JP2002517394A - ベンゾチアゾリチオメチルカルバペネム抗菌剤 - Google Patents

ベンゾチアゾリチオメチルカルバペネム抗菌剤

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JP2002517394A
JP2002517394A JP2000552117A JP2000552117A JP2002517394A JP 2002517394 A JP2002517394 A JP 2002517394A JP 2000552117 A JP2000552117 A JP 2000552117A JP 2000552117 A JP2000552117 A JP 2000552117A JP 2002517394 A JP2002517394 A JP 2002517394A
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JP2000552117A
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デイニーノ,フランク・ピー
ダイクストラ,ケビン・デイー
ハモンド,ミルトン・エル
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    • C07D477/10Heterocyclic compounds containing 1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. carbapenicillins, thienamycins; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulphur-containing hetero ring with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, directly attached in position 4, and with a carbon atom having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. an ester or nitrile radical, directly attached in position 2
    • C07D477/12Heterocyclic compounds containing 1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. carbapenicillins, thienamycins; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulphur-containing hetero ring with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, directly attached in position 4, and with a carbon atom having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. an ester or nitrile radical, directly attached in position 2 with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, attached in position 6
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、カルバペネム核が6員環の炭素環に融合した三環式カルバペネム抗菌剤に関する。化合物は更に、少なくとも1つのカチオン基を含む種々の置換基によって置換されている。化合物は式(I): 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 本発明は、カルバペネム核の2位が−Z−CH−基を介して結合した2−メ
ルカプトベンゾチアゾール部分で置換されたカルバペネム抗菌剤に関する。Zは
trans−エテンジイル基、エチンジイル基を表すかまたは存在しない。メル
カプトベンゾチアゾール部分は少なくとも1つのカチオン基を含む種々の置換基
で更に置換される。
【0002】 本発明のカルバペネムは、グラム陽性微生物、特に、メシチリン耐性黄色ブド
ウ球菌Stapyhlococcus aureus(MRSA)、メシチリン
耐性表皮ブドウ球菌Stapyhlococcus epidermidis(
MRSE)及びメシチリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌Staphyloc
occi(MRCNS)に対して有効である。従って、本発明の抗菌性化合物は
、病原体の防除が難しいこれらの細菌を原因とする感染症を対象とする治療方法
に重要な役割を果たす。このような病原体(MRSA/MRCNS)に対して有
効であり同時に望ましくない副作用が比較的少ない薬剤に対する要望は益々大き
くなっている。
【0003】 (発明の概要) 本発明は、ヘテロ芳香族主体の側鎖を含む抗MRSAカルバペネム抗生物質に
関する。側鎖は、カルバペネム骨格にそれまでは付随しなかったMRS活性を与
える。
【0004】 本発明の化合物は式I:
【0005】
【化22】 によって表されるかまたは医薬として許容されるその塩である。
【0006】 式中、 Rは、Hまたはメチルを表し; COMは、カルボン酸、カルボキシレートアニオン、医薬として許容される
エステル基、または、保護基によって保護されたカルボン酸を表し; Pは、水素、ヒドロキシル、F、または、ヒドロキシル保護基によって保護さ
れたヒドロキシルを表し; Zは、trans−エテンジイル、エチンジイルを表すか、またはZが存在せ
ず; Rの各々は独立に:−R;−Q;水素;ハロ;−CN;−NO;−NR;−OR;−SR;−C(O)NR;−C(O)OR;−S(
O)R;−SO;−SONR;−NRSO;−C(O
)R;−OC(O)R;−OC(O)NR;−NRC(O)NR;−NRCO;−OCO;−NRC(O)R;未置換ま
たは1−4個のR基で置換された−C1−6の直鎖状若しくは分枝状アルキル
;及び、未置換または1−4個のR基で置換された−C3−7シクロアルキル
から選択され; R、R及びRの各々は独立に、水素、−R、未置換または1−4個の
基で置換された−C1−6の直鎖状または分枝状アルキル、または、未置換
または1−4個のR基で置換された−C3−7シクロアルキルを表すか; あるいは、RとRとが任意の介在原子と一緒に、1個または複数のO、S
、NR(Rは前記と同義)または−C(O)−によって任意に中断された4
−6員環の飽和環を表し、該環は未置換であるかまたは1−4個のR基によっ
て置換されており; あるいは、RとRとが任意の介在原子と一緒に、1−3個のO、S、NR (Rは前記と同義)または−C(O)−によって任意に中断された4−6員
環の飽和環を表し、該環は未置換であるかまたは1−4個のR基によって置換
されており; Rの各々は独立に、ハロ;−CN;−NO;−NR;−OR;−
SR;−CONR;−COOR;−SOR;−SO;−SO NR;−NRSO;−COR;−NRCOR;−OCO
;−OCONR;−NRCONR;−NRCO:−
OCO;−C(NR)NR;−NRC(NH)NR;−
NRC(NR)R;−Rまたは−Qを表し; R、R及びRは、水素;−R;未置換または1−4個のR基で置換
された−C1−6の直鎖状または分枝状アルキルを表し; あるいは、RとRとが任意の介在原子と一緒に、1−3個のO、S、−C
(O)−またはNR(Rは前記と同義)によって任意に中断された4−6員
環の飽和環を表し、該環は未置換であるかまたは1−4個のR基によって置換
されており; Rの各々は独立に、ハロ;−CN;−NO;フェニル;−NHSO ;−OR;−SR;−N(R;−N(R;−C(O)N(R ;−SON(R;ヘテロアリール;ヘテロアリリウム;−CO;−C(O)R;−OCOR;−NHCOR;グアニジニル;カルバ
ミミドイルまたはウレイドを表し; Rの各々は独立に、水素、−C1−6の直鎖状または分枝状アルキル基、−
−Cシクロアルキル基またはフェニルを表すか、あるいは、2個のR
が存在するときは、これらのR基が一緒に、1個または2個のO、S、SO 、−C(O)−、NH及びNCHによって任意に中断された4−6員環の飽和
環を表し; Qは:
【0007】
【化23】 から成るグループから選択され、ここに、 a及びbは1、2または3であり; Lは医薬として許容される対イオンであり; αはO、SまたはNRを表し; β、δ、λ、μ及びσはCR、NまたはNを表し、但し、β、δ、λ
、μ及びσの2つ以上がNを表すことはなく; Rは:
【0008】
【化24】 から成るグループから選択され、ここに、 dはO、SまたはNRを表し; e、g、x、y及びzは、CR、NまたはNを表し、但し、所与の任
意の構造中でe、g、x、y及びzの2つ以上がNを表すことはなく; Rは、水素;未置換または1−4個のR基で置換された−C1−6の直鎖
状または分枝状アルキル;または−(CHQを表し、ここに、n=1、2
または3であり、Qは前記と同義であり; Rの各々は独立に、水素;ハロ;−CN;−NO;−NR;−OR ;−SR;−CONR;−COOR;−SOR;−SO
−SONR;−NRSO;−COR;−NRCOR;−
OCOR;−OCONR;−NRCO;−NRCONR ;−OCO;−CNRNR;−NRCNHNR;−N
C(NR)R;未置換または1−4個のR基で置換された−C1−6 の直鎖状または分枝状アルキル;未置換または1−4個のR基で置換された−
3−7シクロアルキル;または−(CHQを表し、ここに、n及びQは
前記と同義であり; R及びRは、水素;フェニル;未置換または1−4個のR基で置換され
た−C1−6の直鎖状または分枝状アルキルを表し; Rの各々は独立に、水素;フェニル;未置換または1−4個のR基で置換
された−C1−6の直鎖状または分枝状アルキルを表し; Rの各々は独立に、水素;ハロ;フェニル;;−CN;−NO;−NR;−OR;−SR;−CONR;−COOR;−SOR;−
SO;−SONR;−NRSO;−COR;−NR COR;−OCOR;−OCONR;−NRCO;−NR CONR;−OCO;未置換または1−4個のR基で置換された
−C1−6の直鎖状または分枝状アルキルを表し; R及びRは、水素;未置換または1−4個のR基で置換された−C1− の直鎖状または分枝状アルキルを表すか; あるいは、RとRとが任意の介在原子と一緒に、1個または複数のO、S
、NRまたは−C(O)−によって任意に中断された4−6員環の飽和環を表
し、該環は未置換であるかまたは1−4個のR基によって置換されており; Rの各々は独立に、水素;未置換または1−4個のR基で置換された−C 1−6 の直鎖状または分枝状アルキル;未置換または1−4個のR基で任意に
置換されたC3−6シクロアルキル;未置換または1−4個のR基で任意に置
換されたフェニル;または未置換または1−4個のR基で任意に置換されたヘ
テロアリールを表すか; あるいは、RとRとが任意の介在原子と一緒に、1個または2個のO、S
、SO、NHまたはNCHによって任意に中断された5−6員環の飽和環を
表し; Rは、水素、または、1個または2個のO、S、SO、NR、Nまたは−C(O)−によって任意に中断されたC1−8の直鎖状または分枝
状アルキルを表し、この鎖は、未置換であるかまたは1−4個のハロ、CN、N
、OR、SR、SOR、SO、NR、N(R 、−C(O)−R、C(O)NR、SONR、CO
OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)R、NRC(O)
NR、フェニルまたはヘテロアリールで置換されており、該フェニルまた
はヘテロアリール基は1−4個のR基で任意に置換されているかまたは未置換
もしくは1−4個のR基で置換された1−2個のC1−3の直鎖状または分枝
状アルキル基で任意に置換されており; R及びRは、水素;フェニル;未置換または1−4個のR基で置換され
且つO、S、NR、Nまたは−C(O)−によって任意に中断され
た−C1−6の直鎖状または分枝状アルキルを表すか; あるいは、RとRとが任意の介在原子と共に未置換または1−4個のR 基で置換され且つO、S、SO、NR、Nまたは−C(O)−に
よって任意に中断された4−6員環の飽和環を表し; RとRとが一緒に上記に定義の4−6員環の環を表すときは、Rは前記
と同義であるか、または、Rが、互いに結合したRとRとによって表され
る環に融合した4−6員環の付加的な飽和環を表し、該環はO、S、NRまた
は−C(O)−によって任意に中断されており、該環は未置換であるかまたは1
−4個のR基で置換されている。
【0009】 医薬組成物及び治療方法も本発明に包含される。
【0010】 (詳細な説明) 異なる指定がない限り以下に定義の用語を使用して本発明を以下に詳細に説明
する。
【0011】 カルボキシレートアニオンは、負電荷をもつ基−COOを意味する。
【0012】 “アルキル”なる用語は、異なる定義がない限り、1−10個の炭素原子を含
む一価のアルカン(炭化水素)由来の基を意味する。これは直鎖状でも分枝状で
もまたは環状でもよい。好ましいアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、t−ブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。
置換されているとき、アルキル基は、結合可能な任意の点で上記に定義のR
びRから選択された4個以下の置換基によって置換され得る。アルキル基がア
ルキル基で置換されているというとき、この表現は、“分枝状アルキル基”なる
用語と互換的に使用される。
【0013】 シクロアルキルは、炭素原子間に交互的または共鳴的二重結合のない3−15
個の炭素原子を含むアルキルの1種を意味する。シクロアルキルは、融合した1
−4個の環を含み得る。
【0014】 “アルケニル”なる用語は、2−10個の炭素原子を含み、少なくとも1つの
炭素炭素二重結合を有する直鎖状、分枝状または環状の炭化水素基を意味する。
好ましいアルケニル基は、エテニル、プロペニル、ブテニル及びシクロヘキセニ
ルである。
【0015】 “アルキニル”なる用語は、2−10個の炭素原子を含み、少なくとも1つの
炭素炭素三重結合を有する直鎖状または分枝状の炭化水素基を意味する。好まし
いアルキニル基は、エチニル、プロピニル及びブチニルである。
【0016】 アリールは、フェニル、置換フェニルなどの芳香環、及び、ナフチル、フェナ
ントレニルなどの融合環を意味する。従ってアリール基は、少なくとも6個の原
子を有する少なくとも1つの環を含み、22個以下の原子を含む5個以下の環が
存在でき、隣合う炭素原子または適当なヘテロ原子間に交互的(共鳴的)二重結
合が存在する。好ましいアリール基は、フェニル、ナフチル及びフェナントレニ
ルである。アリール基もまた、定義されたように置換され得る。好ましい置換ア
リールはフェニル及びナフチルである。
【0017】 “ヘテロアリール”なる用語は、5個または6個の環原子を有する単環式芳香
族炭化水素基、または8−10個の原子を有する二環式芳香族基を意味し、少な
くとも1個のヘテロ原子O、SまたはNを含み、炭素原子または窒素原子が結合
点であり、1個または2個の追加の炭素原子がOまたはSから選択されたヘテロ
原子によって任意に置換され、1−3個の追加の炭素原子が窒素ヘテロ原子で任
意に置換される。このヘテロアリール基は、本文中に記載のような置換基で任意
に置換されている。このタイプの例は、ピロール、ピリジン、オキサゾール、チ
アゾール及びオキサジンである。追加の窒素原子は第一の窒素及び酸素またはイ
オウと共に存在し、例えばチアジアゾールを形成してもよい。実例を以下に示す
【0018】
【化25】
【0019】 ヘテロアリリウムは、第四級窒素原子を含み、従って正電荷を有しているヘテ
ロアリール基を意味する。実例を以下に示す:
【0020】
【化26】
【0021】 1個または複数の追加の窒素原子を含む環の特定窒素原子に電荷が示されてい
るとき、電荷共鳴の発生によって環の異なる窒素原子に電荷が存在し得ることが
理解されよう。
【0022】
【化27】 及び、
【0023】
【化28】
【0024】 “ヘテロシクロアルキル”なる用語は、環の炭素原子の1つがO、SまたはN
から選択されたヘテロ原子によって置換され、3個以下の追加の炭素原子がヘテ
ロ原子によって置換され得るシクロアルキル基(非芳香族)を意味する。
【0025】 “第四級窒素”及び“正電荷”なる用語は、4価の正電荷をもつ窒素原子を意
味しており、例えば、テトラアルキルアンモニウム基(例えばテトラエチルアン
モニウム)、ヘテロアリリウム(例えばN−メチル−ピリジニウム)中の正電荷
をもつ窒素、生理的pHでプロトン付加される塩基性窒素などがある。従って、
カチオン基は正電荷をもつ窒素含有基及び生理的pHでプロトン付加される塩基
性窒素を包含する。
【0026】 “ヘテロ原子”なる用語は、独立基準で選択されるO、SまたはNを意味する
【0027】 ハロゲン及び“ハロ”は、臭素、塩素、フッ素及びヨウ素を意味する。
【0028】 アルコキシは、C−Cアルキル−O−を意味し、アルキル基は本文中に定
義のように任意に置換されている。
【0029】 基が“置換されている”というとき、異なる指定がない限り、この表現は、基
が1−4個の置換基を含むことを意味する。R、R、R及びRに関しては
、アルキル基に使用できる置換基はRの定義から選択される。多くの選択可能
基は、4個以下のR基で任意に置換される。R、R及びRに関しては、
これらの選択可能基が置換アルキルを表すとき、使用できる置換基はRの定義
から選択される。
【0030】 官能基が“保護された”というとき、この表現は、保護された部位で望ましく
ない副反応を排除する修飾形態をもつ基を意味する。本発明の化合物に適当な保
護基は、当業者の知識レベルであればGreene,T.W.ら,Protec
tive Groups in Organic Synthesis Wil
ey,New York(1991)のような標準参考文献を参照して本出願か
ら知ることができよう。適当な保護基の実例は明細書中に記載されている。
【0031】 アルキル基がO、S、N、−C(O)−などのような1つまたは複数の部分に
よって“中断された”というとき、この表現は、1つまたは複数の該部分によっ
て終結されたアルキル基、及び、このような基の組合せによって中断もしくは終
結されたアルキル基を包含する。例えば、−C(O)O−、−OC(O)−、−
C(O)NR−及び同様の部分が包含される。1つまたは複数のこのような部
分によって終結されたアルキル基の実例を以下に挙げる:−O−C1−6アルキ
ル、−C1−6アルキル−O−、−C1−6アルキル−OC(O)−、−O−C 1−6 アルキル−S−などである。包含され得るその他の部分は本文全体記載か
ら明らかであろう。
【0032】 ある種の本発明のカルバペネム化合物では、Mが除去容易なカルボキシル保護
基であり、及び/または、Pがヒドロキシル保護基によって保護されたヒドロキ
シルを表す。このような慣用の保護基は、本文中に記載の合成手順中にヒドロキ
シル基またはカルボキシル基を保護的にブロックするために使用される既知の基
から成る。これらの慣用のブロッキング基は除去容易である、即ち、分子の残り
の部分の開裂またはその他の破壊を生じない処理によって必要に応じて除去でき
る。このような処理としては、化学的及び酵素的加水分解、穏和な条件下の化学
的還元剤または酸化剤による処理、遷移金属触媒による処理及び求核性接触水素
添加がある。
【0033】 カルボキシル保護基の実例は、アリル、ベンズヒドリル、2−ナフチルメチル
、ベンジル、シリル例えばt−ブチルジメチルシリル(TBS)、フェナシル、
p−メトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−メトキシフェニル、p−ニト
ロベンジル、4−ピリジルメチル及びt−ブチルである。
【0034】 適当なヒドロキシル保護基の実例は、トリエチルシリル(TES)、t−ブチ
ルジメチルシリル(TBS)、t−ブチルジフェニルシリル(DPTBS)、o
−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、ベ
ンジルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニ
ル、2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニルなどである。
【0035】 本発明のカルバペネム化合物はそれ自体でも医薬として許容される塩及びエス
テルの形態でも動物及びヒト患者の細菌感染症の治療に有効である。“医薬とし
て許容されるエステル、塩また水和物”という表現は、薬剤学者に明白な本発明
化合物の塩、エステル及び水和形態、即ち、実質的に無毒性で飲み易さ、吸収、
分布、代謝及び排泄のような化合物の薬物動力学的特性に有利な影響を与えるよ
うな塩、エステル及び水和形態を意味する。選択の際に同様に重要なもっと実際
的な性質の別の要因は、得られるバルク薬剤の原料コスト、結晶化容易性、収量
、安定性、溶解性、吸湿性及び流動性である。医薬として許容される担体と組合
せて有効成分から医薬組成物を調製できるのが好都合である。従って本発明はま
た、新規なカルバペネム化合物を有効成分として使用する医薬組成物及び細菌感
染症の治療方法に関する。
【0036】 3位でカルバペネム核に結合している−COMに関しては、これは、カルボ
ン酸基(MはHを表す)、カルボキシレートアニオン(Mは負電荷を表す)、医
薬として許容されるエステル(Mはエステル形成基を表す)、または、保護基に
よって保護されたカルボン酸基(Mはカルボキシル保護基を表す)を示す。上記
に言う医薬として許容される塩は、−COOMの形態を有することができ、Mは
ナトリウムまたはカリウムのようなアルカリ金属カチオンから成る対イオンによ
って平衡される負電荷である。医薬として許容される別の対イオンは、カルシウ
ム、マグネシウム、亜鉛、アンモニウム、または、アルキルアンモニウムカチオ
ン、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、コリン、
トリエチルヒドロアンモニウム、メグルミン、トリエタノールヒドロアンモニウ
ムなどである。
【0037】 上記に言う医薬として許容される塩はまた酸付加塩を含む。従って、式Iの化
合物は無機酸または有機酸から誘導された塩の形態で使用できる。このような塩
の例を以下に示す:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、
安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノ
ウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン
酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩
、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化
水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレ
イン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、
シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩
、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシ
アン酸塩、トシル酸塩及びウンデカン酸塩。
【0038】 医薬として許容されるエステルは医学者には自明のエステルであり、その例と
しては、米国特許第4,309,438号に記載のエステルがある。医薬として
許容されるこのようなエステルは、生理的条件下に加水分解されるエステル、例
えば、ピバロイルオキシメチル、アセトキシメチル、フタリジル、インダニル及
びメトキシメチル並びに米国特許第4,479,947号に詳細に記載された別
のエステルでよい。これらはまた“生体不安定エステル”と呼ばれる。
【0039】 生体不安定エステルは生物加水分解性であり、胃または腸の粘膜からの吸収が
よいこと、胃酸分解に抵抗性であること、及びその他の要因から経口投与に好適
である。生体不安定エステルの実例は、Mがアルコキシアルキル、アルキルカル
ボニルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキル、シクロアルコキ
シアルキル、アルケニルオキシアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシ
アリール、アルキルチオアルキル、シクロアルキルチオアルキル、アルケニルチ
オアルキル、アリールチオアルキルまたはアルキルチオアリール基を表す化合物
である。これらの基は、そのアルキル部分またはアリール部分でアシルまたはハ
ロ基によって置換され得る。以下のM種は生体不安定エステル形成部分の実例で
ある:アセトキシメチル、1−アセトキシエチル、1−アセトキシプロピル、ピ
バロイルオキシメチル、1−イソプロピルオキシカルボニルオキシエチル、1−
シクロヘキシルオキシカルボニルオキシエチル、フタリジル及び(2−オキソ−
5−メチル−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル。
【0040】 Lは適正な電荷平衡を維持するために必要に応じて存在してもよく存在しな
くてもよい。存在するとき、Lは医薬として許容される対イオンを表す。無機
酸または有機酸から誘導される大抵のアニオンが好適である。このような対イオ
ンの代表的な実例を以下に示す:酢酸塩、アジピン酸塩、アミノサリチル酸塩、
アンヒドロメチレンクエン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香
酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、臭化物、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノ
ウスルホン酸塩、塩化物、エストラート、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グ
ルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ
酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、パントテン酸塩、ペ
クチン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、
サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩及びトシラート
。その他の適当なアニオン種は平均的な知識をもつ化学者に自明であろう。
【0041】 同様に、Lが2つ以上の負電荷をもつ種、例えばマロン酸塩、酒石酸塩また
はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を表すとき、これらに対応して全体の電
荷平衡及び中性を維持するために適当なカルバペネム分子の数を見出すことがで
きる。
【0042】 フェノキシプラットフォームに結合したR基の少なくとも1つは正電荷部分を
任意に含み得る。従って、この基としては、−RもしくはQまたは正電荷基を
含む部分がある。
【0043】 式Iの化合物の重要なサブセットは、COMがカルボキシレートアニオンを
表す化合物に関する。従って、この場合のMは正電荷をもつR基のような正電荷
基によって平衡される負電荷を表す。同様に、正電荷をもつR基が2個以上の正
電荷を含む場合、負電荷をもつ対イオンが存在し、この対イオンはカルボキシレ
ートアニオンと共に総電荷を中性にする。
【0044】 式Iの化合物の別の重要なサブセットは、1個のRが正電荷部分を表し、残り
のR基が水素、未置換または1−4個のR基で置換されたC1−6の直鎖状も
しくは分子状アルキルから選択された化合物に関する。より特定的には、この重
要なサブセットは、1個のRが正電荷部分を含む基を表し、残りのR基が水素を
表す式Iaの化合物を包含する。
【0045】 1つまたは複数のR基に含まれている1つまたは複数の正電荷部分に関しては
、カルボキシレートアニオンと負電荷をもつ対イオンによって平衡される1−3
個の正電荷が存在するのが好ましく、1−2個の正電荷が存在するのが最も好ま
しい。
【0046】 化合物の別の重要なサブセットは、1個のRが1−4個のR基で置換された
−C1−6の直鎖状または分枝状アルキル基を表し、1つのR基が−R:ま
たはQを表す式Iの化合物である。従って、正電荷部分−RまたはQがアルキ
ル基に結合されている。
【0047】 重要な化合物の別のグループは、Qが、
【0048】
【化29】 から成るグループから選択される式Iの化合物である。
【0049】 より特定的には、重要な化合物のグループは、Qが、
【0050】
【化30】 を表す式Iの化合物である。
【0051】 化合物のこのサブセットにおいて、L、a及びbは前記と同義であり、R は前記と同様に、水素、または、1個もしくは2個のO、S、SO、SO、N
、Nまたは−C(O)−で任意に中断または終結されたC1−8 の直鎖状もしくは分枝状アルキルから成るグループから選択された構成要素を表
し、該鎖は未置換であるかまたは1−4個のハロ、CN、NO、OR、SR 、SOR、SO、NR、N(R、−C(O)−R 、C(O)NR、SONR、CO、OC(O)R、O
C(O)NR、NRC(O)R、NRC(O)NR、フェニ
ルまたはヘテロアリールで置換されており、該フェニル及びヘテロアリールは1
−4個のR基または1−2個のC1−3の直鎖状もしくは分枝状アルキル基で
任意に置換されており、該アルキル基は未置換であるかまたは1−4個のR
で置換されている。
【0052】 重要な化合物の別のグループは、Qが−Nを表し、R、R 及びRが前記と同義である式Iの化合物である。
【0053】 重要な化合物の別のグループは、1個のR基が存在し、この基が、
【0054】
【化31】 から選択され、ここに、dはNRを表し;Rは−C1−6の直鎖状または分
枝状アルキルを表し;e、g、x及びyはCRまたはNを表し、R
前記と同義であり、Rは水素を表す式Iの化合物である。
【0055】 重要な化合物の別のグループは、RがA−(CH−Qであり、ここに、
AはO、SまたはCHであり、nは0−3であり、Qは前記と同義である式I
の化合物である。
【0056】 重要な化合物の別のグループは、Zがtrans−CH=CHであり他の選択
要素が前記と同義である式Iの化合物である。
【0057】 重要な化合物の別のグループは、Zが−C≡C−であり他の選択要素が前記と
同義である式Iの化合物である。
【0058】 重要な化合物の別のグループは、Zが存在せず他の選択要素が前記と同義であ
る式Iの化合物である。
【0059】 特に重要な式Iの化合物の好ましいサブセットは、式Ia:
【0060】
【化32】 において、 Xは、
【0061】
【化33】 であり; Zは前記と同義であり; COMはカルボキシレートアニオンを表し; R基は1個の正電荷部分を含み; Rは前記と同義であり; Rは水素またはC1−6の直鎖状もしくは分枝状アルキル基を表し; Qは:
【0062】
【化34】 から成るグループから選択され、ここに、 L、a及びbは前記と同義であり、Rは、水素、または、1個もしくは2個
のO、S、SO、SO、NR、Nまたは−C(O)−で任意に中
断または終結されたC1−8の直鎖状もしくは分枝状アルキルから成るグループ
から選択された構成要素を表し、該鎖は未置換であるかまたは1−4個のハロ、
CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR、N(R 、−C(O)−R、C(O)NR、SONR、CO 、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)R、NR C(O)NR、フェニルまたはヘテロアリールで置換されており、該フェ
ニルまたはヘテロアリールは1−4個のR基または1−2個のC1−3の直鎖
状もしくは分枝状アルキル基で任意に置換されており、該アルキル基は未置換で
あるかまたは1−4個のR基で置換されており; Rは:
【0063】
【化35】 から選択され、ここに、dはNRを表し;Rは−C1−6の直鎖状または分
枝状アルキルを表し;e、g、x及びyはCRまたはNを表し、R
前記と同義であり、Rは水素を表す式Iの化合物に関する。
【0064】 このサブセット中の他の全部の選択要素は式Iの定義と同義である。
【0065】 式Iaの化合物の別の好ましいサブセットは、Xが4、6または8であり、R
が、−R、Q、A−(CH−Q及び1個のR基で置換されたC1−6 の直鎖状もしくは分枝状アルキル鎖から成るグループから選択された正電荷部分
を含み、ここに、 Aは前記と同義であり; Rは−RまたはQから独立に選択され; Qは:
【0066】
【化36】 から成るグループから選択され、ここに、 L、a及びbは前記と同義であり、Rは、水素、または、1個もしくは2個
のO、S、SO、SO、NR、Nまたは−C(O)−で任意に中
断されたC1−8の直鎖状もしくは分枝状アルキルから成るグループから選択さ
れた構成要素を表し、該鎖は未置換であるかまたは1−4個のハロ、CN、NO 、OR、SR、SOR、SO、NR、N(R 、−C(O)−R、C(O)NR、SONR、CO、O
C(O)R、OC(O)NR、NRC(O)R、NRC(O)N
、フェニルまたはヘテロアリールで置換されており、該フェニル及びヘ
テロアリール基は1−4個のR基または1−2個のC1−3の直鎖状もしくは
分枝状アルキル基で任意に置換されており、該アルキル基は未置換であるかまた
は1−4個のR基で置換されており; Rは:
【0067】
【化37】 から選択され、ここに、dはNRを表し;Rは−C1−6の直鎖状または分
枝状アルキルを表し;e、g、x及びyはCRまたはNを表し、R
前記と同義であり、Rは水素を表すときに得られる。
【0068】 式Iaのより好ましいサブセットは、Xが4であるときに得られる。
【0069】 式Iaの別の好ましいサブセットは、Xが3、7または9であり、少なくとも
1つのRが、−R、Q、A−(CH−Q、及び、1個のR基で置換さ
れたC1−6の直鎖状もしくは分枝状アルキル鎖から成るグループから選択され
た正電荷部分を含み、ここに、 Aは前記と同義であり; Rは−RまたはQから独立に選択され; Qは:
【0070】
【化38】 から成るグループから選択され、ここに、 L、a及びbは前記と同義であり、Rは、水素、または、1個もしくは2個
のO、S、SO、SO、NR、Nまたは−C(O)−で任意に中
断されたC1−8の直鎖状もしくは分枝状アルキルから成るグループから選択さ
れた構成要素を表し、該鎖は未置換であるかまたは1−4個のハロ、CN、NO 、OR、SR、SOR、SO、NR、N(R 、−C(O)−R、C(O)NR、SONR、CO、O
C(O)R、OC(O)NR、NRC(O)R、NRC(O)N
、フェニルまたはヘテロアリールで置換されており、該フェニル及びヘ
テロアリールは1−4個のR基または1−2個のC1−3の直鎖状もしくは分
枝状アルキル基で任意に置換されており、該アルキル基は未置換であるかまたは
1−4個のR基で置換されており; Rは:
【0071】
【化39】 から選択され、ここに、dはNRを表し;Rは−C1−6の直鎖状または分
枝状アルキルを表し;e、g、x及びyはCRまたはNを表し、R
前記と同義であり、Rは水素を表すときに得られる。
【0072】 本発明の化合物の別のより好ましいサブセットは、式Ib:
【0073】
【化40】 〔式中、Xは、
【0074】
【化41】 であり、 ここでRは、
【0075】
【化42】 を表し、Rx、a、b及びLは前記と同義である〕の化合物である。
【0076】 式Ibの化合物の別のより好ましいサブセットは、RがA−(CH−Q
を表し、ここに、AはO、SまたはCHであり、nは0−3であり、 Qは、
【0077】
【化43】 から成るグループから選択され、ここに、 L、a及びbは前記と同義であり、Rは、水素、または、1個もしくは2個
のO、S、SO、SO、NR、Nまたは−C(O)−で任意に中
断されたC1−8の直鎖状もしくは分枝状アルキルから成るグループから選択さ
れた構成要素を表し、該鎖は未置換であるかまたは1−4個のハロ、CN、NO 、OR、SR、SOR、SO、NR、N(R 、−C(O)−R、C(O)NR、SONR、CO、O
C(O)R、OC(O)NR、NRC(O)R、NRC(O)N
、フェニルまたはヘテロアリールで置換されており、該フェニル及びヘ
テロアリールは1−4個のR基または1−2個のC1−3の直鎖状もしくは分
枝状アルキル基で任意に置換されており、該アルキル基は未置換であるかまたは
1−4個のR基で置換されているときに得られる。
【0078】 このサブセットでは、その他のすべての可変部分は式Iに関して最初に定義さ
れたものと同義である。
【0079】 本発明化合物の代表例を以下に示す。適当なpH、例えばpH7で適宜プロト
ン付加されたプロトン付加アミン、または、式中のZがtrans−エテンジイ
ル、エチンジイルを表すかまたはZが存在しない化合物、あるいは医薬として許
容されるその塩も本発明に包含される。
【0080】
【化44】
【0081】 本発明の化合物は、以下の全体スキームで示される包括的な2種類の方法によ
って製造される。
【0082】 本発明の化合物はフローシートA、B、C及びDに示した手順で製造される。
ビニル結合カルバペネムを製造するためには、フローシートAに示すように、適
宜保護された活性2−トリフリル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレー
A1とヒドロキシアリルトリアルキルスタンナンとを反応させることによって A2 を生成させ、次いで縮合ビアリールをMitsunobu条件下で反応させ
ることによってA3を生成させる。存在する保護基を完全に除去すると所望の最
終ビニル系生成物A4が得られる。
【0083】
【化45】
【0084】 アセチル結合カルバペネムを製造するためには、フローシートBに示すように
、中間体A1と保護されたヒドロキシプロパルギルトリアルキルスタンナンとを
反応させることによってA5を生成させ、プロパルギルヒドロキシ基を脱保護す
ることによってA6を生成させ、次いでMitsunobu条件下でメルカプト
ベンゾチアゾール部分を反応させることによってA7を生成させる。存在する保
護基を完全に除去すると所望の最終アセチレン系生成物A8が得られる。
【0085】
【化46】
【0086】 メチレン結合カルバペネムを製造するためには、フローシートCに示すように
、中間体A9を2−メルカプベンゾチアゾール化合物とMitsunobu条件
下で反応させることによってA10を生成させる。存在する保護基を完全に除去
すると所望の最終生成物A11が得られる。
【0087】
【化47】
【0088】 フローシートは、前記に定義のような電荷をもつ基Qを有するメルカプトベ
ンゾチアゾリルカルバペネムの合成を示している。典型的にはフローシートA、
B及びCから得られた中間体A3A7及びA10は、Qの導入を可能にする上
記に定義のようなR基を有している。従って、一般形態の中間体A12を選択的
に脱保護してアルコールA13を生成させ、これを活性化して中間体A14に変
換しQで置換できるようにする。A14をQと反応させて第四級アンモニウム中
間体A15を形成する。保護基を完全に除去すると最終生成物A16が得られる
【0089】
【化48】
【0090】 上記のフローシートに関して、P、R、R及びMは式Iの化合物に関する定
義と同義であるが、Mは金属カチオン例えばNaでよい。Dykstraら
,Tet.Lett.,1998,39,pg.1865参照。
【0091】 P**はカルボキシル保護基を表す。
【0092】 本発明の化合物の多くは、MRSA/MRCNSに対して生物学的に活性であ
る。化合物のin vitro抗菌活性に基づいて、化合物感受性微生物に感染
した哺乳動物に化合物を投与したときの化合物のin vivo活性を予測でき
る。
【0093】 標準感受性試験を使用して本発明の化合物がMRSAに対して活性であること
を判定する。
【0094】 本発明の化合物は、化合物を医薬として許容される担体に組合せることによっ
て医薬組成物に製剤できる。このような担体の実例は後述する。
【0095】 化合物は粉末、結晶、溶液または懸濁液の形態で使用され得る。化合物は多様
な手段によって投与できる。有利な主要な投与手段は外用、経口及び注入(静脈
内または筋肉内)による非経口投与である。
【0096】 好ましい投与経路である注入用組成物は、一回量アンプルの形態または多回量
容器の形態で製造され得る。注入用組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁
液、溶液またはエマルジョンの形態でよく、種々の配合剤を含有し得る。あるい
は、有効成分が粉末(凍結乾燥または非凍結乾燥)形態であり、これを投与時点
で無菌水のような適当なビヒクルで復元してもよい。注入用組成物の担体は典型
的には無菌水、生理食塩水または別の注射用液体、例えば筋肉内注射用のラッカ
セイ油から成る。組成物はまた、種々の緩衝剤、防腐剤などを含有し得る。
【0097】 外用塗布する製剤を得るためには、疎水性または親水性基剤のような担体に入
れて軟膏、クリーム、ローションを形成するか、水性、油性、アルコール性液体
に入れてペイントを形成するか、または、無水希釈剤に入れて粉末を形成する。
【0098】 経口組成物は錠剤、カプセル剤、経口懸濁液及び経口溶液の形態にできる。経
口組成物には慣用の配合剤のような担体を使用でき、また、徐放性の組成物にし
たり即効性の投与形態にしたりできる。
【0099】 投与すべき薬用量は、治療中の患者の病状及び体格、投与の経路及び頻度、選
択された特定化合物に対する病原体の感受性、感染のビルレンス並びにその他の
要因に大きく左右させる。しかしながらこのような事項は抗菌分野で公知の治療
方針に従って医師の判断に任せるのが普通である。感染の種類及び治療中の個体
に特有の要因以外の正確な投与計画に影響を与える別の要因は化合物の分子量で
ある。
【0100】 液体または固体のいずれであっても一回量あたりでヒトに投与される組成物の
有効成分含量は約0.01%から約99%という多い量であり得る。好ましい範
囲は約10−60%である。組成物は概して約15mg−約2.5gの範囲の有
効成分を含有し得る。しかしながら一般には約250mg−1000mgの範囲
の薬用量を使用するのが好ましい。非経口投与の場合には、一回量剤形が典型的
には無菌水溶液の形態または可溶性粉末の形態の純粋化合物を含み、粉末から中
性pHに調節し得る等張性溶液を調製する。
【0101】 本文中に記載の発明はまた、細菌感染の治療を要する哺乳動物に式Iの化合物
を該感染の治療に有効な量で投与することから成る哺乳動物の細菌感染の治療方
法を包含する。
【0102】 式Iの抗菌化合物の好ましい投与方法は経口または非経口、例えば静脈内注入
、ボーラス(bolus)での静脈内注入及び筋肉内注入である。
【0103】 成人に対しては、体重1kgあたり約5−50mgの式Iの抗菌化合物を1−
4回/日で投与するのが好ましい。好ましい薬用量としては、250mg−10
00mgの抗菌剤を1−4回/日で投与する。より詳細には、軽い感染症には約
250mgの用量を2回または3回/日で投与するのが望ましい。極めて高い感
受性のグラム陽性菌による急性でない感染症には、約500mgの用量を3回ま
たは4回/日で投与するのが望ましい。上限の抗生物質感受性をもつ生物による
重篤な生命にかかわる感染症に対しては約1000−2000mgの用量を3−
4回/日で投与するのが望ましい。
【0104】 小児に対しては、体重1kgあたり約5−25mg/kgの用量を2、3また
は4回/日で投与するのが好ましい。典型的には10mg/kgの用量が望まし
い。
【0105】 式Iの化合物はカルバペネムとして知られた広いクラスの化合物である。多く
のカルバペネムはデヒドロペプチダーゼ(DHP)として知られた腎酵素による
攻撃に感受性である。この攻撃または分解はカルバペネム抗菌剤の薬効を低下さ
せるであろう。これに反して本発明の化合物の多くでは、このような攻撃に対す
る感受性が低下しており、従って、DHPインヒビターの使用が不要であろう。
しかしながら、このようなインヒビターの使用は任意であり、本発明の一部を成
すと考えられる。DHPインヒビター及びそれらのカルバペネムとの併用は文献
に開示されている〔例えば、1979年7月24日出願の欧州特許出願第791
02616.4号(特許第0007614号)及び1982年8月9日出願の第
82107174.3号(公開第0072014号)参照〕。
【0106】 DHP阻害が所望されるかまたは必要である場合、本発明の化合物を前出の特
許及び出願公開に記載されているような適当なDHPインヒビターと組合せるか
または併用するとよい。引用の欧州特許出願は本発明のカルバペネムのDHP感
受性を測定する手順を記載し、適当なインヒビター、組合せ組成物及び治療方法
を開示している。組合せ組成物中の式Iの化合物対DHPインヒビターの好まし
い重量比は約1:1である。
【0107】 好ましいDHPインヒビターは、7−(L−2−アミノ−2−カルボキシ−エ
チルチオ)−2−(2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘ
プテン酸またはその有用な塩である。
【0108】 以下の非限定実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
【0109】 製造実施例1 5−(2−ヒドロキシエチル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロベンゾチア
ゾール
【0110】
【化49】 段階1:5−カルボキシメチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロベンゾチア
ゾール 1NのNaOH水溶液(143mL,0.143mol)中の4−クロロ−3
−ニトロ−フェニル酢酸(25.0g,0.116mol)の溶液を、50℃で
(72.42g,0.301molのNaS.9HO,26.87g,0.
837molのS及び74mLのHOから)プレフォームしたポリスルフィド
溶液に添加した。油浴の温度を10分間で115℃まで次第に上昇させながら、
得られた混合物を機械的に撹拌した。この温度で混合物を2時間撹拌し、次いで
2時間で室温に放冷した。二硫化炭素(13.9mL,0.231mol)を添
加し、反応フラスコを50℃の油浴に配置した。この温度で反応混合物を18時
間撹拌し、次いで氷浴で冷却し、撹拌し、氷酢酸(50mL)を慎重に添加する
ことによって酸性化した。混合物を濾過し、フィルターケーキを水洗した。固体
を水中で炭酸ナトリウム(30.7g,0.29mol)と共に撹拌し、次いで
濾過してイオウを除去した。濾液を氷浴で冷却し、6NのHCl(100mL)
を添加することによってpH3.3まで徐々に酸性化した。沈殿物を収集し、氷
冷水(100mL)で洗浄し、真空下で乾燥すると、淡褐色固体(21.5g,
82%)が得られた。この粗生成物をエタノールから再結晶させると5−カルボ
キシメチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロベンゾチアゾールが淡褐色固体と
して得られた(14.2g)。
【0111】 H NMR(DMSO−d,500MHz)δ3.65(s,CH),
7.16(d,H−6),7.21(s,H−4)及び7.58(d,H−7)
13C NMR(DMSO−d,125.7MHz)δ40.3(CH
,113.2(C−4),121.4(C−7),125.7(C−6),12
7.6(C−7a),134.5(C−5),141.3(C−3a),172
.4(CO)及び190.1(C−2)。
【0112】 段階2:5−(2−ヒドロキシエチル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロベ
ンゾチアゾール 無水テトラヒドロフラン(150mL)中の5−カルボキシメチル−2−チオ
キソ−2,3−ジヒドロベンゾチアゾール(11.27g,0.050mol)
溶液を機械的に撹拌及び還流させながら、水素化アルミニウムリチウム溶液(6
5mLの1Mのテトラヒドロフラン溶液,0.065mol)を15分間で滴下
した。得られた混合物を還流しながら90分間撹拌し、次いで氷浴で冷却し、2
Nの塩酸(250mL)で慎重に処理した。得られた混合物を水(250mL)
で希釈し、酢酸エチル(250,250及び150mL)で3回抽出した。抽出
物を集めてブライン(2×200mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、
濾過し、真空下で約140mLの容量に濃縮した。この時点では固体がある程度
存在していた。混合物をエーテル(100mL)で希釈し濾過した。フィルター
ケーキをエーテルで洗浄し、真空下で乾燥すると、5−(2−ヒドロキシエチル
)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロベンゾチアゾール(8.58g)が淡い黄
褐色結晶として得られた。
【0113】 H NMR(DMSO−d,500MHz)δ2.76(t,ArC CHOH),3.59(t,ArCH OH),7.14(d,H−6
),7.15(s,H−4)及び7.55(d,H−7)。 13C NMR(DMSO−d,125.7MHz)δ38.7,61.9
,112.7,121.3,125.3,126.8,139.3,141.3
及び189.9。
【0114】 製造実施例2 5−アセチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロベンゾチアゾール
【0115】
【化50】 段階1:5−アセチル−2−クロロベンゾチアゾール 無水テトラヒドロフラン(13.8mL)中の2−クロロ−5−(クロロカル
ボニル)ベンゾチアゾール(321mg,1.38mmol,米国特許第3,6
54,296号に従って調製)と第二鉄アセチルアセトネート(14.7mg,
0.042mmol)との溶液を氷−メタノール浴(−20℃)で冷却し、窒素
雰囲気下で撹拌し、テトラヒドロフラン(1.38mL)中の1Mの塩化メチル
マグネシウムで5分間で滴下処理した。得られた混合物を−15℃で15分間撹
拌し、次いで室温で30分間撹拌した。混合物を2Nの塩酸(1.38mL)で
処理し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出物を5%炭酸水素ナトリウム
水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で蒸
発させると白色固体(299mg)が得られた。粗生成物をシリカゲルフラッシ
ュクロマトグラフィー(25g,ジクロロメタン溶液として充填しジクロロメタ
ン中の2%酢酸エチルで溶出)で精製すると、5−アセチル−2−クロロベンゾ
チアゾール(201mg)が白色固体として得られた。
【0116】 IR(KBr)1674,1599,1482,1419,1358,128
5,1256,1207,1091,1060,1020,897,818及び
650cm−1H NMR(CDCl,500MHz)δ2.68(s,CH),7.
86(d,H−7),8.04(dd,H−6)及び8.49(d,H−4)。 13C NMR(CDCl,125.7MHz)δ26.7,121.3,
123.2,124.9,136.0,140.8,150.9及び197.0
【0117】 段階2:5−アセチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロベンゾチアゾール 蓋付きフラスコ中で5−アセチル−2−クロロベンゾチアゾール(137mg
,0.65mmol)と亜硫酸水素カリウム(94mg,1.30mmol)と
エタノール(3.3mL)との混合物を80℃の油浴中で2時間撹拌した。混合
物を氷冷し、1Nの塩酸(1.35mL)で酸性化し、真空下で蒸発させた。残
渣を水(25mL)と酢酸エチル(50,25mL)とに分配した。有機抽出物
をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で蒸発させて
固体(133mg)とした。この材料をエーテルで研和し、乾燥すると、5−ア
セチル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロベンゾチアゾール(110mg)が淡
黄色固体として得られた。
【0118】 IR(KBr)1679,1570,1514,1451,1356,132
9,1266,1215,1089,1068,1035,876,824,7
30,674及び610cm−1H NMR(DMSO−d,500MHz)δ2.59(s,CH),
7.72(d,H−4),7.82(d,H−7)及び7.87(dd,H−6
)。 13C NMR(CDCl,125.7MHz)δ26.8,111.0,
122.0,124.2,134.7,135.6,141.5,190.6及
び196.9。
【0119】 製造実施例3
【0120】
【化51】 製造実施例2で得られた300.0mg(1.42mmol)のカルビノール
を8.0mlのふるい乾燥DMFに入れ0℃に冷却した撹拌溶液に、イミダゾー
ル(105mg,1.71mmol)及び純粋なクロロトリメチルシラン(0.
189ml,1.49mmol)を添加する。溶液を1時間撹拌し、酢酸エチル
で希釈し、氷水、0.50mlの2.0NのHCl水溶液及び飽和ブラインで洗
浄する。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮乾固す
る。シリカゲル平板層(plate layer)クロマトグラフィーによって
精製すると生成物が得られる。
【0121】 製造実施例4
【0122】
【化52】 市販のプロパルギルアルコール(5.0g,35.72mmol)を50ml
のふるい乾燥DMFに入れ0℃に冷却した撹拌溶液に、イミダゾール(668m
g,9.83mmol)及び純粋なクロロトリエチルシリルクロリド(16.2
ml,96.21mmol)を順次に添加した。冷却浴を除去して混合物を周囲
温度で10分間撹拌した。得られた溶液を酢酸エチルで希釈し、氷水、0.5M
の炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和ブラインで洗浄した。有機相を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮すると、無色油が得られた。分別蒸
留によって3.03g(51%)(b.p.57℃−61℃,3.7mm)の純
粋生成物が無色油として得られた。
【0123】 H NMR(CDCl)δ:0.65(q,6H),0.95(t,9H
),2.43(t,1H),4.35(dd,2H)。
【0124】 製造実施例5
【0125】
【化53】 製造実施例2で得られた生成物(3.03g,181.5mmol)を30m
lのTHFに入れて−78℃に冷却した撹拌溶液に、n−ブチルリチウム(8.
0ml,19.96mmol)を30分間で滴下した。反応混合物を−20℃に
加温して1時間撹拌した。次に、純粋なトリ−n−ブチルスズクロリド(5.8
9ml,21.78mmol)を30分間で滴下した。反応混合物を0℃に加温
して1時間撹拌した。得られた暗色溶液を酢酸エチルで希釈し、水−氷及び飽和
ブラインで洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で
濃縮すると褐色油が得られた。フラッシュクロマトグラフィーで200−400
メッシュのフロリジル(100:1のフロリジル:生成物,溶出剤:9:1のヘ
キサン:ジクロロメタン)によって精製すると、6.12g(74%)の生成物
が無色油として得られた。
【0126】 H NMR(CDCl)δ:0.64(q,6H),0.91(t,6H
),1.02(t,18H),1.31(m,6H),1.72(m,6H),
4.34(s,2H)。
【0127】 実施例1
【0128】
【化54】 2−イル−カルバペネムトリフラート1(200mg,0.329mmol)
と、Jung,M.E.;Light,L.A.Tetrahedron Le
tt.1982,23,3851に記載のごとく調製した(E)−trans:
(Z)−cisビニルスタンナンの2:1混合物(0.144ml,0.493
mmol)と、パラジウムジベンジリジンアセトンクロロホルム錯体(17mg
,0.0165mmol)と、トリス−トリフリルホスフィン(7.6mg,0
.0329mmol)とを混合し、混合物を周囲温度の4.0molのN−メチ
ルピロリジノンに溶解した。次に、1.0Mの塩化亜鉛のエーテル溶液(0.0
329ml,0.0329mmol)を溶液に添加し、混合物を6時間撹拌した
。混合物を酢酸エチルで希釈し、水−氷及び飽和ブラインで洗浄した。有機相を
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮すると、褐色油が得られた
。シリカゲル平板層クロマトグラフィー(4×1000ミクロン,溶出剤:1:
1の酢酸エチル:ヘキサン)で精製すると103mg(60%)の所望生成物が
無色油として得られた。
【0129】 H NMR(CDCl)δ:0.58(m,6H),0.94(t,9H
),1.22(d,3H),1.29(d,3H),3.23(dd,1H),
3.37(d,1H),4.19(dd,1H),4.21(m,1H),4.
32(dd,2H),5.26−5.48(q,2H),6.18(dd,1H
),7.27(d,1H),7.68(d,2H),8.22(d,2H)。
【0130】 実施例2
【0131】
【化55】 実施例1で得られたカルビノール(70mg,0.116mmol)を、市販
の2−メルカプトベンゾチアゾール(25mg,0.149mol)及びトリフ
ェニルホスフィン(39mg,0.149mmol)と共に、2.0mlの無水
THFに入れ、0℃に冷却した。純粋なジイソプロピルアゾジカルボキシレート
(0.029ml,0.140mmol)を添加し、混合物を20分間撹拌した
。得られた溶液を真空下で濃縮すると、橙色の油が得られた。シリカゲル平板層
クロマトグラフィー(1×1000ミクロン;溶出剤:4:1のヘキサン:酢酸
エチル)で精製すると、57mg(71%)の黄色油が得られた。
【0132】 H NMR(CDCl)δ:0.53(q,6H),0.88(t,9H
),1.16(d,3H),1.25(d,3H),3.19(dd,1H),
3.31(m,1H),4.13(m,4H),5.24−5.47(ABq,
2H),6.17(m,1H),7.28(t,1H),7.38(m,2H)
,7.65(d,2H),7.44(d,1H),7.77(d,1H),7.
86(d,1H),8.19(d,2H)。
【0133】 実施例3
【0134】
【化56】 実施例2で得られた170mg(0.213mmol)の生成物を2.0ml
の無水THFに入れて0℃に冷却した撹拌溶液に、酢酸(0.040ml,0.
708mmol)及びフッ化テトラブチルアンモニウム(0.354ml,0.
354mmol)の1.0MのTHF溶液を順次に添加した。混合物を1時間撹
拌し、酢酸エチルで希釈し、水−氷、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和ブ
ラインで洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃
縮すると、橙色の残渣が得られた。シリカゲル平板層クロマトグラフィーで精製
すると、生成物が得られた。
【0135】 H NMR(CDCl)δ:1.16(d,3H),1.32(d,3H
),3.22(dd,1H),3.36(m,1H),4.13(d,2H),
4.15(dd,1H),4.21(m,1H),5.21−5.48(ABq
,2H),6.22(m,1H),7.27(t,1H),7.30(m,2H
),7.63(d,2H),7.73(d,1H),7.75(d,1H),8
.19(d,2H)。
【0136】 実施例4
【0137】
【化57】 実施例3で得られた31mg(0.0562mmol)の生成物を1.5ml
のTHF−HOの2:1混合物に入れ0℃に冷却した撹拌溶液に、1.0Nの
炭酸水素ナトリウム水溶液(0.059ml,0.059mmol)及び5%の
Pt/C(3.1mg)触媒を添加した。冷却浴を除去し、反応混合物を水素バ
ルーン下で周囲温度で6時間激しく撹拌した。反応混合物をセライトで濾過し、
1:1の水:アセトニトリルで洗浄し、真空下で濃縮すると橙色残渣が得られた
。逆相シリカゲル平板層クロマトグラフィー(1×1000ミクロン,溶出剤:
3:1のHO:アセトニトリル)で精製すると、凍結乾燥後に9.3mg(3
7.8%)の所望生成物が白色固体として得られた。
【0138】 H NMR(2:1 DO:CDCN)δ:1.35(d,3H),1
.54(d,3H),3.54(dd,1H),3.60(m,1H),4.3
7(dd,1H),4.41(d,2H),4.45(m,1H),6.34(
m,1H),7.65(d,1H),7.71(t,1H),7.92(t,1
H),8.18(d,1H),8.24(d,1H)。
【0139】 実施例5
【0140】
【化58】 実施例1で得られたカルビノール(85mg,0.164mmol)を、製造
実施例2で得られた生成物(48mg,0.173mmol)及びトリフェニル
ホスフィン(45mg,0.173mmol)と共に、2.0mlの無水THF
に混合し、0℃に冷却する。純粋なジイソプロピルアゾジカルボキシレート(0
.034ml,0.173mmol)を添加し、混合物を20分間撹拌する。得
られた溶液を真空下で濃縮すると橙色残渣が得られる。シリカゲル平板層クロマ
トグラフィーで精製すると生成物が得られる。
【0141】 実施例6
【0142】
【化59】 実施例5で得られた95mg(0.121mmol)の生成物を2.0mlの
無水THFに入れて0℃に冷却した撹拌溶液に、酢酸(0.010ml,0.1
82mmol)及び1.0Mのフッ化テトラブチルアンモニウム(0.133m
l,0.133mmol)のTHF溶液を順次添加する。混合物を1時間撹拌し
、酢酸エチルで希釈し、水−氷、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和ブライ
ンで洗浄する。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮す
ると、橙色残渣が得られる。シリカゲル平板層クロマトグラフィーで精製すると
生成物が得られる。
【0143】 実施例7
【0144】
【化60】 実施例6で得られた75mg(0.106mmol)の生成物を1.0mlの
無水THFに入れて0℃に冷却した撹拌溶液に、純粋な2,6−ルチジン(0.
0130ml,0.111mmol)を添加し、溶液を5分間撹拌する。次に、
純粋なトリフリック無水物(0.019ml,0.116mmol)を添加し、
混合物を15分間撹拌する。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水−氷、0.0
50mlの2.0NのHCl水溶液及び飽和ブラインで洗浄する。有機相を無水
硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮すると生成物が得られる。この
生成物を精製しないで使用する。
【0145】 実施例8
【0146】
【化61】 実施例7で製造した75mg(0.0890mmol)の新しい生成物を1.
0mlのふるい乾燥アセトニトリルに入れた周囲温度の撹拌溶液に、4−カルバ
モイルメチル−1,4−ジアゾナイアビシクロ−{2.2.2}−オクチルトリ
フラート(28mg,0.0890mmol)を添加する。溶液を30分間撹拌
し、真空下で濃縮乾固し、1.0mlのアセトンに溶解する。溶液を8.0ml
のジエチルエーテルで希釈すると、乳白色懸濁液が得られるのでこれを遠心し乾
燥すると生成物が得られる。
【0147】 実施例9
【0148】
【化62】 実施例8で得られた60mg(0.0531mmol)の生成物をTHF−H Oの2:1混合物に入れて0℃に冷却した撹拌溶液に、1.0NのHCl水溶
液(0.0531ml,0.0531mmol)を添加する。冷却浴を除去し、
反応混合物を周囲温度で1.5時間撹拌する。混合物を0℃に冷却し、1.0N
の炭酸水素ナトリウム水溶液(0.0531ml,0.0531mmol)で中
和し、5%のPt/C(6.0mg)触媒を充填する。懸濁液を水素バルーン下
で周囲温度で30分間激しく撹拌する。混合物をセライトで濾過し、酢酸エチル
で洗浄し、真空下で濃縮乾固する。得られた残渣を2.0mlの脱イオン水に溶
解し、Macro prepイオン交換樹脂を充填したカラムに通して5%のブ
ライン水溶液で溶出する。引き続いて、得られた溶液をアンバークロムCG−1
61樹脂を使用して脱塩すると凍結乾燥後に生成物が得られる。
【0149】 実施例10
【0150】
【化63】 カルバペネム2−イル−トリフラート(100mg,0.164mmol)
及び製造実施例19で得られたプロパルギルスタンナン(112mg,0.24
6mmol)とを2mLの無水DMFに入れた0℃の撹拌溶液に、臭化リチウム
(28mg,0.328mmol)及びビス−アセトニトリルパラジウム(II
)クロリド(2.1mg,0.0082mmol)を添加した。反応混合物を1
時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、水−氷及び飽和ブラインで洗浄した。有機相
を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下に濃縮すると、橙色の油が得ら
れた。シリカゲル平板層クロマトグラフィー(2×1000ミクロン;溶出剤:
4:1のヘキサン酢酸エチル)で精製すると70mg(68%)の所望生成物が
淡黄色油として得られた。
【0151】 H NMR(CDCl)δ:0.59(m,12H),0.73(m,1
8H),1.24(d,3H),1.26(d,3H),3.18(m,1H)
,3.20(dd,1H),4.12(d,1H),4.25(dd,1H),
4.53(s,2H),5.28−5.49(q,2H),7.65(d,2H
),8.21(d,2H)。
【0152】 実施例11
【0153】
【化64】 実施例10で得られた77mg(0.122mmol)の生成物を1.0ml
の無水THFに入れた0℃の撹拌溶液に、酢酸(11ml,0.183mmol
)及び1.0Mのフッ化テトラ−ブチルアンモニウム(0.122ml,0.1
22mmol)のTHF溶液を順次添加した。混合物を1時間撹拌し、酢酸エチ
ルで希釈し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和ブラインで洗浄した。
有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮すると黄色固体が得ら
れた。シリカゲル平板層クロマトグラフィー(1×1000ミクロン;溶出剤:
1:1のヘキサン:酢酸エチル)で精製すると33mg(53%)の黄色結晶質
固体が得られた。
【0154】 H NMR(CDCl)δ:0.57(q,6H),0.90(t,9H
),1.22(t,6H),1.74(t,1H),3.16(m,1H),3
.23(dd,1H),4.23−4.32(m,2H),4.48(d,2H
),5.26−5.48(q,2H),7.64(d,2H),8.21(d,
2H)。
【0155】 実施例12
【0156】
【化65】 実施例5に記載の手順を使用し、実施例1で得られたカルビノール(66mg
,0.128mmol)を、2−メルカプトベンゾチアゾール(24mg,0.
141mmol)及びトリフェニルホスフィン(37mg,0.141mmol
)と共に、2.0mlの無水THFに入れて、純粋なジイソプロピルアゾジカル
ボキシレート(0.028ml,0.141mmol)で処理した。得られた溶
液を真空下で濃縮すると、橙色の油が得られた。シリカゲル平板層クロマトグラ
フィー(1×1000ミクロン;溶出剤:4:1のヘキサン:酢酸エチル)で精
製すると74mg(88%)の黄色固体が得られた。
【0157】 H NMR(CDCl)δ:0.56(q,6H),0.89(t,9H
),1.13(d,3H),1.21(d,3H),3.09(m,1H),3
.28(dd,1H),4.18(m,2H),4.43(s,2H),5.2
1−5.45(ABq,2H),7.28(t,1H),7.42(t,1H)
,7.56(d,2H),7.74(d,1H),7.85(d,1H),8.
19(d,2H)。
【0158】 実施例13
【0159】
【化66】 実施例12で得られた75mg(0.113mmol)の生成物を2.0ml
のTHF−HOの3:1混合物に入れて0℃に冷却した撹拌溶液に、1.0N
のHCl水溶液(0.0565ml,0.0567mmol)を添加した。混合
物を3時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、水−氷、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液及び飽和ブラインで洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し
、真空下に濃縮すると、橙色の残渣が得られた。シリカゲル平板層クロマトグラ
フィー(1×1000ミクロン;溶出剤;3:2の酢酸エチル:ヘキサン)で精
製すると42mg(68%)の所望生成物が黄褐色固体として得られた。
【0160】 H NMR(CDCl)δ:1.14(d,3H),1.29(d,3H
),3.14(m,1H),3.30(dd,1H),4.24(m,2H),
4.33(s,2H),5.20−5.42(ABq,2H),7.30(t,
1H),7.39(t,1H),7.56(d,2H),7.74(d,1H)
,7.54(d,1H),7.88(d,1H),8.15(d,2H)。
【0161】 実施例14
【0162】
【化67】 実施例3で得られた23mg(0.0419mmol)の生成物を1.5ml
のTHF−HO:EtOHの2:1:1混合物に入れて0℃に冷却した撹拌溶
液に、1.0Nの炭酸水素ナトリウム水溶液(0.046ml,0.046mm
ol)及び5%のPt/C(4.6mg)触媒を添加した。冷却浴を除去し、反
応混合物を水素バルーン下で周囲温度で45分間激しく撹拌した。反応混合物を
セライトで濾過し、1:1の水:アセトニトリルで洗浄し、真空下で濃縮すると
、橙色の残渣が得られた。逆相シリカゲル平板層クロマトグラフィー(1×10
00ミクロン,溶出剤;3:1のHO:アセトニトリル)で精製すると、凍結
乾燥後に6.9mg(37.8%)の所望生成物が白色固体として得られた。
【0163】 H NMR(2:1 DO:CDCN)δ:1.37(d,3H),1
.59(d,3H),3.40(m,1H),3.73(dd,1H),4.5
5(m,2H),4.73(d,2H),7.85(t,1H),7.87(t
,1H),7.95(t,1H),8.34(d,1H),8.39(d,1H
)。
【0164】 実施例15
【0165】
【化68】 実施例5に記載の手順を使用し、実施例1で得られたカルビノール(79mg
,0.153mmol)を、製造実施例2で得られた52mg(0.183mm
ol)の生成物及びトリフェニルホスフィン(48mg,0.183mmol)
と共に、2.0mlの無水THFに入れて0℃に冷却する。純粋なジイソプロピ
ルアゾジカルボキシレート(0.036ml,0.183mmol)を添加し、
混合物を20分間撹拌する。得られた溶液を真空下で濃縮し、残渣をシリカゲル
平板層クロマトグラフィーで精製すると生成物が得られる。
【0166】 実施例16
【0167】
【化69】 実施例13に記載の手順を使用し、実施例15で得られた59mg(0.07
5mmol)の生成物を1.5mlのTHF−HOの3:1混合物に入れて0
℃に冷却した撹拌溶液に、1.0NのHCl水溶液(0.0188ml,0.0
188mmol)を添加する。混合物を30分間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、
水−氷、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和ブラインで洗浄する。有機相を
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮すると、橙色の残渣が得ら
れる。シリカゲル平板層クロマトグラフィーで精製すると生成物が得られる。
【0168】 実施例17
【0169】
【化70】 実施例7に記載の手順を使用し、実施例6で得られた92mg(0.129m
mol)の生成物を1.0mlの無水THFに入れて−20℃に冷却した撹拌溶
液に、純粋な2,6−ルチジン(0.0160ml,0.136mmol)を添
加し、溶液を5分間撹拌する。次に純粋なトリフリック無水物(triflic
anhydride)(0.022ml,0.129mmol)を添加し、混
合物を15分間撹拌した。得られた生成物を精製しないで使用する。
【0170】 実施例18
【0171】
【化71】 実施例8に記載の手順を使用し、実施例17で得られた63mg(0.074
0mmol)の新しい生成物を1.0mlのふるい乾燥アセトニトリルに入れた
周囲温度の撹拌溶液に、4−カルバモイルメチル−1,4−ジアゾナイアビシク
ロ−{2.2.2}−オクチルトリフラート(24mg,0.0740mmol
を添加する。アセトン/エーテル溶液から沈殿させると生成物が得られる。
【0172】 実施例19
【0173】
【化72】 実施例9に記載の手順を使用し、54mg(0.0478mmol)の実施例
8で得られた生成物をTHF−HOの2:1混合物に入れて0℃に冷却した撹
拌溶液に、1.0NのHCl水溶液(0.0478ml,0.0478mmol
を添加する。混合物を5%のPt/C(4.7mg)を用いて水素化し、Mac
ro prepイオン交換樹脂で処理し、アンバークロムCG−161樹脂を使
用して脱塩すると、凍結乾燥後に生成物が得られる。
【0174】 実施例20
【0175】
【化73】 2−メルカプトベンゾチアゾール(0.0299g,0.179mmol)と
ビス−アリル保護カルビノール(0.0593g,0.162mmol)とトリ
フェニルホスフィン(0.0511g,0.195mmol)との混合物を1m
Lの無水蒸留THFに入れた0℃、N雰囲気下の撹拌溶液に、純粋なジイソプ
ロピルアゾジカルボキシレート(0.0384mL,0.195mmol)を添
加した。反応混合物を15分間撹拌し、真空下で濃縮した。残渣を平板層クロマ
トグラフィーでCHCl−EtOAc(50:1)で溶出させることによっ
て精製すると、結合生成物(0.0795g,収率95%)が得られた。
【0176】 IR(CHCl):1781,1747,1720cm−1H NMR(CDCl)δ:1.25(d,3H),1.44(d,3H
),3.34(m,1H),3.42(dd,1H),4.15(dd,1H)
,4.22(d,1H),5.0(d,1H),7.31−7.86(m,4H
); UV:λmax(ジオキサン)322,294,285nm. 実施例21
【0177】
【化74】 前実施例で製造したカルバペネム(0.0693g,0.135mmol)を
1:1のCHCl/EtOAc(4mL)に入れた溶液に、N下で2−エ
チルヘキサン酸(0.01mL,0.074mmol)と、0.5Mの2−エチ
ル−ヘキサン酸ナトリウム(0.020mL,0.148mmol)の溶液と、
トリフェニルホスフィン(0.0212g,0.081mmol)と、Pd(P
Ph(0.0311g,0.027mmol)とを添加した。反応混合物
を周囲温度で15分間撹拌し、次いで0℃で更に60分間撹拌した。EtOを
添加して生成物を溶液から沈降させた。得られた混合物を遠心し、上清を廃棄し
た。生成物を追加のEtOで研和し、真空下で乾燥した。未精製の材料を逆相
平板層クロマトグラフィーで4:1のHO−CHCHによって精製した。4
:1のCH3CN−H2Oによって所望の生成物をシリカゲルから溶出させた。
凍結乾燥すると最終化合物(0.0106g,収率19%)が得られた。
【0178】 H NMR(5:1 DO/CDCN)δ:1.28(d,3H),1
.37(d,3H),3.48(m,1H),3.51(dd,1H),4.0
9(d,1H),4.22(dd,1H),4.31(m,1H),5.18(
d,1H),7.55−8.11(m,4H); UV:λmax(水)300sh,282nm。
【0179】 実施例22
【0180】
【化75】 実施例20で概説した手順を使用し、68.7mg(0.188mmol)の
カルバペネムカルビノールと67.3mg(0.207mmol)の製造実施例
1のトリエチルシリル保護誘導体とを1mLの無水THFに入れて0℃で5分間
維持すると、精製後に上記の式で示されるカルバペネムアダクトが得られた。
【0181】 H NMR(CDCl)δ:1.25(d,3H),1.44(d,3H
),2.95(t,2H),3.34(m,1H),3.41(dd,1H),
3.85(t,2H),4.15(dd,1H),4.24(d,1H),5.
0(d,1H),7.12−7.69(m,3H)。
【0182】 実施例23
【0183】
【化76】 125.7mg(0.187mmol)の前実施例で製造したカルバペネム誘
導体を2mLのTHFに入れた0℃の撹拌溶液に、21.8μL(0.374m
mol)の氷酢酸、206μLの1Mのフッ化テトラブチルアンモニウムのTH
F溶液を順次添加した。混合物を更に30分間撹拌し、次いで酢酸エチル/氷/
飽和炭酸水素ナトリウム溶液に分配し、有機相を分離し、ブラインで洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣をPLC〔one de
velopmentCHCl−EtOAc(4:1)〕によって精製すると
、78.9mgのアルコールが得られた。
【0184】 IR(CHCl):3611,1781,1748,1719cm−1H NMR(CDCl)δ:1.23(d,3H),1.41(d,3H
),2.97(t,2H),3.32(m,1H),3.39(dd,1H),
3.9(t,2H),4.13(dd,1H),4.19(d,1H),4.9
7(d,1H),7.17−7.69(m,3H)。 UV:λmax(ジオキサン)311,295nm。
【0185】 実施例24
【0186】
【化77】 前実施例で製造した76.2mg(0.137mmol)のカルバペネム誘導
体と27.2μL(0.341mmol)のN−メチル−イミダゾールとを1m
LのCHClに入れた氷−塩水浴温度の撹拌溶液に、28.7μL(0.1
71mmol)の純粋なトリフリック無水物を添加した。混合物を更に1時間撹
拌し、次いでメチレンクロリドと水とに分配した。有機相を分離し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させ、真空下で乾燥すると、100mgの残渣
が得られた。ジエチルエーテルの添加によってメチレンクロリド中で生成物を沈
殿させ、真空下で乾燥すると66.9mg(64%)が得られた。
【0187】 H NMR(CDCl)δ:1.22(d,3H),1.40(d,3H
),3.29(m,2H),3.32(m,1H),3.42(dd,1H),
3.88(s,3H),4.04(d,1H),4.16(dd,1H),5.
01(d,1H),7.04−9.09(m,6H)。
【0188】 実施例25
【0189】
【化78】 実施例21に概説した手順を使用して、前実施例で製造した66.9(0.0
867mmol)のカルバペネム誘導体を2mLの1:1のCHCl/Et
OAcに入れ、逆相平板層クロマトグラフィーで3:1のHO−CHCNに
よって処理し精製すると、15.1mg(35%)の上記式のカルバペネム生成
物が得られた。
【0190】 IR(nujol):1752,1590cm−1H NMR(5:1 DO/CDCN)δ:1.28(d,3H),1
.37(d,3H),3.43(t,2H),3.47(m,1H),3.51
(dd,1H),3.89(s,3H),4.06(d,1H),4.22(d
d,1H),4.32(m,1H),4.65(t,2H),5.19(d,1
H),7.31−8.59(m,6H)。 UV:λmax(水)305sh,282nm。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CN,CU,CZ,EE, GD,GE,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KG,KR,KZ,LC,LK,LR,LT,LV ,MD,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL, RO,RU,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,T R,TT,UA,US,UZ,VN,YU,ZA (72)発明者 ダイクストラ,ケビン・デイー アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 ハモンド,ミルトン・エル アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 Fターム(参考) 4C050 KA04 KB05 KB13 KB16 4C086 AA03 CC08 GA13 MA01 MA02 MA04 MA05 NA14 ZB35 ZC61

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I: 【化1】 〔式中、 Rは、Hまたはメチルを表し; COMは、カルボン酸、カルボキシレートアニオン、医薬として許容される
    エステル基、または、保護基によって保護されたカルボン酸を表し; Pは、水素、ヒドロキシル、F、または、ヒドロキシル保護基によって保護さ
    れたヒドロキシルを表し; Zは、trans−エテンジイル、エチンジイルを表すか、またはZが存在せ
    ず; Rの各々は独立に:−R;−Q;水素;ハロ;−CN;−NO;−NR;−OR;−SR;−C(O)NR;−C(O)OR;−S(
    O)R;−SO;−SONR;−NRSO;−C(O
    )R;−OC(O)R;−OC(O)NR;−NRC(O)NR;−NRCO;−OCO;−NRC(O)R;未置換ま
    たは1−4個のR基で置換された−C1−6の直鎖状または分枝状アルキル;
    及び、未置換または1−4個のR基で置換された−C3−7シクロアルキルか
    ら選択され; R、R及びRの各々は独立に、水素、−R、未置換または1−4個の
    基で置換された−C1−6直鎖状または分枝状アルキル、または、未置換ま
    たは1−4個のR基で置換された−C3−7シクロアルキルを表すか; あるいは、RとRとが任意の介在原子と一緒に、1個または複数のO、S
    、NR(Rは前記と同義)または−C(O)−によって任意に中断された4
    −6員環の飽和環を表し、前記環は未置換であるかまたは1−4個のR基によ
    って置換されているか; あるいは、RとRとが任意の介在原子と一緒に、1−3個のO、S、NR (Rは前記と同義)または−C(O)−によって任意に中断された4−6員
    環の飽和環を表し、前記環は未置換であるかまたは1−4個のR基によって置
    換されており; Rの各々は独立に、ハロ;−CN;−NO;−NR;−OR;−
    SR;−CONR;−COOR;−SOR;−SO;−SO NR;−NRSO;−COR;−NRCOR;−OCO
    ;−OCONR;−NRCONR;−NRCO;−
    OCO;−C(NR)NR;−NRC(NH)NR;−
    NRC(NR)R;−Rまたは−Qを表し; R、R及びRは、水素;−R;未置換または1−4個のR基で置換
    された−C1−6の直鎖状または分枝状アルキルを表すか; あるいは、RとRとが任意の介在原子と一緒に、1−3個のO、S、−C
    (O)−またはNR(Rは前記と同義)によって任意に中断された4−6員
    環の飽和環を表し、前記環は未置換であるかまたは1−4個のR基によって置
    換されており; Rの各々は独立に、ハロ;−CN;−NO;フェニル;−NHSO ;−OR;−SR;−N(R;−N(R;−C(O)N(R ;−SON(R;ヘテロアリール;ヘテロアリリウム;−CO;−C(O)R;−OCOR;−NHCOR;グアニジニル;カルバ
    ミミドイルまたはウレイドを表し; Rの各々は独立に、水素、−C1−6の直鎖状または分枝状アルキル基、−
    −Cシクロアルキル基またはフェニルを表すか、あるいは、2個のR
    が存在するときは、これらのR基が一緒に、1個または2個のO、S、SO 、−C(O)−、NH及びNCHによって任意に中断された4−6員環の飽和
    環を表し; Qは: 【化2】 から成るグループから選択され、ここに、 a及びbは1、2または3であり; Lは医薬として許容される対イオンであり; αはO、SまたはNRを表し; β、δ、λ、μ及びσはCR、NまたはNを表し、但し、β、δ、λ
    、μ及びσの2つ以上がNを表すことはなく; Rは: 【化3】 から成るグループから選択され、ここに、 dはO、SまたはNRを表し; e、g、x、y及びzは、CR、NまたはNを表し、但し、所与の任
    意の構造中でe、g、x、y及びzの2つ以上がNを表すことはなく; Rは、水素;未置換または1−4個のR基で置換された−C1−6の直鎖
    状または分枝状アルキル;または−(CHQを表し、ここに、n=1、2
    または3、Qは前記と同義であり; Rの各々は独立に、水素;ハロ;−CN;−NO;−NR;−OR ;−SR;−CONR;−COOR;−SOR;−SO
    −SONR;−NRSO;−COR;−NRCOR;−
    OCOR;−OCONR;−NRCO;−NRCONR ;−OCO;−CNRNR;−NRCNHNR;−N
    C(NR)R;未置換または1−4個のR基で置換された−C1−6 の直鎖状または分枝状アルキル;未置換または1−4個のR基で置換された−
    3−7シクロアルキル;または−(CHQを表し、ここに、n及びQは
    前記と同義であり; R及びRは、水素;フェニル;未置換または1−4個のR基で置換され
    た−C1−6の直鎖状または分枝状アルキルを表し; Rの各々は独立に、水素;フェニル;未置換または1−4個のR基で置換
    された−C1−6の直鎖状または分枝状アルキルを表し; Rの各々は独立に、水素;ハロ;フェニル;;−CN;−NO;−NR;−OR;−SR;−CONR;−COOR;−SOR;−
    SO;−SONR;−NRSO;−COR;−NR COR;−OCOR;−OCONR;−NRCO;−NR CONR;−OCO;未置換または1−4個のR基で置換された
    −C1−6の直鎖状または分枝状アルキルを表し; R及びRは、水素;未置換または1−4個のR基で置換された−C1− の直鎖状または分枝状アルキルを表すか; あるいは、RとRとが任意の介在原子と一緒に、1個または複数のO、S
    、NRまたは−C(O)−によって任意に中断された4−6員環の飽和環を表
    し、前記環は未置換であるかまたは1−4個のR基によって置換されており; Rの各々は独立に、水素;未置換または1−4個のR基で置換された−C 1−6 の直鎖状または分枝状アルキル;未置換または1−4個のR基で任意に
    置換されたC3−6シクロアルキル;1−4個のR基で任意に置換されたフェ
    ニル;または1−4個のR基で任意に置換されたヘテロアリールを表すか; あるいは、RとRとが任意の介在原子と一緒に、1個または2個のO、S
    、SO、NHまたはNCHによって任意に中断された5−6員環の飽和環を
    表し; Rは、水素、または、1個または2個のO、S、SO、NR、Nまたは−C(O)−によって任意に中断されたC1−8の直鎖状または分枝
    状アルキルを表し、この鎖は、未置換であるかまたは1−4個のハロ、CN、N
    、OR、SR、SOR、SO、NR、N(R 、−C(O)−R、C(O)NR、SONR、CO
    OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)R、NRC(O)
    NR、フェニルまたはヘテロアリールで置換されており、この基は1−4
    個のR基で任意に置換されているかまたは未置換もしくは1−4個のR基で
    置換された1−2個のC1−3の直鎖状または分枝状アルキル基で任意に置換さ
    れており; R及びRは、水素;フェニル;未置換または1−4個のR基で置換され
    且つO、S、NR、Nまたは−C(O)−によって任意に中断され
    た−C1−6の直鎖状または分枝状アルキルを表すか; あるいは、RとRとが任意の介在原子と一緒に、未置換または1−4個の
    基で置換され且つO、S、SO、NR、Nまたは−C(O)
    −によって任意に中断された4−6員環の飽和環を表し; RとRとが一緒に前記に定義の4−6員環の環を表すときは、Rは前記
    と同義であるか、または、Rが、互いに結合したRとRとによって表され
    る環に融合した4−6員環の付加的な飽和環を表し、前記環はO、S、NR
    たは−C(O)−によって任意に中断されており、前記環は未置換であるかまた
    は1−4個のR基で置換されている〕で示される化合物または医薬として許容
    されるその塩。
  2. 【請求項2】 COMがカルボキシレートアニオンを表すことを特徴とす
    る請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 1個のRが正電荷部分を含む基を表し、残りのR基が、水素
    、及び、未置換または1−4個のR基で置換されたC1−6の直鎖状または分
    枝状アルキルから選択されることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 1個のRが正電荷部分を含む基を表し、残りのR基が水素を
    表すことを特徴とする請求項3に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 R基が1−3個の正電荷を含むことを特徴とする請求項1に
    記載の化合物。
  6. 【請求項6】 R基が、カルボキシレートアニオン及び負電荷をもつ対イオ
    ンによって平衡された1−2個の正電荷を含むことを特徴とする請求項5に記載
    の化合物。
  7. 【請求項7】 1個のR基が、1−4個のR基によって置換された−C −6 の直鎖状または分枝状アルキル基を表し、1個のR基が、−RまたはQ
    を表すことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  8. 【請求項8】 Qが、 【化4】 から成るグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  9. 【請求項9】 Qが、 【化5】 〔式中、L、a及びbは前記と同義、Rは、水素、または、1個もしくは2
    個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(O)−で任意
    に中断もしくは終結されたC1−8の直鎖状もしくは分枝状アルキルから成るグ
    ループから選択された構成要素を表し、前記鎖は未置換であるかまたは1−4個
    のハロ、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR
    (R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)R 、NRC(O)NR、フェニルまたはヘテロアリールで置換されており
    、前記フェニル及びヘテロアリールは1−4個のR基または1−2個のC1−
    3の直鎖状もしくは分枝状アルキル基で任意に置換されており、前記アルキル基
    は未置換であるかまたは1−4個のR基で置換されており; R、R及びRは前記と同義である〕を表すことを特徴とする請求項8に
    記載の化合物。
  10. 【請求項10】 Qが−Nを表し、R、R及びRが前
    記と同義であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  11. 【請求項11】 1個のR基が存在し、この基は、 【化6】 〔式中、dはNRを表し;Rは−C1−6の直鎖状または分枝状アルキルを
    表し;e、g、x及びyはCRまたはNを表し、ここに、Rは前記と
    同義であり、Rは水素を表す〕から選択されることを特徴とする請求項1に記
    載の化合物。
  12. 【請求項12】 COMがカルボキシレートアニオンを表し; 2−メルカプトベンゾチアゾールプラットフォームに結合した1個のR基は少
    なくとも1個の正電荷部分を含み、残りのR基は、水素、及び、未置換もしくは
    1−4個のR基で置換されたC1−6の直鎖状もしくは分枝状アルキルから選
    択され、Rは前記と同義であり; Rは水素またはC1−6の直鎖状もしくは分枝状アルキル基を表し; Qは: 【化7】 から成るグループから選択され、ここに、 Lは前記と同義であり、a及びbは2を表し、Rは、水素、または、1個も
    しくは2個のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(O)
    −で任意に中断もしくは終結されたC1−8の直鎖状もしくは分枝状アルキルか
    ら成るグループから選択された構成要素を表し、前記鎖は未置換であるかまたは
    1−4個のハロ、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR 、N(R、−C(O)−R、C(O)NR、SO NR、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(
    O)R、NRC(O)NR、フェニルまたはヘテロアリールで置換さ
    れており、前記フェニル及びヘテロアリールは1−4個のR基または1−2個
    のC1−3の直鎖状もしくは分枝状アルキル基で任意に置換されており、前記ア
    ルキル基は未置換であるかまたは1−4個のR基で置換されており; Rは: 【化8】 から選択され、ここに、dはNRを表し;Rは−C1−6の直鎖状または分
    枝状アルキルを表し;e、g、x及びyはCRまたはNを表し、R
    前記と同義であり、Rは水素を表すことを特徴とする請求項1に記載の化合物
  13. 【請求項13】 RがA−(CH−Qであり、Aは、O、SまたはC
    であり、nは0−3であり、Qは前記と同義であることを特徴とする請求項
    1に記載の化合物。
  14. 【請求項14】 Zがtrans−CH=CHであることを特徴とする請求
    項1に記載の化合物。
  15. 【請求項15】 Zが−C≡C−であることを特徴とする請求項1に記載の
    化合物。
  16. 【請求項16】 Zが存在しないことを特徴とする請求項1に記載の化合物
  17. 【請求項17】 式Ia: 【化9】 〔式中、 Xは、 【化10】 であり; Zは前記と同義であり; COMはカルボキシレートアニオンを表し; R基は1個の正電荷部分を含み; Rは前記と同義であり; Rは水素またはC1−6の直鎖状もしくは分枝状アルキル基を表し; Qは: 【化11】 から成るグループから選択され、ここに、 L、a及びbは前記と同義であり、Rは、水素、または、1個もしくは2個
    のO、S、SO、SO、NR、Nもしくは−C(O)−で任意に
    中断もしくは終結されたC1−8の直鎖状もしくは分枝状アルキルから成るグル
    ープから選択される構成要素を表し、前記鎖は未置換であるかまたは1−4個の
    ハロ、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR、N (R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR 、CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)R
    NRC(O)NR、フェニルまたはヘテロアリールで置換されており、
    前記フェニルまたはヘテロアリール基は1−4個のR基または1−2個のC −3 の直鎖状もしくは分枝状アルキル基で任意に置換されており、前記アルキル
    基は未置換であるかまたは1−4個のR基で置換されており; Rは: 【化12】 から選択され、ここに、dはNRを表し;Rは−C1−6の直鎖状または分
    枝状アルキルを表し;e、g、x及びyはCRまたはNを表し、R
    前記と同義であり、Rは水素を表す〕で示されることを特徴とする請求項1に
    記載の化合物。
  18. 【請求項18】 Xが4、6または8であり、Rが、−R、Q、A−(C
    −Q及び1個のR基で置換されたC1−6の直鎖状もしくは分枝状ア
    ルキル鎖から成るグループから選択された正電荷部分を含み、ここに、Aは前記
    と同義であり; Rは−RまたはQから独立に選択され; Qは: 【化13】 から成るグループから選択され、ここに、 L、a及びbは前記と同義であり、Rは、水素、または、1個もしくは2個
    のO、S、SO、SO、NR、Nまたは−C(O)−で任意に中
    断もしくは終結されたC1−8の直鎖状もしくは分枝状アルキルから成るグルー
    プから選択された構成要素を表し、前記鎖は未置換であるかまたは1−4個のハ
    ロ、CN、NO、OR、SR、SOR、SO、NR、N (R、−C(O)−R、C(O)NR、SONR
    CO、OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)R、N
    C(O)NR、フェニルまたはヘテロアリールで置換されており、前
    記フェニル及びヘテロアリール基は1−4個のR基または1−2個のC1−3 の直鎖状もしくは分枝状アルキル基で任意に置換されており、前記アルキル基は
    未置換であるかまたは1−4個のR基で置換されており; Rは: 【化14】 から選択され、ここに、dはNRを表し;Rは−C1−6の直鎖状または分
    枝状アルキルを表し;e、g、x及びyはCRまたはNを表し、R
    前記と同義であり、Rは水素を表すことを特徴とする請求項17に記載の化合
    物。
  19. 【請求項19】 Xが4であることを特徴とする請求項17に記載の化合物
  20. 【請求項20】 Xが3、7または9であり、少なくとも1つのRが、−R 、Q、A−(CH−Q及び1個のR基で置換されたC1−6の直鎖状
    もしくは分枝状アルキル鎖から成るグループから選択された正電荷部分を含み、
    ここに、Aは前記と同義であり、Rは−RまたはQから独立に選択され; Qは: 【化15】 から成るグループから選択され、ここに、 L、a及びbは前記と同義であり、Rは、水素、または、1個もしくは2個
    のO、S、SO、SO、NR、Nまたは−C(O)−で任意に中
    断されたC1−8の直鎖状もしくは分枝状アルキルから成るグループから選択さ
    れた構成要素を表し、前記鎖は未置換であるかまたは1−4個のハロ、CN、N
    、OR、SR、SOR、SO、NR、N(R 、−C(O)−R、C(O)NR、SONR、CO
    OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)R、NRC(O)
    NR、フェニルまたはヘテロアリールで置換されており、前記フェニル及
    びヘテロアリール基は1−4個のR基または1−2個のC1−3の直鎖状もし
    くは分枝状アルキル基で任意に置換されており、前記アルキル基は未置換である
    かまたは1−4個のR基で置換されており; Rは: 【化16】 から選択され、ここに、dはNRを表し;Rは−C1−6の直鎖状または分
    枝状アルキルを表し;e、g、x及びyはCRまたはNを表し、R
    前記と同義であり、Rは水素を表すことを特徴とする請求項1に記載の化合物
  21. 【請求項21】 式Ib: 【化17】 〔式中、 Xは、 【化18】 であり; Rは、 【化19】 を表し、R、a、b及びLは前記と同義である〕で表されることを特徴とす
    る請求項1に記載の化合物。
  22. 【請求項22】 RがA−(CH−Qを表し、ここに、AはO、Sま
    たはCHであり、nが0−3であり、 Qが、 【化20】 から成るグループから選択され、ここに、 L、a及びbは前記と同義であり、Rは、水素、または、1個もしくは2個
    のO、S、SO、SO、NR、Nまたは−C(O)−で任意に中
    断されたC1−8の直鎖状もしくは分枝状アルキルから成るグループから選択さ
    れた構成要素を表し、前記鎖は未置換であるかまたは1−4個のハロ、CN、N
    、OR、SR、SOR、SO、NR、N(R 、−C(O)−R、C(O)NR、SONR、CO
    OC(O)R、OC(O)NR、NRC(O)R、NRC(O)
    NR、フェニルまたはヘテロアリールで置換されており、前記フェニル及
    びヘテロアリール基は1−4個のR基または1−2個のC1−3の直鎖状もし
    くは分枝状アルキル基で任意に置換されており、前記アルキル基は未置換である
    かまたは1−4個のR基で置換されていることを特徴とする請求項21に記載
    の化合物。
  23. 【請求項23】 式 【化21】 で表され、式中のZがtrans−エテンジイル、エチンジイルを表すかまたは
    Zが存在しない化合物または医薬として許容されるその塩。
  24. 【請求項24】 医薬として許容される担体に組合せた請求項1に記載の化
    合物から成る医薬組成物。
  25. 【請求項25】 請求項1に記載の化合物を医薬として許容される担体と組
    合せることによって製造された医薬組成物。
  26. 【請求項26】 必要に応じて有効量の請求項1に記載の化合物を患者に投
    与することから成る哺乳類患者の細菌感染の治療または予防方法。
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