分を有し、残り
    のR基が水素ならびに未置換であるか1〜4個のR基で置換された直鎖もしく
    は分岐鎖のC1−6アルキルから選択され; Rが最初に定義した通りであり; Rが、水素または直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル基を表し; Qが、下記のものからなる群から選択され; 【化5】 式中、Lは最初に定義した通りであり;aおよびbは2を表し;Rは水素
    あるいは1個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもし
    くは−C(O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8 アルキルからなる群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換である
    か1〜4個のハロゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO 、NR、N(R、−C(O)−R、C(O)NR
    SONR、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NR C(O)R、NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロア
    リール基で置換されており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個の
    基または1〜2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル
    基は未置換であるか1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良
    い、請求項1に記載の化合物。 【請求項13】 下記式Iaによって表される請求項1に記載の化合物また
    は該化合物の医薬的に許容される塩。 【化6】 [式中、 COMはカルボキシレートアニオンを表し; 1個のR基が正電荷部分を有し、他のR基が水素ならびに未置換であるか1〜
    4個のR基で置換された直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキルから選択され
    ; Rは最初に定義した通りであり; Qは、下記のものからなる群から選択され; 【化7】 式中、L、aおよびbは最初に定義した通りであり;Rは水素あるいは1
    個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(
    O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルか
    らなる群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個
    のハロゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR 、N(R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)
    、NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロアリール基で
    置換されており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基また
    は1〜2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換
    であるか1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良く; Rは、水素または直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル基を表し; Rは最初に定義した通りである。] 【請求項14】 下記式Ibによって表される請求項1に記載の化合物また
    は該化合物の医薬的に許容される塩。 【化8】 [式中、 COMはカルボキシレートアニオンを表し; 1個のR基が正電荷部分を有してナフトスルタム骨格に結合しており、他のR
    基が水素ならびに未置換であるか1〜4個のR基で置換された直鎖もしくは分
    岐鎖のC1−6アルキルから選択され; Rは最初に定義した通りであり; Qは、下記のものからなる群から選択され; 【化9】 式中、L、aおよびbは最初に定義した通りであり;Rは水素あるいは1
    個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(
    O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルか
    らなる群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個
    のハロゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR 、N(R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)
    、NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロアリール基で
    置換されており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基また
    は1〜2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換
    であるか1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良く; Rは、水素または直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル基を表し; Rは最初に定義した通りである。] 【請求項15】 下記式Icによって表される請求項1に記載の化合物また
    は該化合物の医薬的に許容される塩。 【化10】 [式中、 COMはカルボキシレートアニオンを表し; 1個のR基が正電荷部分を有してナフトスルタム骨格に結合しており、他のR
    基が水素、ハロゲンならびに未置換であるか1〜4個のR基で置換された直鎖
    もしくは分岐鎖のC1−6アルキルから選択され; Rは最初に定義した通りであり; Qは、下記のものからなる群から選択され; 【化11】 式中、L、aおよびbは最初に定義した通りであり;Rは水素あるいは1
    個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(
    O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルか
    らなる群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個
    のハロゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR 、N(R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)
    、NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロアリール基で
    置換されており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基また
    は1〜2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換
    であるか1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良く; Rは、水素または直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル基を表し; Rは最初に定義した通りである。] 【請求項16】 下記式Idによって表される請求項1に記載の化合物また
    は該化合物の医薬的に許容される塩。 【化12】 [式中、 COMはカルボキシレートアニオンを表し; 1個のR基が正電荷部分を有してナフトスルタム骨格に結合しており、他のR
    基が水素、ハロゲンならびに未置換であるか1〜4個のR基で置換された直鎖
    もしくは分岐鎖のC1−6アルキルから選択され; Rは最初に定義した通りであり; Qは、下記のものからなる群から選択され; 【化13】 式中、L、aおよびbは最初に定義した通りであり;Rは水素あるいは1
    個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(
    O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルか
    らなる群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個
    のハロゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR 、N(R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)
    、NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロアリール基で
    置換されており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基また
    は1〜2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換
    であるか1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良く; Rは、水素または直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキル基を表し; Rは最初に定義した通りである。] 【請求項17】 下記式Ieによって表される請求項1に記載の化合物また
    は該化合物の医薬的に許容される塩。 【化14】 [式中、 Rは、−R、Qおよび1個のR基によって置換された直鎖もしくは分岐鎖
    のC1−6アルキル鎖からなる群から選択される正電荷部分を有し; Rは−RまたはQから独立に選択され; Qは、下記のものからなる群から選択され; 【化15】 式中、L、aおよびbは最初に定義した通りであり;Rは水素あるいは1
    個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(
    O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルか
    らなる群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個
    のハロゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR 、N(R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)
    、NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロアリール基で
    置換されており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基また
    は1〜2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換
    であるか1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良い。] 【請求項18】 下記式Ifによって表される請求項1に記載の化合物また
    は該化合物の医薬的に許容される塩。 【化16】 [式中、 Rは、−R、Qおよび1個のR基によって置換された直鎖もしくは分岐鎖
    のC1−6アルキル鎖からなる群から選択される正電荷部分を有し; Rは−RまたはQから独立に選択され; Qは、下記のものからなる群から選択され; 【化17】 式中、L、aおよびbは最初に定義した通りであり;Rは水素あるいは1
    個もしくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(
    O)−によって中断されていても良い直鎖もしくは分岐鎖のC1−8アルキルか
    らなる群から選択される部分を表し;該アルキル鎖は、未置換であるか1〜4個
    のハロゲン、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR 、N(R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)
    、NRC(O)NRまたはフェニル基もしくはヘテロアリール基で
    置換されており;該フェニルもしくはヘテロアリールは、1〜4個のR基また
    は1〜2個の直鎖もしくは分岐鎖のC1−3アルキル基(該アルキル基は未置換
    であるか1〜4個のR基で置換されている)で置換されていても良い。] 【請求項19】 Rが 【化18】 を表し;R、a、bおよびLが最初に定義した通りである請求項17に記載
    の化合物。 【請求項20】 下記式Igによって表される請求項1に記載の化合物。 【化19】 [式中、 Rは 【化20】 を表し;R、a、bおよびLは最初に定義した通りである。] 【請求項21】 構造式によって表される請求項1に記載の化合物。 【請求項25】 医薬的に許容される担体との組み合わせで請求項1に記載
    の化合物を含む医薬組成物。 【請求項26】 請求項1に記載の化合物と医薬的に許容される担体とを組
    み合わせることで製造される医薬組成物。 【請求項27】 処置を必要とする哺乳動物患者での細菌感染の治療または
    予防方法であって、有効量の請求項1に記載の化合物を該患者に投与する段階を
    含む方法。
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